JP5997084B2 - イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤を含有する新規インク組成物 - Google Patents
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Description
R1は、
(i)炭素原子を1〜12個、約1〜8個、または1〜5個含むアルキレン、
(ii)炭素原子を1〜15個、3〜10個、または5〜8個含むアリーレン、
(iii)炭素原子を6〜32個、6〜22個、または6〜12個含むアリールアルキレン、または
(iv)炭素原子を5〜32個、6〜22個、または7〜15個含むアルキルアリーレンであり、
置換アルキレン、置換アリーレン、置換アリールアルキレンおよび置換アルキルアリーレンの置換基は、ハロゲン、シアノ、ピリジン、ピリジニウム、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボニル、チオカルボニル、スルフィド、ニトロ、ニトロソ、アシル、アゾ、ウレタン、尿素、これらの化合物であってもよく、2個以上の置換基を合わせて環を形成していてもよく、
R2は、
(i)炭素原子を1〜54個、1〜48個、または1〜36個含むアルキレン、
(ii)炭素原子を5〜15個、5〜13個、または5〜10個含むアリーレン、
(iii)炭素原子を6〜32個、7〜33個、または8〜15個含むアリールアルキレン、または
(iv)炭素原子を6〜32個、6〜22個、または7〜15個含むアルキルアリーレン
であり、
任意の置換アルキレン、置換アリーレン、置換アリールアルキレンおよび置換アルキルアリーレンの置換基は、ハロゲン、シアノ、ピリジン、ピリジニウム、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボニル、チオカルボニル、ホスフィン、ホスホニウム、ホスフェート、ニトリル、メルカプトスルフィド、ニトロ、ニトロソ、アシル、酸無水物、アジド、アゾ、シアナト、ウレタン、尿素、これらの混合物などであってもよく、2個以上の置換基を合わせて環を形成していてもよい。
いくつかの実施形態では、本実施形態のインク(または硬化性インク)は、図1に記載するような末端がイソソルビドである(「末端保護された」)アミドゲル化剤を含有する。
本実施形態のインクは、硬化性ワックス、モノマー、ゲル化剤、任意要素の着色剤、遊離ラジカル光開始剤、場合により5重量%までの非硬化性樹脂、例えば、粘度調整剤のブレンドを含んでいてもよい。硬化性ワックス、モノマー、硬化性ワックス、任意要素の着色剤、遊離ラジカル光開始剤は、40℃未満、40℃未満〜30℃未満で固体材料であり、においはほとんどないか、全くない。これらの成分は、70〜100℃、または80〜100℃、または70〜90℃の範囲の温度で吐出するように選択された。したがって、これらの固体インクは、高温でしっかりと吐出し、これらの温度での粘度は、5〜15cP、または10〜15cP、または8〜12cPであり、室温で固体であり、印刷した液滴が多孔性基材に過剰に広がったり、または移動したりするのを防ぐ。印刷後、組成物が硬化し、強固な画像が得られる。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、さらに、モノマー(例えば、米国特許第7,559,639号に記載されるようなモノマー)を場合により含んでいてもよい。モノマーは、ジメタノールジアクリレートシクロヘキサン二官能モノマー;イソシアヌレートトリアクリレート三官能モノマー;ベヘニルアクリレート一官能モノマーのC18、C20、C22混合物;アクリレート硬化性一官能アクリレートワックスのC22、C23、C24混合物(mp=78〜83℃)、および硬化性アミドゲル化剤であってもよい。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、場合により、開始剤(例えば、光開始剤)をさらに含んでいてもよい。このような開始剤は、インクを硬化するのを補助するのに望ましい。いくつかの実施形態では、放射線(例えば、UV光線)を吸収し、インクの硬化性成分の硬化を開始させる光開始剤を用いてもよい。遊離ラジカル重合によって硬化するインク組成物のための光開始剤として、例えば、アクリレート基またはポリアミドで構成されるインクを含むインク組成物は、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アルコキシアルキルフェノン、商品名IRGACUREおよびDAROCURでCibaから販売されるα−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィン光開始剤のような光開始剤で作られていてもよい。適切な光開始剤の具体的な例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN TPOとして入手可能);2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN TPO−Lとして入手可能);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド(Ciba IRGACURE 819として入手可能)および他のアシルホスフィン;2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(Ciba IRGACURE 907)および1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE 2959);2−ベンジル 2−ジメチルアミノ 1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(Ciba IRGACURE 369);2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル)−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE 127として入手可能);2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−ブタノン(Ciba IRGACURE 379として入手可能);チタノセン;イソプロピルチオキサントン;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン;ベンゾフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾフェノン;4−メチルベンゾフェノン;ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド;2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン;ベンジル−ジメチルケタール、およびこれらの混合物が挙げられる。また、光開始剤に水素原子を供与し、ラジカル種を生成して重合を開始させる補助開始剤として記載されるアミン共力剤、例えば、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートを挙げることもできる。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、着色剤をインク媒剤中に溶解または分散させることができ、他のインク成分と相溶性であるものであれば、場合により、染料、顔料、これらの混合物を含め、着色剤を含んでいてもよい。顔料は、硬化性転相インク組成物を含んでいてもよい。多くの染料の色は、硬化段階中に起こる重合プロセスによって変わることがあり、これはおそらく、これらの分子構造が遊離ラジカルによって攻撃されるからであろう。組成物を、従来のインク着色剤材料、例えば、Color Index(C.I.)Solvent Dye、Disperse Dye、改質したAcid DyeおよびDirect Dye、Basic Dye、Sulphur Dye、Vat Dyeと組み合わせて使用することができる。
具体的な実施形態では、本明細書で開示するインク媒剤は、任意の適切な硬化性モノマーまたはプレポリマーを含んでいてもよい。硬化性モノマーまたはプレポリマーと、硬化性ワックスとを合わせ、インクの50重量%より多い量、少なくとも70重量%、または少なくとも約80重量%を形成していてもよい。適切な物質の例としては、ラジカル硬化性モノマー化合物、例えば、アクリレートモノマー化合物およびメタクリレートモノマー化合物が挙げられ、これらは、転相インク担体として用いるのに適している。比較的極性のないアクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーの例としては、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸ブチルなど、およびこれらの混合物および組み合わせが挙げられる。それに加えて、多官能アクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーも、反応性希釈剤として、また、硬化した画像の架橋密度を高めることが可能な材料として転相インク担体中に含まれてもよく、それによって、硬化した画像の靭性を高めてもよい。適切な多官能アクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーとしては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,2−エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカノールジアクリレート、1,12−ドデカノールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート(SartomerからSR 9003として)、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アミンで改質されたポリエーテルアクリレート(BASFからPO 83 F、LR 8869、および/またはLR 8889)、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SartomerからSR 494として)、およびこれらの混合物が挙げられる。反応性希釈剤をインク担体材料に加える場合、反応性希釈剤は、担体の約1重量%〜約80重量%、または35重量%〜70重量%の量で加えられる。
いくつかの実施形態では、文字をジェット印刷するために硬化性固体インクを用いる方法が提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、中間基板の上に硬化性固体インクを吐出させ、中間画像を作成することと、この中間画像を基板に転写し、転写された画像を作成することと、この転写された画像に、180ナノメートル〜500ナノメートルnmの範囲の波長を有する放射線をあて、硬化性固体インクを硬化させることとを含む。いくつかの実施形態では、吐出工程は、70℃よりも高い温度で、または70℃〜約100℃で行われる。
イソソルビドを含有するアミドゲル化剤は、従来のゲル化剤、例えば、末端がアルコールで保護されたものに替わる低コストの生体再生可能な内容物を与える。さらに、本実施形態のイソソルビドを含有するアミドゲル化剤は、芳香族末端保護基を含むものと匹敵する転相性を有する非芳香族の末端を保護したゲル化剤である。
y=m1+m2・(1−exp(−m3・x))
初期硬度=m1
初期傾き=m2・m3
最終的な硬度=m1+m2
式中、初期傾きは、初期の硬化速度とされる。本実施形態のインクは、約130〜約250ft/s、180〜250ft/s、または200〜250ft/sの硬化速度を示す。UV硬化ランプで使用される球の種類に応じて、硬化に使用される特徴的な出力は、200nm〜450nmであってもよい。
オーバーヘッドスターラーおよびPTFEブレードを備えた1Lの丸底フラスコに、有機アミドPPAGel−int−5(66.11g、51.4mmol)を加えた後、500mLのジクロロメタン溶媒を加えた。有機アミドがすべて溶解するまで、混合物を2時間撹拌した。次いで、この反応フラスコにDMAP(ジメチルアミノピリジン、Aldrich)(0.942g、7.71mmol)を加え、次いでDCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、Aldrich)(22.28g、108mmol)を加えた。混合物を15分間撹拌し、透明から濁った状態になった。最後に、イソソルビド(Iowa Corn Board)(15.41g、105mmol)を加え、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。次の日に、DCHU副生成物を濾過によって除去し、ジクロロメタン溶媒を減圧下で除去し、泡状の固体ゲルを得た。生成物を500mLのジクロロメタンに再び溶解し、冷蔵庫に48時間放置し、任意の残留するDCHUおよびDMAP残渣が沈殿した。48時間後、この冷却したジクロロメタン溶液を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、77gのイソソルビドで保護されたゲル化剤を琥珀色のゲルとして得た。上の工程にしたがって、以下の化合物を製造し、
オーバーヘッドミキサーを取り付けた5ガロンのステンレス反応器に、7.5kgの42.4% AGel−int−8のトルエン溶液(3.18kgの有機アミド、酸価=87.5、2.48mol)を含む溶液、次いで3.82kgのトルエンを加えた。次いで、66gのDMAP(ジメチルアミノピリジン、0.54mol)を加え、反応器にN2をパージした。次に、1.05kgのDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド、Aldrich corporation、5.09mol、2.05eq.)および0.47kgのトルエンの混合物を供給速度約50g/分でポンプで圧送した。DCC/トルエンの添加が終わったら、スラリーを15分間混合した。最後に、684gのフェニルグリコール(Aldrich、4.95mol、2eq.)を加え、混合物を4時間混合した。反応器を45℃まで加熱し、1kgのトルエンを加え、加熱しながら反応混合物をバッグフィルターで濾過した。濾過した後、DCHU副生成物を含む濾過ケーキを捨て、濾駅を再び反応器に入れ、室温で一晩放置した。次の日に、濾液を105℃で減圧蒸留してトルエン溶媒を除去し、溶融したゲル化剤生成物の濃縮物をスチール製のバケツに入れ、冷却して固化させた。標準的なゲル化剤の酸価は、0.68であった。
イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤を、(以下の実施例2Aの表に記載した総体比率を用いて、)以下の手順にしたがってUV硬化性ゲルインクに配合した。90℃に加熱した150mLのビーカーに、SR833Sモノマー(Sartomer Chemical Corp.製のトリシクロデカンジオールジアクリレート)、SR399LV(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、Sartomer Chemical Co.製)、Irgacure 379、819および127(光開始剤、BASF Corp.製)、Irgastab UV10(缶に入った安定剤、BASF corp.製)を加えた。混合物を撹拌しつつ、固体成分が溶解するまで加熱した。次に、イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤およびUnilin 350アクリレートを加え、内容物が完全に溶解するまで、混合物を加熱しつつ約1時間撹拌した。基材を濾過し、次いで、SR9003中のシアン顔料分散物の濃縮物を加え、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、2回目の濾過をした。
Claims (9)
- 硬化性ワックスと、
1種類以上のアクリレートモノマーと、
末端がイソソルビドで保護され、イソソルビドにより末端がエステル保護されたポリアミド樹脂である、アミドゲル化剤と、
光開始剤とを含む、硬化性固体インク。 - 前記硬化性ワックスが、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.1〜30重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- 前記1種類以上のモノマーが、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の50〜95重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- 前記アミドゲル化剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の1〜30重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- さらに着色剤を含み、該着色剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.1〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- 前記光開始剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.5〜15重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- 非硬化性ワックス成分であるエトキシル化オクチルフェノール誘導体をさらに含む、請求項1に記載の硬化性固体インク。
- 前記アミドゲル化剤が、以下の式
の化合物であり、
式中、nは1〜10であり、R1が、
(i)炭素原子を1〜12個含むアルキレン基、
(ii)炭素原子を6〜15個含むアリーレン基、
(iii)炭素原子を7〜32個含むアリールアルキレン基、および
(iv)炭素原子を7〜32個含むアルキルアリーレン基
からなる群から選択され、
R2が、
(i)炭素原子を1〜54個含むアルキレン基、
(ii)炭素原子を6〜15個含むアリーレン基、
(iii)炭素原子を7〜32個含むアリールアルキレン基、および
(iv)炭素原子を7〜32個含むアルキルアリーレン基
からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性固体インク。 - R1またはR2の前記アルキレン基は、直鎖および分枝鎖、飽和および不飽和、環状および非環状を含む二価の脂肪族基またはアルキル基であり、前記アルキレン基は、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項8に記載の硬化性固体インク。
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