JP5997084B2 - イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤を含有する新規インク組成物 - Google Patents

イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤を含有する新規インク組成物 Download PDF

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Description

本開示は、室温で固体であり、高温で液体のインク組成物に関する。これらの固体インク組成物は、末端基を有するアミドゲル化剤を含む。
本明細書には、イソソルビドで末端が保護され、末端が硬化性エステルのポリアミド化合物、およびこれらを含有するインク組成物が開示されている。
いくつかの実施形態では、以下の式の化合物
を含み、式中、nは0〜10であり、Rが、(i)炭素原子を1〜12個含む置換または非置換のアルキレン、(ii)炭素原子を1〜15個含む置換または非置換のアリーレン、(iii)炭素原子を6〜32個含む置換または非置換のアリールアルキレン、および(iv)炭素原子を5〜32個含む置換または非置換のアルキルアリーレンからなる群から選択され、Rが、(i)炭素原子を1〜54個含む置換または非置換のアルキレン、(ii)炭素原子を5〜15個含む置換または非置換のアリーレン、(iii)炭素原子を6〜32個含む置換または非置換のアリールアルキレン、および(iv)炭素原子を6〜32個含む置換または非置換のアルキルアリーレンからなる群から選択される、インクが提供される。
いくつかの実施形態では、RまたはRのアルキレンは、直鎖および分枝鎖、飽和および不飽和、環状および非環状を含む二価の脂肪族基またはアルキルである。アルキレンは、場合により、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含む。
いくつかの実施形態では、RまたはRのアリーレンは、二価の芳香族基またはアリール基である。アルキレンは、場合により、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、RまたはRのアリールアルキレンは、二価のアリールアルキル基である。アリールアルキレンのアルキル部分は、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、環状または非環状であってもよい。アリールアルキレンのアリール部分またはアルキル部分のいずれかのアルキレンは、場合により、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、アルキルアリーレン基RまたはRは、二価のアルキルアリール基である。アルキルアリーレンのアルキル部分は、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、環状または非環状であってもよい。アルキルアリーレンのアリール部分またはアルキル部分のいずれかのアルキルアリーレンは、場合により、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、RまたはRの置換アルキレン、置換アリーレン、置換アリールアルキレンおよび置換アルキルアリーレンの置換基は、ハロゲン、シアノ、ピリジン、ピリジニウム、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボニル、チオカルボニル、ホスフィン、ホスホニウム、ホスフェート、ニトリル、メルカプトスルフィド、ニトロ、ニトロソ、アシル、酸無水物、アジド、アゾ、シアネート基、ウレタンおよび尿素からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、アミドゲル化剤化合物のRは、
である。
いくつかの実施形態では、以下の式の化合物
を含み、式中、nが0〜10である、インクが提供される。
いくつかの実施形態では、硬化性固体インクが提供され、ここで、このインクは、硬化性ワックスと、1種類以上のモノマーと、末端がイソソルビドで保護された、末端がエステルのポリアミド樹脂であるアミドゲル化剤と、任意要素の着色剤と、光開始剤とを含む。硬化性ワックスは、硬化性固体インク中に、硬化性固体インクの合計重量の0.1〜30重量%の量で存在していてもよい。1種類以上のモノマーは、硬化性固体インク中に、硬化性固体インクの合計重量の約50〜約95重量%の量で存在していてもよい。アミドゲル化剤は、硬化性固体インク中に、硬化性固体インクの合計重量の1〜30重量%の量で存在していてもよい。任意要素の着色剤は、硬化性固体インク中に、硬化性固体インクの合計重量の0.1〜10重量%の量で存在していてもよい。光開始剤は、硬化性固体インク中に、硬化性固体インクの合計重量の0.5〜15重量%の量で存在していてもよい。
いくつかの実施形態では、硬化性固体インクは、非硬化性成分、例えば、エトキシル化オクチルフェノール誘導体をさらに含む。
いくつかの実施形態では、硬化性固体インクは、本実施形態のアミドゲル化剤を含む。
図1は、末端がイソソルビドで保護されたアミドゲル化剤である。 図2は、アルコールとのアミドゲル化剤の末端保護反応である。 図3は、イソソルビドおよびイソソルビドで保護されたゲル化剤の構造である。 図4は、イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤とワックスとSR9003モノマーとを含有する混合物と、標準的なアミドゲル化剤とワックスとSR9003モノマーとを含有する混合物との温度に応じたレオロジー比較である。 図5は、イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤インクと、標準的なゲル化剤インクとの温度に応じたレオロジー比較である。 図6は、コントロールインクと、イソソルビドで保護されたゲル化剤インクとのMEK摩擦比較試験結果である。
本明細書には、広い基材自由度、優れた接着性、高い顔料分散物安定性を可能にする転相ゲル化剤が開示される。いくつかの実施形態では、転相ゲル化薬剤(「ゲル化剤」)は、末端がエステルのポリアミド樹脂である。エステル「末端保護基」は、生体再生可能な内容物(BRC)の量が多い材料を起源とする。
いくつかの実施形態では、アミドゲル化剤は、イソソルビドで末端が保護された、末端が硬化性エステルのポリアミド化合物である。使用するのに適したアミドゲル化剤としては、米国特許公開第2008/0122914号および米国特許第7,276,614号および同第7,279,587号に記載されているものが挙げられる。使用するのに適したさらなるゲル化剤としては、米国特許出願第12/765,148号に記載されるものが挙げられる。
上の組成物に使用するのに適したアミドゲル化剤は、組成物を、シリコーンを含む基材の上、またはその上にある他の油の上で利用する場合、濡れ性を改良するために両親媒性であってもよい。両親媒性とは、分子の極性部分および非極性部分の両方を含む分子を指す。例えば、ゲル化剤は、非極性の長い炭化水素鎖と極性のアミド結合部とを有していてもよい。
いくつかの実施形態では、アミドゲル化剤は、以下の式
の化合物であり、式中、nは、0〜20(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20)であるか、または、nは、0〜10であり、
は、
(i)炭素原子を1〜12個、約1〜8個、または1〜5個含むアルキレン、
(ii)炭素原子を1〜15個、3〜10個、または5〜8個含むアリーレン、
(iii)炭素原子を6〜32個、6〜22個、または6〜12個含むアリールアルキレン、または
(iv)炭素原子を5〜32個、6〜22個、または7〜15個含むアルキルアリーレンであり、
置換アルキレン、置換アリーレン、置換アリールアルキレンおよび置換アルキルアリーレンの置換基は、ハロゲン、シアノ、ピリジン、ピリジニウム、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボニル、チオカルボニル、スルフィド、ニトロ、ニトロソ、アシル、アゾ、ウレタン、尿素、これらの化合物であってもよく、2個以上の置換基を合わせて環を形成していてもよく、
は、
(i)炭素原子を1〜54個、1〜48個、または1〜36個含むアルキレン、
(ii)炭素原子を5〜15個、5〜13個、または5〜10個含むアリーレン、
(iii)炭素原子を6〜32個、7〜33個、または8〜15個含むアリールアルキレン、または
(iv)炭素原子を6〜32個、6〜22個、または7〜15個含むアルキルアリーレン
であり、
任意の置換アルキレン、置換アリーレン、置換アリールアルキレンおよび置換アルキルアリーレンの置換基は、ハロゲン、シアノ、ピリジン、ピリジニウム、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボニル、チオカルボニル、ホスフィン、ホスホニウム、ホスフェート、ニトリル、メルカプトスルフィド、ニトロ、ニトロソ、アシル、酸無水物、アジド、アゾ、シアナト、ウレタン、尿素、これらの混合物などであってもよく、2個以上の置換基を合わせて環を形成していてもよい。
いくつかの実施形態では、Rは、C16〜C50ダイマー酸(例えば、C36ダイマー酸)、C20〜C50、C24〜C40、またはC30〜C40のダイマー酸である。いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造を有するダイマー酸である。
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、以下の一般的な構造を有する化合物であってもよく、
式中、nは、0〜20である。いくつかの実施形態では、nは、0〜10である。
イソソルビドは、トウモロコシ中にみられる糖であるソルビトールの酸触媒による環化から誘導される生物由来のジオール分子である。アミドゲル化剤の末端保護は、DCCカップリング反応を用いてアミドゲル化剤前駆体(「有機アミド中間体1」)とアルコールとを反応させ、図2で示されるジエステル(ゲル化剤)を作成することによって行われる。
イソソルビドに固有のV型構造(2個の融合したテトラヒドロフラン環)に起因して、2個の−OH基は、異なる反応性を有する(エンド−およびエキソ−)。反応条件に応じて、エンド−OH基またはエキソ−OH基のいずれかが官能基化されていてもよい。ゲル化剤に余分の遊離−OH末端を有するさらなる官能性は、所望な場合、水素結合のさらなる機会を与えたり、また、さらなる官能性を与えたりするだろう。この異なる反応性は、イソソルビドのような分子に固有であり、ゲル化剤合成中、他のジオールを用いることによって、他の望ましい副生成物(例えば、ダイマーまたはオリゴマー)を導くことができる。したがって、本実施形態のイソソルビドを含有するアミドゲル化剤は、穏和なDCCカップリング条件下で1個の官能基のみがエステル化プロセスに関与する二官能分子の例を与える。
(硬化性インク)
いくつかの実施形態では、本実施形態のインク(または硬化性インク)は、図1に記載するような末端がイソソルビドである(「末端保護された」)アミドゲル化剤を含有する。
インクは、インクの1重量%〜50重量%、または2重量%〜20重量%、または5重量%〜15重量%の量でゲル化薬剤またはゲル化剤を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、固体インクであってもよい。固体インク技術は、印刷の可能性を広げ、顧客基盤を多くの市場へと広げ、多様な印刷用途は、印刷ヘッド技術、印刷プロセスおよびインク材料の有効な融合によって促進されるだろう。硬化性固体インク組成物は、室温(20〜50℃または20〜27℃)で固体であり、高温で溶融し、この状態で、溶融インクを基材に塗布することを特徴とする。インク組成物は、ゲル化剤存在下、または非存在下、室温で固体の硬化性インクであってもよい。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、さらに、場合により、硬化性ワックス、モノマー、着色剤、遊離ラジカル光開始剤、場合により5重量%までの非硬化性樹脂、例えば、粘度調整剤のうち、1つ以上を含んでいてもよい。
硬化性ワックスは、硬化性固体インク中、インクの0.1〜30重量%、1重量%〜30重量%、5重量%〜30重量%、1重量%〜20重量%、5重量%〜15重量%、または5重量%〜10重量%の量で存在していてもよい。
具体的な実施形態では、硬化性モノマーは、硬化性固体インク中、インクの50〜95重量%、60〜90重量%、50重量%〜80重量%、50重量%〜70重量%、50重量%〜70重量%、60重量%〜80重量%、60重量%〜70重量%、または80重量%〜95重量%の量で存在していてもよい。
ゲル化剤は、硬化性固体インク中、インクの1重量%〜50重量%、1重量%〜30重量%、2重量%〜20重量%、5重量%〜15重量%、5重量%〜10重量%、または約7重量%の量で存在していてもよい。
着色剤は、硬化性固体インク中、硬化性固体インクの合計重量の0.1重量%〜10重量%、1重量%〜10重量%、5重量%〜10重量%、または1重量%〜5重量%の量で存在していてもよい。
光開始剤は、硬化性固体インク中、硬化性固体インクの合計重量の0.5重量%〜15重量%、5重量%〜15重量%、1重量%〜10重量%、5重量%〜10重量%、約1重量%〜5重量%の量で存在していてもよい。
インク組成物を、任意の望ましい方法または適切な方法によって調製することができる。例えば、インク担体のそれぞれの成分を一緒に混合した後、混合物を少なくともその融点まで、60℃〜110℃、80℃〜100℃、または85℃〜95℃まで加熱してもよい。着色剤を加えた後、インク成分を加熱してもよく、または、インク成分を加熱した後、着色剤を加えてもよい。顔料が着色剤である場合、溶融した混合物をアトライタまたはボールミル装置で研磨し、インク担体中に顔料の分散物を生じさせてもよい。次いで、加熱した混合物を5秒〜30分間またはそれ以上撹拌し、実質的に均質で均一な溶融物を得て、そのあと、インクを周囲温度(20℃〜25℃)まで冷却する。このインクは、周囲温度で固体である。ある実施形態では、作成プロセス中に、溶融状態のインクを型に注ぎ、次いで、冷却し、固化させてインクスティックを作成する。適切なインク調製技術は、米国特許第7,186,762号に開示されている。
インク組成物は、場合により、少なくとも1つのイソシアネートから誘導される材料、酸化防止剤、消泡剤、すべり剤およびレベリング剤、清澄剤、粘度調整剤、接着剤、可塑剤を含め、1つ以上の従来の添加剤を含んでいてもよい。添加剤が存在する場合、添加剤は、それぞれ、または組み合わせた状態で、インク中、インクの1重量%〜10重量%、5重量%〜10重量%、または3重量%〜5重量%の量で存在していてもよい。
いくつかの実施形態では、ゲル化剤を含む硬化性固体インクが提供され、ここで、ゲル化剤は、末端がイソソルビドで保護された、末端がエステルのポリアミド樹脂である。
いくつかの実施形態では、硬化性ワックスと、1種類以上のモノマーと、任意要素の着色剤と、末端がイソソルビドで保護された、末端がエステルのポリアミド樹脂であるアミドゲル化剤と、光開始剤とを含む硬化性固体インクが提供される。
いくつかの実施形態では、インク組成物は、少なくとも1つの硬化性ワックスと、少なくとも1つのモノマーと、本明細書に開示される少なくとも1つのイソソルビドで末端が保護されたアミドゲル化剤とを含む。インク組成物は、場合により、非硬化性成分、着色剤、光開始剤のうち1つ以上を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、硬化性ワックスと、場合により非硬化性成分と、1種類以上のモノマーと、任意要素の着色剤と、末端がイソソルビドで保護された、末端がエステルのポリアミド樹脂であるアミドゲル化剤と、光開始剤とを含む硬化性固体インクが提供される。
いくつかの実施形態では、本実施形態のインク組成物は、液体硬化性インクであってもよい。いくつかの実施形態では、本実施形態のインク組成物は、さらに、さらなるゲル化剤を含んでいてもよく、さらなるゲル化剤は、硬化性および非硬化性のゲル化剤を含む。
(硬化性ワックス)
本実施形態のインクは、硬化性ワックス、モノマー、ゲル化剤、任意要素の着色剤、遊離ラジカル光開始剤、場合により5重量%までの非硬化性樹脂、例えば、粘度調整剤のブレンドを含んでいてもよい。硬化性ワックス、モノマー、硬化性ワックス、任意要素の着色剤、遊離ラジカル光開始剤は、40℃未満、40℃未満〜30℃未満で固体材料であり、においはほとんどないか、全くない。これらの成分は、70〜100℃、または80〜100℃、または70〜90℃の範囲の温度で吐出するように選択された。したがって、これらの固体インクは、高温でしっかりと吐出し、これらの温度での粘度は、5〜15cP、または10〜15cP、または8〜12cPであり、室温で固体であり、印刷した液滴が多孔性基材に過剰に広がったり、または移動したりするのを防ぐ。印刷後、組成物が硬化し、強固な画像が得られる。
本実施形態の硬化性固体インクは、硬化前の硬度が0.1〜11、0.1〜5、または0.1〜3である。これらのインクは、硬化後の硬度が85〜100、90〜97、または93〜97である。硬化性固体成分としては、モノマー、硬化性ワックス、ゲル化剤が挙げられる。硬化性ワックスは、室温で固体であってもよい。ワックスが含まれると、組成物が塗布温度から冷却するにつれて、インク組成物の粘度上昇を促進するだろう。硬化性ワックスは、他の成分と混和性であり、重合してポリマーを形成する任意のワックス成分であってもよい。ワックスとの用語は、一般的にワックスと呼ばれるようなさまざまな任意の天然材料、改質した天然材料、合成材料を含む。
硬化性ワックスの適切な例としては、硬化性基を含むか、または硬化性基で官能化されるワックスが挙げられる。硬化性基としては、例えば、アクリレート、メタクリレート、アルケン、アリルエーテル、エポキシド、オキセタンが挙げられる。これらのワックスは、ワックス(例えば、カルボン酸またはヒドロキシルに変換可能な官能基を有するポリエチレンワックス)の反応によって合成することができる。
硬化性基で官能化されていてもよい、末端がヒドロキシルのポリエチレンワックスの適切な例としては、CH−(CH−CHOH構造を有する炭素鎖(鎖長nの混合物が存在する場合、平均鎖長は、16〜約50の範囲であってもよい)と同様の平均鎖長さを有する直鎖低分子量ポリエチレンとの混合物が挙げられる。ワックスの適切な例としては、Mがそれぞれ、約375、460、550、700g/molである、UNILIN 350、UNILIN 425、UNILIN 550、UNILIN 700といったUNILINシリーズの物質(Baker−Petrolite)が挙げられ、Guerbetアルコールは、2,2−ジアルキル−1−エタノールで特徴づけられるが、これも適切な化合物である。例示的なGuerbetアルコールとしては、炭素を16〜36個含むものが挙げられる(Jarchem Industries)。PRIPOL(登録商標)2033(以下の式を有する異性体
と、不飽和基および環状基を含んでいてもよい他の分枝鎖異性体とを含むC−36ダイマージオール混合物(Uniqema、DE)を使用してもよく、この種のC36ダイマージオールに関するさらなる情報は、「Dimer Acids」、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、Vol.8、第4版(1992)、pp.223−237に開示されている。これらのアルコールを、UV硬化部分がついたカルボン酸と反応させ、反応性エステルを作成してもよい。これらの酸の例としては、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。
硬化性基で官能化されていてもよい、末端がカルボン酸のポリエチレンワックスの適切な例としては、CH−(CH−COOH構造を有する炭素鎖(鎖長nの混合物が存在する場合、平均鎖長は、約16〜約50の範囲であってもよい)と同様の平均鎖長を有する直鎖低分子量ポリエチレンとの混合物が挙げられる。ワックスの適切な例としては、UNICID(登録商標)350、UNICID(登録商標)425、UNICID(登録商標)550およびUNICID(登録商標)700が挙げられ、それぞれ、Mは、約390、約475、約565および約720g/molに等しい。他の適切なワックスは、構造CH−(CH−COOHを有し、例えば、ヘキサデカン酸またはパルミチン酸、ヘプタデカン酸またはマルガリン酸またはダツル酸、オクタデカン酸またはステアリン酸、エイコサン酸またはアラキジン酸、ドコサン酸またはベヘン酸、テトラコサン酸またはリグノセリン酸、ヘキサコサン酸またはセロチン酸、ヘプタコサン酸またはカルボセリン酸、オクタコサン酸またはモンタン酸、トリアコンタン酸またはメリシン酸、ドトリアコンタン酸またはラクセロン酸、トリトリアコンタン酸またはセロメリシン酸またはフィリン酸、テトラトリアコンタン酸またはゲディン酸、ペンタトリアコンタン酸またはセロプラスチン酸である。Guerbet酸は、2,2−ジアルキルエタン酸で特徴づけられるが、これも適切な化合物である。例示的なGuerbet酸としては、16〜36個の炭素を有するものが挙げられる(Jarchem Industries Inc.,)NJ)。PRIPOL(登録商標)1009(以下の式を有する異性体
と、不飽和基および環状基を含んでいてもよい他の分枝鎖異性体とを含むC−36ダイマー酸混合物)も使用可能であり、この種のC36ダイマー酸に関するさらなる情報は、「Dimer Acids」、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、Vol.8、第4版(1992)、pp.223−237に開示されている。これらのカルボン酸を、UV硬化部分がついたアルコールと反応させ、反応性エステルを作成してもよい。これらのアルコールの例としては、2−アリルオキシエタノール;
Sartomer製のSR495B、および
Sartomer製のCD572(R=H、n=10)およびSR604(R=Me、n=4)が挙げられる。
硬化性ワックスは、組成物の0.1重量%〜30重量%、0.5重量%〜20重量%、または0.5重量%〜15重量%の量で含まれていてもよい。
(モノマー)
いくつかの実施形態では、インク組成物は、さらに、モノマー(例えば、米国特許第7,559,639号に記載されるようなモノマー)を場合により含んでいてもよい。モノマーは、ジメタノールジアクリレートシクロヘキサン二官能モノマー;イソシアヌレートトリアクリレート三官能モノマー;ベヘニルアクリレート一官能モノマーのC18、C20、C22混合物;アクリレート硬化性一官能アクリレートワックスのC22、C23、C24混合物(mp=78〜83℃)、および硬化性アミドゲル化剤であってもよい。
いくつかの実施形態では、モノマーは、硬化性モノマーである。本実施形態のインクは、少なくともイソソルビドで末端が保護されたアミドゲル化剤と、少なくとも硬化性ワックスと、任意要素の光開始剤と、任意要素の着色剤と、少なくとも硬化性モノマーとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、2種類以上の液体モノマーが硬化性転相インク中に存在する場合、硬化性液体モノマーは、「コモノマー」と呼ばれる。
実施形態のインク組成物は、第1のコモノマー、例えば、エポキシ−ポリアミドコンポジットゲル化剤を含んでいてもよく、熱によって誘導される可逆性ゲル相を有するインク媒剤を含むインク組成物を製造するのに有用であり、インク媒剤は、硬化性液体モノマー(例えば、UV硬化性液体モノマー)で構成される。このようなインク組成物のゲル相によって、インク液滴を、受け入れる基板に固定することができる。
組成物の少なくとも1つの硬化性モノマーの例としては、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート(Sartomer製のSR9003)、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートメチルエーテルモノアクリレート、イソデシルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、これらの混合物が挙げられる。比較的極性のないモノマーとして、イソデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートおよびブチルアクリレートから作られるものが挙げられる。多官能アクリレートモノマー/オリゴマーを、硬化した画像の架橋密度を高め得る材料として使用してもよく、それによって、硬化した画像の靱性が上がる。
用語「硬化性モノマー」は、硬化性オリゴマーも包含することを意図している。硬化性オリゴマーの例は、粘度が50cPs〜10,000cPs、75cPs〜7,500cPs、または100cPs〜5,000cPsと低い。このようなオリゴマーの例としては、CN549、CN131、CN131B、CN2285、CN 3100、CN3105、CN132、CN133、CN 132(Sartomer)、Ebecryl 140、Ebecryl 1140、Ebecryl 40、Ebecryl 3200、Ebecryl 3201、Ebecryl 3212(Cytec Industries)、PHOTOMER 3660、PHOTOMER 5006F、PHOTOMER 5429、PHOTOMER 5429F(Cognis)、LAROMER PO 33F、LAROMER PO 43F、LAROMER PO 94F、LAROMER UO 35D、LAROMER PA 9039V、LAROMER PO 9026V、LAROMER 8996、LAROMER 8765、LAROMER 8986(BASF)などが挙げられる。多官能アクリレートおよび多官能メタクリレートとして、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6 ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカノールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アミンで修飾されたポリエーテルアクリレート(PO 83 F、LR 8869、および/またはLR 8889として入手可能(BASF))、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ−/ヘキサ−アクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SartomerからSR399LVおよびSR 494として入手可能)などで作られるものが挙げられる。
硬化性モノマーのさらなる例としては、アクリル酸エステル、アクリル酸ポリエステル、アクリル酸エーテル、アクリル酸ポリエーテル、アクリル酸エポキシ、ウレタンアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。適切なアクリル酸オリゴマーの具体的な例としては、アクリル酸ポリエステルオリゴマー、アクリル酸エポキシオリゴマーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、硬化性モノマーは、短鎖アルキルグリコールジアクリレートまたはエーテルジアクリレート、または短鎖アルキルエステル置換基を有するアクリレート、例えば、カプロラクトンアクリレート、CD536、CD2777、CD585、CD586(Sartomer)から選択されてもよい。
それに加え、硬化性モノマーまたは硬化性オリゴマーは、粘度低下剤として、組成物を硬化させるときにはバインダーとして、接着促進剤として、反応性希釈剤として、硬化した画像の架橋密度を高めることによって、硬化した画像の靱性を高める架橋剤として、さまざまに機能してもよい。適切なモノマーは、低い分子量、低い粘度、低い表面張力を有していてもよく、UV光のような放射線をあてると重合する官能基を含んでいてもよい。
1種類以上のモノマーは、インク中、例えば、インク組成物全体の10〜90重合%、20〜80重合%、または50〜70重量%の量で存在していてもよい。
(開始剤)
いくつかの実施形態では、インク組成物は、場合により、開始剤(例えば、光開始剤)をさらに含んでいてもよい。このような開始剤は、インクを硬化するのを補助するのに望ましい。いくつかの実施形態では、放射線(例えば、UV光線)を吸収し、インクの硬化性成分の硬化を開始させる光開始剤を用いてもよい。遊離ラジカル重合によって硬化するインク組成物のための光開始剤として、例えば、アクリレート基またはポリアミドで構成されるインクを含むインク組成物は、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アルコキシアルキルフェノン、商品名IRGACUREおよびDAROCURでCibaから販売されるα−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィン光開始剤のような光開始剤で作られていてもよい。適切な光開始剤の具体的な例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN TPOとして入手可能);2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN TPO−Lとして入手可能);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド(Ciba IRGACURE 819として入手可能)および他のアシルホスフィン;2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(Ciba IRGACURE 907)および1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE 2959);2−ベンジル 2−ジメチルアミノ 1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(Ciba IRGACURE 369);2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル)−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE 127として入手可能);2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−ブタノン(Ciba IRGACURE 379として入手可能);チタノセン;イソプロピルチオキサントン;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン;ベンゾフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾフェノン;4−メチルベンゾフェノン;ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド;2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン;ベンジル−ジメチルケタール、およびこれらの混合物が挙げられる。また、光開始剤に水素原子を供与し、ラジカル種を生成して重合を開始させる補助開始剤として記載されるアミン共力剤、例えば、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートを挙げることもできる。
光開始剤は、硬化を開始させるために、200〜420nmの波長の放射線を吸収してもよいが、もっと長い波長を吸収する開始剤(例えば、560nmまでの光を吸収することが可能なチタノセン)を用いることができる。
インク組成物中に含まれる開始剤の合計量は、インク組成物の0.5〜15重量%、または1〜10重量%であってもよい。
放射線硬化性転相インクは、一般的に、少なくとも1つの硬化性モノマーと、ゲル化剤と、着色剤と、インクの硬化性成分(具体的には、硬化性モノマー)の重合を開始させる、放射線によって活性化する開始剤(特に光開始剤)とを含む。Odellらに対する米国特許第7,279,587号は、硬化性固体インク組成物に有用な光開始性化合物を開示する。Odellらに対する米国特許公開第2007/0120910号は、着色剤と、開始剤と、インク媒剤とを含む固体インクを記載する。
インク組成物は、アミン共力剤も含有していてもよく、アミン共力剤は、光開始剤に水素原子を供与し、ラジカル種を生成して重合を開始させることができる補助開始剤であり、また、遊離ラジカル重合を阻害する溶存酸素を消費し、酸素を消費することによって重合速度を高めることができる。適切なアミン共力剤の例としては、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、およびこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に開示するインクのための開始剤は、任意の望ましい波長または有効な波長、例えば、4〜560ナノメートル、200〜560ナノメートル、または200〜420ナノメートルで放射線を吸収することができる。
場合により、光開始剤は、転相インク中、インク組成物の0.5重量%〜15重量%、または1重量%〜10重量%存在する。
(着色剤)
いくつかの実施形態では、インク組成物は、着色剤をインク媒剤中に溶解または分散させることができ、他のインク成分と相溶性であるものであれば、場合により、染料、顔料、これらの混合物を含め、着色剤を含んでいてもよい。顔料は、硬化性転相インク組成物を含んでいてもよい。多くの染料の色は、硬化段階中に起こる重合プロセスによって変わることがあり、これはおそらく、これらの分子構造が遊離ラジカルによって攻撃されるからであろう。組成物を、従来のインク着色剤材料、例えば、Color Index(C.I.)Solvent Dye、Disperse Dye、改質したAcid DyeおよびDirect Dye、Basic Dye、Sulphur Dye、Vat Dyeと組み合わせて使用することができる。
顔料は、硬化性転相インクに適した着色剤である。
いくつかの実施形態では、溶媒染料を使用し、溶媒染料はスプリット可溶性染料を含んでいてもよい。
着色剤は、インク中、インクの0.1〜50重量%、0.2〜20重量%、または0.5〜10重量%の量で存在していてもよい。
(インク媒剤または担体)
具体的な実施形態では、本明細書で開示するインク媒剤は、任意の適切な硬化性モノマーまたはプレポリマーを含んでいてもよい。硬化性モノマーまたはプレポリマーと、硬化性ワックスとを合わせ、インクの50重量%より多い量、少なくとも70重量%、または少なくとも約80重量%を形成していてもよい。適切な物質の例としては、ラジカル硬化性モノマー化合物、例えば、アクリレートモノマー化合物およびメタクリレートモノマー化合物が挙げられ、これらは、転相インク担体として用いるのに適している。比較的極性のないアクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーの例としては、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、カプロラクトンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸ブチルなど、およびこれらの混合物および組み合わせが挙げられる。それに加えて、多官能アクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーも、反応性希釈剤として、また、硬化した画像の架橋密度を高めることが可能な材料として転相インク担体中に含まれてもよく、それによって、硬化した画像の靭性を高めてもよい。適切な多官能アクリレートおよびメタクリレートのモノマーおよびオリゴマーとしては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,2−エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカノールジアクリレート、1,12−ドデカノールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート(SartomerからSR 9003として)、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アミンで改質されたポリエーテルアクリレート(BASFからPO 83 F、LR 8869、および/またはLR 8889)、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SartomerからSR 494として)、およびこれらの混合物が挙げられる。反応性希釈剤をインク担体材料に加える場合、反応性希釈剤は、担体の約1重量%〜約80重量%、または35重量%〜70重量%の量で加えられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているインク媒剤は、IRGACURE(登録商標)127、IRGACURE(登録商標)379およびIRGACURE(登録商標)819を含め、任意の適切な光開始剤を含んでいてもよい(Ciba Specialty Chemicals)。適切な開始剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンジルケトン、α−アルコキシベンジルケトン、ヒドロキシルケトンモノマー、ヒドロキシルケトンポリマー、α−アミノケトン、アルコキシケトン、アシルホスフィンオキシド、メタロセン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノンアシルホスフィン光開始剤(CibaからIRGACURE(登録商標)およびDAROCUR(登録商標))が挙げられる。特定の例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンジル−ジメチルケタール、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN(登録商標)TPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASF LUCIRIN(登録商標)TPO−L)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド(Ciba IRGACURE(登録商標)819)、および他のアシルホスフィン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(Ciba IRGACURE(登録商標)907)、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE(登録商標)2959)、2−ベンジル2−ジメチルアミノ1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(Ciba IRGACURE(登録商標)369)、2−ヒドロキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル)−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン(Ciba IRGACURE(登録商標)127)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−ブタノン(Ciba IRGACURE(登録商標)379)、チタノセン、イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ベンジル−ジメチルケタール、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩など、およびこれらの混合物が挙げられる。
(使用方法)
いくつかの実施形態では、文字をジェット印刷するために硬化性固体インクを用いる方法が提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、中間基板の上に硬化性固体インクを吐出させ、中間画像を作成することと、この中間画像を基板に転写し、転写された画像を作成することと、この転写された画像に、180ナノメートル〜500ナノメートルnmの範囲の波長を有する放射線をあて、硬化性固体インクを硬化させることとを含む。いくつかの実施形態では、吐出工程は、70℃よりも高い温度で、または70℃〜約100℃で行われる。
本発明で任意の適切な印刷デバイスを用いてもよい。ある実施形態では、この装置は、同一出願人による同時係属中の米国特許公開第2008/0218540号に記載されているような、少なくともインクジェット印刷ヘッドと、インクジェット印刷ヘッドからインクが吐出される印刷領域表面とを備えるインクジェット印刷デバイスであり、インクジェット印刷ヘッドと印刷領域表面との間の高さ方向の距離は、調節可能である。
マーキング材料を画像のパターンになるように、中間転写体に塗布するか、または画像を受け入れる基板に直接塗布するのに適した任意の望ましい印刷システムおよびマーキング材料を、圧電式インクジェット印刷、音響式インクジェット印刷、熱転写印刷、グラビア印刷とともに、本明細書の装置および方法を使用してもよい。直接的な印刷インクジェットプロセスおよび間接的な(オフセット)印刷インクジェット用途で、このインクを使用することができる。本明細書に開示する別の実施形態は、本明細書に開示されているインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、インクを溶融させることと、記録基板に対し、溶融インクの液滴を、画像パターンになるように吐出することを含むプロセスに関する。直接的な印刷プロセスは、例えば、米国特許第5,195,430号に開示されている。本明細書に開示する別の実施形態は、本明細書に開示するインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、インクを溶融させることと、溶融インクの液滴を画像パターンになるように中間転写体に吐出することと、この画像パターンになったインクを中間転写体から最終的な記録基材に転写することとを含むプロセスに関する。ある実施形態では、中間転写体を、最終的な記録シートの温度よりも高く、印刷装置中の溶融インクの温度よりも低い温度まで加熱する。ある実施形態では、中間転写体と最終的な記録シートの両方を加熱し、この実施形態では、中間転写体と最終的な記録シートの両方を、印刷装置中の溶融インクの温度よりも低い温度まで加熱し、この実施形態では、中間転写体と最終的な記録シートの相対的な温度は、(1)中間転写体を最終的な記録基材の温度より高く、印刷装置中の溶融インクの温度よりも低い温度まで加熱してもよく、(2)最終的な記録基材を、中間転写体の温度より高く、印刷装置中の溶融インクの温度より低い温度まで加熱してもよく、または、(3)中間転写体と最終的な記録シートをほぼ同じ温度まで加熱してもよい。ある実施形態では、印刷装置は、インクの液滴が圧電振動要素の振幅によって画像のパターンになるように放出される圧電式印刷プロセスを利用する。他のホットメルト印刷プロセス(例えば、ホットメルト音響インクジェット印刷、ホットメルト熱インクジェット印刷、ホットメルト連続流インクジェット印刷または偏向インクジェット印刷など)で、本明細書に開示されているようなインクを用いてもよい。また、本明細書に開示されるような転相インクを、ホットメルトインクジェット印刷プロセス以外の印刷プロセスで使用することもできる。
任意の適切な基材または記録シートを用いてもよく、普通紙(例えば、XEROX(登録商標)4200紙、XEROX(登録商標)Image Series紙、Courtland 4024 DP紙、罫線入りノートの紙、ボンド紙、シリカでコーティングされた紙(例えば、Sharp Company製シリカでコーティングされた紙、JuJo紙、HAMMERMILL LASERPRINT(登録商標)紙、Xerox Digital Color Elite Gloss(DCEG)、Xerox DURAPAPERなど)、透明材料、布地、繊維製品、プラスチック、ポリマーフィルム、無機基材、例えば、金属および木材などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、硬化性固体インクを印刷基材の上に吐出させて画像を作成することと、画像に照射して、印刷基材の上で硬化性固体インクを硬化させることとを含み、硬化性固体インクが、硬化性ワックスと、任意要素の非硬化性成分と、1種類以上のモノマーと、任意要素の着色剤と、末端がイソソルビドで保護された、末端がエステルのポリアミド樹脂であるアミドゲル化剤と、光開始剤とを含む、画像をジェット印刷する方法が提供される。
(ゲル化剤およびインクの性質)
イソソルビドを含有するアミドゲル化剤は、従来のゲル化剤、例えば、末端がアルコールで保護されたものに替わる低コストの生体再生可能な内容物を与える。さらに、本実施形態のイソソルビドを含有するアミドゲル化剤は、芳香族末端保護基を含むものと匹敵する転相性を有する非芳香族の末端を保護したゲル化剤である。
本実施形態の調製された固体インクは、すでに達成されているものよりも吐出温度が低く、例えば、吐出温度は、100〜70℃、100〜80℃、または90〜70℃である。本実施形態は、迅速な転相特性、優れた硬化性能、硬化後の硬度が高いこと、収縮特性が低い。
本実施形態は、高い反応性、最低限の収縮性を有する低エネルギー紫外線(UV)硬化性の着色した固体インクを提供する。本実施形態のこれらのインクは、生体再生可能な内容物であるゲル化剤添加剤を含有し、粘度が90℃で20cP、90℃で20〜5cP、または90℃で15〜8cPであり、収縮値が3%未満、または1〜3%であるように配合した。本明細書で使用する場合、収縮値は、液体状態から冷却したときのインクの収縮を示す。これらのインクについて、硬化速度の顕著な向上および硬化後の基準となる硬度だけではなく、固化したときの成分間の相溶性の向上も示した。広範囲にわたる研究は、非硬化性樹脂の濃度が、5重量%未満、1〜3重量%、または1重量%未満でなければならないことを示していた。硬化速度は、硬度 対 UV光にさらされた時間(s/ft)をプロットし(Fusions UVドープ処理水銀D球、600W/cm)、以下の式を適用することによって得られた。
y=m+m・(1−exp(−m・x))
初期硬度=m
初期傾き=m・m
最終的な硬度=m+m
式中、初期傾きは、初期の硬化速度とされる。本実施形態のインクは、約130〜約250ft/s、180〜250ft/s、または200〜250ft/sの硬化速度を示す。UV硬化ランプで使用される球の種類に応じて、硬化に使用される特徴的な出力は、200nm〜450nmであってもよい。
(実施例1:イソソルビドで保護されたゲル化剤の調製)
オーバーヘッドスターラーおよびPTFEブレードを備えた1Lの丸底フラスコに、有機アミドPPAGel−int−5(66.11g、51.4mmol)を加えた後、500mLのジクロロメタン溶媒を加えた。有機アミドがすべて溶解するまで、混合物を2時間撹拌した。次いで、この反応フラスコにDMAP(ジメチルアミノピリジン、Aldrich)(0.942g、7.71mmol)を加え、次いでDCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、Aldrich)(22.28g、108mmol)を加えた。混合物を15分間撹拌し、透明から濁った状態になった。最後に、イソソルビド(Iowa Corn Board)(15.41g、105mmol)を加え、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。次の日に、DCHU副生成物を濾過によって除去し、ジクロロメタン溶媒を減圧下で除去し、泡状の固体ゲルを得た。生成物を500mLのジクロロメタンに再び溶解し、冷蔵庫に48時間放置し、任意の残留するDCHUおよびDMAP残渣が沈殿した。48時間後、この冷却したジクロロメタン溶液を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、77gのイソソルビドで保護されたゲル化剤を琥珀色のゲルとして得た。上の工程にしたがって、以下の化合物を製造し、
式中、nは、約0〜4である。
図4は、イソソルビドゲル化剤と、ワックスと、転相材料としてSR9003モノマーとを含有する配合物の適合性を示す試験結果を示す。イソソルビドゲル化剤を含有する配合物の粘度プロフィールは、基準となるゲル化剤PP−AGel−15に匹敵する。
(実施例1a:標準的なゲル化剤の調製(PP−Agel−int−15))
オーバーヘッドミキサーを取り付けた5ガロンのステンレス反応器に、7.5kgの42.4% AGel−int−8のトルエン溶液(3.18kgの有機アミド、酸価=87.5、2.48mol)を含む溶液、次いで3.82kgのトルエンを加えた。次いで、66gのDMAP(ジメチルアミノピリジン、0.54mol)を加え、反応器にNをパージした。次に、1.05kgのDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド、Aldrich corporation、5.09mol、2.05eq.)および0.47kgのトルエンの混合物を供給速度約50g/分でポンプで圧送した。DCC/トルエンの添加が終わったら、スラリーを15分間混合した。最後に、684gのフェニルグリコール(Aldrich、4.95mol、2eq.)を加え、混合物を4時間混合した。反応器を45℃まで加熱し、1kgのトルエンを加え、加熱しながら反応混合物をバッグフィルターで濾過した。濾過した後、DCHU副生成物を含む濾過ケーキを捨て、濾駅を再び反応器に入れ、室温で一晩放置した。次の日に、濾液を105℃で減圧蒸留してトルエン溶媒を除去し、溶融したゲル化剤生成物の濃縮物をスチール製のバケツに入れ、冷却して固化させた。標準的なゲル化剤の酸価は、0.68であった。
(実施例2:インクの調製)
イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤を、(以下の実施例2Aの表に記載した総体比率を用いて、)以下の手順にしたがってUV硬化性ゲルインクに配合した。90℃に加熱した150mLのビーカーに、SR833Sモノマー(Sartomer Chemical Corp.製のトリシクロデカンジオールジアクリレート)、SR399LV(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、Sartomer Chemical Co.製)、Irgacure 379、819および127(光開始剤、BASF Corp.製)、Irgastab UV10(缶に入った安定剤、BASF corp.製)を加えた。混合物を撹拌しつつ、固体成分が溶解するまで加熱した。次に、イソソルビドで保護されたアミドゲル化剤およびUnilin 350アクリレートを加え、内容物が完全に溶解するまで、混合物を加熱しつつ約1時間撹拌した。基材を濾過し、次いで、SR9003中のシアン顔料分散物の濃縮物を加え、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、2回目の濾過をした。
現時点で標準的なアミドゲル化剤(フェニルグリコールで保護されたアミドゲル化剤)を用い、コントロールインクを調製した(実施例2B)。
2種類のインクについて、動的な温度工程による試験を用い、50mmの平行板形状を用いたRFS3歪み制御レオメーター(TA instruments)でレオロジーデータを集めた。粘度プロフィールは、基準となるUV硬化性ゲルインクに匹敵していた。
インクの硬化試験:実施例2Aおよび実施例2Bで調製したインク組成物を、K−印刷プルーファーを用いてコーティングされていないMylarシートに印刷し、ベルト速度32、90、150、230fpmで移動する移動コンベアベルトのもとで、水銀D球を取り付けた600W Fusions UV Lighthammer UV硬化ランプで硬化させた。硬化した膜について、綿棒を用いたMEK(メチルエチルケトン)二重摩擦を行い、硬化を評価した。MEK二重摩擦試験は、印刷したインクが剥がれ落ちるまで、MEK溶媒に浸した綿棒で印刷物を前後に摩擦する(ASTM D4752の対溶媒性摩擦試験)。インクがはがれるまでのMEK二重摩擦の数が大きいほど、硬化度が大きい。以下の棒グラフは、実施例のインク(実施例2A) 対 本願発明者らの標準的なインク(実施例2B)の膜のMEK摩擦耐性をまとめている。以下の図5の結果は、2種類のインク間の匹敵する効果応答を示す。図6は、コントロールおよびイソソルビドで保護されたゲル化剤インクとのMEK摩擦比較試験の結果を示す。
本明細書で言及したあらゆる特許および刊行物は、完全に、本明細書に全体的に参考として組み込まれる。

Claims (9)

  1. 硬化性ワックスと、
    1種類以上のアクリレートモノマーと、
    末端がイソソルビドで保護され、イソソルビドにより末端がエステル保護されたポリアミド樹脂である、アミドゲル化剤と、
    光開始剤とを含む、硬化性固体インク。
  2. 前記硬化性ワックスが、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.1〜30重量%の量で存在する、請求項に記載の硬化性固体インク。
  3. 前記1種類以上のモノマーが、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の50〜95重量%の量で存在する、請求項に記載の硬化性固体インク。
  4. 前記アミドゲル化剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の1〜30重量%の量で存在する、請求項に記載の硬化性固体インク。
  5. さらに着色剤を含み、該着色剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.1〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
  6. 前記光開始剤が、前記硬化性固体インク中に、前記硬化性固体インクの合計重量の0.5〜15重量%の量で存在する、請求項1に記載の硬化性固体インク。
  7. 非硬化性ワックス成分であるエトキシル化オクチルフェノール誘導体をさらに含む、請求項1に記載の硬化性固体インク。
  8. 前記アミドゲル化剤が、以下の式

    の化合物であり、
    式中、nは〜10であり、Rが、
    (i)炭素原子を1〜12個含むアルキレン基
    (ii)炭素原子を〜15個含むアリーレン基
    (iii)炭素原子を〜32個含むアリールアルキレン基、および
    (iv)炭素原子を〜32個含むアルキルアリーレン基
    からなる群から選択され、
    が、
    (i)炭素原子を1〜54個含むアルキレン基
    (ii)炭素原子を〜15個含むアリーレン基
    (iii)炭素原子を〜32個含むアリールアルキレン基、および
    (iv)炭素原子を〜32個含むアルキルアリーレン基
    からなる群から選択される、請求項に記載の硬化性固体インク。
  9. またはR前記アルキレン基は、直鎖および分枝鎖、飽和および不飽和、環状および非環状を含む二価の脂肪族基またはアルキル基であり、前記アルキレン基は、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンおよびホウ素からなる群から選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項に記載の硬化性固体インク。
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