JP5995704B2 - 画像処理装置及び画像処理方法並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に入力画像中のエッジ部分に発生するガタツキを滑らかに補正するエッジ平滑化処理に関するものである。本発明はまた、画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
エッジ平滑化処理は、デジタルカメラ等で撮影された画像データに対して、エッジ部分のジャギーを減らす、あるいはエッジ上に乗っているノイズを除去する目的で用いられる。特許文献1中にはエッジ部分を平滑化する画像処理装置の構成が記載されている。
即ち、特許文献1の画像処理装置処理は、特許文献1中の図1に示されているように、エッジ検出処理部122、傾き検出フィルタ126、平滑化処理部123、平滑化フィルタ127及び基準傾き角データ128を有する。
傾き検出フィルタ126は特許文献1中の図2に示すような、角度毎の係数の2次元配列から構成されている。エッジ検出処理部122では、処理対象画素を中心とした周辺画素に対して、傾き検出フィルタ126を畳み込み演算して、角度毎に畳み込み演算結果を算出する。そして、検出角度毎の畳み込み演算結果の中で、予め定めた閾値を越えて、かつ最大となる畳み込み演算結果に対応する角度を、検出角度としている。
そして、平滑化フィルタ127も特許文献1中の図3に示すような、角度毎の係数の2次元配列から構成されている。平滑化処理部123では、処理対象画素を中心とした周辺画素に対して、平滑化フィルタ127の中で検出した角度に対応するフィルタを畳み込み演算し、畳み込み演算結果を平滑化後の画素値とする。また、基準傾き角データ128には平滑化処理を行わない角度を設定しておく。水平線あるいは垂直線はジャギーが発生しないため、平滑化処理が不要である。そこで基準傾き角データに、水平線に対応する0度、180度と垂直線に対応する90度、270度を設定しておき、検出した角度が0度、90度、180度あるいは270度の場合には、平滑化処理を実行しない。
特開2005−122361号公報
特許文献1中の図1のように構成した従来の画像処理装置では、傾き検出フィルタ126の2次元配列の大きさが大きすぎると、長さが短いエッジの傾きを検出することが難しくなる。反対に、傾き検出フィルタ126の2次元配列の大きさが小さすぎると、ノイズをエッジとして検出してしまうという問題が生じる。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ノイズをエッジと誤検出しないでエッジ平滑化処理を実現することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、
入力画像中の処理対象画素を中心とする第1の範囲内の画素の画素値に基づいて、
N個(Nは8以上の整数)の方向の各々について第1のエッジ指標を算出し、算出された前記N個の方向の各々についての第1のエッジ指標のうちの最大のものを第1のエッジ強度として出力するとともに、前記第1のエッジ指標が最大となる方向を第1のエッジ方向として出力する第1のエッジ検出部と、
前記第1のエッジ検出部で算出された前記N個の方向についての前記第1のエッジ指標の平均値に対する比をピーク強度として算出するピーク強度算出部と、
前記入力画像中の前記処理対象画素を中心とし、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲内の画素に基づいてM個(Mは8以上の整数)の方向の各々について第2のエッジ指標を算出し、算出された前記M個の方向の各々についての前記第2のエッジ指標のうちの最大のものを第2のエッジ強度として出力する第2のエッジ検出部と、
前記第1のエッジ検出部からの前記第1のエッジ強度と、前記第2のエッジ検出部からの前記第2のエッジ強度と、前記ピーク強度算出部からの前記ピーク強度に基づいて、前記処理対象画素がエッジ箇所にあるか、エッジ以外の箇所にあるかの判定を行って判定結果を出力し、エッジ箇所にある場合には前記第1のエッジ方向を当該処理対象画素についてのエッジの方向として出力するエッジ判定部と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、処理対象画素がエッジ箇所、及びエッジ以外の箇所のいずれにあるかの判定の誤りを少なくすることができ、エッジ箇所に対してのみエッジ平滑化を行うことで、画質の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 エッジ解析部に入力される処理対象画素とその周辺の画素のデータを示す図である。 (a)〜(c)は、広範囲エッジ検出部における積和演算を示す図である。 方向(1)〜(4)の各々についての広範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 方向(5)〜(8)の各々についての広範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 方向(9)〜(12)の各々についての広範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 方向(13)〜(16)の各々についての広範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、狭範囲エッジ検出部における積和演算を示す図である。 方向(1)〜(8)の各々についての狭範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 方向(9)〜(16)の各々についての狭範囲エッジ指標の算出に用いられるフィルタ係数の一例を示す図である。 エッジ判定部で用いられる閾値を説明する図である。 実施の形態1のエッジ判定部での判定に用いられる規則を示す図である。 画素値補正部に入力される処理対象画素とその周辺の画素のデータを示す図である。 (a)〜(c)は、エッジ平滑化処理の概略を示す図である。 図1の出力画素値算出部の構成例を示すブロック図である。 図15の画素値選択部による選択処理を示す図である。 本発明の実施の形態2の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図17の出力画素値算出部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2のエッジ判定部での判定に用いられる規則を示す図である。 図18の画素値選択部による選択処理を示す図である。 本発明の実施の形態3の画像処理方法の処理手順を示すフローチャートである。 図21のエッジ判定の処理手順の具体例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4の画像処理方法の処理手順を示すフローチャートである。 図23のエッジ判定の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の画像処理装置10の構成を示す。
図1に示される画像処理装置10は、デジタルデータで表される入力画像に対して、エッジ部分を検出するものであり、一時記憶部11、エッジ解析部20及び画素値補正部30を有する。
入力画像データDinはラスタスキャンの順に1ラインずつ一時記憶部11に入力されて格納された後、所望のタイミングで読みだされ、出力される。一時記憶部11は、複数ライン分、例えば11ライン分の画像データを蓄え得るものである。
一時記憶部11から出力された入力画像データD11はエッジ解析部20に送られ、エッジ解析部20でエッジ方向EGD及びエッジ判定結果EJRが求められる。エッジ方向EGD及びエッジ判定結果DJRは、入力画像データD11とともに画素値補正部30に送られ、画素値補正部30で出力画像データD30が生成される。
エッジ解析部20は、広範囲エッジ検出部21、広範囲エッジ検出フィルタ係数保持部22、ピーク強度算出部23、狭範囲エッジ検出部24、狭範囲エッジ検出フィルタ係数保持部25、標準偏差算出部26及びエッジ判定部27を有する。
エッジ解析部20に入力された入力画像データD11中の処理対象画素とその周辺の画素のデータ(画素値を表すデータ)が、広範囲エッジ検出部21、狭範囲エッジ検出部24及び標準偏差算出部26に送られる。
図2は、広範囲エッジ検出部21、狭範囲エッジ検出部24及び標準偏差算出部26のそれぞれに送られる入力画像データ中の処理対象画素とその周辺の画素のデータを示す。
図2に示すように、広範囲エッジ検出部21には、処理対象画素を中心にして、第1の範囲内の画素、例えば周辺の左右、上下5画素ずつの計11×11画素のデータが送られる。
狭範囲エッジ検出部24には、処理対象画素を中心にして、上記第1の範囲よりも狭い第2の範囲内の画素、例えば、周辺の左右、上下1画素ずつの計3×3画素のデータが送られる。
標準偏差算出部26には、処理対象画素を中心にして、第3の範囲内の画素、例えば、周辺の左右、上下1画素ずつの計3×3画素のデータが送られる。
広範囲エッジ検出部21は、一時記憶部11からの、上記の11×11画素のデータと、広範囲エッジ検出フィルタ係数保持部22から供給される広範囲エッジ検出フィルタ係数KWから、広範囲エッジ検出結果としての広範囲エッジ強度AWmx及び広範囲エッジ方向neを算出する。
広範囲エッジ検出部21は、複数の、例えば16個の方向(第1乃至第16の方向)の各々についての広範囲エッジ指標を求めるものであり、上記の11×11画素の画素値と、複数組の、例えば16組のフィルタ係数との積和演算を行って、16個の積和演算結果を求め、それぞれの積和演算結果の絶対値を、それぞれの方向の広範囲エッジ指標AWとして出力する。16個の方向は、水平右方向を0度とし、0度方向から337.5度方向までの22.5度刻みの方向である。
広範囲エッジ検出部21による積和演算の概要を図3(a)〜(c)に示す。
図3(a)は、処理対象画素(○印で示す)を中心とする11×11画素を示す。各画素の画素値は、処理対象画素の位置を原点とする座標(x,y)を用い、P(x,y)で表される。xの値は左右方向に1画素間隔を単位として変化し、yの値は上下方向に1画素間隔を単位として変化する。以下同様である。
図3(b)は、その(1)〜(16)に、第1乃至第16の方向の各々の狭範囲エッジ指標ANの算出に用いられる16組のフィルタ係数KW〜KW16の概要を示す。
各組のフィルタ係数KW(nは1乃至16のいずれか)は、図3(a)の11×11画素にそれぞれ対応する、11×11個のフィルタ係数(要素)を持つ。図3(b)で、白色の部分は正の係数を、黒色の部分は負の係数を、ハッチングを施した部分は値が0の係数を示す。座標(x,y)の画素に対応するフィルタ係数の値はKW(x,y)で表される。
図4〜図7は、それらの(1)〜(16)に第1乃至第16のフィルタ係数KW〜KW16の具体例を示す。各組のフィルタ係数は11×11の2次元マトリクスを構成し、各マスが、11×11画素範囲内の座標(x,y)に対応し、各マス内に記入された数値と各マトリクスの右側に記載された分数を掛けた値が、当該マスの位置に対応する座標(x,y)の画素の画素値に乗算される係数となる。各マス内の数値は相対的な大きさを表す整数であり、右側の分数を掛けるのは、組相互間で係数の絶対値の総和が同じ値、具体的には1となるようにするためである。座標(x,y)の画素に乗算される係数はKW(x,y)で表される。
図3(a)に示される11×11画素の画素値と、図3(b)の(1)〜(16)、より具体的には、図4〜図7の(1)〜(16)の各々に示される各組のフィルタ係数KW(x,y)とを用いて、図3(c)に示すように、積和演算が行われる。積和演算は式(1)で表される。
Figure 0005995704
式(1)において、
KW(x,y)は第nのフィルタ係数の組の座標(x,y)の係数の値を表す。nは1≦n≦16の範囲の整数である。
SWは第nのフィルタ係数の組を用いたときの積和演算結果である。
広範囲エッジ検出部21は、上記の積和演算処理で求められた、すべての方向nについての積和演算結果SWの絶対値を、広範囲エッジ指標AWとし、さらに、すべての方向nについての広範囲エッジ指標AWのうちの最大値AWmx求めて、該最大値AWmxを広範囲エッジ強度として出力する。
広範囲エッジ検出部21はさらに、広範囲エッジ指標AWが最大値となる方向を表すnの値neを求めて、広範囲エッジ方向を表すデータとして出力する。
ピーク強度算出部23は、広範囲エッジ検出部21から、すべての方向nについての広範囲エッジ指標AWと、広範囲エッジ強度AWmxとを受け、すべての方向nについての広範囲エッジ指標の平均値AWavを求め、さらに平均値AWavに対する最大値AWmxの比を求めてピーク強度PRとして出力する。
平均値AWavを求める演算は式(2A)で表され、ピーク強度PRを求める演算は式(2B)により表される。
Figure 0005995704
狭範囲エッジ検出部24は、一時記憶部11からの、上記の3×3画素のデータと、狭範囲エッジ検出フィルタ係数保持部25から供給される狭範囲エッジ検出フィルタ係数KNから、狭範囲エッジ検出結果としての狭範囲エッジ強度ANmxを算出する。
狭範囲エッジ検出部24は、複数の、例えば16個の方向(第1乃至第16の方向)の各々についての狭範囲エッジ指標を求めるものであり、上記の3×3画素の画素値と、複数組の、例えば16組のフィルタ係数との積和演算を行って、16個の積和演算結果を求め、それぞれの積和演算結果の絶対値を、それぞれの方向の狭範囲エッジ指標ANとして出力する。16個の方向は、水平右方向を0度とし、0度方向から337.5度方向までの22.5度刻みの方向である。
狭範囲エッジ検出部24による積和演算の概要を図8(a)〜(c)に示す。
図8(a)は、処理対象画素(○印で示す)を中心とする3×3画素を示す。各画素の画素値は、処理対象画素の位置を原点とする座標(x,y)を用い、P(x,y)で表される。
図8(b)は、その(1)〜(16)に、第1乃至第16の方向の各々の狭範囲エッジ指標ANの算出に用いられる16組のフィルタ係数KN〜KN16の概要を示す。
各組のフィルタ係数KN(mは1乃至16のいずれか)は、図8(a)の3×3画素にそれぞれ対応する、3×3個のフィルタ係数を持つ。図8(b)で白色の部分は正の係数を、黒色の部分は負の係数を、ハッチングを施した部分は値が0の係数を示す。
図9及び図10は、それらの(1)〜(16)に第1乃至第16のフィルタ係数KN〜KN16の具体例を示す。各組のフィルタ係数は3×3の2次元マトリクスを構成し、各マスが、3×3画素範囲内の座標(x,y)に対応し、各マス内に記入された数値と各マトリクスの右側に記載された分数を掛けた値が、当該マスの位置に対応する座標(x,y)の画素の画素値に乗算される係数となる。各マス内の数値は相対的な大きさを表す整数であり、右側の分数を掛けるのは、組相互間で係数の絶対値の総和が同じ値、具体的には1となるようにするためである。座標(x,y)の画素に乗算される係数はKN(x,y)で表される。
図8(a)に示される3×3画素の画素値と、図8(b)の(1)〜(16)、より具体的には、図9及び図10の(1)〜(16)の各々に示される各組のフィルタ係数KN(x,y)とを用いて、図8(c)に示すように、積和演算が行われる。積和演算は式(3)で表される。
Figure 0005995704
式(3)において、
KN(x,y)は第mのフィルタ係数の組の座標(x,y)の係数の値を表す。mは1≦m≦16の範囲の整数である。
SNは第mのフィルタ係数の組を用いたときの積和演算結果である。
狭範囲エッジ検出部24は、上記の積和演算処理で求められた、すべての方向mについての積和演算結果SNの絶対値を、狭範囲エッジ指標ANとし、さらに、すべての方向mについての狭範囲エッジ指標ANのうちの最大値ANmxを求めて、該最大値ANmxを狭範囲エッジ強度として出力する。
標準偏差算出部26は、一時記憶部11からの、上記の3×3画素の範囲内の画素のデータから標準偏差SDを算出する。標準偏差SDは、下記の式(4)で求められる。
Figure 0005995704
式(4)において、Pavaは、画素値P(x,y)の、3×3画素の範囲にわたる平均値であり、下記の式(5)で求められる。
Figure 0005995704
エッジ判定部27は、広範囲エッジ検出部21からの広範囲エッジ検出結果としての広範囲エッジ強度AWmx及び広範囲エッジ方向neと、ピーク強度算出部23からのピーク強度PRと、狭範囲エッジ検出部24からの狭範囲エッジ検出結果としての狭範囲エッジ強度ANmxと、標準偏差算出部26からの標準偏差SDとに基づいて、処理対象画素がエッジ箇所にあるか、平坦な箇所にあるか、それら以外の箇所にあるかの判定を行って、この判定の結果をエッジ判定結果EJRとして出力するとともに、エッジ箇所にあると判定した場合には、エッジの方向を示すデータEGDも出力する。
エッジ判定結果EJRの生成のため、エッジ判定部27は、広範囲エッジ強度AWmx、狭範囲エッジ強度ANmx、標準偏差SD及びピーク強度PRと、それぞれの閾値AWth、ANth、SDth、PRthとの比較を行う。比較に用いられる閾値を図11に示し、判定で用いられる規則を図12に示す。閾値AWth、ANth、SDth、PRthは、それぞれ特許請求の範囲における「第1の閾値」、「第2の閾値」、「第4の閾値」、「第3の閾値」に対応する。
エッジ判定部27による判定の方法について図12を参照して説明する。
最初に、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth未満の場合には、エッジ箇所ではなく、平坦箇所及びその他の箇所のいずれかであると判定する。これは、処理対象画素を中心にして広い範囲を参照したときに、エッジ強度が十分大きくないためエッジと判定しないようにしている。
この場合、標準偏差SDを参照し、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth未満の場合には、平坦箇所と判定し、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth以上の場合には、その他の箇所と判定する。
次に、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上の場合には、狭範囲エッジ強度ANmxを参照する。狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth未満の場合には、エッジ箇所と判定する。この場合は、処理対象画素を中心にして広い範囲を参照したときにエッジ強度が十分大きく、かつ狭い範囲を参照したときにエッジ強度が小さい状態であり、エッジ箇所と判定してエッジ平滑化処理を行うことで、狭い範囲でのエッジを強調するように作用する。
さらに、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上で、かつ狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth以上の場合には、ピーク強度PRを参照して、エッジ箇所か否かを判定する。ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth以上の場合には、エッジ箇所と判定する。一方、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth未満の場合には、標準偏差SDを参照して平坦箇所かその他の箇所であるかを判定する。即ち、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth未満の場合には平坦箇所と判定し、標準偏差閾値SDth以上の場合にはその他の箇所と判定する。
エッジ判定部27は、上記のようにして得られた判定の結果EJRを出力する。
エッジ判定部27はさらに、上記のエッジ判定により、エッジ箇所と判定した場合には、広範囲エッジ検出結果のエッジ方向(広範囲エッジ方向)neを、そのまま当該処理対象画素についてのエッジ方向EGDとして出力する。
判定の結果EJR及びエッジ方向EGDは、画素値補正部30に伝えられる。
画素値補正部30は、エッジ平滑化処理部31、エッジ平滑化フィルタ係数保持部32、平均画素値算出部33及び出力画素値算出部34を有する。
画素値補正部30では、入力画像データD11中の処理対象画素とその周辺の画素のデータが、エッジ平滑化処理部31、平均画素値算出部33及び出力画素値算出部34に送られる。
図13は、エッジ平滑化処理部31、平均画素値算出部33及び出力画素値算出部34のそれぞれに送られる入力画像データ中の処理対象画素とその周辺の画素のデータを示す。
図13に示すように、エッジ平滑化処理部31には、処理対象画素を中心にして第4の範囲内の画素、例えば周辺の左右、上下1画素ずつの計3×3画素のデータが送られる。
図13に示すように、平均画素値算出部33には、処理対象画素を中心にして第5の範囲内の画素、例えば周辺の左右、上下1画素ずつの計3×3画素のデータが送られる。
出力画素値算出部34には、処理対象画素のみが送られる。
エッジ平滑化処理部31は、一時記憶部11からの、上記の3×3の範囲(第4の範囲)の画素の画素値と、エッジ平滑化フィルタ係数保持部32から供給される、エッジ平滑化フィルタ係数KSと、エッジ判定部27から供給されるエッジ方向neに基づいて、エッジ平滑化結果SSを算出する。
エッジ平滑化処理部31は、エッジ平滑化フィルタ係数保持部32から供給される複数組の、例えば16組のエッジ平滑化フィルタ係数KS〜KS16のうちの、エッジ方向neに対応するものKSneを選択し、一時記憶部11からの3×3画素の画素値と、選択されたフィルタ係数KSneとの積和演算を行って、積和演算結果を、エッジ平滑化結果(エッジ平滑化画素値)SSとして出力する。
16組のエッジ平滑化フィルタ係数KS〜KS16は、それぞれ16個の方向(第1乃至第16の方向)での平滑化を行うためのものである。
16個の方向は、水平右方向を0度とし、0度方向から337.5度方向までの22.5度刻みの方向であり、広範囲エッジ検出部21で、広範囲エッジ検出フィルタ係数KW〜KW16を用いて算出されるそれぞれの広範囲エッジ指標AWの方向nと同じである。
エッジ平滑化処理部31による積和演算処理の概要を図14(a)〜(c)に示す。
図14(a)は、処理対象画素(○印で示す)を中心とする3×3画素を示す。各画素の画素値は、処理対象画素の位置を原点とする座標(x,y)を用い、P(x,y)で表される。
図14(b)は、その(1)〜(16)に、第1乃至第16の方向のエッジ平滑化処理に用いられるフィルタ係数KS〜KS16の例を示す。
各組のフィルタ係数KS(nは1乃至16のいずれか)は、図14(a)の3×3画素にそれぞれ対応する、3×3個のフィルタ係数を持つ。図14(b)で、黒丸の部分は値が1/3であるフィルタ係数を表し、無印の部分は値が0のフィルタ係数を表す。座標(x,y)の画素に対応するフィルタ係数の値はKS(x,y)で表される。
図14(a)に示される3×3画素の画素値と、図14(b)の(1)〜(16)に示される16組のフィルタ係数KS(x,y)〜KS16(x,y)のうちの選択されたもの、即ち検出されたエッジの方向に対応する第neの組のフィルタ係数KSne(x,y)とを用いて、図14(c)に示すように、積和演算が行われる。積和演算は式(6)で表される。
Figure 0005995704
式(6)において、
KSne(x,y)は第neのエッジ平滑化フィルタ係数の組の、座標(x,y)の係数の値を表している。neは1≦ne≦16の範囲内の整数である。
SSは積和演算結果であり、この値がエッジ平滑化結果となる。
平均画素値算出部33は、一時記憶部11からの、上記の3×3画素のデータの平均値Pavbを算出し、算出した平均値(平均画素値)を、二次元平滑化結果Pavbとして出力する。平均値の算出は上記の式(5)と同様の下記の式(7)、即ち、式(5)のPavaをPavbで置き換えた式で表される。
Figure 0005995704
出力画素値算出部34は、図15に示すように、画素値選択部341と画素値合成部342を有する。
画素値選択部341は、エッジ判定部27からのエッジ判定結果EJRを参照して、エッジ平滑化結果SS、二次元平滑化結果Pavb、及び処理対象画素の画素値Porgのいずれかを選択して中間出力画素値Pmidとして出力する。選択の規則は図16に示されている。即ち、エッジ判定結果EJRがエッジ箇所であることを示す場合にはエッジ平滑化結果SSが選択され、エッジ判定結果EJRが平坦箇所を示す場合には二次元平滑化結果Pavbが選択され、エッジ判定結果EJRがその他の箇所を示す場合には処理対象画素の画素値Porgが選択される。
画素値合成部342は、中間出力画素値Pmidと、処理対象画素の画素値Porgとを、式(8)に従って合成乃至混合し、出力画素値Poutを求めて出力する。式(8)中のStrは出力画素値の合成比率(混合比)を表す。この合成比率Strの値は0〜1の間の値であり、予め定められ、或いは入力画像の特徴に応じて逐次定められる。
Figure 0005995704
上記のようにして求められた出力画素値Poutを表す出力画像データD30が画素値補正部30から出力される。
以上のように、広範囲エッジ強度、狭範囲エッジ強度、標準偏差及びピーク強度を参照することで、処理対象画素がエッジ箇所、平坦箇所及びそれら以外の箇所のいずれにあるかの判定を、少ない誤りで実現することができる。
そして、判定結果に従ってエッジ平滑化処理又は二次元平滑化処理を行い、あるいはいずれの平滑化も行わないことで、エッジ平滑化処理によってエッジが無い箇所の画質が劣化する、あるいは二次元平滑化処理によってエッジが有る箇所のエッジが鈍るといった問題を発生させることなく、エッジ平滑化処理を実現することができる。
実施の形態2.
図17は本発明の実施の形態2の画像処理装置15の構成を示す。
図17に示される画像処理装置15は、図1に示される画像処理装置10と概して同じであるが、図1のエッジ解析部20及び画素値補正部30の代わりに、エッジ解析部20b及び画素値補正部30bが設けられている点で異なる。
エッジ解析部20bは、図1のエッジ解析部20と概して同じであるが、標準偏差算出部26が除去され、エッジ判定部27の代わりに、エッジ判定部27bが設けられている点で異なる。
エッジ解析部20bの広範囲エッジ検出部21、広範囲エッジ検出フィルタ係数保持部22、ピーク強度算出部23、狭範囲エッジ検出部24及び狭範囲エッジ検出フィルタ係数保持部25の動作は、実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、エッジ判定部27が図12に示される規則に従ってエッジ箇所、平坦箇所及びその他の箇所のいずれであるかの判定をしているが、実施の形態2のエッジ判定部27bは、図19に示される規則に従ってエッジ箇所及びエッジ以外の箇所のいずれであるかの判定を行う。
エッジ判定部27bによる判定の方法について図19を参照して説明する。
最初に、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth未満の場合には、エッジ以外の箇所であると判定する。これは、処理対象画素を中心にして広い範囲を参照したときに、エッジ強度が十分大きくないためエッジと判定しないようにしている。
次に、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上の場合には、狭範囲エッジ強度ANmxを参照する。狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth未満の場合には、エッジ箇所と判定する。この場合は、処理対象画素を中心にして広い範囲を参照したときにエッジ強度が十分大きく、かつ狭い範囲を参照したときにエッジ強度が小さい状態であり、エッジ箇所と判定してエッジ平滑化処理を行うことで、狭い範囲でのエッジを強調するように作用する。
最後に、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上で、かつ狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth以上の場合には、ピーク強度PRを参照して、エッジ箇所か否かを判定する。ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth以上の場合には、エッジ箇所と判定する。一方、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth未満の場合にはエッジ以外の箇所と判定する。
エッジ判定部27bは、上記のようにして得られた判定の結果を出力する。
エッジ判定部27bはさらに、上記のエッジ判定により、エッジ箇所と判定した場合には、広範囲エッジ検出結果のエッジ方向(広範囲エッジ方向)neを、そのまま当該処理対象画素についてのエッジ方向EGDとして出力する。
図17の画素値補正部30bは、図1の画素値補正部30と概して同じであるが、平均画素値算出部33が除去されており、出力画素値算出部34の代わりに、出力画素値算出部34bが設けられている。
画素値補正部30bのエッジ平滑化処理部31及びエッジ平滑化フィルタ係数保持部32の動作は、実施の形態1と同様である。
出力画素値算出部34bは、図18に示すように、画素値選択部341bと画素値合成部342を有する。出力画素値算出部34bは出力画素値算出部34と概して同じであるが、画素値選択部341の代わりに画素値選択部341bが設けられている。
実施の形態1の画素値選択部341は、図16に示される規則に従って、エッジ平滑化結果、平均画素値算出結果及び処理対象画素のいずれか一つを選択して中間出力画素値Pmidとして出力しているが、実施の形態2の画素値選択部341bは、図20に示される規則に従ってエッジ平滑化結果及び処理対象画素のいずれか一つを選択して中間出力画素値Pmidとして出力する。
即ち、画素値選択部341bは、エッジ判定部27bからのエッジ判定結果EJRbを参照して、エッジ判定結果EJRbがエッジ箇所であることを示す場合にはエッジ平滑化結果SSを、エッジ判定結果EJRbがその他の箇所(エッジ箇所以外の箇所)であることを示す場合には処理対象画素の画素値Porgを選択して中間出力画素値Pmidとして出力する。
図18に示される画素値合成部342の動作は、図15に示される、実施の形態1の画素値合成部342の動作と同様である。
上記のようにして求められた出力画素値Poutを表す出力画像データD30が画素値補正部30から出力される。
以上のように、広範囲エッジ強度、狭範囲エッジ強度及びピーク強度を参照することで、処理対象画素がエッジ箇所、及びエッジ以外の箇所のいずれにあるかの判定を、少ない誤りで実現することができる。
そして、判定結果に従ってエッジ平滑化処理を行うか否かを選択することで、エッジ平滑化処理によってエッジが無い箇所の画質が劣化するような問題を発生させることなく、エッジ平滑化処理を実現することができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、本発明を画像処理装置として説明したが、上記の画像処理装置で実施される画像処理方法も本発明の一部を成す。
図21は本発明の実施の形態3の画像処理方法の処理手順を示す。
図21において、画像データ入力ステップST10では、入力画像データを入力し、一時記憶部11に書き込む。一時記憶部11に書き込まれたデータは以下に説明するステップST11、ST14、ST16〜ST19で、処理対象画素及びその周辺の画素の画素値を表すデータとして利用される。
広範囲エッジ検出ステップST11では、処理対象画素を中心とする第1の範囲、例えば11×11画素の範囲内の画素の画素値と、複数組の、例えば16組の広範囲エッジ検出フィルタ係数KW〜KW16とを用いた積和演算を行うことで、16個の方向n(n=1〜16)の各々について積和演算結果SW〜SW16を求める。
積和演算処理の概要は図3(a)〜(c)に示す通りである。
広範囲エッジ検出ステップST11ではさらに、それぞれの方向についての積和演算結果SWの絶対値AWを、それぞれの方向についての広範囲エッジ指標として求め、これらの広範囲エッジ指標AWのうちの最大のものを、広範囲エッジ強度AWmxとして出力するとともに、対応する方向nをエッジ方向neとして出力する。
ステップST11の処理の内容は図1の広範囲エッジ検出部21による処理と同じである。
ピーク強度算出ステップST12では、ステップST11で算出した16個の広範囲エッジ指標AW〜AW16、及び広範囲エッジ強度AWmxを用いて、先に示した式(2A)及び式(2B)に従ってピーク強度PRを算出する。
ピーク強度算出ステップST12の処理は、ピーク強度算出部23による処理と同じである。
狭範囲エッジ検出ステップST13では、処理対象画素を中心とする第2の範囲、例えば3×3の画素の範囲内の画素の画素値と、複数組の、例えば16組の狭範囲エッジ検出フィルタ係数KN〜KN16とを用いた積和演算を行うことで、16個の方向m(m=1〜16)の各々について積和演算結果SN〜SN16を求める。
積和演算処理の概要は図8(a)〜(c)に示す通りである。
狭範囲エッジ検出ステップST13ではさらに、それぞれの方向についての積和演算結果SNの絶対値ANを、それぞれの方向についての狭範囲エッジ指標として求め、これらの狭範囲エッジ指標ANのうちの最大のものを、狭範囲エッジ強度ANmxとして出力する。
ステップST13の処理の内容は図1の狭範囲エッジ検出部24による処理と同じである。
標準偏差算出ステップST14では、処理対象画素を中心とする第3の範囲、例えば周辺の3×3画素の範囲内の画素の画素値から標準偏差SDを算出する。
標準偏差SDは、上記式(4)及び式(5)で求められる。
標準偏差算出ステップST14の処理は、標準偏差算出部26による処理と同じである。
エッジ判定ステップST15では、ステップST11で算出した広範囲エッジ検出結果(広範囲エッジ強度AWmx及びエッジ方向ne)と、ステップST12で算出したピーク強度PRと、ステップST13で算出した狭範囲エッジ検出結果(狭範囲エッジ強度ANmx)と、ステップST14で算出した標準偏差SDに基づいて、エッジ判定結果EJR及びエッジ方向EGDを算出する。
エッジ判定ステップST15の処理は、エッジ判定部27による処理と同じであり、図11に示される閾値を用い、図12に示される規則に従って判定が行われる。
ステップST15における判定の手順について図22を参照してさらに詳しく説明する。
最初に、広範囲エッジ強度AWmxと広範囲エッジ強度閾値AWthを比較し(ST101)、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth未満(ST101でNO)の場合には、エッジ箇所ではなく、平坦箇所及びその他の箇所のいずれかであると判定する(ST102)。
この場合、標準偏差SDを標準偏差閾値SDthと比較し(ST103)、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth未満(ST103でNO)の場合には、平坦箇所と判定し(ST104)、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth以上(ST103でYES)の場合には、その他の箇所(エッジ箇所及び平坦箇所のいずれでもない)と判定する(ST105)。
ステップST101で広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上(ST101でYES)の場合には、狭範囲エッジ強度ANmxを狭範囲エッジ強度閾値ANthと比較し(ST106)、狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth未満(ST106でNO)の場合には、エッジ箇所と判定する(ST107)。
ステップST106で狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth以上(ST106でYES)の場合には、ピーク強度PRをピーク強度閾値PRthと比較し(ST108)、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth以上(ST108でYES)の場合には、エッジ箇所と判定する(ST107)。一方、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth未満(ST108でNO)の場合には、ステップST102に進み、平坦箇所又はその他の箇所と判定した後、ステップST103に進み、標準偏差SDを標準偏差閾値SDthと比較する(ST103)。即ち、標準偏差SDが標準偏差閾値SDth未満(ST103でNO)の場合には平坦箇所と判定し(ST104)、標準偏差閾値SDth以上(ST103でYES)の場合にはその他の箇所と判定する(ST105)。
ステップST107で、エッジ箇所との判断をした場合には、ステップST109に進み、広範囲エッジ検出結果のエッジ方向(広範囲エッジ方向)neを、そのままエッジ方向EGDとして出力する。
図21に戻り、エッジ平滑化処理ステップST16では、ステップST15で求められたエッジ方向neに基づいて、対応するエッジ平滑化フィルタ係数KSneを選択し、選択したエッジ平滑化フィルタ係数KSneと、処理対象画素を中心とする第4の範囲、例えば3×3画素の範囲内の画素の画素値とを積和演算することで、エッジ平滑化結果を算出する。
積和演算処理の概要は図14(a)〜(c)に示す通りであり、
ステップST16の処理は、図1のエッジ平滑化処理部31による処理と同じである。
平均画素値算出ステップST17では、処理対象画素を中心とする第5の範囲、例えば3×3画素の範囲内の画素の画素値の平均値Pavbを算出し、この平均値を二次元平滑化結果として出力する。
ステップST17の処理は、図1の平均画素値算出部33による処理と同じである。
画素値選択ステップST18では、ステップST15で求められたエッジ判定結果EJRを参照して、エッジ判定結果EJRがエッジ箇所の場合はステップST16で算出したエッジ平滑化結果を、平坦箇所の場合はステップST17で算出した二次元平滑化結果Pavbを、その他の箇所の場合には処理対象画素の画素値Porgを選択して中間出力画素値Pmidとして出力する。
画素値選択ステップST18における選択は、図16に示す通りであり、画素値選択ステップST18の処理は、図15の画素値選択部341による処理と同じである。
画素値合成ステップST19では、中間出力画素値Pmidと、処理対象画素の画素値Porgとを合成比率Str:(1−Str)で合成して出力画素値Poutを求める。
合成は式(8)で表される。
画素値合成ステップST19の処理は、図15の画素値合成部342による処理と同じである。
ステップST20では、出力画素値Poutを表す画像データD30を出力する。
以上説明した、図21の処理手順を実行することで、入力画像中の処理対象画素とその周辺画素から、エッジが滑らかになるように補正された出力画素を算出生成することができる。
以上のように、広範囲エッジ強度、狭範囲エッジ強度、標準偏差及びピーク強度を参照することで、処理対象画素がエッジ箇所、エッジ以外の箇所のいずれにあるかの判定を、少ない誤りで実現することができる。
そして、判定結果に従ってエッジ平滑化処理又は二次元平滑化処理を行い、あるいはいずれの平滑化も行わないことで、エッジ平滑化処理によってエッジが無い箇所の画質が劣化する、あるいは二次元平滑化処理によってエッジが有る箇所のエッジが鈍るといった問題を発生させることなく、エッジ平滑化処理を実現することができる。
実施の形態4.
図23は本発明の実施の形態4の画像処理方法の処理手順を示す。
図23の画像処理方法は、図21に示した実施の形態3の画像処理方法に対して、標準偏差算出ステップST14と平均画素値算出ステップST17が取り除かれていること、及びエッジ判定ステップST15及び画素値選択ステップST18がエッジ判定ステップST15b及び画素値選択ステップST18bに置き換わっている点で異なる。
ステップST10からステップST13までの処理内容は実施の形態3と同様である。
実施の形態3ではエッジ判定ステップST15において、図12に示される規則に従ってエッジ箇所、平坦箇所及びその他の箇所のいずれであるかの判定をしているが、実施の形態4のエッジ判定ステップST15bでは、図19に示される規則に従ってエッジ箇所及びエッジ以外のいずれであるかの判定を行う。
エッジ判定ステップST15bにおける処理は、実施の形態2のエッジ判定部27bによる処理と同じである。
ステップST15bにおける判定の手順について図24を参照してさらに詳しく説明する。
最初に、広範囲エッジ強度SWmxを広範囲エッジ強度閾値AWthと比較し(ST101)、広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth未満(ST101でNO)の場合には、その他の箇所(エッジ以外の箇所)であると判定する(ST102b)。
ステップST101で広範囲エッジ強度AWmxが広範囲エッジ強度閾値AWth以上(ST101でYES)の場合には、狭範囲エッジ強度ANmxを狭範囲エッジ強度閾値ANthと比較し(ST106)、狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth未満(ST106でNO)の場合には、エッジ箇所と判定する(ST107)。
ステップST106で狭範囲エッジ強度ANmxが狭範囲エッジ強度閾値ANth以上(ST106でYES)の場合には、ピーク強度PRをピーク強度閾値PRthと比較し(ST108)、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth以上(ST108でYES)の場合には、エッジ箇所と判定(ST107)。一方、ピーク強度PRがピーク強度閾値PRth未満(ST108でNO)の場合にはエッジ以外の箇所と判定する(ST102)。
ステップST107で、エッジ箇所との判断をした場合には、ステップST109に進み、広範囲エッジ検出結果のエッジ方向(広範囲エッジ方向)neを、そのままエッジ方向EGDとして出力する。
エッジ平滑化処理ステップST16の処理内容は、実施の形態3のエッジ平滑化処理ステップST16と同様である。
実施の形態3では画素値選択ステップST18において、図16に示される規則に従ってエッジ平滑化結果、平均画素値算出結果及び処理対象画素のいずれか一つを選択して中間出力画素値Pmidとして出力しているが、実施の形態4の画素値選択ステップST18bでは、図20に示される規則に従ってエッジ平滑化結果及び処理対象画素のいずれか一つを選択して中間出力画素値Pmidとして出力する。
画素値合成ステップST19及び画像データ出力ステップST20は、図22の同じ符号のステップと同じである。
以上のように、広範囲エッジ強度、狭範囲エッジ強度及びピーク強度を参照することで、処理対象画素がエッジ箇所及びエッジ以外の箇所のいずれにあるかの判定を、少ない誤りで実現することができる。
そして、判定結果に従ってエッジ平滑化処理を行うか否かの選択することで、エッジ平滑化処理によってエッジが無い箇所の画質が劣化するような問題を発生させることなく、エッジ平滑化処理を実現することができる。
変形例.
なお、上記の実施の形態1及び2では、広範囲エッジ検出部21でエッジ指標を算出する方向の数と、狭範囲エッジ検出部24でエッジ指標を算出する方向の数がともに16であるが、本発明はこれに限定されず、該方向の数が互いに異なっていても良い。エッジ指標を算出する方向の数は、斜め方向が含まれることになる8以上であれば本発明の効果が発揮される。
また、実施の形態1及び2の広範囲エッジ検出部21による広範囲エッジ強度AWmx、及び広範囲エッジ方向neの算出に処理対象画素の周辺11×11画素の範囲内の画素を参照しているが、参照される範囲は11×11画素の範囲に限定されない。
一般化して言えば、広範囲エッジ検出部21は、一時記憶部11から出力される入力画像D11中の処理対象画素を中心とする、第1の範囲内の画素の画素値に基づいて、N個(Nは8以上の整数)の方向の各々について広範囲エッジ指標AWを算出し、さらに、算出されたN個の方向の各々についての広範囲エッジ指標のうちの最大のものを検出して、広範囲エッジ強度(第1のエッジ強度)AWmxとして出力するとともに、広範囲エッジ指標AWが最大となる方向を広範囲エッジ方向(第1のエッジ方向)neとして出力するものであれば良い。
この場合、ピーク強度算出部23は、広範囲エッジ検出部21で算出されたN個の方向についての広範囲エッジ指標AWの平均値AWavを算出し、上記広範囲エッジ強度AWmxの、上記平均値AWavに対する比をピーク強度PRとして算出する。
同様に、実施の形態1及び2の狭範囲エッジ検出部24による狭範囲エッジ指標の算出に処理対象画素の周辺3×3画素の範囲内の画素を参照しているが、参照される範囲は3×3画素の範囲に限定されず、広範囲エッジ検出部21で参照される範囲よりも狭ければよい。
一般化して言えば、狭範囲エッジ検出部24は、一時記憶部11から出力される入力画像D11中の処理対象画素を中心とする、上記第1の範囲よりも狭い、第2の範囲内の画素の画素値に基づいて、M個(Mは8以上の整数)の方向の各々について狭範囲エッジ指標ANを算出し、さらに、算出されたM個の方向の各々についての狭範囲エッジ指標のうちの最大のものを検出して、狭範囲エッジ強度(第2のエッジ強度)ANmxとして出力するものであれば良い。
同様に、実施の形態1の標準偏差算出部26による標準偏差SDの算出に処理対象画素の周辺3×3画素の範囲内の画素を参照しているが、参照される範囲は3×3画素の範囲に限定されない。
一般化して言えば、標準偏差算出部26は、一時記憶部11から出力される入力画像D11中の処理対象画素を中心とする、第3の範囲内の画素の画素値の標準偏差を算出するものであれば良い。第3の範囲は、予め定められたものでもよく、入力画像の特徴に応じて逐次定められるものであっても良い。
また、実施の形態1及び2のエッジ平滑化処理部31によるエッジ平滑化処理に処理対象画素の周辺3×3画素の範囲内の画素を参照しているが、参照される範囲は3×3画素の範囲に限定されない。
一般化して言えば、エッジ平滑化処理部31は、一時記憶部11から出力される入力画像D11中の処理対象画素を中心とする、第4の範囲内の画素の画素値を用いて平滑化を行うものであれば良い。第4の範囲は、予め定められたものでもよく、入力画像の特徴に応じて逐次定められるものであっても良い。
同様に、実施の形態1の平均画素値算出部33による二次元平滑化処理に処理対象画素の周辺3×3画素の範囲内の画素を参照しているが、参照される範囲は3×3画素の範囲に限定されず、予め定められた範囲であれば良い。
一般化して言えば、平均画素値算出部33は、一時記憶部11から出力される入力画像D11中の処理対象画素を中心とする、第5の範囲内の画素の画素値を用いて平均値を求めるものであれば良い。第5の範囲は、予め定められたものでもよく、入力画像の特徴に応じて逐次定められるものであっても良い。
また、実施の形態1及び2の狭範囲エッジ検出部24による狭範囲エッジ指標ANの算出、及びエッジ平滑化処理部31によるエッジ平滑化、並びに実施の形態1の標準偏差算出部26による標準偏差SDの算出、及び平均画素値算出部33による二次元平滑化で参照される範囲がいずれも3×3画素であるが、これらは互いに異なっていても良い。
上記した実施の形態1についての変形は、実施の形態3にも適用可能であり、実施の形態2についての変形は、実施の形態4にも適用可能である。
以上本発明を画像処理装置及び画像処理方法として説明したが、画像処理装置のエッジ解析部及び画素値補正部はソフトウエアにより、即ちプログラムされたコンピュータにより実現することも可能であり、画像処理装置の諸機能をコンピュータに実行させるためのプログラム、或いは画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体もまた本発明の一部を成す。
10 画像処理装置、 11 一時記憶部、 20、20b エッジ解析部、 21 広範囲エッジ検出部、 22 広範囲エッジ検出フィルタ係数保持部、 23 ピーク強度算出部、 24 狭範囲エッジ検出部、 25 狭範囲エッジ検出フィルタ係数保持部、 26 標準偏差算出部、 27、27b エッジ判定部、 30 画素値補正部、 31 エッジ平滑化処理部、 32 エッジ平滑化フィルタ係数保持部、 33 平均画素値算出部、 34、34b 出力画素値算出部、 341、341b 画素値選択部、 342 画素値合成部。

Claims (18)

  1. 入力画像中の処理対象画素を中心とする第1の範囲内の画素の画素値に基づいて、
    N個(Nは8以上の整数)の方向の各々について第1のエッジ指標を算出し、算出された前記N個の方向の各々についての第1のエッジ指標のうちの最大のものを第1のエッジ強度として出力するとともに、前記第1のエッジ指標が最大となる方向を第1のエッジ方向として出力する第1のエッジ検出部と、
    前記第1のエッジ検出部で算出された前記N個の方向についての前記第1のエッジ指標の平均値に対する比をピーク強度として算出するピーク強度算出部と、
    前記入力画像中の前記処理対象画素を中心とし、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲内の画素に基づいてM個(Mは8以上の整数)の方向の各々について第2のエッジ指標を算出し、算出された前記M個の方向の各々についての前記第2のエッジ指標のうちの最大のものを第2のエッジ強度として出力する第2のエッジ検出部と、
    前記第1のエッジ検出部からの前記第1のエッジ強度と、前記第2のエッジ検出部からの前記第2のエッジ強度と、前記ピーク強度算出部からの前記ピーク強度に基づいて、前記処理対象画素がエッジ箇所にあるか、エッジ以外の箇所にあるかの判定を行って判定結果を出力し、エッジ箇所にある場合には前記第1のエッジ方向を当該処理対象画素についてのエッジの方向として出力するエッジ判定部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第3の範囲内の画素の画素値の標準偏差を算出する標準偏差算出部をさらに有し、
    前記エッジ判定部は、
    前記第1のエッジ検出部からの前記第1のエッジ強度、前記第2のエッジ検出部からの前記第2のエッジ強度、及び前記ピーク強度算出部からの前記ピーク強度のみならず、前記標準偏差算出部からの前記標準偏差にも基づいて、前記処理対象画素が、エッジ箇所にあるか、平坦箇所にあるか、それら以外の箇所にあるかの判定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1のエッジ検出部が、前記第1の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記N個の方向の各々に対して予め定められたフィルタ係数の組であって、各々前記第1の範囲内の画素の各々に対応するフィルタ係数を有するフィルタ係数の組との積和演算を行い、該積和演算の結果の絶対値を、当該方向についての前記第1のエッジ指標として出力し、
    前記第2のエッジ検出部が、前記第2の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記M個の方向の各々に対して予め定められたフィルタ係数の組であって、各々前記第2の範囲内の画素の各々に対応するフィルタ係数を有するフィルタ係数の組との積和演算を行い、該積和演算の結果の絶対値を、当該方向についての前記第2のエッジ指標として出力する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第4の範囲内の画素の画素値を用いて、前記エッジ判定部で当該処理対象画素について検出された前記エッジの方向に応じたエッジ平滑化処理を行い、エッジ平滑化画素値を出力するエッジ平滑化処理部と、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果に応じて、前記エッジ平滑化処理部からの前記エッジ平滑化画素値と、前記処理対象画素の画素値のいずれかを選択して中間出力画素値として出力する画素値選択部と、
    前記画素値選択部からの前記中間出力画素値と、前記処理対象画素の画素値とを、指定された合成比率で合成して出力画素値を算出する画素値合成部と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第4の範囲内の画素の画素値を用いて、前記エッジ判定部で当該処理対象画素について検出された前記エッジの方向に応じたエッジ平滑化処理を行い、エッジ平滑化画素値を出力するエッジ平滑化処理部と、
    前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第5の範囲内の画素の画素値の平均値を算出して、平均画素値として出力する平均画素値算出部と、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果に応じて、前記平均画素値算出部からの前記平均画素値と、前記エッジ平滑化処理部からの前記エッジ平滑化画素値と、前記処理対象画素の画素値のいずれかを選択して中間出力画素値として出力する画素値選択部と、
    前記画素値選択部からの前記中間出力画素値と、前記処理対象画素の画素値とを、指定された合成比率で合成して出力画素値を算出する画素値合成部と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記エッジ平滑化処理部は、
    前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、前記第4の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記N個の方向のうちの、前記エッジ判定部で当該処理対象画素について検出されたエッジの方向に対して予め定められたフィルタ係数の組との積和演算を行うことで、前記エッジ平滑化処理を行う
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
  7. 前記エッジ判定部は、
    前記第1のエッジ強度が第1の閾値未満の場合には、エッジ以外の箇所であると判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が第2の閾値未満の場合には、エッジ箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が前記第2の閾値以上で、かつ前記ピーク強度が第3の閾値以上の場合には、エッジ箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が前記第2の閾値以上で、かつ前記ピーク強度が前記第3の閾値未満の場合には、エッジ以外の箇所と判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記エッジ判定部は、
    第1のエッジ強度が第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が第2の閾値未満の場合には、エッジ箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が前記第2の閾値以上で、かつ前記ピーク強度が第3の閾値以上の場合には、エッジ箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が前記第2の閾値以上で、かつ前記ピーク強度が前記第3の閾値未満で、かつ前記標準偏差が第4の閾値未満の場合には平坦箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値以上で、かつ前記第2のエッジ強度が前記第2の閾値以上で、かつ前記ピーク強度が前記第3の閾値未満で、かつ前記標準偏差が前記第4の閾値以上の場合には、エッジ箇所及び平坦箇所のいずれでもないと判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値未満で、かつ前記標準偏差が前記第4の閾値未満の場合には、平坦箇所と判定し、
    前記第1のエッジ強度が前記第1の閾値未満で、かつ前記標準偏差が前記第4の閾値以上の場合には、エッジ箇所及び平坦箇所のいずれでもないと判定する
    ことを特徴とする請求項2又は5に記載の画像処理装置。
  9. 前記画素値選択部は、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果がエッジ箇所であることを示す場合には前記エッジ平滑化画素値を、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果がエッジ箇所以外の箇所であることを示す場合には前記処理対象画素の画素値を選択して前記中間出力画素値として出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  10. 前記画素値選択部は、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果がエッジ箇所であることを示す場合は前記エッジ平滑化画素値を、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果が平坦箇所であることを示す場合には前記平均画素値を、
    前記エッジ判定部での前記判定の結果がエッジ箇所及び平坦箇所のいずれでもないことを示す場合には前記処理対象画素の画素値を選択して前記中間出力画素値として出力する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  11. 入力画像中の処理対象画素を中心とする第1の範囲内の画素の画素値に基づいて、
    N個(Nは8以上の整数)の方向の各々について第1のエッジ指標を算出し、算出された前記N個の方向の各々についての第1のエッジ指標のうちの最大のものを第1のエッジ強度として出力するとともに、前記第1のエッジ指標が最大となる方向を第1のエッジ方向として出力する第1のエッジ検出ステップと、
    前記第1のエッジ検出ステップで算出された前記N個の方向についての前記第1のエッジ指標の平均値に対する比をピーク強度として算出するピーク強度算出ステップと、
    前記入力画像中の前記処理対象画素を中心とし、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲内の画素に基づいてM個(Mは8以上の整数)の方向の各々について第2のエッジ指標を算出し、算出された前記M個の方向の各々についての前記第2のエッジ指標のうちの最大のものを第2のエッジ強度として出力する第2のエッジ検出ステップと、
    前記第1のエッジ検出ステップからの前記第1のエッジ強度と、前記第2のエッジ検出ステップからの前記第2のエッジ強度と、前記ピーク強度算出ステップからの前記ピーク強度に基づいて、前記処理対象画素がエッジ箇所にあるか、エッジ以外の箇所にあるかの判定を行って判定結果を出力し、エッジ箇所にある場合には前記第1のエッジ方向を当該処理対象画素についてのエッジの方向として出力するエッジ判定ステップと
    を備えたことを特徴とする画像処理方法。
  12. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第3の範囲内の画素の画素値の標準偏差を算出する標準偏差算出ステップをさらに有し、
    前記エッジ判定ステップは、
    前記第1のエッジ検出ステップからの前記第1のエッジ強度、前記第2のエッジ検出ステップからの前記第2のエッジ強度、及び前記ピーク強度算出ステップからの前記ピーク強度のみならず、前記標準偏差算出ステップからの前記標準偏差にも基づいて、前記処理対象画素が、エッジ箇所にあるか、平坦箇所にあるか、それら以外の箇所にあるかの判定を行う
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  13. 前記第1のエッジ検出ステップが、前記第1の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記N個の方向の各々に対して予め定められたフィルタ係数の組であって、各々前記第1の範囲内の画素の各々に対応するフィルタ係数を有するフィルタ係数の組との積和演算を行い、該積和演算の結果の絶対値を、当該方向についての前記第1のエッジ指標として出力し、
    前記第2のエッジ検出ステップが、前記第2の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記M個の方向の各々に対して予め定められたフィルタ係数の組であって、各々前記第2の範囲内の画素の各々に対応するフィルタ係数を有するフィルタ係数の組との積和演算を行い、該積和演算の結果の絶対値を、当該方向についての前記第2のエッジ指標として出力する
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理方法。
  14. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第4の範囲内の画素の画素値を用いて、前記エッジ判定ステップで当該処理対象画素について検出された前記エッジの方向に応じたエッジ平滑化処理を行い、エッジ平滑化画素値を出力するエッジ平滑化処理ステップと、
    前記エッジ判定ステップでの前記判定の結果に応じて、前記エッジ平滑化処理ステップからの前記エッジ平滑化画素値と、前記処理対象画素の画素値のいずれかを選択して中間出力画素値として出力する画素値選択ステップと、
    前記画素値選択ステップからの前記中間出力画素値と、前記処理対象画素の画素値とを、指定された合成比率で合成して出力画素値を算出する画素値合成ステップと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  15. 前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第4の範囲内の画素の画素値を用いて、前記エッジ判定ステップで当該処理対象画素について検出された前記エッジの方向に応じたエッジ平滑化処理を行い、エッジ平滑化画素値を出力するエッジ平滑化処理ステップと、
    前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、第5の範囲内の画素の画素値の平均値を算出して、平均画素値として出力する平均画素値算出ステップと、
    前記エッジ判定ステップでの前記判定の結果に応じて、前記平均画素値算出ステップからの前記平均画素値と、前記エッジ平滑化処理ステップからの前記エッジ平滑化画素値と、前記処理対象画素の画素値のいずれかを選択して中間出力画素値として出力する画素値選択ステップと、
    前記画素値選択ステップからの前記中間出力画素値と、前記処理対象画素の画素値とを、指定された合成比率で合成して出力画素値を算出する画素値合成ステップと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
  16. 前記エッジ平滑化処理ステップは、
    前記入力画像中の処理対象画素を中心とする、前記第4の範囲内のそれぞれの画素の画素値と、前記N個の方向のうちの、前記エッジ判定ステップで当該処理対象画素について検出されたエッジの方向に対して予め定められたフィルタ係数の組との積和演算を行うことで、前記エッジ平滑化処理を行う
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像処理方法。
  17. 請求項11から16のいずれか1項に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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