パチンコ遊技機を実施形態として説明する。
[1.パチンコ遊技機の全体構造]
まず、実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する(図1乃至図7)。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機1の正面図である。図3は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の側面図である。図5は、パチンコ遊技機1の平面図であり、図6は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域255(図8参照)を遊技者が視認し得る透明板であるガラス板60を具備したガラスユニット50と、該ガラスユニット50の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿30とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾板6aによって被覆されている下部前面カバー板6が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置300と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット650が取り付けられ、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ3aや本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ3bが設けられ、本体枠3の後面開口222(図6参照)を覆うカバー体750が着脱自在に設けられている。
本体枠3には、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ3aと、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ3bとが設けられている。更に、扉枠5には、上記した貯留皿30の他に、遊技窓42を閉塞するようにガラスユニット50と、ハンドル装置70とが設けられている。
なお、扉枠5に設けられる貯留皿30は1つであり、ハンドル装置70は扉枠5に設けられている。また、扉枠5と本体枠3とは正面から見てほぼ同じ方形の大きさにされているので、正面から本体枠3をほとんど視認できない。
遊技盤4について説明する。最適な実施例として、基体に透明板を重ねた構成のものを取り上げる。
遊技盤4は、図9−図12に示すように、正面視がほぼ正方形となる形態であり、ほぼ中央に円形の遊技領域255が大きく設定されている。前記正方形の一辺は扉枠5の幅よりわずかに小さい程度である。遊技盤4は、透明なアクリル樹脂板(厚さ5mm)で形成した透明板252(図10)と厚手の合板(厚さ約30mm)で形成した基体250(図11)とを、透明板252を表面側として重ね、ねじ414により一体に構成してある。
透明板252は、図10のように一枚の板体であり、中央からやや右上に偏って透明体窓24が形成されている。透明板252の表面には、外周レール415と内周レール416及び複数の障害釘417などが取り付けられる(図12)。外周レール415は操作ハンドル部71により発射された球が遊技盤4の表面を移動できる範囲の外延を定めるものであり、前記遊技領域255とほぼ一致する。内周レール416は左右に分割されて配置され、図12において左側の内周レール416aは発射された球を上方の所定位置まで誘導し遊技領域255の打球移動領域418へ落下させるものであり、右の内周レール416bは操作ハンドル部71による打球が強すぎて主たる打球移動領域を飛び越え、もはや打球移動領域418へ落下する可能性がない外れ球をアウト口256(図9)へと誘導するためのものである。打球移動領域418に入った打球は障害釘417に衝突しながら落下し、いずれアウト口256か入賞口20(上始動入賞口1330、下始動入賞口1340、大入賞口1400)に入る。
すなわち、打球移動領域418は、左の内周レール416aの頂部を越えた辺り(遊技領域255の左上部分)から盤面上を下方へ、入賞口20あるいはアウト口256へ向けて球が移動する領域であり、落下の方向を種々に変化させる多数の障害釘417が打ち込まれている。障害釘417は先端がドリルの刃の様に形成されており、先端部を透明板252に形成された取り付け孔(図示していない)に差し込んで釘頭を打ち込むことにより、回転しながら取付け孔に進入して固定される。この実施例において、打球移動領域418は図12に鎖線で示すように遊技盤4の左上部、左側、及び下方に渡って設定されている。
基体250(図11)は、ほぼ中央に,前記の透明体窓24と同様な、比較的に大きな基体窓421を備え、基体窓421を通して正面側から液晶表示領域1320を見通せるようになっている。基体窓421は、ほぼ正方形をした基体250の中央からやや右上に偏って配置されており、基体窓421を切り取った周辺部の下部と左側及び左上方部分に比較的広い領域が形成されている。このうち、左上方の部分に窓開口422が形成され、窓開口422は前後に貫通している。この実施例では、窓開口422aと窓開口422bに分割されているがいずれも遊技盤4の前記打球移動領域418と対応した部分に形成されている。なお、窓開口422の大きさや形は任意であり、また、一連につながった一個の窓開口422とすることもできる。ただし、遊技盤4は、背面に比較的重量のある液晶ユニット1315(各種の制御基板を含む、図6)などを支持する必要があるので、その荷重に耐えるだけの強度を遊戯盤に残しておく必要がある。
図12は、基体250に透明板252を重ねてねじ414で固定した基本的な状態を示したものであるが、実際には、図9のように、遊技領域255の周囲にさまざまな遊技領域装飾物や遊技状態表示ランプ1540などが装着されるのでにぎやかな外観となる。遊技領域装飾物には、ランプが点滅するものの他に、部品の一部が立体的に動く可動の役物なども含まれる。ただし、これらは、遊技盤4の打球移動領域418に係らないように配置される。
遊技盤4の前後方向位置を把握するために、遊技機1の断面を模式的に示すと図13のようになる。つまり、扉枠5のガラスユニット60の背後に遊技盤4が近接して配置され、遊技盤4の基体250と液晶表示領域1320との間に奥行き寸法dの空間432が存在する。空間432は通常、液晶表示領域1320を遊技機1の前面から引き離して保護すると共に、遊技領域255に奥行きを持たせて立体感のある構成とするのに効果がある。一方、遊技領域255の周辺であり、遊技盤4の周辺部のために外部からは見えない影の領域はライトや可動の役物の配置空間となっている。
そして、この空間432の前記基体250に設けた窓開口422から見通せる位置に複数の装飾ピース433(433a―433e)を取り付けてある(図13)。
窓開口422aについて説明する。
個々の装飾ピース433a―433eは、その前後位置を異ならせる(図14(イ))とともに正面視において広がりを持つように配置してある(図14(ロ))。さらに、これらを前方位置の装飾ピース433d,433eと後方位置の装飾ピース433a,433bにグループ分けし、図14(ロ)に示すように、前方グループの装飾ピース433d,433eは正面視において少なくとも球の直径の幅を持った球の移動軌跡と重ならない位置に配置され、後方グループの装飾ピース433a、433bは正面視において前記打球の移動軌跡と重なる位置に配置してある。すなわち、透明板252の表面を打球434(遊技球)が図のように通過するとき、遊技者からみて、後方グループの装飾ピース433a,433bを打球434が横切るが前方グループの装飾ピース433d,433eを横切ることはない(図14(ロ))。
このため、打球434が基体250の窓開口422の箇所を通過するとき、打球434は図14(イ)において実線で示すように、実際には透明板252の表面を通過しているにもかかわらず、同図に鎖線で示すように、後方グループの装飾ピース433a,433bと前方グループの装飾ピース433d,433eの間を打球が通過するように見える。このため、窓開口22の背後に広がる空間を打球434が通過するように見せる演出ができる。
図15はこの状況を斜視的に示したものである。
この場合に、複数の装飾ピース433a-433eは同じ大きさであってもよく、後方グループのものを前方グループのものよりも小さくしても良い。同じ大きさの装飾ピース433であっても後方と前方に配置すると遠近感から後方のものは小さく見える。なお、装飾ピース433を同一の大きさ、かつ同一形状のもので構成すると、無駄に金型を増やすことがなく省資源、省エネルギー、ひいては環境にも配慮した構造とできる。
場合によって、後方グループのものを前方グループのものよりも小さくすると、空間感覚の演出はより強くなる。なお、前方グループ、後方グループそれぞれの範囲で個々の装飾ピースの前後位置に差があってもよい。さらに、装飾ピース433は、同じ形態のものばかりでなくてもよい。ただし、同じ形の方が製品のコスト上、有利であり、前記のとおり環境にやさしい結果となる。
この実施形態において今一つの窓開口422bについても同様に構成することが好ましい。
そして、二つの窓開口422a,422b間を仕切る隔壁部分435(図11)により窓開口422a,422bにおける演出が中断されてしまうのを防止するために、例えば、基体250のこの部分に埋め込んだフラッシュ効果のあるLEDを点滅させて打球の移動を眩ますなどの手段を採用してもよい。
なお、遊技盤の実施形態として、基体に透明板を重ねた構造のものを説明したが、遊技盤に奥行きのある空間感覚を持たせる演出をするとの技術的思想からすると、遊技盤全体を透明とし、前記実施形態におけるのと同様に装飾物や図柄を配置した構成とすることもできる。その場合、盤面の前面側と背面側の空間や盤面そのものを利用することができる。
[2.遊技領域内の各種構成部材]
次に、上述した遊技盤4の各種構成部材について説明する。図8は遊技盤の正面図である。なお、遊技領域255内に打ち込まれた球(以下、「遊技球」と記載する。)が落下するとき、遊技球を弾いて遊技球の進行方向を複雑にする複数の障害釘417は、図面の見やすさの関係上、図示を省略した。
遊技盤4の遊技領域255には、図8に示すように、センター役物装置1200、入賞口ユニット1210及び装飾ユニット1220が設けられている。また遊技盤4の飾り枠251には、機能表示ユニット1225が取り付けられている。センター役物装置1200は遊技領域255の中央上寄りに配置されている。これにより、センター役物装置1200の上方及び右方にはアウト口誘導通路1200aが形成され、遊技領域255内に発射された遊技球がアウト口誘導通路1200aに進入すると、アウト口誘導通路1200aに沿って落下して後述するアウト口に誘導されるようになっている。センター役物装置1200の下方には入賞口ユニット1210が配置されている。装飾ユニット1220はセンター役物装置1200の左下方(入賞口ユニット1210の左方)に配置されている。機能表示ユニット1225は飾り枠251の右下側に配置されている。まず、センター役物装置1200について説明し、続けて入賞口ユニット1210、装飾ユニット1220、各種表示器及び各種ランプについて説明する。
[2−1.センター役物装置]
センター役物装置1200は、その上側に点灯する演出ランプ1230、右側に明るさが滑らかに変化して階調点灯する階調ランプ1240が設けられている。そして下側に遊技球が左右に揺動するステージ1250と、入賞口ユニット1210に遊技球を誘導する球誘導孔1260及び球誘導路1270とが設けられており、左側にステージ1250に遊技球を誘導するワープ孔1280と、遊技球が通過することができるゲート1290とが設けられている。このゲート1290に進入した遊技球はゲートスイッチ1300により検出されて再び遊技領域255内に戻るようになっている。ゲート1290の下方には、ワープ孔1280が配置されている。このワープ孔1280に進入した遊技球はステージ1250に誘導されて揺動したり又は球誘導孔1260に進入して球誘導路1270を通過したりして、再び遊技領域255内に戻るようになっている。
センター役物装置1200に進入した遊技球がセンター役物装置1200からパチンコ遊技機1の内部に進入しないようセンター役物装置1200には隔壁板1310が設けられている。上述した球誘導孔1260は隔壁板1310に設けられており、球誘導路1270と連結されている。これにより、球誘導孔1260に進入した遊技球は球誘導路1270を通過して遊技領域255内に再び戻るようになっている。また、隔壁板1310は、液晶表示器1315の表示領域1320に遊技球が衝突するのを防いでいる。
なお、センター役物装置1200の上側には上あご可動体、下側には下あご可動体が配置されており、視認できない位置(原位置)で待機している。これらの上あご可動体及び下あご可動体は、隔壁板1310と表示領域1320との間で可動するようになっており、所定の条件が成立したとき、原位置から表示領域1320の前面側にそれぞれ出現して再び原位置に戻るようになっている。
[2−2.入賞口ユニット]
入賞口ユニット1210は、上始動入賞口1330、下始動入賞口1340、大入賞口装置1350を備えて構成されている。入賞口ユニット1210の上側には上始動入賞口1330が配置されており、この上始動入賞口1330の下方には下始動入賞口1340が配置されている。上始動入賞口1330に入球した遊技球は上始動口スイッチ1360により検出され、下始動入賞口1340に入球した遊技球は下始動口スイッチ1370により検出される。下始動入賞口1340には開閉翼1380が設けられており、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されると、開閉翼1380が開くようになっている。一方、駆動信号が出力されないと、開閉翼1380が閉じるようになっている。開閉翼1380が開くと、下始動入賞口1340に遊技球が入球しやすい開状態となる。一方、開閉翼1380が閉じると、下始動入賞口1340に遊技球が入球することができない閉状態となる。
所定の条件が成立したとき、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されると、開閉翼1380が開いて下始動入賞口1340が閉状態から開状態となる。このとき、遊技球が下始動入賞口1340に入球しやすくなる。一方、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されなくなると、開閉翼1380が閉じて下始動入賞口1340が開状態から閉状態となる。このとき、下始動入賞口1340の左方又は右方から進入してくる遊技球は開閉翼1380によりブロックされる。
下始動入賞口1340の上方には、上述したように、上始動入賞口1330が配置されている。このため、上方から進入してくる遊技球は上始動入賞口1330によりブロックされている。下始動入賞口1340が閉状態から開状態となると、その左方又は右方から進入してくる遊技球に加えて、上始動入賞口1330に入球しなかった遊技球、つまり下始動入賞口1340の上方から進入してくる遊技球は、下始動入賞口1340に入球する機会を得ることができる。
下始動入賞口1340の下方には大入賞口装置1350が配置されている。この大入賞口装置1350は、大入賞口1400、開閉板1410、開閉板ソレノイド1420、カウントスイッチ1430を備えて構成されている。大入賞口1400は横長四角形状を有しており、開閉板ソレノイド1420に駆動信号が出力されると、開閉板1410が開くようになっている。一方、駆動信号が出力されないと、開閉板1410が閉じるようになっている。所定の条件が成立して開閉板1410が開くと、大入賞口1400に遊技球が入球しやすい開放状態となる。入球した遊技球はカウントスイッチ1430により検出される。一方、開閉板1410が閉じると、大入賞口1400に遊技球が入球することができない閉鎖状態となる。
入賞口ユニット1210には、さらに、大入賞口装置1350の左側に左普通入賞口1440、右側に右普通入賞口1450が設けられている。左普通入賞口1440に入球した遊技球は左入賞口スイッチ1460により検出され、一方、右普通入賞口1450に入球した遊技球は右入賞口スイッチ1470により検出される。
[2−3.装飾ユニット]
装飾ユニット1220は、演出ランプ1570、装飾ユニット側普通入賞口1580,1590を備えて構成されている。装飾ユニット1220の下側には点灯する演出ランプ1570が配置されている。この演出ランプ1570上方に装飾ユニット側普通入賞口1580,1590が配置されている。これらの装飾ユニット側普通入賞口1580,1590に遊技球が入球すると、上述した左入賞口スイッチ1460で検出される。遊技領域255内に発射された遊技球が入賞口ユニット1210及び装飾ユニット1220に設けた各種入賞口のいずれにも入球しなかったときには上述したアウト口256で回収される。また、遊技領域255内に発射された遊技球が上述したアウト口誘導通路1200aに進入すると、このアウト口誘導通路1200aに沿って落下してそのままアウト口256に誘導されて回収される。
[2−4.各種表示器及び各種ランプ]
機能表示ユニット1225は、セグメント表示器及びLED等を複数備えて構成されており、これらのセグメント表示器及びLED等には、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられている。
機能表示ユニット1225の下側には上特別図柄表示器1480が配置され、この上特別図柄表示器1480の右方に下特別図柄表示器1490が配置されている。上特別図柄表示器1480は、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示する。一方、下特別図柄表示器1490は、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、上特別図柄表示器1480と同様に、大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示する。なお、上始動入賞口1330に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄表示器1480の左方に配置された上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bに表示する。一方、下始動入賞口1340に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄表示器1490の右方に配置された下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bに表示する。
下特別図柄記憶ランプ1510aの上方には普通図柄表示器1520が配置されており、この普通図柄表示器1520の左上方に普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが配置されている。普通図柄表示器1520は、ゲート1290に遊技球が通過すると、開閉翼1380の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示する。なお、ゲート1290に通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないときには、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dに表示する。
上特別図柄記憶ランプ1500bの左方には遊技状態表示ランプ1540が配置されている。この遊技状態表示ランプ1540は遊技状態として確率変動又は小当りが生じている旨を所定の色で点灯して報知する。
普通図柄記憶ランプ1530dの上方には、2ランド表示ランプ1550が配置されており、この2ラウンド表示ランプ1550の上方には15ラウンド表示ランプ1560が配置されている。2ラウンド表示ランプ1550は、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる最大回数(「ラウンド」という。)が2回である旨を点灯して報知する。一方15ラウンド表示ランプ1560は、ラウンドが15回である旨を点灯して報知する。
[3.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4の裏面に取り付けられる機能表示ユニット1225について説明する。図16は機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。
機能表示ユニット1225は、図16に示すように、機能表示基板1225a、カバー部材1225bを備えて構成されている。まず、機能表示基板1225aの構成について説明し、続けてカバー部材1225bの遊技盤4への取り付けについて説明する。
[3−1.機能表示基板の構成]
機能表示基板1225aは、図16に示すように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えて構成されている。本実施形態では、セグメント表示器SEG1には上特別図柄表示器1480が割り当てられ、セグメントSEG2には下特別図柄表示器1490が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、上述した、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
LED1には上特別図柄記憶ランプ1500a、LED2には上特別図柄記憶ランプ1500bがそれぞれ割り当てられ、LED3には下特別図柄記憶ランプ1510a、LED4には下特別図柄記憶ランプ1510bがそれぞれ割り当てられている。上始動入賞口1330に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには上特別図柄記憶ランプ1500aが点灯して上特別図柄記憶ランプ1500bが消灯し、保留球が2球のときには上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bがともに点灯し、保留球が3球のときには上特別図柄記憶ランプ1500aが点滅して上特別図柄記憶ランプ1500bが点灯し、保留球が4球のときには上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bがともに点滅する。
一方、下始動入賞口1340に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには下特別図柄記憶ランプ1510aが点灯して下特別図柄記憶ランプ1510bが消灯し、保留球が2球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bがともに点灯し、保留球が3球のときには下特別図柄記憶ランプ1510aが点滅して下特別図柄記憶ランプ1510bが点灯し、保留球が4球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bがともに点滅する。
LED5には普通図柄表示器1520が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、上述した、ゲート1290に遊技球が通過すると、所定の普通図柄を変動表示するようになっている。
LED6〜LED9には普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dがそれぞれ割り当てられている。ゲート1290に通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないときには、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ1530aが点灯して普通図柄記憶ランプ1530b〜1530dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ1530a,1530bが点灯して普通図柄記憶ランプ1530c,1530dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ1530a〜1530cが点灯して普通図柄記憶ランプ1530dが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dがすべて点灯する。
LED10には遊技状態表示ランプ1540が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知するようになっている。
LED11には2ラウンド表示ランプ1550、LED12には15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ1550は大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ1560はラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板1225aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560が機能表示基板1225aに集約された構成になっている。
また、上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490は、大当たり遊技状態を特別図柄としてそれぞれ変動表示するため、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dに割り当てられるLED6〜LED9の数と、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560に割り当てられるLED11,LED12の数との和は機種が異なってもプログラム上の共通性が得られるように定まった値、すなわち固定値1[6]となっている。
[3−2.カバー部材の遊技盤への取り付け]
機能表示基板1225aは、カバー部材1225bに図示しないネジで固定され、カバー部材1225bが遊技盤4の飾り枠251の裏面から図示しないネジで取り付けられるようになっている。飾り枠251には、機能表示基板1225aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口251aが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、飾り枠251には、機能表示基板1225aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔251bがそれぞれ設けられており、カバー部材1225bを飾り枠251の裏面に取り付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔251bは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール1595Aに印刷されている。飾り枠251には、機能表示シール1595Aを貼り付ける機能表示シール貼付部251cが形成されている。
[4.機能表示シール]
次に、機能表示シール1595Aについて説明する。図17は機能表示シールの概略図である。機能表示シール1595Aは、図17に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、飾り枠251に形成された機能表示シール貼付部251cに貼り付けられている。飾り枠251は遊技盤4の非遊技領域である。
グループGrp1は、図17に示すように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成されており、これらの上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bを視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、上特別図柄表示器1480による表示や上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bによる点灯又は点滅を視認できるように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bと対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、上述した上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。
例えば、上述したように、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、上特別図柄表示器1480が所定の特別図柄を変動表示したり、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが点灯又は点滅したりする。このように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bを1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp1を目視することによって上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
グループGrp2は、図17に示すように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成されており、これらの下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bを視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、下特別図柄表示器1490による表示や下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bによる点灯又は点滅を視認できるように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bと対応する位置が透明となっている。グループGrp2では、上述した下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、上述したように、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、下特別図柄表示器1490が所定の特別図柄を変動表示したり、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが点灯又は点滅したりする。
このように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bを1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp2を目視することによって下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
グループGrp3は、図17に示すように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dから構成されており、これらの普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dを視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器1520による点灯や普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dによる点灯を視認できるように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dと対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器1520は、上述したように、開閉翼1380の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、開閉翼1380が閉状態から開状態となると、遊技球が下始動入賞口1340に入球しやすくなる。
このため、普通図柄表示器1520には、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と見分けが付くように星印が印刷されている。グループGrp3では、上述したゲート1290に関する各種情報を表示する。例えば、上述したように、ゲート1290に遊技球が通過すると、普通図柄表示器1520が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが点灯したりする。このように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dを1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置には、図17に示すように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が視認できる実線SL4〜SL6でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560による点灯を視認できるように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置が透明となっている。2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560には、ラウンドの最大回数を理解し易いように、2ラウンド表示ランプ1550と対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷されている。
上述したように、遊技状態表示ランプ1540は点灯する色を遊技状態として表示することによって遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知し、2ラウンド表示ランプ1550は大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知し、15ラウンド表示ランプ1560はラウンドが15回である旨を点灯して報知する。これにより、遊技者は、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された遊技状態表示ランプ1540を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された2ラウンド表示ランプ1550を目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された15ラウンド表示ランプ1560を目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されており、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置は遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が視認できる実線SL4〜SL6でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール1595Aは、図16に示した機能表示基板1225aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器1520等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール1595Aに集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図17に示すように、シール管理番号1595Aaとして機能表示シール1595Aに印刷されている。このシール管理番号1595Aaは、図17に示すように、遊技窓42から視認しにくい位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。
ここで、近年のパチンコ遊技機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ遊技機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動入賞口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ遊技機の仕様変更には、共通の機能表示基板1225aを使用することで対応することができるようになっている。
このようなパチンコ遊技機の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ遊技機の製造元では、ラインの作業者が遊技盤に機能表示シールを貼り付ける前に、パチンコ遊技機の仕様と機能表示シールとが対応しているか否かを、シール管理番号を目視することによって確認することができ、パチンコ遊技機の仕様に対応しない機能表示シールが貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シールはシールであり、接着剤などを機能表示シールの裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[5.主基板及び周辺基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について説明する。図18は主基板及び周辺基板のブロック図であり、図19は主基板(主制御基板)に入出力される各種検出信号及び各種駆動信号の概略図である。パチンコ遊技機1の制御構成は、図18に示すように、主基板1600のグループ及び周辺基板1610のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。まず、主基板1600のグループについて説明し、続けて周辺基板1610のグループについて説明する。
[5−1.主基板のグループ]
主基板1600のグループは、図18に示すように、主制御基板1700、払出制御基板715を備えて構成されている。
[5−1−1.主制御基板]
主制御基板1700は、図18に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU1700a、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート1700b、上述したRAMクリアスイッチ268aを備えて構成されている。主制御MPU1700aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドッグタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU1700aは、上述した、上始動口スイッチ1360及び下始動口スイッチ1370からの検出信号が、主制御I/Oポート1700bを介して入力され、また上述した、ゲートスイッチ1300、左入賞口スイッチ1460、右入賞口スイッチ1470及びカウントスイッチ1430からの検出信号が、上述した遊技盤4に取り付けられたパネル中継基板1650、そして主制御I/Oポート1700bを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、その詳細な説明については後述するが、上述した、開閉翼ソレノイド1390、開閉板ソレノイド1420への駆動信号を、主制御I/Oポート1700b、そしてパネル中継基板1650を介して出力し、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560への駆動信号を、主制御I/Oポート1700b、パネル中継基板1650を介して上述した機能表示基板1225aに出力する(図19参照)。
また主制御MPU1700aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板657を介して払出制御基板715に送信したり、この払出制御基板715からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板657を介して受信したりする。更に主制御MPU1700aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート1700bを介して後述する周辺基板1610のサブ統合基板1740に送信したりする。なお、主制御MPU1700aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板715からパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形してサブ統合基板1740に送信する。
主制御基板1700には、その詳細な説明は後述するが、電源基板686から各種電圧が供給されている。この電源基板686は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1700に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU1700aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ268aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板657を介して払出制御基板715にも出力されるようになっている。
また、主制御基板1700には、その詳細な説明は後述するが、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板686から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート1700bを介して主制御MPU1700aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板715等にも伝達されている。
[5−1−2.払出制御基板]
払出制御基板715は、図18に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部1710、上述した発射モータ344の発射制御を行う発射制御部1720、上述した、エラーLED表示器1730、エラー解除スイッチ1731、球抜きスイッチ1732を備えて構成されている。
[5−1−2(a).払出制御部]
払出制御部1710は、図18に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU1710a、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート1710b、払出制御MPU1710aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドッグタイマ1710c(以下、「外部WDT1710c」と記載する。)、上述した払出モータ465に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路1710dを備えて構成されている。払出制御MPU1710aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されており、不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御MPU1710aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板1700からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを受信し、主制御基板1700からのRAMクリアスイッチ268aの操作信号(検出信号)が入力される他に、満タンスイッチ545からの検出信号が入力され、球切れスイッチ426、計数スイッチ462及び回転角スイッチ505からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板480を介して入力されている。
また、払出制御MPU1710aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払い出しに関する各種コマンドに基づいて払出モータ駆動回路1710dから払出モータ465に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ1732が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ465への駆動信号を出力したり、図示しないCRユニットからの貸球要求信号がCRユニット端子板700bを介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて払出モータ465への駆動信号を出力したりする。
更に払出制御MPU1710aは、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器1730に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板1700に送信したり、満タンスイッチ545からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ駆動回路1710dからの駆動信号を停止して払出モータ465を停止したり、計数スイッチ462からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて実際に払い出した遊技球の球数を上述した外部端子板700aに出力したりする。この外部端子板700aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
[5−1−2(b).発射制御部]
発射制御部1720は、図18に示すように、各種スイッチからの検出信号等が入力される入力回路1720a、定時間ごとにクロック信号を出力する発振回路1720b、このクロック信号に基づいて発射モータ344に駆動信号を出力する発射制御回路1720c、発射モータ344に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路1720dを備えて構成されている。発射制御回路1720cは、発振回路1720bからのクロック信号に基づいて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域255に向けて発射されるよう発射モータ344の回転速度を制御している。つまり、打球槌(図示せず)の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置70(操作ハンドル部71)には、上述したように、タッチスイッチ80、発射停止スイッチ82が内蔵されており、操作ハンドル部71の回動操作部材に触れるとタッチスイッチ80に内蔵された接触検出基板80aにより検出され、発射停止ボタン(図示せず)を操作すると発射停止スイッチ82により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板700bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板700bを介して入力回路1720aに入力される。
払出制御基板715には、電源基板686から各種電圧が主制御基板1700と同様に供給されている(図20参照)。この電源基板686は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板715に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU1710aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[5−2.周辺基板のグループ]
周辺基板1610は、図18に示すように、上述した、サブ統合基板1740、液晶制御基板1750を備えて構成されている。
[5−2−1.サブ統合基板]
サブ統合基板1740は、図18に示すように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU1740a、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM1740b、高音質の演奏を行う音源IC1740c、この音源IC1740cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM1740dを備えて構成されている。
サブ統合MPU1740aは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板1700から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて扉枠装飾ランプ5aa,5b〜5hに点灯信号又は点滅信号を、ランプ駆動基板1760、そして上述した副ドロワ中継基板658を介して出力したり、演出ランプ1230,1570に点灯信号又は点滅信号を、ランプ駆動基板1760を介して出力したり、階調ランプ1240に階調点灯信号を、ランプ駆動基板1760を介して出力したり、上あご可動体の可動機構を備えた上あご可動装置1770及び下あご可動体の可動機構を備えた下あご可動装置1780に駆動信号を、ランプ駆動基板1760を介してそれぞれ出力したり、演出に関する演出コマンドを作成したりする。この演出コマンドは、音源IC1740c及び液晶制御基板1750に出力されている。
またサブ統合MPU1740aには、上あご可動体の原位置検出信号及び下あご可動体の原位置検出信号が上あご可動装置1770及び下あご可動装置1780からランプ駆動基板1760を介してそれぞれ入力されている。更にサブ統合MPU1740aには、液晶制御基板1750が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板1750から入力され、上述した演出選択スイッチ31からの演出選択信号(検出信号)が副ドロワ中継基板658、そしてランプ駆動基板1760を介して入力されている。
音源IC1740cは、サブ統合MPU1740aから出力された演出コマンドに基づいて音ROM1740dから音情報を読み込み、ランプ駆動基板1760、そして副ドロワ中継基板658を介して上述したスピーカ34から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[5−2−2.液晶制御基板]
液晶制御基板1750は、図18に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU1750a、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM1750b、上述した液晶表示器1315を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)1750c、液晶表示器1315に表示する各種画像を記憶する画像ROM1750dを備えて構成されている。
液晶制御MPU1750aは、サブ統合基板1740から上述した演出コマンドを受信すると、この演出コマンドに基づいてVDP1750cを制御する。このVDP1750cは、画像ROM1750dから画像を読み出して液晶表示器1315の表示制御を行う。この液晶表示器1315にはバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。このバックライトはインバータ基板1755によって点灯されている。なお、液晶制御MPU1750aは、上述したように、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板1740に出力する。
[6.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、上述した電源基板686について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図20はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。
[6−1.電源基板]
電源基板686は、上述した電源線コネクタ688が図示しない電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島(以下、「パチンコ島設備」と記載する。)の電源コンセントに差し込まれている。上述した電源スイッチ687を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板686に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板686は、図20に示すように、+34V作成回路686a、+18V作成回路686b、+9V作成回路686cを備えて構成されている。+34V作成回路686aは、パチンコ島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を整流して直流+34V(DC+34V、以下、「+34V」と記載する。本実施形態では、最大電流として6アンペア(A)を流すことができる。)を作成する。+18V作成回路686bは、パチンコ島設備から供給されているAC24Vを整流して+34Vを作成し、作成した+34Vから直流+18V(DC+18V、以下、「+18V」と記載する。本実施形態では、最大電流として4Aを流すことができる。)を作成する。+9V作成回路686cは、+18V作成回路686bが作成した+18Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。本実施形態では、最大電流として0.4Aを流すことができる。)を作成する。+34V作成回路686a、+18V作成回路686b、+9V作成回路686cがそれぞれ作成した電圧は、払出制御基板715に供給されている。
[6−2.各制御基板等に供給される電源]
次に、各制御基板等に供給される電源について説明する。電源基板686から供給される、+34V、+18V及び+9Vは、図20に示すように、払出制御基板715に供給され、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に供給される。そして主制御基板1700に供給された+34V、+18V及び+9Vは、サブ統合基板1740に供給され、液晶制御基板1750及びランプ駆動基板1760にそれぞれ供給される。なお、液晶制御基板1750には、+34V及び+18Vがサブ統合基板1740を介して供給されている。ここでは、まず、払出制御基板715に供給される電源について説明し、続いて主制御基板1700に供給される電源、サブ統合基板1740に供給される電源、液晶制御基板1750に供給される電源、ランプ駆動基板1760に供給される電源について説明する。
[6−2−1.払出制御基板に供給される電源]
払出制御基板715は、払出制御MPU1710a等の他に、払出制御シリーズレギュレータ715aも備えている。この払出制御シリーズレギュレータ715aは、電源基板686から供給された+9Vが入力されており、この+9Vから払出制御基板715の基準電圧である直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)を作成する。この+5Vは、図18に示した、払出制御部1710の払出制御MPU1710aの他に、払出制御I/Oポート1710b、外部WDT1710c、払出モータ駆動回路1710dや発射制御部1720の入力回路1720a、発射制御回路1720c、発射モータ駆動回路1720d等にも入力されている。
電源基板686から供給された+34Vは、払出モータ駆動回路1710dの他に、発射モータ駆動回路1720dに入力されており、図18に示した払出モータ465及び発射モータ344等の駆動電源として使用されている。なお、電源基板686から供給された+18Vは、扉枠開放スイッチ3aの他に、図18に示した、本体枠開放スイッチ3b、満タンスイッチ545、球切れスイッチ426、計数スイッチ462、回転角スイッチ505等に入力されている。
[6−2−2.主制御基板に供給される電源]
主制御基板1700は、主制御MPU1700a等の他に、主制御シリーズレギュレータ1700c、停電監視回路1700dも備えている。主制御シリーズレギュレータ1700cは、払出制御基板715から供給された+9Vが入力されており、この+9Vから主制御基板1700の基準電圧である+5Vを作成する。この+5Vは、主制御MPU1700aの他に、図18に示した、主制御I/Oポート1700b等にも入力されている。停電監視回路1700dは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板715から供給された+18V及び+9Vが入力されており、これら+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。また停電監視回路1700dは、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されており、この電波検出信号を監視している。この電波検出スイッチ1700eは、主制御シリーズレギュレータ1700cの近傍に配置されており、主制御シリーズレギュレータ1700cに高周波が照射されているか否かを検出するものである。
停電監視回路1700dは、停電又は瞬停の兆候を検出すると、又は、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1700aの他にサブ統合基板1740に出力する。また主制御基板1700には主ドロワ中継基板657を介して停電予告信号が入力され、液晶制御基板1750にはサブ統合基板1740を介して停電予告信号が入力される。
払出制御基板715から供給された+34Vは、開閉翼ソレノイド1390の他に、図18に示した開閉板ソレノイド1420等の駆動電源として使用されている。なお、払出制御基板715から供給された+18Vは、上始動口スイッチ1360の他に、図18に示した、ゲートスイッチ1300、左入賞口スイッチ1460等に入力されている。
なお、主制御基板1700は活線故障防止回路1700fを備えており、払出制御基板715から供給された+34V、+18及び+9Vは活線故障防止回路1700fに入力される。ここで「活線」とは、配線(ハーネス)に電流が流れている状態のことをいう。
活線故障防止回路1700fは、その詳細な説明は省略するが、電源スイッチ687を入れたままの状態で、つまり払出制御基板715から+34V、+18及び+9Vが供給されたままの状態で、図1に示した遊技盤4を本体枠3に取り付けるときに、主ドロワ中継基板657に設けたドロワコネクタと、遊技盤4の中継端子板269に設けたドロワコネクタとの溶着を防止する回路である。
[6−2−3.サブ統合基板に供給される電源]
サブ統合基板1740は、サブ統合MPU1740a、音源IC1740c等を備えている。サブ統合基板1740は、サブ統合MPU1740aの基準電圧である+5Vと、音源IC1740cの基準電圧である直流+3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)と、が液晶制御基板1750から供給されている。+5Vは、サブ統合MPU1740aの他に、例えば図示しないバスバッファ回路にも入力されている。このバスバッファ回路は、サブ統合MPU1740aと図18に示したサブ統合ROM1740bとのバスライン用のインターフェイスとして使用されている。一方、+3.3Vは、音源IC1740cの他に、例えば図18に示した、サブ統合ROM1740b及び音ROM1740dにも入力されている。
主制御基板1700を介して供給された+18Vは、例えば図18に示したスピーカ34から出力する音楽及び効果音等を増幅するパワーアンプに入力されている。なお、主制御基板1700を介して供給された+9Vは、ランプ駆動基板1760にそのまま出力されており、サブ統合基板1740では使用されていない。また、主制御基板1700を介して供給された+34Vは、液晶制御基板1750及びランプ駆動基板1760にそのまま出力されており、サブ統合基板1740では使用されていない。
[6−2−4.液晶制御基板に供給される電源]
液晶制御基板1750は、液晶制御MPU1750a、VDP1750c等の他に、液晶制御電源回路1750eも備えている。この液晶制御電源回路1750eは、サブ統合基板1740を介して供給された+18Vが入力されており、この+18Vからサブ統合MPU1740a等の基準電圧である+5Vと、液晶制御基板1750等の基準電圧である+3.3Vと、VDP1750cの電源である直流+1.5V(DC+1.5V、以下、「+1.5V」と記載する。)及び直流2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)と、を作成する。この+3.3Vは、液晶制御MPU1750aの他に、VDP1750c、図18に示した、液晶制御ROM1750b及び画像ROM1750d、液晶表示器1315を駆動する液晶ドライブ回路等にも入力されている。このように、VDP1750cは、+1.5V、+2.5V及び+3.3Vが入力されている。
液晶制御電源回路1750eが作成した+5V及び+3.3Vは、サブ統合基板1740にも供給されており、これらの+5V及び+3.3Vは液晶制御基板1750及びサブ統合基板1740で共通に使用されている。
サブ統合基板1740を介して供給された+34Vは、インバータ基板1755にそのまま出力されており、液晶制御基板1750では使用されていない。
[6−2−5.インバータ基板に供給される電源]
インバータ基板1755は、図18に示した液晶表示器1315のバックライトである冷陰極管を点灯させる冷陰極蛍光ランプ点灯回路1755aを備えている。冷陰極蛍光ランプ点灯回路1755aは、サブ統合基板1740を介して供給された+34Vが入力されている。
[6−2−6.ランプ駆動基板に供給される電源]
ランプ駆動基板1760は、ランプ駆動シリーズレギュレータ1760a、階調制御IC1760b、上あご可動装置駆動回路1760cを備えている。ランプ駆動シリーズレギュレータ1760aは、サブ統合基板1740を介して供給された+9Vが入力されており、この+9Vからランプ駆動基板1760の基準電圧である+5Vを作成する。この+5Vは、図18に示した階調ランプ1240の階調点灯を行う階調制御IC1760b等に入力されている。サブ統合基板1740を介して供給された+34V、+18Vは、図18に示した上あご可動装置1770の駆動制御を行う上あご可動装置駆動回路1760c等に入力されている。例えば、+34Vは上あご可動体の図示しない駆動モータの駆動電源として使用され、+18Vは上あご可動体の原位置を検出する図示しないフォトセンサ等に入力されている。
[7.電源基板のノイズ対策回路及びアース回路]
次に、電源基板686のアース回路について説明する。パチンコ島設備から供給されたAC24Vは、上述したように、電源線コネクタ688を介して電源基板686に入力されている。この電源基板686には、電源供給ラインであるAC24Vのライン間に現れるノーマルモードノイズと、AC24Vとグランド(GND)との間に現れるコモンモードノイズと、の2種類のモードノイズに対する対策が設けられている。まず、電源基板686のノイズ対策回路について説明し、続いて電源基板686のアース回路について説明する。図21は電源基板のノイズ対策回路及びアース回路を示す回路図である。
[7−1.電源基板のノイズ対策]
パチンコ島設備から供給されるAC24Vは、図21に示すように、電源線コネクタ688を介して、電源スイッチ687(本実施形態では、松下電工製:AJ8221BF)の入力側端子1,3に入力されている。具体的には、電源スイッチ687の入力側端子3にはAC24VのAライン(以下、「AC24VA」と記載する。)が入力されており、電源スイッチ687の入力側端子1にはAC24VのBライン(以下、「AC24VB」と記載する。)が入力されている。電源スイッチ687の出力側端子2,4は、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMCを介して、チョークコイルL1(本実施形態では、ウエノ製:ADR2515−010TDK)に入力されている。
コモンモードノイズ対策回路CMCは、コンデンサC110,C111、バリスタZNR1,ZNR2を備えて構成されている。コンデンサC110,C111はその容量が同一のものであり、コモンモードノイズを除去するものである。一方バリスタZNR1,ZNR2は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、そのバリスタ電圧が同一のものである。バリスタZNR1,ZNR2は、コンデンサC110,C111で低減できなかったスパイクノイズを除去するものである。
ノーマルモードノイズ対策回路NMCは、コンデンサC112、バリスタZNR3を備えて構成されている。コンデンサC112は、AC24VA、AC24VBに発生したノーマルモードノイズを除去するものである。バリスタZNR3は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、コンデンサC112で除去できなかったスパイクノイズを除去するものである。
電源スイッチ687の出力側端子4から出力されたAC24VAは、FUSE1、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力され、電源スイッチ687の出力側端子2から出力されたAC24VBは、FUSE2、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されている。チョークコイルL1は、AC24VA、AC24VBのコモンモードノイズの対策部品であり、ノイズ障害を防止している。チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24VA、AC24VBは、上述した、+34V作成回路686a及び+18V作成回路686bに入力されている。なお、チョークコイルL1に入力されるAC24VA、AC24VBは、チョークコイルL1のほかにCRユニット電源線コネクタ689に入力されており、図示しないCRユニットにAC24VA、AC24VBが供給されている。
[7−2.電源基板のアース回路]
電源基板686のアース用コネクタ690a〜690dには、扉枠5(補強板)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG3としてアース用コネクタ690aと電気的に接続され、図3に示したタンクレール部材410を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ690bと電気的に接続され、図3に示した賞球ユニット450からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ690cと電気的に接続され、図示しないCRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFGとしてアース用コネクタ690dと電気的に接続されている。
これらのフレームグランドFG,FG1,FG3は、図21に示すように、フレームグランドFG3が抵抗R110を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続され、フレームグランドFG1が抵抗R111を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続され、フレームグランドFGが抵抗R112を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続されている。抵抗R110は、フレームグランドFG1,FGからのノイズ等がフレームグランドFG3に侵入するのを阻止するものであり、抵抗R111は、フレームグランドFG3,FGからのノイズ等がフレームグランドFG1に侵入するのを阻止するものであり、抵抗R112は、フレームグランドFG3,FG1からのノイズ等がフレームグランドFGに侵入するのを阻止するものである。
なお、パチンコ島設備から供給されたAC24VBは、電源線コネクタ688と電源スイッチ687の入力側端子1との間でアレスタDSP1(本実施形態では、三菱マテリアル製:DSP−301N−A21F)の一方と電気的に接続されている。アレスタDSP1の他方は電源線コネクタ688のフレームグランドFG2と電気的に接続されている。アレスタDSP1は、例えば落雷によってパチンコ島設備から供給されるAC24VBに高電圧(「サージ電圧」という。)が侵入した際に、そのサージ電圧を、電源線コネクタ688のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ687にサージ電圧がかからないようにしたり、電源スイッチ687をON/OFFすることによって一時的に生じる高電圧(サージ電圧)を、電源線コネクタ688のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ687にサージ電圧がかからないようにしたりしている。これにより、図20に示した、払出制御基板715、主制御基板1700等の各種制御基板をサージ電圧から保護することができ、サージ電圧による故障を防止している。
なお、フレームグランドFG2が接地されなかった場合には、アレスタDSP1を介して、パチンコ島設備の電源であるAC24VB側に電源基板686の放電経路が形成されるようになっており、例えば扉枠5が帯電しにくくなっている。これにより、扉枠5に遊技者が触れても、扉枠5からの静電放電による不快感を遊技者に与えることがない。
[8.主制御基板の回路]
次に、図18に示した主制御基板1700の回路等について説明する。主制御基板1700は、図20に示したように、電源基板686から払出制御基板715を介して直流電源+34V、+18V、+9Vが供給されている。これらの直流電源+34V、+18V、+9Vは、まず上述した活線故障防止回路1700fに入力されている。例えば、+9Vは活線故障防止回路1700fを介して主制御シリーズレギュレータ1700cに入力されている。この主制御シリーズレギュレータ1700cは入力された+9Vから主制御基板1700等の基準電圧である+5Vを作成し、この+5Vが主制御MPU1700a等に入力されている。また、+9V及び+18Vは活線故障防止回路1700fを介して停電監視回路1700dに入力されている。この停電監視回路1700dは、入力された+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。
[8−1.主制御シリーズレギュレータ]
主制御基板1700は、図22に示すように、主制御MPU1700a、主制御I/Oポート1700b、主制御シリーズレギュレータ1700c(本実施形態では、ローム製:BA50BC0WT)の他に、周辺回路として、リセット信号を出力する主制御システムリセットIC1(本実施形態では、ルネサス製:M51953)、クロック信号を出力する主制御水晶発振器X1(本実施形態では、京セラ製:EXO−3、24メガヘルツ(MHz))を備えて構成されている。
主制御シリーズレギュレータ1700cは、図22に示すように、活線故障防止回路1700fの+9V用活線故障防止回路を介して電源入力端子であるVCC端子に+9Vが入力されている。この+9Vは、グランド(GND)と接地された電解コンデンサC1により、リップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化される。さらに、グランドと接地されたコンデンサC2により、電源基板686と主制御基板1700との基板間に発生したノイズが除去される。また、この平滑化された+9Vは、VCC端子の他に、主制御シリーズレギュレータ1700cのコントロール端子であるCTL端子にも入力されている。主制御シリーズレギュレータ1700cは、そのCTL端子に+9Vが入力されることにより、VCC端子に入力された+9Vから+5Vを作成して出力端子であるOUT端子から出力する。OUT端子とVCC端子との端子間にはダイオードD1(本実施形態では、1SS133)が設けられており、ダイオードD1のアノード端子とOUT端子とが電気的に接続され、ダイオードD1のカソード端子とVCC端子とが電気的に接続されている。VCC端子とOUT端子との端子間が逆バイアスになったときにはダイオードD1を介してVCC端子側に入力されるようになっており、逆バイアスによる主制御シリーズレギュレータ1700cの破壊を防止している。
OUT端子から出力される+5Vは、グランドと接地された電解コンデンサC3によりリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットIC1、主制御水晶発振器X1、主制御MPU1700a、主制御I/Oポート1700b等、にそれぞれ入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−2.主制御基板の周辺回路]
[8−2−1.主制御システムリセットIC]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図22に示すように、主制御システムリセットIC1の電源端子に入力されている。主制御システムリセットIC1は、主制御MPU1700a及び主制御I/Oポート1700bにリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットIC1の遅延容量端子には、グランドと接地されたコンデンサC4が電気的に接続されており、このコンデンサC4の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットIC1の出力端子は、主制御MPU1700aのリセット端子であるSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。出力端子はオープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗R1により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC5によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC5は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗R1により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子に入力され、一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなって主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子に入力される。
主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子は負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態になると、主制御MPU1700a及び主制御I/Oポート1700bにリセットがかかる。なお、電源端子はグランドと接地されたコンデンサC6と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラントと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−2−2.主制御水晶発振器]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図22に示すように、主制御水晶発振器X1の電源端子であるVDD端子に入力されている。このVDD端子は、グランドと接地されたコンデンサC7と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子の他に、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にも入力されている。主制御水晶発振器X1は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vが入力されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器X1のF端子は、主制御MPU1700aのクロック端子であるCLK端子及び主制御I/Oポート1700bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、F端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−3.主制御基板で作成された電源]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図22に示すように、主制御MPU1700aの電源端子であるVDD端子及び主制御I/Oポート1700bの電源端子であるVCC端子に入力されている。主制御MPU1700aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサC8と電気的に接続され、主制御I/Oポート1700bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサC9と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1700aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、主制御I/Oポート1700bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。また、主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、停電監視回路1700d等にも入力されている。
[8−4.主制御基板の各種入出力信号]
図22に示したRAMクリアスイッチ268a(本実施形態では、オムロン製:B3F−1052)の操作は、検出信号として主制御I/Oポート1700bに入力されている。
[8−4−1.RAMクリアスイッチからの検出信号]
RAMクリアスイッチ268aの出力ピンとしての3番ピンは、図22に示すように、主制御I/Oポート1700bの入力ポートPEの5番ピンである入力ピンPE5と電気的に接続されている。入力ピンPE5は負論理入力とするため、RAMクリアスイッチ268aの3番ピンと主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5との端子間の電圧はプルアップ抵抗R2により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC10によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC10は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。RAMクリアスイッチ268aが操作されないときにはプルアップ抵抗R2により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5に入力され、一方、RAMクリアスイッチ268aが操作されたときには論理がLOWとなって主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5に入力される。なお、RAMクリアスイッチ268aの1番ピン及び2番ピンはグランドと接地されており、4番ピンは3番ピンと電気的に接続されている。
[8−4−2.その他の各種入出力信号]
主制御MPU1700aのシリアルデータ入力端子であるRX端子は、図18に示した払出制御基板715からのシリアルデータが払主シリアルデータ受信信号として入力されている。一方、主制御MPU1700aのシリアルデータ出力端子であるTX端子から払出制御基板715に送信するシリアルデータが主払シリアルデータ送信信号として出力される。
主制御I/Oポート1700bの入力ポートPE及び入力ポートPDの各入力ピンは、例えば、上述した入力ピンPE5にはRAMクリアスイッチ268aからの検出信号が入力され、入力ピンPE6には図20に示した停電予告信号が入力され、入力ピンPE7には上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板715からの払主ACK信号が入力され、入力ピンPD0には上始動口スイッチ1360からの検出信号が入力される。
一方、主制御MPU1700aは、データバスを介して主制御I/Oポート1700bの出力ポートPA〜PCの出力ピンから、例えば、出力ピンPB5から図20に示した停電監視回路1700dに停電予告信号をクリアする停電クリア信号が出力され、出力ピンPB6から上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号が出力され、出力ピンPC0〜PC5から図18に示したサブ統合基板1740に各種コマンドが出力され、出力ピンPB1から開閉翼ソレノイド1390への駆動信号が出力される。
なお、主制御I/Oポート1700bのデータ入出力端子D0〜D7と、主制御MPU1700aのデータ入出力端子D0〜D7と、はデータバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。主制御MPU1700aは、入力ポートPE及びPDから各種信号を、データバスを介して読み込み、このデータバスを介して出力ポートPA〜PCから各種信号を出力する。
[8−5.停電監視回路]
次に、図20に示した停電監視回路1700dについて説明する。主制御基板1700には、図20に示したように、払出制御基板715を介して+34V、+18V及び+9Vが供給されており、+18V及び+9Vが停電監視回路1700dに入力されている。停電監視回路1700dは、+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1700aの他に、払出制御基板715及びサブ統合基板1740に出力する。また停電監視回路1700dは、図20に示した電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されており、この電波検出信号が入力されると、停電予告信号として主制御MPU1700aの他に、払出制御基板715及びサブ統合基板1740に出力する。まず、停電監視回路の構成について説明し、続いて、+18Vの停電又は瞬停の監視、+9Vの停電又は瞬停の監視、電波検出スイッチからの電波検出信号の監視について説明する。図23は停電監視回路を示す回路図である。
[8−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1700dは、図23に示すように、安定化電源回路IC20(本実施形態では、日本電気製:μPC1093)、コンパレータIC21(本実施形態では、新日本無線製:NJM2903、オープンコレクタ出力タイプ)、インバータIC22(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC05、オープンコレクタ出力タイプ)、DタイプフリップフロップIC23(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC74)、トランジスタTR20(本実施形態では、2SC1815)を備えて構成されている。
安定化電源回路IC20の基準電圧入力端子であるREF端子及びカソード端子であるK端子は、+5Vと抵抗R20を介して電気的に接続されており、この抵抗R20によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子はコンパレータIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力している。このリファレンス電圧Vrefは、グランドと接地されたコンデンサC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサC20は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、安定化電源回路IC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(IC21A)は+18Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+18Vの監視電圧V1が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。一方、残りの1つ(IC21B)は+9Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+9Vの監視電圧V2が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。これらの比較結果はDタイプフリップフロップIC23に入力されている。このDタイプフリップフロップIC23は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(IC23A)を本実施形態で用いている。なお、コンパレータIC21の電源端子に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC21によりリップルが除去されて平滑化されている。また、DタイプフリップフロップIC23に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC22によりリップルが除去されて平滑化されている。
[8−5−2.+18Vの停電又は瞬停の監視]
+18Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータIC21のIC21Aが+18Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+18Vは、図23に示すように、抵抗R21,R22による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサC23によりリップルが除去されてIC21Aの+端子に入力されている(コンデンサC23は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗R21,R22の値は、+18Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+18Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、12.53Vに設定されている。)となったときに、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
+18Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される(コンデンサC24は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。このPR端子が負論理入力であるため、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、+18Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
[8−5−3.+9Vの停電又は瞬停の監視]
+9Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータIC21のIC21Bが+9Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+9Vは、図23に示すように、抵抗R24,R25による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサC25によりリップルが除去されてIC21Bの+端子に入力されている(コンデンサC25は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗R24,R25の値は、+9Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+9Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、7.64Vに設定されている。)となったときに、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。+9Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなる。
このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、+9Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
なお、DタイプフリップフロップIC23のクリア端子であるCLR端子には、主制御MPU1700aから、主制御I/Oポート1700bを介して、停電クリア信号が入力されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1700aからの停電クリア信号は、主制御I/Oポート1700bを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップIC23は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1700aからの停電クリア信号の出力が停止されると、主制御I/Oポート1700bを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップIC23は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。なお、D入力端子である1D端子、クロック入力端子である1CK端子、接地端子であるGND端子は、グランドと接地されている。また、1Q端子の論理を反転した負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−5−4.電波検出スイッチからの電波検出信号の監視]
次に、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号の監視について説明する。電波検出スイッチ1700eは+18Vと抵抗R26を介して電気的に接続されており、この電圧が電波検出スイッチ1700eと抵抗R27を介してトランジスタTR20のベースに入力され、抵抗27とトランジスタTR20ベースとの間にグランドと接地された抵抗28が電気的に接続されている。また、トランジスタTR20のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR20のコレクタはプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられてインバータIC22の入力端子と電気的に接続されている。このインバータIC22は、6つのインバータ回路を備えており、その1つ(IC22A)を本実施形態で用いている。なお、インバータIC22の電源端子に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC26によりリップルが除去されて平滑化されている。
抵抗R27,R28の値は、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力しないとき、つまり高周波が照射されていないときに、トランジスタTR20がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR20がONする状態では、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力しないとき、つまり高周波が照射されていないときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力するとき、つまり高周波が照射されているときには、トランジスタTR20がOFFする状態となる。トランジスタTR20がOFFする状態では、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられて論理がHIとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力するとき、つまり高周波が照射されているときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
なお、主制御基板1700から電波検出スイッチ1700eを取り除いた場合には、トランジスタTR20がOFFする状態となるため、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられて論理がHIとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるためプルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eを主制御基板1700から取り除いたときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。このように、電波検出スイッチ1700eを主制御基板1700から取り除いたときには停電予告信号が常に出力される。
[8−6.参考実施形態の主制御MPU]
次に、本発明に対して参考実施形態となる主制御MPU1700aについて説明する。主制御MPU1700aは、図24に示したように、CPUコア1700aa、ROM1700ab、RAM1700ac、CPU初期化手段1700ad、乱数ブロック1700af等を内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。
CPU初期化手段1700adは、CPUコア1700aaを初期化する。初期化要因には外部要因と内部要因とがあり、外部要因は主制御システムリセットIC1によるものであり、内部要因は内蔵のWDT(ウォッチドッグタイマ)1700adaのタイムアップ、または指定領域外へのアクセスによるものである。乱数ブロック1700afは、乱数発生ブロック1700afbと、ラッチ手段1700afaとからなり、0から65535までの値を重複することなく一巡発生する乱数発生回路を構成する。さらに、乱数発生ブロック1700afbは、乱数仕様選択機能1700afbaと、乱数発生手段1700afbbと、乱数異常検出手段1700afbcと、乱数異常ステータス1700afbdとからなる。
乱数仕様選択機能1700afbaは、乱数起動機能とスタート値設定機能とからなり、ROM1700abに記憶されたユーザープログラムにより条件が設定される。乱数起動機能には、乱数発生回路を使用するか未使用とするかを設定する。スタート値設定機能は、乱数発生回路を使用する場合、更新される最初の値を複数の方法の中から選択することができ、選択した方法に応じた値を設定する。本実施形態のスタート設定機能では、ワンチップマイクロコンピュータ毎に付された固有のIDナンバーをもとにした値と、システムリセット毎に変動するレジスタの値とが選択できるようになっている。乱数発生手段1700afbbは、乱数仕様選択機能1700afbaで設定された値をもとに、演算して乱数値を更新する。
乱数異常検出手段1700afbcは、乱数発生手段1700afbbによる乱数値の更新状況に異常がないかを検出する。ここで、乱数発生手段1700afbbは、乱数値を更新するクロックとして、第1発振器X1、または第2発振器X2のいずれかを選択することが可能である。第1発振器X1は、主制御MPU1700aの動作を司るシステムクロックとして用いられるとともに、乱数発生手段1700afbbの、乱数値の更新にも使用される。一方、第2発振器X2は、乱数発生手段1700afbbの乱数値の更新にのみ使用される。乱数異常検出手段1700afbcは、乱数発生手段1700afbbに入力される発振器の動作状態を監視して、乱数発生手段1700afbbが正常に乱数値を更新しているか否かを判断する。
乱数異常ステータス1700afbdは、乱数異常検出手段1700afbcが乱数異常と判断したときに、乱数異常フラグがセットされる。なお、乱数異常ステータス1700afbdにセットされた乱数異常フラグは、ユーザープログラムによる読み出し行為によりリセットされる。ラッチ手段1700afaは、ユーザープログラムにより乱数値を読み出すときに、乱数発生手段1700afbbから乱数値を取り出して保持する。
[9.払出制御基板の回路]
次に、図18に示した払出制御基板715の回路等について説明する。払出制御基板715は、図20に示したように、電源基板686から直流電源+34V、+18V、+9Vが供給されている。この+9Vが払出制御シリーズレギュレータ715aに入力されている。この払出制御シリーズレギュレータ715aは入力された+9Vから払出制御基板715等の基準電圧である+5Vを作成し、この+5Vが払出制御MPU1710a等に入力されている。また払出制御基板715は、図18に示したように、払出制御部1710及び発射制御部1720等を備えて構成されている。ここでは、まず払出制御シリーズレギュレータについて説明し、続けて払出制御部の回路、払出制御基板で作成された電源、払出制御基板における各種入出力信号、発射制御部の回路について説明する。
図25は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図26はドライブICの等価回路を示す回路図であり、図27はエラー解除スイッチ等の入力回路を示す回路図であり、図28は主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図であり、図29は発射制御部の入力回路を示す回路図であり、図30は払出制御基板の実装図であり、図31は発射制御部の発信回路等を示す回路図である。
[9−1.払出制御シリーズレギュレータIC]
払出制御シリーズレギュレータIC715a(本実施形態では、ローム製:BA50BC0WT)は、図25に示すように、電源入力端子であるVCC端子に+9Vが入力されている。この+9Vは、電源基板686により供給されており、払出制御基板715に入力されると、まずグランド(GND)と接地された電解コンデンサC50により、リップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化される。さらに、グランドと接地されたコンデンサC51により、電源基板686と払出制御基板715との基板間に発生したノイズが除去される。また、この平滑化された+9Vは、VCC端子の他に、払出制御シリーズレギュレータIC715aのコントロール端子であるCTL端子にも入力されている。払出制御シリーズレギュレータIC715aは、そのCTL端子に+9Vが入力されることにより、VCC端子に入力された+9Vから+5Vを作成して出力端子であるOUT端子から出力する。
OUT端子とVCC端子との端子間にはダイオードD50(本実施形態では、1SS133)が設けられており、ダイオードD50のアノード端子とOUT端子とが電気的に接続され、ダイオードD1のカソード端子とVCC端子とが電気的に接続されている。VCC端子とOUT端子との端子間が逆バイアスになったときにはダイオードD50を介してVCC端子側に入力されるようになっており、逆バイアスによる払出制御シリーズレギュレータIC715aの破壊を防止している。
OUT端子から出力される+5Vは、グランドと接地された電解コンデンサC52によりリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、払出制御部1710、発射制御部1720等にそれぞれ入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−2.払出制御部の回路]
払出制御部1710は、図25に示すように、払出制御MPU1710a、払出制御I/Oポート1710b、外部WDT1710c(本実施形態では、ミツミ製:MM1075XD)、払出モータ駆動回路1710dの他に、周辺回路として、払出制御水晶発振器X50(本実施形態では、エプソントヨコム製:SG−531P、8メガヘルツ(MHz))を備えて構成されている。
[9−2−1.外部WDT(外部ウォッチドッグタイマ)]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図25に示すように、外部WDT1710cのVcc端子に入力されている。外部WDT1710cは、払出制御MPU1710aにリセットをかけるものである。外部WDT1710cは、Vcc端子に入力された+5Vの電圧を監視する機能と、払出制御MPU1710aが正常に動作しているか否かを監視する機能と、を有しており、Vcc端子に入力された+5Vの電圧がしきい値(本実施形態では、4.2Vに設定されている。)に達すると、負論理RESET端子からリセット信号を出力したり、外部WDT1710cのCK端子に払出制御MPU1710aから払出制御I/Oポート1710bを介して外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内に入力されないと、負論理RESET端子からリセット信号を出力したりする。
外部WDT1710cのTC端子はグランドと接地されたコンデンサC53が電気的に接続されており、外部WDT1710cのRCT端子は+5Vに引き上げられたプルアップ抵抗R50が電気的に接続されている。上述したクリア信号解除時間は、コンデンサC53の容量と、プルアップ抵抗R50の抵抗値と、によって設定することができる。なお、本実施形態では、クリア信号解除時間として払出制御MPU1710aの割り込みタイマ(1.75ms)の20回分に相当する時間35ms(=1.75ms×20回)が設定されている。
外部WDT1710cの負論理RESET端子は、払出制御MPU1710aのリセット端子であるRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。負論理RESET端子はオープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗R51により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC54によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC54は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。負論理RESET端子は、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗R50により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力され、一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力される。
また負論理RESET端子は、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONからOFFに切り替わって外部WDTクリア信号が解除されたときにはプルアップ抵抗R51により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力され、一方、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには論理がLOWとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力される。
払出制御MPU1710aのRST0端子は負論理入力であるため、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となったり、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには、払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bにリセットがかかる。なお、外部WDT1710cのVs端子には、グランドと接地されたコンデンサC55が電気的に接続されており、Vcc端子にはグランドと接地されたコンデンサC56が電気的に接続されている。このコンデンサC56によってVcc端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、外部WDT1710cの接地端子であるGND端子はグラントと接地されており、外部WDT1710cの正論理RESET端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図25に示すように、払出制御水晶発振器X50の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、グランドと接地されたコンデンサC57と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子の他に、払出制御水晶発振器X50の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも入力されている。払出制御水晶発振器X50は、そのOE端子に+5Vが入力されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器X50のOUT端子は、払出制御MPU1710aのクロック端子であるMCLK端子及び払出制御I/Oポート1710bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bに入力されている。
[9−2−3.払出モータ駆動回路]
払出モータ駆動回路1710dは、図25に示すように、ドライブIC50(本実施形態では、東京芝浦電気製:MP4303)を備えて構成されている。このドライブIC50は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、エミッタ端子をグランドと接地させ、ベース端子に払出モータ駆動信号が入力されると、対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが出力されるようになっている。
電源基板686から供給された+34Vは、図25に示すように、ツェナーダイオードZD51(本実施形態では、HZ36BPTK−E)を介してドライブIC50のカソード端子に入力されている。ツェナーダイオードZD51のアノード端子は+34Vと電気的に接続されており、ツェナーダイオードZD51のカソード端子がドライブIC50のカソード端子と電気的に接続されている。ドライブIC50のカソード端子に入力された+34Vは、払出モータ465の駆動電源となる。ドライブIC50のベース端子は、払出制御I/Oポート1710bの出力ポートPBの出力ピンPB0〜PB3と電気的に接続されており、出力ピンPB0〜PB3から出力された払出モータ駆動信号に応じて対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが抵抗R52〜R55、賞球ユニット用端子717、そして賞球ユニット内中継端子板480を介して払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力される。
これらの駆動パルスは、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ465を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブIC50の耐圧を超えると、ドライブIC50が破損するため、保護としてドライブIC50のカソード端子とツェナーダイオードZD51のカソード端子とを電気的に接続している。
[9−2−3(a).ドライブICの吸収する熱]
ドライブIC50は、上述したように、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、エミッタ端子をグランドと接地させ、ベース端子に払出モータ駆動信号が入力されると、対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが出力されるようになっている。ドライブIC50は、図26に示すように、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4と、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4と、を同一のパッケージに内蔵している。
ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4は、ダーリントン接続された2つのトランジスタ、抵抗及びダイオードが電気的に回路接続されてチップ化されている。ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4のコレクタ端子は、+34Vに接続されたフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4に電気的に回路接続されている。フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4は、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に駆動パルス(励磁信号)が遮断されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4を保護しており、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となってチップ化され、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となってチップ化されている。
このように、ドライブIC50のパッケージは、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に駆動パルス(励磁信号)を出力するダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4による発熱と、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換するフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4による発熱と、を吸収し、この吸収した熱を外気(ドライブIC50の周囲)に逃がしている。
ところが、上述したように、払出制御基板715を収納する払出制御基板ボックス655、パチンコ遊技機1の最大の熱源である電源基板686を収納する電源基板ボックス653等は、枠用基板ホルダー651の後面側に前後方向に重複して取り付けられている。このため、払出制御基板715は電源基板686から発せられる熱を少なからず吸収していることとなる。また、払出制御基板ボックス655のカバー体等はパチンコ島設備内に露出した状態となっており、パチンコ島設備は他のパチンコ遊技機と背向で列設されているためパチンコ遊技機の電源基板や各種制御基板等から発せられる熱によってパチンコ島設備内の温度が高くなっている。
このように、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4及びフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4による発熱を、ドライブIC50のパッケージが吸収しても、ドライブIC50の周囲、つまり外気の温度が高くなっている状態では、その吸収した熱を外気に逃がす効率が低下するため、ドライブIC50のパッケージに熱が蓄えられることとなる。そうすると、ドライブIC50のパッケージの温度が高くなって、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4の接合温度がジャンクション温度まで高くなると、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4が故障することとなる。
[9−2−3(b).払出モータ駆動信号の出力する順番]
そこで、本実施形態では、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、B相、/A相そして/B相となるように、ドライブIC50のベース端子に払出モータ駆動信号が入力されるようになっている。これにより、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4が払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換する順番も、FBD1、FBD3、FBD2そしてFBD4となる。そうすると、上述した、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップと、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップと、が交互に発熱することとなる。このように交互に発熱する場合と、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、/A相、B相そして/B相、つまり、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4が払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換する順番としてFBD1、FBD2、FBD3そしてFBD4とする場合と、を比べると、交互に発熱する場合の方がフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップの発熱又はフライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップの発熱を小さく抑えることができ、ドライブIC50のパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱によるダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4の故障を防止することができる。
なお、本実施形態では、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、B相、/A相そして/B相となるようにプログラムしているが、例えば、図25に示した、ドライブIC50のコレクタ端子である4番ピン及び9番ピンを、賞球ユニット端子717側で互いに入れ代えるように予め配線しておくことによって、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、/A相、B相そして/B相となるようにプログラムしても、賞球ユニット端子717側でその順番がB相、/A相、A相そして/B相となり、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップと、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップと、が交互に発熱することができる。
[9−3.払出制御基板で作成された電源]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図25に示すように、払出制御MPU1710aの電源端子であるVDD端子及び払出制御I/Oポート1710bの電源端子であるVCC端子に入力されている。払出制御MPU1710aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサC58と電気的に接続され、払出制御I/Oポート1710bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサC59と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU1710aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、払出制御I/Oポート1710bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。また、払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、発射制御部1720等にも入力されている。
[9−4.払出制御基板における各種入出力信号]
[9−4−1.払出制御I/Oポートの各種入出力信号]
エラー解除スイッチ1731(本実施形態では、アルプス電気製:SKHHDGA010)の操作、球抜きスイッチ1732(本実施形態では、アルプス電気製:SKHHDAA010)の操作は、検出信号として払出制御I/Oポート1710bに入力されている。
ここで、図18に示したエラーLED表示器1730に、球切れ、球がみ、賞球ストック(未払出分あり)、接続異常等の動作エラー状態が表示されると、エラー解除スイッチ1731を操作して図18に示したスピーカ34から動作エラー状態に応じたエラー解除法を伝える音声案内が流れ、その指示に従って動作エラー状態を解除する。パチンコ遊技機1をホールに設置して移設するときや、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に溜まったゴミ(例えば、遊技球のメッキがはがれた粉等)を取り除くときには、上述したように、球抜きスイッチ1732を操作して賞球タンク400、タンクレール部材410等に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の外部に排出する。
[9−4−1(a).エラー解除スイッチからの検出信号]
エラー解除スイッチ1731の出力ピンとしての1番ピンは、図25に示すように、払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPDの5番ピンである入力ピンPD5と電気的に接続されている。入力ピンPD5は負論理入力とするため、エラー解除スイッチ1731の1番ピンと払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5との端子間の電圧はプルアップ抵抗R56により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC60によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC60は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。エラー解除スイッチ1731が操作されないときにはプルアップ抵抗R56により+5Vに引き上げられて論理がHIとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5に入力され、一方、エラー解除スイッチ1731が操作されたときには論理がLOWとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5に入力される。
[9−4−1(b).球抜きスイッチからの検出信号]
球抜きスイッチ1732の出力ピンとしての1番ピンは、図25に示すように、払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPDの2番ピンである入力ピンPD2と電気的に接続されている。入力ピンPD2は負論理入力とするため、球抜きスイッチ1732の1番ピンと払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2との端子間の電圧はプルアップ抵抗R57により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC61によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC61は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。球抜きスイッチ1732が操作されないときにはプルアップ抵抗R57により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2に入力され、一方、球抜きスイッチ1732が操作されたときには論理がLOWとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2に入力される。
[9−4−1(c).その他の各種入出力信号]
払出制御I/Oポート1710bのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図18に示した主制御基板1700からのシリアルデータが主払シリアルデータ受信信号として入力されている。一方、払出制御I/Oポート1710bのシリアルデータ出力端子であるTXD端子から主制御基板1700に送信するシリアルデータが払主シリアルデータ送信信号として出力される。
払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPD及び入力ポートPEの各入力ピンは、例えば、上述した、入力ピンPD5にはエラー解除スイッチ1731からのエラー解除検出信号が入力され、入力ピンPD2には球抜きスイッチ1732からの球抜き検出信号が入力され、入力ピンPD7には上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1700からの主払ACK信号が入力され、入力ピンPD1には満タンスイッチ545からの検出信号が入力される。
一方、払出制御I/Oポート1710bの出力ポートPA〜PCの出力ピンから、例えば、出力ピンPB0〜PB5から払出モータ駆動信号が出力され、出力ピンPC3から上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号が出力され、出力ピンPC5から外部WDT1710cへ外部WDTクリア信号が出力される。
なお、払出制御I/Oポート1710bのデータ入出力端子D0〜D7と、払出制御MPU1710aのデータ入出力端子D0〜D7と、はデータバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。払出制御MPU1710aは、入力ポートPD及びPEから各種信号を、データバスを介して読み込み、このデータバスを介して出力ポートPA〜PCから各種信号を出力する。
[9−4−2.扉枠開放スイッチ及び本体枠開放スイッチからの検出信号]
上述したように、本体枠3には、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか否かを検出する扉枠開放スイッチ3aと、本体枠3が外枠2から開放された状態であるか否かを検出する本体枠開放スイッチ3bと、が設けられている。これらの検出信号は、図18に示したように、払出制御基板715に入力されている。
[9−4−2(a).扉枠開放スイッチからの検出信号]
扉枠開放スイッチ3aは、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、扉枠5が本体枠3から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ3aの端子は、図27に示すように、扉枠開放スイッチ用端子716aと電気的に接続されている。扉枠開放スイッチ3aからの検出信号の一方は、抵抗R60を介してトランジスタTR60のベースに入力され、抵抗R60とトランジスタTR60のベースとの間にグランドと接地された抵抗R61が電気的に接続されている。また、トランジスタTR60のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR60のコレクタは後述するトランジスタTR61のコレクタと電気的に接続されている。
トランジスタTR60のコレクタとトランジスタTR61のコレクタとの電気的な接続により論理和の回路(OR回路)が形成され、その演算結果が枠開放情報出力情報として図18に示した主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力される。一方、扉枠開放スイッチ3aからの検出信号の他方は、上述した外部端子板用端子718を介して扉枠開放信号として図18に示した外部端子板700aに出力される。なお、扉枠開放信号は、外部端子板700aに設けた扉枠開放スイッチ用フォトカプラのカソードと電気的に接続されおり、扉枠開放スイッチ用フォトカプラのアノードには+18Vが入力されている。このように、扉枠開放スイッチ3aには+18Vの電圧が印加されている。
[9−4−2(b).本体枠開放スイッチからの検出信号]
本体枠開放スイッチ3bは、扉枠開放スイッチ3aと同様に、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、本体枠3が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ3bの端子は、図27に示すように、本体枠開放スイッチ用端子716bと電気的に接続されている。本体枠開放スイッチ3bからの検出信号の一方は、抵抗R62を介してトランジスタTR61のベースに入力され、抵抗R62とトランジスタTR61のベースとの間にグランドと接地された抵抗R63が電気的に接続されている。また、トランジスタTR61のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR61のコレクタは上述したトランジスタTR60のコレクタと電気的に接続されている。
トランジスタTR60のコレクタとトランジスタTR61のコレクタとの電気的な接続により論理和の回路(OR回路)が形成され、その演算結果が枠開放情報出力情報として図18に示した主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力される。一方、本体枠開放スイッチ3bからの検出信号の他方は、扉枠開放スイッチ3aからの扉枠開放信号と同様に、上述した外部端子板用端子718を介して本体枠開放信号として図18に示した外部端子板700aに出力される。なお、本体枠開放信号は、扉枠開放信号と同様に、外部端子板700aに設けた本体枠開放スイッチ用フォトカプラのカソードと電気的に接続されており、本体枠開放スイッチ用フォトカプラのアノードには+18Vが入力されている。このように、本体枠開放スイッチ3bには扉枠開放スイッチ3aと同様に+18Vの電圧が印加されている。
本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチを用いている。このため、扉枠開放スイッチ3aが短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ3bが短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチを用いることで、短絡時にでも例えば上述した枠開放情報出力信号を、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力することができ、図18に示した、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
なお、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ3a’、本体枠開放スイッチ3b’)に替えると、扉枠開放スイッチ3a’は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ3b’は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。
ここで、扉枠開放スイッチ3a’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ3b’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ3a’、本体枠開放スイッチ3b’をノーマルオープンのスイッチを用いることで、断線時にでも例えば上述した枠開放情報出力信号を、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力することができ、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
[9−4−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
ここで、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号と、払出制御基板715による外部端子板700aへの各種出力信号について説明する。
[9−4−3(a).主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板715は、図18に示したように、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図28(a)に示すように、払出制御基板715は、その内部接続端子725を介して主ドロワ中継基板657と各種入出力信号のやり取りを行う。内部接続端子725から主ドロワ中継基板657に出力する信号としては、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、枠開放情報出力信号等がある。一方、主ドロワ中継基板657から内部接続端子725に入力される信号としては、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、RAMクリア信号、停電予告信号の他に、大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)がある。なお、グランド(GND)、+34V、+18V、+9Vの各種電源は、内部接続端子725を介して主ドロワ中継基板657に供給されている。
[9−4−3(b).外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板715は、その外部端子板用端子718を介して外部端子板700aに各種信号を出力する。具体的には、図28(b)に示すように、上述した、扉枠開放信号、本体枠開放信号の他に、図18に示した払出モータ465が実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号を直接出力する他、主制御基板1700から払出制御基板715を介して出力する遊技情報等がある。上述したように、外部端子板700aは、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されており、遊技者の遊技等を監視している。
[9−5.発射制御部の回路]
次に、発射制御部1720について説明する。発射制御部1720は、図18に示したように、入力回路1720a、発振回路1720b、発射制御回路1720c、発射モータ駆動回路1720dを備えて構成されている。
[9−5−1.入力回路]
払出制御基板715は、図29に示すように、CRユニット端子板用端子719、操作ハンドル用端子724等が設けられている。これらの端子に入力された各種信号は、入力回路1720aに入力されている。この入力回路1720aは、図示しないCRユニットからのCR接続信号と、図18に示したタッチスイッチ80からの検出信号と、図18に示した発射停止スイッチ82からの検出信号が入力されている。CR接続信号は、図18に示したように、CRユニットがCRユニット端子板700bに電気的に接続されるとCRユニット端子板700bを介して入力回路1720aに入力され、タッチスイッチ80からの検出信号は、上述した操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れると、タッチスイッチ80により検出されて図18に示したハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力され、発射停止スイッチ82からの検出信号は、上述した発射停止ボタン81を操作すると、発射停止スイッチ82により検出されてハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力される。
[9−5−1(a).CRユニットからの接続信号]
CRユニット端子板700bと払出制御基板715との基板間は図示しないハーネスにより電気的に接続されている。このハーネスでは、ノイズの影響を受けにくくするために、図29に示すように、CR接続信号を伝えるライン(伝送線)がプルアップ抵抗R70により+18Vに引き上げられている。
CR接続信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R71を介してトランジスタTR70(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R71とトランジスタTR70のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R72が電気的に接続されている。抵抗R71,R72の値は、CR接続信号が入力されていないとき、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されていないときには、トランジスタTR70がONする状態となるように設定されている。
トランジスタTR70のコレクタは、プルアップ抵抗R73により+5Vに引き上げられており、負論理とした発射許可検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR70がONする状態、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されていないときには、トランジスタTR70のコレクタからトランジスタTR70のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった発射許可検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR70がOFFする状態、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されているときには、トランジスタTR70のコレクタからトランジスタTR70のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R73により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった発射許可検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
[9−5−1(b).タッチスイッチからの検出信号]
タッチスイッチ80からの検出信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R724bを介してトランジスタTR71(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R724bとトランジスタTR71のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R75が電気的に接続されている。抵抗R724b,R75の値は、タッチスイッチ80が検出信号を出力するとき、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れていないときには、トランジスタTR71がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR71のベースに入力される電圧は、グランドと接地されたコンデンサC70によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタTR71のコレクタは、プルアップ抵抗R76により+5Vに引き上げられており、負論理としたタッチ検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR71がONする状態、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れていないときには、トランジスタTR71のコレクタからトランジスタTR71のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなったタッチ検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR71がOFFする状態、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れているときには、トランジスタTR71のコレクタからトランジスタTR71のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R76により+5Vに引き上げられて論理がHIとなったタッチ検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
なお、タッチスイッチ80からの検出信号は、上述したように、ハンドル中継端子板71aを介して操作ハンドル用端子724に入力されているが、ハンドル中継端子板71aから操作ハンドル用端子724までは配線により電気的に接続されている。この配線は、下補強板(図示せず)に沿って取り付けられている。この下補強板は、上述したように、貯留皿30に貯留された球からの静電放電によるノイズ等を扉枠5から除去するアース接続板としての役割も担っているため、ハンドル中継端子板71aからの配線はノイズ等の影響を極めて受けやすい環境下にある。このため、タッチスイッチ80からの検出信号にノイズ等が侵入すると、グランド(GND)の電圧が0V〜+3Vに上下して不安定となり、図18に示した、例えば払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aの電源端子VDDに入力されている+5Vとの電位差が払出制御MPU1710aの作動電圧より小さくなって払出制御MPU1710aが突然リセットするおそれがある。そこで、本実施形態では、+18Vが電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724aを介してタッチスイッチ80に供給されるとともに、タッチスイッチ80からの検出信号が検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724bを介して入力されることによってグランド(GND)を安定化させている。
本実施形態では、抵抗R724a,R724bとして巻線式の抵抗を用いており、抵抗R724a,R724bのコイル成分であるインダクタンスにより、ハンドル中継端子板71aからの配線に侵入したノイズ等によるグランド(GND)の高周波成分をより抑制することができる。これにより、払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aに、突然リセットがかからなくなるとともに、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号のやり取りでグランド(GND)の変動による通信エラーが生じなくなる。
[9−5−1(c).発射停止スイッチからの検出信号]
発射停止スイッチ82からの検出信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R724dを介してトランジスタTR72(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R724dとトランジスタTR72のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R78が電気的に接続されている。抵抗R724d,R78の値は、発射停止スイッチ82が検出信号を出力するとき、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していないときには、トランジスタTR72がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR72のベースに入力される電圧は、グランドと接地されたコンデンサC71によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタTR72のコレクタは、プルアップ抵抗R79により+5Vに引き上げられており、負論理とした発射停止検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR71がONする状態、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していないときには、トランジスタTR72のコレクタからトランジスタTR72のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった発射停止検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR72がOFFする状態、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作しているときには、トランジスタTR72のコレクタからトランジスタTR72のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R79により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった発射停止検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
なお、発射停止スイッチ82からの検出信号は、上述したように、ハンドル中継端子板71aを介して操作ハンドル用端子724に入力されているが、ハンドル中継端子板71aから操作ハンドル用端子724までは配線により電気的に接続されている。この配線は、前記の下補強板に沿って取り付けられている。この下補強板は、上述したように、貯留皿30に貯留された球からの静電放電によるノイズ等を扉枠5から除去するアース接続板としての役割も担っているため、ハンドル中継端子板71aからの配線はノイズ等の影響を極めて受けやすい環境下にある。このため、発射停止スイッチ82からの検出信号にノイズ等が侵入すると、グランド(GND)の電圧が0V〜+3Vに上下して不安定となり、例えば払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aの電源端子VDDに入力されている+5Vとの電位差が払出制御MPU1710aの作動電圧より小さくなって払出制御MPU1710aが突然リセットするおそれがある。そこで、本実施形態では、+18Vが電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724cを介して発射停止スイッチ82に供給されるとともに、発射停止スイッチ82からの検出信号が検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724dを介して入力されることによってグランド(GND)を安定化させている。
本実施形態では、抵抗R724c,R724dとして巻線式の抵抗を用いており、抵抗R724c,R724dのコイル成分であるインダクタンスにより、ハンドル中継端子板71aからの配線に侵入したノイズ等によるグランド(GND)の高周波成分をより抑制することができる。これにより、払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aに、突然リセットがかからなくなるとともに、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号のやり取りでグランド(GND)の変動による通信エラーが生じなくなる。
[9−5−1(d).電源側ノイズ低減抵抗及び検出信号側ノイズ低減抵抗の配置]
ここで、電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724a,R724cと、検出信号側ノイズ低減抵抗であるR724b,R724dの配置について説明する。払出制御基板715は、上述したように、タッチスイッチ80からの検出信号及び発射停止スイッチ82からの検出信号が操作ハンドル用端子724を介して入力されている。タッチスイッチ80には電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724a及び検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724bが設けられ、発射停止スイッチ82には電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724c及び検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724dが設けられている。これらの抵抗R724a〜R724dは、図30(a)に示すように、払出制御基板715の部品面715aのエラー解除スイッチ1731の左方近傍に配置されている。
払出制御基板715の部品面715a及びハンダ面715bは、図30(b),(c)に示すように、抵抗R724a〜R724dを配線するパターン(「配線パターン」という。)回りが箔抜けされた状態となっている箔抜け領域724a,724bを設けている。この箔抜け領域724a,724bでは、抵抗R724a〜R724dの配線パターン回りに+18V等の電源線やグランド(GND)線が配置されないようになっている。これにより、抵抗R724a〜R724dの配線パターンに侵入してくるノイズ等を箔抜け領域724a,724bで防止することができ、グランド(GND)の変動を抑制することができる。
また、抵抗R724a〜R724dは、ハンダ面715bでハンダ付けされる銅箔部分(「ランド」という。)が他の電子部品等のランドと所定間隔だけ離して配置されている。抵抗R724a〜R724dのランドと、他の電子部品等のランドと、の距離は、電源線の電位やグランド(GND)線の電位が互いに影響を及ぼさない程度に設定されている。これにより、他の電子部品等のランドからの電源線の電位やグランド(GND)線の電位の影響を防止することができ、グランド(GND)の変動を抑制することができる。
[9−5−2.発振回路]
発振回路1720bは、図31に示すように、水晶振動子X80(本実施形態では、リバーエレテック製:HC−49/U03、4MHz)、この水晶振動子X80の負荷容量を設定するコンデンサC80,C81、帰還抵抗R80を備えて構成されている。水晶振動子X80の両端子は発射制御回路1720cに電気的に接続されており、水晶振動子X80と発射制御回路1720cとは閉ループの回路となっている。この閉ループの回路には、水晶振動子X80と並列に帰還抵抗R80が電気的に接続されている。水晶振動子X80の両端子には、グランドと接地されたコンデンサC80,C81がそれぞれ電気的に接続されている。帰還抵抗R80の値及びコンデンサC80,C81の負荷容量は、水晶振動子X80が安定して発振するように設定されている。これにより、発振回路1720bは、ゆらぎが抑えられたクロック信号を発射制御回路1720cに供給することができる。
[9−5−3.発射制御回路]
発射制御回路1720cは、図31に示すように、発振回路1720bからのクロック信号がクロック入出端子XT1,XT2に入力されており、この入力されたクロック信号に基づいて発射モータ344の回転速度を決定する基準パルスを出力端子AA,BBから発射モータ駆動回路1720dに出力する。なお、電源端子であるVCC端子は+5Vが入力されており、グランドと接地されたコンデンサC82と電気的に接続されている。これにより、VCC端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子であるGND端子はグランドに接地されている。
発射制御回路1720cは、上述した、発射許可検出信号が入力端子EN1に入力され、タッチ検出信号が入力端子EN3に入力され、発射停止検出信号が入力端子EN4に入力されている。発射制御回路1720cは、これらの発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号の論理積(AND)をとり、この演算結果をスタート端子であるST端子から発射モータ駆動回路1720dに出力する。このST端子は、出力端子AA,BBから出力する基準パルスを許可している旨又は禁止している旨を発射モータ駆動回路1720dに伝えるものである。
具体的には、発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号の論理がすべてHIである場合(CRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続され、操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れ、操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していない場合)には、ST端子から論理がHIとなったスタート信号が出力され、出力端子AA,BBから許可した基準パルスが出力されている旨を発射モータ駆動回路1720dに伝える一方、発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号のうち少なくとも1つに論理がLOWである場合(例えば、CRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続され、操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れ、操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作している場合)には、ST端子から論理がLOWとなったスタート信号が出力され、出力端子AA,BBから禁止した基準パルスが出力されている旨を発射モータ駆動回路1720dに伝える。
[9−5−4.発射モータ駆動回路]
発射モータ駆動回路1720dは、図31に示すように、発射制御回路1720cの出力端子AA,BBから出力された基準パルスが入力され、発射制御回路1720cのST端子から出力されたスタート信号が入力されている。具体的には、発射制御回路1720cの出力端子AAから出力された基準パルスは発射モータ駆動回路1720dのA相入力端子であるINA端子に入力され、発射制御回路1720cの出力端子BBから出力された基準パルスは発射モータ駆動回路1720dのB相入力端子であるINB端子に入力され、発射制御回路1720cのST端子から出力されたスタート信号は発射モータ駆動回路1720dのスタート端子であるST端子に入力されている。
発射モータ駆動回路1720dは、ST端子に論理がHIであるスタート信号が入力されると、INA端子に入力された基準パルスに基づいてA相出力端子であるA端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344のA相に励磁信号である駆動パルスが出力される一方、A端子から出力される駆動パルスの論理を反転した励磁信号である駆動パルスがA相反転出力端子であるAX端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344の/A相に出力され、INB端子に入力された基準パルスに基づいてB相出力端子であるB端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344のB相に励磁信号である駆動パルスが出力される一方、B端子から出力される駆動パルスの論理を反転した励磁信号である駆動パルスがB相反転出力端子であるBX端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344の/B相に出力される。
なお、発射モータ駆動回路1720dの電源端子であるVCC1端子は+5Vが入力されており、発射モータ駆動回路1720dのA相電源電圧端子であるVCC2A端子及びB相電源電圧端子であるVCC2B端子は発射モータ344の駆動用電圧である+34Vが入力されている。これらのVCC2A端子及びVCC2B端子は、グランドと接地された電解コンデンサC83と電気的に接続されており、発射モータ344の駆動による一時的な電圧低下を抑えることで駆動トルクを一定に保持している。また、VCC2A端子及びVCC2B端子は、グランドと接地されたコンデンサC84と電気的に接続されており、接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。