以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
[1.パチンコ遊技機の全体構造]
まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機1の正面図である。図3は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の側面図である。図5は、パチンコ遊技機1の平面図であり、図6は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域255(図8参照)を遊技者が視認し得る透明板であるガラス板60を具備したガラスユニット50と、該ガラスユニット50の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿30とを備えた扉枠5とを備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾板6aによって被覆されている下部前面カバー板6が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置300と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット650が取り付けられ、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ3aや本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ3bが設けられ、本体枠3の後面開口222(図6参照)を覆うカバー体750が着脱自在に設けられている。
本体枠3には、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ3aと、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ3bとが設けられている。更に、扉枠5には、上記した貯留皿30の他に、遊技窓42を閉塞するようにガラスユニット50と、ハンドル装置70とが設けられている。
そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる貯留皿30が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置70が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。
[2.遊技領域内の各種構成部材]
次に、上述した遊技盤4の各種構成部材について説明する。図8は遊技盤4の正面図である。なお、遊技領域255内に打ち込まれた球(以下、「遊技球」と記載する。)が落下するとき、遊技球を弾いて遊技球の進行方向を複雑にする複数の障害釘は、図面の見やすさの関係上、図示を省略した。
遊技盤4の遊技領域255には、図8に示すように、センター役物装置1200、入賞口ユニット1210及び装飾ユニット1220が設けられている。また遊技盤4の飾り枠251には、機能表示ユニット1225が取り付けられている。センター役物装置1200は遊技領域255の中央上寄りに配置されている。これにより、センター役物装置1200の上方及び右方及にはアウト口誘導通路1200aが形成され、遊技領域255内に発射された遊技球がアウト口誘導通路1200aに進入すると、アウト口誘導通路1200aに沿って落下して後述するアウト口に誘導されるようになっている。センター役物装置1200の下方には入賞口ユニット1210が配置されている。装飾ユニット1220はセンター役物装置1200の左下方(入賞口ユニット1210の左方)に配置されている。機能表示ユニット1225は飾り枠251の右下側に配置されている。まず、センター役物装置1200について説明し、続けて入賞口ユニット1210、装飾ユニット1220、各種表示器及び各種ランプについて説明する。
[2−1.センター役物装置]
センター役物装置1200は、その上側に点灯する演出ランプ1230、右側に明るさが滑らかに変化して階調点灯する階調ランプ1240が設けられている。そして下側に遊技球が左右に揺動するステージ1250と、入賞口ユニット1210に遊技球を誘導する球誘導孔1260及び球誘導路1270とが設けられており、左側にステージ1250に遊技球を誘導するワープ孔1280と、遊技球が通過することができるゲート1290とが設けられている。このゲート1290に進入した遊技球はゲートスイッチ1300により検出されて再び遊技領域255内に戻るようになっている。ゲート1290の下方には、ワープ孔1280が配置されている。このワープ孔1280に進入した遊技球はステージ1250に誘導されて揺動したり又は球誘導孔1260に進入して球誘導路1270を通過したりして、再び遊技領域255内に戻るようになっている。
センター役物装置1200に進入した遊技球がセンター役物装置1200からパチンコ遊技機1の内部に進入しないようセンター役物装置1200には隔壁板1310が設けられている。上述した球誘導孔1260は隔壁板1310に設けられており、球誘導路1270と連結されている。これにより、球誘導孔1260に進入した遊技球は球誘導路1270を通過して遊技領域255内に再び戻るようになっている。また、隔壁板1310は、液晶表示器1315の表示領域1320に遊技球が衝突するのを防いでいる。
なお、センター役物装置1200の上側には上あご可動体、下側には下あご可動体が配置されており、視認できない位置(原位置)で待機している。これらの上あご可動体及び下あご可動体は、隔壁板1310と表示領域1320との間で可動するようになっており、所定の条件が成立したとき、原位置から表示領域1320の前面側にそれぞれ出現して再び原位置に戻るようになっている。
[2−2.入賞口ユニット]
入賞口ユニット1210は、上始動入賞口1330、下始動入賞口1340、大入賞口装置1350を備えて構成されている。入賞口ユニット1210の上側には上始動入賞口1330が配置されており、この上始動入賞口1330の下方には下始動入賞口1340が配置されている。上始動入賞口1330に入球した遊技球は上始動口スイッチ1360により検出され、下始動入賞口1340に入球した遊技球は下始動口スイッチ1370により検出される。下始動入賞口1340には開閉翼1380が設けられており、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されると、開閉翼1380が開くようになっている。
一方、駆動信号が出力されないと、開閉翼1380が閉じるようになっている。開閉翼1380が開くと、下始動入賞口1340に遊技球が入球しやすい開状態となる。一方、開閉翼1380が閉じると、下始動入賞口1340に遊技球が入球することができない閉状態となる。
ここで、その詳細な説明については後述するが、所定の条件が成立したとき、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されると、開閉翼1380が開いて下始動入賞口1340が閉状態から開状態となる。このとき、遊技球が下始動入賞口1340に入球しやすくなる。一方、開閉翼ソレノイド1390に駆動信号が出力されなくなると、開閉翼1380が閉じて下始動入賞口1340が開状態から閉状態となる。このとき、下始動入賞口1340の左方又は右方から進入してくる遊技球は開閉翼1380によりブロックされる。
下始動入賞口1340の上方には、上述したように、上始動入賞口1330が配置されている。このため、上方から進入してくる遊技球は上始動入賞口1330によりブロックされている。下始動入賞口1340が閉状態から開状態となると、その左方又は右方から進入してくる遊技球に加えて、上始動入賞口1330に入球しなかった遊技球、つまり下始動入賞口1340の上方から進入してくる遊技球は、下始動入賞口1340に入球する機会を得ることができる。
下始動入賞口1340の下方には大入賞口装置1350が配置されている。この大入賞口装置1350は、大入賞口1400、開閉板1410、開閉板ソレノイド1420、カウントスイッチ1430を備えて構成されている。大入賞口1400は横長四角形状を有しており、開閉板ソレノイド1420に駆動信号が出力されると、開閉板1410が開くようになっている。一方、駆動信号が出力されないと、開閉板1410が閉じるようになっている。開閉板1410が開くと、大入賞口1400に遊技球が入球しやすい開放状態となる。一方、開閉板1410が閉じると、大入賞口1400に遊技球が入球することができない閉鎖状態となる。
ここで、その詳細な説明については後述するが、所定の条件が成立したとき、開閉板ソレノイド1420に駆動信号が出力されると、開閉板1410が開いて大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる。このとき、遊技球が大入賞口1400に入球しやすくなり、この入球した遊技球はカウントスイッチ1430により検出される。一方、開閉板ソレノイド1420に駆動信号が出力されなくなると、開閉板1410が閉じて大入賞口1400が開放状態から閉鎖状態となる。このとき、遊技球が大入賞口1400に入球できなくなる。
なお、入賞口ユニット1210には、大入賞口装置1350の左側に左普通入賞口1440、右側に右普通入賞口1450が設けられている。左普通入賞口1440に入球した遊技球は左入賞口スイッチ1460により検出され、一方、右普通入賞口1450に入球した遊技球は右入賞口スイッチ1470により検出される。
[2−3.装飾ユニット]
装飾ユニット1220は、演出ランプ1570、装飾ユニット側普通入賞口1580,1590を備えて構成されている。装飾ユニット1220の下側には点灯する演出ランプ1570が配置されている。この演出ランプ1570上方に装飾ユニット側普通入賞口1580,1590が配置されている。これらの装飾ユニット側普通入賞口1580,1590に遊技球が入球すると、上述した左入賞口スイッチ1460で検出される。遊技領域255内に発射された遊技球が入賞口ユニット1210及び装飾ユニット1220に設けた各種入賞口のいずれにも入球しなかったときには上述したアウト口256で回収される。また、遊技領域255内に発射された遊技球が上述したアウト口誘導通路1200aに進入すると、このアウト口誘導通路1200aに沿って落下してそのままアウト口256に誘導されて回収される。
[2−4.各種表示器及び各種ランプ]
機能表示ユニット1225は、その詳細な説明は後述するが、セグメント表示器及びLED等を複数備えて構成されており、これらのセグメント表示器及びLED等には、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられている。
機能表示ユニット1225の下側には上特別図柄表示器1480が配置され、この上特別図柄表示器1480の右方に下特別図柄表示器1490が配置されている。上特別図柄表示器1480は、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示する。一方、下特別図柄表示器1490は、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、上特別図柄表示器1480と同様に、大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示する。なお、上始動入賞口1330に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄表示器1480の左方に配置された上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bに表示する。一方、下始動入賞口1340に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄表示器1490の右方に配置された下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bに表示する。
下特別図柄記憶ランプ1510aの上方には普通図柄表示器1520が配置されており、この普通図柄表示器1520の左上方に普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが配置されている。普通図柄表示器1520は、ゲート1290に遊技球が通過すると、開閉翼1380の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示する。なお、ゲート1290に通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないときには、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dに表示する。
上特別図柄記憶ランプ1500bの左方には遊技状態表示ランプ1540が配置されている。この遊技状態表示ランプ1540は遊技状態として確率変動又は小当りが生じている旨を所定の色で点灯して報知する。
普通図柄記憶ランプ1530dの上方には、2ランド表示ランプ1550が配置されており、この2ラウンド表示ランプ1550の上方には15ラウンド表示ランプ1560が配置されている。2ラウンド表示ランプ1550は、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる最大回数(「ラウンド」という。)が2回である旨を点灯して報知する。一方15ラウンド表示ランプ1560は、ラウンドが15回である旨を点灯して報知する。
[3.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4の裏面に取り付けられる機能表示ユニット1225について説明する。
図9は機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。
機能表示ユニット1225は、図9に示すように、機能表示基板1225a、カバー部材1225bを備えて構成されている。まず、機能表示基板1225aの構成について説明し、続けてカバー部材1225bの遊技盤4への取り付けについて説明する。
[3−1.機能表示基板の構成]
機能表示基板1225aは、図9に示すように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えて構成されている。本実施形態では、セグメント表示器SEG1には上特別図柄表示器1480が割り当てられ、セグメントSEG2には下特別図柄表示器1490が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、上述した、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
LED1には上特別図柄記憶ランプ1500a、LED2には上特別図柄記憶ランプ1500bがそれぞれ割り当てられ、LED3には下特別図柄記憶ランプ1510a、LED4には下特別図柄記憶ランプ1510bがそれぞれ割り当てられている。上始動入賞口1330に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには上特別図柄記憶ランプ1500aが点灯して上特別図柄記憶ランプ1500bが消灯し、保留球が2球のときには上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bがともに点灯し、保留球が3球のときには上特別図柄記憶ランプ1500aが点滅して上特別図柄記憶ランプ1500bが点灯し、保留球が4球のときには上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bがともに点滅する。
一方、下始動入賞口1340に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには下特別図柄記憶ランプ1510aが点灯して下特別図柄記憶ランプ1510bが消灯し、保留球が2球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bがともに点灯し、保留球が3球のときには下特別図柄記憶ランプ1510aが点滅して下特別図柄記憶ランプ1510bが点灯し、保留球が4球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bがともに点滅する。
LED5には普通図柄表示器1520が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、上述した、ゲート1290に遊技球が通過すると、所定の普通図柄を変動表示するようになっている。
LED6〜LED9には普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dがそれぞれ割り当てられている。ゲート1290に通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないときには、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ1530aが点灯して普通図柄記憶ランプ1530b〜1530dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ1530a,1530bが点灯して普通図柄記憶ランプ1530c,1530dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ1530a〜1530cが点灯して普通図柄記憶ランプ1530dが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dがすべて点灯する。
LED10には遊技状態表示ランプ1540が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知するようになっている。
LED11には2ラウンド表示ランプ1550、LED12には15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ1550は大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ1560はラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板1225aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560がそれぞれ割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560が機能表示基板1225aに集約された構成になっている。
また、上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490は、大当たり遊技状態を特別図柄としてそれぞれ変動表示するため、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dに割り当てられるLED6〜LED9の数と、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
[3−2.カバー部材の遊技盤への取り付け]
機能表示基板1225aは、カバー部材1225bに図示しないネジで固定され、カバー部材1225bが遊技盤4の飾り枠251の裏面から図示しないネジで取り付けられるようになっている。飾り枠251には、機能表示基板1225aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口251aが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、飾り枠251には、機能表示基板1225aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔251bがそれぞれ設けられており、カバー部材1225bを飾り枠251の裏面に取り付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔251bは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール1595Aに印刷されている。飾り枠251には、機能表示シール1595Aを貼り付ける機能表示シール貼付部251cが形成されている。
[4.機能表示シール]
次に、機能表示シール1595Aについて説明する。図10は機能表示シールの概略図である。機能表示シール1595Aは、図10に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である飾り枠251に形成された機能表示シール貼付部251cに貼り付けられている。
グループGrp1は、図10に示すように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成されており、これらの上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bを視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、上特別図柄表示器1480による表示や上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bによる点灯又は点滅を視認できるように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bと対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、上述した上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。
例えば、上述したように、上始動入賞口1330に遊技球が入球すると、上特別図柄表示器1480が所定の特別図柄を変動表示したり、入球した遊技球の球数を保留数として上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが点灯又は点滅したりする。このように、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bを1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bが上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp1を目視することによって上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
グループGrp2は、図10に示すように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成されており、これらの下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bを視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、下特別図柄表示器1490による表示や下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bによる点灯又は点滅を視認できるように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bと対応する位置が透明となっている。グループGrp2では、上述した下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、上述したように、下始動入賞口1340に遊技球が入球すると、下特別図柄表示器1490が所定の特別図柄を変動表示したり、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが点灯又は点滅したりする。このように、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bを1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bが下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp2を目視することによって下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
グループGrp3は、図10に示すように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dから構成されており、これらの普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dを視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器1520による点灯や普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dによる点灯を視認できるように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dと対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器1520は、上述したように、開閉翼1380の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、開閉翼1380が閉状態から開状態となると、遊技球が下始動入賞口1340に入球しやすくなる。このため、普通図柄表示器1520には、上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と見分けが付くように星印が印刷されている。グループGrp3では、上述したゲート1290に関する各種情報を表示する。例えば、上述したように、ゲート1290に遊技球が通過すると、普通図柄表示器1520が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが点灯したりする。このように、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dを1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dが普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置には、図10に示すように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が視認できる実線SL4〜SL6でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560による点灯を視認できるように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置が透明となっている。2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560には、ラウンドの最大回数を理解し易いように、2ラウンド表示ランプ1550と対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷されている。上述したように、遊技状態表示ランプ1540は点灯する色を遊技状態として表示することによって遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知し、2ラウンド表示ランプ1550は大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知し、15ラウンド表示ランプ1560はラウンドが15回である旨を点灯して報知する。これにより、遊技者は、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された遊技状態表示ランプ1540を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された2ラウンド表示ランプ1550を目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷された15ラウンド表示ランプ1560を目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Aに印刷されており、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置は遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が視認できる実線SL4〜SL6でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール1595Aは、図9に示した機能表示基板1225aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器1520等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール1595Aに集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図10に示すように、シール管理番号1595Aaとして機能表示シール1595Aに印刷されている。このシール管理番号1595Aaは、図10に示すように、遊技窓42から視認しにくい位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。
ここで、近年のパチンコ遊技機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ遊技機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動入賞口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ遊技機の仕様変更には、共通の機能表示基板1225aを使用することで対応することができるようになっている。このようなパチンコ遊技機の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ遊技機の製造元では、ラインの作業者が遊技盤に機能表示シールを貼り付ける前に、パチンコ遊技機の仕様と機能表示シールとが対応しているか否かを、シール管理番号を目視することによって確認することができ、パチンコ遊技機の仕様に対応しない機能表示シールが貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シールはシールであり、接着剤などを機能表示シールの裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[5.主基板及び周辺基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について説明する。図11は主基板及び周辺基板のブロック図であり、図12は主基板(主制御基板)に入出力される各種検出信号及び各種駆動信号の概略図である。パチンコ遊技機1の制御構成は、図11に示すように、主基板1600のグループ及び周辺制御基板1610のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。まず、主基板1600のグループについて説明し、続けて周辺制御基板1610のグループについて説明する。
[5−1.主基板のグループ]
主基板1600のグループは、図11に示すように、主制御基板1700、払出制御基板715を備えて構成されている。
[5−1−1.主制御基板]
主制御基板1700は、図11に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU1700a、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート1700b、上述したRAMクリアスイッチ268aを備えて構成されている。主制御MPU1700aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されている。
主制御MPU1700aは、上述した、上始動口スイッチ1360及び下始動口スイッチ1370からの検出信号が、主制御I/Oポート1700bを介して入力され、また上述した、ゲートスイッチ1300、左入賞口スイッチ1460、右入賞口スイッチ1470及びカウントスイッチ1430からの検出信号が、上述した遊技盤4に取り付けられたパネル中継基板1650、そして主制御I/Oポート1700bを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、その詳細な説明については後述するが、上述した、開閉翼ソレノイド1390、開閉板ソレノイド1420への駆動信号を、主制御I/Oポート1700b、そしてパネル中継基板1650を介して出力し、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560への駆動信号を、主制御I/Oポート1700b、パネル中継基板1650を介して上述した機能表示基板1225aに出力する(図12参照)。
また主制御MPU1700aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板657を介して払出制御基板715に送信したり、この払出制御基板715からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板657を介して受信したりする。更に主制御MPU1700aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート1700bを介して後述する周辺基板1610のサブ統合基板1740に送信したりする。なお、主制御MPU1700aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板715からパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形してサブ統合基板1740に送信する。
主制御基板1700には、その詳細な説明は後述するが、電源基板686から各種電圧が供給されている。この電源基板686は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1700に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU1700aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ268aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板657を介して払出制御基板715にも出力されるようになっている。
また、主制御基板1700には、その詳細な説明は後述するが、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板686から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート1700bを介して主制御MPU1700aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板715等にも伝達されている。
[5−1−2.払出制御基板]
払出制御基板715は、図11に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部1710、上述した発射モータ344の発射制御を行う発射制御部1720、上述した、エラーLED表示器1730、エラー解除スイッチ1731、球抜きスイッチ1732を備えて構成されている。
[5−1−2(a).払出制御部]
払出制御部1710は、図11に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU1710a、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート1710b、払出制御MPU1710aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドッグタイマ1710c(以下、「外部WDT1710c」と記載する。)、上述した払出モータ465に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路1710dを備えて構成されている。払出制御MPU1710aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されており、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU1710aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板1700からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを受信し、主制御基板1700からのRAMクリアスイッチ268aの操作信号(検出信号)が入力される他に、満タンスイッチ545からの検出信号が入力され、球切れスイッチ426、計数スイッチ462及び回転角スイッチ505からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板480を介して入力されている。
また、払出制御MPU1710aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払い出しに関する各種コマンドに基づいて払出モータ駆動回路1710dから払出モータ465に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ1732が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ465への駆動信号を出力したり、図示しないCRユニットからの貸球要求信号がCRユニット端子板700bを介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて払出モータ465への駆動信号を出力したりする。更に払出制御MPU1710aは、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器1730に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板1700に送信したり、満タンスイッチ545からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ駆動回路1710dからの駆動信号を停止して払出モータ465を停止したり、計数スイッチ462からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて実際に払い出した遊技球の球数を上述した外部端子板700aに出力したりする。この外部端子板700aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
[5−1−2(b).発射制御部]
発射制御部1720は、図11に示すように、各種スイッチからの検出信号等が入力される入力回路1720a、定時間ごとにクロック信号を出力する発振回路1720b、このクロック信号に基づいて発射モータ344に駆動信号を出力する発射制御回路1720c、発射モータ344に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路1720dを備えて構成されている。発射制御回路1720cは、発振回路1720bからのクロック信号に基づいて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域255に向けて発射されるよう発射モータ344の回転速度を制御している。つまり、打球槌(図示せず)の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置70(操作ハンドル部71)には、上述したように、タッチスイッチ80、発射停止スイッチ82が内蔵されており、操作ハンドル部71の回動操作部材に触れるとタッチスイッチ80に内蔵された接触検出基板80aにより検出され、発射停止ボタン(図示せず)を操作すると発射停止スイッチ82により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板700bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板700bを介して入力回路1720aに入力される。
払出制御基板715には、電源基板686から各種電圧が主制御基板1700と同様に供給されている(図13参照)。この電源基板686は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板715に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU1710aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[5−2.周辺基板のグループ]
周辺基板1610は、図11に示すように、上述した、サブ統合基板1740、液晶制御基板1750を備えて構成されている。
[5−2−1.サブ統合基板]
サブ統合基板1740は、図11に示すように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU1740a、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM1740b、高音質の演奏を行う音源IC1740c、この音源IC1740cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM1740dを備えて構成されている。
サブ統合MPU1740aは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板1700から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて扉枠装飾ランプ5aa,5b〜5hに点灯信号又は点滅信号を、ランプ駆動基板1760、そして上述した副ドロワ中継基板658を介して出力したり、演出ランプ1230,1570に点灯信号又は点滅信号を、ランプ駆動基板1760を介して出力したり、階調ランプ1240に階調点灯信号を、ランプ駆動基板1760を介して出力したり、上あご可動体の可動機構を備えた上あご可動装置1770及び下あご可動体の可動機構を備えた下あご可動装置1780に駆動信号を、ランプ駆動基板1760を介してそれぞれ出力したり、演出に関する演出コマンドを作成したりする。この演出コマンドは、音源IC1740c及び液晶制御基板1750に出力されている。
またサブ統合MPU1740aには、上あご可動体の原位置検出信号及び下あご可動体の原位置検出信号が上あご可動装置1770及び下あご可動装置1780からランプ駆動基板1760を介してそれぞれ入力されている。更にサブ統合MPU1740aには、液晶制御基板1750が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板1750から入力され、上述した演出選択スイッチ31からの演出選択信号(検出信号)が副ドロワ中継基板658、そしてランプ駆動基板1760を介して入力されている。
音源IC1740cは、サブ統合MPU1740aから出力された演出コマンドに基づいて音ROM1740dから音情報を読み込み、ランプ駆動基板1760、そして副ドロワ中継基板658を介して上述したスピーカ34から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[5−2−2.液晶制御基板]
液晶制御基板1750は、図11に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU1750a、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM1750b、上述した液晶表示器1315を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)1750c、液晶表示器1315に表示する各種画像を記憶する画像ROM1750dを備えて構成されている。
液晶制御MPU1750aは、サブ統合基板1740から上述した演出コマンドを受信すると、この演出コマンドに基づいてVDP1750cを制御する。このVDP1750cは、画像ROM1750dから画像を読み出して液晶表示器1315の表示制御を行う。この液晶表示器1315にはバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。このバックライトはインバータ基板1755によって点灯されている。なお、液晶制御MPU1750aは、上述したように、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板1740に出力する。
[6.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、上述した電源基板686について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図13はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。
[6−1.電源基板]
電源基板686は、上述した電源線コネクタ688が図示しない電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島(以下、「パチンコ島設備」と記載する。
)の電源コンセントに差し込まれている。上述した電源スイッチ687を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板686に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板686は、図13に示すように、+34V作成回路686a、+18V作成回路686b、+9V作成回路686cを備えて構成されている。+34V作成回路686aは、パチンコ島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を整流して直流+34V(DC+34V、以下、「+34V」と記載する。本実施形態では、最大電流として6アンペア(A)を流すことができる。)を作成する。+18V作成回路686bは、パチンコ島設備から供給されているAC24Vを整流して+34Vを作成し、作成した+34Vから直流+18V(DC+18V、以下、「+18V」と記載する。本実施形態では、最大電流として4Aを流すことができる。)を作成する。+9V作成回路686cは、+18V作成回路686bが作成した+18Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。本実施形態では、最大電流として0.4Aを流すことができる。
)を作成する。+34V作成回路686a、+18V作成回路686b、+9V作成回路686cがそれぞれ作成した電圧は、払出制御基板715に供給されている。
[6−2.各制御基板等に供給される電源]
次に、各制御基板等に供給される電源について説明する。電源基板686から供給される、+34V、+18V及び+9Vは、図13に示すように、払出制御基板715に供給され、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に供給される。そして主制御基板1700に供給された+34V、+18V及び+9Vは、サブ統合基板1740に供給され、液晶制御基板1750及びランプ駆動基板1760にそれぞれ供給される。なお、液晶制御基板1750には、+34V及び+18Vがサブ統合基板1740を介して供給されている。ここでは、まず、払出制御基板715に供給される電源について説明し、続いて主制御基板1700に供給される電源、サブ統合基板1740に供給される電源、液晶制御基板1750に供給される電源、ランプ駆動基板1760に供給される電源について説明する。
[6−2−1.払出制御基板に供給される電源]
払出制御基板715は、払出制御MPU1710a等の他に、払出制御シリーズレギュレータ715aも備えている。この払出制御シリーズレギュレータ715aは、電源基板686から供給された+9Vが入力されており、この+9Vから払出制御基板715の基準電圧である直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)を作成する。この+5Vは、図11に示した、払出制御部1710の払出制御MPU1710aの他に、払出制御I/Oポート1710b、外部WDT1710c、払出モータ駆動回路1710dや発射制御部1720の入力回路1720a、発射制御回路1720c、発射モータ駆動回路1720d等にも入力されている。
電源基板686から供給された+34Vは、払出モータ駆動回路1710dの他に、発射モータ駆動回路1720dに入力されており、図11に示した払出モータ465及び発射モータ344等の駆動電源として使用されている。なお、電源基板686から供給された+18Vは、扉枠開放スイッチ3aの他に、図11に示した、本体枠開放スイッチ3b、満タンスイッチ545、球切れスイッチ426、計数スイッチ462、回転角スイッチ505等に入力されている。
[6−2−2.主制御基板に供給される電源]
主制御基板1700は、主制御MPU1700a等の他に、主制御シリーズレギュレータ1700c、停電監視回路1700dも備えている。主制御シリーズレギュレータ1700cは、払出制御基板715から供給された+9Vが入力されており、この+9Vから主制御基板1700の基準電圧である+5Vを作成する。この+5Vは、主制御MPU1700aの他に、図11に示した、主制御I/Oポート1700b等にも入力されている。停電監視回路1700dは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板715から供給された+18V及び+9Vが入力されており、これら+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。また停電監視回路1700dは、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されており、この電波検出信号を監視している。この電波検出スイッチ1700eは、主制御シリーズレギュレータ1700cの近傍に配置されており、主制御シリーズレギュレータ1700cに高周波が照射されているか否かを検出するものである。
停電監視回路1700dは、停電又は瞬停の兆候を検知すると、又は、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1700aの他にサブ統合基板1740に出力する。また主制御基板1700には主ドロワ中継基板657を介して停電予告信号が入力され、液晶制御基板1750にはサブ統合基板1740を介して停電予告信号が入力される。
払出制御基板715から供給された+34Vは、開閉翼ソレノイド1390の他に、図11に示した開閉板ソレノイド1420等の駆動電源として使用されている。なお、払出制御基板715から供給された+18Vは、上始動口スイッチ1360の他に、図11に示した、ゲートスイッチ1300、左入賞口スイッチ1460等に入力されている。
なお、主制御基板1700は活線故障防止回路1700fを備えており、払出制御基板715から供給された+34V、+18及び+9Vは活線故障防止回路1700fに入力される。ここで「活線」とは、配線(ハーネス)に電流が流れている状態のこという。
活線故障防止回路1700fは、その詳細な説明は省略するが、電源スイッチ687を入れたままの状態で、つまり払出制御基板715から+34V、+18及び+9Vが供給されたままの状態で、図1に示した遊技盤4を本体枠3に取り付けるときに、主ドロワ中継基板657に設けたドロワコネクタと、遊技盤4の中継端子板269に設けたドロワコネクタとの溶着を防止する回路である。
[6−2−3.サブ統合基板に供給される電源]
サブ統合基板1740は、サブ統合MPU1740a、音源IC1740c等を備えている。サブ統合基板1740は、サブ統合MPU1740aの基準電圧である+5Vと、音源IC1740cの基準電圧である直流+3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)と、が液晶制御基板1750から供給されている。+5Vは、サブ統合MPU1740aの他に、例えば図示しないバスバッファ回路にも入力されている。
このバスバッファ回路は、サブ統合MPU1740aと図11に示したサブ統合ROM1740bとのバスライン用のインターフェイスとして使用されている。一方、+3.3Vは、音源IC1740cの他に、例えば図11に示した、サブ統合ROM1740b及び音ROM1740dにも入力されている。
主制御基板1700を介して供給された+18Vは、例えば図11に示したスピーカ34から出力する音楽及び効果音等を増幅するパワーアンプに入力されている。なお、主制御基板1700を介して供給された+9Vは、ランプ駆動基板1760にそのまま出力されており、サブ統合基板1740では使用されていない。また、主制御基板1700を介して供給された+34Vは、液晶制御基板1750及びランプ駆動基板1760にそのまま出力されており、サブ統合基板1740では使用されていない。
[6−2−4.液晶制御基板に供給される電源]
液晶制御基板1750は、液晶制御MPU1750a、VDP1750c等の他に、液晶制御電源回路1750eも備えている。この液晶制御電源回路1750eは、サブ統合基板1740を介して供給された+18Vが入力されており、この+18Vからサブ統合MPU1740a等の基準電圧である+5Vと、液晶制御基板1750等の基準電圧である+3.3Vと、VDP1750cの電源である直流+1.5V(DC+1.5V、以下、「+1.5V」と記載する。)及び直流2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)と、を作成する。この+3.3Vは、液晶制御MPU1750aの他に、VDP1750c、図11に示した、液晶制御ROM1750b及び画像ROM1750d、液晶表示器1315を駆動する液晶ドライブ回路等にも入力されている。このように、VDP1750cは、+1.5V、+2.5V及び+3.3Vが入力されている。
液晶制御電源回路1750eが作成した+5V及び+3.3Vは、サブ統合基板1740にも供給されており、これらの+5V及び+3.3Vは液晶制御基板1750及びサブ統合基板1740で共通に使用されている。
サブ統合基板1740を介して供給された+34Vは、インバータ基板1755にそのまま出力されており、液晶制御基板1750では使用されていない。
[6−2−5.インバータ基板に供給される電源]
インバータ基板1755は、図11に示した液晶表示器1315のバックライトである冷陰極管を点灯させる冷陰極蛍光ランプ点灯回路1755aを備えている。冷陰極蛍光ランプ点灯回路1755aは、サブ統合基板1740を介して供給された+34Vが入力されている。
[6−2−6.ランプ駆動基板に供給される電源]
ランプ駆動基板1760は、ランプ駆動シリーズレギュレータ1760a、階調制御IC1760b、上あご可動装置駆動回路1760cを備えている。ランプ駆動シリーズレギュレータ1760aは、サブ統合基板1740を介して供給された+9Vが入力されており、この+9Vからランプ駆動基板1760の基準電圧である+5Vを作成する。この+5Vは、図11に示した階調ランプ1240の階調点灯を行う階調制御IC1760b等に入力されている。サブ統合基板1740を介して供給された+34V、+18Vは、図11に示した上あご可動装置1770の駆動制御を行う上あご可動装置駆動回路1760c等に入力されている。例えば、+34Vは上あご可動体の図示しない駆動モータの駆動電源として使用され、+18Vは上あご可動体の原位置を検出する図示しないフォトセンサ等に入力されている。
[7.電源基板のノイズ対策回路及びアース回路]
次に、電源基板686のアース回路について説明する。パチンコ島設備から供給されたAC24Vは、上述したように、電源線コネクタ688を介して電源基板686に入力されている。この電源基板686には、電源供給ラインであるAC24Vのライン間に現れるノーマルモードノイズと、AC24Vとグランド(GND)との間に現れるコモンモードノイズと、の2種類のモードノイズに対する対策が設けられている。まず、電源基板686のノイズ対策回路について説明し、続いて電源基板686のアース回路について説明する。図14は電源基板のノイズ対策回路及びアース回路を示す回路図である。
[7−1.電源基板のノイズ対策]
パチンコ島設備から供給されるAC24Vは、図14に示すように、電源線コネクタ688を介して、電源スイッチ687(本実施形態では、松下電工製:AJ8221BF)の入力側端子1,3に入力されている。具体的には、電源スイッチ687の入力側端子3にはAC24VのAライン(以下、「AC24VA」と記載する。)が入力されており、電源スイッチ687の入力側端子1にはAC24VのBライン(以下、「AC24VB」と記載する。)が入力されている。電源スイッチ687の出力側端子2,4は、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMCを介して、チョークコイルL1(本実施形態では、ウエノ製:ADR2515−010TDK)に入力されている。
コモンモードノイズ対策回路CMCは、コンデンサC110,C111、バリスタZNR1,ZNR2を備えて構成されている。コンデンサC110,C111はその容量が同一のものであり、コモンモードノイズを除去するものである。一方バリスタZNR1,ZNR2は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、そのバリスタ電圧が同一のものである。バリスタZNR1,ZNR2は、コンデンサC110,C111で低減できなかったスパイクノイズを除去するものである。
ノーマルモードノイズ対策回路NMCは、コンデンサC112、バリスタZNR3を備えて構成されている。コンデンサC112は、AC24VA、AC24VBに発生したノーマルモードノイズを除去するものである。バリスタZNR3は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、コンデンサC112で除去できなかったスパイクノイズを除去するものである。
電源スイッチ687の出力側端子4から出力されたAC24VAは、FUSE1、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力され、電源スイッチ687の出力側端子2から出力されたAC24VBは、FUSE2、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されている。チョークコイルL1は、AC24VA、AC24VBのコモンモードノイズの対策部品であり、ノイズ障害を防止している。チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24VA、AC24VBは、上述した、+34V作成回路686a及び+18V作成回路686bに入力されている。なお、チョークコイルL1に入力されるAC24VA、AC24VBは、チョークコイルL1のほかにCRユニット電源線コネクタ689に入力されており、図示しないCRユニットにAC24VA、AC24VBが供給されている。
[7−2.電源基板のアース回路]
電源基板686のアース用コネクタ690a〜690dには、扉枠5(補強板)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG3としてアース用コネクタ690aと電気的に接続され、図3に示したタンクレール部材410を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ690bと電気的に接続され、図3に示した賞球ユニット450からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ690cと電気的に接続され、図示しないCRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFGとしてアース用コネクタ690dと電気的に接続されている。
これらのフレームグランドFG,FG1,FG3は、図14に示すように、フレームグランドFG3が抵抗R110を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続され、フレームグランドFG1が抵抗R111を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続され、フレームグランドFGが抵抗R112を介して電源線コネクタ688のフレームグランドFG2に電気的に接続されている。抵抗R110は、フレームグランドFG1,FGからのノイズ等がフレームグランドFG3に侵入するのを阻止するものであり、抵抗R111は、フレームグランドFG3,FGからのノイズ等がフレームグランドFG1に侵入するのを阻止するものであり、抵抗R112は、フレームグランドFG3,FG1からのノイズ等がフレームグランドFGに侵入するのを阻止するものである。
なお、パチンコ島設備から供給されたAC24VBは、電源線コネクタ688と電源スイッチ687の入力側端子1との間でアレスタDSP1(本実施形態では、三菱マテリアル製:DSP−301N−A21F)の一方と電気的に接続されている。アレスタDSP1の他方は電源線コネクタ688のフレームグランドFG2と電気的に接続されている。
アレスタDSP1は、例えば落雷によってパチンコ島設備から供給されるAC24VBに高電圧(「サージ電圧」という。)が侵入した際に、そのサージ電圧を、電源線コネクタ688のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ687にサージ電圧がかからないようにしたり、電源スイッチ687のON/OFFすることによって一時的に生じる高電圧(サージ電圧)を、電源線コネクタ688のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ687にサージ電圧がかからないようにしたりしている。これにより、図13に示した、払出制御基板715、主制御基板1700等の各種制御基板をサージ電圧から保護することができ、サージ電圧による故障を防止している。
なお、フレームグランドFG2が接地されなかった場合には、アレスタDSP1を介して、パチンコ島設備の電源であるAC24VB側に電源基板686の放電経路が形成されるようになっており、例えば扉枠5が帯電しにくくなっている。これにより、扉枠5に遊技者が触れても、扉枠5からの静電放電による不快感を遊技者に与えることがない。
[8.主制御基板の回路]
次に、図11に示した主制御基板1700の回路等について説明する。主制御基板1700は、図13に示したように、電源基板686から払出制御基板715を介して直流電源+34V、+18V、+9Vが供給されている。これらの直流電源+34V、+18V、+9Vは、まず上述した活線故障防止回路1700fに入力されている。例えば、+9Vは活線故障防止回路1700fを介して主制御シリーズレギュレータ1700cに入力されている。この主制御シリーズレギュレータ1700cは入力された+9Vから主制御基板1700等の基準電圧である+5Vを作成し、この+5Vが主制御MPU1700a等に入力されている。また、+9V及び+18Vは活線故障防止回路1700fを介して停電監視回路1700dに入力されている。この停電監視回路1700dは、入力された+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。
[8−1.主制御シリーズレギュレータ]
主制御基板1700は、図15に示すように、主制御MPU1700a、主制御I/Oポート1700b、主制御シリーズレギュレータ1700c(本実施形態では、ローム製:BA50BC0WT)の他に、周辺回路として、リセット信号を出力する主制御システムリセットIC1(本実施形態では、ルネサス製:M51953)、クロック信号を出力する主制御水晶発振器X1(本実施形態では、京セラ製:EXO−3、24メガヘルツ(MHz))を備えて構成されている。
主制御シリーズレギュレータ1700cは、図15に示すように、活線故障防止回路1700fの+9V用活線故障防止回路を介して電源入力端子であるVCC端子に+9Vが入力されている。この+9Vは、グランド(GND)と接地された電解コンデンサC1により、リップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化される。さらに、グランドと接地されたコンデンサC2により、電源基板686と主制御基板1700との基板間に発生したノイズが除去される。また、この平滑化された+9Vは、VCC端子の他に、主制御シリーズレギュレータ1700cのコントロール端子であるCTL端子にも入力されている。主制御シリーズレギュレータ1700cは、そのCTL端子に+9Vが入力されることにより、VCC端子に入力された+9Vから+5Vを作成して出力端子であるOUT端子から出力する。OUT端子とVCC端子との端子間にはダイオードD1(本実施形態では、1SS133)が設けられており、ダイオードD1のアノード端子とOUT端子とが電気的に接続され、ダイオードD1のカソード端子とVCC端子とが電気的に接続されている。VCC端子とOUT端子との端子間が逆バイアスになったときにはダイオードD1を介してVCC端子側に入力されるようになっており、逆バイアスによる主制御シリーズレギュレータ1700cの破壊を防止している。
OUT端子から出力される+5Vは、グランドと接地された電解コンデンサC3によりリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットIC1、主制御水晶発振器X1、主制御MPU1700a、主制御I/Oポート1700b等、にそれぞれ入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−2.主制御基板の周辺回路]
[8−2−1.主制御システムリセットIC]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図15に示すように、主制御システムリセットIC1の電源端子に入力されている。主制御システムリセットIC1は、主制御MPU1700a及び主制御I/Oポート1700bにリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットIC1の遅延容量端子には、グランドと接地されたコンデンサC4が電気的に接続されており、このコンデンサC4の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットIC1の出力端子は、主制御MPU1700aのリセット端子であるSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。出力端子はオープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗R1により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC5によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC5は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗R1により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子に入力され、一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなって主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子に入力される。主制御MPU1700aのSRST端子及び主制御I/Oポート1700bのRESETN端子は負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態になると、主制御MPU1700a及び主制御I/Oポート1700bにリセットがかかる。なお、電源端子はグランドと接地されたコンデンサC6と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラントと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−2−2.主制御水晶発振器]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図15に示すように、主制御水晶発振器X1の電源端子であるVDD端子に入力されている。このVDD端子は、グランドと接地されたコンデンサC7と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子の他に、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にも入力されている。主制御水晶発振器X1は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vが入力されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器X1のF端子は、主制御MPU1700aのクロック端子であるCLK端子及び主制御I/Oポート1700bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、F端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−3.主制御基板で作成された電源]
主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図15に示すように、主制御MPU1700aの電源端子であるVDD端子及び主制御I/Oポート1700bの電源端子であるVCC端子に入力されている。主制御MPU1700aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサC8と電気的に接続され、主制御I/Oポート1700bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサC9と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1700aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、主制御I/Oポート1700bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。また、主制御シリーズレギュレータ1700cのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、停電監視回路1700d等にも入力されている。
[8−4.主制御基板の各種入出力信号]
図11に示したRAMクリアスイッチ268a(本実施形態では、オムロン製:B3F−1052)の操作は、検出信号として主制御I/Oポート1700bに入力されている。
[8−4−1.RAMクリアスイッチからの検出信号]
RAMクリアスイッチ268aの出力ピンとしての3番ピンは、図15に示すように、主制御I/Oポート1700bの入力ポートPEの5番ピンである入力ピンPE5と電気的に接続されている。入力ピンPE5は負論理入力とするため、RAMクリアスイッチ268aの3番ピンと主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5との端子間の電圧はプルアップ抵抗R2により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC10によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC10は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。RAMクリアスイッチ268aが操作されないときにはプルアップ抵抗R2により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5に入力され、一方、RAMクリアスイッチ268aが操作されたときには論理がLOWとなって主制御I/Oポート1700bの入力ピンPE5に入力される。なお、RAMクリアスイッチ268aの1番ピン及び2番ピンはグランドと接地されており、4番ピンは3番ピンと電気的に接続されている。
[8−4−2.その他の各種入出力信号]
主制御MPU1700aのシリアルデータ入力端子であるRX端子は、図11に示した払出制御基板715からのシリアルデータが払主シリアルデータ受信信号として入力されている。一方、主制御MPU1700aのシリアルデータ出力端子であるTX端子から払出制御基板715に送信するシリアルデータが主払シリアルデータ送信信号として出力される。
主制御I/Oポート1700bの入力ポートPE及び入力ポートPDの各入力ピンは、例えば、上述した入力ピンPE5にはRAMクリアスイッチ268aからの検出信号が入力され、入力ピンPE6には図13に示した停電予告信号が入力され、入力ピンPE7には上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板715からの払主ACK信号が入力され、入力ピンPD0には上始動口スイッチ1360からの検出信号が入力される。
一方、主制御MPU1700aは、データバスを介して主制御I/Oポート1700bの出力ポートPA〜PCの出力ピンから、例えば、出力ピンPB5から図13に示した停電監視回路1700dに停電予告信号をクリアする停電クリア信号が出力され、出力ピンPB6から上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号が出力され、出力ピンPC0〜PC5から図11に示したサブ統合基板1740に各種コマンドが出力され、出力ピンPB1から開閉翼ソレノイド1390への駆動信号が出力される。
なお、主制御I/Oポート1700bのデータ入出力端子D0〜D7と、主制御MPU1700aのデータ入出力端子D0〜D7と、はデータバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。主制御MPU1700aは、入力ポートPE及びPDから各種信号を、データバスを介して読み込み、このデータバスを介して出力ポートPA〜PCから各種信号を出力する。
[8−5.停電監視回路]
次に、図13に示した停電監視回路1700dについて説明する。主制御基板1700には、図13に示したように、払出制御基板715を介して+34V、+18V及び+9Vが供給されており、+18V及び+9Vが停電監視回路1700dに入力されている。
停電監視回路1700dは、+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1700aの他に、払出制御基板715及びサブ統合基板1740に出力する。また停電監視回路1700dは、図13に示した電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号が入力されており、この電波検出信号が入力されると、停電予告信号として主制御MPU1700aの他に、払出制御基板715及びサブ統合基板1740に出力する。まず、停電監視回路の構成について説明し、続いて、+18Vの停電又は瞬停の監視、+9Vの停電又は瞬停の監視、電波検出スイッチからの電波検出信号の監視について説明する。図16は停電監視回路を示す回路図である。
[8−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1700dは、図16に示すように、安定化電源回路IC20(本実施形態では、日本電気製:μPC1093)、コンパレータIC21(本実施形態では、新日本無線製:NJM2903、オープンコレクタ出力タイプ)、インバータIC22(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC05、オープンコレクタ出力タイプ)、DタイプフリップフロップIC23(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC74)、トランジスタTR20(本実施形態では、2SC1815)を備えて構成されている。
安定化電源回路IC20の基準電圧入力端子であるREF端子及びカソード端子であるK端子は、+5Vと抵抗R20を介して電気的に接続されており、この抵抗R20によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子はコンパレータIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力している。このリファレンス電圧Vrefは、グランドと接地されたコンデンサC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサC20は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、安定化電源回路IC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(IC21A)は+18Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+18Vの監視電圧V1が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。一方、残りの1つ(IC21B)は+9Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いられており、+端子に+9Vの監視電圧V2が入力され、−端子にリファレンス電圧Vrefが入力されている。これらの比較結果はDタイプフリップフロップIC23に入力されている。このDタイプフリップフロップIC23は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(IC23A)を本実施形態で用いている。なお、コンパレータIC21の電源端子に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC21によりリップルが除去されて平滑化されている。
また、DタイプフリップフロップIC23に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC22によりリップルが除去されて平滑化されている。
[8−5−2.+18Vの停電又は瞬停の監視]
+18Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータIC21のIC21Aが+18Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+18Vは、図16に示すように、抵抗R21,R22による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサC23によりリップルが除去されてIC21Aの+端子に入力されている(コンデンサC23は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗R21,R22の値は、+18Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+18Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、12.53Vに設定されている。)となったときに、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。+18Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される(コンデンサC24は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。このPR端子が負論理入力であるため、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、+18Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなる。
このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+18Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
[8−5−3.+9Vの停電又は瞬停の監視]
+9Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータIC21のIC21Bが+9Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+9Vは、図16に示すように、抵抗R24,R25による抵抗比によって電圧が分配され、グランドと接地されたコンデンサC25によりリップルが除去されてIC21Bの+端子に入力されている(コンデンサC25は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。抵抗R24,R25の値は、+9Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+9Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、7.64Vに設定されている。)となったときに、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。+9Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、その結果として論理がLOWとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、+9Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、その結果として論理がHIとなる。このため、コンパレータIC21はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、+9Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さいときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
なお、DタイプフリップフロップIC23のクリア端子であるCLR端子には、主制御MPU1700aから、主制御I/Oポート1700bを介して、停電クリア信号が入力されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1700aからの停電クリア信号は、主制御I/Oポート1700bを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップIC23は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1700aからの停電クリア信号の出力が停止されると、主制御I/Oポート1700bを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップIC23は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。なお、D入力端子である1D端子、クロック入力端子である1CK端子、接地端子であるGND端子は、グランドと接地されている。また、1Q端子の論理を反転した負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[8−5−4.電波検出スイッチからの電波検出信号の監視]
次に、電波検出スイッチ1700eからの電波検出信号の監視について説明する。電波検出スイッチ1700eは+18Vと抵抗R26を介して電気的に接続されており、この電圧が電波検出スイッチ1700eと抵抗R27を介してトランジスタTR20のベースに入力され、抵抗R27とトランジスタTR20ベースとの間にグランドと接地された抵抗28が電気的に接続されている。また、トランジスタTR20のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR20のコレクタはプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられてインバータIC22の入力端子と電気的に接続されている。このインバータIC22は、6つのインバータ回路を備えており、その1つ(IC22A)を本実施形態で用いている。なお、インバータIC22の電源端子に入力される+5Vは、グランドと接地されたコンデンサC26によりリップルが除去されて平滑化されている。
抵抗R27,R28の値は、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力しないとき、つまり高周波が照射されていないときに、トランジスタTR20がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR20がONする状態では、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるため、プルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力しないとき、つまり高周波が照射されていないときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力されない。
一方、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力するとき、つまり高周波が照射されているときには、トランジスタTR20がOFFする状態となる。トランジスタTR20がOFFする状態では、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられて論理がHIとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるため、論理がLOWとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eが電波検出信号を出力するとき、つまり高周波が照射されているときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。
なお、主制御基板1700から電波検出スイッチ1700eを取り除いた場合には、トランジスタTR20がOFFする状態となるため、トランジスタTR20のコレクタからトランジスタTR20のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R29により+5Vに引き上げられて論理がHIとなってインバータIC22(IC22A)の入力端子に入力される。これにより、上述したように、インバータIC22はオープンコレクタ出力タイプであるためプルアップ抵抗R23により+5Vに引き上げられ、論理がHIとなり、グランドと接地されたコンデンサC24によりリップルが除去されてDタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力される。このPR端子が負論理入力であるため、電波検出スイッチ1700eを主制御基板1700から取り除いたときには、DタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から主制御I/Oポート1700bに停電予告信号が出力される。このように、電波検出スイッチ1700eを主制御基板1700から取り除いたときには停電予告信号が常に出力される。
[8−6.参考実施形態の主制御MPU]
次に、本発明に対して参考実施形態となる主制御MPU1700aについて説明する。
主制御MPU1700aは、図17に示したように、CPUコア1700aa、ROM1700ab、RAM1700ac、CPU初期化手段1700ad、乱数ブロック1700af等を内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。
CPU初期化手段1700adは、リセット信号をCPUコア1700aaに与え、CPUコア1700aaを初期化する。初期化要因には外部要因と内部要因とがあり、外部要因は主制御システムリセットIC1からの信号により内蔵のパワーオンリセット回路(図示せず)が発生するリセット信号によるものであり、内部要因は、指定領域外でユーザプログラムが実行されることに応じ、内蔵の指定エリア外走行禁止回路1700adaが発生するリセット信号によるものである。なお、本実施形態では、パワーオンリセット回路と指定エリア外走行禁止回路1700adaとを1つのCPU初期化手段1700ad内に収めているが、別々に独立した回路として構成してもよい。
[指定エリア外走行禁止回路]
指定エリア外走行禁止回路1700adaは、所定の指定エリア内で遊技機メーカが作成したユーザプログラムが正しく実行されているかどうか監視し、指定エリア以外でユーザプログラムが実行されるとリセットが発生するものである。指定エリア(ユーザプログラム実行可能なアドレス範囲)の設定において、その範囲の先頭アドレスをプログラムコードスタートアドレス(PCS)として0000番地、終了アドレスをプログラムコードエンドアドレス(PCE)として1FFF(16進)番地とした場合、2000(16進)〜FFFF(16進)番地の範囲にプログラムを格納して実行しようとしても実行することはできない。すなわち、指定エリア外走行禁止回路1700adaは指定エリア外での命令実行を禁止する機能であり、あらかじめ指定したアドレス範囲(指定エリア)外で命令が実行されると、リセット信号を発生する機能である。このリセット信号によりリセットが発生する。この指定エリアの情報は、ユーザプログラムと共にROM1700ab(ユーザ用ROM)に書き込む。
[ROMのエリア]
図60は、ROM1700abのエリアを示す図である。図60に示すように、ROM1700abは、0000番地(16進)〜1FFF(16進)までの8kバイトである。ROM1700abは、ユーザが作成したプログラム(ユーザプログラム)を格納する。ROM1700abには予め定めた指定エリアがあり、プログラムコード/データエリア0000番地(16進)〜1FBF(16進)の8128バイトと、プログラム管理エリア1FC0番地(16進)〜1FFF番地(16進)の64バイトの2つのエリアが割り付けられている。プログラムコード/データエリアは、ユーザプログラムを格納するエリアである。プログラムコードは1つのブロックが望ましいが、プログラムコードが分散する場合、2つのブロックまで可能とされている。プログラム管理エリアは、CPUがユーザプログラムを実行するのに必要な情報を格納するエリアであり、ユーザ側で値の設定を行う。指定エリア外走行禁止回路1700adaが監視する指定エリアの設定もこのエリアで行う。
プログラム管理エリアにて設定する指定エリア(ユーザプログラム実行可能なアドレス範囲)は、1番目のユーザプログラムのプログラムコードエリア1の最終アドレスを設定する「プログラムコード1エンドアドレス(KPCE)」(例として1FD3(16進)〜1FD4(16進)にマッピング)、2番目のユーザプログラムのプログラムコードエリア2の先頭アドレスを設定する「プログラムコード2スタートアドレス(KPCS2)」(例として1FD5(16進)〜1FD6(16進)にマッピング)、2番目のユーザプログラムのプログラムコードエリア2の最終アドレスを設定する「プログラムコード2エンドアドレス(KPCE2)」(例として1FD7(16進)〜1FD8(16進)にマッピング)、がある。図56は、プログラムコードが2つのブロックに分散している例を示している。0000hからKPCEで示されるアドレス****hと、KPCS2からKPCE2で示されるアドレス□□□□h〜△△△△hの範囲が指定エリアになる。なお、プログラム管理エリアに設定された指定エリアのデータは、電源投入時に指定エリア外走行禁止回路1700adaに認識される。
図17に戻り、乱数ブロック1700afは、乱数発生ブロック1700afbと、ラッチ手段1700afaとからなり、0から65535までの値を重複することなく一巡発生する乱数発生回路を構成する。さらに、乱数発生ブロック1700afbは、乱数仕様選択機能1700afbaと、乱数発生手段1700afbbと、乱数異常検出手段1700afbcと、乱数異常ステータス1700afbdとからなる。
乱数仕様選択機能1700afbaは、乱数起動機能とスタート値設定機能とからなり、ROM1700abに記憶されたユーザープログラムにより条件が設定される。乱数起動機能には、乱数発生回路を使用するか未使用とするかを設定する。スタート値設定機能は、乱数発生回路を使用する場合、更新される最初の値を複数の方法の中から選択することができ、選択した方法に応じた値を設定する。本実施形態のスタート設定機能では、ワンチップマイクロコンピュータ毎に付された固有のIDナンバーをもとにした値と、システムリセット毎に変動するレジスタの値とが選択できるようになっている。乱数発生手段1700afbbは、乱数仕様選択機能1700afbaで設定された値をもとに、演算して乱数値を更新する。
乱数異常検出手段1700afbcは、乱数発生手段1700afbbによる乱数値の更新状況に異常がないかを検出する。ここで、乱数発生手段1700afbbは、乱数値を更新するクロックとして、第1発振器X1、または第2発振器X2のいずれかを選択することが可能である。第1発振器X1は、主制御MPU1700aの動作を司るシステムクロックとして用いられるとともに、乱数発生手段1700afbbの、乱数値の更新にも使用される。一方、第2発振器X2は、乱数発生手段1700afbbの乱数値の更新にのみに使用される。乱数異常検出手段1700afbcは、乱数発生手段1700afbbに入力される発振器の動作状態を監視して、乱数発生手段1700afbbが正常に乱数値を更新しているか否かを判断する。
乱数異常ステータス1700afbdは、乱数異常検出手段1700afbcが乱数異常と判断したときに、乱数異常フラグがセットされる。なお、乱数異常ステータス1700afbdにセットされた乱数異常フラグは、ユーザープログラムによる読み出し行為によりリセットされる。ラッチ手段1700afaは、ユーザープログラムにより乱数値を読み出すときに、乱数発生手段1700afbbから乱数値を取り出して保持する。
[9.払出制御基板の回路]
次に、図11に示した払出制御基板715の回路等について説明する。払出制御基板715は、図13に示したように、電源基板686から直流電源+34V、+18V、+9Vが供給されている。この+9Vが払出制御シリーズレギュレータ715aに入力されている。この払出制御シリーズレギュレータ715aは入力された+9Vから払出制御基板715等の基準電圧である+5Vを作成し、この+5Vが払出制御MPU1710a等に入力されている。また払出制御基板715は、図13に示したように、払出制御部1710及び発射制御部1720等を備えて構成されている。ここでは、まず払出制御シリーズレギュレータについて説明し、続けて払出制御部の回路、払出制御基板で作成された電源、払出制御基板における各種入出力信号、発射制御部の回路について説明する。
図18は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図19はドライブICの等価回路を示す回路図であり、図20はエラー解除スイッチ等の入力回路を示す回路図であり、図21は主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図であり、図22は発射制御部の入力回路を示す回路図であり、図23は払出制御基板の実装図であり、図24は発射制御部の発信回路等を示す回路図である。
[9−1.払出制御シリーズレギュレータIC]
払出制御シリーズレギュレータIC715a(本実施形態では、ローム製:BA50BC0WT)は、図18に示すように、電源入力端子であるVCC端子に+9Vが入力されている。この+9Vは、電源基板686により供給されており、払出制御基板715に入力されると、まずグランド(GND)と接地された電解コンデンサC50により、リップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化される。さらに、グランドと接地されたコンデンサC51により、電源基板686と払出制御基板715との基板間に発生したノイズが除去される。また、この平滑化された+9Vは、VCC端子の他に、払出制御シリーズレギュレータIC715aのコントロール端子であるCTL端子にも入力されている。払出制御シリーズレギュレータIC715aは、そのCTL端子に+9Vが入力されることにより、VCC端子に入力された+9Vから+5Vを作成して出力端子であるOUT端子から出力する。OUT端子とVCC端子との端子間にはダイオードD50(本実施形態では、1SS133)が設けられており、ダイオードD1のアノード端子とOUT端子とが電気的に接続され、ダイオードD1のカソード端子とVCC端子とが電気的に接続されている。VCC端子とOUT端子との端子間が逆バイアスになったときにはダイオードD1を介してVCC端子側に入力されるようになっており、逆バイアスによる払出制御シリーズレギュレータIC715aの破壊を防止している。
OUT端子から出力される+5Vは、グランドと接地された電解コンデンサC52によりリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、払出制御部1710、発射制御部1720等にそれぞれ入力されている。なお、接地端子であるGND端子はグランドと接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−2.払出制御部の回路]
払出制御部1710は、図18に示すように、払出制御MPU1710a、払出制御I/Oポート1710b、外部WDT1710c(本実施形態では、ミツミ製:MM1075XD)、払出モータ駆動回路1710dの他に、周辺回路として、払出制御水晶発振器X50(本実施形態では、エプソントヨコム製:SG−531P、8メガヘルツ(MHz))を備えて構成されている。
[9−2−1.外部WDT(外部ウォッチドッグタイマ)]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図18に示すように、外部WDT1710cのVcc端子に入力されている。
外部WDT1710cは、払出制御MPU1710aにリセットをかけるものである。外部WDT1710cは、Vcc端子に入力された+5Vの電圧を監視する機能と、払出制御MPU1710aが正常に動作しているか否かを監視する機能と、を有しており、Vcc端子に入力された+5Vの電圧がしきい値(本実施形態では、4.2Vに設定されている。)に達すると、負論理RESET端子からリセット信号を出力したり、外部WDT1710cのCK端子に払出制御MPU1710aから払出制御I/Oポート1710bを介して外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内に入力されないと、負論理RESET端子からリセット信号を出力したりする。
外部WDT1710cのTC端子はグランドと接地されたコンデンサC53が電気的に接続されており、外部WDT1710cのRCT端子は+5Vに引き上げられたプルアップ抵抗R50が電気的に接続されている。上述したクリア信号解除時間は、コンデンサC53の容量と、プルアップ抵抗R50の抵抗値と、によって設定することができる。なお、本実施形態では、クリア信号解除時間として払出制御MPU1710aの割り込みタイマ(1.75ms)の20回分に相当する時間35ms(=1.75ms×20回)が設定されている。
外部WDT1710cの負論理RESET端子は、払出制御MPU1710aのリセット端子であるRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのリセット端子であるRESETN端子と電気的に接続されている。負論理RESET端子はオープンコレクタ出力タイプであり、プルアップ抵抗R51により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC54によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC54は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。負論理RESET端子は、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗R50により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力され、一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力される。
また負論理RESET端子は、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONからOFFに切り替わって外部WDTクリア信号が解除されたときにはプルアップ抵抗R51により+5Vに引き上げられて論理がHIとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力され、一方、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには論理がLOWとなって払出制御MPU1710aのRST0端子及び払出制御I/Oポート1710bのRESETN端子に入力される。
払出制御MPU1710aのRST0端子は負論理入力であるため、Vcc端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となったり、CK端子に入力される外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間内にONされたまま外部WDTクリア信号が解除されなかったときには、払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bにリセットがかかる。なお、外部WDT1710cのVs端子には、グランドと接地されたコンデンサC55が電気的に接続されており、Vcc端子にはグランドと接地されたコンデンサC56が電気的に接続されている。このコンデンサC56によってVcc端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、外部WDT1710cの接地端子であるGND端子はグラントと接地されており、外部WDT1710cの正論理RESET端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図18に示すように、払出制御水晶発振器X50の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、グランドと接地されたコンデンサC57と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子の他に、払出制御水晶発振器X50の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも入力されている。払出制御水晶発振器X50は、そのOE端子に+5Vが入力されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器X50のOUT端子は、払出制御MPU1710aのクロック端子であるMCLK端子及び払出制御I/Oポート1710bのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bに入力されている。
[9−2−3.払出モータ駆動回路]
払出モータ駆動回路1710dは、図18に示すように、ドライブIC50(本実施形態では、東京芝浦電気製:MP4303)を備えて構成されている。このドライブIC50は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、エミッタ端子をグランドと接地させ、ベース端子に払出モータ駆動信号が入力されると、対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが出力されるようになっている。
電源基板686から供給された+34Vは、図18に示すように、ツェナーダイオードZD51(本実施形態では、HZ36BPTK−E)を介してドライブIC50のカソード端子に入力されている。ツェナーダイオードZD51のアノード端子は+34Vと電気的に接続されており、ツェナーダイオードZD51のカソード端子がドライブIC50のカソード端子と電気的に接続されている。ドライブIC50のカソード端子に入力された+34Vは、払出モータ465の駆動電源となる。ドライブIC50のベース端子は、払出制御I/Oポート1710bの出力ポートPBの出力ピンPB0〜PB3と電気的に接続されており、出力ピンPB0〜PB3から出力された払出モータ駆動信号に応じて対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが抵抗R52〜R55、賞球ユニット用端子717、そして賞球ユニット内中継端子板480を介して払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力される。これらの駆動パルスは、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ465を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブIC50の耐圧を超えると、ドライブIC50が破損するため、保護としてドライブIC50のカソード端子とツェナーダイオードZD51のカソード端子とを電気的に接続している。
[9−2−3(a).ドライブICの吸収する熱]
ドライブIC50は、上述したように、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、エミッタ端子をグランドと接地させ、ベース端子に払出モータ駆動信号が入力されると、対応するコレクタ端子から励磁信号である駆動パルスが出力されるようになっている。ドライブIC50は、図19に示すように、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4と、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4と、を同一のパッケージに内蔵している。
ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4は、ダーリントン接続された2つのトランジスタ、抵抗及びダイオードが電気的に回路接続されてチップ化されている。ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4のコレクタ端子は、+34Vに接続されたフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4に電気的に回路接続されている。フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4は、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に駆動パルス(励磁信号)が遮断されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4を保護しており、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となってチップ化され、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となってチップ化されている。このように、ドライブIC50のパッケージは、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に駆動パルス(励磁信号)を出力するダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4による発熱と、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換するフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4による発熱と、を吸収し、この吸収した熱を外気(ドライブIC50の周囲)に逃がしている。
ところが、上述したように、払出制御基板715を収納する払出制御基板ボックス655、パチンコ遊技機1の最大の熱源である電源基板686を収納する電源基板ボックス653等は、枠用基板ホルダー651の後面側に前後方向に重複して取り付けられている。
このため、払出制御基板715は電源基板686から発せられる熱を少なからず吸収していることとなる。また、払出制御基板ボックス655のカバー体等はパチンコ島設備内に露出した状態となっており、パチンコ島設備は他のパチンコ遊技機と背向で列設されているためパチンコ遊技機の電源基板や各種制御基板等から発せられる熱によってパチンコ島設備内の温度が高くなっている。
このように、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4及びフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4による発熱を、ドライブIC50のパッケージが吸収しても、ドライブIC50の周囲、つまり外気の温度が高くなっている状態では、その吸収した熱を外気に逃がす効率が低下するため、ドライブIC50のパッケージに熱が蓄えられることとなる。そうすると、ドライブIC50のパッケージの温度が高くなって、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4の接合温度がジャンクション温度まで高くなると、ダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4が故障することとなる。
[9−2−3(b).払出モータ駆動信号の出力する順番]
そこで、本実施形態では、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、B相、/A相そして/B相となるように、ドライブIC50のベース端子に払出モータ駆動信号が入力されるようになっている。これにより、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4が払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換する順番も、FBD1、FBD3、FBD2そしてFBD4となる。そうすると、上述した、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップと、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップと、が交互に発熱することとなる。このように交互に発熱する場合と、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、/A相、B相そして/B相、つまり、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1〜FBD4が払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)からの逆起電力を熱に変換する順番としてFBD1、FBD2、FBD3そしてFBD4とする場合と、を比べると、交互に発熱する場合の方がフライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップの発熱又はフライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップの発熱を小さく抑えることができ、ドライブIC50のパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱によるダーリントンパワートランジスタPTr1〜PTr4の故障を防止することができる。
なお、本実施形態では、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、B相、/A相そして/B相となるようにプログラムしているが、例えば、図19に示した、ドライブIC50のコレクタ端子である4番ピン及び9番ピンを、賞球ユニット端子717側で互いに入れ代えるように予め配線しておくことによって、払出モータ465の各相(/B相、B相、A相、/A相)に出力する駆動パルス(励磁信号)の順番として、A相、/A相、B相そして/B相となるようにプログラムしても、賞球ユニット端子717側でその順番がB相、/A相、A相そして/B相となり、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD3及びFBD4が一対となったチップと、フライバック電圧吸収用ダイオードFBD1及びFBD2が一対となったチップと、が交互に発熱することができる。
[9−3.払出制御基板で作成された電源]
払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、図18に示すように、払出制御MPU1710aの電源端子であるVDD及び払出制御I/Oポート1710bの電源端子であるVCCに入力されている。払出制御MPU1710aのVDD端子はグランドと接地されたコンデンサC58と電気的に接続され、払出制御I/Oポート1710bのVCC端子はグランドと接地されたコンデンサC59と電気的に接続されており、VDD端子及びVCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU1710aの接地端子であるVSS端子はグランドと接地され、払出制御I/Oポート1710bの接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。また、払出制御シリーズレギュレータIC715aのOUT端子から出力されて平滑化された+5Vは、発射制御部1720等にも入力されている。
[9−4.払出制御基板における各種入出力信号]
[9−4−1.払出制御I/Oポートの各種入出力信号]
エラー解除スイッチ1731(本実施形態では、アルプス電気製:SKHHDGA010)の操作、球抜きスイッチ1732(本実施形態では、アルプス電気製:SKHHDAA010)の操作は、検出信号として払出制御I/Oポート1710bに入力されている。
ここで、図11に示したエラーLED表示器1730に、球切れ、球がみ、賞球ストック(未払出分あり)、接続異常等の動作エラー状態が表示されると、エラー解除スイッチ1731を操作して図11に示したスピーカ34から動作エラー状態に応じたエラー解除法を伝える音声案内が流れ、その指示に従って動作エラー状態を解除する。パチンコ遊技機1をホールに設置して移設するときや、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に溜まったゴミ(例えば、遊技球のメッキがはがれた粉等)を取り除くときには、上述したように、球抜きスイッチ1732を操作して賞球タンク400、タンクレール部材410等に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の外部に排出する。
[9−4−1(a).エラー解除スイッチからの検出信号]
エラー解除スイッチ1731の出力ピンとしての1番ピンは、図18に示すように、払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPDの5番ピンである入力ピンPD5と電気的に接続されている。入力ピンPD5は負論理入力とするため、エラー解除スイッチ1731の1番ピンと払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5との端子間の電圧はプルアップ抵抗R56により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC60によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC60は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。エラー解除スイッチ1731が操作されないときにはプルアップ抵抗R56により+5Vに引き上げられて論理がHIとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5に入力され、一方、エラー解除スイッチ1731が操作されたときには論理がLOWとなったエラー解除検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD5に入力される。
[9−4−1(b).球抜きスイッチからの検出信号]
球抜きスイッチ1732の出力ピンとしての1番ピンは、図18に示すように、払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPDの2番ピンである入力ピンPD2と電気的に接続されている。入力ピンPD2は負論理入力とするため、球抜きスイッチ1732の1番ピンと払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2との端子間の電圧はプルアップ抵抗R57により+5Vに引き上げられている。この+5Vに引き上げられた電圧は、グランドと接地されたコンデンサC61によりリップルが除去されて平滑化されている(コンデンサC61は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。球抜きスイッチ1732が操作されないときにはプルアップ抵抗R57により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2に入力され、一方、球抜きスイッチ1732が操作されたときには論理がLOWとなった球抜き検出信号が払出制御I/Oポート1710bの入力ピンPD2に入力される。
[9−4−1(c).その他の各種入出力信号]
払出制御I/Oポート1710bのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図11に示した主制御基板1700からのシリアルデータが主払シリアルデータ受信信号として入力されている。一方、払出制御I/Oポート1710bのシリアルデータ出力端子であるTXD端子から主制御基板1700に送信するシリアルデータが払主シリアルデータ送信信号として出力される。
払出制御I/Oポート1710bの入力ポートPD及び入力ポートPEの各入力ピンは、例えば、上述した、入力ピンPD5にはエラー解除スイッチ1731からのエラー解除検出信号が入力され、入力ピンPD2には球抜きスイッチ1732からの球抜き検出信号が入力され、入力ピンPD7には上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1700からの主払ACK信号が入力され、入力ピンPD1には満タンスイッチ545からの検出信号が入力される。
一方、払出制御I/Oポート1710bの出力ポートPA〜PCの出力ピンから、例えば、出力ピンPB0〜PB5から払出モータ駆動信号が出力され、出力ピンPC3から上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号が出力され、出力ピンPC5から外部WDT1710cへ外部WDTクリア信号が出力される。
なお、払出制御I/Oポート1710bのデータ入出力端子D0〜D7と、払出制御MPU1710aのデータ入出力端子D0〜D7と、はデータバスを介して各種情報や各種信号のやり取りを行う。払出制御MPU1710aは、入力ポートPD及びPEから各種信号を、データバスを介して読み込み、このデータバスを介して出力ポートPA〜PCから各種信号を出力する。
[9−4−2.扉枠開放スイッチ及び本体枠開放スイッチからの検出信号]
上述したように、本体枠3には、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか否かを検出する扉枠開放スイッチ3aと、本体枠3が外枠2から開放された状態であるか否かを検出する本体枠開放スイッチ3bと、が設けられている。これらの検出信号は、図11に示したように、払出制御基板715に入力されている。
[9−4−2(a).扉枠開放スイッチからの検出信号]
扉枠開放スイッチ3aは、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、扉枠5が本体枠3から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ3aの端子は、図20に示すように、扉枠開放スイッチ用端子716aと電気的に接続されている。扉枠開放スイッチ3aからの検出信号の一方は、抵抗R60を介してトランジスタTR60のベースに入力され、抵抗R60とトランジスタTR60のベースとの間にグランドと接地された抵抗R61が電気的に接続されている。また、トランジスタTR60のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR60のコレクタは後述するトランジスタTR61のコレクタと電気的に接続されている。トランジスタTR60のコレクタとトランジスタTR61のコレクタとの電気的な接続により論理和の回路(OR回路)が形成され、その演算結果が枠開放情報出力情報として図11に示した主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力される。一方、扉枠開放スイッチ3aからの検出信号の他方は、上述した外部端子板用端子718を介して扉枠開放信号として図11に示した外部端子板700aに出力される。なお、扉枠開放信号は、外部端子板700aに設けた扉枠開放スイッチ用フォトカプラのカソードと電気的に接続されおり、扉枠開放スイッチ用フォトカプラのアノードには+18Vが入力されている。このように、扉枠開放スイッチ3aには+18Vの電圧が印加されている。
[9−4−2(b).本体枠開放スイッチからの検出信号]
本体枠開放スイッチ3bは、扉枠開放スイッチ3aと同様に、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、本体枠3が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ3bの端子は、図20に示すように、本体枠開放スイッチ用端子716bと電気的に接続されている。本体枠開放スイッチ3bからの検出信号の一方は、抵抗R62を介してトランジスタTR61のベースに入力され、抵抗R62とトランジスタTR61のベースとの間にグランドと接地された抵抗R63が電気的に接続されている。また、トランジスタTR61のエミッタはグランドと接地され、トランジスタTR61のコレクタは上述したトランジスタTR60のコレクタと電気的に接続されている。
トランジスタTR60のコレクタとトランジスタTR61のコレクタとの電気的な接続により論理和の回路(OR回路)が形成され、その演算結果が枠開放情報出力情報として図11に示した主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力される。一方、本体枠開放スイッチ3bからの検出信号の他方は、扉枠開放スイッチ3aからの扉枠開放信号と同様に、上述した外部端子板用端子718を介して本体枠開放信号として図11に示した外部端子板700aに出力される。なお、本体枠開放信号は、扉枠開放信号と同様に、外部端子板700aに設けた本体枠開放スイッチ用フォトカプラのカソードと電気的に接続されおり、本体枠開放スイッチ用フォトカプラのアノードには+18Vが入力されている。このように、本体枠開放スイッチ3bには扉枠開放スイッチ3aと同様に+18Vの電圧が印加されている。
本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチを用いている。このため、扉枠開放スイッチ3aが短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ3bが短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチを用いることで、短絡時にでも例えば上述した枠開放情報出力信号を、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力することができ、図11に示した、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
なお、扉枠開放スイッチ3a、本体枠開放スイッチ3bをノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ3a’、本体枠開放スイッチ3b’)に替えると、扉枠開放スイッチ3a’は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ3b’は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。ここで、扉枠開放スイッチ3a’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、本体枠開放スイッチ3b’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ3a’、本体枠開放スイッチ3b’をノーマルオープンのスイッチを用いることで、断線時にでも例えば上述した枠開放情報出力信号を、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700に出力することができ、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、扉枠5が本体枠3から開放された状態や本体枠3が外枠2から開放された状態を判断することができる。
[9−4−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
ここで、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号と、払出制御基板715による外部端子板700aへの各種出力信号について説明する。
[9−4−3(a).主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板715は、図11に示したように、主ドロワ中継基板657を介して主制御基板1700と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図21(a)に示すように、払出制御基板715は、その内部接続端子725を介して主ドロワ中継基板657と各種入出力信号のやり取りを行う。内部接続端子725から主ドロワ中継基板657に出力する信号としては、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、枠開放情報出力信号等がある。一方、主ドロワ中継基板657から内部接続端子725に入力される信号としては、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、RAMクリア信号、停電予告信号、枠開放情報出力信号の他に、大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)がある。なお、グランド(GND)、+34V、+18V、+9Vの各種電源は、内部接続端子725を介して主ドロワ中継基板657に供給されている。
[9−4−3(b).外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板715は、その外部端子板用端子718を介して外部端子板700aに各種信号を出力する。具体的には、図21(b)に示すように、上述した、扉枠開放信号、本体枠開放信号の他に、図11に示した払出モータ465が実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号を直接出力する他、主制御基板1700から払出制御基板715を介して出力する遊技情報等がある。上述したように、外部端子板700aは、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されており、遊技者の遊技等を監視している。
[9−5.発射制御部の回路]
次に、発射制御部1720について説明する。発射制御部1720は、図11に示したように、入力回路1720a、発振回路1720b、発射制御回路1720c、発射モータ駆動回路1720dを備えて構成されている。
[9−5−1.入力回路]
払出制御基板715は、図22に示すように、CRユニット端子板用端子719、操作ハンドル用端子724等が設けられている。これらの端子に入力された各種信号は、入力回路1720aに入力されている。この入力回路1720aは、図示しないCRユニットからのCR接続信号と、図11に示したタッチスイッチ80からの検出信号と、図11に示した発射停止スイッチ82からの検出信号が入力されている。CR接続信号は、図11に示したように、CRユニットがCRユニット端子板700bに電気的に接続されるとCRユニット端子板700bを介して入力回路1720aに入力され、タッチスイッチ80からの検出信号は、上述した操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れると、タッチスイッチ80により検出されて図11に示したハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力され、発射停止スイッチ82からの検出信号は、上述した発射停止ボタン81を操作すると、発射停止スイッチ82により検出されてハンドル中継端子板71aを介して入力回路1720aに入力される。
[9−5−1(a).CRユニットからの接続信号]
CRユニット端子板700bと払出制御基板715との基板間は図示しないハーネスにより電気的に接続されている。このハーネスでは、ノイズの影響を受けにくくするために、図22に示すように、CR接続信号を伝えるライン(伝送線)がプルアップ抵抗R70により+18Vに引き上げられている。
CR接続信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R71を介してトランジスタTR70(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R71とトランジスタTR70のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R72が電気的に接続されている。抵抗R71,R72の値は、CR接続信号が入力されていないとき、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されていないときには、トランジスタTR70がONする状態となるように設定されている。
トランジスタTR70のコレクタは、プルアップ抵抗R73により+5Vに引き上げられており、負論理とした発射許可検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR70がONする状態、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されていないときには、トランジスタTR70のコレクタからトランジスタTR70のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった発射許可検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR70がOFFする状態、つまりCRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続されているときには、トランジスタTR70のコレクタからトランジスタTR70のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R73により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった発射許可検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
[9−5−1(b).タッチスイッチからの検出信号]
タッチスイッチ80からの検出信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R724bを介してトランジスタTR71(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R724bとトランジスタTR71のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R75が電気的に接続されている。抵抗R724b,R75の値は、タッチスイッチ80が検出信号を出力するとき、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れていないときには、トランジスタTR71がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR71のベースに入力される電圧は、グランドと接地されたコンデンサC70によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタTR71のコレクタは、プルアップ抵抗R76により+5Vに引き上げられており、負論理としたタッチ検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR71がONする状態、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れていないときには、トランジスタTR71のコレクタからトランジスタTR71のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなったタッチ検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR71がOFFする状態、つまり操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れているときには、トランジスタTR71のコレクタからトランジスタTR71のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R76により+5Vに引き上げられて論理がHIとなったタッチ検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
なお、タッチスイッチ80からの検出信号は、上述したように、ハンドル中継端子板71aを介して操作ハンドル用端子724に入力されているが、ハンドル中継端子板71aから操作ハンドル用端子724までは配線により電気的に接続されている。この配線は、下補強板(図示せず)に沿って取り付けられている。この下補強板は、上述したように、貯留皿30に貯留された球からの静電放電によるノイズ等を扉枠5から除去するアース接続板としての役割も担っているため、ハンドル中継端子板71aからの配線はノイズ等の影響を極めて受けやすい環境下にある。このため、タッチスイッチ80からの検出信号にノイズ等が侵入すると、グランド(GND)の電圧が0V〜+3Vに上下して不安定となり、図11に示した、例えば払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aの電源端子VDDに入力されている+5Vとの電位差が払出制御MPU1710aの作動電圧より小さくなって払出制御MPU1710aが突然リセットするおそれがある。そこで、本実施形態では、+18Vが電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724aを介してタッチスイッチ80に供給されるとともに、タッチスイッチ80からの検出信号が検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724bを介して入力されることによってグランド(GND)を安定化させている。
本実施形態では、抵抗R724a,R724bとして巻線式の抵抗を用いており、抵抗R724a,R724bのコイル成分であるインダクタンスにより、ハンドル中継端子板71aからの配線に侵入したノイズ等によるグランド(GND)の高周波成分をより抑制することができる。これにより、払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aに、突然リセットがかからなくなるとともに、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号のやり取りでグランド(GND)の変動による通信エラーが生じなくなる。
[9−5−1(c).発射停止スイッチからの検出信号]
発射停止スイッチ82からの検出信号が入力回路1720aに入力されると、抵抗R724dを介してトランジスタTR72(本実施形態では、2SC1815)のベースに入力される。この抵抗R724dとトランジスタTR72のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R78が電気的に接続されている。抵抗R724d,R78の値は、発射停止スイッチ82が検出信号を出力するとき、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していないときには、トランジスタTR72がONする状態となるように設定されている。トランジスタTR72のベースに入力される電圧は、グランドと接地されたコンデンサC71によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタTR72のコレクタは、プルアップ抵抗R79により+5Vに引き上げられており、負論理とした発射停止検出信号を発射制御回路1720cに出力する。
トランジスタTR71がONする状態、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していないときには、トランジスタTR72のコレクタからトランジスタTR72のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった発射停止検出信号が発射制御回路1720cに出力される。一方、トランジスタTR72がOFFする状態、つまり操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作しているときには、トランジスタTR72のコレクタからトランジスタTR72のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R79により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった発射停止検出信号が発射制御回路1720cに出力される。
なお、発射停止スイッチ82からの検出信号は、上述したように、ハンドル中継端子板71aを介して操作ハンドル用端子724に入力されているが、ハンドル中継端子板71aから操作ハンドル用端子724までは配線により電気的に接続されている。この配線は、前記の下補強板に沿って取り付けられている。この下補強板は、上述したように、貯留皿30に貯留された球からの静電放電によるノイズ等を扉枠5から除去するアース接続板としての役割も担っているため、ハンドル中継端子板71aからの配線はノイズ等の影響を極めて受けやすい環境下にある。このため、発射停止スイッチ82からの検出信号にノイズ等が侵入すると、グランド(GND)の電圧が0V〜+3Vに上下して不安定となり、例えば払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aの電源端子VDDに入力されている+5Vとの電位差が払出制御MPU1710aの作動電圧より小さくなって払出制御MPU1710aが突然リセットするおそれがある。そこで、本実施形態では、+18Vが電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724cを介して発射停止スイッチ82に供給されるとともに、発射停止スイッチ82からの検出信号が検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724dを介して入力されることによってグランド(GND)を安定化させている。
本実施形態では、抵抗R724c,R724dとして巻線式の抵抗を用いており、抵抗R724c,R724dのコイル成分であるインダクタンスにより、ハンドル中継端子板71aからの配線に侵入したノイズ等によるグランド(GND)の高周波成分をより抑制することができる。これにより、払出制御基板715における払出制御部1710の払出制御MPU1710aに、突然リセットがかからなくなるとともに、払出制御基板715と主制御基板1700との各種入出力信号のやり取りでグランド(GND)の変動による通信エラーが生じなくなる。
[9−5−1(d).電源側ノイズ低減抵抗及び検出信号側ノイズ低減抵抗の配置]
ここで、電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724a,R724cと、検出信号側ノイズ低減抵抗であるR724b,R724dの配置について説明する。払出制御基板715は、上述したように、タッチスイッチ80からの検出信号及び発射停止スイッチ82からの検出信号が操作ハンドル用端子724を介して入力されている。タッチスイッチ80には電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724a及び検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724bが設けられ、発射停止スイッチ82には電源側ノイズ低減抵抗である抵抗R724c及び検出信号側ノイズ低減抵抗である抵抗R724dが設けられている。これらの抵抗R724a〜R724dは、図23(a)に示すように、払出制御基板715の部品面715aのエラー解除スイッチ1731の左方近傍に配置されている。
払出制御基板715の部品面715a及びハンダ面715bは、図23(b),(c)に示すように、抵抗R724a〜R724dを配線するパターン(「配線パターン」という。)回りが箔抜けされた状態となっている箔抜け領域724a,724bを設けている。この箔抜け領域724a,724bでは、抵抗R724a〜R724dの配線パターン回りに+18V等の電源線やグランド(GND)線が配置されないようになっている。これにより、抵抗R724a〜R724dの配線パターンに侵入してくるノイズ等を箔抜け領域724a,724bで防止することができ、グランド(GND)の変動を抑制することができる。
また、抵抗R724a〜R724dは、ハンダ面715bでハンダ付けされる銅箔部分(「ランド」という。)が他の電子部品等のランドと所定間隔だけ離して配置されている。抵抗R724a〜R724dのランドと、他の電子部品等のランドと、の距離は、電源線の電位やグランド(GND)線の電位が互いに影響を及ぼさない程度に設定されている。これにより、他の電子部品等のランドからの電源線の電位やグランド(GND)線の電位の影響を防止することができ、グランド(GND)の変動を抑制することができる。
[9−5−2.発振回路]
発振回路1720bは、図24に示すように、水晶振動子X80(本実施形態では、リバーエレテック製:HC−49/U03、4MHz)、この水晶振動子X80の負荷容量を設定するコンデンサC80,C81、帰還抵抗R80を備えて構成されている。水晶振動子X80の両端子は発射制御回路1720cに電気的に接続されており、水晶振動子X80と発射制御回路1720cとは閉ループの回路となっている。この閉ループの回路には、水晶振動子X80と並列に帰還抵抗R80が電気的に接続されている。水晶振動子X80の両端子には、グランドと接地されたコンデンサC80,C81がそれぞれ電気的に接続されている。帰還抵抗R80の値及びコンデンサC80,C81の負荷容量は、水晶振動子X80が安定して発振するように設定されている。これにより、発振回路1720bは、ゆらぎが抑えられたクロック信号を発射制御回路1720cに供給することができる。
[9−5−3.発射制御回路]
発射制御回路1720cは、図24に示すように、発振回路1720bからのクロック信号がクロック入出端子XT1,XT2に入力されており、この入力されたクロック信号に基づいて発射モータ344の回転速度を決定する基準パルスを出力端子AA,BBから発射モータ駆動回路1720dに出力する。なお、電源端子であるVCC端子は+5Vが入力されており、グランドと接地されたコンデンサC82と電気的に接続されている。これにより、VCC端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子であるGND端子はグランドに接地されている。
発射制御回路1720cは、上述した、発射許可検出信号が入力端子EN1に入力され、タッチ検出信号が入力端子EN3に入力され、発射停止検出信号が入力端子EN4に入力されている。発射制御回路1720cは、これらの発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号の論理積(AND)をとり、この演算結果をスタート端子であるST端子から発射モータ駆動回路1720dに出力する。このST端子は、出力端子AA,BBから出力する基準パルスを許可している旨又は禁止している旨を発射モータ駆動回路1720dに伝えるものである。具体的には、発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号の論理がすべてHIである場合(CRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続され、操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れ、操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作していない場合)には、ST端子から論理がHIとなったスタート信号が出力され、出力端子AA,BBから許可した基準パルスが出力されている旨を発射モータ駆動回路1720dに伝える一方、発射許可検出信号、タッチ検出信号、発射停止検出信号のうち少なくとも1つに論理がLOWである場合(例えば、CRユニットがCRユニット端子板700bと電気的に接続され、操作ハンドル部71の回動操作部材74に触れ、操作ハンドル部71の発射停止ボタン81を操作している場合)には、ST端子から論理がLOWとなったスタート信号が出力され、出力端子AA,BBから禁止した基準パルスが出力されている旨を発射モータ駆動回路1720dに伝える。
[9−5−4.発射モータ駆動回路]
発射モータ駆動回路1720dは、図24に示すように、発射制御回路1720cの出力端子AA,BBから出力された基準パルスが入力され、発射制御回路1720cのST端子から出力されたスタート信号が入力されている。具体的には、発射制御回路1720cの出力端子AAから出力された基準パルスは発射モータ駆動回路1720dのA相入力端子であるINA端子に入力され、発射制御回路1720cの出力端子BBから出力された基準パルスは発射モータ駆動回路1720dのB相入力端子であるINB端子に入力され、発射制御回路1720cのST端子から出力されたスタート信号は発射モータ駆動回路1720dのスタート端子であるST端子に入力されている。
発射モータ駆動回路1720dは、ST端子に論理がHIであるスタート信号が入力されると、INA端子に入力された基準パルスに基づいてA相出力端子であるA端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344のA相に励磁信号である駆動パルスが出力される一方、A端子から出力される駆動パルスの論理を反転した励磁信号である駆動パルスがA相反転出力端子であるAX端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344の/A相に出力され、INB端子に入力された基準パルスに基づいてB相出力端子であるB端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344のB相に励磁信号である駆動パルスが出力される一方、B端子から出力される駆動パルスの論理を反転した励磁信号である駆動パルスがB相反転出力端子であるBX端子から発射モータ用端子723を介して発射モータ344の/B相に出力される。
なお、発射モータ駆動回路1720dの電源端子であるVCC1は+5Vが入力されており、発射モータ駆動回路1720dのA相電源電圧端子であるVCC2A端子及びB相電源電圧端子であるVCC2B端子は発射モータ344の駆動用電圧である+34Vが入力されている。これらのVCC2A端子及びVCC2B端子は、グランドと接地された電解コンデンサC83と電気的に接続されており、発射モータ344の駆動による一時的な電圧低下を抑えることで駆動トルクを一定に保持している。また、VCC2A端子及びVCC2B端子は、グランドと接地されたコンデンサC84と電気的に接続されており、接地端子であるGND端子はグランドと接地されている。
[10.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ遊技機1の遊技の進行に応じて主制御基板1700が行う各種制御処理について説明する。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。図25は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図26は図25の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図27は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[10−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いられる大当り判定用乱数と、この大当り判定用乱数の初期値の決定に用いられる大当り判定用初期値決定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチを発生させるか否かの決定に用いられるリーチ判定用乱数と、図8に示した、上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490に表示する変動表示パターンの決定に用いられる変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490に表示する特別図柄の組み合わせを決定するのに用いられる大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いられる大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した下始動入賞口1340の開閉翼1380を開閉動作させるか否かの決定に用いられる普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いられる普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図8に示した普通図柄表示器1520に表示する変動表示パターンの決定に用いられる普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
[10−2.主制御側電源投入時処理]
[リセットエントリー処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、図25及び図26に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1700aは、スタックポインタの設定を行う(ステップS10)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS10では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS10に続いて、図16に示したDタイプフリップフロップIC23のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する(ステップS12)。この停電クリア信号は、上述したように、図15に示した主制御I/Oポート1700bを介して、その論理がLOWとなってクリア端子CLRに入力される。これにより、主制御MPU1700aは、図16に示したDタイプフリップフロップIC23のラッチ状態を解除することができ、後述するラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップIC23のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
ステップS12に続いて、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS14)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS16)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧(図16に示したリファレンス電圧Vref)より小さくなると、図16に示した停電監視回路1700dから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると停電監視回路1700dから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS14のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS16の判定でその停電予告信号が入力されているか否かの判定を行っている。この判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップIC23の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
ステップS16において停電予告信号なしと判定されると、DタイプフリップフロップIC23のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する(ステップS18)。この停電クリア信号の出力を停止することで、主制御I/Oポート1700bを介して、その論理がHIとなってクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1700aは、DタイプフリップフロップIC23をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップIC23は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS18に続いて、図11に示したRAMクリアスイッチ268aが操作されているか否かを判定する(ステップS20)。この判定は、主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作され、その操作信号(検出信号)が主制御MPU1700aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ268aが操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ268aが操作されていないと判定する。
ステップS20でRAMクリアスイッチ268aが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS22)、一方、ステップS20でRAMクリアスイッチ268aが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS24)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1700aに内蔵されたRAM(以下、「主内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS22及びステップS24でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1700aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS22又はステップS24に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS26)。このウェイトタイマ処理2では、図11に示した、液晶制御基板1750による液晶表示器1315の表示制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。例えば、図11に示した液晶制御ROM1750bから圧縮された各種の制御プログラムを読み出して、同図に示した液晶制御MPU1750aに内蔵されたRAMに展開して記憶する。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。
ステップS26に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS28)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
[ホットスタート]
ステップS28でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS30)。このチェックサムは、主内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS30に続いて、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS32)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS34)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等のバックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS34でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS36)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットするほか、主制御MPU1700aに内蔵されたROM(以下、「主内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、高周波が照射されたことを検出してリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS36に続いて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS38)。この電源投入時コマンド作成処理では、バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。
[コールドスタート]
一方、ステップS28でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS32でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS34でバックアップフラグBK−FLGが値0のとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS40)。具体的には、値0を主内蔵RAMに書き込むことよって行う(なお、初期値として主内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい)。これにより、例えば、上述した、大当り判定用乱数や初期値更新型のカウンタ等の値に初期値0をセットする。
ステップS40に続いて、初期設定として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS42)。この設定は、主内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS42に続いて、RAMクリア報知コマンド作成処理を行う(ステップS44)。このRAMクリア報知コマンド作成処理では、主内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を、図11に示したサブ統合基板1740に報知するためのRAMクリア報知コマンドを作成し、送信情報として主内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。なお、サブ統合基板1740がRAMクリア報知コマンドを受信すると、このRAMクリア報知コマンドを液晶制御基板1750に送信する。
[初期設定]
ステップS38又はステップS44に続いて、初期設定を行う(ステップS46)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期、乱数発生手段の設定をするものである。本実施形態では割り込み周期を4msに設定されている。
[割り込み許可設定]
ステップS46に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS48)。この設定によりステップS46で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
[主制御側メインループ処理]
ステップS48に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS50)。この判定では、図16に示した停電監視回路1700dからの停電予告信号に基づいて行う。図16に示したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりすると、電圧が停電予告電圧(図16に示したリファレンス電圧Vref)より小さくなり、停電監視回路1700dから停電予告として停電予告信号が入力される。
ステップS50で停電予告信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS52)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数及び大当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。
ステップS52に続いて、乱数異常監視処理を行う(ステップS54)。乱数異常監視処理の詳細内容については後述する。ステップS54に続いて、遊技停止処理を行う(ステップS56)。なお、遊技停止処理についても後述する。ステップS56に続いて再びステップS50に戻り、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS52で非当落乱数更新処理、ステップS54で乱数異常監視処理、ステップS56で遊技停止処理、即ち、ステップS50〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS50〜ステップS56の処理を「主制御側メインループ処理」という。
なお、ステップS54として示している乱数異常監視処理を主制御側メインループ処理と後述の主制御側タイマ割り込み処理(具体的には始動入賞処理)の両方で行うように構成しているが、図26において鎖線にて示すように、乱数異常監視処理を主制御側メインループ処理ではなく、主制御側タイマ割り込み処理(具体的には始動入賞処理)のみにて行うように構成してもよい。さらに、上記の各例に加えて乱数異常監視処理をリセットエントリー処理(図25乃至図26)で行う構成としてもよい。
また、ステップS56として示している遊技停止処理を主制御側メインループ処理で行うように構成しているが、遊技停止処理を主制御側メインループ処理ではなく、主制御側タイマ割り込み処理(図27)にて行うように構成してもよい(ステップS70より後段でステップS92より前段)。
[主制御側電源断時処理]
一方、ステップS50で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS60)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS60に続いて、停電クリア信号を、主制御I/Oポート1700bを介して図16に示したDタイプフリップフロップIC23のクリア端子であるCLR端子に出力したり、図11に示した開閉翼ソレノイド1390、開閉板ソレノイド1420、上特別図柄表示器1480、下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500、下特別図柄記憶ランプ1510、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。停電クリア信号が出力されることによりDタイプフリップフロップIC23はラッチ状態を解除することができる。
ステップS62に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする。(ステップS66)、これによりバックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、何もしない状態を繰り返すというループ処理に入る。なお、ステップS60〜ステップS66の処理及びループ処理を「主制御側電源断時処理」という。パチンコ遊技機1(主制御MPU1700a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電源の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS32では主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS34では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報を2重にチェックすることによりバックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[10−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図25及び図26に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、汎用記憶素子(汎用レジスタ)の値をスタックエリアに退避する(ステップS70)。主制御MPU1700aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)は、第1汎用記憶素子と第2汎用記憶素子があり、これらを交互に切り換えることが可能なっている。このため主制御タイマ割り込み処理時と、それ以外の処理時とで汎用記憶素子を使い分けることにより、主制御タイマ割り込み処理開始時に、汎用記憶素子をタイマ割り込み処理で使用す側に切り替えてもよい。その場合、汎用記憶素子はスタックエリアに退避する必要がなくなる。
ステップS70に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS72)。このスイッチ入力処理では、主制御I/Oポート1700bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、図8に示した、左普通入賞口1440及び装飾ユニット側普通入賞口158,159に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ1460からの検出信号、右普通入賞口1450に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ1470からの検出信号、大入賞口1400に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ1430からの検出信号、上始動入賞口1330に入球した遊技球を検出する上始動口スイッチ1360からの検出信号、下始動入賞口1340に入球した遊技球を検出する下始動口スイッチ1370からの検出信号、ゲート1290を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ1300からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図11に示した払出制御基板715が正常に受信した旨を伝える払出制御基板715からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS72に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS74)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って図8に示した、上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って図8に示した普通図柄表示器1520が点灯する時間の他に、主制御基板1700(主制御MPU1700a)が送信した各種コマンドを払出制御基板715が正常に受信した旨を伝えるACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS74に続いて、大当り判定用以外の乱数更新処理を行う(ステップS76)。なお、大当り判定用乱数は、図17の乱数発生手段1700afbbの値を使用するものとしている。この大当り判定用以外の乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図26に示した主制御側メインループ処理におけるステップS52の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。この大当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。
一方、大当り図柄用乱数は、大当り図柄の決定にかかわる乱数であるためこの大当り判定用以外の乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、大当り図柄用乱数を更新するカウンタは、大当り図柄用乱数の下限値から上限値までの範囲を、主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとにカウントアップする。このカウンタは、一周する毎に大当り図柄用初期値決定用乱数の値を読み出し、その値を新たな初期値として更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り図柄用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS76に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS78)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出す賞球コマンドを作成したり、主制御基板1700と払出制御基板715との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを払出制御基板715に送信する。例えば、図8に示した大入賞口1400に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板715に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板715が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1700と払出制御基板715との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板715に送信したりする。なお、これらの詳細な説明は後述する。
ステップS78に続いて、枠コマンド受信処理を行う(ステップS80)。払出制御基板715は、その詳細な説明は後述するが、例えば上述した賞球ユニット450が球がみを起こして遊技球を払い出せない状態等の状態コマンドを送信する。ステップS80の枠コマンド受信処理では、この状態コマンドを正常に受信すると、その旨をサブ統合基板1740に伝える情報を、出力情報として主内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、その詳細な説明は後述するが、正常に受信した状態コマンドを整形して送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS80に続いて、不正行為検出処理を行う(ステップS82)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、大当り遊技状態でないときに大入賞口1400に遊技球が入球すると、異常状態として賞球異常報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する(なお、この異常状態の確認は、入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて行う)。
ステップS82に続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS84)。図28は、特別図柄及び特別電動役物制御処理の概略を示すフローチャートである。
この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて始動入賞処理を行う(ステップS100)。この始動入賞処理では、入力情報から図8に示した、上始動口スイッチ1360又は下始動口スイッチ1370からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した、大当り図柄用乱数等の各種カウンタの値及び後述する乱数発生手段1700afbbから抽出した乱数値を大当り判定用乱数値とし、これらの値を始動情報として主内蔵RAMの始動情報記憶領域に記憶する。
この始動情報記憶領域には、始動情報記憶ブロック0〜7(8つの始動情報記憶ブロック)が設けられており、始動情報記憶ブロック0、始動情報記憶ブロック1、始動情報記憶ブロック2、・・・、そして始動情報記憶ブロック7の順に始動情報が記憶されるようになっている。例えば始動情報が始動情報記憶ブロック0〜6に記憶されている場合、上始動口スイッチ1360からの検出信号が入力端子に入力されていたときには始動情報を始動情報記憶ブロック7に記憶する。このとき、上始動口スイッチ1360により検出されたことを示す識別情報も記憶するようになっている。これにより、始動情報記憶ブロック0〜7には、遊技球が上始動口スイッチ1360又は下始動口スイッチ1370のうちどちらに検出されたものであるか、時系列で記憶されることとなる(つまり、履歴が分かるように記憶されている)。
始動情報は始動情報記憶ブロック0に記憶されているものが読み出される。この始動情報が読み出されると、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1に、・・・、始動情報記憶ブロック7の始動情報が始動情報記憶ブロック6に、それぞれシフトされて始動情報記憶ブロック7が空き領域となる。例えば、始動情報記憶ブロック0〜2に始動情報が記憶されている場合には、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1にそれぞれシフトされて始動情報記憶ブロック2〜7が空き領域となる。ここで、始動情報記憶ブロック0〜7に始動情報が記憶されていると、それらの始動情報記憶ブロックの数を保留球として図8に示した、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b及び下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bを点灯させるよう、上述した識別情報に基づいて上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b及び下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bの点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本実施形態では、上始動口スイッチ1360及び下始動口スイッチ1370により検出された遊技球を始動情報として始動情報記憶ブロックに記憶できる数は最大4個にそれぞれ設定されている。
始動入賞処理に続いて、特別図柄及び特別電動役物処理を行う(ステップS102)。
当該処理においては、始動情報記憶ブロック0から始動情報を読み出し、この始動情報に基づく遊技制御処理を行う。この遊技制御処理では、例えば、読み出した始動情報から、大当り判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定(大当りであるか否かを判定)したり、大当り図柄用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することであり、上述した大当り判定値は、低確率では通常時判定テーブルから読み出され、一方、高確率では確変時判定テーブルから読み出される。
これらの判定結果により発生させる遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した変動表示パターン用乱数に基づいて変動表示パターンを決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには図8に示した、開閉板1410を開閉動作させるよう開閉板ソレノイド1420への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報から図8に示したゲートスイッチ1300からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、ゲート情報記憶ブロック0〜3(4つのゲート情報記憶ブロック)が設けられており、ゲート情報記憶ブロック0、ゲート情報記憶ブロック1、ゲート情報記憶ブロック2、そしてゲート情報記憶ブロック3の順にゲート情報が記憶されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶ブロック0〜2に記憶されている場合、ゲートスイッチ1300からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶ブロック3に記憶する。
ゲート情報はゲート情報記憶ブロック0に記憶されているものが読み出される。このゲート情報が読み出されると、ゲート情報記憶ブロック1のゲート情報がゲート情報記憶ブロック0に、ゲート情報記憶ブロック2のゲート情報がゲート情報記憶ブロック1に、ゲート情報記憶ブロック3のゲート情報がゲート情報記憶ブロック2に、それぞれシフトされてゲート情報記憶ブロック3が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶ブロック0〜2にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶ブロック1のゲート情報がゲート情報記憶ブロック0に、ゲート情報記憶ブロック2のゲート情報がゲート情報記憶ブロック1にそれぞれシフトされてゲート情報記憶ブロック2及びゲート情報記憶ブロック3が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶ブロック0〜3にゲート情報が記憶されていると、それらのゲート情報記憶ブロックの数を保留球として図8に示した、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dを点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dの点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本実施形態では、ゲートスイッチ1300により検出された遊技球をゲート情報としてゲート情報記憶ブロックに記憶できる数は最大4個に設定されている。
ゲート入賞処理に続いて、ゲート情報記憶ブロック0からゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から、普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と、が一致するか否かを判定する。一致しているときには、図8に示した、開閉翼1380を開閉動作させるよう開閉翼ソレノイド1390への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定して図8に示した普通図柄表示器1520を点灯させるよう普通図柄表示器1520への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS86に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS88)。このポート出力処理では、主制御I/Oポート1700bの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。例えば、出力情報に基づいて出力端子から、払出制御基板715からの状態コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板715に出力したり、大当り遊技状態であるときには図8に示した、大入賞口1400の開閉板1410の開閉動作を行う開閉板ソレノイド1420に駆動信号を出力したり、図21(a)に示した、大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板715に出力したりする。
ステップS88に続いて、サブ統合基板コマンド送信処理を行う(ステップS90)。
このサブ統合基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を図11に示したサブ統合基板1740に送信する。この送信情報には、上述したように、遊技演出コマンド、RAMクリア報知コマンド、テストコマンド、賞球異常報知コマンド及び状態コマンド等がある。この送信情報を送信する他に、主制御基板1700と払出制御基板715との基板間の接続状態を確認するときにセットされるセルフチェックフラグの値に基づいてその接続状態に不具合が生じているときには接続不具合コマンドを作成してサブ統合基板1740に送信する。
ステップS90に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS92)。ステップS70で、汎用記憶素子(汎用レジスタ)の値をスタックエリアに退避したときには、このスタックエリアから汎用記憶素子の値を復帰する。また、汎用記憶素子を切り替えた場合には、他方の汎用記憶素子に切り替える。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS92に続いて、割り込み許可設定を行い(ステップS94)、このルーチンを終了し、主制御側メインループ処理に戻る。
[特別図柄及び特別電動役物制御処理]
特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上始動口スイッチ1360又は下始動口スイッチ1370からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定し、この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、乱数発生手段1700afbbから抽出した乱数値を大当り判定用乱数値として、主内蔵RAMの始動情報記憶領域に記憶する、始動入賞処理が行われる。
[始動入賞処理]
図29は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。主制御MPU1700aは、始動入賞処理を開始すると、まず、乱数異常検出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS112)。ここで、乱数異常検出フラグは、図26における主制御側メインループ処理のステップS54に示されている乱数異常監視処理或いは当該始動入賞処理のステップS118及びステップS134又はステップS128及びステップS134で構成される乱数異常監視処理にて、乱数異常ステータス1700afbd(図17参照)の乱数異常フラグの値を読み出した結果が、セット状態である場合、RAMの所定エリアに設定されている乱数異常検出フラグがセットされるものである。例えば、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」であれば乱数異常検出あり、乱数異常検出フラグの値が「0(セットなし)」であれば乱数異常検出なしである。
ステップS112において、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」と判定された場合、実質的な始動入賞処理は行わず、始動入賞処理を抜ける。従って、乱数異常監視処理にて、乱数異常ステータス1700afbdの乱数異常フラグのセット状態が検出された場合は、これ以後の遊技制御処理による遊技の進行の一部は無効とする(本実施形態では、始動入賞処理での始動入賞検出に応じた乱数値の記憶は無効とする)。
しかしながら、乱数異常フラグのセット状態が検出される以前に記憶された(保留されている)始動入賞記憶に応じた乱数値についての遊技制御処理は、後述する遊技停止処理において全て消化完了するまで行われる。このことは、入賞口に遊技球が入賞した場合、入賞した入賞口に対して設定されている賞球数の賞球の払い出しは保障されることになり、これによって、乱数発生回路(乱数ブロック1700af)が故障する事態が発生した場合においても、公正な遊技が行えるようにすることが遊技者に担保されることになる。
ステップS112において、乱数異常検出フラグの値が「0(セットなし)」と判定された場合は、上始動口への入賞が有りか否かを判定する(ステップS114)。上始動口への入賞が有りと判定された場合、現在の始動記憶数が上限値(例えば4)未満であるか否か確認する(ステップS116)。上限値未満の場合には、再度、乱数異常ステータス1700afbdの値を確認する。即ち、乱数異常ステータス1700afbdに乱数異常フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS118)。
ステップS118にて、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされていると判定された場合は、前述の乱数異常検出フラグに「1(セットあり)」(乱数異常検出あり)をセットし(ステップS134)、始動入賞処理を抜ける。なお、乱数異常ステータス1700afbdにセットされた乱数異常フラグは、ユーザープログラムによる読み出しが行われたことにより(当該始動入賞処理内の乱数異常監視処理のステップS118の実行により)、リセットされる。
この場合も上述と同様、この時点以後の遊技制御処理による遊技の進行の一部は無効とする(本実施形態では、始動入賞処理での始動入賞検出に応じた乱数値の記憶は無効とする)。また、同様に、乱数異常フラグのセット状態が検出される以前に記憶された(保留されている)始動入賞記憶に応じた乱数値についての遊技制御処理は、後述する遊技停止処理において全て消化完了するまで行われる。
一方、ステップS118においても、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされていないと判定された場合は、乱数発生手段(乱数ブロック1700af)から乱数値を抽出することになる(ステップS120)。次いで、始動情報記憶ブロックの最先の空きエリアに、抽出した乱数値を記憶し(ステップS122)、ステップS124に進む。
一方、ステップS114において、上始動口への入賞がなしと判定された場合には、直接ステップS124に進む。また、ステップS116において、上始動口の現在の始動記憶数が上限値(例えば4)に達していた場合も、直接ステップS124に進む。
ステップS124に進むと、下始動口への入賞が有りか否かを判定する(ステップS124)。下始動口への入賞が有りと判定された場合、現在の始動記憶数が上限値(例えば4)未満であるか否か確認する(ステップS126)。
上限値未満の場合には、再度、乱数異常ステータス1700afbdの値を確認する(ステップS128)。ステップS128にて、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされていると判定された場合は、前述の乱数異常検出フラグに「1(セットあり)」(乱数異常検出あり)をセットし(ステップS134)、始動入賞処理を抜ける。なお、乱数異常ステータス1700afbdにセットされた乱数異常フラグは、ユーザープログラムによる読み出しが行われたことにより(当該始動入賞処理内の乱数異常監視処理のステップS128の実行により)、リセットされる。
この場合も上述と同様、この時点以後の遊技制御処理による遊技の進行の一部は無効とする(本実施形態では、始動入賞処理での始動入賞検出に応じた乱数値の記憶は無効とする)。また、同様に、乱数異常フラグのセット状態が検出される以前に記憶された(保留されている)始動入賞記憶に応じた乱数値についての遊技制御処理は、後述する遊技停止処理において全て消化完了するまで行われる。
一方、ステップS128においても、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされていないと判定された場合は、乱数発生手段(乱数ブロック1700af)から乱数値を抽出することになる(ステップS130)。次いで、始動情報記憶ブロックの最先の空きエリアに、抽出した乱数値を記憶し(ステップS132)、始動入賞処理を抜ける。
一方、ステップS124において、下始動口への入賞がなしと判定された場合には、始動入賞処理を抜ける。また、ステップS126において、下始動口の現在の始動記憶数が上限値(例えば4)に達していた場合も、始動入賞処理を抜ける。
このように、ステップS118及びステップS128にて、乱数値の抽出直前に乱数異常ステータス1700afbdの値を確認することで、遊技者に対する保証を行っている。
[参考実施形態の主制御MPU1700aによる乱数異常監視処理]
図30は、図26のステップS54に示した参考実施形態の主制御MPU1700aによる乱数異常監視処理のフローチャートである。乱数異常監視処理を開始すると、図17の乱数ブロック1700afの乱数異常ステータス1700afbdの値を確認する。即ち、乱数異常ステータス1700afbdに乱数異常フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS150)。ステップS150にて、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされていると判定された場合は、前述の乱数異常検出フラグに「1(セットあり)」(乱数異常検出あり)をセットし(ステップS152)、乱数異常監視処理を抜ける。なお、乱数異常ステータス1700afbdにセットされた乱数異常フラグは、ユーザープログラムによる読み出しが行われたことにより(乱数異常監視処理のステップS150の実行により)、リセットされる。一方、乱数異常フラグがセットされていない場合には、そのまま乱数異常監視処理を抜ける。従って、乱数異常検出フラグはセットされない。すなわち、乱数異常検出フラグの値が「0(セットなし)」(乱数異常検出なし)のままである。
[遊技停止処理]
図31は遊技停止処理の一例を示すフローチャートである。遊技停止処理を開始すると、まず、始動情報記憶ブロックに、始動記憶されているか否かを確認する(ステップS170)。始動情報記憶ブロックに始動記憶が有る場合には、遊技停止処理を抜ける。一方、始動情報記憶ブロックに始動記憶がない場合には、ステップS172に進む。
次に、特別図柄が作動中であるか否かを確認する(ステップS172)。特別図柄が現在作動中である場合には、遊技停止処理を抜ける。一方、特別図柄が作動中でない場合には、ステップS174に進む。次いで、大当たり遊技中であるか否かを確認する(ステップS174)。大当たり遊技中である場合には、遊技停止処理を抜ける。このことは、乱数異常が検出される直前の正常状態にある遊技については、そのまま消化することになる。
即ち、ステップS170で始動記憶数があると判定された場合、または、ステップS172で特別図柄作動中と判定された場合、または、ステップS174で大当たり中と判定された場合は、乱数異常検出フラグの値の判定を行わないようにしているため、乱数異常が検出されている場合であっても、即ち、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」であっても、乱数異常が検出される直前の正常状態にある遊技については、そのまま消化することになる。これにより、異常直前の遊技について消化されるので、健全な遊技を保障することができる。
一方、ステップS174にて大当たり遊技中でないと判定される場合には、即ち、異常直前の遊技の消化が完了している場合には、ステップS176に進む。ステップS176に進むと、乱数異常検出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS176)。この乱数異常検出フラグは、図26における主制御側メイン処理のステップS54に示されている乱数異常監視処理或いは当該始動入賞処理のステップS118及びステップS134又はステップS128及びステップS134で構成される乱数異常監視処理にて、乱数異常ステータス1700afbd(図17参照)の乱数異常フラグの値を読み出した結果が、セット状態である場合、RAMの所定エリアに設定されている乱数異常検出フラグがセットされるものである。ステップ176において、乱数異常検出フラグがセットされていないと判定された場合は、遊技停止処理を抜ける。
一方、ステップS176において、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」と判定された場合、割り込みを禁止設定する(ステップS178)。この処理により、タイマ割り込みが禁止され、主制御タイマ割り込み処理(図27)は実行されなくなる。よって、主制御基板1700による遊技の進行が停止される。次いで、乱数異常報知コマンドを作成し、作成した乱数異常報知コマンドを、サブ統合基板1740に出力する(ステップS180)。ステップS180に続いて、バックアップフラグ領域BK−FLGを0クリアする(ステップS182)。即ち、バックアップフラグ領域BK−FLGにコールドスタート情報がセットされることになる。
そして、ステップS182に続いて、何もしない状態を繰り返すというループ処理に入る。すなわち、主制御MPU1700aによる遊技の進行が停止されることになる。
なお、サブ統合基板1740は、乱数異常検出コマンドを受けると、乱数発生手段に異常が生じ、遊技制御を停止する旨の報知を、ランプあるいはスピーカを使って報知する。
遊技者は、異常に気づきホールの店員を呼ぶことになる。この場合、上述のように、異常報知直前の正常状態にある遊技については、異常報知前に既に消化済みである。本実施形態の遊技停止処理にあっては、何もしない状態を繰り返すというループ処理を実行し続けるため、遊技を再開するには、一旦電源を切って入れる必要がある。
遊技停止状態より遊技可能状態への復帰は、一旦電源が落されてから電源が再投入されることにより、起動時には、主制御側電源投入時処理(図25)のステップS34でバックアップフラグ領域BK−FLGの値が判定されるが、値「0」であるため、即ち、ホットスタート情報の記憶は行わず、コールドスタート情報がセットされるため、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる(ステップS40、ステップS42、ステップS44の実行によるコールドスタートとなる)。以上、説明したように、遊技停止処理では、乱数発生手段に異常があっても、進行中の遊技を消化してから主制御基板1700による遊技の進行を停止し、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる。このとき、乱数異常からの復旧であることがホールの店員および遊技者に分かるように、液晶画面には、「乱数発生手段異常から遊技可能状態へ復帰しています」が表示されるコマンドが出力される。これにより、ホールの店員のいる前で、遊技可能状態に復帰するので、健全な遊技の再開を確認することができる。
また、遊技停止処理におけるループ処理中に(ステップS182の後)、CPUコア1700aaが指定エリアを外れてプログラムを実行した場合には、指定領域外実行時リセット手段である指定エリア外走行禁止回路1700adaがリセット信号を発生し、リセット信号によりCPUコア1700aaがリセットされる。従って、主制御側電源投入時処理(図25)が実行開始され、図25のステップS34でバックアップフラグ領域BK−FLGの値が判定されるが、値「0」であるため、即ち、コールドスタート情報がセットされるため、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる(ステップS40、ステップS42、ステップS44の実行によるコールドスタートとなる)。このとき、乱数異常からの復旧であることがホールの店員および遊技者に分かるように、液晶画面には、「乱数発生手段異常から遊技可能状態へ復帰しています」が表示されるコマンドが出力される。これにより、ホールの店員のいる前で、遊技可能状態に復帰するので、健全な遊技の再開を確認することができる。
以上に説明したように、これによって、乱数発生回路(乱数ブロック1700af)が故障する事態が発生した場合においても、公正な遊技が行えるようにすることが遊技者に担保されることになる。
[11.払出制御基板の各種制御処理]
次に、払出制御基板715が行う各種制御処理について説明する。まず、払出制御側電源投入時処理について説明し、続いて払出制御側タイマ割り込み処理、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理、払出設定処理、球抜き設定処理について説明する。
図32は払出制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図33は図32の払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図34は図33に続いて払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図35は払出制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図36は球抜きスイッチ操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図37は回転角スイッチ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図38はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図39は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図40は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図41は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図42はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図43は払出球抜き判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図44は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図45は球抜き設定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理は、後述する払出制御側電源投入時処理におけるステップS356の主要動作設定処理の一処理として行われ、球抜きスイッチ操作判定処理、回転角スイッチ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球抜き判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[11−1.払出制御側電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図32〜図34に示すように、払出制御側電源投入時処理を行う。この払出制御側電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU1710aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS300)。
ステップS300に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS302)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU1710aのI/Oポートの入出設定等を行う。
ステップS302に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS304)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、図13に示したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1700の停電監視回路1700dから入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電監視回路1700dからの停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS304に続いて、図11に示したRAMクリアスイッチ268aが操作されているか否かを判定する(ステップS306)。この判定は、主制御基板1700のRAMクリアスイッチ268aが操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU1710aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ268aが操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ268aが操作されていないと判定する。
ステップS306でRAMクリアスイッチ268aが操作されているときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットし(ステップS308)、一方、ステップS306でRAMクリアスイッチ268aが操作されていないときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS310)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU1710aに内蔵されたRAM(以下、「払出内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、例えば賞球ストック数、実球計数、駆動指令数、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等の払い出しに関する払出情報(その詳細な説明は後述する。)を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS308及びステップS310でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU1710aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS308又はステップS310に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS312)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS312に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS314)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS314では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS314に続いて、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS316)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS316で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS318)。このチェックサムは、払出内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS318に続いて、算出したチェックサムの値が後述する払出制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS320)。一致しているときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS322)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御側電源断時処理において払出内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS322で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS324)。この設定は、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0をセットする他に、払出制御MPU1710aに内蔵されたROM(以下、「払出内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、上述したように、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS316で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS320でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS322で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、払出内蔵RAMの全領域をクリアし(ステップS326)、初期設定として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS328)。この設定は、払出内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS324又はステップS328に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS330)。この設定は、後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では1.75msに設定されている。
ステップS330に続いて、割り込み許可設定を行う(ステップS332)。この設定によりステップS330で設定した割り込み周期、つまり1.75msごとに払出制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS332に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS334)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、図13に示したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1700の停電監視回路1700dから入力される。ステップS334の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS334で停電予告信号の入力がないときには1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS336)。この1.75ms経過フラグHT−FLGは、後述する、1.75msごとに処理される払出制御側タイマ割り込み処理で1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり1.75ms経過していないときには、ステップS334に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし(ステップS338)、図11に示した外部ウォッチドッグタイマ(外部WDT)1710cに外部WDTクリア信号を出力する(ONする、ステップS340)。この外部WDT1710cは、払出制御MPU1710aの動作(システム)を監視するものであり、外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間に停止されないときには払出制御MPU1710a及び図11に示した払出制御I/Oポート1710bにリセット信号を出力してリセットをかける(払出制御MPU1710aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS340に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS342)。このポート出力処理では、払出内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御I/Oポート1710bの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ465への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ465が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、図11に示した、エラーLED表示器1730に表示するLED表示情報、CRユニットからの貸球要求信号を正常に受信した旨を伝える受信完了情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御I/Oポート1710bの出力端子から、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1700に出力したり、払出モータ465に駆動信号を出力したり、払出モータ465が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として図11に示した外部端子板700aに出力したり(本実施形態では、払出モータ465が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板700aに賞球数情報信号を出力している。)、エラーLED表示器1730に表示信号を出力したり、CRユニットからの貸球要求信号を正常に受信したときには受信完了信号をCRユニットに出力したりする。
ステップS342に続いて、ポート入力処理を行う(ステップS344)。このポート入力処理では、払出制御I/Oポート1710bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば図11に示した、エラー解除スイッチ1731の操作信号、回転角スイッチ505からの検出信号、計数スイッチ462からの検出信号、満タンスイッチ545からの検出信号、CRユニットからの貸球要求信号や接続信号等の各種信号からの検出信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1700が正常に受信した旨を伝える主制御基板1700からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS344に続いて、タイマ更新処理を行う(ステップS346)。このタイマ更新処理では、その詳細な説明は後述するが、上述したスプロケット457による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、スプロケット457の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、上述した満タンユニット520が遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、図11に示した球切れスイッチ426からの検出信号により上述した球通路ユニット420に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119msにそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間及び球切れ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間及び球切れ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS346に続いて、CR通信処理を行う(ステップS348)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの貸球要求信号が入力されているか否かを判定する。貸球要求信号が入力され、この貸球要求信号を正常に受信したときには、その旨を伝える受信完了情報を上述した出力情報記憶領域に記憶するとともに、その貸球要求信号を貸球情報として払出内蔵RAMの貸球情報記憶領域に記憶する。一方、貸球要求信号を正常に受信できなかったときには、その旨を伝える貸球要求エラー情報を払出内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶する。
CRユニットからの接続信号が入力されているときには、CRユニットとの接続が正常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。なお、接続信号が入力されていないときには、CRユニットとの接続が異常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS348に続いて、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS350)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ545からの検出信号により上述した満タンユニット520が遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、図11に示した球切れスイッチ426からの検出信号により上述した球通路ユニット420に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、満タンユニット520が遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ545からの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ545からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ545からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS346のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ545からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ545からの検出信号がONであるときには、満タンユニット520が遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ545からの検出信号がOFFであるときには、満タンユニット520が遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球通路ユニット420に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチからの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS346のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチ426からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチ426からの検出信号がONであるときには、球通路ユニット420に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチ426からの検出信号がOFFであるときには、球通路ユニット420に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS350に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS352)。このコマンド受信処理では、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1700と払出制御基板715との基板間の接続に異常が生じている旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。なお、主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドの詳細な説明は後述する。
ステップS352に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS354)。このコマンド解析処理では、ステップS352で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS354に続いて、主要動作設定処理を行う(ステップS356)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。なお、これらの動作設定や監視の詳細な説明は後述する。
ステップS356に続いて、LED表示データ作成処理を行う(ステップS358)。
このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、図11に示した、払出制御基板715のエラーLED表示器1730に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に対応する表示データ(本実施形態では、表示値1)を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS358に続いて、コマンド送信処理を行う(ステップS360)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいてコマンドを作成して主制御基板1700に送信する。なお、これらのコマンドの詳細な説明は後述する。
ステップS360に続いて、外部ウォッチドッグタイマ(外部WDT)1710cに外部WDTクリア信号の出力を停止する(OFFする、ステップS362)。これにより、外部WDT1710cをクリアし、払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bにリセットがかからないようにする。また外部WDT1710cは、外部WDTクリア信号の出力が停止されると、クリア信号解除時間の計時を開始する。
ステップS362に続けて、再びステップS334に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、ステップS338で1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS340で外部WDT1710cに外部WDTクリア信号を出力(ON)し、ステップS342でポート出力処理を行い、ステップS344でポート入力処理を行い、ステップS346でタイマ更新処理を行い、ステップS348でCR通信処理を行い、ステップS350で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS352でコマンド受信処理を行い、ステップS354でコマンド解析処理を行い、ステップS356で主要動作設定処理を行い、ステップS358でLED表示データ作成処理を行い、ステップS360でコマンド送信処理を行い、ステップS362で外部WDT1710cに外部WDTクリア信号の出力を停止(OFF)し、ステップS334〜ステップS362を繰り返し行う。なお、このステップS334〜ステップS362の処理を「払出制御側メイン処理」という。
主制御基板1700による遊技の進行に応じて払出制御側メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU1710aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU1710aは、ステップS342のポート出力処理において、払出モータ465への駆動信号を出力する(切換える)ことにより、変動する他の処理の影響を受けない安定した駆動信号を払出モータ465に与える。主制御基板1700からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1700に出力している。これにより、払出制御MPU1710aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS334で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS364)。この設定により後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。ステップS364に続いて、払出モータ465への駆動信号の出力を停止する(ステップS366)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。ステップS366に続いて、外部WDT1710cに外部WDTクリア信号を出力してその出力を停止する(ON/OFFする、ステップS368)。これにより、外部WDT1710cをクリアする。ステップS368に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS370)。このチェックサムは、ステップS318で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS370に続いて、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS372)。これにより払出バックアップ情報の記憶が完了する。ステップS372に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS374)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込みができなくなり、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。ステップS374に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、外部WDT1710cにクリア信号をON/OFFしない。このため、外部WDT1710cは、払出制御MPU1710a及び払出制御I/Oポート1710bにリセット信号を出力してリセットをかける。その後払出制御MPU1710aは、この払出制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS364〜ステップS374の処理及び無限ループを「払出制御側電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(払出制御MPU1710a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS320では払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS322では払出制御側電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[11−2.払出制御側タイマ割り込み処理]
次に、払出制御側タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御側タイマ割り込み処理は、図32〜図34に示した払出制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、1.75ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御側タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図35に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS380)。ここでは、上述した払出制御側メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御側タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS380に続いて、1.75ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS382)。この1.75経過フラグHT−FLGは、この払出制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり1.75msごとに1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS382に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS384)。この復帰は、ステップS380でスタックに積んで退避した内容を読み出してレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS384に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS386)、このルーチンを終了する。
[11−3.球抜きスイッチ操作判定処理]
次に、球抜きスイッチ操作判定処理について説明する。この球抜きスイッチ操作判定処理では、図11に示した球抜きスイッチ1732が操作されているか否かを判定する。
球抜きスイッチ操作判定処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図36に示すように、球抜きスイッチ1732が操作されているか否かを判定する(ステップS390)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理で球抜きスイッチ1732からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS390では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して球抜きスイッチ1732からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に球抜きスイッチ1732からの検出信号があるときには、球抜きスイッチ1732が操作されていると判定する。一方、入力情報に球抜きスイッチ1732からの検出信号がないときには、球抜きスイッチ1732が操作されていないと判定する。
ステップS390で球抜きスイッチ1732が操作されているときには、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットする(ステップS392)。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS392に続いて、上述した球抜き判定時間を有効に設定し(ステップS394)、このルーチンを終了する。この球抜き判定時間が有効になることによって、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS346のタイマ更新処理で球抜き判定時間の減算が行われる。
一方、ステップS390で球抜きスイッチ1732が操作されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS392でセットされた球抜きフラグRMV−FLGは、払出制御MPU1710aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
[11−4.回転角スイッチ履歴作成処理]
次に、回転角スイッチ履歴作成処理について作成する。この回転角スイッチ履歴作成処理では、図11に示した回転角スイッチ505からの検出信号の履歴を作成する。
回転角スイッチ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図37に示すように、払出内蔵RAMから回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS400)。この回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有しており、回転角スイッチ505からの検出信号の履歴を回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTとして払出内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS400では、この回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS400に続いて、回転角スイッチ505からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS402)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理で回転角スイッチ505からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS402では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ505からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転角スイッチ505からの検出信号があるときには、上述した、スプロケット457の回転位置を把握する検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転角スイッチ505からの検出信号がないときには、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS402で検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、ステップS400で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS404)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS402で検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、ステップS400で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS406)、このルーチンを終了する。
このように、この回転角スイッチ履歴作成処理が行われるごとに、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転角スイッチ505からの検出信号の履歴を作成することができる。
[11−5.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、上述したスプロケット457が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、スプロケット457の定位置判定は、賞球ユニット450による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ465のモータ軸の回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図38に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS410)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、スプロケット457の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、スプロケット457の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、スプロケット457の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS410で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるとき(スキップしないとき)、つまりスプロケット457の定位置判定を行うときには、払出内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS412)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS414)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はバイナリィを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS414の判定では、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図11に示した払出モータ465が4ステップ回転している。払出モータ465の回転は、第1ギヤ、第2ギヤ、第3ギヤ、検出円盤のギヤ部を介してスプロケット457の回転となる。これらの第1ギヤ、第2ギヤ、第3ギヤ、検出円盤500のギヤ部には遊び(バックラッシュ)があるため、スプロケット457は定位置で停止していても上述した回転軸458を中心としてバックラッシュの分だけ時計方向又は反時計方向に回転することとなる。
このバックラッシュによるスプロケット457の回転は、上述したように、払出モータ465の約2ステップの回転に相当する。このため、本実施形態では、スプロケット457の定位置判定を行う場合には、回転角スイッチ505からの検出信号の履歴、図37で示した回転角スイッチ履歴作成処理で回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生による回転角スイッチ505からの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ465が4ステップ回転しているため、バックラッシュによるスプロケット457の回転より多く回転しており、バックラッシュによるスプロケット457の回転を吸収することができる。したがって、バックラッシュによるスプロケット457の定位置の誤検出を防ぐことができるため、スプロケット457の回転位置を払出モータ465の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は7ms(=1.75ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS414で、ステップS412で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS416)。これにより、スプロケット457の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU1710aは、ステップS416におけるスプロケット457の回転位置をスプロケット457の定位置に設定する。
ステップS416に続いて、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS418)、このルーチンを終了する。ここで、上述した、検出切欠501は、スプロケット457の凹部と同じ数の3個であり、検出円盤500の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ465の回転は、上述したように、第1ギヤ493、第2ギヤ494、第3ギヤ497、検出円盤500のギヤ部502を介してスプロケット457の回転となる。このため、検出円盤500(スプロケット457)の各検出切欠501間(120度)の回転は、払出モータ465の18ステップの回転に相当する。
払出制御MPU1710aは、スプロケット457の回転位置を払出モータ465のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ465の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ465の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ465の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で検出円盤500の各検出切欠501間(120度)の回転位置、つまりスプロケット457の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ465の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、スキップ判定時間が22.75ms(=1.75ms×13ステップ)となる。
ステップS418でスキップ判定時間が有効になることによって、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS346のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU1710aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS410で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまりスプロケット457の定位置判定を行わないときには、又はステップS414で、ステップS412で読み出した回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS416でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU1710aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、上述したように、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留され、球通路ユニット420に取り込まれ、賞球ユニット450に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット450はノイズの影響を受けやすり環境下にある。上述したように、賞球ユニット450のセンサ基板504には回転角スイッチ505が設けられており、この回転角スイッチ505からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、払出制御基板715の賞球ユニット用端子717と賞球ユニット750(賞球ユニット内中継端子板480)の払出制御基板用コネクタとを接続する配線(ハーネス)も遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、スプロケット457の定位置判定を行わないようにしている。これにより、スプロケット457の定位置判定の精度を高めている。なお、スプロケット457の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[11−6.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、上述したスプロケット457による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図39に示すように、払出内蔵RAMの回転角スイッチ履歴情報記憶領域から回転角スイッチ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS420)。
ステップS420に続いて、上述した回転角スイッチ505からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS422)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理で回転角スイッチ505からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS422では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ505からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転角スイッチ505からの検出信号があるときには、上述した、スプロケット457の回転位置を把握する検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転角スイッチ505からの検出信号がないときには、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS422で検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、球がみ判定中フラグVAL−FLGに値0をセットし(ステップS424)、このルーチンを終了する。この球がみ判定中フラグは、スプロケット457による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、球がみ状態が生じているとき値1、球がみ状態が生じていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS424では、検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまりスプロケット457が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして球がみ判定中フラグVAL−FLGに値0をセットしている。
一方、ステップS422で検出切欠501が回転角スイッチ505の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移していない状態であるときには、球がみ状態が生じているとして球がみ判定中フラグVAL−FLGに値1をセットし(ステップS426)、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS428)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS346のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
なお、ステップS424及びステップS426でセットされた球がみ判定中フラグVAL−FLGは、払出制御MPU1710aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
[11−7.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板1700からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニットからの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。
なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が上述した賞球ユニット450で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理が行われるように設定されている。
[11−7−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図40に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS430)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS354のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。
具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS430では、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS430で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS432)。
この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明は後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS432に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS434)。この賞球ストック数PBSは、賞球ユニット450で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、0〜65535個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。
ステップS434で読み出した賞球ストック数PBSにステップS432で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS436)、このルーチンを終了する。なお、ステップS436で加算したあと、ステップS430で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
一方、ステップS430で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−7−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図41に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS440)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理でCRユニットからの貸球要求信号に基づいて行う。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS440では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS440で貸球要求信号があるときには、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS442)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS444)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS444で加算したあと、ステップS440で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)。このため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。したがって、賞球ストックPBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
一方、ステップS440で貸球要求信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−8.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に上述した満タンユニット520に遊技球を満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図42に示すように、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS450)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS452)。注意的しきい値THは、本実施形態では値50に設定されている。
ステップS452で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、注意フラグCA−FLGに値1をセットする(ステップS454)。この注意フラグCA−FLGは、遊技者が満タンユニット520に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS452で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS456)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして図11に示した液晶表示器1315で繰り広げられる演出に見入ったり、上述した、上あご可動体及び下あご可動体の可動による演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、上述した、貯留皿30から球排出ボタン30aを操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、貯留皿30が遊技球で満タンとなり、そして満タンユニット520に遊技球が溜まり出す。満タンユニット520が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、その詳細な説明は後述するが、注意演出として図11に示した扉枠装飾ランプ5gが点滅する。この扉枠装飾ランプ5gの点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に貯留皿30から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は貯留皿30(満タンユニット520)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値TH1は、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[11−9.払出球抜き判定設定処理]
次に、払出球抜き判定設定処理について説明する。この払出球抜き判定設定処理は、図11に示した払出モータ465で遊技球を、上述した貯留皿30に払い出すか、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球をパチンコ遊技機1から排出するか、又はこのような払い出しや排出を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球抜き判定設定処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図43に示すように、球抜きフラグRMV−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS480)。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS480の判定は、図36に示した球抜きスイッチ操作判定処理におけるステップS390の判定結果に基づいて行う。つまり、図11に示した球抜きスイッチ1732からの操作信号(検出信号)が入力されると、球抜きスイッチ操作判定処理におけるステップS392で球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットする。
ステップS480で球抜きフラグRMV−FLGが値1であるとき、つまり賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出するときには、後述する球抜き設定処理を行い(ステップS482)、このルーチンを終了する。これにより、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球が排出される。
このように、電源投入後に球抜きスイッチ1732を操作すると、この払出球抜き判定設定処理のステップS482で球抜き設定処理を行うこととなり、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出することができるようになっている。この排出を終了すると、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
一方、ステップS480で球抜きフラグRMV−FLGが値0であるとき、つまり賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出しないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しや排出が行われない。
[11−9−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、図11に示した払出モータ465を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理ある。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図44に示すように、駆動指令数DRVを払出内蔵RAMから読み出す(ステップS490)。この駆動指令数DRVは、払出モータ465で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。
ステップS490に続いて、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS492)。この判定は、払出モータ465で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定する。
ステップS492で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ465で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出モータ465への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS494)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS494に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS496)、実球計数PBを読み出す(ステップS498)。この実球計数PBは、払出モータ465が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明は後述するが、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理で図11に示した計数スイッチ462からの検出信号に基づいて行う。
ステップS498に続いて、ステップS496で読み出した賞球ストック数PBSからステップS498で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS500)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS502)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS502では、ステップS496で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS492で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ465で払い出す遊技球の球数があるときには、払出モータ465への駆動信号の出力を設定する(ステップS504)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を出力する駆動情報を設定して出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS504に続いて、球がみ判定中フラグVAL−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS506)。この球がみ判定中フラグVAL−FLGは、上述したように、スプロケット457による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、球がみ状態が生じているとき値1、球がみ状態が生じていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS506で球がみ判定中フラグVAL−FLGが値0であるとき、つまり球がみ状態が生じていないときには、駆動指令数DRVに値1だけ引き(デクリメントし、ステップS508)、計数スイッチ462からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS510)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS344のポート入力処理で計数スイッチ462からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS510では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ462からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS510で計数スイッチ462からの検出信号があるときには、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS512)、このルーチンを終了する。ステップS512で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。一方、ステップS510で計数スイッチ462からの検出信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS506で球がみ判定中フラグVAL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり球がみ状態が生じているときには、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS514)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS346のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行う。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS514では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球がみ判定時間中には払出モータ465は、球がみ動作を行う。この球がみ動作は、上述した、賞球ユニット450のスプロケット457による球がみ状態を解消するために行う。
ステップS514で球がみ判定時間が経過していないときには、球がみ動作を行うよう払出モータ465への駆動信号の出力を設定する(ステップS516)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS516に続いて、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットし(ステップS518)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出モータ465による球がみ動作を行っているとき(球がみ動作中)値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS514で球がみ判定時間が経過したときには、球がみ動作を終了するよう払出モータ465への駆動信号の停止を設定する(ステップS520)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS520に続いて、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS522)、このルーチンを終了する。
[11−9−2.球抜き設定処理]
次に、球抜き設定処理について説明する。この球抜き設定処理では、図11に示した払出モータ465を駆動して、上述した、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出する。
球抜き設定処理が開始されると、払出制御基板715の払出制御MPU1710aは、図45に示すように、球抜き判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS530)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS346のタイマ更新処理で更新された球抜き判定時間に基づいて行う。
具体的には、その球抜き判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS530では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球抜き判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球抜き判定時間中には払出モータ465は、球抜き動作を行う。この球抜き動作は、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出するために行う。
ステップS530で球抜き判定時間が経過していないときには、球抜き動作を行うよう払出モータ465への駆動信号の出力を設定する(ステップS536)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
一方、ステップS530で球抜き判定時間が経過したときには、球抜き動作を終了するよう払出モータ465への駆動信号の停止を設定する(ステップS532)。この設定では、払出モータ465に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS532に続いて、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットし(ステップS534)、このルーチンを終了する。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、賞球タンク400及びタンクレール部材410に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定される。
[12.払い出し関する各種コマンド等]
次に、払い出し関する各種コマンド等について説明する。まず、図11に示した、主制御基板1700から払出制御基板715に送信する払い出しに関するコマンド(賞球コマンド)について説明し、続いて払出制御基板715から主制御基板1700に送信するパチンコ遊技機1の状態コマンド、この状態コマンドを整形した整形状態コマンドについて説明する。図46は払い出しに関するコマンドの一例を示す賞球数情報テーブルであり、図47は状態コマンドの一例を示すテーブルであり、図48は状態コマンドを整形した整形状態コマンドの一例を示すテーブルである。
[12−1.賞球コマンド]
賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、主制御基板1700から払出制御基板715に送信する払い出しに関するコマンドである。本実施形態のように、パチンコ遊技機1にCRユニット(パチンコ遊技機と通信して、パチンコ遊技機に供給する遊技球を、パチンコ遊技機(賞球ユニット)の払出モータを駆動して貯留皿に貸球として払い出す装置(「CR機」という。))が接続されている場合には、図46(a)に示すように、主制御基板1700から払出制御基板715に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板715は、図11に示した払出モータ465を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1に図示しない貸球機(遊技球を貯留皿に貸球として直接払い出す装置(「一般機」という。))が隣接して設けられている場合には、図46(b)に示すように、主制御基板1700から一般機に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、一般機は遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図46(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。
送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。
[12−2.状態コマンド]
状態コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、払出制御基板715から主制御基板1700に送信するコマンドである。状態コマンドには、図47に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2に区分されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、枠状態1である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビには、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライ上限エラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライ上限エラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図11に示した計数スイッチ462の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライ上限エラー」とは、つじつまの合わない払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。なお、状態コマンドのうち、エラー解除ナビである旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2には、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、枠状態2である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
[12−3.整形状態コマンド]
図11に示した、主制御基板1700の主制御MPU1700aは、図11に示したサブ統合基板1740に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、この2バイトのち、1バイト(8ビット)の記憶容量をコマンドの種類を示すステータスとして用い、そして残りの1バイト(8ビット)の記憶容量を演出のバリエーションを示すモードとして用いている。
主制御MPU1700aは、払出制御基板715から上述した状態コマンドを受信すると、図48に示すように、付加情報である「10000001B(=81H)」をステータスに設定するとともに、受信した状態コマンドをモードに設定して2バイト(16ビット)の記憶容量を有する整形状態コマンドに整形する。この整形状態コマンドは、図27に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92のサブ統合基板コマンド送信処理の一処理として行われ、サブ統合基板1740に送信される。なお、整形状態コマンドの詳細な説明は、上述した状態コマンドの内容と同一であるためその説明を省略する。
[13.サブ統合基板の各種制御処理]
次に、図11に示した、主制御基板1700(主制御MPU1700a)から各種コマンドを受信するサブ統合基板1740(サブ統合MPU1740a)の各種処理について説明する。まず、サブ統合側リセット処理について説明し、続いてサブ統合側タイマ割り込み処理、コマンド受信割り込み処理、コマンド受信終了割り込み処理、ストック報知処理、球抜き報知処理について説明する。図49はサブ統合側リセット処理の一例を示すフローチャートであり、図50はサブ統合側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図51はコマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図52はコマンド受信終了割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図53はストック報知処理の一例を示すフローチャートであり、図54は球抜き報知処理の一例を示すフローチャートである。なお、ストック報知処理及び球抜き報知処理は、後述するサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理の一処理として行われる。
また、コマンド受信割り込み処理、コマンド受信終了割り込み処理、サブ統合側タイマ割り込み処理、そして16ms定常処理の順番で優先順位が設定されている。
[13−1.サブ統合側リセット処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図49に示すように、サブ統合側リセット処理を行う。このサブ統合側リセット処理が開始されると、サブ統合MPU1740aは、初期設定処理を行う(ステップS700)。この初期設定処理は、サブ統合MPU1740aを初期化する処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。なお、この初期設定処理中では割り込み禁止となっており、初期設定処理のあと割り込み許可となる。
ステップS700に続いて、16ms経過フラグST−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS702)。この16ms経過フラグST−FLGは、後述する2msタイマ割り込み処理で16msを計時するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS702で16ms経過フラグST−FLGが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグST−FLGに値0をセットし(ステップS704)、16ms処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS706)。
この16ms処理中フラグSP−FLGは、後述する16ms定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS706に続いて、16ms定常処理を行う(ステップS708)。この16ms定常処理は、主制御基板1700から送信された送信情報から各種コマンドを解析するコマンド解析処理と、図11に示した、演出ランプ1230,1570の点灯制御及び階調ランプ1240の階調制御を行うランプ処理や16ms定常処理が行われているか監視するウォッチドッグタイマ処理の他に、図11に示した、上あご可動装置1770及び下あご可動装置1780の駆動パターンをスケジューラにセットする処理等を行う。
ステップS708に続いて、16ms処理中フラグSP−FLGに値0(16ms定常処理の終了)をセットし(ステップS710)、再びステップS702に戻り、16ms経過フラグST−FLGが値0であるか否かを判定し、この16ms経過フラグST−FLGが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、ステップS704で16ms経過フラグST−FLGに値0をセットし、ステップS706で16ms処理中フラグSP−FLGに値1をセットし、ステップS708で16ms定常処理を行い、ステップS710で16ms処理中フラグSP−FLGに値0をセットし、ステップS704〜ステップS710を繰り返し行う。
一方、ステップS702で16ms経過フラグST−FLGが値1でない(16ms経過フラグST−FLGが値0)とき、つまり16ms経過していないときには、16ms経過フラグST−FLGが値1になるまで、つまり16ms経過するまで待機する。
パチンコ遊技機1(サブ統合MPU1740a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧によりサブ統合側リセット処理を行う。
[13−2.サブ統合側タイマ割り込み処理]
次に、サブ統合側タイマ割り込み処理について説明する。このサブ統合側タイマ割り込み処理が開始されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図50に示すように、2msタイマ割り込み処理を行う(ステップS720)。この2msタイマ割り込み処理は、例えば、図49に示したサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理で設定された、図11に示した、上あご可動装置1770及び下あご可動装置1780の駆動パターン(スケジューラ)に基づいて上あご可動装置1770及び下あご可動装置1780の駆動処理等を行う。
ステップS720に続いて、2ms更新カウンタCに値1を加算する(ステップS722)。この2ms更新カウンタCは、このサブ統合側タイマ割り込み処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、2ms更新カウンタCの値1は2msの時間に相当する。
ステップS722に続いて、2ms更新カウンタCが値8、つまり16ms(=2ms更新カウンタC×2ms)であるか否かを判定する(ステップS724)。ステップS724で16msであるときには、16ms経過フラグST−FLGに値1をセットし(ステップS726)、16ms処理中フラグSP−FLGが値0、つまり図49に示したサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理を行っているか否かを判定する(ステップS728)。
ステップS728で16ms処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり16ms定常処理を行っていないときには、作業領域のバックアップを行い(ステップS730)、このルーチンを終了する。この作業領域のバックアップは、図49に示したサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理で処理した情報を作業領域上のコピー領域にコピーする。
一方、ステップS724で16ms経過していないとき又はステップS728で16ms定常処理中に情報の設定がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。
[13−3.コマンド受信割り込み処理]
次に、コマンド受信割り込み処理について説明する。このコマンド受信割り込み処理が開始されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図51に示すように、主制御基板1700からのコマンドを受信開始する信号(以下、「WR信号」という。)と、主制御基板1700からの各種基板をセレクトする信号(以下、「SEL信号」という。)と、がともに値1であるか否かを判定する(ステップS740)。主制御基板1700の主制御MPU1700aは、まずサブ統合基板1740に対応するSEL信号を値1、そしてWR信号を値1にそれぞれセットしてサブ統合基板1740にコマンドを送信する。
このコマンドは、1パケット4ニブルにより構成されている。この「ニブル」とは、4ビットを意味し、2ニブルでは8ビット(1バイト)、つまり4ニブルでは16ビット(2バイト)となる。1ニブルのデータの抽出は、WR信号が値0から値1に立ち上がって(「アップエッジ」という。)、所定時間(例えば、20マイクロ秒(μs)〜50μs)保持された後、WR信号が値1から値0に立ち下がる(「ダウンエッジ」という。)ことによって行い、1パケットでは合計4回行う。
ステップS740でWR信号及びSEL信号がともに値1であるとき、つまり主制御MPU1700aがサブ統合基板1740にコマンドを送信するときには、コマンド受信処理を行い(ステップS742)、このルーチンを終了する。このコマンド受信処理は、受信した1ニブル分のコマンド(4分割されたコマンドのうち1つ)をサブ統合MPU1740aに内蔵されたRAM(以下、「サブ統合内蔵RAM」と記載する。)のリングバッファに記憶する。この「リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。
リングバッファに記憶したあと、続いてバッファライトカウンタを値1だけ加算する。
このバッファライトカウンタは、コマンド受信処理を行うごとに値1ずつ加算する。このため、1パケット(4ニブル)を記憶するとバッファライトカウンタは値4になる。
一方、ステップS740でSEL信号及びWR信号がともに値0であるとき、つまり主制御MPU1700aがサブ統合基板1740にコマンドを送信しないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、主制御基板1700からサブ統合基板1740へのコマンド送信時には、上述したようにWR信号のアップエッジからダウンエッジまでの所定時間(例えば、20μs〜50μs)、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)が一定に保持されているが、ノイズの影響により信号が乱れ、コマンドを正常に受信できないおそれがある。そこで、このノイズ対策として、サブ統合MPU1740aは、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信する。そして、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているか否かを判定する。
1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているときには、ステップS740でWR信号及びSEL信号がともに値1であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信し、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致するまで判定を繰り返し行う。
[13−4.コマンド受信終了割り込み処理]
次に、コマンド受信終了割込み処理について説明する。このコマンド受信終了割り込み処理が開始されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図52に示すように、WR信号及びSEL信号がともに値0であるか否かを判定する(ステップS750)。主制御基板1700の主制御MPU1700aは、サブ統合基板1740にコマンドの送信を完了すると、WR信号に値0をセットした後、SEL信号を値0にセットする(ダウンエッジ)。
ステップS750でWR信号及びSEL信号がともに値0であるとき、つまり主制御MPU1700aがサブ統合基板1740にコマンドの送信を完了したときには、コマンド受信終了処理を行い(ステップS752)、このルーチンを終了する。このコマンド受信終了処理は、図51に示したコマンド受信割り込み処理で加算されたバッファライトカウンタに値0をセットする。コマンドを正常に受信できたときには、1パケット4ニブルであるため、バッファライトカウンタは値4となる。また、1パケット分の受信を行えなかったとき、つまりバッファライトカウンタが値4未満のときには、受信したコマンドを破棄する。
一方、ステップS750でWR信号及びSEL信号がともに値0でないとき、つまり主制御MPU1700aがサブ統合基板1740にコマンドの送信を完了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、上述したように、ノイズ対策として、サブ統合MPU1740aは、SEL信号を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号と一致しているときには、ステップS750でWR信号及びSEL信号がともに値0であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致するまで判定を繰り返し行う。
[13−5.ストック報知処理]
次に、ストック報知処理について説明する。このストック報知処理が開始されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図53に示すように、50個以上のストック中であるか否かを判定する(ステップS760)。この判定は、図49に示したサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理で主制御基板1700から送信された送信情報から各種コマンドを解析し、解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、解析したコマンドが枠状態1を示す状態コマンドであるか否かを判定(ステータス:81H、モード:B7,B6=値0、B5=値1)し、枠状態1を示す状態コマンドであるときには、図48に示したモード、つまり枠状態1を示す状態コマンドのビットB2に値1がセットされているか否かを判定する。
ステップS760で50個以上のストック中でないとき、つまり枠状態1を示す状態コマンドのビットB2に値1がセットされていない(値0がセットされている)ときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS760で50個以上のストック中であるとき、つまり枠状態1を示す状態コマンドのビットB2に値1がセットされているときには、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えるために注意演出として図11に示した扉枠装飾ランプ5gの点滅制御を行い(ステップS762)、このルーチンを終了する。この点滅制御は、扉枠装飾ランプ5gにON/OFF信号を出力することにより行い、扉枠装飾ランプ5gが点滅する。なお、ストック状態が50個未満になると、払出制御基板715から主制御基板1700を介してサブ統合基板1740に状態コマンドが出力される。サブ統合基板1740は、解析した状態コマンドに基づいて(状態コマンドのビットB2に値0がセットされているか否かを判定する。)扉枠装飾ランプ5gへのON/OFF信号の出力を停止する。
ここで、上述したように、遊技者は、遊技状態が大当りとなると、うっかりして50個程度であれば、上述した、貯留皿30から球排出ボタン30aを操作して遊技球を抜かないことがある。このように、遊技球を抜かないでいると、未払い出しの球数(上述した賞球ストック数PBS)が増加して注意演出が行われることとなる。そうすると、例えば遊技状態が大当りとなるごとに、うっかりしていると、注意演出が行われることとなり、せっかくの大当りというリラックスした状態にあるにもかかわらず、遊技者にいらだちを感じさせてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、注意演出として50個以上のストック中である旨をホールの店員に報知するために扉枠装飾ランプ5gの点滅に留めている。
[13−6.球抜き報知処理]
次に、球抜き報知処理について説明する。この球抜き報知処理が開始されると、サブ統合基板1740のサブ統合MPU1740aは、図54に示すように、球抜き中であるか否かを判定する(ステップS770)。この判定は、図49に示したサブ統合側リセット処理におけるステップS708の16ms定常処理で主制御基板1700から送信された送信情報から各種コマンドを解析し、解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、解析したコマンドが枠状態2を示す状態コマンドであるか否かを判定(ステータス:81H、モード:B7=値0、B6,B5=値1)し、枠状態2を示す状態コマンドがあるときには、図48に示したモード、つまり枠状態2を示す状態コマンドのビットB0に値1がセットされているか否かを判定する。
ステップS770で球抜き中でないとき、つまり枠状態2を示す状態コマンドのビットB0に値1がセットされていない(値0がセットされている)ときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS770で球抜き中であるとき、つまり枠状態2を示す状態コマンドのビットB0に値1がセットされているときには、図11に示した扉枠装飾ランプ5g,5hの点滅制御を行い(ステップS772)、このルーチンを終了する。
この点滅制御は、扉枠装飾ランプ5g,5hにON/OFF信号を出力することにより行い、扉枠装飾ランプ5g,5hが点滅する。なお、球抜きの終了を契機に、払出制御基板715から主制御基板1700を介してサブ統合基板1740に状態コマンドが出力される。サブ統合基板1740は、解析した状態コマンドに基づいて(状態コマンドのビットB0に値0がセットされているか否かを判定する。)扉枠装飾ランプ5g,5hへのON/OFF信号の出力を停止する。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技盤4、主制御基板1700を備えている。遊技盤4は、遊技球が打球発射装置300により打ち込まれて流下する遊技領域255と、この遊技領域255の外部に位置する非遊技領域(飾り枠251)とを有している。主制御基板1700は、遊技盤4の裏面に取り付けられ、かつ、遊技の進行を制御するマイクロプロセッサである主制御MPU1700aが実装されている。
遊技盤4は、少なくとも、機能表示基板1225aを備えている。機能表示基板1225aは、主制御基板1700の主制御MPU1700aにより駆動制御されて各種機能表示を行うセグメント表示器SEG1,SEG2及びLED1〜LED12が集約されて実装され、かつ、非遊技領域である飾り枠251に配置されており、その位置が固定されている。遊技盤4の前面には、その機能表示基板1225aと対応する位置(機能表示シール貼付部251c)に、パチンコ遊技機1の仕様に応じて各種機能表示部が印刷された機能表示シール1595Aが貼り付けられている。これにより、遊技の進行に基づく各種機能表示を一目して分かり、パチンコ遊技機の仕様が異なっても、機能表示シール1595Aの位置が変わることがない。
各種機能表示は、上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560、から構成されている。上特別図柄表示器1480は遊技領域255に設けられた上始動入賞口1330に遊技球が入球して大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示し、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bは遊技領域255に設けられた上始動入賞口1330に遊技球が入球して上特別図柄表示器1480で特別図柄が変動表示されないときに遊技球の球数を保留数として表示する。下特別図柄表示器1490は遊技領域255に設けられた下始動入賞口1340に遊技球が入球して大当り遊技状態の発生の有無を所定の特別図柄として変動表示し、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bは遊技領域255に設けられた下始動入賞口1340に遊技球が入球して下特別図柄表示器1490で特別図柄が変動表示されないときに遊技球の球数を保留数として表示する。
普通図柄表示器1520は遊技領域255に設けられたゲート1290に遊技球が通過して開閉翼1380の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dは遊技領域255に設けられたゲート1290に遊技球が入球して普通図柄表示器1520で普通図柄が変動表示されないときに遊技球の球数を保留数として表示する。遊技状態表示ランプ1540は遊技状態として確率変動が生じているか否かを表示し、2ラウンド表示ランプ1550は遊技領域255に設けられた大入賞口1400に遊技球が入球することができない状態から入球しやすい状態となる最大回数が2回である旨を表示し、15ラウンド表示ランプ1560は遊技領域255に設けられた大入賞口1400に遊技球が入球することができない状態から入球しやすい状態となる最大回数が15回である旨を表示する。
セグメント表示器SEG1,SEG2は上特別図柄表示器1480及び下特別図柄表示器1490に割り当てられている。LED1〜LED12は、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500b、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510b、普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530d、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560に割り当てられており、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dに割り当てられるLED6〜LED9の数と、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和がパチンコ遊技機の仕様に依存しない固定値である値6となっている。
機能表示シール1595Aは、その表面に、グループGrp1が上特別図柄表示器1480及び上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成されて実線SL1で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp2が下特別図柄表示器1490及び下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成されて実線SL2で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp3が普通図柄表示器1520及び前記普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dから構成されて実線SL3で囲まれた状態で区画されて印刷されている。また機能表示シール1595Aは、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置に、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が実線SL4〜SL6で囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール1595Aの表面には、グループGrp1〜グループGrp3がそれぞれ実線SL1〜SL3で囲まれた状態で区画されて印刷され、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置に、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が実線SL4〜SL6で囲まれた状態で区画されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である飾り枠251に固定された機能表示基板1225aと対応する位置にその機能表示シール1595Aが貼り付けられている。このため、パチンコ遊技機1の仕様が異なっても、機能表示シール1595Aを貼り付ける位置が変わらない。これにより、遊技者やホールの店員等は、パチンコ遊技機1の仕様が異なっても、機能表示シール1595Aの場所を容易に発見することができ、また機能表示シール1595Aを目視することによって、グループGrp1〜グループGrp3、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560が実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて印刷されていることを容易に確認することができる。したがって、パチンコ遊技機の仕様が異なっても、遊技者やホールの店員等に戸惑いを与えにくい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、機能表示シール1595Aの表面に機能ごとに、グループGrp1が上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成され、グループGrp2が下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成され、グループGrp3が普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dから構成されていたが、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動入賞口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ遊技機の仕様変更に応じて機能表示シールに印刷する内容を変更してもよい。図55はパチンコ遊技機の仕様変更に対応する機能表示シールの概略図である。
図55(a)に示す機能表示シール1595Bでは、パチンコ遊技機の仕様が2つの特別図柄を変動表示するものである。グループGrp1が上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成されて実線SL1で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp2が下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成されて実線SL2で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp3が普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530cから構成されて実線SL3で囲まれた状態で区画されて印刷されている。また、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560に加えて、ラウンド数が8回である旨を点灯して報知する8ラウンド表示ランプ1562が追加されている。遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560及び8ラウンド表示ランプ1562は、視認できる実線SL4〜SL7でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL7で囲まれた領域は、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560及び8ラウンド表示ランプ1562による点灯を視認できるように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560及び8ラウンド表示ランプ1562と対応する位置が透明となっている。また2ラウンド表示ランプ1550と対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷され、8ラウンド表示ランプ1562と対応する位置にはラウンドの最大回数である値8が印刷されている。
この場合、図9に示したように、LED9には2ラウンド表示ランプ1550が割り当てられ、LED11には8ラウンド表示ランプ1562が割り当てられ、その他、セグメント表示器SEG1,SEG2及びLED1〜LED8,LED10,LED12等は機能表示シール1595Aと同一に割り当てられている。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷されたグループGrp1を目視することによって上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷されたグループGrp2を目視することによって下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷された遊技状態表示ランプ1540を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷された2ラウンド表示ランプ1550を目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷された15ラウンド表示ランプ1560を目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL7で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Bに印刷された8ラウンド表示ランプ1562を目視することによってラウンドの最大回数が8回であるか否かを容易に確認することができる。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と印刷された内容との対応関係が、シール管理番号1595Baとして機能表示シール1595Bに印刷されている。
図55(b)に示す機能表示シール1595Cでは、パチンコ遊技機の仕様が2つの特別図柄を変動表示するものである。グループGrp1が上特別図柄表示器1480、上特別図柄記憶ランプ1500a,1500bから構成されて実線SL1で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp2が下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bから構成されて実線SL2で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp3が普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a,1530bから構成されて実線SL3で囲まれた状態で区画されて印刷されている。また、大入賞口1400が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560に加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプ1564、8ラウンド表示ランプ1562が追加されている。遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560、8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564は、視認できる実線SL4〜SL8でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL8で囲まれた領域は、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560、8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564による点灯を視認できるように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560、8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564と対応する位置が透明となっている。また2ラウンド表示ランプ1550と対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷され、8ラウンド表示ランプ1562と対応する位置にはラウンドの最大回数である値8が印刷され、5ラウンド表示ランプ1564と対応する位置にはラウンドの最大回数である値5が印刷されている。
この場合、図9に示したように、LED8には2ラウンド表示ランプ1550が割り当てられ、LED9には5ラウンド表示ランプ1564が割り当てられ、LED11には8ラウンド表示ランプ1562が割り当てられ、その他、セグメント表示器SEG1,SEG2及びLED1〜LED7,LED10,LED12等は機能表示シール1595Aと同一に割り当てられている。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷されたグループGrp1を目視することによって上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷されたグループGrp2を目視することによって下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷された遊技状態表示ランプ1540を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷された2ラウンド表示ランプ1550を目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷された15ラウンド表示ランプ1560を目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL7で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷された8ラウンド表示ランプ1562を目視することによってラウンドの最大回数が8回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL8で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Cに印刷された5ラウンド表示ランプ1564を目視することによってラウンドの最大回数が5回であるか否かを容易に確認することができる。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と印刷された内容との対応関係が、シール管理番号1595Caとして機能表示シール1595Cに印刷されている。
このように、パチンコ遊技機の仕様が2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560のほかに8ラウンド表示ランプ1562が増え、各種ラウンド表示ランプの数が3個であるときには普通図柄記憶ランプの数1530a〜1530cが3個(=固定値(6)−各種ラウンド表示ランプの数(3))となり、パチンコ遊技機の仕様が2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560のほかに8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564が増え、各種ラウンド表示ランプの数が4個であるときには普通図柄記憶ランプ1530a,1530bの数が2個(=固定値(6)−各種ラウンド表示ランプの数(4))となる。このようなパチンコ遊技機の仕様が異なった場合には、それぞれ表示機能の異なる、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dと、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560等の各種ラウンド表示ランプと、の数を調整することによって対応することができる。
図55(a),(b)に示した、機能表示シール1595B,1595Cでは、特に普通図柄記憶ランプ1530a〜1530c、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560、8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564、が1列に配置され、かつ、2ラウンド表示ランプ1550、15ラウンド表示ランプ1560、8ラウンド表示ランプ1562及び5ラウンド表示ランプ1564、に対応する位置にはラウンドの最大回数がそれぞれ印刷されているため、普通図柄記憶ランプの数が増減してもその点灯態様が、分かりにくくならない。これにより、ラウンドの最大回数の異なるパチンコ遊技機の仕様に対応することができる。
図55(c)に示す機能表示シール1595Dでは、パチンコ遊技機の仕様が1つの特別図柄を変動表示するものであり、図8に示した上始動入賞口1330がなく、下始動入賞口1340が1つだけあるものである。グループGrp1が下特別図柄表示器1490、下特別図柄記憶ランプ1510a〜1510dから構成されて実線SL1で囲まれた状態で区画されて印刷され、グループGrp3が普通図柄表示器1520、普通図柄記憶ランプ1530a〜1530dから構成されて実線SL3で囲まれた状態で区画されて印刷されており、機能表示シール1595AのグループGrp2が含まれていない構成となっている。遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560は、視認できる実線SL4〜SL6でそれぞれ囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560による点灯を視認できるように、遊技状態表示ランプ1540、2ラウンド表示ランプ1550及び15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置が透明となっている。また2ラウンド表示ランプ1550と対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ1560と対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷されている。
この場合、図9に示したように、セグメント表示器SEG1,SEG2には下特別図柄表示器1490が割り付けられ、LED3には下特別図柄記憶ランプ1510c、LED4には下特別図柄記憶ランプ1510dがそれぞれ割り当てられ、その他、LED1,LED2,LED5〜LED12等は機能表示シール1595Aと同一に割り当てられている。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Dに印刷されたグループGrp1を目視することによって下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Dに印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができ、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Dに印刷された遊技状態表示ランプ1540を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Dに印刷された2ラウンド表示ランプ1550を目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール1595Dに印刷された15ラウンド表示ランプ1560を目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と印刷された内容との対応関係が、シール管理番号1595Daとして機能表示シール1595Dに印刷されている。
機能表示シール1595Dの構成では、下始動入賞口1340に入球した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入球した遊技球の球数を保留数として下特別図柄記憶ランプ1510a〜1510dが点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには下特別図柄記憶ランプ1510aが点灯して下特別図柄記憶ランプ1510b〜1510dが消灯し、保留球が2球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a,1510bがともに点灯して下特別図柄記憶ランプ1510c,1510dが消灯し、保留球が3球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a〜1510cが点灯して下特別図柄記憶ランプ1510dが消灯し、保留球が4球のときには下特別図柄記憶ランプ1510a〜1510dがすべて点灯する。
このように、パチンコ遊技機の仕様として1つの特別図柄を変動表示する場合にはセグメント表示器SEG1,SEG2が下特別図柄表示器1490に割り当てられることで特別図柄を変動表示することができ、パチンコ遊技機の仕様として2つの特別図柄を変動表示する場合にはセグメント表示器SEG1が上特別図柄表示器1480に割り当てられることで上始動入賞口1330への遊技球の入球による特別図柄を変動表示することができ、セグメント表示器SEG2が下特別図柄表示器1490に割り当てられることで下始動入賞口1340への遊技球の入球による特別図柄の変動表示することができる。このようなパチンコ遊技機の仕様が異なった場合には、表示機能が同一である、セグメント表示器SEG1,SEG2で対応することができる。
[14.請求項1に記載の発明に係る実施形態の主制御MPU]
次に、前記参考実施形態で使用したワンチップマイクロコンピュータ主制御MPU1700aに代えて用いる主制御MPU2700aについて説明し、次に、主制御MPU2700aを使用した場合の乱数異常監視処理について説明する。まず、主制御MPU2700aについて説明する。ここでは、主制御MPU1700a(図17)と異なる部分について説明をする。なお、CPU初期化手段2700ad、指定エリア外走行禁止回路2700adaの構成や機能は、図17のCPU初期化手段1700ad、指定エリア外走行禁止回路1700adaと同等であるので、説明を省略する。
図56は、本発明の実施形態に係る主制御MPU2700aの構成を示すブロック図である。主制御MPU2700aは、乱数ブロック2700afに初期値決定手段2700afbeと乱数初期化手段2700afcとが新たに追加されている点、および乱数異常検出手段2700afbcによる乱数発生手段2700afbbの異常検出方法が異なる。初期値決定手段2700afbeは、主制御システムリセットIC1から、主制御MPU2700aにシステムリセット信号が入力される度に、0〜65536の範囲の内いずれかの数値をランダムに生成する。図示しないが、初期値決定手段2700afbeは、生成された数値が設定される専用のレジスタを有し、そのレジスタの内容は、CPUコア2700aaから読み書き可能な構成となっている。さらに、乱数発生手段2700afbbの乱数発生開始時に、このレジスタの値をスタート値として乱数の生成を開始する。
乱数初期化手段2700afcは、乱数異常ステータス2700afbdに乱数異常フラグがセットされているとき、つまり、乱数発生手段2700afbbに異常があるときに、乱数発生ブロック2700afbを初期化(リセット)することができるようになっている。具体的には、乱数仕様選択機能2700afbaの、乱数起動機能が、未使用(設定不可)状態にリセットされるため、乱数発生手段2700afbbの乱数値の更新が停止する。したがって、乱数発生手段を再起動するには、乱数仕様選択機能2700afbaの乱数起動機能を、使用(起動)する条件に設定し直す必要がある。また、乱数発生手段2700afbbは、乱数初期化手段2700afcによりリセットされることにより、乱数の生成を停止するとともに、初期値決定手段2700afbeのレジスタに設定された数値をスタート値として再設定する。乱数異常検出手段2700afbcは、乱数発生手段2700afbbが正しく更新されているか否かを判断する。異常と判断されると、乱数異常ステータス2700afbdに、乱数異常フラグがセットされる。また、乱数異常ステータス2700afbdにセットされたフラグは、乱数初期化手段2700afcによりクリアすることができる。
[請求項1に記載の発明に係る実施形態の主制御MPUが実行する乱数異常監視処理]
図57は、上記した主制御MPU2700aを使用した場合の乱数異常監視処理の第1実施形態を示すフローチャートである。なお、主制御MPU2700aを使用した場合、図26のステップS46の初期設定の処理における、乱数発生手段2700afbbの設定においては、乱数仕様選択機能2700afbaの乱数起動機能を、使用(起動)する条件に設定する。また、前述した参考実施形態では、乱数発生手段に異常ありと1回判断された場合に、遊技の進行を停止するようにしたが、本実施形態では、乱数発生手段の乱数異常の回数により、遊技の進行を停止させる点が異なる。前述した図26のステップS54或いは図29において実行される図30に示される乱数異常監視処理に代えて当該乱数異常監視処理が行われる。
乱数異常監視処理を開始すると、まず、乱数異常フラグが「1(オン)」であるか否かを判定する(ステップS800)。すなわち、図56の乱数発生ブロック2700afbの乱数異常ステータス2700afbdに乱数異常フラグがセットされているか否かを判定する。乱数異常フラグの値を読んだ結果が、セット状態である場合、即ち、乱数異常フラグの値が「1(セットあり)」であれば乱数異常検出ありである。一方、乱数異常フラグの値が「0(セットなし)」であれば乱数異常検出なしである。乱数異常フラグがオンではないと判定された場合には、乱数異常監視処理を抜ける。
一方、乱数異常フラグがオンであると判定された場合には、乱数異常回数カウンタの値を+1する(ステップS802)。乱数異常回数カウンタは、RAM2700acの所定の記憶領域に設定されているソフトウェアカウンタであり、乱数異常ステータスに乱数異常フラグがセットされている(ことが検出される)毎に、乱数異常回数を+1カウントアップするカウンタである。次いで、乱数異常回数カウンタの値が所定数に達したか否かを判定する(ステップS804)。
乱数異常回数カウンタの値が所定数に達していない場合は、乱数発生ブロック2700afbを一旦初期化する(ステップS806)。即ち、乱数初期化手段2700afcを介して乱数異常ステータス2700afbdにセットされている乱数異常フラグをクリアすると共に、乱数仕様選択機能2700afbaの乱数起動機能を未使用(設定不可)状態にリセットし、乱数発生手段2700afbbの乱数値の更新を停止させる。次いで、再起動をかけて再スタートさせる(ステップS808)。即ち、乱数仕様選択機能2700afbaの、乱数起動機能を、使用(起動)する条件に設定し直す。そして、乱数が所定時間更新されるまでの所定期間待ってから乱数異常監視処理を抜ける(ステップS810)。
一方、ステップS804にて、乱数異常回数カウンタの値が所定数に達したと判定された場合には、すなわち、乱数異常発生回数が所定数に達していると判定された場合には、乱数異常検出フラグに「1(セットあり)」(乱数異常検出あり)をセットし(ステップS812)、乱数異常監視処理を抜ける。なお、乱数異常検出フラグは、RAM2700acの所定エリアに設定されているフラグであり、例えば、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」であれば乱数異常検出あり、乱数異常検出フラグの値が「0(セットなし)」であれば乱数異常検出なしである。
[請求項1に記載の発明に係る実施形態の主制御MPUが実行する始動入賞処理]
図58は、上記した主制御MPU2700aを使用した場合の始動入賞処理の一例を示すフローチャートであり、図29の始動入賞処理に代えて実行される。主制御MPU2700aは、始動入賞処理を開始すると、図58において鎖線で示すように、最初に前述の乱数異常監視処理を行う(ステップS700)。なお、乱数異常監視処理を主制御側タイマ割り込み処理(一例として示した始動入賞処理)と主制御側メインループ処理(図26参照)の両方で行うように構成しているが、乱数異常監視処理を主制御側タイマ割り込み処理又は主制御側メインループ処理で行う構成であってもよく、また、乱数異常監視処理をリセットエントリー処理(図25乃至図26)で行う構成としてもよい。
ステップS700の乱数異常監視処理を抜けると、次に、乱数異常検出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702において、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」と判定された場合、実質的な始動入賞処理は行わず、始動入賞処理を抜ける。従って、乱数異常監視処理にて、乱数発生ブロック2700afの乱数異常回数が所定数に達していると判定された場合は、これ以後の遊技制御処理による遊技の進行の一部は無効とする(本実施形態では、始動入賞処理での始動入賞検出に応じた乱数値の記憶は無効とする)。
しかしながら、乱数異常フラグのセット状態が検出される以前に記憶された(保留されている)始動入賞記憶に応じた乱数値についての遊技制御処理は、後述する遊技停止処理において全て消化完了するまで行われる。このことは、入賞口に遊技球が入賞した場合、入賞した入賞口に対して設定されている賞球数の賞球の払い出しは保障されることになり、これによって、乱数発生回路(乱数ブロック2700af)が故障する事態が発生した場合においても、公正な遊技が行えるようにすることが遊技者に担保されることになる。
一方、ステップS702において、乱数異常検出フラグの値が「0(セットなし)」と判定された場合は、上始動口への入賞が有りか否かを判定する(ステップS704)。上始動口への入賞が有りと判定された場合、現在の始動記憶数が上限値(例えば4)未満であるか否か確認する(ステップS706)。上限値未満の場合には、乱数発生手段(乱数ブロック2700af)から乱数値を抽出することになる(ステップS708)。次いで、始動情報記憶ブロックの最先の空きエリアに、抽出した乱数値を記憶し(ステップS710)、ステップS712に進む。一方、ステップS704において、上始動口への入賞がなしと判定された場合には、直接ステップS712に進む。また、ステップS706において、上始動口の現在の始動記憶数が上限値(例えば4)に達していた場合も、直接ステップS712に進む。
ステップS712に進むと、下始動口への入賞が有りか否かを判定する(ステップS712)。下始動口への入賞が有りと判定された場合、現在の始動記憶数が上限値(例えば4)未満であるか否か確認する(ステップS714)。上限値未満の場合には、乱数発生手段(乱数ブロック2700af)から乱数値を抽出することになる(ステップS716)。次いで、始動情報記憶ブロックの最先の空きエリアに、抽出した乱数値を記憶し(ステップS718)、始動入賞処理を抜ける。
一方、ステップS712において、下始動口への入賞がなしと判定された場合には、始動入賞処理を抜ける。また、ステップS714において、下始動口の現在の始動記憶数が上限値(例えば4)に達していた場合も、始動入賞処理を抜ける。
[遊技停止処理]
次に、遊技停止処理について説明する。遊技停止処理は、RAM2700acの乱数記憶手段に記憶した乱数値に基づく遊技処理完了後、乱数異常検出フラグがセットされていることを条件として、ホットスタート情報を設定せずに、何もしない状態を繰り返すというループ処理を行うことで、遊技停止状態とする処理である。本発明における遊技停止処理は、先に説明した参考実施形態の遊技停止処理と同じ処理となる。
図31はその遊技停止処理の一例を示すフローチャートである。遊技停止処理を開始すると、まず、始動情報記憶ブロックに、始動記憶されているか否かを確認する(ステップS170)。始動情報記憶ブロックに始動記憶が有る場合には、遊技停止処理を抜ける。
一方、始動情報記憶ブロックに始動記憶がない場合には、ステップS172に進む。
次に、特別図柄が作動中であるか否かを確認する(ステップS172)。特別図柄が現在作動中である場合には、遊技停止処理を抜ける。一方、特別図柄が作動中でない場合には、ステップS174に進む。次いで、大当たり遊技中であるか否かを確認する(ステップS174)。大当たり遊技中である場合には、遊技停止処理を抜ける。このことは、乱数異常が検出される直前の正常状態にある遊技については、そのまま消化することになる。
即ち、ステップS170で始動記憶数があると判定された場合、または、ステップS172で特別図柄作動中と判定された場合、または、ステップS174で大当たり中と判定された場合は、乱数異常検出フラグの値の判定を行わないようにしているため、乱数異常が検出されている場合であっても、即ち、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」であっても、乱数異常が検出される直前の正常状態にある遊技については、そのまま消化することになる。これにより、乱数異常直前の遊技について消化されるので、健全な遊技を保障することができる。
一方、ステップS174にて大当たり遊技中でないと判定される場合には、即ち、異常直前の遊技の消化が完了している場合には、ステップS176に進む。ステップS176に進むと、乱数異常検出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS176)。この乱数異常検出フラグは、図57に示す乱数異常監視処理にて、乱数発生ブロック2700afの乱数異常発生回数が所定数に達していると判定された場合に乱数異常検出フラグがセットされるものである。ステップ176において、乱数異常検出フラグがセットされていないと判定された場合は、遊技停止処理を抜ける。
一方、ステップS176において、乱数異常検出フラグの値が「1(セットあり)」と判定された場合、割り込みを禁止設定する(ステップS178)。この処理により、タイマ割り込みが禁止され、主制御タイマ割り込み処理(図27)は実行されなくなる。よって、主制御基板1700による遊技の進行が停止される。次いで、乱数異常報知コマンドを作成し、作成した乱数異常報知コマンドを、サブ統合基板1740に出力する(ステップS180)。ステップS180に続いて、バックアップフラグ領域BK−FLGを0クリアする(ステップS182)。即ち、バックアップフラグ領域BK−FLGにコールドスタート情報がセットされることになる。
そして、ステップS182に続いて、何もしない状態を繰り返すというループ処理に入る。すなわち、主制御MPU2700aによる遊技の進行が停止されることになる。
なお、サブ統合基板1740は、乱数異常検出コマンドを受けると、乱数発生手段に異常が生じ、遊技制御を停止する旨の報知を、ランプあるいはスピーカを使って報知する。
遊技者は、異常に気づきホールの店員を呼ぶことになる。この場合、上述のように、異常報知直前の正常状態にある遊技については、異常報知前に既に消化済みである。本実施形態の遊技停止処理にあっては、何もしない状態を繰り返すというループ処理を実行し続けるため、遊技を再開するには、一旦電源を切って入れる必要がある。
遊技停止状態より遊技可能状態への復帰は、一旦電源が落されてから電源が再投入されることにより、起動時には、主制御側電源投入時処理(図25〜図26のリセットエントリー処理)のステップS34でバックアップフラグ領域BK−FLGの値が判定されるが、値「0」であるため、即ち、ホットスタート情報の記憶は行わず、コールドスタート情報がセットされているため、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる(ステップS40、ステップS42、ステップS44の実行によるコールドスタートとなる)。
以上、説明したように、遊技停止処理では、乱数発生手段に異常があっても、進行中の遊技を消化してから主制御基板1700による遊技の進行を停止し、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる。このとき、乱数異常からの復旧であることがホールの店員および遊技者に分かるように、液晶画面には、「乱数発生手段異常から遊技可能状態へ復帰しています」が表示されるコマンドが出力される。これにより、ホールの店員のいる前で、遊技可能状態に復帰するので、健全な遊技の再開を確認することができる。
また、遊技停止処理におけるループ処理中に(ステップS182の後)、CPUコア2700aaが指定エリアを外れてプログラムを実行した場合には、指定領域外実行時リセット手段である指定エリア外走行禁止回路2700adaがリセット信号を発生し、リセット信号によりCPUコア2700aaがリセットされる。従って、主制御側電源投入時処理(図25〜図26のリセットエントリー処理)が実行開始され、図25のステップS34でバックアップフラグ領域BK−FLGの値が判定されるが、値「0」であるため、即ち、コールドスタート情報がセットされるため、再起動時は、遊技が完全に初期化された状態から始まる(ステップS40、ステップS42、ステップS44の実行によるコールドスタートとなる)。このとき、乱数異常からの復旧であることがホールの店員および遊技者に分かるように、液晶画面には、「乱数発生手段異常から遊技可能状態へ復帰しています」が表示されるコマンドが出力される。これにより、ホールの店員のいる前で、遊技可能状態に復帰するので、健全な遊技の再開を確認することができる。
以上に説明したように、これによって、乱数発生回路(乱数ブロック2700af)が故障する事態が発生した場合においても、公正な遊技が行えるようにすることが遊技者に担保されることになる。
以上、説明したように、本実施形態では、乱数異常が検出された場合、乱数異常が検出された回数を以て遊技の進行を停止するようにしている。
図57に示した乱数異常監視処理のフローチャートでは、乱数異常回数カウンタが所定回数に達するまでは、乱数異常を検出する度にステップS808〜S812の処理を実行することになるが、乱数異常回数カウンタの値に応じて、異なる処理を実行するようにしてもよい。
通常、乱数発生回路が物理的に故障するという可能性よりも、乱数発生回路に誤った設定が行われることにより正常な動作が行われなくなる確率の方が高い。乱数異常回数カウンタは、RAM2700acに記憶されており、遊技機で使用されるRAM2700acはバックアップ電源により、遊技機の電源の供給が停止後も、RAM2700acの内容が記憶保持されるように構成されている。このため、ステップS46(図26)の初期設定により乱数発生回路の設定に失敗する度に、乱数異常の検出回数が累積し、この累積した値が所定値に達することにより、乱数発生回路が故障したと判定されてしまう虞がある。
これを防止するため、乱数異常回数カウンタが1のとき、つまり、初めて乱数異常を検出したときに、異常再検出用のタイマを起動させる処理を設ける。この異常再検出用のタイマは、主制御タイマ割り込み周期よりも十分に長い時間を設定する。異常再検出用タイマによる時間が経過する前に再度乱数異常が検出されたときには、物理的に乱数発生回路が故障している可能性が高いと判定することができる。一方、異常再検出用タイマによる時間が経過しても乱数異常が検出されなかったときには、乱数発生回路の初期設定が正常に行われなかったと判定することができる。そのときには、乱数異常回数カウンタをクリアすることにより累積回数を初期化する。
以下に説明する第2実施形態の乱数異常監視処理にあっては、乱数発生回路(乱数ブロック2700af)によって発生される乱数が異常である事態が発生した場合において、乱数異常が誤った設定が行われたことによるものか、あきらかに乱数発生回路が故障したのかを見極めるべく、乱数異常監視時間経過内において、乱数異常回数を以て遊技の進行を停止するようにして、公正な遊技が行えるようにすることを目的とする。
図59は、上記した主制御MPU2700aを使用した場合の乱数異常監視処理の第2実施形態を示すフローチャートである。乱数異常監視処理を開始すると、まず、乱数異常回数カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS850)。前述の第1実施形態と同様、乱数異常回数カウンタは、RAM2700acの所定の記憶領域に設定されているソフトウェアカウンタであり、乱数異常ステータス2700afbdに乱数異常フラグがセットされている(ことが検出される)毎に、乱数異常回数を+1カウントアップするカウンタである。また、乱数異常回数カウンタの初期値は、図26のステップS40が行われていることにより「0」である。
ステップS850にて、乱数異常回数カウンタの値が「1」ではないと判定された場合には、乱数異常フラグが「1(オン)」であるか否かを判定する(ステップS854)。
前述のように、乱数発生ブロック2700afbの乱数異常ステータス2700afbdに乱数異常フラグがセットされているか否かを判定する。乱数異常フラグがオンではないと判定された場合には、乱数異常監視処理を抜ける。
一方、乱数異常フラグがオンであると判定された場合には、乱数異常回数カウンタの値を+1する(ステップS856)。つまり、初めて乱数異常が検出されたときには、ステップS856により乱数異常回数カウンタの値が「1」となる。次いで、乱数異常回数カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS858)。
ステップS854にて、初めて乱数異常が検出されたときには、ステップS858にて、乱数異常回数カウンタの値が「1」であると判定される。この場合には、異常再検出用タイマに主制御タイマ割り込み周期よりも十分に長い時間(乱数異常監視時間)に相当するタイマ値を設定する(ステップS860)。なお、異常再検出用タイマにセットされたタイマ値は、図27のステップS74のタイマ減算処理が行われる毎に−1されることになる。
そして、乱数発生ブロック2700afbを一旦初期化する(ステップS862)。即ち、乱数初期化手段2700afcを介して乱数異常ステータス2700afbdにセットされている乱数異常フラグをクリアすると共に、乱数仕様選択機能2700afbaの乱数起動機能を未使用(設定不可)状態にリセットし、乱数発生手段2700afbbの乱数値の更新を停止させる。次いで、再起動をかけて再スタートさせる(ステップS864)。即ち、乱数仕様選択機能2700afbaの、乱数起動機能を、使用(起動)する条件に設定し直す。そして、乱数が所定時間更新されるまでの所定時間待機し(ステップS866)、前記所定時間が経過した時点で乱数異常監視処理を抜ける。
まず、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間が経過する前に再度乱数異常が検出される場合について説明する。この場合、乱数異常回数カウンタの値は「1」となっている。従って、ステップS850にて、乱数異常回数カウンタの値が「1」であると判定され、ステップS852に進む。ステップS852では、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間が経過したか否か判定する(ステップS852)。タイマ減算処理によって減じられる異常再検出用タイマにセットされたタイマ値が「0」に達していない場合、乱数異常監視時間が経過する前であると判定される。
乱数異常監視時間が経過する前であると判定される場合は、ステップS854に進む。
そして、再度乱数異常が検出されるのであるから、ステップS854をYESと判定し、乱数異常回数カウンタの値を+1する(ステップS856)。つまり、乱数異常監視時間が経過する前に再度乱数異常が検出される場合には、ステップS856により乱数異常回数カウンタの値が1アップされて「2」となる。
そして、ステップS858にて、乱数異常回数カウンタの値が「1」ではないと判定される(ステップS858をNOと判定する)。即ち、乱数異常監視時間が経過している間に乱数異常の検出回数が所定数「2」に達したと判定されることになる。この場合には、乱数異常検出フラグに「1(セットあり)」(乱数異常検出あり)をセットし(ステップS868)、乱数異常監視処理を抜ける。
以上に説明したように、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間が経過する前に再度乱数異常が検出されたときには、物理的に乱数発生回路が故障している可能性が高いと判定することができる。
次に、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間が経過しても乱数異常が検出されない場合について説明する。この場合も、乱数異常回数カウンタの値は「1」となっている。従って、ステップS850にて、乱数異常回数カウンタの値が「1」であると判定され、ステップS852に進む。ステップS852では、タイマ減算処理によって減じられる異常再検出用タイマにセットされたタイマ値が「0」に達していると判定される。即ち、乱数異常監視時間が経過したと判定される。ステップS852にてYESと判定される結果、ステップS870に進み、乱数異常回数カウンタを0クリアし(ステップS870)、乱数異常回数を初期化する。それから、乱数異常監視処理を抜ける。
以上に説明したように、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間が経過しても再度乱数異常が検出されなかったときには、乱数発生回路の初期設定が正常に行われなかったと判定することができる。
これによって、乱数異常を検出したとしても、異常再検出用タイマによる乱数異常監視時間の経過に亘って乱数異常が検出されなかったときには、乱数異常回数カウンタをクリアすることにより、検出された乱数異常は、乱数発生回路の初期設定が正常に行われなかったことによるものであって、乱数発生回路の故障と判定してしまうことを回避することが可能となる。
乱数異常回数カウンタは、遊技機への供給電源が通電されていないときにでも、乱数異常の検出回数を維持するものであるが、主制御側電源投入処理が行われる毎にクリアして通電中のみ乱数異常の検出回数を計数することとしてもよい。
これによって、乱数異常を検出したとしても、異常再検出用タイマによる所定時間経過に亘って乱数異常が検出されなかったときには、乱数異常回数カウンタをクリアすることにより、乱数発生回路の初期設定が正常に行われなかったこと(偶発的な乱数異常)によるものであって、乱数発生回路の故障と判定してしまうことを回避することが可能となる。
また、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。