JP5995098B2 - スベリヒユ由来の凝集剤、その製造方法および水処理方法 - Google Patents

スベリヒユ由来の凝集剤、その製造方法および水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、スベリヒユを原料とする凝集剤、その凝集剤の製造方法およびその凝集剤を使用する水処理方法に関するものである。
現在、上水道・土木廃水・工場廃水等の水処理の現場で最も頻繁に使用される凝集剤としては、安価であり、その保存・管理が容易であることから、無機系凝集剤であるポリ塩化アルミニウム(Poly Aluminum Chloride: PAC)が広く利用されている。
しかし、アルミニウムがアルツハイマーの原因物質であるとの見解があり、安全性への懸念などの問題がある。また、PACはそれ自体が酸性を示す物質であり、沈殿後の余水のpHが酸性になるため中和する必要がある。さらに、凝集処理後に発生する汚泥がPACを含むために、汚泥は産業廃棄物として処理する必要がある。
ポリアクリルアミド系やポリエチレンイミン系の合成高分子系凝集剤も、水処理業界で使用されている。しかしながら、これら合成高分子化合物の縮合過程に使用される単量体(モノマー)の毒性が強く、重合不十分で製品中に残存したモノマーの排出による被害も報告されている。また、合成高分子系凝集剤は一般に生分解性を持たないため、自然環境域に余水とともに流出して蓄積され水生生物を被覆して死に至らしめる、水底への酸素と光の供給を妨げることによってヘドロ化を引き起こす、などの問題が指摘されている。
褐藻類由来のアルギン酸ナトリウム、カニ殻・エビ殻粉末由来のキトサン及び活性化澱粉などの天然物由来の凝集剤も報告されているが、凝集性能が比較的低く、また、抽出精製工程を必要とするために製造コストが高くなり、凝集剤として汎用品となるに至っていない。
スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)は、スベリヒユ科スベリヒユ属の多年生植物であり、畑や路傍に生え、畑作の雑草として知られている。ω−3脂肪酸を含むぬめりのある独特の触感のある山菜として食されることもあり、また、利尿作用を有する生薬としても使用されることもある。
非特許文献1には、スベリヒユから中性アラビノガラクタンやペクチンが抽出され、この抽出物は食品の増粘剤や粘化剤として使用され得ることが記載されている。非特許文献2には、スベリヒユの葉から界面活性能と乳化能を有するゴム成分が抽出されたことが記載されている。
The viscous mucilage from the weed Portulaca oleracea, L; WENZEL G E, et al., Appl. Biochem. Biotechnol., vol.24/25, p.341-353 (1980) Surface and emulsification properties of a new gum extracted from ortulaca oleracea; GARTIN et al., Food Hydrocolloids, vol.13, No.2, p.145-155 (1993.3)
以上の背景から、無機系凝集剤及び合成高分子系凝集剤に代わる安価で安全な凝集剤の開発と普及が求められている。一方、スベリヒユに関して、凝集剤としての利用は研究されていなかった。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、スベリヒユ由来の凝集剤を簡便な処理方法によって製造することを成し得、またこの凝集剤が著しい凝集性能が発揮することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)の乾燥粉砕物を水中浸漬処理することにより製造されるペースト状物質を含む凝集剤。
(2)前記ペースト状物質が、水可溶部成分および水不溶部成分を含有する、上記(1)に記載の凝集剤。
(3)前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上500万未満の水可溶性高分子物質を含む、上記(1)又は(2)に記載の凝集剤。
(4)前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満の水可溶性高分子物質とを含む、上記(1)又は(2)に記載の凝集剤。
(5)前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上50万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量50万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満の水可溶性高分子物質とを含む、(1)又は(2)に記載の凝集剤。
(6)スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)を乾燥、粉砕すること、ならびに該スベリヒユの乾燥粉砕物を水中浸漬処理してペースト状物質を得ることを含む凝集剤の製造方法。
(7)前記水中浸漬処理が、周囲温度〜100℃の範囲で行われる、上記(6)に記載の凝集剤の製造方法。
(8)凝集処理対象原水に上記(1)〜(5)のいずれかに記載の凝集剤を添加すること、該凝集剤が添加された凝集処理対象原水を撹拌すること、該撹拌された凝集処理対象原水を静置すること、静置して分離した上澄み水と沈殿物を分離することを含む、水処理方法。
(9)さらに凝集助剤を添加して撹拌することを含む、上記(8)に記載の水処理方法。
本発明によれば、安全性が高く、生分解性であるため土壌や水域に残留せず、環境への負荷の小さい凝集剤を提供することができる。
本発明の凝集剤の製造方法によれば、極めて簡便な製造プロセスにより安価に凝集剤を提供することができる。
本発明の水処理方法によれば、凝集剤及び/またはその製造原料に由来する有害物質を使用することなく、安全に水処理をすることができる。
実施態様1:凝集剤
本発明の一態様は、スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)の乾燥粉砕物を水中浸漬処理することにより製造されるペースト状物質を含む凝集剤である。
<スベリヒユ>
スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)は、サボテン科と近縁のスベリヒユ科スベリヒユ属の多年生植物である。葉、茎及び種で構成されており、葉と茎はやや肉厚で粘性物質を含有し、食用や生薬として利用されることがある。世界中の熱帯から温帯にかけて幅広く生育し、高温・乾燥に強い耐性を持っているため、豊富な賦存量を有する安定した供給源として有益である。日当たりのよい畑や草原に繁茂するため、畑作には害草や雑草として認識されており、食糧需要等との競合が極めて少ない。また、増殖力が強いために水耕栽培等を利用した工場生産が容易であり、このため、賦存量を上回る需要に対しても対応可能である。
本発明において、スベリヒユは葉、茎及び種のスベリヒユ全体を凝集剤原料として使用することができる。葉、茎及び種を分別する必要がないため、低コストでの凝集剤製造の一助となるばかりか、原則的に歩留まりは100%であるために原料から廃棄物は発生せず、産業廃棄物にかかるコストを抑制できる。同時に、CO発生抑制にも貢献できる。
<乾燥粉砕処理>
本発明において、スベリヒユは乾燥、粉砕して使用する。乾燥方法としては自然乾燥、真空乾燥、高温乾燥、凍結乾燥、通風乾燥のいずれの方法でも利用できるが、例えば、50℃〜80℃の乾燥機中で24〜72時間乾燥することができる。乾燥の程度は、次の粉砕処理が行いやすい程度まで乾燥させれば十分であり、例えば含水率10%程度まで乾燥させればよい。スベリヒユは日本においては最盛期が6〜9月のため、採取時期によっては、水分含量の非常に高い渇藻類の乾燥と比較して乾燥工程を低コストに行うことができる。
粉砕方法としては通常の乾式粉砕処理でよく、例えば市販の乾式粉砕機を用いて、粒度500μm以下となるまで粉砕する。
<水中浸漬処理>
本発明において、スベリヒユを乾燥、粉砕したものを、水中浸漬処理する。水中浸漬処理したものはペースト状物質となる。水量は、スベリヒユの乾燥粉砕物が十分に浸漬できる量であればいずれでもよく、例えばスベリヒユの粉砕乾燥物1gに対して水20ml〜200mlの割合で添加する。水中浸漬処理は、好ましくは撹拌しながら行う。水中浸漬処理は、0℃〜100℃の温度範囲で行うことができるが、得られる凝集剤の凝集性能の観点から、好ましくは周囲温度〜100℃であり、より好ましくは50℃〜100℃であり、さらに好ましくは70℃〜100℃であり、特に好ましくは75℃〜100℃である。水中浸漬処理は、水中浸漬温度等の変動によって変化するが、例えば30分間〜10時間、好ましくは1時間〜5時間、より好ましくは2時間〜3時間行えばよい。
従来天然物由来の凝集剤として研究されていた渇藻類から凝集性能を引き出すには、前処理として渇藻類の塩酸による洗浄が必要であり、このため酸廃液が発生するのみならず、さらに炭酸ナトリウム処理が必要であった。スベリヒユに関してはそのような塩酸処理や炭酸ナトリウム処理をすることなく、水中浸漬処理という簡便な処理のみで凝集性能を発揮することを初めて見出した点に本発明の特徴がある。
<凝集剤としての使用>
本発明の凝集剤は、上記のようにして得られたペースト状物質をそのまま凝集剤として用いてもよいし、水で希釈したものを用いてもよい。本発明の凝集剤は、製造方法が非常に簡便なため、例えば、スベリヒユの乾燥粉砕物を保存・流通に付し、水処理が必要な現場において使用直前に水中浸漬処理を行い、凝集剤として使用することもできる。これにより、保存期間中の変質が抑制され、腐敗を防ぐことができる点で有益である。また、ペースト状物質を乾燥させて粉末状態とし、使用直前に水を加えた後に凝集剤として用いても良い。この場合も保存期間中の腐敗等による変質が抑制され、さらに、製造・販売場所から使用現場への運搬コストを削減できる。
本発明の凝集剤は単独でも凝集性能を発揮するが、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物等の多価陽イオンを含む凝集助剤と併用することにより、優れた凝集性能を発揮することができる。カルシウム化合物の例としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム及びクエン酸カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムが挙げられる。マグネシウム化合物の例としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。凝集助剤の適性な添加量は凝集処理対象原水の成分によって異なるが、概ね、凝集処理対象原水に対する凝集助剤の濃度が20〜1000ppmとなる添加量が好ましい。
本発明の凝集剤が凝集性能を発揮する理由としては、以下が考えられる。
(1)未処理のスベリヒユ原料は、成分分析の結果、ラムノース、アラビノース、キシロース、マンノース、グルコース、ガラクトース等の中性糖、ウロン酸、タンパク質並びに灰分等を成分としている。なお、中性糖分析において、遊離単糖及び遊離糖アルコールは検出されなかったことから、上記同定された単糖成分は、いずれも多糖成分としてスベリヒユ中に存在しているものと考えられる。
(2)乾燥粉砕処理及び水中浸漬処理をすることにより得られたスベリヒユペーストの成分分析の結果、未処理のスベリヒユ原料とは、構成成分及びその含有量において大きな変化はないことがわかった。しかし、未処理のスベリヒユ原料は、水に不溶であるのに対し、乾燥粉砕処理及び水中浸漬処理をすることにより得られたスベリヒユペーストは、水可溶部成分と水不溶部成分を含むことがわかった。水可溶部成分と水不溶部成分の成分分析の結果、中性糖及びウロン酸の含有率は、原料に比べて水可溶性分で高いことが分かった。このことから、中性糖やウロン酸で構成されるペクチン等の多糖の一定量が水可溶性成分へ移行したと考えられる。また、水可溶部成分の凝集挙動は、凝集助剤の添加量が一定量以上の場合にはその増加に伴って凝集性能が向上するという、未分別サンプルの凝集挙動と類似していた。これにより、凝集助剤の添加量が一定以上の場合における本発明の凝集剤の凝集性能は、水可溶部成分の挙動に大きく依存し、乾燥粉砕処理及び水中浸漬処理をすることによりこの水可溶部成分がスベリヒユの組織内部から溶出され、凝集性能を向上していると推定される。比較的高温又は長時間水中浸漬することで凝集剤の凝集性能が向上することも、水可溶部成分の組織内部からの溶出が有効に促進されたためと考えられる。
(3)一方、水不溶部成分は水可溶部成分とは異なる凝集挙動を示し、すなわち、凝集助剤を未添加又は低濃度添加の場合の水不溶部成分の凝集性能は水可溶部成分より高いものであったが、凝集助剤の添加量の増加に伴って凝集性能が水可溶部成分より低下した。そして、水可溶部成分と水不溶部成分に分けない未分別の凝集剤が、いずれの凝集助剤添加量においても、水可溶部成分単独又は水不溶部成分単独の場合と比較して優れた凝集性能を示したことから、本発明の凝集剤は、いくつかの性質が異なる凝集有効成分を含有し、水可溶部成分に主要な有効成分が含まれるとともに、水可溶部成分と水不溶部成分との相互作用により、凝集剤全体として凝集性能が向上しているものと推定される。
(4)小括すると、本発明の乾燥粉砕処理及び水中浸漬処理により、未処理のスベリヒユとは構成成分全体において変化はないが、主要な有効凝集成分が組織内部から水可溶部として溶出されて作用し、かつ水可溶部成分と水不溶部成分との相互作用も相俟って優れた凝集性能を示すことが推定される。
上記のとおり、スベリヒユの乾燥粉砕物を水中浸漬処理して得られたペースト状物質は、水可溶部成分と水不溶部成分を含む。水可溶部成分は、好ましくは重量平均分子量10万以上500万未満の水可溶性高分子物質を含み、より好ましくは重量平均分子量10万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満(より好ましくは、重量平均分子量300万以上500万未満)の水可溶性高分子物質とを含み、さらにより好ましくは重量平均分子量10万以上50万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量50万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満(より好ましくは、重量平均分子量300万以上500万未満)の水可溶性高分子物質とを含む。重量平均分子量10万未満の水可溶性成分及び/又は重量平均分子量500万以上の水可溶性高分子物質を含んでいてもよい。水可溶部成分の成分組成としては、グルコース、ウロン酸等の多糖を構成する成分が主成分であり、助剤としての多価陽イオン存在下に凝集性能を向上させることから、水可溶性高分子物質はこれらの糖からなる陰イオン系の水溶性多糖を含むと考えられる。また、種々の重量平均分子量を有する水可溶性高分子と、重りとして機能する水不溶性成分とが相互作用することにより、相乗的な凝集性能が得られると考えられる。
凝集助剤と併用することにより本発明の凝集剤の凝集性能が向上するのは、凝集助剤の多価陽イオンが懸濁粒子と結合して小さな集合物を形成し、上記の水可溶性高分子物質がこの集合物を取り込みながら凝集助剤の多価陽イオンにより架橋構造を形成してフロック(塊)を生成し、凝集沈殿が起きるためと考えられる。
水不溶部成分は、ウロン酸、タンパク質、遊離アミノ酸、灰分等を主な成分組成とする。
実施態様2:凝集剤の製造方法
本発明の別の態様は、スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)を乾燥、粉砕すること、ならびに該スベリヒユの乾燥粉砕物を水中浸漬処理してペースト状物質を得ることを含む、凝集剤の製造方法である。乾燥、粉砕処理、水中浸漬処理は、上記の凝集剤の態様で記載したものと実質的に同一であるので、記載を割愛する。
実施態様3:水処理方法
本発明の別の態様は、凝集処理対象原水に上記の凝集剤を添加する工程、該凝集剤が添加された凝集処理対象原水を撹拌する工程、該撹拌された凝集処理対象原水を静置する工程、静置して分離した上澄み水と沈殿物を分離する工程を含む水処理方法である。
本発明の凝集剤は、上記のようにして得られたペースト状物質をそのまま凝集剤として用いてもよいし、水で希釈したものを用いてもよい。凝集剤の適性な添加量は凝集処理対象原水の成分によって異なるが、概ね、凝集処理対象原水に対し凝集剤の濃度が5ppm〜100ppmとなる量で使用することができる。すなわち、凝集処理対象原水の種類、および目標とする処理水の透明度に応じて適宜調整することができる。なお、本明細書中、凝集剤の濃度は、水中浸漬処理前の乾燥粉砕スベリヒユの重量から含水率を控除した絶乾重量を基準に求めたものである。
本発明の水処理方法は、高い凝集性能を得るために、凝集剤の添加工程においてカルシウム化合物及びマグネシウム化合物等の多価陽イオンを含む凝集助剤を添加することが好ましい。カルシウム化合物の例としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム及びクエン酸カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムが挙げられる。マグネシウム化合物の例としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。凝集助剤の添加量としては、凝集処理対象原水に対し凝集助剤の濃度が20〜1000ppmとなる添加量が好ましい。
凝集剤の添加工程において、凝集するのに最適なpHに調整するpH調整剤を添加してもよい。pH調整剤の例としては、硫酸、炭酸及び塩酸等の酸剤、並びに水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ剤が挙げられる。
撹拌工程は複数回設けてもよく、攪拌速度は攪拌工程において変化させてもよい。撹拌工程の後半で攪拌速度を低速にした場合は、余水中の汚濁成分の凝集・沈殿が促進され、余水がより清澄になる点で好ましい。
分離工程は、脱水、スラッジの引き抜き回収、排泥、排水等の通常の分離方法で行うことができる。求められる濁度に応じて、分離された上澄み水をさらに凝集処理又は濾過処理してもよい。
本発明の凝集剤の適用分野は特に限定されるものではなく、土木工事や浚渫工事の排水処理及び処理水循環再利用のみならず、船舶ビルジ排水、バラスト排水、一般含油排水、鉄鋼圧延排水、水溶性切削油排水などの工場排水処理、上水処理、その他生物処理工程の前処理としての凝集沈殿処理剤として使用できる。また、濃厚廃水の一次処理、生物処理の引き抜き余剰汚泥や消化汚泥の脱水処理時の凝集剤としての添加など、広範な分野に極めて有用なものである。
本発明の凝集剤は、いずれのpHを有する凝集処理対象原水に対し使用可能であるが、高酸性及び高アルカリ性の凝集処理対象原水に対し特に優れた凝集性能を示すことから、パルプ排水等の高酸性の凝集処理対象原水、及びセメント排水等の高アルカリ性の凝集処理対象原水に対し特に有用である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:凝集剤の製造
(1)原料の乾燥粉砕処理
新鮮なスベリヒユ原料の根部を取り除き、一部をそのまま、一部を葉、茎及び種に分別し、ウィンディオーブンWFO-1001SD(EYELA)40℃で二日間乾燥した。その後、サンプルを粉砕機WDL-1(大阪ケミカル)で粉砕し、100μm〜500μmのふるいでわけられた粉末を以下の実験で用いた。各試料の含水率を赤外線水分計FD‐610(Kett科学研究所)で測定した。得られた粉末試料は0℃で保存した。
含水率は、未分別試料で5.7%、葉試料で7.5%、茎試料で7.8%、種試料で6.7%であった。
(2)浸漬処理
各試料を乾燥重量で0.05g量り、これに100mlの蒸留水を加え、後記試験に応じて所定の時間及び所定の温度で攪拌した。これを、0.5%(w/v)の凝集剤として凝集沈殿試験に使用した。
実験例1:凝集沈殿試験
室温で1時間の水中浸漬処理をして得られたスベリヒユ凝集剤を用いた。
カオリン400mgを測り、390mlの蒸留水を加え、スターラーで粒子が均一になるまで攪拌し、カオリン懸濁液(カオリン最終濃度:1,000ppm)とした。カオリン懸濁液に10%塩化カルシウム水溶液を所定量添加し、1分間、急速攪拌(175rpm)し、その後、所定量の0.5%凝集剤を投入して、5分間、急速攪拌(175rpm)した。さらに、低速(50rpm)で、1分間攪拌した。その後、5分間静置し、駒込ピペットで上清を採取し、吸光度(600nm)測定に供した。
吸光度の測定には、日立U-3000型分光光度計を用いた。測定条件は次のとおりである。モード;波長スキャンモード、スキャン速度;1800nm/min、データモード;Abs、波長;600nm、スリット;1nm、ホトマル電圧;自動制御、光源切り替えモード;自動切換、光源切り替え波長;340nm、ベースライン測定;システム、高分解能測定;Off、セル長;10.0mm。測定した上清の吸光度を下式を用い、SS(Suspended Solids: 浮遊物質濃度、mg/L)に換算した。
SS=599.8 x 吸光度(600nm)
SSとは、水質指標の一つであり、水中に浮遊する不溶性物質の濃度を意味し、本明細書中では、凝集剤の凝集性能の評価指標として使用する。
結果を、表1〜表4に示す。なお、表1はスベリヒユ全体、表2はスベリヒユの葉のみ、表3はスベリヒユの茎のみ、表4はスベリヒユの種のみから得られた凝集剤の凝集沈殿結果を示す。
表1:スベリヒユ全体から得られた凝集剤の凝集沈殿結果
Figure 0005995098
表2:スベリヒユの葉のみから得られた凝集剤の凝集沈殿結果
Figure 0005995098
表3:スベリヒユの茎のみから得られた凝集剤の凝集沈殿結果
Figure 0005995098
表4:スベリヒユの種のみから得られた凝集剤の凝集沈殿結果
Figure 0005995098
本実験では、スベリヒユを凝集剤として用い、部位、処理条件および添加量の相違がカオリン懸濁液に与える影響を検討した。CaCl2の添加量によるSSの変化は、いずれの部位でもCaCl2の添加量の増加により、SSの低下が観察された。しかし、凝集剤添加量が少量(3.125ppm)の場合、CaCl2の添加によりSSが上昇することが分かった。CaCl2を凝集剤に対して過剰に添加すると、凝集剤は懸濁粒子を取り込まずにカルシウムイオンと結合して溶液中に浮遊してとどまり、懸濁粒子は沈殿しなかったと考えられる。部位ごとの凝集効果は、未分別の場合はほぼ常に良好な凝集効果が得た。このことから、スベリヒユを凝集剤として利用する際、分別なしに簡単な前処理のみでの使用が可能である。
実験例2:pHの影響
カオリン懸濁液(カオリン最終濃度:1,000ppm)に0.1MHClまたは0.1MNaOHを添加し、懸濁液のpHを2.87〜10.96に調整し、凝集試験に用いた。原料としてスベリヒユ未分別サンプルを用いて、室温で1時間の水中浸漬処理をして得られたスベリヒユ凝集剤を用いた。凝集剤添加量は6.25ppm(最終濃度)、CaCl2添加量は250ppm(最終濃度)で懸濁液のpHによる影響を調査した。結果を表5に示す。
表5:懸濁液のpHによる影響
Figure 0005995098
懸濁液のpHの変化による凝集成績は、酸性及び強アルカリ性の場合で、凝集効果がより良くなった。弱酸性から弱アルカリ性の範囲では、SSが上昇したが、その差は僅かであった。従って、スベリヒユ凝集剤は、酸性または強アルカリ性の汚水を処理する場合に、pH調整無しで利用することが期待できる。
実験例3:処理温度及び時間が凝集効果に与える影響
未分別のスベリヒユにおける各処理温度が凝集性能に及ぼす影響について検討した。原料としてはスベリヒユ未分別サンプルを用いて、処理温度は25℃、55℃、75℃、100℃で、処理時間は1時間及び3時間で水中浸漬処理をして得られたスベリヒユ凝集剤を用いた。最終濃度1,000ppmのカオリン懸濁液を用いた。凝集剤濃度は12.5 ppmであり、CaCl2濃度は表6に示すとおりである。結果を表6に示す。
表6:処理温度及び時間が凝集効果に与える影響
Figure 0005995098
処理時間および処理時間の変化による顕著な影響は見られなかった。凝集有効成分が効率的に溶出できることが分かった。処理温度によるそれほど大きくないが、75℃3時間及び100℃1時間の処理で最も良い結果を得た。高温処理でも凝集性能が高いことから、凝集剤が良好な熱安定性を有することがわかる。
実験例4:水可溶部と水不溶部による凝集効果の比較
(1)水溶性画分、不溶性画分の分離
未分別スベリヒユを乾燥重量で5g秤量し、これに1000mlの蒸留水を添加し、55℃で3h攪拌した後、遠心分離処理(5000rpm、10min)を行った。得られた残渣部分を不溶部とし、凍結乾燥をさせた。続いて、乾燥させた不溶部粉末の含水率を赤外線水分計FD‐610(Kett科学研究所)で測り、乾燥重量を測定した。
また、上清部分をADVANTECNo.1濾紙で濾過し、濾液を可溶性画分(水可溶部)として、5℃で保存した。
(2)凝集沈殿試験
カオリン懸濁液(最終濃度1000ppm)に未分別凝集剤、水可溶部凝集剤、水不溶部凝集剤を添加して凝集効果を検討した。凝集剤濃度及びCaCl2濃度は表7に示すとおりである。結果を表7に示す。
表7:水可溶部と水不溶部による凝集効果の比較
Figure 0005995098
未分別スベリヒユ凝集剤と可溶部および不溶部の比較の結果から、可溶部と不溶部が混合している未分別サンプルで、最も良い凝集効果が得られた。また、可溶部ではCaCl2の添加量の増加により、SSが低下し、不溶部ではCaCl2の添加により、SSの上昇が見られた。この結果から、スベリヒユ凝集剤は、性質が異なる物質の相互作用により凝集性能を最大に発揮すると考えられる。
実験例5:凝集剤の成分分析
(1)構成糖分析(中性糖)
スベリヒユ凝集剤、その水不溶部及び水可溶部の構成糖を、日本木材学会:「木質科学実験マニュアル」 文永堂出版、2000記載の方法に従い、アルジトール・アセテート法で定量した。
結果を、表8に示す。
(2)アミノ酸分析によるタンパク質含量測定
スベリヒユ凝集剤、その水不溶部及び水可溶部のタンパク質含量を、日本生化学会:「タンパク質I―分離・精製・性質―」 株式会社東京化学同人、1990記載の方法に従い、ニンヒドリン法で定量した。
結果を、表8に示す。
(3)ウロン酸分析
スベリヒユ凝集剤、その水不溶部及び水可溶部に含まれるウロン酸の量を、日本木材学会:「木質科学実験マニュアル」 文永堂出版、2000記載の方法に従い、m-ヒドロキシビフェニル法により定量した。
結果を、表8に示す。
(4)灰分測定
スベリヒユ凝集剤、その水不溶部及び水可溶部の灰分量を、乾式灰化法により定量した。
結果を、表8に示す。
表8:凝集剤、水不溶部及び水可溶部の成分組成割合
Figure 0005995098
乾燥粉砕処理及び水中浸漬処理をすることにより得られたスベリヒユペーストの成分分析の結果、未処理のスベリヒユ原料とは、構成成分及びその含有量において大きな変化はないことがわかった(未処理原料は表示せず)。水可溶部成分と水不溶部成分の成分分析の結果、中性糖及びウロン酸の含有率は、原料に比べて水可溶性分で高いことが分かった。このことから、中性糖やウロン酸で構成されるペクチン等の多糖の一定量が水可溶性成分へ移行したと考えられる。
実験例6:水可溶性画分に含まれる物質の分子量の測定
未分別スベリヒユを55℃3hで処理し、遠心分離したのち、濾過した濾液を水可溶性画分として、含まれる物質の分子量を測定した。分子量はSUGAR KS-806カラム(Shodex 8.0x300mm 粒径17μm)を使用し、ゲルろ過クロマトグラフィーで測定した。高速液体クロマトグラフィー装置は、島津製造所LC‐10ADvpを用いた。検出条件はカラム温度40℃、流速0.8ml/minとし、示差屈折検出器(島津製造所 RID‐10A)で検出を行った。溶離液溶媒には超純水を使用した。分子量マーカーであるプルランから算出した検量線を用いて分子量を換算した。結果を表9に示す。
表9:水可溶性画分に含まれる物質の分子量
Figure 0005995098
6つのピークが検出され、6つの物質の重量平均分子量は保持時間の短い順より、3.50x10、3.95x10、870,000、400,000、94,000、3,800であった。そのうち、2番目と3番目と4番目、すなわち、重量平均分子量3.95x10、870,000、400,000の物質は、含量が比較的多いことが分かった。このことから、上清は、可溶の高分子物質が数種類存在することがわかる。このうち主たる成分は、重量平均分子量が約400万(3.95x10)のものであった。
安全性が高く、生分解性であるため土壌に残留せず、環境への負荷の小さい凝集剤を安価に得ることができる。土土木工事や浚渫工事の排水処理及び処理水循環再利用のみならず、船舶ビルジ排水、バラスト排水、一般含油排水、鉄鋼圧延排水、水溶性切削油排水などの工場排水処理、上水処理、その他生物処理工程の前処理としての凝集沈殿処理剤として使用できる。また、濃厚廃水の一次処理、生物処理の引き抜き余剰汚泥や消化汚泥の脱水処理時の凝集剤としての添加など、広範な分野に極めて有用なものである。

Claims (8)

  1. スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)の乾燥粉砕物を水中浸漬処理することにより製造される、水可溶部成分および水不溶部成分を含有するペースト状物質を含む凝集剤。
  2. 前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上500万未満の水可溶性高分子物質を含む、請求項1に記載の凝集剤。
  3. 前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満の水可溶性高分子物質とを含む、請求項1又は2に記載の凝集剤。
  4. 前記水可溶部成分が、重量平均分子量10万以上50万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量50万以上100万未満の水可溶性高分子物質と、重量平均分子量100万以上500万未満の水可溶性高分子物質とを含む、請求項1に記載の凝集剤。
  5. スベリヒユ(Portulaca oleracea.L)を乾燥、粉砕すること、ならびに該スベリヒユの乾燥粉砕物を水中浸漬処理してペースト状物質を得ることを含む凝集剤の製造方法であって、前記ペースト状物質が、水可溶部成分および水不溶部成分を含有する、凝集剤の製造方法。
  6. 前記水中浸漬処理が、周囲温度〜100℃の範囲で行われる、請求項5に記載の凝集剤の製造方法。
  7. 凝集処理対象原水に請求項1〜4のいずれかに記載の凝集剤を添加すること、該凝集剤が添加された凝集処理対象原水を撹拌すること、該撹拌された凝集処理対象原水を静置すること、静置して分離した上澄み水と沈殿物を分離することを含む、水処理方法。
  8. さらに凝集助剤を添加して撹拌することを含む、請求項7に記載の水処理方法。
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