JP5993165B2 - 褥瘡予防の為の補助マット - Google Patents

褥瘡予防の為の補助マット Download PDF

Info

Publication number
JP5993165B2
JP5993165B2 JP2012053884A JP2012053884A JP5993165B2 JP 5993165 B2 JP5993165 B2 JP 5993165B2 JP 2012053884 A JP2012053884 A JP 2012053884A JP 2012053884 A JP2012053884 A JP 2012053884A JP 5993165 B2 JP5993165 B2 JP 5993165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat
pressure ulcer
auxiliary
supine
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012053884A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013184014A (ja
Inventor
古 栄 夫 座
古 栄 夫 座
Original Assignee
株式会社福富門扉
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社福富門扉 filed Critical 株式会社福富門扉
Priority to JP2012053884A priority Critical patent/JP5993165B2/ja
Publication of JP2013184014A publication Critical patent/JP2013184014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5993165B2 publication Critical patent/JP5993165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Invalid Beds And Related Equipment (AREA)

Description

本発明は、床ずれとして一般に知られている褥瘡(じょくそう)を効果的に予防し、また褥瘡の症状を改善する為の補助マットに関し、特に横臥又は仰臥した時に不自然な感じを受けることなく、且つ利用者の体型や症状に合わせて使用することの出来る褥瘡予防の為の補助マットに関する。
高齢化社会の進行に伴う寝たきり患者等の入院者数の増加と共に、褥瘡発生の危険の高い患者は増加している。この褥瘡は、臨床的には、患者が長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体とベッドや布団などの支持面との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすことにより発生する。
そこで、このような褥瘡の発生を予防するべく、従来から褥瘡予防効果を有する様々なマットが提案されている。例えば、特許文献1(実用新案登録第3013582号公報)では、ねたきり患者が仰臥位の際に仙骨・尾骨1の下外部の皮膚に対応する部分に開けた穴2と、上記仰臥位の患者が90°の左又は右への寝返りをうって側臥位となった際に大腿骨の左右の大転子3の下外部の皮膚に対応する部分に開けた二つの穴6を一体にもつ、柔軟弾発性物質よりなる腰当マツト状のとこずれ予防具7が提案されている(図10参照)。
また、特許文献2(実用新案登録第3094169号公報)では、仰臥した被介護者の仙骨部の皮膚の引っ張りを抑えると共に、仰臥した被介護者の仙骨部の底つきをなくして床ずれを防止するべく、仰臥した状態の人の左右の臀部を個別に支持する平面視矩形状の一対の受けパッド1を備えた褥瘡防止用具であって、前記両受けパッド1は、弾性部材からなり、その長辺の長さが、腸骨の上端部から大腿の付け根の近傍までの長さを有すると共に、短辺の長さが、臀部の臀裂の近傍から臀部側面までの長さを有し、さらに、前記両受けパッド1の上面には、臀部の臀裂側の長辺から臀部側面側の長辺に向かうにしたがって深くなる曲面の当接部4が形成されてなる褥瘡防止用具が提案されている(図11参照)。
そして特許文献3(実用新案登録第3014142号公報)では、痩せて体の筋肉が落ち、背骨や尾てい骨部分が寝ても腰掛けても痛みを感じる人の床擦れ防止のためのパッドとして、パッド本体1・2の中央に綿抜きの縦溝2を作り、背骨から尾てい骨部分に当てて鬱血を防止し、体からずれない様にベルト3で固定できる床擦れ予防パッドが提案されている(図12参照)。
実用新案登録第3013582号公報 実用新案登録第3094169号公報 実用新案登録第3014142号公報
前述の通り、褥瘡は体とベッドや布団などの支持面との接触局所における血行不全により周辺組織に壊死を起こすことで発症することから、体重の圧迫の多くかかる部位(体重のかかる骨の突出している部位で、脂肪や筋肉の薄いところ)、例えば腰部、仙骨部、大腿骨頭部、かかと、趾部頭部に多く発生する。そしてこの褥瘡は、圧迫、うっ血、壊死化、潰瘍の順に重篤化することも知られている。また、褥瘡を生じやすい局所的原因として、皮膚の摩擦やずれで生ずる皮膚病変、糞尿の失禁や下痢症状などによる皮膚の湿潤やただれ、及び発汗によるむれやかぶれ、また不適合な着衣またはおむつによるかぶれなどが考えられている。
したがって、このような褥瘡を予防するためには、接触局所における血行不全が生じる事の無いように、体重の多くかかる部位を浮かせることが必要である。そこで、前記の特許文献1〜3では、もっぱら体重の多くかかる部位を浮かせるような工夫がなされている。
しかしながら、たとえ褥瘡を効果的に予防できたとしても、不自然な凹凸により横臥又は仰臥することが苦痛になってしまうのでは、実際の使用に耐え得ることはできない。特に褥瘡が生じる場合は、起き上がることが困難な症状の患者である場合が多いことから、長時間の横臥又は仰臥が苦痛であっては、有効に利用することが困難になってしまう。
そこで本発明では、横臥又は仰臥したときの体重の分散が自然であって、凹凸による違和感の存在しない褥瘡予防の為の補助マットを提供することを第一の課題とする。
また、褥瘡は年齢や性別などに関係なく疾患する症状であり、よって利用者の体型も様々である。したがって前記特許文献1〜3で提案されている物を使用したとしても、利用者の体型次第では十分な効果が獲られないことも考えられる。
そこで本発明では、利用者の体型に合わせて、効果的に体重の多くかかる部位を浮かせることの出来る褥瘡予防の為の補助マットを提供することを第二の課題とする。
また、一般的に人が就寝する際の姿勢は、常に仰臥している訳ではなく、寝返りを打ったり、横臥したりする等、様々な姿勢を取ることが知られている。この点、前記特許文献1及び3では、このような寝返りについても検討はされているものの、横臥した姿勢を維持しやすくする事に関しては何ら考慮されていない。また、特許文献2においては、寝返りはおろか、横臥する事さえも考慮されていない。
そこで本発明では、仰臥した状態に於いては前記の課題を解決しながらも、更に横臥した姿勢を安定して持続することのできるようにした褥瘡予防の為の補助マットを提供することを第三の課題とする。
更に、特許文献2で開示されているような褥瘡防止用具では、利用者が就寝中に寝返りをする等により移動してしまい、所望の位置に固定しておくのは困難である。また特許文献3に開示されているような予防パッドでは、利用者に巻きつけるものである事から、着用時における違和感が生じる他、夏季などに於いては暑苦しくなり、就寝が困難になってしまう。
そこで本発明では、就寝中にも移動する事が無く所期の場所に留めておくことができ、更に利用者に巻きつける等による違和感を無くした褥瘡予防の為の補助マットを提供することを第四の課題とする。
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では2つのマット同士の間隔を調整自在に一体化してなる褥瘡予防用補助マットを提供するものである。
即ち本発明では、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の左側マット部と、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の右側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の右側マット部と、前記左側マット部と右側マット部とを連結すると共に、両マット部分同士の間隔を任意に調整可能な連結部材とからなる褥瘡予防用補助マットを提供する。
また、本発明では仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の左側マット部と、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の右側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の右側マット部と、前記左側マット部と右側マット部との間に、その長さ方向にわたって確保される所定幅の隙間部と、当該隙間部の間隔を任意に調整可能にして左側マット部と右側マット部とを連結する連結部とからなる褥瘡予防用補助マットを提供する。
上記左側マット部と右側マット部とは、夫々、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側又は右側を支持する大きさに形成されるものであり、望ましくは仰臥した人の肩から臀部、特に望ましくは肩から太腿近傍までを支持可能な大きさに形成する。即ち、この左側マット部と右側マット部の長さ寸法や厚さは使用者の体型などに合わせて適宜設定する事が望ましい。例えば長さが90〜130cm程度、厚さが3〜5cm程度に形成する事ができる。また左側マット部と右側マット部の幅寸法は敷設する布団やベッドなどの寝具に応じて適宜調整する事が望ましい。例えば隙間部の最大幅を10cmとした場合、寝具幅が100cmである場合には、45cm程度の幅である事が望ましく、また寝具幅が120cmである場合には、55cm程度の幅である事が望ましく、そして寝具幅が140cmである場合には、65cm程度の幅である事が望ましい。更にかかる褥瘡予防の為の補助マットはベビーベッド等においても使用する事ができる。
この左側マット部と右側マット部は、綿、羽毛、羊毛やウレタンなどの柔軟性を有する材料など、布団などに使用されている材料を用いて形成することができる。無負荷の状態における厚さが3〜5cm程度であることにより、持ち運びも容易にすることができる。そして仰臥又は横臥する等によって利用者が乗った場合に於いて、荷重を加えた部分の厚さは、0.5〜2cm程度の厚さを保持できることが望ましい。仰臥した人の背中左右両側を支持して脊椎周りを寝具から離して置く為、および横臥した人を隙間部でおさえる事ができるようにする為である。
上記本発明に係る褥瘡予防用補助マットは、ベッドや布団などの寝具の上に敷いて使用する事ができる。そしてこの褥瘡予防用補助マットの上に、使用者が横臥又は仰臥する事により、肩から臀部、又は太腿までが、この褥瘡予防用補助マットの上に乗る事ができる。そして、本発明に係る褥瘡予防用補助マットでは、左側マット部と右側マット部との間には、その長さ方向にわたって延在する所定幅の隙間部が形成されている。この為、特に仰臥した姿勢においては、使用者の背中の左右側及び腰部の左右側、そして臀部の左右側がこの褥瘡予防用補助マット、特に左側マット部と右側マット部に支持されることになる。その結果、使用者の脊椎周辺がベッドや布団から離れ、ベッドや布団などの寝具と、仰臥した使用者の脊椎周辺との間に僅かな隙間を確保する事ができる。此れにより脊椎近傍における血流の循環も円滑になり、かつ当該隙間により空気の流通を図る事ができるので、皮膚が蒸れたり、ただれたりする惧れを無くす事ができる。その結果、褥瘡の発生を効果的に阻止できると共に、発生した褥瘡の改善を期待する事ができる。
また、この褥瘡予防用補助マットにおける左側マット部と右側マット部との間に延在する所定幅の隙間部の間隔は、連結部による左側マット部と右側マット部との連結間隔を調整する事により、任意に調整する事が可能となっている。この為、使用者の体重や体型により、任意にこの隙間部の間隔を調整する事ができる。即ち、左側マット部と右側マット部とは、所定の弾力性を有するように形成されている所、使用者の体重や体型によっては、左側マット部と右側マット部の収縮量は異なってしまう。この為、体重や体型に応じて、この隙間部の間隔を調整し、両マット部の沈み込み量(収縮量)が大きい場合には、例えばこの間隔を狭める等により、使用者の脊椎周辺を確実にベッドや布団などの寝具から離間しておくことが可能になる。
ここで、上記左側マット部と右側マット部とを連結する連結部としては、両マット間に跨る帯状の部材を、少なくとも何れかのマット部に対して着脱自在に連結可能にした構造のものが使用され、例えば面ファスナー、ファスナー、フック等、公知の連結具を使用して形成する事ができる。なお、この連結部は、当該褥瘡予防用補助マット状に使用者が仰臥又は横臥した場合であっても、左側マット部と右側マット部との間の隙間部の幅が変化しない位置に形成される事が望ましい。
そして、本発明に係る褥瘡予防用補助マットにおいて、左側マット部と右側マット部は、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側又は右側を支持する長さに形成されている。その結果、仰臥した利用者も、特段の凹凸や不自然さを感じることなく、長時間使用する事が可能になる。また、各マット部をこのような大きさに形成している事から、仰臥した使用者の体重を背中から臀部にかけて全体的に分散する事ができると共に、持ち歩く上でも嵩張ることなく望ましいものとなる。
また、上記本発明に係る褥瘡予防用補助マットにおいて、左側マット部と右側マット部には、当該褥瘡予防用補助マットを載せるベッド又は布団に連結する為の紐状部分を有する固定具を設けることもできる。このように形成した場合には、当該固定具における紐状の部分をベッドや布団等に結び付ける事により、この褥瘡予防用補助マットのズレを阻止する事ができる。特に上半身側がリクライニングして起き上がることができるベッドに装着する場合には、リクライニングしてマットレスが起き上がった時に、この褥瘡予防用補助マットがズレ下がるのを阻止することができる。このような固定具は、紐状の部分を有する事により、特別な困難なく、誰でも褥瘡予防用補助マットをベッドなどに連結する事ができる。ただし、紐状部分以外であっても、簡易に褥瘡予防用補助マットをベッド、例えばベッドのフレームなどに連結できるものであれば、本発明における固定部として使用する事ができる。
そして上記本発明に係る褥瘡予防用補助マットにおいて、前記左側マット部と右側マット部とは、その幅、厚さ、及び長さの少なくとも何れかが異なっているものとすることもできる。
例えば右側マット部(又は左側マット部)の幅を他方のマット部の幅よりも大きく(例えば他方のマット部の幅よりも20%以上大きく)することができ、この場合には使用者の体の中心を寝具の片側に寄せる必要がある場合に有効なる。また右側マット部(又は左側マット部)の厚さを他方のマット部の厚さよりも厚く(例えば他方のマット部の厚さよりも20%以上厚く)することができ、この場合には使用者が仰臥した状態に於いて、何れか一方に傾ける必要がある場合や、横臥した状態に於いて使用者の背面側(背中側)又は正面側(胸部側)を支持したい場合に有効になる。そして右側マット部(又は左側マット部)の長さを他方のマット部の長さよりも長くすることができ、この場合には使用者の何れかの部位に疾患している患部があるような場合に、当該患部に使用者の体重が掛からない様にする場合に有効となる。また、横臥した姿勢に於いて、背中側又は胸部側をより長い範囲で支持したい場合等に於いても有効になる。
以上の様に構成される本発明の褥瘡予防用補助マットによれば、左側マット部と右側マット部とは、仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側又は右側を支持可能な長さ寸法、幅寸法に形成されている事から、不自然な凹凸もなく長い時間使用する事ができる。更にこのような大きさに形成された左側マット部と右側マット部によれば、体重をより広い範囲に分散する事ができることから、何れかの部位に集中的に体重がかかり、圧迫、うっ血を生じる等、褥瘡が発生する原因を根本的に解消する事ができる。即ち、横臥又は仰臥したときの体重の分散が自然であって、凹凸による違和感の存在しない褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。
また、本発明に係る褥瘡予防用補助マットでは、左側マット部と右側マット部との間に、その長さ方向にわたって確保される所定幅の隙間部が存在していることから、脊椎近傍をベッドや布団などの寝具から浮かせておくことができ、これにより脊椎近傍に体重がかかり、圧迫やうっ血が生じる等、褥瘡が発生する原因を根本的に解消する事ができる。更に、この隙間部に横臥した場合には、その横臥した人の背中や肩などをマット部で支持する事ができる事から、この横臥した姿勢を安定して持続することのできるようにした褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。
そして左側マット部と右側マット部との間隔を調整自在に連結する連結部とを備えている事から、利用者の体重や体型に合わせて当該隙間部の間隔を調整することができ、その結果、効果的に体重の多くかかる部位(脊椎近傍)を浮かせることができる褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。また、係る褥瘡予防の為の補助マットによれば、就寝中にも移動する事が無く、所期の場所に留めておくことができ、更に利用者に巻きつける等による違和感を無くした褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。
更に、本発明に係る褥瘡予防用補助マットにおいて、左側マット部と右側マット部には、当該褥瘡予防用補助マットを載置するベッド又は布団に連結する為の紐状部分を有する固定具を設けた場合には、上半身側がリクライニングするベッドなどに於いても、リクライニングに於いて当該褥瘡予防用補助マットがズレ落ちることのない褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。
そして本発明に係る褥瘡予防用補助マットにおいて、左側マット部と右側マット部とでは、その幅、厚さ、及び長さの少なくとも何れかを異ならせた場合には、使用者の好みや使用する状況に合わせて体勢を最適に保持できる褥瘡予防の為の補助マットを提供することができる。
本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マットを示す平面斜視図 本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マットを示す背面斜視図 仰臥姿勢における使用状態を示す(A)平面図、(B)横断面図 横臥姿勢における使用状態を示す(A)平面図、(B)横断面図 他の実施の形態に係る褥瘡予防用補助マットを示す平面斜視図 パッド部同士の連結状態を示す(A)背面図、(B)横断面図 褥瘡予防用補助マットの折り畳み状態を示す工程図 導尿管の設置状態を示す平面図 紐状部分を有する固定具を設けた例を示す側面図 従来のとこずれ予防具を示す略図 従来の褥瘡防止用具を示す略図 従来の床擦れ予防パッドを示す略図
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50を説明する。先ず、この実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50は、図1に示すように、平面視が長方形に形成された2つのマット部10R,10Lを用いて形成されている。この2つのマット部10R,10Lは、長さ方向の向きを揃えて並行に配置されており、両者間には所定幅の隙間が形成されている。この隙間は、仰臥した利用者の脊椎部分をベッドや布団等の寝具20から離間させる為の隙間部14として機能する。
この図1に示す実施の形態に於いて、2つのマット部は、仰臥した利用者の右半身側を支持する右側マット部10R材と、仰臥した利用者の左半身側を支持する左側マット部10L材とで構成されている。そして両マット部材は、相互に向かい合う側(内側)の面の高さを低くし、外側を高くした、横断面形状がおおよそ楔形状となっている。即ち、右側マット部10Rと左側マット部10Lとは相互に対称な形状に形成されている。
特に、この褥瘡予防用補助マット50は、敷き布団又はベッド等の寝具20の幅が約100cmのものに使用される場合、隙間部14を最大10cmとすると、右側マット部10Rと左側マット部10Lとは、「(100cm−10cm)÷2」の演算式により、約45cm程度の幅に形成される。そして、当該両マット部の厚さは、相互に向かい合う側(内側)において、約3〜5cm程度に形成されるのが望ましい。一方で、図1に示すように各マット部の横断面形状が楔形である場合に於いて、外側の高さは10cmを超えない事が望ましい。
そして、各マット部10R,10Lの形状を、図1に示すように横断面形状が楔形となるように形成した場合、この上に仰臥した利用者の体は、胴周りや背中周りの湾曲形状に沿って支持される。よって体重をより分散させる事ができる。このような横断面形状が楔形のマット部材は、例えばウレタンなどの発泡性樹脂を使用して成型する事により製造する事が考えられる。
また、上記図1に示した様な横断面形状が楔形のマット部に代え、図5に示すように、幅方向に同じ厚さ(望ましくは3〜5cm)のマット部とする事もできる。このように形成した場合でも、仰臥した利用者の体重は確実に分散する事ができ、一か所に集中するような事態を無くす事ができる。更に、各マット部10R,10Lを広さ方向に同じ厚さとする事により、布帛からなる袋体内に綿、羽毛、羊毛等を詰めて形成する事もでき、様々な材料を用いて簡易に製造する事ができる。なお、このマット部が袋体やカバーなどを伴っており、当該袋体やカバーがファスナーを備える場合、当該ファスナーを閉じた状態に於いて、そのスライダーは褥瘡予防用補助マット50に仰臥した人の頭側、更に望ましくは頭側且つ外側に存在するように形成するのが望ましい。足側に存在した場合には、使用時に於いて当該スライダーの突起で利用者に違和感を生じさせてしまう事が考えられる為である。
そして、以上の様に構成された右側マット部10Rと左側マット部10Lとは、図2に示すように背面に設けた連結部12によって繋げられ、一体化されている。この連結部12は、図2(A)に示すように、2つのマット部10R,10Lに対して着脱自在な帯状の連結部12とする他、図2(B)に示すように、一方のマット部に一体化され、他方のマット部の裏面に対して着脱自在な帯状の連結部12とする事ができる。そして着脱自在な連結を成す為には、例えば連結部12の上面とマット部の下面とに相互に連結自在な連結具、例えば面ファスナーなどフックとリングが係合する構造を設ける事ができる。その他にもフック同士が係合する構造、或いはフックと孔とが係合する構造のものを設ける事ができる。
図3は、上記本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50の使用状態示す図面であり、図3(A)は使用状態における平面図、図3(B)は頭部方向から見た横断面図である。特にこの図3では、使用者が仰臥した姿勢(即ち仰向けになった姿勢)で横になった場合の使用状態を示しており、使用者が横臥した状態に於いて、脊椎部分は、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尻椎に至るまで、ベッドや布団などの寝具20から離しておくことができる。即ち、使用者における脊椎近傍を、ベッドや布団などの寝具20から離間させると共に、両者間に隙間部14を形成する事ができる。またこの隙間部14により形成された空間により、空気の循環が促進されることから、汗や排泄物による皮膚のただれの問題を解消し、また脊椎により皮膚がベッドや布団などの寝具20に押し付けられ、うっ血する等の問題を解消することから、褥瘡が発生する要因を解消し、褥瘡の発症の問題を解決する事ができる。
図4は、上記本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50の他の使用状態を示しており、図4(A)は使用状態における平面図、図4(B)は頭部方向から見た横断面図である。この図に示すように、本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50は、利用者が横臥した姿勢(横向きになった姿勢)において、体の側面は、左側マット部10Lと右側マット部10Rとの間に形成された隙間部14に嵌り、背中側マット部により背中側を支持する事ができる。更に、横臥姿勢で上側の脚を投げ出した場合には、当該投げ出した脚はマット部の上に載せ置かれ、ベッドや布団などの寝具20面よりも高い位置に保持する事ができる。よって股関節の屈曲を小さくすることができ、無理なく仰臥姿勢を維持する事ができる。そして、仮にうつ伏せ姿勢となった場合であっても、褥瘡予防の為の補助マットと枕の間の空間、及び左側マット部10Lと右側マット部10Rとの間の空間の存在により、空気(呼気)が円滑に通る事ができ、よって息苦しさを無くす事ができる。
図6はパッド部同士の連結状態を示す(A)背面図、(B)横断面図であり、この実施の形態では、褥瘡予防用補助マット50の背面側に、2つのマット部を連結する連結部12を設置している。この連結部12は矩形に形成されて、一方の端部(図面における左側端部)がマット部に縫合等により固定されており、他方の端部(図面における右側端部)のマット部の背面と向きあう面には、面ファスナー(雄又は雌)が設けられている。そして当該他方の端部において連結部12と向き合う個所にも面ファスナー(雌又は雄)が設けられている。此れにより、マット部同士10R,10Lの連結間隔を調整する事により、両者間に設けられる隙間部14の間隔を調整する事ができる。
この実施の形態に於いて、連結部12はマット部の長さ方向に3個設けられているが、マット部の長さ方向の中心位置を除いた部分に形成されている。即ち、マット部の長さをYとした場合、中央の連結部12は「Y×1/2」となる位置に存在しない様に形成する事が望ましい。これは図7(B)に示すように、マット部同士を重ね合わせ、そして図7(C)に示すように、重ね合わせたマット部同士を長さ方向の中心から2つ折りにすることにより持ち運びが容易なサイズにすることができる。例えば、各マット部の大きさを幅40cm、長さ110cm、厚さ4cmに形成した場合、図7(C)に示すように折り畳んだ状態では、幅40cm、長さ約55cm、厚さ約12cmとなり、公共交通機関を使用しても持ち歩くことのできる大きさとなる。
図8は、本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50の使用状態を示す平面図であり、特に導尿管40の設置状態を示している。本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50は、起き上がることが困難な患者において使用するのに最適なものとなっており、排泄の為の器具の設置にも有用に機能するように工夫している。即ち、多くの医療施設に於いては、起き上がることが困難な患者に対して、その排泄(特に尿の排出)の為の苦労を軽減するべく導尿管(バルーンカテーテル)40を設置する治療を施している。この導尿管40は外尿道口から膀胱まで通すことにより、起き上がることなく排尿できるようにするものであり、尿を通す導尿管40をベッド等の外に導く必要がある。この為、従前においては、ベッド上には当該導尿管40が敷設されて、これがベッド面に凹凸を生じさせていた。また寝返り等により導尿管40を引っかけてしまう可能性もあった。そこで本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50では、ベッド上に這わせた導尿管40の上に褥瘡予防用補助マット50を敷設する事により、導尿管40による凹凸の発生や、導尿管を引っかけてしまうおそれを無くしている。特に、この褥瘡予防用補助マット50では、仰臥した姿勢又は横臥した姿勢の排泄部分の下に、前記隙間部14が存在する事から、この導尿管40を排泄部近傍に簡易に取出すことができる。また、当該マット部の脚側端部が臀部から膝の範囲に存在する事により、導尿管を設置する際には、当該マット部をめくり返すことにより、簡易に設置する事ができる。なお、このような管の設置は必ずしも導尿管40に限られるものではなく、患者に繋げられる各種の管を当該褥瘡予防用補助マット50の下に通すことで、ベッド上をスッキリさせる事ができる。
また、本実施の形態に係る褥瘡予防用補助マット50は、上記導尿管(バルーンカテーテル)40と同じように、胃瘻患者に留置するチューブ42の設置にも使用する事ができる。即ち、主に経口摂取困難な胃瘻患者に対しては、人為的に皮膚と胃に瘻孔を作成し、これにチューブを留置して、水分・栄養を流入させる処置を実施する事があり、その際には、水分や栄養を供給するチューブを患者に留置しなければならない。通常、かかるチューブ42は患者の上に設置される場合も多いが、本実施の形態に係る褥瘡予防の為の補助マットによれば、この胃瘻患者に留置するチューブ42もマット部の下に配置する事ができ、そして患者の首付近から上に引き出すことにより、ベッド上をスッキリさせる事ができる。更に、患者に対して点滴などを実施する場合にも、点滴の管44を当該マットの下を通し、そして左側マット部10Lと右側マット部10Rの間の隙間から引き出すことにより、ベッドの上をスッキリさせる事ができる。その結果、患者の寝返りにより管44やチューブを引っ張ってしまい、これらが脱視するような事態を回避する事ができる。
図9は、褥瘡予防用補助マット50をベッド又は布団に連結する為の紐状部分を有する固定具16を設けた例を示す側面図である。この図に示すように、当該褥瘡予防用補助マット50の側面に設けた固定具により、当該褥瘡予防用補助マット50をベッドに固定する事により、ベッドの上部をリクライニングさせて背当て状態にした場合であっても、この褥瘡予防用補助マット50がズレ落ちるおそれは無くなる。特に近年に於いては、医療や介護施設に於いては、リクライニング機能付きのベッドが多く用いられている事から、リクライニングの都度、褥瘡予防用補助マット50を敷き直す手間を削減できるので有用である。かかる固定具としては、当該褥瘡予防用補助マット50自体を、面ファスナーなどによりベッドの上面に固定する事も考えられるが、長い間使用する事や、誰でも困難なくベッドに固定する事を考えれば、当該固定具16は紐状の部分を備えて形成される事が望ましく、更に、紐状部分の先端にフック等を設け、このフックによりベッドのフレームなどに固定できるようにしておくのが望ましい。
上記本発明に係る褥瘡予防用補助マットは、医療施設や介護施設に於いて使用する事ができ、その他にも一般家庭や宿泊施設に於いても使用する事ができる。また、この褥瘡予防用補助マットは、必ずしも褥瘡を予防する為だけに使用されるものではなく、健常者であっても、より快適に就眠する為に使用する事もできる。
10L 左側マット部
10R 右側マット部
12 連結部
14 隙間部
16 固定具
20 寝具
40 導尿管
42 胃瘻患者に留置するチューブ
44 点滴の管

Claims (3)

  1. 仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の左側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の左側マット部と、
    仰臥した人の少なくとも背中から臀部に至る領域の右側を支持可能な長さ寸法、幅寸法の右側マット部と、
    前記左側マット部と右側マット部との間に、その長さ方向にわたって確保される所定幅の隙間部と、
    当該隙間部の間隔を任意に調整可能にして左側マット部と右側マット部とを連結する連結部とからなり、
    前記左側マット部と右側マット部は、仰臥した人の背中左右両側を支持して前記隙間部で脊椎近傍を浮かせると共に、横臥した人の背中側又は胸部側を支持し、
    前記連結部によって隙間部の間隔を調整することにより、使用者の体重や体型に応じた左側マット部と右側マット部との沈み込み量を調整する、褥瘡予防用補助マット。
  2. 前記左側マット部と右側マット部は、相互に向かい合う側の面の高さを低くし、外側を高くした横断面略楔形状に形成すると共に、
    前記連結部は、左右マット部の長さ方向の中心位置を除いた部分に形成されている、請求項1に記載の褥瘡予防用補助マット。
  3. 前記左側マット部と右側マット部とでは、その幅、厚さ、及び長さの少なくとも何れかが異なっている、請求項1に記載の褥瘡予防用補助マット。
JP2012053884A 2012-03-10 2012-03-10 褥瘡予防の為の補助マット Active JP5993165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012053884A JP5993165B2 (ja) 2012-03-10 2012-03-10 褥瘡予防の為の補助マット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012053884A JP5993165B2 (ja) 2012-03-10 2012-03-10 褥瘡予防の為の補助マット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013184014A JP2013184014A (ja) 2013-09-19
JP5993165B2 true JP5993165B2 (ja) 2016-09-14

Family

ID=49385979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012053884A Active JP5993165B2 (ja) 2012-03-10 2012-03-10 褥瘡予防の為の補助マット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5993165B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6346157A (ja) * 1986-08-14 1988-02-27 デスパツク株式会社 床ずれ防止エア−マツトの体位変換装置
JPH0661354B2 (ja) * 1989-08-01 1994-08-17 ニチバン株式会社 褥瘡防止体
JPH05131014A (ja) * 1991-11-12 1993-05-28 Satsuki Owatari 褥瘡マツト
JP3094169U (ja) * 2002-11-20 2003-06-06 知行 川畑 褥瘡防止用具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013184014A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11234877B2 (en) Therapeutic cushion systems and methods
AU2020204454B2 (en) Therapeutic cushion systems and methods
US8713729B2 (en) Devices and systems for supporting a user
US8322343B2 (en) Lower extremity exerciser and positioning device
US20100281617A1 (en) Asymmetric body pillow for use in the 3/4 prone position
WO1999042065A1 (en) Motion limiting device
CA2842604A1 (en) Body support and alignment pillow
JP2004081641A (ja) 整体治療の前後において使用する整体治療用補助具
US7150057B1 (en) Lower leg and foot pillow
US20020184707A1 (en) Body supports and protectors
JP6089239B2 (ja) 横臥寝姿勢サポート寝具
US6256804B1 (en) Body supports and protectors
JP5993165B2 (ja) 褥瘡予防の為の補助マット
JP5968246B2 (ja) 腹臥位用敷き寝具セット
JP2010110620A (ja) 腹臥位用敷き寝具
CN217566609U (zh) 一种适用于人工髋关节置换术后的防脱位医用翻身枕
CN220309324U (zh) 心衰患者半坐卧位体位维持垫
CN202277457U (zh) 便于翻身的多功能护理垫
CN219289976U (zh) 一种轴线翻身床
CN210903796U (zh) 一种斜趴卧位用的支撑装置
JP2005006939A (ja) エアマットレス
JP2008104827A (ja) 就寝用下肢クッション
CN206472887U (zh) 一种半卧位防下滑保险裤
JP2002011052A (ja) 床ずれ防止および腰痛症対策の用具
CN107753208A (zh) 一种医疗辅助床

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5993165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250