JP5990729B1 - 汎用劣化曲線作成方法及び機械寿命予測方法、並びに汎用劣化曲線作成プログラム及び機械寿命予測プログラム - Google Patents

汎用劣化曲線作成方法及び機械寿命予測方法、並びに汎用劣化曲線作成プログラム及び機械寿命予測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑油中の摩耗粒子の計測に基づいて回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成方法、及びそれを用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測方法を提供する。【解決手段】潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成方法は、軸体3及び軸受2を備え、荷重Lを与えて軸体を潤滑油4中で回転させる試験機1を使用し、軸体を回転させる駆動ステップと、潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測ステップと、繰り返し摩耗粒子数を計測させ、各回の劣化状態値を収集する劣化状態値収集ステップと、収集された劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成ステップと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価する汎用劣化曲線作成方法及びプログラム、並びに汎用劣化曲線に基づいて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測方法及びプログラムに関する。
従来、発電所や工場等で使用されている主要設備は、高経年化に伴う設備の安全性と信頼性の確保、更に保守コストの低減のために、保全手法の高度化と最適化が求められている。主要設備の中でも、例えば発電に用いられる回転機械は、直接発電出力に影響することから健全性の確保が重要となる。そのため、様々な設備診断法を用いて状態監視が行われているが、回転機械の健全性を評価する診断技術には、振動法による管理以外に有効な手法がないのが現状である。
このような状況にあって、近年、有効な機械設備の診断方法の一つとして、トライボロジー(摩擦・摩耗工学)を活用した診断手法(以下、「トライボ診断」という。)が行われている。機械設備の劣化や故障の多くは焼付きや摩耗に起因しているため、潤滑油中の摩耗粒子や潤滑油の性状を分析することで、機械設備の健全性を総合的に診断できる精密診断法である。
このような機械の潤滑油の性状による精密診断のためには、公知の粒子計数方法や粒子計数装置(「パーティクルカウンタ」とも呼ばれる。)を使用し得る。例えば、特許文献1に記載されている粒子計数装置は、光を照射したときの遮断光及び散乱光を測定することにより、液体(潤滑油)中の粒子の形状、サイズ等を識別すると共に粒子の個数を計数している。
特開2015−31665号公報
従来、回転機械等の設備について精密なトライボ診断を行うには長時間を要するため、連続的な監視が困難であるという問題があった。また、機械設備から採取した潤滑油を分析・評価するには熟練者の高度な知識が必要とされ、診断コストがかかるという問題があった。
一方、特許文献1に記載されているような粒子計数装置を適用すれば、オンラインで潤滑油中の粒子数(摩耗粒子数)を連続的に計測することが可能である。しかし、従来、潤滑油中の摩耗粒子を計測することによって回転機械の劣化状態を評価する手法は確立されていなかった。
そこで、潤滑油中の摩耗粒子の増加傾向と回転機械の劣化状態との相関を明らかにし、広く回転機械に適用することができれば、回転機械の劣化状態の一次診断を行うことができる。そして、その一次診断によって、回転機械の予測外のトラブルを早期発見することが可能となり、精密なトライボ診断が必要であるか否かをスクリーニングすることが可能になる。更に、回転機械の安全性と信頼性の確保、保守手法の最適化、保守コストの低減が期待される。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、潤滑油中の摩耗粒子の計測に基づいて回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線を作成する汎用劣化曲線作成方法及びプログラム、並びにその汎用劣化曲線に基づいて回転機械の寿命を予測する機械寿命予測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成方法であって、軸体及び前記回転機械と同一素材の軸受を備え、前記軸受に所定の荷重を与えて前記軸体を潤滑油中で回転させる試験機を使用し、前記試験機の前記軸体を所定の回転数で回転させる駆動ステップと、前記潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測ステップと、前記駆動ステップにより前記軸体の回転を開始させた後、繰り返し前記計測ステップにより前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集ステップと、前記劣化状態値収集ステップにより収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成ステップと、を備え、前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されていることを特徴とする汎用劣化曲線作成方法。
2.前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである前記1.記載の汎用劣化曲線作成方法。
3.前記回転機械の軸受はすべり軸受である前記1.又は2.に記載の汎用劣化曲線作成方法。
4.前記回転機械の軸受は転がり軸受である前記1.又は2.に記載の汎用劣化曲線作成方法。
5.前記1.乃至4.のいずれかに記載の汎用劣化曲線作成方法により作成された前記汎用劣化曲線を用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測方法であって、前記回転機械に備えられた軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測ステップと、前記実機計測ステップを2回以上行い、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、前記劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を余寿命として算定する寿命算定ステップと、を備えることを特徴とする機械寿命予測方法。
6.前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである前記5.記載の機械寿命予測方法。
7.前記回転機械の軸受はすべり軸受である前記5.又は6.に記載の機械寿命予測方法。
8.前記回転機械の軸受は転がり軸受である前記5.又は6.に記載の機械寿命予測方法。
9.潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成プログラムであって、軸体及び前記回転機械と同一素材の軸受を備え、前記軸受に所定の荷重を与えて前記軸体を潤滑油中で回転させる試験機を使用し、前記潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測機能と、前記軸体の回転が開始された後、繰り返し前記計測機能により前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集機能と、前記劣化状態値収集機能により収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成機能と、をコンピュータに実現させ、前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されていることを特徴とする汎用劣化曲線作成プログラム。
10.前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである前記9.記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
11.前記回転機械の軸受はすべり軸受である前記9.又は10.に記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
12.前記回転機械の軸受は転がり軸受である前記9.又は10.に記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
13.前記1.乃至4.のいずれかに記載の汎用劣化曲線作成方法により作成された前記汎用劣化曲線を用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測プログラムであって、前記回転機械に備えられた軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測機能と、前記実機計測機能による計測を2回以上行わせ、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、前記劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を余寿命として算定する寿命算定機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする機械寿命予測プログラム。
14.前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである前記13.記載の機械寿命予測プログラム。
15.前記回転機械の軸受はすべり軸受である前記13.又は14.に記載の機械寿命予測プログラム。
18.前記回転機械の軸受は転がり軸受である前記13.又は14.に記載の機械寿命予測プログラム。
本発明の汎用劣化曲線作成方法によれば、軸体及び軸受を備え、軸受に所定の荷重を与えて軸体を潤滑油中で回転させる試験機を使用し、試験機を所定の回転数で回転させる駆動ステップと、潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測ステップと、繰り返し前記計測ステップにより摩耗粒子数を計測させ、各回の劣化状態値を収集する劣化状態値収集ステップと、収集された劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成ステップと、を備えるため、潤滑油中の摩耗粒子数をオンラインで連続的に計測することが可能であり、計測された摩耗粒子数に基づいて算出される劣化状態値の時間的変化を、汎用劣化曲線として作成することができる。その汎用劣化曲線は、軸受の劣化状態と対応するため、回転機械の劣化状態を評価する指標とすることができる。そして、汎用劣化曲線は、時間軸が無次元量化され、且つ劣化状態値が無次元量化されるため、回転機械毎の稼働条件や、軸受のサイズ、潤滑油量等の相違がある場合にも劣化状態の評価に適用することができる。
本汎用劣化曲線作成方法により、極めて短時間で汎用劣化曲線を作成することができる。そして、汎用劣化曲線は、様々な条件で実際に稼働する回転機械の劣化状態を診断するための指標として用いることができ、回転機械の劣化状態を一元管理することが可能になる。また、汎用劣化曲線を用いた診断によって、稼働中の回転機械の予測外のトラブルを早期発見することが可能となり、精密なトライボ診断が必要であるか否かをスクリーニングすることが可能になる。更に、回転機械の安全性と信頼性の確保、保守手法の最適化、保守コストの低減を図ることができる。
前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである場合には、容易に劣化状態値を算出することができ、軸受の劣化状態を評価するための指標を適宜選択することができる。
前記回転機械の軸受はすべり軸受である場合には、すべり軸受の摩耗劣化状態を汎用劣化曲線によって評価可能にすることができる。
前記回転機械の軸受は転がり軸受である場合には、転がり軸受の疲労劣化状態を汎用劣化曲線によって評価可能にすることができる。
本発明の機械寿命予測方法によると、前記汎用劣化曲線作成方法により作成された汎用劣化曲線を用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測方法であって、前記回転機械に備えられた軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測ステップと、前記実機計測ステップを2回以上行い、各回で算出された劣化状態値を汎用劣化曲線に対応させることにより、劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を寿命として算定する寿命算定ステップと、を備えるため、軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測してその変化を監視し、汎用劣化曲線に照らし合わせることによって、実際に稼働する回転機械の劣化状態を評価することができる。そして、回転機械の軸受が使用限界に至るまでの時間を、回転機械の余寿命として算定することができる。
前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである場合には、実際に稼働する回転機械において計測される摩耗粒子数から容易に劣化状態値を算出することができ、実際の軸受の余寿命を算定するための指標を適宜選択することができる。
前記回転機械の軸受はすべり軸受である場合には、実際に稼働するすべり軸受の摩耗劣化状態を汎用劣化曲線によって評価可能にすると共に、その余寿命を算定することができる。
前記回転機械の軸受は転がり軸受である場合には、実際に稼働する転がり軸受の疲労劣化状態を汎用劣化曲線によって評価可能にすると共に、その余寿命を算定することができる。
本発明の汎用劣化曲線作成プログラムによれば、前記汎用劣化曲線作成方法を行うために好適な機能をコンピュータ上に実現することができる。
本発明の機械寿命予測プログラムによれば、前記機械寿命予測方法を行うために好適な機能をコンピュータ上に実現することができる。
汎用劣化曲線の作成を行うための試験機の構成を示すブロック図である。 すべり軸受における摩擦係数の経時変化を概念的に示す図である。 摩擦係数、摩耗粒子数及び摩耗粒子増加率を同時に計測した結果を示すグラフである。 無次元化した時間に対する摩耗粒子増加率の変化を示すグラフである。 汎用劣化曲線作成プログラムの構成を示す図である。 余寿命の算定方法を説明するためのグラフである。 余寿命の算出例である。 機械寿命予測プログラムの構成を示す図である。 すべり軸受を対象とする試験機の具体な構成を示す図である。 すべり軸受の加速試験結果を示すグラフである。 すべり軸受の摩擦係数と摩耗粒子増加率との関係を示すグラフである。 すべり軸受の加速試験によって作成された汎用劣化曲線を示すグラフである。 すべり軸受を備える実機における摩耗粒子数の変化を示すグラフである。 前図から求められた摩耗粒子増加率と汎用劣化曲線を示すグラフである。 転がり軸受を対象とする試験機の具体な構成を示す図である。 転がり軸受の加速試験の結果(摩耗粒子数)を示すグラフである。 転がり軸受の加速試験の結果(摩耗粒子増加率)を示すグラフである。 転がり軸受の加速試験によって作成された汎用劣化曲線を示すグラフである。 別の転がり軸受の摩耗粒子増加率と汎用劣化曲線を示すグラフである。
1.汎用劣化曲線作成方法及び汎用劣化曲線作成プログラム
本実施形態に係る汎用劣化曲線作成方法は、潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械(実機)の劣化状態を評価する汎用劣化曲線を作成するために、軸体(3)及び前記回転機械と同一素材の軸受(2)を備え、軸受(2)に所定の荷重(L)を与えて軸体(3)を潤滑油(4)中で回転させる試験機(1)を使用して、潤滑油(4)中の摩耗粒子数の計測を行う。
図1は、上記試験機1(1A、1B)の構成を模式的に表した図である。同図(a)はすべり軸受を対象として摩擦試験を行う試験機1Aである。本例は、断面が矩形の試験軸受2Aに円盤型の試験軸体3Aを接触させて試験を行う、いわゆるブロック・オン・ディスク型と呼ぶ試験機である。試験軸受2Aは回転機械の軸受に相当し、試験軸体3Aは回転機械の軸体に相当する。試験軸受2Aはベース9上に固定されており、少なくとも試験軸受2Aと試験軸体3Aとの接触面は、潤滑油4中に浸漬されている。
試験軸体3Aは、設定された任意の回転数(例えば、0〜1800rpm)で回転し、試験軸受2Aと試験軸体3Aとの接触面に、任意の荷重Lがかけられる。荷重Lの大きさ及び方向は特に限定されない。本例においては、回転軸に直角の方向に任意の大きさのラジアル荷重L(例えば、0〜1000N)がかけられるようにされている。
同図(b)は、転がり軸受を対象として疲労試験を行う試験機1Bを表している。本例の試験機1Bは、ベース9上に上下に分割されたハウジング92が設置されており、試験軸受(転がり軸受)2Bが上下2つのハウジング92に挟まれて固定されている。試験軸受2Bに支持されて試験軸体3Bが回転される。少なくとも試験軸受2Bの内輪と外輪の間には、潤滑油4が注入される。
試験軸体3Bは、設定された任意の回転数(例えば、0〜1800rpm)で回転し、試験軸受2Bには、任意の荷重Lがかけられる。荷重Lの大きさ及び方向は特に限定されない。本例においては、上側のハウジング92を介して下向きに任意の大きさのラジアル荷重L(例えば、0〜22kN)がかけられるようにされている。荷重として、回転軸方向に作用するスラスト荷重がかけられてもよい。
上記すべり軸受、転がり軸受のいずれの場合も、回転数や荷重の設定により、軸受の劣化の加速試験とすることができる。
図1(a)のようにすべり軸受を対象とする場合も、同図(b)のように転がり軸受を対象とする場合も、潤滑油4は流動され、潤滑油4中の摩耗粒子の数は、摩耗粒子計測装置5によって計測される。摩耗粒子計測装置5による摩耗粒子数の計測は、公知の手法(例えば、特許文献1)によって可能である。
本汎用劣化曲線作成方法は、試験機1(1A、1B)を用いて、試験軸受2(2A、2B)に支持される試験軸体3(3A、3B)を回転させ、潤滑油4中の摩耗粒子数を計測し、計測された摩耗粒子数に基づいて、軸受2の劣化状態を評価するための指標となる劣化状態値を算出し、その劣化状態値の時間的変化から汎用劣化曲線(劣化マスターカーブ)を作成するように構成される。このため、汎用劣化曲線作成方法は、駆動ステップと、計測ステップと、劣化状態値収集ステップと、汎用劣化曲線作成ステップと、を備えている。
前記駆動ステップは、試験軸受2に対して所定の荷重Lがかけられた状態において、所定のタイミング及び回転数により、試験軸体3を回転させる。試験軸体3を回転させるとは、試験軸体3の回転を開始させ、回転数を維持又は変化させ、回転を停止させることを含む。
前記計測ステップは、摩耗粒子計測装置5を用いて潤滑油4中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づいて劣化状態値を算出する。劣化状態値は、軸受の劣化程度と相関があり、その劣化状態を評価する指標となるものである限り問わない。例えば、劣化状態値として、摩耗粒子の数、単位油量当りの摩耗粒子の数、単位時間当りの摩耗粒子増加数、単位時間当りの摩耗粒子増加率(以下、「摩耗粒子増加率ΔPC」等という。)等を挙げることができる。
計測ステップにおいては、ロードセル等(図示せず)を用いて、試験軸受2にかけられた荷重Lを計測するようにすることができる。また、必要に応じて、各部温度等を計測するようにすることができる。
前記劣化状態値収集ステップは、前記駆動ステップにより試験軸体3の回転を開始させた後、繰り返し前記計測ステップを行って摩耗粒子数を計測させ、各回の劣化状態値を収集する。繰り返し計測を行う周期(サンプリング周期)は、収集された劣化状態値の変化から汎用劣化曲線を作成可能である限り、任意とすることができる。
前記汎用劣化曲線作成ステップは、前記劣化状態値収集ステップにより収集された劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する劣化状態値の変化を、汎用劣化曲線として作成する。すなわち、劣化状態値が第1の値以上となった時点を汎用劣化曲線の開始点とし、劣化状態値が第2の値となった時点を汎用劣化曲線の終止点とすることができる。
前記第1の値は、軸受の劣化過程により適宜設定することができ、例えば、軸受の劣化が進展し始めたことが判定可能な時点の劣化状態値の値とすることができる。また、前記第2の値も、軸受の劣化過程により適宜設定することができ、例えば、軸受が故障に至る直前の劣化状態値の値とすることができる。第1の値及び第2の値について、より具体的には、後述するすべり軸受及び転がり軸受の例において説明する。
汎用劣化曲線は、時間軸が前記経過時間に基づいて無次元量化される。すなわち、汎用劣化曲線の上記開始点を「0」とし、上記終止点を「1」とするように、無次元時間に変換することができる。また、劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化される。すなわち、汎用劣化曲線の開始点の値を「0」とし、終止点の値を「1」とするように、劣化状態値を変換することができる。
軸受がすべり軸受である場合、その劣化の要因は、主として軸体と軸受との間の摩擦により生じる摩耗である。一方、転がり軸受の場合には、劣化の要因は、主として軸受の疲労である。本汎用劣化曲線作成方法は、対象がすべり軸受であっても転がり軸受であっても適用することができる。以下では、すべり軸受の場合を例として、汎用劣化曲線作成方法を詳しく説明する。
すべり軸受の損傷程度及び劣化状態、すなわち摩耗の進行程度は、軸体3Aと軸受2Aとの間の摩擦係数に基づいて評価することが可能である。
図2は、すべり軸受における摩擦係数μの経時変化を概念的に示した図である。摩擦係数μの経時変化は、潤滑状態の経時変化と言い換えることができる。例えば、潤滑状態が急激に変化することで摩擦係数は高くなる。これとは対照的に、潤滑状態が緩やかに変化した場合は、摩擦係数の変化も緩やかである。しかし、潤滑状態は実際の経過時間tに対して一義的に定まるのではなく、摩耗の進展プロセスによって定まると考えられる。つまり、摩擦係数の変化に伴い変化する潤滑状態は、回転数の変化等に影響される。
図2(a)は、回転数Rの変化速度(ΔR)によって摩擦係数μの変化の速さが異なることを表している。回転数の変化速度が早い場合(ΔR)には、時間tで一定の摩擦係数μmaxに至る。これに比べて回転数の変化速度が遅い場合(ΔR)には、摩擦係数μmaxに至るまでの時間tは、tよりも長くなる。ここで、回転数の変化速度ΔRが異なっても、摩擦係数μの値がμminからμmaxに至るまでの曲線は相似することが見出される。したがって、時間tに対する摩擦係数μ(潤滑状態)の変化は、1つの劣化曲線として集約され得る。図2(b)は、摩擦係数μの値がμminとなる時刻を0、μmaxとなる時刻を1として無次元化した時間Tに対する、摩擦係数μの変化を表したものである。このように時間軸を変換すれば、回転数の変化速度ΔRに関わらず、摩擦係数μの変化は1つの曲線によって表すことができる。以下、図2(b)に表されたような、無次元化した時間Tに対して潤滑状態の変化を表す曲線を、「汎用劣化曲線」という。
上記のとおり、摩擦係数の時間推移は、その変化のプロセスに関わらず、時間軸を無次元量化することによって一義的に表すことができる。また、時間に対する摩擦係数の変化は、指数関数で表されるものと考えることができる。なぜなら、劣化(摩耗)が進展するほど摩擦係数μの増加速度は速くなる。これは、機械の摩擦部が急激に焼付くという経験からも妥当と考えられる。したがって、摩擦係数μと劣化(摩耗)は相関し、摩擦係数μの値が大きくなればなる程、急速に値が増加するということができる。
次に、摩擦係数μと、摩耗粒子数(PC)、及び摩耗粒子数の増加率(ΔPC)との相関をみる。図3は、摩擦係数μ、摩耗粒子数PC、及び摩耗粒子増加率ΔPCを同時に計測した結果を示している。一定の潤滑領域においては一定の摩擦係数μが発現し、その摩擦係数μが保持される状態となる。同図(a)は、それぞれ一定の値(μ、μ、μ)の摩擦係数μが発現する各潤滑領域において、摩擦係数μの時間tに対する変化を示している。同図(b)は、摩擦係数μが前記一定の値となる各潤滑領域において、摩耗粒子数PCの変化を示している。同図(c)は、摩擦係数μが前記一定の値となる各潤滑領域において、摩耗粒子増加率ΔPC(すなわち同図(b)の傾き)の変化を示している。
同図(c)より、摩擦係数μが一定の値(μ、μ、μ)に達する時点tにおける、摩擦係数μ及び摩耗粒子増加率ΔPCの値を抽出すると、同図(d)に示すグラフが得られる。すなわち、摩耗粒子増加率ΔPCは、摩擦係数μに比例することが分かる。したがって、図2(b)に示された摩擦係数μに基づく汎用劣化曲線は、無次元化した時間Tに対する摩耗粒子増加率ΔPCの変化を示す曲線に変換することが可能である。
無次元化した時間Tに対する摩耗粒子増加率ΔPCの変化は、図4に示すような汎用劣化曲線となる。摩擦係数はすべり軸受の潤滑状態を表す指標であるが、実機で摩擦係数を測定することは極めて困難である。しかし、潤滑油中に生じた摩耗粒子数は計測することができる。したがって、計測された摩耗粒子数に基づき、軸受の潤滑状態を表す新たな指標として、前記劣化状態値を算出することができる。この劣化状態値として、時々刻々計測された摩耗粒子数PCから算出される摩耗粒子増加率ΔPCを用いることができる。そうすると、汎用劣化曲線は、指数関数(ΔPC=aebT+c、ただし、a、b、cは任意の定数。)によって表すことができる。
また、図3に示されたように、摩擦係数μと摩耗粒子数PCとの間にも一定の相関が見出される。したがって、適宜の変換手段を用いることによって、摩耗粒子数PC又はその単位時間当りの増加数を劣化状態値とし、それに基づいて汎用劣化曲線を表すことも可能である。
すべり軸受において、潤滑状態の良否は油膜形成の状態により決まり、摩擦係数は、すべり速度、油の動粘度、荷重により決定される。一般に、潤滑状態は以下の3つの状態に区分される。
(i)流体潤滑:十分な厚さの潤滑膜が形成され、潤滑膜により接触する金属の2面間が完全に離れた潤滑状態。
(ii)混合潤滑:境界潤滑状態と流体潤滑状態が混在する潤滑領域。
(iii)境界潤滑:油膜が十分に形成されず、金属の2面間での接触が生じる潤滑状態。
図4に示したように、汎用劣化曲線は、前記劣化状態値収集ステップにより収集された劣化状態値が前記第1の値(例えば、ΔPCmin)以上となってから前記第2の値(例えば、ΔPCmax)になるまでの間の経過時間に対する変化として作成することができる。また、前記のとおり、第1の値となる時点から第2の値となるまでの時間が無次元量化される。更に、劣化状態値は、第1の値及び第2の値に基づき無次元量化するようにすることができる。
劣化状態値の前記第1の値は、軸受の潤滑状態が前記混合潤滑の初期の値(例えば、摩擦係数μが0.02となる状態に対応する劣化状態値)とすることができる。
また、劣化状態値の前記第2の値は、軸受の使用限界となる値とすることができる。例えば、摩擦面の潤滑状態が前記境界潤滑の直前となる値(例えば、摩擦係数μが0.08となる状態に対応する劣化状態値)とすることができる。
以上に説明した汎用劣化曲線作成方法の各前記ステップは、一般にコンピュータを用いて実行するようにすることができる。すなわち、前記汎用劣化曲線作成方法をコンピュータ上で行うための汎用劣化曲線作成プログラムを実現することができる。
図5に、汎用劣化曲線作成プログラムの構成例を示す。汎用劣化曲線作成プログラムは、潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成プログラムであって、軸体3及び前記回転機械と同一素材の軸受2を備え、軸受2に所定の荷重を与えて軸体3を潤滑油4中で回転させる試験機1を使用し、潤滑油4中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測機能64と、軸体3の回転が開始された後、繰り返し計測機能64により摩耗粒子数を計測させ、各回の劣化状態値を収集する劣化状態値収集機能66と、劣化状態値収集機能66により収集された劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成機能68と、をコンピュータ6に実現させる。
コンピュータ6に備えられた記憶装置60に、計測された摩耗粒子数、算出された劣化状態値等を蓄積して記憶すると共に、作成された汎用劣化曲線を構成するデータを格納しておくことができる。
また、汎用劣化曲線作成プログラムには、試験機1の軸体3を所定の回転数で回転させる駆動機能62を備えることができる。
各前記機能は1つのコンピュータ6上に備えられる必要はなく、コンピュータ6は、適宜プログラマブルコントローラやデータロガー等を含んで構成されてもよい。
2.機械寿命予測方法及び機械寿命予測プログラム
以上に説明した汎用劣化曲線を用いることによって、実際に稼働している回転機械(実機)の劣化状態を診断し、その余寿命を予測することが可能になる。
この機械寿命予測方法は、前記汎用劣化曲線作成方法により作成された汎用劣化曲線を用いて回転機械の寿命を予測する機械寿命予測方法であって、回転機械(1x)に備えられた軸受(2x)の潤滑油(4x)中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数(PC)に基づく劣化状態値(例えば、ΔPC)を算出する実機計測ステップと、実機計測ステップを2回以上行い、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、前記劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を寿命として算定する寿命算定ステップと、を備えて構成される。
劣化状態値の前記所定の値は、汎用劣化曲線の前記終止点の値(例えば、前記ΔPCmax)とすることができる。また、汎用劣化曲線の終止点は軸受の使用限界に対応するため、前記所定の値は、終止点より低い値であって管理上定めた値とすることもできる。
前記実機計測ステップにおいては、実機を対象として、前記汎用劣化曲線作成方法における計測ステップと同様に、潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づいて劣化状態値(例えば、摩耗粒子増加率ΔPC)を算出することができる。
前記寿命算定ステップでは、適宜の時期に、2回以上、前記実機計測ステップを実行して、各時点の摩耗粒子増加率ΔPCを取得するようにすることができる。
図6(a)は、実時間tの経過に伴う摩耗粒子増加率ΔPCの通常の変化を表している。ここで、摩耗粒子増加率の値ΔPCminは前記第1の値、値ΔPCmaxは前記第2の値(使用限界値)とすることができる。1回目の計測時(t)に摩耗粒子増加率はΔPCであり、2回目の計測時(t)に摩耗粒子増加率はΔPCであったとする。そうすると、この実機の時刻tにおける余寿命tは、図6(a)上で、摩耗粒子増加率がΔPCである時刻tからΔPCmaxに至る時刻tまでの時間となる。
そこで、寿命算定ステップにおいて、同図(b)に示すような汎用劣化曲線を参照する。汎用劣化曲線は前記汎用劣化曲線作成方法により作成されたもので、無次元量化した時間軸Tにおいて、使用限界となる時刻を1とするように作成されている。この汎用劣化曲線において、摩耗粒子増加率の値がΔPCとなる時刻Tと、ΔPCとなる時刻Tとを読み取る。この汎用劣化曲線に従うと、この実機の余寿命Tは、摩耗粒子増加率がΔPCである時刻TからΔPCmaxに至る時刻「1」までの時間となる。
したがって、図7に示すように、無次元量化された時間軸Tにおける余寿命T(すなわち、1―T)を基に、実時間において実機が使用限界となる時刻t、及び実機の余寿命t(すなわち、t―t)を求めることができる。
以上のように、汎用劣化曲線の適用範囲は、発生粒子数の増加が確認されるすべり軸受の劣化進展期から使用限界点までとすることができる。よって、実機の劣化状態の監視は、発生粒子数の増加率が劣化進展期の値(ΔPCmin)を超えた時点から開始すればよい。
機械寿命予測方法の各前記ステップは、一般にコンピュータを用いて実行するようにすることができる。すなわち、前記機械寿命予測方法をコンピュータ上で行うための機械寿命予測プログラムを実現することができる。
図8に、機械寿命予測プログラムの構成例を示す。機械寿命予測プログラムは、前記汎用劣化曲線作成方法により作成された汎用劣化曲線を用いて回転機械1xの寿命を予測する機械寿命予測プログラムであって、回転機械1xに備えられた軸受2xの潤滑油4x中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測機能72と、実機計測機能72による計測を2回以上行わせ、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、劣化状態値が所定の値に至るまでの時間(t)を寿命として算定する寿命算定機能74と、をコンピュータ6に実現させる。
摩耗粒子数の計測は、摩耗粒子計測装置5を用いて行うことができる。
コンピュータ6には記憶装置60が備えられている。記憶装置60には、前記汎用劣化曲線作成方法により作成された汎用劣化曲線を構成するデータが格納されており、実機1xにおいて計測された摩耗粒子数、算出された劣化状態値等を蓄積して記憶することができる。コンピュータ6は、これらのデータを処理することにより実機の余寿命を算定することができる。
各前記機能は1つのコンピュータ6上に備えられる必要はなく、コンピュータ6は、適宜プログラマブルコントローラやデータロガー等を含んで構成することができる。
3.実施例
[1]すべり軸受を対象とした実施例
すべり軸受を対象として、図9に示すような試験機を使用して前記汎用劣化曲線作成方法によって汎用劣化曲線を作成する試験を行った。この試験機は、断面が矩形のブロック試験片(軸受2Aに相当)に円盤型のディスク試験片(軸体3Aに相当)を接触させて試験を行うブロック・オン・ディスク型と呼ぶものである。オイルタンク中の潤滑油は、試験を行う間、ポンプにより試験終了まで循環される。また、その一部が図示しない摩耗粒子計測装置(5)に送られ、ディスク試験片とブロック試験片との摩擦面で発生する摩耗粒子の数が計測される。
本実施例においては、潤滑油、回転数、荷重等の条件を設定することにより潤滑状態を変化させる(流体潤滑状態、混合潤滑状態(初期、中期、終期)、境界潤滑状態)。その各潤滑状態における摩擦係数を発現させることによって、摩耗劣化を加速することができる。
ディスク試験片を1500rpmで空転させた状態から、ブロック試験片に対して荷重400Nをかけ、20秒間〜40秒間の3通りで、回転数を1500rpmから0rpmへと徐々に変化させた。これによって、図10(a)に示すように、摩擦係数μは0.02程度(流体潤滑状態)から0.08以上(境界潤滑付近)まで変化する。この計測結果を、無次元化した時間軸Tに対する摩擦係数μの変化に変換して表したものが、同図(b)である。これから、摩擦係数μの時間推移は、その変化のプロセスに関わらず、時間軸を無次元量化することによって一義的に定まること、すなわち1つの曲線として表現可能であることが確かめられた。この曲線は、同図(b)に示されているような指数関数となる。
次に、摩擦係数μと摩耗粒子増加率ΔPCの相関を調べた。摩擦係数μが一定に維持された各潤滑状態において、摩擦係数μと摩耗粒子増加率ΔPCとの関係は図11に示すようになった(図においては摩耗粒子増加量をΔPCと表す。以下同様。)。ここで計測したのは、混合潤滑領域(0.02≦μ≦0.1)に当たる。そして、摩擦係数が0.01のときは摩耗粒子増加量ΔPCが0であるとしている。摩擦係数が0.01の潤滑状態は流体潤滑であり、この状態であれば油膜は十分に形成されて摩擦面からの摩耗粒子の発生はないとみることができるからである。同図中の回帰曲線で表されるように、混合潤滑領域において、摩擦係数μと摩耗粒子増加量ΔPCには線形の相関があることが分かる。
前記の無次元化した時間軸Tに対する摩擦係数μの変化(図10(b))と、摩擦係数μと摩耗粒子増加量ΔPCとの関係(図11)とから、摩擦係数μの変化を摩耗粒子増加量ΔPCの変化に置き換えることができる。そうすると、無次元化した時間Tに対する摩耗粒子増加量ΔPCの変化は、図12に示すように表すことができる。同図に示された、無次元化した時間Tに対する摩耗粒子増加量ΔPCの変化は、指数関数を用いて表すことができる(ΔPC=aebT−c。ただし、a、b、cはパラメータ)。
これが、汎用劣化曲線であり、計測された摩耗粒子数に基づいて算出される劣化状態値の変化は、すべり軸受の潤滑状態を管理し得る指標となる。
(実機を用いた計測例)
参考として、揚水ポンプを対象に、そのすべり軸受箱内の潤滑油を徐々に抜油し油面を低下させて過酷な潤滑状態を作り出し、軸受の摩耗劣化の推移を計測した結果を基に、汎用劣化曲線が適用可能かどうかを検討した。
揚水ポンプを作動させた後の潤滑状態からみれば、当初の流体潤滑状態から潤滑状態に変化が生じ、混合潤滑初期の段階と評価することができる時点(以下、劣化進行点という。)以降は、観測される摩耗粒子数の増加が確認され、摩耗速度が増加した。この劣化進行点以降における単位容積当りの摩耗粒子数の変化は、図13に示すようになった。より詳しい分析では、同図において摩耗粒子数が15000を超えた段階では、比較的大きな粒子が発生し、比較的小さな粒子の発生が少なくなったことが確認された。この時点で、摩耗の発生プロセスが遷移したと考えられる(以下、摩耗遷移点という)。潤滑状態において、摩耗遷移点は混合潤滑後期から境界潤滑の段階とみることができる。
図13に示した結果から、単位容積当りの摩耗粒子数から摩耗粒子増加率ΔPCを算出し、時間軸を無次元化して作成した摩耗粒子増加率ΔPCの近似曲線と、前記汎用劣化曲線作成方法によって作成された汎用劣化曲線とを描いたのが図14である。ここで、両者の摩耗粒子増加率ΔPCは無次元量に変換してある。このように時間軸及び摩耗粒子増加率ΔPCを無次元量とすることによって、試験機と実機との潤滑油量や軸と軸受の接触面積の違いの影響を除くことができ、対象とする実機の条件によらず比較可能となる。
図14に明らかなように、試験機により作成された汎用劣化曲線(劣化マスターカーブ)と、実機により計測された摩耗状態(摩耗粒子増加率ΔPC)を表す近似曲線とは、よく一致している。上記劣化進行点は、前記汎用劣化曲線作成方法における劣化状態値の第1の値に対応する。また、上記摩耗遷移点は、前記汎用劣化曲線作成方法における劣化状態値の第2の値に対応する。したがって、前記汎用劣化曲線作成方法によって作成された汎用劣化曲線は、広く実機の摩耗状態の評価に適用することが可能であるといえる。また、実機が上記摩耗遷移点に至るまでの余寿命は、前記機械寿命予測方法によって評価可能であるといえる。
実機への汎用劣化曲線の適用に当たっては、軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、摩耗粒子数又はその増加率が一定の値を超えた時点(劣化進行点)以降、摩耗粒子数の変化を監視するようにすればよい。そして、計測された摩耗粒子数を基に劣化状態値(例えば、摩耗粒子増加率ΔPC)を算出し、汎用劣化曲線に対応させることによって、実機の摩耗状態を評価することができる。
そして、異なる時期(少なくとも2回)の劣化状態値を汎用劣化曲線に対応させることにより、劣化状態値が所定の値(例えば、摩耗遷移点の値)に至るまでの時間を、回転機械(すべり軸受)の余寿命として算定することができる。
実機の潤滑油中の摩耗粒子数は、摩耗粒子計測装置5を使用し、前記実機計測機能を備えた機械寿命予測プログラムによって常時サンプリングすることが可能である。したがって、前記機械寿命予測方法は、軸受を備える回転機械の管理において、より詳細な診断等を実施するためのスクリーニングの手段として用いることもできる。
[2]転がり軸受を対象とした実施例
本汎用劣化曲線作成方法及び機械寿命予測方法は、転がり軸受を備える回転機械に対しても適用することができる。
一般に、転がり軸受の損傷は、転がり疲れ、その他の要因(焼付き、かじり、割れ、き裂、欠け、摩耗等)によって生じる。転がり疲れとは、疲労限以上の荷重を支持して運転し、軸受材料の疲れ破壊が転動体と軌道面の転がり接触面に生じる現象である。転がり疲れが転がり接触面に生じると、うろこ状のはがれ、所謂はく離が生じる。本汎用劣化曲線作成方法及び機械寿命予測方法は、転がり軸受の寿命とされるはく離(フレーキング)を対象として適用することができる。
転がり軸受では、転動体と内外輪の軌道面下で、繰返し接触応力が生じている。転がり接触下では、繰返しせん断力を受けることによりき裂が進展する。そのき裂が伝播することで、最終的にフレーキングに至る。転がり軸受の劣化状態は、初期摩耗、定常摩耗、異常摩耗と推移する。初期摩耗とは、軟質金属の表面突起の変形や摩耗の進行過程である。定常摩耗とは、油膜が十分に形成され、表面突起の変化や摩耗が減少する過程である。異常摩耗とは、転がり接触下でのき裂が進展し、転がり軸受の寿命であるフレーキングが発生する過程である。発明者らの過去の知見では、異常摩耗の期間において、潤滑油中の摩耗粒子数が急激に増加する。
転がり軸受の加速試験に用いた転がり試験機を図15に示す。試験機の軸受(図1に示した試験軸受2Bに相当)には、ハウジングを介して、下向きのラジアル荷重(L)がかけられる。油槽の潤滑油は、別途設けられている主油槽との間で循環される。本試験においては、試験軸受の温度上昇を防ぐため、冷却水槽内で冷却された後の油をハウジング上部より試験軸受へ供給するように構成している。
油槽の潤滑油の一部は摩耗粒子計測装置5に送られ、油槽内で発生する摩耗粒子の数及びサイズが計測される。摩耗粒子計測装置5は気泡と粒子を識別可能であり、オンラインで計測を行うことができる。軸受に与える荷重Lは、0〜22kNの範囲で手動により調整される。この他、試験器には、軸の回転数や軸受の振動、温度等を測定するためにトルクメータ、振動センサ、温度センサ等が設けられている。
本加速試験においては、なじみ過程終了後、転がり軸受の劣化が進みフレーキングが確認されるまでの期間を対象とした。転がり軸受の寿命は軸受材料が疲れ破壊を起こす時点とされていることから、ヘルツ接触による疲労摩耗を想定し、摩耗粒子数の推移(特に摩耗粒子数増加速度)を測定した。
上記試験機を用いて汎用劣化曲線を求める期間の開始点は、定常摩耗時の発生摩耗粒子数の増加が確認された時点(発生摩耗粒子数の平均値に標準偏差+σを加算した値を逸脱した点)とした。また、軸受にフレーキングが発生すると、それに伴う振動が生じるため、その振動が一定値を超えたときには試験を終了させた。汎用劣化曲線を求める期間の終了点は、異常摩耗時における発生摩耗粒子数の最大点とした。
図16は、上記試験の計測結果(摩耗粒子数の変化、及びその近似曲線)の例を示している。
図17は、上例を含む諸条件における計測値から求められた劣化状態値(摩耗粒子増加率ΔPC)の近似曲線を、時間軸を無次元量化し、且つ劣化状態値を無次元量化して表したグラフである。本図を見れば、条件によらず、無次元量化した時間に対する無次元量化した摩耗粒子増加率ΔPC’の変化は、1つの曲線によって表すことができることが分かる。その曲線は、図18に示すように、指数関数を用いて表すことができる。同図に示された関数の定数は、上記諸条件における近似曲線の平均値である。
図18に示した曲線が汎用劣化曲線であり、摩耗粒子数の変化を計測することによって転がり軸受の疲労摩耗を管理し得る指標となる。
実際の回転機械(実機)には、種々のサイズの転がり軸受が用いられている。転がり軸受が損傷に至る疲労摩耗の進展過程は、軸受サイズにはよらず同様であり、前記試験機(図15)を用いて作成された汎用劣化曲線は、種々の軸受サイズを備える実機に適用可能と考えられる。この点を確かめるため、前記加速試験で用いたものとはサイズが異なる、別の転がり軸受を使用して試験を行った。
この別の転がり軸受に対して、諸条件により複数回行った試験結果をまとめると、図19のとおりであった。同図は、各回に計測された摩耗粒子数を基に算出された摩耗粒子増加率ΔPC’(無次元量)の、時間(無次元量)に対する変化を表している。このように時間軸及び摩耗粒子増加率ΔPCを無次元量とすることによって、軸受や油量の違いの影響を除くことができ、対象とする実機の条件によらず比較可能となる。
図19から明らかなように、摩耗粒子増加率ΔPC’の近似曲線は、軸受サイズにはよらず、また条件にはよらず、指数関数による1つの曲線として表すことができる。そして、前記加速試験により作成された汎用劣化曲線とよく一致する。
したがって、前記汎用劣化曲線作成方法は、広く実機に備えられる転がり軸受の疲労摩耗状態の評価に適用することが可能である。また、実機にフレーキングが発生するまでの余寿命は、前記機械寿命予測方法によって評価可能であることが分かる。
実機への汎用劣化曲線の適用に当たっては、転がり軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数又は劣化状態値が一定の値を超えた時点(劣化進行点)以降、摩耗粒子数の変化を監視するようにすればよい。その監視期間においては、計測された摩耗粒子数を基に劣化状態値(摩耗粒子増加率ΔPC)を算出し、汎用劣化曲線に対応させることによって、実機の摩耗状態を評価することができる。そして、異なる時期(2回以上)の劣化状態値を汎用劣化曲線に対応させることにより、図6及び7に示したように、劣化状態値が所定の値(フレーキングを生じる値)に至るまでの時間を、回転機械(転がり軸受)の余寿命として算定することができる。
実機の潤滑油中の摩耗粒子数は、摩耗粒子計測装置5を使用し、前記実機計測機能を備えた機械寿命予測プログラムによって常時サンプリングすることが可能である。したがって、本機械寿命予測方法は、転がり軸受を備える回転機械の管理において、より詳細な診断等を実施するためのスクリーニングの手段として用いることもできる。
以上に説明した各実施例から、すべり軸受、転がり軸受のいずれを備える回転機械であっても、試験機を用いることなく、実際に稼働している回転機械において摩耗粒子を継続的に計測することによっても汎用劣化曲線の作成は可能である。すなわち、潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成方法は、回転機械の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測ステップと、繰り返し前記計測ステップにより前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集ステップと、前記劣化状態値収集ステップにより収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成ステップと、を備え、前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されているように構成することができる。
上記劣化状態値として、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、その増加率等を適宜選択することができる。
また、上記汎用劣化曲線作成方法を行う汎用劣化曲線作成プログラムを構成することができる。すなわち、潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成プログラムは、前記潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測機能と、繰り返し前記計測機能により前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集機能と、前記劣化状態値収集機能により収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成機能と、をコンピュータに実現させ、前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されているように構成することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
1、1A、1B;試験機、1x;回転機械(実機)、
2、2A、2B;(試験)軸受、2x;(実機の)軸受、
3、3A、3B;(試験)軸体、3x;(実機の)軸体、
4;試験潤滑油、4x;(実機の)潤滑油、
5;摩耗粒子計測装置、
6;コンピュータ、60;記憶装置、62;駆動機能、64;計測機能、66;劣化状態値収集機能、68;汎用劣化曲線作成機能、72;実機計測機能、74;寿命算定機能、
82;モータ、9;ベース、92;ハウジング。

Claims (16)

  1. 潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成方法であって、
    軸体及び前記回転機械と同一素材の軸受を備え、前記軸受に所定の荷重を与えて前記軸体を潤滑油中で回転させる試験機を使用し、
    前記試験機の前記軸体を所定の回転数で回転させる駆動ステップと、
    前記潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測ステップと、
    前記駆動ステップにより前記軸体の回転を開始させた後、繰り返し前記計測ステップにより前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集ステップと、
    前記劣化状態値収集ステップにより収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成ステップと、
    を備え、
    前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されていることを特徴とする汎用劣化曲線作成方法。
  2. 前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである請求項1記載の汎用劣化曲線作成方法。
  3. 前記回転機械の軸受はすべり軸受である請求項1又は2に記載の汎用劣化曲線作成方法。
  4. 前記回転機械の軸受は転がり軸受である請求項1又は2のいずれかに記載の汎用劣化曲線作成方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の汎用劣化曲線作成方法により作成された前記汎用劣化曲線を用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測方法であって、
    前記回転機械に備えられた軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測ステップと、
    前記実機計測ステップを2回以上行い、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、前記劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を余寿命として算定する寿命算定ステップと、
    を備えることを特徴とする機械寿命予測方法。
  6. 前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである請求項5記載の機械寿命予測方法。
  7. 前記回転機械の軸受はすべり軸受である請求項5又は6に記載の機械寿命予測方法。
  8. 前記回転機械の軸受は転がり軸受である請求項5又は6に記載の機械寿命予測方法。
  9. 潤滑油中で稼働される軸受を備える回転機械の劣化状態を評価するための汎用劣化曲線作成プログラムであって、
    軸体及び前記回転機械と同一素材の軸受を備え、前記軸受に所定の荷重を与えて前記軸体を潤滑油中で回転させる試験機を使用し、
    前記潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する計測機能と、
    前記軸体の回転が開始された後、繰り返し前記計測機能により前記摩耗粒子数を計測させ、各回の前記劣化状態値を収集する劣化状態値収集機能と、
    前記劣化状態値収集機能により収集された前記劣化状態値が第1の値以上となってから第2の値になるまでの経過時間に対する前記劣化状態値の変化を汎用劣化曲線として作成する汎用劣化曲線作成機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記汎用劣化曲線は、時間が前記経過時間に基づいて無次元量化され、且つ前記劣化状態値が前記第1の値及び前記第2の値に基づき無次元量化されていることを特徴とする汎用劣化曲線作成プログラム。
  10. 前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである請求項9記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
  11. 前記回転機械の軸受はすべり軸受である請求項9又は10に記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
  12. 前記回転機械の軸受は転がり軸受である請求項9又は10に記載の汎用劣化曲線作成プログラム。
  13. 請求項1乃至4のいずれかに記載の汎用劣化曲線作成方法により作成された前記汎用劣化曲線を用いて回転機械の余寿命を予測する機械寿命予測プログラムであって、
    前記回転機械に備えられた軸受の潤滑油中の摩耗粒子数を計測し、その摩耗粒子数に基づく劣化状態値を算出する実機計測機能と、
    前記実機計測機能による計測を2回以上行わせ、各回で算出された前記劣化状態値を前記汎用劣化曲線に対応させることにより、前記劣化状態値が所定の値に至るまでの時間を余寿命として算定する寿命算定機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とする機械寿命予測プログラム。
  14. 前記劣化状態値は、単位油量当りの前記摩耗粒子の数、その単位時間当りの増加数、及びその増加率のうちの1つである請求項13記載の機械寿命予測プログラム。
  15. 前記回転機械の軸受はすべり軸受である請求項13又は14に記載の機械寿命予測プログラム。
  16. 前記回転機械の軸受は転がり軸受である請求項13又は14に記載の機械寿命予測プログラム。
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