JP5986646B2 - 試料を分析する方法およびシステム - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、参照によりその内容の全体を本明細書に組み込む、2012年2月7日出願の米国仮出願第61/595903号の優先権を主張するものである。
本開示は、材料の試料を分析する方法およびシステムに関し、さらに詳細には、未知の試料のアイデンティティ、産出地および/または処理履歴を決定する方法およびシステムに関する。
材料(例えば鉱物)の供給源決定は、様々な理由で有用である。例えば、ある場所からの材料は、別の場所からの材料より価値が高いことがある。さらに、地政学的懸念から、特定の地域からの材料の販売を制限する法律が存在することもある。現在、特定の紛争鉱石の鉱床(例えばコロンバイトおよびタンタライト)を区別するには、鉱物学的分析、地球化学的分析、および地質年代学的分析を組み合わせて行う必要があり、それには時間がかかる可能性があり、かつ試料を壊滅的に破壊してしまう可能性がある。希少で価値の高い材料の場合には、試料の完全性を保つために非破壊的な分析ツールが必要となるのが普通である。
現状では、非破壊的な産出地決定は、人間による観察と高機能分析計器から収集されたデータの組合せに大きく基づいている。最終的な決定は、通常は、研究者の不確かな、かつときにはまちまちである意見に依ることになる。産出地決定に従来使用されている技術としては、ラマンおよびルミネセンス分光法、X線撮影法、断層撮影法、エネルギー分散性X線蛍光分析(EDXRF)、および走査型電子顕微鏡エネルギー分散性分光法(SEM−EDS)などが挙げられる。2次イオン質量分析(SIMS)およびレーザアブレーション誘導結合プラズマ質量分析(LA−ISP−MS)も、近年、供給源決定研究に適用されるようになっている。上記の技術には、それぞれ利点と欠点がある。
本開示は、物理的材料(例えば宝石)の試料の発光スペクトル全体を使用すると、試料の発光スペクトルの一部分しか使用しない従来の方法より正確に試料の産出地を決定することができるという予期せぬ発見に基づいている。さらに、本開示は、試料の不均質性および/または様々な励起条件によって生じる物理的材料の発光スペクトルの変動は、ノイズとして破棄したり平均したりするべきではなく、試料のアイデンティティをより正確に決定するために使用することができるという予期せぬ発見にも基づいている。
本明細書に記載する方法は、天然であれ人工であれ、全ての材料は、その誕生に関わる材料および過程の痕跡を有しているという前提に基づいている。全ての材料試料は、十分に詳細に検査すれば、他のあらゆる試料と異なっている。本明細書に記載する方法は、これらの形成痕跡を使用して、試料をその類似点および相違点に従って分類する。
供給源決定は、材料(例えば鉱物)の価値を決定する、または材料(例えば製造材料)がその仕様通りに作製されているかどうかを判定するなど、様々な理由で有用である。本明細書で言及する「供給源」は、鉱物などの天然材料の場合には発見された地理学的位置を指すことがあるが、人工材料の場合には、特定の工場、プロセスまたは製造業者を指すこともある。人工材料の供給源決定は、偽造品および/または基準以下の製品の識別を可能にする。
1つの態様では、本開示は、試料を分析する方法を特徴とする。この方法は、(a)試料の一部分をプラズマに複数回変換するステップと、(b)試料変換のそれぞれに応答して発出される電磁放射のスペクトルを記録して、試料のスペクトルのシーケンスを規定するステップであり、シーケンスの各メンバが、試料変換の異なる1回に応答して記録されたスペクトルに対応するステップと、(c)電子プロセッサを使用して、試料のスペクトルのシーケンスを、参照ライブラリ中の複数の参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較するステップと、(d)電子プロセッサを使用して、ライブラリ中の複数の参照試料との比較に基づいて試料に関する情報を決定するステップとを含む。
別の態様では、本開示は、試料を分析するシステムを特徴とする。このシステムは、(a)試料の一部分をプラズマに複数回変換する励起源と、(b)試料変換のそれぞれに応答して電磁放射のスペクトルを記録して、試料のスペクトルのシーケンスを規定するように構成された分光計であり、シーケンスの各メンバが、試料変換の異なる1回に応答して記録されたスペクトルに対応する分光計と、(c)試料のスペクトルのシーケンスを、参照ライブラリ中の複数の参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較し、ライブラリ中の複数の参照試料との比較に基づいて試料に関する情報を決定するように構成された電子プロセッサとを備える。
あるいは、これらの態様のそれぞれにおいて、参照ライブラリには参照試料が1つしか存在していなくてもよく、その場合には、電子プロセッサは、ライブラリ中のその1つの参照試料のスペクトルのシーケンスとの比較に基づいて、試料に関する情報を決定することができる。これは、分析対象の試料に関する所望の情報が、例えば分析対象の試料がこの1つの参照試料に対応している、または対応していないということの単純な検証または認証であるときに適している。
これら4つの態様のいずれかに関する実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの実施形態では、複数回のそれぞれで、電磁放射パルスを使用して試料をプラズマに変換する。いくつかの実施形態では、電磁放射パルスは、レーザ、イオンビーム、電子ビーム、またはアーク放電に由来することができる。例えば、電磁放射パルスは、レーザに由来することができ、試料のレーザ誘起ブレークダウンを引き起こす。
いくつかの実施形態では、試料は、固体(例えば宝石、金属、製造金属合金などの製造材料、または生物学的材料)である。特定の実施形態では、試料は、液体(例えば試料は血液、尿、油、または水)である。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の参照試料は、共通の元素組成を有し、かつ熱処理が異なるなど、処理プロトコルが異なる金属合金である。
いくつかの実施形態では、分析対象の試料および1つまたは複数の参照試料は、共通の元素組成を有する金属合金とすることができ、電子プロセッサによって決定される情報は、分析対象の試料が、参照試料のうちの1つに対応する特定の処理プロトコルを受けているかどうかである。
いくつかの実施形態では、試料のプラズマへの変換によって、試料は、原子発光を示す電磁放射を発出する。特定の実施形態では、試料のプラズマへの変換によって、さらに、試料は、同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および試料中の異なる原子による原子発光間のスペクトル干渉のうちの1つまたは複数を示す電磁放射を発出する。
いくつかの実施形態では、各スペクトルは、原子発光、ならびに同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および異なる原子による原子発光間のスペクトル干渉のうちの1つまたは複数に対応する電磁放射の発出を解像するのに十分なスペクトル解像度で記録される。例えば、各スペクトルは、少なくとも10000チャネルを含むスペクトル解像度で測定することができる。別の例としては、各スペクトルは、0.1nmより精細であり、好ましくは0.06nmより精細なスペクトル解像度で測定することができる。
いくつかの実施形態では、各スペクトルは、195nmから1005nmを含む範囲にわたって測定される。
いくつかの実施形態では、試料のシーケンスのメンバは、複数回(例えば複数回の励起)の間に試料の一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータに応じて記録されたスペクトルに対応する。例えば、異なるパラメータは、異なるパルスエネルギー、異なるパルス幅、異なるパルス波長、またはそれらの組合せを含むことができる。
いくつかの実施形態では、試料のシーケンスのメンバは、複数回(例えば複数回の励起)の間に試料の一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの試料上の異なる入射箇所に応じて記録されたスペクトルに対応する。例えば、異なる入射箇所は、試料の原子組成の不均質性を特徴付けるのに十分であることもある。いくつかの実施形態では、異なる箇所は、互いに少なくとも10μm離間している。いくつかの実施形態では、異なる入射箇所は、少なくとも10箇所の異なる箇所(例えば少なくとも15箇所の異なる箇所、または少なくとも64箇所の異なる箇所)を含む。
いくつかの実施形態では、試料のシーケンスのメンバは、複数回(例えば複数回の励起)の間に試料の一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータと、複数回の間に試料の一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの試料上の異なる入射箇所との組合せに応じて記録されたスペクトルに対応する。
いくつかの実施形態では、試料のスペクトルのシーケンスは、複数回(例えば複数回の励起)の間に試料について記録された全ての異なるスペクトルに対応するメンバを含むことができる。本明細書で使用する各「メンバ」は、スペクトルのシーケンス中の1つの一意的なスペクトルに対応する。このようなメンバのセットが、そのシーケンスの「成分」スペクトルを規定する。
いくつかの実施形態では、電子プロセッサは、クラスタ技術を用いて、試料のスペクトルのシーケンスのメンバを決定することができる。このような分析は、分析対象の試料のスペクトルのシーケンスおよび/または参照試料のいずれかのスペクトルのシーケンスに適用することができる。
いくつかの実施形態では、電子プロセッサによる比較は、分析対象の試料のスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布を、参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布と比較するステップを含む。例えば、分析対象の試料の確率分布は、各メンバが分析対象の試料のスペクトルのシーケンスに現れる回数を示すヒストグラムとして表すことができ、各参照試料のメンバの確率分布は、各メンバが各参照試料のスペクトルのシーケンスに現れる回数を示すヒストグラムとして表すことができる。
いくつかの実施形態では、電子プロセッサによる比較は、試料のシーケンスがライブラリ中の参照試料の少なくとも一部のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定するステップを含むことができる。例えば、程度を特定するステップは、(a)試料のシーケンスの各スペクトルをライブラリ中の異なるスペクトルと比較して、試料のシーケンス中のスペクトルと一致する可能性が最も高いライブラリの異なるスペクトルを特定するステップと、(b)ライブラリのどの参照試料が特定したスペクトルの全てを含むかを特定するステップと、(c)試料のシーケンスが特定した参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子プロセッサは、最近傍アルゴリズムを使用して、上述の特定するステップの一方または両方を実行する。
別の例では、試料のシーケンスが参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定するステップは、分析対象の試料のメンバの確率分布を参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布と比較するステップを含む。
いくつかの実施形態では、参照ライブラリは、(a)各参照試料のアイデンティティに関する情報を提供するステップ、(b)各参照試料の一部分をプラズマに複数回変換するステップ、および(c)参照試料変換のそれぞれに応答して各参照試料から発出される電磁放射のスペクトルを記録して、各参照試料のスペクトルのシーケンスを規定するステップであり、参照試料シーケンスの各メンバが、参照試料変換の異なる1回に応答して記録されたスペクトルに対応するステップによって作成される。例えば、各参照試料シーケンスのメンバは、複数回(例えば複数回の励起)の間に各参照試料の一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータと、複数回の間に参照試料をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの各参照試料上の異なる入射箇所との組合せに応じて記録されたスペクトルに対応する。
いくつかの実施形態では、試料に関する情報は、試料のアイデンティティまたは供給源を含むことができる。
本開示のその他の特徴および利点は、本明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
試料を参照ライブラリ中の参照試料と比較して、その試料に関する情報を取得する一連の例示的なステップを示す流れ図である。 図1のステップ(c)を実行する一連の例示的なステップを示す流れ図である。 図1のステップ(c)を実行する別の一連の例示的なステップを示す流れ図である。 試料の発光スペクトルを取得して分析する例示的なシステムを示す図である。 特定の処理条件を受けた17−4ステンレス鋼の試料の成分スペクトルを示す3つのグラフを示す図である。
これらの図面において、同様の参照符は同様の要素を指している。
一般に、本開示は、試料の全発光スペクトルを使用することによって試料を分析する(それにより、例えばその試料のアイデンティティおよび/または産出地を決定する)方法およびシステムに関する。いくつかの実施形態では、試料のアイデンティティの決定は、試料が特定の仕様に従って製造されたかどうかの判定を含むこともある。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、未知の試料(すなわち産出地またはアイデンティティが未知の試料)の1つまたは複数の発光スペクトルを取得すること、および取得したスペクトルを参照ライブラリの各参照試料(すなわち産出地またはアイデンティティが既知の試料)のスペクトルと比較することを含む。未知の試料の産出地またはアイデンティティは、そのスペクトルがライブラリにある1つまたは複数の参照試料のスペクトルと一致したとき(すなわち十分な類似性を有するとき)に決定することができる。いくつかの実施形態では、ライブラリは、参照試料を1つしか含んでいないこともある。そのような実施形態では、本明細書に開示する方法は、(例えば検証または認証のために)未知の試料がその参照試料と同じかどうか、または異なるかどうかを検証するために使用することができる。
一般に、本明細書に開示する方法によって分析することができる試料としては、地質学的材料(例えば鉱物、宝石、岩石、隕石または金属)、製造材料(例えば加工金属部品、鋳造金属部品または薬剤)あるいは生物学的材料(例えば病原体、細菌、ウィルス、食品または木材)など、任意の適当な材料が挙げられる。例示的な鉱物としては、緑柱石、コランダム、トルマリン、ダイヤモンド、金、鉄マンガン重石、錫石、およびコロンバイト−タンタライト(コルタン)などが挙げられる。例示的な宝石としては、ダイヤモンド、エメラルド、ルビーおよびサファイヤなどが挙げられる。例示的な岩石としては、石灰岩、大理石および花崗岩などが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法によって分析することができる試料は、無機材料(例えば宝石)であってもよいし、有機材料(例えばリンゴまたはオレンジ)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法によって分析することができる試料は、固体試料または液体試料(例えば血液、尿、油または水)である。
1つの適用分野では、分析する試料と、1つまたは複数の参照試料とは、様々な処理条件(例えば様々な熱処理)にさらされる製造部品(例えば金属合金)とすることができる。このような場合には、それらの部品の元素組成は同じであることもあるが、処理条件が異なることにより、それぞれの材料が異なる性質を有するようになる。本明細書に開示する技術は、このような部品を区別することができる。
図1は、試料を参照ライブラリにある参照試料と比較してその試料についての情報を取得する一連の例示的なステップを示す流れ図である。図1に示すように、本明細書に開示する方法は、(a)試料の一部分をプラズマに複数回変換するステップと、(b)各試料変換に応答して発出される電磁放射のスペクトルを記録して、試料のスペクトルシーケンスを規定するステップであって、シーケンスのメンバが、資料変換の異なる1つに応答して記録されたスペクトルに対応するステップと、(c)電子プロセッサを使用して、試料のスペクトルのシーケンスを、参照ライブラリ中の複数の参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較するステップと、(d)電子プロセッサを使用して、ライブラリ中の複数の参照試料との比較に基づいて試料に関する情報を決定するステップとを含むことができる。
ステップ(a)は、電磁放射パルスを試料に照射することによって実行することができる。一般に、この電磁放射は、試料の一部分をプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有している。例示的な電磁放射としては、レーザビーム(例えば266nm、355nm、532nmまたは1064nmのレーザビーム)、イオンビーム、電子ビームおよびアーク放電などが挙げられる。理論に束縛されることを望むものではないが、このようにして形成されたプラズマは、様々な励起原子を含み、それらの原子が、より低いエネルギー状態に戻るときに電磁放射を発出すると考えられる。いくつかの実施形態では、これらの電磁放射は、原子発光を示す。いくつかの実施形態では、これらの電磁放射は、同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および試料中の異なる原子による原子発光間のスペクトル相互作用のうちの1つまたは複数を示す電磁放射をさらに含むことがある。
本明細書で使用する「原子発光」という用語は、試料中の原子(例えばNaまたはMgなどの金属元素)による電磁放射の放出を指す。従来は、原子発光が、試料の産出地を決定するための元素分析測定において主要な信号として使用され、他の発光(例えば同位体発光または分子発光)は、ノイズとして破棄されるのが一般的であった。例えば、従来の方法では、通常は、(例えば部分最小二乗(PLS)または主成分分析(PCA)などのアルゴリズムを使用して)発光スペクトルの一部を選択するか、あるいはいくつかのスペクトルを平均して、ノイズと想定されるものを減少させる。これに対して、本明細書に開示する方法は、試料から得られた発光スペクトル全体に依拠して、その産出地を決定する。理論に束縛されることを望むものではないが、原子発光以外の発光(例えば同位体発光、分子発光または分子同位体発光)は、参照試料または未知の試料の「シーケンス」(または岩石生成シグネチャ)を表しており、未知の試料の産出地を決定するためには本明細書に記載するデータ分析に含めるべきであると考えられる。さらに、理論に束縛されることを望むものではないが、同種の鉱物でも、それぞれの産出地によって(例えば国によって、鉱床によって、鉱山によって、および帯によって)、かつそれらの産出地の環境条件(例えば天候、熱水変質および局所的な構造応力)によって変動する、異なる「シーケンス」を有する可能性があると考えられる。したがって、理論に束縛されることを望むものではないが、試料から得られた発光スペクトル全体(上述の付加的な発光、ならびにそれらの発光の間のスペクトル干渉、および潜在的なその他の未確認の機構を含むことができる)を使用することによって、未知の試料の産出地を、従来の方法より正確に決定することができると考えられる。
本明細書で使用する「分子発光」という用語は、試料中の分子(例えばHOまたはCO)による電磁放射の発出を指す。「同位体発光」という用語は、試料中の原子の同位体(例えば重水素と水素、235U/238U、または10B/11B)による電磁放射の発出を指す。スペクトル内の同位体発光は、一般的に小さい。例えば、424.412nmの輝線における235Uと238Uとの間の同位体シフトは、0.025nmである。別の例としては、594.522nmの輝線における239Puと240Puとの間の同位体シフトは、0.005nmであり、208.889nmの輝線における10Bと11Bとの間の同位体シフトは、0.002nmである。分子スペクトルに見られる同位体シフトは、同位体(原子)スペクトルの同位体シフトより大幅に大きいことが、レーザアブレーション分子同位体分光法(LAMIS)によって分かっている。例えば、1016Oおよび1116Oの分子同位体シフトは、0.73nmであり、これは、酸素(O)と結合していないときの10Bおよび11Bの同位体シフトより大幅に大きい。これらの同位体シフトおよび分子同位体シフトは、通常は、試料から発出される放射の全体の強度に対して相対的にとても小さいので、従来はノイズとして無視されていた。しかし、本明細書に開示する方法は、試料の発光スペクトル全体を利用するので、これらの小さなシフトも、データ分析中に未知の試料から収集したスペクトルをライブラリ中の参照試料と比較するときに保持しておく。
本明細書で使用する「スペクトル干渉」という用語は、分析物から発出される放射の、計器が検出する他の放射からの不完全な分離を指す。例えば、本明細書に開示する方法を使用して緑柱石という鉱物を分析するときには、元素Beは、V、Ti、Fe、Cr、MgおよびMnとスペクトル干渉を有する可能性があり、元素Alは、Mg、V、Ca、Ti、Cr、FeおよびMnとスペクトル干渉を有する可能性があり、元素Siは、Cr、Fe、Mg、V、AlおよびMnとスペクトル干渉を有する可能性がある。これらのスペクトル干渉が原因となり、試験した試料の化学組成の表現が不正確になる恐れがある。したがって、従来は、試料の化学組成の分析において(特に定量測定において)スペクトル干渉が問題になる可能性があった。これに対して、未知の試料の産出地を決定するときに使用される場合に、本明細書に開示する方法は、これらの方法では、未知の試料から得られるスペクトル全体をライブラリ中の参照試料のそれぞれから得られるスペクトル全体と比較するので、スペクトル干渉に含まれる情報を利用することができ、したがって、参照試料および未知の試料から発出される放射の絶対強度に関する懸念がない。
一般に、本明細書に開示する方法のステップ(a)は、試料に電磁放射(例えばレーザ)を複数回(例えば少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも60回、または少なくとも80回)照射することを含む。いくつかの実施形態では、試料は、複数箇所(例えば少なくとも10箇所、少なくとも15箇所、少なくとも20箇所、少なくとも30箇所、少なくとも40箇所、少なくとも60箇所、または少なくとも120箇所)に電磁放射が照射され、最大では240箇所以上も照射される。いくつかの実施形態では、試料は、上記の箇所のそれぞれにおいて複数回(例えば各箇所で少なくとも2回、または少なくとも3回)電磁放射が照射される。理論に束縛されることを望むものではないが、試料(例えば鉱物)は、顕微鏡スケールでは横方向および縦方向の両方に不均質であると考えられる。さらに、異なる電磁放射パルスは、異なるエネルギー強度を有する可能性があり、したがって、異なる発光スペクトルを生成する可能性がある。そこで、理論に束縛されることを望むものではないが、試料の複数箇所で、かつその複数の場所の各箇所ごとに複数回照射を行い、その後それらの照射によって生じるスペクトルを収集することによって、試料の産出地に特有の上記の変動の、より完全な全体像をとらえることができると考えられる。したがって、本明細書に開示する方法を使用することによって、試料の産出地をより正確に決定する(例えばその試料が得られる特定の鉱床または鉱山を正確に特定する)ことができる。
一般に、照射箇所は、(例えば試料の原子組成の不均質性を特徴付けるのに十分に、または各箇所の試料が以前の照射で生じたデブリで汚染されないことを保証するのに十分に広くなるように)互いに適当な距離だけ離間している。いくつかの実施形態では、この適当な距離は、少なくとも10μm(例えば少なくとも15μmまたは少なくとも20μmなど)とすることができる。特定の実施形態では、この適当な距離は、少なくとも100nm(例えば少なくとも1μmまたは少なくとも5μm)とすることができる。
一般に、ステップ(b)は、各試料変換(すなわちプラズマの形成)に応答して発出される電磁放射のスペクトルを記録することによって実行することができる。いくつかの実施形態では、各スペクトルは、最初に検出器(例えば分光計)によって検出され、次いで、電子プロセッサ(例えばコンピュータ)に記録される。ステップ(a)で試料に電磁放射(例えばレーザ)を複数回(例えば少なくとも60回)照射する際に、試料から複数のスペクトルが得られる。一般に、各スペクトルは、次の電磁放射の照射による試料変換の前に、検出および記録される。いくつかの実施形態では、各スペクトルは、原子発光、ならびに同位体発光、分子発光、分子同位体発光および様々な原子による原子発光間のスペクトル干渉のうちの1つまたは複数に対応する電磁放射の発出を解像するのに十分なスペクトル解像度で記録される。いくつかの実施形態では、適当なスペクトル解像度は、少なくとも10000チャネル(例えば少なくとも20000チャネル、少なくとも30000チャネル、少なくとも40000チャネル、少なくとも60000チャネル、少なくとも80000チャネル、少なくとも100000チャネル、少なくとも200000チャネル、少なくとも300000チャネル)とすることができ、最大では400000チャネル以上にすることができる。例えば、適当なスペクトル解像度は、40000チャネルまたは67000チャネルとすることができる。理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書に開示する方法で高いスペクトル解像度を使用することで、精細なスペクトル線またはスペクトルバンドを解像することができ、したがって最終結果の確度を高めることができると考えられる。例えば、195nmと1005nmとの間のスペクトルウィンドウで400000チャネルものスペクトル解像度を使用すると、幅約2pmのスペクトル線またはスペクトルバンドを解像することができる。
いくつかの実施形態では、試料の全てのスペクトルを記録した後で、それらのスペクトルを共通の測定単位にスケーリングすることができる。スケーリングは、一般に、(例えば各スペクトルチャネルを、スペクトルを生成するために使用したエネルギーの平均値で割ることなどにより)変形を保存する情報を使用することによって行われる。次いで、これらのスケーリングしたスペクトルを、それらのスペクトル間で比較して、異なるスペクトル(「成分信号」とも呼ばれる)の数を決定することができる。この比較は、(例えばコンピュータなどの電子プロセッサによって)次のように実行することができる。すなわち、最初に、試料から得られた第1のスケーリング済みスペクトルと第2のスケーリング済みスペクトルを比較することができる。これら2つのスケーリング済みスペクトルが十分に類似している場合には、それらが同じスペクトル(すなわち同じ成分信号)であると考える。これら2つのスケーリング済みスペクトルが実質的に異なる場合には、それらを2つの異なるスペクトル(すなわち2つの異なる成分信号)であると考える。いくつかの実施形態では、2つのスケーリング済みスペクトルの類似性を決定するために、マッチングアルゴリズム(例えば重みつきK最近傍アルゴリズム)を使用して、試料のスペクトルのシーケンス全体を比較して、共通参照スペクトル(例えば試料の全てのスペクトルのセントロイドスペクトル)を得ることができる。次いで、各スペクトルと共通参照スペクトルとの差を計算することができる。その後、それらの全ての差の標準偏差を計算することができる。各スペクトルと共通参照スペクトルとの差が、共通参照スペクトルからの差の標準偏差の所与の割合未満である場合には、2つのスペクトルは類似していると考えられる。次いで、第3のスケーリング済みスペクトルを、最初の2つのスケーリング済みスペクトルと比較することができる。第3のスケーリング済みスペクトルが第1のスケーリング済みスペクトルおよび第2のスケーリング済みスペクトルのうちの一方と十分に類似している場合には、第3のスケーリング済みスペクトルは、一意的なスペクトルとは考えられない。第3のスケーリング済みスペクトルが第1のスケーリング済みスペクトルおよび第2のスケーリング済みスペクトルのうちのいずれとも実質的に異なる場合には、第3のスケーリング済みスペクトルは、一意的なスペクトル(すなわち異なる成分信号)であると考えられる。このプロセスを、試料から収集した全てのスケーリング済みスペクトルを同じ試料からのその他のスケーリング済みスペクトルと比較するまで、繰り返すことができる。次いで、一意的なスペクトル(これらは、それぞれが異なる試料変換に応答したもの)をコンパイルして、そのシーケンスについての1組の成分スペクトルのセットを形成することができる。シーケンス中のそれぞれの一意的なスペクトルは、以下では、シーケンスの「メンバ」とも呼ぶ。一般に、1つのシーケンスは1つのメンバを含むこともあるし(例えば試料が完全に均質な場合)、あるいは2つ以上のメンバを含むこともある(例えば試料が不均質な場合)。多くの試料では、シーケンスは、少なくとも10個のメンバ(例えば少なくとも15個のメンバ、または少なくとも64個のメンバ)を含むのが普通である。
MathWorks Inc.(米国マサチューセッツ州ナティック)のMATLAB(登録商標)ツールボックスに搭載されて市販されているようなクラスタ技術アルゴリズムを使用して、スペクトルのシーケンスにおける成分スペクトルを決定することができる。例えば、上述の重みつきK最近傍アルゴリズムを使用して、重みつきK最近傍の差が十分に小さければ共通の成分を規定するスペクトルを特定することができる。
いくつかの実施形態では、試料のシーケンスの特定のメンバは、ステップ(a)で実行した複数回の変換中にサンプルの一部分をプラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータ(例えば異なるパルスエネルギー、異なるパルス幅、異なるパルス波長、またはそれらの組合せ)に応答して記録されるスペクトルに対応する。
いくつかの実施形態では、試料のシーケンスの特定のメンバは、ステップ(a)で実行した複数回の変換中にサンプルの一部分をプラズマに変換するために電磁放射パルスを照射した試料の異なる入射箇所に応答して記録されるスペクトルに対応する。いくつかの実施形態では、これらの異なる入射箇所は、試料の原子組成の不均質性を特徴付けるのに十分である。例えば、これらの異なる入射箇所は、互いに少なくとも10μm(例えば少なくとも15μm、または少なくとも20μm)だけ離間させることができる。いくつかの実施形態では、試料のシーケンスの特定のメンバは、電磁放射パルスの異なるパラメータおよび異なる入射箇所に応答して記録される。
本明細書に開示する方法が、試料(例えば参照試料または未知の試料など)のシーケンスの各スペクトルの全体のスペクトルを、そのスペクトルを平滑化することなく、あるいは様々な照射によって得られたスペクトルを平均する、かつ/または様々な照射箇所から得られるスペクトルを平均することによってスペクトル中のノイズを減少させることなく、かつ/または振幅の小さいスペクトル線およびスペクトルバンドをノイズとして破棄することなく、利用することに留意することは重要である。理論に束縛されることを望むものではないが、試料から得られるこのような情報は全て、試料の「シーケンス」を表しているために重要であり、未知の試料の産出地をより正確に決定するために使用することができると考えられる。これに対して、従来の方法は、一般に、試料から得られるスペクトルの一部分しか使用しなかったり、いくつかのスペクトルを平均してノイズを減少させたり、または振幅の小さいスペクトル線をノイズとして破棄したりしており、それにより試料に関する価値ある情報を失うことになっている。
試料のスペクトルのシーケンスが得られた後で、そのシーケンスを、参照ライブラリ中の複数の参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較することによって、ステップ(c)を実行することができる。一般に、未知の試料の産出地を決定するためには、ライブラリ中の各参照試料の産出地は既知である。
一般に、1つの試料の測定スペクトルも、(例えば各スペクトルチャネルを、スペクトルを生成するために使用したパルスエネルギーの平均値で割ることにより)変形を保存する情報を使用することによって共通の測定単位にスケーリングされる。このスケーリングは、各スペクトル内の相対変動を保存するように同形である。
一般に、地質学的材料(例えば宝石または金属)の参照ライブラリを確立するためには、最初に、世界中の鉱床から参照試料を収集することができる。地質学的材料の産出地の高い信頼度を保証するためには、(1)位置のGPS座標、(2)収集日時、(3)収集者の名前および所属、(4)その試料を風化した岩石から採取したかどうか、(5)その試料を母岩から直接採取したかどうか、(6)その試料を採取した帯、(7)母岩のタイプ、(8)その試料を鉱山の尾鉱、鉱山の床、または川のいずれから採取したか、(9)物理的試料の記述(例えば色、大きさ、包有物または母岩)、ならびに(10)その試料を他の試料と一緒に収集したかどうかなど、収集中に、材料試料についての十分な情報を文書に記載することが望ましい。いくつかの実施形態では、1つの鉱床の特定の鉱山から統計的に有意な数(例えば少なくとも30個)の試料を収集することが望ましい。いくつかの実施形態では、1つの鉱床が複数の鉱山を有する場合には、各鉱山から統計的に有意な数(例えば少なくとも30個)の試料を収集することが望ましい。いくつかの実施形態では、1つの鉱山が、同じ地質学的材料(例えばペグマタイト)を含有する帯を複数有する場合には、各帯から統計的に有意な数(例えば少なくとも30個)の試料を収集することが望ましい。収集後、全ての試料に、試料を収集事象まで追跡するために使用することができる内部追跡番号を割り当てる。収集パラメータを記載した文書は、物理的試料とともに保管され、厳密なCoC(チェーンオブカストディ)手続きに従って、参照収集の継続的な完全性を保証する。
次いで、上述のステップ(a)および(b)を実行することによって、収集した参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスを得ることができる。いくつかの実施形態では、収集した全ての参照試料のスペクトルが得られた後で、これらの参照試料にデータ分析プロセス(例えば重みつきK最近傍アルゴリズムなどのマッチングアルゴリズム)を適用して、参照試料どうしが互いにどのくらい類似しているか/類似していないかを決定することができる。いくつかの実施形態では、重みつきK最近傍アルゴリズムで使用される重みづけは、Webbによる「Statistical Pattern Recognition」、2002年に記載されるようなカーネル密度推定関数によって決定する。いくつかの実施形態では、このデータ分析プロセスでは、2つの照射箇所のデータの間の距離を考慮に入れる。ここで、距離は、Warren他による「Use of Mahalanobis Distance for Detecting Outliers and Outlier Cluster in Markedly Non-Normal Data」、2011年に記載されるようなマハラノビス距離によって測定することができる。重みつきK最近傍アルゴリズムのその他の態様は、例えば、Viswanath他による「An Improvement to k-nearest neighbor classifier」、2011年、IEEE Digital Libraryに見ることができる。いくつかの実施形態では、このデータ分析プロセスは、1組の固定された試験パラメータのセット(例えばデータチャネルの数、試料グループの数、各グループ中の試料の数、照射箇所間の距離、各試料のグリッド点(照射箇所)の数、x座標、y座標およびz座標の数で定義されるグリッドの形状、K最近傍アルゴリズムの重みづけに使用する重み、および/または各スペクトルと共通参照スペクトルとの差の標準偏差の割合)を用いて開始することができ、その後、各参照試料の試験を、その試料上または試料内の複数の箇所で開始することができる。このデータ分析プロセスの完了時に、その試料上またはその試料内におけるその他の全ての試験に対する各試験のプロフィルを定義する。全ての参照試料についてデータ分析プロセスが完了した後で、得られたデータをデータベースに入れる。次いで、データベースの分析を(例えば上述の重みつきK最近傍アルゴリズムなどのマッチングアルゴリズムを使用することによって)実行して、参照試料どうしが互いにどのくらい類似しているか/類似していないかを決定することができる。例えば、一部の試料の表面から得られた試験結果が、残りの試料の表面試験で得られた結果と類似していないが、試料の表面下から得られた試験結果は、全ての試料について類似している場合には、それらの試験試料上に2種類の異なる被覆が存在すると結論づけるか、あるいは表面化および表面から得られた試験結果がその試料のセットの試験結果と類似していれば、試験された試料の一部については被覆が存在しないと結論づけることができる。上記の分析に基づいて、共通の属性(例えば同じ産出地)を有する試料は、1つの参照グループに含めることができる。
いくつかの実施形態では、同じ産出地のものと考えられる試料グループ内の1つの試料が、そのグループ内の他の試料と極めてわずかな類似性しか有していないことがある。これは、この試料がそのグループ内のその他の試料と共通の属性を共通しているという仮定が誤りである可能性があり、この試料を参照グループに含める前にさらなる調査が必要である可能性があることを暗に示している。例えば、このような事案は、ヒューマンエラーによって(例えば別の箇所で得られた試料を間違ってそのグループに入れてしまったことによって)生じる可能性がある。
いくつかの実施形態では、上記のデータ分析プロセスを、参照ライブラリ内の様々な参照グループに適用して、グループ間の固有の相違性を決定することができる。一般に、各参照グループが、そのグループを他のグループと差異化するいくつかの属性を有するということ以外は、参照ライブラリを構成する参照グループの大きさまたは数について、いかなる仮定も立てない。例えば、参照ライブラリは、一方がある望ましい特性を有する参照試料のグループで、もう一方がその望ましい特性を持たない参照試料のグループであるという、2つの参照グループしか含んでいなくてもよい。別の例としては、参照ライブラリは、多数の参照グループを含むこともできる。例えば、参照ライブラリは、それらの産出国に基づいてグループ分けされたエメラルド試料からなっていてもよい。
いくつかの実施形態では、参照ライブラリを作成した後で、未知の試料のスペクトルのシーケンスを、参照ライブラリ中の各参照試料のスペクトルのシーケンスと(例えば重みつきK最近傍アルゴリズムなどのデータ分析プロセスを使用することによって)比較して、未知の試料のシーケンスがライブラリ中の参照グループの試料のシーケンスと類似しているかどうかを判定することができる。適当なデータ分析プロセスは、上述されている。この比較に基づいて、電子プロセッサ(コンピュータなど)を使用してステップ(d)を実行して、その試料についての特定の情報を決定することができる。例えば、未知の試料のシーケンスが、特定の参照グループの1つまたは複数の試料のシーケンスと実質的に類似している場合には、その未知の試料はこのグループに属すると結論づけることができる。別の例としては、未知の試料のシーケンスが、ライブラリ中の全ての参照グループの試料と著しく異なる場合には、その未知の試料はそのライブラリにはまだ存在しない新しいグループに属すると結論づけることができる。
上述のように、特定の実施形態では、参照ライブラリは、参照試料を1つしか含まないこともある。このような実施形態では、(例えば検証または認証の適用分野で)本明細書に開示する方法を使用して、未知の試料がその参照試料と同じか、あるいは異なるかを検証することができる。
いくつかの実施形態では、産出地に基づいてグループ分けされた鉱物試料からなる参照ライブラリを作成した後で、同じ鉱物の未知の試料の産出地を、その試料のシーケンスを参照ライブラリ中の各参照試料のスペクトルのシーケンスと比較することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、この比較を(例えば電子プロセッサによって)実行して、試料のシーケンスがライブラリ中の少なくともいくつかの参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定することができる。例えば、図2は、この比較を実行する一連の例示的なステップを示す流れ図である。図2に示すように、この比較は、(a)試料のシーケンス中の各スペクトルをライブラリ中の様々なスペクトルと比較して、その試料のシーケンス中のスペクトルと一致する可能性が最も高いライブラリ中の様々なスペクトルを特定し、(b)そのライブラリ中のどの参照試料が、特定したスペクトルを全て含むかを特定し、(c)その試料のシーケンスが、特定した参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定することによって実行することができる。上記の比較する、および特定するステップは、データ分析プロセス(例えば上述の重みつきK最近傍アルゴリズム)を使用することによって実行することができる。
いくつかの実施形態では、分析対象の試料のスペクトルのシーケンスと各参照試料のスペクトルのシーケンスとの電子プロセッサによる比較は、分析対象の試料のスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布を、各参照試料のスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布と比較することを含む。例えば、分析対象の試料の確率分布は、分析対象の試料のスペクトルのシーケンスに各メンバが現れる回数を示すヒストグラムとして表すことができ、各参照試料のメンバの確率分布は、各参照試料のスペクトルのシーケンスに各メンバが現れる回数を示すヒストグラムとして表すことができる。次いで、電子プロセッサは、この分析対象の試料の確率分布が参照試料のいずれか1つの確率分布と実質的に一致する程度に基づいて、分析対象の試料が参照試料の1つであるかどうかを判定することができる。
このアルゴリズムを、次のステップに従って概略的に図3に示す。すなわち、(a)分析対象の試料のスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布を構築するステップ、(b)ライブラリ中の各参照試料について、その参照試料のスペクトルのシーケンスのメンバの確率分布を構築するステップ、(c)分析対象の試料の確率分布をライブラリ中の各参照試料の確率分布と比較するステップ、および(d)分析対象の試料の確率分布が参照試料のいずれかの確率分布と類似している程度を特定するステップである。
理論に束縛されることを望むものではないが、それぞれの鉱山または鉱床は、一意的な岩石生成シグネチャを有する、すなわち元素比および同位体比はその鉱床の岩石生成に特有であり、同じ鉱山または鉱床から得られる参照試料は、類似した岩石生成シグネチャを有すると考えられる。さらに、理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書に開示する方法の1つの利点は、試料の発光スペクトル全体でなければ試料の岩石生成シグネチャの全ての情報を含むことはできないので、試料に対する電磁放射(例えばレーザ)の各照射に応答する発光スペクトル全体(原子発光、同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および異なる原子による原子発光間のスペクトル干渉を含む)を上記のデータ分析で利用して、ライブラリ中の試料の間の類似性/相違性を決定することができることであると考えられる。その結果として、本明細書に開示する方法では、より精密な位置情報を有する参照試料を含む参照ライブラリを作成することができ、通常はスペクトルの選択されたウィンドウを使用したり、原子発光しか利用しなかったり、平均スペクトルを使用したりして未知の試料の産出地を特定している従来の方法よりも正確に、未知の試料の産出地を特定することができる。
図4は、上述の方法を実行する(例えば様々な参照試料の参照ライブラリを作成する、または未知の試料の産出地を決定する)ために使用することができる、試料の発光スペクトルを取得して分析する例示的なシステムを示す図である。図1に示すように、システム10は、試料20、励起源30、検出器40、および電子プロセッサ50を備える。試料20は、上述の試料とすることができる。励起源30の例としては、レーザ(例えばNd:YAGレーザ)、イオンビーム源(例えば液体金属イオン源)、電子ビーム源またはアーク放電ランプが挙げられる。検出器40は、分光計(例えばエシェル分光計)とすることができる。
図4は、試料20に対する励起源30および検出器40の特定の幾何学的配列を示しているが、これは単なる例示のためのものに過ぎない。したがって、システム10が試料20の発光スペクトルを取得することができる限り、励起源30、検出器40および試料20の相対的な位置決めについては、多くの様々な配列が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、試料20に対する照射の入射が90°の角度であり、試料からの発光が試料20から45°の角度で収集されるような位置に、励起源30を配置することもできる。
電子プロセッサ50は、1つまたは複数のプログラマブルコンピュータおよび/あるいは事前プログラム済み集積回路を含むことができる。電子プロセッサ50は、1つまたは複数のデータ記憶システム(例えばメモリおよび/または記憶素子)、1つまたは複数の入力装置(例えばキーボード)、ならびに1つまたは複数の出力装置(例えばディスプレイまたはプリンタ)をさらに含むことができる。電子プロセッサ50は、一般に、標準的なプログラミング技術に基づいてプログラムを実行するように設計される。システム10は、試料保持器または試料台(3次元移動機能を備える)およびカメラ(例えばICCDカメラ)など、その他の構成要素(図1には図示せず)を含むこともできる。さらに、いくつかの実施形態では、電子プロセッサ50の構成要素の一部または全てが、検出器40に直接結合される。他の実施形態では、電子プロセッサ50の構成要素の一部または全ては、検出器40から物理的に分離される。例えば、処理の一部または全てを、検出器40から離れた位置にある1つまたは複数の分散プロセッサの間で(例えば「クラウド」で)実行することができる。
いくつかの実施形態では、上述の方法は、最初に励起源30から電磁放射パルス(例えば高出力レーザパルス)12を発出して試料20上の入射箇所を照射して、励起原子を含むプラズマ16を発生させることによって実行することができる。このステップは、複数の入射箇所で、かつ/または各入射箇所ごとに複数回実行することができる。その後、プラズマ16から発出される電磁放射14を、検出器40によって(例えば光ファイバまたはコリメーティングレンズを介して)収集し、検出することができる。次いで、検出器40から受信した信号を、電子プロセッサ50に転送して、その試料の発光スペクトルとして記録し、(上述のように)分析して、その試料の産出地を(例えば参照ライブラリ中の参照試料の発光スペクトルとの比較によって)決定することができる。
いくつかの実施形態では、図1に示すシステムは、レーザ誘起ブレークダウン分光(LIBS)システムとすることができる。このような実施形態では、励起源30は、レーザとすることができる。一般に、レーザは、試料20の一部分をプラズマ16に変換するのに十分に高いエネルギーを有する。いくつかの実施形態では、レーザは、少なくとも約10mJ(例えば少なくとも約12mJ、少なくとも約14mJ、または少なくとも約16mJ)、かつ/または最大で約250mJ(例えば最大で約200mJ、最大で約180mJ、最大で約160mJ、最大で約140mJ、最大で約120mJ、最大で約100mJ、最大で約80mJ、最大で約60mJ、最大で約40mJ、または最大で約20mJ)のパルスエネルギーを有する。いくつかの実施形態では、試料20に対する各照射のパルスエネルギーは、実質的に同じである。
いくつかの実施形態では、レーザは、約0.1ps(例えば少なくとも約1ps、少なくとも約10ps、または少なくとも約100psなど)、かつ/または最大で約10ns(例えば最大で約5ns、最大で約1ns、または最大で約0.5nsなど)のパルス幅を有する。いくつかの実施形態では、試料20に対する各照射のパルス幅は、実質的に同じである。
いくつかの実施形態では、LIBSシステムは、波長の異なる2つのレーザを備えることができる。例えば、LIBSシステムは、266nmレーザおよび1064nmレーザを備えることができる。理論に束縛されることを望むものではないが、266nmレーザは、試料に対する試験の痕跡または損傷を最小限に抑えるので、透明な試料の分析に使用することができ、1064nmレーザは、半透明の試料および不透明な試料の表面とより良好に結合するので、それらの試料の分析に使用することができると考えられる。
いくつかの実施形態では、LIBSシステムは、十分に高いスペクトル解像度および十分に広いスペクトルウィンドウを有する検出器(例えば分光計)を備えることができる。いくつかの実施形態では、検出器は、少なくとも10000チャネル(例えば少なくとも20000チャネル、少なくとも30000チャネル、少なくとも40000チャネル、少なくとも60000チャネル、少なくとも80000チャネル、少なくとも100000チャネル、少なくとも200000チャネル、または少なくとも300000チャネル)を有し、かつ最大では400000チャネル以上を有する。いくつかの実施形態では、検出器は、40000チャネルまたは67000チャネルを有することができる。いくつかの実施形態では、検出器は、0.1nmより精細な(例えば0.06nmより精細な、または約0.02nmより精細な)フィーチャまたはピークを解像することができる。いくつかの実施形態では、検出器は、195nmから1005nmの間のスペクトルウィンドウを有することができる。例えば、400000チャネルでは、スペクトル解像度は、195nmから1005nmの間のスペクトルウィンドウにわたって約2pmより精細である。
LIBSシステムのその他の構成要素は、一般に、米国特許第5751416号、第7195371号および第7557917号、Cremers他による「Handbook of Laser-Induced Breakdown Spectroscopy」、John Wiley&Sons Ltd、2006年、ならびにMiziolek他による「Laser-Induced Breakdown Spectroscopy (LIBS) Fundamentals and Applications」、Cambridge University Press、2006年などに記載されているように、当技術分野で既知である。
一般に、LIBSシステムは、未知の試料の産出地を決定するための他の分析技術に優る様々な利点を提供する。例えば、LIBSシステムは、使いやすく(例えば最小限の試料の準備しか必要としない)、比較的安価である。さらに、LIBSシステムは、携帯可能にすることができるので、研究室の外(例えば現場)で使用することができる。LIBSシステムは、Photon Machines Inc.(米国ワシントン州レッドモンド)およびApplied Spectra社(米国カリフォルニア州フリーモント)などから市販されている。
いくつかの実施形態では、LIBSシステムを使用して、以下のように参照試料または未知の試料を分析することができる。試料を分析する前に、一般に、LIBSシステムのレーザを、十分な時間(例えば少なくとも10分間)(例えば発出される放射を分析に使用せずにレーザのパルスを照射することによって)暖機運転する。レーザを暖機運転した後で、較正試料を分析して、結果の繰返し性(例えば日ごとの繰返し性など)を保証することができる。較正試料について収集した全てのデータは、較正試料の写真とともに保存することができる。較正試料の分析が許容レベル内に収まらない場合には、診断試験を実行して、LIBSシステムが正常に動作していることを保証することができる。較正試料の分析が許容レベル内に収まる場合には、参照試料または未知の試料の分析を開始することができる。
一般に、試料20は、LIBSシステムで分析する前にクリーニングする。例えば、試料20は、医療用アルコールで拭くことによってクリーニングし、その後アルコール(例えばイソプロピルアルコールなど)で洗浄すればよい。試料20は、クリーニングした後で、LIBSシステムで試験を行うために載置用材料(例えば鉱物用粘土)内の試料台に載置することができる。載置用材料は、一般に、交差汚染の危険性を低下させるために、異なる試料を分析するときには交換する。
試料は、クリーニングして載置すると、試料台上で焦点を合わせることができる。いくつかの実施形態では、試料は、LIBSシステム内のカメラに接続されたコンピュータモニタ上で光学的に焦点が合っていれば、レーザビームがプラズマを形成するための焦点も合っている。試料にレーザパルスを照射してプラズマを生成する前に、高純度の不活性ガス流(例えば純度99.999%のアルゴン)を流して、分析する試料の表面を覆うことができる。理論に束縛されることを望むものではないが、地質学的材料ではばらつきが極めて小さいので、純粋な不活性ガス(例えばアルゴン)を使用して試料表面を覆うことにより、大気による汚染および変動性を回避することができると考えられる。
いくつかの実施形態では、分析プロセス中に、特定の数(例えば少なくとも4枚)の試料の写真を撮影することができる。例えば、分析前に試料の写真を2枚撮影し、分析後に2枚撮影することもできる。いくつかの実施形態では、試料の分析前に、試料台上で焦点が合っている試料の写真を撮影して、それに「分析前、グリッドなし」とラベルを付けることができる。分析する試料上である領域を選択し、その試料上にグリッドを重畳した後、ただしその試料を分析する前に、試料の第2の写真(依然として焦点が合っており、試料台上に載っている)を撮影し、それに「分析前、グリッド付き」とラベルを付けることができる。理論に束縛されることを望むものではないが、試料は、レーザを照射したときに完全にプラズマに変換することができる極めて小さいばらつき(例えば包有物または表面の凹凸)を有する可能性があるので、試料分析前に写真を撮影することが重要である可能性があると考えられる。その場合には、これらのばらつきが、試料の発光スペクトルに異常を生じさせる可能性があるが、これらの異常は、試料分析の前後に撮影した写真を比較することによって説明することができる。
いくつかの実施形態では、分析対象の地質学的材料に基づいて、試料上の照射箇所または入射箇所間の間隔を選択することができる。プラズマを生じるレーザによる試料の照射は、「ショット」とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、ショット箇所間の間隔は、少なくとも10μmとすることができる。ただし、この間隔は、例えば固体からプラズマへの変換に試料がどのように応答するかに基づいて、(例えば少なくとも15μmまたは少なくとも20μmに)増大させることができる。例えば、試料が金である場合には、金は、直径約200μmにわたってアブレーションで完全に除去されることがあるので、ショット箇所間の間隔は、250μm超とすることが多い。特定の実施形態では、この間隔は、少なくとも100nm(例えば少なくとも1μmまたは少なくとも5μm)まで減少させることもできる。
いくつかの実施形態では、試料にレーザパルスを照射する前に、LIBSシステムの他の分析パラメータ(例えばレーザ波長、レーザ出力またはスペクトル遅延など)を設定することができる。分析する地質学的材料に基づいて、これらのパラメータを若干変化させて、試料の岩石生成シグネチャをとらえることができる。いくつかの実施形態では、分析パラメータを選択する前に、分析パラメータ決定試験を実行することができる。この試験は、異なる場所から得られた同じ鉱物の複数の試料を分析することを含むことができる。可変分析パラメータを(例えば一度に1つ)変化させて、その鉱物の1組の最終的な分析パラメータのセットを確立する前に、多数(例えば300)の異なる順列を評価することができる。
例えば、緑柱石という鉱物を分析するときには、266nmレーザを備え、レーザ出力が90%(12mJから20mJの間に対応する)、スペクトル遅延が1.5μs、利得が150μsであるLIBSシステムを使用することができる。分析プロセス中に使用される全ての分析パラメータは、重畳されるグリッドの大きさ(例えば2励起箇所×5励起箇所)および最初のショットの位置も含めて、記録に残すことができる。この実施形態で使用するLIBSシステムが許容する動きに基づいて、照射箇所における全ての分析結果を、左から右に、次いで上から下に収集することができる。照射箇所の収集は、試料の成分信号の数を決定するのに役立つので、重要である可能性がある。いくつかの実施形態では、分析の深さは、使用するレーザ出力に基づいて大きく変動する可能性がある。ただし、分析の深さは、1組の選択した分析パラメータのセット内では、比較的一定のままとすることができる。
一般に、LIBSシステムの全ての分析パラメータが設定された後で、本明細書に開示する方法を実行して、参照試料または未知の試料を分析することができる。
本明細書で引用した全ての文献(例えば特許、特許出願公開、および論文)の内容は、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
以下の例は、例示を目的としたものであり、限定のためのものではない。
実施例
8つの異なる国の9つの異なる箇所で得られた270個の緑柱石(BeAlSi18)の結晶(別名エメラルド)を、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を使用して分析した。各箇所で得られた30個の結晶を個々に調査した。緑柱石試料を採取した国は、アフガニスタン(AFG)、ブラジル(BRA)、コロンビア(COL)、モザンビーク(MOZ)、パキスタン(PAK)、南アフリカ(ZAF)、ザンビア(ZMB)、およびジンバブエ(ZWE)である。本調査では、コロンビアでは2つの別個かつ特有の鉱床を分析した。
本調査では、Photon Machines社製LIBSシステムInsightを使用した。30回のレーザ励起(ショット)による発光スペクトルを、各試料の表面上の30の一意的な励起箇所で収集した。分析した各励起箇所ごとに1回ずつ、収集ショット(その励起によって発生する発光を収集する試料表面の励起)の前にクリーニングショット(その励起によって発生する発光を収集しない試料表面の励起)を実行した。ここで報告する実験の試料アブレーションは、繰返し率を1Hz、通常パルスエネルギーを13mJ、パルス幅を約6nsとして、266nmで動作するNd:YAGレーザを使用して行った。このレーザビームを、試料の表面上に合焦させた。純度99.9%のアルゴン流で試料の表面を覆い、周囲空気による汚染を低減させた。第2のレンズを使用して、スペクトル解像度が0.02nm、スペクトル範囲が200.02nm〜1000.02nm(40000チャネル)であるエシェル分光計に結合された光ファイバケーブルを介して、レーザ誘起プラズマによる発光を収集した。レーザパルスから1μs後に、増感型電荷結合素子(ICCD)によって利得設定を150μsとして、10μsにわたって分散発光を記録した。各ショットの発光スペクトルを、平均せずにそれぞれ独立して、Photon Machines社製LIBSシステムInsightに含まれるソフトウェアChromiumを使用して電子プロセッサに保存した。
上述の実験構成を用いて270個の緑柱石試料全てについてデータを収集した後で、ブラインドテストを実行した。これらのデータは、本明細書に記載する進歩性のある方法(「M2S方法」)と、従来の部分最小二乗判別分析(PLSDA)の両方を用いて分析した。PLSDA分析については、私的な第3者(PTP)が行った。PTPには、PLSDAを使用するように指示したわけではなく、LIBSデータの評価に通常使用される従来の分析技術のいずれかを使用するように指示した。PTPは、高く評価されており、当業者に知られている。PTPは、ロバストなデータセットがはるかに少ない地質学的材料の決定問題に以前に取り組んだことがあり、「複雑な」LIBSデータ分析の分野の専門家であると考えられることから選出された。
PTPグループおよびM2Sグループの両方に、LIBS分析で得られた同じ生スペクトルデータを与えた。PTPは、「5つおきの波長」のみをPLSDAに使用した(分析に利用できるデータの80%は無視した)。PTPは、データを訓練用と評価用の別個のセットに単純に50対50で分割した。PTPは、各箇所の15個の試料から得られたデータを使用して、参照ライブラリを作成した。ブラインド試料(残りの15個の試料のデータを含む)を試験して、参照ライブラリ中の試料とマッチングした。PTPは、これらのデータを使用して生成した予測モデルの性能は、潜在変数が約20個でピークになることを確認した。
M2S方法を使用するグループは、与えられた全てのデータを前述の方法で処理した。具体的には、参照試料であれ未知の試料であれ、各試料の生スペクトルデータ(40000チャネルを含む)を、本願で前述した方法を用いて、スケーリング済みスペクトルのシーケンスに変換した。参照ライブラリは、既知の産出地の試料のスケーリング済みスペクトルのシーケンスからなる。
未知の試料の各シーケンスを、270回1試料(シーケンス)抜き試験設計を用いて、参照ライブラリ中の全ての既知のシーケンスと比較した。1個抜き法は、第1の試料のシーケンスを参照ライブラリから取り除き、残りの269個の試料のシーケンスで参照ライブラリを再構成することから始まる。このプロセスを、試験の全ての試料について繰り返した。
比較は、重みつきK最近傍アルゴリズムに基づいて行い、このアルゴリズムにより、未知の試料のシーケンスと参照ライブラリ中の全ての既知のシーケンスとの間の距離を含む表を生成した。この表は、未知の試料と既知の全ての試料それぞれのスケーリング済みスペクトルのシーケンスの間の距離に基づいて、未知の試料と既知の全ての試料の間の距離を関係付けるものである。この表は、未知の試料のシーケンスから既知の試料のシーケンスまでの距離が小さい方から大きい方の順になっている。その後、各距離を使用して、スコアを計算した。このスコアは、未知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスと既知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスの間の距離の関係に基づいている。未知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスと既知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスの間の距離が小さくなるほど、スコアの値は大きくなる。これは、重み関数と呼ばれる。既知の試料それぞれに与えられるスコアを関係付ける第2の表を作成した。この表は、スコアの大きい方から小さい方の順になっている。最高スコアを有する既知の試料が、未知の試料に最も近いとして特定される。したがって、最も近いとして特定された既知の試料の産出地を、未知の試料に割り当てた。
M2SグループおよびPTPグループのマッチングの確度は、以下の表1のように要約される。
Figure 0005986646
表1に示すように、M2S方法では、産出国の決定において平均で98%の確度であったのに対し、PLSDAではわずか76%の平均確度であった。
調査終了後、データの80%を無視した理由をPTPに尋ねた。PTPは、与えられたデータ量が多すぎ、そのような大量のデータで従来のデータ分析技術を使用すると、どの技術を用いても必要な処理時間が長くなりすぎると指摘した。
元々は全て同じ棒材のものであるが、3通りの異なる条件(熱処理)を有する90個の17−4ステンレス鋼片を、レーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いて分析した。各処理で得られた30個の鋼片を、それぞれ個別に調査した。調査した処理は、条件A、条件H900、および条件H1150である。本調査で分析した材料には、証明書が付いていないので、熱処理の仕様を保証することはできない。一般に、以下は、調査した各条件について正確な事柄である。
条件Aは、棒材の最初の焼きなました状態であり、熱処理または経時変化はない。条件H900は、482℃で1時間時効硬化した後に空冷した状態である。条件H1150は、760℃で2時間加熱して空冷した後、621℃で4時間加熱した後に空冷した状態である。
本調査では、Photon Machines社製LIBSシステムInsightを使用した。64回のレーザ励起(ショット)による発光スペクトルを、各試料の表面上の64の一意的な励起箇所で収集した。分析した各励起箇所ごとに1回ずつ、収集ショット(その励起によって発生する発光を収集する試料表面の励起)の前にクリーニングショット(その励起によって発生する発光を収集しない試料表面の励起)を実行した。ここで報告する実験の試料アブレーションは、繰返し率を1Hz、通常パルスエネルギーを90mJ、パルス幅を約6nsとして、1064nmで動作するNd:YAGレーザを使用して行った。このレーザビームを、試料の表面上に合焦させた。純度99.9%のアルゴン流で試料の表面を覆い、周囲空気による汚染を低減させた。第2のレンズを使用して、スペクトル解像度が0.02nm、スペクトル範囲が200.02nm〜1000.02nm(40000チャネル)であるエシェル分光計に結合された光ファイバケーブルを介して、レーザ誘起プラズマによる発光を収集した。レーザパルスから1.25μs後に、増感型電荷結合素子(ICCD)によって利得設定を200μsとして、10μsにわたって分散発光を記録した。各ショットの発光スペクトルを、平均せずにそれぞれ独立して、Photon Machines社製LIBSシステムInsightに含まれるソフトウェアChromiumを使用して電子プロセッサに保存した。
上述の実験構成を用いて、各試料を64回分析した。すなわち、各条件でそれぞれ総計1920回の収集ショットを行った。3通りの条件の全てで合計5760回の収集ショットを収集した。各試料の生スペクトルデータ(40000チャネルを含む)を、本願で前述した方法を用いて、スケーリング済みスペクトルのシーケンスに変換した。参照ライブラリは、これらの試料のスケーリング済みスペクトルのシーケンスからなる。
未知の試料の各シーケンスを、90回1試料(シーケンス)抜き試験設計を用いて、参照ライブラリ中の全ての既知のシーケンスと比較した。1個抜き法は、第1の試料のシーケンスを参照ライブラリから取り除き、残りの89個の試料のシーケンスで参照ライブラリを再構成することから始まる。このプロセスを、試験の全ての試料について繰り返した。
比較は、重みつきK最近傍アルゴリズムに基づいて行い、このアルゴリズムにより、未知の試料のシーケンスと参照ライブラリ中の全ての既知のシーケンスとの間の距離を含む表を生成した。この表は、未知の試料と既知の全ての試料それぞれのスケーリング済みスペクトルのシーケンスの間の距離に基づいて、未知の試料と既知の全ての試料の間の距離を関係付けるものである。この表は、未知の試料のシーケンスから既知の試料のシーケンスまでの距離が小さい方から大きい方の順になっている。その後、各距離を使用して、スコアを計算した。このスコアは、未知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスと既知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスとの間の距離の関係に基づいている。未知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスと既知のスケーリング済みスペクトルのシーケンスの間の距離が小さくなるほど、スコアの値は大きくなる。これは、重み関数と呼ばれる。既知の試料それぞれに与えられるスコアを関係付ける第2の表を作成した。この表は、最大のスコアから最小のスコアの順になっている。最高スコアを有する既知の試料が、未知の試料に最も近いとして特定される。したがって、最も近いとして特定された既知の試料の条件を、未知の試料に割り当てた。
Figure 0005986646
表2に示すように、M2S方法では、17−4ステンレス鋼の条件の決定において平均で97.8%の確度であった。
上述のように、データのピークは、最初は単に原子発光を表すものと考えられていた。しかし、現在では、ピークは、原子発光のみを含むのではなく、同位体発光、分子発光、分子同位体発光も表していることが分かっている。ピーク中の一部のデータは、スペクトル干渉によって生じている可能性もある。例えば、MgおよびNaの濃度は、正確な定量値ではない可能性もある。むしろ、プラズマ中の相互作用により、ある元素、例えばNaのいくつかの濃度は、実際に存在するより大きく見えており、Mgは、スペクトル干渉現象により、実際に存在するより低い濃度を有するように見えている。さらに、ピークの形状は、発出された元素の再吸収を表すことができるので、重要である。これは、普通は、点ではなく、ピークの平坦な頂部としてみられる。
図5は、3つのグラフ(Qセット)を示している。各グラフは、条件H900の17−4ステンレス鋼の試料に見られたシーケンスの様々なメンバの視覚的表現である。右の円内に示すのは、シーケンスメンバのスペクトルの約1600チャネルの拡大図である。拡大した領域はそれぞれ、シーケンスの同じ部分である。一番上のグラフは、プライムQ(2Qn4)を表す。これは、17−4ステンレス鋼の全てのデータに見られる主要成分である。第2のグラフ(2Qn2)および第3のグラフ(2Qn7)は、条件H900の試料のシーケンスの他の2つのメンバを表す。
3つの条件全てにわたって、合計9個の異なるシーケンスメンバが見られた。表3は、各条件の頻度を示している。このシーケンスでは、3つのメンバだけが、任意の所与の時点で任意の1つの試料に見られた。
Figure 0005986646
条件Aの試料の場合には、主成分(2Qn4)は、5760回のうち5542回現れた。2Qn1成分、2Qn8成分および2Qn9成分は、条件Aの試料では全く現れなかった。2Qn2成分は11回現れ、2Qn3成分は21回現れ、2Qn5成分は20回現れ、2Qn6成分は14回現れ、2Qn7成分は7回現れた。
条件H900の試料および条件H1150の試料の場合には、スペクトルのシーケンスは、同じメンバ、すなわち2Qn1、2Qn2、2Qn3、2Qn4、2Qn5、2Qn6、2Qn7、2Qn8および2Qn9を生じた。ただし、これらのメンバの確率分布は、条件Aの試料で得られた確率分布と異なっていた。具体的には、2Qn1成分、2Qn8成分および2Qn9成分は、条件H900の試料で見られ(4回)、条件H1150の試料でも見られた(15回)が、条件Aの試料では見られなかった。2Qn2成分は、条件H900では5760回のうち23回現れ、条件H1150では5760回のうち15回現れた。条件H900で、2Qn3成分は、5760回のうち13回現れ、2Qn4は、5760回のうち1847回現れた。この同じ条件で、2Qn5成分は、5760回のうち15回現れ、2Qn6は、5760回のうち2回現れ、2Qn7は、5760回のうち9回現れ、2Qn8は、5760回のうち5回現れ、2Qn9は、5760回のうち2回現れた。条件H1150の試料の場合には、スペクトルのシーケンスは、同じ主成分2Qn4を生じ、これは5760回のうち1848回現れた。2Qn1成分は、5760回のうち15回現れ、2Qn2は、5760回のうち15回現れた。この同じ条件で、2Qn3成分は、5760回のうち6回現れ、2Qn5は、5760回のうち13回現れた。2Qn6成分および2Qn7成分は、5760回のうちそれぞれ2回および6回現れ、2Qn8成分および2Qn9成分は、5760回のうちそれぞれ8回および7回現れた。全3種類の試料のメンバの確率分布を比較することによって、上記の表2に示すように試料どうしを互いに区別することができる。
図5を再度参照すると、拡大領域内の5つの特有の領域が選択され、強調されている。これらの領域は、アルゴリズムが識別するデータ中の差違を視覚的に表示するのを助けるためのものである。これら3つの枠それぞれにおけるピークの位置、大きさおよび形状が一意的であり、アルゴリズムは、これらの差違を識別することができることに気付くであろう。これら3つのグラフそれぞれの枠1では、一番下のグラフ(2Qn7)の第1のピークの高さがグラフ2Qn4および2Qn2の同じピークの高さより高いことに気付くであろう。枠1の第2のピークは、第1のグラフ(2Qn4)で最も高く、第3のグラフ(2Qn7)ではほとんど存在しない。このデータを目視検査していけば、多くの差違が分かる。これら差違が、シーケンスの各メンバを特徴付けている。
他の実施形態も、特許請求の範囲に含まれる。
10 システム
12 電磁放射パルス
14 電磁放射
16 プラズマ
20 試料
30 励起源
40 検出器
50 電子プロセッサ

Claims (15)

  1. 試料を分析する方法であって、
    前記試料の一部分をプラズマに複数回変換するステップと、
    前記試料変換のそれぞれに応答して発出される電磁放射のスペクトルを記録して、前記試料のスペクトルのシーケンスを規定するステップであって、前記試料の前記スペクトルの前記シーケンスが複数のメンバからなり、前記シーケンスの各メンバが、前記試料変換の異なる1回に応答して記録された前記スペクトルに対応するステップと、
    電子プロセッサを使用して、前記試料のスペクトルの前記シーケンスを、参照ライブラリ中の少なくとも1つの参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較するステップであって、前記参照試料のぞれぞれのスペクトルのシーケンスが、複数のメンバからなり、前記比較が、前記試料のスペクトルの前記シーケンスの中の、それぞれのメンバが現れる回数を、前記参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスの中の、それぞれメンバが現れる回数と、比較することからなる、ステップと、
    前記電子プロセッサを使用して、前記ライブラリ中の前記少なくとも1つの参照試料との前記比較に基づいて前記試料に関する情報を決定するステップとを含む、方法。
  2. 前記試料の前記プラズマへの前記変換によって、前記試料が、原子発光を示す電磁放射を発出する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料の前記プラズマへの前記変換によって、前記試料が、同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および前記試料中の異なる原子による原子発光間のスペクトル干渉のうちの1つまたは複数を示す電磁放射を発出する、請求項2に記載の方法。
  4. 各スペクトルが、原子発光、ならびに同位体発光、分子発光、分子同位体発光、および異なる原子による原子発光間のスペクトル干渉のうちの1つまたは複数に対応する電磁放射の前記発出を解像するのに十分なスペクトル解像度で記録される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記試料の前記シーケンスのメンバが、前記複数回の間に前記試料の前記一部分を前記プラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータと、前記複数回の間に前記試料の前記一部分を前記プラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの前記試料上の異なる入射箇所との組合せに応じて記録された前記スペクトルに対応する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記電子プロセッサが、クラスタ技術を用いて、前記試料のスペクトルの前記シーケンスの一意的なメンバを決定する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記電子プロセッサによる前記比較が、分析対象の前記試料のスペクトルの前記シーケンスの前記メンバの確率分布を、前記参照試料のそれぞれのスペクトルの前記シーケンスのメンバの確率分布と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記分析対象の試料の前記確率分布が、各メンバが前記分析対象の試料のスペクトルの前記シーケンスに現れる回数を示すヒストグラムとして表され、各参照試料の前記メンバの前記確率分布が、各メンバが各参照試料のスペクトルの前記シーケンスに現れる回数を示すヒストグラムとして表される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記電子プロセッサによる前記比較が、前記試料の前記シーケンスが前記ライブラリ中の前記少なくとも1つの参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記試料の前記シーケンスが前記参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する前記程度を特定する前記ステップが、前記分析対象の試料の前記メンバの確率分布を前記参照試料のそれぞれのスペクトルの前記シーケンスのメンバの確率分布と比較するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 程度を特定するステップが、
    前記試料の前記シーケンスの各スペクトルを前記ライブラリ中の前記異なるスペクトルと比較して、前記試料の前記シーケンス中の前記スペクトルと一致する可能性が最も高い前記ライブラリの前記異なるスペクトルを特定するステップと、
    前記ライブラリのどの参照試料が前記特定したスペクトルの全てを含むかを特定するステップと、
    前記試料の前記シーケンスが前記特定した参照試料のそれぞれのシーケンスと一致する程度を特定するステップとを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記電子プロセッサが、最近傍アルゴリズムを使用して、前記特定するステップの一方または両方を実行する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記参照ライブラリが、
    各参照試料の前記アイデンティティに関する情報を提供するステップ、
    各参照試料の一部分をプラズマに複数回変換するステップ、および
    前記参照試料変換のそれぞれに応答して各参照試料から発出される電磁放射のスペクトルを記録して、各参照試料のスペクトルのシーケンスを規定するステップであり、前記参照試料シーケンスの各メンバが、前記参照試料変換の異なる1回に応答して記録された前記スペクトルに対応するステップによって作成される、請求項1に記載の方法。
  14. 各参照試料シーケンスのメンバが、前記複数回の間に各参照試料の前記一部分を前記プラズマに変換するために使用した電磁放射パルスの異なるパラメータと、前記複数回の間に各参照試料を前記プラズマに変換するために使用した前記電磁放射パルスの各参照試料上の異なる入射箇所との組合せに応じて記録された前記スペクトルに対応する、請求項13に記載の方法。
  15. 試料を分析するシステムであって、
    前記試料の一部分をプラズマに複数回変換する励起源と、
    前記試料変換のそれぞれに応答する電磁放射のスペクトルを記録して、前記試料のスペクトルのシーケンスを規定するように構成された分光計であって、前記試料の前記スペクトルの前記シーケンスが複数のメンバからなり、前記シーケンスの各メンバが、前記試料変換の異なる1回に応答して記録された前記スペクトルに対応する分光計と、
    電子プロセッサとを備え、当該電子プロセッサは、前記試料のスペクトルの前記シーケンスを、参照ライブラリ中の少なくとも1つの参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスと比較し、前記ライブラリ中の前記少なくとも1つの参照試料との前記比較に基づいて前記試料に関する情報を決定し、前記参照試料のぞれぞれのスペクトルのシーケンスが、複数のメンバからなり、前記比較が、前記試料のスペクトルの前記シーケンスの中の、それぞれのメンバが現れる回数を、前記参照試料のそれぞれのスペクトルのシーケンスの中の、それぞれメンバが現れる回数と、比較することからなる、システム。
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