JP5985772B2 - 表面処理粉体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧料用粉体をシリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体およびそれを含有する化粧料に関するものである。本発明の化粧用処理粉体は撥水性が良く、かつ滑らかで軽い感触でしっとり感があり、肌への密着性に優れており、これを含有する化粧料は使用感と化粧効果、化粧持続性に優れると共に、化粧料の経時安定性が良好である。
ファンデーションやアイシャドウ、マスカラなどのメーキャップ化粧料は汗による化粧崩れを防ぐために、配合される粉体には汗に対する撥水性が求められる。また、日焼け止め化粧料では紫外線を防御するために紫外線防御剤として、微粒子の酸化亜鉛や二酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄が配合されるが、サンスクリーン化粧料としての撥水性や耐水性を付与するとともに、使用性や肌への密着性を高めるためにシリコーン化合物や脂肪酸、アミノ酸等で表面処理した粉体が配合されている。
従来、化粧料に使用される親水性粉体の撥水化処理に関しては多くの公知の方法があり、特にシリコーン化合物の撥水性を活用することは既によく知られたところである。例えば、タルク等の鉱物性粉末と、この粉末と直接結合する水素原子を有するシリコーン化合物とをミキサー混合等により単純付着させた後、加熱焼付けすることにより撥水性を付与する方法や、ジメチルポリシロキシシラザンやトリアルコキシポリジメチルシロキサンなどのシランカップリング剤を用いてシリコーン処理を行う方法が開示されている。(特許文献1,2,3)
さらに、近年、粉体を多く配合するファンデーション等のメークアップ化粧料は、肌へ塗布または散布する際のすべり性や使用感にこだわったものが多く従来のものより軽い感触で延びやすべり性、付着性が改良されており化粧時の心地よさを感じるものが多く観られる。使用性と肌への密着性はトレードオフの関係にありこの両特性を満足させるものはなかった。すべり性や使用感の改良を目的とした粉体には球状のものとしては、シリカビーズやアルミナビーズ、ナイロンパウダー、PMMA、ポリウレタン、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジン被覆シリコーンゴムパウダー、シリコーンエラストマーパウダー等があり、扁平性の粒子形状を有するものでは六方晶窒化硼素やラウロイルリジン、板状硫酸バリウム、ヘキカイタルク、湿式粉砕法による合成マイカ、板状PMMA、板状セルロース等が開発されている。これら粉体に前記公知の表面処理をしても使用性と肌への密着性の両立は未だ満足のできるものではない。粉末以外に添加・含有されるその他感触改良剤としては、KSG−15(信越化学工業社製)を代表とするSi−H基を有するジメチコンとビニルジメチコンを付加反応させた部分架橋オルガノポリシロキサン(特許文献4,5,6)がありその性状はシリコーンゲル状またはシリコーンエラスマー状であり、低粘度シリコーンオイルや低分子のオイルと混合することでゲル状を呈する組成物である。表面処理粉体としては、肌への付着性が良好な鱗片状無機粒子表面を樹脂で被覆した柔らかい感触の粉体や、シリコーンエラストマーのすべり性のよい使用感を得るためにシリコーンエラストマーで被覆した粉体が開示されている。(特許文献7,8,9,10)シリコーンエラストマー被覆粉体は十分な撥水性が得られないばかりか、凝集性が強いため粉体粒子に被覆する際に凝集を引き起こし、粉体粒子表面の未処理部分が多く発生する。その結果、好ましくない使用感になり、肌への密着性に劣るという欠点を有する。
このように、撥水性が良く、かつ滑らかで軽い感触でしっとり感があり、肌への密着性に優れた表面処理粉体はなく、これらの技術を結集した化粧料でも、未だ満足できるものではなかった。また、シリコーンゲルで表面処理した粉体は、具体的には例示されていない。
特公昭45−2915号 特許第3079395号 特開2006−206496号公報 特開昭63−152308号公報 特公平8−6035号公報 特許第2582275号公報 特許第3963635号 特許第3707758号公報 特開2010−163375号公報 特許2011−1332号公報
上述の通り、これまで提案されている技術では、シリコーン化合物による表面処理粉体で撥水性が良く軽い使用感、しっとり感、肌への密着性を満足する粉体を得ることができなかった。本発明は、滑らかで軽い感触でしっとり感があり、肌への密着性に優れた化粧料用粉体とその製造方法、それを配合した化粧料を提供する。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーンゲルで化粧料用粉体を表面処理することにより、撥水性が良く、滑らかで軽い感触を発現でき、シリコーンゲル特有のしっとりした使用感を有し、肌への密着性に優れた粉体を提供することができ、これを配合した化粧料は使用感と化粧効果、化粧持続性に優れると共に、化粧料の経時安定性が良好であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明は下記シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体及び該シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体を含有する化粧料を提供する。
[請求項1]
シリコーンゲルで表面処理したシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体であって、前記シリコーンゲルが下記式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと、下記式(2)の1分子中に2つ以上の加水分解性基を有するシランカップリング剤と下記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤とを加水分解・縮合反応させたシリコーンゲルであり、
(R1は加水分解性基で水酸基、アミノ基、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子のいずれかであり、R2は非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、Lは3〜10,000である。)
(Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、アミノ基、アミノエチル基、メルカプト基、イソシアネート、フェニル基から選ばれた基で、Rは炭素数〜3の1価の低級アルキル基、フェニル基から選ばれた基、Xは、水酸基またはアルコキシ基で、nは0または1である。)
(Rは、加水分解性基または、非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、加水分解性基が、水酸基、アミノ基、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子のいずれかであり、nは3〜1,000であり、1分子中に加水分解性基を少なくとも3個有する。)
前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤との比率が100/0.1〜100/35(wt%)の配合範囲で、前記シリコーンゲルは前記ジオルガノポリシロキサンの微3次元架橋構造を有し、
前記シリコーンゲルが25℃で歪み率17%、剪断周波数4Hzにおける動的粘弾性測定による複素弾性率が3,000〜100,000Paで損失係数tanδが1.0〜2.5であり、
デュロメータタイプAOによる測定法で測定した前記シリコーンゲルの測定値は0である、シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
本発明に係る上記シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体の好ましい態様としては、以下のものを挙げることができる。
[請求項2]
シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体は、in-situ法にて化粧料用粉体の存在下で、前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤との混合物から少なくとも一部を加水分解・縮合反応させ、前記シリコーンゲルを出発原料である粉体粒子の表面に析出させ、加熱固着させて得られた、請求項1に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項3]前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンを水エマルジョンの形で用いる、請求項2に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項4]前記シリコーンゲルで表面処理した前記化粧料用粉体は、(A)水溶性溶媒と出発原料としての化粧料用粉体とを混合し、該水溶性溶媒と該化粧料用粉体の混合状態がキャピラリーかスラリーのいずれかの状態にて、前記出発原料の化粧用粉体の存在下に前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤とを別々に添加、または同時に添加する工程にて、あるいは(B)該水溶性溶媒と該化粧料用粉体と前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの混合状態がキャピラリーの状態にて、前記出発原料の化粧用粉体の存在下に前記前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤を添加する工程にて、前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤との少なくとも一部を加水分解・縮合反応させ、加熱固着させる工程により得られる、請求項2または3のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項5]
前記粉体が、無機粉体、有機粉体又はこれらの複合粉体である、請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項6]
前記シリコーンゲルが前記式(1)で示される前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての前記式(2)の1分子中に2つ以上の加水分解性基を有する前記シランカップリング剤との加水分解・縮合生成物である、請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項7]
前記式(1)のジオルガノポリシロキサンがジメチコノールである、請求項1〜6のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項8]
前記式(1)のジメチルシロキサン単位L数が3〜1,000である前記ジメチコノールの水エマルジョンを表面処理をするための前記出発原料とした請求項7に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項]
オクタメチルシクロテトラシロキサンを出発原料としジメチコノールの水エマルジョンを、表面処理をするための出発原料とした、請求項7に記載の化粧料用粉体シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項10]
前記ジメチコノールの水エマルジョン中に界面活性剤含有され、前記界面活性剤が少なくともアシル化アミノ酸を含有する、請求項7〜のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項11]
前記ジメチコノールの水エマルジョン中のジメチコノール重量(A)と界面活性剤量(B)との配合重量比(B)/(A)×100が6.0未満である、請求項7〜のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項12]
前記式(2)のシランカップリング剤の有機基Rが、アミノ基またはフェニル基のいずれかである、請求項1〜11のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項13]
前記シリコーンゲルと化粧料用粉体との重量比が100/0.1〜100/25.0である、請求項1〜12のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
[請求項14]
請求項1〜13のいずれかに記載した前記シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体を0.1重量%以上含有する化粧料。
本発明の化粧料用粉体は、撥水性が良く、滑らかで軽い感触を発現でき、シリコーンゲル特有のしっとりした使用感を有し、肌への密着性に優れた粉体であり、これを配合した化粧料は使用感と化粧効果、化粧持続性に優れると共に、経時安定性が良好である化粧料を提供することができる。
以下、本発明について、[1]シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体、[2]上記シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体の製造方法、[3]上記シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体を含有する化粧料の順に詳細に説明する。
[1]シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体
本発明の化粧料用粉体は、シリコーンゲルで表面処理した粉体で、好適にはジメチコノールの水エマルジョンを出発原料として、シリコーンゲルを表面処理してなる表面処理粉体である。
[化粧料用粉体]
本発明の表面処理粉体は、化粧料に配合される化粧料用粉体である。化粧料用粉体は、一般に用いられている無機粉体、有機粉体又は無機/無機複合粉体、無機/有機複合粉体、有機/有機複合粉体のいずれでもよく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、人体や肌への安全性を有し化粧料に実質的に使用可能な粉体及び全範囲の粒子径のものが適用できる。また、その幾何学的態様が、通常化粧料に用いられるものであれば、球状、半球状、星型状、多面体状、紡錘状、針状、板状等いずれの形状でもよく、また、無孔質、多孔質のいずれでもよい。
平均粒子径は0.01〜500μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜100μmである。粒径が0.01μmより小さいと、シリコーンゲルによる強い凝集が起こり使用感や軽い感触が低下する場合があり、500μmより大きいと物理的なざらつき感が強くすべり性の向上が望めない。なお、平均粒子径は、粉体粒子の各形状に合わせ、顕微鏡法、光散乱法、レーザー回折法、液相沈降法、電気抵抗法等の原理より適宜選択して測定する。
無機粉体としては、セリサイト、天然マイカ、焼成マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、アルミナ、マイカ、タルク、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム塩、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、紺青、群青、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭化ケイ素、タングステン酸金属塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロルヒドロキシアルミニウム、クレー、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、シリコーンカーバイト、チタン酸コバルト、チタン酸鉄、リチウムコバルトチタネート、アルミン酸コバルト、無機青色系顔料、アルミニウム粉、金粉、銀粉、鉄粉、白金粉、低次酸化チタン、微粒子酸化チタン、バタフライ状硫酸バリウム、花びら状酸化亜鉛、テトラポット状酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母、酸化チタン被覆ホウケイ酸(ナトリウム/カルシウム)、酸化チタン被覆ホウケイ酸(カルシウム/アルミニウム)、酸化亜鉛被覆タルク、酸化亜鉛被覆マイカ、酸化亜鉛被覆シリカ、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、ベンガラ・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、ステンレスパウダー、カッパーパウダー、トルマリン粉末、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、ガラスファイバー、カーボンファイバー、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、β―ウォラストナイト、ゾノライト、チタン酸カリウム繊維、硼酸アルミニウム繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、窒化ケイ素繊維等 、タングステン酸金属、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等の金属粉末顔料が挙げられる。
これらの粉体は1種類でも複数を組み合わせて用いてもよい。例えば、マイカ粒子表面またはパール粒子表面に水酸化アルミニウムを複合化した粉体(エクセルマイカJP−2、エクセルパール:三好化成株式会社)や、セリサイト粒子表面にハイドロキシアパタイトと酸化亜鉛を複合固定化した粉体(パウダーラヴィ:三好化成株式会社)、マイカ粒子表面にシリカビーズを複合化した粉体(SXI−5:三好化成株式会社)、マイカやタルク粒子表面に酸化チタンや微粒子酸化チタンを複合化した粉体(TMCシリーズやTTCシリーズ:三好化成株式会社)等が挙げられる。
有機粉体としては、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル等のポリメチルメタクリレート、セルロース、シルク、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、テフロン(登録商標)粉末等のフッ素樹脂粉末等の粉体、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等の金属石鹸等、ラウロイルリジン、アルキルリン酸塩、キチン、キトサン、多糖類粉末、たんぱく質粉末、カーボンブラック、さらに有機系色素が挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素;カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
更に、本発明において表面処理される粉体は、表面処理剤との親和性や固着性の向上を図るべく、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、セリウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、ニッケル及びスズの少なくとも1種の酸化物又は含水酸化物で被覆されていてもよい。
[シリコーンゲルの製法]
本発明でいうシリコーンゲルとは、硬化性液状シリコーン組成物から得られるものであるが、その硬化は、付加反応によるものと縮合反応によるものがある。付加反応としては、例えば、一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒で付加反応させて得られるシリコーンゲルが挙げられる。縮合反応としては、一分子中にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる液状シリコーン組成物を縮合触媒の存在下において縮合重合したシリコーンゲルが挙げられる。
本発明のシリコーンゲルを得る好ましい方法は縮合反応によるものである。好ましい態様としては、下記式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと下記式(2)の1分子中に2つ以上の加水分解性基を有するシランカップリング剤と下記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンのいずれかを少なく1種類からなる架橋剤とを加水分解・縮合反応させたジオルガノポリシロキサンの微3次元架橋構造を有する重合物である。
(R1は加水分解性基で水酸基、、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子で、R2は非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、Lは3〜10,000である。)
(Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、アミノ基、アミノエチル基、メルカプト基、イソシアネート、フェニル基から選ばれた基で、Rは炭素数0〜3の1価の低級アルキル基、フェニル基から選ばれた基、Xは、水酸基またはアルコキシ基で、nは0または1である。)
(Rは、加水分解性基または、非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、加水分解性基としては、水酸基、アミノ基、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子のいずれかであり、nは3〜1,000であり、1分子中に加水分解性基を少なくとも3個有する。)
ここで、式中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。
化粧料用粉体に表面処理するシリコーンゲルは、シリコーンエラストマーとは異なり弾性固体ではないが粒子の形状をとり得る。この場合、どのような形状で粉体粒子表面に表面処理されていてもよい。本発明で言う表面処理とは、粉体粒子表面にシリコーンゲルが付着または被覆されている状態を言う。粉体粒子の表面に付着している密度や形状は、本発明が達成するところの効果を発現する場合においては、特に限定はない。すなわち、粒子状のシリコーンゲルが粉体粒子表面にまばらに付着、粒子状のシリコーンゲルが粉体粒子表面を隙間なく被覆付着、粒子形状を持たないシリコーンゲルがまばらに粉体粒子表面に付着、シリコーンゲルが皮膜状で粉体粒子表面を隙間なく被覆付着してもよく、これらが組み合わさった状態であってもよい。
本発明で言うところのシリコーンゲルを得る適切なシリコーンの微架橋反応系のうちの1つの種類は、例えば、シラノール(≡Si−OH)基と水素化ケイ素(≡Si−H)基の間の縮合反応、シラノール(≡Si−OH)基と加水分解又は縮合可能なシリル基、すなわち≡SiOR(アルコキシ基)、≡Si−OC(O)CH、≡Si−NR及び≡Si−ON=CR の間の縮合反応、水素化ケイ素と加水分解又は縮合可能な基の間の縮合反応、並びに同じ又は異なる化学種の2個の加水分解又は縮合可能な基同士間の縮合反応を伴う。
この微架橋反応系の1つの例は、シラノール基を有するシロキサンポリマーとケイ素原子に直接結合している加水分解可能な基を有する架橋性化合物との間の反応である。この反応系のもう1つの例は、ケイ素原子に直接結合している加水分解又は縮合可能な基を有するシロキサンポリマーとシラノール基を有する架橋性化合物との間の反応である。この硬化系のさらにもう1つの例は、ケイ素原子に直接結合している加水分解又は縮合可能な基を有する2個のシロキサンポリマー同士の反応である。この硬化系のさらなる例は、ケイ素原子に直接結合している加水分解又は縮合可能な基を有するシロキサンポリマーと活性水素原子を有する基、すなわちヒドロキシル基、ウレイド基、メルカプト基又はアミノ基を有するシロキサンポリマーとの間の反応である。
本発明において最も好ましい微架橋反応系の種類は、ヒドロキシシリル基(≡SiOH)とエトキシシリル基(≡SiOCHCH)、ヒドロキシシリル基(≡SiOH)とメトキシシリル基(≡SiOCH)、ヒドロキシシリル基(≡SiOH)とヒドロシリル基(≡SiH)等との縮合反応である。
本発明に於いて好ましい微架橋反応系として、縮合反応による反応でシリコーンゲルとする場合、上記(1)に示す両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと上記式(2)に示すシランカップリング剤および、または上記式(3)に示す1分子中に加水分解性基を少なくとも3個有する反応性オルガノポリシロキサンは以下の中から選択することができる。
上記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンとしては両末端ヒドロキシシリル基変性やメトキシ変性、エトキシ変性、アミノ変性、両末端ヒドロキシシリル基変性シリコーンがある。一般に入手可能なものとしては、X−21−5849、X−21−5841、KF−9701A(信越化学工業社)、FINISH WS 62 M、CT601M、CT5000M、CT6000M(旭化成ワッカーシリコーン社)以上両末端ヒドロキシシリル基変性シリコーン、KF8010、X−22−161A、KF8008(信越化学工業社)以上両末端アミノ変性シリコーン等が挙げられる。本発明の好ましい両末端反応性ジオルガノポリシロキサンとしては、加水分解・縮合反応後に副生物として水を生成する両末端ヒドロキシシリル基変性シリコーン(ジメチコノール)が好ましい。
上記式(2)のシランカップリング剤の例としては、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシランなどを例示できるが、これらに限定されるものではなく、さらに目的に応じて2種以上を混合して使用することもできる。
上記式(3)の1分子中に加水分解性基を少なくとも3個有する反応性オルガノポリシロキサンの例としては、α−トリヒドロキシジメチルポリシロキサン、α−トリアルコキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジアルコキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ヘキサアルコキシポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、さらに目的に応じて2種以上を混合して使用することもできる。
本発明に於いてもっとも好ましい微架橋反応系としては、前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンが水サスペンションまたは水エマルジョンの形態にあるものを出発原料として前記架橋剤と反応させたシリコーンゲルである。前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンを調製する方法としては、低分子環状シロキサンを出発原料として乳化重合する方法やオイル状の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと界面活性剤、水を少なくとも含有する系を乳化混合装置により機械乳化する方法が例示される。乳化工程を実施するためにいかなる種類の混合装置が使用されてもよい。すなわち、回分式混合機、遊星形混合機、単軸若しくは多軸スクリュー押出機のような連続混合機、動的若しくは静的混合機、コロイドミル、ホモジナイザー及びソノレーター、又はこれらの組み合わせが使用される。
公知の方法によりエマルジョンを製造できるが、例えば、機械乳化により両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンを得る場合、ジオルガノシロキサンの粘度の制約を受ける。ジオルガノシロキサン単位数は3〜1、000の範囲のものが好ましい。製法としては、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと界面活性剤、水を混合し乳化して得ることができる。得られたオルガノポリシロキサンの分子量は、エマルジョンの水を乾燥して揮発後の成分をGPCによるPS換算Mwを測定して知ることができる。
もう一つの方法として乳化重合により両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンを得る場合、低分子環状シロキサンやジメチコノールに、界面活性剤と水を添加し乳化を行い、次いで酸を添加して重合反応させた後、アルカリを添加して中和し、直鎖状の分子の両末端のケイ素原子に結合したヒドロキシル基を含有したオルガノポリシロキサンの水エマルジョンを製造できる。得られたオルガノポリシロキサンの分子量は前記同様にGPCによるPS換算Mwを測定して知ることができる。
また、別の方法としては低分子環状シロキサンと微量の架橋剤、界面活性剤と水を添加し乳化を行い、次いで酸を添加して重合反応させた後、アルカリを添加して中和して、両末端のケイ素原子に結合したヒドロキシル基を含有した一部微架橋したオルガノポリシロキサンシリコーンの水エマルジョンを得ることもできる。
両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンの乳化に用いられる界面活性剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物、カルボキシビニルポリマー、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。好ましい界面活性剤としては、肌への刺激性が低くPRTR法(化学物質排出把握管理促進法:Pollutant Release and Transfer Register)等の規制物質でないものが好ましい。例えば、ポリエーテル変性シリコーンやラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ミリストイルアスパラギン酸、ラウロイルアラニン、ラウロイルメチルタウリン、ミリストイルメチルタウリン等のNaやK塩等が例示され1種以上を配合することができる。
本発明で言うシリコーンゲルを得るために出発原料を両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンとする場合、水エマルジョンに含有する界面活性剤は表面処理粉体の撥水性の付与と粉体中への吸着等による残留の点に於いてできるだけ少ない方が好ましく両末端反応性オルガノポリシロキサン(A)と界面活性剤量(B)との配合重量比(B)/(A)×100が6.0未満であることが好ましい。6.0以上であると表面処理された粉体の撥水性が低下する場合や、軽い感触が得られない場合がある。
両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤の配合比や反応性基の数は、微架橋反応によりシリコーンゲルが得られるかどうかで決定する。一般に反応性ジオルガノポリシロキサンの反応性基の数と架橋剤の反応性基数の和が少なくとも5である場合には、架橋反応によりシリコーンエラストマー状構造物が形成される。両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤の分子量がいずれも小さいと得られるシリコーン重合物は固体弾性体になるので一概には言えないが本発明のシリコーンゲルは、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤との比率がおおむね100/0.1〜100/35(wt%)の配合範囲で得ることができる。架橋剤量が0.1wt%より少ないと粘性を有するシリコーンオイルまたはガム状であり、35wt%より多いと弾性を有するシリコーンエラストマー状となり表面処理粉体の撥水性が低下する。
両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤の微架橋反応の際に反応を引き起こす触媒を添加してもよい。好ましい適切な触媒としては、酸性物質またはアルカリ性物質が挙げられる。 酸性物質は特に限定されず、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛等を使用することができる。
アルカリ性物質は特に限定されず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンモニア、トリエタノールアミン等を使用することができる。
本発明において、シリコーンゲルは、ゴム弾性を有しないシリコーンを主成分とする化合物であればよい。一般にジメチルポリシロキサンの場合、リニアなシロキサンのユニット数が少ないと、つまり分子量が小さいと揮発性であり、分子量が大きくなるに従い液状、粘ちょう液体、ガム状となる。リニアな分子構造を有するジメチルポリシロキサン鎖に分子架橋剤が添加されることでその添加量の増加によりゲル状、弾性体、樹脂状物へと性状が変化する。
本発明で表面処理に用いられる被覆剤であるシリコーンゲルの量は、用いる粉体の種類や被覆方法によって異なり、特に限定されないが、粉体と該表面処理剤であるシリコーンゲルとの比率は質量比で、粉体:シリコーンゲル=99.99:0.01〜70:30 が好ましく、99:1〜90:10が特に好ましい。この範囲であれば、本発明の滑らかで軽い感触でしっとり感があり、肌への密着性に優れた化粧料用粉体が得られる。
本発明で言うシリコーンゲルとはゴム弾性つまりゴム硬度を有しないジオルガノポリシロキサンの微3次元架橋構造を有する重合体である。本発明のシリコーンゲルを規定する方法としてはゴム硬度を測定する方法としてISO7619−1に規定されるデュロメーターによる測定法がある。この測定法には軟質ゴム硬度を測定できるデュロメータタイプAOによる測定法があるが、本発明のシリコーンゲルの測定値は0(NA(Not applicable)-硬度が小さく測定により針が動かなかった場合)である。
さらに、本発明において、シリコーンゲルのレオロジー特性は動的粘弾性測定において25℃で歪み率17%、剪断周波数4Hzにおける複素弾性率が3,000〜100,000Paで損失係数tanδが1.0〜2.5であるシリコーンゲルが適用される。より好ましくは、複素弾性率が10,000〜100,000Paであり損失係数(損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)tanδが1.0〜2.0である。前記複素弾性率が3,000Paより小さいとシリコーンオイルとしての性質を示し本発明の使用感が得られない。複素弾性率が100,000より大きいと弾性体の性質を示し撥水性と肌への密着性が低下する傾向にある。損失係数tanδが1.0未満であると、弾性体の性質を示し撥水性と肌への密着性が低下する傾向にある。損失係数tanδが2.5より大きいとシリコーンオイルとしての性質を示し本発明の使用感が得られない。ここで剪断周波数を4Hzとしたのは、人にとって一般的な物理的動作速度の範囲であり化粧料を肌へ塗布する際速度に近似している理由による。本発明のシリコーンゲルのレオロジー特性は、以下のようにして測定することができる。
動的粘弾性測定装置:Rheosol−G3000(UBM社製)
測定治具:直径20mmのパラレルプレート
測定周波数:4Hz
測定温度:25±1.0℃
測定歪の設定:歪み率17%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
測定試料厚み(ギャップ):1.0mm
シリコーンゲルのゴム硬度測定および動的粘弾性測定における試料調製方法は、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンをイオン交換水に界面活性剤で乳化後、架橋剤を添加してpHを塩基性にした後、加熱により水を揮発させた残分として得ることが出来る。
[2]シリコーンゲル化粧用粉体の製造方法
本発明におけるシリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体の製法は、化粧料用粉体とシリコーンゲルをミキサー等で単純混合して処理することも可能である。シリコーンゲルは粉体粒子同士を強固に凝集させるため、表面張力の低い有機溶媒を併用して混合処理をしたほうが撥水性や使用感、肌への密着性の観点で好ましいが、本発明のより好ましいシリコーンゲル処理粉体の製法としては、in-situ法にて化粧料用粉体の存在下でシリコーンゲルを粉体粒子表面に析出させた後、加熱することで粒子表面にシリコーンゲルを固着する方法で得ることができる。より好ましい製法としては、両末端反応性オルガノポリシロキサンの水エマルジョンを出発原料として前記in-situ法にてシリコーンゲルを固着する方法がある。この製法により粉体粒子表面へのシリコーンゲルの付着や被覆の均一性が高まり、撥水性が良くより良好な軽い使用感を付与することが可能となり肌への密着性により優れたシリコーンゲル化粧料用粉体を得ることができる。
本発明におけるシリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体の製法は、水溶性溶媒と化粧料用粉体の混合状態がキャピラリー、スラリーのいずれかの状態にて、化粧料用粉体の存在下に前記(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記(2)または前記(3)の化合物を別々に添加、または同時に添加する工程にて少なくとも一部を加水分解・縮合反応させた後、品温を100〜180℃で3時間以上加熱して表面処理粉体を得る方法である。具体的には、粉体の粒子径や比表面積、吸水量により異なるが化粧料用粉体100質量部に対して、水溶性成分3〜1500質量部が好ましく、10〜800質量部がより好ましい。3質量部未満ではキャピラリー領域にはならず乾式混合の状態であるため粉体粒子の凝集が発生し使用感が劣る。1500質量部を超えると表面処理粉体の生産性が悪化して製造コストが大きくなり好ましくない。
本発明で言う粉体と液体の混合状態とは、固体と液体および気体の充填形態が、(a)固相および気相が連続し液相が殆ど存在しないドライ(Dry)状態、(b)固相および気相が連続で液相が不連続なペンデュラー(Pendular)状態、(c)固相、気相および液相が連続なファニキュラー(Funicular)状態、(d)固相が不連続で液体が連続するが流動しない状態のキャピラリー(Capillary)状態、(e)固相が不連続で液体が連続し流動する状態のスラリー(Slurry)状態の内(d)と(e)の状態で混合又は混練、攪拌しながら加水分解・縮合反応させることが好ましい。
水溶性溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)のいずれかおよびこれらの混合溶媒をいう。環境やコストの観点で好ましくは、水溶性溶媒は水であるが反応プロセスで副生した化合物や界面活性剤等を除去する際にエタノールやIPAを洗浄溶媒として使用することができる。
キャピラリー状態での製法としては例えば、化粧料用粉体と水溶性溶媒と両末端反応性ジオルガノポリシロキサンをニーダーで良く混練した後、混練下に架橋剤を徐々に添加して必要に応じて反応触媒として酸性物質またはアルカリ性物質を添加してさらに一定時間混練する。混練物を取り出し熱風乾燥機にて100〜180℃の温度で品温が設定温度で3時間以上加熱できたら冷却、粉砕してシリコーンゲル表面処理粉体とする。この時のジメチコノールはオイル状の形態でも水エマルジョンの形態でも構わないが、水エマルジョンを使用すると撥水性の点で好ましい。
スラリー状態での製法としては例えば、化粧料用粉体を水溶性溶媒に投入して攪拌機にて分散させる。攪拌下両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの水エマルジョンを徐添して均一になった後、架橋剤を徐添して更に攪拌を維持し必要に応じて反応触媒として酸性物質またはアルカリ性物質を添加して一定時間攪拌する。縮合反応が進むとスラリーの液が増粘してくるので一定時間攪拌する。ろ過または遠心分離機により脱液して必要に応じて洗浄し脱液したケーキを熱風乾燥機にて100〜180℃の温度で品温が設定温度で3時間以上加熱された後冷却、粉砕してシリコーンゲル表面処理粉体とする。この時の固液の分離は常圧下又は減圧下に加熱することにより行うことができ、具体的には、分散液を加熱下で静置して水分を除去する方法、分散液を加熱下で攪拌流動させながら水分を除去する方法、フラッシュドライヤーやスプレードライヤーのように熱風気流中に分散液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法等が挙げられる。
前記キャピラリー状態やスラリー状態での製法に於いて両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤、反応触媒の添加順序は粉体の種類により本発明の効果が最大得られる工程で処理すればよく、分割して添加しても同時に添加してもよい。
前記製法に於ける混練や攪拌は、強い混練や攪拌とする方が粉体粒子への均一な表面処理が可能で好ましく、ニーダーや二軸混練機、ディスパーミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。
表面処理時の温度は、5〜60℃であることが好ましく、より好ましくは15〜30℃である。この温度が、5℃より低いと加水分解・縮合反応が進みにくく目的とする効果が得られず、60℃より高くすると得られた粒子が強い凝集を起こし使用感を悪化させる。
乾燥後の粉体は、粉体粒子の凝集状態によりピンミルやハンマーミル、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機で解砕又は分級するとよい。
[3]シリコーンゲル化粧料用粉体を含有する化粧料
本発明のシリコーンゲル化粧料用粉体は、各種の化粧料に使用することができ、例えば、スキンケア製品、メークアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の、特に皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。該複合粒子の配合割合は特に限定はなく、各製剤にあわせて、化粧料全体に対して0.1〜100.0質量%の範囲で適宜選定される。該化粧料は、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば油剤、粉体、界面活性剤、水溶性又は水膨潤性高分子化合物、紫外線吸収剤、保湿剤、油溶性ゲル化剤、抗菌防腐剤、塩類、酸化防止剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、制汗剤、アルコール、皮膜形成剤、抗炎症剤、清涼剤、核酸、ホルモン、包接化合物、pH調整剤、キレート剤、その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の化粧料に配合可能な油剤としては、固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、及びフッ素系油剤を使用することができる。
具体的には、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチ(1ル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のグリセライド油が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。油剤の配合量は、剤型に依存して、化粧料全体の1〜90質量%の範囲から適宜選定される。
粉体としては、無機粒子、有機粒子、無機・有機複合粉体、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。無機粒子、樹脂粒子、無機・有機複合粉体としては、前記した本発明で用いられる無機粒子、樹脂粒子、無機・有機複合粉体と同じものが例示される。シリコーン樹脂粒子としては、シリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆してなる粒子等が挙げられる。これらの粉体は、さらに粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、アシル化アミノ酸類、レシチン、エステルオイル等で処理したものも使用できる。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、前記した本発明の複合粒子の製造に用いられるものと同じものが例示される。それらの界面活性剤の中でも、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましい。配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。界面活性剤のHLBは、限定されないが2〜14.5が好ましい。
水溶性又は水膨潤性高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物;ポリオキシエチレン系高分子化合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子化合物;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子化合物、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子化合物等が挙げられる。また、これらの水溶性高分子化合物には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルーL−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられ、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等挙げられ、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤;ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤;イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられ、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
本発明の化粧料は、粉体、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/O等のマルチエマルション等の形態であってよく、また、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等であってよい。また、化粧料の例としては、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料、シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料が挙げられる。
また、これらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等、種々の形態を選択することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
両末端反応性ジオルガノポリシロキサンとして粘度が30mPa・sのジメチコノールオイル(α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)を用意した。ジメチコノールの水エマルジョンを次の方法にて調製した。
[機械乳化によるジメチコノールの水エマルジョンの製造例1]
前記の粘度が30mPa・sのジメチコノール500gを容量2リットルのポリエチレンビーカーに仕込み、ラウロイルメチルタウリンナトリウム22.5gおよびイオン交換水50gをホモミキサーで5,000rpmで攪拌しながら徐々に滴下して転相させた。増粘させた後、攪拌速度を7,000rpmに上げて15分間攪拌し、イオン交換水を450g加えて希釈した。次いで、卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で70MPaにて1回乳化分散してエマルジョンを得た。この水エマルジョンを105℃で3時間乾燥して水を揮発除去した固形分についてGPCによるPS換算の分子量を求めたところ6,000であった。固形分は51.0%であった。
[乳化重合によるジメチコノールの水エマルジョンの製造例2]
前記の粘度が30mPa・sのジメチコノール500gを容量2リットルのポリエチレンビーカーに仕込み、ラウロイルメチルタウリンナトリウム22.5gおよびイオン交換水50gをホモミキサーで5,000rpmで攪拌しながら徐々に滴下して転相させた。増粘させた後、攪拌速度を7,000rpmに上げて15分間攪拌し、イオン交換水を450g加えて希釈した。次いで、卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で70MPaにて1回乳化分散してエマルジョンを得た。得られたエマルジョンを縮重合触媒であるクエン酸4.5gを投入、攪拌した後、10時間縮重合反応を行った。次いで10%炭酸ナトリウムを加えてpH7に調整して水エマルジョンを得た。この水エマルジョンを105℃で3時間乾燥して水を揮発除去した固形分についてGPCによるPS換算の分子量を求めたところ150,000であった。固形分は49.5%であった。
[乳化重合によるジメチコノールの水エマルジョンの製造例3]
容量2リットルのポリエチレンビーカーにオクタメチルシクロテトラシロキサン450gとイオン交換水500g、ラウロイルメチルタウリンナトリウム6.75gを仕込みホモミキサー撹拌2,000rpmにより予備混合した後、クエン酸4gを添加して70℃に昇温してホモミキサー5,000rpmにより24時間乳化重合した。卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で50MPaにて1回乳化分散することにより高分子量のジメチコノールの水エマルジョンを得た。次いで10%炭酸ナトリウムを加えてpH7に調整して水エマルジョンを得た。この水エマルジョンを105℃で3時間乾燥して水を揮発除去した固形分についてGPCによるPS換算の分子量を求めたところ10,000であった。固形分は46.5%であった。
ジメチコノールの架橋剤として次に示す化合物を用意した。1.製品名:KBE−903(アミノプロピルトリエトキシシラン;信越化学工業社)、2.製品名:KBE−13(メチルトリエトキシシラン:信越化学工業社)3.製品名:KF−9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−O単位数約40でSi-2CH/Si−CHH比は1/1;信越化学工業社)とした。表1に示す配合にてシリコーンの微架橋反応物を得てシリコーンゲルが得られる配合比を確認した。シリコーンの反応物の調製法を次に示す。
(シリコーン微架橋反応物の調製)
PP製300ml容器にイオン交換水100gにラウロイルメチルタウリンナトリウム0.1gを溶解後、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンオイル(A)10gをホモミキサー6000rpm攪拌下に徐添する。10min攪拌を維持して常温にて乳化して水エマルジョンを得た。このエマルジョンをスターラーで攪拌下に架橋剤(B)25wt%IPA溶液を添加する。次いで必要に応じて1N-NaOH水溶液にてpHを10.5に調整して15min攪拌した後アルミ皿に移し、105℃/24hにて水を揮発してシリコーン反応物を得た。両末端反応性ジオルガノポリシロキサンが水エマルジョンの場合は、固形分が10gとなる量の水エマルジョンを投入後イオン交換水にて水分量を100gとして以下前記同様の操作をする。両末端反応性ジオルガノポリシロキサン(A)と架橋剤(B)との重量配合比(A)/(B)は、100/10、7/1、3/1のいずれかとした。
(デュロメーターAOによる測定条件)
スチロール角型ケース(タテ36×ヨコ36×高さ14mm)にシリコーン反応物を面より僅かに出るように仕込み表面を平たんにして試験面とする。デュロメーターの加圧板を試験面上20mm位置に置き試験面表面と加圧板が平行になるように維持された状態で加圧板を試験片に押し当てて針の目盛りを読み取る。この操作を5回行い平均値を測定値とした。なお、測定により針が動かなかった場合はNA(Not Applicable)とした。
(動的粘弾性測定による複素弾性率とtanδの測定条件)
下記に示す条件によりG’(貯蔵弾性率)およびG”(損失弾性率)を求め複素弾性率とtanδを求めた。
・粘弾性測定装置:Rheosol−G3000(UBM社製)
・測定治具:直径20mmのパラレルプレート
・測定周波数:4Hz
・測定温度:25±1.0℃
・測定歪の設定:歪み率17%に設定し、自動測定モードにて測定
・測定試料厚み(ギャップ):1.0mm
組成物No.6以外は本発明の好ましいシリコーンゲルの性質を示した。
[シリコーンゲルで表面処理した化粧料用粉体の製造]
[実施例1](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
タルクJA-13R(浅田製粉株式会社製)1kgを万能混合機に仕込み水550gとIPA/粘度が30mPa・sのジメチコノール=60g/35gの混合液を投入して15分間混合攪拌して粉体粒子が軟ペースト状(キャピラリー状態)とした。架橋剤として5質量%KBE-903水溶液を70g添加してさらに15分間混合攪拌した。軟ペーストを取り出し乾燥機にて120℃にて16時間乾燥した。この時ペースト中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は115℃以上で5時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕してシリコーンゲル3%表面処理タルクを得た。
[実施例2](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
容量20リットルのPE製容器に水7LとセリサイトFSE(三信鉱工株式会社製)1kgを仕込みディスパーミキサー(プライムミクス社;AM-40)にて2000rpmで5分間分散(スラリー状態)した。ジメチコノールの水エマルジョン(製造例3)103gを添加して2500rpmにて5分間攪拌した。次いで、架橋剤として5質量%KBE-903水溶液を96g添加した。1N-NaOH水溶液にてpHを10.3に調整した後、3000rpmにて30分間攪拌反応させた。遠心脱水機にてろ過して7Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機にて120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は115℃以上で7時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕してシリコーンゲル5%表面処理セリサイトを得た。
[実施例3](ジメチコノール/架橋剤比=4/1wt%)
合成マイカPDM−9WB(トピー工業株式会社製)1kgを万能混合機に仕込み水450gとジメチコノールの水エマルジョン(製造例1)82.6gを添加して15分間混合攪拌して軟ペースト状(キャピラリー状態)とした。架橋剤としてKF−9901を10.5g添加して28%アンモニア水溶液4mlを添加して15分間混合攪拌した。軟ペーストを取り出し乾燥機にて140℃にて16時間乾燥した。この時ペースト中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は135℃以上で8時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕してシリコーンゲル5%表面処理合成マイカを得た。
[実施例4](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
容量20リットルのPE製容器に水7Lと1N-NaOH水溶液を投入してpHを12.0に調整した。酸化チタンCR−50(石原産業株式会社製)1kgを添加してディスパーミキサー(プライムミクス社;AM-40)にて3000rpmで5分間分散(スラリー状態)した。次いで架橋剤として5質量%KBE-903水溶液を96g添加して2000rpmで5分間攪拌した。さらに、ジメチコノールの水エマルジョン(製造例2)97gを添加してpHを10.3以上にキープして3000rpmにて30分間攪拌した。遠心脱水機にてろ過して7Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機にて120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は115℃以上で5時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕してシリコーンゲル5%表面処理酸化チタンを得た。
[実施例5](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
容量20リットルのPE製容器に水5Lと1N-NaOH水溶液を投入してpHを12.0に調整した。タルクFK300S(山口雲母工業社製)700gを添加してディスパーミキサー(プライムミクス社;AM-40)にて3000rpmで5分間分散(スラリー状態)した。(タルクスラリー)別の容器に水3Lと微粒子酸化チタンTTO−55A(石原産業株式会社製)300gを入れ1N-NaOH水溶液にてpHを12.0に調整してホモミキサーにて6000rpmで10分間分散した。(微粒子酸化チタンスラリー)タルクスラリーをディスパーミキサー3000rpm攪拌下に微粒子酸化チタンスラリーを徐添した後、架橋剤として5質量%KBE-903水溶液を116g添加して3000rpmで5分間攪拌した。さらに、ジメチコノールの水エマルジョン(製造例2)117gを添加してpHを10.3以上にキープして3000rpmにて30分間攪拌した。遠心脱水機にてろ過して8Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機にて120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は115℃以上で5時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕してシリコーンゲル6%表面処理微粒子酸化チタン被覆タルクを得た。
[実施例6](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
実施例2のセリサイトを雲母チタンのTimiron Super Red(メルク社製)に変えて以下同様にてシリコーンゲル5%表面処理Timiron Super Redを得た。
[実施例7](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
実施例4の酸化チタンを黄酸化鉄のイエローLL-100P(チタン工業社製)に変えて以下同様にてシリコーンゲル5%表面処理イエローLL-100Pを得た。
[実施例8](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
実施例4の酸化チタンを黄酸化鉄のレッドR−516PS(チタン工業社製)に変えて以下同様にてシリコーンゲル5%表面処理レッドR−516PSを得た。
[実施例9](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
実施例4の酸化チタンを黄酸化鉄のブラックBL−100P(チタン工業社製)に変えて以下同様にてシリコーンゲル5%表面処理ブラックBL−100Pを得た。
[実施例10](ジメチコノール/架橋剤比=100/10wt%)
実施例1のタルクを架橋型球状ポリメタクリル酸メチル(商品名:ガンツパールGMX−0810、ガンツ化成製)に変えて以下同様にてシリコーンゲル3%表面処理ポリメタクリル酸メチルを得た。
[実施例11](ジメチコノール/架橋剤比=7/1wt%)
容量20リットルのPE製容器に水7Lと1N-NaOH水溶液を投入してpHを12.5に調整した。微粒子酸化チタンTTO−S−3(石原産業株式会社製)1kgを添加してディスパーミキサー(プライムミクス社;AM-40)にて3000rpmで5分間分散(スラリー状態)した。次いで架橋剤としてKF−9901の水エマルジョン(シリコーン/ラウロイルメチルタウリンNa/水=45/5/50wt%)を21g添加して3000rpmで5分間攪拌した。さらに、ジメチコノールの水エマルジョン(製造例2)133gを添加してpHを10.5以上にキープして3000rpmにて60分間攪拌した。遠心脱水機にてろ過して7Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機にて120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入しての品温を記録したところ品温は115℃以上で6時間加熱されていた。乾燥したケーキをJETミルで粉砕してシリコーンゲル7%表面処理微粒子酸化チタンを得た。
[比較例1〜11]前記組成物No.6のシリコーンゲルによる表面処理粉体
実施例1〜11で用いた表面処理剤を製造例1のジメチコノール水エマルジョンとKBE−13に代えた以外は各実施例同様の製造方法にて同量の表面処理を行い各表面処理粉体を得た。
(撥水性の評価)
100mlのビーカーに水を60ml入れ、各表面処理粉体を0.5g投入し24時間静置する。その後、スパーテルにて1秒間に2回の速さで50回攪拌した後、水相への表面処理粉体の移行状態を下記のように評価した。
◎:水面に浮いたままであり、水相への移行無し
〇:水面に浮いたままであるが、わずかに濁りがある
△:水面に浮いたままであるが、濁りがある
×:一部水面に浮いたままであるが、かなりの濁りがある
(使用感の評価)
上腕部に各試料を0.3mg/cm塗布し、ファンデーション用スポンジを用いて3回擦った時の滑らかで軽い使用感としっとり感の評価を行った。評価は専門評価パネル10名により、下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価)
(評点) : (評価)
5 : 非常に良い。
4 : 良い。
3 : 普通。
2 : やや悪い。
1 : 悪い。
(肌への密着性評価)
上腕部に試料を0.3 mg/cmずつ、1つの試料に対し2箇所塗布した。1箇所に10分間38℃の水で流水し、もう1箇所は流水せずにスタンダードとした。流水箇所をスタンダードと比較し、塗布膜の変化を目視にて観察した。評価は専門評価パネル10名により、下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
5 : 全く変化なし。
4 : 少し膜薄になり差が少しわかる。
3 : 膜薄になり差が分かる。
2 : かなり膜薄であるが、粉体は残っている。
1 : ほとんど粉体が残っていない。
(評価結果)
実施例および比較例の表面処理粉体の評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、本発明に係る化粧料用粉体は比較例の粉体に比べ、撥水性、滑らかな軽さ、しっとり感、肌への密着性に優れることが実証された。
次に実施例および比較例の表面処理粉体を配合して化粧料製剤処方での評価を行った。得られた各製剤について、50名の女性の専門パネラーにより、塗布時の滑らかさや軽さ、しっとり感、延び等の使用感、肌への密着性、化粧の仕上がり均一性、化粧持続性について、表5に示される評価基準に従って評価した。結果を50名の平均点に基づき、下記判定基準に従って判定した。
[実施例12および比較例12] パウダーファンデーション(固形粉末状)
(製造方法)
A:成分1〜9をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:Aに成分10〜13を添加し、更に混合する。
C:Bをパルベライザーにて粉砕し、金皿に圧縮成型し、パウダー
ファンデーションを得た。
なお、上記表中、実施例12は実施例1,2、4,7,8,9のものを用い、比較例12は比較例1,2、4,7,8,9のものを用いた。
結果を表8に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したパウダーファンデーションは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。
[実施例13および比較例13]乳化ファンデーション
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱混合し、成分5〜7を添加して均一にした。
B:成分8〜9及び11を溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却した後成分10を添加し
てファンデーションを得た。
なお、上記表中、実施例13は実施例3,4,7のものを用い、比較例13は比較例3,4,7のものを用いた。
結果を表10に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した乳化ファンデーションは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。本乳化製剤は経時での安定性にも優れていた。
[実施例14および比較例14] フェイスパウダー(粉末状)
(製造方法)
A:成分1 〜 8 をヘンシェルミキサーにて均一に混合後、成分9を
添加し、更に混合する。
B:A をパルベライザーにて粉砕する。
C:B を容器に充填して粉末状のフェイスパウダーを得た。
なお、上記表中、実施例14は実施例3,6,10のものを用い、比較例14は比較例3,6,10のものを用いた。
結果を表12に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したフェイスパウダーは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。
[実施例15および比較例15]アイシャドウ
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜8を添加して均一に分散した。
B:成分9〜11及び13を均一溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分12を添加してアイシャ
ドウを得た。
なお、上記表中、実施例15は実施例3,4,6のものを用い、比較例15は比較例3,4,6のものを用いた。
結果を表14に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したアイシャドウは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。
[実施例16および比較例16] マスカラ
(製造方法)
成分1〜12を加熱して混合分散した後、成分13〜14の混合物を添加して乳化し、容器に充填する。
なお、上記表中、実施例16は実施例9のものを用い、比較例16は比較例9のものを用いた。
結果を表16に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したマスカラは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。
[実施例17および比較例17] 下地クリーム
(製造方法)
工程1 成分1〜11を混合分散する。
工程2 工程1で得た組成物に、成分12〜15の混合物を加えて室
温にて乳化する。
なお、上記表中、実施例17は実施例1,3のものを用い、比較例17は比較例1,3のものを用いた。
結果を表18に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した下地クリームは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、本製剤は経時での安定性にも優れていた。
[実施例18および比較例18]口紅
(製造方法)
A:成分1〜6及び7の一部を加熱混合、溶解した。
B:成分8〜10及び7の残部を均一混合し、Aに加えて均一にした。
C:Bに成分11を添加して口紅を得た。
なお、上記表中、実施例18は実施例6,8のものを用い、比較例18は比較例6,8のものを用いた。
結果を表20に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した口紅は、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。本製剤は経時での安定性にも優れていた。
[実施例19および比較例19]アイライナー
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5及び6を加えて均一に混合分散した。
B:成分7〜10を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
なお、上記表中、実施例19は実施例3,9のものを用い、比較例19は比較例3,9のものを用いた。
結果を表22に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したアイライナーは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。本乳化製剤は経時での安定性にも優れていた。
[実施例20および比較例20]液状乳化ファンデーション
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱混合し、成分10〜12を添加して均一にした。
B:成分13〜14及び16を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分15を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
なお、上記表中、実施例20は実施例1,3のものを用い、比較例20は比較例1,3のものを用いた。
結果を表24に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した液状乳化ファンデーションは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。本乳化製剤は経時での安定性にも優れていた。
[実施例21および比較例21]油性固形状ファンデーション
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱混合した。
B:成分7〜15を均一に混合してAに加え均一になるよう混練した。
その後、再溶解、脱気を行い、専用容器に充填し製品を得た。
なお、上記表中、実施例21は実施例1,2,5,7,8,9のものを用い、比較例21は比較例1,2,5,7,8,9のものを用いた。
結果を表26に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した油性固形状ファンデーションは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、化粧持続性の評価に於いて比較例と比較して色くすみが少なかった。
[実施例22および比較例22]スティック状コンシーラー
(製造方法)
油性成分を溶解後、粉体成分を混合し、ローラーを用いてさらに混合した後、再溶解、脱気を行い、金型に充填し、冷却後とり出して容器に設置し製品を得た。
なお、上記表中、実施例22は実施例1,2,4,7,8,9のものを用い、比較例22は比較例1,2,4,7,8,9のものを用いた。
結果を表28に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したスティック状コンシーラーは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。
[実施例23および比較例23]油中水型クリーム
(製造方法)
A:成分1〜5を混合し、成分6,7を添加して均一に混合した。
B:成分8〜9及び11を混合溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化した後、成分10を添加してクリーム
を得た。
なお、上記表中、実施例23は実施例3,10のものを用い、比較例23は比較例3,10のものを用いた。
結果を表30に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した油中水型クリームは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、経時での安定性にも優れていた。
[実施例24および比較例24]水中油型クリーム
(製造方法)
A:成分4〜10を混合した。
B:成分1〜3を混合し、これをAに加えて攪拌乳化した。
なお、上記表中、実施例24は実施例10のものを用い、比較例24は比較例10のものを用いた。
結果を表32に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した水中油型クリームは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、経時での安定性にも優れていた。
[実施例25および比較例25]日焼け止め乳液
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱混合し、成分7,8を均一分散した。
B:成分9〜11及び13を加熱混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加し日焼け
止め乳液を得た。
なお、上記表中、実施例25は実施例6,11のものを用い、比較例25は比較例6,11のものを用いた。
結果を表34に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した日焼け止め乳液は、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、経時での安定性にも優れていた。
[実施例26および比較例26]サンカットクリーム
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分8を添加してビーズ
ミルで分散した。
B:成分1の残部及び3〜7を混合して均一にした。
C:成分9〜11及び13を混合、溶解した。
D:BにCを加えて乳化し、Aを分散させ、さらに、成分12を添加して
サンカットクリームを得た。
なお、上記表中、実施例26は実施例10,11のものを用い、比較例26は比較例10,11のものを用いた。
結果を表36に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したサンカットクリームは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。また、経時での安定性にも優れていた。
[実施例27および比較例27]ネイルエナメル
(製造方法)
A:成分7〜9を混合し、これに成分4〜6を添加して均一に混合する。
B:Aに成分1〜3を添加して混合する。
C:Bに成分10を添加混合して、ネイルエナメルを得た。
なお、上記表中、実施例27は実施例6のものを用い、比較例27は比較例6のものを用いた。
結果を表38に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したネイルエナメルは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。
[実施例28および比較例28] 保湿クリーム
(製造手順)
工程1 成分1〜7及び成分10〜11を均一に混合し、成分8〜9を
添加して均一に分散する。
工程2 成分12〜15及び成分17を加えて溶解する。
工程3 工程2で得た組成物を、工程1で得た組成物に徐々に添加して
乳化し、冷却する。
工程4 工程3で得た組成物に成分16を加えて攪拌混合する。
なお、上記表中、実施例28は実施例10のものを用い、比較例28は比較例10のものを用いた。
結果を表40に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合した保湿クリームは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。
[実施例29および比較例29] アフターシェーブクリーム
(製造方法)
A:成分1〜5及び成分11〜12を加熱混合する。
B:成分6〜10を加熱混合する。
C:工程1で得た組成物に、工程2で得た組成物を徐々に添加して乳化する。
なお、上記表中、実施例29は実施例10のものを用い、比較例29は比較例10のものを用いた。
結果を表42に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したアフターシェーブクリームは、使用感に優れていた。
[実施例30および比較例30] リップグロス
(製造方法)
成分1〜6を加熱混合し、容器に充填した後、冷却する。
なお、上記表中、実施例30は実施例6のものを用い、比較例30は比較例6のものを用いた。
結果を表44に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したリップグロスは、使用感と密着性に優れ仕上がりが均一であり化粧持続性に優れた化粧料であった。
[実施例31および比較例31] シャンプー
(製造方法)
A:成分1〜4を加温し、混合溶解する。
B:工程1で得た組成物に成分5〜8を添加する。
C:工程2で得た組成物を冷却し、成分9〜12を添加する。なお、
必要に応じて、成分13を添加し、pHを調製する。
なお、上記表中、実施例31は実施例10のものを用い、比較例31は比較例10のものを用いた。
結果を表46に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したシャンプーは、使用感に優れていた。
[実施例32および比較例32] コンディショナー
(製造方法)
A:成分1〜6を加温し、混合溶解する。
B:成分7〜8を加温し、混合溶解する。
C:工程1で得た組成物に工程2で得た組成物を添加し、乳化する。
D:工程3で得た組成物を冷却し、成分9および10を添加する。なお
、必要に応じて、成分11を添加する。
なお、上記表中、実施例32は実施例10のものを用い、比較例32は比較例10のものを用いた。
結果を表48に示した。
本発明の化粧料用粉体を配合したコンディショナーは、使用感に優れていた。

Claims (14)

  1. シリコーンゲルで表面処理したシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体であって、前記シリコーンゲルが下記式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと、下記式(2)の1分子中に2つ以上の加水分解性基を有するシランカップリング剤と下記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤とを加水分解・縮合反応させたシリコーンゲルであり、
    (R1は加水分解性基で水酸基、アミノ基、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子のいずれかであり、R2は非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、Lは3〜10,000である。)
    (Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、アミノ基、アミノエチル基、メルカプト基、イソシアネート、フェニル基から選ばれた基で、Rは炭素数〜3の1価の低級アルキル基、フェニル基から選ばれた基、Xは、水酸基またはアルコキシ基で、nは0または1である。)
    (Rは、加水分解性基または、非置換または置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、加水分解性基が、水酸基、アミノ基、アセトキシ基、アルコキシ基、水素原子のいずれかであり、nは3〜1,000であり、1分子中に加水分解性基を少なくとも3個有する。)
    前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤との比率が100/0.1〜100/35(wt%)の配合範囲で、前記シリコーンゲルは前記ジオルガノポリシロキサンの微3次元架橋構造を有し、
    前記シリコーンゲルが25℃で歪み率17%、剪断周波数4Hzにおける動的粘弾性測定による複素弾性率が3,000〜100,000Paで損失係数tanδが1.0〜2.5であり、
    デュロメータタイプAOによる測定法で測定した前記シリコーンゲルの測定値は0である、シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  2. シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体は、in-situ法にて化粧料用粉体の存在下で、前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤との混合物から少なくとも一部を加水分解・縮合反応させ、前記シリコーンゲルを出発原料である粉体粒子の表面に析出させ、加熱固着させて得られた、請求項1に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  3. 前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンを水エマルジョンの形で用いる、請求項2に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  4. 前記シリコーンゲルで表面処理した前記化粧料用粉体は、(A)水溶性溶媒と出発原料としての化粧料用粉体とを混合し、該水溶性溶媒と該化粧料用粉体の混合状態がキャピラリーかスラリーのいずれかの状態にて、前記出発原料の化粧用粉体の存在下に前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤とを別々に添加、または同時に添加する工程にて、あるいは(B)該水溶性溶媒と該化粧料用粉体と前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンの混合状態がキャピラリーの状態にて、前記出発原料の化粧用粉体の存在下に前記前記式(2)のシランカップリング剤と前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤を添加する工程にて、前記式(1)の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと前記式(2)のシランカップリング剤前記式(3)の反応性オルガノポリシロキサンの少なくとも1種類からなる架橋剤との少なくとも一部を加水分解・縮合反応させ、加熱固着させる工程により得られる、請求項2または3のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  5. 前記粉体が、無機粉体、有機粉体又はこれらの複合粉体である、請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  6. 前記シリコーンゲルが前記式(1)で示される前記両末端反応性ジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての前記式(2)の1分子中に2つ以上の加水分解性基を有する前記シランカップリング剤との加水分解・縮合生成物である、請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  7. 前記式(1)のジオルガノポリシロキサンがジメチコノールである、請求項1〜6のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  8. 前記式(1)のジメチルシロキサン単位L数が3〜1,000である前記ジメチコノールの水エマルジョンを表面処理をするための前記出発原料とした請求項7に記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  9. オクタメチルシクロテトラシロキサンを出発原料としジメチコノールの水エマルジョンを、表面処理をするための出発原料とした、請求項7に記載の化粧料用粉体シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  10. 前記ジメチコノールの水エマルジョン中に界面活性剤が含有され、前記界面活性剤が少なくともアシル化アミノ酸を含有する、請求項7〜のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  11. 前記ジメチコノールの水エマルジョン中のジメチコノール重量(A)と界面活性剤量(B)との配合重量比(B)/(A)×100が6.0未満である、請求項7〜のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  12. 前記式(2)のシランカップリング剤の有機基Rが、アミノ基またはフェニル基のいずれかである、請求項1〜11のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  13. 前記シリコーンゲルと化粧料用粉体との重量比が100/0.1〜100/25.0である、請求項1〜12のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理化粧料用粉体。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載した前記シリコーンゲル表面処理化粧料用粉体を0.1重量%以上含有する化粧料。
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