以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、あるいは、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、可変表示を行ない所定条件が成立したときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つの領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。たとえば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の変動表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。具体的には、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、特定演出としての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときに点滅する。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。一般的には、再変動の繰返し実行回数(擬似連回数)が多い程、信頼度が高くなる。また、擬似連変動を実行した場合には必ず最終的に何らかのリーチ演出を実行するものでもよい。さらに、再変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するものでもよい。たとえば、再変動の実行回数が2回(擬似連回数3回)まで行くと「リーチ確定」、再変動の実行回数が3回(擬似連回数4回)まで行くと「スーパーリーチ確定」、再変動の実行回数が4回(擬似連回数5回)まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。たとえば、「1」「3」「5」の奇数目、「1」「2」「3」の並び目のようにゾロ目ではないが特徴のある出目を出すことで遊技者に擬似連をアピールすることができる。また、仮停止する際、および、または、再変動する際に擬似連をアピールできる。また、「擬似連変動」中の再変動時でも後述するようなステップアップ予告を実行してもよい。つまり、再変動を3回実行(擬似連回数4回)する場合には、ステップアップ予告を4回実行可能である。その際には、擬似連回数が進むにつれてステップアップ数を増加させることで、より信頼度が高いことを遊技者に知らせることが可能になる。
ここで、ステップアップ予告とは、1の始動入賞に対して実行される図柄の変動表示中に実行される予告の1種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)するような予告を指す。一般的には、変化する回数(ステップ数)が多い程、信頼度が高くなる。予告の対象となるのは、大当りまたはリーチとなる旨を予告するものが多いが、確変大当り、特定のリーチ、確変への昇格を予告する対象も変化するものであってもよい。たとえば、ステップ3までいくと「リーチ確定」、ステップ4までいくと「スーパーリーチ確定」、ステップ5まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)とは、本実施形態のように異なるキャラクタが順番に登場するものだけでなく、1のキャラクタの形状または色等が変化することで、ステップアップするようなものでもよい。つまり、遊技者から見て予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば、上記例に限らずステップアップ予告であるといえる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、擬似連の演出が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を信号させる振動モータ(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。なお、操作ボタン30は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表面制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン30からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、後述する予告演出等の各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン30からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン30からの操作信号に基づいて、たとえば予告演出等の遊技の演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ、各LEDの取付部分を信号させる振動モータ87a,87b,87cを出力ポート106を介して駆動する。振動モータ87aは、上演出LED85aを振動させる。振動モータ87bは、中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当り判定用乱数発生カウンタとして、内蔵されている乱数回路503によるハードウェア乱数を用いる。したがって、大当り判定用乱数については、このような初期値の設定は行なわれない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り判定用乱数発生カウンタとしてソフトウェア乱数を用いる場合には、当該カウンタについて、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、大当りの判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出して大当りを発生させる不正行為が行なわれにくくなるようにすることができる。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、この実施の形態の遊技機における演出表示装置9で実行される擬似連の表示演出を説明する。
図6は、擬似連の表示演出例を示す説明図である。図6(A)に示すパターンaは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち点灯されるものが1つずつ増えていくように制御される。なお、仮停止期間において、LED(上演出LED85a、中演出LED85b、下演出LED85c)はすべて消灯状態であってもよい。また、再変動(初回変動も含む。)の期間中に、LEDは点滅するように制御されてもよいし、表示色が変わるように制御されてもよいし、点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されるのではなく上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうちで点灯するものが変わるように制御されるようにしてもよい。また、図6(A)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行なわれる例が示されている。しかし、これに限らず、仮停止の回数は、1回の場合もあってもよいし、3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)A1,A2,A3を、第1再変動演出態様の再変動演出ということがある。
なお、擬似連の初回変動において使用される演出態様(図6に示す例では、A1、B1、C1、D1)は、擬似連を伴わない変動パターン(一例として、スーパーリーチの変動パターンやノーマルリーチの変動パターン)における一部の演出態様としても用いられるようにしてもよい。
図6(B)に示すパターンbは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、可動部材78が動作する。なお、仮停止期間において、可動部材78は停止状態であってもよい。また、図6(B)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行なわれる例が示されている。しかし、これに限らず、仮停止の回数は、1回の場合もあってもよいし、3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)B1,B2,B3を、第2再変動演出態様(I)の再変動演出ということがある。
図6(C)に示すパターンcは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、演出表示装置9において特定のキャラクタ画像が表示される。なお、仮停止期間では、特定のキャラクタ画像が表示されないようにしてもよい。また、図6(C)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行なわれる例が示されている。しかし、これに限らず、仮停止の回数は、1回の場合もあってもよいし、3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)C1,C2,C3を、第2再変動演出態様(II)の再変動演出ということがある。
図6(D)に示すパターンdは、複数の再変動(初回変動も含む。)の期間の1つ以上の期間において、第1再変動演出態様と第2再変動演出態様(第2再変動演出態様(I)もしくは第2再変動演出態様(II)、または第2再変動演出態様(I)と第2再変動演出態様(II)の双方)で演出が実行されるパターンである。なお、仮停止期間では、第1再変動演出態様および第2再変動演出態様の演出が実行されないようにしてもよい。また、図6(D)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行なわれる例が示されている。しかし、これに限らず、仮停止の回数は、1回の場合もあってもよいし、3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)D1,D2,D3を、第3再変動演出態様の再変動演出ということがある。
なお、図6(D)において、「2つ点灯」のボックスが破線で示されているのは、その演出が実行される場合もあり、実行されない場合もあることを示す。実行されない場合には、初回変動においてLED(上演出LED85a、中演出LED85bまたは下演出LED85c)を用いた演出が実行され、次に実行される再変動において、可動部材78を用いた演出が実行されるが、LEDを用いた演出は実行されないことを示す。
可動部材78は、個別に動作することが可能な複数の可動部品(小可動部品)からなるものであって、動作する可動部品の数が増減可能なものを用いてもよい(たとえば、小可動部品の数が増える制御を行なう)。また、可動部材78は、所定の範囲で移動可能なものであって、移動範囲が増減可能なものを用いてもよい(たとえば、移動範囲が増える制御を行なう)。また、可動部材78は、動作する速度(たとえば、反復動作する速度)が増減可能なものを用いてもよい(たとえば、動作する速度が増える制御を行なう)。また、可動部材78は、形態が変化可能なものを用いてもよい(たとえば、動作する形態が変化していく制御を行なう)。また、可動部材78は、これら構造および制御の1つまたは複数の組合せを用いてもよい。
図7は、演出表示装置9におけるパターンaの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンaの再変動演出では、図7(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図7(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図7(C)参照)。そして、図7に示す例では、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図7(D)参照)、所定の再変動期間が経過するとリーチとなる(図7(E)参照)。その後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。図7に示す例では、初回変動の期間において、下演出LED85cが点灯し、初回変動に続く再変動期間において、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯する。なお、図7に示す例は、1回の仮停止が行なわれる場合の例である。また、図7(A)〜(C)の期間が、図6(A)に示されたA1の期間に相当し、図7(D)〜(E)の期間が、図6(A)に示されたA2の期間に相当する。ただし、図7に示す例では、仮停止が1回の例であって、A2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図7において、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち黒で表示されているLEDは点灯状態であるLEDである。また、点灯状態であるLEDは、振動モータ87a,87b,87c(図3参照)によって振動させられる。また、図7において、下向き矢印は、演出図柄が変動表示されている(変動している)ことを示す。なお、そのことは、図8〜図11においても同様である。
なお、図7においては、初回変動の期間において、(B)のタイミングのように全図柄が変動中に下演出LED85cが点灯する例を示した。しかし、これに限らず、初回変動の期間において、たとえば(C)のタイミングのような仮停止時および(D)のタイミングのような再変動開始時に下演出LED85cが点灯するようにしてもよい。つまり、擬似連における上演出LEDの点灯タイミングとしては、各仮停止時であってもよく、各再変動時であってもよい。また、初回変動時と、その後の再変動時とでは、下演出LED85cが点灯するタイミングを異なるタイミングとなるように制御してもよい。このようにすれば、遊技の状態に変化が生じるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図8は、演出表示装置9におけるパターンbの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンbの再変動演出では、図8(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図8(B),(C)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図8(D)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図8(E)参照)、所定の再変動期間が経過すると、左右の演出図柄が停止してリーチとなる(図8(F)参照)。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する(図8(F)参照)。図8に示す例では、初回変動の期間において、可動部材78が動作(演出表示装置9の表示画面に進入した後、元の位置(表示画面外)に戻るように動作)し、初回変動に続く再変動期間においても、可動部材78が動作する。なお、図8に示す例は、1回の仮停止が行なわれる場合の例である。また、図8(A)〜(D)の期間が、図6(B)に示されたB1の期間に相当し、図8(E)〜(F)の期間が、図6(B)に示されたB2の期間に相当する。ただし、図8に示す例では、仮停止が1回の例であって、B2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図9は、演出表示装置9におけるパターンcの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンcの再変動演出では、図9(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図9(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図9(C)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図9(D)参照)、左右の演出図柄が停止してリーチとなる(図9(E)参照)。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。図9に示す例では、初回変動の期間において、特定のキャラクタ画像79aが演出表示装置9において表示され、初回変動に続く再変動期間において、特定のキャラクタ画像79b(特定のキャラクタ画像79aと関連する画像であって、演出が発展したかのように遊技者に感じさせる画像)が演出表示装置9において表示される。なお、図9に示す例は、1回の仮停止が行なわれる場合の例である。また、図9(A)〜(C)の期間が、図6(C)に示されたC1の期間に相当し、図9(D)〜(E)の期間が、図6(C)に示されたC2の期間に相当する。ただし、図9に示す例では、仮停止が1回の例であって、C2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図10および図11は、演出表示装置9におけるパターンdの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンaの再変動演出では、図10(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図10(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図10(C)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図10(D),(E)参照)、所定の再変動期間が経過すると、左中右の演出図柄が再び仮停止する(図10(F)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図11(G)参照)、所定の再変動期間が経過すると、リーチとなる(図11(H)参照)。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。図10および図11に示す例では、初回変動の期間において、下演出LED85cが点灯し、初回変動に続く再変動期間において、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯するとともに、可動部材78が動作する。また、続く再変動期間において、可動部材78が動作するとともに、特定のキャラクタ画像79c(特定のキャラクタ画像79a,79bと関連する画像であって、演出がさらに発展したかのように遊技者に感じさせる画像)が演出表示装置9において表示される。なお、図10および図11に示す例は、2回の仮停止が行なわれる場合の例である。また、図10(A)〜(C)の期間が、図6(D)に示されたD1の期間に相当し、図10(D)〜(F)の期間が、図6(D)に示されたD2の期間に相当する。また、図11(G)〜図11(H)の期間が、図6(D)に示されたD3の期間に相当する。
また、図10および図11において、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち黒で表示されているLEDは点灯状態であるLEDである。また、点灯状態であるLEDは、振動モータ87a,87b,87c(図3参照)によって振動させられる。
図10に例示したように、この実施の形態では、パターンaを構成する初回変動(図10(A)〜(C)参照)が実行された後、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行される。すなわち、第1再変動演出(たとえば、パターンaを構成する)を実行した後に第2再変動演出(たとえば、パターンbを構成する)を実行することが可能である。なお、図10に示す例では、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行されるときにもパターンaを構成する再変動(LEDの点灯を伴う再変動)が実行されているが、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行されるときに、パターンaを構成する再変動(LEDの点灯を伴う再変動)が実行されなくてもよい。また、図10(D)〜(F)に示すようなパターンaを構成する再変動とパターンbを構成する再変動とが組合わされたものを、第2再変動演出と捉えることもできる。つまり、演出の態様が異なる任意の2つの再変動演出は、第1再変動演出と第2再変動演出に相当すると捉えることができる。
また、パターンaを構成する再変動を第1再変動と捉え、パターンaとは異なるパターン(この例では、パターンb)を構成する再変動を第2再変動と捉え、パターンaを構成する再変動とパターンaとは異なるパターン(この例では、パターンb)を構成する再変動とが組合わされたものを第3再変動と捉えることもできる。そのように捉えた場合には、第1再変動演出または第2再変動演出を実行した後に第3再変動演出を実行することが可能であることになる。
なお、上記のように、図7〜図11に示された例に説明において、再変動演出が終了するときにリーチになるとしたが、再変動演出が終了したときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
また、上記の例では、識別情報(ここでは、演出図柄)の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果(大当りを想起させない演出図柄の組合せ)となる識別情報を仮停止させた後にすべての識別情報について変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示パターンにおける複数種類の再変動演出として、発光体(上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85c)、可動部材78、特定のキャラクタ画像79a,79b,79cを用いた演出態様が例示されたが、他の演出態様を用いてもよい。たとえば、スピーカ27による音声や効果音の出力の違い、演出対象物(たとえば、可動部材78)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違い等)、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違い等)によって再変動演出の演出態様を違えたり、演出表示装置9においてキャラクタ画像ではなく文字を変えたり背景画像を変えたりして、再変動演出の演出態様を違えたりするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が導出表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄にする。「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄にする。特別図柄表示器8に15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。15ラウンド大当り状態では、ラウンドの回数は第1回数(たとえば、15)である。以下、ラウンドの回数が第1回数である大当り遊技状態を15ラウンド大当り状態ともいう。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに2ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、ラウンドの回数が第2回数(たとえば、「2」)である大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)に移行する。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドの期間は、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(たとえば、0.5秒間)になる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(たとえば、「2」)である。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行なわれるように制御されればよい。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の変動表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
2ラウンド大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2ラウンド大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が停止表示された場合には、遊技状態が、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、可変入賞球装置20における開閉板が第2期間(たとえば、0.5秒間)開放状態になって大入賞口が開放される。ラウンドの回数は第2回数(たとえば、2)である。ただし、2ラウンド大当り状態とは異なり、遊技状態は変更されない。すなわち、小当り遊技状態に制御される前の遊技状態が継続する。ただし、確変状態や時短状態を終了することに決定されている場合には、小当り遊技状態の終了後に、遊技状態は通常状態に制御される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、その入賞球装置を第1状態に変化させる。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
なお、確変状態では、普通図柄の変動時間を通常よりも短縮する制御、可変入賞球装置15の開放時間を通常よりも延長する(長くする)制御、および、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御のうち、いずれか1つの制御、いずれか2つを組合せた制御、および、すべてを組合せた制御のうち、いずれかを実行するようにしてもよい。また、時短状態(特別図柄の時短)では、普通図柄の変動時間を通常よりも短縮する制御、可変入賞球装置15の開放時間を通常よりも延長する(長くする)制御、および、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御のうち、少なくとも、普通図柄の変動時間を通常よりも短縮する制御を実行すればよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄の変動表示が行なわれる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、たとえば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(変動表示期間=変動時間)で、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、演出図柄の変動表示中に、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、演出図柄の変動表示態様等によって遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった特定演出が実行可能である。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(たとえば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(たとえば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
上記のように、「擬似連」の特定演出では、特別図柄の変動表示の開始条件が1回成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(たとえば、最大3回まで)行なう。
図12は、擬似連チャンス目を示す説明図である。「擬似連」の特定演出では、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、図12(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する演出図柄が仮停止表示される。「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに表示(停止表示または仮停止表示)される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに表示される演出図柄である。なお、擬似連チャンス目GC1〜GC8は、特殊組合せに含まれる演出図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチになる所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が「突確」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行なわれた後、所定の非リーチの組合せ(たとえば、「左」、「右」の各図柄表示エリア9L、9Rにおける停止図柄が一致していないこと)となる停止図柄が停止表示されたり、所定のリーチの組合せとなる停止図柄が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出、「小当り」の変動表示態様という。
図13は、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合とのそれぞれに対応して予め用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−5、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−6、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
図14は、変動表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応して予め用意された演出図柄の変動パターンを例示する説明図である。図14に示すように、この実施の形態では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄または小当り図柄である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−6、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−3、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−3、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−3、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2、スーパーPE1−1およびスーパーPE1−2、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンが用意されている。
図15は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2−1)ランダム2−1(MR2−1):大当りの種類(確変大当り、突然確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2−2)ランダム2−2(MR2−2): リーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(7)ランダム7(MR7):擬似連演出のパターンを決定する(擬似連パターン決定用)。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2−1)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4、ランダム7)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。また、大当り種別判定用乱数についても、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り種別判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、確変となる大当り種別の判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出し、確変となる種別の大当りを発生させる不正行為が、行なわれにくくなるようにすることができる。
図16(A)、(B)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図16(A)の左欄に記載されている各数値および図16(B)に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図16(A)の右欄に記載されている各数値および図16(B)に記載されている各数値が設定されている。図16(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、大当り判定値と小当り判定値とを、「大当り判定値」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図16(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りもしくは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図16(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図16(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図17(A)〜(F)および図18(G)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gは、図18(H)に示すようなテーブル選択規則にしたがって選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるか、および大当り種別の判定結果に応じて選択される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gには、大当り種別の判定結果が「通常」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−6、スーパーCB3−1、スーパーCB3−2、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
たとえば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に、大当り種別が「通常」である場合に用いられる図17(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変」である場合に用いられる図17(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割当てられていない。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割当てられず、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割当てられている。
このように、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に、遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132D〜132F(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B、132G(時短状態のときに選択)を比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「突確」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132C、132F、132Gでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった大当り種別が「突確」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。よって、変動表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、大当り種別が「通常」に決定された場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図17(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図17(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132DではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132D(「通常」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B,132E(「確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132F,132G(「突確」のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて各変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割当てられることがある。よって、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能になり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図19(A)〜(C)は、ROM54に記憶されている小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、たとえば、図19(D)に示すようなテーブル選択規則にしたがって選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるかに応じて選択される。各小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別のいずれかに対応した判定値を含む。
図19(A)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Aにおいて判定値が割当てられた特殊CA4−1の変動パターン種別には、図19(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cにおいても判定値が割当てられている。図19(B)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Bにおいて判定値が割当てられた特殊CB4−1の変動パターン種別には、図17(F)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Fにおいても判定値が割当てられている。図19(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Cにおいて判定値が割当てられた特殊CC4−1の変動パターン種別には、図18(G)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Gにおいても判定値が割当てられている。このように、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別は、大当り種別が「突確」になる場合と、変動表示結果が「小当り」になる場合で共通の変動パターン種別になっている。すなわち、大当り種別が「突確」である場合に用いられる図17(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cや、図17(F)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132F、図18(G)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Gは、変動表示結果が「小当り」になる場合に決定される変動パターン種別と共通の変動パターン種別を含むように設定されている。
図20(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ判定テーブル134A〜134Cを示す説明図である。リーチ判定テーブル134A〜134Cは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)に基づいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、図20(D)に示すようなテーブル選択規則にしたがって選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるかに応じて選択される。通常状態のときは、リーチ判定テーブル134Aが選択される。確変状態のときは、リーチ判定テーブル134Bが選択される。時短状態のときは、リーチ判定テーブル134Cが選択される。
各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨(非リーチ状態とする旨)の判定結果、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果、および、共通HA3−1、共通HA3−2、共通HB3−1、共通HC3−1といった非リーチ状態とリーチ状態とのどちらとなってもよい共通状態にする旨の判定結果のいずれかに対応する判定値を含む。ここで、共通状態については、リーチ状態とするか非リーチ状態とするかの決定権が演出制御用マイクロコンピュータ100の側にあるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では、リーチ状態とするか非リーチ状態とするかを演出制御コマンドにより指定しない。
たとえば、図20(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、次のような設定がなされている。保留記憶数が「0」である場合に対応して以下のような設定がされている。「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割当てられている。「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割当てられ、「240」〜「274」の範囲の値が共通HA3−1に割当てられている。
保留記憶数が「1」である場合に対応して、以下のような設定がされている。非リーチHA1−1に割当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割当てられている。保留記憶数が「0」である場合にリーチHA2−1に割当てられる判定値の個数よりも少ない「218」〜「239」の範囲の値が、リーチHA2−2に割当てられている。保留記憶数が「0」である場合に共通HA3−1に割当てられる判定値の個数と同じ「240」〜「274」の範囲の値が共通HA3−1に割当てられている。
保留記憶数が「2」である場合に対応して、以下のような設定がされている。非リーチHA1−1および非リーチHA1−2に割当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割当てられている。保留記憶数が「1」である場合にリーチHA2−2に割当てられる判定値の個数よりも少ない「221」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−2に割当てられている。保留記憶数が「1」である場合に共通HA3−1に割当てられる判定値の個数と同じ「240」〜「274」の範囲の値が共通HA3−1に割当てられている。
保留記憶数が「3」または「4」である場合に対応して、以下のような設定がされている。非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4に割当てられている。保留記憶数が「2」である場合にリーチHA2−2に割当てられる判定値の個数よりも少ない「231」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−3に割当てられている。保留記憶数が「2」である場合に共通HA3−1に割当てられる判定値の個数と同じ「240」〜「274」の範囲の値が共通HA3−2に割当てられている。
保留記憶数が「5」〜「8」である場合に対応して、以下のような設定がされている。非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4のそれぞれに割当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「235」の範囲の判定値が、非リーチHA1−5に割当てられている。保留記憶数が「3」または「4」である場合にリーチHA2−3に割当てられる判定値の個数よりも少ない「236」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−3に割当てられている。保留記憶数が「3」または「4」である場合に共通HA3−2に割当てられる判定値の個数と同じ「240」〜「274」の範囲の値が共通HA3−2に割当てられている。
このような設定によって、保留記憶数が所定数(たとえば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図21(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態にする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
たとえば、図21(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは、リーチHA2−1にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「128」の範囲の値(判定値)がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割当てられ、それ以外の値がスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割当てられている。また、リーチHA2−2にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「170」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割当てられている。さらに、リーチHA2−3にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「182」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割当てられている。リーチHA2−1には、図20(A)に示すリーチ判定テーブル134Aによって、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される判定値が割当てられている。リーチHA2−2には、保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、判定値が割当てられている。リーチHA2−3には、保留記憶数が「3」〜「8」である場合に対応して、判定値が割当てられている。これらの設定によって、保留記憶数が所定数(たとえば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図22(A)〜(C)は、ROM54に記憶されている非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cを示す説明図である。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にしない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態にしない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図23(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているはずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140A〜140Cを示す説明図である。はずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140A〜140Cは、演出図柄の変動表示状態をはずれ共通状態にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各はずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140A〜140Cは、共通HA3−1、共通HA3−2、共通HB3−1、共通HC3−1といったはずれ共通状態にする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、共通HA3−1および共通HA3−2にする旨の判定結果に応じてはずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140Aが使用テーブルとして選択され、共通HB3−1にする旨の判定結果に応じてはずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140Bが使用テーブルとして選択され、共通HA3−2にする旨の判定結果に応じてはずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140Cが使用テーブルとして選択される。各はずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140A〜140Cは、はずれ共通状態にする旨の判定結果が共通HA3−1、共通HA3−2、共通HB3−1、共通HC3−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、共通CA3−1および共通CA3−2の変動パターン種別のいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
たとえば、図23(A)に示すはずれ共通用変動パターン種別判定テーブル140Aでは、共通HA3−1にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「200」の範囲の値(判定値)が共通CA3−1の変動パターン種別に割当てられ、それ以外の値が共通CA3−2の変動パターン種別に割当てられている。また、共通HA3−2にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「41」の範囲の値が共通CA3−1の変動パターン種別に割当てられ、それ以外の値が共通CA3−2の変動パターン種別に割当てられている。
図24、図25(A)および(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動表示結果を「大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−6のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図26、図27、および、図28は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138A、138B、138Cを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138A、138B、138Cは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、非リーチ状態、リーチ状態、および、はずれ共通状態のいずれにするかや変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各はずれ変動パターン判定テーブル138A、138B、138Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択される。また、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。また、変動パターン種別を共通CA3−1、共通CA3−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Cが使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「はずれ」であり変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。はずれ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「はずれ」であり変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。はずれ変動パターン判定テーブル138Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「はずれ」であり変動表示態様が「はずれ共通」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
図26に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Aでは、非リーチCA1−4や非リーチCC1−3といった非リーチの変動パターン種別になる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−5といった特定演出を実行する変動パターン(図13参照)に、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。このような設定によって、演出図柄の変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定、および、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にしない旨の判定に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−5の変動パターンのいずれかにする決定を行ない、特定演出(非リーチPA1−4の演出(「滑り」)または非リーチPA1−5の演出(「擬似連」))を実行することができる。
また、非リーチCB1−1の変動パターン種別に対応して非リーチPB1−1の変動パターンに変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられ、非リーチCB1−2の変動パターン種別に対応して非リーチPB1−2の変動パターンに変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。
そして、非リーチPA1−5を含む非リーチCA1−4の変動パターン種別に対して、図22(A)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aにおいて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1に対して「217」〜「241」の範囲の判定値が割当てられ、非リーチHA1−2に対して「230」〜「241」の範囲の判定値が割当てられ、非リーチHA1−3に対して「231」〜「241」の範囲の判定値が割当てられ、非リーチHA1−4に対して「237」〜「241」の範囲の判定値が割当てられ、非リーチHA1−5に対して「237」〜「241」の範囲の判定値が割当てられている。また、非リーチHA1−1に対して、図20(A)に示すリーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「204」の範囲の判定値が割当てられている。非リーチHA1−2に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「1」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「217」の範囲の判定値が割当てられている。非リーチHA1−3に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「2」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「220」の範囲の判定値が割当てられている。非リーチHA1−4に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「3」および「4」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「230」の範囲の判定値が割当てられて、非リーチHA1−4に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「5」〜「8」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「235」の範囲の判定値が割当てられている。したがって、保留記憶数が「1」や「2」である場合には、保留記憶数が「0」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、保留記憶数が「3」や「4」である場合には、保留記憶数が「0」である場合や、「1」または「2」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、保留記憶数が「5」〜「8」である場合には、保留記憶数が「0」〜「4」である場合に比べて、非リーチPA1−5(「擬似連」を含む)を含む非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
また、非リーチPA1−5を含む非リーチCC1−3の変動パターン種別に対して、図22(C)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cにおいて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHC1−1に対して「234」〜「241」の範囲の判定値が割当てられ、非リーチHC1−2に対して「235」〜「241」の範囲の判定値が割当てられている。また、非リーチHC1−2に対して、図20(C)に示すリーチ判定テーブル134Cにおいて、保留記憶数が「2」以上である場合にも、保留記憶数が「0」または「1」である場合にも、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「231」の範囲の判定値が割当てられている。非リーチHC1−1に対するよりも、非リーチHC1−2に対して割当てられている判定値数が少ないので、保留記憶数が「2」以上である場合には、保留記憶数が「0」または「1」である場合に比べて、非リーチPA1−5(「擬似連」を含む)を含む非リーチCC1−3の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
なお、図26に例示されたはずれ変動パターン判定テーブル138Aを用いる場合には、「擬似連」を含む変動パターンとして非リーチPA1−5のみが選択されうるが、「擬似連」を含む複数種類の変動パターンが選択可能になるようにはずれ変動パターン判定テーブル138Aを構成してもよい。
図13に例示した変動パターンでは、特定演出が実行されない非リーチPA1−1の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が5.75秒であり、非リーチPA1−2の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が3.75秒であり、非リーチPA1−3の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が1.50秒である。これに対して、「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンにおける特別図柄の変動時間は8.25秒であり、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチPA1−5の変動パターンにおける特別図柄の変動時間は16.70秒である。すなわち、「非リーチ」に対応して特定演出が実行される変動パターンにおける特別図柄の変動時間はいずれも、特定演出が実行されない変動パターンにおける特別図柄の変動時間に比べて長くなっている。そして、保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて特定演出を実行する非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。また、保留記憶数が「3」以上である場合には、「3」未満である場合に比べて非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。よって、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図27に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Bでは、ノーマルCA2−1の変動パターン種別になる場合に対応して、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4といった「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。また、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−3といったリーチ演出α1を実行する変動パターンや、スーパーPA3−4〜スーパーPA3−6といったリーチ演出α2を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3といったリーチ演出β1を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。
さらに、たとえば、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3の変動パターンのように、「擬似連」の特定演出を実行する変動パターンについては、擬似連変動が行なわれた後に演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに基づいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類によって、変動パターン種別が分類されている。すなわち、スーパーPA3−3の変動パターンは、リーチ演出α1を実行する変動パターンであることから、図27に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。スーパーPA3−6の変動パターンは、リーチ演出α2を実行する変動パターンであることから、はずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。スーパーPB3−3の変動パターンは、リーチ演出β1を実行する変動パターンであることから、はずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。
図28に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Cでは、共通CA3−1の変動パターン種別になる場合に対応して、共通PH1−1、共通PH1−2といったはずれ共通の演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。また、はずれ変動パターン判定テーブル138Cでは、共通CA3−2の変動パターン種別になる場合に対応して、共通PH1−3、共通PH1−4といったはずれ共通の演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割当てられている。したがって、はずれ共通状態とすることが選択されたときには、共通PH1−1〜共通PH1−4の変動パターンのうちいずれかの変動パターンに決定される。共通PH1−1〜共通PH1−4の変動パターンのそれぞれについては、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、後述するような演出モード別に、独自に選択する変動パターンが設定されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で変動パターンが共通PH1−1〜共通PH1−4の変動パターンのいずれに決定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、演出モード別で、異なる変動パターンが、独自に選択されて演出図柄の変動表示が実行されることとなる。
図29は、この実施の形態で用いられる擬似連の演出パターンの具体例を示す説明図である。図29(A)は、パターンaの擬似連の演出パターンを示す。図29(A)において、「A・A」は、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。「A・A・A」は、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。なお、A1,A2,A3は、図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出を示す。また、「A・A」および「A・A・A」における再変動演出A1の期間は、図7(A)〜(C)の期間に相当し、「A・A」における再変動演出A2の期間は、図7(C)〜(E)の期間に相当する。「A・A・A」における再変動演出A2の期間は、図7(C)〜(E)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図7(E)に示された最終停止の態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「A・A・A」における再変動演出A3の期間において、たとえば、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのすべてが点灯状態に制御されるとともに、振動状態に制御される。
図29(B)は、パターンBの擬似連の演出パターンを示す。図29(B)において、「B・B」は、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出が実行されることを意味する。「B・B・B」は、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出が実行されることを意味する。なお、B1,B2,B3は、図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出を示す。また、「B・B」および「B・B・B」における再変動演出B1の期間は、図8(A)〜(D)の期間に相当し、「B・B」における再変動演出B2の期間は、図8(D)〜(F)の期間に相当する。「B・B・B」における再変動演出B2の期間は、図8(D)〜(F)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図8(F)に示されたリーチの態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「B・B・B」における再変動演出B3の期間において、再変動演出B1,B2の期間と同様に、可動部材78が動作状態に制御される。
図29(C)は、パターンcの擬似連の演出パターンを示す。図29(C)において、「C・C」は、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(C)に示された第2再変動演出態様(II)の再変動演出が実行されることを意味する。「C・C・C」は、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(C)に示された第2再変動演出態様(II)の再変動演出が実行されることを意味する。なお、C1,C2,C3は、図6(C)に示された第1再変動演出態様の再変動演出を示す。また、「C・C」および「C・C・C」における再変動演出C1の期間は、図9(A)〜(C)の期間に相当し、「C・C」における再変動演出C2の期間は、図9(C)〜(E)の期間に相当する。「C・C・C」における再変動演出C2の期間は、図9(C)〜(E)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図9(E)に示されたリーチの態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「C・C・C」における再変動演出C3の期間において、たとえば、演出表示装置9に、特定のキャラクタ画像79c(図11(G)参照)が表示される。
図29(D)は、パターンdの擬似連の演出パターンを示す。図29(D)において、A・ABは、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2と再変動演出B2とがともに実行されることを意味する。A・ACは、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2と再変動演出C2とがともに実行されることを意味する。B・BCは、初回変動において再変動演出B1が実行され、再変動において、再変動演出B2と再変動演出C2とがともに実行されることを意味する。
A・B・BCは、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出B2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出B3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。B・B・BCは、初回変動において再変動演出B1が実行され、再変動において、再変動演出B2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出B3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。A・AB・ABCは、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2と再変動演出B2とがともに実行され、さらに続く再変動において再変動演出A3と再変動演出B3と再変動演出C3とが実行されることを意味する。
なお、図29に示された擬似連の演出パターンは一例であって、第1再変動演出態様の再変動演出と、第2再変動演出態様(I)と、第2再変動演出態様(II)とを任意に組合せて、擬似連の演出パターンとすることができる。一例として、先に第2再変動演出態様(I)または第2再変動演出態様(II)が実行され、次に、第1再変動演出態様の再変動演出が実行されるようにしてもよい。
図30および図31は、ROM54に記憶されている擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bを示す説明図である。擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bには、擬似連を伴う変動パターンである非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3(図13および図14参照)のそれぞれに対応した判定値が設定されている。判定値は、具体的な変動パターンに対応している。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを、擬似連を伴う変動パターンに決定した場合には、ランダム7の値と一致する判定値に対応する具体的な変動パターンを、使用する演出図柄の変動パターンとして決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、具体的な変動パターンを決定するときに、第1保留数と第2保留数との和である合算保留記憶数が設定されている合算保留記憶数カウンタを参照し、合算保留記憶数カウンタの値が0〜3であれば、図30に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Aを使用し、合算保留記憶数カウンタの値が4〜8であれば、図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Bを使用する。
図30および図31において、具体的な変動パターンにおける()内の記号(A・A等)は、図29(A)〜(D)における記号に対応している。つまり、たとえば、非リーチPA1−5(A・A)は、図29(A)に、A・Aで示された第1再変動演出態様に相当する。なお、変形例については、第2実施形態で説明する。
図30および図31に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数に応じて、第1再変動演出(Aで示される演出)、第2再変動演出(BまたはCで示される演出)および第3再変動演出(ABのようにA,B,Cのうちの2つ以上が複合した演出)の選択割合を異ならせている。
この実施の形態では、「擬似連」を伴う変動パターンについて、大当りとしない場合には、非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3が選択されうる(図13参照)。
また、大当りとする場合には、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3が選択されうる(図14参照)。
図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3のグループの方が、2回の再変動演出(初回変動の演出を含む)のそれぞれが異なっている(たとえば、(A・AB)は、初回変動の演出がAの演出であり、再変動演出がAの演出とBの演出の組合せであって異なっている)割合や、3回の再変動演出(初回変動の演出を含む)のそれぞれが異なっている(たとえば、(A・AB・ABC)は、初回変動の演出がAの演出であり、再変動演出がAの演出とBの演出の組合せであり、次の再変動演出がAの演出とBの演出とCの演出の組合せであって異なっている)割合が高くなっている。よって、2回の再変動演出が異なっていたり3回の再変動演出が異なっていたりする演出を実行することによって、遊技者に、大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
換言すれば、図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3のグループの方が、AB、AC、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組合わされたものが出現する確率が高い。よって、異なる態様の再変動演出が組合わされた演出を実行することによって、遊技者に、大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
また、通常大当りとする場合には、図17に示された大当り用変動パターン判定テーブル132A,132Dに基づいて変動パターン種別が決定され、図24および図25に示された当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cに基づいて変動パターンが決定されるので、「擬似連」の演出を伴う変動パターンとして、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、およびスーパーPB4−3が選択されうる。確変大当りとする場合には、図17に示された大当り用変動パターン判定テーブル132B,132Eに基づいて変動パターン種別が決定され、図24および図25に示された当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cに基づいて変動パターンが決定されるので、「擬似連」の演出を伴う変動パターンとして、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、およびスーパーPB4−3に加えて、スーパーPA5−3およびスーパーPB5−3が選択されうる。
確変大当りとする場合にのみ選択されうるスーパーPA5−3およびスーパーPB5−3において、AB、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組合わされたものに対応する判定値の数は、より多くなっている。すなわち、確変大当りとする場合には、AB、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組合わされたものが出現する確率が高い。
したがって、異なる態様の再変動演出が組合わされた演出を実行することによって、遊技者に、確変大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図24〜図27に示された当り変動パターン判定テーブル137A,137B,137C、または、はずれ変動パターン判定テーブル138A,138Bとランダム4とを用いて変動パターンを決定した後、擬似連演出パターン判定テーブル139Aまたは擬似連演出パターン判定テーブル139Bを用いて擬似連の具体的な変動パターンを決定するが、当り変動パターン判定テーブル137A,137B,137C、および、はずれ変動パターン判定テーブル138A,138Bに、擬似連の具体的な変動パターンとそれに対応する判定値を設定し、ランダム4に一致する変動パターンを決定することによって、擬似連の具体的な変動パターンまで決定されるようにしてもよい。
擬似連の演出を含む変動パターンは擬似連での変動回数に関する情報も含んでいるので、擬似連の演出を含む変動パターンを、擬似連演出パターン判定テーブルを用いて決定することにより、擬似連における変動回数も決定されることとなる。
図32は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図32に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図13、図14および図30に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図32に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図32に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう画像表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
図33は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305またはS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図34は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(S212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、S221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図35(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図35(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図35(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図35(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図35(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図35(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S215)。なお、S215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2−1(図15参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう(S218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S225)。なお、S225の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびランダム2−1(図15参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、S213〜218の処理とS223〜228の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図36および図37は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図35(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し(S61)、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図16参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図16(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図16(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図16(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確認フラグは、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始時に一旦リセットされる)。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(S62)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(S63)。そして、S75に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図16(C)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(S72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)を大当りの種別に決定する(S73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。なお、可変入賞球装置15が設けられていない第1始動入賞口13に対応する第1特別図柄については、大当り種別のうち、「突確」を割り振らないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄について「確変」(「突確」は選択されない)の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変」および「突確」を合わせた大当り種別が選択される割合とが等しくなるような設定を行なう。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「3」または「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図38は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図18(H)に示すテーブル選択規則にしたがって、遊技状態に基づいて大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gのいずれかを選択する(S92)。そして、S101に移行する。なお、CPU56は、遊技状態を、確変フラグおよび時短フラグの状態によって判定できる。
大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S93)。S93で小当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図19(D)に示すテーブル選択規則にしたがって、小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択する(S93,S94)。そして、S101に移行する。
S93で小当りフラグがセットされていない場合、すなわち、大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかに基づいて、図20(D)に示すテーブル選択規則にしたがって、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために使用するテーブルとして、リーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択する(S95)。また、ランダム2−2を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム2−2を抽出する(S96)。そして、CPU56は、選択したリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム2−2の値と一致する値に対応したリーチ状態の有無を示すデータによって、リーチ状態にするか否かと、リーチ状態にしない場合の演出の種別またはリーチ状態にする場合のリーチの種別を決定する(S97)。なお、S97の処理で用いられる保留記憶数として、S53の処理で−1される前の値を用いてもよい。
そして、S97による決定において、リーチ状態にすることに決定したか否かを判定する(S98)。リーチ状態にすることに決定した場合には、S97の処理で決定されたリーチの種別(リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択する(S99)。一方、リーチ状態にしないことに決定した場合には、はずれ共通状態にすることに決定したか否かを判定する(S98A)。
S98Aによりはずれ共通状態にしないことに決定した場合、すなわち、非リーチ状態にすることに決定した場合には、S97の処理で決定された演出の種別(非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択する(S100)。そして、S101に移行する。一方、S98Aによりはずれ共通状態にすることに決定した場合には、S97の処理で決定された演出の種別(共通CA3−1、共通CA3−2)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、非リーチ用変動パターン種別判定テーブル140A〜140Cのいずれかを選択する(S98B)。そして、S101に移行する。
S101では、CPU56は、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム3の値を抽出する。そして、抽出したランダム3の値に基づいて、S92、S94、S98B、S99またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A〜137C、はずれ変動パターン判定テーブル138A〜138Cのうちのいずれかを選択する(S103)。また、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム4の値を抽出する(S104)。そして、抽出したランダム4の値に基づいて、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。
そして、変動パターンとして、擬似連の演出を含む変動パターンを決定しているか否かを確認する(S105A)。変動パターンとして、擬似連の演出を含む変動パターンを決定しているときに、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が0〜3のいずれかであれば図30に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Aを選択し、合算保留記憶数カウンタの値が4〜8のいずれかであれば図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Bを選択し、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム7の値を抽出する。そして、抽出したランダム7の値に基づいて、選択した擬似連演出パターン判定テーブルを参照することによって、擬似連の演出を含む変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105B)。一方、変動パターンとして、擬似連の演出を含む変動パターン以外の変動パターンを決定しているときには、このような、ランダム7の値の値に基づいた変動パターンの決定が行なわれない。
なお、S105A,S105Bの処理は、再変動演出として、第1再変動演出もしくは第2再変動演出を選択する再変動演出選択処理、または、再変動演出として、第1再変動演出、第2再変動演出、もしくは第1再変動演出と第2再変動演出とが組合わされた第3再変動演出を選択する再変動演出選択処理を含むことになる。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
図39は、表示結果特定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図32参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S116に移行する。大当りフラグがセットされている場合には、大当りの種別が確変大当りであるか否か確認する(S111)。大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S112)。一方、大当りの種別が確変大当りでないときには、大当りの種別が突然確変大当りであるか否か確認する(S113)大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S114)。一方、大当りの種別が突然確変大当りでないとき、すなわち、大当りの種別が確変大当りでも突然確変大当りでもないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S115)。
CPU56は、S116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S120)。
図40は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図41は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(S146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S148)。
図42は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S406)。たとえば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突然確変大当りまたは小当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S415)。
図43および図44は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。なお、インターバル期間は、たとえば5秒である。突然確変大当りや小当りのときは15R大当りよりも短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S442,S447)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、突然確変大当りを示すデータである場合には、小当り/突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S443,S444)。大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでもないときには、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S445)。そして、S449に移行する。
図45は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。また、突然確変大当りであった場合には、小当り/突確終了指定コマンドを送信する。また、確変大当りと突然確変大当りとのどちらでもない場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであったか否か確認する(S158)。
大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであった場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S161)。そして、S162に移行する。一方、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りでなかった場合、すなわち、通常大当りであった場合には、そのままS162に移行する。そして、S162では、時短フラグをセットし(S162)、時短回数カウンタにたとえば100をセットする(S163)。これにより、大当り遊技状態の終了後には、必ず時短状態に制御されることとなる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S164)。
なお、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306の大入賞口開放中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了前処理はS307の大当り終了処理と同様の処理である。
次に、変動表示中に実行される演出の具体例を、図46〜図49の説明図を参照して説明する。なお、図46〜図49においては、演出表示装置9の表示画面を矩形で示す。すなわち、図46〜図49では、図1等に示す円形の演出表示装置9の表示画面の一部が示されている。図46は、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合、特定演出が実行されないとき、および、「擬似連」の特定演出が実行されるときの演出制御用マイクロコンピュータ100の制御による演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。
変動パターンコマンドによって、非リーチPA1−1の変動パターンが指定されたときには、図46(C1),(C2)に示すように特定演出は実行されない。非リーチPA1−4の変動パターンが指定されたときには、図46(E1)〜(E4)に示すような「滑り」の特定演出が実行される。非リーチPA1−5の変動パターンが指定されたときには、図46(D1)〜(D6)に示すような「擬似連」の特定演出が実行される。なお、図46(D1)〜(D6)には、簡略化された擬似連の演出態様が示されている。
図46(A)に示す例は、たとえば、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図46(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
特定演出が実行されない場合や「滑り」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の演出図柄が決定されたことに対応して、図46(B)に示すような演出図柄の停止表示が行なわれる。なお、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンであれば、特定演出パターンが常に滑りTP1−1に決定され(図60参照)、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させる「滑り」の特定演出が実行される。よって、「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示する演出図柄は、「滑り」の特定演出によっては変更されない。「擬似連」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の演出図柄が決定されたときには、図46(B)に示すような演出図柄の停止表示が行なわれる。
その後、特定演出が実行されない場合には、たとえば、図46(C1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(C2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。このとき、「右」の図柄表示エリア9Rや「中」の図柄表示エリア9Cで停止表示される演出図柄は、右最終停止図柄FZ1−2や中最終停止図柄FZ1−3として決定される。
「擬似連」の特定演出が実行される場合には、たとえば、図46(D1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(D2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)することによって、擬似連チャンス目GC6となる演出図柄が停止表示される。このときには、たとえば、演出図柄の揺れ変動表示といった仮停止表示を行なってから、図46(D3)に示すようにすべての図柄表示エリア9L、9C、9Rで演出図柄を再び変動させる。その後、たとえば、図46(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「6」、「7」、「4」の演出図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「滑り」の特定演出が実行される場合には、たとえば、図46(E1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「5」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(E2)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させる。その後、図46(E3)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄になるように、停止表示させる演出図柄を変更させる。ここで、図46(E1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで仮停止表示される演出図柄は、たとえば、決定された右最終停止図柄FZ1−2に基づいて決定される(図55参照)。その後、たとえば、図46(E4)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図47〜図49は、変動表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」以外である場合の表示動作例を示す説明図である。図47(A)に示す例では、たとえば、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図47(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、たとえば、変動パターンがスーパーPA4−2であるときのように、「滑り」の特定演出が実行される場合には、図47(C1)〜(C3)に示すように、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるように、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。また、たとえば、変動パターンがスーパーPA4−3であるときのように、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、図47(D1)〜(D5)に示すように、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示が行なわれる。その後、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで「6」の演出図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることによって、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になる。
図47(C3)や図47(D5)に示すようリーチ状態となった場合には、図48(A)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が低下する。そして、変動パターンがノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8のいずれかであるとき等には、図48(B)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字が「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rと揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行なわれる。なお、図48(B)に示す例では、変動表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当りの組合せを構成する演出図柄が停止表示されているが、変動表示結果が「はずれ」となる場合には、たとえば、図48(H)に示すように「5」を示す数字が「中」の図柄表示エリア9Cで停止表示されることを示す演出画像を表示させてから「中」の図柄表示エリア9Cで「5」を示す数字の演出図柄を停止表示させるといった「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字以外の演出図柄を停止表示させること等によって、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了すればよい。リーチ演出α1〜リーチ演出α3やリーチ演出β1,リーチ演出β2が実行される場合には、図48(C)に示すように、低下していた「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。リーチ演出β1では、図48(D)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。また、リーチ演出α1〜リーチ演出α3のいずれかである場合には、図48(E)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、図48(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、リーチ演出α1では、図48(G)に示すように、1段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。図48(G)に示す例では、変動表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当りの組合せを構成する演出図柄が停止表示されているが、変動表示結果が「はずれ」となる場合には、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了すればよい。これに対して、リーチ演出α2やリーチ演出α3では、図48(H)および(I)に示すように、2段階目の演出表示に進む。また、リーチ演出β2では、図48(J)に示すようなキャラクタ画像CH3が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
図48(I)に示すように2段階目の演出表示が進行すると、リーチ演出α2であれば、図49(A)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。なお、変動表示結果が「はずれ」になる場合には、表示されている演出図柄が変更されず、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了させる。また、リーチ演出α3では、たとえば、3段階目の演出表示(「救済演出」ともいう)に進む。そして、3段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。その後、演出図柄が停止表示される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図50は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図51および図52は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図32参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S649)。そして、S611に移行する。
図53は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図53に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図53(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図53(B)参照)。
図54は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図54に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3、擬似連第1変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1、擬似連第2変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2、第1特定演出(滑り)パターン判定用の乱数SR6−1、予告パターン種別決定用の乱数SR7、第1予告の予告メッセージ決定用の乱数SR8、ステップアップ予告を行なう第2予告の予告ステップパターン決定用の乱数SR9、および、演出モード変更判定用の乱数SR10を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
擬似連第1変動時仮停止図柄の乱数SR4−1は、初回変動後の「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。擬似連第2変動時仮停止図柄の乱数SR4−2は、続いて実行される再変動後の「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
滑り仮停止図柄決定用の乱数SR3は、「滑り」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおけるすべてまたは一部において仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1は、「滑り」の特定演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した特定演出パターンを、複数種類のうちのいずれかに決定するために用いられる乱数である。
予告パターン種別決定用の乱数SR7は、予告演出を実行するか否かを決定し、予告演出を実行する場合における予告パターン種別を予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数である。予告演出とは、変動表示時において、大当り遊技状態となることを予告する演出をいう。
第1予告の予告メッセージ決定用の乱数SR8は、後述する第1予告の予告パターンとしての予告メッセージを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数である。第1予告は、変動表示中において操作ボタンが操作されたことを条件として実行する予告演出であって、予告メッセージを表示することに基づいて大当り遊技状態となることを示唆することが可能な予告である。
第2予告の予告ステップ決定用の乱数SR9は、後述する第2予告の予告パターンとしての予告ステップパターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数である。第2予告は、変動表示中において操作ボタンが操作されたことを条件として実行する予告演出であって、変動表示中において大当り遊技状態となることを予告する予告演出を複数段階の予告ステップにより行なうステップアップ予告により大当り遊技状態となることを示唆することが可能な予告である。
演出モードの変更判定用の乱数SR10は、制御モードとしての演出モードを変更するか否かを選択決定するために用いられる乱数である。演出モード(ステージとも呼ばれる)は、演出表示装置9の表示態様を複数回の変動表示に亘って規定する制御モードであり、予め定められた複数種類の演出モードから選択された1つの演出モードが制御用マイクロコンピュータ100により設定される。ここで、モードは、たとえば、演出やリーチの形式等の様式をいう)。
図55は、最終停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図56は、左右出目判定テーブルを示す説明図である。図57は、最終停止図柄とならない非リーチ組合せを示す説明図である。図58および図59は、最終停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図60は、特定演出パターン判定テーブルを示す説明図である。図61は、仮停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図62は、仮停止図柄決定テーブルを示す説明図である。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、所定の非リーチの組合せを決定するためのテーブルとして、たとえば、図55(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cが含まれている。
図55(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチの組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図55(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチの組合せとなる確定演出図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図55(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチの組合せとなる確定演出図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、図56に示すような左右出目判定テーブル161が含まれている。左右出目判定テーブル161では、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行なわれる。最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18,LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図55(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号とが同一となる部分には、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)が割当てられていない。このような割当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチの組合せになる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄の組合せがリーチの組合せや大当り組合せにならないようにすることができる。
また、図55(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組合せが割当てられておらず、予め定められた演出図柄の組合せになる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割当てられていない。たとえば、リーチの組合せや大当り組合せ以外であっても、図12に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8となる部分や、図57に示すような一定の非リーチの組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割当てられていない。このような割当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチの組合せとなる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄が擬似連チャンス目GC1〜GC8や、チャンス目に類似する一定の非リーチの組合せにならないようにすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図58(A)および(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが含まれている。
図58(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる演出図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図58(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチはずれ組合せとなる確定演出図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。ただし、図58(B)では、中最終停止図柄FZ2−3を特定可能なデータとして、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2との図柄差が示されている。
リーチはずれ組合せを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる演出図柄の図柄番号との差分値である図柄差によって特定される。すなわち、演出図柄の変動表示において、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄を停止表示する場合に、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。そして、決定された図柄差に応じて、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定演出図柄が決定される。
最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、特殊PG2−1、特殊PG2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−3、スーパーPB3−1〜PB3−3、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4、特殊PG2−3の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−4〜スーパーPA3−6の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、大当り組合せのいずれかとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図59に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bが含まれている。図59に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bは、大当り図柄となる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
最終停止図柄決定テーブル163Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。最終停止図柄決定テーブル163Bは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
なお、最終停止図柄決定テーブル163Aは、確変大当りとすることに決定されている場合に使用され、最終停止図柄決定テーブル163Bは、通常大当り(非確変大当り)とすることに決定されている場合に使用される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、特定演出パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するためのテーブルとして、たとえば、図60に示す特定演出パターン判定テーブル164Aが含まれている。図60に示す特定演出パターン判定テーブル164Aは、「滑り」の特定演出が実行される場合に、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1に基づいて、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン判定テーブル164Aは、非リーチPA1−4、ノーマルPA2−2、ノーマルPA2−4、ノーマルPA2−6、ノーマルPA2−8、スーパーPA3−2、スーパーPA3−6、スーパーPA4−2、スーパーPA5−2、スーパーPB3−2、スーパーPB4−2、スーパーPB5−2、スーパーPC3−2、スーパーPC3−4、スーパーPD1−2、スーパーPE1−2、特殊PG1−2、特殊PG2−2、特殊PG3−3の変動パターンといった、「滑り」の特定演出が実行される変動パターン(図13および図14参照)に応じて、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1の値と比較される数値(判定値)であって、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに対応するデータ(判定値)を含む。
滑りTP1−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることによって、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。
滑りTP1−2の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることによって、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。
滑りTP1−3の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることによって、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。
滑りTP1−4の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることによって、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。
なお、たとえば、変動パターンが非リーチPA1−4である場合に、前回演出値(前回演出保存データ:前回の演出図柄の変動パターンを示す値)に応じて、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の振り分けを変えるようにしてもよい。一例として、前回演出値が1〜4のいずれであるかに応じて、選択しうる滑りTP1−1〜滑りTP1−4を変更する。なお、1〜4のそれぞれは、滑りTP1−1〜滑りTP1−4のそれぞれを示すとする。演出制御用CPU101は、滑り演出態様(滑りTP1−1〜滑りTP1−4)を決定したときに、RAMにおける保存領域に前回演出値を設定する。そして、特定演出パターン判定テーブル164Aを、前回判定値がn(n=1〜4のいずれか)である場合には、滑りTP1−nが選択されないように判定値が割当てられたテーブルとする。演出制御用CPU101が、そのように構成された特定演出パターン判定テーブル164Aを用いて滑り演出態様を決定する場合には、非リーチPA1−4の変動パターンに応じて「滑り」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。
また、特定演出パターン判定テーブル164Aの構成を変更するのではなく、演出制御用CPU101の制御によって、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにするようにしてもよい。その場合には、図60に例示された特定演出パターン判定テーブル164Aを使用するが、決定した滑り演出態様(滑りTP1−1〜滑りTP1−4)が前回判定値で特定される滑り演出態様と一致する場合には、演出態様を差し替える(たとえば、決定した滑り演出態様が滑りTP1−nであれば、滑りTP1−(n+1)に差し替える)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、「滑り」の特定演出が実行される場合に仮停止表示させる演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図61(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、たとえば、図61(E)に示すようなテーブル選択規則にしたがって、特定演出パターンが滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、特定演出パターンが滑りTP1−1である場合には仮停止図柄決定テーブル166Aが使用テーブルとして選択される。滑りTP1−2である場合には仮停止図柄決定テーブル166Bが使用テーブルとして選択される。滑りTP1−3である場合には仮停止図柄決定テーブル166Cが使用テーブルとして選択される。滑りTP1−4である場合には仮停止図柄決定テーブル166Dが使用テーブルとして選択される。
各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、演出図柄を再変動させる図柄表示エリアにおいて最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、仮停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
仮停止図柄決定テーブル166Aは、滑りTP1−1の特定演出パターンにしたがって演出図柄が仮停止表示される「右」の図柄表示エリア9Rにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、右仮停止図柄KZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
仮停止図柄決定テーブル166Bは、滑りTP1−2の特定演出パターンにしたがって演出図柄が仮停止表示される「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、左仮停止図柄KZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
仮停止図柄決定テーブル166Cは、滑りTP1−3の特定演出パターンにしたがって演出図柄が仮停止表示される「右」の図柄表示エリア9Rにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、右仮停止図柄KZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
仮停止図柄決定テーブル166Dは、滑りTP1−4の特定演出パターンにしたがって演出図柄が仮停止表示される「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、左仮停止図柄KZ1−4となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、「擬似連」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図62(A)〜(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cが含まれている。
各仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cは、「擬似連」の特定演出が実行される場合に、変動パターンが非リーチPA1−5であるか、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3のいずれかであるかや、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数等に応じて、使用テーブルとして選択される。
全再変動表示動作の残り回数は、たとえば、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「0」となり、その1回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「1」となり、2回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「2」となるように、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される擬似連変動が実行されるまでに、あと何回の擬似連変動(仮停止図柄が停止表示される変動)が実行されるかに対応している。
一例として、仮停止図柄決定テーブル167Aは、変動パターンが非リーチPA1−5または共通PH1−1であることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Bは、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Cは、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「2」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ3−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ3−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ3−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
図62(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aと図62(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bとは、それぞれ、「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に対応するデータ(判定値)を含む。
図62(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cは、仮停止図柄決定テーブル167Bを用いて決定された左仮停止図柄KZ2−1、右仮停止図柄KZ2−2、中仮停止図柄2−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2の値と比較される数値(判定値)であって、左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に対応するデータ(判定値)を含む。
図63は、擬似連変動での仮停止図柄を示す説明図である。変動回数が2回(初回変動1回後再変動1回)の擬似連では、仮停止図柄決定テーブル167Aまたは167Bを用いて1回目の変動表示の仮停止図柄が決定される。変動回数が3回(初回変動1回後再変動2回)の擬似連では、仮停止図柄決定テーブル167Cを用いて1回の変動表示の仮停止図柄が決定され、仮停止図柄決定テーブル167Aまたは167Bを用いて2回目の変動表示の仮停止図柄が決定される。このように、仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cを用いて仮停止図柄を決定することによって、たとえば、図63に示すように、擬似連演出における再変動(初回変動を含む。)の実行回数に応じて、各回の変動で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部において仮停止表示させる演出図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定することができる。
図64は、図柄変動制御パターンテーブルを示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、図64に示す図柄変動制御パターンテーブル180が含まれている。図64に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、特定演出における演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替タイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、特定演出を含む演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、図65に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。各演出制御パターンには、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった大当り遊技状態や小当り遊技状態における演出動作の進行に応じた各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替タイミング等が時系列的に設定されている。
図65は、演出制御パターンテーブルを示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルのうち、たとえば、図65に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。各演出制御パターンには、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった大当り遊技状態や小当り遊技状態における演出動作の進行に応じた各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替タイミング等が時系列的に設定されている。
次に、変動表示中に実行される予告演出の具体例を図66および図67の説明図を参照して説明する。なお、図66および図67においては、演出表示装置9の表示画面を矩形で示す。すなわち、図66および図67では、図1等に示す円形の演出表示装置9の表示画面の一部が示されている。
図66は、予告演出の一例としての第1予告が実行されたときの演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。図66では、(A)〜(F)に、擬似連の変動表示中に第1予告が実行されたときの表示状態が時間経過にしたがって示されている。
図66を参照して、(A),(B)に示すように、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。第1予告を実行することが決定されたときには、その後、(C)に示すように、いずれの図柄表示エリアでも演出図柄が停止されていない変動中の状態において、封筒を示す画像(以下、封筒画像と呼ぶ)9Pが表示されるとともに、操作ボタンを示す画像(以下、操作ボタン画像と呼ぶ)9Qと、「ボタンを押してください」という操作要求メッセージを示す画像(以下、操作要求メッセージ画像)9Sとが表示される。このような操作ボタン画像9Qおよび操作要求メッセージ画像9Sを表示することは、ボタン操作促進演出として行なわれる。
ボタン操作促進演出が行なわれるときには、遊技者による操作ボタン30の操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン30の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングで、(D)に示すように、ボタン操作促進演出の実行を停止するとともに、予め定められた複数種類の演出態様のうち、いずれかの演出態様で大当りとなることについての予告が行なわれる。具体的には、封筒画像9Pにおいて封筒を開封し、内容物としての書面に書かれた予告メッセージを見せる演出が行なわれる。複数種類の演出態様として、書面に書かれた予告メッセージが異なる複数の演出態様が予め定められており、これらのうち、いずれかの演出態様が選択され、選択された演出態様にしたがった予告メッセージが表示される。
予告メッセージとしては、たとえば、「・・・」、「CHANCE」、および、「激熱」というメッセージを含み、いずれか1つのメッセージが選択されて表示される。予告メッセージは、予告演出後に大当りとなる割合が異なるように選択割合が設定されている。この実施の形態では、予告演出後に大当りとなる割合の程度を、大当りの信頼度と呼ぶ。たとえば、「・・・」という予告メッセージよりも、それ以外の予告メッセージの方が大当りの信頼度が高く設定されている。また、「CHANCE」よりも、「激熱」という予告メッセージの方が大当りの信頼度が高く設定されている。
このように、第1予告においては、遊技者により操作ボタン30が操作されると、大当りの信頼度に応じた予告メッセージが表示されることにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
(D)に示すような第1予告の表示が終了した後、(F)に示すように「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rで、演出図柄が、仮停止状態(まだ再変動が残っている場合)または完全停止状態(最後の変動である場合)となるように表示制御が行なわれる。
一方、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン30の操作が検出されなかったときには、(D)のような第1予告に関する表示は行なわれず、(E),(F)に示すように、そのままの表示態様で変動表示が継続され、演出図柄が、仮停止状態(まだ再変動が残っている場合)または完全停止状態(最後の変動である場合)となるように表示制御が行なわれる。
なお、ボタン操作促進演出は、たとえば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、遊技者による操作ボタン30の操作を促す演出動作であればどのような演出であってもよい。また、ボタン操作促進演出としては、演出表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、たとえば、上演出LED85a、中演出LED85b、および、下演出LED85c等の発光体を所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、たとえば、可動部材78等の遊技領域7内または遊技領域7外に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。
また、封筒画像9Pにおいては、予告演出後に大当りとなる割合に応じて封筒の色が選択されることにより(たとえば、「第1色表示(白色)」、「第2色表示(青色)」、および、「第3色表示(黄色)」の順に、第1予告後に大当りとなる信頼度が高いことを示すように色が選択される(大当り信頼度の関係は、第1色表示<第2色表示<第3色表示)。)、大当りの信頼度を示す表示が行なわれるようにしてもよい。このようにすれば、第1予告が行なわれる前に大当りの信頼度が封筒の色によって示されるので、遊技者の期待感を高めることができるとともに、遊技者による操作ボタン30の操作を促進することができる。このような大当りの信頼度を示す表示は、たとえば、色信頼度表示と呼ばれる。第1予告における色信頼度表示については、擬似連におけるすべての回の変動を対象として色信頼度表示が行なわれるのではなく、特定の一部の回の変動を対象として色信頼度表示が行なわれるようにしてもよい。つまり、第1予告における色信頼度表示については、少なくとも1回の変動回を対象として色信頼度表示が行なわれるようにすればよい。
なお、色信頼度表示についての演出は、次のような制御を行なうようにしてもよい。1回の変動で色信頼度の高いもの(たとえば、第3色表示)が表示される回数によって大当りとなる信頼度を報知する制御を行なうようにしてもよい。また、色信頼度の高いもの(たとえば、第3色表示)が所定回数(3回)表示されたら確変大当りとなることが確実なものとなる制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、色信頼度の演出に対する遊技者の興味を増加させるようにすることができる。このような制御を行なう場合において、確変状態でないときには、色信頼度の高いもの(たとえば、第3色表示)が所定回数(3回)表示されないように制御において禁則処理を行なう。
図67は、予告演出の一例としての第2予告が実行されたときの演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。図67では、(A)〜(E)に、擬似連の変動表示中に第2予告が実行されたときの表示状態が時間経過にしたがって示されている。
図67を参照して、(A),(B)に示すように、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。第2予告を実行することが決定されたときには、その後、図67(C)〜(E)に示すように、いずれの図柄表示エリアでも演出図柄が停止されていない変動中の状態において、複数段階のステップにより構成されるステップアップ予告を行なう第2予告が実行される。
具体的に、第2予告においては、大当りとなることを示す予告が複数段階のステップ(たとえば、ステップ1〜ステップ3の3段階)に分けて示される。ステップ1〜ステップ3のそれぞれのステップについては、色が異なる3つの人型のキャラクタを示す画像(以下、キャラクタ画像と呼ぶ)91T,92T,93Tが用意されている。たとえば、ステップ1では、(C)のように、キャラクタ画像91Tが表示される(たとえば、画面端部から登場する)。また、ステップ2では、(D)のように、キャラクタ画像92Tが表示される(たとえば、画面端部から登場する)。また、ステップ3では、(E)のように、キャラクタ画像93Tが表示される(たとえば、画面端部から登場する)。そして、(F)のように、「左」の図柄表示エリア9Lで演出図柄が停止されたときに、一連のステップで表示されたすべてのキャラクタ画像が表示される(たとえば、画面端部から登場する)。このように、第2予告においては、ステップアップ予告を構成するステップ1〜ステップ3において、異なる色のキャラクタ画像9Tが順次表示されることとなる。
第2予告については、複数種類の予告パターンとしてのステップパターンのうちからいずれか1つのステップパターンが選択されて、予告演出が行なわれる。具体的に、ステップパターンとしては、たとえば次のような3つのパターンがある、ステップパターン1は、ステップ1のみで終了し、ステップ2およびステップ3までステップアップしない予告パターンである。ステップパターン2は、ステップ1→ステップ2とステップアップするが、ステップ3までステップアップしない予告パターンである。ステップパターン2は、ステップ1→ステップ2→ステップ3とステップ3までステップアップする予告パターンである。このようなステップパターン1〜ステップパターン3については、ステップパターン1<ステップパターン2<ステップパターン3の順序で、表示されたときにその後に大当りとなる割合が高くなるように大当りとなる信頼度が設定されている。これにより、遊技者からの見た目では、第1のキャラクタ画像91T<第2のキャラクタ画像92T<第3のキャラクタ画像93Tの順序で、表示されたときにその後に大当りとなる割合が高くなるように大当りとなる信頼度が設定されている。
第2予告は、第1予告と同様に、遊技者により操作ボタン30が操作されたことを条件として実行される。つまり、(B)に示すように、いずれの図柄表示エリアでも演出図柄が停止されていない変動中の状態において、「ボタンを押してください」という操作要求メッセージを示す操作要求メッセージ画像9Sが表示される。このような操作要求メッセージ画像9Sを表示することは、ボタン操作促進演出として行なわれる。
第2予告については、第1予告の場合と同様に、ボタン操作促進演出が行なわれるときには、遊技者による操作ボタン30の操作を有効に検出する操作有効期間となる。
操作有効期間内に遊技者による操作ボタン30の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングで、(C)に示すように、ボタン操作促進演出の実行を停止するとともに、予め定められた複数種類の演出態様としてのステップパターン1〜3のうちから選択されたいずれかのステップパターンで、たとえば、(D)〜(F)に示すような予告演出が行なわれる。その後、このような一連の予告ステップで表示されたキャラクタ画像を用いた所定の演出表示がすべての演出図柄が停止するまでの間に亘り実行される。このように、第2予告においては、変動表示の開始時から終了時までに亘り継続して予告演出が行なわれることとなる。このようにステップアップ予告により登場したキャラクタ画像を用いて変動表示の終了時まで演出を行なうことにより、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
一方、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン30の操作が検出されなかったときには、(D)〜(F)のような第2予告に関する表示は行なわれず、(G)に示すように、そのままの表示態様で変動表示が継続される。そして、その後、変動表示が終了するまで、前述したようなキャラクタ画像を用いた演出表示は行なわれない。
このように、第2予告においては、大当りの信頼度がステップアップする態様でキャラクタ画像が表示されることにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、第2予告のステップパターンとして、これらステップ1〜ステップ3が順に実行される例を示した。しかし、これに限らず、同じステップが複数回続いて実行される場合があるようにしてもよく、順序を飛ばしてステップが実行される場合があるようにしてもよい。
また、ボタン操作促進演出は、第1予告のように操作ボタン画像9Qを表示するようにしてもよい。ボタン操作促進演出は、たとえば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、遊技者による操作ボタン30の操作を促す演出動作であればどのような演出であってもよい。また、ボタン操作促進演出としては、演出表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、たとえば、上演出LED85a、中演出LED85b、および、下演出LED85c等の発光体を所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、たとえば、可動部材78等の遊技領域7内または遊技領域7外に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組合せたものであってもよい。
また、第2予告としては、ステップアップ予告演出を行なうものを一例として説明したが、これに限らず、演出態様がステップアップする形式の演出ではなく、大当りの信頼度に応じた1つのキャラクタ画像を選択し、そのキャラクタ画像を用いて変動表示の開始時から終了時までの亘り所定の予告演出を行なう等、ステップアップ予告演出以外の予告演出を行なうようにしてもよい。
図68は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶される予告パターン種別決定テーブル200の構成例を示す説明図である。予告パターン種別決定テーブル200は、予告演出を実行するか否か、または、実行する場合における予告パターン種別を決定するために、参照されるテーブルである。予告パターン種別決定テーブル200では、変動パターンコマンドに示された変動パターンに応じて、予告パターン種別決定用の乱数SR7が、「予告演出なし」、あるいは、予告パターン種別の1つである「第1予告」の予告パターンと、予告パターン種別の1つである「第2予告」の予告パターンとのいずれかに、割り振られている。
予告パターン種別決定テーブル200の設定では、変動表示結果が「大当り」となる変動パターン(以下、大当り変動パターンという)と変動表示結果が「リーチはずれ」となる変動パターン(以下、リーチはずれ変動パターンという)と、変動表示結果が「非リーチはずれ」となる変動パターン(以下、非リーチはずれ変動パターンという)とで、「予告演出なし」、「第1予告」、および、「第2予告」のそれぞれの選択項目についての割り振りが異なるように、各選択項目に対応する乱数SR7の値が設定されている。
予告パターン種別決定テーブル200の設定では、具体的に、大当り変動パターンのときの方が、非リーチはずれ変動パターンのときおよびリーチはずれ変動パターンのときよりも、予告演出なしが選択される割合が少ない。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときよりも予告演出が行なわれやすい。したがって、第1予告または第2予告による予告演出が行なわれたときに、大当り発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、予告パターン種別決定テーブル200の設定では、大当り変動パターンのときの方が、リーチはずれ変動パターンおよび非リーチはずれ変動パターンのときのときよりも、第1予告が選択される割合が多い。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときよりも第1予告の予告演出が行なわれやすいので、第1予告による予告演出が行なわれたときに、大当り発生についての遊技者の期待感を高めることができる。また、リーチはずれ変動パターンのときの方が、非リーチはずれ変動パターンのときよりも、第1予告が選択される割合が多い。
また、予告パターン種別決定テーブル200の設定では、大当り変動パターンのときの方が、リーチはずれ変動パターンのときおよび非リーチはずれ変動パターンのときよりも、第2予告が選択される割合が多い。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときよりも第2予告の予告演出が行なわれやすいので、第2予告による予告演出が行なわれたときに、大当り発生についての遊技者の期待感を高めることができる。また、リーチはずれ変動パターンのときの方が、非リーチはずれ変動パターンのときよりも、第2予告が選択される割合が多い。
なお、大当り変動パターンのときの方が、リーチはずれ変動パターンのとき、および、非リーチはずれ変動パターンのときと比べて、第2予告が選択される割合が、第1予告が選択される割合よりも多くなるように設定してもよい。また、大当り変動パターンのときと、リーチはずれ変動パターンのとき、および、非リーチはずれ変動パターンのときとで、第1予告が選択される割合と第2予告が選択される割合とが同じになるように設定してもよい。
また、図68においては、予告演出として選択可能な予告パターン種別が2種類である例を示した。しかし、これに限らず、予告演出として選択可能な予告パターン種別は、3種類以上の複数種類であってもよい。また、図68においては、選択可能な予告パターン種別として、複数種類の予告パターン種別のうちいずれか1種類のみを選択する例を示した。その理由は、複数種類の予告パターン種別により同時に予告演出を実行すると、演出表示装置9の表示画面上で演出が重複することを未然に防ぐためである。したがって、演出表示装置9の表示画面上で演出が重複しないような複数種類の予告パターン種別を設けた場合には、それら予告パターン種別のそれぞれについて実行するかどうかを選択する処理を行ない、選択結果によっては、選択された複数の予告パターン種別での予告演出を同時に実行するようにしてもよい。
また、図68に示す予告パターン種別決定テーブル200においては、変動パターンにおける擬似連変動回数に応じて、予告演出なし、第1予告、および、第2予告のそれぞれが選択決定される割合を異ならせるようにしてもよい。また、予告パターン種別決定テーブル200においては、変動パターンにおける擬似連変動回数に応じて、第1予告が選択される割合と、第2予告が選択される割合とを異ならせるようにしてもよい。
次に、予告パターン種別決定テーブル200を用いた予告パターン種別の選択により「第1予告」が選択されたときに、第1予告として表示する予告メッセージを選択決定するために用いる予告メッセージ決定テーブル201の内容を説明する。図69は、予告メッセージ決定テーブル201の構成例を示す説明図である。
図69においては、大当り決定時、リーチはずれ決定時、および、非リーチはずれ決定時のそれぞれのときに選択される予告メッセージと、乱数SR8の抽出値との関係が示されている。
予告メッセージ決定テーブル201では、大当り決定時、リーチはずれ決定時、および、非リーチはずれ決定時のそれぞれのときについて、「・・・」、「CHANCE」、および、「激熱」のうちのいずれかの予告メッセージが選択されるようにする設定がされている。大当り決定時のときは、予告メッセージが選択される割合が、「激熱」>「CHANCE」>「・・・」>となるようにSR8の数値データが設定されている。リーチはずれ決定時のときは、予告メッセージが選択される割合が、「CHANCE」>「・・・」>「激熱」>となるようにSR8の数値データが設定されている。非リーチはずれ決定時のときは、予告メッセージが選択される割合が、「・・・」>「CHANCE」>「激熱」>となるようにSR8の数値データが設定されている。
また、「激熱」が選択される割合は、大当り決定時>リーチはずれ決定時>非リーチはずれ決定時となるようにSR8の数値データが設定されている。したがって、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「激熱」が選択される割合が高い。したがって、「激熱」が選択されて予告メッセージとして表示されたときには、遊技者の大当りに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、「CHANCE」が選択される割合は、リーチはずれ決定時>大当り決定時>非リーチはずれ決定時となるようにSR8の数値データが設定されている。したがって、大当りとなる前にリーチとなるときも含めてリーチとなるときには、リーチとならないときと比べて、「CHANCE」が選択される割合が高い。したがって、「CHANCE」が選択されて予告メッセージとして表示されたときには、遊技者のリーチに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、予告パターン種別決定テーブル200を用いた予告パターン種別の選択により「第2予告」が選択されたときに、第2予告として表示する予告ステップパターンを選択決定するために用いる予告ステップパターン決定テーブル202の内容を説明する。図70は、予告ステップパターン決定テーブル202の構成例を示す説明図である。
図70においては、大当り決定時、リーチはずれ決定時、および、非リーチはずれ決定時のそれぞれのときに選択される予告ステップパターンと、乱数SR9の抽出値との関係が示されている。予告ステップパターンとしては、前述したように、ステップパターン1〜ステップパターン3の3種類のステップパターンが設けられている。
予告ステップパターン決定テーブル202では、大当り決定時、リーチはずれ決定時、および、非リーチはずれ決定時のそれぞれのときについて、「ステップパターン1」、「ステップパターン2」、および、「ステップパターン3」のうちのいずれかの予告ステップパターンが選択されるようにする設定がされている。大当り決定時のときは、予告ステップパターンが選択される割合が、「ステップパターン3」>「ステップパターン2」>「ステップパターン1」>となるようにSR9の数値データが設定されている。リーチはずれ決定時のときは、予告ステップパターンが選択される割合が、「ステップパターン2」>「ステップパターン1」>「ステップパターン3」>となるようにSR9の数値データが設定されている。非リーチはずれ決定時のときは、予告ステップパターンが選択される割合が、「ステップパターン1」>「ステップパターン2」>「ステップパターン3」>となるようにSR9の数値データが設定されている。
また、ステップ1〜ステップ3の3段階の最終のステップ3まで表示される「ステップパターン3」が選択される割合は、大当り決定時>リーチはずれ決定時>非リーチはずれ決定時となるようにSR9の数値データが設定されている。したがって、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「ステップパターン3」が選択される割合が高い。したがって、「ステップパターン3」が選択されて予告ステップパターンとして表示されたときには、遊技者の大当りに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ステップ1〜ステップ3の2段階のステップ2まで表示される「ステップパターン2」が選択される割合は、リーチはずれ決定時>大当り決定時>非リーチはずれ決定時となるようにSR9の数値データが設定されている。したがって、大当りとなる前にリーチとなるときも含めてリーチとなるときには、リーチとならないときと比べて、「ステップパターン2」が選択される割合が高い。したがって、「ステップパターン2」が選択されて予告ステップパターンとして表示されたときには、遊技者のリーチに対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御される演出モードについて説明する。パチンコ遊技機1においては、演出装置としての演出表示装置9の表示態様を複数回の変動表示に亘って規定する演出モード(演出制御モード)として、複数のモード(第1モード、第2モード)が選択的に用いられる。
図71は、演出モードの背景画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。具体的に、演出モードとしては、第1の演出モードである第1モードと、第2の演出モードである第2モードとが設けられている。
第1モードは、図71の(A)に示すような海を示す背景画像(海をテーマとした背景画像)等の画像を表示する演出モードである。また、第2モードは、図71の(B)に示すような山を示す背景画像(山をテーマとした背景画像)等の画像を表示する演出モードである。第1モードと第2モードとでは、このようなテーマが異なる背景画像が表示されることにより、現在がどちらの演出モードであるかを遊技者が容易に認識することができる。なお、第1モードと第2モードとでは、演出図柄の模様を変更すること、演出図柄形態を変更すること、および、キャラクタ画像を変更すること等、背景画像を含む各種の画像についてテーマが異なる各種の画像を単独または組合せて表示することにより、現在がどちらのモードであるかを遊技者が認識できればよい。
第1モードと、第2モードとでは、第2モードの方が第1モードよりも、演出図柄の変動表示においてリーチ状態となる割合が高くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100による制御が行なわれる。具体的には、前述したはずれ共通の変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに、第2モードの方が第1モードよりもリーチ状態となる割合が高くなるように変動パターンを選択決定することにより、第2モードの方が第1モードよりもリーチ状態となる割合が高くなる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御される第1モードおよび第2モードのそれぞれで行なわれる一般的な演出の一例を説明する。
図72は、第1モードで行なわれる演出図柄の変動表示の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図72では、表示結果が非リーチはずれとなるときの変動表示の例が示されている(たとえば、非リーチPA1−1の変動パターン)。
図72を参照して、第1モードでは、海を示す背景画像が表示されている。そして、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(B)〜(D)に示すように、「左」、「右」、「中」の図柄表示エリア9L、9R、9Cの順番で演出図柄が停止していき、非リーチはずれとなる表示結果が導出表示される。
図73は、第2モードで行なわれる演出図柄の変動表示の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図73では、表示結果がリーチはずれとなるときの変動表示の例が示されている(たとえば、ノーマルPA2−1の変動パターン)。
図73を参照して、第2モードでは、山を示す背景画像が表示されている。そして、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(B),(C)に示すように、「左」、「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄が停止し、停止した2つの図柄が同じ図柄で揃ったリーチ状態が生じる。その後、(D)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄が停止し、リーチはずれとなる表示結果が導出表示される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御される第1モードおよび第2モードのそれぞれにおいて、前述したはずれ共通の変動パターン(共通PH1−1〜共通PH1−4)を示す変動パターンコマンドである共通コマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに行なわれる演出の一例を対比して説明する。以下の説明においては、はずれ共通の変動パターンのうち、共通PH1−1を指定した変動パターンコマンドを第1共通コマンドと呼ぶ。また、共通PH1−2を指定した変動パターンコマンドを第2共通コマンドと呼ぶ。また、共通PH1−3を指定した変動パターンコマンドを第3共通コマンドと呼ぶ。また、共通PH1−4を指定した変動パターンコマンドを第4共通コマンドと呼ぶ。
図74は、第1モードの状態で第1共通コマンドを受信したときに行なわれる演出と、第2モードの状態で第1共通コマンドを受信したときに行なわれる演出とを対比して示す表示画面図である。図74においては、(A1)〜(A8)に第1モードのときの演出例が示されており、(B1)〜(B4)に第2モードのときの演出例が示されている。
第1モードの状態で第1共通コマンドを受信したときには、リーチとならない変動表示が行なわれる。具体的には、(A1)〜(A8)に示すように、第1共通コマンドで指定された変動時間において、所定の擬似連の変動表示が行なわれる。たとえば、(A1)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(A2)〜(A4)に示すように、「左」、「右」、「中」の図柄表示エリア9L、9R、9Cの順番で演出図柄が停止していき、はずれとなる表示結果が仮停止表示される。その後、(A5)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の再変動が開始される。そして、(A6)〜(A8)に示すように、「左」、「右」、「中」の図柄表示エリア9L、9R、9Cの順番で演出図柄が停止していき、非リーチはずれとなる表示結果が導出表示され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。
第2モードの状態で第1共通コマンドを受信したときには、第2モードの状態のときとは異なり、リーチ状態となる変動表示が行なわれる。具体的には、(B1)〜(B4)に示すように、第1共通コマンドで指定された変動時間において、擬似連とはならずにリーチ状態となる変動表示が行なわれる。たとえば、(B1)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(B2),(B3)に示すように、「左」、「右」の図柄表示エリア9L、9Rの順番で演出図柄が停止していき、リーチ状態となる。その後、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄の変動が継続された後、第1共通コマンドで指定された変動時間が終了するときに、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄が停止される。これにより、リーチはずれとなる表示結果が導出表示され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。このように第2モードの状態で第1共通コマンドを受信したときにリーチとなる変動表示を行なう演出を第1リーチ演出と呼ぶ。
図75は、第1モードの状態で第2共通コマンドを受信したときに行なわれる演出と、第2モードの状態で第2共通コマンドを受信したときに行なわれる演出とを対比して示す表示画面図である。図75においては、(A1)〜(A6)に第1モードのときの演出例が示されており、(B1)〜(B4)に第2モードのときの演出例が示されている。
第1モードの状態で第2共通コマンドを受信したときには、リーチとならない変動表示が行なわれる。具体的には、(A1)〜(A6)に示すように、第1共通コマンドで指定された変動時間において、所定の滑りの変動表示が行なわれる。たとえば、(A1)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(A2),(A3)に示すように、「左」、「右」の図柄表示エリア9L、9Rの順番で演出図柄が停止していき、リーチとならない図柄が停止される。「右」の図柄表示エリア9Lでは演出図柄が仮停止しており、その後、(A4)に示すように、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄の再変動が開始される。そして、(A5),(A6)に示すように、「右」、「中」の図柄表示エリア9R、9Cの順番で演出図柄が停止していき、非リーチはずれとなる表示結果が導出表示され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。
第2モードの状態で第2共通コマンドを受信したときには、第1モードの状態のときとは異なり、リーチとなる変動表示が行なわれる。具体的には、(B1)〜(B4)に示すように、第1共通コマンドで指定された変動時間において、擬似連とはならずにリーチとなる変動表示が行なわれる。たとえば、(B1)に示すように、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。そして、(B2),(B3)に示すように、「左」、「右」の図柄表示エリア9L、9Rの順番で演出図柄が停止していき、リーチ状態となる。その後、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄の変動が継続された後、第2共通コマンドで指定された変動時間が終了するときに、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄が停止される。これにより、リーチはずれとなる表示結果が導出表示され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。このように第2モードの状態で第2共通コマンドを受信したときにリーチとなる変動表示を行なう演出を第2リーチ演出と呼ぶ。
次に、第3共通コマンドを受信したときに行なわれる演出について説明する。第1モードの状態で第3共通コマンドを受信したときには、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始された後、「左」、「右」、「中」の図柄表示エリア9L、9R、9Cの順番で演出図柄が停止されて非リーチはずれとなる表示結果が導出表示されるが、その第3共通コマンドで指定された変動時間において、前述の図67に示したような第2予告が強制的に実行される。一方、第2モードの状態で第3共通コマンドを受信したときには、第1共通コマンドを受信したときおよび第2共通コマンドを受信したときと同様にリーチ状態となる変動表示が行なわれ、第3共通コマンドで指定された変動時間が終了するときに、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄が停止され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。このように第2モードの状態で第3共通コマンドを受信したときにリーチとなる変動表示を行なう演出を第3リーチ演出と呼ぶ。
次に、第4共通コマンドを受信したときに行なわれる演出について説明する。第1モードの状態で第4共通コマンドを受信したときには、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始された後、「左」、「右」、「中」の図柄表示エリア9L、9R、9Cの順番で演出図柄が停止されて非リーチはずれとなる表示結果が導出表示されるが、その第4共通コマンドで指定された変動時間中において、その他の変動パターンと比べて、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄が停止されるタイミングを、その他の変動パターンにおけるタイミングよりも所定時間遅延させた変動パターン(たとえば、全変動時間における後半の時間帯に演出図柄を停止させる等)で変動表示をさせる制御が行なわれる。このように演出図柄を遅延させて停止する演出を遅延停止演出と呼ぶ。一方、第2モードの状態で第4共通コマンドを受信したときには、第1〜第3共通コマンドを受信したときと同様にリーチ状態となる変動表示が行なわれ、第4共通コマンドで指定された変動時間が終了するときに、「中」の図柄表示エリア9Cで演出図柄が停止され、左中右の演出図柄が最終停止(確定)する。このように第2モードの状態で第4共通コマンドを受信したときにリーチとなる変動表示を行なう演出を第4リーチ演出と呼ぶ。
なお、遅延停止演出において、遅延させるタイミングは、左図柄および右図柄が停止するまでの時間、左図柄が停止するまでの時間、または、高速変動時間(左,中,右の図柄が一定の高速度で変動表示をする時間)のうちのどのようなタイミングであってもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1共通変動コマンド〜第4共通コマンドを受信したときに、実行する演出制御を選択決定するために用いるデータテーブルである共通コマンド対応制御テーブル202Aの内容を説明する。図76は、共通コマンド対応制御テーブル202Aの構成例を示す説明図である。共通コマンド対応制御テーブル202Aは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。
図76においては、第1共通変動コマンド〜第4共通コマンドのそれぞれと、共通コマンドに対応して行なう演出制御の種類との関係が、第1モードおよび第2モードのそれぞれについて示されている。
第1共通変動コマンドについては、第1モードにおいて受信されたときに前述の擬似連の演出を行なうことが選択決定され、第2モードにおいて受信されたときに前述の第1リーチ演出を行なうことが選択決定される。擬似連の演出としては、たとえば、図13に示す非リーチPA1−5の擬似連の変動パターンを第1共通コマンドが示す変動時間に延ばした態様の変動パターンが用いられる。第1リーチ演出としては、たとえば、図13に示すノーマルPA2−4の変動パターンにおいて特定演出を排除した変動パターンが用いられる。
第2共通変動コマンドについては、第1モードにおいて受信されたときに前述の滑りの演出を行なうことが選択決定され、第2モードにおいて受信されたときに前述の第2リーチ演出を行なうことが選択決定される。滑りの演出としては、たとえば、図13に示す非リーチPA1−4の滑りの変動パターンを第2共通コマンドが示す変動時間に延ばした態様の変動パターンが用いられる。第2リーチ演出としては、たとえば、図13に示すノーマルPA2−3の変動パターンが用いられる。
第3共通変動コマンドについては、第1モードにおいて受信されたときに前述の第2予告を伴う演出を行なうことが選択決定され、第2モードにおいて受信されたときに前述の第3リーチ演出を行なうことが選択決定される。滑りの演出としては、たとえば、図13に示す非リーチPA1−1の非リーチの変動パターンを第3共通コマンドが示す変動時間に延ばし、第2予告演出を実行する態様の変動パターンが用いられる。第3リーチ演出としては、たとえば、図13に示すノーマルPA2−2の変動パターンにおいて特定演出を排除した変動パターンが用いられる。
第4共通変動コマンドについては、第1モードにおいて受信されたときに前述の遅延停止演出を行なうことが選択決定され、第2モードにおいて受信されたときに前述の第4リーチ演出を行なうことが選択決定される。遅延停止演出としては、たとえば、図13に示す非リーチPB1−1の非リーチの変動パターン(この変動パターンは、遅延停止演出の変動パターンである)を第4共通コマンドが示す変動時間に延ばし、遅延停止演出を行なう態様の変動パターンが用いられる。第4リーチ演出としては、たとえば、図13に示すノーマルPA2−1の変動パターンが用いられる。
なお、第1モードであるときに、共通コマンドに応じて第2予告演出のような予告演出を実行することは、実際に大当りとなる信頼度に基づいて決定されてもよく、大当りとなる信頼度に基づかすに決定されてもよい。たとえば、共通コマンドに応じて演出パターンを選択することは、共通コマンドに対応する変動時間に応じて、その時間中に実行できるような演出を選択できればよい。つまり、第1モードであるときに共通コマンドが受信されたときには、リーチ演出を行なう代わりにその変動時間中において演出により稼ぐことが可能な演出パターンを選択できればよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1共通変動コマンド〜第4共通コマンドを受信したときに実行する演出制御の態様を第1モードと第2スとで対比して説明する。
図77は、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1共通変動コマンド〜第4共通コマンドを受信したときに実行する演出制御の態様を第1モードと第2モードとで対比して示すタイミングチャートである。図77において、(A)には、第1共通コマンドを受信したときに対応して行なう制御が示されている。図77において、(B)には、第2共通コマンドを受信したときに対応して行なう制御が示されている。図77において、(C)には、第3共通コマンドを受信したときに対応して行なう制御が示されている。図77において、(D)には、第4共通コマンドを受信したときに対応して行なう制御が示されている。
図77においては、変動表示を行なう演出表示の制御態様を、変動開始制御と、変動中制御と、最終停止制御との3つの制御態様に分けて説明する。ここで、変動開始制御は、全図柄の変動開始時から全図柄が同じ高速度で変動をしている状態とするまでに行なう制御として定義する。変動中制御は、全図柄が同じ高速度で変動をしている状態の開始時から、「左」、「中」、「右」の演出図柄のうち最後に停止させる図柄の停止制御の開始時までに行なう制御として定義する。最終停止制御は、「左」、「中」、「右」の演出図柄のうち最後に停止させる図柄の停止制御の開始時から、全図柄の変動停止時(確定時)までに行なう制御として定義する。
図77の(A)に示すように、第1共通コマンドを受信したときの変動表示の変動時間は、第1共通コマンドが指定する共通の変動時間T1であり、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じ変動時間T1に亘り変動表示が行なわれる。第1モードの場合と第2モードの場合とで同じタイミングで変動開始制御が始められるが、第2モードの場合の方が第1モードの場合よりも早いタイミングで変動中制御が始められる。変動中制御としては、第1モードの場合にリーチ状態とならない擬似連の演出が行なわれるのに対し、第2モードの場合にリーチ状態となる第1リーチ演出が行なわれる。そして、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じタイミングで、最終停止制御が行なわれる。
図77の(B)に示すように、第2共通コマンドを受信したときの変動表示の変動時間は、第2共通コマンドが指定する共通の変動時間T2であり、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じ変動時間T2に亘り変動表示が行なわれる。第1モードの場合と第2モードの場合とで同じタイミングで変動開始制御が始められるが、第2モードの場合の方が第1モードの場合よりも早いタイミングで変動中制御が始められる。変動中制御としては、第1モードの場合にリーチ状態とならない滑りの演出が行なわれるのに対し、第2モードの場合にリーチ状態となる第2リーチ演出が行なわれる。そして、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じタイミングで、最終停止制御が行なわれる。
図77の(C)に示すように、第3共通コマンドを受信したときの変動表示の変動時間は、第3共通コマンドが指定する共通の変動時間T3であり、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じ変動時間T3に亘り変動表示が行なわれる。第1モードの場合と第2モードの場合とで同じタイミングで変動開始制御が始められるが、第2モードの場合の方が第1モードの場合よりも早いタイミングで変動中制御が始められる。変動中制御としては、第1モードの場合にリーチ状態とならない第2予告を伴う演出が行なわれるのに対し、第2モードの場合にリーチ状態となる第3リーチ演出が行なわれる。そして、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じタイミングで、最終停止制御が行なわれる。なお、第1モードにおいては、第2予告を伴う演出の代わりに、第1予告を伴う演出を行なうようにしてもよい。
図77の(D)に示すように、第4共通コマンドを受信したときの変動表示の変動時間は、第4共通コマンドが指定する共通の変動時間T4であり、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じ変動時間T4に亘り変動表示が行なわれる。第1モードの場合と第2モードの場合とで同じタイミングで変動開始制御が始められるが、第2モードの場合の方が第1モードの場合よりも早いタイミングで変動中制御が始められる。変動中制御としては、第1モードの場合にリーチ状態とならない遅延停止演出が行なわれるのに対し、第2モードの場合にリーチ状態となる第4リーチ演出が行なわれる。そして、第1モードの場合と第2モードの場合とで、同じタイミングで、最終停止制御が行なわれる。第2モードの場合に行なわれる第4リーチ演出における「左」、「右」の演出図柄の停止タイミングは、変動中制御の開始当初のタイミングであるのに対して、第1モードの場合に行なわれる遅延停止演出における「左」、「中」、「右」の演出図柄の停止タイミングは、変動中制御の終盤のタイミングである。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出モードを変更するか否かを選択決定するために用いるデータテーブルである演出モード変更判定テーブル202Bの内容を説明する。図78は、演出モード変更判定テーブル202Bの構成例を示す説明図である。演出モード変更判定テーブル202Bは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。
図78においては、演出モードの変更の有無と、乱数SR10の抽出値との関係が示されている。前述したような演出モードについては、特別図柄の変動表示、すなわち、演出図柄の変動表示が、所定回数(たとえば10回)実行されるごとに変更するか否かが選択決定される。その選択決定は、演出モード変更判定テーブル202Bを用い、乱数SR10の抽出値に基づいて行なわれる。
演出モードの変更判定を行なうときに抽出された乱数SR10の値が1〜26であるときに、演出モードを変更することが決定される。一方、演出モードの変更判定を行なうときに抽出された乱数SR10の値が27〜52であるときに、演出モードを変更しないことが決定される。このように、演出モードを変更するか否かはランダムに決定されるので、各演出モードの継続期間がバラエティに富むようにすることができる。
図79は、図50に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図80は、図79に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に応じた値に更新する(S813)。
図81および図82は、図79に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとしていずれかの共通コマンドを受信したか否かを確認する(S501a)。共通コマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
S501aの処理で共通コマンドを受信していないと判定したときは、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない演出図柄の停止図柄を決定する(S504)。S504の処理では、図55(A)に示された最終停止図柄決定テーブル160Aを使用テーブルとして選択する。次いで、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値に基づいて、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することによって左最終停止図柄FZ1−1になる演出図柄を決定する。次に、図55(B)に示された最終停止図柄決定テーブル160Bを使用テーブルとして選択する。続いて、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−2の値に基づいて、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することによって右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄を決定する。また、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せに基づいて、図56に示された左右出目判定テーブル161を参照することによって、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれになるか判定する。次いで、図55(C)に示された最終停止図柄決定テーブル160Cを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値と左右出目タイプDC1−1とに基づいて、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することによって中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄を決定する。
S504の処理では、最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cや左右出目判定テーブル161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる演出図柄を決定することによって、演出図柄の停止図柄をリーチの組合せや大当りの組合せにしない。また、リーチの組合せや大当りの組合せ以外であっても、図12に示された擬似連チャンス目GC1〜GC8や図57に示されたような一定の非リーチの組合せになることもない。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定する(S505)。S505の処理では、図58(A)に示された最終停止図柄決定テーブル162Aを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値に基づいて、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することによって左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の演出図柄を決定する。次に、図58(B)に示された最終停止図柄決定テーブル162Bを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値に基づいて、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することによって左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄との図柄差を決定する。演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄を決定する。
以上のように、S505の処理では、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄を決定する。
また、S501aの処理で共通コマンドを受信していないと判定したときは、現在の演出制御モードが第1モードである否かを確認する(S501b)。現在の演出モードが第1モードと第2モードとのどちらであるかは、後述する演出モード特定データに基づいて判断する。演出モード特定データは、現在の演出モードが第1モードと第2モードとのどちらであるかを特定するデータである。S501bの処理で第1モードであると判定したときは、前述したS504に進み、リーチにならない演出図柄の停止図柄を決定する。一方、S501bの処理で第1モードではないと判定したとき、すなわち、第2モードであるときは、前述したS505に進み、リーチになる演出図柄の停止図柄を決定する。これにより、第1モードの状態のときに共通コマンドを受信すると、演出図柄の表示結果は非リーチはずれの表示結果に決定され、第2モードの状態のときに共通コマンドを受信すると、演出図柄の表示結果はリーチはずれの表示結果に決定される。
はずれとすることに決定されていない場合には(S501)、図82を参照して、演出制御用CPU101は、突確または小当りに決定されているか否か判定する(S507)。突確または小当りに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド(図32参照)が格納されているか否かによって判定される。突確または小当りに決定されている場合には、変動パターンコマンドで指定された変動パターンが特殊PG1−1〜特殊PG1−3の変動パターンのいずれかであるか否か判定する(S508)。図14に示されたように、特殊PG1−1〜特殊PG1−3の変動パターンは、いずれも、演出図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする変動パターンである。S508の処理で特殊PG1−1〜特殊PG1−3の変動パターンのいずれかであると判定された場合には、S504に移行し、演出制御用CPU101は、S504の処理で、最終停止図柄となる演出図柄を決定する。
S508の処理で、特殊PG1−1〜特殊PG1−3の変動パターン以外であると判定した場合には、演出制御用CPU101は、図81のS516に移行する。
図82を参照して、突確および小当りに決定されていない場合には(S507)、大当りの組合せの演出図柄の最終停止図柄を決定する(S511)。S511の処理では、演出制御用CPU101は、確変大当りにすることに決定されている場合には図59(A)に示された最終停止図柄決定テーブル163Aを使用テーブルとして選択する。通常大当りにすることに決定されている場合には図59(B)に示された最終停止図柄決定テーブル163Bを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値に基づいて、最終停止図柄決定テーブル163Aを参照することによって大当り図柄となる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを最終停止図柄として決定する。なお、確変大当りにすることに決定されている場合に、左中右の確定演出図柄として「2」、「4」、「6」、「8」といった一般に非確変大当りを想起させるような停止図柄が導出表示されることもあるが(図59(A)参照)、最終停止図柄決定テーブル163Aにおいて、「2」、「4」、「6」、「8」に対して判定値を割当てないようにして、確変大当りにすることに決定されている場合には「2」、「4」、「6」、「8」が選択されないようにしてもよい。また、確変大当りにすることに決定されている場合に「2」、「4」、「6」、「8」が左中右の確定演出図柄として選択されうるようにしたときに、大当り遊技中等に、いわゆる確変昇格演出を実行することによって、演出表示装置9において表示されている左中右の確定演出図柄を「7」等に変更するようにしてもよい。なお、確変状態に関する報知を行なわない遊技機では、確変昇格演出を実行せず、遊技者に、確定演出図柄によって遊技状態(確変状態であるか否か)を把握することを困難にするようにしてもよい。
S504、S505、S511のいずれかの処理を実行した後、または、S508の処理で「N」になった後に、演出制御用CPU101は、S501aと同様の処理を行なうことにより、変動パターンコマンドとしていずれかの共通コマンドを受信したか否かを確認する(S512)。S512の処理で共通コマンドを受信していると判定したときは、後述するS513に進む。一方、S512の処理で共通コマンドを受信していないと判定したときは、予告設定処理を実行し(図81のS516a)、その後、特定演出設定処理を実行する(図81のS516)。
図83は、S516aの予告設定処理を示すフローチャートである。予告設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図68に示す予告パターン種別決定テーブル166を、使用するテーブルとして決定してセットする(S531)。そして、予告パターン種別決定用の乱数値SR7を示す数値データを抽出する(S532)。そして、予告パターン種別決定テーブルを参照し、変動パターンに応じて、S532で抽出した乱数値SR7を示す数値データに基づき、予告演出なし、第1予告、および、第2予告のうちいずれかを選択することにより、予告パターン種別を決定し、記憶する(S533)。そして、S533の決定において、予告演出なしと決定されたか否かを判別する(S534)。
S533で予告演出なしと決定された場合には(S534でY)、予告設定処理を終了する。一方、S533で、予告パターン種別が第1予告と第2予告とのいずれかの種別に決定された場合には(S534でN)、第1予告または第2予告のうち、S533で決定された予告の種別におうじて、予告パターンを決定するために用いるデータテーブルを選択決定し、セットする(S535)。つまり、第1予告選択時は図69の予告メッセージ決定テーブルをセットし、第2予告選択時は図70の予告ステップパターン決定テーブルをセットする。そして、予告の種別に応じて、予告メッセージ決定用の乱数値SR8を示す数値データまたは乱数値SR9を示す数値データを抽出する(S536)。
次に、S535でセットしたデータテーブルを用い、S536で抽出した乱数値に基づいて、選択された予告種別の予告パターンを決定し、記憶する(S537)。S537における予告パターンの決定においては、大当りとなる信頼度が順序が逆になる態様で選択されないように、前述したような禁則処理が行なわれる。
図84は、S516の特定演出設定処理を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドによって指定された変動パターンが特定演出(「滑り」または「擬似連」)を含まない変動パターンであるか否か判定する(S551)。特定演出を含まない変動パターンであれば、特定演出設定処理を終了する。
特定演出を含む変動パターンである場合には、特定演出が「滑り」であるか否か判定する(S552)。「滑り」の特定演出であれば、演出制御用CPU101は、特定演出に応じた特定演出パターン判定テーブルを使用テーブルとして選択する(S553)。「滑り」の特定演出である場合には、図60に示された特定演出パターン判定テーブル164Aを選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出パターンを複数種類のいずれかに決定する(S554)。すなわち、まず、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR6−1の値に基づいて、S553の処理で選択した特定演出パターン判定テーブル164Aを参照することによって特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、S554の処理で決定した特定演出パターンに応じて、RAMの所定領域の前回演出値を更新する(S555)。たとえば、S554の処理で滑りTP1−1の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を1に更新する。滑りTP1−2の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を2に更新する。また、滑りTP1−3の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を3に更新する。また、滑りTP1−4の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を4に更新する。
S555の処理を実行することによって、「滑り」の特定演出を実行する変動パターンに対応して、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンのいずれかに決定する毎に、決定された滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに対応する前回演出値に更新される。すなわち、「滑り」の特定演出における演出動作を複数種類のいずれかに決定する毎に、決定された演出動作の種類を示すデータを記憶する。
特定演出パターン判定テーブル164Aを、前回判定値がn(n=1〜4のいずれか)である場合には、滑りTP1−nが選択されないように判定値が割当てられたテーブルにした場合、演出制御用CPU101が、そのように構成された特定演出パターン判定テーブル164Aを用いて滑り演出態様を決定するときには、S554の処理において、非リーチPA1−4の変動パターンに応じて「滑り」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。
S552の処理で、特定演出が「滑り」以外である(すなわち、「擬似連」である)と判定した場合には、S555の処理で、受信した変動パターンコマンドが示す擬似連演出の種類を示すデータを、RAMの所定領域に記憶する。
次いで、演出制御用CPU101は、「滑り」の特定演出である場合に、S554の処理で決定した特定演出パターンに基づいて、図61(E)に示されたテーブル選択規則にしたがって、仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを、使用テーブルとして選択する。また、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR3の値に基づいて、選択した仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを参照することによって右仮停止図柄KZ1−1、左仮停止図柄KZ1−2、右仮停止図柄1−3、左仮停止図柄KZ1−4のいずれかになる演出図柄を決定する。
演出制御用CPU101は、「擬似連」の特定演出である場合には、受信した変動パターンコマンドで特定される擬似連変動の実行回数を定数Mにセットする。たとえば、擬似連における再変動回数(初回変動を含まない。)が1回の特定演出パターンである場合には、定数Mを「1」に設定し、擬似連における再変動回数(初回変動を含まない。)が2回の特定演出パターンである場合には、定数Mを「2」に設定する。また、決定した仮停止図柄の組合せ数を示す変数Nに「0」を設定する。また、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図62(A)に示された仮停止図柄決定テーブル167Aを使用テーブルとして選択し、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3のいずれかである場合には、図62(B)に示された仮停止図柄決定テーブル167Bを使用テーブルとして選択する。また、擬似連第1変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR4−1の値に基づいて、選択した仮停止図柄決定テーブル167Aと仮停止図柄決定テーブル167Bとのうちのいずれかを参照することによって、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せを決定する。そして、変数Nに1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。
更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、S556の処理を終了する。更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図62(C)に示された仮停止図柄決定テーブル167Cを使用テーブルとして選択する。また、擬似連第2変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR4−2の値に基づいて、仮停止図柄決定テーブル167Cを参照することによって、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかになる左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せを決定する。そして、変数Nに1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。そして、処理を終了する。
図81を参照して、S516の特定演出設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類のうちのいずれかに決定し(S517)、S518に進む。演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドによって指定された変動パターンやS516の処理で決定した特定演出パターンに応じて、図64に示された図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうちのいずれかを使用パターンとして選択する。
また、前述したS512の処理で共通コマンドを受信していると判定したときは、前述したS516a〜S517の処理を実行せずに、現在の演出モードに応じた演出制御パターンを決定するために、S513に進む。S513では、前述のS501bと同様の処理を行なうことにより、現在の演出制御モードが第1モードである否かを確認する(S513)。S513の処理で第1モードであると判定したときは、図76に示した共通コマンド対応テーブル202Aに基づいて、受信した共通コマンドに対応する第1モードの演出制御パターンを選択決定し(S514)、S518に進む。具体的に、S514で決定される演出制御パターンは、図64に示された図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている。一方、S513の処理で第1モードではない、すなわち、第2モードであると判定したときは、図76に示した共通コマンド対応テーブル202Aに基づいて、受信した共通コマンドに対応する第2モードの演出制御パターンを選択決定し(S515)、S518に進む。具体的に、S515で決定される演出制御パターンは、図64に示された図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている。
このようなS513〜S515の処理が行なわれることにより、変動パターンコマンドとして共通コマンドを受信したときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、S516a〜S517の処理を実行せずに、現在の演出モードに応じた演出制御パターン(第1モードのときはリーチとならない演出制御パターン、第2モードのときは、リーチとなる演出制御パターン)を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S518)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S519)。
図85は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78および振動モータ86a,86b,86cを制御する。なお、可動部材制御データには、可動部材78の制御状態に加えて、振動モータ86a,86b,86cの制御状態を示すデータも設定されている。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述した擬似連および滑りのような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、擬似連の変動パターンを実行するときに、図83の予告設定処理により予告演出を行なうこと、および、予告パターンが決定されると、その決定に応じて、擬似連の変動パターンにおいて、決定された予告パターンでの予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
図85に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、図64に示された図柄変動制御パターンテーブル180、および図65に示された各種演出制御パターンテーブル182を、より具体的に示したものに相当する。
図86は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、可動部材78、および振動モータ86a,86b,86cを制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図81を参照して、演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と振動モータ86a,86b,86c)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78と振動モータ86a,86b,86cを動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S521)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S522)。
図87は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、プロセスデータとして、第1予告または第2予告による予告演出を行なうプロセスデータが設定されているか否かを判断する(S843a)。これにより、予告演出を行なうことが可能な変動表示時であるか否かを確認することができる。予告演出を行なうプロセスデータが設定されていないと判断したときは、後述するS846に進む。一方、予告演出を行なうプロセスデータが設定されていると判断したときは、現在が前述の操作有効期間中であるか否かを確認する(S843b)。操作有効期間は、予告演出が行なわれるときのプロセスの開始時から所定時間に設定されている。これにより、予告演出が行なわれるときのプロセスにおいてプロセスタイマが所定時間になったか否かを判断することにより現在が操作有効期間中であるか否かを確認することができる。なお、変動表示の開始時から計数を開始する変動表示時間タイマの計時値が操作有効期間として予め定められた時間となったか否かを判断することにより、現在が操作有効期間中であるか否かを確認するようにしてもよい。
操作有効期間中ではないと判断したときは、後述するS846に進む。一方、操作有効期間中であると判断したときは、操作有効期間中において操作ボタン30が操作されたときにセットされる操作済フラグがセットされているか否かを確認する(S343c)。操作済フラグがセットされていると判断したときは、後述するS846に進む。一方、操作済フラグがセットされていないと判断したときは、操作ボタン30から入力される操作検出信号のレベルに基づいて、操作ボタン30が操作されたか否かを判断する(S843d)。
操作ボタン30が操作されていないと判断したときは、後述するS846に進む。一方、操作ボタン30が操作されていると判断したときは、前述の操作済フラグをセットし(S843e)、予告演出の実行を開始させ(S843f)、後述するS846に進む。
前述のS843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、前述の操作済フラグがセットされているか否かを確認する(S843g)。そして、操作済フラグがセットされていると判断したときは、操作済フラグをリセットし、S844に進む。プロセスを切替えることに応じて操作済フラグの初期化を行なうためである。一方、操作済フラグがセットされていないと判断したときは、そのままS844に進む。S844では、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S845)。
予告演出を行なうためのプロセスデータにおいては、ボタン操作促進演出の実行後の演出を行なうためのデータとして、操作ボタン30が操作されたときに予告演出を行なうためのデータと、操作ボタン30が操作されないときに予告演出を行なわないためのデータとが選択的に使用可能に設定されている。つまり、予告演出を行なうためのプロセスデータについては、ボタン操作促進演出を行なうまでの演出をするためのデータとして用いるデータ(予告演出をする場合としない場合とで共通のデータ)と、操作有効期間中に操作ボタン30が操作されたときにその後の予告演出を行ないながら演出図柄を変動させるためのデータと、操作有効期間中に操作ボタン30が操作されないときにその後の予告演出を行なわず演出図柄を変動させるためのデータとが含まれている。このような予告演出を行ないながら演出図柄を変動させるためのデータと、予告演出を行なわず演出図柄を変動させるためのデータとは、操作ボタン30の操作に応じて、選択的に用いられるデータである。
また、S846で、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S846)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S846でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S846でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S847)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S847でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S847でY)、S848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、「擬似連」の演出を含む変動パターン(非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3)に基づいてS841〜S845の処理を実行する部分は、再変動演出を実行する再変動演出制御処理に相当する。
図88は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行なうが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
次に、前述したような演出モードの変更をするか否かの判断条件の1つとして用いるために変動表示の回数を計数する手段としての変動回数カウンタのカウンタ値を更新(+1)する(S872A)。具体的に、変動回数カウンタは、電源投入時、後述するS873G、および、後述するS891Gにおいて初期値(「0」)に設定され、その後、変動表示が1回行なわれるごとに、S872Aにより変動表示の停止時において「+1」ずつ加算更新される。
次に、S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示したか否かを確認する(S873)。S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタのカウンタ値が演出モード変更判定回数に達したか否かを確認する(S873A)。ここで、演出モード変更判定回数は、演出モードを変更するか否かの判定をするための条件の1つであり、たとえば10回のような所定回数に設定されている。S873Aの処理により変動回数カウンタのカウンタ値が演出モード変更判定回数に達していないと判定したときは、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S873H)。これにより、変動回数カウンタのカウンタ値が演出モード変更判定回数に満たない場合は、演出モードの変更判定が行なわれない。
S873Aの処理により変動回数カウンタのカウンタ値が演出モード変更判定回数に達したと判定したときは、演出モードの変更判定を行なうために、演出モード変更判定用の乱数SR10の値を抽出する(S873B)。そして、抽出した乱数SR10の値に基づいて、図78の演出モード変更判定テーブルを参照することによって演出モードを変更するか否かの判定を行なう(S873C)。次に、S873Cにより演出モードを変更することに決定されたか否かを確認する(S873D)。
S873Cにより演出モードを変更することに決定されていないとき、すなわち、演出モードを変更しないことに決定されたときは、後述するS873Gに移行する。一方、S873Cにより演出モードを変更することに決定されたときは、前述した演出モード特定データを、変更後の演出モードを特定するデータに変更する(S873E)。具体的に、変更前の演出モード特定データが第1モードを特定するデータであるときには、演出モード特定データを第2モードを特定するデータに変更し、変更前の演出モード特定データが第2モードを特定するデータであるときには、演出モード特定データを第1モードを特定するデータに変更する。そして、たとえば、演出モードの背景画像等の演出モード演出画像を変更後の演出モードに対応する画像に変更し(S873F)、S873Gに進む。具体的には、演出モード特定データにより特定される第1モードおよび第2モードのそれぞれについて、背景画像等の演出モード演出画像に関するデータが演出制御基板80におけるROMに格納されており、S873Fにおいて、変更後の演出モード特定データにより特定される演出モードに対応する演出モード演出画像に関するデータを読出し、そのデータに基づいて、変更後の演出モード演出画像を演出表示装置9に表示する。これにより、演出モード演出画像の表示が切替えられる。
次に、S873Gでは、変動回数カウンタのカウンタ値を初期化する。これにより、新たに、変動回数カウンタの計数がリセットさせ、新たな計数が開始される。S873Gの後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S873H)。
また、前述したS873において、S872で小当り図柄また大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S879)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S879の処理では、演出制御用CPU101は、通常大当りまたは確変大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドを受信しているとき:図22参照)には、図65に示された「15回開放遊技開始報知」に対応するプロセステーブルを選択し、小当りまたは突確大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドを受信しているとき:図32参照)は、図65に示された「2回開放遊技開始報知(突確・小当り共通)」に対応するプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と振動モータ86a,86b,86c)の制御を実行する(S881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S882)。
以上に説明した演出図柄変動停止処理において、演出図柄の変動表示の停止時には、変動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、所定回数の変動表示が行なわれるごとに、演出モードを変更するか否かがランダムに決定される。演出モードを変更する決定がされたときには、演出モード演出画像が変更後の演出モードに対応する画像に切替えられる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定された変動パターンに基づいて実行される演出図柄の変動の開始時から終了時までの間で、演出図柄を一時停止表示させた後に再度変動表示させる再変動が1回または複数回行なわれる再変動演出を行なわせる。再変動演出には、第1再変動演出態様の再変動演出と、該第1再変動演出態様とは異なる第2再変動演出態様の再変動演出とが含まれるように構成されている。これにより、第1再変動演出態様および第2再変動演出態様によって擬似連の演出が実行されていることを遊技者に認識させることが可能である上に、複数種類の再変動演出態様によって擬似連の演出による演出効果を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、再変動演出として、第1再変動演出態様の再変動演出、第2再変動演出態様の再変動演出または第3再変動演出態様の再変動演出を選択する再変動演出態様選択処理を実行し、事前決定手段が特定遊技状態に制御することに決定したときには、再変動演出として、第1再変動演出態様の再変動演出および第2再変動演出態様の再変動演出よりも高い割合で第3再変動演出態様の再変動演出を選択するように構成されている。これにより、複数種類の再変動演出態様によって擬似連による演出効果を向上させることができる。また、特定遊技状態の信頼度に連動した擬似連の演出が実行され、擬似連による演出効果をより向上させることができる。
図89は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S806)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されて動作中であるか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
また、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、S881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(S884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことに基づいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新されることになる(S892参照)。
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には、S891A〜S891Gにおいて、前述の演出図柄変動停止処理(図88)のS873A〜S873Gにおいて実行される処理と同じ処理が行なわれる。具体的に、S891AがS873Aに対応し、S891BがS873Bに対応し、S891CがS873Cに対応し、S891DがS873Dに対応し、S891EがS873Eに対応し、S891FがS873Fに対応し、S891GがS873Gに対応する処理である。これにより、大当り終了演出処理において、大当り終了演出時間が経過したときには、変動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、所定回数の変動表示が行なわれるごとに、演出モードを変更するか否かがランダムに決定される。演出モードを変更する決定がされたときには、演出モード演出画像が変更後の演出モードに対応する画像に切替えられる。
図90は、第1予告または第2予告の予告演出が実行されるときの演出動作の進行例を示すフローチャートである。図90に示す各処理は、図79に示すS801〜S803の処理において、変動パターンコマンドに基づいて決定された図柄変動制御パターンおよび図83に示すS537の処理が実行されることで決定された予告演出制御パターンに基づき、図87に示すS845の処理を実行すること等により、実現される。
まず、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、左,中,右図柄の全演出図柄の変動表示が開始される(ST11)。その後、演出制御プロセスタイマ値に対応して、前述のように決定された予告パターンとして設定された予告制御パターンデータから読出した各種の制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づき、図66(C)および図67(B)に示すようなボタン操作促進演出が行なわれる(ST12)。
ST12でボタン操作促進演出を開始するときには操作有効期間を開始する設定がなされ、遊技者による操作ボタン30に対する操作行為を、有効に検出する(ST13)。なお、ボタン操作促進演出が開始されるタイミングと、操作有効期間となるタイミングは、同一のタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよい。一例として、ボタン操作促進演出を開始してから、「3」→「2」→「1」といったカウントダウン動作を示す演出表示を行った後に、操作有効期間とすることで、ボタン操作促進演出の開始タイミングと、操作有効期間の開始タイミングとを、異ならせるようにしてもよい。
その後、たとえば演出制御プロセスタイマ値に対応して図柄変動制御パターンや予告演出制御パターンから読出した制御データ、あるいは、演出制御プロセスタイマ値そのものに基づき、操作有効期間が終了したか否かを判定する(ST14)。たとえば、演出制御プロセスタイマ値に対応して図柄変動制御パターンや予告演出制御パターンから読出した制御データに操作有効期間の終了が示されていれば、操作ボタン30における操作の検出を無効として、操作有効期間を終了させればよい。あるいは、演出制御プロセスタイマ値が予め定められた操作有効期間終了判定値と合致したときに、操作有効期間を終了させてもよい。ST14で操作有効期間が終了していなければ(ST14でN)、操作ボタン30から伝送される操作検出信号をチェックすることなどにより、ボタン操作の検出があるか否かを判定する(ST15)。ST15でボタン操作の検出がないと判定された場合には(ST15でN)、ST14の処理に戻る。
ST15でボタン操作の検出があると判定されたときには(ST15でY)、演出動作を第1予告または第2予告の予告演出に切換えて、図66(D)または図67(B)に示すような予告演出の実行を開始する(ST16)。そして、予告演出が終了するか、または、予告演出において所定のタイミングが経過したときに、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄を導出表示する全図柄導出表示を開始する(ステップST17)。また、ST14で操作有効期間が終了したと判定されたときにも(ST14でY)、全図柄導出表示を開始する(ステップST17)。そして、その後、たとえば演出制御プロセスタイマ値に対応して図柄変動制御パターンから読出した制御データ、あるいは、演出制御プロセスタイマ値そのものに基づき、設定された変動表示時間が経過したか否かを判定する(ST18)。ST18で設定された変動表示時間が経過していないと判定されたときは(ST18でN)、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄を仮停止表示させ(ST19)、ST18の処理に戻る。これにより、変動表示時間が経過するまでは、ST17で開始された仮停止表示が継続される。一方、ST18で変動表示時間が経過したと判定されたときには(ST18でY)、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示部5L、5C、5Rの全部で演出図柄を完全停止表示させ(ST20)、演出図柄の変動表示を終了する。
〔第2実施形態〕
前記した第1実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連の具体的な変動パターンを決定した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100が、具体的な変動パターンを決定するようにしてもよい。第2実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、具体的な変動パターンを決定する例を説明する。
図91は、第2実施形態による演出制御用マイクロコンピュータ100が、具体的な変動パターンを決定するように構成されている場合の演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図91に示すように、この実施の形態では、第1実施形態における乱数(図54参照)に加えて、擬似連の具体的な変動パターンを決定するための第2特定演出(擬似連)パターン判定用乱数(SR6−2)も用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ランダム7(図15参照)は使用されない。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、擬似連演出パターン判定テーブル139A,139B(図30および図31参照)を使用しない。したがって、変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンである非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、または特殊PG1−3を決定した場合には、決定した変動パターンを示す演出制御コマンドを変動パターンコマンドとして送信する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブル(設定内容は、擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bの設定内容と同じ)を有している。なお、非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、または特殊PG1−3は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってランダム3に基づいて決定されている。すなわち、変動時間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって決定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、あくまでも、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって決定された変動パターン(変動時間も決定されたことになる)のうちで、具体的な変動パターン(すなわち、擬似連の態様)を決定する。
図92は、第2実施形態による演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する特定演出設定処理を示すフローチャートである。図93は、第2実施形態の変形例による演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する特定演出設定処理を示すフローチャートである。
特定演出設定処理において、演出制御用CPU101は、特定演出を含む変動パターンである場合には、特定演出が「滑り」または「擬似連」であるか否か判定する(S552A)。「滑り」の特定演出であれば、演出制御用CPU101は、図60に示された特定演出パターン判定テーブル164Aを選択するが、「擬似連」の特定演出であれば、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブルを選択する。
そして、演出制御用CPU101は、S554の処理で、「擬似連」である場合には、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブルと第2特定演出(擬似連)パターン判定用乱数とを用いて、擬似連を含む具体的な変動パターンを決定する。決定の仕方は、第1実施形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560の決定の仕方と同じである。
この実施の形態のように演出制御用マイクロコンピュータ100が擬似連を含む具体的な変動パターンを決定する場合でも、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドの種類数を減らすことができる。
なお、一例として、変動パターンが非リーチPA1−5である場合に、前回演出値(前回の演出図柄の変動パターンを示す値)に応じて、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブルにおける擬似連の演出を含む具体的な変動パターンの振り分けを変えるようにしてもよい。一例として、前回演出値が1〜3のいずれであるかに応じて、選択しうる具体的な変動パターン(図30および図31参照)を変更する。すなわち、非リーチPA1−5については、図30および図31に示す変形例を使用する。前回演出値である1〜3のそれぞれは、(1)非リーチPA1−5(A・A)と(2)非リーチPA1−5(B・B)と(3)非リーチPA1−5(C・C)のそれぞれを示すとする。演出制御用CPU101は、変動パターンとして(1)非リーチPA1−5(A・A)、(2)非リーチPA1−5(B・B)または(3)非リーチPA1−5(C・C)を決定したときに、RAMにおける保存領域に前回演出値を設定しておく。そして、次回の変動パターンが非リーチPA1−5に決定された場合には、図92に示すS553の処理において、図30および図31に示す変形例を使用する。つまり、前回判定値がn(n=1〜3のいずれか)である場合には(n)の非リーチPA1−5が選択されないように判定値が割当てられたテーブルを使用する。演出制御用CPU101が、そのように構成されたテーブルを用いて擬似連の演出を含む具体的な変動パターンを決定する場合には、非リーチPA1−5の変動パターンに応じて「擬似連」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「擬似連」の特定演出における特定演出パターン(擬似連の演出を含む具体的な変動パターン)と同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。図92に示す処理によって、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、または特殊PG1−3である場合にも、前回実行された「擬似連」の特定演出における特定演出パターン(擬似連の演出を含む具体的な変動パターン)と同一の特定演出パターンにはならない。つまり、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3についても、図30および図31に示す変形例と同様のテーブル(判定値の割当て方は非リーチPA1−5の場合とは異なっていてもよい。)を各特定演出パターン毎に設け、演出制御用CPU101は、S554の処理で、それぞれの変動パターンに応じたテーブルに基づいて特定演出パターンを決定する。
なお、演出制御用CPU101は、変動パターンとして、「擬似連」の特定演出を含まないものを決定した場合には、前回演出値を、1〜3以外の値(たとえば、0)に更新するようにしてもよい。その場合には、使用する変動パターンとして「擬似連」の特定演出を含むものが決定されたときに、直前に実行された変動表示において「擬似連」の特定演出を含む変動パターンに基づく演出が実行された場合に、前回実行された「擬似連」の特定演出における特定演出パターン(擬似連の演出を含む具体的な変動パターン)と同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。そして、前回演出値が1〜3以外の値である場合には、演出制御用CPU101は、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブル(変形例ではないテーブル)を使用して、擬似連の演出を含む具体的な変動パターンを決定する。
また、図30および図31に示す変形例を使用するのではなく、演出制御用CPU101の制御によって、前回実行された「擬似連」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにするようにしてもよい。
その場合には、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bに相当するテーブル(変形例ではないテーブル)を使用する。
そして、図93のフローチャートに示すように、特定演出について、特定演出パターンが前回判定値で特定される特定演出パターンと一致する場合には(S554A)、演出態様を差し替える。たとえば、演出態様を1ずらす(S554B)。すなわち、たとえば、前回演出値が1であるときに決定した特定演出パターンが上記の(1)であれば、上記の(2)に差し替える。なお、図93に示されたフローチャートにより処理では、「滑り」の特定演出についても、特定演出パターンが前回判定値で特定される特定演出パターンと一致する場合には演出態様を差し替えることによって、同一演出が連続して実行されないようにすることができる。
また、ここでは、演出制御用マイクロコンピュータ100が、リーチ状態としない旨の決定がなされた場合に、直前の変動表示において再変動演出を実行するための非リーチ変動表示パターンと異なる非リーチ変動表示パターンを決定したり、直前の変動表示において再変動演出を実行するための非リーチ変動表示パターンと同じ非リーチ変動表示パターンを決定したときには、非リーチ変動表示パターンを変更するように制御したが、第1実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、図30および図31に示された擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bおよび変形例を用いて、そのような制御を実行することもできる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動表示パターン選択手段により、識別情報の表示結果が特定表示結果とならないときに、リーチ演出を行なう変動表示とリーチ演出を行なわない変動表示とで共通に用いる変動パターンである図28の共通PH1−1〜PH1−4が選択可能である。共通変動表示パターンを示すコマンドが送信され、図76および図81のS513〜S515に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、図76の第1共通コマンド〜第4共通コマンドが受信されたときに、第1の演出モードであればリーチ演出を行なわない非リーチ演出パターン(擬似連演出、滑り演出、第2予告演出、遅延停止演出のいずれか)が選択され、第2の演出モードであればリーチ演出を行なうリーチ演出パターン(第1リーチ演出〜第4リーチ演出のいずれか)が選択される。このような共通の変動パターンを用いることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100側での処理によって第1モードと第2モードとでリーチ演出を行なう割合が異なるようになるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせるために、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でリーチ演出を行なう割合を制御する処理をしなくてもよくなる。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の処理負担を軽減することができる。また、共通の変動パターンを用いることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で演出パターンを逐一用意する必要がなくなる。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担をより一層軽減することができる。また、変動時間が同じである同一の共通の変動パターンにより、リーチ演出を行なう変動表示とリーチ演出を行なわない変動表示とを行なうことができるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせるときでも、変動表示1回あたりに要する時間を異ならせる必要がなくなるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせることが単位時間あたりにおける遊技の有利不利に影響を及ぼさないようにすることができる。
(2) 共通変動表示パターンを示すコマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、第1モードにおいて共通の変動パターンを示すコマンドを受信したときに選択される非リーチ演出パターンには、図76に示すように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに演出図柄を一旦所定の態様で仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示を行なう擬似連の演出パターンが含まれている。第1モードにおいては、このような再変動表示を行なう擬似連の演出パターンで演出が行なわれることにより、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通の変動パターンの変動時間が長時間に設定されても、所定態様仮停止再変動演出パターンによる演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通の変動パターンを用いることにより、第1モードと第2モードとで、擬似連の演出パターンが選択される割合を異ならせることができる。
(3) 第1モードにおいて共通の変動パターンを示すコマンドが送信され、出制御用マイクロコンピュータ100の側で、共通の変動パターンを示すコマンドを受信したときに選択される非リーチ演出パターンは、図76に示すように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに演出図柄を一旦非特定表示結果となる態様で仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示を行なう滑りの演出パターンが含まれている。第1モードにおいては、このような再変動表示を行なう滑りの演出パターンで演出が行なわれることにより、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通の変動パターンの変動時間が長時間に設定されても、滑りの演出パターンによる演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通の変動パターンを用いることにより、第1モードと第2モードとで、再変動を行なう滑りの演出パターンが選択される割合を異ならせることができる。
(4) 第1モードにおいて共通の変動パターンを示すコマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、共通の変動パターンを示すコマンドを受信したときに選択される非リーチ演出パターンは、図76に示すように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、演出図柄とは別に、大当りとなることを予告する予告演出を実行する第2予告の演出パターンを含む。第1モードにおいては、演出図柄とは別に、特定遊技状態となることを予告する予告演出が行なわれることにより、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通の変動パターンの変動時間が長時間に設定されても、予告演出による演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通の変動パターンを用いることにより、第1モードと第2モードとで、第2予告の演出パターンが選択される割合を異ならせることができる。
(5) 第1モードにおいて共通の変動パターンを示すコマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、共通の変動パターンを示すコマンドを受信したときに選択される非リーチ演出パターンは、図76に示すように、操作ボタン30が操作されたことを条件として予告演出を実行する図67のような第2予告の予告演出を含む。第1モードにおいては、第2予告の予告演出が行なわれることにより、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通の変動パターンの変動時間が長時間に設定されても、第2予告の予告演出による演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通の変動パターンを用いることにより、第1モードと第2モードとで、操作ボタン30を用いる第2予告の予告演出が選択される割合を異ならせることができる。
(6) 第1モードにおいて共通の変動パターンを示すコマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、共通の変動パターンを示すコマンドを受信したときに選択される非リーチ演出パターンは、図76に示すように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示が開始されてから、表示結果を導出表示するための表示動作のうちの所定のタイミングとなるまでの時間が、リーチ演出において、演出図柄の変動表示が開始されてから、当該所定のタイミングとなるまでの時間よりも遅延した遅延停止演出(図77の(D))の演出パターンを含む。第1モードにおいては、遅延停止演出が行なわれることにより、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通の変動パターンの変動時間が長時間に設定されても、遅延停止演出による演出の態様により遊技者が違和感を受けないようにすることができる。
(7) 図38のS92,S98B,S99,S100および図38のS105〜S105Bに示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動表示パターン種別を決定するデータテーブルおよび処理と、変動パターンを選択するデータテーブルおよび処理とに分けられているため、変動パターン選択の振り分けの自由度が増すようにすることができる。また、変動表示パターン種別を決定するデータテーブルおよび処理における種別決定の振り分けを変更せずに変動パターンを選択するデータテーブルおよび処理における変動表示パターン選択の振り分けを変更するだけで変動表示パターンを選択するための設定を変更する設計変更が可能となるので、変動表示パターンの設計変更を容易化することができる。
(8) 図81の520および図87のS845により、再変動を実行するときに、報知演出として、図6〜図11に示すような上演出LED85a、中演出LED85b、下演出LED85c、および、可動部材78を用いた複数種類の演出のパターンによる報知態様の中から選択した報知態様で報知演出が実行されるので、再変動の演出と、報知演出との組合せにより再変動表示が行なわれるときの演出のバリエーションを豊富にすることができ、再変動に関する演出が単調にならないようにすることができる。図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3のグループの方が、AB、AC、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組合わされたものが出現する確率が高い。したがって、再変動に関する報知演出における報知態様の選択と、報知演出が実行された後に大当りとなる信頼度との組合せにより、再変動が行なわれるときの演出のバリエーションをより一層豊富にすることができることに加えて、再変動の演出に対する遊技の興趣をより一層向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 各実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えたパチンコ遊技機1を示した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機は、1つの特別図柄表示器が設けられたものであってもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御(たとえば、前述のような制御モードを決める制御、および、演出内容を決める制御等の演出に関する制御)を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このようにすれば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、前述のような制御モードの管理、および、変動パターンの決定等の制御を行なうことができる。
(3) 共通コマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに行なわれる演出としては、次のように第1モードで共通コマンドを受信したときに擬似連の変動表示をし、第2モードで共通コマンドを受信したときに擬似連およびリーチ演出以外の変動表示をする演出を行なうようにしてもよい。この場合は、たとえば、第2モードで共通コマンドを受信したときに行なわれる演出として、滑りのような演出図柄を再変動させる演出、操作ボタン30の操作を伴わずに行なう予告演出(大当り予告の演出)、および、操作ボタン30の操作を伴なう所定の演出(大当り予告の演出)のような、遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができる演出を行なう。具体的には、次のような構成を用いる。演出パターン選択手段は、コマンド受信手段により共通変動表示パターンを示すコマンドを受信したときに、演出モード制御手段が選択に用いる演出モードが第1の演出モードであれば再変動表示(擬似連)を行なう演出パターンを選択し、第2の演出モードであればリーチ演出以外の所定の演出(滑りのような演出図柄を再変動させる演出、操作ボタン30の操作を伴わずに行なう予告演出(大当り予告の演出)、および、操作ボタン30の操作を伴なう所定の演出(大当り予告の演出)のような、遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができる演出)を選択するようにしてもよい。
(4) 共通コマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに行なわれる演出としては、次のように一部の変動パターンについて、第1モードと第2モードとで同じ変動パターンを選択して演出を行なうようにしてもよい。たとえば、所定の同じ共通コマンドに応じて行なう演出として、第2モードのときにリーチ演出としてスーパーリーチの演出を行ない、第1モードのときにも同じスーパーリーチの演出を行なうように、共通コマンドの種類と、選択する演出パターンとの対応付けを設定する。このようにすれば、たとえば、スーパーリーチのような遊技者の期待感が高まる変動パターンのような一部の変動パターンについては、共通コマンドに応じて行なう演出として、第1モードと第2モードとで、演出モードに関係なく同じ変動パターンを選択して演出を行なうようにすることができる。
(5) 共通コマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに行なわれる演出としては、次のように一部の変動パターンについて、第1演出モードと第2演出モードとで同じ種別の変動パターンであるが、演出態様が一部異なる変動パターンを選択して演出を行なうようにしてもよい。たとえば、所定の同じ共通コマンドに応じて行なう演出として、第2演出モードのときにリーチ演出としてノーマルリーチ状態を経てスーパーリーチに発展する演出を行ない、第1演出モードのときにリーチ演出としてノーマルリーチ状態を経ずにいきなりスーパーリーチとなる演出を行なうようにしてもよい。
(6) 突然確変大当りとなるときにおいても遊技制御用マイクロコンピュータ560が共通コマンドを送信するように設定してもよい。そのようにすれば、第2モードであるときには、リーチ演出が行なわれるので、突然確変大当りに突入するときに表示される図柄の組合せとしてのチャンス目が、第1モードと第2モードとで異なるようにすることができる。
(7) 共通コマンドを演出制御用コンピュータ100が受信したときに行なわれる演出のうち、第1モードにおいて第2予告演出を行なう場合には、次のように、第2モードにおいて、共通コマンド以外の変動パターンコマンドを誦して第2予告演出を行なう場合と比べて、操作有効期間が長くなるように設定してもよい。たとえば、第1モードにおいて第2予告演出を行なう場合には操作有効期間を10秒とし、第2モードにおいて第2予告演出を行なう場合には操作有効期間を5秒とする。このようにすれば、第2モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通変動表示パターンの変動時間が長時間に設定されても、操作予告演出による演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。
(8) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(9) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(10) 上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(11) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(12) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(13) 特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けてもよい。その場合には、たとえば大当り判定をする処理等の一部の処理については、共通の処理ルーチンを実行することにより共通化するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連の具体的な変動パターンを決定したが、演出制御用マイクロコンピュータ100が、具体的な変動パターンを決定するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で図36に示すS105AおよびS105Bを実行せずに、これらのステップの処理を演出制御用マイクロコンピュータ100の側で実行することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、擬似連の具体的な変動パターンを決定するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、第1予告および第2予告のような予告の演出について、操作有効期間中に遊技者による操作ボタン30の操作が検出されたときにのみ実行する例を示した。しかし、これに限らず、操作有効期間中に操作ボタン30の操作が検出されなかったときであっても、所定の割合で予告演出を実行するようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、図68に示すように、予告パターン種別決定テーブルにより第1予告または第2予告の予告演出をするか否かも決定する例を示した。しかし、これに限らず、第1予告または第2予告の予告演出をするかを、別に設けた予告可否決定テーブルを用いて決定し、その決定結果に応じて、予告演出として、第1予告と第2予告とのどちらの予告種別を選択するかを予告パターン種別決定テーブルを用いて決定するようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、図68に示すように、予告パターン種別決定テーブルを、大当りになるときと、はずれになるときとに分けて設ける例を示した。しかし、これに限らず、予告パターン種別決定としては、リーチとなるとき(リーチ後はずれの場合とリーチ後大当りの場合との両方を含む)と、リーチとならないときとで分けて設けてもよい。また、予告パターン種別決定としては、リーチはずれになるときと、リーチとならないときとで分けて設けてもよい。また、予告パターン種別決定としては、大当りとなるときと、リーチはずれになるときとで分けて設けてもよい。また、予告パターン種別決定としては、大当りとなるときと、非リーチはずれになるときとで分けて設けてもよい。てもよい。
(21) 前述したステップアップ予告の各予告ステップの演出態様は、ステップアップするときに、その旨を遊技者が認識可能となる演出態様であればどのような演出態様であってもよい。たとえば、各予告ステップの演出態様は、たとえば、第2ステップにおいてリーチ状態が確定し、第3ステップにおいてスーパーリーチ状態が確定するようなものであってもよい。そのような演出態様を採用したときには、リーチがステップアップすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(22) 前述した擬似連の演出としては、擬似連の演出を行なう再変動表示パターンにおいて実行される再変動の回数を報知する演出態様の第1演出と、擬似連の変動表示パターンにおいて実行される再変動の回数を報知しない第2演出とのどちらの演出を用いてもよい。また、これら第1演出と第2演出とのいずれかを選択して実行可能とする変動表示パターン手段を備えるようにしてもよい。
(23) 遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)がコマンド送信手段(図3のS28、図39のS110〜S119)から送信するコマンドに基づいて、演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、当該コマンド送信手段から送信されたコマンドを受信するコマンド受信手段(図51のS611〜S649)を含んでもよく、含まなくてもよい。つまり、遊技制御手段からのコマンドを直接するコマンド受信手段は、演出制御手段に設けられてもよく、演出制御手段とは別の信号処理手段(制御基板またはドライバ基板等の信号処理基板に設けられてもよい。コマンド受信手段が演出制御手段とは別の信号処理手段に設けられた場合は、当該信号処理手段が受信したコマンドが示す情報を演出制御手段に与えるようにすればよい。具体的には、受信したコマンドをそのまま演出制御手段に送信してもよく、受信したコマンドが示す指令を特定可能な情報(信号またはデータ)を演出制御手段に送信してもよい。
(24) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(演出図柄)を変動表示する変動表示部(演出表示装置9)に導出表示された前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行を制御するとともに、前記変動表示部を含む演出装置の制御を行なうためのコマンドを送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて、前記演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記特定遊技状態に制御するか否かを前記識別情報の変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(図37のS61)と、
前記事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示部において前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を少なくとも特定可能な変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段(図38のS101〜S105)と、
前記変動表示パターン選択手段により選択された変動表示パターンを指示する変動表示パターンコマンド(変動パターンコマンド)を含むコマンドを送信するコマンド送信手段(図3のS28、図39のS110〜S119)とを含み、
前記演出制御手段は、前記変動表示部において、前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに仮停止させた後に前記識別情報の変動表示を再度実行する再変動を所定回実行する再変動表示((図73の擬似連演出の再変動)を行なう再変動演出パターン(擬似連演出の演出制御パターン))を実行可能であるとともに(図76、図77の(B))、
前記再変動表示が実行されるときに行なう報知演出として、複数種類の報知態様(図6〜図11に示すような複数種類の演出のパターン)の中から選択した報知態様で報知演出を実行する報知演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図81のS520、図87のS845)と、
前記変動表示パターンコマンドに基づいて、複数態様の演出を実行可能な演出実行手段とを含み、
前記報知演出手段は、
複数種類の報知態様のうちの1つを選択した報知態様で行なう報知演出(図6(A),(B),(C)のパターンa,b,c)と、複数種類の報知態様のうちの複数を選択して
組合せた報知態様で行なう報知演出(図6(D)のパターンd)とを実行可能であるとともに、
期待度に応じて複数種類の報知態様のうちのいずれの報知態様で報知演出を実行するかの割合が異なり(図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3のグループの方が、AB、AC、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組合わされたものが出現する確率が高い。)、
期待度が高い報知演出の実行後、当該報知演出よりも期待度が低い少なくとも一部の報知演出の実行を禁止する禁止手段をさらに備える。
このような構成によれば、再変動表示が行なわれるときの演出のバリエーションをより一層豊富にすることができることに加えて、再変動表示の演出に対する遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(25) 前記特定遊技状態には、第1特定遊技状態と、当該第1特定遊技状態よりも有利な第2特定遊技状態とが含まれ、
複数種類の前記識別情報には、前記第2特定遊技状態に制御されるときに導出表示可能な前記特定表示結果を構成する特別識別情報が含まれ、
前記演出制御手段は、前記再変動表示の変動表示パターンに従って前記識別情報の変動表示を実行して、少なくとも一部に前記特別識別情報を仮停止させた場合には、その後実行される再変動において前記特別識別情報以外の所定の前記識別情報を一部に仮停止させることを禁止する。
さらに、前記演出制御手段は、
予め定められた複数種類の演出パターンの中から、前記変動表示パターンコマンドに基づいて特定された変動表示パターンの変動時間で前記識別情報の変動表示を行なう演出パターンを選択する演出パターン選択手段(図81のS514,S515,S517)と、
該演出パターン選択手段により選択された演出パターンにより前記識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図81のS518〜S521および図87のS841〜S845)と、
前記演出装置の表示態様を複数回の変動表示に亘って規定する演出モードとして、第1の演出モード(図71の(A)、第1モード)と、該第1の演出モードよりもリーチ演出を行なう割合が高い第2の演出モード(図71の(B)、第2モード)とのどちらかに選択して実行し、所定のモード切替え条件(変動回数が所定回数となり、かつ、SR10の値に基づいて変更が決定されたとき)が成立したときに、実行する演出モードを切替える制御を行なう演出モード制御手段(図88のS873C、図89のS891C)とを含み、
前記変動表示パターン選択手段は、前記識別情報の表示結果が前記特定表示結果とならないときに、リーチ演出を行なう変動表示とリーチ演出を行なわない変動表示とで共通に用いる変動表示パターンとしての共通変動表示パターン(図28の共通PH1−1〜PH1−4)を選択可能であり(図20の(A)〜(C)、図23、図28、図38のS98B)、
前記演出パターン選択手段は、前記共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに、前記演出モード制御手段が選択に用いる演出モードが前記第1の演出モードであればリーチ演出を行なわない非リーチ演出パターン(擬似連演出、滑り演出、第2予告演出、遅延停止演出のいずれか)を選択し、前記第2の演出モードであればリーチ演出を行なうリーチ演出パターン(第1リーチ演出〜第4リーチ演出のいずれか)を選択し(図76)、
前記第1の演出モードにおいて、前記共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに前記演出パターン選択手段により選択される前記非リーチ演出パターンは、前記変動表示部において、前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに識別情報を一旦所定の態様(図73の擬似連演出の態様、図74の滑り演出の態様)で仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を所定回実行する再変動表示(図73の擬似連演出の再変動、図74の滑り演出の再変動)を行なう所定態様仮停止再変動演出パターン(擬似連演出の演出制御パターン、滑り演出の演出制御パターン)を含む(図76、図77の(A))。
このような構成によれば、遊技制御手段側において、変動表示パターン選択手段により、識別情報の表示結果が特定表示結果とならないときに、リーチ演出を行なう変動表示とリーチ演出を行なわない変動表示とで共通に用いる変動表示パターンとしての共通変動表示パターンが選択可能である。共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに、演出制御手段の側においては、演出パターン選択手段により、第1の演出モードであればリーチ演出を行なわない非リーチ演出パターンが選択され、第2の演出モードであればリーチ演出を行なうリーチ演出パターンが選択される。このような共通変動表示パターンを用いることにより、演出制御手段側での処理によって第1演出モードと第2演出モードとでリーチ演出を行なう割合が異なるようになるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせるために、遊技制御手段側でリーチ演出を行なう割合を制御する処理をしなくてもよくなる。これにより、遊技制御手段の処理負担を軽減することができる。また、共通変動表示パターンを用いることにより、遊技制御手段側で演出パターンを逐一用意する必要がなくなる。これにより、遊技制御手段の処理負担をより一層軽減することができる。また、変動時間が同じである同一の共通変動表示パターンにより、リーチ演出を行なう変動表示とリーチ演出を行なわない変動表示とを行なうことができるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせるときでも、変動表示1回あたりに要する時間を異ならせる必要がなくなるので、複数のモードでリーチ演出を行なう割合を異ならせることが単位時間あたりにおける遊技の有利不利に影響を及ぼさないようにすることができる。また、第1の演出モードにおいて共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに演出制御手段の側で選択される非リーチ演出パターンは、変動表示部において、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに識別情報を一旦所定の態様で仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を所定回実行する再変動表示を行なう所定態様仮停止再変動演出パターンを含む。第1の演出モードにおいては、このような再変動表示を行なう所定態様仮停止再変動演出パターンで演出が行なわれることにより、第2の演出モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通変動表示パターンの変動時間が長時間に設定されても、所定態様仮停止再変動演出パターンによる演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通変動表示パターンを用いることにより、第1の演出モードと第2の演出モードとで、再変動を行なう所定態様仮停止再変動演出パターンが選択される割合を異ならせることができる。
(26) 前記演出制御手段は、
前記変動表示部において、前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、識別情報とは別に、前記特定遊技状態となることを予告する予告演出(図67のキャラクタ画像を用いたステップアップ予告を行なう第2予告演出)を、前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御しないと決定されたときと比べて前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御すると決定されたときの方が高い割合で実行するように選択する予告演出選択手段(図83のS531〜S537)と、
該予告演出選択手段による選択に応じて、前記予告演出を実行する予告演出実行手段(図81のS520、図87のS845、図90のST16)とをさらに含み、
前記第1の演出モードにおいて、前記共通変動表示パターンコマンドが送信されたときに前記演出パターン選択手段により選択される前記非リーチ演出パターンは、前記予告演出実行手段による予告演出を実行する予告演出パターン(第2予告演出の演出制御パターン)を含み(図76、図77の(C))、
前記予告演出実行手段は、前記演出パターン選択手段により前記予告演出パターンが選択されたときに、前記予告演出選択手段による選択によらず、前記予告演出を実行する(S513、S514、S518〜S520)。
このような構成によれば、第1の演出モードにおいて共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに演出制御手段の側で選択される非リーチ演出パターンは、変動表示部において、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、識別情報とは別に、特定遊技状態となることを予告する予告演出を実行する予告演出パターンを含む。第1の演出モードにおいては、識別情報とは別に、特定遊技状態となることを予告する予告演出が行なわれることにより、第2の演出モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通変動表示パターンの変動時間が長時間に設定されても、予告演出による演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通変動表示パターンを用いることにより、第1の演出モードと第2の演出モードとで、予告演出が選択される割合を異ならせることができる。
(27) 遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン30)をさらに備え、
前記予告演出手段は、実行する予告演出として、予告演出を実行可能な状態とするとともに、前記操作手段が操作されたことを条件として前記予告演出を実行する操作予告演出(第2予告演出)を含み(図67)、
前記予告演出実行手段は、前記演出パターン選択手段により前記予告演出パターンが選択されたときに、前記操作予告演出を実行する(図67、図87のS843d〜S843f)。
このような構成によれば、第1の演出モードにおいて共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに演出制御手段の側で選択される非リーチ演出パターンは、変動表示部において、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、識別情報とは別に、特定遊技状態となることを予告する予告演出として操作手段が操作されたことを条件として予告演出を実行する操作予告演出を含む。第1の演出モードにおいては、操作予告演出が行なわれることにより、第2の演出モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通変動表示パターンの変動時間が長時間に設定されても、操作予告演出による演出の態様により遊技者の興味を引く時間を稼ぐことができるので、遊技者が違和感を受けないようにすることができる。また、共通変動表示パターンを用いることにより、第1の演出モードと第2の演出モードとで、予告演出としての操作予告演出が選択される割合を異ならせることができる。
(28) 前記第1の演出モードにおいて、前記共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに前記演出パターン選択手段により選択される前記非リーチ演出パターンは、前記変動表示部において、前記識別情報の変動表示が開始されてから、表示結果を導出表示するための表示動作のうちの所定のタイミング(左図柄および右図柄とが停止するまでの時間、左図柄が停止するまでの時間、または、高速変動時間)となるまでの時間が、前記リーチ演出において、前記識別情報の変動表示が開始されてから、当該所定のタイミングとなるまでの時間よりも遅延した動作遅延演出パターン(遅延停止演出の演出制御パターン)を含む(図76、図77の(D))。
このような構成によれば、第1の演出モードにおいて共通変動表示パターンを示すコマンドが送信されたときに演出制御手段の側で選択される非リーチ演出パターンは、変動表示部において、識別情報の変動表示が開始されてから、表示結果を導出表示するための表示動作のうちの所定のタイミングとなるまでの時間が、リーチ演出において、識別情報の変動表示が開始されてから、当該所定のタイミングとなるまでの時間よりも遅延した動作遅延演出パターンを含む。第1の演出モードにおいては、動作遅延演出が行なわれることにより、第2の演出モードにおいて行なわれるリーチ演出に合わせて共通変動表示パターンの変動時間が長時間に設定されても、動作遅延演出による演出の態様により遊技者が違和感を受けないようにすることができる。
(29) 前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段による決定結果に基づいて、前記識別情報の変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する変動パターン種別決定手段(図38のS92,S98B,S99,S100)と、
前記事前決定手段による決定結果に基づいて、前記変動パターン種別決定手段により決定された変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から変動パターンを決定する変動パターン決定手段(図38のS105〜S105B)とをさらに含む。
このような構成によれば、変動表示パターンを決定するための手段が、変動表示パターン種別決定手段と変動表示パターン選択手段とに分けられているため、変動表示パターン選択の振り分けの自由度が増すようにすることができる。また、変動表示パターン種別決定手段における種別決定の振り分けを変更せずに変動表示パターン選択手段における変動表示パターン選択の振り分けを変更するだけで変動表示パターンを選択するための設定を変更する設計変更が可能となるので、変動表示パターンの設計変更を容易化することができる。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。