JP5980919B2 - 翼の翼端装置およびそのような翼端装置を有する翼 - Google Patents
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Description
本発明の翼端装置は、通常、航空機の翼または翼状構成要素に取り付けることができる。以下において、「翼」と略される翼状構成要素は、翼、尾翼、スタビライザ、または先尾翼とすることができ、翼の後退角は、正または負とすることができる。翼に取り付けられた翼端装置、または少なくとも2つの従属翼(ancillary wing)部分もしくは従属翼部品を有する主ウイングレット、または翼に配置された従属ウイングレットもしくは補助ウイングレットからなる本発明の問題解決手段を用いて、飛行動作中の翼端装置全体の空気力学的抗力を低減することができ、かつ/または、翼端装置全体に作用する負荷を公知技術の翼端装置と比較して低減することができる。本発明の翼端装置は、翼の構造設計に関係する飛行条件下で発生する負荷を低減することができる。ここで、従属翼部分の長さは、明らかに翼端装置の長さ未満であり、特に、半分未満である。これにより、翼端装置上の少なくとも2つの従属翼部分の数量、および/または大きさ、および/または姿勢、および/または位置を整合および最適化することで、空気力学的負荷がかかった結果として、翼または翼端装置に作用する負荷の増加勾配よりも大きい、抗力の減少勾配を得ることが可能である。
・ 空気力学的負荷の結果として生じる、翼端装置および/または翼にかかる負荷および/または負荷分布の低減、ならびに/あるいは、
・ 飛行動作中の翼端装置および/または翼の抗力の低減、あるいは、
・ 本発明の問題解決手段を用いた、翼端装置全体の抗力の低減と負荷の影響との間の有利な妥協案、
を達成することができる。
・ 少なくとも2つの従属翼部分が、翼端装置に配置され、いずれの翼端装置も流れ面から離れる方向に突出し、
・ 従属翼部分は、いずれも翼端装置の表面との境界面を形成し、これらの境界面は互いに離間して配置される、
ようにすることができる。
特に、従属翼部分の配置に関し、従属翼部分の1つは、概して凸形の湾曲を有する、すなわち、一部の中間部分で逸脱することもあり得るが、第1の端部から第2の端部まで全体的に見て凸形の湾曲部を有する外側面に配置されるようにすることができる。したがって、特に、YZ平面内で翼端装置を横断する断面に関して、少なくとも1つの従属翼部分が、翼端装置の概して凸形の湾曲を有する側に配置されるようにすることができる。本発明の有利な一実施形態によれば、さらなる従属翼部分が、翼端装置の概して凸形の外側面に配置されるようになっている。
翼端装置の発明の一実施形態によれば、従属翼部分は、局所翼端装置座標系の厚さ方向に沿って延びるようにすることができる。
翼端装置のさらなる発明の実施形態によれば、特に、発明で定義される従属翼部分の局所中心面は、少なくとも、従属翼部分の全長の85%までの領域内で、局所翼端装置座標系の局所厚さ方向に対して30°未満の角度で傾斜するようにすることができる。
さらに、翼端装置の発明の実施形態によれば、翼端装置または主翼の表面のそれぞれの地点に直角な従属翼部分の長さは、最小で翼の半幅の1.0%であるようにされる。
翼端装置のさらなる発明の実施形態によれば、従属翼部分は、その第1の端部と外側端部との間の長さが、従属翼部分の最大翼弦の少なくとも2倍であるように構成される。
翼の発明の実施形態によれば、発明で構成された少なくとも1つの従属翼部分が、主翼上にさらに配置される。
本発明のさらなる態様によれば、翼はまた、発明の実施形態による翼端装置を設けられる。
本発明の翼端装置の実施形態のさらなる例によれば、翼Tは、移行領域Aを有さず、その結果、主翼Hの面から翼端装置Wへの移行部は、接線が連続した形で(すなわち、少なくとも1回微分することができる)、または曲率が連続した形で形成される。主翼Hおよび、特に、その局所長手方向Lは、主翼付根から見て、主翼付根から移行領域Aの先頭まで平面的に、特に、一定の上反角で、すなわち直線的に延びる。特に、主翼Hの領域に長手方向から形成された基準線は、曲率が連続した形で構成される。この場合に、主翼は、長手方向Lに沿った主翼Hの任意の位置で、主翼の翼幅の20%の幅にわたって測定した、長手方向Lに沿った上反角の偏角が1°未満である場合に直線として認められる。一実施形態によれば、翼端装置は、機体の中心軸を0%とした半翼幅に関して80〜100%の翼幅領域に配置される。翼幅方向の範囲は、座標系KS−Fのy−方向に一致する。一実施形態によれば、基準線および/または第1の面S1および第2の面S2は、点A1において連続した曲率を有さず、連続した接線または屈折点のみを有する。
本発明によれば、翼端装置Wに配置され、互いに離間して配置された複数の従属翼部分100はいずれも、翼端装置Wの表面との境界面q0を形成することができる。
特に、図4〜6に示すように、外側部分Bが平面構造であるために、移行領域と外側領域Bと間の移行部で第1の面S1−Wおよび第2の面S2−Wが屈折することがある。これに関して、特に、基準線Lはこの位置で屈折する、すなわち、この位置において連続する接線を形成されない。
Claims (15)
- 翼(T;10a、10b)用の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)であって、内側端部(E1)および外側端部(E2)を有し、かつ、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の局所上反角が内側端部(E1)から外側端部(E2)へ増加または減少し、正圧流れ面(U−W)および負圧流れ面(P−W)を有しており、
・ 少なくとも2つの従属翼部分(100;101、102、103)が、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)に配置され、いずれも翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の流れ面から突出することと、
・ 前記従属翼部分(100;101、102、103)はいずれも、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の流れ面との境界面(q0)を形成し、前記境界面は互いに離間して配置されることと、
を特徴とする翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。 - 各境界面対間の分離距離は、前記少なくとも2つの従属翼部分(100;101、102、103)の短い方の長さ(p)の少なくとも1.5倍であることを特徴とする、請求項1に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- YZ−平面内で翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)を横断する断面に関して、少なくとも1つの従属翼部分(100;101、102、103)が、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の概して凸形の湾曲を有する側に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分の局所中心面は、少なくとも、前記従属翼部分(100;101、102、103)の長さの85%までの領域内で、局所翼端装置座標系(KS−W)の局所厚さ方向(D−W)に対して30°未満の角度で傾斜することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分(100;101、102、103)の表面積は、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の表面積、または翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の中心面の面積の30%未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分(100;101、102、103)の表面積は、翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の表面積、または翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の中心面の面積の5%を超えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)または主翼の表面のそれぞれの位置に対して直角な前記従属翼部分(100:101、102、103)の長さ(p)は、前記翼の半翼幅の5%未満であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 翼端装置または主翼の表面のそれぞれの位置に対して直角な前記従属翼部分(100:101、102、103)の長さ(p)は、最小で前記翼の半翼幅の1.0%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分(100;101、102、103)の厚さは、前記従属翼部分(100;101、102、103)が取り付けられた位置における翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の局所厚さと同じまたはそれ未満であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分(100;101、102、103)の構成は、前記従属翼部分(100;101、102、103)の第1の端部(Z1)と外側端部(Z2)との間の長さ(p)が、前記従属翼部分(100;101、102、103)の最大翼弦の少なくとも1倍の長さであるようになっていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。
- 前記従属翼部分(100;101、102、103)のテーパは、0.2〜0.8の範囲の値を有し、
前記従属翼部分(100;101、102、103)のテーパは、前記従属翼部分の内側端部(Z1)から見て、前記従属翼部分(100;101、102、103)の全長の10%の位置の局所翼弦を、前記従属翼部分の内側端部(Z1)から見て、前記従属翼部分(100;101、102、103)の全長の85%の位置の局所翼弦と比較したものとして定義されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。 - 相対厚さが6%〜15%であり、
前記相対厚さは、全体的に見た前記従属翼部分の最大厚さを前記従属翼部分の断面翼弦と比較したものとして定義され、
前記断面翼弦は、前記従属翼部分のそれぞれの断面領域qの最大幅として定義され、前記最大厚さは、前記従属翼部分の同じ断面領域qにある断面翼弦に直角な最大高さとして定義されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。 - 前記従属翼部分(100;101、102、103)の構成は、その第1の端部(E1)での前記従属翼部分(100;101、102、103)の翼弦が、局所翼端装置座標系(KS−W)の翼弦方向(T−W)における翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の翼弦と比較して、20%〜80%の範囲にあるようになっており、
翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の翼弦は、前記局所翼端装置座標系(KS−W)の厚さ方向(D−W)が、前記従属翼部分(100;101、102、103)の第1の端部(E1)を通る地点での翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)の翼弦であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の翼端装置(W;W1、W2、W4、W5、W6、W7、W8)を有する翼(T)。
- さらに、少なくとも1つの従属翼部分(100;101、102、103)が前記主翼に配置されることを特徴とする、請求項14に記載の翼(T)。
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