JP2015166244A - 航空機の固定翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法、または他の幾何学的もしくは空気力学的な特性を調整して、航空機の幅広い性能範囲を実現可能な翼端装置に適応できるアダプタ部分を有する固定翼を提供すること。【解決手段】半翼幅にわたって延びる主翼を有する航空機の固定翼であって、主翼は、主翼の翼幅方向に沿って延びる翼桁と、翼幅方向に見て前後に順次配置された複数のリブと、外板とで構成された翼ボックスを含む。翼ボックスは、翼ボックスベース部(K10)と、翼付根から見て翼ボックスの外側端部領域を形成し、翼端装置(W)を固定するように設計された翼ボックスアダプタ部(20)とで構成される。その基準構築状態において、それぞれの局所的な翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部の上反角は、翼ボックスベース部(K10)の外側リブ(R2)から翼ボックスアダプタ部の最外リブ(R5)まで、最大で60?だけ連続的に大きくなる。【選択図】 図4

Description

本発明は、航空機の固定翼に関する。
固定翼の空気力学的効率を向上させるために、幾何学的形状および構造寸法の点で異なる非平面翼端装置または翼端形状体を有する固定翼は従来技術から公知である。
前縁および後縁と共に上側面および下側面を有する翼用の翼端拡張部であって、局所上反角が連続的に大きくなり、前縁および後縁の両方の後退角が一定して大きくなり、翼と結合する連結領域と先端部との間で翼弦が連続的に短くなり、連結領域において、基本的に連続的に接した状態で翼と結合するような幾何形状を有する翼端拡張部は(特許文献1)から公知である。
(特許文献1)は、主に空気力学的抵抗を小さくし、ひいては空気力学的効率を上げるために設けられた様々な翼形状体またはウイングレットを有する複数の固定翼を提示している。翼端形状体とは、新たな固定翼または航空機全体を設計する、あるいは既存の航空機にそのような翼端形状体を追加導入するプロセスの不可欠な要素であると考えることができる。後者の場合、現在の翼端形状体の幾何学的形状が別のものに置き換えられる。両者の場合において、翼端形状体を設計するときに、空気力学的効率を上げることは、翼付根の曲げモーメントを使用して簡略化した態様で表現されることが多い構造負荷のあらゆる変化、多くの場合は増大、および航空機の重量に関連して生じるすべての結果とバランスをとらなければならない。様々な先端形状を評価することで、それぞれの設計シナリオおよび境界条件に伴い様々な結果を得ることができる。
いわゆる翼端フェンス(WTF)も一般的な先行技術から公知であり、この翼端フェンスは、2つの同様な寸法の部品で構成され、翼に対してほぼ直交する上方および下方に延びる。翼を流れる気流の質を最適化するために、翼端形状体は、翼端形状体が置かれる主翼の外側端部と翼端形状体との間の後退角および上反角が連続して滑らかに移行されている。
独国特許出願公開第101 17 721A1号明細書
本発明の目的は、寸法、または他の幾何学的もしくは空気力学的な特性を調整して、航空機の幅広い性能範囲を実現可能な翼端装置に適応できるアダプタ部分を有する固定翼を提供することである。本発明の別の目的は、1つの航空機形式の変形型、例えば、ある航空機形式の貨物用または旅客用変形型の空気力学的性能を改善できるアダプタ部分を有する固定翼を提供することである。本発明の目的はまた、アダプタ部分およびそのようなアダプタ部分を有する固定翼を提供することであり、アダプタ部分により、寸法および/または性能範囲という点で異なる固定翼航空機に、固定翼および航空機の空気力学的特性を向上させるための翼端装置を追加導入することが可能になる。
この目的は、請求項1の特徴で達成される。さらなる実施形態は、請求項1に関連する従属請求項に示される。
本発明によれば、固定翼は、固定翼の主要部分にわたって翼幅方向に延びる主翼ボックス領域を含む翼ボックスを有する。主翼ボックス領域は、固定翼の主翼の支持構造体を含む。主翼ボックス領域は、翼ボックスアダプタ部を有し、この翼ボックスアダプタ部は、翼付根から見て翼ボックスの外側端部領域を形成し、固定翼のアダプタ部の支持構造体を構成する。本発明によれば、固定翼は、より多岐にわたる翼端形状体またはウイングレットを取り付けるための翼ボックスアダプタ部またはアダプタ部を含み、この場合に、それ自体が、完全ではなくとも最適化された空気力学的特性を有する。
例えば、米国特許第5348253号明細書、国際公開第247979A3号パンフレット、および国際公開第2008/061739A1号パンフレットのような先行技術による翼端装置で、公知の所望する空気力学的効果を得るために、翼端装置は、主翼への移行部を含む湾曲した内側領域と、翼端装置の翼幅全体にわたって見て、上反角の変化を比較的小さくすることを意図して最大限に延長された外側領域とを有する。この結果、翼端装置の寸法または翼幅に対して、言い換えると、主翼の主要部分の長手方向の伸長との関係において、翼に付けた翼端装置の構造高さが最大限になる。結果として、先行技術の翼は、この種のきわめて限定された翼端装置の統合に最適化されて、翼厚方向に見て主翼の外側端部に対して翼端装置の構造高さが比較的高くなるように、翼幅方向に見て固定翼の主要部分と翼端装置の外側領域との間の移行領域にある、翼の主要領域から続く移行部に沿って上反角が比較的大きく変化し、一方、それと同時に、翼端装置の端部領域では、上反角が比較的小さく変化するだけでよい。
翼端装置は通常、構成段階で個別に最適化されるため、先行技術では、翼端装置の設計および構成時に、可能な限り平面に近い、すなわち、ほとんど平面である翼端装置として、翼端装置を開発、試験、および最適化する。この点において、「可能な限り平面に近い、すなわち、ほとんど平面である」とは、それぞれの翼端装置が、その翼幅方向に見て最大で約15°の上反角の若干の変化を示すことを意味する。これは、比較的小さい翼端形状体および比較的大きい翼端形状体の両方に当てはまる。
先行技術から公知の具現化形態とは対照的に、本発明による固定翼は、上反角の変化が比較的小さい、固定翼の翼端装置またはベース翼端装置を形成するアダプタ部を有する。この場合に、ベース翼端装置の上反角は、20°〜45°の範囲の量だけ連続的に大きくなる。この場合に、ベース翼端片は、ベース翼ボックス部の外側リブからベース翼端装置の翼ボックス部の最外リブまでの間に延びる。本発明による固定翼は、航空機の空気力学的特性を最適化する翼端装置が、ベース翼端装置に配置され得るように設計される。したがって、この点において、ベース翼端装置は、主翼または翼の主要部を最適化する翼端装置を取り付けられる翼ボックスアダプタ部を有するアダプタ部に相当する。したがって、固定翼全体としての空気力学的特性を、例えば、特定の航空機構成に対して最適化するために、ベース翼端装置が、最適化した翼端装置をベース翼端装置に取り付けることができるように本発明に従って設計される限りにおいて、ベース翼端装置、すなわちアダプタ部を有する固定翼は、準最適な空気力学的特性を有する。
本発明に従って移行領域を構成することで、固定翼が、特に、音速に近い速度領域で使用するのに適するものとなる。
本発明によれば、この翼ボックスアダプタ部は、航空機の変形型または特別の用途範囲に対して最適化され、翼ボックスアダプタ部に固定された翼端装置を有することができる。本発明の好ましい実施形態は、様々な翼端装置を本発明によるそれぞれの翼ボックスアダプタ部に固定できるようにする。本発明によれば、固定翼は、固定翼にすでに取り付けられた翼端装置を特別な用途に特に適した対応する翼端装置に置き換えることで、これを行うための固定翼の変更をほとんど、または全く必要とせずに、特別な用途に対して最適化することができる。
翼ボックスアダプタ部の端部領域は、本発明による、様々な形状および大きさの翼端装置を取り付けるのに適しているため、固定翼はまた、空気力学的性能に関して準最適な構造を有するが、さらに固定翼の構造を相応して調整することで、特定の限度内で空気力学的な最適化を可能にする固定翼として適している。特に、アダプタ部のこの構造により、幅広い種類の翼端装置の取り付けが可能になる。
したがって、本発明によれば、固定翼はまた、翼端装置なしで飛行することもでき、固定翼は、さらに従来の平面固定翼と比較して、改良された空気力学的性能を示す。さらに、固定翼は、比較的長く延長され、大きさの点で変わることがある翼端装置の取り付けを可能にする。以下の寸法を例として記載する。
固定翼の半翼幅に対して翼端装置の高さを、例えば、小さい翼端装置の場合に3%以上変えることができ、非常に大きい翼端装置の場合に11%以上変えることができる。
したがって、本発明に従って提供される翼端装置は、主翼の外側端部にある翼ボックスアダプタ部に固定され、それにより、例えば、旅客用の飛行中に最適な空気力学的効率が得られる独立した部品として具現化することができ、仮にあるとしても、翼構造体に対する比較的小さい、ひいては経済的に比較的有益な変更のみが必要とされる。
本発明によるアダプタ装置の特徴により、翼端装置が固定される固定翼の性能、さらには、その固定翼を有する航空機全体の性能が向上する。本発明によるアダプタ装置の構成により、航空灯をこれを覆うキャノピーと共に収容および統合することが可能になる。
さらに、改造の過程でアダプタ装置を翼に取り付ける場合に、翼に作用するさらなる構造負荷を小さい状態に保ち、本発明による構造をそれぞれの個々のケースの状況に合わせて相応に調整することで、構造負荷を無視できるレベルまで小さくすることが、本発明によるアダプタ装置の実施形態を用いて達成可能である。これは、本発明によるアダプタ装置を、特に、仮にあるとしても、翼に対するごくわずかな変更で既存の航空機の翼を改造するのに適したものにする。
本発明によれば、特に、半翼幅にわたって延びる主翼を備える航空機の固定翼が提供され、主翼は、主翼の翼幅方向に沿って延びる翼桁と、翼幅方向に見て前後に順次配置された複数のリブと、外板とで構成された翼ボックスを有し、
・翼付根から見て主翼の最外リブの位置にある主翼の翼弦は、翼ボックスの半翼幅の5%〜15%の長さであり、
・翼ボックスは、主翼ボックス領域と、翼付根から見て翼ボックスの外側端部領域を形成し、翼端装置を固定するように設計されたボックスアダプタ部とで構成され、
・翼ボックスアダプタ部は、主翼ボックス部の外側リブから、翼ボックスの半翼幅の2%〜10%にわたって、主翼の最外リブを形成する翼ボックスアダプタ部の外側リブまで延びる。
本発明による固定翼の一実施形態は、その基準構築状態において次のように構成される。
・それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部の上反角が、主翼ボックス部の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまで少なくとも10°だけ連続的に大きくなる。
本発明によれば、固定翼の前縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域で少なくとも5°だけ大きくなってもよい。
本発明の別の実施形態では、特に、
・それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部の上反角が、翼ボックスベース部の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまで10°〜60°だけ連続的に大きくなる。
本発明により達成可能な技術的効果を特に有益な態様で達成できる特別な例示的実施形態では、固定翼は、それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部の上反角が、翼ボックスベース部の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまで20°〜45°だけ連続的に大きくなるように設計される。
代替案として、またはそれに加えて、固定翼の前縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域で10°〜45°だけ大きくなってもよい。本発明により達成可能な技術的効果を特に有益な態様で達成できる特別な例示的実施形態では、固定翼は、固定翼の前縁の局所後退角が、翼ボックスアダプタ部の領域で10°〜35°だけ大きくなるように設計される。
本発明によれば、翼ボックスアダプタ部の外側端部は、翼端装置を取り付けるための連結装置を有することができる。特に、連結装置は、翼ボックスアダプタ部の外側リブに設けることができる。
本発明によれば、翼ボックスの外側端部領域を形成する翼ボックスアダプタ部は、翼端装置を取り付けるように設計することができ、翼端装置は、内側リブで主翼ボックス部の外側リブに固定される。
この場合に、連結装置は、翼ボックスアダプタ部と連結される翼端装置を翼ボックスアダプタ部に確実に結合するように、翼付根から見て翼ボックスアダプタ部の外側端部にある強制的ロック部品として設計される。
さらに、本発明では、固定翼の後縁の局所後退角が、翼ボックスアダプタ部の領域で少なくとも5°だけ大きくなる。
本発明ではまた、固定翼の後縁の局所後退角が、翼ボックスアダプタ部の領域で最大20°だけ大きくなる。
翼ボックスアダプタ部の有益な実施形態では、それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部の上反角は、主翼ボックス部の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまで、20°を超えるが、45°以下で連続的に大きくすることができる。
翼ボックスアダプタ部の有益な実施形態では、固定翼の前縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域において、10°を超えるが35°以下で大きくすることができる。
翼ボックスアダプタ部を主翼ボックス領域に結合するために、本発明では、翼付根から見て主翼ボックス部の外側端部は、隣接する翼ボックスアダプタ部の内側端と共に、それぞれが、翼ボックスアダプタ部を主翼ボックス領域に結合する結合装置を確立するための連結装置を成すことができる。
この場合に、結合装置は、連結装置を形成するために、主翼ボックス部の外側リブおよび翼ボックスアダプタ部の内側リブがそれぞれ、翼ボックスアダプタ部を主翼ボックス領域に結合できる連結要素を収容する穴、特に、ドリル穴および/またはスロットを有するように設計することができ、連結要素は、外側リブを内側リブに固定して、主翼ボックス部を翼ボックスアダプタ部に結合するために用意される。さらに、結合装置は、連結要素を破壊することで翼ボックスアダプタ部を分離するか、あるいは、全く破壊することなく、翼ボックスアダプタ部の分離を可能にするように設計することができる。
これらの実施形態では、翼ボックスアダプタ部の内側リブおよび主翼ボックス部の外側リブは、互いに固定された場合に、確実に結合および係合するように設計することができる。
さらに、本発明の固定翼において、固定翼の翼弦が、主翼ボックス部の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまでの翼ボックスアダプタ部の領域で、少なくとも95%に、最大で45%に縮小される。
本発明による固定翼を説明するために本明細書で示すパラメータ値、例えば、固定翼の前縁または後縁の上反角または局所後退角の値は、その基準構築状態の固定翼、したがって、外部負荷を受けていない固定翼に関するものである。
本発明の別の態様では、固定翼には、本発明によるアダプタ装置が設けられる。
本発明の例示的な実施形態が、添付図に基づいて下記に説明される。
本発明による翼端装置の例示的な実施形態を有する航空機を示す概略斜視図。 翼アダプタ部を含む、本発明による固定翼の例示的な実施形態を有する航空機を示す概略側面図。 本発明による翼ボックスアダプタ部および翼端装置の例示的な実施形態を示す概略背面図。 本発明による翼端アダプタ部と、それに固定される、破線で示した翼端装置とを含む固定翼の第1の例示的実施形態を示す概略平面図。 翼アダプタ部を含む、本発明による固定翼の外側部分の例示的な実施形態を示す分解図。 本発明による翼アダプタ部を用いて固定翼に連結するのに適した翼端装置Wの実施形態W1を示す斜視図。 本発明による翼アダプタ部を用いて固定翼に連結するのに適した翼端装置Wの実施形態W2を示す斜視図。 本発明による翼アダプタ部を用いて固定翼に連結するのに適した翼端装置Wの実施形態W3を示す斜視図。 本発明による固定翼の実施形態を示す平面図。 図7による固定翼の実施形態を示す側面図。 図7による固定翼の実施形態の背面図。
図1に示す例示的な実施形態は通常の形態で本発明を使用できる定型の航空機Fであって、それぞれが少なくとも1つの補助翼5aまたは補助翼5bを有する2つの固定翼T1,T2を有する。図1に示す航空機の各固定翼T1,T2はまた、高揚力フラップとして、3つの前縁揚力ユニット3a,3bおよび3つの後縁揚力ユニット4a,4bを有する。固定翼T1,T2は任意で、それぞれ複数のスポイラ2a、2bを有することができる。さらに、航空機Fは、方向舵9を有する方向舵ユニット8と、少なくとも1つの昇降舵7を有する昇降舵ユニット6とを含む尾部アセンブリHを有する。昇降舵ユニット6は、例えば、図1に示すようにT字形尾部ユニットとして、または横方向尾部ユニットとして使用することができる。
本発明による航空機Fはまた、図1に示す航空機とは異なる形状を有することもできる。例えば、本発明による航空機は、高配置翼(high set wing)を有する単葉機または全翼機とすることもできる。航空機は、昇降舵ユニットの代わりに先尾翼を有する航空機とすることもできる。
図1は、航空機長手軸X−F、航空機横軸Y−F、および航空機垂直軸Z−Fを有する、航空機に関する座標系KS−Fを示している。
各固定翼T1、T2は、翼幅方向に対する軸S−Tと、翼弦方向に対する軸T−Tと、固定翼の厚さ方向に対する軸D−Tとを有する、固定翼に割り当てられた固定翼座標系KS−Tを有する(図3)。固定翼の座標系KS−Tは局所座標系であり、局所的な固定翼翼弦方向FTが、航空機座標系KS−FのX−方向または長手方向に、固定翼Tの翼弦方向に対して平行に延び、固定翼Tの座標系KS−Tの翼厚方向FDが、航空機座標系FS−FのZ−方向、または航空機Fの垂直軸Zの方向に対して平行に延びるように本発明による定義に基づいて向きを合わされる。固定翼Tの局所座標系KS−Tの軸の向きおよび原点は、本発明による代替方法として、固定翼Tの各点でそれぞれ生じる固定翼Tの最小断面に基づいて画定することができ、局所座標系KS−Tの原点は、それぞれの断面領域に対して生じ、その断面領域内に位置する図心であり、局所的な固定翼厚さ方向FDおよび局所的な翼弦方向FTは、それぞれの最小断面領域にある。
図3、図4、図5、および図6a〜6cは、航空機の長手方向X−Fで見て右固定翼T1の形態の、本発明による翼の実施形態を示している。図3、図4、図5、および図6a〜6cはまた、航空機座標系KS−Fおよび固定翼Tの座標系KS−Tを示している。右固定翼T1に関する下記の説明は、左固定翼T2に対して同様に適用することができる。
本発明による固定翼Tまたはその主翼M、すなわち、フラップや他の翼のない固定翼Tは、全体として、固定翼の負圧面側に位置する上側面S1と、上側面S1の反対側で固定翼Tの正圧面側に位置する下側面S2と、前縁ELと、後縁ETとを示し、翼ベース領域10および翼アダプタ部20で構成されている。
固定翼Tは、固定翼の流れ面を形成する翼の外板に取り付けられた翼ボックスKを含む。翼ボックスKは、主翼の翼幅方向に沿って延びる翼桁Hと、翼幅方向に見て前後に順次並び、翼弦方向T−Tに沿って延びる複数のリブとを含む。図4に示す翼ボックスKは、例えば、2つの翼桁H、具体的には、前縁ELに沿って延びる前部主翼桁H1と、後縁ETに沿って延びる後部主翼桁H2とで設計されている。それぞれが翼弦方向T−Tに延びる数個のリブRは、主翼桁H1,H2に固定されている。例えば、リブは、図4にR1,R2,R3,R4およびR5で示されている。主翼桁H1,H2は、図4に示すものとは異なる方法で具現化することもでき、例えば、固定翼Tの翼幅方向S−Tに見て前後に順次配置された数個の部品で構成することができる。リブRはまた、図4に概略的に示すものとは異なった形で設計することもできる。例えば、リブは2つの外側翼桁、すなわち、主翼桁H1,H2の間に延びる必要はなくて、むしろ、固定翼Tは、リブが2つの隣接する翼桁間に延びるように設計することができる。固定翼Tの外板は、固定翼の複数の、またはすべての翼桁および/またはリブに固定される。
本発明によれば、翼ボックスKは、主翼部10を形成する翼ボックスベース部または翼ボックス主領域K10と、翼付根から見た翼ボックスKの外側端部領域を含み、翼アダプタ部20を形成する翼ボックスアダプタ部K20とで構成されている。
本発明によれば、翼ボックスアダプタ部K20は、翼端装置またはウイングレットWを取り付けるように設計されている。例示を目的として、図4の破線は、翼ボックスアダプタ部K20の外側端部に配置された翼端装置またはウイングレットWの外形線を示している。翼ボックスアダプタ部K20に着脱できる翼端装置Wは、これらの図において、飛行方向または航空機の長手軸Xと反対方向との関係で見て右手の翼に対して示されている。
本発明によれば、特に、翼ボックスアダプタ部K20の外側端部は、翼端装置Wを取り付けるための連結装置を有する。翼ボックスアダプタ部K20は、翼幅方向S−Tに見て、第1の内側端部21および1つの外側端部22を有する。翼ボックスアダプタ部K20の外側端部22は、翼付根から見て外側にある、固定翼Tの翼幅方向の端部を形成している。翼ボックスアダプタ部K20が属する翼アダプタ部20は、固定翼T全体の前縁ELの一部である前縁23と、固定翼T全体の後縁の一部である後縁24とを有する。
本発明の別の実施形態では、翼端装置Wを翼ボックスアダプタ部K20に結合する連結装置は、翼付根から見て翼ボックスアダプタ部K20の最外リブR5に形成される。この場合に、最外リブR5自体は、翼端装置Wを取り付けることができるように構造上設計することができる。さらに、連結装置は、翼ボックスアダプタ部K20と連結される翼端装置Wを翼ボックスアダプタ部K20に確実に結合するために、翼付根から見た外側端部を強制的ロック部品として設計することで具現化することができる。したがって、翼ボックスアダプタ部K20の外側リブR5および翼端装置Wの内側リブは、互いに取り付けられたときに、内側リブが確実に結合するように設計することができる。したがって、この場合に、翼ボックスアダプタ部K20の外側リブR5は、外側を向いた、または取り付けられる翼端装置Wに面した形状面を有する。
概して、本発明では、翼付根から見て翼ボックス主要部K10の外側端部が、隣接する翼ボックスアダプタ部K20の内側端と共に、翼ボックスアダプタ部K20を翼ボックス主領域K10に結合する結合装置を形成するために、それぞれ連結装置を有することができる。結合装置は、特に、翼ボックス主要部K10の外側端部の連結装置によって具現化することができ、連結装置では、翼ボックス主要部K10の外側リブが、翼ボックスアダプタ部K20の内側リブと共に、翼ボックスアダプタ部を主翼ボックス領域に結合できる連結要素を収容するためのドリル穴、および/またはスロットをそれぞれ有する。連結要素は、外側リブを内側リブに取り付けて、翼ボックス主要部K10を翼ボックスアダプタ部K20と結合するために用意される。
図4の例示的な図解では、翼ボックスアダプタ部K20は、翼付根から見て最外リブR5、中央リブR4、および最内リブR3を有する。翼ボックスアダプタ部K20は、主翼に結合される独立した構成要素として設計することができる。代替案として、翼ボックスアダプタ部K20は、固定翼Tの一体で独立していない構成要素として設計することもできる。図4の図解では、翼ボックスアダプタ部K20は、固定翼Tの独立した構成要素として設計され、翼ボックスアダプタ部K20の最内リブR3は、翼ボックス主要部K10の最外リブR2に結合されている。この場合に、翼ボックスアダプタ部K20の最内リブR3および翼ボックス主要部K10の最外リブR2は、直接接することができる。代替案として、翼ボックスアダプタ部K20の最内リブR3および翼ボックス主要部K10の最外リブR2は、互いに直接張り付けることができる。本発明によれば、特に、翼ボックスの外側端部領域を形成する翼ボックスアダプタ部K20は、翼端装置Wを取り付けるように設計される。この場合に、特に、内側リブを有する翼ボックスアダプタ部K20は、翼ボックス主要部K10の外側リブと連結することができる。
翼ボックスアダプタ部K20を翼ボックスベース部K10に結合する結合装置は、この場合に、特に、連結要素を破壊することで翼ボックスベース部K10が分離されるように設計することができる。代替案として、結合装置が非破壊的に分離できるように結合装置を設ける態様で、結合装置を設計することができる。
翼ボックスアダプタ部K20は、翼ボックスアダプタ部K20を翼ボックス主要部K10の外側リブから、翼ボックスKの半翼幅の2%〜10%にわたって、主翼の最外リブを形成する翼ボックスアダプタ部K20の外側リブまで延ばすことによって、翼端装置が取り付くように設計される。
その基準構築状態にある本発明による固定翼の場合、それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部K20の上反角は、翼ボックス主要部K10の外側リブから翼ボックスアダプタ部K20の最外リブまで少なくとも10°だけ連続的に大きくなる。代替案として、またはそれに加えて、本発明による固定翼は、その基準構築状態において、固定翼の前縁の局所後退角が、翼ボックスアダプタ部K20の領域で少なくとも5°だけ大きくなるように設計することができる。
翼端装置を取り付けるように設計された翼ボックスアダプタ部を有する、本発明による固定翼は、このために、翼端装置の取り付け用の連結装置を有することができ、固定翼の上反角および/または固定翼の前縁の局所後退角の連続的な増加により、比較的広範な翼端装置を取り付けることを可能にする。本発明に従って取り付けられる翼端装置W,W1,W2,W3に関しては、翼端装置W,W1,W2の局所上反角が内側端部E1から外側端部E2まで連続的に大きくまたは小さくなる。翼端装置W,W1,W2またはその第2の端部E2は、上反角の増加に伴い上方に向けられるか、あるいは翼端装置W,W1,W2またはその第2の端部E2は、上反角の減少に伴い下方に向けられる。
本発明において、固定翼Tから続く「上部」とは、固定翼Tの上面S1から遠ざかる方向か、または航空機座標系KS−Fの正のZ方向か、または固定翼座標系KS−Tの正の翼厚方向と解釈されるべきである。
本発明による固定翼の一実施形態では、それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部K20の上反角が、翼ボックス主要部K10の外側リブから翼ボックスアダプタ部K20の最外リブまで連続して大きくなることを前提として、この増加は少なくとも10°であり、最大で60°である。好ましい実施形態では、それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部K20の上反角の翼ボックス主要部K10の外側リブから翼ボックスアダプタ部K20の最外リブまでのこの増加は、少なくとも20°であり、最大で45°である。
上反角または局所上反角は、長手軸方向Lに沿って延びる、本発明による固定翼の第1の基準線、および、必要に応じて、固定翼に取り付けられた翼端装置Wに対する基準線に適用することができる。この場合に、局所上反角とは、それぞれの上反角が求められる点において第1の基準線に沿って延びる接線と、第2の基準線またはデータム線との間の角度である。第1の基準線は、特に、航空機座標系KS−FのX−Z平面にある、固定翼Tまたは翼端装置Wの断面領域の図心の接続線によって画定される。第2の基準線は、特に、航空機座標系KS−FのY−軸に平行に延びる線とすることができる。第1の基準線はまた、翼または翼の高揚力フラップの前縁線または後縁線とすることもできる。
本発明によれば、長手方向Lは、特に、説明した基準線と同一とすることができる。長手方向軸Lは、それぞれの局所的な翼端装置厚さ方向D−Wおよび局所的な翼端装置翼弦方向T−W、または局所的な固定翼厚さ方向D−Tおよび局所的な固定翼翼弦方向T−Tがある、最小断面積を有するこれらの領域の図心の接続線とすることができる。
本発明による固定翼Tに固定される翼端装置Wの形状を説明するために、固定翼に固定される翼端装置W用の局所座標系KS−Wについて言及するが、局所座標系KS−Wは、説明した固定翼T用の局所座標系KS−Tと同様に定義され、翼端装置Wの長手方向Lの伸展を示す点で局所的に形成される。翼端装置W用の局所座標系KS−Wは、局所的な翼端装置翼幅方向S−W、局所的な翼端装置厚さ方向D−W、および翼端装置翼弦方向T−Wを軸として有する。座標系の向きは、航空機座標系に基づいて、あるいは固定翼Tの各点で生じる固定翼Tの最小断面領域に基づいて上記に説明した局所固定翼座標系KS−Tと同様に定義することができる。
翼端装置が配置される翼Tの翼幅方向SWに関して、翼端装置Wは、翼端装置連結部を形成する内側端部E1と、翼端装置Wの第2の端部E2である、翼端を形成する外側端部とを有し、翼端装置Wが固定された固定翼Tの最外端部から伸展して、その翼幅方向SWにおいて固定翼Tを延長する。翼端装置Wは、それぞれ第1の端部E1と第2の端部E2との間に延びる後縁W−ETおよび前縁W−ELを有する。
翼アダプタ部20を用いて固定翼Tに連結するのに適した翼端装置Wの様々な実施形態W1,W2,W3が図6a〜6cに示されている。本発明による固定翼Tは、図6a、図6b、および図6cの実施形態に示すように、内側端部E1から外側端部E2まで連続的に大きくなる、または小さくなる局所上反角を有する翼端装置の取り付けに特に適している。翼端装置Wの例示的な一実施形態では、翼端装置Wの上側面および/または下側面は、すべての方向において、接線または曲率が連続的であり得る。特別な例示的実施形態では、翼端装置Wの上側面および/または下側面は、1つまたは複数の位置で屈曲を示すこともできて、上側面および/または下側面は、少なくとも所与の部分で連続する。
本発明による固定翼の例示的な実施形態では、固定翼Tの翼弦は、翼ボックス主要部K10の外側リブから翼ボックスアダプタ部K20の最外リブまでの翼ボックスアダプタ部K20の領域において、翼ボックス主要部K10の外側リブの位置での固定翼の翼弦に対して、少なくとも95%に、最大で45%に縮小される。
固定翼Tのこの実施形態は、後縁W−ETの局所後退角(「後縁後退角」)および前縁W−ELの局所後退角(「前縁後退角」)が、翼端装置W3の内側端部E1から外側端部E2まで、または少なくとも外側端部E2の前方に少し離れた位置、もしくは前方の領域まで、その伸展に沿って連続して大きくなる、図6cに翼端装置W3として示す翼端装置Wの取り付けに特に有益である。
そのような外側端部E2の前方に少し離れた位置、もしくは前方の領域は、通常、長手方向Lに走る翼端装置W,W1,W2,W3の長さの最大で8%にわたって延びる部分領域B3を表す。例えば、前縁W−ELの後退角により、部分領域B3において再び先に向かって細くすることができる。しかしながら、本発明の別の例示的な実施形態は、領域B3がないとすることもできる。
固定翼に取り付けられる翼端装置Wは、翼ボックスアダプタ部と共に、前縁の途中通過点を表す2つの中間点WP1,WP2(図6aおよび図6b、翼端装置W1,W2)を有する前縁を含む固定翼を形成するように設計することができる。中間点WP1,WP2により、翼端装置Wを2つの翼幅領域B1,B2(場合によってはB3を含む)に分割することが可能になり、各領域の境界面は、航空機座標系KS−FのX−Z平面に沿うか(図4)、または局所的な翼端装置厚さ方向D−Wおよび局所的な翼端装置翼弦方向T−Wに沿って延びるように定義することができる。翼アダプタ部20は、翼アダプタ部20の第1の端部21と第1の途中通過点WP1との間に位置し、第1の領域B1は、第1の途中通過点WP1と第2の途中通過点WP2との間に位置し、第2の領域B2は、第2の途中通過点WP2と翼端装置W1または翼端装置W2の第2の端部E2との間に位置している。
第1の途中通過点WP1の位置は、翼アダプタ部20の外側または第2の端部22に置くか(図6a、6b)、または第2の端部22から離して置くことができる。
翼端装置W1,W2の前縁の伸展に関して本発明によって提供される特徴により、この場合に、特に、第3の領域B3での後退角の変化により、翼端装置W全体の構成に変化をもたらす、本発明による翼アダプタ部20を使用することが可能になり、固定翼Tおよび航空機Fに対して達成可能な空気力学的効果に影響を及ぼすことができる。
本発明による固定翼Tの形状により、構造的な影響が少なく、空気力学的に効率のよい翼端装置Wの幾何学的形状を具現化することが可能になる。これは、幾何学的ねじれおよびキャンバといった通常の設計パラメータに加えて、翼端装置または翼ボックスアダプタ部20の翼幅方向の内側領域の局所的な断面翼弦(profile chord)を大幅に縮小することで達成される。前縁W−ELの局所後退角が2回変化するために、前縁後退角が連続的に大きくなる公知の翼端形状と比べて、本発明による翼端装置W1,W2の翼幅方向の伸長を大幅に延長することができる。結果として、誘導抗力および形状抗力に関する空気力学的利益を翼幅効果および濡れ面の縮小の両方から得ることができる。同時に、本発明によって提供される翼端装置W1,W2の幾何学的形態により、これまでの問題解決策と比較して、同じ空気力学的効率を維持しながら、翼Tにかかる構造負荷が小さくなる。
他方で、構造上の利益が、本発明による翼端装置Wに基づく幾何学的高さの増加および/または翼幅方向の延長によって相殺される場合、調整された空気力学的負荷分布により、より大きな濡れ面にもかかわらず、公知の翼端装置と比較して、全抗力での利益がもたらされる。
翼端装置Wは、固定翼Tに直接固定することができる。この場合に、固定翼Tおよび翼端装置Wの突き合わせ面または線は、縁線または屈曲を形成することがある。
特に、本発明の一態様では、局所的な翼端装置翼弦方向T−Wに延びる翼端装置翼弦、および局所的な翼端装置厚さ方向D−Wに沿って延びる翼端装置厚さは、翼端装置長手方向Lに沿って連続的に短くなる。
本発明によれば、基本量の「連続的な」減少または「連続的な」増加とは、前述の例では翼端厚さである基本量が、それぞれの関連する基準線に沿って単調増加または単調減少することを意味すると解釈される。パラメータの増加または減少が連続することで屈曲が現れることもある。
このため、本発明による固定翼は、固定翼Tの前縁の局所後退角が、翼ボックスアダプタ部K20の領域において、最大で45°だけ大きくなるように構成することができる。
代替案として、またはそれに追加して、固定翼Tの後縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部K20の領域で少なくとも5°だけ大きくなる。
代替案として、またはそれに追加して、固定翼Tの後縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部K20の領域において、最大で20°だけ大きくなる。
本発明による翼端装置Wを、特に、すでに存在する航空機を改造する、または再装備するために使用することができ、その航空機の空気力学的性能を、固定翼Tに対する構造上の変更を全く行うことなく、またはほんのわずかな構造上の変更のみで改善することができる。
図7、図8、および図9は、本発明による固定翼の実施形態の様々な斜視図を示しており、上反角および前縁角がそのアダプタ部20において約30°だけ大きくなっている。さらに、アダプタ部20の外側リブでの翼弦は、翼ボックスの外側縁部の翼弦の約49%の長さである。

Claims (17)

  1. 半翼幅にわたって延びる主翼を備える航空機の翼であって、
    ・翼付根から見て主翼(M)の最外リブ(R5)の位置にある主翼(M)の翼弦は、主翼(M)の半翼幅の5%〜15%の長さであり、
    ・主翼(M)は、翼ベース領域(10)と、翼付根から見て主翼(M)の外側端部領域を形成し、翼端装置(W1,W2,W3)を固定するように設計された翼アダプタ部(20)とで構成され、
    ・翼アダプタ部(20)は、翼ベース領域(10)の外側リブ(R2)から、主翼(M)の半翼幅の2%〜10%にわたって、主翼(M)の最外リブ(R5)を形成する翼アダプタ部(20)の外側リブ(R5)まで延び、
    それぞれの局所翼幅方向を示す翼アダプタ部(20)の上反角が、翼ベース領域(10)の外側リブ(R2)から翼アダプタ部(20)の最外リブ(R5)まで10°〜60°だけ連続的に大きくなることを特徴とする翼。
  2. 翼アダプタ部(20)は、主翼(M)の一体部品であることを特徴とする、請求項1に記載の翼。
  3. 翼アダプタ部(20)は、主翼に取り付けられる、主翼(M)とは別体の部品であることを特徴とする、請求項1に記載の翼。
  4. 主翼(M)は、主翼(M)の翼幅方向に沿って延びる翼桁と、翼幅方向に見て前後に順次配置された複数のリブ(R1,R2,R3,R4,R5)と、外板とで構成された翼ボックス(K)を含むことを特徴とし、
    ・翼付根から見て主翼(M)の最外リブ(R5)の位置にある主翼(M)の翼弦は、翼ボックス(K)の半翼幅の5%〜15%の長さであり、
    ・翼ボックス(K)は、翼ボックスベース部(K10)と、翼付根から見て翼ボックス(K)の外側端部領域を形成し、翼端装置(W1,W2,W3)を固定するように設計された翼ボックスアダプタ部(K20)とで構成され、
    ・翼ボックスアダプタ部(K20)は、翼ボックスベース部(K10)の外側リブ(R2)から、翼ボックス(K)の半翼幅の2%〜10%にわたって、主翼の最外リブ(R5)を形成する翼ボックスアダプタ部(K20)の外側リブ(R5)まで延び、
    それぞれの局所翼幅方向を示す翼ボックスアダプタ部(K20)の上反角が、翼ボックスベース部(K10)の外側リブ(R2)から翼ボックスアダプタ部の最外リブ(R5)まで10°〜60°だけ連続的に大きくなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の翼。
  5. その基準構築状態にある固定翼の前縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域で10°〜45°だけ大きくなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定翼。
  6. 翼ボックスアダプタ部(K20)の外側端部は、翼端装置を固定するための連結装置を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定翼。
  7. 翼ボックスの外側端部領域を形成する翼ボックスアダプタ部は、翼端装置を取り付けるように設計され、翼端装置は、内側リブで翼ボックスベース部(K10)の外側リブに結合されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固定翼。
  8. 連結装置は、翼ボックスアダプタ部と結合される翼端装置をボックスアダプタ部に確実に取り付けるように、翼付根から見て外側端部にある強制的ロック部品として設計されることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の固定翼。
  9. 固定翼の前縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域において、最大で45°だけ大きくなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の固定翼。
  10. 固定翼の後縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域において、最大で5°だけ大きくなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の固定翼。
  11. 固定翼の後縁の局所後退角は、翼ボックスアダプタ部の領域において、最大で20°だけ大きくなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の固定翼。
  12. 翼付根から見て翼ボックスベース部(K10)の外側端部は、隣接する翼ボックスアダプタ部(K20)の内側端部と共に、翼ボックスアダプタ部を翼ボックスベース部(K10)に結合するための連結装置をそれぞれ有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固定翼。
  13. 結合装置は、連結装置を形成するために、翼ボックスベース部(K10)の外側リブおよび翼ボックスアダプタ部の内側リブがそれぞれボアホールを有し、外側リブを内側リブに固定して、主翼ボックス部(K10)を翼ボックスアダプタ部に結合するために連結要素が設けられるように設計されることを特徴とする、請求項12に記載の固定翼。
  14. 結合装置は、連結要素を破壊することで分離されるように設計されることを特徴とする、請求項13に記載の固定翼。
  15. 前記連結は、結合装置が、全く破壊することなく分離されるように設計される態様で構成されることを特徴とする、請求項13に記載の固定翼。
  16. 翼ボックスアダプタ部の内側リブおよび翼ボックスベース部(K10)の外側リブは、互いに固定された場合に確実に結合および係合するように設計されることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の固定翼。
  17. 固定翼の翼弦は、翼ボックスベース部(K10)の外側リブから翼ボックスアダプタ部の最外リブまでの翼ボックスアダプタ部の領域で、少なくとも95%に、最大で45%に縮小されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の固定翼。
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