JP5977605B2 - 4−hppd阻害剤に対する感受性を判定する方法 - Google Patents

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本発明は、HIS1遺伝子における一塩基置換を標的として、イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法に関する。
バイオエタノール燃料の需要増に伴い、海外からの飼料用穀物の輸入価格が高騰し、日本国内の畜産経営を圧迫している。そこで、飼料の国内生産及び自給率の向上を目的とし、休耕田等を利用した水稲以外の転作作物の作付けが行われている。しかしながら、排水不良等の問題から、これら転作作物の栽培に適した水田には限りがあるため、飼料としてのイネの利用や、高い生産性を備えた飼料イネ専用品種(多収品種)の開発が進められている。かかる多収品種において、その特性である多収性や安定した栽培性を発揮させつつ、家畜の嗜好性や栄養価を向上させるためには、栽培田の雑草防除が重要な栽培管理技術となる(非特許文献1)。また、多収品種やイネに限らず、安定的で経済的な作物の生産には、低コストで省力的であり、簡便な雑草防除が求められており、それには選択性の高い除草剤の開発・施用が効果的であるため(非特許文献2)、施用除草剤に対する抵抗性作物の開発や栽培が必要とされている。
一方、栽培田の雑草防除においては、低薬量で広範囲の雑草に効き、人体や環境にも影響が少ないことから、スルホニルウレア(SU)系除草剤が広く普及している。しかしながら、SU系除草剤に対して耐性を有するイヌホタルイ等の雑草の発生が確認されており、イネ等の栽培管理における問題となっている。
昨今、かかる問題の解決策として、ベンゾビシクロン(BBC)やメソトリオンやテフリルトリオン等のSU系除草剤耐性植物にも効果を示す除草剤成分が開発され、実用化されている。BBC、メソトリオン、テフリルトリオンはいずれも、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4−HPPD)の機能を阻害する薬剤(4−HPPD阻害剤)であり、この酵素の機能を阻害することにより、カロチノイド合成系を間接的に阻害し、葉緑素の崩壊を引き起こすことにより、植物を白化、枯死に至らせる(図1 参照)。これら阻害剤については、食用米品種に対する安全性は十分に確認されているため、イネの栽培において急速に普及しつつある。
しかしながら、多収品種については、4−HPPD阻害剤に対する感受性が、開発段階等において十分に検討されていなかったこともあり、多収品種である飼料用イネの7品種において、4−HPPD阻害剤に弱く、場合によっては枯死に至る可能性があることが報告されている(非特許文献1及び3)。
4−HPPD阻害剤に対する抵抗性又は感受性を確実に識別できる方法や、4−HPPD阻害剤に対する抵抗性又は感受性を高めることができる方法が開発されれば、例えば、図2に示すように、食用米品種、飼料用米品種の輪作体系における、前年作の「こぼれ種」の発芽リスク(漏生籾、苗の問題)の制御に4−HPPD阻害剤を活用でき、ひいては飼料用米品種等の生産拡大が期待できる。また、これらの方法を利用することで、必要に応じてイネ等の作物の栽培の区分管理技術にも活用することができる。さらに、4−HPPD阻害剤に対する抵抗性又は感受性を識別するマーカーとなる遺伝子が見出されば、イネを含む作物を効率的に育種することが可能となる。
このため、4−HPPD阻害剤に対する抵抗性又は感受性を植物に付与するための技術や、植物における4−HPPD阻害剤に対する抵抗性又は感受性を判定するための技術の開発が強く望まれている。しかしながら、これら目的を効率的に達成し得る技術は、いまだ開発されていない。
関野 景介ら、「飼料用イネ19品種の水稲用除草剤ベンゾビシクロン感受性」、日本作物学会紀事、2009年3月25日、227巻、別号、120〜121ページ Terry R.Wrightら、Proc Natl Acad Sci USA.、2010年11月23日、107巻、47号、20240〜20245ページ 丸山 清明ら、「飼料用イネなどが一部の除草剤に弱いことが判明」、[online]、2010年3月26日、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター、プレスリリース、[2010年9月29日検索]、インターネット〈URL:http://narc.naro.affrc.go.jp/press/h22/0326/index.htm〉
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を効率的に判定しうる技術を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく、まず、植物における4−HPPD阻害剤に対する抵抗性に関与する遺伝子の同定を試みた。具体的には、本発明者らは、まず、4−HPPD阻害剤感受性イネと4−HPPD阻害剤抵抗性イネとを用いた量的遺伝子座(QTL)解析を行った。その結果、4−HPPD阻害剤抵抗性決定遺伝子座がイネの第2染色体短腕に座乗していることが判明した。次いで、本発明者らは、QTL解析で特定された遺伝子座にある鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素遺伝子と推定される遺伝子に、レトロトランスポゾンTos17が挿入された日本晴系統を用いて表現型(4−HPPD阻害型感受性)を調査したところ、Tos17挿入ホモ個体が4−HPPD阻害剤に感受性を示すことを見出した。見出された鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素遺伝子を、シロイナズナ(A.thaliana)及びイネに導入したところ、これらの形質転換植物が4−HPPD阻害剤に対する抵抗性を示したことから、この遺伝子が、植物に4−HPPD阻害剤に対する抵抗性をもたらす原因遺伝子(以下、4−hydroxyphenylpyruvate dioxygenase inhibitor sensitive gene No.1(HIS1)とも称する)であることが裏付けられた。
さらに、本発明者らは、4−HPPD阻害剤感受性イネと4−HPPD阻害剤抵抗性イネにおけるHIS1遺伝子の構造の比較を行った。その結果、4−HPPD阻害剤に対して感受性を示すイネ品種においては、HIS1遺伝子の第5エキソンや第4エクソンに一塩基置換が生じ、そのコードするタンパク質において、それぞれV286GおよびV246Iのアミノ酸置換をもたらしていた。よって、HIS1遺伝子の一塩基置換により、HIS1タンパク質の機能が抑制され、イネに4−HPPD阻害剤に対する感受性をもたらすものと考えられた。
これら知見に基づき、本発明者らは、イネのHIS1遺伝子の一塩基置換を標的として、イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、より詳しくは、以下のものである。
[1] イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法であって、被験イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換を検出し、当該一塩基置換が存在する場合に被験イネが4−HPPD阻害剤に対し感受性を有すると判定される方法。
(a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の286位又は該部位に対応するバリンからグリシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
(b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の246位又は該部位に対応するバリンからイソロイシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
[2] [1]に記載の方法に用いられるための試薬であって、イネのHIS1遺伝子の塩基配列に相補的な連続する少なくとも15塩基の塩基配列を含み、下記(i)又は(ii)に記載のオリゴヌクレオチドである試薬。
(i)イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換の部位を挟み込むように設計された一対のオリゴヌクレオチド
(ii)イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換を含む領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド
(a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の286位又は該部位に対応するバリンからグリシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
(b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の246位又は該部位に対応するバリンからイソロイシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
本発明において同定された遺伝子を標的として、植物における4−HPPD阻害剤に対する感受性を効率的に判定することが可能となった。
チロシン代謝経路及びカロチノイド生合成経路と、4−HPPD阻害剤との概要と関連を示す図である。 食用米品種、飼料用米品種の輪作体系における、前年作の「こぼれ種」の発芽リスクの制御に関する概要を示す図である。 アグロバクテリウム法によるシロイヌナズナの形質転換に用いた、nosプロモーター(nos−P)でドライブされるカナマイシン抵抗性遺伝子(NPTII)、CaMV35Sプロモーター(CaMV35S−P)でドライブされるハイグロマイシン抵抗性遺伝子(hygR)、及びCaMV35SプロモーターでドライブされるAK065581(HIS1)の各発現カセット、並びに境界配列(RB:右境界配列、LB:左境界配列)を連結したバイナリーベクター(pIG121−Hm/HIS1)の概要を示す図である。 アグロバクテリウム法によるシロイヌナズナ及びイネの形質転換に用いた、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるハイグロマイシン抵抗性遺伝子(mHPT)、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるAK065581(HIS1)の各発現カセット、並びに境界配列(RB:右境界配列、LB:左境界配列)を連結したバイナリーベクター(35sHIS1 pZH2B)の概要を示す図である。 アグロバクテリウム法によるトマトの形質転換に用いた、nosプロモーター(NOSpro)でドライブされるカナマイシン抵抗性遺伝子(NPT2)、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるAK065581(HIS1)の各発現カセット、並びに境界配列(RB:右境界配列、LB:左境界配列)を連結したバイナリーベクター(35sHIS1 pZK3)の概要を示す図である。 アグロバクテリウム法によるシロイヌナズナ及びイネの形質転換に用いた、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるハイグロマイシン抵抗性遺伝子(mHPT)、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるAK241948(HSL1)の各発現カセット、並びに境界配列(RB:右境界配列、LB:左境界配列)を連結したバイナリーベクター(35sHSL1 pZH2B)の概要を示す図である。 アグロバクテリウム法によるトマトの形質転換に用いた、nosプロモーター(NOSpro)でドライブされるカナマイシン抵抗性遺伝子(NPT2)、CaMV35Sプロモーター(35S Pro)でドライブされるAK241948(HSL1)の各発現カセット、並びに境界配列(RB:右境界配列、LB:左境界配列)を連結したバイナリーベクター(35sHSL1 pZK3)の概要を示す図である。 イネ染色体上にあるQTL解析によって特定された4−HPPD阻害剤抵抗性遺伝子(AK065581)とその相同遺伝子とを示す図である。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えA.thaliana(エコタイプColumbia)の4−HPPD阻害剤(ベンゾビシクロン(BBC))に対する抵抗性を示す写真である。なお図中、「Col」は、A.thaliana野生型(エコタイプColumbia)の結果であることを示し、「♯1」及び「♯3」は、標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えシロイナズナA.thaliana(エコタイプColumbia)の結果であることを示す。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(4−HPPD阻害剤感受性品種:関東239号)の4−HPPD阻害剤(ベンゾビシクロン)に対する抵抗性を示す写真である。なお図中、「関東239号」は、関東239号(野生型)の結果であることを示し、「BBC21−23B」及び「BBC21−23C」は、標的遺伝子(AK065581)を導入した関東239号(組換えイネ)の結果であることを示す。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(関東239号)の4−HPPD阻害剤(ベンゾビシクロン)に対する抵抗性を示す写真である。なお図中、「日本晴」及び「関東239号」は、各々日本晴(野生型)(4−HPPD阻害剤抵抗性品種)及び関東239号(野生型)の結果であることを示し、「BBC21−1A、2、3、3D、3F、3−3、9、15」は、標的遺伝子(AK065581)を導入した関東239号(組換えイネ)の結果であることを示す(図12〜15においても同様)。また、「Application Date」及び「Evaluation Date」は、各々「4−HPPD阻害剤を添加した固形(寒天)培地に種を播いた日」及び「該種から発育した植物体の生育状況を調べた日」を示す(図12〜15及び22においても同様)。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(関東239号)の4−HPPD阻害剤(メソトリオン)に対する抵抗性を示す写真である。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(関東239号)の4−HPPD阻害剤(テフリルトリオン)に対する抵抗性を示す写真である。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(関東239号)の4−HPPD阻害剤(テンボトリオン)に対する抵抗性を示す写真である。 標的遺伝子(AK065581)を導入した組換えイネ(関東239号)の4−HPPD阻害剤(NTBC)に対する抵抗性を示す写真である。 標的遺伝子(AK065581)であるHIS1遺伝子の構造を示す図である。 ベンゾビシクロン感受性品種におけるHIS1遺伝子の構造の分類を示す図である。 ベンゾビシクロン感受性品種におけるPeta型のHIS1遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCRの結果を示す写真である。 ベンゾビシクロン感受性品種におけるIR8型のHIS1遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCRの結果を示す写真である。 ベンゾビシクロン感受性品種におけるKasalath型のHIS1遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCRの結果を示す写真である。 ベンゾビシクロン感受性品種を識別するための複数のプライマーセットの組み合わせを用いたマルチプレックスPCRの結果を示す写真である。 本発明のPCR判別技術により、イネ品種をHIS1遺伝子型で分類した結果を示す図である。 インドネシアで栽培されるイネ品種の主要祖先品種に対する本発明のPCR判別技術の汎用性を示す図である。 ベンゾビシクロン感受性品種のHIS1遺伝子型の地理的な起源を示す図である。
<イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法>
本発明は、イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法であって、被験イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換を検出し、当該一塩基置換が存在する場合に被験イネが4−HPPD阻害剤に対し感受性を有すると判定される方法を提供する。
(a)V286Gのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
(b)V246Iのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
本発明の方法を適用する「イネ」としては特に制限はない。4−HPPD阻害剤に対する感受性を評価したい所望のイネを本発明の方法に適用することができる。
本発明における「4−HPPD阻害剤」とは、4−HPPD(4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ)の機能を阻害する薬剤(4−HPPD阻害剤)を意味する。4−HPPD阻害剤は、図1に示すように、4−HPPDの機能を阻害することにより、カロチノイド合成系を間接的に阻害し、葉緑素の崩壊を引き起こして植物を白化させ、枯死に至らせる。本発明における「4−HPPD阻害剤」としては、例えば、ベンゾビシクロン(BBC)、メソトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン、(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−シクロヘキサン−1,3ジオン(2−(2−nitro−4−trifluoromethylbenzoyl)cyclohexane−1,3−dione;NTBC)といったトリケトン系4−HPPD阻害剤、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェンといったピラゾール系4−HPPD阻害剤が挙げられる。本発明の抵抗性DNAを用いて植物に抵抗性を付与する対象となる4−HPPD阻害剤としては、BBC、メソトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン、NTBCといったトリケトン系4−HPPD阻害剤が好ましく、BBCが特に好ましい。
なお、前述の4−HPPD阻害剤といった除草剤は、その成分が化合物としてきわめて多様であるが、作用機序の面から、下記の通り、いくつかのグループに分類できる(「農薬からアグロバイオギュレーター−病害虫雑草制御の現状と将来」、日本、シーエムシー出版、2010年1月 参照)。
(I) アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害型除草剤
脂質合成の最初の段階に関与するACCaseを阻害するこの除草剤グループは、細胞膜合成を阻害し、植物を生育障害に至らしめる。このグループに属する除草剤はさらに(1)4−アリールオキシフェノキシプロピオン酸系、(2)シクロヘキサンジオン・オキシム系、(3)ジオン系に分類される。
(II) アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害型除草剤
ALSを標的とするこの除草剤のグループは、ALS活性を阻害し分岐アミノ酸生成を阻害することで、植物を生育障害に至らしめる。このグループに属する除草剤はさらに(1)スルホニルウレア系、(2)トリアゾリノン系、(3)トリアゾロピリミジン系、(4)ピリミジニルサリチル酸系、(5)イミダゾリノン系に分類される。
(III) 4−HPPD代謝阻害型除草剤
チロシン代謝経路の4−HPPD代謝を阻害するこの除草剤グループは、植物のカロテノイド合成系を間接的に阻害し、植物を白化・枯死に至らしめる。このグループに属する除草剤はさらに(1)シクロヘキサンジオン系、(2)ピラゾール系、(3)ビシクロ系(4)、イソオキサゾール系、(5)トリケトン系に分類される。また、(1)シクロヘキサンジオン系としては、例えばベンゾイルシクロヘキサン−1,3−ジオン誘導体が挙げられ、(2)ピラゾール系としては、例えば、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェンが挙げられ、(3)ビシクロ系としては、例えば、3−置換ベンゾイル−ビシクロ[4、1、0]ヘプタン−2、4−ジオン誘導体が挙げられ、(4)イソオキサゾール系としては、例えばイソオキサフルトールが挙げられ、(5)トリケトン系としては、例えば、BBC、メソトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオンが挙げられる。
(IV) プロトポルフィリノーゲン−IXオキシダーゼ(PPO)阻害剤除草剤
このグループの除草剤は葉緑素合成を阻害し、細胞膜崩壊から枯死に至らしめる。このグループに属する除草剤はさらに(1)ジフェニルエーテル系、(2)ジアリル系、(3)ピラゾール系に分類される。
(V) 超長鎖脂肪酸伸長酵素(VLCFAE)阻害型除草剤
このグループの除草剤は植物脂質生合成系のうちC20以上の超長鎖脂肪酸生合成系酵素を阻害し、植物を枯死に至らしめる。
(VI) フィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害型除草剤
カロテノイド生合成経路のPDS酵素を阻害するこの除草剤グループは、植物の葉緑素崩壊を引き起こし、植物を白化・枯死に至らしめる。
(VII) PS II阻害型除草剤
このグループの阻害剤は、プラストキノン(PQ)に結合し、その結果PQが関わる光化学系 II(PS II)から光化学系 I(PS I)への電子伝達が阻害され、植物体内での炭素固定機能が不能となり植物が枯死する。
(VIII) 合成オーキシン型除草剤
このグループの阻害剤は、植物体内に低濃度で存在し植物の生長を調節する天然オーキシンのように振る舞い、植物の分化・成長が不正常となり結果的に枯死する。
(IX) EPSP合成酵素(EPSPS)阻害型除草剤
このグループの阻害剤は、シキミ酸回路のEPSPSと結合し、EPSPの合成を阻害する。その結果トリプトファン、フェニルアラニン、チロシンが生合成されず、植物は枯死する。
本発明において「4−HPPD阻害剤に対する感受性」とは、前記の4−HPPD阻害剤の作用を受けるイネの性質を意味する。一方、「4−HPPD阻害剤に対する抵抗性」とは、前記の4−HPPD阻害剤の作用に抵抗するイネの性質を意味する。
本発明における「イネのHIS1遺伝子」とは、イネの第2染色体短腕の10415297..10419287に存在する鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素遺伝子と推定される遺伝子である。4−HPPD阻害剤抵抗性型である日本晴由来のHIS遺伝子の塩基配列を配列番号:1に、前記DNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。4−HPPD阻害剤感受性型であるIR8およびIR24由来のHIS遺伝子の塩基配列を配列番号:3に、前記DNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:4に示す。4−HPPD阻害剤感受性型であるカサラス由来のHIS遺伝子の塩基配列を配列番号:5に、前記DNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:6に示す。4−HPPD阻害剤感受性型であるモミロマン由来のHIS遺伝子の塩基配列を配列番号:7に、前記DNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:8に示す。
本発明の方法は、被験イネにおいて、IR8およびIR24由来のHIS遺伝子に見出された一塩基置換(V286Gのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換)またはカサラス由来のHIS遺伝子に見出された一塩基置換(V246Iのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換)の有無を検出する。
本発明の方法における一塩基置換の検出においては、まず、被験イネからDNA試料を調製する。DNA試料は、例えば被験イネの組織(例えば、葉)から調製することができる。イネの組織からゲノムDNAを抽出する方法としては特に制限はなく、公知の手法を適宜選択して用いることができ、例えば、SDSフェノール法(尿素を含む溶液又はエタノール中に保存した組織を、タンパク質分解酵素(proteinase K)、界面活性剤(SDS)、及びフェノールで該組織のタンパク質を変性させ、エタノールで該組織からDNAを沈殿させ抽出する方法)、CTAB法(高濃度のCTAB(セチルメチルアンモニウムブロマイド、Cetyl trimethyl ammonium bromide)を含む溶液中に組織を保存し、該組織のタンパク質と多糖類とを不容化して沈殿・除去し、エタノールで該組織からDNAを沈殿させ抽出する方法)、アルカリ処理法(アルカリ溶液を用いてDNAを抽出する簡易方法)が挙げられる。
前記一塩基置換の検出は、かかる一塩基置換の部位を含むDNAを単離し、単離したDNAの塩基配列を決定することにより実施することができる。該DNAの単離は、例えば、一塩基置換の部位を挟み込むように設計された一対のオリゴヌクレオチドを用いて、ゲノムDNAを鋳型としたPCR等によって行うことができる。単離したDNAの塩基配列の決定は、マキサムギルバート法やサンガー法等、当業者に公知の方法で行うことができる。
前記一塩基置換を検出する別の方法としては、PCR−SSP(PCR−配列特異的プライマー)法が挙げられる。前記一塩基置換をPCR−SSP法により検出する場合には、プライマーを構成する一対のオリゴヌクレオチドのうちの片方のオリゴヌクレオチドの3’末端が前記一塩基置換の部位の特定の塩基種に相補的な塩基種になるように設計する。そして、このように設計された一対のオリゴヌクレオチドを用いたPCRにより増幅されるのは、前記部位の特定の塩基種を有する被験イネに由来するゲノムDNAを鋳型にした場合に限られ、前記部位が異なる塩基種である被験イネに由来するゲノムDNAを鋳型にした場合は増幅されない。このため、かかる一対のオリゴヌクレオチドを利用することにより、一塩基置換を検出することができる。
なお、本実施例に示す一塩基置換の検出は、「イネゲノムの1塩基多型判別法の開発とイネ品種識別への応用」(特開2004−248635号公報)の記載に基づいて行った。すなわち、本実施例で用いたプライマーの3’末端は、判別すべき一塩基置換の位置に対応し、プライマーの3’末端から3番目の塩基はプライマーがアニールする鋳型配列と相補的な塩基から置換されている。この置換は、GからT、AからCへ、TからG、またはCからAの置換である。
前記一塩基置換を検出するためのさらに別の方法としては、PCR−SSCP(PCR−一本鎖高次構造多型)法が挙げられる。すなわち、一塩基置換の部位を挟み込むように設計された一対のオリゴヌクレオチドを用いたPCRにより増幅された2本鎖DNAを、熱やアルカリ等で処理することにより変性させ、1本鎖DNAにした後、変性剤を含まないポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけると、ゲル中で1本鎖DNAは分子内相互作用により折り畳まれ、高次構造を形成することになる。そして、その折り畳まれ構造の相互作用は、塩基種の相違により変化するため、分離した当該1本鎖DNAを銀染色やラジオアイソトープにより検出し、当該1本鎖DNAのゲル上での移動度を対照と比較することにより、本発明にかかる一塩基置換を検出することができる。
前記一塩基置換を検出するさらに別の方法としては、インターカレーターを利用する方法が挙げられる。この方法においては、先ず、被験イネから前述の通りDNA試料を調製する。次いで、DNA二重鎖間に挿入されると蛍光を発するインターカレーターを含む反応系において、前記DNA試料を鋳型として、本発明にかかる一塩基置換を含む領域を増幅する。そして、前記反応系の温度を変化させ、前記インターカレーターが発する蛍光の強度の変動を検出し、検出した前記温度の変化に伴う前記蛍光の強度の変動を対照と比較する。このような方法としては、HRM(high resolution melting、高分解融解曲線解析)法が挙げられる。
前記一塩基置換を検出するさらに別の方法としては、一塩基置換を含む領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを利用する方法が挙げられる。この方法においては、まず、被験イネから前述の通りDNA試料を調製する。一方で、一塩基置換を含む領域に特異的にハイブリダイズし、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素が標識されたオリゴヌクレオチドプローブを調製する。そして、前記DNA試料に、前記オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせ、さらに前記オリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズした前記DNA試料を鋳型として、一塩基置換の部位を含むDNAを増幅する。そして、前記増幅に伴うオリゴヌクレオチドプローブの分解により、前記レポーター蛍光色素が発する蛍光を検出する。このような方法としては、ダブルダイプローブ法、いわゆるTaqMan(登録商標)プローブ法が挙げられる。
以上、本発明の方法の実施形態について説明したが、本発明の方法は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、制限酵素断片長多型(RFLP)を利用した方法(PCR−RFLP法)、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE法)、インベーダー(Invader)法、パイロシークエンシング(Pyrosequencing)法、シングルヌクレオチドプライマー伸長(SNuPE)法、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション法、リボヌクレアーゼAミスマッチ切断法、DNAアレイ法といった、一塩基置換を検出するための公知の技術も、本発明において利用しうる。
本発明の方法により、前記一塩基置換が検出された場合には、被験イネは4−HPPD阻害剤感受性であると判定することができる。かかる判定の正確性をより向上させるという観点から、前記2種の一塩基置換を組み合わせて検出してもよく、さらに、Peta、タカナリ、およびモミロマンのHIS遺伝子に見出された塩基の欠失(フレームシフトを生じさせる、第4エキソンに存在する28bpの欠失)を組み合わせて検出してもよい。
<本発明の方法に用いられるための試薬>
さらに、本発明は、前記本発明の判定方法に用いられるための試薬であって、イネのHIS1遺伝子の塩基配列に相補的な連続する少なくとも15塩基の塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを含む試薬を提供する。当該オリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドプライマー及びオリゴヌクレオチドプローブの双方が含まれる。当該オリゴヌクレオチドは、前記本発明の方法に使用し得る限り、イネのHIS1遺伝子の塩基配列に対して完全に相補的である必要はない。
本発明のオリゴヌクレオチドの一つの好ましい態様は、本発明にかかる一塩基置換の部位を挟み込むように設計された一対のオリゴヌクレオチド(プライマーセット)である。該オリゴヌクレオの長さは、通常15〜100塩基であり、好ましくは17〜30塩基である。なお、前述の通り、一塩基置換の検出法によっては、当該一対のオリゴヌクレオチドのうちのどちらか片方のオリゴヌクレオチドは、一塩基置換を含む領域の塩基配列に相補的な塩基配列を含んでいてもよい。
本発明の一対のオリゴヌクレオチドの好適な例としては、下記が挙げられる。
(1)HIS遺伝子の塩基配列決定用・・配列番号:9及び10
(2)V286Gのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換の検出用・・配列番号:13及び14
(3)V246Iのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換の検出用・・配列番号:15及び16
本発明のオリゴヌクレオチドの他の好ましい態様は、本発明にかかる一塩基置換を含む領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドプローブ)である。オリゴヌクレオチドプローブは、通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において、本発明にかかる一塩基置換を含む領域に特異的にハイブリダイズするものが好ましい。このような特異的なハイブリダイズが可能であれば、該オリゴヌクレオチドプローブは、本発明にかかる一塩基置換を含む領域の塩基配列に対し、完全に相補的である必要はない。
また、本発明のオリゴヌクレオチドは、適宜、アイソトープ、蛍光色素、ビオチン等によって標識して用いてもよい。標識する方法としては、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、オリゴヌクレオチドの5’端を32Pでリン酸化することにより標識する方法、及びクレノウ酵素等のDNAポリメラーゼを用い、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド等をプライマーとして32P等のアイソトープ、蛍光色素又はビオチン等によって標識された基質塩基を取り込ませる方法(ランダムプライム法等)を例示することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成機により作製することができる。オリゴヌクレオチドプローブは、制限酵素処理等によって取得される二本鎖DNA断片として作製することもできる。また、本発明のオリゴヌクレオチドは、天然のヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチド(DNA)やリボヌクレオチド(RNA))のみから構成されていなくともよく、非天然型のヌクレオチドにてその一部又は全部が構成されていてもよい。本発明に用いられる非天然型のヌクレオチドとしては、天然のヌクレオチドと同様の機能を有するものであれば特に制限されないが、本発明にかかる一塩基置換を含む領域等に対するハイブリダイゼーションの効率を上昇させ、オリゴヌクレオチドプライマー及びオリゴヌクレオチドプローブの鎖長を短くすることができるという観点から、PNA(polyamide nucleic acid)、LNA(登録商標、locked nucleic acid)、ENA(登録商標、2’−O,4’−C−Ethylene−bridged nucleic acids)、及びこれらの複合体が好ましい。なお、PNAは、DNAやRNAのリン酸と5炭糖からなる主鎖をポリアミド鎖に置換したものである。LNAとはBNA(Bridged Nucleic Acid、架橋化核酸)とも称され、ヌクレオチドの2’の酸素と4’の炭素を架橋したRNAである。
前記の試薬においては、有効成分であるオリゴヌクレオチド以外に、例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、界面活性剤、脂質、溶解補助剤、緩衝剤、保存剤等が必要に応じて混合されていてもよい。
以下、参考例及び実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の参考例や実施例に限定されるものではない。
[参考例]
<QTL解析>
コシヒカリ/ハバタキ染色体断片置換系統、および、たちすがた//たちすがた/モミロマンのBC1F4を供試した。すなわち、抵抗性品種コシヒカリを遺伝的背景とし、その染色体断片の一部をインド型感受性品種ハバタキの染色体に置き換えたコシヒカリ/ハバタキ染色体断片置換系統群(KHSL)を解析した。なお、KHSLは32系統で構成され、ハバタキの全12染色体のすべてについて解析が可能となっている(KHSLについては、村田和優ら、「コシヒカリを遺伝的背景としたインド型品種ハバタキの染色体断片置換系統群の作出と評価」、育種学研究、2009年3月27日、第11巻、別1号、66ページ 参照のこと)。また、感受性品種モミロマンに抵抗性品種たちすがたを1回戻し交雑して得られたBC1F4系統群94系統もSSRマーカー80種を用いて解析した(用いたSSRマーカーについては 「Development and mapping of 2240 new SSR markers for rice (Oryza sativa L.)」、DNA Res、2002年、9巻、6号、199〜207ページ 、並びにhttp://www.gramene.org/ 参照のこと)。
<Tos17挿入系統を用いた連鎖解析>
イネにおいて発見されたレトロトランスポゾンであるTos17は、組織培養によって活性化され、ゲノム内に自らのコピーを転移させる。転移先が遺伝子の内部であった場合、その遺伝子は破壊され、突然変異を引き起こすことが知られている(Hirochikaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1996年、93巻、7783〜7788ページ 参照)。本参考例においては、この現象を利用して組織培養により作出された変異を蓄積したイネの集団(ミュータントパネル、データベース名:Tos17ミュータントパネルデータベース(http://tos.nias.affrc.go.jp/〜miyao/pub/tos17/))を利用した。Tos17ミュータントパネルデータベースから、QTL解析で特定された遺伝子座にあるBBC感受性との関与が強く疑われる、鉄・アスコルビン酸酸化還元酵素遺伝子と推定される遺伝子の転写部位にTos17が挿入された2系統を選び出した。そして、これら2系統の各15個体を栽培して得られた自殖種子を用いて、表現型(BBC感受性)と遺伝子型(Tos17の挿入)について調査した。
<遺伝子クローンの取得>
QTL解析で特定された遺伝子座にある鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素遺伝子と推定されるmRNA(AK065581)をイネジーンバンクから入手した。
<ベクター構築および形質転換>
nosプロモーターでドライブされるカナマイシン抵抗性遺伝子(NPT2)又はCaMV35Sプロモーターでドライブされるハイグロマイシン抵抗性遺伝子(mHPT)と、CaMV35SプロモーターでドライブされるAK065581(HIS1遺伝子)又はAK241948(HSL1遺伝子)の各発現カセットとを連結したバイナリーベクターを構築し(図3〜7 参照)、アグロ法の形質転換に供試した。
A.thalianaの形質転換は、エコタイプ「Columbia」を用いて、Floral dip法にて行った(Weigel and Glazebrook, Arabidopsis, a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2002) p131−132 参照)。すなわち先ず、抗生物質を含む液体培地(LBまたはYEB)においてアグロバクテリウムを振とう培養し、およそ16時間後に培養液のうち2mlを抗生物質を含む液体培地(LBまたはYEB)に加え、さらに振とう培養した。そして、そのおよそ16時間後、培養液を4℃、8000rpmにて10分間、遠心処理をし、上澄み液を捨て、得られた沈殿物を5%スクロースを含む液500mlに懸濁した。そして、形質転換の直前に形質転換用試薬 silwet(登録商標:SILWET L−77、製品番号:BMS−SL7755、バイオメディカルサイエンス社製)を最終濃度0.025%になるように加えた。次いで、得られたアグロバクテリウム懸濁液に、既に開花、受粉している花芽を除去したアラビドプシスを30〜120秒間浸した。その後、およそ16時間静置した後、植物体を生育させ、種子を得た。
イネの形質転換は、BBC感受性イネ品種関東239号を用いて、「Taniguchiら、Plant Cell Rep.、2010年、29巻、11号、1287〜1295ページ」に記載の方法の一部を改変して行った。すなわち先ず、滅菌した完熟種子をN6D培地に置床し30℃で7日間培養し、アグロバクテリウムを感染させ、アセトシリンゴン(AS)を含むN6培地(2N6−AS培地)暗黒条件下で3日間、25℃共培養した。その後、感染した組織は、カルベニシリンを含むN6D培地で4〜6週間(18時間日長)、40mg/L ハイグロマイシン(Hyg)存在下で培養し、Hyg耐性カルスを再分化させた。
トマトの形質転換は、品種「マイクロトム」を供試し、図5及び7に示すベクター(35SHIS1 pZK3、35SHSL1 pZK3)を用いて、アグロバクテリウム法で実施した。なお、原品種マイクロトムは、25℃のインキュベータで、0.3μMのベンゾビシクロン(BBC)を含む寒天培地で種子を発芽させると、約2週間後に葉部の白化が明瞭に確認できる。
前記トマトの形質転換の結果、HIS1遺伝子又はHSL1遺伝子が導入された複数の再分化植物体を得られた。また、再分化した植物体はPCRによって導入遺伝子を確認した。
<組換え体のBBC抵抗性検定>
作出したA.thaliana組換え体(T2世代)およびイネ組換え体(T0世代)のBBC抵抗性検定には、株式会社エス・ディー・エス バイオテック保有のBBC原体を後述の濃度にて用いた。
<組換え体のトリケトン系4−HPPD阻害剤に対する抵抗性の検定>
作出したイネ組換え体(T1及びT2世代)のトリケトン系4−HPPD阻害剤、すなわちメソトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン及びNTBC抵抗性検定には市販の各試薬を後述の濃度にて用いた。
<PCR>
HIS1(AK065581)の5つの各エクソン領域内を特異的に増幅するプライマーを設計しPCRに供試した。なお、PCRは、表1において示す塩基配列からなるプライマーを用いて、94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 30秒の35サイクルにて行った。また、鋳型DNAとしては、BBC感受性イネ品種(モミロマン、タカナリ、カサラス)およびBBC抵抗性イネ品種(日本晴、コシヒカリ、北陸193号)の葉からCTAB法を用いて抽出したゲノムDNAを用いた。
(参考例1) 4−HPPD阻害剤抵抗性遺伝子座の特定
ジャポニカ型イネの中で、4−HPPD阻害剤の一種であるBBCに対する感受性を有する品種は知られていない。一方、ジャポニカ型とインディカ型の交雑により育成されたイネ品種にはBBC感受性が出現することがある。
そこで、BBC抵抗性イネ品種「コシヒカリ」と感受性イネ品種「ハバタキ」とを用いた、コシヒカリ/ハバタキ染色体断片置換系統(KHSL)のQTL解析を前記の通り行った。その結果、第2染色体短腕領域がハバタキ型に置換されたKHSL(KHSL04)のみが感受性を示したことから、BBC抵抗性を決定する遺伝子座はコシヒカリの第2染色体短腕上にあることが明らかになった(表2 参照)。なお、表2にはKHSLのQTL解析の結果の一部を示す。また、表2中「A」はマーカーがコシヒカリ由来であることを示し、「B」はマーカーがハバタキ由来であることを示す。
さらに、BBC抵抗性イネ品種「たちすがた」と感受性イネ品種「モミロマン」とを用いた、たちすがた//たちすがた/モミロマンのBC1F4のQTL解析を前記の通り行った。その結果、前記同様にBBC抵抗性を決定する遺伝子座はたちすがたの第2染色体短腕上にあることが明らかになり、異なるイネ品種を供試したQTL解析で特定された遺伝子座は同一領域であり、イネ品種「日本晴」データベース情報によると、11種の候補遺伝子が存在することが確認された(表3 参照)。
また、11種の候補遺伝子の塩基配列及び推定アミノ酸配列はいずれも、BBCで影響を受けるチロシン代謝経路およびカロテノイド生合成経路(図1 参照)の酵素及びその遺伝子と相同性がないことも明らかになった。
なお、イネ品種「日本晴」データベース情報によると、BBCで活性阻害を受けるHPPD酵素をコードする既知遺伝子ともっとも相同性の高いイネ遺伝子は第2染色体短腕上にあるが、QTL解析で特定された遺伝子座とは異なっていた(図8 参照)。
さらに、BBC抵抗性に関与する遺伝子が座乗する領域を絞り込むため、KHSL04とコシヒカリとを交雑したF2集団、およびモミロマンにたちすがたを1回戻し交雑して得られたBC1F4系統群から第2染色体短腕に関する解析集団を作出し、2集団を用いて再度の解析を試みた結果、BBC抵抗性に関与する遺伝子はSSRマーカーRM12980とRM12983との間に存在することが明らかとなった。そして、絞り込んだ領域に存在する遺伝子をRAP−DBより検索した結果、グリオキサラーゼ 類似タンパク質(741bp)を除く、10個の候補遺伝子の存在が確認された。
(参考例2) 4−HPPD阻害剤抵抗性遺伝子の同定
前述の通り、QTL解析によって4−HPPD阻害剤に対する抵抗性を決定する遺伝子がイネ第2染色体短腕上にあることが示唆された。そこで当該遺伝子座にある鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素遺伝子と推定される遺伝子に注目し、Tos17挿入系統を供試して表現型(BBC高感受性)と遺伝子型との連鎖関係を明らかにするとともに、BBC感受性のA.thaliana及びイネに当該遺伝子を導入した組換え体を作出し、BBC抵抗性付与効果を調査した。
すなわち、QTL解析で特定されたBBC抵抗性決定遺伝子座には、BBCで活性阻害されるHPPD酵素と同様、鉄・アスコルビン酸依存性酸化還元酵素と推定される遺伝子(以下、「標的遺伝子」とも称する)がある(表4参照)。
Tos17挿入系統の原品種「日本晴」はBBC抵抗性品種であるが、標的遺伝子の転写部位にTos17が挿入された系統ではBBC感受性個体が出現する。合計30個体を供試した連鎖解析により、表現型(BBC感受性)と遺伝子型(Tos17挿入ホモ型)について調査した結果、Tos17挿入ホモ6個体の後代はすべてBBC感受性を示した。また、Tos17挿入ヘテロ18個体の後代からは、すべてBBC感受性の個体を分離した。この結果から、鉄・アスコルビン酸酸化還元酵素遺伝子と推定される遺伝子がBBC抵抗性に深く関与することが示唆された。
そこで、標的遺伝子がBBC抵抗性遺伝子であることを実証するため、0.03μMのBBCを含む寒天培地で白化するA.thaliana(エコタイプColumbia)に標的遺伝子を導入した組換え体(T2世代)を作製し、前記BBC濃度の存在下におけるこの組換え体の生育状況を調べた。得られた結果を図9に示す。
また、0.1μMのBBCを含む寒天培地で白化するBBC感受性イネ品種「関東239号」に標的遺伝子を導入した組換え体(T0世代)を作製し、300ga.i./haのBBCで処理した培土におけるこの組換え体の生育状況を調べた。得られた結果を図10に示す。
さらに、0.1μMのBBCを含む寒天培地で白化するBBC感受性イネ品種「関東239号」に標的遺伝子を導入した組換え体を作製し、T1種子又はT2種子を得た。これらを2μMのBBCを含む寒天培地に播種し組換え体の生育状況を調べた。得られた結果を図11に示す。また、前記種子を1μMのメソトリオン、2.5μMのテフリルトリオン、0.5μMのテンボトリオン又は1μMのNTBCを含む寒天培地に播種し組換え体の生育状況を調べた。得られた結果を図12〜15に示す。
図9に示した結果から明らかなように、標的遺伝子を導入した前記A.thaliana組換え体は、0.03μMのBBCを含む寒天培地で白化せず生育した。また図10に示した結果から明らかなように、標的遺伝子を導入した前記イネ組換え体は、300ga.i./haのBBCで処理した培土で白化せずに生育した。さらに、図11に示した結果から明らかなように、標的遺伝子を導入した前記イネ組換え体は、2μMのBBCで処理した寒天培地で白化せずに生育した。なお、この濃度はBBC抵抗性品種である日本晴を白化させる高濃度である。
また、図12〜15に示した結果から明らかなように、標的遺伝子を導入した前記イネ組換え体は、BBC以外のトリケトン系4−HPPD阻害剤(メソトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン又はNTBC)を含む培地においても白化せずに生育した。すなわち、標的遺伝子を導入したイネ組換え体は、1μMのメソトリオン、2.5μMのテフリルトリオン、0.5μMのテンボトリオン又は1μMのNTBCで処理した寒天培地で白化せずに生育した。
これらの結果から、標的遺伝子は4−HPPD阻害剤抵抗性遺伝子(HIS1遺伝子)、すなわち4−HPPD阻害剤に対する抵抗性を植物に付与する活性を有するタンパク質をコードするDNAであることが実証された。
[実施例]
<塩基配列の解析>
BBC感受性を示す5つのイネ品種「タカナリ」、「モミロマン」、「IR8」、「IR24」、「Kasalath」の葉部から抽出したDNAを供試した。
各品種のHIS1遺伝子をPCRでクローニングするため、データベース(Rap−db)にあるBBC抵抗性(非感受性)のイネ品種「日本晴」のHIS1遺伝子の塩基配列をもとに、順向きプライマーとして「AACCACCCCCGAGTCTAAGT(配列番号:9)」、逆向きプライマーとして「GCTACGCTGATAAAGGGTAGGA(配列番号:10)」を設計した。
PCRで増幅後、独立にクローン化し、全塩基配列を解析した。
<PCR>
−DNA抽出−
鋳型DNAはイネ各品種の葉部約0.1gを供試してPI−50α(クラボウ)を用いて抽出・精製した。
−PCR条件−
PCRは、鋳型DNA 15ug/0.5ul、Go Taq Green Master Mix 5ul(Promega社、dNTP 各200uM、MgCl 1.5mM、Taq polymeraseを含む)、プライマー2種 各0.5ul、milliQ水 3.5ul、合計10ulの反応液を調製して行った。PCRの温度条件及び各温度の反応時間は、以下に示すように個々の供試プライマー毎に最適化した。比較対照区として、鋳型DNAのかわりにmilliQ水を添加した反応液を用いた。
−Peta型を識別するPCR−
順向きプライマーとして「GTTCTGAACAAGTATGCATCAGGA(配列番号:11)」、逆向きプライマーとして「GGTGTCACCTAAGTTGATCAGCAAT(配列番号:12)」を設計した。PCR条件は「94℃30秒、55℃30秒、72℃30秒」を32回繰り返した。
−IR8型を識別するPCR−
順向きプライマーとして「ATGTCAGTGGCCTGCAAGTT(配列番号:13)」、逆向きプライマーとして「CTCCTTCTCGGCGTTTGGCC(配列番号:14)」を設計した。PCR条件は「94℃30秒、65℃30秒、72℃30秒」を32回繰り返した。
−Kasalath型を識別するPCR−
順向きプライマーとして「AGATGTCAGTGGCCTGCCAA(配列番号:15)」、逆向きプライマーとして「CCTGAACTCTTCGACGCTCA(配列番号:16)」を設計した。PCR条件は「94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒」を32回繰り返した。
−マルチプレックスPCR−
Peta型、IR8型、日本晴型を1反応で識別するマルチプレックスPCRに用いるプライマーとして「GTTCTGAACAAGTATGCATCAGGA(配列番号:11)」(順向き)、「ATGTCAGTGGCCTGCAAGTT(配列番号:13)」(順向き)、「GGTGTCACCTAAGTTGATCAGCAAT(配列番号:12)」(逆向き)、「CTCCTTCTCGGCGTTTGGCC(配列番号:14)」(逆向き)を設計した。PCR条件は「94℃30秒、62℃30秒、72℃30秒」を32回繰り返した。
−電気泳動−
PCR産物の電気泳動はいずれも、3%アガロース電気泳動を行った。
(実施例1) HIS1遺伝子の変異を標的とした4−HPPD阻害剤に対する感受性の判定
(1)HIS1遺伝子の塩基配列
データベース(Rap−db)によると、BBC抵抗性のイネ品種「日本晴」のHIS1遺伝子はイネ2番染色体上にあり、5つのエキソンから構成される(図16)。アミノ酸配列解析データベース(Scan Prosite)によると、HIS1の推定アミノ酸配列には酵素活性ドメインと推定される領域が第4エキソンから第5エキソンにわたる領域に存在する(図16)。
BBC感受性を示す5つのイネ品種「タカナリ」、「モミロマン」「IR8」、「IR24」、「Kasalath」のHIS1遺伝子をPCRで増幅後、独立にクローン化し、全塩基配列を解析した。その結果、HIS1の変異パターンにより、BBC感受性品種は少なくとも3群に分類できることを明らかにした(図17)。具体的には、「タカナリ」「モミロマン」は酵素活性ドメインと推定される領域内の第4エキソンに28bpの欠失が生じ、その遺伝子下流域ではコドンフレームにずれが生じている(図17)。「IR8」、「IR24」では酵素活性ドメインと推定される領域内の第5エキソンにアミノ酸置換を引き起こす塩基配列の異常が生じている(図17)。「Kasalath」では酵素活性ドメインと推定される領域内の第4エキソンにアミノ酸置換を引き起こす塩基配列の異常が生じている(図17)。
次に、これらの情報をもとに、3種のBBC感受性品種のHIS1遺伝子型を判別可能なプライマーを設計した。
(2)PCR
−Peta型を識別するPCR−
Peta型を識別するPCRによって、「Peta」では約290bp、「日本晴」では約320bpに増幅産物を確認し、鋳型DNAのかわりにmilliQ水を添加した反応では増幅産物が見られないことを確認した。さらに、各イネ品種を供試した際のPCR産物を比較した。その結果、Peta型のHIS1遺伝子型を持つことが塩基配列解析で判明している「タカナリ」、「モミロマン」では「Peta」と同じく約290bpの増幅産物を確認した。加えて、「Taducan」、「IR64」、「密陽23」、「ミズホチカラ」、「夢十色」、「やまだわら」、「ハバタキ」、「おどろきもち」の各品種でも、「Peta」と同じく約290bpの増幅産物を確認した(図18A)。なお、「IR262−38-6-11」、「水原232」についても同様に約290bpの増幅産物を確認した。
−IR8型を識別するPCR−
IR8型を識別するPCRによって、「IR8」では約500bpに増幅産物を確認し、「日本晴」や、鋳型DNAのかわりにmilliQ水を添加した反応では増幅産物が見られないことを確認した。さらに、各イネ品種を供試した際のPCR産物を比較した。その結果、IR8型のHIS1遺伝子型を持つことが塩基配列解析で判明している「IR24」では、IR8と同じく約500bpの増幅産物を確認した。加えて、「DGWG(12189)」「水原258」「ルリアオバ」の各品種で、「IR8」と同じく約500bpの増幅産物を確認した(図18B)。
−Kasalath型を識別するPCR−
Kasalath型を識別するPCRによって、「Kasalath」では約620bpに増幅産物を確認し、「日本晴」や、鋳型DNAのかわりにmilliQ水を添加した反応では増幅産物が見られないことを確認した。その上で、各イネ品種を供試した際のPCR産物を比較した。その結果、「IR36」ではKasalath型のHIS1遺伝子型を持つことが塩基配列解析で判明している「Kasalath」と同じく約620bpの増幅産物を確認した(図18C)。
−マルチプレックスPCR−
マルチプレックスPCRによって、「モミロマン」では約290bp、「日本晴」では約320bp、「IR8」では約500bpに増幅産物を確認し、鋳型DNAのかわりにmilliQ水を添加した反応では増幅産物が見られないことを確認した。さらに、各イネ品種を供試した際のPCR産物を比較した。その結果、「Peta型」、「日本晴型」、「IR8型」を判別可能であることを確認した(図19)。
−HIS1遺伝子型によるBBC感受性イネ品種の分類−
前記のPCR判別技術により、イネ品種をHIS1遺伝子型で分類し、その結果を図20に示した。
インドネシアで栽培されるイネ品種の主要祖先品種については、吉田ら(2009:日作紀 78(3): 335-343) によって近縁係数平均値が示されている。前記のPCR判別技術は、インドネシアで栽培されるイネ品種の主要祖先5品種すべてをカバーすることができる(図21)。
本実施例において明らかとなったBBC感受性品種のHIS1遺伝子型は、個々の遺伝型によって地理的に固有の起源を持つことが推定できる(図22)。
本発明のイネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法は、例えば、輪作体系における前年作のこぼれ種の発芽リスクの軽減に利用することができる。本発明は、有用植物の収穫量の安定や増大に大きく貢献し得るものである。
配列番号9〜28
<223> 人工的に合成されたプライマーの配列

Claims (2)

  1. イネにおける4−HPPD阻害剤に対する感受性を判定する方法であって、被験イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換を検出し、当該一塩基置換が存在する場合に被験イネが4−HPPD阻害剤に対し感受性を有すると判定される方法。
    (a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の286位又は該部位に対応するバリンからグリシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
    (b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の246位又は該部位に対応するバリンからイソロイシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
  2. 請求項1に記載の方法に用いられるための試薬であって、イネのHIS1遺伝子の塩基配列に相補的な連続する少なくとも15塩基の塩基配列を含み、下記(i)又は(ii)に記載のオリゴヌクレオチドである試薬。
    (i)イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換の部位を挟み込むように設計された一対のオリゴヌクレオチド
    (ii)イネのHIS1遺伝子における下記(a)または(b)の一塩基置換を含む領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド
    (a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の286位又は該部位に対応するバリンからグリシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
    (b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列の246位又は該部位に対応するバリンからイソロイシンへのアミノ酸置換をもたらす一塩基置換
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