JP5971697B2 - ペットフード用の嗜好性向上・改善剤 - Google Patents

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本発明は、ペットフード等のペット用食品組成物やペット用医薬品に対する嗜好性向上・改善剤、およびその製造方法、ペット用食品組成物やペット用医薬品に対する嗜好性向上・改善方法に関する。
現在、動物愛護や少子高齢化等の理由から多くのイヌやネコなどのペットが飼育されている。ペットへの食餌に市販ペットフードを少なくとも40%以上用いている割合は、イヌ、ネコともに80%以上にもなる(一般財団法人ペットフード協会、2010年度全国犬猫飼育実態調査)。その背景には、ペットが家族の一員という位置づけであることや、ペットの健康への関心が非常に高くなっていることがあげられる。それに伴って、栄養バランスのとれたペットフードや疾病予防などに配慮されたペットフードが多種類市販されている。しかし、このようなペットフードでもペットに対する嗜好性が良好でなければペットは摂取せず、したがって嗜好性の良し悪しは非常に重要な問題である。特に、療養・処方用のペットフードは一般的に嗜好性に劣ることが言われており、健康維持や病気療養のためには継続して食べることが望ましいにも関わらず、給餌を断念せざるをえない状況も考えられる。また、ペットのオーナーにとっても、ペットがより好むペットフードを与えることは喜びでもある。
ペットが初めてのペットフードを摂取しようとする際、注意深く匂いを嗅ぎ、受け入れられる場合に摂取し、味が好ましければその後も摂取し続ける(非特許文献1)。最初に匂いを嗅いで摂取する行動すなわち食い付きには、主にペットフードの匂いが関与しており、ここで匂いが受け入れられず食い付かない場合には、仮に味がペットの好みであっても摂取されることはない。したがって、ペットフードの匂いは嗜好性を決定する要因として極めて重要である。
ペットフードの原料となる素材の匂いに関する報告はいくつかあり、Parkerらは、ペットフードの原料であるブドウ糖とグリシンを含む肉ベースの加工による匂いの生成について報告している(非特許文献2)。またGreenberg は、肉骨粉の揮発性成分を詳細に分析している(非特許文献3)。しかし、各種原料の匂い成分は詳細に報告されているが、これらの匂い成分と実際のペットフードの匂いとの関係については言及されておらず、ペットに対する嗜好性との関係に関しても不明である。
一方で、加熱処理によりフレーバー付与された酵母から、酵素分解などの方法によって得られた抽出エキスをペットフードに配合した高嗜好性ペットフードが、開発されている(特許文献1)。しかし、いかなる匂い成分が高嗜好性効果を示しているのか、詳細な検討はない。
また、大畑らは、鶏肉および鰹肉をそれぞれプロテアーゼで分解し調製したペプチド性素材をペットフードに配合したところ、ネコを用いた嗜好性試験において、食い付き(初めてのペットフードに食いつく様子)が顕著に良好であり、これにはペットフードの匂いが関与していると報告した(非特許文献4)。しかし、食い付きに関与する匂い成分の詳細な検討はない。
特開2004−121022号公報
Thorme, C.(山崎恵子、鷲巣月美訳)、「The Waltham book of dog and cat behavior」(犬と猫の行動学), インターズー、2000年 Parkaer, J. K., Balagiannis, D. P., Mottram, D. S.,"Flavor development in a meat-based petfood containing added glucose and glycin. ACS Symposium Series",2010年,1042, p.85-93 Greenberg, M. J.,"Characterization of meat and bone meal flavor volatiles", Journal of Agricultural and Food Chemistry, 1981年, 29, p.1276-1280 大畑素子, 有原圭三, 石川伸一, 伊藤良、「鶏肉あるいは鰹肉をパパインで分解して調製したペプチド性キャットフード素材の嗜好性に対する影響」、ペット栄養学会誌 2010 年, 13, p.1-13.
本発明の目的は、一般のペットフードや療養・処方用のペットフード、医薬品等のペットが摂取する製品において、ペットによる食い付きを良くするための、嗜好性向上・改善剤、およびその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決すべく、本発明者らは鋭意研究を進め、食い付き(初めてのペットフードに食いつく様子)が非常に良いことが既に判明しているペットフードの匂いに着目し、その匂いに高く寄与している主要香気成分を特定し、この主要香気成分で構成されるフレーバー組成物が、ペットに対して嗜好性向上または改善効果を有することを見出した。より詳しくは、高嗜好性ペットフードより香気成分を抽出し、Aroma Extract Dilution Analysis (AEDA)法(Grosch, W., 1993, Detection of potent odorants in foods by aroma extract dilution analysis. Trends Food Science Technology, 4 : 68-73 )を用いてガスクロマトグラフィー- オフファクトメトリー(GC-O)分析し、高嗜好性ペットフードの匂いに高く寄与する香気成分を特定し、それら香気成分の定量値に基づき調香したフレーバー組成物において、低嗜好性ペットフードに添加するだけで高嗜好性ペットフードの食い付きを上回る嗜好性向上効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
1.含有量が800ppbの3−(メチルチオ)−プロパナールと、0.8ppbのイソ吉草酸と、12ppbの2−フェニル−エタノールと、15ppbのγ−ノナラクトンと、15ppbのフラネオールと、3.4ppbの4−メトキシ−フェノールと、0.8ppbのバニリンを含むフレーバー組成物。
2.含有量が800ppbの3−(メチルチオ)−プロパナールと、0.8ppbのイソ吉草酸と、12ppbの2−フェニル−エタノールと、15ppbのγ−ノナラクトンと、15ppbのフラネオールと、3.4ppbの4−メトキシ−フェノールと、0.8ppbのバニリンペット用食品組成物または医薬品の嗜好性向上・改善剤。
3.ペット用食品組成物がペットフード、療養・処方用ペットフード、トリーツまたはサプリメントである、上記2記載の嗜好性向上・改善剤。
4.ペット用食品組成物がペットフードである、上記3記載の嗜好性向上・改善剤。
5.ペットフードがキャットフードである、上記4記載の嗜好性向上・改善剤。
本発明の嗜好性向上・改善剤は、ペットフード、療養・処方ペットフード、トリーツ、サプリメントなどのペット用食品組成物やペット用医薬品に、ペットの好む匂いを付与することにより、食い付きを良くすることができる。例えば、低嗜好性ペットフードに添加して嗜好性を向上・改善したり、嗜好性に劣る療養・処方用ペットフードに添加してその摂取を高め健康維持や療養に役立たせたりすることができる。また、本発明の嗜好性向上・改善剤は、ペット用の食品組成物や医薬品に振りかけて使用すればよいので、対象製品の種類や形態にかかわらず簡便に使用できる。
実施例1で得られた香気濃縮物からAEDA法により感知できた匂いのFD-factor を示したアロマグラムである。 ネコにおける嗜好性試験の結果を示したグラフである。(a) のグラフは実施例4に記載の第1回嗜好性試験の結果であり、(b) のグラフは実施例4に記載の第2回嗜好性試験の結果である。
本発明の嗜好性向上・改善剤は、高嗜好性ペットフードの匂いに寄与する特徴的香気成分で構成されるフレーバー組成物からなる。この特徴的香気成分は、高嗜好性ペットフードより抽出した香気成分の中で匂いへの寄与度の高い成分を同定することにより、決定できる。より具体的には、例えば、Aroma Extract Dilution Analysis (AEDA)法を用いて、高嗜好性ペットフードより抽出した香気濃縮物を段階的に希釈して、各希釈液をガスクロマトグラフィー- オフファクトメトリー(GC-O)等により分析し、最後に匂いを感知できた希釈率 (香気寄与度)(Flavor Dilution-factor,FD-factor) を求め、FD-factor の高い、即ち匂いへの寄与度の高い香気成分を、ガスクロマトグラフィー質量分析 (GC-MS)等により同定する。
匂いへの寄与度の高い香気成分としては、FD-factor がAEDA法により測定して53以上の香気成分を用いるのが好ましい。AEDA法とは、上述の通り、香気成分を順次溶媒にて希釈をしていき、希釈倍率の低い順から順にGC-O分析等に供し、匂いを感知していく。順次希釈倍率の高いGC-O分析に移行し、完全に匂いが感知できなくなるまで継続する方法である。最後に匂いが感知された希釈倍率を、その香気成分の香気寄与度 (Flavor Dilution-factor,FD-factor) と称する。
高嗜好性ペットフードとしては、これまでに食い付きが非常に良いことが判明しているペットフードが使用できる。好ましくは、特開2009-22206号公報に記載の、畜肉または魚肉タンパク質を含む原料をプロテアーゼ処理して得られるペプチド性ペットフード素材を用いて製造したペットフードが使用できる。
このペットフードを用い、例えば、脱臭水に一定時間浸漬した上清液から、酢酸エチルおよびジクロロメタンの混合溶媒などで液−液抽出し、上記方法で匂いへの寄与度の高い香気成分を同定すると、3−(メチルチオ)−プロパナール、イソ吉草酸、2−フェニル−エタノール、γ−ノナラクトン、フラネオール、4−メトキシ−フェノールおよびバニリンが香気寄与成分であることが判明した。これらの香料化合物はすべて用いてフレーバー組成物を調製することが望ましいが、この中の複数種の化合物、特に、3−(メチルチオ)−プロパナール、γ−ノナラクトン、フラネオールの3種類のみの香料化合物で構成されたフレーバー組成物でも、十分に嗜好性向上・改善効果があることが確認された。
本発明におけるフレーバー組成物は、上述のようにして特定した匂いへの寄与度の高い香気成分を溶剤に溶解させたものである。好ましくは極少量(香料が溶解する程度)のエタノールと蒸留水に溶解する。例えば、3ml のフレーバー溶液を調製する場合は、10〜100 μl のエタノールで香料を完全に溶解させた後、2.99〜2.90mlの蒸留水を加えて混合する。香気成分としては化学合成香料を使用することができる。
このように調製されたフレーバー組成物は、ペットフード等の調製段階で予め添加するのではなく、完成された製品にアトマイザー等でふりかけることが望ましい。アトマイザーとしては、瀬戸、ガラス、プラスチックなど、フレーバーが漏れる要素のない材質であれば任意の材質のものがを使用できる。
上記フレーバー組成物を含む嗜好性向上・改善剤は、一般のペットフード、療養・処方用のペットフード、トリーツ、サプリメント、医薬品など任意の種類や形態の製品に添加して、ペットの好む匂いを付与できる。後述の実施例4の嗜好性試験の結果からも明らかなように、低嗜好性ペットフードであっても、本発明の嗜好性向上・改善剤を加えることにより、高嗜好性ペットフードの食い付きを上回る効果を発揮しうる。
以下、本発明を実施例によって説明する。なお、以下の実施例は、本発明を説明するために挙げた例であり、これにより本発明を限定するものではない。
(高嗜好性ペットフードからの香気濃縮物の調製方法の検討)
畜肉または魚肉タンパク質を含む原料をプロテアーゼ処理して得られるペプチド性ペットフード素材(特開2009-22206号公報参照)を用いて製造したペットフードであり、食い付きの非常に良好なドライタイプのペットフードとして市販されている「MiawMiawカリカリ小粒タイプ」(アイシア株式会社)から、以下に示す5種類の方法で香気成分を抽出し、ペットフードの匂いを高い再現性で抽出できる方法を検索した。
1.1ml の酢酸エチルと20mlのジクロロメタンの混合溶媒で、40g のペットフードから直接固−液抽出する。
2.40g のペットフードを360gの脱臭水に30分間浸漬した上清液から、1ml の酢酸エチルと20mlのジクロロメタンの混合溶媒で液−液抽出する。
3.40g のペットフードを15%エタノール溶液360gに30分間浸漬した上清液から、1ml の酢酸エチルと20mlのジクロロメタンの混合溶媒で液−液抽出する。
4.40g のペットフードを360gの脱臭水に30分間浸漬した上清液を、ポーラスポリマーであるポラパックQ樹脂を充填させたガラスカラムに通過させ、ポラパックQに香気成分を吸着させた後、1ml の酢酸エチルと20mlのジクロロメタンの混合溶媒で溶出させる。
5.40g のペットフードを15%エタノール360gに30分間浸漬した上清液浸漬液を、ポラパックQを充填させたガラスカラムに通過させ、ポラパックQに香気成分を吸着させた後、1ml の酢酸エチルと20mlのジクロロメタンの混合溶媒で溶出させる。
上記いずれの方法においても、抽出直前に内部標準物質(IS)としてメチルデカノエイトを最終濃度で25ppm となるように添加した。また、いずれの方法においても、得られた抽出液に無水硫酸ナトリウムあるいは無水硫酸マグネシウムを加え十分脱水した後、Solvent Assisted Flavor Evaporation 法(Wolfgang, E., Wolfgang, B., Peter, S., 1999, Solvent assisted flavour evaporation − a new and versatile technique for the careful and direct isolation of aroma compounds from complex food matrices. European Food Research and Technology, 209 : 237-241 )により確実に揮発性画分を得た。さらに、窒素気流下で揮発性画分の溶媒を留去し、5 種類の香気濃縮物とした。
得られた5種類の香気濃縮物を用いて、ヒトによる官能評価で、元のペットフードの匂いと最も近いものを選出した。官能評価には順位法を用い、初めに元のペットフード匂い呈示した後で、5 種類の香気濃縮物をランダムに呈示した。その結果、上記2に記載の方法で得られた香気濃縮物が有意に元のペットフードの香気に近く(p<0.01) 、上記1に記載の方法で得られた香気濃縮物は有意に元の香気と異なることが判明した(p<0.01) 。したがって、フードからの香気濃縮物調製方法として最良なのは、上記2記載の方法であると結論付け、以降の実施例に用いた。
(得られた香気濃縮物から匂い寄与度の高い香気成分の特定)
実施例1より得られた香気濃縮物をGC-O分析に供した。使用したモデルは、Gas Chromatography GC-17A (島津製作所)とそれに接続したsniffer ODO-II(SGE )かあるいは、
Gas Chromatography GC-2010 Plus (島津製作所)とそれに接続したsniffer-9000(Brechbuhler)である。使用したキャピラリーカラムはBD-Wax (J&W)で、サイズは60m (長さ)×1.25mm(内径)×0.25μm (フィルム厚)である。キャリアガスおよびメイキャップガスには純ヘリウムを使用した。試料注入口および検出器温度は、共に210 ℃に設定した。昇温プログラムは、40℃で5 分保持した後、1分間に3℃ずつ210 ℃まで昇温し、35分間保持するものである。香気濃縮物のGC-Oへの注入量は、0.5 μl である。
AEDA法によって寄与度の高い香気成分を特定した。すなわち、香気濃縮物を段階的にジクロロメタンで希釈したものを準備し、希釈率の低いものから順にGC-O分析した。匂いが感知された保持時間と香調を記録し、匂いが感知されなくなるまで継続して分析した。最後に匂いを感知できた希釈率を、その匂いのFlavor Dilution-factor(FD-factor )とし、すべての匂いについてFD-factor を求めた。高FD-factor のものほど、匂いへの寄与度が高いことを示している。
次に、高FD-factor を示した香気成分をGas Chromatography-Mass Spectrometry(GC-MS )によって、同定した。使用したGC-MS のモデルは、GC-MS QP-2010 (島津製作所)である。分析条件は、GC-Oと一致させた。使用したライブラリはWiley である。
図1は、AEDA法により感知できた匂いのFD-factor を示したアロマグラムである。x軸にGC分析の保持時間、y 軸に匂いの寄与度を示すFD-factor を示してある。FD-factor が高いほど、元のフードの匂いへの寄与度が高いことを示す。図中の香気成分名は、GC-MS により同定したものである。特に寄与度の高いFD-factor 3以上のものを示した。図中のアスタリスクは、FD-factor が3以上にもかかわらずピークが存在せず、GC-MS では同定できなかったものである。
図1に示す結果より、3−(メチルチオ)−プロパナールはFD-factor が55 と最も寄与度が高く、次いで、4−メトキシ−フェノール、γ−ノナラクトン、フラネオールおよびイソ吉草酸のFD-factor が54 2−フェニル−エタノールおよびバニリンのFD-factor が53 と高いことが分かる。したがって、これら7種類の香気成分が、高嗜好性フードの匂いに高く寄与していると結論付けた。
(匂い寄与度の高い香気成分を用いた調香)
実施例2より同定された7種類の香気成分を定量した。検量線を用いて各香気成分のペットフード中の濃度を算出した結果、3−(メチルチオ)−プロパナールは800ppb、イソ吉草酸は0.8ppb、2−フェニル−エタノールは12ppb 、γ−ノナラクトンは15ppb 、フラネオールは15ppb 、4−メトキシ−フェノールは3.4ppb、バニリンは0.8ppbであった。この定量値を基に、化学合成香料を用いて、3−(メチルチオ)−プロパナールは800ppb、イソ吉草酸は0.8ppb、2−フェニル−エタノールは12ppb 、γ−ノナラクトンは15ppb 、フラネオールは15ppb 、4−メトキシ−フェノールは3ppb、バニリンは0.8ppbの濃度で調香し、極少量(10`100μl 程度)のエタノールに溶解した後、全体容量が3mLになるように脱臭水で希釈して、フレーバー組成物とした。
(調香されたフレーバーを用いたネコによる嗜好性試験)
実施例3により調香されたフレーバーをアトマイザーに注入し、ネコによる嗜好性試験に用いた。
ネコによる嗜好性試験は、食い付きの2点比較法で試験し、詳しくは次のとおりに行った。
はじめに、実施例1に記載の高嗜好性ペットフードと、既に予備的実験で明らかになっている低嗜好性ペットフードをそれぞれ給餌容器に入れ、並べておいた。この時、両容器は30cm以上離した。次に、給餌容器から90cm以上離した場所からネコを放し、どちらのペットフードから最初に食い付くか観察した。同時にその様子を動画で撮影した。翌日、給餌容器の場所を左右替えて同様の試験を行った。これらの試験を第1回嗜好性試験とし、両ペットフードの食い付き頭数を合計した。
日を替えて、高嗜好性ペットフードと低嗜好性ペットフードをそれぞれ給餌容器に入れ、低嗜好性ペットフードにのみ実施例3により調香されたフレーバーをアトマイザーで3プッシュ分ふりかけた。あとは同様の試験を行った。翌日、給餌容器の場所を左右替えて、低嗜好性ペットフードにのみフレーバーをふりかけ、同様の試験を行った。これらの試験を第2回嗜好性試験とし、両ペットフードの食い付き頭数を合計した。
その結果、図2に示すように、第1回嗜好性試験においては、低嗜好性ペットフードの食い付き頭数8頭に対し高嗜好性ペットフードの食い付き頭数が17頭であり、高嗜好性ペットフードの食い付きが顕著に高いことが示された。一方、第2回嗜好性試験では、フレーバーをふりかけた低嗜好性ペットフードの食い付き頭数が15頭、高嗜好性ペットフードの食い付き頭数が10頭であり、フレーバーをふりかけた低嗜好性ペットフードの食い付き頭数が、高嗜好性ペットフードを上回る結果となった。このことから、実施例3により調香されたフレーバーは、低嗜好性ペットフードの食い付きを向上させる効果を有すると結論付けた。

Claims (5)

  1. 800ppbの3−(メチルチオ)−プロパナール0.8ppbのイソ吉草酸12ppbの2−フェニル−エタノール15ppbのγ−ノナラクトン15ppbのフラネオール3.4ppbの4−メトキシ−フェノール0.8ppbのバニリンを含むフレーバー組成物。
  2. 800ppbの3−(メチルチオ)−プロパナール0.8ppbのイソ吉草酸12ppbの2−フェニル−エタノール15ppbのγ−ノナラクトン15ppbのフラネオール3.4ppbの4−メトキシ−フェノール0.8ppbのバニリンを含むペット用食品組成物または医薬品の嗜好性向上・改善剤。
  3. ペット用食品組成物がペットフード、療養・処方用ペットフード、トリーツまたはサプリメントである、請求項2記載の嗜好性向上・改善剤。
  4. ペット用食品組成物がペットフードである、請求項3記載の嗜好性向上・改善剤。
  5. ペットフードがキャットフードである、請求項4記載の嗜好性向上・改善剤。
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