JP5967596B1 - 直管型led照明用カバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
最近はLED照明の光の波長をコントロールして特徴のある植物成長、肉野菜の色合い演出など照明バリエーションが豊富になってきている。
更に、多様な空間のなかで、快適な生活環境、業務作業環境を求める照明の役割が大きくなっている。
LED照明の強度、色合いをワイヤレスリモコンで調整できる照明システムの普及など、従来の白色LED照明とは異なるLED照明の調色、調光がさらに身近なものとなって来ている。
つまり、フルカラーLED光の波長分散の変動が大きいため、調光により特定の調光色が他の色と比較して極端に暗い色が発現する可能性が大きい事である。
従って、直管型LED照明用の筐体、カバーについても光源LEDチップの光の取出し効率を妨げない事が重要となる。
フルカラー化によりさらに損失は増加するので、調色、調光型のLED照明の光損失を出来るだけ抑え、光の取出し効率を95%以上、好ましくは97%以上にすることが望ましい。
特許文献1はLED照射角度を広げるために、乱反射目的のための半円状の凹凸をLEDモジュールが搭載された面側の内面に有する照明器具が示されている。しかし反射板の形状が複雑であり、半円状の凹凸の彫刻方法など、具体的な寸法と光取出し効果についての改善記録の記載がない。
さらに特許文献1、特許文献7とも長尺で筒型の樹脂からなる外殻を有するが、複数のLED照明の配列をベースとしている。
シリンドリカル状の単位レンズ列が複数並列されたレンチキュラー状の凹凸構造が設けられた拡散シートをLED照明器具に提供するものであり、形状、寸法、ピッチ直下照度の記載があるが、直管構造には不向きであり、レンチキュラーは透明フイルムに金属腑形彫刻ローラーとゴムローラー間の接圧方式によって腑形されるものであり、液晶バックライトの輝度向上フイルムとして遍く使用されている。
特許文献3には凹凸を長手方向の凹凸は割れやすいとの記載があり、内面周方向に沿って連続的に加工できるプレス転写方法を用いている。
さらにLEDチップからの光の出射角度(配光角)による全反射等によって更に透過率が下がり、直管型白色LED照明の場合は前述のごとく透過率が85%以下となる。
シリカなどの無機粒子、エチルシリケーと系のガラス膜、スチレン、アクリル等の低屈折率の有機微粒子等が反射防止コーテイング剤として広く使われており、ポリカーボネート樹脂に易接着なコーテイング剤を選択できる。
調色、調光型のフルカラーLED照明の場合は出射光の波長によってはさらに光損失が大きくなる課題があり、光の取出し効率は95%以上、好ましくは97%%以上にすることが望ましい。
本発明は上記光取出し効率の課題を改善すべきものである。
鏡面に仕上げたアルミニウムは平面部分は少なくてもLED照明モジュール幅の1.5倍以上であれば光の取出し効率が向上することが実験によって分かった。
一方、アルミニウムは純アルミ純成分が99%以上のものを使えば反射率が高くなり、結果的に光取出し効率が高くなる。
推奨できるアルミニウムの銘柄としては#1050、#1100,#5052,#6063などがある。
当該レンチュキュラー状の凹凸はポリカーボネート樹脂を押し出し成型金型で彫刻が可能であり、好ましくはピッチが0.5mm〜0.7mm、深さが0.2mm〜0.4mmの範囲が良い。
しかしこの膜厚は薄すぎてコーテイングのバラツキが多く、不向きである。
従って、この厚みの奇数倍 3倍:330nm〜540nm、5倍:550nm〜900nm、7倍:770nm〜1260nmの範囲が現実的な膜厚コントロールの範囲であり、結果的に330nm〜1260nmの範囲が望ましいという事になる。
上記分散液は外殻(ポリカーボネート樹脂 屈折率:1.58)の屈折率より低屈折率が好ましく、屈折率が1.3〜1.4平均粒径が上記膜厚の1/10以下、即ち30nm以下である事が90%以上の透過率の実現と塗膜密着性の点から好ましい。
さらにLED照明モジュールの配置は直下ライト方式、或いはエッジライト方式の何れにも有効である。
つまり、LED照明モジュールの架台を鏡面に仕上げたアルミニウムを使用し、架台幅をLED照明モジュール幅の1.5倍以上とする事、拡散光が出射されるLED照明モジュール側の内面にピッチが0.5mm〜1.0mm、深さが0.2mm〜0.5mmのレンチュキュラー状の凹凸を彫刻を腑形することで内面での全反射を軽減でき、更にコーテイングによってLED光源の波長分散に対応した特定波長の透過率を向上する事が可能となった。
本発明の効果としては両技術手段によって、全体で20%以上の光取出し効率のアップが可能である。
アルミ架台の表面はバフ仕上げによる鏡面加工を施したものと、比較用としてアルマイト仕上げたアルマイト加工の2種類とし、アルミニウム架台の台幅4を20mmに固定し、LED照明モジュールを白色、青色、緑色の3水準とした。
外部環境の光を無視できる状態で、直管から垂直距離1メートル上部の位置で点灯して、長さ1mに沿って照度計にて照度化(Lx)を10点測定しその平均値を求めた。
結果は照度の測定結果に示す通り、鏡面の照度はアルマイト面に比較して高く、アルミニウム鏡面の場合の照度は120Lxを示した。
青色LEDモジュールは光の照度が非常に弱い値であるが、鏡面とアルマイト面での優位差がある事が確認できた。
アルミニウム鏡面で白色LEDモジュールの場合の照度は117Lxであり、同アルマイト面の場合は115Lxであった。緑色LEDモジュールの場合118Lxであり、同アルマイト面の場合は116Lxであった。
アルミニウム鏡面で白色、緑色LEDモジュールの照度は各々113Lxまで減少した。
表1の照度測定の結果から、アルミニウム架台の表面が鏡面であり、モジュール幅の少なくても1.5倍以上を有する条件が光取出し効率がよい。
レンチュキュラー状の凹凸形状は押出し金型の設計技術で精度よく成型可能であった。
アルミニウム架台幅を鏡面で台幅20mmとして実施例1と同条件にてLED照明を点灯して、照度(Lx)を測定した。
結果は白色LEDモジュールでは130Lx、緑色LEDでは140Lxとなりレンチュキュラー状の凹凸部7によって波長によっては白色で8%、緑色で14%の照度の向上が実現した。
塗液:ジャパンナノコート社製シリカ分散液(商品名B−1平均粒径10nm以下の結晶シリカ(SiO2)、屈折率1.33、希釈固形分20重量%(メタノール希釈)を選択した。
本塗液を満たしたバスに直管を浸漬塗布して内外両面に塗布した。常温で乾燥して黄緑色の波長(波長560nm近辺)の減殺光干渉を狙い、両面総厚みを840nm(片面:420nm)とした。 片面420nmの根拠は560nm x(1/4)x3(奇数倍n=3)=420nmである。
結果は白色LEDモジュール(ピーク強度565nm)では146Lx、緑色LED(ピーク強度540nm)では155Lxとなり,減殺的光干渉コーテイングによってさらに約10%照度の向上が確認され、光取出し効率が改善した。
(1)照度
照度計(ISO−TECH社 ILM1332A)を使用した。
(2)屈折率
株式会社アタゴ製「アッベ屈折計NAR−2T」測定波長:550nm(ナノメー トル)で測定した。
(3)波長分散定義
各色のLEDチップの分光放射強度または放射エネルギーと波長(可視光領域)の 分布グラフであり、ピーク値を100に正規化したものである。
(4)乾燥後の直管塗布厚みの測定
直管を中央部を半割りにして、(株)リガク「携帯型成分分析計XL3tシリコン ドラフト検出器」にSiピーク強度をカウントして両面総厚みを測定する。
2.スライド爪部
3.鏡面アルミニウム架台
4.鏡面アルミニウム架台幅
5.LED照明モジュール
6.LED照明モジュール幅
7.レンチキュラー状の凹凸部
8.コーテイング実施内面
9.コーテイング実施外面
Claims (1)
- ポリカーボネート樹脂からなる外殻の内外両面に平均粒径が10nm(ナノメートル)以下のシリカ(SiO2)の分散液を浸漬塗布乾燥して、LED出射光の特定波長に合わせ、その膜厚が330nm(ナノメートル)から1260nmの範囲からなる減殺的光干渉によって、特定波長近辺の透過率を向上させることが可能な直管型LED照明カバーの製造方法。
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