JP5965568B2 - 攪拌混合器 - Google Patents
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Description
(1)圧壊による方法
超音波、衝撃波等で急激な圧力変動を加えて、気泡をいったん膨張させた後に加圧して気泡を崩壊させる圧壊により生成する。
(2)過飽和析出により方法
冷却加圧等により空気の溶解度を上げておき、定常状態に戻し過飽和状態とし、乱流等の刺激を与え、溶存空気が気泡核を中心にして気泡を成長させる過飽和析出による。
(3)剪断生成させる方法
ベンチュリー管や、旋回流により、気体を含む水に乱流を加え、気体を切るように剪断して気泡を剪断生成させる。
(4)キャビテーションを利用した方法
急激な圧力低下により蒸気圧以下とすることで、沸騰が起こり、同時に水中の溶存空気が析出し、気泡を発生する現象であるキャビテーションを利用する。
(5)微細孔から圧力気体を吐出させ気泡を生成する方法
微細孔から圧力気体を吐出させ気泡を生成する。
等の種々の方法でマイクロバブルを生成している。
マイクロバブル生成にあたって、一般的には一定以上の流速が必要となってくる。例えば、特許文献2に示すものにあっては、管内面に多数の衝突体を設けることで、流速に剪断による乱流を生じさせることが出来る為、マイクロバブルの生成部が小型に生成でき、一定の圧力源で簡易にマイクロバブルを生成することが出来る等優れた効果を有するものである。
しかしながら、この技術では、管内面に多数の衝突体を設け、また仕切板を設ける構造であり、製作工数が掛かり、比較的に安価に製造することが出来ない。
一般的に、通常の水道蛇口からの流量は、0.2kg/s程度、水圧で1kgf/cm2程度である。加圧するためのポンプなどを使用せずにマイクロバブルを作り出すには、マイクロバブル生成器内で旋回流等の生成、剪断等の要素が複雑に作用し、一概に規定できないが、乱流が少ない場合では2Kgf/cm2以上でマイクロバブルが生成できる場合がある。そして、マイクロバブル生成器内で、乱流が大きくとれる構成であることが好ましい。
そこで、本発明では、簡易の構成で安価に製作できる攪拌混合器を提供するもので、特に、家庭等の水道水の圧力等でも簡易にマイクロバブルの発生できる攪拌混合器を提供することにある。
また、一般家庭で簡単にマイクロバルブ水を発生させる装置として、特許文献3に記載の技術がある。
この技術では、気液を混合した下流側の管状態の内面に螺旋状の凸状を形成すると共に、螺旋形状の凸部を形成した外側に磁石を対向させて設ける構成が提案されている。
そこで、本発明では、簡易の構成で安価に製作できる攪拌混合器を提供するもので、特に、家庭等の水道水の圧力等でも簡易にマイクロバブルを発生できるマイクロバブル生成器を提供することにある。また、効率的な磁気処理で磁気水を提供することにある。
(1) 処理物を通過させる流路を内部に有する筒体と、筒体内の流路中心軸を挟んで左右部分のそれぞれに流路を変更する対の半楕円状の流路変更板を有する攪拌混合器において、一方の流路変更板は、流路中心軸に対し下記角度範囲のα°の傾斜面を下流側先端を持上げて設けると共に、半楕円形状の流路変更板の流路中心軸と交差する中心側端辺を回転軸として、半楕円形状の流路変更板が外周方向に下がるように下記角度範囲のβ°傾斜させることで二方向の角度による傾斜を設け、他方の流路変更板は、前記一方の流路変更板の流路中心軸を中心軸として180度回転させた位置に設けることを特徴とする。
α=45±5 (°)
80−α=β±10(°)
(2)対の流路変更板の下流側の筒体内空間部であって、流路内に回転流を直線流とする整流板を設けることを特徴とする。
(3)前記整流板は、前記対の整流板により形成される回転流となっている処理物の流路の中心が、流路の最上部、最下部となる位置に設けることを特徴とする。
(4)前記対の流路変更板を、流路内に複数対設けることを特徴とする。
(5)最下流に位置する対の流路変更板の下流側の筒体内空間部であって、流路に沿って磁気を筒体内空間部に磁界を生じさせる磁気処理を行う磁気処理体を配置することを特徴とする。
(6)前記磁気処理体は、流路の中心方向に沿って、同性の極を近接状態で配置した永久磁石を一対又は複数対設け、磁束を流路に放射状に生じさせることを特徴とする。
(7)筒体自体、或いは筒体の内面又は外面に磁性体により形成したことを特徴とする。
(8)処理対象物として水、及び空気又はオゾン等の気体を用いマイクロバブル発生器を使用することを特徴とする。
なお、前記α°の角度とすることで、筒体内の圧力を高め、またβ°傾斜させることで、流速を高めるように作用することで小型でありながら、安価に攪拌混合器を製作することが出来るように作用する。
更に、対の流路変更板の下流側の筒体内空間部であって、流路の最上部、最下部となる位置に回転流を直線流とする整流板を設けることで旋回流を停止させるように作用する。旋回流が少なくなることで、排出口近傍の減圧部がなくなり外部からの空気等の流入を押さえることが出来るように作用することで、渦流内に発生しているマイクロバルブと流入する空気との接触を防止することで、より確実にマイクロバルブを発生することが出来る。
なお、筒体自体、或いは筒体の内面又は外面に磁性体により形成することで、各磁極と磁性体の筒体との間で磁場が形成される。このとき磁場は、筒体内に放射状に形成されることより、流路とほぼ直角の磁場により効率的に、被処理水の磁気処理を行うことが出来るように作用する。
また、永久磁石は、流路の中心方向に沿って、同性の極を近接した状態で流路に設ける永久磁石を複数対設ける構成とすることで、流路内の複数箇所で被処理水の磁気処理を行うことが出来るように作用する。
本発明の攪拌混合器によれば、簡易な構成でありながら攪拌混合器内の乱流を大きくとることが出来、確実な攪拌混合を行うことが出来ると共に、攪拌に用いた高速の処理水の流れを利用して、効率的に被処理水の磁気処理を施すことが出来る。
更に、水と空気の混合に使用した場合には、マイクロバルブを発生、水蒸気ミストの発生についても確実に行うことが出来る効果を有する。また、本発明では、処理水を簡易な構成で磁気処理機能処理水を製造することが出来る等優れた効果を有する。
以下、これらについて図面に基づいて説明する。
筒体は、ある程度強度を有する材質よりなり、鉄、合成樹脂等の適宜材料で形成するが、後述する永久磁石5の磁力線が筒体1との間で形成させて使用する場合には、筒体1は、磁性材料を用いることが好ましく、合成材料で使用する場合には、磁性材料を筒体内面又は外面に貼り付ける等適宜手段で形成して使用しても良い。
また、筒体内部は、少なくとも被処理物の水、その他流体が通過する流路10となり、断面円形状で、後述する永久磁石5を設ける部分の内径をやや大きな流路11として、製作している。そして、流入口12及び排出口13に使用用途に合わせて、取り付けの利便を考慮して、ねじが切ってある。
そして大きさは、通常水道管等に取り付けて使用するにあっては、水道配管と同様の径か、接合できる太さに成形し、水道配管の先に取り付け使用することが可能である。
流路変更板20、21は、前記筒体1と同様の材質で鋳造や射出成形等の方法で一体的に成形することが出来るが、筒体1とは別個に製作し、内部に固定する構成であっても良い。
流路変更板20、21は、図1に示すように構成するが、この角度の付け方について、図2の理解しやすいように流路変更板を長方形とした略図に基づいて説明する。
筒体1の流路10の流路中心軸Xの手前側の流路変更板20の角度について、流路方向の状態(図2(a1))の流路変更板20を下流側先端を持上げるように、流路中心軸Xに対し角度範囲のα°の傾斜面を形成する(図2(a2))。次いで、流路の中心側X側の端辺(実施例では半楕円形状の流路変更板の流路中心軸と交差する中心側端辺)を回転軸として、半楕円形状の流路変更板が外周方向に下がるように下記角度範囲のβ°傾斜させる(図2(a3)(a4))。
他方、筒体1の流路10の流路中心軸Xの奥側の流路変更板21の角度について、前記流路変更板20と流路中心軸Xを中心として180°回転させた方向に角度を傾けた位置となる。即ち、図2(a1)の流路変更板20を、上流側先端を持上げるように、流路中心軸Xに対し角度範囲のα°の傾斜面を形成する(図2(b2))。次いで、流路の中心側X側の端辺(実施例では半楕円形状の流路変更板の流路中心軸と交差する中心側端辺)を回転軸として、半楕円形状の流路変更板が外周方向に持ち上げる下記角度範囲のβ°傾斜させる(図2(b3)(b4))。
表1は、直径20mmの管に図1の流路変更板20、21を設け、流入条件として、流入量2.6Kg/s、流入速度、乱流エネルギーは流路変更板20、21の先端から12.5mmの位置の数値をCOSMOSFloWorksを使用し解析を行った。
気液せん断法によるマイクロ・バブル発生においては400〜600r/sの回転が必要とされている。従って、直径20mmでは、その円周は、近似値で、0.0628mとなり、25.2〜37.68m/sの回転速度が必要となる。
更に、角度αが40〜50度の状態において角度βを調整することにより、管内圧力を8Kgf/cm2の条件下で、最大流速が37.4〜37.5m/s、乱流エネルギー46.7〜52.8J/Kgと最も良好な状態となる。
この表1の結果から、α=45°±5°、β=(80−α)±10°となる二方向の角度による傾斜を求めた。
この表からもαの角度が、α=45°±5°の条件が最も最適であり、これを外れると流速および乱流エネルギーも低下することが分かる。
また、βの角度も、前記と同様にβ=(80−α)±10°の範囲となっている。
なお、上記各条件は流路変更板の肉厚を変えて開口断面積を変化させてもほぼ同様であった。
添加混合体導入管3は、攪拌混合器で処理対象物に、流体、気体、流体粉体を添加する際に使用するときに用いる。具体的には処理対象物の水に空気を添加し、空気のマイクロバブル発生器を使用する場合などに使用する。
ここで、本発明では、添加混合体導入管3はパイプ上の管を筒体1の外部から挿入する。そして、挿入位置は、図4〜6に示すごとく、流路変更板20、21の交差部より流路10の下流側の近接した筒体1内の空間部に設けている。この位置に設けたのは、図8に示したように、対の流路変更板20、21の交差部より流路の下流側の近接した筒体内の空間部には、管内圧力が非常に小さくなっている部位であり、この部分に設けることで、容易に添加混入体を容易に混入することが出来るからである。
なお、図示はしないが、対の流路変更板20、21の交差部から高速の流体が流れていることより、この流れに巻き込むように、この部分では筒体1の下流側から交差部分に向かって流体が流れる為、添加混合体導入管3の開口部30を交差部側に設けている。
また、攪拌混合体で被処理物が処理する際に、事前に混合状態となっている場合には、添加混合体導入管は不要であり、添加混合体導入管を設けないか、或いはメクラ状態で使用することが出来る。
整流板4は、筒体1の出口13から流体が排出するとき、筒体内部の処理流体は旋回流となっている為、旋回流の遠心力のため出口13から外部に外周側に沿って排出される。このため出口13の中心軸付近の圧力が少なくなってしまい、図7、図8に示すように、筒体1内部は圧力が低くなり、図8の拡大図ベクトル図に示すように、外部空気を攪拌混合器内に巻き込んでしまう場合があり、通常水中などで使用する場合には支障が少ないが、出口13が、開放状態の空気中で使用する場合には、流入する空気が大量となり、マイクロバブルが発生しない。
他方、図9、図10に示すように、筒体1に整流板を設けることで、処理流体の流れが旋回流から直線流に近い形とすることで、図10の拡大図ベクトル図に示すように、出口13では、空気の流入を防止することが出来る。
表2は、整流板4の位置と旋回流の関係を検証したものである。
流路変更板20、21を、それぞれ前記α=45°、β=40°で設けた時、旋回流の中心が、対の流路変更板20、21の交差部から24mmの位置となる。そして、この位置を基準として、前後の±5mm前後にずらした位置に、整流板4の上下先端を位置させてシミュレーションを示したものである。
また、内径の大きさは、10mmで整流板4の形状は、図1に示すような三角柱形状のもので、流路に対し長さ6mm、幅3mmのものを用いた。
また、用いた旋回流の流入量は、0.2Kg/sである。流出部は、基準点(対の流路変更板20、21の交差部)から60mmの位置を基準とした。
なお、上記シミュレーションは、前記流路変更板21の角度について使用した、COSMOSFloWorksを使用し解析を行った
磁気処理体5は、一般的に永久磁石50を流路の中心方向に沿って、同性の極を近接した状態で流路に設けたもので、近接した状態を維持するために、例えば、厚さ0.2〜2mm程度の平ワッシャ51を挟んで設けることで形成する。図面においては、環状円筒形の6個の永久磁石50を、平ワッシャ51を挟んで、図5、図6に示すように、S極同士、あるいはN極同士等、同性の極を近接した状態で位置させ、先端を前記整流板に螺入している固定心棒に挿通する。そして、固定心棒52の後端は、整流板6内の挿通孔60を挿入し固定ナット53で固定している。
この永久磁石50を、平ワッシャ51を挟んで、S極同士、あるいはN極同士等、同性の極を近接した状態で位置させて設けることで、この平ワッシャを設けている隙間付近では、近接する各極から出る(又は入る)磁力線は、各磁力線は交差することがないことより、磁力線の向きを、ほぼ放射線状に形成されることになり、磁力線を有効に利用することが出来る。そして、筒体10を磁性材料により形成した場合、或いは筒体の内面又は外面に磁性体により形成した場合には、磁力線は、永久磁石50の各極と筒体10間に形成され、流路を流れる水等の被処理物に、ほぼ垂直に交差した状態で形成されるため、更に効率的な磁気処理を行うことが出来る。
ここで永久磁石50は、例えば6mmの円筒形のものを用いている。またこの永久磁石50を設けることにより断面積が減少すること、及び取り付けの利便性等より、筒体内面の内径を16mmから19mmに大きくしている。
発芽率は、水道水:70%、マイクロバブル:90%、磁気水:96%、マイクロバブル+磁気:100%であった。
図11は、8日後のその状態を示した説明図であり、図11からも判るように、磁気水を使用したものについては、発芽率がマイクロバブル水に比べ良好であるが、成長度合いは磁気水のものより、マイクロバブル水の方が良好となっている。これは磁気水による水の改質の効果より、マイクロバブルによる酸素の供給が影響していると推測される。
マイクロバブルと磁気水を使用したものは、成長の度合が良好である。そして、発芽率ではマイクロバブル+磁気処理水を使用したものが最も苗の発育に良好な結果を与えていることが分かる。
このように、マイクロ・バブルによる溶存酸素濃度の上昇とイオン化に加え磁気処理による電荷の発生による一層のイオン化によるものと考えられ、マイクロ・バブルと磁気処理を併用することがより水の機能水としての性質を増加させている結果となっている。
例えば、流路変更板20、21を1組使用した場合で、圧力が2.8Kgf/cm2最大流速14.5m/sであったものが、2組使用するとともに、圧力が4.9Kgf/cm2となり最大流速も22.4m/sと高めることが出来た。
ただし、このような使い方をした場合であって、2組の流路変更板20、21の中間部分では圧力が高くなるため、後述する添加混合体導入管3を設ける場合には、加圧する必要がある。
20、21 流路変更板
3 添加混合体導入管 30 開口部
4 整流板
5 磁気処理体
50 永久磁石 51 平ワッシャ 52 固定心棒 53 固定ナット
6整流板 60挿通孔
Claims (7)
- 処理物を通過させる流路を内部に有する筒体と、筒体内の流路中心軸を挟んで左右部分のそれぞれに流路を変更する対の流路変更板とを有する攪拌混合器において、
流路変更板は、流路長手方向から見た形状が半楕円形状に形成すると共に、
一方の流路変更板は、流路中心軸に対し下記角度範囲のα°の傾斜面を下流側先端を持上げて設けると共に、半楕円形状の流路変更板の流路中心軸と交差する中心側端辺を回転軸として、半楕円形状の流路変更板が外周方向に下がるように下記角度範囲のβ°傾斜させることで二方向の角度による傾斜を設け、
他方の流路変更板は、前記筒体の流路変更板の流路中心軸を中心軸として180度回転させた位置に設けることを特徴とする攪拌混合器。
α=45±5 (°)
80−α=β±10(°) - 対の流路変更板の下流側の筒体内空間部であって、流路内に回転流を直線流とする整流板を設けることを特徴とする請求項1記載の攪拌混合器。
- 前記整流板は、前記対の流路変更板により形成される回転流となっている処理物の流路の中心を分割する位置であって、流路断面の最上部から最下部となる位置に設けることを特徴とする請求項2記載の攪拌混合器。
- 前記の対の流路変更板を、流路内に複数対設けることを特徴とする請求項1に記載の攪拌混合器。
- 最下流に位置する対の流路変更板の下流側の筒体内空間部であって、流路に沿って磁気を筒体内空間部に磁界を生じさせる磁気処理を行う磁気処理体を配置することを特徴とする請求項1または4のいずれか記載の攪拌混合器。
- 前記整流板の下流側の筒体内空間部であって、流路に沿って磁気を筒体内空間部に磁界を生じさせる磁気処理を行う磁気処理体を配置することを特徴とする請求項2または3のいずれか記載の攪拌混合器。
- 前記磁気処理体は、流路の中心方向に沿って、同性の極を近接状態で配置した永久磁石を一対又は複数対設け、磁束を流路に放射状に生じさせることを特徴とする請求項5記載の攪拌混合器。
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