図1は、情報処理装置の一例を示す図であり、情報処理装置の斜視図である。
情報処理装置1は、例えば、タブレット型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機能及び通信機能を備える携帯情報端末(以下、スマートフォンという)等である。情報処理装置1は、例えば、アッパーカバー10と、リアカバー11とを含む。アッパーカバー10は、表示部10Aを含む。
アッパーカバー10は、例えば情報処理装置1の上部筐体であり、リアカバー11は、例えば情報処理装置1の下部筐体である。アッパーカバー10とリアカバー11は、第1の筐体と第2の筐体の一例である。アッパーカバー10とリアカバー11は、いずれが第1の筐体であってもよく、いずれが第2の筐体であってもよい。アッパーカバー10とリアカバー11は、各々、例えば、図1に示すように、直方体状、換言すれば、板状の形状を有し、平常状態において相互にずれがない、換言すれば、正対している。アッパーカバー10とリアカバー11は、後述するように、相対的な位置を変更可能に設けられる。
表示部10Aは、後述するように、例えばタッチパネルと液晶表示装置とを含み、情報処理装置1の入出力装置の一例である。しかし、情報処理装置1が第1の筐体と第2の筐体、換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更による入力手段を備えるので、表示部10Aは、タッチパネルを含まなくてもよい。表示部10Aは、第1の筐体又は第2の筐体に設けられた出力部であればよい。
図2は、情報処理装置の一例を示す図である。
情報処理装置1は、検出部2と、検出処理部3と、アプリケーション実行部5と、出力制御部6と、出力部7とを含む。検出処理部3は荷重パターンテーブル4を含む。出力制御部6は出力制御テーブル8を含む。
検出部2は、図3を参照して後述する荷重検知部20〜22により、第1の筐体と第2の筐体、換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力を検出する。これにより、検出部2は、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出する。検出部2は、検出したアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合い、換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力に応じた検出信号を生成して、生成した検出信号を検出処理部3に送る。
検出処理部3は、検出部2から受け取った検出信号に基づいて、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出する。具体的には、検出処理部3は、検出部2から受け取った検出信号に基づいて、1又は複数の出力信号1〜出力信号4を生成する。出力信号1〜出力信号4については、図5を参照して後述する。検出処理部3は、生成した出力信号1〜出力信号4を出力制御部6へ送る。
例えば、検出部2は、荷重検知部20〜22により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出することにより、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた荷重信号を生成して、生成した荷重信号を検出処理部3に送る。荷重検知部20〜22としては、例えば、圧力を線形的に検出することができる圧力センサが用いられる。この時、検出部2は、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の強弱及び方向として検出する。
この場合、検出処理部3は、検出部2から受け取った検出信号に基づいて予め定められた荷重算出処理を実行して、荷重算出処理の結果に基づいて荷重信号を生成する。そして、検出処理部3は、生成した荷重信号に基づいて荷重バランスを算出し、換言すれば、荷重信号を量子化し、量子化した荷重信号を用いて荷重パターンテーブル4を参照することにより、1又は複数の出力信号1〜出力信号4を生成する。荷重パターンテーブル4は検出処理部3により予め保持される。
また、例えば、検出部2は、荷重検知部20〜22により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出することにより、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた量子化した荷重信号を生成して、生成した量子化した荷重信号を検出処理部3に送る。荷重検知部20〜22としては、例えば、後述する弾性体30、基板31及び電気的スイッチ32〜35が用いられる。この時、検出部2は、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の有無及び方向、又は、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の強弱及び方向として検出する。
この場合、検出処理部3は、検出部2から受け取った量子化した荷重信号を用いて荷重パターンテーブル4を参照することにより、1又は複数の出力信号1〜出力信号4を生成する。
出力制御部6は、検出処理部3から受け取った1又は複数の出力信号1〜出力信号4に基づいて出力制御テーブル8を参照する。出力制御テーブル8は、出力制御部6により予め保持され、1又は複数の出力信号1〜出力信号4に対応して、出力制御部6が実行する出力部7の制御を定める。出力制御部6は、出力制御テーブル8に従って、出力部7の制御信号を生成して出力部7へ送る。これにより、出力制御部6は、検出部2により検出されたアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更に基づいて、出力部7を制御する。出力部7は、出力制御部6から受け取った制御信号に従って、出力を実行する。
なお、検出処理部3又は出力制御部6が、荷重パターンテーブル4と出力制御テーブル8の双方を保持するようにしてもよい。また、検出処理部3又は出力制御部6が、荷重パターンテーブル4と出力制御テーブル8とを統合したテーブルを保持するようにしてもよい。
例えば、出力制御部6は、予め定められた操作が実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、情報処理装置1の電源部を制御することにより、情報処理装置1の電源をオンする。従って、電源部は出力部7に含まれる。なお、電源部を制御するために、検出部2、検出処理部3及び出力制御部6における電源部を制御するための回路のみに、常時電力が供給される。
アプリケーション実行部5は、アプリケーションプログラムを実行する。例えば、アプリケーション実行部5が携帯電話機能を制御する携帯電話制御プログラムを実行している場合、出力制御部6は、予め定められた操作が実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、通話の音量を制御する。また、例えば、アプリケーション実行部5が画像表示制御プログラムを実行している場、出力制御部6は、予め定められた操作が実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、その時点で表示している画像をスクロールする。従って、アプリケーション実行部5は出力部7に含まれる。
図3は、情報処理装置の説明図であり、荷重検知部の概略について示す図である。なお、図3は、アッパーカバー10及びリアカバー11と、荷重検知部20〜22との関係を模式的に示す図である。図3においては、アッパーカバー10とリアカバー11との大きさが異なっているが、これは、荷重検知部20〜22がアッパーカバー10とリアカバー11との間に設けられていることを示すための便宜的な表示である。実際のアッパーカバー10及びリアカバー11と、荷重検知部20〜22との関係については後述する。
検出部2は、複数の荷重検知部20〜22により、アッパーカバー10及びリアカバー11に加えられた荷重を検出する。複数の荷重検知部20〜22の数や設置される位置は、図3の例に限られず、種々の変更が可能である。
図3(A)及び図3(B)は、荷重検知部20〜22として後述する弾性体30、基板31及び電気的スイッチ32〜35を用いて、荷重検知部20〜22がアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた量子化した荷重信号を生成する場合について示す。
図3(A)に示すように、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更は、荷重検知部20〜22により検出される。荷重検知部20〜22は、各々、基本的にはアッパーカバー10とリアカバー11との間に設けられ、第1の筐体と第2の筐体、換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出する。従って、荷重検知部20〜22は、各々、第1の筐体と第2の筐体との相対的な位置の変更による入力手段である。荷重検知部20〜22については後述する。荷重検知部20〜22は、後述する検出部に含まれる。
荷重検知部20は、アッパーカバー10及びリアカバー11の側面の上方に設けられる。換言すれば、荷重検知部20は側面上に設けられる。荷重検知部21は、アッパーカバー10及びリアカバー11の側面の下方に設けられる。換言すれば、荷重検知部21は側面下に設けられる。荷重検知部22は、アッパーカバー10及びリアカバー11の上部の中央に設けられる。従って、荷重検知部20〜22は、第1の筐体及び第2の筐体の少なくとも1つの側面に、少なくとも2個以上設けられる。ここで、側面は、情報処理装置1をユーザが使用する場合における側面であって、表示部10Aにおける表示画面の左右に相当する面である。
荷重検知部は、全体で4個以上設けられるようにしてもよい。また、荷重検知部は、1つの側面に3個以上設けるようにしてもよい。また、荷重検知部は、2以上の側面の各々に2個以上設けるようにしてもよい。また、荷重検知部が2個以上設けられる側面は、情報処理装置1の左側の側面に限られず、右側の側面であってもよい。また、情報処理装置1をユーザが使用する場合における側面は、情報処理装置1の長辺に限られず、短辺であってもよい。
図3(B)に示すように、荷重検知部20〜22の反対側には、弾性体23〜25が設けられる。弾性体23は、アッパーカバー10及びリアカバー11の側面であって、荷重検知部20が設けられた側面の反対の側面の上方であって、荷重検知部20から伸ばした垂線が反対の側面と交わる部分、換言すれば、側面上に設けられる。弾性体24は、アッパーカバー10及びリアカバー11の側面であって、荷重検知部21が設けられた側面の反対の側面の下方であって、荷重検知部21から伸ばした垂線が反対の側面と交わる部分、換言すれば、側面下に設けられる。弾性体25は、アッパーカバー10及びリアカバー11の下部であって、荷重検知部20が設けられた上部の反対の中央に設けられる。これにより、ユーザにより相対的な位置が変更されたアッパーカバー10とリアカバー11が、速やかに元の位置に、換言すれば、図1に示す位置に、復帰することができる。なお、後述するように、荷重検知部20〜22も弾性体により構成されるので、これによっても、相対的な位置が変更されたアッパーカバー10とリアカバー11が、速やかに元の位置に復帰することができる。
図3(C)は、荷重検知部20〜22として圧力センサを用いて、荷重検知部20〜22がアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた荷重信号を生成する場合について示す。
図3(C)に示すように、例えば、ユーザが、左手の親指で、アッパーカバー10の左の側面に矢印で示す方向に力Pを加えることにより、アッパーカバー10をリアカバー11からずらす。なお、この場合、図3(B)とは異なり、図3(B)における弾性体23及び弾性体24の位置に、2個の荷重検知部が設けられているものとする。
図3(C)において、例えば、下側の荷重検知部における検出荷重がP1であり、上側の荷重検知部における検出荷重がP2であり、2個の荷重検知部の間の距離がLであり、ユーザの操作位置がxであるとする。操作位置xは、筐体10及び11の右辺における下側の荷重検知部の位置への垂線と筐体10及び11の左辺との交点から、筐体10及び11の左辺におけるユーザの指の位置までの距離である。
この場合、検出処理部3は、荷重算出処理の結果に基づいて荷重信号を生成する。具体的には、力P、換言すれば、操作荷重Pは、P=P1+P2により求められる。そして、検出処理部3は、生成した荷重信号に基づいて荷重バランスを算出する。具体的には、荷重の位置、換言すれば、操作位置xは、x=(P2/(P1+P2))*Lにより求められる。以上に基づいて、検出処理部3は、荷重信号を量子化する。例えば、図3(C)の場合には、検出処理部3は、力Pを量子化した値P’を算出し、操作位置xが位置する左側面の上が値P’で押されたことを検出する。
アッパーカバー10及びリアカバー11の上面については、操作位置は求めることができない。しかし、図4(A)〜図4(D)から判るように、アッパーカバー10及びリアカバー11の上面についての操作位置は求めなくともよい。なお、アッパーカバー10をリアカバー11の上面に、複数の荷重検知部を設けることにより、操作位置を求めることができる。
図4は、情報処理装置の説明図であり、第1の筐体と第2の筐体との相対的な位置の変更による情報処理装置の操作について説明する図である。図4は、図3(A)に示すように、アッパーカバー10及びリアカバー11の左側の側面に2個の荷重検知部20及び荷重検知部21が設けられ、かつ、アッパーカバー10及びリアカバー11の上面に1個の荷重検知部22が設けられた情報処理装置の操作について示す。
なお、例えば、荷重検知部20及び荷重検知部21が設けられた側面及びこれに対向する側面を単に「側面」といい、荷重検知部22が設けられた側面を「上面」といい、荷重検知部21が設けられた側面に対向する側面を「下面」ということとする。
図4(A)に示すように、例えば、ユーザが、左手の親指で、アッパーカバー10の左の側面に矢印で示す方向に力を加えることにより、アッパーカバー10をリアカバー11からずらす。この時、例えば、ユーザは、右手の手の平で、リアカバー11を支えている。従って、情報処理装置1は、手の平で保持したリアカバー11を基準として、アッパーカバー10を側面から押して、リアカバー11からずらすことにより操作される。以上により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置が、図1のようなずれがなく正対した状態から、図4(A)に示す状態に変更される。
図4(A)に示す状態は、「出力信号1」が生成される操作の一例である。図4(A)の操作においては、左右又は上下の単純な加圧、又はせん断を含む加圧が実行される。図4(A)に示す操作により、荷重検知部20は量子化した荷重「−1」に相当する荷重を検出し、荷重検知部21は量子化した荷重「−1」に相当する荷重を検出し、荷重検知部22は量子化した荷重「1」に相当する荷重を検出する。量子化した荷重「−1」は引っ張り荷重の大きさが「1」であることを示し、量子化した荷重「1」は圧縮荷重の大きさが「1」であることを示す。出力信号1は、左右又は上下の単純な加圧、又はせん断を含む加圧が実行されたことを示す。
せん断とは、図4(A)に示す状態をいう。換言すれば、せん断は、図4(A)に示すように、アッパーカバー10とリアカバー11の各々の辺が平行なままで、アッパーカバー10とリアカバー11とが斜めにずれた状態である。従って、図4(D)の状態もせん断である。図4(A)のせん断は弱いせん断であり、図4(D)のせん断は強いせん断である。なお、図4(B)に示す状態は、アッパーカバー10とリアカバー11の各々の辺が平行でないので、ねじりである。せん断、ねじり及びそれ以外の状態は、後述するように、組み合せることができる。
図4(B)に示すように、例えば、ユーザが、左手の親指でアッパーカバー10の左の側面に矢印で示す方向に力を加え、かつ、右手の親指でアッパーカバー10の右の側面に矢印で示す方向に力を加えることにより、アッパーカバー10とリアカバー11とが相互にねじれる。この時、例えば、ユーザは、両方の手の平で、リアカバー11を支えている。以上により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置が、図1のようなずれがなく正対した状態から、図4(B)に示す状態に変更される。
図4(B)に示す状態は、「出力信号2」が生成される操作の一例である。図4(B)の操作においては、ねじりによる加圧が実行される。図4(B)に示す操作により、荷重検知部20は量子化した荷重「−1」に相当する荷重を検出し、荷重検知部21は量子化した荷重「1」に相当する荷重を検出し、荷重検知部22は量子化した荷重「0」に相当する荷重を検出する。量子化した荷重「0」は、荷重がないこと、従って、位置の変動がないことを示す。出力信号2は、ねじりによる加圧が実行されたことを示す。
図4(C)に示すように、例えば、ユーザが、左手の親指で、アッパーカバー10の左の側面に矢印で示す方向に大きな力を加えることにより、アッパーカバー10をリアカバー11からずらす。この時、例えば、ユーザは、右手の手の平で、リアカバー11を支えている。以上により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置が、図1のようなずれがなく正対した状態から、図4(C)に示す状態に変更される。
図4(C)に示す状態は、「出力信号3」が生成される操作の一例である。図4(C)の操作においては、1個の荷重検知部だけに予め定められた値より大きい力での加圧が実行される。図4(C)の操作により、荷重検知部20は量子化した荷重「−2」に相当する荷重を検出し、荷重検知部21は量子化した荷重「−1」に相当する荷重を検出し、荷重検知部22は量子化した荷重「1」に相当する荷重を検出する。出力信号3は、1個の荷重検知部だけに予め定められた値より大きい力での加圧が実行されたことを示す。
なお、図4(C)における荷重検知部20及び21の検出した荷重の差分は、図4(B)における荷重検知部20及び21の検出した荷重の差分1/2である。また、図4(C)における荷重検知部20及び21の検出した荷重の符号が同一であるのに対して、図4(B)における荷重検知部20及び21の検出した荷重の符号は異なっている。そして、図4(C)における荷重検知部21の検出した荷重は「−1」である。従って、実際には、図4(C)におけるアッパーカバー10とリアカバー11との横方向の相対的な位置のずれは、図4(C)における荷重検知部21の位置は図4(C)のままとして、図4(B)におけるアッパーカバー10とリアカバー11との交差する角度の約1/2の角度で、アッパーカバー10が、リアカバー11に対して傾いた状態となる。前述したように、荷重を量子化しているので、アッパーカバー10の傾きとアッパーカバー10とリアカバー11との横方向の相対的な位置のずれの量との間には、正確な比例関係は成立しない。
図4(D)に示すように、例えば、ユーザが、左手の親指で、アッパーカバー10の左の側面に矢印で示す方向に大きな力を加えることにより、アッパーカバー10をリアカバー11からずらす。この時、例えば、ユーザは、右手の手の平で、リアカバー11を支えている。以上により、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置が、図1のようなずれがなく正対した状態から、図4(D)に示す状態に変更される。
図4(D)に示す状態は、「出力信号4」が生成される操作の一例である。図4(D)の操作においては、1個の側面における複数の又は全ての荷重検知部に予め定められた値より大きい力での加圧が実行される。図4(D)の操作により、荷重検知部20は量子化した荷重「−2」に相当する荷重を検出し、荷重検知部21は量子化した荷重「−2」に相当する荷重を検出し、荷重検知部22は量子化した荷重「1」に相当する荷重を検出する。出力信号4は、1個の側面における複数の又は全ての荷重検知部に予め定められた値より大きい力での加圧が実行されたことを示す。
量子化した荷重「−2」に相当する荷重が検出された場合、量子化した荷重「−1」に相当する荷重も検出される。この場合、量子化した荷重「−1」に相当する荷重の検出の信号は無視され、量子化した荷重「−2」に相当する荷重の検出の信号が優先的に用いられる。量子化した荷重「2」及び「1」に相当する荷重についても同様である。以上については後述する。
なお、図4(D)における荷重検知部20及び21は、図4(A)における荷重検知部20及び21の2倍の荷重を検出している。従って、実際には、図4(D)におけるアッパーカバー10とリアカバー11との横方向の相対的な位置のずれの量は、図4(A)におけるアッパーカバー10とリアカバー11との横方向の相対的な位置のずれの量の約2倍である。前述したように、荷重を量子化しているので、検出した荷重とアッパーカバー10とリアカバー11との横方向の相対的な位置のずれの量との間には、正確な比例関係は成立しない。
実際には、図4(A)〜図4(D)の操作の各々には、荷重検知部20〜22における荷重の符号に応じて、複数の種類がある。また、図4(A)〜図4(D)の操作を組み合せた複合的な操作も可能である。従って、荷重検知部20〜22における荷重の符号と、図4(A)〜図4(D)の操作を組み合せた複合的な操作とを組み合せることにより、種々の出力信号を生成することができる。一方、ユーザが判断でき難いような操作や出力信号は、情報処理装置1の誤操作を招く。従って、例えば、図5に示すように、入力として有効な操作の種類が予め定められる。
図5は、荷重パターンテーブルの説明図である。図5は、3個の荷重検知部20〜22が図3(B)に示すように設けられた場合における、荷重パターンテーブル4を示す。3個の荷重検知部20〜22を設けることにより、図5の荷重パターンテーブル4のように、例えば40通りの信号が入力されたことを検出することができる。ユーザが判断でき難いような操作として、例えば、側面の荷重検知部20の量子化した荷重信号が「2」であり、荷重検知部21の量子化した荷重信号が「−1」であり、上部の荷重検知部22の量子化した荷重信号が「1」又は「−1」である場合等は、荷重パターンテーブル4から省略されている。
なお、図5の説明において、例えば、量子化した荷重信号を単に「荷重信号」ということとする。また、図5の説明において、例えば、荷重検知部20の荷重信号が「0」、荷重検知部21の荷重信号が「0」、荷重検知部22の荷重信号が「±1」であることを、荷重信号が(0,0,±1)であるということとする。
図5において、「番号」はユーザによる操作の識別番号を示す。識別番号が異なる信号は、各々が区別される別個の信号である。「側面上」は側面上部の荷重検知部20の検出信号を量子化した荷重信号を示し、「側面下」は側面下部の荷重検知部21の検出信号を量子化した荷重信号を示し、「上」は上面の荷重検知部22の検出信号を量子化した荷重信号を示す。「信号の種類」は出力信号の種類を示す。従って、荷重パターンテーブル4は、3個の荷重検知部20〜22の量子化した荷重信号の組合せ毎に、出力信号を対応付けて格納する。「信号の種類」において、例えば、出力信号1を「信号1」と表す。
荷重パターンテーブル4において、ケース#1は、3個の荷重検知部20〜22が、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の有無及び方向を検出する場合について示す。換言すれば、ケース#1は、荷重信号が「0」「1」「−1」のいずれかの値をとる場合である。
例えば、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(0,0,0)である場合、ユーザによる側面への加圧による操作は行われていないので、出力信号は生成されない。従って、識別番号は付与されない。なお、荷重パターンテーブル4から省略するようにしてもよい。
荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(0,0,±1)である場合、「上面」又は「下面」の単純な押しであることを示す出力信号1が生成される。これが識別番号1及び2の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右側面の単純な押し、左側面の単純な押し、せん断を含む右側面の押し、せん断を含む左側面の押しであることを示す出力信号1を、個別に生成することができる。これが識別番号3〜8の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(1,−1,0)である場合、左回りのねじりであることを示す出力信号2が生成される。これが識別番号9の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右回りのねじりであることを示す出力信号2を、生成することができる。これが識別番号10の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(1,−1,±1)である場合、「上面」又は「下面」の単純な押しであることを示す出力信号1と、左回りのねじりであることを示す出力信号2とが生成される。これは、荷重信号(1,−1,±1)が、荷重信号(0,0,±1)と荷重信号(1,−1,0)との和であるためである。換言すれば、図4(A)の操作と図4(B)の操作とが同時に実行されたと考えられるためである。これが識別番号11〜12の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、「上面」又は「下面」の単純な押しであることを示す出力信号1と、右回りのねじりであることを示す出力信号2とを、生成することができる。これが識別番号13〜14の信号である。
次に、ケース#2は、3個の荷重検知部20〜22が、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の強弱及び方向を検出する場合について示す。換言すれば、ケース#2は、荷重信号が「0」「1」「−1」「2」「−2」のいずれかの値をとる場合である。
例えば、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(0,0,±2)である場合、「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号3が生成される。これが識別番号15〜16の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(1,1,±2)である場合、右側面の単純な押しであることを示す出力信号1と、「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号3とが生成される。これが識別番号17〜18の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、左側面の単純な押しであることを示す出力信号1と、「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号3とが生成される。これが識別番号19〜20の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(1,−1,±2)である場合、左回りのねじりであることを示す出力信号2と、「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号3とが生成される。これが識別番号21〜22の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右回りのねじりであることを示す出力信号2と、「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号3とが生成される。これが識別番号23〜24の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(2,1,0)である場合、右側面の上部の強い押しであることを示す出力信号3が生成される。これが識別番号25の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右側面の下部の強い押し、左側面の上部の強い押し、左側面の下部の強い押しであることを示す出力信号3を、個別に生成することができる。これが識別番号26〜28の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(2,2,0)である場合、右側面の全体の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号29の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、左側面の全体の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号30の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(2,−2,0)である場合、左回りの強いねじりであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号31の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右回りの強いねじりであることを示す出力信号4を、生成することができる。これが識別番号32の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(2,2,±2)である場合、右側面の全体の強い押し及び「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号33〜34の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、左側面の全体の強い押し及び「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号35〜36の信号である。
また、荷重検知部20、21及び22の荷重信号が(2,−2,±2)である場合、左回りの強いねじり及び「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号37〜38の信号である。同様にして、荷重検知部20〜22の荷重信号に応じて、右回りの強いねじり及び「上面」又は「下面」の強い押しであることを示す出力信号4が生成される。これが識別番号39〜40の信号である。
ケース#3は、3個の荷重検知部20〜22が、アッパーカバー10とリアカバー11との間に加えられた力の強弱及び方向を、線形又は多段階で検出する場合について示す。図5に示すケース#3においては、荷重信号は、例えば、予め定められた正の閾値を超える場合に「1」とされ、予め定められた負の閾値を超える場合に「−1」とされる。これにより、ケース#1と同様に、荷重を検出することができる。なお、閾値の数を多くすることにより、詳細な荷重位置を検出することができるので、アッパーカバー10とリアカバー11の側面への荷重の位置をポインタとしても用いることができる。
なお、荷重パターンテーブル4は、ケース#1のみを格納するようにしてもよく、また、ケース#1及びケース#2を格納するようにしてもよい。
荷重パターンテーブル4に従って、以下のような操作が実行される。情報処理装置1は、例えばスマートフォンであるとする。
例えば、出力制御部6は、アッパーカバー10とリアカバー11に対して強いせん断の操作、換言すれば、図4(D)の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としての電源部を制御することにより、情報処理装置1の電源をオンする。
また、例えば、アプリケーション実行部5においてカメラによる撮像制御プログラムが実行されているとする。この場合、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号1が生成されるような左右方向の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5及び表示部を制御することにより、その時点で表示している画像を拡大又は縮小する。なお、例えば、アッパーカバー10を左方向へずらす操作により画像を拡大し、アッパーカバー10を左方向へずらす操作により画像を縮小するようにすればよい。
また、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号1が生成されるような上下方向の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5及び表示部を制御することにより、その時点で表示している画像をフォーカスする。
また、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号3が生成されるような上下方向の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5及び表示部を制御することにより、シャッターを切る。
更に、例えば、アプリケーション実行部5において携帯電話機能を制御する携帯電話制御プログラムが実行されているとする。この場合、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号1が生成されるような上下方向の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5を制御することにより、通話の音量を制御する。なお、例えば、アッパーカバー10を下方向へずらす操作により音量を小さくし、アッパーカバー10を上方向へずらす操作により音量を大きくするようにすればよい。これにより、操作された結果とユーザの操作の実感とを一致させることができる。
更に、例えば、アプリケーション実行部5において画像表示制御プログラムが実行されているとする。この場合、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号1が生成されるような上下方向の操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5を制御することにより、その時点で表示している画像をスクロールする。なお、例えば、アッパーカバー10を下方向へずらす操作により下方向へスクロールし、アッパーカバー10を上方向へずらす操作により上方向へスクロールするようにすればよい。これにより、操作された結果とユーザの操作の実感とを一致させることができる。
また、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号2が生成されるような図3(B)のねじりの操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5を制御することにより、画像を回転させる。なお、例えば、アッパーカバー10を右回転させる操作により画像を右回転させ、アッパーカバー10を左回転させる操作により画像を左回転させるようにすればよい。これにより、操作された結果とユーザの操作の実感とを一致させることができる。
また、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対して出力信号3が生成されるような操作が数秒間実行された場合に、出力制御テーブル8に基づいて、出力部7としてのアプリケーション実行部5を制御することにより、画面を切替える。この場合、出力信号3を生成する操作のいずれかの操作を、画面が進むこと、画面が戻ること、メニュー画面となることの各々に割り当てるようにすればよい。
また、出力制御部6は、例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対する種々の操作を、種々の画面操作に割り当てるようにしてもよい。例えば、アッパーカバー10とリアカバー11に対する種々の操作により、画面の色合いの調整、画面上に表示されている対象物の移動や回転等を実行するようにしてもよい。
以上により、情報処理装置1を外部に現れるボタンやスイッチ等を用いることなく操作することができ、ボタンやスイッチ等を省略して、情報処理装置1のデザインへの制約を除くことができる。ユーザは、直感的に画面を操作したり出力を操作したりすることができ、一方、簡易な操作で多数の信号を入力することができ、アプリケーションの操作性を向上することができる。
図6は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
情報処理装置1において、CPU101は、メモリ102に含まれる主メモリ上に常駐するオペレーティングシステム(OS)に従って、情報処理装置1を制御する。CPU101は、メモリ102に含まれる主メモリ上に存在する種々のアプリケーションプログラムを実行する。これにより、検出処理部3、アプリケーション実行部5、出力制御部6が実現される。OSやアプリケーションプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬型記憶媒体107に格納され、可搬型記憶媒体107からCD−ROMドライブやDVDドライブ等の駆動装置108を介して記憶装置106に入力され、記憶装置106からメモリ102にロードされる。なお、駆動装置108は省略される場合がある。
入力装置104は、検出部2、後述するタッチパネル13等である。出力装置105は、例えば出力部7等である。出力部7としては、電源装置、スピーカ、後述するLCDユニット12等を含む。
CPU101、メモリ102、通信インタフェース103、入力装置104、出力装置105、記憶装置106、駆動装置108は、バス109を介して、相互に接続される。
通信インタフェース103は、例えば送受信装置であり、ネットワークに接続され、ネットワークを介して、他のコンピュータに接続される。これにより、情報処理装置1は、複数のコンピュータとの間で通信を行う。
プログラムは、LANまたはインターネットなどのネットワークを介して、入力され記憶装置106に記憶され、CPU101によって実行されるようにしてもよい。また、プログラムを格納した可搬型記憶媒体107から駆動装置108を介して、入力されて記憶装置106に記憶され、CPU101によって実行されるようにしてもよい。
CPU101、メモリ102、通信インタフェース103、記憶装置106等は、後述する基板19上に設けられる。
図7は、信号処理フローである。図7の信号処理フローは、図3(C)に示すような場合、換言すれば、荷重検知部20〜22として圧力センサを用いて、荷重検知部20〜22がアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた荷重信号を生成する場合について示す。
情報処理装置1のユーザが、例えば、図4(A)〜図4(D)の操作に代表されるようないずれかの操作を実行する(ステップS1)。これにより、力が情報処理装置1の側面に加えられ、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置が変更される。
検出部2は、荷重検知部20〜22において、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を検出し、位置の変更の度合いに応じた検出信号を生成し、生成した検出信号を検出処理部3に送る。
検出処理部3は、検出部2から受け取った検出信号に基づいて荷重検出処理を実行して(ステップS2)、荷重検出処理の結果に基づいて、荷重信号を生成する。具体的には、検出処理部3は、荷重検出処理により算出された荷重、換言すれば、操作荷重Pが予め定められた値以下である場合に、荷重信号「0」を生成して(ステップS3)、処理を終了する。また、検出処理部3は、荷重検出処理により算出された荷重、換言すれば、操作荷重Pが予め定められた値より大きい場合に、「0」以外の荷重信号の生成を開始する(ステップS4)。
例えば、検出処理部3は、生成した荷重信号に基づいて、荷重バランスを算出し(ステップS5)、換言すれば、操作位置xを算出し、以上の処理に基づいて荷重信号を量子化し、量子化した荷重信号P’を用いて荷重パターンテーブル4を参照することにより、1又は複数の出力信号1〜出力信号4を生成する。
具体的には、検出処理部3は、量子化した荷重信号P’が一定の荷重以下である場合、換言すれば、荷重信号P’が「1」又は「−1」であるならば(ステップS6)、荷重パターンテーブル4に従って、出力信号1を生成するか(ステップS7)、又は、出力信号2を生成して(ステップS8)、出力信号1又は出力信号2を出力制御部6へ送る。一方、検出処理部3は、量子化した荷重信号P’が一定の荷重以上である場合、換言すれば、荷重信号が「2」又は「−2」であるならば(ステップS9)、荷重パターンテーブル4に従って、出力信号3を生成するか(ステップS10)、又は、出力信号4を生成して(ステップS11)、出力信号3又は出力信号4を出力制御部6へ送る。なお、実際には、前述したように、荷重パターンテーブル4に従って、1又は複数の出力信号が生成される場合がある。
出力制御部6は、検出処理部3から受け取った1又は複数の出力信号1〜出力信号4に基づいて、出力制御テーブル8に従って、出力部7の制御信号を生成して出力部7へ送ることにより表示制御を実行し、出力部7は、出力制御部6から受け取った制御信号に従って出力を実行する(ステップS12)。
なお、図3(A)及び図3(B)に示すような場合、換言すれば、荷重検知部20〜22として弾性体30、基板31及び電気的スイッチ32〜35を用いて、荷重検知部20〜22がアッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合いに応じた量子化した荷重信号を生成する場合、図7の信号処理フローは、以下のようにされる。
例えば、検出処理部3は、検出部2から量子化した荷重信号を受け取って(ステップS2)、量子化した荷重信号が「0」であるなら(ステップS3)、処理を終了する。また、検出処理部3は、ステップS4〜S6及びS9を省略して、量子化した荷重信号に基づいて、荷重パターンテーブル4を参照して、1又は複数の出力信号1〜出力信号4を生成し(ステップS7〜S8、S10〜S11)、出力制御部6は、検出処理部3から受け取った1又は複数の出力信号1〜出力信号4に基づいてステップS12を実行する。
以下、図8〜図15を参照して、情報処理装置1における荷重の検知について具体的に説明する。
図8〜図11は、情報処理装置1における荷重の検知のための構造を示す。
図8は、情報処理装置の構造の説明図であり、図8(A)は情報処理装置の全体の構造を示す斜視図であり、図8(B)は情報処理装置の断面図である。図9は、情報処理装置の構造の説明図であり、図9(A)は図8の荷重検知機構の構造を示す斜視図であり、図9(B)は荷重検知機構の断面図である。
情報処理装置1は、図8に示すように、タッチパネル13と、荷重検知機構14と、第1内部カバー15と、バッテリー16と、リアカバー11とを含む。荷重検知機構14は、図9に示すように、アッパーカバー10と、LCDユニット12と、第2内部カバー17と、第3内部カバー18と、基板19とを含む。
図8に示すように、タッチパネル13と、荷重検知機構14と、第1内部カバー15と、バッテリー16と、リアカバー11は、この順に重ねられる。タッチパネル13は、ネジ等の固定手段により、荷重検知機構14であるアッパーカバー10に固定される。第1内部カバー15は、後述するように、荷重検知機構14である第3内部カバー18に嵌め込まれる。バッテリー16は、後述するように、第1内部カバー15の中空部分に着脱可能に収納され、情報処理装置1の電源を供給する。リアカバー11は、情報処理装置1の筐体であり、バッテリー16を交換するために、後述するように、ユーザによる取り外しが可能なように設けられる。
図9に示すように、アッパーカバー10と、LCDユニット12と、第2内部カバー17と、第3内部カバー18と、基板19は、この順に重ねられる。アッパーカバー10は、情報処理装置1の筐体であり、荷重検知機構14の一部でもある。換言すれば、アッパーカバー10には、後述するように、LCDユニット12と基板19とを含む荷重検知機構14が固定される。第2内部カバー17は、後述するように、リアカバー11に着脱可能に嵌め込まれる。第3内部カバー18は、後述するように、アッパーカバー10に着脱可能に嵌め込まれる。
図10及び図11は、情報処理装置の構造の説明図である。
図10(A)及び図11に示すように、アッパーカバー10には、基板19と第1内部カバー15とが、ネジ40により固定される。ネジ40は、例えばアッパーカバー10とリアカバー11の左右の側面の各々に設けられた2個の弾性体30の各々を結ぶ2本の直線上に2個ずつ、合計で4個設けられる。これにより、アッパーカバー10と共に基板19と第1内部カバー15が、リアカバー11に対して相対的に移動する。なお、ネジ40は、アッパーカバー10と基板19と第1内部カバー15とを相互に固定するのみであって、アッパーカバー10とリアカバー11とを相互に固定するものではない。従って、ネジ40は、アッパーカバー10とリアカバー11とが相対的に移動することを妨げない。
第1内部カバー15の端部と、アッパーカバー10の窪みの端部との間に、クランク状の第3内部カバー18が嵌め込まれる。これにより、第3内部カバー18が、第1内部カバー15とアッパーカバー10とに対して嵌め込まれる。従って、アッパーカバー10と基板19と第1内部カバー15と第3内部カバー18とが、弾性体30を挟んで、リアカバー11に対して相対的に移動する。
図11に示すように、荷重検知部20〜22の弾性体30は、第2内部カバー17と第3内部カバー18とに挟まれる。第2内部カバー17と第3内部カバー18とは、荷重検知機構14における一対の内部カバーであり、アッパーカバー10とリアカバー11との間に設けられる。第2内部カバー17と第3内部カバー18とは、水平方向において相対的に移動可能である。水平方向は、図1に示す板状のアッパーカバー10とリアカバー11に平行な方向である。水平方向に垂直な方向が垂直方向である。
図10(A)において、例えば、弾性体30が図3の荷重検知部20である。逆に、弾性体30が図3の弾性体23であってもよい。また、図11において、例えば、右側の弾性体30が図3の荷重検知部20であり、左側の弾性体30が図3の弾性体23である。逆に、左側の弾性体30が図3の荷重検知部20であり、右側の弾性体30が図3の弾性体23であってもよい。なお、図3を参照して前述したように、左右いずれの弾性体30が荷重検知部20〜22であり、弾性体23〜25であってもよい。
例えば、図10(A)において、弾性体30が図3の荷重検知部20であり、また、図11において、右側の弾性体30が図3の荷重検知部20であり、左側の弾性体30が図3の弾性体23であるとする。この場合において、アッパーカバー10が、弾性体30を挟んで、リアカバー11に対して、左方向へ相対的に移動したとする。これにより、荷重検知部20の弾性体30は圧縮され、荷重検知部20は「1」又は「2」の量子化された荷重信号を検出する。一方、アッパーカバー10が、弾性体30を挟んで、リアカバー11に対して、右方向へ相対的に移動したとする。これにより、荷重検知部20の弾性体30は引っ張られ、荷重検知部20は「−1」又は「−2」の量子化された荷重信号を検出する。なお、弾性体30は、実際には、引っ張られることに代えて、荷重が除かれる、換言すれば、徐荷される。
図10(B)に示すように、第2内部カバー17の係止部17Aは、例えば弾性体30が設けられる部分に対応する部分以外に設けられ、クランク状の第3内部カバー18の折れ曲がり部分に重ねられる。これにより、第2内部カバー17の係止部17Aとアッパーカバー10とは、リアカバー11の係止部11Aの嵌め込み部分を構成する。リアカバー11の係止部11Aは、第2内部カバー17の係止部17Aに嵌め込まれる。これにより、リアカバー11は第2内部カバー17に嵌め込まれる。リアカバー11の係止部11Aは、ユーザの操作性を考慮して、リアカバー11の左右の側面及び上下面の各々に、例えば1個設けられる。
なお、第2内部カバー17の係止部17Aは、第2内部カバー17の係止部17Aは、図10(C)に示すように、係止部10Aが設けられる部分に対応する部分にも設けられ、第3内部カバー18の折れ曲がり部分に重ねられる。
第2内部カバー17の係止部17Aは、クランク状の第3内部カバー18の折れ曲がり部分に、スライド可能に重ねられる。第2内部カバー17は、係止部17Aの先端がクランク状の第3内部カバー18の垂直部分に当接するまで、スライド可能である。従って、第2内部カバー17のスライド可能な距離が、アッパーカバー10がリアカバー11に対して移動可能な距離である。
図10(C)に示すように、アッパーカバー10の係止部10Aは、例えば弾性体30が設けられる部分に対応する部分以外に設けられる。アッパーカバー10の係止部10Aは、第3内部カバー18の係止部18Aに嵌め込まれる。これにより、アッパーカバー10は第3内部カバー18に嵌め込まれる。第3内部カバー18は、係止部18Aの存在によりクランク状とされる。第3内部カバー18をクランク状とすることにより、図10(A)に示すように、第3内部カバー18をアッパーカバー10と第1内部カバー15とに嵌め込む場合における剛性を確保することができる。
図10(D)に示すように、アッパーカバー10の突出部10Bは、例えば弾性体30が設けられる部分に対応する部分以外であって、かつ、係止部11Aが設けられる部分に対応せず係止部10Aが形成されない部分に設けられる。アッパーカバー10の突出部10Bと第3内部カバー18の係止部18Aとの間の距離は、係止部17Aがスライド可能な程度に、第2内部カバー17の係止部17Aの厚さよりもやや大きくされる。これにより、アッパーカバー10の突出部10Bと第3内部カバー18の係止部18Aは、係止部17Aの嵌め込み部分を構成する。第2内部カバー17の係止部17Aは、アッパーカバー10の突出部10Bと第3内部カバー18の係止部18Aとの間に嵌め込まれる。換言すれば、第2内部カバー17は、アッパーカバー10と、アッパーカバー10及びリアカバー11により上下方向に固定された第3内部カバー18とにより、上下方向に固定される。これにより、第2内部カバー17は、アッパーカバー10と第3内部カバー18とにより上下動が抑制され、水平方向にのみ移動可能とすることができる。
図12は、検出部の説明図である。図12(A)は、検出部の荷重検知部20〜22の斜視図であり、図12(B)〜図12(D)は、検出部の荷重検知部20〜22の中央を縦方向に切断した断面図である。
図12の例は、荷重検知部20〜22が、圧縮及び引張りを2段階に検出する。換言すれば、図12の例は、強い圧縮である荷重「2」、弱い圧縮である荷重「2」、弱い引っ張りである荷重「−1」、強い引っ張りである荷重「−2」が検出される。なお、検出部2が、以下に説明する電気的スイッチ32〜35に代えて、量子化した荷重信号を生成するために複数の閾値を用いるようにしてもよい。
荷重検知部20〜22は、図12(A)に示すように、各々、弾性体30と、基板31とを含み、また、図12(B)に示すように、弾性体30と対向するように基板31上に設けられた複数の電気的スイッチ32〜35を含む。弾性体30は、例えばゴムのような弾性変形する物質により形成される。電気的スイッチ32〜35は、例えば、押されることによりオンし押されなくなるとオフする小型の電気スイッチである。電気的スイッチ32〜35の出力は、基板31上に形成された配線を介して、後述するように、検出処理部3に送られる。
例えば、弾性体30は、図12(A)及び図12(B)に示すように、2個の円錐台の底面を合わせたような頭部30Aを有する。基板31は、図12(A)に示すように、弾性体30を投影したような円板状の形状を有する。なお、弾性体30は、基板31及び電気的スイッチ32〜35と共に図3の荷重検知部20〜22として用いられ、また、弾性体30単独で図3の弾性体23〜25として用いられる。
弾性体30は、図12(B)に示すように、頭部30Aと、ネック部30Bと、係止部30Cとを含む。基板31は、孔31Aと、複数の電気的スイッチ32〜35とを含む。弾性体30の係止部30Cは、弾性を利用して、基板31の表面から、孔31Aを介して、基板31の裏面に突き出すようにされる。ネック部30Bと孔31Aとは、その直径がほぼ等しくされる。以上により、弾性体30は基板31に固定される。
電気的スイッチ32〜35の各々は、弾性体30の両側に、弾性体30を中心として対称に並ぶようにされる。電気的スイッチ32〜35の位置は、後述する図13(A)における接点と同様に、一直線上に並ぶようにされる。電気的スイッチ32〜35の出力は、後述する図13(A)と同様にして、基板31上に形成された配線により出力され、検出処理部3へ送られる。
電気的スイッチ32及び33の間隔は、電気的スイッチ34及び35の間隔と等しくされる。電気的スイッチ33及び34の間隔は、電気的スイッチ32及び33の間隔及び電気的スイッチ34及び35の間隔よりも広くされる。電気的スイッチ32〜35の間隔は等間隔であってもよい。
電気的スイッチ32〜35の数は4個に限られない。例えば、電気的スイッチ33及び34のみを設けるようにしてもよい。電気的スイッチを6個、8個、10個、12個等設けるようにしてもよい。いずれの場合にも、複数の電気的スイッチ32〜35各々は、弾性体30の両側に弾性体30を中心として対称に、かつ、一直線上に並ぶようにされる。
弾性体30の頭部30Aの下面が電気的スイッチ32〜35を押すことにより、電気的スイッチ32〜35がオフからオンへ変化する。これにより、弾性体30への加圧を検知する。複数の電気的スイッチ32〜35は、後述するように、各々、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更の度合であって、相互に異なる変更の度合に応じて、オン又はオフする。
弾性体30は、図12(C)に示すように、図12(B)に示す元の状態よりも圧縮された状態で、換言すれば、予荷重状態で基板に取り付けられる。実際には、弾性体30の頭部30Aが、図12(B)に示す元の状態よりも圧縮された状態で基板に取り付けられる。換言すれば、弾性体30は、圧縮された状態を平常状態とする。
これにより、荷重検知部20〜22は、予荷重状態で組立てられるので、引っ張り及び圧縮の双方を検知することができ、弾性体30に荷重が伝わるまでのクリアランスを考慮する必要をなくすることができる。また、1個の弾性体30を含む1個の荷重検知部20〜22により、各々、引っ張り及び圧縮の双方を検知することができる。
一方、図3(B)を参照して前述したように、荷重検知部20〜22の反対側には、弾性体23〜25が設けられる。弾性体23〜25としては、荷重検知部20〜22の弾性体30と同一の弾性体30が用いられる。換言すれば、弾性体23〜25は、荷重検知部20〜22の弾性体30と、その弾性において等価である。これにより、荷重検知部20〜22は、予荷重状態を維持することができる。
例えば、弾性体30及び基板31は、図14(A)を参照して後述するように、第2内部カバー17と第3内部カバー18との間に挟まれた状態で、情報処理装置1に実装される。従って、弾性体30の頭部30Aの高さ、換言すれば、図12(B)における基板31から垂直方向への弾性体30の高さは、情報処理装置1の組立時の第2内部カバー17と第3内部カバー18との間隔よりも、大きくされる。これにより、弾性体30は、第2内部カバー17と第3内部カバー18との間に挟まれて圧縮された状態とされる。
この結果、荷重検知部20〜22には、2種類の電気的スイッチ32〜35が含まれることになる。具体的には、電気的スイッチ32及び33は、図12(C)に示すように弾性体30が平常状態である場合にオフした状態にあり、図12(D)に示すように弾性体30が平常状態より圧縮された場合にオンした状態に変化する。電気的スイッチ34及び35は、図12(C)に点線で囲んで示すように、弾性体30が平常状態である場合にオンした状態にあり、図12(B)に示すように弾性体30が平常状態より元の状態に近づいた場合にオフした状態に変化する。
実際には、第1の電気的スイッチ32は、弾性体30が平常状態である場合にオフした状態にあり、弾性体30が第1の力以上の力により平常状態より圧縮された場合にオンした状態に変化する。換言すれば、第1の電気的スイッチ32は、強い圧縮を検知する。従って、第1の電気的スイッチ32がオンした場合には、量子化した荷重「2」が検出される。
なお、第1の電気的スイッチ32がオンした場合、第2の電気的スイッチ33は必ずオンする。従って、量子化した荷重「2」が検出された場合、第2の電気的スイッチ33により検出される量子化した荷重「1」は無視される。
第2の電気的スイッチ33は、弾性体30が平常状態である場合にオフした状態にあり、弾性体30が第1の力より小さく第2の力以上の力により平常状態より圧縮された場合にオンした状態に変化する。換言すれば、第2の電気的スイッチ33は、弱い圧縮を検知する。従って、第2の電気的スイッチ33がオンした場合には、量子化した荷重「1」が検出される。
なお、第2の力が、荷重検出部20〜22により検出される最小荷重である。最小荷重よりも小さい荷重は、荷重検出部20〜22により検出されず、無視される。これにより、荷重検出部20〜22により荷重、換言すれば、圧縮の力が誤検出され、情報処理装置1が誤動作することを防止することができる。
第3の電気的スイッチ34は、弾性体30が平常状態である場合にオンした状態にあり、弾性体30が第3の力以上で第4の力より小さい力により元の状態に近づいた場合にオフした状態に変化する。換言すれば、第3の電気的スイッチ34は、弱い徐荷又は弱い引っ張りを検知する。従って、第3の電気的スイッチ34がオフした場合には、量子化した荷重「−1」が検出される。
なお、第3の力が、荷重検出部20〜22により検出される最小徐荷である。最小徐荷よりも小さい荷重は、荷重検出部20〜22により検出されず、無視される。これにより、荷重検出部20〜22により徐荷、換言すれば、引張りの力が誤検出され、情報処理装置1が誤動作することを防止することができる。
第4の電気的スイッチ35は、弾性体30が平常状態である場合にオンした状態にあり、弾性体30が第4の力以上の力により元の状態に近づいた場合にオフした状態に変化する。換言すれば、第3の電気的スイッチ34は、強い徐荷又は強い引っ張りを検知する。従って、第4の電気的スイッチ35がオフした場合には、量子化した荷重「−2」が検出される。
なお、第4の電気的スイッチ35がオフした場合、第3の電気的スイッチ34は必ずオフする。従って、量子化した荷重「−2」が検出された場合、第3の電気的スイッチ34により検出される量子化した荷重「−1」は無視される。
以上から判るように、図12(B)は組立前の弾性体30及び電気的スイッチ32〜35の状態であり、図12(C)は組立後、換言すれば、製品の完成時の弾性体30及び電気的スイッチ32〜35の状態である。また、図12(C)は弾性体30及び電気的スイッチ32〜35の通常状態であり、図12(B)は強い徐荷又は強い引っ張りを検知した弾性体30及び電気的スイッチ32〜35の状態であり、図12(D)は強い圧縮を検知した弾性体30及び電気的スイッチ32〜35の状態である。
なお、図12の例は、アッパーカバー10とリアカバー11との相対的な位置の変更を荷重検知部20〜22により検知するが、荷重の検知は、荷重検知部20〜22に限られず、他の手段を用いるようにしてもよい。
図13は、検出部の説明図である。
電気的スイッチ32〜35として、図13(A)に示すように、基板31上に形成された複数の配線を用いるようにしてもよい。従って、電気的スイッチ32〜35を配線32〜35という。配線32〜35は、等間隔で同心円上に配置され、ケーブル36と接続する部分において半円形の一部を欠いた状態に形成される。これにより、配線32〜35の各々は、一対の配線を含むことになる。配線32〜35の各々における対となる配線は、各々、半円形の一部を欠いた部分でケーブル36に接続される。
配線32〜35は、図13(A)において黒丸で示すように、各々の先端部分に設けられた電気的に導通可能な接点を含む。配線32〜35は、接点以外は絶縁体で被覆され導通しない。接点は、図13(A)に示すように、一直線上に並ぶようにされる。弾性体30の頭部30Aの下面が、例えば導電性塗料を塗布することにより導電体とされる。これにより、弾性体30が図12(B)〜図12(D)のような状態とされた場合に、例えば左側の配線32が、弾性体30の頭部30Aの下面の導電体を介して、右側の配線32と導通する。前述したように、接点が一直線上に並ぶので、図12(B)〜図12(D)から判るように、例えば左側の配線32が右側の配線32と導通する。
配線32〜35は、図13(A)に示すように、ケーブル36を介して、検出処理部3に送られる。ケーブル36は、例えば接着部36Aにより、基板31に接着される。従って、基板31とケーブル36との接続にコネクタを用いないので、基板31を小さくすることができ、荷重検知部20〜22の情報処理装置1への実装空間を小さくすることができる。
なお、図12に示す電気的スイッチ32〜35を用いる場合に、図13(A)に示すように、ケーブル36を用いるようにしてもよい。
また、電気的スイッチ32〜35として用いられる配線32〜35の形状は、例えば、図13(B)に示すような形状としてもよい。この場合、配線32〜35は、等間隔で同心円上に配置され、ケーブル36と接続する部分において同心円の一部を欠いた状態に形成され、同心円の形状に形成される。配線32〜35は、各々、同心円の一部を欠いた部分でケーブル36に接続される。この場合、配線32〜35は、例えば同心円の形状の部分において電気的に導通可能な接点とされ、接点以外は絶縁体で被覆される。
ケーブル36の他端は、図13(C)に示すように、コネクタ37を介して、基板19上に設けられたコネクタ37に接続される。これにより、配線32〜35の出力は、検出処理部3に送られる。なお、図12に示す電気的スイッチ32〜35を用いる場合に、図13(C)に示すように、コネクタ37を用いるようにしてもよい。
図14は、検出部の説明図である。
弾性体30及び基板31は、図14(A)に示すように、第2内部カバー17と第3内部カバー18との間に挟まれた状態で、情報処理装置1に実装される。これにより、弾性体30は、図12(C)を参照して前述したように、図12(B)に示す元の状態よりも圧縮された状態とされ、情報処理装置1の使用時において圧縮された状態を平常状態とする。配線32A〜35Aの出力は、ケーブル36を介して基板19上に設けられたコネクタ37に接続され、コネクタ37を介して基板19上のCPU101等に接続される。ケーブル36は、弾性体30が圧縮される場合において、弾性体30の圧縮を阻害することなく、かつ、ケーブル36が破損しない長さとされる。
例えば、図14(B)に示すように、ユーザが、右手の親指で、アッパーカバー10の右の側面に矢印で示す方向に力Pを加える。第2内部カバー17と第3内部カバー18は、図10を参照して前述したように、アッパーカバー10とリアカバー11に対して、水平方向において相対的に移動可能である。従って、力Pにより、アッパーカバー10は、リアカバー11に対して、相対的に左側へずれる。この時、アッパーカバー10のリアカバー11に対するずれの量は、力Pに応じた値となる。これにより、右側の弾性体30は例えば図12(B)に示す状態となり、左側の弾性体30は例えば図12(D)に示す状態となる。なお、第2内部カバー17は、図10を参照して前述したように、リアカバー11と、アッパーカバー10とリアカバー11により上下方向に固定された第3内部カバー18とにより、上下方向に固定される。従って、力Pが加えられても、アッパーカバー10が水平方向以外の方向へずれてしまうことはない。
例えば、右側の弾性体30が図3の荷重検知部20であり、左側の弾性体30が図3の弾性体23であるとする。この場合、荷重検知部20である右側の弾性体30は、図12(B)に示す状態であるので、強い徐荷又は強い引っ張りを検知することができる。逆に、左側の弾性体30が図3の荷重検知部20であり、右側の弾性体30が図3の弾性体23であるとする。この場合、荷重検知部20である左側の弾性体30は、図12(D)に示す状態であるので、強い圧縮を検知することができる。
なお、図3を参照して前述したように、左右いずれの弾性体30が荷重検知部20〜22であり、弾性体23〜25であってもよい。
図15及び図16は、検出部の説明図であり、検出部の他の構成を示す。特に、図15(A)は基板の構成を示す概念的な平面図であり、図15(B)は概念的な断面図であり、図16は斜視図である。
基板31Bは、図15(A)に示すように、複数の弾性体30に対して、共通の1個の基板である。換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11の側面に設けられた2個の荷重検知部20及び21を構成する2個の弾性体30に対して、1個の共通の基板31Bが設けられる。共通の基板31Bは、アッパーカバー10とリアカバー11の側面に設けられた2個の荷重検知部20及び21に共通であるので、実際には、後述するように、アッパーカバー10とリアカバー11の側面に沿って伸びる細長い形状とされる。
電気的スイッチ32〜35として用いられる配線32A〜35Aの形状は、例えば、図15(A)に示すような形状とされる。この場合、配線32A〜35Aは、等間隔で同心円上に配置され、互に他の荷重検知部20又は21と対向する部分において同心円の一部を欠いた状態に形成され、同心円の形状に形成される。この場合、配線32A〜35Aは、例えば同心円の形状の部分において電気的に導通可能な接点とされ、接点以外は絶縁体で被覆される。
配線32A〜35Aは、各々、共通の基板31Bの長手方向に沿って伸び、2個の弾性体30の中間で、コネクタ39を介して、ケーブル36に接続される。配線32A〜35Aは、実際には、図16に示すように、アッパーカバー10とリアカバー11の上面に設けられた荷重検知部22に近い位置で、コネクタ39に接続される。
コネクタ39は、図15(B)に示すように、ケーブル36を介して、基板19上に設けられたコネクタ37に接続される。これにより、配線32A〜35Aの出力は、検出処理部3に送られる。なお、図15(B)においては、荷重検知部における共通の基板31Bのみを図示し弾性体30の図示を省略しているが、弾性体30及び共通の基板31Bは、図14(A)の場合と同様に、第2内部カバー17と第3内部カバー18との間に挟まれた状態で、情報処理装置1に実装される。配線32A〜35Aの出力は、コネクタ39及びケーブル36を介して基板19上に設けられたコネクタ37に接続され、コネクタ37を介して基板19上のCPU101等に接続される。ケーブル36は、弾性体30が圧縮される場合において、弾性体30の圧縮を阻害することなく、かつ、ケーブル36が破損しない長さとされる。
共通の基板31Bは、図16に示すように、アッパーカバー10とリアカバー11の側面に設けられた2個の荷重検知部20及び21に共通であるので、アッパーカバー10とリアカバー11の側面に沿って伸びる細長い形状とされる。コネクタ39は、図16に示すように、アッパーカバー10とリアカバー11の上面に設けられた荷重検知部22に近い位置、換言すれば、アッパーカバー10とリアカバー11の上面に近い位置に設けられる。コネクタ39は、前述したように、ケーブル36により基板19上に設けられたコネクタ37と接続される。
一方、アッパーカバー10とリアカバー11の上面における荷重検知部22は、弾性体30と、コネクタ39を有する基板31Cとにより構成される。基板31Cは、アッパーカバー10とリアカバー11の上面に沿って伸びるやや細長い形状とされる。基板31Cは、図15(A)に示す基板31Bと同様に、ケーブル36との接続のためのコネクタ39を有する。これにより、荷重検知部22の出力は、コネクタ39及びケーブル36を介して基板19上に設けられたコネクタ37に接続され、コネクタ37を介して基板19上のCPU101等に接続される。
基板31B及び基板31Cとケーブル36との接続にコネクタ39を用いることにより、荷重検知部20〜22を組み立て易くすることができ、また、荷重検知部20〜22の情報処理装置1への実装を容易にすることができる。