JP5956320B2 - 音声振動出力装置 - Google Patents
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Description
特許文献2の方式は、音響(気導音)を鼓膜側へ出力するものであって、筺体から振動を人体に対して積極的に伝えていないほか、筺体に振動を伝えることで得られる気導音発生効果の利用もない。
また、特許文献2の圧電式イヤホンには、円筒の外気側に外気圧平衡用の穴がある。しかし、この穴は、穴としては小さく積極的に外気から伝わる音を遮断せず伝えることができなかった。また、特許文献2の圧電式イヤホンは、水中での利用を想定したものではなく、仮に水中で使用したとしても、上述の穴が小さいことから、この穴を通して水が耳穴に入ることは期待できなかった。
また、本発明の他の課題は、ゴーグル等のバンドを用いなくとも音声を聴覚器官に伝えることができるよう耳に装着することができ、部品点数が少なく、構造が簡易であり、音量も大きく、軽量かつ小型で、電池を電源として駆動できる音声振動出力装置を提供することである。
さらに、本発明の他の課題は、周波数特性が改善され、音漏れも軽減された音声振動出力装置を提供することである。
また、本発明によれば、音声振動出力装置は、ゴーグル等のバンドを用いなくとも音声を聴覚器官に伝えることができるよう耳に装着することができ、部品点数が少なく、構造が簡易であり、音量も大きく、軽量かつ小型で、電池を電源として駆動できるという効果がある。
さらに、本発明によれば、音声振動出力装置は、周波数特性が改善され、音漏れも軽減されるという効果がある。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1は、第1実施形態の音声振動出力装置100を示す断面図である。
図2は、音声振動出力装置100を図1中の矢印A側から見た図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
音声振動出力装置100は、振動子111と、配線120と、挿入部130と、当接部材140とを備えた、イヤホンとして用いることができる装置である。
また、挿入部130には、上述したように振動子111が内蔵されており、この振動子111の振動により振動する。
また、当接部材140は、挿入部130と共に振動子111の振動により振動する。
本実施形態の振動子111は、圧電セラミックを用いた圧電バイモルフ素子であり、ベンディングモード(撓み振動)で駆動する。振動子111に使用する圧電材料は、高変位な圧電材料を積層した素子であり、アンプから音響信号に忠実な電圧を圧電素子へ印加することにより、振動子111は、(結果として)音響信号を再現するように振動する。
本実施形態では、図1に示すように、挿入部130の筒方向に沿って振動子111がモールドされている。振動子111の固定方法は、振動子111を破断しないよう、人の押し圧力で生じる曲げに強い樹脂(例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等)で固定し、防水絶縁に対応するよう軟質樹脂(シリコーン等)でモールドするとよい。
音声振動出力装置100には、駆動部150が設けられている。
駆動部150は、イコライザ部151と、アンプ部152とを備え、音響信号を振動子111の駆動に用いる電気信号へ変換する。また、図示していないが、駆動部150には、音声振動出力装置100の電源となる電池が設けられている。本実施形態の音声振動出力装置100は、圧電バイモルフ素子を振動子111に用いているので、消費電力が少なく、電池も小型のもので充分である。
図4は、第2実施形態の音声振動出力装置200を示す断面図である。
音声振動出力装置200は、振動発生部210と、配線220と、挿入部230と、当接部材240と、非挿入部250とを備えている。
なお、第2実施形態の音声振動出力装置200は、上述した構成の他、第1実施形態の音声振動出力装置100と同様な駆動部150を備えているが、これについては、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
また、当接部材240は、非挿入部250に設けられた振動発生部210の振動により挿入部230と共に振動する。
非挿入部250の円筒壁部分には、上述したように、振動発生部210が固定されて内蔵されている。
図6は、図5中に矢印で示したD−D断面を示す図である。
振動発生部210は、振動子211と、振動部212と、両面テープ213と、枠部材214と、基材215とを備えている。
また、挿入部230は、振動子の形状等の制約を受けないので、耳へ装着した時のフィット感を重視した形状に形成されることが可能である。また、同様な理由から、第2実施形態の音声振動出力装置200では、挿入部230の長さを短くすることができ、第1実施形態の音声振動出力装置100よりも出っ張り感が軽減される。また、利用者は、第2実施形態の音声振動出力装置200を装着した状態であっても、潜水服や水中メガネバンド等を耳の上に当てることができる。
図7は、第3実施形態の音声振動出力装置300を第1実施形態の図2と同様な方向から見た図である。
第3実施形態の音声振動出力装置300は、挿入部330の形状が異なり、当接部材140に相当する部分を持たない他は、第1実施形態と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
また、挿入部330の中央には、第1実施形態と同様に振動子111が配置されている。
(1)第1及び第2実施形態において、挿入部130,230には、当接部材140,240を設けた例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、挿入部は、当接部材を設けずに直接外耳道内に接触するようになっていてもよい。
111 振動子
120 配線
130 挿入部
131 貫通路
140 当接部材
150 駆動部
151 イコライザ部
152 アンプ部
160 再生機器
161 出力部
200 音声振動出力装置
210 振動発生部
211 振動子
212 振動部
213 両面テープ
214 枠部材
215 基材
220 配線
230 挿入部
231 貫通路
240 当接部材
250 非挿入部
300 音声振動出力装置
330 挿入部
331 貫通路
S 隙間
Claims (6)
- 音声に対応して振動する圧電バイモルフ素子により形成された振動子と、
人体の外耳道内に挿入可能に形成され、かつ、外耳道内に挿入された状態においても外耳道を塞がないように外耳道内部と外部とを外耳道内部側から外部側へ向かうほど、断面積が大きくなる断面形状で繋ぐ少なくとも1つの貫通路を有し、前記振動子の振動により振動する挿入部と、
を備え、
前記挿入部が、前記振動子の振動を外耳道及び外耳道に満たされる水や海水、及び、空気に伝えることを特徴とする音声振動出力装置。 - 請求項1に記載の音声振動出力装置において、
前記貫通路の面は、少なくとも一部に親水性を高める処理が施されていること、
を特徴とする音声振動出力装置。 - 請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載の音声振動出力装置において、
前記振動子を内蔵するケースを有し、
前記振動子は、前記ケース内に設けられた空間において一方の面が前記ケースの内壁面に接合されており、他方の面側は、前記ケースとの間に空隙を有して配置されており、
前記ケースは、前記挿入部の前記貫通路に沿って設けられていること、
を特徴とする音声振動出力装置。 - 請求項1に記載の音声振動出力装置において、
外耳道内に挿入されない位置にあって、前記挿入部に振動を伝達可能に接続された非挿入部を備え、
前記貫通路は、前記挿入部から前記非挿入部にわたって形成されて外部と繋がれていること、
を特徴とする音声振動出力装置。 - 請求項4に記載の音声振動出力装置において、
前記非挿入部の内部に設けられ、前記振動子を内蔵するケースを有し、
前記振動子は、前記ケース内に設けられた空間において一方の面が前記ケースの内壁面に接合されており、他方の面側は、前記ケースとの間に空隙を有して配置されていること、
を特徴とする音声振動出力装置。 - 音声に対応して振動する圧電バイモルフ素子により形成された振動子と、人体の外耳道内に挿入可能に形成され、かつ、外耳道内に挿入された状態においても外耳道を塞がないように外耳道内部と外部とを外耳道内部側から外部側へ向かうほど、断面積が大きくなる断面形状で繋ぐ少なくとも1つの貫通路を有し、前記振動子の振動により振動する挿入部と、を備えた音声振動出力装置における音声振動出力方法であって、
前記挿入部が、前記振動子の振動を外耳道及び外耳道に満たされる水や海水、及び、空気に伝えることを特徴とする音声振動出力方法。
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