JP5955985B2 - シクレソニドの新規製造方法 - Google Patents
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Description
を有するコルチコステロイドである。シクレソニドは、呼吸器系疾患の処置に用いられる。
活性物質の合成および精製ならびに合成の詳細な特徴についてはすでに種々の研究において記載されている。
・ 加水分解の傾向があるイソ酪酸誘導体(イソ酪酸無水物またはイソ酪酸塩化物など)に替えてイソ酪酸の安定な塩を使用する。
・ 21−ブロモ−16α,17−シクロヘキシル−メチレンジオキシ−11β−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−オン段階において22Sエピマーの減少が可能である。
・ シクレソニドの調製において、過塩素酸およびニトロアルカンを使用しない。
・ 総収率が高い:例としては、実施例1〜6(実験の部を参照)において混合物Aで得られた総収率(11β,16α,17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−オンから出発して約38%)が挙げられる。
本発明は、式1
のシクレソニドを調製する方法であって、式2
(式中、R1は、Br、IまたはClを表しうる)の化合物を、式
(式中、X+は、好ましくはLi+、Na+、K+およびCs+から選択され、好ましくはNa+であるアルカリ金属イオンを表すか;またはN(R2)4 +を表し、ここでR2は、好ましくは、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、およびtert−ブチルから、好ましくはメチルおよびn−ブチルから選択されるC1−6アルキルを表す)
の塩と反応させることを特徴とする方法に関する。
a) 極性の水混和性有機溶媒またはその混合物から、水を添加するか添加せずに、最初の結晶化を行い;溶媒の混合物は、好ましくは、メタノール、アセトニトリルおよび水から互いに独立して選択して使用され;
続いて
b) 極性の水混和性有機溶媒またはその混合物に、水を添加するか添加せずに、懸濁させることにより少なくとも1回精製し;溶媒の混合物は、好ましくは、アセトニトリル、NMP、NEP、DMF、DMAC、DMSO、アセトン、MEK、THF、ジオキサン、またはその他の水混和性エーテルおよび水から、好ましくは、アセトニトリル、NMP、NEP、DMF、DMAC、DMSO、アセトン、MEK、THF、および水から、好ましくはアセトニトリル、NMP、DMSO、アセトン、および水から互いに独立して選択して使用される。
の化合物を、酸、好ましくはメタンスルホン酸の存在下、シクロヘキサンアルデヒドと反応させることにより得られる。式4の化合物とシクロヘキサンアルデヒドとの反応における触媒としての酸の使用および適切な溶媒は、WO94/22899にすでに記載されており、ここでその全体を引用する。
本発明の範囲内の化合物1は、シクレソニド、すなわち16α,17−[(R)−シクロヘキシルメチレンジオキシ]−11β−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)−プレグナ−1,4−ジエン−3,20−オン:
を意味する。
本発明の範囲内の語R,S−シクレソニドは、16α,17−[(R,S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ]−11β−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)−プレグナ−1,4−ジエン−3,20−オン:
を意味する。
において、基Rnは、OHを意味することができ、したがって式自体は、2−プロパノールを意味しうる。しかし、基RnがOまたは、別の方法で=Oを意味する場合、2つの水素原子がとって代られ、式自体はこの例ではアセトンを意味する。
・ アルコール(アルコール性溶媒)、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、シクロヘキサノール;
・ グリコール、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール;
・ エーテル/グリコールエーテル、好ましくはジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノ−、ジ−、トリ−、ポリエチレングリコールエーテル;
・ ケトン、好ましくはアセトン、ブタノン、シクロヘキサノン;
・ エステル、好ましくは酢酸エステル、グリコールエステル;
・ 窒素化合物を含むアミド、好ましくはジメチルホルムアミド、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル;
・ ニトロ化合物、好ましくはニトロベンゼン;
・ ハロゲン化炭化水素、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、トリクロロエテン、テトラクロロエテン、1,2−ジクロロエタン、クロロフルオロカーボン;
・ 脂肪族または脂環式炭化水素;
・ 芳香族炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン;
または対応するその混合物。
実施例1: 化合物3の調製(濃縮物)
混合物A: 11β,16α,17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−オン100gをジクロロメタン2リットルに懸濁し、−20℃まで冷却し、シクロヘキサンアルデヒド37gを撹拌しながら加えた。次いで、メタンスルホン酸255gをこの温度で30分以内に加えた。このようにして得られた溶液を−20℃で3時間撹拌した。反応溶液を、最大10℃で45%水酸化ナトリウム溶液160mlおよび水500mlの混合物と合わせ、5%炭酸水素ナトリウム溶液100mlによりpH 8.5に調整した。相を互いに分離し、水相をジクロロメタン500mlで1回抽出した。有機相を合わせ、水500mlで1回洗浄し、容量900mlまで濃縮した。
混合物A: 化合物3(実施例1、混合物Aから)の濃縮物300mlをジクロロメタン480mlで希釈した。トリフェニルホスフィン35gを、不活性ガス雰囲気下で撹拌しながら加え、溶液を10℃まで冷却した。10〜16℃の温度範囲で、N−ブロモスクシンイミド(NBS)24gをバッチ方式で1時間以内に加えた。更に1時間後、反応混合物を蒸発乾固し、メタノール50mlを加え、混合物を再度蒸発乾固した。次いで残渣をメタノール760mlにとり、水40mlを加え、混合物を50℃まで加熱し、1時間撹拌した。得られた懸濁液を放置して徐々に周囲温度まで戻した。それを更に16時間撹拌し、懸濁液を吸引フィルターを介してろ過した。分割した固形物をメタノール/水(95:5)25mlで2回洗浄し、メタノール25mlで2回洗浄し、次いで真空乾燥機中、60℃で乾燥した。35gの化合物2を粗生成物の形で得た。クロマトグラフィーによる純度(HPLC−UV):液状Rエピマー93.5%、液状Sエピマー5.5%。
混合物A: 化合物2の粗生成物(実施例2、混合物Aから)30gを、アセトニトリル588mlおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)12mlの混合物に懸濁した。懸濁液を撹拌しながら80℃に加熱し、この温度で1時間保持した。徐々に5℃まで冷却後、混合物をこの温度で16時間保持し、次いでブフナー漏斗を介して加えた。分離した沈殿物を予め5℃の温度に調整したアセトニトリル50mlで洗浄し、真空下、60℃で乾燥した。23gの工業グレードの化合物2が残留した。クロマトグラフィーによる純度(HPLC−UV):液状Rエピマー97.0%、液状Sエピマー2.7%。
混合物A: 工業グレードの化合物2(実施例3、混合物Aから)22g、DMSO110ml、およびナトリウムイソブトキシド6gの混合物を撹拌しながら40℃まで加熱した。90分後、得られた反応溶液を放置して約20℃まで戻し、メチル−tert−ブチルエーテル(MtBE)176mlおよび水110mlを加えた。混合物を10分間激しく撹拌し、有機及び水相を互いに分離し、水相を廃棄した。有機相を水60mlで3回洗浄し、真空下で、蒸発乾固し、エタノール10mlを加え、混合物を再び蒸発乾固した。次いで残留した残渣を約60℃でエタノール33mlに溶解し、メタノール33mlと合わせ、徐々に0℃まで冷却した。懸濁液を0℃で3時間撹拌した。沈殿物を吸引ろ過により分離し、冷メタノール66mlで洗浄し、真空乾燥機中70℃で乾燥した。シクレソニド粗生成物20gが得られた。クロマトグラフィーによる純度(HPLC−UV):液状Rエピマー98.8%、液状Sエピマー0.9%。
混合物A: 実施例4の混合物Aから得られたシクレソニド粗生成物(20g)を70℃でエタノール33mlに溶解し、撹拌しながらメタノール33mlと合わせた。溶液を約4時間以内に2℃まで冷却し、2℃で16時間放置した。結晶化した生成物を吸引ろ過により分離した。フィルターケークを冷メタノール20mlで2回洗浄し、次いで真空下、70℃で20時間乾燥した。工業グレードのシクレソニド18gが得られた。クロマトグラフィーによる純度(HPLC−UV):液状Rエピマー99.5%、液状Sエピマー0.4%。
混合物A:予め温度70℃に調整しておいた工業グレードのシクレソニド(実施例5、混合物Aから)17gのエタノール24ml中の溶液に、活性炭170mgを加えた。澄明ろ過(clear filtration)を行い、フィルターの残渣をエタノール10mlで洗浄した。合わせたろ液を3時間以内に21℃まで冷却した。次いで得られた懸濁液を2℃まで冷却した。2℃で16時間後、混合物をろ過し、沈澱物を冷エタノール20mlで2回洗浄した。単離した生成物を真空下、60℃で20時間乾燥した。シクレソニド純品の収量は、14gであった。クロマトグラフィーによる純度(HPLC−UV):液状Rエピマー99.7%、液状Sエピマー0.2%;q−NMR:Rエピマー99.0%;融点:210℃;含水率(KF):0.5%;強熱残渣:<0.1%。
Claims (11)
- 式2の化合物中のR1が、Brを表す、請求項1記載の方法。
- 反応後、式1の化合物を、1回以上、アルコール性溶媒またはアルコール性溶媒の混合物から結晶化させることによって精製することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 式3の化合物の位置選択的臭素化を、PBr3、BrPPh3Br、またはトリフェニルホスフィンと、N−ブロモスクシンイミド、テトラブロモメタン、ヘキサブロモアセトンおよびBr2から選択される試薬との混合物を用いた触媒によるアッペル反応の変法により行う、請求項4記載の方法。
- 式3の化合物の位置選択的臭素化を、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、およびハロゲン化炭化水素とニトリルとの混合物から選択される溶媒中で行う、請求項4または5記載の方法。
- 反応後、R1がBrを表す式2の化合物を、極性の水混和性の有機溶媒またはその混合物から、水を添加するか添加せずに、1回以上の結晶化により精製することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 結晶化後、更なる結晶化のため、R1がBrを表す式2の化合物を、極性の水混和性有機溶媒またはその混合物に、水を添加するか添加せずに、懸濁させることを特徴とする、請求項7記載の方法。
- 式3の化合物を単離しない、請求項9記載の方法。
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