以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したり、ステージ(又はモード)を変更したり、変動表示の大当たりへの期待度等をコメントや図柄で示す場合などに、遊技者により操作される。
なお、ステージの変更とは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、例えば、浜辺ステージ、海中ステージや海底ステージなどのステージが設けられている。そして、遊技者により枠ボタン22が操作される毎に、各ステージが変更されるように構成されている。また、本実施の形態では、枠ボタン22の操作によりステージを変更可能に構成したが、遊技状態に応じて各ステージを変更するように構成しても良い。この場合、例えば、2ラウンド(以下「R」と称す)の大当たりが発生した際に海底ステージに移行するように構成しても良いし、更に、2R通常大当たりと2R確変大当たりが存在する場合には、2R通常大当たりの方が海中ステージに移行し易く、2R確変大当たりの方が海底ステージに移行し易いよう構成し、各ステージへの移行に対して2R確変への期待度を異なるように構成しても良い。
また、変動表示の大当たりへの期待度等を示すコメントや図柄は、変動表示中に第3図柄表示装置81の画面上に枠ボタン22の操作を促す表示を行い(又は、枠ボタン22を点灯や点滅させて)、その枠ボタン22が操作された場合に表示されるように構成されている。また、期待度とは、例えば、通常では白色のコメントの文字色を、赤色や金色に変更したり、通常では1枚の貝殻が表示されるのを、複数枚の表示としたり、コメントの内容自体(例えば、「リーチ」、「激アツ」など)を変更するなどして示される。なお、後述するが、第3図柄表示装置81の一発告知ランプ88(図2参照)も期待度を示す演出に含まれ、つまり、枠ボタン22が操作されたタイミングで一発告知ランプ88が点灯する場合も、期待度を示す演出に含まれる。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37のLED37aは、第1入球口64への入球に伴った変動表示中であるか否かや、第1入球口64への入球に伴って行われた抽選結果(本実施の形態では、15R確変大当たり(15Rプレミア確変大当たりを含む)、15R通常大当たり、2R確変大当たり、外れ)などを点灯状態などにより表示したり、保留球数を点灯状態により表示すものである。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、LED37aと7セグメント表示器37bとの組み合わせによって、変動表示中であるか否かや抽選結果を表示するように構成しても良い。
ここで、「15R確変大当たり」及び「2R確変大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態となり、さらに、後述する第2図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
また、「15R通常大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率が通常の状態となり、第2図柄の当たり確率のみが所定期間の間(例えば、100変動回数)アップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、時短中(時短状態)と称す。なお、パチンコ機10が第1図柄の「外れ」となり、確変中(確変状態)、及び、時短中(時短状態)でもない状態(第1図柄の大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)を、以後、通常中(通常状態)と称する。
また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。また、「2R確変大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率をアップすると共に第1入球口64へ球が入球し易くなる確変状態となるように構成したが、第1図柄の大当たり確率のみをアップし、第1入球口64への球の入球確率は通常通りとなる遊技状態となるように構成しても良い。以後、この状態を、潜伏中(潜伏状態)と称する。
また、本実施の形態では、大当たりの最大ラウンド数を15R又は2Rとしているが、ラウンド数は任意の数(例えば、5R、9Rや10Rなど)としても良い。また、「15R確変大当たり」と「15R通常大当たり」を15R共通としたが、「確変大当たり」と「通常大当たり」とで、ラウンド数が異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の場合は、最大ラウンド数を15ラウンドとし、「通常大当たり」の場合は、最大ラウンド数を8ラウンドとしても良い。
また、本実施の形態では、第1図柄の「確変大当たり」となった場合には、次の第1図柄の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
図2に戻って説明する。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横(又は縦)にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81で行われる変動表示の一例について説明する。図4は、第3図柄表示装置81で行われる変動表示の一例を示した表示画面の概略図である。なお、第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37で行われる変動表示を装飾するものであり、その表示画面に表示される図柄を第3図柄と称する。
第3図柄は、「1」から「9」の数字に対応する9種類のキャラクタ図柄からなる9種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
また、本実施の形態のパチンコ機10では、主制御装置110による抽選結果が15R大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「大当たり終了後に確変状態」に移行する場合は、奇数番号に対応する主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たり終了後に時短状態」に移行する場合は、偶数番号に対応する主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。また、主制御装置110による抽選結果が2R確変大当たりであった場合には、「341」の主図柄が揃う変動表示が行われた後に、確変状態に移行するように構成されている。
また、第3図柄表示装置81の表示画面における第3図柄の変動は、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(図4の矢印X方向)へスクロールするように表示される。具体的には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図4に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列Z1〜Z3毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。また、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
また、第3図柄表示装置81の表示画面の下段部には、特図保留表示87が設けられている。本実施の形態では、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において停止図柄が確定、即ち、第3図柄表示装置81で停止図柄(確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に特図保留表示87により示されるように構成されている。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留表示87は、最大保留回数分の4つを表示可能に構成されているが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第3図柄表示装置81は、本実施の形態では、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施の形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
第3図柄表示装置81の上方となるセンターフレーム86には、装飾用の装飾ランプ85と、一発告知用の一発告知ランプ88とが設けられている。装飾ランプ85は、単に、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に連動して点灯または消灯する装飾用ランプであり、一発告知ランプ88は、第1入球口64への入球に伴って行われた抽選結果が大当たりであった場合に、その旨を遊技者に示唆するランプである。一発告知ランプ88は、変動表示の開始時や終了時、変動途中、更には、上述した枠ボタン22の操作に基づいて複数のタイミングで点灯可能に構成されているので、遊技者は、一発告知ランプ88の点灯を常に期待しつつ遊技を行うことができる。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、2R確変大当たりの際には、特定入賞口65aが最大2回開閉動作されるが、特定入賞口65aが開放される時間は、15R確変又は通常大当たりと同等の所定時間としても良いし、その所定時間より短い時間(殆ど、球が入賞できない程度の短い時間)、又は、所定時間より長い時間を開放するように構成しても良い。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図5参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5及び図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図6は、演出制御装置117の電気的構成を示すブロックである。
主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。主制御装置110から該サブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図8を参照しつつ後述する。
ROM202には、大当たり用変動パターンテーブル202aと、外れ用(通常)変動パターンテーブル202bと、外れ用(確変)変動パターンテーブル202cとが設けられている。大当たり用変動パターンテーブル202aは、第1入球口64への入賞に伴った抽選結果が大当たりであった場合に、第3図柄表示装置81で行われる変動表示の変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。外れ用(通常)変動パターンテーブル202bは、遊技状態が通常中(即ち、確変中や時短中でない状態)で第1入球口64への入賞に伴った抽選結果が外れであった場合に、第3図柄表示装置81で行われる変動表示の変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。一方、外れ用(確変)変動パターンテーブル202bは、遊技状態が確変中または時短中で第1入球口64への入賞に伴った抽選結果が外れであった場合に、第3図柄表示装置81で行われる変動表示の変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。
ここで、図7(a)〜図7(d)を参照して、各変動パターンテーブル202a,202b,202cについて説明する。図7は、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別との対応関係、及び、変動種別カウンタCS1と大当たり時の変動パターンの種別との対応関係、停止パターンカウンタC3と外れ種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
図7(a)は、大当たりの種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けした大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、図7(b)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202aの一例を模式的に示した図である。
図7(a)に示すように、大当たり種別テーブルは、大当たりの種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けしたテーブルであり、大当たりの種別としては、15R確変大当たり、15R確変大当たりの1つである15R確変プレミア大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりがあり、この各大当たりの種別(グループ(群))に対して第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けされている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の値が後述するタイマ割込処理のS503の処理(図18参照)で2ms毎に更新されており、第1入球口64に球が入賞したタイミングで取得された第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種別が選択される。なお、各大当たり種別に対応付けされた第1当たり種別カウンタC2の値は、15R確変大当たりが0〜38であり、15R確変プレミア大当たりが39であり、15R通常大当たりが40〜79であり、2R確変大当たりが80〜99となっており、本実施の形態では、大当たりとなると、約60%の確率で確変状態が選択されると共に、15R確変プレミア大当たりが1%の確率で選択されることが解る。なお、大当たり種別として、15R確変大当たりと15R確変プレミア大当たりとを区別するものとしたが、勿論、第1当たり種別カウンタC2のカウント値が0〜39を15R確変大当たりとし、15R確変大当たりが選択された場合に、他のカウンタの値を参照して15R確変プレミア大当たりを所定の確率で選択するように構成しても良い。
図7(b)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202aは、15R確変大当たり及び15R通常大当たりが選択された場合に参照される15R大当たり共通、15R確変プレミア大当たりが選択された場合に参照されるプレミア大当たり専用、及び、2R確変大当たりが選択された場合に参照される2R確変大当たり専用と大当たりの種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。つまり、変動種別カウンタCS1のカウント値が後述するメイン処理のS202及び210の処理(図14参照)で更新されており、第1入球口64に球が入賞したタイミングで取得された変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり時の変動パターンが選択される。
15R大当たり共通には、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜10、スーパーリーチ各種が11〜99、スペシャルリーチ各種が100〜198となっている。なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、海中の潮の流れを急流で表示する「急流リーチ」や珊瑚礁などを突然表示する「珊瑚礁リーチ」等があり、その「急流リーチ」にしても、変動開始前の予告演出が付加されるものと付加されないもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものと付加されないものなど、複数の演出内容が異なるリーチが含まれている。また、ノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、スーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、スペシャルリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。即ち、15R大当たり共通のテーブルは、大当たりであるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっているが、ノーマルリーチ各種およびスーパーリーチ各種も選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
プレミア大当たり専用には、プレミアリーチA〜Cが設けられており、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、プレミアリーチAが0〜99、プレミアリーチBが100〜149、プレミアリーチCが150〜198となっている。なお、プレミアリーチAとは、例えば、大当たりの発生を示唆するリーチ演出であって通常時に大当たりへの期待度を高める「魚群」を表示する魚群演出が行われる場合に、「魚群」の代わりに「赤魚群」を表示する赤魚群演出であり、プレミアリーチBとは、例えば、通常では出現しない「男の子」を表示する男子演出であり、プレミアリーチCは、一発告知ランプ88を点灯させる一発告知演出である。
2R確変大当たり専用には、2R変動A〜Cが設けられており、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、2R変動Aが0〜99、2R変動Bが100〜149、2R変動Cが150〜198となっている。なお、2R変動Aとは、例えば、「赤魚群」を伴って、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が「341」で停止する赤魚群特殊演出であり、2R変動Bとは、カメ(3の図柄)、サメ(4の図柄)、タコ(1の図柄)の「複数魚群」を伴って、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が「341」で停止する複数魚群特殊演出であり、2R変動Cとは、一発告知ランプ88の点灯を伴って最終的な第1図柄(又は第3図柄)が「341」で停止する一発告知特殊演出である。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して選択するように構成しても良い。例えば、変動開始前や変動開始時にリーチなどの予告をする予告演出を付加するか否かを他の変動種別カウンタにより選択しても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させるか(例えば、1図柄ズレた前後外れ等)を選択しても良い。
図7(c)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、外れ種別には、短時間で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、その短外れより長い変動時間となるがリーチが成立しない長外れと、リーチは成立するが変動時間が短い外れノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より長い変動時間となる外れスーパーリーチ各種と、その外れスーパーリーチ各種より更に長い変動時間となる外れスペシャルリーチ各種とがグループ(群)に区分けして設けられている。外れ種別に対する変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜119、長外れが120〜179、外れノーマルリーチ各種が180〜219、外れスーパーリーチ各種が220〜234、外れスペシャルリーチ各種が235〜238となっている。つまり、停止パターンカウンタC3のカウント値が後述するタイマ割込処理のS503の処理(図18参照)で更新されており、第1入球口64に球が入賞したタイミングで取得された停止パターンカウンタC3の値に基づいて外れ時の変動パターンが選択される。なお、外れ用(通常)変動パターンテーブル202aは、上述した通り、遊技状態が通常中の場合に参照されるものなので、短外れが最も選択されやすいように構成され、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種になるほど、選択され難く構成されている。また、外れの変動表示の演出にも、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種およびスペシャルリーチ各種が選択されるように構成されているので、遊技者は、遊技中に常に、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの変動表示が行われ、大当たりとなることを期待して遊技を行うことができる。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ種別には、外れ用(通常)変動パターンテーブル202bと同様に、短外れと、長外れと、外れノーマルリーチ各種と、外れスーパーリーチ各種と、外れスペシャルリーチ各種とがグループ(群)に区分けして設けられている。外れ種別に対する変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜199、長外れが200〜209、外れノーマルリーチ各種が210〜219、外れスーパーリーチ各種が220〜229、外れスペシャルリーチ各種が230〜238となっている。つまり、外れ用(確変)変動パターンテーブル202cは、確変中または時短中に参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、確変中または時短中に、リーチ各種が多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性もあるし、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、確変中や時短中は、極端に短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できるし、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、停止パターンカウンタC3のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、通常用の変動パターンテーブル202bと確変用の変動パターンテーブル202cとに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、特図保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、確変用の変動パターンテーブル202cを参照して選択するものとしても良いし、特図保留球数Nの値に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
また、外れ時の変動パターンは、所定のカウンタの値に応じてリーチを行うか否かを判別し、リーチを行わない場合に短外れ又は長外れを所定の確率で選択させるテーブルを参照し、リーチを行う場合にノーマルリーチ、スーパーリーチ又はスペシャルリーチを所定の確率で選択させるテーブルを参照して、設定するように構成しても良い。勿論、この場合も、特図保留球数Nの値に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
さらに、図7(b)及び図7(c)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、特図保留球数Nの値に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
図5に戻って説明する。RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203は、保留球格納エリア203aと、保留球実行エリア203bと、特図保留球カウンタ203cと、ワークエリア203dとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図13参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
保留球格納エリア203aは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図8参照)、第1当たり種別カウンタC2(図8参照)、停止パターン選択カウンタC3(図8参照)、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球格納エリア203aには、第1入球口64への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この保留球格納エリア203aの具体的構成については、図8を参照しつつ後述する。
また、詳細については後述するが、第1入球口64への入賞(入球)が検出されて、各カウンタC1〜C3,CS1の各値が保留球格納エリア203aに記憶(保留)される場合には(即ち、入賞時の特図保留球数Nが4未満の場合には)、変動演出の開始時とは別に、その記憶(保留)されるカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて、抽選結果および第3図柄表示装置81で行われうる演出の変動パターンが選択される。
具体的には、第1入球口64への球の入賞が検出されたら直ちに、各カウンタC1〜C3,CS1の値から抽選結果および変動種別を選択し、その選択された抽選結果および変動種別、特図保留球数Nに応じたデータを含む入賞時コマンドが生成される。そして、入賞時コマンドは、演出制御装置117へ送信され、演出制御装置117で、特図保留球数Nに対応する表示を特図保留表示87で行う。更に、演出制御装置117では、入賞時コマンドにより示される変動種別および抽選結果と、第3図柄表示装置81で実際に変動表示を実行する場合に受信する変動パターンコマンド及び停止種別コマンドにより示される変動パターン(変動種別に対応)及び停止図柄(抽選結果に対応)とを比較して、ノイズ等の影響によりコマンドが破壊されていないかを判別可能に構成されている。このコマンドが破壊されているか否かを判別する処理については後述する。
保留球実行エリア203bは、大当たりの抽選や、第1図柄表示装置37の表示(変動パターン)の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されるメモリである。
大当たりの抽選や、第1図柄表示装置37の表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球格納エリア203aに記憶されている各入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の入賞に対応するデータが、この保留球実行エリア203bにシフトされてくる。なお、本実施の形態におけるシフトとは、データが記憶されている領域から、そのデータを別の領域へ移動させることを示す。また、この保留球実行エリア203bの具体的構成については、図8を参照しつつ後述する。
特図保留球カウンタ203cは、第1入球口64についての入賞の保留回数、即ち、特図保留球数Nを計数するカウンタである。また、特図保留球カウンタ203cは、最大値が「4」であり、RAMの初期設定(図13のS113参照)時に「0」に初期化される。
なお、上述した第3図柄表示装置81の画面上に表示される特図保留表示87(図2参照)では、特図保留球数Nと同一数が表示される。より具体的には、第1入球口64に球が入賞して特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が増加すると、上述した通り、特図保留球数Nの値に対応するデータを含む入賞時コマンドが主制御装置110から演出制御装置117に対して送信され、一方、次の変動表示が開始されて特図保留球数Nの値が減算されると、特図保留球数Nの値に対応するデータを含む保留減コマンドが主制御装置110から演出制御装置117に対して送信される。演出制御装置117では、主制御装置110から送信されてくる入賞時コマンド及び保留減コマンドを受信した場合に、そのコマンドが示す特図保留球数Nと同一数の表示を特図保留表示87に表示する。
ワークエリア203dは、各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2に関するデータなど(例えば、カウンタ値など)を記憶するための領域である。各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2は、このワークエリア203d内に設けられており、各カウンタの値は、ワークエリア203d内に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。
ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2等について説明する。図8は、各種カウンタや、保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bの構成を模式的に示した模式図である。
保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、外れ時に停止図柄を停止させる変動パターンの選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、大当たり時に停止図柄を停止させる変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度(図14又は図18参照)、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図14参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図18参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア203dに設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
図8に示すように、RAM203には、保留球格納エリア203aと、保留球実行エリア203bとが設けられている。上述した通り、保留球格納エリア203aは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
この保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されている。この保留球格納エリア203aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3と、変動種別カウンタ格納エリア203a4とが設けられている。各格納エリア203a1〜203a3には、各カウンタC1〜C3,CS1の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203aの中に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3と、変動種別カウンタ格納エリア203a4とを設けているが、4つの各エリア203a1,203a2,203a3,203a4が必ず保留球格納エリア203aの中に設けられている必要はない。例えば、保留球格納エリア203aとは別に、新たな格納エリアを設けておき、4つの各エリア203a1,203a2,203a3,203a4のうち、一部を保留球格納エリア203aの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。
上述した通り、この保留球格納エリア203aには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203bは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203bには、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3、変動種別カウンタ格納エリア203b4とが設けられている。
また、詳細は図15を参照しつつ後述するが、変動表示を開始するために変動パターンコマンドを設定する場合には、保留球格納エリア順送り処理(図16参照)により、保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、この保留球実行エリア203bの各エリア203b1〜203b3にそれぞれシフトされる。そして、保留球実行エリア203bにシフトされたデータは、変動開始処理(図17参照)において参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定され、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などに行われることになる。
より具体的には、変動表示を開始するために変動パターンコマンドを設定する場合には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1の乱数値が、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3へシフトされ、変動種別カウンタ格納エリア203a4の乱数値が、変動種別カウンタ格納エリア203b4へシフトされる。
そして、保留球実行エリア203bへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、後述する保留球格納エリア順送り処理(図16参照)により、保留球格納エリア203aの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203aにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図保留球カウンタ203cの値が「4」であり、保留球格納エリア203aの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203bへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、他のエリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトされる。すなわち、保留第2エリアのデータが、保留第1エリアへシフトされ、保留第3エリアのデータが、保留第2エリアへシフトされ、保留第4エリアのデータが、保留第3エリアへシフトされる。
また、例えば、特図保留球カウンタ203cの値が「2」であれば、保留第2エリアのデータのみが、保留第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、保留球格納エリア203aに記憶されているデータの数(保留数)を、特図保留数カウンタ203cにより計数しており、第1入球口64において新たな入賞が生じた場合には、特図保留数カウンタ203cが示す値(特図保留球数N)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶している。
よって、保留球格納エリア203aにおいて、新たな入賞に対応するデータが、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図18参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図14参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。大当たりとなる乱数の値の数は、時短中および通常中(低確率時)と確変中(高確率時)との2種類設定されており、時短中および通常中に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」であり、確変中に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。第1当たり種別カウンタC2は、上述した通り、15R確変大当たり(15R確変プレミア大当たりを含む)となる乱数の値は「0〜39」であり、15R通常大当たりとなる乱数の値は「40〜79」であり、2R確変大当たりとなる乱数の値は「80〜99」であり、3種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、「15R確変大当たり」と「15R通常大当たり」と「2R確変大当たり」の3種類の大当たりに対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計4種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、外れ時の第3図柄表示装置81で表示される演出の変動パターンが選択され、具体的には、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、及び、外れスペシャルリーチ各種のうち、いずれか1つが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。
次に、変動種別カウンタCS1について説明する。変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、変動種別カウンタCS1によって、大当たり時の変動パターンが選択され、具体的には、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、プレミアリーチA〜Cや2R変動A〜Cのうち、いずれか1つが選択される。具体的には、15Rの大当たり時には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜10」の場合にノーマルリーチ各種が選択され、「11〜99」の場合にスーパーリーチ各種が選択され、「100〜198」の場合にスペシャルリーチ各種が選択される。また、15R確変プレミア大当たりの時には、「0〜99」の場合にプレミアリーチAが選択され、「100〜149」の場合にプレミアリーチBが選択され、「150〜198」の場合にプレミアリーチCが選択される。また、2R確変大当たりの時には、「0〜99」の場合に2R変動Aが選択され、「100〜149」の場合に2R変動Bが選択され、「150〜198」の場合に2R変動Cが選択される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理(図18参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図18参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図14参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
図5に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、演出制御装置117、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部83、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払い出し制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、一発告知ランプ88におけるランプの点灯および消灯の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)、大当たり演出、デモ演出、保留球数の表示を制御するものである。これらの制御は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドに基づいて実行される。この演出制御装置117の詳細については、図6を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜112,117等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図20参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図20参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2が入力されると、RAM203におけるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図6を参照して、演出制御装置117の電気的構成について説明する。図6に示すように、演出制御装置117は、MPU271と、ROM(プログラムROM)272と、ワークRAM273と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、画像コントローラ274と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
入出力ポート277の入力側には主制御装置110の出力側が接続され、その入出力ポート277には、音声出力装置226、一発告知ランプ88、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34等がそれぞれ接続されると共に、MPU271、ROM272、ワークRAM273、キャラクタROM275、画像コントローラ274がバスライン279を介して接続されている。画像コントローラ274には、ビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。また、出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
また、本実施の形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを音声ランプ制御装置で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を表示制御装置で行うように構成しても良い。この構成の場合、主制御装置110に対して音声ランプ制御装置および表示制御装置を電気的に接続し、主制御装置110からの各種コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置および表示制御装置がそれぞれ個別に制御を行うように構成しても良い。また、主制御装置110に音声ランプ制御装置が電気的に接続されると共に音声ランプ制御装置に表示制御装置が電気的に接続されるように構成し、主制御装置110から受信したコマンドを音声ランプ制御装置が解析して、第3図柄表示装置81の制御に関するコマンドを音声ランプ制御装置から表示装置装置に出力する(又は解析せずにそのままコマンドを送信する)ように構成しても良い。
以下では、先にMPU271、キャラクタROM275、画像コントローラ274、ビデオRAM276について説明し、次いで、ROM272、ワークRAM273について説明する。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したプログラムROM272と、ワークメモリ等として使用されるワークRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
ROM272は、データテーブル記憶エリア272aを少なくとも有している。データテーブル記憶エリア272aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブルとが格納された領域である。
表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、特殊変動演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。また、データテーブル記憶エリア272aには、デモ演出、確定表示演出、特殊変動演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出である。また、確定表示演出は、変動演出後に、主制御装置110より確定コマンドを受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、特殊変動演出は、所定条件が成立した場合に行われる演出であり、本実施の形態では、第3図柄の高速変動の動的表示後に、「123」の第3図柄が第3図柄表示装置81に停止表示される演出である。具体的には、入賞時コマンドに含まれる変動種別および抽選結果と、変動パターンコマンドにより指示される変動パターン(変動種別に対応)及び停止種別コマンドにより指示される停止図柄(抽選結果に対応)とに矛盾があった場合に、ノイズ等の影響により変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが破壊された可能性があるので、通常の変動演出に代えて特殊変動演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特殊遊技状態へ移行し、第3図柄表示装置81では大当たりの演出が開始されるので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。
また、再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、第3図柄をユラユラと動作させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄がユラユラ動作して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。なお、再始動演出は、第3図柄をユラユラ動作させるものではなく、その場で第3図柄を回転(反転)動作させるものでも良いし、第3図柄の色を一定間隔で変更させるものでも良いし、第3図柄の種類を数字順に一定間隔で変更させるものでも良いし、第3図柄表示装置81に停止表示された複数の第3図柄のうち少なくとも1つを、ユラユラ、回転動作、色の変更、第3図柄の種類の変更を行うようにしても良く、即ち、遊技者に、第3図柄が確定表示(全ての第3図柄が完全に停止)されていないと認識させる表示態様であれば、如何なる表示態様であっても良い。
RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。また、RAM273には、保留種別格納エリア273aと、保留種別実行エリア273bと、特図保留球カウンタ273cと、表示データテーブルバッファ273dと、追加データテーブルバッファ273eと、計時カウンタ273fと、ポインタ273gと、描画リストエリア273hと、新規保留フラグ273iと、新規コマンドフラグ273jと、確定コマンドフラグ273kと、デモ表示フラグ273lと、第1比較フラグ273mと、第2比較フラグ273nと、確定表示フラグ273oと、再始動タイマカウンタ273pとが設けられている。
保留種別格納エリア273aは、主制御装置110の保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留種別エリア(保留種別第1エリア〜保留種別第4エリア)で構成されている。この保留種別格納エリア273aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、後述する入賞時コマンドを受信したと判定された場合に、その入賞時コマンドに含まれる抽選結果を示すデータと、変動種別を示すデータとが記憶される。また、保留種別格納エリア273aには、入賞時コマンドを受信したと判定されたタイミングで取得されるデータが最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留種別エリア(保留種別第1エリア〜保留種別第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。また、第3図柄表示装置81で変動表示が開始される場合には、図示しない保留種別格納エリア順送り処理により、保留種別格納エリア273aの保留第1エリアに記憶されているデータが、この保留種別実行エリア273bの各エリア273b1〜273b3にそれぞれシフトされ、その際、保留種別第2エリア〜保留種別第4エリアに記憶されていたデータが、それぞれ、保留種別第1エリア〜保留種別第3エリアにシフトされる。そして、保留種別実行エリア273bにシフトされたデータは、比較処理(図35参照)において、主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドと比較され、ノイズ等の影響により変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが破壊されていないかが判別される。つまり、保留球格納エリア203aと保留種別格納エリア273aは、保留エリアの数およびエリア番号がそれぞれ対応しており、保留第1エリアのデータがそれぞれの実行エリア203b,273bにシフトされるので、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したと判定された場合には、保留種別実行エリア273bに記憶されるデータが、その受信したと判定された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに対応するものとなる。
特図保留球カウンタ273cは、第3図柄表示装置81の特図保留表示87に表示される特図保留球数Nを記憶しておくカウンタであり、入賞時コマンド又は保留減コマンドを受信したと判定される毎に、その各コマンドに含まれる保留球数に対応する値が更新される。具体的には、入賞時コマンド又は保留減コマンドを受信したと判定される毎に、その入賞時コマンド及び保留減コマンドに含まれる保留球数のデータから取得される特図保留球数Nが記憶される(図28のS1501)。なお、本実施の形態では、入賞時コマンド及び保留減コマンドに含まれる保留球数のデータに基づいて特図保留球数Nを更新するものとしたが、入賞時コマンドの保留球数のデータに基づいて特図保留球数Nを更新(又は加算)し、保留減コマンドを受信したと判定される毎に特図保留球数Nを1減算するように構成しても良いし、保留減コマンドを無くし変動パターンコマンドを受信したと判定される毎(又は変動パターンコマンドに基づく変動表示が開始される毎)に特図保留球数Nを1減算するように構成しても良い。
表示データテーブルバッファ273dは、主制御装置110からのコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU271は、主制御装置110からのコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を判断し、その演出に対応する表示データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに格納する。そして、MPU271は、ポインタ273gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ273gで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ274に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図11参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ273eは、主制御装置110からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(連続予告演出など)に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU271は、表示データテーブルバッファ273dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ273eに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNoneデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU271は、主制御装置110からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出に対応する追加データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ273eに格納する。
そして、MPU271は、ポインタ273gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ273gで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ273eに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ273gで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ274に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図11参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ273eに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ273eにはNoneデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
なお、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して演出を行うのは主制御装置110からのコマンドに基づいて行うように構成したが、演出制御装置117が所定の確率で(例えば、カウンタの値に応じて)、演出を追加するように構成しても良い。この構成の場合、例えば、入賞時コマンドに含まれる抽選結果が外れ以外であるときに所定の確率で演出を追加したり、入賞時コマンドに含まれる変動種別がスペシャルリーチ、プレミアリーチ、や2R変動であるときに所定の確率で演出を追加し、大当たりへの期待度が高い演出が後に行われる可能性がある場合に、それ以前に行われる演出に演出を追加するように構成しても良い。
計時カウンタ273fは、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU271は、表示データテーブルバッファ273dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施の形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ274から送信されるV割込信号に基づいて、MPU271により実行されるV割込処理(図26参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ273fが1ずつ減算される(図33のS2009参照)。その結果、計時カウンタ273fの値が0以下となった場合、MPU271は、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
ポインタ273gは、上述した通り、表示データテーブルバッファ273d及び追加データテーブルバッファ273eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU271は、表示データテーブルバッファ273dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ273gを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ274から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU271により実行されるV割込処理の表示設定処理(図33参照)の中で、ポインタ更新処理(図33のS2007参照)が実行され、ポインタ273gの値が1ずつ加算される。
MPU271は、このようなポインタ273gの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ273eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ273gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して描画リスト(図11参照)を作成する。
これにより、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ273eに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ273dに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ273eに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、演出制御装置117の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
画像リストエリア273hは、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブル、及び、追加データテーブルバッファ273eに格納された追加データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ274に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
新規保留フラグ273iは、特図保留球数N(保留球数)に関するデータが含まれる入賞時コマンド又は保留減コマンドを新規に受信したか否かを示すフラグであり、入賞時コマンド又は保留減コマンドを新規に受信したと判定された場合にオン(図28のS1501参照)され、特図保留球数Nに対応した保留画像データの表示データテーブルへの展開が終了した時点でオフ(図34のS2102参照)される。
新規コマンドフラグ273jは、主制御装置110から送信される新たなコマンドを演出制御装置117が受信したか否かを示すフラグであり、演出制御装置117が新たなコマンドを受信したと判定された場合にオンされ(図27のS1402参照)、第3図柄表示装置81における画像の表示を設定する処理が開始された時点でオフされる(図33のS2002参照)。
確定コマンドフラグ273kは、第3図柄表示装置81での変動演出における停止表示を確定する場合に、主制御装置110から送信される確定コマンドを演出制御装置117が受信したか否かを示すフラグであり、演出制御装置117が確定コマンドを受信したと判定された場合にオンされ(図29のS1601参照)、デモ演出を開始するためにデモ演出データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合(図30のS1705参照)、新たな変動演出を開始するために変動演出データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合(図31のS1806参照)、受信した確定コマンドに基づいて確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合(図33のS2015参照)に、即ち、第3図柄表示装置81における新たな表示の設定がなされた場合にオフされる。
デモ表示フラグ273lは、主制御装置110から送信されるデモコマンドを受信したか否かを示すフラグであり、デモ用の表示データテーブルが表示データデーブルバッファ273dに設定された場合にオンされ(図30のS1705参照、図33のS2026参照)、変動演出を開始するために変動用の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合にオフされる(図31のS1806参照)。
第1比較フラグ273mは、変動パターンコマンドにより示される変動パターンと、入賞時コマンドに含まれる変動種別とを比較する必要があるか否かを示すフラグであり、変動パターンコマンドを受信し、変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合にオンされ(図31のS1806参照)、比較が完了した場合にオフされる(図35のS2210参照)。
第2比較フラグ273nは、停止種別コマンドにより示される停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる抽選結果とを比較する必要があるか否かを示すフラグであり、停止種別コマンドを受信して停止図柄が設定された場合にオンされ(図32のS1904)、比較が完了した場合にオフされる(図35のS2210参照)。
再始動タイマカウンタ273lは、変動表示が一旦停止表示された後であって、主制御装置110から送信される確定コマンドを受信する待機期間を計測するカウンタであり、変動表示に対応した計時カウンタ273fが0以下となった後に確定コマンドを受信できない場合に、V割込処理(図26参照)が実行される毎に1が加算され(S2032)、再始動タイマカウンタ273lが所定値(確定コマンドの待機時間)に達し、再始動用の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された後、次の変動表示用の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定された場合に初期値(値0)が設定される(図31のS1807参照)。
ここで、図9を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図9は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施の形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動用表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背景画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置が第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「海中ステージ」、「海底ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU271は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施の形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU271は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU271は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、主制御装置110より受信した停止種別コマンドに応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図9の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
MPU271は、主制御装置110からのコマンド(例えば、変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定して、データテーブル記憶エリア272aから読み出して、後述するワークRAM273の表示データテーブルバッファ273dに格納すると共に、後述するポインタ273gを0に初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ273gを1加算し、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ273gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図11参照)を作成し、画像コントローラ274にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ273gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、演出制御装置117において、主制御装置110からのコマンド(例えば、変動パターンコマンド)等に応じて、MPU271により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU271で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、演出制御装置117における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、演出制御装置117の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図10を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図10は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルは、上述したように、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「一の演出に追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して演出を行うのは主制御装置110からのコマンドに基づいて行うように構成したが、演出制御装置117が所定の確率で(例えば、カウンタの値に応じて)、演出を追加するように構成しても良い。この構成の場合、例えば、入賞時コマンドに含まれる抽選結果が外れ以外であるときに所定の確率で演出を追加したり、入賞時コマンドに含まれる変動種別がスペシャルリーチ、プレミアリーチ、や2R変動であるときに所定の確率で演出を追加し、大当たりへの期待度が高い演出が後に行われる可能性がある場合に、それ以前に行われる演出に演出を追加するように構成しても良い。
本実施の形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される連続予告演出を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明する。
即ち、追加データテーブルは、例えば、変動演出に対して追加設定される連続予告演出に対応して用意されており、主制御装置110から送信される連続予告コマンドを受信した場合に参照される。具体的には、連続予告演出の表示態様である「泡」等に対応した追加データテーブルがデータテーブル記憶エリア272aに格納されている。また、連続予告演出とは、第1入球口64への入賞に伴った複数回の変動表示に亘って行われる演出であり、その演出が連続するほど大当たりへの期待度が高められるように構成されている。また、第1入球口64への1回の入賞に伴った変動表示内で、模擬的に複数回の変動表示を行う場合にも連続予告演出を実行可能である。また、連続予告演出は「泡」等の演出画像を複数回の変動表示(模擬的な変動表示も含む)に亘って表示する他に、「卵」、「ひよこ」、「鶏」や「足軽」、「武将」、「大名」、「天下人」など人物や動物が成長する過程を表示するものとしても良いし、徐々に人物や物が集まり数が増える表示としても良い。
この追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図10の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、2つのエフェクト(エフェクト1,エフェクト2)及び2つのキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2)に対して、それぞれのスプライト種別(エフェクト種別,キャラクタ種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNoneデータが規定される(図10のアドレス「0001H」が該当)。
尚、追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図10の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
MPU271は、連続予告コマンドを受信すると、その連続予告コマンドにより示される連続予告態様に応じた追加データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから読み出して、後述するワークRAM273の追加データテーブルバッファ273eに格納する。そして、ポインタ273gの更新毎に、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ273eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ273gが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図11参照)を作成する。
例えば、図10の例では、ポインタ273gが「0097H」となった場合に、MPU271は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたエフェクト1,エフェクト2,キャラクタ1,キャラクタ2の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ274にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ273gが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Noneデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ274にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ273gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、演出制御装置117において、主制御装置110からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して他の演出画像(例えば、連続予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ273eに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×5=160種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、データテーブル記憶エリア272aの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル記憶エリア272aに用意された容量の中で多種態様な演出に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ273eに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ273eに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ273gを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、演出制御装置117などによってその他の演出の表示を決定した場合であっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
ここで、図11を参照して、描画リストの詳細について説明する。図11は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ274に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図11に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているキャラクタROM275のアドレスが記述されており、画像コントローラ274は、そのキャラクタROM275のアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ274は、キャラクタROM275より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ274によって、ビデオRAM276に展開される。
MPU271は、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ273eに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ273gによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
また、MPU271は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU271は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ274では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
次に、図12を参照して、第1入球口64に球が入賞した場合に主制御装置110から演出制御装置117に送信される入賞時コマンドと、第1図柄表示装置37による変動表示が開始され特図保留球数Nが減算された場合に出力される保留減コマンドについて説明する。図12は、入賞時コマンド及び保留減コマンドに含まれるデータを模式的に示した模式図である。なお、各コマンドのデータ構成は、図12(a1)及び図12(a2)における左側を上位バイト、右側を下位バイトとし、左側を上位ビット、右側を下位ビットとして説明する。
図12(a1)に示すように、入賞時コマンドは、2バイトで構成されており、上位1バイトにコマンドの種別(例えば、入賞コマンド、保留減コマンドや変動パターンコマンド等)を示すデータが格納されており、下位1バイトに保留球数、抽選結果、変動種別を示すデータが格納されている。具体的には、下位1バイトを構成する8ビットのうち最上位3ビットにより保留球数が示され、その保留球数を示す最上位3ビットの下位2ビットにより抽選結果が示され、下位3ビットにより変動種別が示されている。
図12(b1)に示すように、保留球数は、3ビットに「000」が格納されていれば保留球数は0個であり、「001」が格納されていれば保留球数は1個であり、「010」が格納されていれば保留球数は2個であり、「011」が格納されていれば保留球数は3個であり、「100」が格納されていれば保留球数は4個を示すことになる。なお、本実施の形態では、入賞時コマンドは第1入球口64に球が入賞した場合に送信されるものなので「000」が格納されていることはない。そのため、演出制御装置117では、入賞時コマンドの保留球数を確認し、その値が「000」であれば、ノイズ等の影響によりデータが破壊されたと確認し、エラー表示などを行うように構成しても良い。同様に、「101」、「111」である場合もノイズ等の影響によりデータが破壊された可能性があるので、エラー表示を行うように構成しても良い。
図12(b2)に示すように、抽選結果は、2ビットに「00」が格納されていれば外れであり、「01」が格納されていれば15R通常大当たりであり、「10」が格納されていれば15確変大当たり(15R確変プレミア大当たりを含む)であり、「11」が格納されていれば2R確変大当たりを示すことになる。即ち、本実施の形態では、15R確変プレミア大当たりは、15R確変大当たりとして、主制御装置110から演出制御装置117に送信されるように構成されている。なお、15R確変大当たりは、15R確変プレミア大当たりを含むように構成したが、15R確変大当たりと15Rプレミア確変大当たりとを分けるように構成しても良い。この構成の場合、抽選結果に割り当てられるビット数が増加するが、演出制御装置117における入賞時コマンドの抽選結果と停止種別コマンドにより示される停止図柄(抽選結果に対応)との比較を詳細に行うことができる。
図12(b3)に示すように、変動種別は、3ビットに「000」が格納されていれば外れ(短外れ、長外れ)であり、「001」が格納されていればノーマルリーチであり、「010」が格納されていればスーパリーチであり、「011」が格納されていればスペシャルリーチであり、「100」が格納されていればプレミアリーチであり、「101」が格納されていれば2R変動が示されることになる。なお、ノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、大当たりの場合と外れの場合との両方を含むように構成されているので、大当たりの場合の各リーチと、外れの場合の各リーチとを分けるように構成しても良い。大当たりの場合の各リーチと、外れの場合の各リーチとを分けた場合には、変動種別に割り当てられるビット数が増加するが、演出制御装置117における入賞時コマンドの変動種別と変動パターンコマンドにより示される変動パターン(変動種別に対応)との比較を詳細に行うことができる。
また、図12(a2)に示すように、保留減コマンドは、2バイトで構成されており、上位1バイトにコマンド種別を示すデータが格納されており、下位1バイトに保留球数を示すデータが格納されている。具体的には、下位1バイトを構成する8ビットのうち、最上位3ビットにより保留球数が示され、後の5ビットは未使用領域とされている。なお、3ビットのデータにより示される保留球数は、図13(b1)の説明と同様なので、説明は省略する。
なお、入賞時コマンドは、後述する比較処理(図35参照)において、変動パターンコマンドや停止種別コマンドがノイズ等の影響により破壊されていないかを判別するために変動種別および抽選結果を含んでいるが、その変動種別や抽選結果は、リーチの種類や大当たりの種類に応じて大まかに区分けされたグループ(群)を示す簡易的なデータである。そのため、入賞時コマンドのデータ量を2バイトに抑えられ、主制御装置110と演出制御装置117との間で送信されるデータ量を少なくでき、複数回にわけてデータを送信したり、データ送信に時間がかかる等の弊害を抑制できる。
また、入賞時コマンドは、第3図柄表示装置81の特図保留表示87に保留球数を表示させるために用いられる保留増用のコマンドであり、即ち、第1入球口64に球が入賞した場合に演出制御装置117に必ず送信する必要のあるコマンドである。その入賞時コマンドに、変動パターンコマンドや停止種別コマンドがノイズ等の影響により破壊されていないかを判別するための変動種別および抽選結果を含めているので、新たなコマンドを生成する必要が無く、設計時の負担を軽減できる。
次に、図13から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図13参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図14参照)と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理(図18参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図20参照)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図18は、主制御装置110のタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、MPU201により例えば2ms周期で繰り返し実行される処理である。タイマ割込処理では、まず、各種スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。ここでは、例えば、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込み、各種の入賞口(一般入賞口63、特定入賞口65a、第1入球口64など)に設けられているスイッチにおいて入賞が検出されている場合には、当該入賞口に対応する賞球数の球を払出制御装置111により払い出しさせるための賞球コマンドを、RAM203の所定領域に設定(記憶)する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている第1初期値乱数カウンタバッファに記憶する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のワークエリア203dに設けられている第2初期値乱数カウンタバッファに記憶する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタC1〜C4に対応するバッファに記憶する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図18を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S504)について説明する。図19は、始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S504)は、第1入球口64への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、保留球格納エリア203aに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図18参照)の中で実行される処理である。
この始動入賞処理(S504)では、まず、第1入球口スイッチ208aの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口64に入賞(入球)したか否かを判別する(S651)。S651の処理において、第1入球口スイッチ208aの状態がオフであり、第1入球口64への入賞がないと判別された場合には(S651:No)、何も行うことなく、この始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図18参照)へ戻る。
一方で、第1入球口スイッチ208aの状態がオンであり、球が第1入球口64に入賞(入球)したと判別された場合には(S651:Yes)、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S652)。
S652の処理において、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S652:No)、S653〜S656の各処理をスキップし、この始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図18参照)へ戻る。一方、S652の処理において、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が4未満であれば(S652:Yes)、特図保留球カウンタ203cに1を加算する(S653)。
次に、タイマ割込処理(図18参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図保留球数Nに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S654)。
例えば、S653の処理により更新された特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が「1」である場合には、保留第1エリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。即ち、特図保留球数Nが「X」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
次に、特図保留球カウンタ203cの値とS654の処理で記憶した各カウンタC1〜C3,CS1の各値とに基づいて、入賞時コマンドを設定し(S655)、S656の処理へ移行する。S655の処理は、より具体的には、特図保留球カウンタ203cの値から第1〜第4保留球格納エリア203aのうち、どの保留球格納エリア203aに記憶されている各カウンタC1〜C3,CS1の各値を参照するか決定し、その決定された各カウンタC1〜C3,CS1の各値を参照して、抽選結果(ハズレ、15R確変大当たり(15R確変プレミア大当たりを含む)、15R通常大当たりや2R確変大当たり等)と、変動種別(ハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチや2R変動等)とを設定する。そして、特図保留球カウンタ203cの値と、抽選結果、変動種別を示すデータを含んだ入賞時コマンド(図12参照)を設定する。ここで設定された入賞時コマンドは、次のメイン処理(図14参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された入賞時コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが、第3図柄表示装置81の表示画面の下段部に設けられた特図保留表示87において表示される。
S656の処理では、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37におけるLED37aを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S656)。S656の処理が終了したら、この始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図18参照)へ戻る。
以上の図19の始動入賞処理(S504)によれば、第1入球口スイッチ208aにより、第1入球口64への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球格納エリア203aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201、および、払出発射制御装置111内のMPU211により実行されるNMI割込処理について説明する。図20は、主制御装置110および払出発射制御装置111のNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。
まず、主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、払出発射制御装置111において実行されるNMI割込処理について説明する。かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図13を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図13は、主制御装置110の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、主制御装置110の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU201がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、メイン処理(図14参照)のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを払出制御装置111へ送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。一方、主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0でクリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを払出制御装置111へ送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述する主制御装置110のメイン処理(図14参照)に移行する。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図14は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、パチンコ機10の主要な制御を実行するための処理であり、上記した主制御装置110の立ち上げ処理(図13参照)の終了後に実行され、その後は4ms周期で繰り返し実行される処理である。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
このメイン処理では、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に送信する(S201)。例えば、タイマ割込処理(図18参照)のS501の処理により、賞球コマンドが設定された場合には、その賞球コマンドを払出制御装置111へ送信する。また、例えば、上述した始動入賞処理(図19参照)により設定された入賞時コマンドや、後述する変動開始処理(図18参照)により設定された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、連続予告コマンド等の各種コマンドをそれぞれ演出制御装置117に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
なお、これらのコマンド等の出力データの送信は、コマンド等の出力データが設定された順番に行われる。そして、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている変動種別カウンタCS1に対応するバッファに記憶する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理については、図15を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後、パチンコ機10が大当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示部83における第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83において第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄における当たりの判定が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放され、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201〜S208の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタCINI1,CINI2に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
次に、変動種別カウンタCS1の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている変動種別カウンタCS1に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
上述したS201〜S206の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図20のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理を実行する。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図13参照)の初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S204)について説明する。図15は、主制御装置110の変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理(S204)は、入賞に対応するデータが、保留球格納エリア203aに記憶(保留)されている場合に、そのデータに対応する変動表示を開始させるための処理であり、メイン処理(図14参照)の中で実行される処理である。
この変動処理(S204)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中(即ち、「確変大当たり」、「通常大当たり」の2つ)と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、何も行うことなく、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)を取得する(S303)。
そして、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S304)、S304の処理により確認した結果、特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、S305〜S306の処理をスキップし、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)に戻る。一方で、特図保留球数Nが1以上であれば(S304:Yes)、大当たりの判定に用いるデータを、保留球格納エリア203aから保留球実行エリア203bへシフトする保留球格納エリア順送り処理を実行し(S305)、第1図柄表示装置37の変動表示を開始する変動開始処理を実行する(S306)。そして、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。
なお、保留球格納エリア順送り処理については、図16を参照して後述し、変動開始処理については、図17を参照して後述する。また、この変動処理(S204)は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、大当たり中の場合(S301:Yes)、または、変動中の場合(S302:Yes)には、S305〜S306の処理がスキップされるので、変動処理が実行される度に、変動表示が開始されたり、保留中の入賞に対応するデータが消耗されることはない。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。
一方、S307の処理において、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S308)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により15R確変大当たりとなる図柄か、15R通常大当たりとなる図柄か、2R確変大当たりとなる図柄かが決定される。
本実施の形態では、大当たり終了後に確変状態となる大当たり(15R確変大当たり、2R確変大当たり)の場合には赤色のLEDが点灯され、大当たり終了後に時短状態となる大当たり(15R通常大当たり)の場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
また、第1図柄表示装置37では、複数のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
S308の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために確定コマンドを設定する(S309)。そして、S309の処理が終了したら、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。なお、演出制御装置117は、この確定コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の変動表示を終了させる。より具体的には、第3図柄表示装置81では、変動時間が経過すると変動が休止した状態となり、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。また、本実施の形態では、演出制御装置117が確定コマンドをノイズ等の影響により受信できないと、確定コマンドを受信すべきときに一旦変動表示を停止するが、確定コマンドを受信可能な時間を経過しても受信できない場合に演出(第3図柄がユラユラ揺れる演出)を再開するように構成されている。この確定コマンドを受信できない場合の演出の再開についての詳細は後述する。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図16は、主制御装置110の保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。保留球格納エリア順送り処理(S305)は、大当たりの判定に用いるデータを、保留球格納エリア203aから保留球実行エリア203bへシフトするための処理であり、変動処理(図15参照)の中で実行される処理である。なお、この処理は、特図保留球数Nが1以上である場合に実行される処理である。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203bへシフトする(S351)。S351の処理では、具体的には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されているデータを、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に記憶されているデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3へシフトする。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S352)。なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球数カウンタ203cの値(特図保留球数N)を示す保留減コマンド(図12参照)を設定する(S354)。ここで設定された保留減コマンドは、次のメイン処理(図15参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが第3図柄表示装置81の下段部に設けられた特図保留表示87において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S355)。S355の処理が終了したら、この保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了して変動処理(図15参照)へ戻る。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S306)について説明する。図17は、主制御装置110の変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。変動開始処理(S306)は、保留球実行エリア203bに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)に基づいて、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させるための処理であり、変動処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この変動開始処理(S306)では、まず、保留球実行エリア203bに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。即ち、保留球実行エリア203bの第1乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値と、変動種別カウンタ格納エリア203b4に記憶されている変動種別カウンタCS1の値とを取得する。
そして、S401の処理により取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S402)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、その時々のモード(低確率状態または高確率状態)との関係に基づいて判別する。前述した通り、通常の低確率時(大当たり確率が通常の状態)には、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)には、「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
S402の処理において、大当たりであると判別された場合(S402:Yes)、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり種別を設定する(S403)。つまり、S403の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、15R確変大当たり、15R確変プレミア大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのうち、どの大当たりであるか当たり種別を判別する。前述した通り、大当たりの場合に、第1当たり種別カウンタC2の数値(「0〜99」)が「0〜38」でれば、15R確変大当たりであり、「39」であれば、15R確変プレミア大当たりであり、「40〜79」であれば、15R通常大当たりであり、「80〜99」であれば、2R確変大当たりとなる。なお、大当たり種別が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、大当たり終了後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が、演出制御装置117で設定される。即ち、S403の処理により設定される大当たり種別が、15R確変大当たり(15確変プレミア大当たりを含む)か、15R通常大当たりか、2R確変大当たりかによって、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。
次に、S403の処理で設定された大当たり種別と、RAM203のワークエリア203dに設けられているカウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、大当たり時の変動種別(即ち、変動パターン)を決定する(S404)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル202aを参照して、大当たり種別と変動種別カウンタCS1の値とから対応するリーチパターンを設定する。なお、本実施の形態では、変動パターンは、変動表示が行われる時間で示されるものであり、例えば、ノーマルリーチ各種(11秒から20秒)、スーパーリーチ各種(21秒から40秒)、スペシャルリーチ各種(41秒から60秒)、2R変動各種(61秒から80秒)、プレミアリーチ各種(81秒から100秒)の中から選択される。各リーチ各種に略20秒の幅があるのは、リーチ開始前にキャラクタやコメントを表示する予告演出を行ったり、リーチがハズレ図柄で停止した後に再変動して当たり図柄で停止させる等の各種演出が付加されるために幅が持たさせている。
一方で、S402の処理で大当たりではないと判別された場合には(S402:No)、外れ用の変動パターンを設定する(S405)。このS405の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203bの停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、及び、外れスペシャルリーチ各種のいずれかに設定する。
そして、S404の処理またはS405の処理が終わると、そのS404又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定すると共に(S406)、15R確変大当たり(15確変プレミア大当たりを含む)、15R通常大当たり、2R確変大当たり、外れのいずれかに対応した停止図柄を示す停止種別コマンドを設定し(S407)、この変動開始処理(S306)を終了して変動処理(図15参照)へ戻る。
この変動開始処理(S306)において設定された各コマンドは、次のメイン処理(図14参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。なお、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
次に、図21及び図22を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図21は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、払出制御装置111の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU211がリセットされた場合に実行される処理である。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してのデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。払出制御装置111のメイン処理(図22参照)のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、払出制御装置111のメイン処理(図22参照)へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球や貸出球の払い出しを開始させるために、球の払出し許可を設定する(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、後述する払出制御装置111のメイン処理(図22参照)へ移行する。
次に、図22を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図22は、払出制御装置111のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、球の払い出し制御を実行するための処理であり、上記した払出制御装置111の立ち上げ処理(図21参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
このメイン処理では、まず主制御装置110から送信されてくる賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドなどを受信すると共に、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。このコマンド判定処理は、主制御装置110から送信されて受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理であり、ここでは、例えば、主制御装置110より送信された払出復帰コマンドや、払出初期化コマンドや、賞球コマンドを受信すると、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態がある場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する(S912)。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、上述したS901〜S913の各処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図20のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されてくるコマンドの受信漏れを防止するために、再度、コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、払出制御装置111の初期設定の処理(S801)(図21参照)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図23から図36のフローチャートを参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行されるコマンド受信割込処理とがある。
まず、図23を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を説明する。図23は、演出制御装置117の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理が終了したら、次に、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置81(LCD)に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図24のS1106参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図24を参照しつつ後述するが、演出制御装置117では、電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図24のS1106参照)を実行する。そして、かかる電源断処理の実行前には、電源断処理中フラグをオンし、電源断処理の終了後には、電源断処理中フラグをオフする。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。1つ目の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
2つ目の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図24のS1106参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
3つ目の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図24のS1106参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図24のS1106参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックする(S1007)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
次に、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1010)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
S1011の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1011)。電源断フラグは、電源断処理(図24のS1106参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる(図24のS1109参照)。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
従って、かかる場合には(S1011:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリアをクリアし(S1012)、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。なお、RAM273の作業エリアとしては、RAM273の各メモリ273a〜273kなどが該当する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、かかる場合には(S1011:No)、RAM273の作業領域のクリア処理であるS1012をスキップして、処理をS1013へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。
なお、S1012のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、既にRAM273のすべての記憶領域はクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図24を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理について説明する。図24は、演出制御装置117のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上記した演出制御装置117の立ち上げ処理(図23参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上経過している場合は(S1101:Yes)、表示ランプ29〜34等の点灯態様の設定や音声出力装置226の音声出力態様の設定を行う音声ランプ出力処理を実行する(S1102)。この音声ランプ出力処理では、例えば、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや音声出力装置226の出力パターンなどが設定される。また、音声ランプ出力処理では、枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、その枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した音声出力を設定することも行われる。
S1102の処理が終わると、ワークRAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1103)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1103の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1103:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1105)、電源断処理を実行する(S1106)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1107)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1103の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1103:No)、RAM273に記憶されるキーワードに基づき、RAM273が破壊されているか否かが判別され(S1104)、RAM273が破壊されていなければ(S1104:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM273が破壊されていれば(S1104:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図25を参照して、演出制御装置117のMPU271により実行されるコマンド割込処理について説明する。図25は、演出制御装置117のMPU271により実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、主制御装置110からコマンドを受信した場合に割り込みにより実行される処理である。主制御装置110から何らかのコマンドを受信してコマンド割込処理が実行されると、その受信したコマンドからデータを抽出し、RAM273のコマンドバッファ領域(図示せず)に抽出したデータを順次格納して(S1201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理(図26参照)のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図26を参照して、演出制御装置117のMPU271で実行されるV割込処理について説明する。図26は、演出制御装置117のMPU271で実行されるV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理(図25参照)によってコマンドバッファ領域に格納された(コマンド)データに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図11参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ274に送信することで、画像コントローラ274に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
V割込処理は、画像コントローラ274からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ274において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU271に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ274に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ274では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、まず、コマンド判定処理を実行する(S1301)。このコマンド判定処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された主制御装置110からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。具体的には、デモコマンドや変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定する。また、連続予告コマンドが格納されていた場合は、連続予告画像種別に応じた連続予告用追加データテーブルを追加データテーブルバッファ273eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、変動パターンコマンドや停止種別コマンド、連続予告コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図27を参照して後述する。
表示設定処理(S1302)では、コマンド判定処理(S1301)などによって表示データテーブルバッファ273dおよび追加データテーブルバッファ273eに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出を決定し、その決定した演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1303)。このタスク処理では、表示設定処理(S1302)によって特定された、第3表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S1304)。この描画処理では、タスク処理(S1303)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータから、図11に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ274に対して送信する。これにより、画像コントローラ274では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図37を参照して後述する。
次いで、演出制御装置117に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S1305)。そして、V割込処理を終了する。S1305の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、RAM273に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、停止種別コマンドの受信が検出されると、停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり、外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次に、図27を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド判定処理(S1301)について説明する。図27は、演出制御装置117のMPU271で実行されるコマンド判定処理(S1913)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1301)は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるV割込処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、前回のコマンド判定処理を実行した後に新規のコマンドを主制御装置110から受信し、新規コマンドが有るか否かを判別し(S1401)、新規コマンドが無ければ(S1401:No)、コマンド判定処理を実行する必要がないので、そのまま終了する。一方、S1401の処理で、新規コマンドが有ると判別されると(S1401:Yes)、新規コマンドフラグ273jをオンして(S1402)、S1403の処理へ移行する。
S1403の処理では、RAM273に設けられたコマンドバッファ領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し(S1403)、まず、主制御装置110より入賞時コマンド又は保留減コマンドを受信したか否かを判別する(S1404)。S1404の処理の結果、入賞時コマンドでも保留減コマンドでもなければ(S1404:No)、S1405の処理へ移行し、入賞時コマンド又は保留減コマンドを主制御装置110から受信していると判別されると(S1404:Yes)、保留コマンド処理が実行された後に(S1405)、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図28を参照して、保留コマンド処理(S1405)について説明する。図28は、演出制御装置117のMPU271により実行される保留コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球コマンド処理は、主制御装置110から受信した入賞時コマンド又は保留減コマンドに含まれる保留球数(特図保留球数N)を示すデータに対応して特図保留表示87の表示を変更する処理である。
保留コマンド処理では、まず、新規保留フラグ273iをオンすると共に、入賞時コマンド又は保留減コマンド内の保留球数を示すデータを取得して、そのデータにより示される保留球数に対応する値を特図保留球カウンタ273cに記憶する(S1501)。尚、S1501の処理において、入賞時コマンド又は保留減コマンドが2以上格納されていれば、最後に格納されたコマンドから保留球数を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。なお、特図保留球カウンタ273cの値は、描画リストを作成する際に参照されて描画リストに書き込まれることで、第3図柄表示装置81の特図保留表示87に表示がなされることになる。
S1502の処理では、受信したコマンドが入賞時コマンドであるか否かを判別し(S1502)、受信したコマンドが保留減コマンドであれば(S1502:No)、そのまま、保留コマンド処理を終了し、受信したコマンドが入賞時コマンドであれば(S1502:Yes)、入賞時コマンドに含まれる抽選結果および変動種別を示すデータを、保留種別格納エリア273aの保留球数に対応する領域に格納し(S1503)、保留コマンド処理を終了する。
図27に戻って説明する。S1406の処理では、未処理のコマンドの中に、確定コマンドがあるか否かを判別し(S1406)、確定コマンドがなければ(S1406:No)、S1408の処理へ移行し、確定コマンドがあれば(S1406:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S1407)、S1401の処理へ戻る。
ここで、図29を参照して、確定コマンド処理(S1407)の詳細について説明する。図29は、演出制御装置117のMPU271により実行される確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、主制御装置110より受信した確定コマンドに対応する処理を実行するものであり、確定コマンドフラグ273kをオンに設定して(S1601)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この確定コマンドフラグ273kは、表示設定処理においてフラグの状態が監視され、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理が実行される。また、変動演出の表示の設定を処理した場合に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグ273kがオンとならない場合は、第3図柄を再始動させる演出が第3図柄表示装置81で行われるように、表示の設定処理が実行される。即ち、確定コマンドを受信できない場合には、第3図柄が再始動(ユラユラ揺れる態様)されるので、遊技者には、変動表示が確定しておらず、1の入賞に伴った演出が継続していると認識させることができる。
図27に戻って説明する。S1408の処理では、次に、未処理のコマンドの中に、デモコマンドがあるか否かを判別し(S1408)、デモコマンドがなければ(S1408:No)、S1410の処理へ移行し、デモコマンドがあれば(S1408:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S1409)、S1401の処理へ戻る。
ここで、図30を参照して、デモコマンド処理(S1409)について説明する。図30は、演出制御装置117のMPU271により実行されるデモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、主制御装置110より受信したデモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S1409)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから選定して、表示データテーブルバッファ273dに設定する(S1701)。次いで、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことでその内容をクリアし(S1702)、次いで、デモ表示に対応する時間データを計時カウンタ273fに設定し(S1703)、ポインタ273gを0に初期化する(S1704)。そして、第3図柄表示装置81にオン状態でデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグ273lをオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定コマンドフラグ273kをオフに設定し、更にオン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ273oをオフに設定して(S1705)、デモコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1704の処理によって初期化されたポインタ273gを更新しながら、S1701の処理によって表示データテーブルバッファ273dに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ273gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S1703の処理によってデモ表示に対応する時間データの設定された計時カウンタ273fを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S1705の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、計時カウンタ273fの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
図27に戻って説明する。S1410の処理では、次いで、未処理のコマンドの中に、変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S1410)、変動パターンコマンドがなければ(S1410:No)、S1412の処理へ移行し、変動パターンコマンドがあれば(S1410:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S1411)、S1401の処理へ戻る。
ここで、図31を参照して、変動パターンコマンド処理(S1411)について説明する。図31は、演出制御装置117のMPU271により実行される変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(S1411)では、まず、変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブルを決定し、その決定した変動用表示データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから読み出して、表示データテーブルバッファ273dに設定する(S1801)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、変動表示が最低でも数秒かかるので、必ず数秒以上離れて行われる。よって、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1801の処理では、このような場合に備え、2以上の変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンコマンドを優先し、その優先した変動パターンに対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンドを受信することとなり、変動中の第3図柄が急に停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感や不信感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施の形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ273dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンドを受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一貫として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、表示データテーブルバッファ273dに新たな表示データテーブルが設定されたので、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことでその内容をクリアし(S1802)、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグ(図示せず)のうち、S1801の処理によって設定された変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S1803)。表示設定処理では、S1803の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。そして、表示設定処理では、設定された変動用表示データテーブルの変動パターンと、入賞時コマンドに含まれる変動種別とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定するようになっている。
次いで、S1801の処理によって表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ273fに設定し(S1804)、ポインタ273gを0に初期化する(S1805)。そして、確定コマンドフラグ273k、デモ表示フラグ273lおよび確定表示フラグ273oをいずれもオフに設定すると共に第1比較フラグ273mをオンして(S1806)、更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタ273pを0に初期化して(S1807)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、第1比較フラグ273mをオンすることによって、表示設定処理では、上述の変動パターンコマンド設定処理により設定された変動用表示テーブルの変動パターンと入賞時コマンドに含まれる変動種別とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定する。
また、変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1805の処理によって初期化されたポインタ273gを更新しながら、S1801の処理によって表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ273gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、設定された変動用表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データがキャラクタROM275から読み出されるように画像コントローラ274を制御する。
また、表示設定処理では、S1805の処理によってデモ表示に対応する時間データの設定された計時カウンタ273fを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンドを受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンドを受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、確定コマンドと変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1806の処理のように、確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、変動パターンコマンドの処理を確定コマンドより優先させることができ、変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、デモコマンドと変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ずデモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1801の処理のように、デモコマンドによって表示データテーブルバッファ273dに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、変動パターンコマンドの処理をデモコマンドより優先させることができ、変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図27に戻って説明する。S1412の処理では、次いで、未処理のコマンドの中に、停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S1412)、停止種別コマンドがなければ(S1412:No)、S1414の処理へ移行し、停止種別コマンドがあれば(S1412:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S1413)、S1401の処理へ戻る。
ここで、図32を参照して、停止種別コマンド処理(S1413)の詳細について説明する。図32は、演出制御装置117のMPU271により実行される停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、主制御装置110より受信した停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり(15R確変プレミア大当たりを含む)、15R通常大当たり、2R確変大当たり、外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S1901)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図26参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S1902)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグ(図示せず)のうち、S1902の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S1903)。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S1902の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S1303)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S1903によって設定された停止図柄判別フラグからS1902の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。
S1903の処理の後、次いで、第2比較フラグ273nをオンして(S1904)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この第2比較フラグ273nをオンすることによって、表示設定処理では、S1902の処理によって設定される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果に矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、上述した通り、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1901の処理では、このような場合に備え、2以上の停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS1902の処理によって設定される。
仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施の形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図27に戻って説明する。S1414の処理では、その他のコマンド処理が実行される。その他のコマンド処理としては、連続予告コマンドやエラーコマンドなどのコマンドに対応した処理を行うものである。具体的には、連続予告コマンドに対応した処理は、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別(「泡」等)に対応した連続予告用追加データテーブルを決定して、その決定した連続予告用追加データテーブルをデータテーブル記憶エリア272aから読み出し、それを追加データテーブルバッファ273eに設定する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ273dに格納された表示データテーブルに対応する演出に対し、追加データテーブルバッファ273eに格納された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告演出が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。また、エラーコマンドに対応した処理は、エラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS1401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S1401:Yes)、再びS1402〜S1414の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S1401〜S1414の処理が繰り返し実行され、S1401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図33〜図36を参照して、演出制御装置117のMPU271で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S1302)の詳細について説明する。図33は、演出制御装置117のMPU271で実行される表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、新規コマンドフラグ273jがオンであるか否かを判別し(S2001)、新規コマンドフラグ273jがオンではない、即ち、オフであれば(S2001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2002〜S2006の処理をスキップし、S2007の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグ273jがオンであれば(S2001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理(図27のS1401)おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグ273jをオフに設定した後(S2002)、S2003以降の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2003の処理では、新規保留フラグ273iはオンであるか否かを判別し(S2003)、新規保留フラグ273iがオンであれば(S2003:Yes)、先のコマンド判定処理において入賞時コマンド又は保留減コマンドが処理されたと判断し、保留画像設定処理を実行する(S2004)。
ここで、図34を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図34は、演出制御装置117のMPU271により実行される保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、入賞時コマンド又は保留減コマンドが処理されたことに合わせて、主制御装置110より通知された保留球数(特図保留数N)分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の特図保留表示87に表示させる画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、特図保留球カウンタ273cを参照し、その特図保留球カウンタ273cの値に対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の特図保留表示87に表示させる保留画像データを展開する(S2101)。タスク処理(図図26のS1303参照)では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。S2101の処理の後、新規保留フラグ273iをオフに設定して(S2102)、表示設定処理に戻る。
図33に戻って説明する。保留画像設定処理(S2004)の後、又は、S2003の処理において、新規保留フラグ273iがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2003:No)、次いで、第1又は第2比較フラグ273m,273nの少なくとも一方はオンであるか否かを判別する(S2005)。そして、第1又は第2比較フラグ273m,273nの少なくとも一方がオンであれば(S2005:Yes)、比較処理を実行する(S2006)。
ここで、図35を参照して、比較処理の詳細について説明する。図35は、演出制御装置117のMPU271で実行される比較処理を示すフローチャートである。この比較処理は、変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルによる変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、又は、停止種別コマンド処理により設定された停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが矛盾している場合に、変動演出を、主制御装置110から送信された確定コマンドを受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させる特殊変動演出に変更するための処理である。
比較処理では、まず、第1比較フラグ273mがオンされているか否かを判別し(S2201)、第1比較フラグ273mがオンされていれば(S2201:Yes)、S2202の処理へ移行し、第1比較フラグ273mがオンされていなければ、即ち、オフされていれば(S2201:No)、S2204の処理へ移行する。
S2202の処理では、データテーブル判別フラグのうち、オン状態に設定されているデータテーブル判別フラグから、表示データテーブルバッファ273dに格納されている変動用表示データテーブルを特定し、その特定した変動用表示データテーブルに基づいた変動種別を特定する(S2202)。
そして、S2202の処理によって特定された変動用表示データテーブルに基づいた変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とがマッチするか否かを判別し(S2203)、両変動種別がマッチすれば(S2203:Yes)、S2204の処理へ移行し、両変動種別がマッチしなければ(S2203:No)、S2207の処理へ移行する。変動用表示データテーブルは、変動パターン毎に用意されているもので、各変動パターンには、短外れ用、長外れ用、ノーマルリーチ用、スーパーリーチ用、スペシャルリーチ用など、変動種別に応じて用意されている。そこで、S2203の処理では、例えば、変動用表示データテーブルが外れ用の変動種別であるにもかかわらず、入賞時コマンドにより示される変動種別が各種リーチ用であった場合に、マッチしないと判別する。
次に、S2204の処理では、第2比較フラグ273nがオンされているか否かを判別し(S2204)、第2比較フラグ273nがオンされていれば(S2204:Yes)、S2205の処理へ移行し、第2比較フラグ273nがオンされていなければ、即ち、オフであれば(S2204:No)、そのまま、比較処理を終了する。
S2205の処理では、停止図柄判別フラグのうち、オン状態に設定されている停止図柄判別フラグを特定し、その特定された停止図柄判別フラグから、設定された停止図柄を特定する(S2205)。そして、S2205の処理で特定された停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる抽選結果とがマッチするか否かを判別し(S2206)、マッチすれば(S2206:Yes)、そのまま比較処理を終了し、マッチしなければ(S2206:No)、変動種別がマッチしない場合と同様に、S2207の処理へ移行する。停止図柄には、ばらけ目の外れ用、奇数図柄の15R確変大当たり用、偶数図柄の15R通常大当たり用、「341」の2R確変大当たり用が用意されている。本実施の形態では、入賞時コマンドの15R確変大当たりに15R確変プレミア大当たりが含まれて送信される。よって、S2205の処理では、特定された停止図柄と入賞時コマンドの抽選結果とを、外れか、15R確変大当たりか、15R通常大当たりか、2R確変大当たりかで比較を行っている。例えば、S2205の処理では、特定された停止図柄が外れ用に対応するものであるにもかかわらず、入賞時コマンドにより示される抽選結果が何らかの大当たりを示すものであった場合に、マッチしないと判別する。
S2207の処理では、特殊変動が規定された特殊変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2207)。
次いで、特殊停止図柄(例えば、「1」「2」「3」と表示される図柄)に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2208)、さらに、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データを、変動パターンにより示される演出時間を参照して計時カウンタ273fに設定する(S2209)。そして、ポインタ273gを0に初期化し(S2210)、比較フラグ273m,273nをオフに設定して(S2211)、表示設定処理に戻る。
なお、計時カウンタ273fの設定は、特殊変動演出の演出時間に対応する値が設定されるが、例えば、主制御装置110から送信された確定コマンドを受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させるものとしても良い。この場合では、演出時間は長時間(例えば、3分間)に設定されるものとし、具体的には、計時カウンタ273fには、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データとして、3分(180000ミリ秒)÷20ミリ秒=9000が設定される。
このように、表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルに基づく変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とが矛盾している場合、及び、停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定され、第3図柄表示装置81には、第3図柄が高速に変動し続けて特殊な停止図柄が停止表示されるので、主制御装置110から送信された確定コマンドを受信した場合に、その特殊停止図柄を第3図柄表示81上に確定表示させることができる。
ここで、変動パターンコマンドにより指示される変動種別および停止種別コマンドにより指示される停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる変動種別および抽選結果が一致しない場合、演出制御装置117では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。よって、第3図柄表示装置81が大当たりに対応する第3図柄で停止したにもかかわらず、大当たりが付与されない状態が発生しないので、遊技者に不快感を与えることを防止できるし、パチンコ機10の信頼性が低下するこも抑制できる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は大当たりへ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続できるし、特殊停止図柄の停止後に大当たりが発生する可能性のある新たな遊技性を提供できる。
なお、本実施の形態の比較処理では、第1比較フラグ273mを先に比較して第2比較フラグ273nを後に比較するように構成したが、第2比較フラグ273nを先に比較して第1比較フラグ273mを後に比較するように構成しても良い。この場合、第2比較フラグ273nを先に比較して、停止図柄と抽選結果とが対応するものであるか否かを優先して判別できる。即ち、第1及び第2比較フラグ273m,273nを判別する順序を変更することで、変動種別を優先するか停止図柄を優先するかを簡単に変更できる。
また、本実施の形態では、入賞時コマンドに含まれる変動種別と変動パターンコマンドにより指示される変動パターン(変動種別に対応)、及び、入賞時コマンドに含まれる抽選結果と停止種別コマンドにより指示される停止図柄の両方を比較するように構成したが、変動種別または抽選結果のいずれか一方を比較するように構成しても良い。
図33に戻って説明する。比較処理(S2006)の後、又は、S2005の処理において、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンではない、即ち、両方がオフであると判別されると(S2005:No)、次いで、S2007の処理へ移行する。
S2007では、ポインタ更新処理を実行する(S2007)。ここで、図36を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図36は、演出制御装置117のMPU271により実行されるポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ273d及び追加データテーブルバッファ273eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するポインタ273gの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ273gに1を加算する(S2301)。即ち、ポインタ273gは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに格納されるのに合わせてポインタ273gの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2301の処理によって、ポインタ273gの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ273gで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2302)。その結果、End情報であれば(S2302:Yes)、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ273gが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ273dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2303)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2303:Yes)、ポインタを1に設定し(S2304)、更に、表示データテーブルバッファ273dに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ273fに設定して(S2305)、S2307の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2303の処理において、表示データテーブルバッファ273dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2303:No)、ポインタ273gの値を1だけ減算して(S2306)、S2307の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ273dにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像で停止させた状態で表示させることができる。
S2302の処理の結果、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルにおいて、S2301の処理による更新後のポインタ273gで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は、S2303〜S2305の処理をスキップして、S2307の処理へ移行する。
S2307の処理では、確定コマンドフラグ273kがオンであるか否かを判別し(S2307)、確定コマンドフラグ273kがオンではなく、オフであれば(S2307:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグ273kがオンであれば(S2307:Yes)、主制御装置110より確定コマンドを受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ273dに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ273gの値を設定し(S2308)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2309)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図33に戻って説明する。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ273d及び追加データテーブルバッファ273eに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ273gで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2008)。タスク処理(図26のS1303参照)では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S2008の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Noneデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。また、追加データテーブルバッファ273eがNoneデータでクリアされているときは、常にNoneデータが追加データテーブルバッファ273eから展開されることになる。
次いで、計時カウンタ273fの値を1だけ減算し(S2009)、減算後の計時カウンタ273fの値が0以下であるか否かを判別する(S2010)。そして、計時カウンタ273fの値が1以上である場合は(S2010:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。なお、計時カウンタ273fの値が0以下になる前に確定コマンドを受信することは実際にはあり得ないが、上述した通り、変動パターンコマンドがノイズ等の影響により破壊され、実際の変動時間より長い変動時間が設定される可能性もある。そこで、本実施の形態では、図示は省略してあるが、計時カウンタ273fの値が0以下になる前に確定コマンドを受信した場合に、その確定コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の第3図柄を確定表示させるために、S2012の処理へ移行するように構成されている。具体的には、S2009の処理で、計時カウンタ273fの値が1減算された後であって、S2010の処理の前、又は、S2010の処理がNoと判定された後に、確定コマンドフラグ273kがオンであるか否かを確認する処理が行われ、オンであれば、S2012の処理へ移行する。また、計時カウンタ273fが0以下になる前に確定コマンドを受信している場合は、ノイズ等の影響が考えられるので、この場合には、特殊図柄である「123」で確定表示する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定するように構成しても良い。
一方、計時カウンタ273fの値が0以下である場合は(S2010:Yes)、表示データテーブルバッファ273dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ273dに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、主制御装置110から確定コマンドが送信されるはずであるので、続くS2715の処理では、確定コマンドフラグ273kがオンであるか否かを確認する(S2011)。
その結果、確定コマンドフラグ273kがオンであれば(S2011:Yes)、主制御装置110から確定コマンドを受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2012)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ273fに設定し(S2013)、更に、ポインタ273gの値を0に初期化する(S2014)。そして、確定コマンドフラグ273kをオフに設定し(S2015)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ273oをオンに設定後(S2016)、停止図柄判別フラグの内容をそのままRAM273に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2017)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ273dに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、主制御装置110より確定コマンドを受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ273dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することが出来る。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU271に多大な負荷がかかることがないので、演出制御装置117の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S2017の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(図26のS1303参照)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2017の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2011の処理において、確定コマンドフラグ273kがオンではなくオフであれば(S2011:No)、確定表示フラグ273oがオンであるか否かを判別する(S2021)。そして、確定表示フラグ273oがオンであれば(S2021:Yes)、S2012〜S2017の処理の間で設定された確定表示演出のための演出時間が経過したことになり停止図柄が確定表示されたことを意味するので、確定表示フラグ273oをオフに設定した後(S2022)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定し(S2023)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ273fに設定する(S2024)。そして、ポインタ273gを0に初期化し(S2025)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオン273lに設定して(S2026)、V割込処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することが出来る。
尚、S2021:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2012の処理によって、追加データテーブルバッファ273eは内容がクリアされている。よって、S2023の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU271における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2021の処理において、確定表示フラグ273oがオンではなく、オフであれば(S2021:No)、次いで、デモ表示フラグ273lがオンであるか否かを判別する(S2031)。そして、デモ表示フラグ273lがオンであれば(S2031:Yes)、S2010の処理における判定の結果(S2010:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、新たな変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2031の処理において、デモ表示フラグ273lがオンではなく、オフである場合は(S2031:No)、主制御装置110から確定コマンドを受信していない状態で、且つ、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2032)、加算後の再始動タイマカウンタ273pの値が所定値になったか否かを判別する(S2033)。
そして、再始動タイマカウンタ273pが所定値ではない場合(S2033:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタ273pが所定値である場合は(S2033:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2034)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ273fに設定し(S2035)、更に、ポインタ273gの値を0に初期化して(S2036)、V割込処理に戻る。
これにより、演出制御装置117では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することが出来る。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄をユラユラ揺らした画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出なので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄がユラユラ表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、確定コマンドを受信したり、新たな変動パターンコマンドやデモコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、上記実施の形態では、再始動演出として、第3図柄をユラユラ揺らす画像が第3図柄表装置81で表示されるものとしたが、変動表示を再開しても良い。この場合、特定の再始動用の表示データテーブルを用意しても良いし、外れ(短外れや長外れ)用の表示データテーブルを用いても良い。遊技者は、第3図柄が一旦停止表示したにもかかわらず、変動表示が再開されるので、特殊な変動表示と認識する。よって、主制御装置110から確定コマンドを受信できない状態であっても、遊技者に第3図柄の変動表示が途中であると認識(第3図柄が確定されていないと認識)させることができるし、更には、模擬的な連続演出が行われることになるので、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることもできる。また、再始動演出として、その場で第3図柄を回転(反転)動作させるものでも良いし、第3図柄の色を一定間隔で変更させるものでも良いし、第3図柄の種類を順番に変更させるものでも良いし、第3図柄表示装置81に停止表示された複数の第3図柄のうち少なくとも1つを、ユラユラ、回転動作、色の変更、第3図柄の種類の変更を行うようにしても良く、即ち、遊技者に、第3図柄が確定表示(全ての第3図柄が完全に停止)されていないと認識させる表示態様であれば、如何なる表示態様であっても良い。
次いで、図37を参照して、演出制御装置117のMPU271で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S1304)の詳細について説明する。図37は、演出制御装置117のMPU271により実行される描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S1303)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)から、図11に示す描画リストを生成する(S2401)。即ち、S2401の処理では、タスク処理で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されているROM275のアドレスを特定し、その特定されたROM275のアドレスに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されているROM275のアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S2402)。画像コントローラ274は、MPU271より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
尚、画像コントローラ274は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
以上、説明したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、変動パターンコマンドに基づいて表示データテーブルバッファ273dに設定された変動用表示データテーブルにより示される変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とが矛盾している場合、及び、停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ273dに設定され、第3図柄表示装置81で第3図柄が高速に変動し続けて特殊な停止図柄(「123」の第3図柄)で停止表示される変動演出が行われる。
ここで、変動パターンコマンドにより指示される変動種別および停止種別コマンドにより指示される停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる変動種別および抽選結果が矛盾しない場合、演出制御装置117では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。よって、第3図柄表示装置81が大当たりに対応する第3図柄で停止したにもかかわらず、大当たりが付与されない状態が発生しないので、遊技者に不快感を与えることを防止できるし、パチンコ機10の信頼性が低下するこも抑制できる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は大当たりへ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続できるし、特殊停止図柄の停止後に大当たりが発生する可能性のある新たな遊技性を提供できる。
また、変動パターンコマンドに基づいて設定された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示される。この再始動演出は、第3図柄をユラユラ揺らした画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出なので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄がユラユラ表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。本実施の形態では、新たなコマンドが受信されると、その受信したコマンドに基づいた演出が行われるので、ユラユラ揺れる第3図柄から新たな演出へ移行する場合の違和感を遊技者に与えることも抑制できる。
また、入賞時コマンドは、変動パターンコマンドや停止種別コマンドがノイズ等の影響により破壊されていないかを判別するために変動種別および抽選結果を含んでいるが、変動種別や抽選結果は、リーチの種類や大当たりの種類に応じて大まかに区分けされたグループ(群)のどのグループに属しているかを示す簡易的なデータである。そのため、入賞時コマンドのデータ量を2バイトに抑えられ、主制御装置110と演出制御装置117との間で送信されるデータ量を少なくでき、複数回にデータが送信されたり、データ送信に時間がかかる等の弊害を抑制できる。
また、主制御装置110から送信される入賞時コマンドは、第3図柄表示装置81の特図保留表示87に保留球数を表示させるために用いられる保留増用のコマンドであり、即ち、第1入球口64に球が入賞した場合に演出制御装置117に必ず送信する必要のあるコマンドである。その入賞時コマンドに、変動パターンコマンドや停止種別コマンドがノイズ等の影響により破壊されていないかを判別するための変動種別および抽選結果を含めているので、新たなコマンドを作成する必要が無く設計時の負担を軽減できる。
次に、図38を参照して第2実施の形態のパチンコ機10aについて説明する。第1実施の形態のパチンコ機10は、主制御装置110から送信される入賞時コマンドに含まれる変動種別および抽選結果と、変動パターンコマンドにより示される変動種別および停止種別コマンドにより示される停止図柄とが矛盾する場合に、所定の停止図柄(「123」の図柄)で停止表示する特殊変動演出が行われるように構成した。これに代えて、第2実施の形態のパチンコ機10aは、変動種別に対して大当たりへの期待度を付与し、変動種別または停止図柄に矛盾が生じる場合、期待度が低い方の変動種別を選択して変動演出を行うように構成した。なお、第1実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
まず、第2実施の形態において予め設定される変動種別の大当たりへの期待度について説明する。本実施形態の入賞時コマンドに含まれる変動種別には、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチ、2R変動が存在する。この変動種別のうち、プレミアリーチ及び2R変動は、15R確変プレミア大当たりと2R確変大当たりであるが、プレミアリーチの方が遊技者に付与される遊技価値が高くなっている。また、図7(b)に示すように、大当たりが発生する場合には、スペシャルリーチが最も選択され易く、ノーマルリーチが最も選択され難いように構成されている。言い換えれば、第3図柄表示装置81でスペシャルリーチの変動表示が行われた場合に、遊技者は大当たりへの期待感が高くなることになる。そこで、変動種別の期待度としては、プレミアリーチが最も高く、2R変動、スペシャルリーチ、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、外れになるほど低くなるように設定されている。
図38は、第2実施の形態の演出制御装置117のMPU271により実行される比較処理を示したフローチャートである。第2実施の形態の比較処理が実行されて、入賞時コマンドに含まれる変動種別と変動パターンコマンドにより指示された変動種別とがマッチしない、又は、入賞時コマンドに含まれる抽選結果と停止種別コマンドにより指示された停止図柄とがマッチしないと判別されると(S2203:No又はS2206:No)、次に、変動パターンコマンドにより指示された変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とのうち、大当たりへの期待度が低い変動種別を特定する(S3001)。
S3001の処理で、期待度の低い方の変動種別が特定されると、その特定された変動種別が大当たりを示すものであるか否かを判別し(S3002)、大当たりであれば(S3002:Yes)、第3図柄表示装置81に大当たりを示す停止図柄が表示されることを防止するために、S2207の処理へ移行し、S2207〜S2209の処理により第3図柄表示装置18で特殊変動演出が行われるように設定する。プレミアリーチ及び2R変動は大当たりなので、変動種別や停止図柄がマッチしないと判別されると共に大当たりへの期待度が異なったとしても、S2207の処理で大当たりと判別される場合もある。そして、ノイズ等の影響によりコマンドが破壊された可能性がある状態で、第3図柄表示装置81に大当たりに対応する停止図柄を停止表示させると、主制御装置110では大当たりではないにもかかわらず、遊技者には大当たりであると認識してしまい、実際には大当たりが付与されないので、遊技者に不快感を与えてしまうと共にパチンコ機10aの信頼性が損なわれる可能性もある。そこで、変動種別や停止図柄がマッチしない場合で且つ特定された変動種別が大当たりであれば、第3図柄表示装置81に大当たりに対応する停止図柄が停止表示されることを防止するために、特殊変動演出を設定し、「123」の停止図柄が停止表示されるように構成している。
一方、S3002の処理で、特定された変動種別が大当たりを示すものでない場合には(S3002:No)、その特定された変動種別用の表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に追加データテーブルバッファ273eをクリアし(S3003)、特定された変動種別に対応する停止図柄の停止図柄判別フラグをオンする(S3004)。その後、その設定された変動種別に体尾うする時間データを計時カウンタ23fに設定し(S3005)、S2210の処理へ移行する。
なお、S3003の処理で設定された変動種別用の表示データテーブルは、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのそれぞれに対応する専用の表示データテーブルがデータテーブル記憶エリア272aに記憶されている。また、特定された変動種別に対応する停止図柄も、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチに対応して予め定められている。
以上、第2実施の形態のパチンコ機10aでは、変動種別や停止図柄がマッチしないと判別されると共に大当たりへの期待度が異なった場合には、大当たりの期待度が低い方の変動種別に対応した変動演出が第3図柄表示装置81で行われる。よって、ノイズ等の影響により各コマンドが破壊され、主制御装置110から指示された演出内容と演出制御装置117で実際に行われる演出内容とが異なる可能性がある場合に、遊技者に大当たりへの過剰な期待を与えることを抑制できる。特に、特定された変動種別が大当たりに対応するものである場合には、「123」の停止図柄で停止表示される特殊変動演出が行われるので、大当たりの停止図柄が停止表示されることを防止している。よって、第3図柄表装置81で大当たりの停止図柄が停止表示されているにもかかわらず、大当たりが発生しない状態が発生しなくなり、遊技者に不快感を与えないと共にパチンコ機10aの信頼性が低下することも抑制できる。
次に、図39を参照して、第3実施の形態のパチンコ機10bについて説明する。第1実施の形態のパチンコ機10は、主制御装置110から送信される入賞時コマンドに含まれる変動種別および抽選結果と、変動パターンコマンドにより示される変動パターンおよび停止種別コマンドにより示される停止図柄とが矛盾する場合に、所定の停止図柄(「123」の図柄)で停止表示する特殊変動演出が行われるように構成した。これに代えて、第3実施の形態のパチンコ機10bは、変動種別に対して大当たりへの期待度を付与し、変動種別または停止図柄に矛盾が生じる場合、期待度が高い方の変動種別を選択して変動演出を行うように構成した。なお、第1実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、変動種別に対する期待度の付与は、第2実施の形態と同様なので、その説明を省略する。
図39は、第3実施の形態の演出制御装置117のMPU271により実行される比較処理を示したフローチャートである。第3実施の形態の比較処理が実行されて、入賞時コマンドに含まれる変動種別と変動パターンコマンドにより指示された変動種別とがマッチしない、又は、入賞時コマンドに含まれる抽選結果と停止種別コマンドにより指示された停止図柄とがマッチしないと判別されると(S2203:No又はS2206:No)、次に、変動パターンコマンドにより指示された変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とのうち、大当たりへの期待度が高い変動種別を特定する(S3101)。
S3101の処理で、期待度の高い方の変動種別が特定されると、その特定された変動種別が大当たりを示すものであるか否かを判別し(S3102)、大当たりであれば(S3102:Yes)、第3図柄表示装置81に大当たりを示す停止図柄が表示されることを防止するために、スペシャルリーチ用の表示データテーブルを表示データデーブルバッファ273dに設定すると共に追加テーブルバッファ273eをクリアする(S3106)。
その後、スペシャルリーチに対応する停止図柄の停止図柄判別フラグ(図示せず)をオンし(S3107)、スペシャルリーチに対応する時間データを計時カウンタ273fに設定し(S3108)、S2210の処理へ移行する。
一方、S3102の処理で、特定された変動種別が大当たりを示すものでない場合には(S3102:No)、その特定された変動種別用の表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に追加データテーブルバッファ273eをクリアし(S3103)、特定された変動種別に対応する停止図柄の停止図柄判別フラグをオンする(S3104)。その後、その設定された変動種別に対応する時間データを計時カウンタ23fに設定し(S3105)、S2210の処理へ移行する。
なお、S3103の処理で特定された変動種別用の表示データテーブルは、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのそれぞれに対応する専用の表示データテーブルがデータテーブル記憶エリア272aに記憶されている。また、特定された変動種別に対応する停止図柄も、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチに対応して予め定められている。
以上、第3実施の形態のパチンコ機10bでは、変動種別や停止図柄がマッチしないと判別されると共に大当たりへの期待度が異なった場合には、大当たりの期待度が高い方の変動種別に対応した変動演出が第3図柄表示装置81で行われる。よって、ノイズ等の影響により各コマンドが破壊され、主制御装置110から指示された演出内容と演出制御装置117で実際に行われる演出内容とが異なる可能性がある場合にも、遊技者に大当たりへの期待感を持たせる遊技性を提供できる。また、特定された変動種別が大当たりに対応するものである場合には、大当たり以外で最も期待度の高いスペシャルリーチの変動種別が設定されるので、大当たりの停止図柄が停止表示されることを防止しつつ、遊技者に不快感を与えないと共にパチンコ機10bの信頼性が低下することも抑制でき、且つ、遊技者に大当たりへの期待感を与えることができる遊技性を提供できる。
なお、第3実施の形態では、S3101の処理で特定された変動種別が大当たりに対応するものである場合には、大当たり以外で最も期待度の高いスペシャルリーチの変動種別が設定されるように構成したが、第2実施の形態と同様に、特殊変動演出を設定するように構成しても良いし、スーパーリーチやノーマルリーチを設定するように構成しても良い。
次に、図40及び図41を参照して、第4実施の形態のパチンコ機10cについて説明する。第1〜第3実施の形態のパチンコ機10,10a,10bは、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信したと判定された場合にオンされる第1比較フラグ273mと停止種別コマンドを受信したと判定された場合にオンされる第2比較フラグ273nとの一方がオンした場合に、変動種別または停止種別が対応するものであるかを比較する比較処理(S2006)を実行するように構成した。これに代えて、第4実施の形態のパチンコ機10cは、第1比較フラグ273m及び第2比較フラグ273nの両方がオンされた場合に、変動種別および停止種別が対応するものであるかを比較する処理を実行するように構成した。なお、第1実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、第4実施の形態のパチンコ機10cは、第1比較フラグ273mがオンしていない状態で第2比較フラグ273nがオンした場合、第1比較フラグ273mがオンした後に所定時間以上経過しても第2比較フラグ273nがオンしない場合に、特殊変動が行われるように構成されている。ここで、主制御装置110は、変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを変動処理(図14のS204)で設定し、次の外部出力処理(図14のS201)で、変動パターンコマンドが先で且つ停止種別コマンドが後になるよう出力するので、演出制御装置117には、変動パターンコマンドと停止種別コマンドとがほぼ同時期に入力される。よって、変動パターンコマンド又は停止種別コマンドのいずれか一方のみが入力され、第1比較フラグ273m又は第2比較フラグ273nのいずれか一方のみがオンされる場合は、ノイズ等の影響によりコマンドが破壊され、主制御装置110から指示される変動演出を正確に実行できない等の不具合が発生する可能性が高い。よって、第4実施の形態では、主制御装置110から指示される変動演出を正確に行えない可能性が高い場合に、特殊変動が行われるように構成されている。
図40は、第4実施の形態の演出制御装置117のMPU271により実行される表示設定処理を示したフローチャートであり、図41は、第4実施の形態の演出制御装置117のMPU271により実行される比較判定処理を示したフローチャートである。
第4実施の形態では、図40に示す表示設定処理が実行され、新規保留フラグ273iがオフであったり(S2003:No)、保留画像設定処理(S2004)が終了すると、図41に示す比較判定処理を実行する(S3201)。
比較判定処理が実行されると、まず、第1比較フラグ273mがオフで且つ第2比較フラグ273nがオンであるか否かを確認する(S3202)。ここで、上述した通り、変動パターンコマンドが停止種別コマンドより先に入力されるので、第1比較フラグ273mがオフなのに第2比較フラグ273nがオンされている場合には、ノイズ等の影響により変動パターンコマンドが破壊された可能性ある。よって、S3202の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定された場合にオンされる第1比較フラグ273mがオフである状態で、停止種別コマンドを受信したと判定された場合にオンされる第2比較フラグ273nがオンしているかを確認している。
S3202の処理で、第1比較フラグ273mがオンしていないのに、第2比較フラグ273nがオンされていると確認されると(S3202:Yes)、ノイズ等の影響により変動パターンコマンドが破壊された可能性があるので、特殊変動演出を行うために、S3210の処理へ移行する。ここで、ノイズ等の影響により変動パターンコマンドが破壊された可能性がある場合には、主制御装置110から指示された正確な変動演出を行えない。例えば、第1入球口64に球が入賞したのに、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動表示が開始されず、前回の変動演出で停止表示した第3図柄が停止表示されている状態で、今回受信した停止種別コマンドに基づいた第3図柄に突然切り替わるなどの演出となり、遊技者に違和感を感じさせる結果、遊技者に不快感を与えると共にパチンコ機10cの信頼性も低下する可能性がある。そこで、第1比較フラグ273mがオンしていないのに、第2比較フラグ273nがオンされている場合には、特殊変動演出を実行することで、遊技者に違和感を与えることが抑制でき、遊技者に不快感を与えることを抑制できると共にパチンコ機10cの信頼性が低下するこを抑制できる。
一方、S3202の処理で、第1比較フラグ273mがオフで且つ第2比較フラグ273nがオンでなければ、即ち、第1比較フラグ273mがオンであったり、第2比較フラグ273nがオフである場合には(S3202:No)、まず、第1比較フラグ273mがオンであるか否かを確認し(S3203)、第1比較フラグ273mがオンでなければ、即ち、オフであれば(S3203:No)、第1及び第2比較フラグ273m,273nともにオフであるので、そのまま、比較判定処理を終了する。また、S3203の処理で、第1比較フラグ273mがオンであれば(S3203:Yes)、次に、第2比較フラグ273nがオンであるか否かを確認する(S3204)。
S3204の処理で、第2比較フラグ273nがオフであれば(S3204:No)、第1比較フラグ273mがオンであり変動パターンコマンドを受信しているが、停止種別コマンドを受信していないことになるので、第1比較フラグ273mのオンの後、所定時間が経過したか否かを確認する(S3205)。なお、S3205の処理で確認する所定時間は、変動パターンコマンドにより指示される変動演出のうち、変動している第3図柄を遊技者が認識困難となる高速変動中に対応した時間である。本実施の形態では、図示は省略しているが、変動パターンコマンドにより指示される変動演出を設定する際に、高速変動に対応する時間を所定時間に設定する処理(時間設定手段)が行われている。
ここで、変動パターンコマンドにより指示される変動演出は、第3図柄の変動開始から高速で変動し、その後、第3図柄が停止表示されるまでに、中速および低速で変動し、最終的に第3図柄が停止表示されるものである。よって、高速変動中に対応した時間とは、第3図柄の変動開始から中速または低速変動に切り替わるまでの時間である。また、所定時間を高速変動中に対応した時間に設定しているのは、遊技者が第3図柄を認識可能な変動中に後述する特殊変動演出を実行することに伴って遊技者が感じる違和感を抑制するためである。なお、高速変動が終わった後に、第3図柄が停止表示される直前の中速変動または低速変動が、遊技者に第3図柄を認識困難な表示態様であれば、所定時間を高速変動に中速変動を加えた時間、又は高速変動に中速および低速変動を加えた時間に設定しても良い。
S3205の処理で、第1比較フラグ273mがオンになった後に所定時間を経過していなければ(S3205:No)、停止種別コマンドの受信を待機するために、比較判定処理を終了し、所定時間が経過していれば(S3205:Yes)、ノイズ等の影響により停止種別コマンドを受信できない可能性があるので、特殊変動演出を行うために、S3210の処理へ移行する。ここで、ノイズ等の影響により停止種別コマンドが破壊された可能性がある場合には、主制御装置110から指示された正確な変動演出を行えない。例えば、停止種別コマンドを受信していないと、停止表示させる第3図柄を設定できないので、変動パターンコマンドにより指示される変動時間が経過した時点の変動中の図柄が停止し(フリーズ状態)、第3図柄表示装置81が故障したと遊技者が認識してしまう可能性がある。その結果、遊技者に不快感を与えてしまうと共に、パチンコ機10cの信頼性も低下してしまう。そこで、第1比較フラグ273mがオンした後に、所定時間以上経過しても第2比較フラグ273nがオンされない場合には、特殊変動演出を実行することで、遊技者に不快感を与えることを抑制できると共にパチンコ機10cの信頼性が低下するこを抑制できる。
また、S3205の処理で確認する所定時間が高速変動中より長く、第3図柄を遊技者が認識可能な時間とすると、例えば、第3図柄表示装置81で変動表示される第3図柄が低速になった状態で、特殊変動演出が開始されるので、一旦第3図柄が停止表示しそうな状態から第3図柄の高速変動の状態となり、遊技者に変動演出の違和感を与える結果、遊技者に不快感を与えると共にパチンコ機10cの信頼性が低下する可能性がある。しかし、S3205の処理で確認する所定時間は、高速変動中に対応しており、遊技者が第3図柄を認識困難な状態で特殊変動が開始されるので、変動演出に違和感を遊技者が感じることがなく、遊技者に不快感を与えることを抑制できると共にパチンコ機10cの信頼性が低下することを抑制できる。
一方、S3204の処理で、第2比較フラグ273nがオンであれば(S3204:Yes)、S3206の処理へ移行する。なお、S3204の処理がYesになると、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンになっている。よって、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果がマッチするかを確認するため、S3206の処理へ移行する。
S3206の処理では、第1〜第3実施の形態と同様に、データテーブル判別フラグのうち、オン状態に設定されているデータテーブル判別フラグから、表示データテーブルバッファ273dに格納されている変動用表示データテーブルを特定し、その特定した変動用表示データテーブルに基づいた変動種別を特定する(S3206)。そして、S3206の処理によって特定された変動用表示データテーブルに基づいた変動種別と、入賞時コマンドに含まれる変動種別とがマッチするか否かを判別し(S3207)、両変動種別がマッチすれば(S3207:Yes)、S3208の処理へ移行し、両変動種別がマッチしなければ(S3207:No)、特殊変動を行うために、S3210の処理へ移行する。
S3208の処理では、第1〜第3実施の形態と同様に、停止図柄判別フラグのうち、オン状態に設定されている停止図柄判別フラグを特定し、その特定された停止図柄判別フラグから、設定された停止図柄を特定する(S3208)。そして、S3208の処理で特定された停止図柄と、入賞時コマンドに含まれる抽選結果とがマッチするか否かを判別し(S3209)、マッチすれば(S3209:Yes)、そのまま比較判定処理を終了し、マッチしなければ(S3209:No)、変動種別がマッチしない場合と同様に、S3210の処理へ移行する。
S3210の処理では、特殊変動が規定された特殊変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ273dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ273eにNoneデータを書き込むことで、それらの内容をクリアし(S3210)、特殊停止図柄(例えば、「1」「2」「3」と表示される図柄)に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S3211)、さらに、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データを、変動パターンにより示される演出時間を参照して計時カウンタ273fに設定する(S3212)。そして、ポインタ273gを0に初期化し(S3213)、第1及び第2比較フラグ273m,273nをオフに設定して(S3214)、表示設定処理に戻る。
以上説明したように、第4実施の形態のパチンコ機10cでは、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンされた場合、即ち、主制御装置110から1の変動演出を実行させるために出力される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを演出制御装置117が受信したと判定された場合に、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較できる。よって、1の変動演出を実行するために必要なコマンドが、ノイズ等の影響により破壊されていないかを正確に比較して判別することができる。
また、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンされた場合に、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較するので、その比較する処理を同時期に一回で行うことができ、演出制御装置117での処理を効率良く行うことができる。
また、第1比較フラグ273mがオフで且つ第2比較フラグ273nがオンとなる場合、即ち、停止種別コマンドを受信しているのに変動パターンコマンドを受信していない場合には、第3図柄表示装置81で行われる変動演出を特殊変動演出にできる。よって、ノイズ等の影響により変動パターンコマンドを受信できずに、第1入球口64に球が入賞したにもかかわらず、第3図柄表示装置81での変動演出が開始されないなどの弊害を防止でき、遊技者に不快感を与えることを防止できると共にパチンコ機10cの信頼性が低下することを防止できる。また、第3図柄表示装置81では、特殊変動演出が行われるので、主制御装置110からのコマンドが正確に入力されていない場合に、大当たりに対応する停止図柄が停止表示されることを確実に防止できる。
また、第1比較フラグ273mがオンされた後に所定時間が経過しても第2比較フラグ273nがオンされない場合、即ち、変動パターンコマンドを受信したが、停止種別コマンドを受信できない場合にも、特殊変動演出が行われるので、第3図柄表示装置81の変動途中で表示態様が停止したりする弊害を防止でき、遊技者に不快感を与えることを防止できると共にパチンコ機10cの信頼性が低下することを防止できる。
なお、第4実施の形態では、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンされた場合、即ち、変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信したと判定された場合に、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較するものとしたが、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とのいずれか一方が対応するものであるか比較するものとしても良い。
以上、上記実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、入賞時コマンドの変動種別を、外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチ及び2R変動と、大まかなグループ(群)に区分けして、どのグループに属するかを示す簡易的なデータで構成するものとしたが、第3図柄表示装置81で変動演出を開始する場合に送信される変動パターンコマンドと同様の情報を入賞時コマンドの変動種別として送信するように構成しても良い。この構成の場合、始動入賞処理で入賞時コマンドを作成する際に(図19のS655参照)、変動開始処理のS401〜S405と同様の処理を行い、各変動パターン及び停止種別を設定し、変動パターン及び停止種別とを含む入賞時コマンドを作成する。また、第1入球口64に球が入賞した場合に取得された各カウンタの値、具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の値を、そのまま入賞時コマンドに含めて演出制御装置117に送信するものとしても良い。この構成の場合、演出制御装置117に、主制御装置110に設けられる各種テーブル(変動パターンを選択するテーブル、停止種別を選択するテーブル等)を設け、受信した入賞時コマンドに含まれる各種カウンタの値から変動パターン及び停止種別を設定する。これらの構成では、第3図柄表示装置81で変動演出を開始する場合に受信する変動パターン及び停止種別と、入賞時コマンドから取得した変動パターンコマンド及び停止種別とを、演出制御装置117で詳細に比較できるので、ノイズ等の影響により各コマンドが破壊された可能性があることを正確に判別することができる。
ここで、第3図柄表示装置81で変動演出を開始する場合に送信される変動パターンコマンドと同様の情報が入賞時コマンドに含まれているように構成された場合の変形例について説明する。パチンコ機は、同じリーチ種別を行う演出であっても、予告演出で表示される画像の色や数により大当たりへの期待度を異ならせたり、第3図柄表示装置81の変動演出に付随する役物の動作により大当たりへの期待度を異ならせたり、役物の動作は同じで第3図柄表示装置81の演出を変更することにより大当たりへの期待度を異ならせたりする場合がある。
例えば、予告演出で表示されるコメントの色が、白、赤、金になるほど、大当たりへの期待度を高める演出がある。つまり、入賞時コマンドに基づいた変動種別および停止種別と、変動パターンコマンドに基づいた変動種別および停止種別コマンドに基づいた停止種別とに矛盾が生じ、期待度の低い変動種別を特定する場合(第2実施の形態に対応)、その特定された変動種別における予告演出用のコメントが金であれば赤に変更しても良いし、白に変更しても良い。即ち、この変形例では、遊技者に対して過剰な大当たりへの期待を持たせない思想なので、特定された変動種別の中でも期待度の低い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して過剰な大当たりへの期待を持たせない遊技性を提供できる。
一方、期待度の高い変動種別を特定する場合(第3実施の形態に対応)、その特定された変動種別における予告演出用のコメントが白であれば赤に変更しても良いし、金に変更しても良い。即ち、この変形例では、遊技者に対して大当たりへの期待を持たせる思想なので、特定された変動種別の中でも期待度の高い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して大当たりへの期待感を持たせる遊技性を提供できる。
また、例えば、予告演出で表示される画像の数が増えるほど、大当たりへの期待度を高める演出がある。つまり、入賞時コマンドに基づいた変動種別および停止種別と、変動パターンコマンドに基づいた変動種別および停止種別コマンドに基づいた停止種別とに矛盾が生じ、期待度の低い変動種別を特定する場合(第2実施の形態に対応)、その特定された変動種別における予告演出用の画像の数を1(又は複数)減らし、特定された変動種別の中でも期待度の低い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して過剰な大当たりへの期待を持たせない遊技性を提供できる。
一方、期待度の高い変動種別を特定する場合(第3実施の形態に対応)、その特定された変動種別における予告演出用の画像の数を1(又は複数)加算し、特定された変動種別の中でも期待度の高い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して大当たりへの期待感を持たせる遊技性を提供できる。
また、例えば、第3図柄表示装置81の変動演出に連動する役物の動作回数が多くなるほど、又は動作時間が長く成るほど、大当たりへの期待度を高める演出がある。つまり、入賞時コマンドに基づいた変動種別および停止種別と、変動パターンコマンドに基づいた変動種別および停止種別コマンドに基づいた停止種別とに矛盾が生じ、期待度の低い変動種別を特定する場合(第2実施の形態に対応)、その特定された変動種別における役物の動作回数を1(又は複数)減算、又は、動作時間を1(又は複数)秒減算し、特定された変動種別の中でも期待度の低い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して過剰な大当たりへの期待を持たせない遊技性を提供できる。
一方、期待度の高い変動種別を特定する場合(第3実施の形態に対応)、その特定された変動種別における役物の動作回数を1(又は複数)加算、又は、動作時間を1(又は複数)秒加算し、特定された変動種別の中でも期待度の高い演出を設定する。よって、ノイズ等の影響によって主制御装置110から送信されるコマンドが破壊された可能性がある場合であっても、極力、主制御装置110からの指示に基づいた変動演出を実行しつつ、遊技者に対して大当たりへの期待感を持たせる遊技性を提供できる。
また、例えば、第3図柄表示装置81の前面に役物が突出して動作し、その役物の動作に連動して第3図柄表示装置81で役物を装飾する演出の場合、役物の周りを照らす色が白、赤、金になるほど大当たりへの期待をが高くなったり、役物の周りに出現する画像の数が多いほど大当たりへの期待度が高くなる演出がある。この場合も、役物の周りを照らす色を変更したり、役物の周りの画像の数を増減させることで、遊技者に過剰な期待を持たせない遊技性や、遊技者に大当たりへの期待を持たせることができる遊技性を提供できる。
また、上記各実施の形態では、2Rの大当たりは2R確変大当たりのみとし、各ステージ変更は遊技者の枠ボタン22の操作に基づくように構成としたが、2R通常大当たり及び2R確変大当たりを有すると共に、ステージ変更はパチンコ機において変更するように構成し、発生した2Rの大当たりの種類により移行するステージ(浜辺ステージ、水中ステージ、海底ステージに移行するほど大当たりへの期待度が高くなる)が異なるように構成しても良い。この構成では、入賞時コマンドに基づいた変動種別および停止種別と、変動パターンコマンドに基づいた変動種別および停止種別コマンドに基づいた停止種別とに矛盾が生じ、期待度の低い変動種別を特定する場合には(第2実施の形態に対応)、変動演出の終了後は浜辺ステージや水中ステージに移行し、期待度の高い変動種別を特定する場合には(第3実施の形態に対応)、変動演出の終了後に水中ステージや海底ステージに移行させることで、遊技者に過剰な期待を持たせない遊技性や、遊技者に大当たりへの期待を持たせることができる遊技性を提供できる。
なお、この構成の場合、上記実施の形態では、特定された変動種別が大当たりになるので、特殊変動演出(「123」の第3図柄で停止表示する演出)又はスペシャルリーチの変動演出に移行するが、2Rの大当たりの場合に限って、「341」の第3図柄(予め定められた特定の組み合わせ)で停止表示するように構成しても良い。この構成では、ノイズ等の影響によりコマンドが破壊された可能性がある場合に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせるステージへ移行するので、新たな遊技性を提供できる。
また、第3図柄表示装置81で行われる変動演出で、卵、ひよこ、鶏と図柄を変更して期待度を表す場合(所謂、ステップアップ予告)も同様に、遊技者に大当たりへの過剰な期待を持たせないためには卵または卵からたひよこまで変化する画像が表示されるように構成し、遊技者に大当たりへの期待感を持たせるためには卵、ひよこ、鶏まで変化する画像が表示されるように構成する。更には、遊技者に大当たりの期待感を持たせるためには、突然、鶏の画像を表示しても良い。
上記実施の形態では、入賞時コマンドと保留減コマンドとにより演出制御装置117の特図保留球カウンタ273cの値を更新して、第3図柄表示装置81の特図保留表示87による保留球数の表示を変更するように構成したが、入賞時コマンドにより特図保留球カウンタ273cの値を更新し、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信した場合に、特図保留球カウンタ273cの値を1減算するように構成しても良い。また、入賞時コマンドに保留球数のデータを含まないように構成し、入賞時コマンドを受信する毎に、特図保留球カウンタ273cの値を加算するように構成しても良い。
上記実施の形態では、第1及び第2比較フラグ273m,273nのいずれか一方がオンされた場合(第1〜第3実施の形態)、第1及び第2比較フラグ273m,273nの両方がオンされた場合(第4実施の形態)に、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較するものとしたが、第1比較フラグ273mのオンオフは確認せずに、第2比較フラグ273nがオンされた場合に、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較するものとしても良い。上述した通り、通常、変動パターンコマンドと停止種別コマンドは、ほぼ同時期に出力されると共に停止種別コマンドの方が後に出力されるので、停止種別コマンドを受信した場合にオンされる第2比較フラグ273nがオンされていれば、変動パターンコマンドも受信したと仮定できるからである。この場合、変動パターンコマンドにより示される変動種別と入賞時コマンドに含まれる変動種別、及び、停止種別コマンドにより示される停止図柄と入賞時コマンドに含まれる抽選結果とが対応するものであるか比較する処理を同時期に一回で行われるので、演出制御装置117での処理を効率良く行うことができる。
上記実施の形態では、追加データテーブルとして、変動演出において通常では表示されない連続予告演出を第3図柄表示装置81に追加して表示させるための描画内容が既定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示すべき種々の演出を描画するための描画内容が規定されたものであってもよい。また、追加データテーブルでは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常では表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容を規定するのに代えて、または、そのような描画内容を規定するのに加えて、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容や、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものであってもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施の形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU271は、追加データテーブルバッファ273eに設定された追加データテーブルにおいて、ポインタ273gにより示されるアドレスに、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ273gにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、追加データテーブルにより規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ274では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が追加データテーブルによって規定される場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施の形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU271は、追加データテーブルバッファ273eに設定された追加データテーブルにおいて、ポインタ273gにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ273dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ273gにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ274では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
上記実施の形態では、演出制御装置117において、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容を規定した表示データテーブルのほかに、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を規定した追加データテーブルを設定して、それぞれのデータテーブルからポインタ273gに示されるアドレスの描画内容を取得する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ベースとなる演出(例えば、変動演出)に対して追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の表示が決定された場合に、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルに対して、追加して表示される演出に対応する追加データテーブルの描画内容を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成し、その新たな表示データテーブルに基づいて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。これにより、ベースとなる演出に対して追加して表示される演出を容易に表示させることができる。また、ベースとなる演出の種別毎に、そのベースとなる演出だけの描画内容を規定した表示データテーブルと、ベースとなる演出に追加して表示される演出を重ねた画像内容を規定した表示データテーブルとを持たせる必要がないので、データテーブルの数が増大するのを抑制することができる。また、新たに作成した表示データテーブルだけを用いて描画内容を特定することができるので、表示データテーブルおよび追加データテーブルの2つから描画内容を特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
尚、ベースとなる演出に対して追加して表示させる演出の非表示が決定された場合は、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルをそのまま用いて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容と合わせて、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を、それが追加して表示される演出の描画内容であることを明示した形式で記述しておき、その追加して表示される演出を表示させる場合は、ベースとなる演出の描画内容と合わせて、その追加して表示される演出の描画内容を、その表示データテーブルから特定し、その追加して表示される演出が非表示とされる場合は、追加して表示される演出の描画内容を破棄して、ベースとなる演出の描画内容だけをその表示データテーブルから特定するようにしてもよい。これにより、追加して表示される演出の描画内容を規定した追加データテーブルが不要となるので、追加データテーブルに対する制御が不要となり、処理の負荷の軽減を図ることができる。
上記実施の形態では、演出制御装置117において、変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記実施の形態では、表示データテーブル、追加データテーブルで、共通のポインタ273gを用いて、そのポインタ273gによって示されるアドレスから描画内容を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記実施の形態では、画像コントローラ274が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施の形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU271に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ274は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU271に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施の形態では、画像コントローラ274は、MPU271から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ274が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ274が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記実施の形態において、表示データテーブル、追加データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルや追加データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM275のアドレスを規定するものであってもよい。演出制御装置117では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM275から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM275のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM275のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM275のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記実施の形態では、主制御装置110が、演出制御装置117に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1)の情報を、入賞時コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1)の情報を演出制御装置117に通知してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を記憶する主記憶手段と、その主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号を、前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により前記始動制御信号が出力された後であって前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、前記主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた演出制御信号を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記始動制御信号が入力された場合に、その始動制御信号を記憶する副記憶手段と、その副記憶手段に記憶される始動制御信号と、その始動制御信号の入力後に入力される演出制御信号とが対応するものであるかを判別する信号判別手段と、その信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出を前記表示手段で行う第1演出実行手段と、前記信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものでないと判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出を行う第2演出実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段では、始動条件の成立が検出手段により検出された場合に、主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号が副制御手段に出力されると共に、表示手段で変動演出を開始させる場合に、始動情報に基づいた演出制御信号が副制御手段に出力される。一方、副制御手段では、入力された始動制御信号が副記憶手段に記憶され、その記憶された始動制御信号と、その後に入力される演出制御信号とが信号判別手段により判別される。そして、判別手段による判別の結果、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであれば、演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われ、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものではなければ、演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出が行われる。
よって、始動制御信号および演出制御信号は、始動条件の成立が検出された場合、及び、実際に変動演出が行われる場合との異なるタイミングで副制御手段に入力され、その両制御信号が対応するものであれば演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われる一方、両制御信号が対応するものでなければ所定の変動演出が表示手段で行われる。従って、例えば、主制御手段から出力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものではなく、ノイズ等の影響によって破壊されて副制御手段に入力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものである場合に、表示手段に予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されることを防止できる。即ち、表示手段に予め定めた表示態様の識別情報が停止表示されたにもかかわらず、所定の遊技価値が遊技者に付与されない状態が発生しないので、遊技者が不快感を感じることを抑制できるし、遊技機の信頼性が損なわれることも抑制できる。
なお、始動制御信号は、演出制御信号と同様に、表示手段で行われる変動演出を指示可能な情報(データ)を含むように構成としても良いし、演出制御信号により指示されうる変動演出を表示態様毎に区分けし、その区分けされた区分を示す情報を含むものとしても良い。さらに、始動制御信号は、変動演出の表示態様を示す情報に加えて、停止表示すべき識別情報の表示態様を示す情報を含むものとしても良い。
また、始動制御信号は、本実施の形態の入賞時コマンドが該当し、演出制御信号は、本実施の形態の変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが該当する。
遊技機A1において、前記第2演出実行手段は、前記表示手段で所定の変動演出を行う場合に、前記予め定めた表示態様で前記識別情報が停止表示される変動演出を選択不可に構成されていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、第2演出実行手段は、表示手段で所定の変動演出を行う場合に、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示される変動演出が選択不可に構成されているので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される表示態様で識別情報が停止表示されることを防止できる。よって、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されたにもかかわらず、所定の遊技価値が付与されない状態は発生しないので、遊技者に不快感を与えることを抑制できるし、遊技機の信頼性が損なわれることを抑制できる。
遊技機A1又はA2において、 前記主制御手段は、前記始動情報に基づいて、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段と、その表示設定手段により設定された表示態様の変動演出を前記副制御手段に実行させる場合に出力される演出制御信号を生成する演出信号生成手段と、前記表示設定手段により設定されうる変動演出の表示態様を所定数の群に分け、前記始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段と、その群記憶手段に記憶される複数の群から、前記始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群を示す群情報を含む始動制御信号を生成する始動信号生成手段とを備え、前記副制御手段の信号判別手段は、前記始動制御信号の群情報により示される群内に、前記演出制御信号により指示される前記変動演出の表示態様が含まれていると、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、主制御手段では、始動情報に基づいて設定される表示態様の変動演出を実行させる演出制御信号と、始動情報に基づいて設定されうる変動演出の表示態様が含まれる群を示す群情報を含む始動制御信号とが生成され、副制御手段では、始動制御信号の群情報により示される群内に、演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれていると、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると信号判別手段により判別される。よって、主制御手段では、始動制御信号を生成する場合、変動演出の表示態様を詳細に設定せずに、始動情報に関連付けされた群を決定するだけでよいので、主制御手段における制御負担を軽減できる。更に、副制御手段でも、始動制御信号により示される群内に演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれるかの判別だけでよく、変動演出の表示態様の詳細について比較する必要がないので、制御負担を軽減できる。
なお、副制御手段に、表示設定手段により設定される変動演出の表示態様を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれているかを判別する。一般的に、主制御手段は、遊技の主たる制御を行うので、極力制御負担を軽減することが好ましい。よって、この構成では、主制御手段において、始動情報に関連付けされた群を決定する処理が不要になるので、主制御手段の制御負担をさらに軽減できる。
また、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の表示態様と、演出制御信号により指示される変動演出の表示態様とが対応するものである否かを判別する。よって、この構成では、主制御手段の制御負担を軽減しつつ、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される変動演出の表示態様を詳細に判別することができる。
遊技機A3において、前記表示手段で行われる変動演出は、前記所定の遊技価値が付与される期待度が異なるように構成され、前記群記憶手段は、前記変動演出の表示態様の期待度に応じて群に分け、その群に前記始動情報を関連付けして記憶するものであり、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、前記演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の低い方の変動演出を選択して実行するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の低い方の変動演出を選択するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、期待度の低い変動演出を表示手段で行うことができる。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制できる。
なお、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の期待度と、演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度とを比較して、期待度の低い方の変動演出を行う。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される変動演出の期待度を詳細に判別することができる。
また、変動演出の期待度は、識別情報の変動表示で示される表示態様(例えば、リーチ)の種類毎に異なるものであっても良いし、識別情報の変動表示の途中に表示される表示態様(例えば、キャラクタを出現させる予告演出やチャンス演出)の種類毎に異なるものであっても良いし、識別情報の変動表示の演出時間の長短で異なるものであっても良い。識別情報の変動表示の長短では、通常、演出時間が長くなるほど、遊技価値が付与される期待の持てるリーチ予告演出、予告演出やチャンス演出が行われるので、演出時間が長くなるほど期待度が高いことになる。
遊技機A3において、前記表示手段で行われる変動演出は、前記所定の遊技価値が付与される期待度が異なるように構成され、前記群記憶手段は、前記変動演出の表示態様の期待度に応じて群に分け、その群に前記始動情報を関連付けして記憶するものであり、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、前記演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の高い方の変動演出を選択して実行するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の高い方の変動演出を選択するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、期待度の高い変動演出を表示手段で行うことができる。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合であっても、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供できる。
なお、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の期待度と、演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度とを比較して、期待度の高い方の変動演出を行う。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される変動演出の期待度を詳細に判別することができる。
遊技機A1又はA2において、前記主制御手段は、前記始動情報に基づいて、前記所定の遊技価値を付与するか否か、及び、前記所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値を設定する価値設定手段と、その価値設定手段により設定される遊技価値に応じて、前記変動演出で停止表示される識別情報の表示態様を指示する停止情報を含む演出制御信号を生成する演出信号生成手段と、前記価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、前記始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段と、その群記憶手段に記憶される複数の群から、前記始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群を示す群情報を含む始動制御信号を生成する始動信号生成手段とを備え、前記副制御手段の信号判別手段は、前記始動制御信号の群情報により示される群内に、前記演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値が含まれていると、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御手段では、変動演出で停止表示される識別情報の表示態様を指示する停止情報を含む演出制御信号と、始動情報に基づいて設定されうる遊技価値が含まれる群を示す群情報を含む始動制御信号とが生成され、副制御手段では、始動制御信号の群情報により示される群内に、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値が含まれていると、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると信号判別手段により判別される。よって、遊技者に対して直接的に関係する遊技価値に基づいて、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性があるか否かを判別できるので、所定の遊技価値を付与しない場合に、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されることを確実に防止できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値が含まれているかを判別する。一般的に、主制御手段は、遊技の主たる制御を行うので、極力制御負担を軽減することが好ましい。よって、この構成では、主制御手段において、始動情報に関連付けされた群を決定する処理が不要になるので、主制御手段の制御負担をさらに軽減できる。
遊技機A6において、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、前記演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で前記識別情報が停止表示した場合に付与される遊技価値とのうち、遊技価値が低い方となる制御信号に基づいた表示態様で前記識別情報を停止表示させるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値とのうち、遊技価値が低い方となる制御信号に基づいた表示態様で識別情報が停止表示されるので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技価値の低い表示態様で識別情報が停止表示される。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値が含まれているかを判別する。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される遊技価値を詳細に判別することができる。
遊技機A6において、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、前記演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で前記識別情報が停止表示した場合に付与される遊技価値とのうち、遊技価値が高い方となる制御信号に基づいた表示態様で前記識別情報を停止表示させるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値とのうち、遊技価値が高い方となる制御信号に基づいた表示態様で識別情報が停止表示されるので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技価値の高い表示態様で識別情報が停止表示される。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合であっても、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、演出制御信号の停止情報により指示される表示態様で識別情報が停止表示された場合に付与される遊技価値が含まれているかを判別する。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される遊技価値を詳細に判別することができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記主記憶手段は、前記始動条件の成立に基づいた変動演出が行われている場合に、前記検出手段により新たな始動条件の成立が検出されると、その成立順に始動情報を記憶すると共に、前記第2出力手段は、前記主記憶手段に記憶される成立順が早い始動情報を取得しその取得した始動情報に基づいた演出制御信号を出力するものであり、前記副記憶手段は、前記始動制御信号を入力順に記憶すると共に、前記信号判別手段は、前記副記憶手段に記憶される入力順が早い始動制御信号を取得しその取得した始動制御信号と入力された演出制御信号とが対応するものであるかを判別するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、主記憶手段には始動条件の成立順に始動情報が記憶されると共に、副記憶手段には入力順に始動制御信号が記憶され、第2出力手段は成立順が早い始動情報を取得して演出制御信号を出力すると共に、信号判別手段は入力順が早い始動制御信号を取得して演出制御信号と判別を行うので、1の始動情報に基づいた始動制御信号と演出制御信号とが異なるタイミングで入力されても、その1の始動情報に基づいた始動制御信号と演出制御信号とを簡単に対応させることができる。よって、例えば、始動および演出制御信号のそれぞれに、どの始動情報に対応したものであるかを示す情報を含む必要がなくなり、各制御信号の情報量を少なくできるので、主制御手段での制御信号の生成、及び、副制御手段での制御信号の解析における制御負担を軽減できる。
遊技機A9において、前記表示手段は、前記主記憶手段に記憶される始動情報の数を表示可能に構成され、前記始動制御信号は、前記主記憶手段に記憶される始動情報の数を示す情報を含んで構成されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機A10によれば、始動制御信号には、主記憶手段に記憶される始動情報の数を示す情報が含まれているので、演出制御信号との判別を行うための情報と、始動情報の記憶されている数を示す情報とを1の制御信号に含んで出力することができ、主制御手段から副制御手段に出力される制御信号の数を減らすことができる。また、表示手段で始動情報の数を表示する場合には、始動条件の成立が検出された直後に必ず制御信号を出力する必要がある。即ち、表示手段で始動情報の数を表示する構成において必要不可欠な制御信号を利用して、演出制御信号との判別を行うための情報を出力することができるのである。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記表示手段は、前記識別情報の動的表示が行われる画像表示部を有する画像表示手段と、その画像表示手段の画像表示部で行われる動的表示に連動して点灯または動作する装飾手段とを有しており、前記第2演出実行手段は、前記画像表示手段の画像表示部に表示される表示態様、或いは、前記装飾手段を点灯または動作させる表示態様の少なくとも一方を、前記第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様から変更することで、前記所定の変動演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、第2演出実行手段は、画像表示手段の画像表示部に表示される表示態様、或いは、装飾手段を点灯または動作させる表示態様の少なくとも一方を、第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様から変更することで、所定の変動演出を実行するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合における演出の多様化を図ることができる。
なお、装飾装置の点灯や動作に応じて、所定の遊技価値が付与される期待度が異なる場合には、始動制御信号により指示される表示態様の期待度と、演出制御信号により指示される表示態様の期待度とを判別し、期待度の低い又は高い方の表示態様を実行し、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制、又は、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供するように構成しても良い。
また、「第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様を変更」とは、第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様を指示するプログラムや描画リストの一部を更新(書換、変更)すること、及び、予め設けられた他のプログラムや描画リストを設定した結果により変動演出の表示態様が変更されてように視認できる場合も含む。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報に基づいて、少なくとも前記表示手段で行われる変動演出の変動時間を示す時間情報を含む演出制御信号を生成する演出信号生成手段と、その演出信号生成手段により生成された演出制御信号を、前記表示手段で変動演出を開始させる場合に前記副制御手段に出力する演出出力手段と、その演出出力手段により演出制御信号を出力した後であって前記表示手段で行われる変動演出を確定させる場合に、確定制御信号を前記副制御手段に出力する確定出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記演出制御信号が入力された場合に、前記時間情報を取得して変動演出の変動時間を設定する時間設定手段と、前記演出制御信号が入力された場合に、その演出制御信号に基づいた変動演出を前記表示手段で開始させる変動開始手段と、その変動開始手段により前記表示手段で変動演出が開始され、その変動演出の開始から前記変動時間が経過した後に、前記確定制御信号が入力されたか否かを判別する信号判別手段と、その信号判別手段により前記確定制御信号が入力されたと判別された場合に、前記表示手段の変動演出を確定させる変動確定手段と、前記信号判別手段により前記確定制御信号が入力されたと判別されない場合に、前記主制御手段から所定の制御信号が入力されるまで、前記表示手段で行われる変動演出を継続させる演出継続手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、主制御手段では、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報に基づいて、少なくとも表示手段で行われる変動演出の変動時間を示す時間情報を含む演出制御信号が生成され、その生成された演出制御信号が表示手段で変動演出を開始する場合に副制御手段に出力される。また、演出制御信号を出力した後に、表示手段で行われる変動演出を確定する場合には、確定制御信号が副制御手段に出力される。一方、副制御手段では、演出制御信号が入力されると、その演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で開始され、その変動演出の開始から演出制御信号に含まれる時間情報に基づいて設定された変動時間が経過した後に、確定制御信号が入力されたか否かが判別される。そして、確定制御信号が入力されたと判別されると、表示手段の変動演出が確定され、確定制御信号が入力されないと判別されると、所定の制御信号が入力されるまで変動演出が継続される。よって、表示手段での変動演出は、主制御手段からの確定制御信号が入力されない場合、所定の制御信号が入力されるまで継続されるので、遊技者に対しては、変動演出が継続していると認識させることができる。従って、所定の制御信号が入力されればその制御信号に応じた制御を行える上、主制御手段からの確定制御信号が入力されない状態、例えば、ノイズ等の影響により確定制御信号が破壊され、副制御手段では確定制御信号の入力が確認できない状態を、遊技者に認識させ難くできるので、遊技機の信頼性が損なわれることを抑制できるし、遊技者に不快感を与えることも抑制できる。
なお、演出継続手段は、演出制御信号に基づく変動演出を継続して行うように構成しても良いし、演出制御信号に基づく変動演出の変動時間の経過後に特定の変動演出を開始することで変動演出を継続して行うように構成しても良い。特定の変動演出を開始する場合には、演出制御信号に基づく変動演出に関連した演出を行えば、遊技者に違和感を与えることを抑制できるし、演出制御信号に基づく変動演出に関連しない演出を行えば、特殊な演出が再開されと遊技者に認識させることができ期待感を与える遊技性を提供できる。
また、所定の制御信号としては、新たな変動演出の開始を指示する演出制御信号や、変動終了後に所定時間が経過しデモ演出の開始を指示する制御信号などが例示される。その他に、確定制御信号の入力が確認できない変動演出が所定の遊技価値を付与するものであった場合、所定の遊技価値を付与する演出の開始を指示する制御信号も所定の制御信号に含まれる。
遊技機B1において、前記副制御手段は、前記変動開始手段により前記表示手段で変動演出が開始され前記変動時間が経過した場合に、前記表示手段の変動演出において前記識別情報を停止表示させる停止表示手段と、その停止表示手段により前記識別情報が停止表示された後に、前記確定制御信号の入力を所定時間が経過するまで待機する待機手段とを備え、前記演出確定手段は、前記待機手段により待機される所定時間の間に前記確定制御信号が入力されたと判別された場合に、前記識別情報の停止表示を確定するものであり、前記演出継続手段は、前記待機手段により待機される所定時間を経過しても前記確定制御信号が入力されない場合に、前記停止表示手段により停止表示された識別情報の再始動を開始させるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、表示手段で変動演出が開始され変動時間が経過すると、識別情報が停止表示され、その後、所定時間が経過するまで待機され、所定時間の間に確定制御信号が入力されると識別情報の停止表示が確定されるので、動的表示の途中で識別情報が突然に停止表示されることがなく、変動演出の停止表示に違和感を生じさ難くできる。一方、識別情報が一旦停止表示された場合であっても、確定制御信号が所定時間入力されないと、停止表示されていた識別情報の再始動が開始されるので、遊技者に対しては、変動演出が継続していると認識させることができる。
なお、識別情報が再始動することで、遊技者は、通常とは異なる変動演出が行われていると認識するので、所定の遊技価値の付与に期待感を持つことができ、新たな遊技性を提供できる。
遊技機B2において、前記副制御手段は、前記表示手段で行われる識別情報の変動表示を表示可能な画像情報を記憶する画像記憶手段と、その画像記憶手段に記憶される画像情報のうち、前記演出制御信号に基づいた変動演出を表示可能な画像情報を取得し、その取得した画像情報に基づいて前記識別情報の変動演出を実行させる演出実行手段とを備え、前記演出継続手段は、前記所定の制御信号が入力されるまで、前記画像記憶手段から特定の画像情報を取得し、その取得した画像情報に基づいた変動演出を前記演出実行手段により繰り返し実行させるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、前記演出継続手段は、所定の制御信号が入力されるまで、特定の画像情報に基づいた変動演出を演出実行手段により繰り返し実行させるので、入力されるタイミングが不定である所定の制御信号が入力されるまで、再始動の変動演出に伴った画像情報を生成し続ける必要がなくなる。その結果、副制御手段における画像情報の生成に関する制御負担を軽減できる。
遊技機B3において、前記演出継続手段により再始動される変動演出は、前記停止表示手段により停止表示された識別情報を変更せずにその場で動作させるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、演出継続手段により再始動される変動演出は、停止表示手段にょり停止表示された識別情報を変更せずにその場で動作させるものなので、所定の制御信号が入力され新たな演出が開始される場合の違和感を遊技者に与えることを抑制できる。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を記憶する主記憶手段と、その主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号を、前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により前記始動制御信号が出力された後であって前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、前記主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた演出制御信号を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記始動制御信号が入力された場合に、その始動制御信号を記憶する副記憶手段と、その副記憶手段に記憶される始動制御信号と、その始動制御信号の入力後に入力される演出制御信号とが対応するものであるかを判別する信号判別手段と、その信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出を前記表示手段で行う第1演出実行手段と、前記信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものでないと判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出を行う第2演出実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、主制御手段では、始動条件の成立が検出手段により検出された場合に、主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号が副制御手段に出力されると共に、表示手段で変動演出を開始させる場合に、始動情報に基づいた演出制御信号が副制御手段に出力される。一方、副制御手段では、入力された始動制御信号が副記憶手段に記憶され、その記憶された始動制御信号と、その後に入力される演出制御信号とが信号判別手段により判別される。そして、判別手段による判別の結果、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであれば、演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われ、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものではなければ、演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出が行われる。
よって、始動制御信号および演出制御信号は、始動条件の成立が検出された場合、及び、実際に変動演出が行われる場合との異なるタイミングで副制御手段に入力され、その両制御信号が対応するものであれば演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われる一方、両制御信号が対応するものでなければ所定の変動演出が表示手段で行われる。従って、例えば、主制御手段から出力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものではなく、ノイズ等の影響によって破壊されて副制御手段に入力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものである場合に、表示手段に予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されることを防止できる。即ち、表示手段に予め定めた表示態様の識別情報が停止表示されたにもかかわらず、所定の遊技価値が遊技者に付与されない状態が発生しないので、遊技者が不快感を感じることを抑制できるし、遊技機の信頼性が損なわれることも抑制できる。
なお、始動制御信号は、演出制御信号と同様に、表示手段で行われる変動演出を指示可能な情報(データ)を含むように構成としても良いし、演出制御信号により指示されうる変動演出を表示態様毎に区分けし、その区分けされた区分を示す情報を含むものとしても良い。さらに、始動制御信号は、変動演出の表示態様を示す情報に加えて、停止表示すべき識別情報の表示態様を示す情報を含むものとしても良い。
また、始動制御信号は、本実施の形態の入賞時コマンドが該当し、演出制御信号は、本実施の形態の変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが該当する。
遊技機C1において、前記第2演出実行手段は、前記表示手段で所定の変動演出を行う場合に、前記予め定めた表示態様で前記識別情報が停止表示される変動演出を選択不可に構成されていることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、第2演出実行手段は、表示手段で所定の変動演出を行う場合に、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示される変動演出が選択不可に構成されているので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される表示態様で識別情報が停止表示されることを防止できる。よって、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されたにもかかわらず、所定の遊技価値が付与されない状態は発生しないので、遊技者に不快感を与えることを抑制できるし、遊技機の信頼性が損なわれることを抑制できる。
遊技機C1又はC2において、前記主制御手段は、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を示す表示態様情報、及び、その表示態様の変動演出の終了後に付与される遊技価値を示す遊技価値情報を含む始動制御信号を前記始動情報に基づいて生成する始動信号生成手段と、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様と、前記所定の遊技価値を付与するか否か及び前記所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値とを前記始動情報に基づいて設定し、その設定された表示態様および遊技価値に対応した変動演出の開始を指示する場合に前記副制御手段に出力される演出制御信号を生成する演出信号生成手段とを備え、前記副制御手段の信号判別手段は、前記演出制御信号により指示される表示態様と前記始動信号生成手段に含まれる表示態様情報により示される表示態様とが対応するかの第1の判別、及び、前記演出制御信号により指示される遊技価値と前記始動信号生成手段に含まれる遊技価値情報により示される遊技価値とが対応するかの第2の判別を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、主制御手段では、表示手段で行われる変動演出の表示態様を示す表示態様情報、及び、その表示態様の変動演出の終了後に付与される遊技価値を示す遊技価値情報を含む始動制御信号が始動情報に基づいて生成されると共に、表示手段で行われる変動演出の表示態様と、所定の遊技価値を付与するか否かおよび所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値とを設定し、その設定された表示態様および遊技価値に対応した変動演出の開始を指示する場合に出力される演出制御信号が始動情報に基づいて生成される。また、副制御手段の信号判別手段は、演出制御信号により指示される表示態様と始動信号生成手段に含まれる表示態様情報により示される表示態様とが対応するかの第1の判別、及び、演出制御信号により指示される遊技価値と始動信号生成手段に含まれる遊技価値情報により示される遊技価値とが対応するかの第2の判別を実行可能に構成されている。よって、始動制御信号と演出制御信号とが対応しているかの判別を、変動演出の表示態様と付与される遊技価値とで行えるので、表示手段で行われる1の変動演出を開始するために出力される演出制御信号が、ノイズ等の影響により破壊された可能性があるか否かを詳細に判別することができる。
遊技機C3において、前記演出信号生成手段は、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を指示する第1の演出制御信号を生成すると共に、前記所定の遊技価値を付与するか否か及び前記所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値を指示する第2の演出制御信号を生成し、前記第2出力手段は、前記第1及び第2の演出制御信号に対して順序付けをして前記副制御手段に出力するものであり、前記副制御手段は、前記第1及び第2演出制御信号が入力したかを判別する入力判別手段を備え、前記信号判別手段は、前記入力判別手段により前記順序付けが後となる演出制御信号が少なくとも入力されたと判別された場合に、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するかを判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、主制御手段からは、表示手段で行われる変動演出の表示態様を指示する第1の演出制御信号と、所定の遊技価値を付与するか否か及び所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値を指示する第2の演出制御信号とが順序付けされて出力され、副制御手段では、順序付けが後となる演出制御信号が入力したと判別された場合に、始動制御信号と演出制御信号とが対応するかが判別される。よって、表示手段で行われる1の変動演出を開始するために出力される2つの演出制御信号が副制御手段に入力された状態で、始動制御信号と演出制御信号とが対応しているかを判別できるので、始動制御信号と演出制御信号との対応を判別する処理を一回の処理で実行可能となり、副制御手段での処理を効率良く行うことができる。
遊技機C4において、前記第2演出実行手段は、前記入力判別手段によって、前記第1及び第2の演出制御信号のうち前記順序付けが先となる演出制御信号が入力される前に、前記順序付けが後となる演出制御信号が入力されたと判別された場合に、前記所定の変動演出を行うものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、第2演出実行手段は、入力判別手段によって、順序付けが先となる演出制御信号が入力される前に、順序付けが後となる演出制御信号が入力されたと判別された場合に、所定の変動演出を行うので、ノイズ等の影響によって順序付けが先となる演出制御信号が破壊されて、例えば、所定の表示態様となる変動演出が行われない状態で突然に識別情報が停止表示されて遊技価値を示したり(即ち、第1の演出制御信号が入力されずに第2の演出制御信号のみが入力された状態)、逆に、所定の表示態様となる変動演出において識別情報が停止表示されないことを(即ち、第2の演出制御信号が入力されずに第1の演出制御信号のみが入力された状態)抑制できるので、遊技者に不快感を与えることを抑制すると共に遊技機の信頼性が低下することを抑制できる。
遊技機C4において、前記副制御手段は、前記第1及び第2の演出制御信号のうち前記順序付けが先となる演出制御信号が入力されたと前記入力判別手段により判定された後の経過時間を計時する計時手段を備え、前記第2演出実行手段は、前記第1及び第2の演出制御信号のうち前記順序付けが後となる演出制御信号が入力されたと判別される前に、前記計時手段により所定時間が計時されると、前記所定の変動演出を行うものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、第2演出実行手段は、順序付けが後となる演出制御信号が入力されたと判別される前に計時手段により所定時間が計時されると、所定の変動演出を行うので、ノイズ等の影響によって順序付けが後となる演出制御信号が破壊されて、例えば、所定の表示態様となる変動演出が行われない状態で突然に識別情報が停止表示されて遊技価値を示したり(即ち、第1の演出制御信号が入力されずに第2の演出制御信号のみが入力された状態)、逆に、所定の表示態様となる変動演出において識別情報が停止表示されないことを(即ち、第2の演出制御信号が入力されずに第1の演出制御信号のみが入力された状態)抑制できるので、遊技者に不快感を与えることを抑制すると共に遊技機の信頼性が低下することを抑制できる。
遊技機C6において、前記第2出力手段は、前記第1の演出制御信号を前記第2の演出制御信号より先に出力するものであり、前記表示手段で行われる変動演出は、前記識別情報の動的表示の開始からその識別情報を高速で動的表示させる高速変動期間と、その高速変動期間の後に前記識別情報が停止表示されるまでその識別情報を中速または低速で動的表示させる中低速変動期間とを少なくとも有して構成され、前記副制御手段は、前記第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様に基づいて、前記計時手段により計時される所定時間を前記高速変動期間以下に設定する時間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様に基づいて、計時手段により計時される所定時間が高速変動期間以下に時間設定手段により設定されるので、第1の演出制御信号により指示される表示態様の変動演出において、高速変動が行われている間は、第2の演出信号が入力されたかを判別することができる。よって、識別情報が中速や低速で変動しており、遊技者により識別情報を認識される可能性がある状態で、突然、所定の変動演出に変更されることを防止でき、遊技者に違和感を与える変動演出となることを防止できるので、遊技者に不快感を与えることを防止できると共に遊技機の信頼性が低下することを防止できる。
遊技機C4からC7のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記始動情報に基づいて、前記第1の演出制御信号により前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段と、その表示設定手段により設定されうる変動演出の表示態様を所定数の群に分け、前記始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段とを備え、前記始動信号生成手段は、前記群記憶手段に記憶される複数の群から、前記始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群を示す群情報を含む始動制御信号を生成するものであり、前記副制御手段の信号判別手段は、前記始動制御信号の群情報により示される群内に、前記第1の演出制御信号により指示される前記変動演出の表示態様が含まれていると、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、主制御手段では、始動情報に基づいて設定される表示態様の変動演出を実行させる第1の演出制御信号と、始動情報に基づいて設定されうる変動演出の表示態様が含まれる群を示す群情報を含む始動制御信号とが生成され、副制御手段では、始動制御信号の群情報により示される群内に、第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれていると、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると信号判別手段により判別される。よって、主制御手段では、始動制御信号を生成する場合、変動演出の表示態様を詳細に設定せずに、始動情報に関連付けされた群を決定するだけでよいので、主制御手段における制御負担を軽減できる。更に、副制御手段でも、始動制御信号により示される群内に第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれるかの判別だけでよく、変動演出の表示態様の詳細について比較する必要がないので、制御負担を軽減できる。
なお、副制御手段に、表示設定手段により設定される変動演出の表示態様を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様が含まれているかを判別する。一般的に、主制御手段は、遊技の主たる制御を行うので、極力制御負担を軽減することが好ましい。よって、この構成では、主制御手段において、始動情報に関連付けされた群を決定する処理が不要になるので、主制御手段の制御負担をさらに軽減できる。
また、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の表示態様と、第1の演出制御信号により指示される変動演出の表示態様とが対応するものである否かを判別する。よって、この構成では、主制御手段の制御負担を軽減しつつ、始動制御信号と第1の演出制御信号とにより指示される変動演出の表示態様を詳細に判別することができる。
遊技機C8において、前記表示手段で行われる変動演出は、前記所定の遊技価値が付与される期待度が異なるように構成され、前記群記憶手段は、前記変動演出の表示態様の期待度に応じて群に分け、その群に前記始動情報を関連付けして記憶するものであり、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、前記第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の低い方の変動演出を選択して実行するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の低い方の変動演出を選択するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、期待度の低い変動演出を表示手段で行うことができる。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制できる。
なお、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の期待度と、第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度とを比較して、期待度の低い方の変動演出を行う。よって、この構成では、始動制御信号と第1の演出制御信号とにより指示される変動演出の期待度を詳細に判別することができる。
また、変動演出の期待度は、識別情報の変動表示で示される表示態様(例えば、リーチ)の種類毎に異なるものであっても良いし、識別情報の変動表示の途中に表示される表示態様(例えば、キャラクタを出現させる予告演出やチャンス演出)の種類毎に異なるものであっても良いし、識別情報の変動表示の演出時間の長短で異なるものであっても良い。識別情報の変動表示の長短では、通常、演出時間が長くなるほど、遊技価値が付与される期待の持てるリーチ予告演出、予告演出やチャンス演出が行われるので、演出時間が長くなるほど期待度が高いことになる。
遊技機C8において、前記表示手段で行われる変動演出は、前記所定の遊技価値が付与される期待度が異なるように構成され、前記群記憶手段は、前記変動演出の表示態様の期待度に応じて群に分け、その群に前記始動情報を関連付けして記憶するものであり、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、前記第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の高い方の変動演出を選択して実行するものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群に分けられた変動演出の期待度と、第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度のうち、期待度の高い方の変動演出を選択するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、期待度の高い変動演出を表示手段で行うことができる。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合であっても、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供できる。
なお、副制御手段に、始動情報に基づいて表示手段で行われる変動演出の表示態様を設定する表示設定手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に基づいて変動演出の表示態様を設定し、その設定した変動演出の期待度と、第1の演出制御信号により実行が指示される変動演出の期待度とを比較して、期待度の高い方の変動演出を行う。よって、この構成では、始動制御信号と第1の演出制御信号とにより指示される変動演出の期待度を詳細に判別することができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記始動情報に基づいて、前記第2の演出制御手段により指示される前記遊技価値を設定する価値設定手段と、その価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、前記始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段とを備え、前記始動信号生成手段は、前記群記憶手段に記憶される複数の群から、前記始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群を示す群情報を含む始動制御信号を生成するものであり、前記副制御手段の信号判別手段は、前記始動制御信号の群情報により示される群内に、前記第2の演出制御信号により指示される遊技価値が含まれていると、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別するものであることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、主制御手段では、遊技価値を指示する第2の演出制御信号と、始動情報に基づいて設定されうる遊技価値が含まれる群を示す群情報を含む始動制御信号とが生成され、副制御手段では、始動制御信号の群情報により示される群内に、第2の演出制御信号により指示される遊技価値が含まれていると、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると信号判別手段により判別される。よって、遊技者に対して直接的に関係する遊技価値に基づいて、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性があるか否かを判別できるので、所定の遊技価値を付与しない場合に、予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されることを確実に防止できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、第2の演出制御信号により指示される遊技価値が含まれているかを判別する。一般的に、主制御手段は、遊技の主たる制御を行うので、極力制御負担を軽減することが好ましい。よって、この構成では、主制御手段において、始動情報に関連付けされた群を決定する処理が不要になるので、主制御手段の制御負担をさらに軽減できる。
遊技機C11において、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、前記第2の演出制御信号により指示される遊技価値とのうち、遊技価値が低い方となる制御信号に基づいた表示態様で前記識別情報を停止表示させるものであることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、第2の演出制御信号により指示される遊技価値とのうち、遊技価値が低い方となる制御信号に基づいた表示態様で識別情報が停止表示されるので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技価値の低い表示態様で識別情報が停止表示される。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、第2の演出制御信号により指示される遊技価値が含まれているかを判別する。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される遊技価値を詳細に判別することができる。
遊技機C11において、前記第2演出実行手段は、前記始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、前記第2の演出制御信号により指示される遊技価値とのうち、遊技価値が高い方となる制御信号に基づいた表示態様で前記識別情報を停止表示させるものであることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、第2演出実行手段は、始動制御信号の群情報が示す群の遊技価値と、第2の演出制御信号により指示される遊技価値とのうち、遊技価値が高い方となる制御信号に基づいた表示態様で識別情報が停止表示されるので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合に、遊技価値の高い表示態様で識別情報が停止表示される。よって、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合であっても、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供できる。
なお、副制御手段に、価値設定手段により設定されうる遊技価値を所定数の群に分け、始動情報に関連付けして記憶する群記憶手段を備え、群情報を含む始動制御信号に代えて、始動情報を含む始動制御信号を主制御手段から副制御手段に送信するように構成しても良い。この構成では、副制御手段において、始動制御信号に含まれる始動情報に関連付けされた群を決定し、その決定した群に、第2の演出制御信号により指示される遊技価値が含まれているかを判別する。よって、この構成では、始動制御信号と演出制御信号とにより指示される遊技価値を詳細に判別することができる。
遊技機C1からC13のいずれかにおいて、前記主記憶手段は、前記始動条件の成立に基づいた変動演出が行われている場合に、前記検出手段により新たな始動条件の成立が検出されると、その成立順に始動情報を記憶すると共に、前記第2出力手段は、前記主記憶手段に記憶される成立順が早い始動情報を取得しその取得した始動情報に基づいた演出制御信号を出力するものであり、前記副記憶手段は、前記始動制御信号を入力順に記憶すると共に、前記信号判別手段は、前記副記憶手段に記憶される入力順が早い始動制御信号を取得しその取得した始動制御信号と入力された演出制御信号とが対応するものであるかを判別するものであることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、主記憶手段には始動条件の成立順に始動情報が記憶されると共に、副記憶手段には入力順に始動制御信号が記憶され、第2出力手段は成立順が早い始動情報を取得して演出制御信号を出力すると共に、信号判別手段は入力順が早い始動制御信号を取得して演出制御信号と判別を行うので、1の始動情報に基づいた始動制御信号と演出制御信号とが異なるタイミングで入力されても、その1の始動情報に基づいた始動制御信号と演出制御信号とを簡単に対応させることができる。よって、例えば、始動および演出制御信号のそれぞれに、どの始動情報に対応したものであるかを示す情報を含む必要がなくなり、各制御信号の情報量を少なくできるので、主制御手段での制御信号の生成、及び、副制御手段での制御信号の解析における制御負担を軽減できる。
遊技機C14において、前記表示手段は、前記主記憶手段に記憶される始動情報の数を表示可能に構成され、前記始動制御信号は、前記主記憶手段に記憶される始動情報の数を示す情報を含んで構成されていることを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、始動制御信号には、主記憶手段に記憶される始動情報の数を示す情報が含まれているので、演出制御信号との判別を行うための情報と、始動情報の記憶されている数を示す情報とを1の制御信号に含んで出力することができ、主制御手段から副制御手段に出力される制御信号の数を減らすことができる。また、表示手段で始動情報の数を表示する場合には、始動条件の成立が検出された直後に必ず制御信号を出力する必要がある。即ち、表示手段で始動情報の数を表示する構成において必要不可欠な制御信号を利用して、演出制御信号との判別を行うための情報を出力することができるのである。
遊技機C1からC15のいずれかにおいて、前記表示手段は、前記識別情報の動的表示が行われる画像表示部を有する画像表示手段と、その画像表示手段の画像表示部で行われる動的表示に連動して点灯または動作する装飾手段とを有しており、前記第2演出実行手段は、前記画像表示手段の画像表示部に表示される表示態様、或いは、前記装飾手段を点灯または動作させる表示態様の少なくとも一方を、前記第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様から変更することで、前記所定の変動演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C16。
遊技機C16によれば、第2演出実行手段は、画像表示手段の画像表示部に表示される表示態様、或いは、装飾手段を点灯または動作させる表示態様の少なくとも一方を、第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様から変更することで、所定の変動演出を実行するので、ノイズ等の影響により制御信号が破壊された可能性のある場合における演出の多様化を図ることができる。
なお、装飾装置の点灯や動作に応じて、所定の遊技価値が付与される期待度が異なる場合には、始動制御信号により指示される表示態様の期待度と、演出制御信号により指示される表示態様の期待度とを判別し、期待度の低い又は高い方の表示態様を実行し、遊技者に大当たりへの過剰な期待感を与えることを抑制、又は、遊技者に大当たりへの期待感を与えることのできる遊技性を提供するように構成しても良い。
また、「第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様を変更」とは、第1演出実行手段により行われる変動演出の表示態様を指示するプログラムや描画リストの一部を更新(書換、変更)すること、及び、予め設けられた他のプログラムや描画リストを設定した結果により変動演出の表示態様が変更されてように視認できる場合も含む。
遊技機A1からA11及びB1からB4、C1からC16のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機D1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11及びB1からB4、C1からC16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機D2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11及びB1からB4、C1からC16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機D3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、液晶表示装置等の表示装置で各種演出(変動表示や予告表示など)を行ったり、液晶表示装置の演出内容に連動させて役物を稼働させたり、LEDなどを点灯させて、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機が知られている。表示装置で行われる各種演出の1つは、始動口に遊技球が入賞することで開始される演出であり、具体的には、始動口に遊技球が入賞した場合に、表示装置の画面上で図柄等のスクロールを開始し、その後、スクロール中の図柄等を順次停止表示させる変動表示である。かかる変動表示において、予め定めた図柄等の組み合わせで停止表示すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、大当たり、確変状態を期待できるステージやモード)に移行し、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
また、表示装置、役物およびLED等で行われる変動表示は、始動口に遊技球が入球した場合に取得される各種乱数値などに基づいて、遊技の主たる制御を行う主制御装置で設定される。そして、表示装置、役物およびLED等により変動表示を実行するタイミングになると、主制御装置から副制御装置へ制御信号が出力され、その副制御装置により表示装置の表示、役物の稼働およびLEDの点灯等が制御されて、変動表示が行われるように構成されている(例えば、特許文献:特開2003−164595号公報)。
パチンコ機は、電子機器であり電源のスイッチ回路や高周波回路を有しているのでノイズが発生し易いと共に、プラスチック部材と金属部材との接触や擦れなどにより静電気も溜まりやすい環境下に置かれている。そのため、主制御装置から副制御装置に入力される制御信号が、ノイズや静電気(以下「ノイズ等」と称す)の影響により内容が破壊され、異なる内容の制御信号となってしまう可能性がある。よって、主制御装置が制御信号により指示した演出内容と、副制御装置により実際に行われた演出内容とが異なる場合があるという問題点があった。
特に、パチンコ機は、遊技者に所定の遊技価値を付与するものなので、主制御装置における各種乱数値などの値が所定の遊技価値を付与しないものであるのに、ノイズ等の影響によって制御信号の内容が破壊され、副制御装置により表示装置に予め定めた図柄が停止表示された場合には、表示装置の停止結果が所定の遊技価値を付与するものであるのに対し、実際には所定の遊技価値が付与されないので、遊技者に不快感を与えると共にパチンコ機の信頼性が損なわれるという問題点が生じる。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、ノイズ等の影響によって制御信号の内容が破壊された場合であっても、遊技者に不快感を与えることを抑制できると共に遊技機の信頼性が損なわれることを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与されるものであり、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を記憶する主記憶手段と、その主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号を、前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により前記始動制御信号が出力された後であって前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、前記主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた演出制御信号を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記始動制御信号が入力された場合に、その始動制御信号を記憶する副記憶手段と、その副記憶手段に記憶される始動制御信号と、その始動制御信号の入力後に入力される演出制御信号とが対応するものであるかを判別する信号判別手段と、その信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであると判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出を前記表示手段で行う第1演出実行手段と、前記信号判別手段により前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するものでないと判別された場合に、前記演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出を行う第2演出実行手段とを備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を示す表示態様情報、及び、その表示態様の変動演出の終了後に付与される遊技価値を示す遊技価値情報を含む始動制御信号を前記始動情報に基づいて生成する始動信号生成手段と、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様と、前記所定の遊技価値を付与するか否か及び前記所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値とを前記始動情報に基づいて設定し、その設定された表示態様および遊技価値に対応した変動演出の開始を指示する場合に前記副制御手段に出力される演出制御信号を生成する演出信号生成手段とを備え、前記副制御手段の信号判別手段は、前記演出制御信号により指示される表示態様と前記始動信号生成手段に含まれる表示態様情報により示される表示態様とが対応するかの第1の判別、及び、前記演出制御信号により指示される遊技価値と前記始動信号生成手段に含まれる遊技価値情報により示される遊技価値とが対応するかの第2の判別を実行可能に構成されている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記演出信号生成手段は、前記表示手段で行われる変動演出の表示態様を指示する第1の演出制御信号を生成すると共に、前記所定の遊技価値を付与するか否か及び前記所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値を指示する第2の演出制御信号を生成し、前記第2出力手段は、前記第1及び第2の演出制御信号に対して順序付けをして前記副制御手段に出力するものであり、前記副制御手段は、前記第1及び第2演出制御信号が入力したかを判別する入力判別手段を備え、前記信号判別手段は、前記入力判別手段により前記順序付けが後となる演出制御信号が少なくとも入力されたと判別された場合に、前記始動制御信号と演出制御信号とが対応するかを判別するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、主制御手段では、始動条件の成立が検出手段により検出された場合に、主記憶手段に記憶される始動情報に基づいた始動制御信号が副制御手段に出力されると共に、表示手段で変動演出を開始させる場合に、始動情報に基づいた演出制御信号が副制御手段に出力される。一方、副制御手段では、入力された始動制御信号が副記憶手段に記憶され、その記憶された始動制御信号と、その後に入力される演出制御信号とが信号判別手段により判別される。そして、判別手段による判別の結果、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものであれば、演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われ、始動制御信号と演出制御信号とが対応するものではなければ、演出制御信号に基づいた変動演出とは異なる所定の変動演出が行われる。
よって、始動制御信号および演出制御信号は、始動条件の成立が検出された場合、及び、実際に変動演出が行われる場合との異なるタイミングで副制御手段に入力され、その両制御信号が対応するものであれば演出制御信号に基づいた変動演出が表示手段で行われる一方、両制御信号が対応するものでなければ所定の変動演出が表示手段で行われる。従って、例えば、主制御手段から出力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものではなく、ノイズ等の影響によって破壊されて副制御手段に入力された演出制御信号が予め定めた表示態様で識別情報を停止表示させるものである場合に、表示手段に予め定めた表示態様で識別情報が停止表示されることを防止できる。即ち、表示手段に予め定めた表示態様の識別情報が停止表示されたにもかかわらず、所定の遊技価値が遊技者に付与されない状態が発生しないので、遊技者が不快感を感じることを抑制できるし、遊技機の信頼性が損なわれることも抑制できるという効果がある。
なお、始動制御信号は、演出制御信号と同様に、表示手段で行われる変動演出を指示可能な情報(データ)を含むように構成としても良いし、演出制御信号により指示されうる変動演出を表示態様毎に区分けし、その区分けされた区分を示す情報を含むものとしても良い。さらに、始動制御信号は、変動演出の表示態様を示す情報に加えて、停止表示すべき識別情報の表示態様を示す情報を含むものとしても良い。
また、始動制御信号は、本実施の形態の入賞時コマンドが該当し、演出制御信号は、本実施の形態の変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが該当する。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、表示手段で行われる変動演出の表示態様を示す表示態様情報、及び、その表示態様の変動演出の終了後に付与される遊技価値を示す遊技価値情報を含む始動制御信号が始動情報に基づいて生成されると共に、表示手段で行われる変動演出の表示態様と、所定の遊技価値を付与するか否かおよび所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値とを設定し、その設定された表示態様および遊技価値に対応した変動演出の開始を指示する場合に出力される演出制御信号が始動情報に基づいて生成される。また、副制御手段の信号判別手段は、演出制御信号により指示される表示態様と始動信号生成手段に含まれる表示態様情報により示される表示態様とが対応するかの第1の判別、及び、演出制御信号により指示される遊技価値と始動信号生成手段に含まれる遊技価値情報により示される遊技価値とが対応するかの第2の判別を実行可能に構成されている。よって、始動制御信号と演出制御信号とが対応しているかの判別を、変動演出の表示態様と付与される遊技価値とで行えるので、表示手段で行われる1の変動演出を開始するために出力される演出制御信号が、ノイズ等の影響により破壊された可能性があるか否かを詳細に判別することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段からは、表示手段で行われる変動演出の表示態様を指示する第1の演出制御信号と、所定の遊技価値を付与するか否か及び所定の遊技価値が付与される場合に付与される遊技価値を指示する第2の演出制御信号とが順序付けされて出力され、副制御手段では、順序付けが後となる演出制御信号が入力したと判別された場合に、始動制御信号と演出制御信号とが対応するかが判別される。よって、表示手段で行われる1の変動演出を開始するために出力される2つの演出制御信号が副制御手段に入力された状態で、始動制御信号と演出制御信号とが対応しているかを判別できるので、始動制御信号と演出制御信号との対応を判別する処理を一回の処理で実行可能となり、副制御手段での処理を効率良く行うことができるという効果がある。