<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41の内部構造については後で詳細に説明するが、図柄表示装置41の表示画面には、複数種の図柄が変動表示される変動表示領域が複数設定され、各変動表示領域において図柄の変動表示が行われる。例えば複数種の図柄が所定の順序で配列された図柄列が上、中及び下に並べて設定され、各図柄列において複数種の図柄が表示されるとともに、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
図柄表示装置41について図5を用いて説明する。図5は、図柄表示装置41の分解斜視図である。
図5に示すように、図柄表示装置41は表示画面Gを構成する液晶表示ユニット101と、当該液晶表示ユニット101を収容するケース体102と、を備えている。液晶表示ユニット101は、全体として略直方体形状をなしており、複数の部材が重なり合うことで構成されている。
ケース体102は、液晶表示ユニット101が入り込み可能な大きさの前面枠111と、当該前面枠111と協働して液晶表示ユニット101を収容可能な空間を区画形成するベース部材112を備えている。前面枠111には後方(ベース部材112側)に向けて起立した第1周壁部111aが設けられており、当該第1周壁部111aに対応させて、ベース部材112には前方(前面枠111側)に向けて起立した第2周壁部112aが設けられている。第1周壁部111a及び第2周壁部112aは、前面枠111とベース部材112とが重ねあわされた場合に、突き合わさるように形成されている。これにより、前面枠111とベース部材112とが重ね合わせられることで、第1周壁部111aと第2周壁部112aとが突き合わせられ、液晶表示ユニット101が収容可能な空間が形成される。そして、当該空間内に液晶表示ユニット101が収容された状態で両者がビス止め固定されている。
第1周壁部111a及び第2周壁部112aは液晶表示ユニット101に対応させて形成されており、具体的には各周壁部111a,112aの内壁面が液晶表示ユニット101の縁部と当接するように形成されている。これにより、液晶表示ユニット101は各周壁部111a,112aに対して隙間が生じない状態で囲まれた状態で収容されているため、ケース体102に対する液晶表示ユニット101の位置ずれが抑制されている。
図柄表示装置41は前面枠111側が前面となるように配置されており、前面側から液晶表示ユニット101が視認できるように形成されている。具体的には、前面枠111の前面側には、前面枠111とベース部材112とが重なり合うことにより形成された内部空間を開放する開口部113が形成されている。開口部113は表示画面の大きさに対応させて矩形状をなしており、当該開口部113を介して液晶表示ユニット101が視認可能となっている。
ここで、開口部113の大きさは、液晶表示ユニット101よりも小さくなるように形成されている。これにより、液晶表示ユニット101が開口部113周縁と当接し、液晶表示ユニット101の前面側への移動が規制される。
液晶表示ユニット101は、光が透過することによって画像を表示する透過型の液晶パネル121と、当該液晶パネル121の後方に配置され、液晶パネル121に対して光を供給するバックライト基板122と、を備えているとともに、バックライト基板122から液晶パネル121への光を制御する光制御パネル123を備えている。これらは、前面側(遊技機前方から見て手前側)から背面側(遊技機前方から見て奥側)に向けて液晶パネル121、光制御パネル123、バックライト基板122の順に配置された状態で一体化されている。
詳細には、バックライト基板122と光制御パネル123との間には両者を接着する第1シール部材124が形成されているとともに、液晶パネル121と光制御パネル123との間には両者を接着する第2シール部材125が設けられている。各シール部材124,125は、熱硬化性のエポキシ樹脂であり、図5に示すように、液晶パネル121、光制御パネル123、バックライト基板122の外縁に対応させて矩形枠状に形成されている。
第1シール部材124による接着方法について説明すると、第1シール部材124の一部を液晶パネル121の外縁に描画するとともに、第1シール部材124の一部を光制御パネル123の外縁に描画する。当該描画はパターニングで行ってもよいし、予めスクリーン版をセットしておき、その版の上に液状のシール部材を塗布し、スキージ(へら)で押し出すことによって形成してもよい。
上記描画が完了したら、両者の位置合わせを行いながら両者を貼り合わせる。貼り合わせの完了後、熱処理を行うことで第1シール部材124を硬化させる。これにより、両者の相対位置関係が規定された状態で一体化される。第2シール部材125は、接着の対象が異なる点を除いて、第1シール部材124と同様であるため、説明を省略する。
液晶パネル121は、光制御パネル123を介してバックライト基板122から光が照射されることにより画像を表示するように構成されている。
上記画像の表示に係る各構成の詳細について図6及び図7を用いて詳細に説明する。図6は液晶表示ユニット101において画像が表示される箇所の断面構造を説明するための模式図であり、図7(a)は液晶パネル121の正面図であり、図7(b)は液晶パネル121の画素構造を説明するための説明図であり、詳細には遊技機前方から見て奥側に配置されているガラス基板131のパターニング構造を示す模式図である。なお、説明の便宜上、図6では寸法を変更して示す。
図6に示すように、液晶パネル121は、透明性を有する基板として一対のガラス基板131,132を備えている。両ガラス基板131,132は所定の間隔を隔てて対向配置されており、両ガラス基板131,132の間には両者に挟まれるようにして画像表示用液晶層133が設けられている。画像表示用液晶層133は、図示しないシール部材によって封入されている。液晶パネル121において正面視で画像表示用液晶層133の存在する領域が表示領域134となっている。表示領域134は開口部113と同一の大きさに形成されており、開口部113を介してほぼ全域が視認可能となる位置に設けられている。当該表示領域134が表示画面Gに相当する。なお、透明性を有する基板としてはガラス基板に限定されることなく、アクリル樹脂系等の有機高分子などでもよく、撓み変形可能なフレキシブル基板でもよい。
表示領域134には複数の画素がマトリックス状に形成されている。詳細には、ガラス基板131の表面には電極がマトリクス状に張り巡らされており、図7(a)に示すように、X方向(遊技機左右方向)に沿って形成され、Y方向(遊技機上下方向)に等間隔に配置された複数のゲートライン141が設けられているとともに、当該ゲートライン141に対して直交する方向に沿って形成されたソースライン142が設けられている。これらゲートライン141及びソースライン142によって1画素が区画形成されている。詳細には、1画素は、図7(b)に示すように、複数(具体的には3つ)のサブ画素から構成されており、ゲートライン141及びソースライン142によって区画形成される領域を3つで1画素となっている。各サブ画素の構造は後述するカラーフィルタの構造を除いて同一となっている。
なお、表示領域134に800×480の画素が形成されるようにソースライン142及びゲートライン141が形成されている。このため、液晶パネル121は800×480ピクセルの解像度を有している。
一対のガラス基板131,132の外側にはそれぞれ偏光板151,152が設けられているとともに、遊技機前方から見て手前側のガラス基板132と画像表示用液晶層133との間には所定の範囲の波長の光を透過し、その他の波長の光を吸収するカラーフィルタ153が設けられている。画素毎に画像表示用液晶層133に対して印加(付与)する電圧を制御することで、各画素内における光の透過率が調整(変更)されるとともに透過する光がカラーフィルタ153で着色され、表示領域134(表示画面)にカラー画像が表示される。
各構成について具体的に説明すると、画像表示用液晶層133には、ネマティック型の液晶分子161が含まれているとともに、当該液晶分子161を配列させる一対の配向膜162,163が設けられている。両配向膜162,163はポリイミド系の樹脂で構成されており、画像表示用液晶層133を挟むようにして対向対置されている。各配向膜162,163には液晶分子161が一列に並ぶような溝が形成されている。当該溝はその方向が互いに90度となるように形成されている。
かかる構成の配向膜162,163の間に液晶分子161が含まれている液晶材を封入すると、液晶分子161が各配向膜162,163の溝に沿って配列する。これにより、液晶分子161は、表示領域134に対して(両ガラス基板131,132の板面に沿った方向に対して)水平配向される。この場合、両配向膜162,163それぞれに形成されている溝の方向が直交しているため、液晶分子161は両配向膜162,163間で90度ねじれている。画像表示用液晶層133に対して垂直方向に(ガラス基板131,132が向き合う方向に)電圧が印加された場合、液晶分子161は分極して垂直配向する。
なお、両配向膜162,163の間には、柱状をなした柱状スペーサ164が設けられている。柱状スペーサ164は柱状に形成されており、ソースライン142に重なるように所定の間隔を隔てて複数形成されている。柱状スペーサ164の高さ寸法は一定に設定されており、当該柱状スペーサ164を介して配向膜162,163が配置されている。これにより、画像表示用液晶層133の厚さ寸法が柱状スペーサ164によって一定に設定されている。すなわち、柱状スペーサ164は、画像表示用液晶層133の厚みを均一にするものである。
また、柱状スペーサ164は、パターニング整形が行ない易いとともに汚れの影響が比較的少ない樹脂膜で形成されている。この場合、液晶表示ユニット101に対して遊技球が衝突した場合にその衝撃に耐えることができるように、柱状スペーサ164の大きさ(外径)及び設置間隔が設定されている。これにより、仮に遊技が行われている場合に液晶表示ユニット101に対して遊技球が当たった場合であっても、液晶表示ユニット101が壊れないようになっている。つまり、柱状スペーサ164は液晶表示ユニット101を補強するものとして機能するように形成されている。この場合、衝撃保護シート等の補強部材を別途設ける構成と比較して、補強部材によって生じる光の損失分だけ表示画面の輝度を高輝度にすることができる。
なお、柱状スペーサ164の形状は柱状に限られず、例えば球状、直方体状でもよい。また、樹脂膜でなく、他の材質を用いてもよい。要は画像表示用液晶層133の厚みを均一にするとともに、遊技球の衝撃に耐えることのできる強度を確保するものであればよい。
両偏光板151,152は、予め定められた一方向に振動する光のみを透過するし、それ以外の光を遮断するように構成されている。具体的には、両偏光板151,152は、高分子フィルム(ポリビニルアルコール)に対してヨウ素化合物(ヨウ素分子)が添加し、当該フィルムに対して一方向に引張力を付与することによって形成される。これにより、ヨウ素分子は引張方向に規則正しく配列される。この場合、各偏光板151,152に対して光が入り込むと、ヨウ素分子の長軸と平行な光が吸収される一方、ヨウ素分子の長軸に対して直交する方向の光がヨウ素分子を通過する。各偏光板151,152は互いの透過軸が直交するように一対のガラス基板131,132に対して貼り付けられている。
かかる構成によれば、画像表示用液晶層133に対して電圧が印加されていない状況においては、画像表示用液晶層133の液晶分子161は90度ねじれた状態で水平配向されているため、奥側から手前側に向けて進む光のうち奥側の偏光板151を通過した光は画像表示用液晶層133を通過する際に90度回転する(旋光現象)。これにより、透過光が手前側の偏光板152の透過軸と一致するため、透過光は偏光板152を通過し、その画素において白表示が行なわれる(透過状態)。この場合、カラーフィルタ153によって特定の波長の光が吸収されると、吸収されなかった波長の光がその画素において視認される。これにより、当該画素において上記波長に対応した色表示(カラー表示)が行われることとなる。
一方、画像表示用液晶層133に対して垂直方向に(両ガラス基板131,132が向き合う方向に)電圧が印加された場合、画像表示用液晶層133の液晶分子161は電圧の印加方向に沿って垂直配向する。これにより、奥側から手前側に向けて進む光のうち偏光板151を透過した透過光はそのまま偏光板152に到達し、当該偏光板152にて吸収される。よって、画素は黒表示が行われる(遮蔽状態)。
以上のことから、画像表示用液晶層133に対する電圧の印加に伴って、液晶分子161が水平配向から垂直配向に移り変わることで、白表示(明)→黒表示(暗)に切り換わる。換言すれば、透過率が高い状態から低い状態に変化する。
かかる方式は、液晶表示における他の方式と比較して、開口率(1画素において光が透過する面積と画素全体の面積との比率)を大きく確保し易いとともに安価である一方、視野角が狭い。しかしながら、一般的に遊技者はパチンコ機10の正面に座り、表示画面Gを正面から見る。このため、表示画面Gを斜めから見ることは稀であるため、遊技において視野角が狭いことによる不都合は生じにくい。したがって、かかる方式を用いることによって生じ得る不都合を回避しつつ、高輝度な光を確保することができる。
また、各偏光板151,152の信頼性を向上させるために各偏光板151,152に対してアセテート系樹脂からなる基板フィルムを貼り付けてもよい。この場合、基板フィルムの表面に凹凸が形成されないように平坦化処理を施しておくとよい。これにより、各偏光板151,152によって生じ得る画像の濃淡ムラを抑制することができる。さらに、基板フィルムは紫外線吸収性を有しているとよい。これにより、各偏光板151,152に含まれるヨウ素化合物の紫外線劣化を抑制し得る。
また、基板フィルムの他に、各偏光板151,152の表面凹凸及び基板フィルムの表面凹凸が形成されるのを抑制すべく、これらを覆う保護フィルムを設けてもよい。
なお、図面の関係上、カラーフィルタ153とガラス基板132とを離間して表示したが、実際にはガラス基板132における画像表示用液晶層133側にカラーフィルタ153が蒸着されている。
次に、画像表示用液晶層133に対して電圧を印加する構成について説明する。
画像表示用液晶層133に対して電圧を印加する構成として、遊技機前方から見て手前側のガラス基板132には透明性の導電材料で形成された共通電極171が設けられている。共通電極171は酸化インジウムスズ(ITO)で構成されており、表示領域134の大きさと同一に形成されている。共通電極171はカラーフィルタ153を覆うように形成されている。
共通電極171に対応させて、遊技機前方から見て奥側のガラス基板131上には、図6及び図7に示すように、画素電極172が形成されている。画素電極172は、共通電極171と同様に透明性の導電性材料で構成されており、具体的には酸化インジウムスズ(ITO)で構成されている。画素電極172はサブ画素に対応した大きさに形成されており、具体的にはサブ画素よりも若干小さく矩形状に形成されている。なお、説明の便宜上、以降の説明において画素電極172が設けられている側のガラス基板131をアレイ基板131、カラーフィルタ153及び共通電極171が設けられている側のガラス基板132をCF基板132という。アレイ基板131は遊技機前方から見て奥側に配置されており、CF基板132は遊技機前方から見て手前側に配置されている。換言すれば、アレイ基板131はバックライト基板122側に配置されている。
画素電極172に対する電圧の制御を行うことで、当該画素電極172と共通電極171との間に配置されている画像表示用液晶層133の配向制御を行うようになっている。上記画素電極172への電圧制御は、画素電極172の隅角部を切り取ることで形成された領域に設けられた薄膜トランジスタ173によって行われる(図7(b)参照)。
薄膜トランジスタ173の構造について図8を用いて説明する。図8は、薄膜トランジスタ173の構造を示す断面図である。なお、説明の便宜上、各層の厚さ寸法は変更して示す。
図8に示すように、薄膜トランジスタ173は、アレイ基板131の上に形成されたベース膜181を備えている。当該ベース膜181上にチャネルとしてのポリシリコン層182が形成されている。ポリシリコン層182は、ベース膜181上にアモルファスシリコンを堆積させ、当該アモルファスシリコンをエキシマレーザーアニールすることで形成される。当該ポリシリコン層182は、キャリアの移動度がアモルファスシリコンのそれよりも大きいため、ポリシリコン層182をチャネルとして用いることにより、薄膜トランジスタ173の高速スイッチングが可能となっている。
ポリシリコン層182の上には絶縁膜183が形成されているとともに、ポリシリコン層182と協働して絶縁膜183を挟むようにしてゲート電極184が形成されている。絶縁膜183はシリコン酸化膜よりも高誘電率材料で形成されており、例えばSiNで形成されている。ゲート電極184の幅寸法(ゲート電極184とポリシリコン層182とが向き合う方向とは直交する方向の長さ寸法)はポリシリコン層182よりも小さく設定されている。ゲート電極184は画素を区画形成するゲートライン141に接続されており、当該ゲートライン141に対して電圧が印加された場合には、ゲート電極184からポリシリコン層182に対して電界が付与される。
さらに、絶縁膜183及びゲート電極184を覆うようにして第1保護膜185が形成されている。第1保護膜185はシリコン酸化膜であり、当該第1保護膜185によってゲート電極184及び絶縁膜183への不純物の混入が抑制されている。
第1保護膜185の上にはソース電極186及びドレイン電極187がそれぞれ形成されている。ソース電極186及びドレイン電極187はポリシリコン層182と接続されている。具体的には、ポリシリコン層182においてゲート電極184に覆われていない領域には、不純物ドーピングによってn型の高濃度領域188,189が形成されており、これら高濃度領域188,189とのコンタクトを確保するために、各絶縁膜183、第1保護膜185には一対のコンタクトホール190,191が形成されている。ソース電極186はコンタクトホール190を埋めるように形成されており、当該コンタクトホール190を介して高濃度領域188と接続されているとともに、ドレイン電極187はコンタクトホール191を介して高濃度領域189と接続されている。
ソース電極186はソースライン142と電気的に接続されているとともに、ドレイン電極187は画素電極172に対して接続されている。ドレイン電極187と画素電極172との接続について具体的には、ソース電極186及びドレイン電極187の上には、これら各電極186,187を保護するとともに平坦化を図る第2保護膜192が形成されている。第2保護膜192は絶縁性物質からなり、具体的にはシリコン酸化膜である。第2保護膜192においてドレイン電極187を覆う箇所にはコンタクトホール193が形成されており、当該コンタクトホール193を介してドレイン電極187と接続するように画素電極172が形成されている。
かかる構成によれば、ソース電極186及びドレイン電極187間に電圧が印加されている状況においてゲート電極184に閾値電圧以上の電圧が印加されると、薄膜トランジスタ173がオン状態となり、チャネル層としてのポリシリコン層182を介してソース電極186及びドレイン電極187間に電流が流れる(以降、単にドレイン電流という)。当該ドレイン電流によって画素電極172及び共通電極171間に所定の電圧が印加されることとなり、液晶分子161に対して各電極171,172が向き合う方向の電界が印加される。これにより、液晶分子161の配向が変化し、光の透過率が変化する。
特に、画素を通過する光の透過率(詳細には液晶分子161の配向角度)は、当該液晶分子161に対して印加される電界の強さに依存する。当該電界の強さはドレイン電流の大きさに依存し、当該ドレイン電流はゲート電圧及びソース・ドレイン間電圧に依存する。このため、薄膜トランジスタ173のゲート電圧及びソース・ドレイン間電圧を制御することによって、画素を通過する光の透過率を制御することができる。これにより、色の濃淡を表現することが可能となる。
また、チャネル層としてアモルファスシリコンよりもキャリア移動度が高いポリシリコン層182を用いているため、薄膜トランジスタ173の応答性が向上する。これにより、遊技において高速の画面表示の切換を行う場合に、当該切換に容易に対応することが可能となる。したがって、遊技において表示画面を高速に切り換える表示演出を好適に実行することが可能となる。
さらに、ポリシリコン層182を設けた後に絶縁膜183及びゲート電極184を設ける構成としたため、ポリシリコン層182を形成した段階で不純物ドーピングを行うことが可能となっている。これにより、ポリシリコン層182のドーピング濃度を調整することで、薄膜トランジスタ173の閾値電圧を制御することが可能となる。よって、薄膜トランジスタ173を画素のスイッチング素子として用いるだけでなく、CMOS回路として用いることも可能となる。したがって、後述する各種ドライバ回路をアレイ基板131に作成することが可能となる。
さらには、不純物ドーピングを行うことで一対の高濃度領域188,189を形成することができる。これら高濃度領域188,189を形成することで、チャネル長を短くすることができるとともに、ソース電極186及びドレイン電極187に対して良好なコンタクトを確保することが可能となる。これにより、薄膜トランジスタ173において生じ得る発熱量を削減することができるとともに、スイッチング速度の向上を図ることができる。よって、遊技ホールにおいてパチンコ機10が並設して配置する状況においても、発熱による故障の発生を抑制し得る。
一般に、遊技ホールにおいてはパチンコ機10を複数台並べて配置するとともに、背面側が向き合うようにして配置する。この場合、パチンコ機10の背面側に設けられている図柄表示装置41から発熱すると、背面側の空間の温度が高くなり、正常な表示が行われなくなるばかりか、各種機器に対して悪影響を与えるおそれがある。当該おそれは、図柄表示装置41の表示画面Gが大きくなるほど高まる。これに対して、本実施形態によれば、薄膜トランジスタ173において生じる発熱量が抑制されており、当該発熱量の全体の削減量は薄膜トランジスタ173が多くなるほど(表示画面Gが大きくなるほど)大きくなる。これにより、発熱によって生じ得る不都合を抑制し得る。
特に、大当たり判定等の遊技に関する主たる制御を行う主制御装置81は図柄表示装置41の背面側に配置されている。このため、図柄表示装置41の発熱の影響により主制御装置81において誤動作が発生する場合がある。これに対して、本実施形態によれば、図柄表示装置41の発熱が抑制されているため、主制御装置81の誤動作が抑制されている。
なお、例えばスロットマシンにおいては筐体に各種機器が収容されているため、発熱による温度上昇がパチンコ機10よりも顕著になる。このため、上記発熱量を抑制することで、筐体に収容されている各種機器の誤動作を抑制することができる。
また、薄膜トランジスタ173の構成に関しては、これに限られず、先にゲート電極を作成し、その後酸化膜、チャネル層、コンタクトを形成する構成としてもよい。この場合、チャネル層に対して不純物ドーピングを行う場合に酸化膜に対してダメージを与えるおそれがあるため、不純物ドーピングが困難となる。当該点を鑑みれば、先にチャネル層を形成する構成のほうが優れている。
また、チャネル層としてはポリシリコン層182に限られず、アモルファスシリコンでもよい。この場合、チャネル層を容易に形成することができる。
次に、表示領域134の周辺構成について説明すると、図7(a)に示すように、アレイ基板131の面積はCF基板132よりも大きく設定されている。このため、アレイ基板131において表示領域134の周囲にはスペースが形成されている。当該スペースには、ソースライン142を介して各画素に設けられた薄膜トランジスタ173のソース・ドレイン間に電圧を印加するソースドライバ回路201が設けられているとともに、ゲートライン141を介して各画素に設けられた薄膜トランジスタ173のゲート電極184に対して電圧を印加するゲートドライバ回路202が設けられている。これらは、先に説明した薄膜トランジスタ173等を用いたCMOS回路から構成されており、アレイ基板131上に構築されている。当該CMOS回路で用いられるp型の薄膜トランジスタは、高濃度領域188,189に対してドーピングする物質を代えることで容易に作成することができる。各ドライバ回路201,202をアレイ基板131上に形成することにより、各ドライバ回路201,202と各ライン141,142とを接続するための配線等が必要ないため、接続する構造に起因する故障の低減を図ることができるとともに、図柄表示装置41の小型化を図ることができる。
なお、ソースドライバ回路201及びゲートドライバ回路202の構成についてはこれに限られず、例えばパッケージ化されたチップを接続手段としてのフレキシブル配線を介して接続する構成としてもよいし、接続手段としての銀ペースト等を用いてチップをアレイ基板131に直接実装する構成としてもよい。
次に、カラーフィルタ153について説明する。カラーフィルタ153は各画素の大きさに対応した領域を区画形成するブラックマトリックス211(以降、単にBM211という)を備えている。BM211は光を吸収し遮光する遮光性材料からなり、画素電極172と重ならないように形成されている。具体的には、BM211はソースライン142及びゲートライン141と重なるように設けられており、マトリックス状に形成されている。
当該BM211によって1画素に対応した領域が形成されおり、当該領域には、特定範囲の波長の光のみを透過する一方、それ以外の波長の光を吸収するカラー領域が形成されている。具体的には、R(赤)に対応した波長(約600nm〜)の光を透過するR領域212と、G(緑)に対応した波長(約500nm〜約600nm)の光を透過するG領域213と、B(青)に対応した波長(約400nm〜約500nm)の光を透過するB領域214と、が形成されている。この場合、各領域212,213,214間の隙間を埋めるようにBM211が形成されているともいえる。
各領域212,213,214は画素電極172と略同一の大きさに形成されており、画素電極172、画像表示用液晶層133及び共通電極171を介して透過した光は、上記各領域212,213,214を介して外部に視認される。この場合、各領域212,213,214に対応した波長の光のみがそれぞれ透過し、それらが混合することによってカラー表示が実現される。例えば、R領域212が形成されているサブ画素の透過率を、他のサブ画素の透過率よりも高く設定すると、その画素において赤系の色が表示される。
ここで、各領域212,213,214の透過率を最大にすると、3色が混合した白表示が行なわれる一方、各領域212,213,214の透過率を最小にすると黒表示が行なわれる。換言すれば、白表示とは、1画素内の各サブ画素において光の透過率が最大となる完全透過状態に設定された場合に表示されるものであり、黒表示とは、1画素内の各サブ画素において光の透過率が最小となる完全遮蔽状態に設定された場合に表示されるものであるとも言える。また、色表示は、1画素内の各サブ画素の透過率を調整することによって表示されるものであり、色表示が行なわれている状況における画素全体の透過率は白表示が行なわれる場合の画素と比較して低くなる。
BM211のパターン形状について詳細に説明すると、BM211は各領域212,213,214間の隙間を埋めるように形成されているため、画素間の隙間から漏れた光はBM211によって吸収される。これにより、光漏れによるコントラストの低下が抑制されている。
この場合、既に説明したとおり、画像表示用液晶層133における柱状スペーサ164はソースライン142に沿って形成されているため、BM211は柱状スペーサ164上に形成されている。すなわち、ソースライン142上に柱状スペーサ164及びBM211が形成されている。これにより、これら柱状スペーサ164及びBM211が画素からの光を阻害しにくい。よって、画素の開口率を低下させること無く、これら柱状スペーサ164及びBM211を設けることによる効果を得ることができる。
また、BM211は、薄膜トランジスタ173を覆うようにソースライン142から一部はみ出して形成されている。これにより、前面側(偏光板152側)から薄膜トランジスタ173に対して入射する光がBM211によって吸収される。これにより、薄膜トランジスタ173に対して光が照射されることによって、薄膜トランジスタ173のリーク電流が大きくなり、コントラストが低下する不都合を抑制し得る。
次に、上記液晶パネル121に対して光を照射するバックライト基板122について図9を用いて説明する。図9(a)はバックライト基板122の正面図であり、図9(b)は発光ユニット221の断面構造を模式的に示す模式図である。
図9(a)に示すように、バックライト基板122には複数の発光ユニット221が設けられた発光領域222を備えている。発光領域222は表示領域134と同一の大きさに形成されており、これら発光領域222と表示領域134とは液晶表示ユニット101が一体化されている状態において重なり合うようにその位置関係が設定されている。
発光ユニット221は発光領域222内において等間隔に配列されている。各発光ユニット221は、発光領域222とは異なる領域に設けられたLEDドライバ回路223に対して接続されている。LEDドライバ回路223は、各発光ユニット221に対して当該発光ユニット221が動作可能な駆動電圧を供給するように構成されており、発光ユニット221はLEDドライバ回路223から上記駆動電圧が印加された場合に白色光を発光するように構成されている。
発光ユニット221の詳細な構成について図9(b)を用いて説明する。なお、各発光ユニット221の構成は同一であるため、1の発光ユニット221のみについて説明する。また、配線については省略する。
図9(b)に示すように、発光ユニット221は、発光素子として光の直進性が蛍光灯等の他の照明器具のそれよりも高い青色LEDチップ224を備えている。青色LEDチップ224は、ベース基板としてのサファイア基板と、当該サファイア基板上に形成された発光層と、を備えている。発光層は、p−GaN層、InGaN層、n−GaN層の量子井戸構造を有しており、当該発光層に対して電圧が印加された場合には、上記量子井戸に閉じ込められていたキャリアの再結合が行われ、離散化されたバンドギャップに対応したエネルギーの光が放出される。これにより、発光層の界面から青色発光が行われる。
なお、発光層とサファイア基板との間に反射層を形成する構成としてもよい。これにより、発光層から発光される光のうちサファイア基板側に向けて照射される光が反射層に反射されるため、発光層側における光取り出し効率の向上を図ることができる。
ここで、反射層を設ける具体的な構成としては、サファイア基板に発光層を設け、当該発光層の上にAl,Ag等の反射層を設ける。そして、反射層の上に更にベース基板としてGa基板を貼り付け、サファイア基板を取り除く。これにより、Ga基板上に反射層と発光層とが形成されたLEDチップを得ることができる。この場合、光透過性を有するサファイア基板上に反射層を設ける困難性を回避することができるとともに、サファイア基板を流用することができる。
また、発光層の構造は上記構造に限られず、例えば単純なPN接合でもよい。要は、青色発光することができる構成であれば任意である。但し、量子井戸構造のように発光効率が高いものを用いる構成とするとよい。
発光ユニット221は、青色LEDチップ224を収容するLEDケース225を備えている。LEDケース225は透明性のシリコン樹脂で構成されており、全体として球形状をなしている。LEDケース225は青色LEDチップ224を収容可能な内部空間226を有しており、当該内部空間226内に青色LEDチップ224が収容されている。当該内部空間226は完全な閉空間となっている。
ここで、LEDケース225は球形状をなしているため、青色LEDチップ224からの光の取り出し効率が高められている。すなわち、仮にLEDケース225が青色LEDチップ224を覆うように平板状に形成されている場合、青色LEDチップ224から放射される光の角度によっては、LEDケース225の内壁面において全反射が発生し得る。これにより、青色LEDチップ224からの光の一部がLEDケース225から外へ出ることができなくなるおそれがある。
これに対して、本実施形態ではLEDケース225が球形状をなしているため、LEDケース225を通過する光の入射角を小さくすることができる。これにより、上記全反射の発生を抑制し得る。これにより、全反射によって失われる損失を小さくすることができるため、光取り出し効率の向上を図ることができる。
内部空間226内には、黄色の蛍光体227が封入されている。蛍光体227は、青色の光が照射されると、黄色を発光するように形成されている。これにより、発光ユニット221は、青色と黄色とが混合した色である白色を発光することとなる。
なお、かかる構成の場合、赤色の波長及び緑色の波長の光量は青色と比較して小さい。このため、カラーフィルタ153を介して表示画面Gに画像を表示させる際に上記赤色、緑色を好適に表示させにくい。これに対して、青色が照射されることで赤色発光を行う赤色蛍光体228及び青色が照射されることで緑色発光を行う緑色蛍光体229が全体としての発光色が白色となる範囲内で内部空間226内に混入されている。これにより、白色発光内に赤色成分と緑色成分とが含まれることとなるため、表示画面Gにこれらの色を好適に表示させることができる。よって、青色と黄色とを組み合わせることで白色発光を行う発光ユニット221において生じ得る不都合を回避することができる。
白色発光を行う構成については、これに限られず、例えばR,G,Bそれぞれに対応したLEDを設け、それらを同時に発光する構成としてもよいし、紫外光を発光するLEDを設け、内部空間226内に上記紫外光が照射されることによってR,G,Bの色を発光する蛍光体をそれぞれ封入する構成としてもよい。また、発光ユニット221の構成についてはこれに限られず、周知のLEDを用いてもよい。
上記のバックライト基板122は、光制御パネル123を介して液晶パネル121に対して所定の間隔を隔てた状態で取り付けられており、発光ユニット221から発光された白色光は、光制御パネル123を介して液晶パネル121に対して照射される。
光制御パネル123について図10を用いて説明する。図10(a)は光制御パネル123の正面図、(b)は光制御パネル123のA−A線断面図である。
図10(a)に示すように、光制御パネル123には、表示領域134に対応した領域に光制御領域241が形成されている。光制御領域241は表示領域134と同一の大きさに形成されている。つまり、液晶パネル121の表示領域134、バックライト基板122の発光領域222及び光制御パネル123の光制御領域241は同一の大きさに形成されている。そして、これらの領域134,222,241が重なるように3つの部材が一体化されている。この場合、液晶パネル121、光制御パネル123、バックライト基板122が一体化されている状況において、表示領域134、光制御領域241及び発光領域222が重なるように各領域134,241,222の相対位置関係が設定されている。これにより、液晶パネル121、光制御パネル123及びバックライト基板122が一体化されている状況において各領域134,241,222が重なり合っている。
次に、光制御領域241の内部構造について詳細に説明する。光制御領域241には、図10(a),(b)に示すように、一対のガラス基板251,252が設けられている。これらガラス基板251,252はスペーサ(図示略)を介して互いに離間した位置に配置されており、両者の間には所定の隙間が形成されている。当該所定の隙間には切換用液晶層253が形成されている。切換用液晶層253は、電圧が印加されていない通常状態では入射された光を散乱する散乱状態となっており、電圧が印加されることによって上記散乱状態から入射された光をそのまま透過する透過状態に移行するように構成されている。
具体的には、図10(b)に示すように、切換用液晶層253には、透明性を有する高分子層254と、当該高分子層254と相分離した液晶集合体255と、が設けられている。液晶集合体255は可視光線を散乱可能な大きさに形成されており、具体的には可視光線の波長の略1/10程度の大きさよりも大きく形成されている。
液晶集合体255には複数の液晶分子255aが含まれており、当該複数の液晶分子255aはランダムに配向している。この場合、液晶集合体255と高分子層254との間の屈折率が異なっているため、光が切換用液晶層253に照射された場合には、当該光は上記切換用液晶層253に含まれる液晶集合体255によってレイリー散乱される。
一方、切換用液晶層253に対して電界が印加された場合には、液晶集合体255に含まれる液晶分子255aは電界方向に沿って配向する。これにより、液晶集合体255と高分子層254との屈折率が等しくなる。よって、光が切換用液晶層253に照射された場合には、当該光は散乱されることなく切換用液晶層253を通過することとなる。
ここで、本実施形態では、光制御領域241のうち特定領域に対応した切換用液晶層253に対してのみ電界を印加可能となっている。具体的には、図10(a)に示すように、一対のガラス基板251,252には、切換用液晶層253に対して垂直方向(ガラス基板251,252が向き合う方向)に電圧を印加するものとして第1電極271、第2電極272、第3電極273、第4電極274及び第5電極275が設けられている。第1電極271〜第5電極275は透明性を有する導電性材料で構成されており、具体的には酸化インジウムスズ(ITO)で構成されている。第1電極271〜第5電極275は互いに接触しないように所定の間隔だけ離間させて形成されている。第1電極271〜第5電極275はそれぞれ、光制御パネル123において光制御領域241とは異なる領域に設けられたドライバ回路276に対して透明配線(ITO)を介して個別に電気的に接続されている。ドライバ回路276は、第1電極271〜第5電極275に対して個別に駆動電圧を印加することが可能に構成されており、第1電極271〜第5電極275は、ドライバ回路276から駆動電圧が印加されることによって、当該電極が形成されている領域に電界を印加するように構成されている。
第1電極271〜第5電極275の構成について具体的に説明する。ここで、第1電極271〜第5電極275は外形(電界を印加する領域)が異なる点を除いて同一に構成されているため、第1電極271について説明し、その他の電極については説明を省略する。
第1電極271は、一対のガラス基板251,252のそれぞれに形成された一対の透明電極271a,271bを備えている。透明電極271a,271bは同一の大きさに形成されており、切換用液晶層253を垂直方向に挟むように配置されている。透明電極271a,271bはそれぞれドライバ回路276に対してITO配線を介して電気的に接続されている。
かかる構成によれば、透明電極271a,271b間に電圧が印加されていない状況においては、透明電極271a,271bに挟まれた領域の液晶分子255aは、透明電極271a,271bが設けられていない箇所と同様にランダムに配向しており、当該挟まれた領域が光を散乱する散乱状態となっている。
ドライバ回路276から透明電極271a,271b間に電圧が印加された場合、透明電極271a,271bが向き合う方向(垂直方向)に電界が印加される。これにより、透明電極271a,271bによって挟まれた領域の液晶集合体255の液晶分子255aが垂直方向に配向し、当該挟まれた領域が光を透過する透過状態となる。
以上のことから、第1電極271〜第5電極275に対して電圧が印加された場合には、当該第1電極271〜第5電極275が形成されている領域に対応した切換用液晶層253が散乱状態から透過状態に移行することとなる。この場合、第1電極271〜第5電極275は透過状態となる領域を規定するものとも言える。
ここで、第1電極271〜第5電極275は、遊技において行われる演出に対応させて形成されている。具体的には、図10(a)に示すように、第1電極271〜第5電極275は全体として十字となるように形成されており、第1電極271〜第3電極273によって1方向(横方向)の第1ライン領域281が形成されているとともに第3電極273〜第5電極275によって上記ラインと直交する第2ライン領域282が形成されている。この場合、第1ライン領域281及び第2ライン領域282が交差する箇所が第3電極273の領域となっている。換言すれば、第1ライン領域281及び第2ライン領域282双方に共通する領域に対応付けて第3電極273が形成されている。
また、第1電極271〜第5電極275とバックライト基板122との関係について説明すると、第1電極271〜第5電極275は、バックライト基板122の発光ユニット221の配置に対応させて形成されている。具体的には、各ライン領域281,282が発光ユニット221と重なるように第1電極271〜第5電極275が形成されている。
かかる構成によれば、例えば第1電極271〜第3電極273に対して電圧が印加された場合、第1ライン領域281が散乱状態から透過状態に移行する。これにより、第1ライン領域281の背面側に配置されている発光ユニット221からの白色光が、当該第1ライン領域281を介して液晶パネル121にそのまま照射される。一方、光制御領域241においてその他の領域は散乱状態であるため、当該その他の領域からは散乱された白色光が液晶パネル121に対して照射される。この場合、第1電極271〜第5電極275によって電圧が印加された領域が透過領域であり、電圧が印加されていないその他の領域を散乱領域ということができる。
ここで、液晶パネル121側に配置されたガラス基板252は、上記電極271〜275が形成されている箇所を除いて、すりガラス状に形成されている。具体的には、図10(b)及びその一部拡大図に示すように、ガラス基板252において電極271〜275が設けられていない表面側には、光をランダムに屈折させる屈折用凹凸部283が設けられている。これにより、切換用液晶層253において散乱された光は屈折用凹凸部283によって屈折し、光がより拡散される。よって、光の拡散範囲が大きくなる。
次に、光制御パネル123を介して照射された光と液晶パネル121との関係について図11を用いて説明する。図11は、液晶表示ユニット101を透過する光を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、第1電極271に対しては電圧が印加されておらず、第3電極273に対して電圧が印加されている場合を想定する。
第1電極271に対して電圧が印加されていない状況でバックライト基板122から白色光が照射された場合、当該白色光は第1電極271が形成されている領域の液晶集合体255によって散乱される。これにより、表示領域134において第1電極271と重なり合っている第1電極対応領域D1には散乱された白色光が照射される。この場合、第1電極対応領域D1の各画素において所定のカラー表示が行われるように画像表示用液晶層133の配向が設定されていると、当該第1電極対応領域D1においてカラー画像が映し出されることとなる。
ここで、既に説明したとおり、発光ユニット221の光はLEDの光であるため、光の直進性が冷陰極管等の他の照明器具と比較して高い。このため、当該発光ユニット221の光をそのまま液晶パネル121のバックライトとして用いると、表示領域134(表示画面)上において輝度分布が生じ、いわゆる輝度ムラが生じる。具体的には、表示領域134において発光ユニット221の前面側に配置されている領域が他の領域よりも明るく表示される。これに対して、本実施形態によれば、光制御パネル123によって散乱された光が液晶パネル121に対して照射されることとなる。これにより、輝度ムラが抑制された画像を表示することが可能となる。
一方、第3電極273に対して電圧が印加されている状況においてバックライト基板122から白色光が照射された場合、当該白色光は切換用液晶層253を透過する。これにより、発光ユニット221の光は液晶パネル121において第3電極273と重なり合っている第3電極対応領域D2に対して直接照射される。この場合、第3電極対応領域D2の各画素において入射された光をそのまま透過するように、詳細には完全透過状態となるように各画素の画像表示用液晶層133の配向が設定されていると、当該第3電極対応領域D2において発光ユニット221の白色光がそのまま表示画面Gに表示される。当該白色光の輝度は、散乱されていない分だけ、表示画面Gの他の領域に表示されているカラー画像の光よりも高く、直進性も確保されている。これにより、遊技者に対してインパクトのある光が視認されることとなる。
すなわち、カラー画像を表示する場合、発光ユニット221から照射される白色光を散乱させるとともに、液晶パネル121の各画素において所定の色が表示されるように画像表示用液晶層133において光の透過率を調整する。このため、表示画面Gにて表示される(視認される)光の輝度が発光ユニット221の発光輝度よりも小さくなるとともに、光の直進性が低下する。よって、発光ユニット221の光を遊技者に対して直接的に視認させにくい。
これに対して、本実施形態では、切換用液晶層253の一部を透過状態にすることによって、散乱による光の透過率の低下及び直進性の低下が低減されている。これにより、遊技者に対して発光ユニット221の直接的な光を視認させることができる。換言すれば、表示領域134において視認される光を発光体そのものの光に近づけることができる。これにより、表示領域134においてインパクトのある光の演出を行なうことが可能となる。なお、以降の説明において、散乱状態である切換用液晶層253を介して表示領域134にて視認される光を便宜上間接光といい、透過状態である切換用液晶層253を介して表示領域134にて視認される光を直接光という。直接光は、間接光と比較して、光度が高いとともに、直進性に優れている光である。直接光が視認される位置及び範囲は、電圧を印加する対象となる電極が変更されることにより変化する。
ここで、既に説明したとおり、光制御パネル123と液晶パネル121とは、第1シール部材124を介して配置されており、当該第1シール部材124の分だけ両者の間には所定の隙間が形成されている。これにより、光制御パネル123に設けられている電極271〜275が液晶パネル121の画素電極172及び薄膜トランジスタ173に対して悪影響を及ぼしにくくなっている。
すなわち、仮に光制御パネル123と液晶パネル121とが隙間を形成することなく、接触している場合、画素電極172と電極271〜275(詳細には透明電極271a等)との間で寄生容量が発生し、当該寄生容量に蓄積された電荷によって画像表示用液晶層133に対して電圧が付与された状態が維持され、画像表示用液晶層133の配向の切換速度が低下し、画像の応答速度が低下するおそれがある。また、上記寄生容量に蓄積された電荷によって、第1電極271〜第5電極275に対して電圧を印加していない状況にも関わらず、切換用液晶層253が透過状態となるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、光制御パネル123と液晶パネル121との間に隙間が形成されているため、上記寄生容量に起因する影響を小さくすることができる。これにより、上記不都合を抑制し得る。さらに、この場合、液晶パネル121と光制御パネル123との間にて光の干渉が生じにくくなるため、表示画面Gにおけるモアレの発生を抑制し得る。なお、光制御パネル123と液晶パネル121との間の隙間には、比誘電率がガラス基板252よりも小さい空気層として窒素が封入されている。
なお、図11に示すように、第1電極271及び第3電極273は所定の隙間291を介して形成されているが、当該隙間291は画素間の距離(ソースライン142の幅寸法)と同一程度に設定されている。これにより、仮に第1電極271と第3電極273とに対して電圧が付与された場合であっても当該第1電極271と第3電極273との間の隙間291が目立ちにくくなっている。さらに第1電極271及び第3電極273は、上記隙間291がソースライン142、柱状スペーサ164、BM211が形成されている線上に配置されるように形成されている。これにより、より上記隙間291が目立ちにくくなっている。
<パチンコ機10の電気的構成について>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板301には、MPU302が搭載されている。MPU302は、当該MPU302により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM303と、そのROM303内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM304と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU302が有する機能の一部、例えば、ROM303の機能やRAM304の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU302には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU302の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板305、払出制御装置97及び各種入賞検知センサ311a〜311eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板305には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU302には停電監視基板305を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ311a〜311eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33,34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU302において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU302では、作動口33,34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU302の出力側には、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されており、これらメイン表示部43及び役物用表示部44の表示制御がMPU302により直接行われる。つまり、各遊技回に際しては、MPU302においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU302において役物用表示部44の表示制御が実行される。
また、MPU302の出力側には、停電監視基板305、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM303のコマンド情報記憶エリア303aが参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM303のコマンド情報記憶エリア303aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU302の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板301には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU302は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32の開閉動作が行われるように、MPU302において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU302において電動役物駆動部54bの駆動制御が実行される。また、MPU302によってメイン表示部43の表示制御が実行される。
停電監視基板305は、主制御基板301と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定+24Vの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板301や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。ここで、主制御基板301や払出制御装置97は直流の+24Vで動作するように設計されているため、電源及び発射制御装置98は直流の24V電圧を供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は電源及び発射制御装置98から直流の+24V電圧が印加されることにより動作するように構成されている。音声ランプ制御装置82にはMPU321が搭載されている。MPU321は、当該MPU321により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM322と、そのROM322内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM323と、を備えている。MPU321は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82と電気的に接続されている各ランプ部45,46,63及びスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置331を制御する。これらランプ部45,46,63及びスピーカ部64には音声ランプ制御装置82から動作電力用の直流電圧が供給されている。表示制御装置331では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
表示制御装置331には、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)が搭載されており、VDPは、上記決定された内容等に基づいて、図柄表示装置41の描画を行うための描画信号を作成し、当該描画信号を図柄表示装置41に対して出力する。図柄表示装置41は、上記描画信号が入力されることに基づいて、表示領域134に画像を表示させるとともに、光制御パネル123の第1電極271〜第5電極275の電圧制御を行う。
次に、図柄表示装置41の電気的構成について図13を用いて説明する。図13は、図柄表示装置41の電気的構成を示すブロック図である。
図13に示すように、図柄表示装置41には画像信号処理回路341が設けられている。画像信号処理回路341は、表示制御装置331から描画信号が入力された場合に、液晶パネル121の各画素を制御するLCDデータ信号を出力するとともに、光制御パネル123を制御する光制御信号を出力するように構成されている。
LCDデータ信号と液晶パネル121との関係について詳細に説明すると、図柄表示装置41には、LCDコントローラ342が設けられている。LCDコントローラ342は、画像信号処理回路341と接続されており、画像信号処理回路341から動作電力の供給を受けている。
また、図柄表示装置41にはタイミングコントローラ343及びDC−DCコンバータ344が設けられており、LCDコントローラ342は、上記タイミングコントローラ343を介して液晶パネル121のソースドライバ回路201及びゲートドライバ回路202に接続されているとともに、DC−DCコンバータ344を介して各ドライバ回路201,202に対して接続されている。LCDコントローラ342は、DC−DCコンバータ344に対して動作電力を供給するように構成されており、DC−DCコンバータ344は、上記動作電力が供給された場合に、各ドライバ回路201,202に対して当該ドライバ回路201,202が動作可能な電力を供給するように構成されている。
かかる状況(ドライバ回路201,202が動作可能な状況)において、LCDコントローラ342は、画像信号処理回路341からLCDデータ信号が入力されることに基づいて、タイミングコントローラ343を介して各ドライバ回路201,202の駆動制御を行う。
具体的には、LCDコントローラ342は、LCDデータ信号が入力された場合にタイミングコントローラ343に対して上記入力されたLCDデータ信号に対応した信号を出力する。タイミングコントローラ343は、LCDコントローラ342から入力される信号に基づいて、各ドライバ回路201,202を制御する画素制御信号を生成し、当該画素制御信号を各ドライバ回路201,202に対して出力する。画素制御信号には、例えば各サブ画素に対応した画像表示データ、基準クロック信号及び書き込みのタイミングを調整するためのイネーブル信号等が含まれている。各ドライバ回路201,202は、画素制御信号が入力されることで、各サブ画素の薄膜トランジスタ173に対して上記画素制御信号に対応した電圧(階調化された電圧)を印加する。これにより、各サブ画素の薄膜トランジスタ173がオン状態となり、各画素の液晶分子161は、印加電圧に対応した角度に配向する。当該配向によって光の透過率が調整され、各画素において所定のカラー表示が行われ、表示領域134にカラー画像が表示されることとなる、
次に、光制御信号と光制御パネル123との関係について詳細に説明すると、図柄表示装置41には、光制御パネル123の駆動制御を行う光制御パネル用コントローラ351が設けられている。光制御パネル用コントローラ351は画像信号処理回路341と接続されているとともに、光制御パネル123のドライバ回路276に接続されている。光制御パネル用コントローラ351は、当該画像信号処理回路341から光制御信号が入力されることに基づいて、当該光制御信号に対応した領域が透過状態となるようにドライバ回路276に対して切換制御信号を出力する。
ドライバ回路276は、光制御パネル用コントローラ351から入力された切換制御信号に基づいて、第1電極271〜第5電極275の電圧制御を行う。これにより、表示領域134の輝度と表示領域134に表示される画像との関連付けが可能となる。
以上のことから、表示制御装置331からの画像信号に基づいて、表示領域134に表示される画像の表示制御と、光制御パネル123において透過状態となる領域制御と、を行うことができる。なお、以降の説明において、表示領域134を表示画面Gとも言う。
図柄表示装置41の表示内容について、図14及び図15を参照して詳細に説明する。図14は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図15は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図14(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図15(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図15(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU302は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16に示すように、大当たり発生抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM304の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ304aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ304aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口33,34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア304bに格納される。
保留球格納エリア304bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、作動口33,34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ304aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、作動口33,34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、作動口33,34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには作動口33,34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM303における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア303bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
本パチンコ機10では、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されており、上記大当たり種別カウンタC2を用いてどちらの大当たり結果に当選したかを決定する。
具体的には、ROM303には振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア303cに振分テーブル(振分情報群)が記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。振分テーブルでは、0〜29の大当たり種別カウンタC2の値のうち、0〜9が通常大当たり結果に対応しており、10〜29が確変大当たり結果に対応している。
通常大当たり結果は、開閉実行モードに移行させるとともに、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードに移行させるとともに、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
一方、通常大当たり結果は、開閉実行モードに移行させるとともに、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードである状態をいう。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口33,34に入賞したタイミングで保留球格納エリア304bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、大当たり当選に対応した遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景において所定のキャラクタなどを表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面G内の予め設定された有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図15の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の上図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の下図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかのラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の中図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画像をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM303のリーチ用テーブル記憶エリア303dに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置81において行うのではなく、音声ランプ制御装置82において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをMPU302において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM303の変動表示時間テーブル記憶エリア303e(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで電役保留エリア304cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板301のMPU302における処理構成>
次に、主制御基板301のMPU302により実行される各制御処理を説明する。MPU302では、遊技を進行させるために必要な処理の一部である読み込み処理、遊技回制御処理及び遊技状態移行処理が、タイマ割込み処理と通常処理とに分散して実行している。先ず、タイマ割込み処理について説明した後、通常処理について説明する。
図17は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理はMPU302により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種入賞検知センサの状態を読み込み、これら各種入賞検知センサの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した入賞検知センサ311a〜311eにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。
続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリア304cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS104にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア304cに格納する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口33,34への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア304bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリア304bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
図18は、通常処理を示すフローチャートである。通常処理は、通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS201〜ステップS209の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS210及びステップS211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド等の所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、大当たり当選に対応した遊技回が終了している場合に開閉実行モードへの移行処理を実行し、可変入賞装置32の開閉処理を開始する。なお、開閉実行モードを開始する場合、開閉実行モード中、及び開閉実行モードを終了する場合などに、開閉実行モード用の各種コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。また、開閉実行モードが終了した場合には、当該モードの開始契機となった遊技回に係る大当たり種別に対応させて、当否抽選モードの移行を実行する。
続くステップS205では、デモ表示用処理を実行する。デモ表示用処理では、開閉実行モード中ではない状況で遊技回の終了後において新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、0.1sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。また、MPU302への電力供給が開始されてから又はパチンコ機10がリセットされてから、新たに遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。そして、経過していると判定した場合には、デモ表示用のコマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。
続くステップS206では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM304の電役保留エリア304cに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理などを行う。
その後、ステップS207では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS208では、RAM304に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断の発生が確認された場合に格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS209にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。また、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS208にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM304のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図19のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留球数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア304bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS304にて保留球格納エリア304bの保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。具体的には、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEにシフトする。その後、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる。その後、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS305の変動開始処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報と、現状の当否抽選モードに対応した当否テーブルとを参照して、大当たり当選となるか否かを判定する。
続くステップS402では大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEにシフトされた保留情報のうち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報と、振分テーブルとを参照して、大当たり種別を特定する。
続くステップS404では、大当たり結果に対応した停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM303の停止結果テーブル記憶エリア303fに予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM304に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM304に記憶する。
一方、ステップS402にて、大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS405にて、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM303の停止結果テーブル記憶エリア303fに予め記憶されている外れ時用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM304に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS404又はステップS405の処理を実行した後は、ステップS406にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM304の抽選カウンタ用バッファ304aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果ではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM303に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM304に設けられた変動表示時間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM303に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
ステップS406にて、変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS407にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、通常大当たり結果の情報、確変大当たり結果の情報、及び外れ結果の情報のいずれかが含まれる。
ステップS407にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置82に送信される。ステップS407の処理を実行した後は、ステップS408にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図19)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の処理を実行する。当該処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS404又はステップS405の処理にてRAM304に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、それに対応したコマンドが、音声ランプ制御装置82から表示制御装置331に送信され、表示制御装置331ではその遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
<音声ランプ制御装置82のMPU321にて実行される処理について>
次に、音声ランプ制御装置82のMPU321にて実行される変動用コマンド対応処理について図21のフローチャートを用いて説明する。当該対応処理は所定の周期(例えば2msec周期)で繰り返し起動される。変動用コマンド対応処理では、主制御装置81が送信した変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合に行われ、その受信している変動用コマンド及び種別コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。
先ず、ステップS501にて、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、大当たり当選であるか否か、大当たり当選である場合にはその種別、及び変動表示時間を把握する。この場合、変動表示時間に基づいてリーチの発生の有無も把握する。
その後、ステップS502にて、ステップS501の把握結果に基づいて今回の遊技回の遊技結果が大当たりであるか否かを判定する。大当たりでない場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回にてリーチ表示を行うか否かを判定する。リーチ表示を行う遊技回ではない場合には、ステップS504にて、表示画面Gにおいて通常の画像表示状態よりも輝度が高い直接光を視認させる特定発光演出を行うか否かの特定発光演出抽選処理を実行する。具体的には、音声ランプ制御装置82のRAM323には演出抽選カウンタエリア323aが設けられており、当該エリアには所定の周期で更新する演出抽選カウンタが格納されている。ステップS504では、現状の演出抽選カウンタの値を取得し、当該カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているか否かを判定する。
ステップS505では、上記抽選処理の結果に基づいて、特定発光演出に当選しているか否かを判定する処理を実行する。特定発光演出に当選していないと判定する場合には、ステップS506に進み、外れ用変動パターン決定処理を実行する。当該処理では、外れ結果に対応した図柄表示装置41の表示態様を決定する。
具体的には、音声ランプ制御装置82のROM322には、変動パターンテーブル記憶エリア322aが設けられており、当該変動パターンテーブル記憶エリア322aには変動パターンテーブルが記憶されている。当該変動パターンテーブルには、図柄表示装置41において実行される変動パターンが複数種類設定されている。各変動パターンは、遊技結果、変動表示時間、大当たりの有無及びリーチの発生の有無に応じて異なっている。ステップS506では、ステップS501の把握結果に基づいて上記複数の変動パターンのうちから外れ結果に対応した外れ用変動パターンを選択する処理を実行する。
なお、変動パターンには図柄表示装置41において最終停止される図柄の組み合わせが含まれており、外れ用変動パターンには外れ結果に対応した図柄の組み合わせが設定されている。当該外れ結果に対応した図柄の組み合わせは、リーチ表示に対応した図柄の組み合わせとならないように設定されている。
ステップS506にて、今回の遊技回の変動パターンを決定した後は、ステップS507に進み、今回の変動パターンに対応した変動パターンコマンドを表示制御装置331に対して送信する処理を実行し、本コマンド対応処理を終了する。表示制御装置331は変動パターンコマンドを受信することに基づいて、当該変動パターンコマンドに対応した描画信号を作成し、当該描画信号を図柄表示装置41に対して出力する処理を実行することで、図柄表示装置41に表示される図柄の変動表示を開始させるとともに、所定の期間に亘って当該変動表示を維持する処理を実行する。そして、上記所定の期間が経過した場合に、変動パターンコマンドに対応した停止結果、すなわち外れ結果に対応した停止結果を表示させる処理を実行する。これにより、表示画面Gには外れ結果に対応した図柄の画像が表示される。
一方、特定発光演出に当選していると判定する場合(演出抽選カウンタの値が当選値と一致していると判定する場合)、ステップS508にて外れ結果に対応した特定発光演出の変動パターンを決定する処理を実行する。具体的には、変動パターンテーブルには、複数の外れ用特定発光演出変動パターンが設定されており、当該複数の外れ用特定発光演出変動パターンから1の変動パターンを選択する。なお、各外れ用特定発光演出変動パターンには外れ結果に対応した図柄の組み合わせが設定されている。
そして、ステップS508にて決定した外れ用特定発光演出変動パターンに対応した変動パターンコマンドを表示制御装置331に対して出力し、当該対応処理を終了する。当該変動パターンコマンドには、外れ用特定発光演出を行うことを特定するための特定情報が含まれている。
かかる処理が行われた場合、表示制御装置331では、上記コマンドに基づいて表示画面Gに表示させる画像情報及び光制御パネル123の態様情報が含まれた描画信号を作成し、当該描画信号を図柄表示装置41に対して出力する処理を実行することで、表示画面Gにて表示される図柄等の変動表示を行うとともに、光制御パネル123の駆動制御を行う。
今回の遊技回の結果が大当たりの場合(ステップS502:YES)、又はリーチ表示を行う場合(ステップS503:YES)、ステップS509にてリーチ演出の一種であるリーチ用特定発光演出に対応した変動パターンを決定する処理を実行する。具体的には、変動パターンテーブルには、リーチ表示を行う場合の特定発光演出に対応したリーチ用特定発光変動パターンが複数設定されており、当該複数のリーチ用特定発光変動パターンのうち1の変動パターンを選択する。この場合、大当たり結果の場合(ステップS502:YES)と、大当たりではないがリーチ表示を行う外れリーチ結果の場合(ステップS502:NO,ステップS503:YES)とで、最終停止される図柄の組み合わせが異なるように設定されており、具体的には、大当たり結果では同一数字の組み合わせが設定されており、外れリーチ結果の場合では、大当たり図柄の組み合わせのうち1の図柄が異なる停止結果が設定されている。また、大当たり結果のうち、確変大当たり結果である場合には奇数の同一数字の組み合わせが設定されており、通常大当たり結果である場合には偶数の同一数字の組み合わせが設定されている。
そして、ステップS509にて決定したリーチ用特定発光変動パターンに対応した変動パターンコマンドを表示制御装置331に対して出力し、当該対応処理を終了する。当該変動パターンコマンドには、リーチ用特定発光演出を行うことを特定するための特定情報が含まれている。
次に、表示制御装置331にて行われる特定発光演出用処理及び当該特定発光演出用処理が行われた場合の光制御パネル123及び画像内容について図22のフローチャート及び図23〜図25を用いて説明する。図23(a)は外れ用特定発光演出を行う場合の光制御パネル123の様子を説明する説明図、図23(b)は外れ用演出画像を説明する説明図、図23(c)は外れ用特定発光演出を行う場合の表示画面Gの様子を説明する説明図、図24(a)はリーチ用特定発光演出を行う場合の光制御パネル123の様子を説明する説明図、図24(b)は第1リーチ用演出画像を説明する説明図、図24(c)はリーチ用特定発光演出を行う状況であってリーチ表示が開始される前の表示画面Gの様子を説明する説明図、図25(a)はリーチ用特定発光演出を行う場合の光制御パネル123の様子を説明する説明図、図25(b)は第2リーチ用演出画像を説明する説明図、図25(c)はリーチ用特定発光演出を行う状況であってリーチ表示が開始された後の表示画面Gの様子を説明する説明図である。
表示制御装置331は、音声ランプ制御装置82から変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドに対応した画像を表示画面Gに表示させるための割り込み処理を定期的に実行している。特定発光演出用処理は、受信した変動パターンコマンドが特定発光演出に対応したものである場合、具体的には変動パターンコマンドに上記特定発光演出を行うことを特定する特定情報が含まれている場合に、割り込み処理において実行する。
先ず、ステップS601にて、受信した変動パターンコマンドに基づいて、特定発光演出の種類を把握する。具体的には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、外れ用特定発光演出かリーチ用特定発光演出かを特定する。
続くステップS602では、上記把握結果に基づいて今回の特定発光演出が外れ用特定発光演出か否かを判定する。外れ用特定発光演出である場合には、ステップS603に進み、演出開始タイミングであるか否かを判定する処理を実行する。具体的には、上記受信した変動パターンコマンド(外れ用特定発光演出に対応した変動パターン)には、特定発光演出開始タイミングであることを特定する特定情報が含まれており、当該特定情報を参照することで今回の遊技回が演出開始タイミングであるか否かを判定する。なお、上記特定情報は、特定発光演出が図柄の変動表示中に行われるように設定されているが、これに限られず、例えば図柄の変動表示が開始される前に設定されていてもよい。
特定発光演出開始タイミングである場合には、ステップS604に進み、光制御パネル123の態様を設定する処理を実行する。具体的には、光制御パネル123の第1電極271、第2電極272及び第3電極273に対して電圧を印加することを特定するための特定情報を、図柄表示装置41に対して送信する描画信号に設定する。これにより、図23(a)に示すように、光制御領域241の第1ライン領域281が透過状態となる。なお、図面の関係上、透過状態となっている領域をハッチングで示し、散乱状態の領域を無地で示す。
続くステップS605では外れ用演出画像が表示されるように描画信号を設定する処理を実行する。外れ用演出画像は、具体的には、図23(b)に示すように、第1ライン領域281の前面側に配置された第1特定発光領域361の画素が完全透過状態(白表示)となるように設定されているととともに、上記第1特定発光領域361以外の領域にて女の子が手を振っている第1キャラクタ画像CH1が表示されるように設定されている。また、第1特定発光領域361とその他の領域との境界部分では、上記第1特定発光領域361から離れることに伴って白色光の輝度が徐々に小さくなるように上記白色光の部分透過を行う第1部分透過領域362及び第2部分透過領域363が設定されている。第2部分透過領域363の透過率は、第1部分透過領域362のそれよりも小さくなるように設定される。
以上の処理が行われることによって設定された描画信号は、図柄表示装置41の画像信号処理回路341に対して出力される。これにより、描画信号に対応したLCDデータ信号及び光制御信号が生成されるとともに、各信号がそれぞれ液晶パネル121のLCDコントローラ342及び光制御パネル123の光制御パネル用コントローラ351に対して出力される。各コントローラ342,351は上記各信号が入力されることに基づいて、各ドライバ回路201,202,276を駆動制御する。これにより、図23(c)に示すように、表示画面Gの第1特定発光領域361にて発光ユニット221が視認され、発光ユニット221の直接光が視認される。すなわち、第1特定発光領域361において、画像の光と比較して輝度が高く且つ直進性の高い発光態様の直接光が視認される。
この場合、第1特定発光領域361の周囲には、当該第1特定発光領域361から徐々に輝度が小さくなった白色光が視認されるため、表示画面G全体において白色光の輝度が段階的になっている。これにより、第1特定発光領域361の白色光が表示画面Gに馴染んだ状態で表示される。
また、表示画面Gのその他の領域にて女の子が手を振っている第1キャラクタ画像CH1が表示される。なお、図示は省略するが、表示画面Gには第1キャラクタ画像CH1の他に図柄が表示され、当該図柄の変動表示が行われる。図柄の変動表示は所定の期間行われ、その後外れ結果の図柄の組み合わせが停止表示されて上記図柄の変動表示が終了する。
一方、特定発光演出の開始タイミングでない場合(ステップS603:NO)には、ステップS606に進み、演出終了タイミングか否かを判定する処理を実行する。具体的には、受信した変動パターンコマンドに、本処理回において特定発光演出を終了することを特定するための特定情報が含まれているか否かを判定する処理を実行する。
演出終了タイミングでない場合には、そのまま本処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS607にて特定発光演出終了処理を実行する。特定発光演出終了処理では、光制御パネル123の第1電極271〜第5電極275に対する電圧印加を停止することを特定するための情報を描画信号に設定するとともに、特定発光演出の終了タイミングに対応した描画信号を設定し、本演出用処理を終了する。これにより、光制御領域241全体が散乱状態となり、表示画面G全体に終了タイミングに対応した画像が表示されることとなる。
ステップS602にて外れ用特定発光演出でないと判定した場合、リーチ用特定発光演出を行うことを意味する。この場合、リーチ用特定発光演出に対応した表示態様を設定する処理を実行する。当該リーチ用特定発光演出の表示態様は、上述した外れ用特定発光演出の表示態様と異なっている。
具体的には、先ずステップS608にて、受信した変動パターンデータに基づいて、特定発光演出の開始タイミングか否かを判定する処理を実行する。ここで、特定発光演出の開始タイミングは、全図柄列において図柄の変動表示が行われている間に行われるように設定されている。このため、特定発光演出が開始された後に、2つの図柄列(上図柄列Z1,下図柄列Z3)の図柄の変動表示が停止し、リーチ表示が行われるようになっている。
特定発光演出の開始タイミングである場合には、ステップS609にて光制御パネル123の第3電極273、第4電極274及び第5電極275に対して電圧を印加することを特定するための特定情報を描画信号に設定する処理を実行する。これにより、図24(a)に示すように、光制御領域241の第2ライン領域282が透過状態となり、その他の領域が散乱状態を維持する。
続くステップS610では、第1リーチ用演出画像が表示画面Gに表示されるように描画信号を設定する。第1リーチ用演出画像は、具体的には、図24(b)に示すように、第2ライン領域282の前面側に配置された第2特定発光領域371の画素が完全透過状態(白表示)となるように設定されているととともに、第2特定発光領域371と他の領域との境界部分には、第1部分透過領域372及び第2部分透過領域373が設定されている。第1部分透過領域372及び第2部分透過領域373は第1部分透過領域362及び第2部分透過領域363と形状が異なる点を除いて同一であるため、説明を省略する。また、第2特定発光領域371と重ならないようにして女の子の第2キャラクタ画像CH2が表示される。当該女の子の第2キャラクタ画像CH2は、上記外れ用特定発光演出の場合と態様が異なっており、具体的には手を挙げた様子が描かれている。
以上の処理が行われた場合、図24(c)に示すように、第2特定発光領域371において特定発光が視認される、具体的には発光ユニット221の光が直接的に視認されるとともに、第2特定発光領域371の外縁部分には、当該第2特定発光領域371から離れるに従って徐々に輝度が小さくなった光が視認される。また、第2特定発光領域371以外の領域には第2キャラクタ画像CH2が表示されることとなる。
ここで、第1特定発光領域361と第2特定発光領域371とが異なっており、第3電極273に対応する領域(第3電極273によって透過状態となる領域)は両領域361,371に共通する共通領域となっている。これにより、各領域361,371を個別に制御することが可能となる。
すなわち、例えば両領域361,371の共通領域と、第1特定発光領域361のみに対応した領域に跨って透明電極が設けられていた場合、共通領域を特定発光しようとして上記透明電極に対して電圧を印加すると、共通領域及び第1特定発光領域361に跨っている領域にて特定発光が視認される。このため、第2特定発光領域371のみを特定発光とすることができない。これに対して、本実施形態によれば、光制御パネル123に共通領域に対応した共通電極が設けられているため、想定外の領域にて特定発光が行われる不都合を回避することができる。
一方、特定発光演出開始タイミングでない場合には(ステップS608:NO)、ステップS611に進み、リーチ表示開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、リーチ用特定発光演出に対応した変動パターンにはリーチ表示開始タイミングであることを特定する特定情報が含まれており、本判定処理では当該特定情報が設定されているか否かを判定する。
リーチ表示開始タイミングであると判定した場合にはステップS612に進み、光制御パネル123の態様を変更する処理を実行する。具体的には、第1電極271〜第5電極275に対して電圧を印加するように描画信号を設定する。これにより、図25(a)に示すように、透過状態となる領域が十字に形成される。
続くステップS613では、第2リーチ用演出画像が表示されるように描画信号を設定する処理を実行する。第2リーチ用演出画像は、図25(b)に示すように、第1特定発光領域361及び第2特定発光領域371が完全透過状態となるとともに、両領域361,371の周縁に第1部分透過領域382及び当該第1部分透過領域382よりも透過率が小さい第2部分透過領域383が形成されるように設定された画像である。また、第2キャラクタ画像CH2が同一座標で表示されるように設定される。
以上の処理が行われた場合、図25(c)に示すように、第1特定発光領域361及び第2特定発光領域371において発光ユニット221が視認されることとなる。すなわち、リーチ表示が行われる遊技回において特定発光演出を実行する場合には、先ず全図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示が開始されている状況において第2特定発光領域371において発光ユニット221の光が視認される特定発光演出が行われる(図24(c)参照)。そして、中図柄列Z2以外の図柄列Z1,Z3の図柄の変動表示が停止され、リーチ表示が開始されるタイミングにて、第1特定発光領域361においても発光ユニット221の直接的な光が視認される。換言すれば、段階的に表示画面Gにおいて特定発光が視認される領域が拡張するようになっている。これにより、遊技者が表示態様の発展に惹きつけられ、遊技への注目度が高められている。
リーチ表示の開始タイミングでない場合(ステップS:NO)には、ステップS614にて、受信した変動パターンコマンドに基づいて、特定発光演出の終了タイミングであるか否かを判定する。特定発光演出の終了タイミングでない場合には、そのまま本処理を終了する一方、特定発光演出の終了タイミングである場合には、特定発光演出終了処理を実行し、本演出用処理を終了する。特定発光演出終了処理では、光制御パネル123の第1電極271〜第5電極275に対する電圧の印加を停止させるとともに、特定発光演出の終了に対応した画像を表示画面Gに表示させる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
液晶パネル121と発光ユニット221との間に、透過状態と散乱状態とに切り換わり可能な光制御パネル123を設けた。これにより、光制御パネル123を切換制御することで、表示画面Gにおいて発光ユニット221の光を直接的に視認させる特定発光演出を行うことができ、当該特定発光演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特に、光制御パネル123が散乱状態である場合、液晶パネル121に対して照射される光が拡散するため、表示画面Gの光ムラを低減することができる。一方、発光ユニット221からの光を直接遊技者に対して視認させることができないため、視覚を通じたインパクトが少なくなるという不都合が生じ得る。これに対して、本特徴のように、拡散板に代えて、透過状態と拡散状態とに切り換わり可能な切換手段を設ける構成とすることにより、上記不都合を回避することができる。
また、リーチ表示を行なう場合には、特定発光演出を実行する構成とするとともに、当該特定発光演出の開始タイミングはリーチ表示の開始タイミングよりも前に設定した。これにより、特定発光演出を視認することでリーチ表示への期待が高まるため、遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
さらに、リーチ表示が開始されると、第1特定発光領域361に加えて第2特定発光領域371において特定発光が行われるようにした。これにより、特定発光演出が発展し、表示画面Gへの注目度が高められる。
光制御パネル123と液晶パネル121とを所定の隙間を介した状態でユニット化した。これにより、光制御パネル123と液晶パネル121との間に生じ得るコンデンサによる悪影響を低減することができる。これにより、光制御パネル123を設けることによって生じ得る不都合を回避することができる。
なお、本実施形態では、各特定発光領域361,371においては白表示を行なう構成としたが、これに限られず例えば所定の色を表示させるようにしてもよい。この場合であっても、光制御パネル123において各特定発光領域361,371に対応した領域が透過状態となっているため、各特定発光領域361,371にて特定発光が行なわれる。但し、各サブ画素において光を透過させる白表示を行なう構成の方が、特定の波長の光を吸収することで色表示を行なう構成と比較して光の透過率が高いことを鑑みれば、白表示を行なう構成の方がインパクトのある光を視認させることができる。
また、予め定められた更新タイミングとなる度に光制御パネル123において電圧印加する電極を順次切り換えるとともに、当該変更に対応させて表示画面Gにおける白表示する領域を順次切り換える構成としてもよい。これにより、特定発光する領域が順次切り換わるため、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
また、本実施形態では、第1電極271〜第5電極275は「+」の形状となるように形成されていたが、これに限られず、例えば「×」の形状となるように形成されていてもよく、具体的な形状は任意である。
さらに、例えば電極を円状に形成し、当該電極に対応した領域において特定発光を行なうとともに、その周囲に太陽の周縁を模した画像を表示させる構成としてもよい。これにより、太陽が輝くように見える演出を行うことができる。すなわち、表示画面Gに発光体を表示させる場合には、当該発光体の形状に合わせて電極を形成することにより、あたかも発光体が発光しているように見せることができる。
また、例えば刀を有する侍を表示画面G上に表示させる場合には、電極を刀の形状に対応させて形成し、特定発光領域を刀の形状に設定するとよい。これにより、際立った光を放つ刀を有する侍の画像を表示させることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、特定発光演出の演出態様に対応させて第1電極271〜第5電極275が形成された光制御パネル123が設けられていた。これに対して、本実施形態では電極の構成が異なる光制御パネル401が設けられている。
本実施形態における光制御パネル401について図26を用いて説明する。図26(a)は光制御パネル401を正面から見た正面図、図26(b)は光制御パネル401の断面構造を示す模式図、図26(c)は光制御パネル401の等価回路を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
本実施形態の光制御パネル401には、図26(a)に示すように、光制御領域402が形成されており、当該光制御領域402には、線状の透明電極がマトリックス状に形成されている。
具体的には、図26(b)に示すように、光制御パネル401は、第1実施形態と同様に、所定の間隔を隔てて対向配置された一対のガラス基板411,412と、これらガラス基板411,412の間に形成された切換用液晶層413と、を備えている。これらは、第1実施形態の対応する部材と同一であるため、説明を省略する。
一対のガラス基板411,412のうち手前側のガラス基板412の切換用液晶層413側には線状の第1透明電極421が複数設けられている。第1透明電極421はソースライン142に対応させて形成されており、具体的には800本形成されている。第1透明電極421は、互いに接触しないように等間隔に配置されており、詳細にはソースライン142と同一ピッチで離間して配置されている。
第1透明電極421に対応させて、奥側のガラス基板411には、上記第1透明電極421と交差する方向、具体的には直交する方向に延びた第2透明電極422が等間隔で複数形成されている。第2透明電極422はゲートライン141に対応させて形成されており、具体的には480本形成されている。第2透明電極422は、互いに接触しないように等間隔に配置されており、詳細にはゲートライン141と同一ピッチで離間して配置されている。この場合、第1透明電極421及び第2透明電極422が格子状に張り巡らされており、第1透明電極421と第2透明電極422とによって切換用液晶層413が挟まれている。
かかる構成によれば、1の第1透明電極421と1の第2透明電極422とに対して電圧を印加すると、両者が交差する領域に対して電界が印加され、当該領域の切換用液晶層413が散乱状態から透過状態に移行する。すなわち、図26(c)の模式図に示すように、切換用液晶層413において第1透明電極421と第2透明電極422とが交差する領域を単位領域423とし、当該単位領域423毎に切換用液晶層413を透過状態又は散乱状態に切り換えることが可能となっている。すなわち、上記単位領域を1ドットとし、当該ドット単位で切換用液晶層413を制御することが可能となる。なお、以降の説明において、単位領域423をドット領域423とも言う。
ここで、ドット領域423は液晶パネル121の画素に対応させて形成されている。具体的には、第1透明電極421はソースライン142と同一ピッチで離間して配置されているとともに、第2透明電極422はゲートライン141と同一ピッチで離間して配置されているため、ドット領域423の大きさは画素の大きさと同一となっている。そして、光制御パネル401と液晶パネル121とが組み合わせられた場合に、ドット領域423と画素とが重なり合うようになっている。つまり、画素に1対1に対応させてドット領域423が形成されている。発光ユニット221からの光はドット領域423を介して画素に到達する。
各透明電極421,422は、光制御パネル401に設けられた第1ドライバ回路431、第2ドライバ回路432に接続されている。各ドライバ回路431,432は、光制御パネル用コントローラ351に接続されており、当該光制御パネル用コントローラ351からの信号に基づいて、各透明電極421,422の電圧制御を行う。
なお、本実施形態では、第1透明電極421と第2透明電極422との同期をとるために光制御パネル用コントローラ351にタイミングコントローラが搭載されている。
次に、上記構成における光制御パネル401の制御体系について図27及び図28を用いて説明する。図27は、光制御パネル401の制御体系を説明するための説明図であり、図28は各第1透明電極421に対して電圧を印加するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図27に示すように、光制御領域241は、第1透明電極421と第2透明電極422とによって挟まれたドット領域423がマトリクス状に複数配列されてなる。ここで、説明の便宜上、図27において1の隅角部のドット領域423をF(1,1)とし、F(1,1)を基準として第2透明電極422に沿った方向にF(2,1)、…、F(9、1)とするとともに、F(1,1)を基準として第1透明電極421に沿った方向にF(1,2)、…、F(1,8)とする。なお、これらの各ドット領域423を総称して単にF(x,y)ともいう。また、F(x,y)を構成する第1透明電極421を、F(1,1)から順に第1透明電極421a,421b,…,421iとするとともに、第2透明電極422を、第2透明電極422a,422b,…,422iとする。
F(x,y)は、電圧が印加されていない通常状態では散乱状態となっている。なお、図面の説明上、散乱状態となっているF(x,y)を無地で示す。一方、F(x,y)に対して電圧が印加されている場合、具体的にはF(x、y)に対応する第1透明電極421及び第2透明電極422に対して電圧が印加されている場合にはF(x,y)が透過状態となる。例えば、第1透明電極421e及び第2透明電極422eに対して電圧を印加すると、F(5,5)が透過状態となる。なお、図面の都合上、透過状態となっているF(x,y)をハッチングで示す。
ここで、複数のF(x,y)を透過状態とする場合には、電圧印加の対象となるF(x、y)に対して同時に電圧を印加するのではなく、電圧印加の対象となるF(x,y)を順次切り換える構成となっている。具体的には、第1透明電極421毎に第2透明電極422に対する電圧制御を行う構成となっている。
詳細には、図28に示すように、t1のタイミングでは第1透明電極421に対して所定の電圧(電位)を印加することにより、F(1,y)を選択する(y=1〜8)。そして、F(1,y)のうち電圧印加対象となっているF(1,k)(k:1〜8のうち任意の組み合わせ)に対して第1透明電極421と電位差が生じるように電圧(電位)を印加する(例えば接地する)。これにより、F(1,k)が透過状態となる。
その後、t2のタイミングでは、第1透明電極421aに代えて第1透明電極421bに対して電圧を印加することにより、F(2,y)を選択する。そして、F(2,y)のうち電圧印加対象となっているもの、例えば第2透明電極422eに対して電圧を印加する。これにより、F(2,5)が透過状態となる。以降、t3のタイミング→t4のタイミング→t5のタイミングとなる度に、電圧を印加する第1透明電極421を第1透明電極421c→第1透明電極421d→第1透明電極421eと切り換えるとともに、電圧印加対象となる第2透明電極422を順次切り換える。
このように、電圧を印加する第1透明電極421を順次切り換える(第1透明電極421a→第1透明電極421b→…)とともに、各第1透明電極421に対応した第2透明電極422を印加することにより、電圧印加対象のF(x,y)に対して電圧を印加し、その他のF(x,y)に対しては電圧を印加しないようになっている。これにより、図27に示すように、特定の形状(上向き矢印)をなすように透過状態となるF(x,y)を設定することが可能となる。
ここで、複数のF(x,y)を透過状態とするべく、複数の透明電極に対して同時に電圧を印加すると、想定外のF(x,y)に対して電圧が印加される場合がある。具体的には、例えばF(3,4)及びF(4,3)を透過状態にすべく第1透明電極421c及び第2透明電極422dに対して電圧を印加するとともに、第1透明電極421d及び第2透明電極422cに対して電圧を印加すると、F(3,4)及びF(4,3)が透過状態となるとともに、第1透明電極421cと第2透明電極422cとで構成されるF(3,3)及び第1透明電極421dと第2透明電極422dとで構成されるF(4,4)が透過状態となる。これにより、想定外のF(x,y)が透過状態となり、表示画面Gにおいて想定外の領域に輝度の高い光が視認され、遊技者に対して違和感を与えるおそれがある。
これに対して、第1透明電極421毎に電圧を印加する第2透明電極422を選択するとともに、当該第1透明電極421を順次切り換えていく処理を繰り返し実行する構成とすることで、想定外のF(x,y)に対して電圧が印加されるおそれがない。これにより、上記不都合を回避することができる。換言すれば、電圧印加対象となるF(x,y)が複数ある場合には、同時に印加するF(x,y)を所定の数に規制し、上記所定の数ずつ電圧を印加していくことで、想定外のF(x,y)が透過状態とならないようになっているとも言える。
かかる構成の場合、第1透明電極421の本数分(800本)の処理を1周期として当該周期で電圧を印加する処理を繰り返し実行する。これにより、全体としてF(x、y)が透過状態となっているように視認され、表示画面Gにおいて対応する箇所が明るく見えることとなる。
この場合、上記周期は、画像の更新間隔であるフレームレートに対応させて設定されているとよく、具体的には画像のフレームレートと同一に設定されているとよい。換言すれば、全F(x,y)に対する電圧印加設定が完了するのに要する期間は画像のフレームレートと同一になるように設定されているとよい。これにより、透過領域の移り変わりが画像の内容の変化に追従することができる。
詳細には、全F(x,y)に対する電圧印加設定が完了するのに要する期間が画像のフレームレートと同一になるように、第1透明電極421当たりにおける状態設定に要する期間T1を決定する。そして、当該期間T1内にF(x,y)が透過状態となるように、各透明電極421,422に対して印加する電圧が設定されている。これにより、画像の内容の変化に対して透過領域452が追従することができるようになっている。
上記構成の光制御パネル401を用いて行われる表示用処理について説明する。本実施形態では、特定発光演出に代えて稲妻演出を行うように構成されている。また、リーチ表示においてアンコウ演出を行うように設定されている。
<稲妻演出について>
当該稲妻演出では、光制御パネル401において透過状態となる領域を制御するデータとして稲妻パターンデータが複数(具体的には2つ)用意されている。当該稲妻パターンデータについて図29を用いて説明する。
図29(a)〜(b)に示すように、本パチンコ機10には異なる態様の稲妻の放電経路を模した第1稲妻パターンデータPD1,第2稲妻パターンデータPD2が設定されている。各稲妻パターンデータPD1,PD2は各F(x,y)に対して1対1に対応させて複数のドット情報を備えており、当該ドット情報には各F(x,y)に対して電圧を印加するか否かの情報、具体的には「1」又は「0」の情報が含まれている。稲妻パターンデータPD1,PD2にはそれぞれ電圧印加対象となるF(x,y)を折れ線状に連続させることによって稲妻パターンP1,P2が設定されている。稲妻パターンデータPD1,PD2は描画信号とともに画像信号処理回路341に出力され、当該画像信号処理回路341にて光制御信号に変換されて光制御パネル用コントローラ351に対して入力される。光制御パネル用コントローラ351は、上記光制御信号に基づいて各ドライバ回路431,432を制御することにより、各稲妻パターンP1,P2に対応した箇所のF(x,y)に対して電圧を印加する。この場合、各ドライバ回路431,432は、既に説明したとおり、F(1,y)、F(2,y)、…、の順に各F(x,y)の電圧制御を行う。これにより、各稲妻パターンP1,P2を構成する領域が透過状態となり、当該領域において散乱されていない直接的な光が視認される。
各稲妻パターンP1,P2を個別に説明すると、図29(a)に示すように、第1稲妻パターンP1は分岐が設けられていない一筋の折れ線状となるように各ドット情報が設定されている。
一方、第2稲妻パターンP2は、図29(b)に示すように、1の放電経路が途中で分岐するように各ドット情報が設定されており、第1稲妻パターンP1と比較して稲妻の放電経路が複雑になっているとともに、その面積が大きくなっている。
本実施形態における稲妻演出用処理について図29のフローチャート及び図30を用いて説明する。図30(a)は第1稲妻画像IM1を説明するための説明図、図30(b)は第2稲妻画像IM2を説明するための説明図である。
ここで、本実施形態では、変動用コマンド対応処理(図21)において特定発光演出の処理に代えて稲妻演出の処理を実行する。具体的には、図21において「特定発光演出」を「稲妻演出」に変更した処理を実行する。当該処理を実行することにより、リーチ表示を行なう場合又は稲妻演出に当選した場合には音声ランプ制御装置82から稲妻演出に対応した変動パターンコマンドが表示制御装置331に対して出力される。詳細には、リーチ表示を行なう場合にはリーチ用稲妻演出に対応した変動パターンコマンドが表示制御装置331に対して出力され、リーチ表示を行なわない場合には外れ用稲妻演出に対応した変動パターンコマンドが表示制御装置331に対して出力される。稲妻演出用処理は、音声ランプ制御装置82から送信された変動パターンコマンドが稲妻演出に対応したものである場合に起動する。
先ず、ステップS701では稲妻演出の種類を把握する。具体的には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の稲妻演出が外れ用稲妻演出かリーチ用稲妻演出かを把握する。
その後、ステップS702では、把握結果に基づいて、今回の稲妻演出が外れ用稲妻演出であるか否かを判定する。外れ用稲妻演出である場合には、ステップS703に進み、稲妻演出の開始タイミングであるか否かを判定する処理を実行する。稲妻演出の開始タイミングである場合にはステップS704に進み、外れ用稲妻演出の設定を行う。
具体的には、ステップS704にて、描画信号に第1稲妻パターンデータPD1を設定する処理を実行する。そして、ステップS705にて第1稲妻画像の設定を行い、本稲妻演出用処理を終了する。
かかる処理が行われた場合、表示画面Gには、図31(a)に示すように、第1稲妻画像IM1が表示される。第1稲妻画像IM1は、上記第1稲妻パターンデータPD1に対応させて設定された画像であり、具体的には、第1稲妻パターンP1の前面に配置されている第1稲妻領域441が完全透過状態(白表示)となるように設定されているとともに、その他の領域が完全遮蔽状態(黒表示)となるように設定されている画像である。これにより、黒色の背景を下地として第1稲妻領域441において発光ユニット221からの直接的な光が視認される。この場合、あたかも第1稲妻領域441に対応させて形成された発光体が発光しているように見える。
一方、稲妻演出の開始タイミングでない場合には(ステップS703:NO)、ステップS706にて稲妻演出の終了タイミングであるか否かを判定する。稲妻演出の終了タイミングでない場合には、そのまま本稲妻演出用処理を終了する一方、稲妻演出の終了タイミングである場合には、ステップS707にて稲妻演出終了処理を実行し、本処理を終了する。稲妻演出終了処理では、全F(x,y)に対して電圧が印加されないパターンデータを描画信号に設定するとともに、終了タイミングに対応した画像を設定する。これにより、光制御領域241全体が散乱状態となり、表示画面G全体に終了タイミングに対応した画像が表示されることとなる。
外れ用稲妻演出でない場合には(ステップS702:NO)、リーチ用稲妻演出を行うことを意味する。この場合、リーチ用特定発光演出に対応した表示態様を設定する処理を実行する。
具体的には、先ずステップS708にて稲妻演出の開始タイミングであるか否かを判定する。当該開始タイミングは、第1実施形態と同様に、リーチ表示の開始タイミングよりも前のタイミングに設定されている。
稲妻演出の開始タイミングである場合には、ステップS709にて第2稲妻パターンデータPD2を描画信号に設定する処理を実行し、ステップS710にて、第2稲妻画像の設定を行い、本稲妻演出用処理を終了する。
かかる処理が行われた場合、表示画面Gには、図31(b)に示すように、第2稲妻画像IM2が表示される。第2稲妻画像IM2は、第2稲妻パターンP2に対応させて設定された画像であり、具体的には、第2稲妻パターンP2の前面に配置されている第2稲妻領域442が完全透過の白表示となるように設定されているとともに、その他の領域が黒表示となるように設定された画像である。これにより、黒色の背景を下地として第2稲妻領域442において発光ユニット221からの直接的な光が視認される。
一方、ステップS708にて稲妻演出の開始タイミングでない場合には、ステップS711に進み、稲妻演出の終了タイミングであるか否かを判定する。稲妻演出の終了タイミングでない場合にはそのまま本処理を終了する一方、終了タイミングである場合には、ステップS712にて稲妻演出終了処理を実行する。これにより、稲妻演出が終了する。当該処理はステップS707と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態では稲妻演出の終了タイミングはリーチ表示の開始タイミングよりも前に設定されている。
<アンコウ演出について>
次にアンコウ演出について説明する。アンコウ演出はリーチ表示が行われる場合に実行されるものであり、予め定められた発光対象図柄の特定箇所に直接光を視認させるとともに、当該発光対象図柄の変動表示に合わせて、直接光を視認させる箇所を変動表示させる演出である。本アンコウ演出では、上記発光対象図柄として「6」を示す図柄を用いる。「6」を示す図柄は、図14(b)に示すように、チョウチンアンコウを模したキャラクタが描かれており、当該チョウチンアンコウの発光部分において直接光を視認させる。
当該アンコウ演出を行うためのアンコウ演出用処理について図32のフローチャートを用いて説明する。アンコウ演出用処理は、リーチ表示が行われている間に実行されるように設定されているとともに、リーチ表示において図柄の変動表示を行うためのリーチ用図柄表示処理が行われた後に実行されるように設定されている。リーチ用図柄表示処理では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3に今回の変動パターンコマンドに応じたリーチ図柄を停止表示させるとともに、中図柄列Z2において図柄が左方向にスクロールするように各図柄の座標を更新する処理を実行する。
先ずステップS801では、リーチ用図柄表示処理において設定された内容に基づいて、中図柄列Z2において表示対象となっている図柄を把握する。続くステップS802では、上記ステップS801の把握結果に基づいて、今回表示対象となっている図柄に発光対象図柄が含まれているか否かを判定する。発光対象図柄が含まれていない場合には、そのまま本演出用処理を終了する一方、発光対象図柄が存在する場合には、ステップS803に進む。
ステップS803では、発光対象図柄の座標を把握する処理を実行し、続くステップS804では、把握された座標から発光対象図柄の発光部分を特定する。具体的には、「6」図柄においてチョウチンアンコウのチョウチン部分を特定する。
その後、ステップS805では、光制御領域402において上記特定された部分の背面に位置する領域が透過状態となるように、詳細には上記領域に含まれるF(x,y)に対して電圧が印加されるようにアンコウパターンデータを作成する。そして、当該アンコウパターンデータを描画信号に設定して本アンコウ演出用処理を終了する。
かかる構成によれば、発光対象図柄の発光部分の形状に対応させて透過領域452が形成される。当該透過領域452の位置は表示画面Gに表示される発光対象図柄の座標を把握し、当該座標から特定することで特定されているため、発光対象図柄の座標が更新された場合には、透過領域452の座標も更新されることとなる。
以上の処理が行われた場合に表示画面Gに表示される表示態様について図33を用いて説明する。図33(a)はアンコウ演出が行われる場合に表示画面Gに表示される画像を説明するための説明図、図33(b)はアンコウパターンデータを説明するための説明図、図33(c)は表示画面Gに表示される発光対象図柄を説明する説明図である。
図33(a)に示すように、リーチ表示においては、上図柄列Z1及び下図柄列Z3には図柄の変動表示が停止している。この場合、右ラインL3にリーチ図柄の組み合わせとして「2」の図柄の組み合わせが停止表示されている。かかる状態で、中図柄列Z2において図柄が左方向にスクロールしている。
ここで、中図柄列Z2において発光対象図柄451が表示されている場合、図33(b)に示すように、光制御パネル401の光制御領域402は、発光対象図柄451の発光部分に重なるように透過領域452が形成され、その他の領域が散乱状態となっている。当該透過領域452は、発光対象図柄451の移動に伴って移動し、具体的には発光対象図柄451の左方向へのスクロールに伴って左方向に移動する。これにより、図33(c)に示すように、発光対象図柄451の発光部分、具体的にはチョウチンアンコウのチョウチン部分453が他の箇所よりも明るく表示された状態で発光対象図柄451が移動する。この場合、チョウチン部分453には発光ユニット221の光が直接的に視認されることとなるため、あたかも発光体が動いているように見える。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
F(x,y)がマトリクス状に配列されるように第1透明電極421及び第2透明電極422を形成し、各F(x,y)に対して個別に電圧を印加することができるようにドライバ回路431,432を設けた。これにより、各F(x,y)に対する電圧制御を行うことで、透過状態となる領域を高精細に制御することができ、透過状態となる領域の自由度が大きくなる。よって、表示画面Gに表示される表示態様の多様化を図ることができ、当該多様化を通じて遊技への注目度の向上を図ることができる。
電圧印加対象となるF(x,y)が順次遷移していくように第1透明電極421及び第2透明電極422に対する電圧制御を行うようにすることで、電圧印加対象でないF(x、y)に対して電圧が印加されないようにした。具体的には、ある第1透明電極421に対して電圧を印加した状態で、当該第1透明電極421に対応した第2透明電極422に対して電圧を印加する。そして、予め定められた更新タイミングとなることで、電圧を印加する第1透明電極421を更新し、当該更新された第1透明電極421に対応した第2透明電極422に対して電圧を印加する構成とした。これにより、各種パターンデータに設定された領域が透過状態となり、その他の領域が散乱状態となる。よって、想定外の領域が透過状態となることにより、表示画面Gにおいて想定外の領域が高輝度になる不都合を回避することができる。したがって、切換用液晶層413に対して電圧を印加するのに用いる透明電極をマトリクス状に形成することによって生じ得る不都合を回避することができる。
図柄のスクロール移動が行われる状況において、図柄の一部の形状に対応させて光制御領域241において透過状態となる透過領域452を設定するとともに、図柄の変動表示に伴って当該透過領域452を移動させる構成とした。これにより、一部において直接的な光が視認される図柄がスクロール移動する演出を行うことができる。係る演出は、単に表示画面G表示される図柄の画像を表示させる演出と異なり、発光体の移動と図柄の移動とが融合したように見える演出である。よって、通常の画像表示と比較して、より好適に遊技への注目度を高めることができる。
なお、透過領域452の形状及び大きさを変えることなく透過領域452を移動させる構成としたが、これに限られず、予め定められた更新タイミングとなる毎に透過領域452の形状又は大きさを変更してもよい。具体的には、透過領域452が予め定められた特定方向に徐々に延びるようにパターンデータを更新する処理を実行し、それに対応させて表示画面Gに表示される画像の内容を更新する処理を実行することにより、例えば光が差し込む様子を好適に表現することができる。また、例えば表示画面Gにおいて発光対象物を徐々に拡大表示させ、それに対応させて透過領域452が徐々に大きくなるようにパターンデータを更新する処理を実行することにより、発光対象物が徐々に近づいてくる演出を表現することができる。
また、稲妻演出において、背景を黒表示に代えて、黒を基調とした画像を表示させる構成としてもよい。また、稲妻画像の境界部分を黒表示とし、その他の領域においてキャラクタ画像等を表示させる構成としてもよい。この場合、稲妻を際立たせつつ、キャラクタ画像を表示させることができる。
さらに、第1実施形態のように、稲妻領域441,442と背景との境界部分に光の透過率が段階的に異なっている部分透過領域を形成してもよい。
また、本実施形態では、1の第1透明電極421に対して電圧を印加し、当該第1透明電極421に対応した第2透明電極422に対して電圧を印加することで、演出に対応したドット領域423に対して電圧を印加するとともに、電圧の印加が完了したら次の第1透明電極421に更新することで、順次電圧を印加するドット領域423を遷移していく構成としたが、これに限られず、例えば演出に対応しないドット領域423に対して電圧が印加されないドット領域423の組み合わせを複数設定し、当該ドット領域423の組み合わせ毎に電圧を順次印加する構成としてもよい。
本実施形態では、ドット領域423を画素の大きさに対応させて形成したが、これに限られず、例えば画素の大きさよりも小さく形成してもよいし、画素の大きさよりも大きく形成してもよい。
また、液晶パネル121の画素構造をドット領域423の構造を適用してもよい。すなわち、例えば第2透明電極422として光制御領域241全体に共通電極を形成する。そして、第1透明電極421として画素電極をドット領域423毎に形成し、当該画素電極に対する電圧印加のオンオフ制御を行う薄膜トランジスタを形成する。そして、当該薄膜トランジスタに対して電圧を印加するゲートライン及びソースラインをマトリクス状に形成する。かかる構成によっても、ドット領域423毎の電圧印加が可能となる。この場合、画素電極と協働してガラス基板412を挟むように保持用電極を形成するとよい。これにより、保持用電極と画素電極とによってコンデンサが形成され、当該コンデンサに蓄積される電荷によって、各ドライバ回路431,432によるF(x,y)に対する電圧印加が停止されてから所定の期間に亘ってF(x,y)に対して電圧が印加されている状態が維持される。これにより、電圧印加対象となるF(x,y)が順次遷移していく構成とすることによって生じ得るチラつきを抑制し得る。
すなわち、例えば共通電極及び保持用電極が接地されている状況において共通電極に対して接地とは異なる電位を設定すると、ドット領域423(詳細には切換用液晶層413)に対して電圧が印加されるとともに、画素電極と保持用電極との間に電圧が印加される。これにより、コンデンサに電荷が蓄積される。当該蓄積された電荷は画素電極への電位の印加が停止した場合に放出される。当該電荷の放出により、画素電極に対して電位が印加されていない状況においてもドット領域423において電圧が印加されたが生じた状態が維持される。これにより、ドット領域423の透過状態が維持される。
係る構成の場合、コンデンサの容量は全F(x,y)の設定が完了する周期に対応させて設定されているとよく、具体的には画素電極に対する電圧印加周期の期間だけドット領域423に対する電圧印加状態を維持する構成とするとよい。これにより、電圧印加が周期的に行われる構成であっても、F(x、y)を透過状態に維持することが可能となり、光の輝度がチラつくという不都合を回避することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、画素の内部構成が第1実施形態と相違しており、当該相違点について図34を用いて詳細に説明する。図34(a)は本実施形態における画素構造を説明するための説明図、図34(b)はB−B線断面図である。
上記第1実施形態では、画素内のほぼ全域にカラーフィルタ153が設けられている構成としたが、これを変更する。詳細には本実施形態では、図34に示すように、1画素内においてカラー表示を行うカラー領域501とカラー表示を行なわない非カラー領域502とが形成されている。
具体的には、1画素内には新たにサブ画素を区画形成するサブゲートライン503が新たに設けられている。サブゲートライン503は、他のゲートライン141と同様に水平方向に延びており、表示領域134に亘って形成されている。サブゲートライン503はゲートドライバ回路202に接続されており、ゲートドライバ回路202はサブゲートライン503に対して電圧を印加可能に形成されている。当該サブゲートライン503が形成されることにより、1画素内に6つの領域が形成される。これら6つの領域のうち3つの領域にはカラー領域501としてR領域212、G領域213及びB領域214がそれぞれ形成され、残りの3つの領域が非カラー領域502となっている。ここで、カラー領域501に含まれるサブ画素のうち、R領域212が形成されるサブ画素をR画素504とし、G領域213が形成されるサブ画素をG画素505とし、B領域214が形成されるサブ画素をB画素506とする。これらの画素については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
非カラー領域502には、上記3つの領域それぞれに画素電極511,512,513が形成されているとともに、当該画素電極511,512,513に対する電圧を制御する薄膜トランジスタ511a,512a,513aが形成されている。画素電極511,512,513は、領域を区画形成するソースライン142、ゲートライン141及びサブゲートライン503に対して接触しない範囲内でその面積が大きくなるように形成されている。
ここで、非カラー領域502には、図34(b)に示すように、カラーフィルタ153、詳細にはR領域212、G領域213及びB領域214のいずれもが形成されていない。これにより、カラーフィルタ153による光の損失分だけ高輝度な光を視認させることができる。
すなわち、カラーフィルタ153は特定範囲の波長の光を透過し、その他の波長の光を吸収する機能を有しているため、光がカラーフィルタ153を透過することにより、損失が発生する。換言すれば、カラーフィルタ153の光の透過率は、液晶パネル121を構成する他の部材(ガラス基板131等、画素電極511等)と比較して低い。たとえばR領域212であればGとBの色を吸収するため、単純に輝度は1/3以下に低下する。また、一般にカラーフィルタ153には顔料が用いられる。当該顔料は光を散乱させる性質を有するため、光がカラーフィルタ153を透過すると、当該光の直進性(指向性)が低下するおそれがある。
これに対して、非カラー領域502にはカラーフィルタ153が形成されていないため、発光ユニット221からの光がカラーフィルタ153にて吸収されることなく表示画面G上に導出され、当該光が視認される。これにより、高輝度な光を遊技者に対して視認させることができる。換言すれば、画像表示用液晶層133の液晶の配向が同一(画像表示用液晶層133の光の透過率が同一)である状況においてカラーフィルタ153が形成されていない非カラー領域502の透過率は、カラー領域501よりも高く設定されているといえる。
ここで、1画素内においてカラー領域501の面積は非カラー領域502の面積よりも大きくなるように設定されている。具体的には、カラー領域501の画素電極521,522,523を合わせた面積が非カラー領域502の画素電極511,512,513の面積よりも大きくなるように、サブゲートライン503の位置が調整されている。これにより、非カラー領域502においてカラー表示が行われない場合であっても、その事実が視認されにくい。これにより、非カラー領域502が形成されていることによって生じ得る画質の低下が把握されにくい。よって、非カラー領域502を形成することにより生じ得る遊技者に対して違和感を低減することができる。
なお、非カラー領域502を作成する手順としては、例えばネガ型のカラーレジストを塗布し、低温過熱を行なう(プレベーク)。そして、予め非カラー領域502が露光されないようにパターニングが施されたマスクを用いて露光処理を行う。その後、現像処理を行うことで、露光されていない箇所を溶かして除去する。以上の工程をR,G,Bそれぞれについて行なうことで、カラー領域501及び非カラー領域502を形成することができる。
薄膜トランジスタ511a,512a,513aは、ソースドライバ回路201及びゲートドライバ回路202からの信号に基づいて、画素電極511,512,513に対する電圧を制御するものである。これについては、第1実施形態で説明した通りであるため、詳細な説明を省略するが、薄膜トランジスタ511a,512a,513aがオン/オフ切り換わることによって、画像表示用液晶層133において画素電極511,512,513に対応する領域が光を透過する透過状態と、光を遮蔽する遮蔽状態とに切り換わるようになっている。これにより、薄膜トランジスタ511a,512a,513aのオンオフ制御を行うことで、画像表示用液晶層133において画素電極511,512,513に対応する領域を透過状態と遮蔽状態とに切り換えることができる。この場合、透過状態における光の透過率が遮蔽状態のそれよりも高いため、透過状態を高透過率状態ということができ、遮蔽状態を低透過率状態ということができる。
なお、非カラー領域502が透過状態である場合には、当該非カラー領域502には発光ユニット221からの光がそのまま視認されることとなる。すなわち非カラー領域502において白表示が行なわれる。一方、非カラー領域502が遮蔽状態である場合には黒表示が行なわれることとなる。
上記のように構成された画素が複数マトリクス状に配列されることにより、表示領域134が形成される。この場合、垂直方向(ソースライン142に沿った方向)にカラー領域501と非カラー領域502とが交互に配列されていることとなる。但し、画素のスケールは、遊技者がカラー領域501と非カラー領域502とが個別に識別することが困難となるように十分小さく設定されている。
なお、サブゲートライン503及び非カラー領域502を制御する薄膜トランジスタ511a,512a,513aが形成されていることに対応させて、描画信号が形成される。具体的には、本実施形態の描画信号は第1実施形態と比較して2倍の画素数に対応したものとなっている。
次に、本実施形態の特定発光演出について説明する。本実施形態の特定発光演出では、非カラー領域502が形成されていることにより表示する画像の内容が、第1実施形態と異なる。当該異なる点について図35を用いて説明する。図35(a)は表示画面Gに表示される画像を示す説明図、図35(b)は表示画面Gに表示されるキャラクタ画像の1画素(図35(a)中、Aで示す箇所)を説明するための説明図、図35(c)は第1特定発光領域361の1画素(図35(a)中、Bで示す箇所)を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、外れ用特定発光演出の際に表示される画像について説明する。
図35(a)に示すように、特定発光演出では、第1キャラクタ画像CH1を表示させるとともに、第1特定発光領域361にて白表示を行なう。この場合、第1キャラクタ画像CH1を構成する画素は、図35(b)に示すように、第1キャラクタ画像CH1のピクセルに対応したカラー表示が行なわれる。具体的には、例えばLCDデータ信号に基づいて画素内のR画素504の薄膜トランジスタ504aをオフにし、G画素505及びB画素506の薄膜トランジスタ505a,506aをオンにすると、R画素504が透過状態となり、G画素505及びB画素506が遮蔽状態となる。これにより、カラー領域501において赤が表示される。
ここで、キャラクタ画像が表示される画素においては、非カラー領域502の薄膜トランジスタ511a,512a,513aはオンに設定されている。これにより、非カラー領域502は遮蔽状態となる。よって、当該非カラー領域502は暗く表示される。
一方、第1特定発光領域361を構成する画素は、図35(c)に示すように、カラー領域501において白表示が行なわれる。具体的には、カラー領域501の各薄膜トランジスタ511a,512a,513aがオフとなるように設定される。これにより、カラー領域501において白表示が行なわれる。この場合、カラー領域501において3原色をそのまま透過させることに着目すれば、当該白表示が行なわれる状態はカラー領域501における完全透過状態ということができる。また、白表示を表示させる場合の光の透過率は、他の色を表示させる場合と比較して高いため、白表示が行なわれている状態は高透過率状態であるとも言える。
また、図35(c)に示すように、第1特定発光領域361の画素の非カラー領域502は透過状態となるように設定される。具体的には、非カラー領域502の薄膜トランジスタ511a,512a,513aはオフに設定される。これにより、非カラー領域502の光の透過率が高くなり、発光ユニット221からの光が非カラー領域502を介して直接的に視認されることとなる。
ここで、第1キャラクタ画像CH1の画素と第1特定発光領域361の画素とを比較すると、非カラー領域502の光の透過率が異なる分だけ、画素の輝度が異なる。具体的には、第1特定発光領域361に含まれる画素の非カラー領域502が透過率が相対的に高い透過状態に設定されているため、第1特定発光領域361の画素の輝度が第1キャラクタ画像CH1の画素の輝度よりも高くなっている。これにより、第1特定発光領域361が他の領域よりも明るく表示される光の演出が行なわれる。
つまり、通常の画像を表示させる場合には、非カラー領域502を遮蔽状態に設定することにより、1画素における光の透過率を低く設定しておく。この場合、カラー領域501においてカラー表示を行なう。そして、特定発光演出を行う場合には、特定発光の対象領域の第1特定発光領域361に含まれる画素の非カラー領域502を透過状態に設定することで、通常の画像を表示させる場合よりも画素の輝度を高くする。これにより、通常の画像表示よりも明るい光を視認させることが可能となり、当該光を用いた演出を行なうことで遊技への注目度を高めることができる。特に、非カラー領域502を透過する光はカラーフィルタ153による散乱の影響がない分、光の直進性が高い。これにより、遊技者に対して直接的な光を視認させることができる。
この場合、画像を表示させる場合には非カラー領域502が遮蔽状態となっているため、第1実施形態の画素と比較してカラー表示の輝度が低下する。このため、非カラー領域502が遮蔽状態となっている状況においても第1実施形態の画素の輝度と同程度の輝度が確保できるように、発光ユニット221の光の強度を上げる。具体的には発光ユニット221の青色LEDチップ224を流れる電流を上げる。これにより、非カラー領域502を設けることによって生じ得る輝度の低下を軽減し得る。この場合、発光ユニット221の光の強度が高くなっているため、非カラー領域502が透過状態となった場合には、より高輝度の光(直接的な光)が視認されることとなり、より表示画面Gへの注目度を高めることができる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
1画素内に、カラー表示を行なうカラー領域501と、カラーフィルタ153が形成されていないことにより光の透過率がカラー領域501よりも高くなり得る非カラー領域502と、を設けた。当該非カラー領域502は、対応する画像表示用液晶層133の配向制御を行うことで光の透過率が相対的に高低となる透過状態と遮蔽状態とに切り換わり可能に形成されている。これにより、表示画面Gにおいて一部の画素の非カラー領域502を透過状態とすることで、局所的に高輝度の光を視認させる光の演出を行なうことが可能となり、当該光の演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
また、通常の画像を表示させる場合には、非カラー領域502を光の透過率が相対的に低い遮蔽状態に設定した。これにより、上記光の演出の際に視認される光の輝度と通常の画像の輝度との差が大きくなるため、上記光の演出への注目を惹きつけ易い。よって、光の演出への注目度を高めることができる。
特に、1画素内にカラー領域501と非カラー領域502とが形成されているため、画素毎に両者を形成する構成と比較して、画質の低下が把握されにくい。これにより、通常の画像を好適に表示させつつ、光の演出を行う場合には高輝度の光を視認させることができる。
また、カラー領域501と非カラー領域502とは交互に配列されている。これにより、非カラー領域502が遮蔽状態で黒表示される場合であっても当該黒表示が周囲のカラー領域501のカラー表示によって目立ちにくい。よって、非カラー領域502にて色表示が行なわれないことによって生じ得る不都合を回避することができる。
さらに、非カラー領域502を遮蔽状態に設定することによって生じ得る透過率の低下に対応させて発光ユニット221の発光強度(光度)を上げた。これにより、通常の画像を好適に表示させつつ、局所的に高輝度の光を視認させることが可能となる。
なお、本実施形態において光制御パネル123が無くてもよい。この場合であっても、第1特定発光領域361に含まれる非カラー領域502を透過状態とすることにより、第1特定発光領域361の輝度を他の領域の輝度よりも高くすることができる。但し、光制御パネル123において第1特定発光領域361に対応する領域を透過状態とする構成と組み合わせた方が、より高輝度で直進性の強い光が視認されるため、よりインパクトのある光の演出を行うことができる。
なお、光制御パネル123を設けない場合には、当該光制御パネル123に代えて拡散板を設けるとよい。これにより、発光ユニット221からの光が拡散されるため、表示画面Gにおいて輝度ムラが生じにくい。
なお、本実施形態では、1画素内の非カラー領域502において3つの画素電極511,512,513を形成し、それに対応させて薄膜トランジスタ511a,512a,513aを形成したが、これに限られず、例えば3つの領域に跨るように画素電極を設け、当該画素電極に対応した薄膜トランジスタを設ける構成としてもよい。この場合、画素電極とソースライン142とが接触しないように、両者の間に酸化膜等の絶縁膜を形成するとよい。これにより、両者の接触によるショートを抑制し得る。
さらに、画素電極を複数の画素に跨るように形成し、当該画素電極に対する電圧制御を行う薄膜トランジスタを設ける構成としてもよい。この場合、1の薄膜トランジスタのオンオフ制御で、複数の画素に跨って形成されている非カラー領域を透過状態と散乱状態とに切り換えることができる。これにより、画素毎に非カラー領域502の制御を行う構成と比較して、非カラー領域502の制御に係る処理負荷を軽減することができる。但し、非カラー領域502の制御を高精細に行える点に着目すれば、画素毎に非カラー領域502の制御を行う構成の方が優れている。
また、1画素内にカラー領域501と非カラー領域502とを設ける構成としたが、これに限られず、例えば画素毎にカラー領域501及び非カラー領域502とする構成としてもよい。この場合、実質的な画素数が低下するため、画質の低下が懸念される。これに対して、1画素内に両者を設ける構成の場合、上記画質の低下が目立ちにくいため、画質の低下の観点に着目すれば、1画素内に両者が形成されている構成のほうが好ましい。
また、カラーフィルタ153を除去することで高透過率領域を形成する構成としたが、これに限られず、例えば偏光板を除去することで上記高透過率領域を形成する構成としてもよい。但し、この場合、偏光板が形成されていない領域では、画像表示用液晶層133の配向制御を行うことにより光の透過率を制御することが困難になる。この点に着目すれば、カラーフィルタ153を除去することで形成する構成のほうが優れている。
また、本実施形態では、サブゲートライン503をゲートドライバ回路202に接続させ、非カラー領域502の制御信号をLCDデータ信号に含めることで非カラー領域502を制御する構成としたが、これに限られず、例えば非カラー領域502を別に制御する構成としてもよい。具体的には、各サブゲートライン503を集約するとともに、各サブゲートライン503の個別の電圧印加が可能な専用ドライバ回路を設ける。そして、描画信号に専用の非カラー領域制御信号を設定し、画像信号処理回路341に送信する構成とする。画像信号処理回路341は、上記描画信号に基づいて、非カラー領域制御信号を含むLCDデータ信号及び光制御信号を作成し、それぞれLCDコントローラ342、光制御パネル用コントローラ351に対して送信する構成とする。LCDコントローラ342はタイミングコントローラ343を介して各ドライバ回路201,202を駆動制御することで画像の表示を行なうとともに、上記専用ドライバ回路及びソースドライバ回路201を駆動制御することで非カラー領域502の制御を行う。
<第4実施形態>
本実施形態では、第3実施形態と光制御パネルが異なっており、その異なる点について説明する。
本実施形態では、光制御パネル123に代えて、第2実施形態の光制御パネル401を適用する。具体的には、光制御パネル401と液晶パネル121とが組み合わせられた場合に、ドット領域423と画素とが重なり合うようになっている。発光ユニット221からの光はドット領域423を介して画素に到達し、当該画素を介して視認される。
かかる構成における稲妻演出について図36を用いて説明する。図36(a)は、稲妻演出の画像説明するための説明図であり、図36(b)は稲妻演出において稲妻部分と背景部分との境界部分の画素構造を説明するための説明図である。なお、図36(b)では画素の一部を破断することにより光制御パネル401を一部示す。
図36(a),(b)に示すように、黒表示の背景を下地として第1稲妻領域441が表示される場合、背景を構成する背景画素601と第1稲妻領域441を構成する稲妻画素602とではその態様が異なるとともに、各画素601,602に対応する背景ドット領域603と稲妻ドット領域604とでは態様が異なっている。
具体的には、図36(b)に示すように、背景画素601のカラー領域601aでは黒表示が行なわれ、稲妻画素602のカラー領域602aでは白表示が行なわれる。この場合、稲妻画素602の非カラー領域602bは透過状態となっている。当該非カラー領域602bの透過率はカラー領域602aの透過率よりも高い。これにより、単にカラー領域602aにて白表示が行なわれる構成と比較して、高輝度の光を直接的に視認させることができる。なお、背景画素601の非カラー領域601bは遮蔽状態となっているため、第1稲妻領域441と背景とのコントラストが大きくなっている。これにより、第1稲妻領域441が際立って視認される。
また、光制御パネル401にあっては、背景ドット領域603は散乱状態となっている一方、稲妻ドット領域604は透過状態となっている。これにより、発光ユニット221から稲妻ドット領域604に対して照射される光は、散乱することなく稲妻ドット領域604を透過し、稲妻画素602を透過する。よって、発光ユニット221の光が直接的に表示画面Gに視認されることとなり、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
ここで、1画素内にカラー領域501と非カラー領域502とが形成されており、各画素の非カラー領域502を個別制御可能となるように薄膜トランジスタ511a,512a,513aが形成されている。これにより、非カラー領域502を画素単位で制御することができるため、高輝度にする範囲を画素単位で制御することができる。よって、局所的に高輝度にする光の演出の多様化を図ることができ、例えばアンコウ演出のように発光体があたかも移動するような演出にも対応することができる。
<第5実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と比較して、バックライト基板122の構成が異なっているとともに、電気的構成が異なっている。これら異なる点について図37を用いて説明する。図37は本実施形態における図柄表示装置41の電気的構成を示すブロック図である。
第1実施形態では、発光ユニット221の光の強度は同一であったが、これを変更する。図37に示すように、バックライト基板122には、各発光ユニット221に対して個別制御が可能な個別LEDドライバ回路701が設けられている。個別LEDドライバ回路701は、各発光ユニット221を個別に制御できるように構成されており、例えば各発光ユニット221に対して並列接続されている。個別LEDドライバ回路701は、各発光ユニット221に対する電流(電圧)を制御することができるように形成されている。これにより、個別LEDドライバ回路701を制御することで、各発光ユニット221の発光強度(光度)を変更することができるようになっている。
本実施形態では、画像信号処理回路341とバックライト基板122の個別LEDドライバ回路701とが、LEDコントローラ702を介して接続されている。画像信号処理回路341は描画信号を受信した場合に各発光ユニット221を個別制御するためのLEDデータを作成し、当該LEDデータをLEDコントローラ702に対して送信する。LEDコントローラ702は上記LEDデータに基づいて各発光ユニット221に対する制御信号を個別LEDドライバ回路701に対して送信することで、各発光ユニット221の発光強度を制御する。
かかる構成によれば、例えば特定発光演出を行う場合、特定発光領域361,371の裏面側に配置されている発光ユニット221の発光強度を他の発光ユニット221よりも高くする。これにより、特定発光領域に高輝度の光が視認される光の演出を行なうことができる。
また、例えば稲妻演出を行う場合には、稲妻画像IM1,IM2に対応する発光ユニット221の光度を高く設定し、黒表示される背景に対応する発光ユニット221の光度を低く設定する。これにより、稲妻画像IM1,IM2をより際立たせることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、各発光ユニット221に対して個別制御が可能な個別LEDドライバ回路701を設けるとともに、当該個別LEDドライバ回路701を制御するLEDコントローラ702を設けた。画像信号処理回路341は、描画信号を受信した場合に各発光ユニット221を個別制御するためのLEDデータをLEDコントローラ702に対して送信し、LEDコントローラ702はLEDデータに基づいて各発光ユニット221に対する制御信号を個別LEDドライバ回路701に対して送信することで、各発光ユニット221の光度を制御する構成とした。これにより、表示画面Gにおいて局所的に高輝度の光が視認される光の演出を行うことができ、当該光の演出を介して表示画面Gへの注目度を高めることができる。
なお、LEDコントローラ702に発光ユニット221のフィードバック制御を行う機能を設けてもよい。具体的には、発光ユニット221の温度等を検知する検知センサを設け、当該検知センサの検知結果に基づいて発光ユニット221に流す電流を制御する構成としてもよい。これにより、温度ばらつきや光度ばらつきに好適に対応することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、発光ユニット221は青色LEDチップ224を備えている構成としたが、これに限られず、例えば冷陰極管等を用いてもよい。但し、青色LEDチップ224等のLED素子を用いた発光素子の方が、光の直進性の点で優れているため、よりインパクトのある光を視認させやすい。
(2)上記各実施形態では、バックライトとしての発光ユニット221が液晶パネル121の裏面側に配置されている所謂直下型であったが、これに限られず、例えば液晶パネル121のエッジにライトが形成されるエッジライト型でもよい。エッジライト型の場合、光を拡散させる導光板を光制御パネル123とバックライト基板122との間に設ける。これにより、特定発光演出等の各種光の演出を行うことができる。但し、エッジライト型の場合、導光板にて反射、散乱されて平均化された光が遊技者に対して視認される構成である一方、直下型の場合には、発光ユニット221から直進してくる光が直接視認される。これにより、直下型の方が直進性の強いインパクトのある光を視認させることができる。よって、インパクトのある演出を行える点において、直下型の構成のほうが優れている。
(3)上記実施形態において、遊技盤24において図柄表示装置41の周囲に電飾装置を設け、各種光の演出を行う場合に、表示画面Gの表示態様と電飾装置とを関連付ける構成としてもよい。例えば、図38に示すように、センターフレーム42において第1特定発光領域361の延長線上の位置に第1発光素子801(例えばLED)を設けるとともに遊技盤24の盤面に第2発光素子802(例えばLED)を設けてもよい。この場合、外れ用特定発光演出の開始タイミングで、各発光素子801,802を発光させる構成とする。これにより、あたかも第1特定発光領域361を介した一筋のLEDの発光体群が発光しているように見え、遊技者に対してインパクトを与えることができる。
かかる構成の場合、通常の図柄表示装置41では、第1特定発光領域361の光の輝度が電飾装置の両発光素子801,802の輝度よりも小さくなりやすく、一体的なものとして認識されにくい場合があった。これに対して、光制御パネル123を透過状態にすることにより、第1特定発光領域361の光の輝度を高めることができるとともに、発光ユニット221にて発光する光の直進性を確保することができる。これにより、第1特定発光領域361において視認される光を両発光素子801,802の光に近づけることができるため、第1特定発光領域361と電飾装置とを一体的なものとして認識させることができる。
なお、電飾装置と連動した光の演出は特定発光演出に限定されず、第2実施形態の稲妻演出、アンコウ演出にも適用することができる。
(4)直接光で視認される対象としては、稲妻や図柄等に限られず、例えば車のヘッドライト、太陽の光、日本刀等の刀身等でもよい。要は、表示画面Gに表示させる演出画像において特に他の部分との差別化を計りたい箇所に直接光が視認されるようにすればよい。
(5)各実施形態において切換用液晶層253,413に対して電圧を印加するための電極(第1実施形態においては第1電極271〜第5電極275、第2実施形態においては第1透明電極421及び第2透明電極422)は切換用液晶層253,413に対して直接接触するように形成したが、これに限られず、例えば配向膜の外側に電極を形成し、当該配向膜を介して切換用液晶層253,413に対して電圧を印加する構成としてもよい。この場合、切換用液晶層253,413に対しては交流電圧を印加するとよい。これにより、絶縁破壊を起こすことなく各液晶分子255aを配向させることが可能となる。
(6)上記各実施形態では、図柄表示装置41はドットマトリクスタイプの液晶パネル121を用いたものであったが、これに限られず、例えば7セグメント表示装置であってもよい。この場合、7セグメントの表示領域に合わせて切換電極を形成し、予め定められた演出開始タイミングで切換電極に対して電圧を印加する構成とするとよい。これにより、7セグメント表示装置においても本発明を適用することができる。
(7)上記各実施形態では、光制御パネル123等と液晶パネル121とが所定の間隔を隔てた状態で配置されていたが、これに限られず、例えば両者が接触するように配置されていてもよい。これにより、図柄表示装置41の薄型化を図ることができる。但し、光制御パネル123の第1電極271〜第5電極275と液晶パネル121の画素電極172とによって生じる寄生容量の影響等を鑑みれば、両者が離間している構成のほうが好ましい。
(8)上記各実施形態では、図柄表示装置41の画像信号処理回路341が液晶パネル121の各画素の駆動制御を行うLCDデータ信号を出力するとともに、光制御パネル123を制御する光制御信号を出力する構成としたが、これに限られず、例えば音声ランプ制御装置82が光制御パネル用コントローラ351に対して光制御信号を出力する構成としてもよい。この場合、表示画面Gの画像と光制御パネル123,401の態様とが対応するように、両者の同期を取るようにするとよい。
(9)上記実施形態では、図柄の停止結果を表示制御装置331において決定する構成としたが、これに限定されることはなく、停止結果を主制御装置81において決定する構成としてもよい。この場合、特定発光演出等の光の演出を行うか否かを主制御装置81において決定するようにし、光の演出を実行すべき条件が成立している場合には主制御装置81において当該演出に対応した態様を決定する構成としてもよい。
(10)上記実施形態では、大当たりの場合と外れの場合とで特定発光演出等の光の演出の態様は同一であったが、これに限られず、例えば大当たりの場合のリーチ表示と外れの場合のリーチ表示とで、演出態様が異なるようにしてもよい。
また、リーチ表示を行う場合に必ず光の演出を行う構成としたが、これに限られず、抽選処理を実行し、当該抽選に当選した場合に光の演出を行う構成としてもよい。この場合、リーチ表示を行なう場合とそうでない場合とで、当選確率が異なるように設定してもよい。
(11)上記各実施形態における各時間の計測の方法は任意であり、またカウンタエリアを用いた所定の値のカウントの仕方は加算式であっても減算式であってもよい。また、上記第1実施形態において、各開閉実行モードにおけるラウンド数も任意である。
また、上記各実施形態において、可変入賞装置32などへの遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
(12)上記各実施形態において、有効ラインはストレートラインに限定されることはなく、折れ曲がりを有するラインとして設定されていてもよい。また、図柄の態様は上記各実施形態のものに限定されることはなく任意である。
また、上記各実施形態では、相対的に有利な所定遊技状態として確変大当たり結果に対応した状態が設定されており、相対的に不利な所定遊技状態として通常大当たり結果に対応した状態が設定されている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、開閉実行モード後の電動役物34aの開放期間の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後の高確率モードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
(13)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が光の演出の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が光の演出の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。また、光の演出を行うか否かの抽選処理を実行し、当該抽選に当選した場合に上記光の演出を行う構成である場合には、前者の保留情報に基づく抽選と、後者の保留情報に基づく抽選と、で当選確率を異なるように設定してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(14)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上記(13)のように下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて、保留情報が取得される構成としたが、これに限られず、例えば、スタートレバーを設け、当該スタートレバーの操作に基づいて、保留情報が取得される構成としてもよい。要は、保留情報が取得される条件は任意である。
(16)液晶表示形式については、上記各実施形態の他に、いわゆるVA型でもよく、さらにVA型において所定の単位領域毎に配向が異なる分割配向を用いたMVA型(ASV型)でもよい、さらに、いわゆるIPS型でもよい。要は、液晶分子の配向が電圧印加によって変化し、当該変化によって画素を通過する光の透過率が変化するように構成されていればよい。
(17)上記各実施形態では、切換用液晶層253,413として高分子分散型液晶を用いたがこれに限られず、他の透過散乱型液晶を用いてもよい。また、透過散乱型液晶に限られず、例えば複屈折型液晶、TN(ツイステッドネマチック)型液晶、強誘電性液晶でもよい。要は、電圧が印加されることにより光の透過率が変化するように形成されていればよく、その具体的な液晶特性については任意である。但し、透過散乱型液晶を用いる構成のほうが、当該光制御パネル123を拡散板として用いることができる点で優れている。
(18)上記各実施形態では、各種直接光を用いた演出(第1実施形態における特定発光演出、第2実施形態における稲妻演出、アンコウ演出等)は図柄の変動表示中に行われる構成としたが、これに限られず、例えば図柄の変動表示が開始される前でもよく、また、開閉実行モード中に行われる構成としてもよい。
(19)上記各実施形態では、光制御パネル123,401の光制御領域241,402の一部を透過状態とすることで、表示画面Gの一部を高輝度にする構成としたが、これに限られず、例えば光制御領域241,402を透過状態とさせることで、表示画面G全体を高輝度にする構成としてもよい。
(20)上記各実施形態において、遊技者が操作可能な操作ボタンを設け、当該操作ボタンが操作されることに基づいて、光制御パネル123,401の制御を行う構成としてもよい。また、光制御パネル123,401の光制御領域241,402が透過状態となる透過モードと、光制御領域241,402が散乱状態となる散乱モードと、を設定し、操作ボタンが操作されることによって上記モードの切換が行われるように構成してもよい。これにより、遊技者の好みに合わせて、インパクトのある光を用いた演出と、柔らかな光を用いた演出と、を選択することができる。
(21)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.画像が表示される表示画面(表示画面G)を有する液晶表示手段(液晶パネル121)と、
前記液晶表示手段の背面側に配置され、当該液晶表示手段に対して光を照射する光源手段(発光ユニット221)と、
前記画像の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置331)と、
を備えた遊技機において、
前記液晶表示手段と前記光源手段との間に設けられ、前記表示画面のうち予め定められた特定表示領域(特定発光領域361,371)を透過する光量を変更する光量変更手段(第1及び第3実施形態における光制御パネル123)と、
前記光量変更手段を制御する光量変更制御手段(第1及び第3実施形態におけるドライバ回路276及び光制御パネル用コントローラ351)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、光量変更手段を制御することにより、特定表示領域において視認される光の明るさを変更することができる。これにより、例えば表示画面において特定表示領域を他の領域よりも明るく表示させることで、特定表示領域においてインパクトのある光を遊技者に対して視認させる光の演出を実行することができ、当該光の演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴A2.前記光量変更手段は、光の透過率が相対的に高低となる高透過率状態と低透過率状態とに切り換わり可能な切換手段(液晶集合体255)を備え、
前記光量変更制御手段は、前記切換手段において前記特定表示領域に対応した特定切換領域(ライン領域281,282)を前記高透過率状態にするものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、切換手段が高透過率状態となっている場合には、光源手段から液晶表示手段に対して照射される光の損失が、低透過率状態となっている場合と比較して少ない。これにより、切換手段が低透過率状態となっている場合と比較して明るい光が液晶表示手段の特定表示領域に対して照射される。よって、特定表示領域においてインパクトのある光を遊技者に対して視認させることができる。
特徴A3.前記高透過率状態は光を透過する透過状態であり、
前記低透過率状態は光を散乱する散乱状態であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、切換手段が散乱状態となっている状況においては、当該切換手段によって散乱された光が液晶表示手段に対して照射される。これにより、液晶表示手段に対して照射される光の輝度ムラが低減される。よって、上記輝度ムラが低減された見易い画像を表示画面に表示させることができる。
一方、特定切換領域を散乱状態から透過状態に切り換えることで、特定表示領域において当該特定表示領域の背面側に配置されている光源手段を直接的に視認させることができる。この場合、特定表示領域において視認される光は散乱されていないため、散乱による輝度の低下が抑制されているとともに、直進性が確保されている。これにより、特定表示領域において光源手段からの直接的な光を視認させることが可能となり、表示画面においてあたかも発光体が発光しているような光の演出を行うことができる。したがって、特定表示領域において輝度ムラが低減された画像を表示させつつ、所定の場合にはインパクトのある光を視認させる光の演出を実行することが可能となっている。
特徴A4.前記切換手段において前記特定切換領域以外の領域の表面には、前記光源手段からの光を屈折させることによって拡散させる凹凸部(屈折用凹凸部283)が設けられていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、凹凸部が形成されているため、光源手段からの光が屈折によって拡散され易い。これにより、表示画面の輝度ムラをより低減することができ、より見易い画像を表示させることが可能となる。
特徴A5.前記表示画面に表示される演出には、前記表示画面のうち前記特定表示領域において当該特定表示領域以外の領域である他の領域よりも明るい光を視認させる特定演出(第1及び第3実施形態における特定発光演出)が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記特定演出を実行する場合に、前記特定切換領域を前記高透過率状態にするものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合には、前記他の領域において前記特定表示領域の発光態様に対応した演出対応画像を表示させるものであることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特定表示領域においてインパクトのある光が視認されつつ、その他の領域において当該特定表示領域の発光態様に対応した演出対応画像が表示される演出を実行することができる。
特徴A6.前記演出対応画像は、前記特定表示領域から離間するに従って輝度が段階的に小さくなるように設定された画像であることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、表示画面において、特定表示領域から徐々に輝度が小さくなる画像が表示される。これにより、表示画面における輝度分布が段階的になるため、特定表示領域においてインパクトのある光を視認させつつ、全体として特定表示領域と他の領域とが一体となった表示態様の特定演出を実行することができる。
特徴A7.前記特定演出は、前記表示画面に所定の発光対象が表示されるものであり、
前記特定切換領域は、前記発光対象の形状に対応付けて形成されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、例えば表示画面に発光対象として太陽の画像が表示される演出を行う場合、切換手段において太陽に対応付けられて形成された特定切換領域を高透過率状態とすることで、太陽を他のキャラクタ等よりも明るく表示させることができる。これにより、表示画面において太陽らしさを表現することが可能となり、太陽等の発光対象の表示を好適に行うことができる。
特徴A8.前記特定演出は、前記所定の発光対象を有するキャラクタ画像が表示されるものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合、前記他の領域において前記キャラクタ画像を表示させるものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、例えば特定切換領域を刀の形状に対応させて形成し、特定切換領域を高透過率状態としつつ、その他の領域において侍の画像を表示させることで、際立った光を放つ刀を有する侍の画像を表示させることが可能となる。これにより、特定表示領域にて視認される光と他の領域において表示される画像とがマッチした演出を実行することができる。
特徴A9.前記表示画面に表示される演出には、前記表示画面のうち前記特定表示領域において当該特定表示領域以外の領域である他の領域よりも明るい光を視認させる特定演出(第1及び第3実施形態における特定発光演出)が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記特定演出を実行する場合に、前記特定切換領域を前記高透過率状態にするものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合には、前記他の領域における少なくとも前記特定表示領域との境界部分において黒色を基調とした画像を表示させるものであることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特定表示領域と他の領域との境界部分との間のコントラストが大きくなるため、特定表示領域において視認される光が際立つ。これにより、特定演出において特定表示領域にて視認される光を目立たせることが可能となる。よって、例えば特定演出として稲妻の画像を表示させようとする場合には、稲妻の領域を高透過率状態とし、他の領域において稲妻の領域との境界部分を黒表示とすることによって、インパクトのある稲妻の光を表現することができる。
特徴A10.前記切換手段は、
電圧が付与されることにより、前記高透過率状態と前記低透過率状態とに切り換わる切換用液晶層(切換用液晶層253)と、
前記特定切換領域に対応した形状をなし、前記切換用液晶層に対して電圧を付与する透明電極(第1電極271〜第5電極275)と、
を備えており、
前記光量変更制御手段は、前記透明電極に対する電圧制御を行うことで前記切換用液晶層を、前記高透過率状態と前記低透過率状態とに切り換えるものであることを特徴とする特徴A2乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、透明電極に対して電圧が付与された場合、当該電圧に基づく電界が印加された領域が高透過率状態となる。透明電極は特定表示領域に対応した形状をなしている。これにより、透明電極に対する電圧制御により特定切換領域を高透過率状態とすることができる。よって、特定表示領域において光源手段の光を直接的に視認させることが可能となり、表示画面においてあたかも発光体が発光しているような光の演出を行うことができる。
なお、切換用液晶層としては例えば、電圧が付与されることにより、光を散乱する散乱状態(低透過率状態)から光を透過する透過状態(高透過率状態)に切り換わる高分子分散型液晶を有する高分子層が考えられる。
特徴A11.前記特定表示領域には、第1特定表示領域(第1特定発光領域361)と当該第1特定表示領域とは異なる領域である第2特定表示領域(第2特定発光領域371)と、が含まれており、
前記透明電極は、
前記第1特定表示領域に対応付けられた第1透明電極(第1電極271〜第3電極273)と、
前記第2特定表示領域に対応付けられた第2透明電極(第3電極273〜第5電極275)と、
を備え、
前記光量変更制御手段は、各透明電極に付与する電圧を個別制御するものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1透明電極と第2透明電極とを個別に制御することによって、光源手段の光が直接的に視認される領域を変更したり、徐々に光源手段の光が直接的に視認される領域を大きくしたりすることができる。これにより、光源手段の光を直接的に視認させる光の演出の多様化を図ることができる。
特徴A12.前記第1特定表示領域と前記第2特定表示領域との一部が共通の領域となっており、
前記透明電極は、
前記共通の領域に対応付けられた共通電極(第3電極273)と、
前記第1特定表示領域のうち前記共通の領域以外の領域に対応付けられた第1個別電極(第1電極271及び第2電極272)と、
前記第2特定表示領域のうち前記共通の領域以外の領域に対応付けられた第2個別電極(第4電極274及び第5電極275)と、
を備えており、
前記光量変更制御手段は、前記共通電極及び各個別電極それぞれに対して付与する電圧を個別に制御するものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1特定表示領域と第2特定表示領域との一部が共通の領域となっているため、上記共通の領域が形成されていない場合と比較して、各領域の自由度を高めることができる。これにより、光源手段の光を直接的に視認させる領域をより自由に設定することができ、インパクトのある光を視認させる光の演出の表示態様の多様化をより好適に図ることができる。
かかる構成において、共通の領域に電圧を付与する電極が、各特定表示領域の個別の領域に電圧を付与する電極と連続している場合、一方の特定表示領域のみを光源手段の光が直接的に視認される状態に設定することが不可となる。これに対して、本特徴によれば、各特定表示領域に共通する共通電極と、各特定表示領域にうち共通の領域以外の領域に対応付けられた個別電極と、が設けられているため、例えば共通電極と第1個別電極とに対して電圧を付与することで、第1特定表示領域のみを光源手段の光が直接的に視認される状態にしつつ、第2特定表示領域に画像を表示させることができる。これにより、上記不都合を回避することができる。
特徴A13.予め定められた契機に基づいて、前記表示画面に表示される絵柄の変動表示態様を決定する態様決定手段(MPU321において変動用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段は、前記態様決定手段が決定した変動表示態様で前記表示画面に前記絵柄を表示させるものであり、
前記光量変更制御手段は、前記態様決定手段が決定した変動表示態様に応じて各透明電極に対して付与する電圧を個別制御するものであることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、表示画面に表示される絵柄の表示態様に対応させて各透明電極に対する電圧を制御することにより、絵柄の変動表示態様に対応させて特定表示領域のうち光源手段の光が直接的に視認させる領域を変更することができる。よって、インパクトのある光を視認させる演出の多様化を図ることができる。
特徴A14.前記透明電極は、前記特定切換領域を分割するように形成された複数の分割電極を備え、
前記光量変更制御手段は、電圧付与対象となる分割電極を予め定められた順序で順次変更することで、前記特定切換領域において前記高透過率状態となる領域を順次変更するものであることを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、電圧付与対象となる分割電極を予め定められた順序で順次変更することによって、特定表示領域内において光源手段の光が直接的に視認される領域が順次変更される。これにより、光源手段の光が直接的に視認される領域が順次移り変わる演出を行うことができる。よって、光源手段を用いた光の演出の多様化を図ることができる。
なお、特徴A13との関係によれば、「前記光量変更制御手段は、前記態様決定手段により決定された変動表示態様に応じて、電圧付与対象となる分割電極を予め定められた順序で順次変更する」構成とするとよい。これにより、光源手段を用いた光の演出と絵柄の変動表示態様とを関連付けることができる。
特徴A15.予め定められた契機に基づいて、前記表示画面に表示される絵柄の変動表示態様を決定する態様決定手段(MPU321において変動用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段は、前記態様決定手段が決定した変動表示態様で前記表示画面に前記絵柄を表示させるものであり、
前記態様決定手段により決定される変動表示態様にはリーチ表示が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記絵柄の変動表示が前記リーチ表示となる場合又は複数種設定されたリーチ表示のうちの特定リーチ表示が行われる場合に、前記特定表示領域を透過する光量が他の領域よりも高くなるように前記光量変更手段を制御するものであることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、リーチ表示が行われる場合に、特定表示領域においてインパクトのある光を視認させる演出を行うことができ、当該リーチ表示への注目度を高めることが可能となる。
特徴A11との関係によれば、「前記リーチ表示には、前記第1透明電極に対して電圧を付与する第1リーチ表示と、前記第2透明電極に対して電圧を付与する第2リーチ表示と、が含まれている」とよい。これにより、リーチ表示の多様化を図ることができるとともに、リーチ表示と特定表示領域においてインパクトのある光を視認させる光の演出とをより関連付けることができる。
なお、リーチ表示としては、例えば「前記表示画面において、複数の絵柄列により絵柄の変動表示が行われ、絵柄の変動表示を終了させる前段階に一部の絵柄列について絵柄の変動表示が停止され、予め定められた特定絵柄の組み合わせが停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせが表示され、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下において残りの絵柄列について絵柄の変動表示が行われる」構成が考えられる。
特徴A16.前記光量変更手段及び前記液晶表示手段は互いに相対位置関係を変更しないようにユニット化されていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、液晶表示手段に対する光量変更手段の位置ずれに起因して特定表示領域の位置がずれる不都合を回避することができる。
特徴A17.前記光源手段はLEDであることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、光源手段として光の直進性が蛍光灯等と比較して高いLEDを用いるため、蛍光灯等を用いる構成と比較して、遊技者に対してよりインパクトのある光を視認させることができる。
この場合、上記光の直進性の高さに起因して表示画面において輝度ムラが生じ易い。これに対して、特徴A3の構成を適用することにより、輝度ムラの発生を抑制しつつ、必要な場合には直進性の高い光を用いてインパクトのある光を視認させることが可能となる。
また、光源手段としてLEDを用いることにより、蛍光灯を用いる構成と比較して光源手段の小型化を図ることができる。これにより、切換手段を設けることによって生じ得る大型化を抑制し得る。
特徴A18.前記LEDは前記表示画面の背面側に複数配置されており、
前記光量変更手段は、各LEDの光量を個別に可変制御可能なLED制御手段(個別LEDドライバ回路701)を備えていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、特定表示領域に向けて照射する光源手段の光量が他の光源手段の光量と異なるように各LEDを制御することによって、特定表示領域の明るさを制御し、当該特定表示領域にインパクトのある光を視認させる光の演出を行うことができる。
特徴A19.画像が表示される表示画面(表示画面G)を有する液晶表示手段(図柄表示装置41)と、
前記画像の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置331)と、
を備えた遊技機において、
前記表示画面の輝度を変更する輝度変更手段(第1及び第3実施形態における光制御パネル123、第2及び第4実施形態における光制御パネル401)と、
前記表示画面において予め定められた特定表示領域の輝度が他の領域の輝度と異なるように前記輝度変更手段を制御する輝度変更制御手段(第1及び第3実施形態におけるドライバ回路276及び光制御パネル用コントローラ351、第2及び第4実施形態における第1ドライバ回路431、第2ドライバ回路432及び光制御パネル用コントローラ351)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A19によれば、輝度変更手段を備えているため、当該輝度変更手段を制御することにより特定表示領域の輝度を他の領域と異なるようにすることができる。これにより、特定表示領域の輝度が他の領域の輝度と異なる演出を実行することができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
また、特徴A1〜A19の構成に対して、特徴B1〜特徴B15、特徴C1〜特徴C13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。これにより、更なる相乗的な効果を奏する。
特徴B1.画像が表示される表示画面を有する液晶表示手段(液晶パネル121)と、
前記液晶表示手段の背面側に配置され、当該液晶表示手段に対して光を照射する光源手段(発光ユニット221)と、
前記画像の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置331)と、
を備えた遊技機において、
前記液晶表示手段と前記光源手段との間に配置されており、複数の単位領域(ドット領域423)に区分されているとともに前記表示画面を透過する光量を上記単位領域毎に変更可能な光量変更手段(第2及び第4実施形態における光制御パネル401)と、
前記光量変更手段を前記単位領域毎に個別制御する光量変更制御手段(第2及び第4実施形態における第1ドライバ回路431、第2ドライバ回路432及び光制御パネル用コントローラ351)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、光量変更手段を区分された単位領域毎に個別制御することにより、例えば表示画面の一部において他の部分よりも明るい光を視認させる光の演出を実行することができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
また、光量変更手段を区分された単位領域毎に個別制御することにより、例えば相対的に明るい光が視認される部分を自由に選択することができる。これにより、上記光の演出を行う上で当該演出の自由度を高めることができる。
特徴B2.前記光量変更手段は、
電圧が付与されることにより、光の透過率が相対的に高低となる高透過率状態と低透過率状態とに切り換わる切換用液晶層(切換用液晶層413)と、
前記切換用液晶層の表面側に配置され、線状に形成されているとともに所定の間隔を隔てて略平行に配列されている複数の第1透明電極(第1透明電極421)と、
前記切換用液晶層の裏面側に配置され、前記第1透明電極と交差する方向に延びる線状に形成されているとともに所定の間隔を隔てて略平行に複数配列されている複数の第2透明電極(第2透明電極422)と、
を備え、
前記単位領域は、前記切換用液晶層のうち1の第1透明電極と1の第2透明電極との間にあるドット領域であり、
前記光量変更制御手段は、各第1透明電極及び各第2透明電極に対して付与される電圧を個別に制御することで、前記ドット領域単位で前記光量変更手段を制御するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1透明電極と当該第1透明電極に対して交差する第2透明電極との間に電圧が付与されると、切換用液晶層において2つの透明電極の間に配置されているドット領域が低透過率状態から高透過率状態に移行する。これにより、電圧を付与する第1透明電極及び第2透明電極の組み合わせを変更することにより、所望のドット領域を高透過率状態に設定することができる。すなわち、第1透明電極と第2透明電極とが交差しているドット領域を1ドットとして、当該ドット単位で切換用液晶層を高透過率状態と低透過率状態とに個別制御することが可能となる。よって、高透過率状態となる領域を高精細に制御することが可能となり、より多彩な光の演出を行うことができる。
また、当該構成によれば、演出内容に対応した形状の透明電極を設ける必要がなく、ソフトウェア制御によって高透過率状態となる領域を制御することができる。これにより、演出内容に応じた透明電極のパターンを形成する必要がないため、演出内容の変更に伴って新たに電極パターンのマスクを作成する必要がない。よって、演出内容の変更に容易に対応することができる。
なお、液晶表示手段が複数の画素を有する構成である場合には、ドット領域は画素の大きさに対応させて形成されているとともに、ドット領域と画素とが重なり合うように配置するとよい。これにより、ドット領域と画素とを対応付けることが可能となるため、ドット領域の制御を行うことで画素単位の光量制御が可能となる。
特徴B3.前記光量変更制御手段は、電圧付与対象となるドット領域以外のドット領域に対して電圧が付与されないように、同時に電圧付与対象となるドット領域を規制するものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
例えば、電圧付与対象のドット領域として第1ドット領域及び第2ドット領域が含まれていた状況において各ドット領域を構成する透明電極(第1透明電極A、第1透明電極B及び第2透明電極A、第2透明電極B)に対して電圧を付与すると、第1ドット領域及び第2ドット領域に加えて、第1透明電極A及び第2透明電極Bによって構成されるドット領域と、第1透明電極B及び第2透明電極Aによって構成されるドット領域と、が高透過率状態となる。このため、複数のドット領域を同時に高透過率状態となるようにしようとすると、想定外の領域が高透過率状態となるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、電圧付与対象のドット領域以外のドット領域に対して電圧が付与されないように同時に電圧付与対象となるドット領域が規制される。これにより、上記不都合を回避しつつ、インパクトのある光を用いた多彩な演出を行うことができる。
特徴B4.前記光量変更制御手段は、
電圧付与対象となるドット領域が複数ある場合、当該複数のドット領域のうち一部のドット領域に対して電圧を付与するとともに、予め定められた更新タイミングとなる度に前記複数のドット領域において電圧が付与されるドット領域が順次遷移するように各透明電極に対する電圧制御を行うことで、前記電圧付与対象のドット領域以外のドット領域に対して電圧を付与しないようにしつつ、各電圧付与対象のドット領域に対して電圧を付与するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、更新タイミングとなる度に高透過率状態となるドット領域を順次遷移させることで、電圧付与対象となる各ドット領域から構成される領域が全体として高透過率状態として機能し、表示画面の一部においてインパクトのある光を視認させることが可能となる。この場合、同時に電圧を付与するドット領域の数を少なくすることができるため、電圧付与対象となっていないドット領域に対して電圧が付与される事態を避けることができる。これにより、表示画面のうち所望の領域にインパクトのある光を視認させつつ、想定外の領域にて上記インパクトのある光が視認されることを抑制することができる。
特徴B5.前記光量変更制御手段は、各ドット領域に対応して設けられ、前記ドット領域に対する電圧付与が停止した場合に当該ドット領域において電圧が付与されている状態を一時的に保持する保持手段を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、保持手段を備えているため、高透過率状態となるドット領域が順次遷移するように電圧を制御する構成において、電圧付与の停止タイミングから次の電圧付与の開始タイミングまでの間、ドット領域を高透過率状態に維持することができる。これにより、高透過率状態となるドット領域を順次遷移させることによって生じ得る光のチラつきを抑制し得る。
特徴B6.前記光量変更制御手段は、前記表示画面に所定の発光対象を表示させる場合には、前記高透過率状態となる領域が前記発光対象の形状に対応するように各ドット領域の電圧制御を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、例えば表示画面に発光対象として太陽の画像が表示される演出を行う場合、太陽の形状に対応付けられたドット領域を高透過率状態とすることで、太陽を他のキャラクタ等よりも明るく表示させることができる。これにより、表示画面において太陽らしさを表現することが可能となり、太陽等の発光対象の表示を好適に行うことができる。
特徴B7.前記光量変更制御手段は、各ドット領域に対する電圧制御を行うことで、予め定められた更新タイミングとなる度に前記高透過率状態となる領域を予め定められた特定方向に変位させるものであることを特徴とする特徴B2乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、各ドット領域の電圧制御を行うことで、高透過率状態となる領域を特定方向に変位させることができる。これにより、例えば発光対象が特定方向にスクロールするのに伴って、高透過率状態となる領域を特定方向に変位させることができる。この場合、ドット単位で高透過率状態となる領域を制御することができるため、滑らかな変位が実現される。これにより、他のキャラクタよりも明るく表示された発光対象が特定方向に移動する演出を好適に行うことができ、遊技への注目度を高めることができる。
特徴B8.前記光量変更手段は、前記高透過率状態となる領域が段階的に拡張されるように各ドット領域に対する電圧制御を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、高透過率状態となる領域が段階的に拡張するように各ドット領域に対する電圧制御を行うことで、表示画面において他の領域よりも明るく表示される領域を段階的に大きくする演出を行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴B9.前記表示画面において行われる演出には、前記表示画面のうち所定の領域において当該所定の領域以外の領域である他の領域の輝度よりも明るい光を視認させる特定演出(第2実施形態における稲妻演出、アンコウ演出、第4実施形態における稲妻演出)が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記特定演出を実行する場合には、前記所定の領域に対応したドット領域に対して電圧が付与されるように各透明電極を個別制御するものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合には、前記他の領域において前記所定の領域の発光態様に対応した演出対応画像を表示させるものであることを特徴とする特徴B2乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、表示画面に、所定の領域においてインパクトのある光が視認されつつ、その他の領域において当該所定の領域の発光態様に対応した演出対応画像が表示される。これにより、光の演出と画像表示とを関連付けることが可能となる。
特徴B10.前記演出対応画像は、前記所定の領域から離間するに従って輝度が段階的に小さくなるように設定された画像であることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、表示画面において、所定の領域から徐々に輝度が小さくなる画像が表示される。これにより、表示画面における輝度分布が段階的になるため、所定の領域においてインパクトのある光を視認させつつ、全体として所定の領域と他の領域とが一体となった表示態様の特定演出を実行することができる。
特徴B11.前記特定演出は、前記表示画面に所定の発光対象を有するキャラクタ画像が表示されるものであり、
前記光量変更制御手段は、前記特定演出を実行する場合、前記発光対象に対応したドット領域に対して電圧が付与されるように前記透明電極を個別制御するものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合、前記他の領域において前記キャラクタ画像を表示させるものであることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、例えば高透過率状態となる領域を刀の形状に対応させて設定した状態で、所定の領域に刀を表示させるとともに、その他の領域において侍の画像を表示させることで、際立った光を放つ刀を有する侍の画像を表示させることが可能となる。これにより、所定の領域に視認される光と他の領域において表示される画像とがマッチした演出を実行することができる。
特徴B12.前記表示画面に表示される演出には、前記表示画面のうち前記所定の領域において当該所定の領域以外の領域である他の領域よりも明るい光を視認させる特定演出(第2及び第4実施形態における稲妻演出)が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記特定演出を実行する場合に、前記所定の領域に対応したドット領域に対して電圧が付与されるように各透明電極を個別制御するものであり、
前記表示制御手段は、前記特定演出を実行する場合には、前記他の領域における少なくとも前記所定の領域との境界部分において黒色を基調とした画像を表示させるものであることを特徴とする特徴B2乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、所定の領域と他の領域との境界部分との間のコントラストが大きくなるため、所定の領域において視認される光が際立つ。これにより、特定演出において所定の領域にて視認される光を目立たせることが可能となる。よって、例えば特定演出として稲妻の画像を表示させようとする場合には、稲妻の領域を高透過率状態とし、他の領域において稲妻の領域との境界部分を黒表示とすることによって、インパクトのある稲妻の光を表現することができる。
特徴B13.予め定められた契機に基づいて、前記表示画面に表示される絵柄の変動表示態様を決定する態様決定手段(MPU321において変動用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段は、前記態様決定手段が決定した変動表示態様で前記表示画面に前記絵柄を表示させるものであり、
前記態様決定手段により決定される変動表示態様にはリーチ表示が含まれており、
前記光量変更制御手段は、前記絵柄の変動表示が前記リーチ表示となる場合又は複数種設定されたリーチ表示のうちの特定リーチ表示が行われる場合に、前記光量変更手段の個別制御を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、リーチ表示が行われる場合に光を用いた演出を行うことで、当該リーチ表示への注目度を高めることが可能となる。
なお、リーチ表示としては、例えば「前記表示画面において、複数の絵柄列により絵柄の変動表示が行われ、絵柄の変動表示を終了させる前段階に一部の絵柄列について絵柄の変動表示が停止され、予め定められた特定絵柄の組み合わせが停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせが表示され、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下において残りの絵柄列について絵柄の変動表示が行われる」構成が考えられる。
特徴B14.前記光量変更手段及び前記液晶表示手段は互いに相対位置関係を変更しないようにユニット化されていることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、液晶表示手段に対する光量変更手段の位置ずれに起因して高透過率状態となる領域とインパクトのある光を視認させたい領域との位置ずれが生じる不都合を回避することができる。
特徴B15.前記光源手段はLEDであることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、光源手段として光の直進性が蛍光灯等と比較して高いLEDを用いるため、光量変更手段を高透過率状態にすることにより、蛍光灯等を用いる構成と比較して、遊技者に対してよりインパクトのある光を視認させることができる。
また、特徴B1〜B15の構成に対して、特徴C1〜特徴C13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。これにより、更なる相乗的な効果を奏する。
特徴C1.画像が表示される表示画面(表示画面G)を有する液晶表示手段(液晶パネル121)と、
前記液晶表示手段に対して光を照射する光源手段(発光ユニット221)と、
前記画像の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置331)と、
を備えた遊技機において、
前記液晶表示手段には、液晶の配向によって透過率が異なる表示用液晶層(画像表示用液晶層133)が設けられているとともに、当該液晶の配向が同一である状況において光の透過率が相対的に高低となるように高透過率領域(非カラー領域502)と低透過率領域(カラー領域501)とが並設されており、
前記表示制御手段は、前記低透過率領域に対応した液晶の配向制御を行うことで当該低透過率領域を透過する光を制御し、前記表示画面に画像を表示させるものであり、
前記高透過率領域に対応した液晶の配向制御を行うことで、前記高透過率領域における光の透過率を制御する特定制御手段(第3実施形態における各ドライバ回路201,202、LCDコントローラ342等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、液晶の配列方向が同一である状況において相対的に透過率が異なる高透過率領域と低透過率領域とが並設されており、低透過率領域を透過する光を用いて表示画面に画像が表示される。
かかる構成において、高透過率領域に対応した液晶の配向制御を行うことで高透過率領域の透過率を制御し、例えば表示画面において画像表示の光よりも明るい光を視認させる光の演出を行うことができる。これにより、当該光の演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴C2.前記低透過率領域は、カラーフィルタ(カラーフィルタ153)が設けられているカラー領域(カラー領域501)であり、
前記カラー領域は、前記カラーフィルタを介して前記光源手段からの光を透過させることによりカラー画像を表示させるものであり、
前記高透過率領域は、前記カラーフィルタを介することなく前記光源手段からの光を透過させる非カラー領域(非カラー領域502)であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、カラーフィルタを介して光源手段からの光を透過させることによりカラー画像が表示される。この場合、カラー画像の輝度はカラーフィルタを通過する分だけ損失している。このため、遊技者に対してインパクトのある光を視認させにくい。
これに対して、本特徴によれば、非カラー領域ではカラーフィルタを介することなく光源手段からの光を遊技者に対して視認させることができる。
また、一般にカラーフィルタは顔料が用いられる。カラーフィルタを透過する光は上記顔料によって散乱され、直進性が低下し易い。これに対して、本特徴によれば、カラーフィルタによる散乱がない分、光の直進性を確保することができる。
以上のことから、光源手段の光を直接的に視認させることができ、インパクトのある光を遊技者に対して視認させることができる。
特徴C3.前記カラー領域と前記非カラー領域とが交互に配列されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、カラー領域と非カラー領域とが交互に配列されているため、非カラー領域において色表示が行われていない場合であっても、その事実を認識させにくくすることができる。これにより、非カラー領域を設けたことによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴C4.前記液晶表示手段は複数の画素を有し、
各画素内に前記カラー領域及び前記非カラー領域が形成されていることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、1画素内にカラー領域と非カラー領域とが形成されているため、非カラー領域の透過率の制御を画素単位で行うことができる。これにより、画素の表示態様に対応付けて非カラー領域の透過率の制御を行うことができるため、表示画面に表示される画像とインパクトのある光が視認される領域との関連付けを好適に行うことができる。
また、画素内にカラー領域と非カラー領域とを形成することにより、カラー領域の画素と非カラー領域の画素とを形成する構成と比較して、非カラー領域が目立ちにくい。これにより、非カラー領域においてカラー表示が行なわれないことによって生じ得る画質の低下を目立ちにくくすることができる。
特徴C5.前記非カラー領域が形成されている領域の面積は、前記カラー領域が形成されている領域の面積よりも小さく設定されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、カラー表示が行なわれない領域の面積よりもカラー表示が行なわれる領域の面積の方が大きく設定されているため、1画素全体としてカラー表示が行われているように視認される。これにより、非カラー領域を設けたことによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴C6.前記特定制御手段は、前記高透過率領域の光の透過率を制御することで、前記表示画面における所定の領域の光を他の領域よりも明るくすることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定の領域において他の領域よりも明るい光を視認させることができる。これにより、所定の領域においてインパクトのある光を視認させる光の演出を行うことができ、当該光の演出を通じて、遊技への注目度を高めることができる。
特徴C7.前記特定制御手段は、前記表示画面に所定の発光対象が表示される場合には、前記所定の領域が前記発光対象の形状となるように前記高透過率領域の光の透過率を制御するものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、例えば表示画面に発光対象として太陽の画像が表示される演出を行う場合、太陽の形状に対応付けてインパクトのある光が視認される領域を設定することで、太陽を他のキャラクタ等よりも明るく表示させることができる。これにより、表示画面において太陽らしさを表現することが可能となり、太陽等の発光対象の表示を好適に行うことができる。
特徴C8.前記特定制御手段は、前記高透過率領域の光の透過率を制御することで、予め定められた更新タイミングとなる度に前記所定の領域が予め定められた特定方向に変位させるものであることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、例えば表示画面において発光対象が特定方向にスクロールするのに伴って、所定の領域を特定方向にスクロールさせることで、発光対象が特定方向に移動する演出を行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
この場合、特徴C4の構成を適用することで、所定の領域の変位を画素単位で制御することができるため、所定の領域の滑らかな変位を行うことができる。
特徴C9.前記特定制御手段は、前記高透過率領域の光の透過率を制御することで、前記所定の領域が段階的に拡張されるようにするものであることを特徴とする特徴C6乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、所定の領域を段階的に拡張させることで、例えば発光対象が徐々に近づいてくる演出を行うことができる。
この場合、特徴C4の構成を適用することで、所定の領域の拡張を画素単位で制御することができるため、所定の領域の滑らかな拡張を行うことができる。
特徴C10.前記表示制御手段は、前記他の領域において前記所定の領域の発光態様に対応した演出対応画像を表示させるものであることを特徴とする特徴C6乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、表示画面に、所定の領域においてインパクトのある光が視認されつつ、その他の領域において当該所定の領域の発光態様に対応した演出対応画像が表示される。これにより、光の演出と画像表示とを関連付けることが可能となる。
特徴C11.前記光源手段は前記液晶表示手段の背面側に配置されており、
前記液晶表示手段は、前記背面側から照射される光を透過することによって前記表示画面に画像を表示させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、液晶表示手段の背面側に光源手段が配置されているため、光源手段を表示画面の周縁部に設け、導光板等で屈折させて照射する構成と比較して、直接的な光を遊技者に対して視認させることができる。これにより、遊技者に対してよりインパクトのある光を視認させることができる。
特徴C12.前記光源手段はLEDであることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、光源手段として光の直進性の高いLEDを用いることにより、蛍光管等を用いる構成と比較して、インパクトある光を視認させることができる。
特徴C11との関係によれば、インパクトのある光を視認させる観点から光源手段を液晶パネルの背面に配置すると、液晶表示手段の大型化が懸念される。これに対して、本特徴によれば、光源手段としてLEDを用いることによって、液晶表示手段の大型化を抑制し得る。これにより、特徴C11の構成を適用することによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴C13.前記液晶表示手段は、前記表示用液晶層を挟むように設けられ、前記光源手段からの光を偏光する一対の偏光手段(偏光板151,152)を備え、
前記低透過率領域には前記一対の偏光手段が形成されている一方、前記高透過率領域には前記一対の偏光手段のうち少なくとも一方が形成されていないことを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、透過軸が互いに異なるように一対の偏光手段を配置し、液晶の旋光現象によって光の透過/遮蔽を切り換えることにより、表示画面に画像を表示させることができる。
かかる構成において、高透過率領域においては一対の偏光手段のうち少なくとも一方が設けられていないため、偏光手段による光の損失を抑制し得る。これにより、高透過率領域と低透過率領域とを、容易に形成することができる。
また、特徴C1〜C13の構成に対して、特徴A1〜A19、特徴B1〜特徴B15のいずれか1の構成を適用してもよい。これにより、更なる相乗的な効果を奏する。
特徴D1.画像が表示される表示画面(表示画面G)を有する液晶表示手段(液晶パネル121)と、
前記液晶表示手段の背面側に配置され、当該液晶表示手段に対して光を照射する光源手段(発光ユニット221)と、
前記画像の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置331)と、
を備えた遊技機において、
前記液晶表示手段には、液晶の配向によって透過率が異なる表示用液晶層(画像表示用液晶層133)が設けられているとともに、当該液晶の配向が同一である状況において光の透過率が相対的に高低となるように高透過率領域(第3及び第4実施形態における非カラー領域502)と低透過率領域(第3及び第4実施形態におけるカラー領域501)とが並設されており、
前記表示制御手段は、前記低透過率領域に対応した液晶の配向制御を行うことで当該低透過率領域を透過する光を制御し、前記表示画面に画像を表示させるものであり、
前記高透過率領域に対応した液晶の配向制御を行うことで、前記高透過率領域における光の透過率を制御する特定制御手段(第3実施形態における各ドライバ回路201,202、LCDコントローラ342等)と、
前記液晶表示手段と前記光源手段との間に設けられ、光の透過率が相対的に高低となる高透過率状態と低透過率状態とに切り換わり可能な切換手段(第3実施形態における光制御パネル123、第4実施形態における光制御パネル401)と、
前記切換手段を制御する切換制御手段(第1及び第3実施形態におけるドライバ回路276及び光制御パネル用コントローラ351)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、液晶の配列方向が同一である状況において相対的に透過率が異なる高透過率領域と低透過率領域とが並設されており、低透過率領域を透過する光を用いて表示画面に画像が表示される。
かかる構成において、高透過率領域における光の透過率を制御するとともに、切換手段を制御することによって、例えば表示画面において光源手段の光を直接的に視認させる光の演出を行うことができる。これにより、画像表示の光よりもインパクトのある光を視認させる光の演出を行うことができ、当該光の演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特に、液晶表示手段に高透過率領域が形成されているとともに、液晶表示手段と光源手段との間に切換手段が形成されているため、両者を重ね合わせることによって局所的に高い透過率の領域を形成することができる。これにより、画像が表示される場合と比較してインパクトのある光を視認させることができる。
特徴D2.前記特定制御手段は、前記高透過率領域の光の透過率を制御することで、前記表示画面における所定の領域の輝度を他の領域のそれよりも高くし、
前記切換制御手段は、前記光源手段からの光が前記高透過率状態の領域を介して前記所定の領域に到達するように前記所定の領域に対応した対応領域を前記高透過率状態にするものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、高透過率領域の光の透過率を制御することにより所定の領域の輝度が他の領域のそれよりも高くなっている。かかる状況において、光源手段の光は、切換手段において高透過率状態となっている領域を介して所定の領域を透過する。これにより、切換手段を透過する際の光の損失を低減することができ、所定の領域に光源手段の光を直接的に視認させることができる。すなわち、高透過率領域の制御を行うことで所定の領域自体の透過率を制御するとともに、当該所定の領域に照射される光を制御することで、所定の領域においてインパクトのある光を視認させることができる。
特徴D3.前記高透過率領域は複数形成されており、
前記特定制御手段は、前記複数の高透過率領域の光の透過率を個別制御することにより、前記所定の領域を可変制御するものであり、
前記切換手段は、複数の単位領域(ドット領域423)を有し、当該単位領域毎に前記高透過率状態と前記低透過率状態とに切り換わり可能に形成されており、
前記切換制御手段は、前記切換手段を前記単位領域毎に個別制御するものであり、
前記単位領域と前記高透過率領域とは対応付けて形成されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、複数の高透過率領域を個別制御することで所定の領域を可変制御することができる。これにより、所定の領域を所定の方向に変位させたり、徐々に大きくしたりして、光源手段の光が直接的に視認される演出の多様化を図ることができる。
かかる構成において、切換手段の単位領域と液晶表示手段の高透過率領域とが対応付けて形成されているため、液晶表示手段の高透過率領域の個別制御に伴って切換手段の単位領域の個別制御を行うことで、所定の領域の変化に対応させて、切換手段における高透過率状態となる領域を変化させることができる。これにより、例えば表示画面においてあたかも発光体が移動するように見せることができる。
なお、「前記単位領域と前記高透過率領域とは対応付けて形成されている」の具体的な構成としては、「前記液晶表示手段は複数の画素を有し、前記単位領域と前記高透過率領域とは前記画素の大きさに対応させて形成されている」構成が考えられる。
また、特徴D1〜D3の構成に対して、特徴A1〜特徴A19、特徴B1〜特徴B15、特徴C1〜特徴C13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。これにより、更なる相乗的な効果を奏する。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。