JP5951441B2 - 固体粒子分散剤、これを用いた固体粒子分散体及び表面処理固体粒子 - Google Patents
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Description
(1)ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体
ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体の製造に用いるポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより得られる。使用するアルデヒドの例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、イソブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、イソノナナール、デカナール、ベンズアルデヒドおよびこれらの混合物が挙げられる。ポリビニルアセタールの分子量は、重量平均分子量で100〜100,000が好ましく、より好ましくは1,000〜50,000である。その重量平均分子量が100未満であると分散性が低下する等の性能低下が見られ、100,000を超えると分散剤としての使用時に粘度が高くなり、扱いにくくなる。
本発明で使用するクマロン・インデン樹脂は、モノマー成分としてクマロン及びインデンを含む樹脂である。両者の割合は、分散剤の用途等により適宜選択されるが、通常はクマロンが1〜20重量%、インデンが40〜90重量%程度である。クマロンはメチルクマロン等のクマロン類を含んでもよく、インデンはメチルインデン等のインデン類を含んでもよいものとする。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。クマロン・インデン樹脂の分子量も分散剤の用途等により適宜選択され、特に限定されるものではないが、通常は重量平均分子量で500〜10,000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。商業生産品として入手可能なクマロン・インデン樹脂としては、日塗化学株式会社製のニットレジンクマロンG−90、G−100N、V−120、V−120Sなどがある。
本発明の分散剤は、上記ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体とクマロン・インデン共重合体との混合物である。ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体に対するクマロン・インデン樹脂の割合は、ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましい。0.1質量部未満であると所望の粘度低下効果が得られ難く、50質量部を超えると分散性能の低下が生じるようになる。
上記本発明の分散剤は、無機および有機の各種固体粒子の分散に対して有効である。具体的には、塗料、印刷インク、複写用トナー、プラスチック、顔料捺染剤、インクジェット記録用インク、熱転写記録用インク、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インク等の各分野で通常用いられる分散媒体中に、高濃度かつ安定に、固体粒子を分散させることができる。
[製造例1](ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体)
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、12−ヒドロキシステアリン酸50.0部、ε−カプロラクトン800.0部、テトラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで4時間かけて昇温し、残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで160℃で加熱を行った。反応生成物は黄色固体で、重量平均分子量は7,100、酸価は7.9mgKOH/gであった。
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、ポリビニルブチラール48.8部(積水化学工業株式会社製、商品名「エスレックBL−1」、平均分子量約19000、水酸基約36モル%、アセチル基3モル%以下、ブチラール化度63±3モル%)、ε−カプロラクトン114.0部(2.5モル当量/対水酸基)、ジオクチルスズネオデカネート0.2部を仕込み、窒素雰囲気下で、残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで180℃で加熱を行った。反応生成物は淡黄色粘調液体で、重量平均分子量は85,000であった。
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、ジエチレングリコール50.0部、ε−カプロラクトン800.0部、テトラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで4時間かけて昇温し、残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで160℃で加熱を行った。反応生成物は黄色固体で、重量平均分子量は2000であった。
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、ポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、商品名「エスレックBL−1」、平均分子量約19,000、水酸基約36モル%、アセチル基3モル%以下、ブチラール化度63±3モル%)27.5部、クマロン・インデン樹脂(日塗化学株式会社製、商品名「ニットレジンクマロンV−120」、平均分子量960)3.1部、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「プラクセルH1P」、分子量10,000)50.0部、ジオクチルスズネオデカネート0.05部を仕込み、窒素雰囲気下で200℃まで昇温し、6時間加熱を行った。反応生成物は黄色粘調液体で、重量平均分子量は92,500であった。
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、メタノール10.0部、ε−カプロラクトン800.0部、テトラブチルチタネート0.1部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで4時間かけて昇温し、残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで160℃で加熱を行った。反応生成物は黄色固体で、重量平均分子量は3100であった。
窒素導入管、温度計、還流管、検水管を取り付けた反応容器に、ポリエチレンイミン(BASF社製、商品名「Lupasol PR8515」、分子量2000)8.1部、製造例1のポリエステル91.9部、テトラブチルチタネート0.05部を仕込み、窒素雰囲気下で200℃まで昇温し、6時間加熱を行った。反応生成物は茶褐色固体で、アミン価は45.5mgKOH/g、酸価は1.1mgKOH/gであった。
ピグメントブルー15:6 50.0部、製造例4のグラフト共重合物5.0部、酢酸エチル250部を混合し、1時間攪拌した後、酢酸エチルを減圧留去して表面処理顔料を得た。
上記製造例、比較製造例により得られた分散剤及び次の比較分散剤につき、以下の方法により耐熱性の評価を行った。比較分散剤1,2の詳細は次の通りである。結果を表1に示す。
比較分散剤1:高分子系顔料分散剤(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名「アジスパーPB−822」、アミン価17mgKOH/g、酸価14mgKOH/g)
比較分散剤2:ポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、商品名「エスレックBL−1」、平均分子量約19000、水酸基約36モル%、アセチル基3モル%以下、ブチラール化度63±3モル%)
分散剤0.5mgを塩化メチレン20mLに溶解し、シリカゲル10gと混合し室温で乾燥させた。得られたシリカゲルの半量を200℃で1時間加熱処理を行い、処理前後の色差を測色色差計(日本電色工業(株)製)により測定した。
上記色差を以下の基準により判定した。
○:色差(ΔE)0以上5以下
△:色差(ΔE)5より大きく10未満
×:色差(ΔE)10以上
<分散性>
上記製造例により得られたポリビニルアセタール・ポリエステルグラフト共重合体等、及び比較対象の分散剤を表2に示した分散媒に溶解し、表2に示した固体粒子、0.3mmのジルコニアビーズをそれぞれ加え、ペイントシェーカーを用いて4時間分散した。分散操作停止直後の分散性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。実施例14については、製造例7で得られた表面処理顔料に分散媒及び上記ジルコニアビーズを加え、さらなる分散剤の使用は行わなかった以外は同じ操作を行った。結果を表2に示す。
◎:すべての粉末が液中に分散し、まったく底部に沈澱が発生していない
○:ほとんどの粉末が液中に分散しているが、わずかに底部に沈澱が発生した
△:半分程度の粉末が液中に沈澱した
×:ほとんどの粉末が底部に沈澱した
上記分散試験で得られた分散体の粘度をB型粘度計で測定した。結果を表2に示す。
分散試験後の分散体10.0部にアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットMD」)またはブチラール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名「エスレックBH−3」)を0.4部添加し、攪拌して溶解させた。得られた混合液をガラス基板に平均膜厚が1.8μmになるようにスピンコートし、120℃のオーブンで1時間加熱した。得られた塗膜を目視にて観察し、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
△:得られた塗膜に曇りが見られる
×:粒子が凝集し、透明性がない
塗膜状態試験で作製した試験板と、さらにそれを230℃で1時間加熱した試験板との色差を測定し、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
○:色差(ΔE)0以上1以下
△:色差(ΔE)1より大きく2.5未満
×:色差(ΔE)2.5以上
メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(25/75質量比、重量平均分子量約30000)40.0部、ピグメントブルー15:6 23.0部、製造例4のポリビニルブチラール−ポリエステル共重合体とクマロン・インデン樹脂の混合物7.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10.0部、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2−エトキシスチリル)−s−トリアジン3.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)200部を混合し、0.3mmジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカーにより分散を行い、感光性着色樹脂組成物を得た。
Claims (5)
- ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体を含有してなる分散剤であって、
前記ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体が、重量平均分子量1,000〜50,000のポリビニルアセタールに重量平均分子量100〜50,000のポリエステルがグラフト結合したものであり、
前記ポリビニルアセタール−ポリエステルグラフト共重合体100質量部に対して、クマロン・インデン樹脂を0.1〜50質量部含有することを特徴とする分散剤。 - 請求項1に記載の分散剤により固体粒子を非水系液体に分散させてなる固体粒子分散体。
- 請求項1に記載の分散剤、樹脂、及び固体粒子を含有してなる固体粒子含有樹脂組成物。
- 塗料組成物又はインク組成物であることを特徴とする、請求項3に記載の固体粒子含有樹脂組成物。
- 請求項1に記載の分散剤により固体粒子を処理してなる表面処理固体粒子。
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