JP5949045B2 - Sts値同期化方法およびisdb−t放送局システム - Google Patents

Sts値同期化方法およびisdb−t放送局システム Download PDF

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Description

本発明は、STS(Synchronization Time Stamp)値同期化方法およびISDB−T放送局システムに関し、特に、複数の多重化装置を備え、いずれかの多重化装置を現用として切り替えて使用するISDB−T放送局システムにおいて好適に適用することができる。
地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式については、現在、非特許文献1の社団法人電波産業会による「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 標準規格(ARIB STD−B31)」に示すように、ISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)と称するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式が、規格化されて、運用に供されている。
非特許文献1の標準規格においては、ISDB−Tの伝送方式においてSFN(Single Frequency Network)に対応するために、放送TS(Transport Stream)信号に多重されるIIP(ISDB−T Information Packet)の1フィールドとして、STS(Synchronization Time Stamp:基準時刻との差分を示すタイムスタンプ)値を重畳することを規定している。
STS値は、GPS(Global Positioning System)衛星より配信される1PPS(1 Pulse Per Second)信号の時刻を基準としたタイムスタンプ情報であり、放送TS信号の偶数番目のISDB−Tフレーム先頭位置が直近の1PPS信号に対して10MHzクロック換算で何クロック分遅延しているかという値を表している。
また、ISDB−Tの伝送方式において、放送TS信号のISDB−Tフレーム先頭位置は、放送TS信号を生成する多重化装置の内部ISDB−Tフレーム位相によって決定されることから、複数の多重化装置がある場合、それらの多重化装置間のISDB−Tフレーム位相差がSTS値の差として現れることとなる。
放送局設備としては、複数の多重化装置とTS切替器とを用いて、冗長システムを構築するのが一般的であるため、各多重化装置間にISDB−Tフレーム位相差が存在する場合、TS切替器にて系統切替を行った際に、TS切替器からの出力TS信号においてISDB−TフレームのSTS値の不連続性が生じることになり、SFN(Single Frequency Network)運用に重大な影響を及ぼすこととなる。
図5は、従来のISDB−T放送局システムのシステム構成を示す構成図である。図5に示すISDB−T放送局システムは、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2A、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4A、および、GPSレシーバ装置5、を少なくとも含んで構成され、多重化装置として1系と2系とからなる冗長構成とされている。
つまり、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aは、それぞれ、放送用の入力信号として入力されてくる1系入力TS信号TS1、2系入力TS信号TS2を、GPSレシーバ装置5から基準タイミング信号として出力されてくる10MHzクロック信号S1と1PPS(1 Pulse Per Second)信号S2、および、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aからフレーム同期用の信号として出力されてくるISDB−Tフレーム同期信号S3Aに基づいて、それぞれ、1系放送TS信号TS3、2系放送TS信号TS4として生成して出力する。そして、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3は、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aそれぞれから出力されてくる1系放送TS信号TS3、2系放送TS信号TS4のISDB−Tフレーム位相差を調整した上で、いずれか一方を選択して、放送TS信号TS5として出力する。
図6は、図5に示すISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aの詳細な内部構成を示すブロック構成図であり、伝送クロック生成部41、ISDB−Tフレームカウンタ42、TSパケット化部44Aからなっている。図6に示すように、GPSレシーバ装置5からの10MHzクロック信号S1を入力として、伝送クロック生成部41により、伝送用の伝送クロック信号S41を生成して、ISDB−Tフレームカウンタ42に対して出力する。ISDB−Tフレームカウンタ42においては、ISDB−Tフレームに該当するクロック数をカウントするカウンタ値をISDB−Tフレームカウンタ値S43としてTSパケット化部44Aに対して出力する。その結果、TSパケット化部44Aにおいて、フレーム同期用の信号をISDB−Tフレーム同期信号S3Aとして生成して、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aそれぞれに対して出力する。
また、図7は、図5に二重化冗長構成として備えた多重化装置のうち1系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置1系1Aの詳細な内部構成を示すブロック構成図であるが、2系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置2系2Aの内部構成についても全く同様の構成からなっていることは言うまでもない。
図7に示すISDB−T多重化装置1系1Aは、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11、伝送クロック生成部12、ISDB−Tフレームカウンタ13A、ISDB−Tフレーム構造生成部14、STSカウンタ18、IIPパケット生成部16、TS多重化部17を含んで構成されている。
図7のISDB−T多重化装置1系1Aにおいて、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11により、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aから入力されてくるISDB−T同期信号S3AからISDB−Tフレーム同期情報S11を抽出して、ISDB−Tフレームカウンタ13Aに対して出力する。また、伝送クロック生成部12により、GPSレシーバ装置5からの10MHzクロック信号S1を入力として伝送クロック信号S12を生成して、ISDB−Tフレームカウンタ13Aに対して出力する。
ISDB−Tフレームカウンタ13Aにおいては、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11からのISDB−Tフレーム同期情報S11を基にして、伝送クロック生成部12からの伝送クロック信号S12によりISDB−Tフレームにおけるクロック数をカウントした結果をISDB−Tフレームカウンタ値S13としてISDB−Tフレーム構造生成部14に対して出力するとともに、ISDB−Tフレームの先頭を示すISDB−Tフレーム先頭信号S15を、STSカウンタ18に対して出力する。
ISDB−Tフレーム構造生成部14においては、ISDB−Tフレームカウンタ13AからのISDB−Tフレームカウンタ値S13に基づいて、フレーム構成に関する情報を生成して、ISDB−Tフレーム構成情報S14として、TS多重化部17に対して出力する。
また、ISDB−Tフレームカウンタ13AからのISDB−Tフレーム先頭信号S15を受け取ったSTSカウンタ18においては、GPSレシーバ装置5から基準タイミング信号として出力されてくる10MHzクロック信号S1と1PPS(1 Pulse Per Second)信号S2に基づいて、基準時刻(1PPS信号S2の立ち上がりエッジ)からのISDB−Tフレーム先頭信号S15のずれを10MHzクロック信号S1によりカウントして、STS(Synchronization Time Stamp)値S16としてIIPパケット生成部16に対して出力し、IIPパケット生成部16においてパケット化して、IIP(ISDB−T Information Packet)パケットS17として、TS多重化部17に対して出力する。
TS多重化部17においては、ISDB−Tフレーム構造生成部14から出力されてくるISDB−Tフレーム構成情報S14に基づいて、放送用の入力信号として入力されてくる1系入力TS信号TS1およびIIPパケット生成部16からのIIPパケットS17を再多重化して1系放送TS信号TS3として出力する。
以上の図5、図6、図7に示したように、従来のISDB−T放送局システムは、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aが出力したISDB−Tフレーム同期信号S3Aを、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aの各多重化装置に入力することにより、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aの各多重化装置のISDB−Tフレーム位相差を低減するようにしていた。
しかしながら、ISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aそれぞれにおけるクロック速度変換処理などの影響から、完全には、両者のISDB−Tフレーム位相差を無くすことができず、図8のタイムチャートに示すように、TS切替器すなわちISDB−Tフレーム同期TS切替装置3においてISDB−T多重化装置1系1A、ISDB−T多重化装置2系2Aの系統切替を行った際のSTS値の不連続性の発生を完全には回避することができないという問題が発生してしまう。
図8は、図5に示した従来のISDB−T放送局システムにおいて系統切替が発生した際のSTS値の設定内容を説明するためのタイムチャートである。図8のタイムチャートは、放送TS信号TS5として出力されるTS信号が第0フレームから第1フレームへの出力へと切り替わる時刻tにおいてISDB−T多重化装置1系1AからISDB−T多重化装置2系2Aに切り替わった際に、第1フレームのIIPパケットに含まれる2系のSTS値を示すSTS2−1の設定内容が、第0フレームのIIPパケットに含まれている1系のSTS値を示すSTS1−0の設定内容と不連続になってしまう状況を説明している。
つまり、図8に示すタイムチャートに示すように、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aが出力したISDB−Tフレーム同期信号S3Aは、フレームの先頭位置となるフレーム位相基準を示すものであり、時刻tにおいて出力している。これに対して、ISDB−Tフレーム同期信号S3Aを受け取った1系のISDB−T多重化装置1系1Aから出力される1系放送TS信号TS3は、フレーム先頭位置が、クロック速度変換処理や素子のばらつきから時刻tよりも遅れた例えば時刻ts1になり、2系のISDB−T多重化装置1系2から出力される1系放送TS信号TS4は、フレーム先頭位置が、クロック速度変換処理や素子のばらつきから時刻tや時刻ts1よりもさらに遅れた例えば時刻ts2になっている。
したがって、1系のISDB−T多重化装置1系1AのSTS値は、GPSレシーバ装置5から出力される1PPS信号S2の立ち上がり時刻tから1系放送TS信号TS3の先頭の時刻ts1までの時間となり、第1フレームのIIPパケットには、STS値STS1−1として、時間(ts1−t)を設定する。一方、2系のISDB−T多重化装置2系2AのSTS値は、GPSレシーバ装置5から出力される1PPS信号S2の立ち上がり時刻tから2系放送TS信号TS4の先頭の時刻ts2までの時間となり、第1フレームのIIPパケットには、STS値STS2−1として、時間(ts2−t)を設定する。
その結果、時刻tにおいて1系のISDB−T多重化装置1系1Aから2系のISDB−T多重化装置2系2Aに切り替わった場合には、次のように、STS値が不連続になってしまう。直前の第0フレームの放送TS信号TS5としては1系のISDB−T多重化装置1系1Aからの1系放送TS信号TS3が用いられているので、直前の第0フレームの放送TS信号TS5のIIPパケットには、1系のSTS値STS1−0(=ts1−t)が設定されているが、切り替えが発生すると、切替直後の第1フレームの放送TS信号TS5として2系のISDB−T多重化装置2系2Aからの2系放送TS信号TS4が用いられることになるので、直後の第1フレームの放送TS信号TS5のIIPパケットには、1系のSTS値STS1−1(=ts1−t)の値とは異なる2系のSTS値STS2−1(=ts2−t)が設定されてしまうことになる。
社団法人電波産業会:「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 標準規格(ARIB STD−B31)」、2.0版、平成23年3月28日(第8−76頁)
前述したように、従来のISDB−T放送局システムにおいては、複数のISDB−T多重化装置を含んで構成している場合、複数のISDB−T多重化装置間のISDB−Tフレーム位相差がSTS値の差として現れ、放送TS信号を出力するISDB−T多重化装置を切り替えた場合、STS値の不連続が発生し、ISDB−T伝送におけるSFN運用に重大な影響を及ぼすという問題を回避することができない。
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、複数のISDB−T多重化装置を含んで構成している場合において、各ISDB−T多重化装置から出力される放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を同一の値として、ISDB−T多重化装置の切り替えが発生する場合があっても、STS値の連続性を確実に維持することが可能なSTS値同期化方法およびISDB−T放送局システムを提供することを、その目的としている。
前述の課題を解決するため、本発明によるSTS値同期化方法およびISDB−T放送局システムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明によるSTS値同期化方法は、ISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)伝送方式の放送TS信号を出力する複数のISDB−T多重化装置を備え、複数の該ISDB−T多重化装置のうちいずれかを現用として切り替えて使用するISDB−T放送局システムにおいて前記放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を同期化させるSTS値同期化方法であって、前記STS値を生成する生成部を、複数の前記ISDB−T多重化装置に対して共通に備え、該生成部が生成した該STS値を複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給し、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれは、前記生成部から供給された前記STS値そのまま、または前記生成部から供給された前記STS値をあらかじめ定めた演算式により演算して得た値の何れかを、自装置用のSTS値として前記放送TS信号に設定して出力することを特徴とする。
(2)本発明によるISDB−T放送局システムは、ISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)伝送方式の放送TS信号を出力する複数のISDB−T多重化装置を備え、複数の該ISDB−T多重化装置のうちいずれかを現用として切り替えて使用するISDB−T放送局システムであって、前記放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を生成する生成部を、複数の前記ISDB−T多重化装置に対して共通に備え、該生成部が生成した該STS値を複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給し、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれは、前記生成部から供給された前記STS値そのまま、または前記生成部から供給された前記STS値をあらかじめ定めた演算式により演算して得た値の何れかを、自装置用のSTS値として前記放送TS信号に設定して出力することを特徴とする。
本発明のSTS値同期化方法およびISDB−T放送局システムによれば、以下のような効果を奏することができる。
複数のISDB−T多重化装置それぞれから出力する放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を生成するための生成部を複数のISDB−T多重化装置に対して共通に唯一つだけ設置して、生成したSTS値をすべてのISDB−T多重化装置に対して供給するように構成しているので、すべてのISDB−T多重化装置それぞれが出力する放送TS信号中のSTS値を完全に一致させることが可能である。而して、複数のISDB−T多重化装置のいずれを現用の装置として用いるような系統切り替えを行った場合であっても、系統切り替えを行った前後において、放送TS信号として出力されるSTS値の連続性が乱れることがなく、ISDB−T伝送におけるSFN(Single Frequency Network)の円滑な運用を行うことができる。
本発明によるISDB−T放送局システムの実施形態のシステム構成例を示す構成図である。 図1に示すISDB−Tフレーム同期信号発生装置の詳細な内部構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に二重化冗長構成として備えた多重化装置のうち1系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置1系の詳細な内部構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に例示したISDB−T放送局システムにおいて系統切替が発生した際のSTS値の設定内容を説明するためのタイムチャートである。 従来のISDB−T放送局システムのシステム構成を示す構成図である。 図5に示すISDB−Tフレーム同期信号発生装置の詳細な内部構成を示すブロック構成図である。 図5に二重化冗長構成として備えた多重化装置のうち1系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置1系の詳細な内部構成を示すブロック構成図である。 図5に示した従来のISDB−T放送局システムにおいて系統切替が発生した際のSTS値の設定内容を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明によるSTS値同期化方法およびISDB−T放送局システムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、STS(Synchronization Time Stamp)値同期化方法およびISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)放送局システムに関するものであり、複数のISDB−T多重化装置といずれかのISDB−T多重化装置からの出力を現用として選択して出力するISDB−Tフレーム同期TS切替装置とを備えた場合に、各ISDB−T多重化装置に対して共通に設置されている、ISDB−T放送用のフレーム同期信号を生成するISDB−Tフレーム同期信号発生装置において、STS値を生成し、生成したSTS値をISDB−Tフレーム同期信号に重畳させて、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号として複数のISDB−T多重化装置それぞれに対して出力し、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号が入力される複数のISDB−T多重化装置それぞれが、ISDB−Tフレーム同期信号に重畳されていたSTS値をそのまま、又はその値に所定の演算処理を施して得た値を出力することにより、複数のISDB−T多重化装置それぞれが出力するSTS値を同じ値に一致させることを、主要な特徴としている。
而して、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置により、いずれのISDB−T多重化装置を現用に切り替えて選択した場合であっても、ISDB−T多重化装置から放送TS信号に含んで出力されるSTS値の連続性を完全に維持し、ISDB−T伝送におけるSFN(Single Frequency Network)の円滑な運用を行うことを可能にしている。
(実施形態の構成例)
次に、本発明によるISDB−T放送局システムの構成例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明によるISDB−T放送局システムの実施形態のシステム構成例を示す構成図である。
図1に示すISDB−T放送局システムは、図5の従来のISDB−T放送局システムの場合と同様、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4、および、GPSレシーバ装置5、を少なくとも含んで構成され、多重化装置として1系と2系とからなる冗長構成とされて、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3によっていずれかのISDB−T多重化装置を現用に切り替えて使用する構成となっている。
GPSレシーバ装置5は、図5の従来のISDB−T放送局システムの場合と同様、GPS衛星に同期した10MHzクロックS1をクロック信号としてISDB−Tフレーム同期信号発生装置4、および、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2に対してそれぞれ出力し、さらに、図5の従来のISDB−T放送局システムの場合とは異なり、GPS衛星に同期した1PPS(1 Pulse Per Second)信号S2を同期用の基準時刻を示す信号としてISDB−Tフレーム同期信号発生装置4に対して出力する。
ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4は、入力された10MHzクロック信号S1および1PPS信号S2に基づいて、ISDB−Tフレーム同期信号およびSTS値を生成して、生成したSTS値を重畳したSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3として、ISDB−T多重化装置1系1およびISDB−T多重化装置2系2に対してそれぞれ出力する。
ISDB−T多重化装置1系1は、GPSレシーバ装置5から入力されてくる10MHzクロック信号、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4から出力されてくるSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3に基づいて、1系の放送信号として入力されてくる1系入力TS信号TS1に対して、ISDB−Tフレーム構成に従って再多重化処理を行い、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3に重畳されたSTS値を設定したIIPパケットを含む1系放送TS信号TS3として、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3に対して出力する。
ISDB−T多重化装置2系2は、ISDB−T多重化装置1系1の場合と同様、GPSレシーバ装置5から入力されてくる10MHzクロック信号、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4から出力されてくるSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3に基づいて、2系の放送信号として入力されてくる2系入力TS信号TS2に対して、ISDB−Tフレーム構成に従って再多重化処理を行い、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3に重畳されたSTS値を設定したIIPパケットを含む2系放送TS信号TS4として、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3に対して出力する。
ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3は、ISDB−T多重化装置1系1から入力されてくる1系放送TS信号TS3、および、ISDB−T多重化装置2系2から入力されてくる2系放送TS信号TS4のISDB−Tフレーム位相差を調整した上で、いずれか一方を現用として選択して、放送TS信号TS5として出力する。
次に、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4の詳細な内部構成について図2を用いて説明する。図2は、図1に示すISDB−Tフレーム同期信号発生装置4の詳細な内部構成の一例を示すブロック構成図である。図2に示すように、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4は、伝送クロック生成部41、ISDB−Tフレームカウンタ42、STSカウンタ43、および、TSパケット化部44を少なくとも含んで構成されている。
伝送クロック生成部41は、図6の従来のISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aの場合と同様、GPSレシーバ装置5から入力される10MHzクロック信号S1に同期した伝送クロック信号S41を生成し、ISDB−Tフレームカウンタ42に対して出力する。ISDB−Tフレームカウンタ42は、図6の従来のISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aの場合と同様、伝送クロック生成部41から入力される伝送クロック信号S41に基づいて動作するカウンタであり、ISDB−Tフレームに該当するクロック数をカウントしてISDB−Tフレームカウンタ値S43を生成し、さらに、図6の従来のISDB−Tフレーム同期信号発生装置4Aの場合とは異なり、ISDB−Tフレームの先頭位置を示すISDB−Tフレーム先頭信号S42も生成して、それぞれ、TSパケット化部44およびSTSカウンタ43に対して出力する。
STSカウンタ43は、GPSレシーバ装置5から、クロック信号として入力される10MHzクロック信号S1、および、基準時刻を示す信号として入力される1PPS信号S2と、ISDB−Tフレームカウンタ42からISDB−Tフレームの先頭位置を示す信号として入力されるISDB−Tフレーム先頭信号S42と、に基づいて、基準時刻を示す1PPS信号S2からのクロック信号位相差を示すSTS値S44を生成して、TSパケット化部44に対して出力する。
TSパケット化部44は、ISDB−Tフレームカウンタ42から入力されるISDB−Tフレームカウンタ値S43、および、STSカウンタ43から入力されるSTS値S44に基づいて、STS値44を重畳したSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3を生成して、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2に対してそれぞれ出力する。
次に、図1に二重化冗長構成として備えた多重化装置のうち1系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置1系1の詳細な内部構成について図3を用いて説明する。図3は、図1に二重化冗長構成として備えた多重化装置のうち1系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置1系1の詳細な内部構成の一例を示すブロック構成図であるが、2系側の多重化装置すなわちISDB−T多重化装置2系2の内部構成についても全く同様の構成からなっていることは言うまでもない。
図3に示すISDB−T多重化装置1系1は、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11、伝送クロック生成部12、ISDB−Tフレームカウンタ13、ISDB−Tフレーム構造生成部14、STS値抽出部15、IIPパケット生成部16、TS多重化部17を少なくとも含んで構成されている。すなわち、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1Aの場合のSTSカウンタ18の代わりに、STS値抽出部15を用いて構成されている。
図3のISDB−T多重化装置1系1において、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11は、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4から入力されてくるSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3の中からISDB−Tフレーム同期情報S11を抽出して、ISDB−Tフレームカウンタ13に対して出力する。
伝送クロック生成部12は、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1Aの場合と同様、GPSレシーバ装置5からの10MHzクロック信号S1に同期した伝送クロック信号S12を生成して、ISDB−Tフレームカウンタ13に対して出力する。
ISDB−Tフレームカウンタ13は、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1Aの場合と同様、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11からのISDB−Tフレーム同期情報S11、および、伝送クロック生成部12からの伝送クロック信号S12に基づいて、ISDB−Tフレームにおけるクロック数をISDB−Tフレームカウンタ値S13として生成してISDB−Tフレーム構造生成部14に対して出力する。ただし、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1AのISDB−Tフレームカウンタ13Aの場合とは異なり、フレームの先頭を示すISDB−Tフレーム先頭信号は生成しない。
ISDB−Tフレーム構造生成部14は、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1Aの場合と同様、ISDB−Tフレームカウンタ13からのISDB−Tフレームカウンタ値S13に基づいて、フレーム構成に関する情報を生成して、ISDB−Tフレーム構成情報S14として、TS多重化部17に対して出力する。
STS値抽出部15は、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3の中からSTS値S16を抽出して、IIPパケット生成部16に対して出力する。
IIPパケット生成部16は、STS値抽出部15から入力されたSTS値S16をそのまま書き込んだIIPパケットS17を生成して、TS多重化部17に対して出力する。
TS多重化部17は、図7の従来のISDB−T多重化装置1系1Aの場合と同様、放送用の入力信号として入力されてくる1系入力TS信号TS1およびIIPパケット生成部16からのIIPパケットS17を、ISDB−Tフレーム構造生成部14からのISDB−Tフレーム構成情報S14に基づいて再多重化して、1系放送TS信号TS3として、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3に対して出力する。
なお、図1、図2、図3に説明したISDB−T放送局システムにおいては、STS値S44を生成するSTSカウンタ43をISDB−Tフレーム同期信号発生装置4内に内蔵させて、STSカウンタ43が生成したSTS値S44をISDB−Tフレーム同期信号に重畳させて、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3として、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2の双方の多重化装置に対して出力する例を説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
すなわち、STS値S44を生成するSTSカウンタ43が、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置に対して共通に1個のみ当該ISDB−T放送局システム内に設置されていて、当該ISDB−T放送局システム内の複数の多重化装置すべてに対して、共通設置された唯一つのSTSカウンタ43が生成したSTS値44を共通的に供給するように構成されていれば、如何なる形態でSTS値S44を生成して複数の多重化装置すべてに対して供給するようにしても構わない。
例えば、図2に示すように、STS値S44を生成するSTSカウンタ43をISDB−Tフレーム同期信号発生装置4に内蔵させた場合であっても、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3として出力する代わりに、ISDB−Tフレーム同期信号とは、独立に、生成したSTS値44を各多重化装置すべてに対してそれぞれ供給するように構成しても良いし、あるいは、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4とは別個に、STS値S44を生成するSTS生成部(つまり、伝送クロック生成部とISDB−Tフレームカウンタ部とSTSカウンタとからなる装置)を各多重化装置に対して共通に備えるようにして、共通に1個だけ設置したSTS生成部において生成したSTS値を、各多重化装置すべてに対してそれぞれ供給するように構成しても良い。
(実施形態の動作の説明)
次に、本発明の一例として図1、図2、図3に例示したISDB−T放送局システムの動作について、図4のタイムチャートを用いて説明する。図4は、図1に例示したISDB−T放送局システムにおいて系統切替が発生した際のSTS値の設定内容を説明するためのタイムチャートであり、図8に示した従来のISDB−T放送局システムにおけるSTS値の設定とは異なり、系統切替が発生しても、STS値の連続性を維持することが可能になっていることを示している。
つまり、図1に例示したISDB−T放送局システムにおいては、図2、図3のブロック構成図において説明したように、STS値を生成するSTSカウンタ43が、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置それぞれに内蔵されている従来の構成とは異なり、複数の多重化装置に共通なISDB−Tフレーム同期信号発生装置4内に1個のみ備えられていて、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置それぞれに対して、同一のSTS値を供給するように構成されている。
したがって、図1に例示したISDB−T放送局システムの動作を説明する図4のタイムチャートに示すように、放送TS信号TS5として出力されるTS信号が第0フレームから第1フレームへと切り替わる時刻tにおいてISDB−T多重化装置1系1からISDB−T多重化装置2系2に切り替わった場合であっても、図8の従来例とは異なり、第1フレームのIIPパケットに含まれるSTS値を示すSTS−1の設定内容は、直前の第0フレームのIIPパケットに含まれていたSTS値を示すSTS−0の設定内容と連続していることになる。
まず、図1のISDB−T放送局システムにおいて、STS値を生成する機能を内蔵したISDB−Tフレーム同期信号発生装置4の動作について、前述した図2のブロック構成図を用いてさらに説明する。
ISDB−Tフレームカウンタ42は、前述したように、伝送クロック生成部41が出力する伝送クロック信号S41に同期して、ISDB−Tフレーム周期で一周するカウンタであり、当該ISDB−Tフレームカウンタ42がカウントしたカウンタ値に基づいて、ISDB−Tフレーム先頭信号S42が生成され、生成されたISDB−Tフレーム先頭信号S42が、図4のタイムチャートのSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3出力に示している「フレーム位相基準」(フレームの先頭位置を示す基準時刻t)として出力される。
また、STSカウンタ43は、前述したように、GPSレシーバ装置5からの1PPS信号S2によって決まる1PPS信号立ち上がり時刻tと、ISDB−Tフレームカウンタ42からのISDB−Tフレーム先頭信号S42によって決まるフレーム位相基準tと、の時間差を、10MHzクロック信号S1に基づいてカウントすることによって、図4のタイムチャートのSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3出力に、例えば第1フレーム用のIISパケット設定用の「STS−1」として示すような、STS値S44を生成する。
さらに、TSパケット化部44は、ISDB−Tフレームカウンタ42によって生成されたISDB−Tフレームカウンタ値S43とSTSカウンタ43によって生成されたSTS値S44とを、所定のフォーマットに基づいて、ISDB−Tフレーム同期信号にSTS値を重畳させたTSパケット形式に変換して、図4のタイムチャートのSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3出力に示すように、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3として出力する。
ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4は、TSパケット化部44から出力されるSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3を、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置すべてに対して共通的に供給する。
次に、図4のタイムチャートの第0フレームから第1フレームへの出力へと切り替わる時刻tにおいて、複数の多重化装置のうち、現用から予備側に切り替えられる対象となる1系のISDB−T多重化装置1系1の動作について、前述した図3のブロック構成図を用いてさらに説明する。
ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11は、前述したように、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4が出力するSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3の中から、ISDB−Tフレームを示すISDB−Tフレーム同期情報S11を抽出して、ISDB−Tフレームカウンタ13に対して出力する。
また、ISDB−Tフレームカウンタ13は、前述したように、ISDB−Tフレーム同期情報抽出部11が出力するISDB−Tフレーム同期情報S11に同期して、伝送クロック生成部12が出力する伝送クロック信号S12に基づいて、ISDB−Tフレーム周期で一周するカウンタであり、これにより、ISDB−T多重化装置1系1とISDB−Tフレーム同期信号発生装置4との双方のISDB−Tフレーム位相が同期することになる。また、当該ISDB−Tフレームカウンタ42がカウントしたISDB−Tフレームカウンタ値S13に基づいて、ISDB−Tフレーム構造生成部14において、ISDB−Tフレーム構成情報S14が生成される。
また、STS抽出部15は、前述したように、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4が出力するSTS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3の中から、STS値S16を抽出して、IIPパケット生成部16に対して出力する。IIPパケット生成部16においては、STS値抽出部15が抽出したSTS値S16をそのまま書き込んだIIPパケットS17を生成して、TS多重化部17に対して出力する。つまり、ISDB−Tフレームに多重化されるIIPパケットには、ISDB−T放送局システム内に各多重化装置に対して共通に1個のみ設置されているISDB−Tフレーム同期信号発生装置4において、生成されたSTS値44(=STS値16)が設定されることになる。
また、TS多重化部17は、前述したように、放送用の入力信号として入力されてくる1系入力TS信号TS1と、IIPパケット生成部16が出力したIIPパケットS17とを、ISDB−Tフレーム構造生成部14からのISDB−Tフレーム構成情報S14に基づいて、1系放送TS信号TS3として再多重化して出力する。その結果、図4のタイムチャートのISDB−T多重化装置1系1の1系放送TS信号TS3出力に示すように、第0フレーム「frame1−0」、第1フレーム「frame1−1」、…には、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3から抽出されたSTS値S16がそのまま「STS−0」、「STS−1」、…としてIIPパケットに含まれている1系の放送用TS信号が出力されることになる。
なお、図4のタイムチャートに示すように、1系放送TS信号TS3は、第0フレーム「frame1−0」、第1フレーム「frame1−1」、…の各フレームの先頭位置が、クロック速度変換処理や素子のばらつき等の要因から、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4がフレーム位相基準として出力したISDB−Tフレーム同期信号S3の時刻tよりも遅れた例えば時刻ts1になっている。
一方、図4のタイムチャートの第0フレームから第1フレームへの出力へと切り替わる時刻tにおいて予備側から現用に切り替わる対象となる2系のISDB−T多重化装置2系2の動作についても、前述した1系のISDB−T多重化装置1系1の場合と全く同様である。したがって、2系のISDB−T多重化装置2系2においては、図4のタイムチャートのISDB−T多重化装置2系2の2系放送TS信号TS4出力に示すように、第0フレーム「frame2−0」、第1フレーム「frame2−1」、…について、1系放送TS信号TS3出力の場合と同様、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号S3から抽出されたSTS値S16がそのまま「STS−0」、「STS−1」、…としてIIPパケットに含まれている2系の放送用TS信号が出力されることになる。
ただし、図4のタイムチャートに示すように、2系放送TS信号TS4は、第0フレーム「frame2−0」、第1フレーム「frame2−1」、…の各フレームの先頭位置が、クロック速度変換処理や素子のばらつき等の要因から、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4がフレーム位相基準として出力したISDB−Tフレーム同期信号S3の時刻tや1系放送TS信号TS3の各フレームの先頭位置の時刻ts1よりもさらに遅れた例えば時刻ts2になっている。つまり、図4のタイムチャートに示すように、1系放送TS信号TS3と2系放送TS信号TS4との間には、クロック速度変換処理や素子のばらつき等の要因から、フレーム位相差(ts2−ts1)が発生している。
しかしながら、図4のタイムチャートにおいては、図8の従来例とは異なり、IIPパケットに設定されるSTS値は、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置のいずれについても、「STS−0」、「STS−1」、…と、ISDB−Tフレーム同期信号発生装置4が生成した共通のSTS値をそのまま用いることになるので、切替発生時において、いずれの多重化装置に切り替わっても、IIPパケットに設定されるSTS値の連続性を維持することが可能であり、ISDB−T伝送におけるSFN(Single Frequency Network)の円滑な運用を行うことが可能である。
なお、図4のタイムチャートの1系側入力位相調整後TS信号および2系側入力位相調整後TS信号に示すように、1系放送TS信号TS3と2系放送TS信号TS4とのフレーム位相差(ts2−ts1)を吸収するために、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3において、ISDB−T多重化装置1系1とISDB−T多重化装置2系2とを切り替えるタイミングとしてあらかじめ設定されている時刻tに1系放送TS信号TS3および2系放送TS信号TS4のフレームの開始位置を揃えるように調整している。しかる後に、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3は、図4のタイムチャートの系統選択に示すように、複数の多重化装置の切り替えタイミングである時刻tにおいて、今までの1系選択から2系選択に切り替える。その結果、図4のタイムチャートの放送TS信号TS5出力に示すように、フレーム位相調整後の1系の第0フレーム「frame1−0」から2系の第1フレーム「frame2−1」へと切り替えて出力することになる。
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態のISDB−T放送局システムにおいては、STS値を生成するSTS生成部が、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2等の複数の多重化装置に対して共通になる共通部例えばISDB−Tフレーム同期信号発生装置4に唯一つ配置されていて、生成したSTS値を、すべての例えば2台のISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2それぞれに対して供給するようにしているので、すべての例えば2台のISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2それぞれが出力するIIPパケット中のSTS値を完全に一致させることが可能である。而して、ISDB−Tフレーム同期TS切替装置3によって、ISDB−T多重化装置1系1、ISDB−T多重化装置2系2のいずれを現用にするような系統切り替えを行った場合であっても、系統切り替えを行った前後において、放送TS信号TS5として出力されるSTS値の連続性が乱れることがなく、ISDB−T伝送におけるSFN(Single Frequency Network)の円滑な運用を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、以上に説明した実施の形態では、各ISDB−T多重化装置(1,2)は、供給されたSTS値をそのまま放送TS信号に設定して出力するとしたが、供給されたSTS値そのままではなく、供給されたSTS値に対して、あらかじめ決めておいた固定オフセット値を加減算したものを各多重化装置でIIPパケットに設定して出力するようにしても、複数の多重化装置がそれぞれ出力するSTS値を一致させることができるし、或いは供給されたSTS値に対して各多重化装置で所定の演算(前記固定オフセット値の加減算はこの演算の一例である。)を施し、この演算により得た値をSTS値として前記放送TS信号に設定して出力するようにしても、複数の多重化装置が出力するSTS値を一致させることができるので、本発明は実現できる。
1 ISDB−T多重化装置1系
1A ISDB−T多重化装置1系
2 ISDB−T多重化装置2系
2A ISDB−T多重化装置2系
3 ISDB−Tフレーム同期TS切替装置
4 ISDB−Tフレーム同期信号発生装置
4A ISDB−Tフレーム同期信号発生装置
5 GPSレシーバ装置
11 ISDB−Tフレーム同期情報抽出部
12 伝送クロック生成部
13 ISDB−Tフレームカウンタ
13A ISDB−Tフレームカウンタ
14 ISDB−Tフレーム構造生成部
15 STS値抽出部
16 IIPパケット生成部
17 TS多重化部
18 STSカウンタ
41 伝送クロック生成部
42 ISDB−Tフレームカウンタ
43 STSカウンタ
44 TSパケット化部
44A TSパケット化部
S1 10MHzクロック信号
S2 1PPS(1 Pulse Per Second)信号
S3 STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号
S3A ISDB−Tフレーム同期信号
S11 ISDB−Tフレーム同期情報
S12 伝送クロック信号
S13 ISDB−Tフレームカウンタ値
S14 ISDB−Tフレーム構成情報
S15 ISDB−Tフレーム先頭信号
S16 STS(Synchronization Time Stamp)値
S17 IIP(ISDB−T Information Packet)パケット
S41 伝送クロック信号
S42 ISDB−Tフレーム先頭信号
S43 ISDB−Tフレームカウンタ値
S44 STS値
TS1 1系入力TS信号
TS2 2系入力TS信号
TS3 1系放送TS信号
TS4 2系放送TS信号
TS5 放送TS信号

Claims (6)

  1. ISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)伝送方式の放送TS信号を出力する複数のISDB−T多重化装置を備え、複数の該ISDB−T多重化装置のうちいずれかを現用として切り替えて使用するISDB−T放送局システムにおいて前記放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を同期化させるSTS値同期化方法であって、前記STS値を生成する生成部を、複数の前記ISDB−T多重化装置に対して共通に備え、該生成部が生成した該STS値を複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給し、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれは、前記生成部から供給された前記STS値そのまま、または前記生成部から供給された前記STS値をあらかじめ定めた演算式により演算して得た値の何れかを、自装置用のSTS値として前記放送TS信号に設定して出力することを特徴とするSTS値同期化方法。
  2. 前記生成部を、ISDB−Tフレーム同期信号を生成するISDB−Tフレーム同期信号発生装置内に内蔵させることを特徴とする請求項1に記載のSTS同期化方法。
  3. 前記SDB−Tフレーム同期信号発生装置内の前記生成部において生成した前記STS値を、前記ISDB−Tフレーム同期信号発生装置が生成した前記ISDB−Tフレーム同期信号に重畳させて、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号として、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給することを特徴とする請求項2に記載のSTS同期化方法。
  4. ISDB−T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial Television Broadcasting)伝送方式の放送TS信号を出力する複数のISDB−T多重化装置を備え、複数の該ISDB−T多重化装置のうちいずれかを現用として切り替えて使用するISDB−T放送局システムであって、前記放送TS信号に含まれるSTS(Synchronization Time Stamp)値を生成する生成部を、複数の前記ISDB−T多重化装置に対して共通に備え、該生成部が生成した該STS値を複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給し、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれは、前記生成部から供給された前記STS値そのまま、または前記生成部から供給された前記STS値をあらかじめ定めた演算式により演算して得た値の何れかを、自装置用のSTS値として前記放送TS信号に設定して出力することを特徴とするISDB−T放送局システム。
  5. 前記生成部を、ISDB−Tフレーム同期信号を生成するISDB−Tフレーム同期信号発生装置内に内蔵させることを特徴とする請求項4に記載のISDB−T放送局システム。
  6. 前記ISDB−Tフレーム同期信号発生装置内の前記生成部において生成した前記STS値を、前記SDB−Tフレーム同期信号発生装置が生成した前記ISDB−Tフレーム同期信号に重畳させて、STS値重畳ISDB−Tフレーム同期信号として、複数の前記ISDB−T多重化装置それぞれに対して供給することを特徴とする請求項5に記載のISDB−T放送局システム。
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