JP5945840B1 - 根菜栽培用人工土壌 - Google Patents

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Abstract

【課題】 専用の装置や種子を必要とせずに、害虫の発生や雑菌の繁殖を抑制しつつ、良好な品質の根菜を栽培することができる人工土壌を提供する。【解決手段】 粒径が1mm以上5mm未満のゼオライトを主材とする根菜栽培用人工土壌。本発明に係る根菜栽培用人工土壌によれば、有機質の肥料や天然土壌を用いずに根菜を栽培することができるため、害虫の発生や雑菌の繁殖を効果的に抑制して、衛生的に根菜を栽培することができる。また、特別な装置や種子を用いずに、低コストかつ簡便に根菜を栽培することができる。【選択図】 図14

Description

本発明は、粒径が1mm以上5mm未満のゼオライトを主材とする根菜栽培用人工土壌に関する。
従来、癒しを与えるインテリアの一環として、あるいは、場所を選ばず手軽に園芸を行う手法として、植物の室内栽培が行われている。しかし、天然の土壌を用いた室内栽培では、害虫の発生や雑菌の繁殖など衛生面での課題が多い。このため、近年は、水耕栽培や人工土壌を用いた栽培により室内栽培が行われている。人工土壌としては、例えば、特許文献1には、ポリビニルアセタール樹脂多孔質体を含有する人工土壌が開示されている。
特開2013−13039号公報
しかしながら、一般に、水耕栽培で栽培できる野菜は葉物やミニトマトなどの果菜に限られ、根菜の栽培は難しい。また、専用の装置や専用の種子を必要とするため、コストが嵩むという課題がある。また、特許文献1の人工土壌は、天然土壌と混合して用いるものであるため(特許文献1;実施例)、害虫の発生や雑菌の繁殖を抑制するという効果の点で、十分なものではない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、専用の装置や専用の種子を必要とせずに、害虫の発生や雑菌の繁殖を抑制しつつ、根菜を栽培することができる人工土壌を提供することを目的とする。すなわち、手軽な鉢植えの態様で、衛生的に根菜を栽培することでき、もって、従来行われていなかった室内鑑賞用の根菜栽培を可能にする人工土壌を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、下記1〜6の知見を得た。
1.粒径が1mm以上5mm未満(1〜5mm)のゼオライトは高い保水性を有すること。
2.粒径が1mm以上5mm未満(1〜5mm)のゼオライトを主材とする人工土壌では、根菜種子の子葉出現に要する日数が少なく、最終的な子葉出現率も高くなり、根菜の初期の生長も良好となること。
3.ゼオライトを主材とする人工土壌では、天然土壌で栽培したものと遜色のない、良好な見た目および品質の根菜を栽培できること。
4.ゼオライトを主材とする人工土壌に第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有させることにより、栄養素の濃度や糖度が高い根菜を栽培できること、および、根菜の生長を促すことができること。
5.ゼオライトを主材とする人工土壌において、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量を0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下とすると、根菜の可食部の生長を促すことができること、ならびに、比較的均一な見た目および品質の根菜を栽培できること。
6.ゼオライトを主材とする人工土壌に、通常の2倍量以上の肥料を含有させることにより、根菜の生長を促すことができること。
そこで、これらの知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、粒径が1mm以上5mm未満のゼオライトを主材とする。
(2)本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石であって、粒径が20mm未満の前記岩石を含有することが好ましい。
(3)(2)の根菜栽培用人工土壌は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量が、ゼオライトの含有量に対して、0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下であることが好ましい。
(4)本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、下記(a)〜(e)を構成成分とする肥料を含有することが好ましい;(a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO)、(b)硫酸カリウム(KSO)、(c)尿素(CO(NH)、(d)硫酸アンモニウム((NHSO)、(e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO)。
(5)(4)の根菜栽培用人工土壌は、前記(a)〜(e)の含有量が下記のとおりであることが好ましい;ゼオライト1000mLに対して、(a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO):4g以上、(b)硫酸カリウム(KSO):1.0g以上、(c)尿素(CO(NH):0.2g以上、(d)硫酸アンモニウム((NHSO):1.0g以上、(e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO):20g以上。
本発明に係る根菜栽培用人工土壌によれば、有機質の肥料や天然土壌を用いずに根菜を栽培することができる。そのため、害虫の発生や雑菌の繁殖を効果的に抑制して、衛生的に根菜を栽培することができる。また、本発明に係る根菜栽培用人工土壌によれば、特別な装置や特別な種子を用いずに、手軽な鉢植えの態様で、低コストかつ簡便に根菜を栽培することができる。また、本発明に係る根菜栽培用人工土壌によれば、形状、大きさ、色合い、栄養素、糖度などの点で、天然土壌で栽培したものと遜色のない、良好な見た目および品質の根菜を栽培することができる。すなわち、本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、食用のみならず、従来行われていなかった室内鑑賞用の根菜栽培を可能にするものであり、室内栽培に新たな付加価値を与えることができる。
本実施例における「多肉根」および「根」が指す部位を、ラディッシュの例で示す写真である。 人工土壌および天然土壌で栽培したラディッシュの多肉根を示す写真である。 人工土壌で栽培したニンジンおよび市販の路地栽培されたニンジンのβ−カロテン濃度および糖度を示すグラフである。 (A)は、肥料の含有量を変えた人工土壌で栽培したビーツの多肉根の写真であり、(B)は、その重量等の測定結果を示す表である。 異なる粒径のゼオライトに滴下した水の、滴下から0分〜3時間経過時の拡散状況と蒸発状況を示す写真である。 異なる粒径のゼオライトに滴下した水の、滴下から5〜15時間経過時の拡散状況と蒸発状況を示す写真である。 天然土壌における水の拡散の様子を示す模式図である。 (A)は、異なる粒径のゼオライトを用いた人工土壌におけるラディッシュの子葉出現率を示す表であり、(B)は、その子葉出現率を折れ線グラフに表したものである。 (A)は、異なる粒径のゼオライトを用いた人工土壌で栽培したラディッシュの草丈を示す表、(B)は、その草丈を折れ線グラフに表したもの、(C)は、その草丈を示す写真である。 (A)は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量が異なる人工土壌で栽培したラディッシュの、多肉根の重量およびその標準偏差を示す表である。(B)は、その多肉根重量の基準値との差および多肉根重量の標準偏差を示す棒グラフである。 (A)は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量が異なる人工土壌で栽培したラディッシュの、多肉根の横/縦比およびその標準偏差を示す表である。(B)は、その多肉根横/縦比の基準値との差および多肉根横/縦比の標準偏差を示す棒グラフである。 (A)は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量が異なる人工土壌で栽培したラディッシュの、根の重量およびその標準偏差を示す表である。(B)は、その根重量の基準値との差および根重量の標準偏差を示す棒グラフである。 (A)は、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量が異なる人工土壌で栽培したラディッシュの、根の長さおよびその標準偏差を示す表である。(B)は、その根長さの基準値との差および根長さの標準偏差を示す棒グラフである。 人工土壌で栽培した白カブを示す写真である。
以下、本発明に係る根菜栽培用人工土壌について詳細に説明する。本発明において「根菜」とは、栽培過程で土壌中に生育する部分を食用する野菜をいう。具体的には、例えば、ゴボウ、ビート、ニンジン、ラディッシュ、ダイコン、カブ、ヤーコン、サトイモ、レンコン、ショウガ、ジャガイモ、クワイ、サツマイモ、エシャロット、ニンニク、ラッキョウ、ナガイモ、タマネギなどを挙げることができる。
ゼオライトは、結晶中に微細孔を持つアルミノケイ酸塩の総称であり、無水物の一般式は(M,MII 1/2(AlSim+n))(n≧m)(ただし、Mはアルカリ金属を、MIIはアルカリ土類金属をそれぞれ表す)で表される。ゼオライトは、その骨格構造に基づいて、例えば、A型、フェリエライト、MCM−22、ZSM−5、モルデナイト、L型、X型、Y型、ベータ型など多種類に分類される。本発明に係るゼオライトの骨格構造は特に限定されず、これらのいずれも用いることができる。また、ゼオライトは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ゼオライトは、天然に産出したものでも人工的に合成されたものでもよく、ゼオライトとして市販されているものを用いることができる。
ここで、本発明に係るゼオライトの粒径は、後述する実施例4(1)に示すように、高い保水性を有する点で1mm以上5mm未満(1〜5mm)が好ましく、天然土壌と同様の水の拡散機能および天然土壌と同等の高い保水性を有する点で1mm以上3mm未満(1〜3mm)がより好ましい。
なお、本発明において「粒径がXmm以上」とは、長さXmmの目開きのふるいを通過しない大きさをいう。また、「粒径がYmm未満」とは、長さYmmの目開きのふるいを通過する大きさをいう。すなわち、例えば、「粒径が1mm以上5mm未満」とは、長さ1mmの目開きのふるいを通過せず、かつ、長さ5mmの目開きのふるいを通過する大きさをいう。
本発明において「ゼオライトを主材とする」とは、根菜栽培用人工土壌を構成する主たる材料がゼオライトであることをいう。すなわち、本発明に係る根菜栽培用人工土壌には、本発明の効果を阻害しない限度において、ゼオライト以外の物質を含んでいてもよい。ここで、本発発明に係る根菜栽培用人工土壌におけるゼオライトの含有量としては、例えば、50〜100(v/v)%を挙げることができ、このうち60〜100(v/v)%が好ましく、70〜100(v/v)%がより好ましく、80〜100(v/v)%がよりさらに好ましい。
本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、後述する実施例2および5に示すように、栄養素の濃度や糖度が高い根菜を栽培できる点や根菜の生長を促すことができる点で、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有することが好ましい。
第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石は、後述する実施例1(1)[1−1]に示すように、第1鉄イオン(Fe2+)の水溶液に砕いた岩石を浸漬し、これを乾燥させることにより作製することができる。ここで、「岩石」は、火成岩、堆積岩、変成岩の別を問わず、いずれも用いることができる。また、第1鉄イオン(Fe2+)水溶液に浸漬する岩石の粒径は、第1鉄イオン(Fe2+)水溶液が容易に浸透するように、20mm未満であることが好ましい。
根菜栽培用人工土壌における第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量は、後述する実施例5に示すように、根菜の可食部の生長を促すことができる点や、比較的均一な品質の根菜を栽培できる点で、ゼオライトの含有量に対して、0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下であることが好ましい。また、栽培した根菜に鉄分の臭いや味が生じるのを防ぐ点からも、根菜栽培用人工土壌における第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量は1.0(v/v)%以下であることが好ましい。また、当該含有量の第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を、根菜種子の根の周りにまんべんなく行き渡らせるためには、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の粒径は、0.4mm未満が好ましく、0.3mm未満がより好ましい。
次に、本発明に係る根菜栽培用人工土壌は、下記(a)〜(e)を構成成分とする肥料を含有することが好ましい;
(a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO)、
(b)硫酸カリウム(KSO)、
(c)尿素(CO(NH)、
(d)硫酸アンモニウム((NHSO)、
(e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO)。
上記(a)〜(e)の構成成分は、肥料として市販されているものを用いることができる。
本発明に係る肥料において、上記(a)〜(e)の含有量は、後述する実施例3に示すように、根菜の生長を促すことができる点で下記のとおりであることが好ましい;
ゼオライト1000mLに対して、
(a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO):4g以上、
(b)硫酸カリウム(KSO :1.0g以上、
(c)尿素(CO(NH :0.2g以上、
(d)硫酸アンモニウム((NHSO) :1.0g以上、
(e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO) :20g以上。
以下、本発明に係る根菜栽培用人工土壌について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。また、以下の実施例において、「多肉根」とは、図1のラディッシュの例に示すように、根菜において通常可食される部位をいう。また、「根」とは、「多肉根」の下部あるいは側部に生えている細根の部位をいう。ゼオライトは、粒径が1mm未満(<1mm)、1mm以上3mm未満(1〜3mm)および5mm以上(≧5mm)のものは「仁木ゼオライト」(北海道ゼオライト株式会社)を、3mm以上5mm未満(3〜5mm)のものは「プロの素材NO24ゼオライト根腐れ防止剤」(有限会社北松)を用いた。
<実施例1>根菜の栽培可能性の検討
(1)人工土壌の作製
[1−1]第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の作製
粉粒状の軽石(火山礫)(「プロの素材NO8軽石中粒」;有限会社北松)を容器に入れた。この火山礫の粒径を測定したところ、1mm以上20mm未満(1〜20mm)であった。火山礫を入れた容器に硫酸第1鉄(FeSO)の飽和水溶液を注いで、時々攪拌しつつ室温で乾燥させることにより、第1鉄イオン(Fe2+)を火山礫に含浸させた。続いて、この火山礫を粉砕して、粒径が0.01以上0.3mm未満(0.01〜0.3mm)の粉状とした。以上の操作により、第1鉄イオンを含む岩石を作製した。
[1−2]配合
粒径が1mm未満(<1mm)のゼオライト750mLに対して、粒径が5mm以上(≧5mm)のゼオライト250mLとなるよう混合した。ここに、下記※の組成の肥料を混合した。続いて、本実施例1(1)[1−1]の第1鉄イオンを含む岩石を、ゼオライトの含有量に対して0.3(v/v)%となるよう混合し、これを人工土壌とした。
※肥料の組成
ゼオライト1000mLに対して
・過リン酸石灰(「過燐酸石灰(木になる時間)」;朝日工業株式会社):2g
・硫酸カリウム(「硫酸加里(木になる時間)」;朝日工業株式会社) :0.5g
・尿素(「尿素(木になる時間)」;朝日工業株式会社 :0.1g
・硫酸アンモニウム(「硫安(木になる時間)」;朝日工業株式会社) :0.5g
・苦土石灰(「苦土石灰」;瑞茂物産(大連)有限公司) :10g
(2)ラディッシュの栽培および評価
天然の土壌として黒土(「プロの素材NO13黒土」;有限会社 北松)を用意した。次に、50cc容量のビーカーに水を注ぎ、ラディッシュの種子(コメット;タキイ種苗)を入れ、水に浮かんでくる種子を取り除き、沈んだ種子を1日水に浸した。その後、本実施例1(1)の人工土壌および黒土を入れたポットに種子を5粒ずつ播種し、約1cm厚さで覆土した。これを、下記の栽培条件にて25日間栽培し、多肉根を収穫して観察した。その結果を図2に示す。なお、それぞれのポットにおいて、発芽して本葉が出た時点で、成長の良い苗を1本ずつ残し、成長の悪い苗はハサミで切り取ることにより芽かきをした。
栽培条件
明暗条件;土壌表面での照度約12000lux、点灯15時時間、消灯9時間。
水遣り頻度;毎日50cc
温度;21.4〜30℃(平均温度25.7℃)
図2に示すように、人工土壌で栽培したラディッシュ多肉根は球形に近い形状で、赤い肌色をしており、その形状や大きさ、色合いなどは、天然土壌で栽培したものと同等程度であった。この結果から、ゼオライトを主材とする人工土壌により、天然土壌と同様に根菜を栽培できることが明らかになった。
<実施例2>第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の要否の検討および市販の作物との比較
(1)人工土壌の作製
実施例1(1)と同様にして人工土壌を作製した。ただし、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を混合したもの(Fe2+有り)としないもの(Fe2+無し)を作製した。また、ゼオライトは、粒径3mm以上5mm未満(3〜5mm)が700mLに対して、粒径1mm未満(<1mm)が300mLとなるよう混合したものを用いた。
(2)ニンジンの栽培および評価
本実施例2(1)の人工土壌において、実施例1(2)に記載の方法によりニンジンを栽培し、多肉根を収穫した。ただし、種子はニンジンの種子(ピッコロ;タキイ種苗)を用いて、栽培期間は73日間とし、温度は24.2〜29.9℃(平均温度27℃)とした。続いて、糖度計を用いて多肉根の糖度(Brix%)を測定した。また、下記の測定方法により多肉根のβ−カロテン濃度(mg/100g)を測定した。また、市販の路地栽培されたニンジンを購入し、同様にβ−カロテン濃度および糖度を測定した。その結果を図3に示す。
β−カロテン濃度の測定方法
「ニンジンに含まれるα−カロテンとβ−カロテンの簡易分別定量法」永田ら、2006年(http://www.naro.affrc.go.JP/project/results/laboratory/vegetea/2006/vegetea06−16.html)に従って測定した。具体的には、試料として3gのニンジン多肉根を計り取り、ホモジナイズしてアセトンで3回繰り返し抽出した。続いて、抽出液を250mLにメスアップした後、濾過して濾液を得た。この濾液の波長443nmおよび492nmの吸光度を分光光度計にて測定し、次式を用いて、濾液のβ−カロテン濃度を算出した。式;βカロテン量(mg/L)=−1.292A443nm+3.698A492nm+0.131。算出結果に基づき、試料のβ−カロテン濃度を算出した。
図3に示すように、Fe2+有りの人工土壌では、β−カロテン濃度が9.12mg/100g、糖度が10.4%であった。Fe2+無しの人工土壌では、β−カロテン濃度が8.39mg/100g、糖度が9.6%であった。これに対して、市販のニンジンでは、β−カロテン濃度が4.88mg/100g、糖度が6.9%であった。すなわち、人工土壌で栽培したニンジンは、露地栽培したニンジンと比較して、β−カロテン濃度および糖度のいずれもが高かった。また、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有する人工土壌で栽培したニンジンは、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有しない人工土壌で栽培したニンジンと比較して、β−カロテン濃度および糖度のいずれもが高かった。
これらの結果から、ゼオライトを主材とする人工土壌では、天然土壌よりも栄養素の濃度や糖度が高い根菜が栽培できることが明らかになった。また、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有する人工土壌では、栄養素の濃度や糖度がより高い根菜を栽培できることが明らかになった。
<実施例3>肥料の含有量の検討
(1)人工土壌の作製
実施例1(1)と同様にして人工土壌を作製した。ただし、肥料の含有量を実施例1(1)[1−2]と同量にしたもの(1倍肥料)と、その2倍にしたもの(2倍肥料)とを作製した。また、ゼオライトは、粒径3mm以上5mm未満(3〜5mm)が500mLに対して、粒径1mm未満(<1mm)が500mLとなるよう混合したものを用いた。
(2)ビーツの栽培および評価
本実施例3(1)の人工土壌において、実施例1(2)に記載の方法によりビーツを栽培し、多肉根を収穫した。ただし、種子はビーツの種子(デトロイト・ダークレッド;タキイ種苗)を用いて、種子を水に浸漬して選別することは行わなかった。また、栽培期間は70日間とし、温度は25.5〜30.9℃(平均温度28.2℃)とした。その後、3個体を収穫し、多肉根、葉および根の重量(g)、ならびに多肉根の横方向直径(mm)、縦方向長さ(mm)および糖度(Brix%)を測定して、それぞれの平均値を求めた。また、多肉根の縦方向長さに対する横方向直径の比(横/縦比)を算出して平均値を求めた。ここで、横/縦比は多肉根の形状の指標となるものであり、1に近いほど球形に近いことを示す。その結果を図4に示す。
図4に示すように、1倍肥料の人工土壌では、多肉根重量は4.9g、多肉根横方向直径は19.9mm、多肉根縦方向長さは24.0mm、多肉根横/縦比は0.83、糖度は16.0%、葉重量は10.5g、根重量は3.83gであった。これに対して、2倍肥料の人工土壌では、多肉根重量は15.5g、多肉根横方向直径は31.3mm、多肉根縦方向長さは34.7mm、多肉根横/縦比は0.90、糖度は15.7%、葉重量は17.2g、根重量は6.14gであった。すなわち、2倍肥料の人工土壌で栽培したビーツは、1倍肥料の人工土壌で栽培したものと比較して、形状や糖度は同等であったが、多肉根の大きさ、ならびに、多肉根、葉および根の重量が大きかった。
これらの結果から、ゼオライトを主材とする人工土壌では、肥料の含有量にかかわらず、甜菜(糖度の基準値:17%)と同等の十分な糖度を有し、良好な品質および形状のビーツを栽培できることが明らかになった。また、肥料の含有量が通常の2倍量以上である人工土壌では、根菜の生長を促すことができることが明らかになった。
<実施例4>ゼオライトの粒径の検討
(1)保水性の検討
高さ12cm、幅10cm、奥行き8mmの容器が4個並んだ観察装置を作製した。観察装置の側面はアクリル板を用いて透明になるようにした。粒径が1mm未満(<1mm)、1mm以上3mm未満(1〜3mm)、3mm以上5mm未満(3〜5mm)および5mm以上(≧5mm)のゼオライトを各容器に充填した。メスピペットで2.0mLの水を測り取り、これを一滴ずつ、各容器に充填されたゼオライトの表面中央に滴下した。2.0mLの水を滴下し終えた時を0分とし、15時間後まで経時的に、水の拡散状況と蒸発状況を観察した。その結果を図5および図6に示す。また、天然土壌における水の拡散の様子を図7に示す(DANIEL HILLEL著、岩田進午監訳、「土壌物理学概論」第5版、養賢堂、1997年、第136頁)。
図5および図6に示すように、粒径が1mm未満(<1mm)のゼオライトは、0分、10分後、1時間30分後および3時間後のいずれにおいても、水は上層に留まり、下に浸透しなかった。そして3時間後には上部から蒸発が始まり、5時間後には、蒸発に伴い、水に濡れた部分のゼオライトが分離し始めた。7時間後、9時間後および15時間後には、時間の進行に伴い、水に濡れた部分のゼオライトの分離が顕著になった。この結果から、粒径が1mm未満(<1mm)のゼオライトは、水の透過性および保水性が小さいことが明らかになった。
次に、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)のゼオライトは、0分では、滴下した水は垂直方向に3.6cm、かつ水平方向に2.5cmで留まった。この水の拡散状況は、図7に示される天然土壌における水の拡散の様子と同様の形状であった。そして、10分後、1時間30分後、3時間後および5時間後のいずれにおいても、水の拡散状況は0分と同様に保たれており、蒸発は認められなかった。7時間後には、上層部の水がわずかに蒸発していたが、下部の浸透した水は0分と同様に保たれていた。9時間後には、上層部の水の蒸発がやや進行していたが、下部の浸透した水は0分と同様に保たれていた。15時間後には、上層部の水が蒸発し、下部の浸透した水もやや蒸発していたが、0分と同様の形状が認められる程度に水分が保たれていた。この結果から、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)のゼオライトは、天然土壌と同様の水の拡散機能を有すること、および、天然土壌と同等の高い保水性を有することが明らかになった。
次に、粒径が3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトは、0分では、滴下した水は垂直方向に8cmで留まった。そして10分後は、水の拡散状況は0分と同様に保たれていた。1時間30分後は、上層部の水が蒸発し始めたが、下部の浸透した水は0分と同様に保たれていた。3時間後は、上層部の水の蒸発が進行していたが、下部の浸透した水は保たれていた。5時間後は、上層部の水が蒸発したが、下部の浸透した水は残存していた。7時間後も、下部の浸透した水の残存が認められた。9時間後および15時間後は、ほぼ全ての水が蒸発していた。この結果から、粒径が3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトは、比較的高い保水性を有することが明らかになった。
最後に、粒径が5mm以上(≧5mm)のゼオライトは、0分および10分後では、滴下した水は垂直方向のみに拡散し、容器の底に到達していた。1時間30分後は、上層部の水が蒸発し始めたが、下部の浸透した水は0分と同様に保たれていた。3時間後は、上層部の水の蒸発が進行し、中央部の水も蒸発し始めた。5時間後は、上層部および中央部の水が蒸発し、底部の水のみが残存していた。7時間後、9時間後および15時間後は、ほぼ全ての水分が蒸発していた。すなわち、粒径が5mm以上(≧5mm)のゼオライトは保水性が小さいことが明らかになった。
以上の結果から、粒径が1mm以上5mm未満(1〜5mm)のゼオライトは、高い保水性を有する点で、人工土壌の主材として好適であることが明らかになった。また、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)のゼオライトは、天然土壌と同様の水の拡散機能および天然土壌と同等の高い保水性を有する点で、人工土壌の主材としてより好適であることが明らかになった。
(2)ラディッシュの子葉出現率および初期生育状況の検討
[2−1]人工土壌の作製
実施例1(1)と同様にして人工土壌を作製した。ただし、ゼオライトは、粒径が1mm未満(<1mm)、1mm以上3mm未満(1〜3mm)、3mm以上5mm未満(3〜5mm)および5mm以上(≧5mm)のものを、混合せずにそれぞれ用いた。
[2−2]ラディッシュの栽培および評価
50cc容量のビーカーに水を注ぎ、ラディッシュの種子(コメット;タキイ種苗)を入れ、水に浮かんでくる種子を取り除いて水に沈んだ種子を選別した。続いて、水を含ませたティッシュペーパーをシャーレに敷き、その上に種子を24時間置いた。発芽の兆候を示した種子(膨らんだ種子)のみを選別し、本実施例4(2)[2−1]の人工土壌を入れたポットに12粒ずつ播種し、約1cm厚さで覆土した。これを、下記の栽培条件にて6日間栽培した。播種後日数が1〜5日目に子葉が出現した個体数を数えて、次式により子葉出現率を求めた。式;子葉出現率(%)=(子葉が出現した個体数/12)×100。その結果を図8に示す。また、播種後日数が5日目に草丈を計測し、その平均値を算出した。その結果を図9に示す。
栽培条件
明暗条件;土壌表面での照度約12000lux、点灯16時時間、消灯8時間。
水遣り頻度;2日に1回50cc
温度;17.7〜29℃(平均温度23.4℃)
図8に示すように、子葉出現率は、粒径が1mm未満(<1mm)のゼオライトを用いた場合は、播種後1日目で0%、2日目で25%、3〜5日目で72%であった。粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)のゼオライトを用いた場合は、播種後1日目で36%、2日目で83%、3〜5日目で92%であった。粒径が3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトを用いた場合は、播種後1日目で33%、2日目で69%、3日目で81%、4日目で83%、5日目で86%であった。粒径が5mm以上(≧5mm)のゼオライトを用いた場合は、播種後1日目で3%、2日目で44%、3日目で64%、4日目で72%、5日目で78%であった。
すなわち、粒径が1mm未満(<1mm)および5mm以上(≧5mm)のゼオライトを用いた場合は、大部分の個体の子葉が出現するまでに播種から3日を要し、播種後5日目の子葉出現率も80%未満に留まった。これに対して、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)および3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトを用いた場合は、播種後2日目までに大部分の個体の子葉の出現が完了し、播種後5日目の子葉出現率も85%を超える高さであった。
また、図9に示すように、播種後5日目の草丈は、粒径が1mm未満(<1mm)のゼオライトを用いた場合は22mm、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)のゼオライトを用いた場合は40mm、粒径が3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトを用いた場合は33mm、粒径が5mm以上(≧5mm)のゼオライトを用いた場合は、25mmであった。すなわち、粒径が1mm未満(<1mm)および5mm以上(≧5mm)のゼオライトを用いた場合と比較して、粒径が1mm以上3mm未満(1〜3mm)および3mm以上5mm未満(3〜5mm)のゼオライトを用いた場合の方がラディッシュの草丈が高かった。
以上の図8および図9の結果から、粒径が1mm以上5mm未満(1〜5mm)のゼオライトを主材とする人工土壌では、子葉出現に要する日数が少なく、最終的な子葉出現率も高くなり、根菜の初期の生長も良好となることが明らかになった。
<実施例5>第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量の検討
(1)人工土壌の作製
実施例1(1)と同様にして人工土壌を作製した。ただし、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量(Fe2+含有量)を、ゼオライトの含有量に対して0、0.1、0.3、0.5および1.0(v/v)%としたものを作製した。また、ゼオライトは、粒径1mm以上3mm未満(1〜3mm)のものを用いた。また、肥料の含有量は実施例1(1)[1−2]の2倍量とした。
(2)ラディッシュの栽培および評価
50cc容量のビーカーに水を注ぎ、ラディッシュの種子(赤丸はつかラディッシュ;株式会社トーホク)を入れ、水に浮かんでくる種子を取り除いて水に沈んだ種子を選別した。続いて、水を含ませたティッシュペーパーをシャーレに敷き、その上に種子を24時間置いた。約1mm長さの芽が発芽した種子のみを選び、本実施例5(1)の人工土壌を入れた5号鉢に15粒ずつ播種し(1箇所当たり5粒の計3箇所に分けて播種した)、約1cm厚さで覆土した。これを、下記の栽培条件にて28日間栽培した。なお、それぞれのポットにおいて、発芽して本葉が出た時点で、成長の良い苗を1鉢当たり3つずつ(1箇所当たり1つずつ)残し、成長の悪い苗はハサミで切り取ることにより芽かきをした。
栽培条件
明暗条件;土壌表面での照度約12000lux、点灯15時時間、消灯9時間。
水遣り頻度;毎日50〜100cc
温度;23.4〜31℃(平均温度27.2℃)
その後、同じFe2+含有量の人工土壌毎に3個体ずつ収穫し、多肉根の重量および横/縦比、ならびに根の重量および長さを測定してその平均値および標準偏差を求めた。さらに、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合の平均値を基準として、Fe2+含有量が0.1、0.3、0.5および1.0(v/v)%の場合の平均値との差を求め、標準偏差と併せて棒グラフに表した。多肉根の重量の結果を図10に、多肉根の横/縦比の結果を図11に、根の重量の結果を図12に、根の長さの結果を図13に、それぞれ示す。なお、図10〜図13の棒グラフでは、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合の値は0となるが、便宜上幅を持たせて表記した。
図10に示すように、多肉根の重量の差は、Fe2+含有量が0.1(v/v)%で−0.31g、0.3(v/v)%で+2.42g、0.5(v/v)%で+0.68g、1.0(v/v)%で+1.04gであった。すなわち、Fe2+含有量が0.3、0.5および1.0(v/v)%で正の値であり、特に0.3(v/v)%で最大であった。また、多肉根の重量の標準偏差は、Fe2+含有量が0(v/v)%で1.65、0.1(v/v)%で1.26、0.3(v/v)%で0.23、0.5(v/v)%で0.89、1.0(v/v)%で0.96であった。
すなわち、人工土壌におけるFe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、多肉根の重量が大きかった。特に、Fe2+含有量が0.3(v/v)%の場合は、多肉根の重量が顕著に大きかった。また、Fe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、個体間の多肉根重量のばらつきが小さかった。
また、図11に示すように、多肉根の横/縦比の差は、Fe2+含有量が0.1(v/v)%で−0.05、0.3(v/v)%で+0.25、0.5(v/v)%で+0.12、1.0(v/v)%で+0.14であった。すなわち、Fe2+含有量が0.3、0.5および1.0(v/v)%で正の値であり、特に0.3(v/v)%で最も1に近い値であった。また、多肉根の横/縦比の標準偏差は、Fe2+含有量が0(v/v)%で0.153、0.1(v/v)%で0.080、0.3(v/v)%で0.062、0.5(v/v)%で0.065、1.0(v/v)%で0.056であった。
すなわち、人工土壌におけるFe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、多肉根の形状がより球形に近かった。特に、Fe2+含有量が0.3(v/v)%の場合は、多肉根の形状が顕著に球形に近かった。また、Fe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、個体間の多肉根横/縦比のばらつきが小さかった。
また、図12に示すように、根の重量の差は、Fe2+含有量が0.1(v/v)%で±0g、0.3(v/v)%で+0.16g、0.5(v/v)%で+0.20g、1.0(v/v)%で−0.10gであった。すなわち、Fe2+含有量が0.3および0.5(v/v)%で正の値であった。また、Fe2+含有量が0.3(v/v)%で標準偏差の値が最も小さかった。また、根の重量の標準偏差は、Fe2+含有量が0(v/v)%で0.41、0.1(v/v)%で0.17、0.3(v/v)%で0.07、0.5(v/v)%で0.22、1.0(v/v)%で0.16であった。
すなわち、人工土壌におけるFe2+含有量が0.3〜0.5(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、根の重量が大きかった。また、Fe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、個体間の根重量のばらつきが小さかった。
また、図13に示すように、根の長さの差は、Fe2+含有量が0.1(v/v)%で+6mm、0.3(v/v)%で+17mm、0.5(v/v)%で+12mm、1.0(v/v)%で−68mmであった。すなわち、Fe2+含有量が0.1〜0.5(v/v)%で正の値であった。また、Fe2+含有量が0.3(v/v)%で標準偏差の値が最も小さかった。また、根の長さの標準偏差は、Fe2+含有量が0(v/v)%で75.5、0.1(v/v)%で22.2、0.3(v/v)%で6.6、0.5(v/v)%で30.9、1.0(v/v)%で29.2であった。
すなわち、人工土壌におけるFe2+含有量が0.1〜0.5(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、根の長さが大きかった。また、Fe2+含有量が0.3〜1.0(v/v)%の場合は、Fe2+含有量が0(v/v)%の場合と比較して、個体間の根長さのばらつきが小さかった。
以上の図10〜図13の結果から、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有する人工土壌では、ラディッシュの多肉根の重量、根の重量および根の長さが大きくなり、多肉根の形状が球形に近くなることが明らかになった。また、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量を0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下とすると、ラディッシュの多肉根の重量が大きくなり、多肉根の形状が球形に近くなることが明らかになった。また、人工土壌の第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量を0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下とすると、多肉根の重量および形状、ならびに根の生長の個体差を小さくし、比較的均一な見た目および品質のラディッシュを栽培できることが明らかになった。
すなわち、第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石を含有する人工土壌では、根菜の生長を促すことができることが明らかになった。また、人工土壌の第1鉄イオン(Fe2+)を含む岩石の含有量を0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下とすると、根菜の可食部の生長を促すことができること、ならびに、比較的均一な見た目および品質の根菜を栽培できることが明らかになった。
<実施例6>白カブの栽培
実施例1(1)と同様にして人工土壌を作製した。ただし、ゼオライトは粒径1mm以上3mm未満(1〜3mm)のものを用いた。また、肥料の含有量は実施例1(1)[1−2]の2倍量とした。続いて、この人工土壌において、実施例1(2)に記載の方法により白カブを栽培した。ただし、種子を水に浸漬して選別することは行わなかった。また、種子は白カブの種子(スワン;タキイ種苗)を用いて、水遣り頻度は毎日50〜100ccとし、栽培期間は88日間とし、温度は24〜28℃とした。その結果を図14に示す。
図14に示すように、栽培した白カブは、青々とした葉ときれいな白い肌色をした多肉根とを有し、多肉根の形状は球形に近く、その直径は6cmであった。また、多肉根および葉を漬け物にして食したところ、天然土壌で栽培したものと同様の味および食感を有し、美味であった。この結果から、ゼオライトを主材とする人工土壌では、野菜として品質が良いだけでなく、観賞用としても価値の高い根菜を栽培できることが明らかになった。
以上の実施例1〜6の結果から、本発明に係るゼオライトを主材とする人工土壌により、野菜として品質が良いだけでなく観賞用としても価値の高い根菜を、手軽な鉢植えの態様で、衛生的に栽培できることが明らかになった。

Claims (4)

  1. 粒径が1mm以上5mm未満のゼオライトを主材とし、第1鉄イオン(Fe 2+ )を含む岩石であって、粒径が20mm未満の前記岩石を含有する、根菜栽培用人工土壌。
  2. 前記岩石の含有量が、ゼオライトの含有量に対して、0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%以下である、請求項に記載の根菜栽培用人工土壌。
  3. 下記(a)〜(e)を構成成分とする肥料を含有する、請求項1または請求項2に記載の根菜栽培用人工土壌;
    (a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO)、
    (b)硫酸カリウム(KSO)、
    (c)尿素(CO(NH)、
    (d)硫酸アンモニウム((NHSO)、
    (e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO)。
  4. 前記(a)〜(e)の含有量が下記のとおりである、請求項に記載の根菜栽培用人工土壌;
    ゼオライト1000mLに対して、
    (a)過リン酸石灰(Ca(HPO)・HOおよびCaSO):4g以上、
    (b)硫酸カリウム(KSO :1.0g以上、
    (c)尿素(CO(NH :0.2g以上、
    (d)硫酸アンモニウム((NHSO) :1.0g以上、
    (e)苦土石灰(CaCOおよびMgCO) :20g以上。
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