JP5945580B2 - 知覚感度評価装置、知覚感度評価装置の作動方法及びプログラム - Google Patents

知覚感度評価装置、知覚感度評価装置の作動方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、ある刺激を知覚する際に、他の刺激がその知覚をどの程度妨害しているか、その効果(以下「ある刺激に対する他の刺激の妨害効果」、または、単に「妨害効果」ともいう)を利用して知覚感度を評価する技術に関する。
ある音を知覚する際に、他の音がその知覚をどの程度妨害しているかを利用して、ある音または他の音の顕著性レベルを導出する技術として、非特許文献1が知られている。非特許文献1では、基準音と評価対象音を交互に呈示し、実験参加者にどちらかの音に合わせてボタンをタップさせる。基準音の音圧レベルを変化させ、基準音と評価対象音が等しくタップされる基準音の音圧レベルを求め、この音圧レベルを「顕著性レベル」と定義する。顕著性レベルは、基準音に対する評価対象音の妨害効果、または、評価対象音に対する基準音の妨害効果を示す。
また、音刺激が光刺激に対して妨害効果を持っていることが知られている(非特許文献2)。
また、最小可聴値の測定法として、オージオメータが知られている(非特許文献3)。
木谷俊介、リャオシンイ、米家惇、柏野牧夫、古川茂人、「タッピング法を用いた顕著性レベルの導出」、電子情報通信学会技術研究報告、2014年、vol.114, no.52, pp.223-226. Bruno H. Repp, Amandine Penel, "Rhythmic movement is attracted more strongly to auditory than to visual rhythms", Psychological Research , 2014, Volume 68, Issue 4 , pp 252-270. 「難聴」、[online]、ウィキペディア、[平成26年10月24日検索]、インターネット<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A3%E8%81%B4>
しかしながら、非特許文献3では、対象者は音が「聞こえる・聞こえない」をボタンで回答し、それを元に可聴性を判定するため、意図的に誤った回答をする(詐聴)対象者や、何らかの心理的な要因による難聴(機能性難聴)をもつ対象者の場合、正しく聴力を評価することが難しい。
本発明は、対象者の回答に依存しない知覚の評価技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、知覚感度評価装置は、対象者に対して、時間的に変化する音刺激と時間的に変化する光刺激とが呈示されるものとし、呈示される音刺激を聴きながら、光刺激の変化に合わせて反応する対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、音刺激の変化の時系列と光刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、光刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、知覚感度評価装置は、対象者に対して、時間的に変化する第一の刺激と時間的に変化する第二の刺激とが呈示されるものとし、呈示される第一の刺激を知覚しながら、第二の刺激の変化に合わせて反応する対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、第一の刺激の変化の時系列と第二の刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、第二の刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、知覚感度評価方法は、対象者に対して、時間的に変化する音刺激と時間的に変化する光刺激とが呈示されるものとし、呈示される音刺激を聴きながら、光刺激の変化に合わせて反応する対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、音刺激の変化の時系列と光刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、光刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、知覚感度評価方法は、対象者に対して、時間的に変化する第一の刺激と時間的に変化する第二の刺激とが呈示されるものとし、呈示される第一の刺激を知覚しながら、第二の刺激の変化に合わせて反応する対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、第一の刺激の変化の時系列と第二の刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、第二の刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む。
本発明によれば、対象者の回答に依存せずに対象者がある刺激を知覚しているか否かを評価することができるという効果を奏する。
図1Aは光刺激と音刺激とが同時に呈示される例を説明するための図、図1Bは光刺激と音刺激とが所定の時間間隔だけずれて呈示される例を説明するための図。 感覚レベルが-15dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 感覚レベルが0dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 感覚レベルが5dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 感覚レベルが10dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 感覚レベルが15dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 感覚レベルが30dBのときに各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれを表す図。 各正弦波(3種類)、各感覚レベル(7種類)で得られる反応差分の標準偏差を表す図。 第一実施形態に係る知覚感度評価装置の機能ブロック図。 第一実施形態に係る知覚感度評価装置の処理フローの例を示す図。 光刺激と音刺激との時間的な変化の例を示す図。 第二実施形態に係る知覚感度評価装置の機能ブロック図。 第二実施形態に係る知覚感度評価装置の処理フローの例を示す図。 制御部で制御される音圧レベルの例を示す図。
以下、本発明の実施形態について、説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。
<原理>
本実施形態では、非特許文献1の音と音の代わりに、音と光を一定のリズムで呈示する。なお、リズムとは、ある対象物(例えば、音や光)の時間的な変化を意味する。本実施形態では、音の有無と光の点滅によってリズムを呈示する。
人間の知覚特性は光刺激(以下、視覚刺激ともいう)に対する音刺激(以下、聴覚刺激ともいう)の妨害効果が高いと考えられる。そこで、対象者に対して光のリズムに合わせて拍を刻むよう教示する。このとき、対象者に対して光と同期していない音を呈示すると、対象者は音に引きずられて拍を刻んでしまうのではないかと考えられる。本実施形態では、この知覚特性を利用して、ある音の光に対する妨害効果を測定する。また、音量を徐々に大きくし、光刺激に合わせて拍を刻む精度が低くなった時点の音量をもって、聴力を評価し、測定することができる。上述の知覚特性を実験により検証したので、その検証結果について説明する。
<実験条件>
図1を参照して評価実験に用いられる光刺激と音刺激とについて説明する。図1は、妨害効果の評価実験で対象者に呈示される光刺激と音刺激との構成例を説明する図である。まず、光刺激5と音刺激6を用意する。図1に示される複数の光刺激5は、符号5に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。同様に図1に示される複数の音刺激6は、符号6に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。図1Aの例では光刺激5と音刺激6とが同時に呈示され、図1Bの例では光刺激5と音刺激6とが所定の時間間隔Δtだけずれて呈示される。それぞれの刺激の間には任意の時間間隔が設けられている。
・対象者に対し、一定リズムで光刺激5を呈示する。対象者には、呈示される光刺激5に同期するように指でリズムを刻むように指示する。この実験では、LEDの点滅を光刺激として用いる。点灯している時間(刺激長Dv)を100msとし、刺激の開始時刻の間隔IOIvは640msで等間隔とする。
・同時に、対象者に対し、一定リズムで音刺激6を呈示する。対象者には音を無視するように指示する。音刺激として、250Hz,1000Hz,4000Hzの三種類の正弦波を用いて実験する。各正弦波のオン、オフを繰り返し、オンの時間(刺激長Da)を100msとし、刺激の開始時刻の間隔IOIaは640msで等間隔とする。音刺激の音量を感覚レベル(最小可聴値からの相対レベル)で-15dB,0dB,5dB,10dB,15dB,30dB,45dBの7種類とし、光刺激が呈示されてから音刺激が呈示されるまでの間隔Δtを、0ms,80ms,160ms,240ms,320ms,400ms,480ms,560msの8種類として実験する。この間隔Δtは、音刺激の呈示時刻と光刺激の呈示時刻との差分により表されるので、刺激差分ともいう。音刺激の呈示時刻(例えば呈示開始時刻)をTaとし、光刺激の呈示時刻(例えば呈示開始時刻)をTvとすると、刺激差分ΔtはΔt=Tv-Taと表される。なお、最小可聴値とは、音として知覚できる最小の音のレベルであり、対象者毎に異なる値である。最小可聴値は、基本的な聴力検査(例えばオージオグラム)で測定され、難聴認定の基礎となる値である。例えば、対象者に断続的な音を呈示し、対象者は音が「聞こえる・聞こえない」をボタンで回答する。検査者は反応に応じてレベルを調整し(聞こえる場合にはレベルを下げ、聞こえない場合にはレベルを上げ)、最小可聴値を推定する。
なお、光刺激5及び音刺激6ともに、刺激の開始時刻の間隔は同じ640msなので、光刺激と音刺激との呈示数の比(以下、視覚対聴覚刺激呈示数比ともいう)は1:1である。また、実験の際の刺激列の長さは30s程度とする。
図2〜図7は、各正弦波(3種類)、各間隔(8種類)で得られる光刺激が呈示されてから対象者がタップするまでのずれΔTvm(ms)を表す図である。このずれΔtは、光刺激の呈示時刻と対象者がタップした時刻との差分により表されるので、反応差分ともいう。対象者がタップした時刻(例えばタップの開始時刻)をTmとし、光刺激の呈示時刻(例えば呈示開始時刻)をTvとすると、反応差分ΔTvmはΔTvm=Tv-Tmと表される。図2〜図7は、それぞれ感覚レベル-15dB,0dB,5dB,10dB,15dB,30dB,に対応する。各図の縦軸は反応差分ΔTvmを、横軸は刺激差分Δtを表す。菱形でプロットされた折れ線は250Hzの正弦波の刺激音を、四角形でプロットされた折れ線は1000Hzの正弦波の刺激音を、三角形でプロットされた折れ線は4000Hzの正弦波の刺激音を表す。
図8は、各正弦波(3種類)、各感覚レベル(7種類)で得られる反応差分ΔTvm(ms)の標準偏差を表す図である。縦軸は反応差分ΔTvm(ms)の標準偏差を、横軸は感覚レベルを表す。図8は光刺激と音刺激との相対位相の影響の強さを感覚レベルの関数としてプロットしたものともいえる。
図2〜図8から4000Hzの正弦波の刺激音は感覚レベル0dB以上で、250Hzの正弦波の刺激音は感覚レベル5dB以上で、1000Hzの正弦波の刺激音は感覚レベル10dB以上で妨害効果を生じていることが分かる。この実験から、一定以上のレベルを持つ音刺激と光刺激の呈示のタイミングがずれると、音刺激の影響を受けて、タッピングの精度が低下することが分かる。これらの図から感覚レベルが大きいほど妨害効果が生じやすいことが分かる。また、これらの図から最小可聴値上わずか10dBの刺激によって、妨害効果が認められる。逆に言うと、妨害効果が最初に認められるレベルから0〜10dBの範囲に、最小可聴値がある。なお、図3〜8において、刺激差分Δtが480ms,560msでは、反応差分ΔTvmが見かけ上小さくなる傾向があるが、これは、刺激差分には周期性があるためで、刺激差分Δtが480ms,560msの条件では、音刺激の呈示が光刺激の呈示に先行するものの、音刺激と光刺激の時間差の絶対値は 0 msに近づくためだと考えられる。
<第一実施形態>
以下、上述の原理を利用して、音刺激の光刺激に対する妨害効果を測定する知覚感度評価装置について説明する。
図9は第一実施形態に係る知覚感度評価装置1の機能ブロック図を、図10はその処理フローを示す。
図9に示すように、本実施形態の知覚感度評価装置1は、記憶部11、制御部12、音呈示部13、入力情報取得部14、妨害効果測定部15及び光呈示部16を含んで構成される。以下、各構成の動作について説明する。
<記憶部11>
記憶部11には、光刺激5や音刺激6を後述する光呈示部16や音呈示部13で呈示するための情報が記憶される。光刺激5はタップする際に合わせる対象となる光であり、音刺激6は妨害効果の評価の対象となる音(例えば、周波数の異なる正弦波)である。光刺激5として光呈示部16(例えばディスプレイ)で画像等を呈示する場合には、画像表示に必要な情報が記憶される。また、光刺激5として光呈示部16(例えばLED)でLED光等を呈示する場合には、後述する制御部12から制御信号が出力される構成とし、記憶部11には光呈示部16で呈示するための情報が記憶されなくともよい。例えば、光刺激5は、音刺激6の種類が異なっても、これに関係なく予め用意された同じ光刺激を使用するものとする。なお、光刺激5、音刺激6は予め記憶部11に記憶されていなくてもよく、たとえば外部から入力されても良い。この場合、記憶部11は省略可能である。
本実施形態では、光呈示部16はLEDであり、後述する制御部12からLEDを点滅させるための制御信号を出力する構成とし、記憶部11には光刺激5を光呈示部16で呈示するための情報が記憶されていないものとする。また、所定の周波数の正弦波を音刺激6とし、所定の周波数の正弦波を音呈示部13で呈示するための情報が記憶部11に記憶されているものとする。光刺激5の光の強さや音刺激6の音の強さ(音圧)は、予め定められた強さであってもよいし、知覚感度評価装置1の操作者が光呈示部16や音呈示部13を操作して変更してもよいし、強さを表す情報が記憶部11に記憶され、その強さに応じた強さで光呈示部16や音呈示部13から放射、再生される構成としてもよい。例えば、音の強さを、オージオメータ等で別に求められた対象者の最小可聴値とする。
<制御部12>
制御部12は、所定時間に渡り、時間間隔を空けた複数個の光刺激5から構成される光刺激の列を後述する光呈示部16で呈示するための情報(以下、光刺激列情報ともいう)と、時間間隔を空けた複数個の音刺激6から構成される音刺激の列を後述する音呈示部13で呈示するための情報(以下、音刺激列情報ともいう)とを生成する。このとき、制御部12は、光刺激5と音刺激6との繰り返し回数の制御を実行し、所定の刺激差分Δtを成すように光刺激5と音刺激6との呈示時刻を制御する。言い換えると、制御部12は、所定の刺激差分Δtを成すように、光刺激列情報及び音刺激列情報とを生成する(S12)。より詳細には、制御部12は、所定の時間区間(例えば30s)の間、光呈示部16において呈示する光刺激の列(所定の時間長(例えば100ms)の複数個の光刺激5とこれらの間に挿入される時間間隔(例えば540ms)との規則的な組み合わせからなる光刺激の列)と、音呈示部13において呈示する音刺激6の列(所定の時間長(例えば100ms)の複数個の音刺激6とこれらの間に挿入される時間間隔(例えば540ms)との規則的な組み合わせからなる音刺激の列)とが、所定の刺激差分Δtを成すように、光刺激列情報及び音刺激列情報を生成する。例えば、所定の刺激差分Δtを実験条件のように、0ms,80ms,160ms,240ms,320ms,400ms,480ms,560msの8種類とし、30s毎に刺激差分Δtが変化するように制御してもよい。あるいは、刺激差分Δtが刺激呈示区間中に0msから光刺激の時間間隔(例えば540ms)の間で連続的に変化するように制御しても良い。本実施形態では、音刺激6を後述する音呈示部13で呈示するための情報は、記憶部11に予め記憶されている。制御部12は、記憶部11から音刺激6を後述する音呈示部13で呈示するための情報を読み込んで、音刺激列情報を生成し、光刺激の列を光呈示部16で呈示するための情報(制御信号)からなる光刺激列情報を生成し、所定の刺激差分Δtを成すように、各情報を音呈示部13及び光呈示部16に出力する。また、制御部12は、光刺激の変化の時系列(例えば、LEDを点灯させるための制御信号の出力開始時刻Tvの時系列)と刺激差分Δtとを妨害効果測定部15に出力する。
<音呈示部13>
音呈示部13は、音刺激列情報を受け取り、再生し、時間的に変化する音刺激を対象者に呈示する(S13)。言い換えれば、音呈示部13は、時間間隔を空けた複数個の音刺激から構成される音刺激の列を呈示する。音呈示部13は、例えばアンプとスピーカ又はアンプとイヤホンにより構成される。また、既存のオージオメータに備わる音刺激呈示部を用いてもよい。
<光呈示部16>
光呈示部16は、光刺激列情報を受け取り、光刺激列情報に対応する光を放射し、時間的に変化する光刺激を対象者に呈示する(S16)。言い換えれば、光呈示部16は、時間間隔を空けた複数個の光刺激から構成される光刺激の列を呈示する。光呈示部16は、例えばLEDやディスプレイにより構成される。
<入力情報取得部14>
入力情報取得部14は、呈示される音刺激を聴きながら、光刺激の変化に合わせて意図的に反応する対象者の運動情報の時系列を取得する(S14)。例えば、実験条件のように、対象者には、呈示される光刺激5に同期するように指で、押しボタンを押すように指示する。ディスプレイ上をクリックするように、または、タッチパネルをタップするように表示してもよい。そして、入力情報取得部14は、呈示される音刺激の列を聴きながら、呈示される光刺激の列に合わせて拍を打つ人(対象者)の、拍情報の時系列を取得する。拍情報は押しボタンを押した時刻(例えば開始時刻)、ディスプレイをクリックした時刻、タップした時刻などからなり、運動情報に相当する。
<妨害効果測定部15>
妨害効果測定部15は、制御部12から光刺激の変化の時系列(例えば、LEDを点灯させるための制御信号の出力開始時刻Tvの時系列)と刺激差分Δtを受け取り、入力情報取得部14から運動情報の時系列を受け取る。妨害効果測定部15は、所定の刺激差分Δtにおける、光刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との反応差分ΔTvmに基づいて妨害効果を測定し(S15)、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断し、判断結果を知覚感度評価装置1の出力値として出力する。例えば、まず、妨害効果測定部15は、拍情報の時系列と各々と光刺激の変化の時系列の各々との反応差分ΔTvm=Tv-Tmを求める。例えば、ある光刺激の呈示開始時刻をTvとし、その呈示開始時刻Tvの直後に表れる拍情報の開始時刻をTmとし、反応差分ΔTvmを、光刺激とその光刺激に対応する拍情報との組合せ毎に求める。次に、妨害効果測定部15は、反応差分ΔTvmが刺激差分Δtに依存するか否かを判定する。反応差分ΔTvmが刺激差分Δtに依存する場合には、対象者の反応が音刺激に引きずられていることを表すので、妨害効果があると判定し、音刺激を知覚していると判断する。例えば、反応差分ΔTvmから変数Aを求め、変数Aと所定の閾値との大小関係に基づき、妨害効果があるか否かを判定し、妨害効果があると判定した際の変数Aやその変数Aに対応する値を、知覚感度評価値として出力する。
(i)図8から分かるように、妨害効果が生ずると、反応差分ΔTvm(ms)の標準偏差が大きくなる。よって、反応差分ΔTvm(ms)の標準偏差を変数Aとして用い、変数Aが一定の閾値を超えた場合に妨害効果があると判定する。
(ii)妨害効果が生じていると、反応差分ΔTvm(ms)の範囲(最大値と最小値の差分)が大きくなることが知られている(非特許文献2参照)。よって、反応差分ΔTvm(ms)の範囲を変数Aとして用い、変数Aが一定の閾値を超えた場合に妨害効果があると判定する。
なお、変数Aは、複数の刺激差分Δtにおける、反応差分ΔTvmの標準偏差や範囲などを用いてもよいし、代表的な刺激差分Δt(1つまたは複数)における反応差分ΔTvmと、ある基準となる(例えば、音が存在しない場合の)ΔTvmの値の差などを用いてもよい。例えば、ある音圧レベルにおける変数Aを、刺激差分Δtが160ms,240ms,320ms,400msのときの平均値とする。また、同条件での複数回の計測により、複数の標準偏差や範囲などを求め、その平均値を変数Aとしてもよい。
また、判定に用いる閾値は、様々な値を用いることができる。例えば、経験的に求めた固定値を用いてもよい。また、無音時(または十分低い音圧で音刺激6を呈示したとき)に対するAの値との相対的な値でもよい。また、対象者の特性に合わせて設定してもよいし、合わせずに設定してもよく、例えば統計的な基準を用いてもよい。例えば、無音時に計測された変数Aの値(Anull)と統計的に有意な差があると認められる値を閾値として設定してもよい。なお、統計的に有意な差があるか否かは、例えばt検定などを用いて判定する。このような構成とすることで、光刺激のみ呈示されたときの変数Aと、光刺激と音刺激を呈示されたときの変数Aを比較し、妨害効果を測ることができる。言い換えると、光刺激と音刺激を呈示されたときの変数Aが、光刺激のみ呈示されたときの変数Aと比較して統計的に有意な差がある場合には、妨害効果が生じていると判定する。
<効果>
このような構成により、対象者の回答に依存せずに対象者がある刺激を知覚しているか否かを評価することができる。音が聞こえないときはこの妨害効果が生じず、聞こえるときには妨害効果が生じる。よって、妨害効果の有無は、「聞こえる・聞こえない」の指標となる。なお、従来の聴力検査は、対象者は音が「聞こえる・聞こえない」をボタンで回答していた。つまり、対象者の回答に依存した自覚的聴力検査であった。自覚的聴力検査では、意図的に誤った回答をする(詐聴、要は「聞こえる」のに「聞こえない」ふりをする)対象者や、何らかの心理的な要因による難聴(機能性難聴)をもつ対象者の場合、正しく聴力を評価することが難しかった。詐聴を防ぐための他覚的検査(聴性脳幹反応等)も存在するが、脳幹等の機能を評価するのみで、対象者に実際に聞こえているか否かを判断することはできなかった。本実施形態の構成であれば、受検者の直接的な回答に依存しない心理検査を実施することができる。対象者は聞こえないふりをするためには、光刺激に合わせてタッピングし続けなければならないが、音が聞こえている場合には音刺激の妨害効果により光刺激に合わせてタッピングし続けることはできない。よって、詐聴を防ぐことができる。同様に機能性難聴をもつ対象者に対しても正しく聴力を評価することができる。また、他覚的検査(聴性脳幹反応等)とともに使用して、データを蓄積することで、障害部位の推定のための診断ツールとしても機能しうる。
<変形例>
視覚刺激の種類は、光の点滅に限らず、リズムを刻みやすい特徴的な変化(時間的な変化)が繰り返されるものであればよい。また、刺激長Dvは、タップしやすい長さ(数十〜数百ms程度)、もしくはリズムを刻みやすい特徴的な変化がわかるような長さであればよい。刺激間隔IOIvはタップしやすい間隔(100〜2000ms程度)であればよい。
聴覚刺激は、何らかの属性が変化し、その変化のタイミング(時間的な変化)が定義できるものであればよい(例えば、周波数変化、ピッチ変化)。また、刺激長Daは典型的には、視覚刺激の長さに合わせるが、刺激のタイミングを知覚しやすいものであれば、これに限らない。刺激間隔IOIaは視覚刺激のそれと同じか、それに近い(〜±500ms程度)間隔であればよい。刺激レベルとしては、知覚できないほどの低いレベル(または変化量)のものも含む。刺激差分Δtは、典型的には、0〜視覚刺激間隔の範囲から選ぶ。刺激差分Δtは一つだけでも、複数でもよく、連続に変化させてもよい。
視覚対聴覚刺激呈示数比は、多対1、1対多であってもよい。ただし、視覚刺激に対して、対象者がリズムをとれる必要がある。視覚刺激の列の長さは、拍情報の時系列を計測できることができれば、短くてもよい。例えば5秒程度であってもよい。
さらに、本実施形態では、光刺激(以下、「タスク刺激」または「第二の刺激」ともいう)と音刺激(以下、「妨害刺激」または「第一の刺激」ともいう)を用いているが、このような刺激に限らない。タスク刺激に対してリズムを刻む行動(タッピング)が、妨害刺激のタイミングによって妨害されやすいように各刺激の特性を調整すれば、別の感覚属性の組み合わせでも構わない。例えば、(タスク刺激、妨害刺激)=(光、振動)、(音、振動)、(音、音)、(光、光)などであってもよい。タスク刺激として、光刺激に代えて音刺激や振動刺激を用いる場合には、光呈示部に代えて、それぞれ音呈示部(スピーカとアンプなど時間的に変化する音刺激を呈示することとができればよい)や振動呈示部(バイブレータ等の時間的に変化する振動刺激を呈示することとができればよい)を用いればよい。同様に、妨害刺激として、音刺激に代えて、光刺激や振動刺激を用いる場合には、音呈示部に代えてそれぞれ光呈示部や振動呈示部を用いればよい。これによって、音に対する感度に限らず、光や振動などに対する感度を測ることも可能である。また、同じ種類の刺激((音、音)、(光、光)、(振動、振動)等)であっても、対象者に対して異なる時間的な変化を呈示することができるのであれば、一方をタスク刺激、他方を妨害刺激とすることができる。例えば、タスク刺激として特定の周波数をもつ音(例えば4000Hzの正弦波)を用い、妨害刺激として他の周波数を持つ音(例えば100Hzの正弦波)を用いることで、妨害刺激に対する感度を評価することができる。同様に、(音、音)であっても、音量や音質、ピッチ、両耳間時間差の変化に対する感度を測定することができる。(光、光)、(振動、振動)等であっても同様である。要は、タスク刺激として対象者が必ず知覚可能な刺激を用意し、妨害刺激として知覚感度の評価対象(対象者が知覚できるか否かを判定する対象)となる刺激を用意すればよく、それらが時間的に変化すればよい。なお、音刺激の光刺激に対する妨害効果は高いと考えられ、光刺激の音刺激に対する妨害効果は低いと考えられるため、音刺激の妨害効果を測定する場合には、本実施形態のように(タスク刺激、妨害刺激)=(光、音)とする構成が特に有効である。(タスク刺激、妨害刺激)=(音、音)を用いる場合、非特許文献1と同じ組合せだが、非特許文献1では基準音と評価対象音との何れの音に合わせてタップするか、その割合に基づき顕著性レベル(妨害効果)を測定しているが、本実施形態では、所定の刺激差分Δtにおける、反応差分ΔTvmに基づいて妨害効果を測定する点が異なる。
また、本実施形態では、刺激差分Δtを所定の時間区間(例えば30s)の間、固定としているが、変動させてもよい。
光刺激には、任意の光を用いることができる。例えば、LED以外にディスプレイ等を用いてもよい。また、点滅以外でタイミングを与えてもよい。例えば、点滅させずに光の強さや色を変化させてもよいし、ディスプレイに表示させる画像を変化させてもよい。
音刺激には、任意の音を用いることができる。タイミングを定義できる属性であればよく、音の有無以外にも様々な属性を用いることができる。例えば、音量や周波数、音質、ピッチ、両耳間時間差を変化させてもよい。これらの属性を変化させる場合は、例えば音量や周波数、音質、ピッチ、両耳間時間差の変化に対する感度を測定することができる。また、音刺激の強さは対象者が自覚できないほどの小さい音でも良いが、聴力損失を生じさせるほど大きな音は避ける。
また、光刺激5の強度は基本的には制限されるものではないが、知覚できないほど小さい強度や、視力損失を生じさせるほど大きな強度は避け、無理なく知覚できる範囲に留めるのが望ましい。
また、光刺激と音刺激とは、断続的である必要はない。言い換えると、刺激と刺激の間に任意の時間間隔を設けられている必要はない。例えば、図11に示すように変化のタイミングが定義できればよい。なお、図11において、横軸は時間を、縦軸は刺激の強さ(または、ピッチや色等)を表す。
また、対象者の反応を取得することができれば、拍情報以外の運動情報であってもよい。例えば、カメラ等により、対象者の体の一部を撮影し、その動き(例えば、まばたきやダンス)を反応として取得し、運動情報として取得してもよい。
妨害効果の評価は、音刺激の存在の影響や、光刺激と音刺激との位相の影響がとれれば、反応差分Δtの標準偏差や範囲に限らず、どのようなものであってもよい。
本実施形態では、音呈示部13、光呈示部16を知覚感度評価装置1の一部としているが、別装置として構成してもよい。また、本実施形態では、音刺激列情報及び光刺激列情報を制御部12が生成し、それぞれ音呈示部13及び光呈示部16に出力しているが、音呈示部13及び光呈示部16において主体的に音刺激及び光刺激を再生及び放射し、再生時刻及び放射時刻を制御部12に知らせる構成としてもよい。その場合、再生時刻及び放射時刻から、刺激差分Δtと光刺激列情報とを求め、妨害効果測定部15に出力する構成としてもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
以下、図12、図13を参照して、第一実施形態の一部を変更した第二実施形態の知覚感度評価装置について説明する。図12は本実施形態の知覚感度評価装置2の構成を示すブロック図である。図13は本実施形態の知覚感度評価装置2の動作を示すフローチャートである。図12に示すように、本実施形態の知覚感度評価装置2は、記憶部11と、制御部22と、音呈示部13と、入力情報取得部14と、妨害効果測定部25と、光呈示部16とを含んで構成される。第一実施形態と本実施形態の違いは、第一実施形態における制御部12が本実施形態において制御部22に変更されている点、第一実施形態における妨害効果測定部15が本実施形態において妨害効果測定部25に変更されている点のみである。以下、第一実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
<制御部22>
本実施形態の制御部22は、所定の刺激差分Δtを成すように、光刺激列情報及び音刺激列情報とを生成すると同時に、音圧レベル制御を実行する(S22)。具体的には、制御部22は、妨害効果測定部25から妨害効果の有無を示す情報を取得し、妨害効果がある場合(言い換えいるとΔTvmがΔtに依存している場合)に音刺激の音圧レベルを小さくし、妨害効果がない場合(ΔTvmがΔtに依存していない場合)に音刺激の音圧レベルを大きくする。例えば制御部22は、妨害効果測定部25から、妨害効果がない(ΔTvmがΔtに依存していない)ことを示す情報が入力された場合は音刺激6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも高く(大きく)制御し、妨害効果がある(ΔTvmがΔtに依存している)ことを示す情報が入力された場合は音刺激6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも低く(小さく)制御する。なお、妨害効果測定部25における妨害効果の判定方法は第一実施形態と同様である。例えば、反応差分ΔTvmから変数Aを求め、変数Aと所定の閾値との大小関係に基づき、妨害効果があるか否かを判定する。音呈示部13は、所定の時間区間の間、制御部22が音圧レベルを制御して生成した音刺激情報列を再生し、時間的に変化する音刺激を対象者に呈示する(S13)。
<妨害効果測定部25>
妨害効果測定部25は、制御部22から光刺激の変化の時系列と刺激差分Δtと音刺激6の音圧レベルとを受け取り、入力情報取得部14から運動情報の時系列を受け取る。妨害効果測定部25は、所定の刺激差分Δtにおける、光刺激の変化の時系列と運動情報の時系列との反応差分ΔTvmに基づいて妨害効果を測定し(S25)、知覚感度評価装置2の出力値として出力する。本実施形態では、妨害効果の測定値として、妨害効果があると判定された際の音圧レベルの中で最小の値を用いる。妨害効果測定部25は、所定の条件を満たすか否かを判定し(S26)、所定の条件を満たした際に、妨害効果があると判定された音圧レベルの中で最小の値を妨害効果の測定値として出力する。妨害効果測定部25は、所定の条件を満たさない場合には、制御部22に妨害効果の有無を示す情報を送信する。制御部22では、妨害効果がある場合に音圧レベルが小さくなるように制御し、妨害効果がない場合に音圧レベルが大きくなるように制御するので、最小可聴値と妨害効果のレベルが一致する場合、音圧レベルは図14のように制御される。そこで、音圧レベルがある程度収束したときの値を妨害効果の測定値としたい。よって、所定の条件とは、音圧レベルが収束したか否かを判定するための条件である。例えば、所定の条件として、以下のような条件が考えられる。
(1)妨害効果の判定回数が一定の回数を超えた場合
(2)妨害効果がないと判定されたときの音圧レベルと、妨害効果があると判定されたときの音圧レベルとの差分が、所定の閾値よりも小さくなった場合
また、これらの組合せ(or条件、and条件)を所定の条件として用いてもよい。
<効果>
このような構成によって、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態では、妨害効果が得られる最小の音圧レベルを測定することができる。得られる最小の音圧レベルは、最小可聴値に対応するため、このような構成により、知覚感度評価装置を聴力測定装置として機能させることができる。よって、妨害効果測定部25において、妨害効果があると判定した際の音刺激の音圧レベルに基づき聴力を測定しているともいえる。なお、本実施形態と第一実施形態及びその変形例とを組合せてもよい。例えば、第一実施形態の制御部で同様の制御を行い、妨害効果測定部では所定の条件を満たしたときの変数A及び変数Aに対応する値を出力する構成としてもよい。
<変形例>
本実施形態では、制御部22が音圧レベル制御を実行しているが、妨害効果の有無を示す情報(例えば変数Aや変数Aに対応する値)をディスプレイ等に表示し、医師などの操作者がその情報に基づき判定を行い、音呈示部13における音量を上げるか下げるかを実行してもよい。
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、知覚感度評価装置の構成の一部を既存の機器と置き換えて実現してもよい。例えば、音呈示部13を既存のオージオメータで置き換えてもよい。
また、例えば、音圧レベルを制御して最小可聴値を求める以外に、図11の他の刺激例1,2のような設定で周波数差を制御すれば、周波数差に関する「最小可聴周波数変化」つまり周波数の変化に対する感度を求めることができる。例えば、妨害刺激として周波数が一定のリズムで変化する音(例えば、…,<f>,<f>,<f>,<f+Δf>,<f>,<f>,<f>,<f+Δf>,<f>,<f>,<f>, …;ここでfは基準周波数で、Δfは周波数の変化量)を用い、周波数変化量Δfを制御(大きくしたり小さくしたり)することで、最小可聴周波数変化(周波数の変化に対する感度を示す)を求めることができる。また、刺激の組み合わせを(光、音)でなく、(光、振動)にすれば、振動に関する最小知覚閾値を求めることができる。同様に、第一実施形態の変形例と組合せて、(タスク刺激、妨害刺激)=(音、振動)、(音、音)、(光、光)などであってもよい。要は、タスク刺激として対象者が必ず知覚可能な刺激を用意し、妨害刺激として知覚感度の評価対象(対象者が知覚できるか否かを判定する対象)となる刺激を用意すればよく、それらが時間的に変化すればよい。第二実施形態では、妨害刺激を所定の範囲(例えば、妨害刺激を人が知覚可能な下限値の近傍)で変化させることで、妨害刺激に対する知覚閾値を求めることができる。知覚閾値の判定基準値としては統計値等を用いればよい。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 対象者に対して、時間的に変化する音刺激と時間的に変化する光刺激とが呈示されるものとし、呈示される音刺激を聴きながら、光刺激の変化に合わせて反応する前記対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、
    音刺激の変化の時系列と光刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、前記光刺激の変化の時系列と前記運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む、
    知覚感度評価装置。
  2. 請求項1の知覚感度評価装置であって、
    前記妨害効果測定部において、妨害効果があると判定した際の前記音刺激の音圧レベルに基づき聴力を測定する、
    知覚感度評価装置。
  3. 対象者に対して、時間的に変化する第一の刺激と時間的に変化する第二の刺激とが呈示されるものとし、呈示される第一の刺激を知覚しながら、第二の刺激の変化に合わせて反応する前記対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、
    第一の刺激の変化の時系列と第二の刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、前記第二の刺激の変化の時系列と前記運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む、
    知覚感度評価装置。
  4. 請求項3の知覚感度評価装置であって、
    前記第一の刺激をヒトが知覚可能な範囲の下限値の近傍で変化させることで、前記第一の刺激に対する前記対象者の知覚閾値を求める、
    知覚感度評価装置。
  5. 知覚感度評価装置の作動方法であって、
    入力情報取得部が、対象者に対して、時間的に変化する音刺激と時間的に変化する光刺激とが呈示されるものとし、呈示される音刺激を聴きながら、光刺激の変化に合わせて反応する前記対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、
    妨害効果測定部が、音刺激の変化の時系列と光刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、前記光刺激の変化の時系列と前記運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む、
    知覚感度評価装置の作動方法。
  6. 請求項5の知覚感度評価装置の作動法であって、
    前記妨害効果測定ステップにおいて、妨害効果測定部が、妨害効果があると判定した際の前記音刺激の音圧レベルに基づき聴力を測定する、
    知覚感度評価装置の作動方法。
  7. 知覚感度評価装置の作動方法であって、
    入力情報取得部が、対象者に対して、時間的に変化する第一の刺激と時間的に変化する第二の刺激とが呈示されるものとし、呈示される第一の刺激を知覚しながら、第二の刺激の変化に合わせて反応する前記対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、
    妨害効果測定部が、第一の刺激の変化の時系列と第二の刺激の変化の時系列との差分を刺激差分とし、所定の刺激差分における、前記第二の刺激の変化の時系列と前記運動情報の時系列との差分に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む、
    知覚感度評価装置の作動方法。
  8. 請求項1から請求項4の何れかの知覚感度評価装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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