JP5944321B2 - Ｂｂｃｏｒを減少させるための一体のバレル機能部を含むボールバット - Google Patents

Description

本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる２００９年１１月２３日に出願された米国特許出願第１２／６２４，０５６号の継続出願であり、これに基づく優先権を主張するものである。

野球及びソフトボール運営団体は、バットで打たれたボールの速度を規制する目的で長年にわたり種々のバット性能の制限を課している。各協会は、一般に、所望のレベルのプレーを達成するために種々の規格及び方法を独自に策定している。バットの設計者は、典型的には、それらのバット・バレルの性能、すなわちバット・ボール反発係数（ｂａｔ−ｂａｌｌ ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ ｏｆ ｒｅｓｔｉｔｕｔｉｏｎ）（「ＢＢＣＯＲ」）を調整することによって、これらの性能規格を遵守する。ＢＢＣＯＲを制御する典型的な方法は、中空金属バットのバレル壁を厚くすること、又は特定の材料及びファイバ角度の選択を介して複合バットの半径方向の剛性を増加させることを含む。しかしながら、複合バットの半径方向の剛性及びファイバ配向は、所与の材料厚さによって制限される。したがって、複合バットのバレル壁はまた、付加的な剛性を提供するために厚くされる場合があり、その結果、ＢＢＣＯＲ及びバレル性能を制限する。

バレル壁を厚くすることで、一般に、バットの重量、より重要なことには、その「スイング・ウェイト」又は慣性モーメント（「ＭＯＩ」）が増加する。ＭＯＩは、（ａ）質量と、（ｂ）質量中心とそこから質量がピボットされる点との間の距離の二乗との積である。数学的には、これは以下のように表わされる。

ＭＯＩ＝Σ質量×（距離）^２

米国特許第５，５９３，１５８号明細書 米国特許第７，１１５，０５４号明細書

したがって、ＭＯＩは、バットの質量が増加するのに伴って又はバットの質量中心がスイングのピボット点から遠くに（すなわち、バッターの手から遠くに）移動するのに伴って、バットをスイングするのが次第に難しくなっていくことを示す。バレル壁を厚くすることは、バッターの手から比較的遠位の領域のバットの重量を増加させるので、そうすることはまた、バットのＭＯＩを増加させる。したがって、バレル壁を厚くすることは、バレルを効果的に補剛し、その性能を低下させるが、結果としてのＭＯＩの増加は、一般にバッターにとって望ましくない。

ボールバットは、バレルの領域を選択的に補剛するための１つ又は複数の一体の機能部を有するバレルを含む。バレルは、バレルの中に内向きに突き出るリブを形成する凹部領域を含んでもよい。代替的に、バレルの中に一体の内部リブが形成されるように、互いに結合され、溶接され、又は他の方法で取り付けられる隣接するバレル区域上に、１つ又は複数の内向きに突き出るリップが形成されてもよい。内部リブは、バレルを補剛し、したがってバレルのＢＢＣＯＲを減少させる。ボールバットの慣性モーメントを明らかに増加させることなくバレルの性能を選択的に制限するために、任意の所望のバレル位置に１つ又は複数の一体のリブが提供されてもよい。別の実施形態では、２つのバレル区域が結合され、溶接され、又は他の方法で取り付けられる接合部は、バレルを補剛し、したがってバレルのＢＢＣＯＲを減少させる、内向きに突き出る部材を含む。

他の特徴及び利点が以下で明らかとなるであろう。上記で説明された特徴は、別々に、又は一緒に、若しくはそれらの１つ又は複数の種々の組合せで用いることができる。

図面では、同じ参照番号は図面の全体を通して同じ要素を示す。

図１は、一実施形態に係るボールバットの斜視図である。 図２Ａは、一実施形態に係るバット・バレルの横断面図である。 図２Ａは、図２の区域Ａの拡大図である。 図３は、別の実施形態に係るバット・バレルの横断面図である。 図３Ａは、図３の区域Ｂの拡大図である。 図４は、別の実施形態に係るバット・バレルの横断面図である。 図４Ａは、図４の区域Ｃの拡大図である。

本発明の種々の実施形態がここで説明されるであろう。以下の説明は、これらの実施形態の十分な理解のための及び説明を可能にするための特定の詳細を提供する。しかしながら、本発明はこれらの詳細の多くを伴わずに実施されてもよいことを当業者は理解するであろう。加えて、幾つかの周知の構造体又は機能は、種々の実施形態の該当する説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために詳細には示され又は説明されない場合がある。

以下に提示される説明で用いられる用語は、本発明の或る特定の実施形態の詳細な説明と併せて用いられるにもかかわらず、その最も広い妥当な様態で解釈されることを意図される。或る用語は、以下で強調される場合もあるが、しかしながら、任意の制約された様態で解釈されることを意図された任意の用語が、この詳細な説明の部分でそういうものとして明白に且つ具体的に定義されるであろう。

文脈が許せば、単数形又は複数形の用語はまたそれぞれ複数形又は単数形の用語を含む場合がある。さらに、「又は」という言葉は、２つ又はそれ以上のアイテムのリストの中の他のアイテムを除く単一のアイテムだけを意味するように明確に限定されない限り、このようなリストの中での「又は」の使用は、（ａ）リストの中の任意の単一のアイテム、（ｂ）リストの中のアイテムのすべて、又は（ｃ）リストの中のアイテムの任意の組合せを含むものとして解釈されるべきである。

本明細書で説明される実施形態は、制限されたバット−ボール反発係数（「ＢＢＣＯＲ」）、すなわち制限されたバレル性能を有するボールバットに向けられており、バットが規制協会の性能制限内で機能することを可能にする。全米大学競技協会（Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｌｌｅｇｉａｔｅ Ａｔｈｌｅｔｉｃ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）（「ＮＣＡＡ」）は、例えば、バレルのＢＢＣＯＲを０．５１０以下又は０．５００以下に制限することを提案した。ＢＢＣＯＲを制限することは、好ましくは、ボールバットの慣性モーメント（「ＭＯＩ」）を明らかに増加させる（又は減少することによる）ことなく達成される。

ここで図面を詳しく見ると、図１に示すように、以下総称して「ボールバット」又は「バット」と呼ばれる、野球又はソフトボールバット１０は、ハンドル１２と、バレル１４と、ハンドル１２をバレル１４に接合するテーパした区域１６とを含む。ハンドル１２の自由端は、ノブ１８又は類似の構造体を含む。バレル１４は、好ましくは適切なキャップ２０又はプラグによって閉じられる。バット１０の内部は、好ましくは中空であり、ボール・プレーヤがバット１０をスイングするときに実質的なバット速度を生じてもよいように、バット１０が比較的軽量となることを可能にする。ボールバット１０は、一体化された構成であってもよく、又は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献１で説明されるように、２つ又はそれ以上の別個の取り付けられた部品（例えば、別個のハンドルとバレル）を含んでもよい。

ボールバット１０は、好ましくは、１つ又は複数の複合材料又は金属材料から構築される。適切な複合材料の幾つかの例は、繊維強化ガラス、グラファイト、ホウ素、炭素、アラミド、セラミック、Ｋｅｖｌａｒ、又はＡｓｔｒｏｑｕａｒｔｚ（登録商標）を含む。ボールバット１０を構築するためにアルミニウム又は別の適切な金属材料が用いられてもよい。また、金属材料と複合材料との組合せを含むボールバットが構築されてもよい。例えば、金属バレルと複合ハンドル又は複合バレルと金属ハンドルを有するボールバットが本明細書で説明される実施形態で用いられてもよい。

バット・バレル１４は、単壁の構成又は多壁の構成を含んでもよい。多壁のバレルは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献２で詳細に説明されるように、１つ又は複数の界面剪断制御ゾーン（ｉｎｔｅｒｆａｃｅ ｓｈｅａｒ ｃｏｎｔｒｏｌ ｚｏｎｅ）（「ＩＳＣＺ」）によって互いから分離されるバレル壁を含んでもよい。ＩＳＣＺは、例えば、隣接するバレル壁の間での剪断応力の伝達を防ぐのに適した結合解除層又は他の要素、機構、又はスペースを含んでもよい。結合解除層又は他のＩＳＣＺは、好ましくは、ボールバット１０の硬化中に及びその寿命の全体を通して、隣接するバレル壁が互いに結合するのをさらに防ぐ。

ボールバット１０は任意の適切な寸法を有してもよい。ボールバット１０は、２０〜４０インチ、又は２６〜３４インチの全長を有してもよい。バレル全径は、２．０〜３．０インチ、又は２．２５〜２．７５インチであってもよい。典型的なボールバットは、２．２５、２．６２５、又は２．７５インチの直径を有する。これらの全長とバレル直径の種々の組合せ又は他の任意の適切な寸法を有するバットが本明細書で考慮される。バット寸法の特定の好ましい組合せは、一般にバット１０のユーザによって決定され、ユーザの間で大きく変化する場合がある。

バット１０の領域に当たるボールは、典型的に、バレル１４の長さの全体を通して延び、バット１０のテーパした区域１６の中に部分的に延びる場合がある。説明を簡単にするために、この当たる領域は、説明の残りの全体を通して概して「バレル」と呼ばれる。バット・バレル１４は、一般に、最大性能位置、すなわち「スイート・スポット」を含み、これは、バット１０からボールへのエネルギーの伝達が最大であるが、プレーヤの手へのエネルギーの伝達は最小である衝突位置である。スイート・スポットは、一般に、バットの打撃中心（ＣＯＰ）とその最初の３つの基本振動ノードとの交差点に位置する。バレル１４の自由端から典型的に約４〜８インチであるこの位置は、バットがその最初の（又は基本）屈曲モードで振動するときに動かない。

スイート・スポットとバレル１４の自由端との間、及びスイート・スポットとバット１０のテーパした区域１６との間のバレル領域は、バレル１４のスイート・スポットで発生する最大性能を提供しない。実際は、典型的なボールバットでは、バレルの性能、又はトランポリン（登録商標）効果は、衝突位置がスイート・スポットから遠ざかる方に移動するのに伴って減少する。したがって、スイート・スポットは、一般に、バットを規制協会の制限内にもっていくためにＢＢＣＯＲの最大の制限又は減少を必要とする。

バレルのＢＢＣＯＲを減少させる種々の一体のバレル機能部又は構成が以下で説明される。所与のバットに用いられる１つ又は複数のＢＢＣＯＲ減少機能部の特定のタイプ、サイズ、及び構成は、所与の規制協会の性能制限、所与のバッターの重量の好み及び感触の好みなどによって決定されてもよい。ＢＢＣＯＲ減少機能部は、バレル１４のスイート・スポットに又はその付近に位置することが一般に好ましいが、幾つかの実施形態では、機能部の包含から結果として生じるＭＯＩの増加を制限するために、これらの機能部をハンドル１２のより近くのような他のバット領域に位置付けることが好ましい場合がある。したがって、特定のバットの設計目標に応じて、以下の実施形態のうちの１つ又は複数がボールバット１０の１つ又は複数の位置で使用されてもよい。

図２及び図２Ａに示すように、一実施形態では、バレル１４は、バレル１４の周縁の周りにチャネルを形成する潰れた領域又は凹部領域２２を含む。凹部領域２２は、バレル１４の内向きに突き出る部分によって画定され、これはリブ２４と呼ばれる。凹部領域２２は、圧延装置、クリンプダイ、電磁気生成機器、又は他の任意の適切な装置を用いてバレルの中に形成されてもよい。

内向きに突き出るリブ２４は、凹部領域２２でのバレル１４を補剛し、これは、該領域におけるバレルのＢＢＣＯＲを、バレル１４の長手方向に隣接する領域のより低い程度にまで減少させる。したがって、内向きに突き出るリブ２４は、バレルのスイート・スポットに又はその付近に提供することが一般に望ましい。

バレル１４の長手方向に隣接する領域と同一面をなす連続した外面を形成するために、好ましくは凹部領域２２の中にフィラー材料２６が含まれる。フィラー材料２６は、複合又は金属ボールバットの凹部領域２２に接着され、射出され、予め形成され次いで接着され、又は他の方法で適切に固定され又は付着されてもよい。フィラー材料はまた、複合ボールバットのバレル１４と同時に硬化されてもよい。

凹部領域２２に充填するために種々の材料が用いられてもよい。選択される材料（単数又は複数）は、軽量であり且つ衝撃に耐えることが好ましいが、任意の適切なフィラー材料が用いられてもよい。一実施形態では、凹部領域２２には、Ｓｕｒｌｙｎ（登録商標）又は熱可塑性ポリウレタン（「ＴＰＵ」）のような熱可塑性材料が充填される。これらの材料は、適切な耐摩耗性及び化粧の可撓性を提供する。

ポリウレタン発泡体（耐摩耗性を提供するために好ましくはコーティング又はスキンで覆われる）、エポキシ発泡体、エラストマー材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、Ｌｅｘａｎ（登録商標）、シリコンなどのような他の材料がフィラー材料２６として用いられてもよい。例えば、エラストマー材料は、それらを予め成形し、次いでバレル１４の上に引き伸ばし、凹部領域２２の中に配置することができるので、容易な組み立てを可能にする。別の実施形態では、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、Ｌｅｘａｎ（登録商標）、ＴＰＵ、シリコン、又はゴムのような材料のリングを、凹部領域２２の中の定位置に射出成形することができる。

フィラー材料２６としてエラストマー材料が用いられる場合、バレルのＢＢＣＯＲに対するこうした材料の影響が考慮されなければならない。多くのエラストマー材料（及び類似の材料）は比較的高いＣＯＲを有し、これは内向きに突き出るリブ２４の全体的なＢＢＣＯＲ減少効果を制限することがある。ＢＢＣＯＲを制御するためにフィラー材料２６の厚さ又は幅を制限してもよい。一実施形態では、例えば、幅０．６２５インチ×深さ０．２５インチの凹部領域２２は、０．８未満のＣＯＲを有するフィラー材料が用いられる場合に０．５０未満のＢＢＣＯＲを提供する可能性がある。凹部領域２２の幅及び深さは、もちろん、フィラー材料２６としてより高い又は低いＣＯＲを有する材料を用いることができるように修正されてもよい。特定の規制協会によって課されるＢＢＣＯＲ制限はまた、凹部領域２２の寸法、並びに用いられる特定のフィラー材料２６を決定する可能性がある。

バット・バレル１４の中に凹部領域２２を提供することは、バレルの大部分を厚くすることとは対照的に、内向きに突き出るリブ２４を含まない類似のバットに対して減少したＢＢＣＯＲをもつ比較的軽量のバットをもたらす。幾つかの実施形態では、構築するのにあまり高価でないボールバットを提供しながらバレル１４のＢＢＣＯＲを減少させるために、より重く且つあまり高価でないフィラー材料２６が代替的に用いられてもよい。これらの材料は、エポキシ、シート成形コンパウンド（ｓｈｅｅｔ ｍｏｌｄｉｎｇ ｃｏｍｐｏｕｎｄ）（「ＳＭＣ」）、バルク成形コンパウンド（ｂｕｌｋ ｍｏｌｄｉｎｇ ｃｏｍｐｏｕｎｄ）（「ＢＭＣ」）、シンタクチックフォーム、皮革、又は他の適切な材料を含んでもよい。

図３及び図３Ａに示すように、別の実施形態では、バレル１４は第１のバレル区域３０と第２のバレル区域３２とを含む。第１のバレル区域３０の内側の端は、内向きに突き出る第１のリップ３４に巻かれるか又は他の方法で形成され、一方、第２のバレル区域３２の隣接する内側の端は、内向きに突き出る第２のリップ３６に巻かれるか又は他の方法で形成される。図３及び図３Ａに示された実施形態では、リップ３４、３６は湾曲しているが、他の実施形態では、それらは実質的に直線形にすることができる。

２つのリップ３４、３６は、好ましくは互いに溶接され、結合され、又は他の方法で適切に取り付けられてバレル１４を形成する。接続されたリップ３４、３６は、内向きに突き出るリブ３５を形成し、これは好ましくはバレル１４のスイート・スポットに又はその付近に位置する。リップ３４、３６の湾曲部よりも上に開かれた領域３８が提供される。バレル１４の長手方向に隣接する領域と同一面をなす連続した外面を形成するために、好ましくは開かれた領域３８の中にフィラー材料４０が含まれる。フィラー材料４０は、上記で説明されたフィラー材料２６のいずれかであってもよく、図２及び図２Ａで例証された実施形態に関して上記で説明された任意の様態で開かれた領域３８の中に提供されてもよい。結果として、バレル１４のＢＢＣＯＲは、上記で説明された様態と類似した様態で減少されてもよい。

代替的な実施形態（図示せず）では、第１及び第２のバレル区域のうちの１つは、リップを含んでもよく、一方、他のバレル区域は、円筒形の「バレルの形状にされた」管であってもよい。円筒形の管は、内向きに突き出るリップが１つだけ存在するようにリップに溶接され、結合され、又は他の方法で適切に接続されてもよい。もしあれば、リップよりも上に幾らかの開かれたスペースが提供される場合、開かれたスペースに充填するために上記で説明されたフィラー材料２６のいずれかのようなフィラー材料が用いられてもよい。こうしたバレルは、例えば、そのＢＢＣＯＲが２つの内向きに突き出るリップを有するバレルと同じ程度にまで減少される必要がない場合に望ましいことがある。

図４及び図４Ａに示すように、別の実施形態では、バレル１４は第１のバレル区域５０と第２のバレル区域５２とを含む。第１のバレル区域５０の内側の端５４は、接合部５８を介して第２のバレル区域５３の内側の端５６に取り付けられる。接合部は、アルミニウム又は鋼のような金属で、又は複合材料で、若しくは他の任意の適切な構造的材料で作製されてもよい。

接合部５８は、バレル１４のＢＢＣＯＲを減少させるための補剛リブとして作用する内向きに突き出る部材６０を含む。したがって、接合部５８は、好ましくはバレル１４のスイート・スポットに又はその付近に位置する。一実施形態では、接合部５８は、第１のバレル区域５０及び第２のバレル区域５２がそれぞれ溶接され、結合され、又は他の方法で適切に取り付けられる第１の合わせ面６２及び第２の合わせ面６４を含む。接合部５８は、随意的に、第１のバレル区域５０及び第２のバレル区域５２が随意的に溶接され、結合され、又は他の方法で適切に取り付けられてもよい上向きに突き出る部材６６をさらに含む。接合部５８がこうした上向きに突き出る部材６６を含むかどうかに関係なく、第１のバレル区域５０及び第２のバレル区域５２の（及び含まれる場合には上向きに突き出る部材６６の）外面は、好ましくは連続しており且つ互いと同一面をなす。接合部がバレルを補剛し且つバレルのＢＢＣＯＲを減少させる内向きに突き出る部材又は部分を含む限り、代替的な接合部構成が用いられてもよい。

バレル１４の中に１つ又は複数の一体のリブ又は他の補剛材を形成することは、バレル１４の大部分を顕著に厚くすることとは対照的に、バットのＭＯＩの実質的な増加なしにＢＢＣＯＲの顕著な減少を提供する。驚いたことに、単一のバレル位置にリブ又は補剛材を含むことで、バット・バレルの実質的な長さに沿ってＢＢＣＯＲを明らかに減少させることができる。もちろん、必要に応じて、付加的なリブ又は補剛材がバレルの中に含まれてもよい。複数のリブ又は補剛材を含むことで、例えば、バット設計者が種々のバレル位置（又は他のバット位置）を選択的に補剛することが可能となる。

本明細書で説明される実施形態では、一体のリブ又は補剛材は、一般に、バレル１４のスイート・スポットに又はその付近に位置するものとして説明される。幾つかの実施形態では、バットのＭＯＩに対する影響を低減するために、リブ又は補剛材をバット・ハンドル１２のより近くに位置付けることが望ましい場合がある。ＭＯＩは、ピボット距離の二乗に関係するので、任意の付加される質量をバッターの手の近くに移動させることは、バットのＭＯＩを大いに低下させる。そうすることはリブ又は補剛材の位置でのＢＢＣＯＲの「過減少」を余儀なくさせる場合があるが（スイート・スポットを依然として協会の性能制限内にもっていく必要があり、リブ又は補剛材から離間された場所ではＢＢＣＯＲのより少ない減少が一般に起こるため）、或るバット又はバッターに対しては実質的に減少したＭＯＩでのトレードオフが好ましい場合がある。

代替的な実施形態では、増加したバレル剛性を提供するために、バレル壁の外径の上に、チタン、鋼、又はマグネシウムのような高剛性率（ｈｉｇｈ ｍｏｄｕｌｕｓ）材料のリング又はバンドが嵌められ又は形成されてもよい。リング又はバンドの縁部は、ボールバットの長手方向に隣接する領域と合うように面取りされてもよく、若しくはリング又はバンドの縁部とボールバットの長手方向に隣接する領域との間の滑らかな遷移を提供するためにシームが含まれてもよい。上記で説明されたリブ及び補剛材と同様に、バレルのスイート・スポットに又は他の任意のバレル領域にリング又はバンドが提供されてもよい（この場合、リング又はバンドの位置での過剰補正（ｏｖｅｒ−ｃｏｒｒｅｃｔｉｏｎｓ）が必要な場合がある）。

上記で説明された実施形態のいずれかが単独で又は互いに組み合わせて用いられてもよい。さらに、ボールバットは、本明細書で説明されない付加的な機能部を含んでもよい。幾つかの実施形態が示され説明されているが、もちろん本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変化及び置換えがなされてもよい。本発明は、したがって、以下の請求項及びそれらの均等物以外によって制限されるべきではない。
本発明は、以下の発明の要旨を含む。
１．ボールバットであって、
中空内部領域を画定するシェルを含み、前記シェルの一部が前記内部領域の中に突き出て凹部領域を形成する、バレルと、
前記バレルに取り付けられた又は前記バレルと一体にされたハンドルと、
を備えるボールバット。
２．前記凹部領域の中に、連続しており且つ前記バレルの長手方向に隣接する外部領域と同一面をなす外面を有するフィラー材料をさらに備える１．に記載のボールバット。
３．前記フィラー材料が熱可塑性材料を含む２．に記載のボールバット。
４．前記フィラー材料がＳｕｒｌｙｎ（登録商標）又は熱可塑性ポリウレタンを含む３．に記載のボールバット。
５．前記バレルがスイート・スポットを含み、前記凹部領域が前記スイート・スポットに位置する１．に記載のボールバット。
６．前記凹部領域が前記バレルの前記周縁の周りにチャネルを形成する１．に記載のボールバット。
７．前記凹部領域がおよそ０．６２５インチの幅及びおよそ０．２５インチの深さを有する１．に記載のボールバット。
８．ボールバットであって、
第１のバレル区域と第２のバレル区域とを含み、前記第１の区域と前記第２の区域が中空内部領域を画定するバレルであり、前記第１のバレル区域の端が前記内部領域の中に内向きに突き出る第１のリップを備え、前記第１のリップが前記第２のバレル区域に取り付けられる、バレルと、
前記第２のバレル区域に取り付けられ又は前記第２のバレル区域と一体にされたハンドルと、
を備えるボールバット。
９．前記第２のバレル区域の端が前記内部領域の中に内向きに突き出る第２のリップを備え、前記第２のリップが前記第１のリップに取り付けられる８．に記載のボールバット。
１０．前記第１のリップが前記第２のリップに結合され又は溶接される９．に記載のボールバット。
１１．前記第１のリップと前記第２のリップの前記取り付け位置よりも上の領域が、連続しており且つ前記第１及び第２のバレル区域の長手方向に隣接する外部領域と同一面をなす外面を有するフィラー材料を含む９．に記載のボールバット。
１２．前記フィラー材料が熱可塑性材料を含む１１．に記載のボールバット。
１３．前記フィラー材料がＳｕｒｌｙｎ（登録商標）又は熱可塑性ポリウレタンを含む１２．に記載のボールバット。
１４．前記バレルがスイート・スポットを含み、前記第１のリップ及び前記第２のリップが前記スイート・スポットに位置する９．に記載のボールバット。
１５．前記第１のリップが前記第２のバレル区域に結合され又は溶接される８．に記載のボールバット。
１６．ボールバットであって、
中空内部領域を画定する第１のバレル区域及び第２のバレル区域を含むバレルと、
前記第１のバレル区域を前記第２のバレル区域に接続する接合部であり、前記内部領域の中に内向きに突き出る補剛部材を含む接合部と、
前記第２のバレル区域に取り付けられた又は前記第２のバレル区域と一体にされたハンドルと、
を備えるボールバット。
１７．前記接合部が、前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域がそれぞれ取り付けられる第１の合わせ面及び第２の合わせ面を含む１６．に記載のボールバット。
１８．前記第１の合わせ面及び前記第２の合わせ面がそれぞれ前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域に溶接され又は結合される１７．に記載のボールバット。
１９．前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域の外面が連続しており且つ互いと同一面をなす１６．に記載のボールバット。
２０．前記バレルがスイート・スポットを含み、前記接合部が前記スイート・スポットに位置する１６．に記載のボールバット。

１０…野球又はソフトボールバット、１２…ハンドル、１４…バレル、１６…区域、１８…ノブ、２０…キャップ、２２…凹部領域、２４…リブ、２６…フィラー材料。

Claims (10)

1. ボールバットであって、
   中空内部領域を画定するシェルを含み、第１のバレル区域と第２のバレル区域で構成され、前記第１のバレル区域の端が前記中空内部領域の中に内向きに突き出る第１のリップを備え、前記第２のバレル区域の端が前記中空内部領域の中に内向きに突き出る第２のリップを備え、前記第１のリップと前記第２のリップがスイート・スポットとなる位置で接合されているバレルと、
   前記バレルに取り付けられた又は前記バレルと一体にされたハンドルと、
   を備えるボールバット。
2. 前記第１のリップ及び前記第２のリップの接合箇所の外部表面上で連続しており且つ前記バレルの長手方向に隣接する外部領域と同一面をなす外面を有するフィラー材料をさらに備える、請求項１に記載のボールバット。
3. 前記フィラー材料が熱可塑性材料を含む、請求項２に記載のボールバット。
4. 前記フィラー材料が熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項３に記載のボールバット。
5. 前記第１のリップが前記第２のリップに結合され又は溶接される、請求項１に記載のボールバット。
6. ボールバットであって、
   スイート・スポットを有し、中空内部領域を画定する第１のバレル区域及び第２のバレル区域を含むバレルと、
   前記第１のバレル区域を前記第２のバレル区域に接続する接合部であり、前記中空内部領域の中に内向きに突き出る補剛部材を含み、前記スイート・スポットに位置する接合部と、
   前記第２のバレル区域に取り付けられた又は前記第２のバレル区域と一体にされたハンドルと、
   を備えるボールバット。
7. 前記接合部が、前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域がそれぞれ取り付けられる第１の合わせ面及び第２の合わせ面を含む、請求項６に記載のボールバット。
8. 前記第１の合わせ面及び前記第２の合わせ面がそれぞれ前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域に溶接され又は結合される、請求項７に記載のボールバット。
9. 前記第１のバレル区域及び前記第２のバレル区域の外面が連続しており且つ互いと同一面をなす、請求項６に記載のボールバット。
10. ボールバットであって、
    シェルを含むバレルと、
    前記バレルに取り付けられた又は前記バレルと一体にされたハンドルと、
    前記ボールバットの長手方向に隣接する領域に比べて、前記バレルの少なくとも１つの領域のバット・ボール反発係数を制限するための手段と、を備え、
    前記手段が、
    前記バレルの周縁の周りにチャネルを形成する前記シェルの凹部領域と、
    前記凹部領域内で、連続しており且つ前記バレルの長手方向に隣接する外部領域と同一面をなす外面を有するフィラー材料と、を備え、
    前記手段が、前記バレルのスイートスポットに位置している、ボールバット。
    

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