JP5942856B2 - 結合処理装置、データ管理装置及び文字列類似結合システム - Google Patents

結合処理装置、データ管理装置及び文字列類似結合システム Download PDF

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Description

本発明は、文字列類似結合技術に関する。
文字列類似結合(String Similarity Join)は、要素集合S及びRの中から、各要素にそれぞれ含まれる文字列間の距離が閾値条件を満足する、要素集合Sの任意の要素sと要素集合Rの任意の要素rとのペアを全て検出する技術である。文字列間の距離の尺度には、ジャッカード尺度、コサイン尺度、編集距離など、性質の異なる複数の種類が存在する。
編集距離とは、一つの文字列を別の文字列に変換させるのに必要な手順(文字の挿入、削除又は置換)の最小回数を示す。例えば、2つの文字列「kitten」と「sitting」との間の編集距離を算出するためには、「kitten」(又は「sitting」)に対して、文字の挿入、削除又は置換の手順を何回実行すれば、「sitting」(又は「kitten」)に変換できるのかを考えればよい。この場合、「k」を「s」に置換し、かつ、「e」を「i」に置換し、かつ、「g」を挿入すれば、文字列「kitten」は文字列「sitting」に変換される。よって、文字列「kitten」と文字列「sitting」との間の編集距離は、3(2回の置換及び1回の挿入)となる。
以降、文字列類似結合は、省略して単に文字列結合又は結合と表記される場合もある。また、文字列類似結合の入力となるタプル集合は、データ又は入力データと表記される場合もある。各タプル集合は、少なくとも1つのタプルをそれぞれ含む。タプルは、複数の属性値から形成される。入力データに含まれる各タプルは、少なくとも1つの文字列を属性値としてそれぞれ含む。以降、属性値が文字列である属性は文字列属性と表記される場合もある。文字列類似結合のキーとして使用される文字列属性は結合キー属性と表記され、結合キー属性の値は結合キー又は結合キー文字列と表記される。
図20は、編集距離を用いた文字列類似結合の例を概念的に示す図である。図20の例では、タプル集合S及びRが入力データである。入力データS及びRは、「品番」という文字列属性をそれぞれ持ち、この「品番」は結合キー属性として利用される。文字列類似結合では、入力データSに含まれるタプルsの結合キーと入力データRに含まれるタプルrの結合キーとの間の編集距離が所定閾値(例えば、2)以下となるタプルsとタプルrとの全てのペアが検出される。
以降、タプルsの結合キーとタプルrの結合キーとの間の編集距離は、タプルs及びrの編集距離、タプルペア(s、r)の編集距離、又は、タプルsとタプルrとの間の編集距離と表記する場合がある。また、或るタプルペアの編集距離が所定閾値τ以下であるとき、そのペアのタプルs及びrは類似すると表記される。
図20の左下の表は、上述のような文字列類似結合処理の出力結果を示す。図20の例では、編集距離が2以下となる4つのペアが出力されている。図20の例によれば、出力されたペアの各タプルは、タプルを特定するためのタプル識別子とそのタプルを含むタプル集合(データ)を特定するためのデータ識別子とから形成されるタプルポインタを用いてそれぞれ示される。タプル識別子は、属性TIDの値である。そして、例えば、図20の左下の表の1行目は、タプルポインタ(S:101)で示されるタプルsとタプルポインタ(R:201)で示されるタプルrとのペアを示す。図20の例によれば、タプルsは、入力データSの属性TIDの値が101であるタプルであり、タプルrは、入力データRの属性TIDの値が201であるタプルである。
図20の右下の表は、左下の表で示される文字列類似結合処理結果に含まれる各ペアのタプルs及びタプルrを一つのタプルとしてそれぞれ結合した結果を示す。
このような編集距離を用いた文字列類似結合の手法が、例えば、下記非特許文献1乃至4で提案されている。これら手法では、ターゲットとする入力データの平均文字列長の長短により異なるアプローチが採られている。ここで、入力データの平均文字列長とは、入力タプルの結合キーである文字列の長さ(文字の数)の平均を示す。よって、入力データに含まれる各タプルの結合キーの文字列の長さが平均して短いとき、その入力データは平均文字列長が短いと表記される。
非特許文献1乃至3で提案される手法は、文章(テキスト)等のように平均文字列長が比較的長い入力データをターゲットとする。一般的には、長い文字列間の編集距離の計算には時間が掛かるため、平均文字列長が長いデータをターゲットとする場合には、文字列結合処理の時間は大きくなる。そこで、非特許文献1乃至3で提案される手法は、結合キーをシグネチャ化することにより短いビット列に変換し、シグネチャ同士の距離(又は類似度)を計算することにより、類似する可能性のあるタプルのペアを候補として残す(フィルタリングする)。結果、入力タプルの全てのペアの中からフィルタリングされたペアに関してのみ編集距離を算出する(リファインする)ことにより、文字列類似結合処理の高速化が行われる。
非特許文献4は、平均文字列長が比較的短いデータをターゲットとし、filter−and−refineアプローチと異なるアプローチを提案している。非特許文献4で提案される手法は、まず、入力データS及びRの全ての結合キーを1つのトライ木(Trie)に格納する。トライ木とは、複数の文字列を圧縮して表現することができ、文字列に対するインデックスとしてしばしば使用されるデータ構造である。一般に、短い文字列の集合を格納したトライ木は、比較的短い時間でその木を探索することが出来る。非特許文献4で提案される手法は、全ての結合キーを格納したトライ木を探索して結合キー同士の編集距離を算出することで、平均文字列長が短いデータに対する結合を比較的高速に行う。
上述のとおり、文字列類似結合では、入力データS及びRの各タプルの全ペアに関し、編集距離が計算されるため、入力データS及びRのデータ量が大きくなるほど多大な処理時間を要する。そこで、非特許文献5及び6は、全体的な処理時間を短縮させるために、文字列類似結合を並列処理する手法を提案する。非特許文献5で提案される手法は、filter−and−refineアプローチを並列化しており、平均文字列長が長いデータに適している。非特許文献6で提案される手法は、編集距離とは異なる距離尺度を採用し、当該距離尺度の性質を利用し、文字列類似結合の並列処理を実現する。
A. Arasu, V. Ganti, R. Kaushik, "Efficient Exact Set-Similarity Joins", In VLDB, pages 918-929, 2006. R. J. Bayardo, Y. Ma, R. Srikant, "Scaling up all pairs similarity search", In WWW, pages 131-140, 2007. C. Xiao, W. W. 0011, X. Lin, "Ed-Join: An Efficient Algorithm for Similarity Joins With Edit Distance Constraints", PVLDB, 1(1):933-944, 2008. J. Wang, J. Feng, G. Li, "Trie-Join: Efficient Trie-based String Similarity Joins with Edit-Distance Constraint", VLDB, 2010. Hanmei E, K. Baba, Yunqing Yu, K. Murakami, "Bit-parallel Computation for Wavefront Algorithm", Research reports on information science and electrical engineering of Kyushu University, 12(1), p1-6, 2007-03. R. Vernica, M. J. Carey, C. Li, "Efficient Parallel Set-Similarity Joins Using MapReduce", SIGMOD 2010.
しかしながら、上述のような文字列類似結合手法及びその並列処理手法では、適切なパフォーマンスを得るためには、入力データの結合キーや文字列に対する距離尺度等に何らかの制約が必要となる。例えば、filter−and−refineアプローチは、平均文字列長が短いデータには適さない。フィルタリング後もなお膨大な数の候補が残り易いため、リファイン処理に多大な時間を要するからである。また、非特許文献5及び6で提案される手法は、文字列に対する距離尺度として編集距離を利用する文字列類似結合を対象としていない。
ここで、編集距離を利用した文字列類似結合の並列処理の単純な手法として、以下のような手法が考えられる。例えば、m個のタプルを含むデータSとn(m≧n)個のタプルを含むデータRとをターゲットとして、N個の処理ホストを用いて結合処理を並列に行うと仮定する。
このとき、データRを保持するデータホストは、データRの複製をN個生成し、各データRを各処理ホストへそれぞれ分配する。一方、データSを保持するデータホストは、データSをN個の部分集合に分割し、各部分集合を各処理ホストにそれぞれ分配する。各処理ホストは、各データホストからそれぞれ分配されたデータに基づいて、n個のタプルと(m/N)個のタプルとに関し結合を行う。この手法によれば、データSに含まれるタプルsとデータRに含まれるタプルrとの全てのペアの編集距離を計算することができ、かつ、閾値を満足するペアを過不足なく検出することができる。
上記データホストは、データ管理装置とも表記される。また、上記処理ホストは、結合処理装置とも表記される。
この手法では、全体として、(N×n+m)個のタプルが処理されることになる。よって、m、n及びNの各値が大きくなると、データRをN個複製するのに多大な時間を要する上に、データホストから処理ホストへの通信コストが増大する。並列処理では、通常、全体の処理コストの中での通信コストの占める割合は大きいため、通信コストの増大は無視できない問題である。即ち、このような手法では、入力データの量が大きく、かつ、分配先の処理ホストが多い場合、全体の処理時間は増大する。
このように、編集距離を用いた文字列類似結合においては、入力データが大きいほど処理時間が増大するため、結合処理の並列化により処理時間の短縮が図られる。しかしながら、並列に結合処理を行う場合、データS及びRにおける全てのペアが結合対象として複数の処理ホストに分配される必要がある。言い換えれば、検出されるべき類似のペアの取りこぼしがないように、データS及びRが分配されなければならない。
本発明の目的は、編集距離を用いた文字列類似結合を適切かつ高速に実行する技術を提供することにある。
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第1の態様は、後述する第3の態様の文字列類似結合システムが有する結合処理装置に関する。
第2の態様は、複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続されるデータ管理装置に関する。第2の態様に係るデータ管理装置は、複数のタプルを格納するデータ格納手段と、上記複数の結合処理装置の中から、上記データ格納手段に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、当該各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルとは同じ分配先にならないようにそれぞれ決定するデータ分配手段と、を備える。
第3の態様は、少なくとも1つのデータ管理装置、及び、この少なくとも1つのデータ管理装置で保持される複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置を含む文字列類似結合システムに関する。第3の態様に係る文字列類似結合システムでは、上記少なくとも1つのデータ管理装置が、各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせを含むキー情報タプルを(τ+1)個それぞれ生成するキー情報生成手段と、このキー情報生成手段により生成された各キー情報タプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、当該各キー情報タプルの分配先を決定し、当該各キー情報タプルを、分配先として決定された各結合処理装置に各タプルのデータとしてそれぞれ分配するデータ分配手段と、を備える。更に、上記複数の結合処理装置はそれぞれ、上記少なくとも1つのデータ管理装置から分配された複数のキー情報タプルを受信する受信手段と、この受信手段により受信された複数のキー情報タプルのうち、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通するキー情報タプル集合毎に、上記類似結合処理を実行する結合処理手段と、を備える。
なお、本発明の別態様としては、上記第1から第3の各態様に含まれる各処理を少なくとも1つのコンピュータが実行する文字列類似結合方法であってもよいし、上記第1から第3の各態様に含まれる各構成を少なくとも1つのコンピュータに実現させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
上記各態様によれば、編集距離を用いた文字列類似結合を適切かつ高速に実行する技術を提供することができる。
図1は、第3実施形態における文字列類似結合システムの構成例を概念的に示す図である。 図2は、システム制御装置の構成例を概念的に示すブロック図である。 図3は、データ管理装置の構成例を概念的に示すブロック図である。 図4は、結合処理装置の構成例を概念的に示すブロック図である。 図5は、第3実施形態における文字列類似結合システムの全体的な動作の概要を示す図である。 図6は、第3実施形態におけるデータ管理装置の動作例を示すフローチャート。 図7は、SIPタプルの生成例を概念的に示す図である。 図8は、分配先の決定のために利用されるハッシュ関数の入出力の例を示す図である。 図9Aは、図20の入力タプル集合S及びRに関するSIPタプルの分配例を示す図である。 図9Bは、図20の入力タプル集合S及びRに関するSIPタプルの分配例を示す図である。 図9Cは、図20の入力タプル集合S及びRに関するSIPタプルの分配例を示す図である。 図9Dは、図20の入力タプル集合S及びRに関するSIPタプルの分配例を示す図である。 図10は、第3実施形態における結合処理装置の動作例を示すフローチャートである。 図11Aは、図9AのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。 図11Bは、図9BのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。 図11Cは、図9CのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。 図11Dは、図9DのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。 図12は、第3実施形態におけるシステム制御装置の動作例を示すフローチャートである。 図13は、システム制御装置により得られる最終的な結合処理結果の例を示す図である。 図14は、第4実施形態における結合処理装置の構成例を概念的に示すブロック図である。 図15は、トライ木の構築例を概念的に示す図である。 図16は、結合処理装置のトライ木の構築処理の例を示すフローチャートである。 図17Aは、文字「b」に関するトライ木の構築例を概念的に示す図である。 図17Bは、文字「c」に関するトライ木の構築例を概念的に示す図である。 図18は、トライ木の探索処理の例を示すフローチャートである。 図19は、アクティブリストの例を示す図である。 図20は、編集距離を用いた文字列類似結合の例を概念的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[第1実施形態]
第1実施形態における結合処理装置は、複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数、以降、単に閾値τとも表記する)を用いて類似結合処理を実行する。この結合処理装置は、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に、共通する文字を持たないタプルのペアを編集距離計算対象から除外する結合処理部を備える。
従って、第1実施形態によれば、従来、類似結合処理の対象となるデータの全てのタプルペアを対象に編集距離の計算が行われていたところ、当該端部分に共通する文字を持たないタプルのペアを除外するため、従来に比べ、処理コストを削減し、システム全体での類似結合処理の時間を削減することができる。また、第1実施形態によれば、検出されるべきタプルのペアの取りこぼしは生じないため、適切な類似結合処理結果を出力することができる。
以下、第1実施形態においてこのような作用効果を奏する理由について説明する。上述したように、類似結合処理では、処理対象となるデータにおける全てのタプルペアに関して、結合キーの編集距離の算出処理、編集距離と編集距離閾値τとの比較処理等が必要になる。例えば、入力データSと入力データRとの間の文字列類似結合は、全タプルペアの数は、入力データSのタプル数と入力データRのタプル数との乗算値となるため、膨大な処理時間を要する。
そこで、第1実施形態は、編集距離を実際に計算する前に、編集距離が編集距離閾値τより大きくなるタプルペアを特定し、この特定されたタプルペアを類似結合処理の対象から除外する。これにより、編集距離計算等の対象とするタプルペアの数を削減することができるため、全体的な類似結合処理時間を軽減することができる。
タプルs及びタプルrの各結合キー文字列の上記端部分に、共通する文字が1つも存在しない場合、当該端部分の文字数は(τ+1)であるため、タプルs及びタプルrの編集距離は明らかに閾値τよりも大きくなる。例えば、タプルsの結合キー文字列が「abcdef」であり、タプルrの結合キー文字列が「ghidef」であり、閾値τが2である場合、タプルsの端部分の文字列は「abc」であり、タプルrの端部分の文字列は「ghi」であり、結果、両者間には共通する文字が存在しない。この時点で、タプルs及びタプルrの編集距離が閾値τを超えることは明らかであるため、タプルs及びタプルrのペアに関し編集距離を計算する必要がないことは容易に把握できる。なお、実際の編集距離も3である。
従って、第1実施形態のように、当該端部分に共通する文字を持たないタプルのペアを編集距離計算対象から除外したとしても、検出されるべきタプルのペアの取りこぼしは生じず、適切な類似結合処理結果を出力することができる。
一方、両者の当該端部分に共通する文字が1つでも存在すれば、編集距離が閾値τ以下となる可能性がある。そこで、第1実施形態における結合処理装置は、当該端部分に少なくとも1つの共通する文字を持つタプルのペアを編集距離計算の対象にすればよい。
[第2実施形態]
第2実施形態におけるデータ管理装置は、複数のタプルを対象に上記閾値τを用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続される。このデータ管理装置は、複数のタプルを格納するデータ格納部と、前記データ格納部に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルと同じ分配先とならないようにそれぞれ決定するデータ分配部と、を備える。
第2実施形態におけるデータ管理装置では、データ格納部に格納され類似結合処理の対象となる各タプルが複数の結合処理装置の少なくとも1つにそれぞれ分配され、複数の結合処理装置で類似結合処理が並列に実行されることにより、文字列類似結合処理が高速化される。ここで、類似結合処理の対象となる複数のタプルは、1つのデータ管理装置のデータ格納部に格納される1つのタプル集合から抽出されてもよいし、1つのデータ管理装置のデータ格納部に格納される複数のタプル集合から抽出されてもよいし、複数のデータ管理装置のデータ格納部に格納される複数のタプル集合から抽出されてもよい。
複数の結合処理装置で実行される類似結合処理には、上述のような周知の手法が利用されてもよい。ここで、各結合処理装置とは、類似結合処理を実行し得る単位を示しており、1つのコンピュータであってもよいし、1つのCPU(Central Processing Unit)であってもよい。よって、CPUを搭載する基板を複数備えるコンピュータの場合には、複数の結合処理装置は1台のコンピュータとして実現されてもよい。
上記データ管理装置では、データ格納部に格納される各タプルの分配先は、各タプルの結合キー文字列の中の、先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定される。ここで、他のタプルとは、データ管理装置自身のデータ格納部に格納されるタプルであってもよいし、他のデータ管理装置により保持されるタプルであってもよい。
結果として、1つの結合処理装置では、結合キー文字列の中の先頭文字から(τ+1)番目までの端部分に共通する少なくとも1つの文字を持つタプルのペア、又は、結合キー文字列の中の末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に共通する少なくとも1つの文字を持つタプルのペアを対象に類似結合処理が行われる。一方、結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を1つも持たないタプルの組み合わせは、同じ結合処理装置には分配されないため、編集距離計算の対象から除外されることになる。
つまり、第2実施形態では、タプルの組み合わせが同じ結合処理装置に分配されるか否かにより、そのタプルの組み合わせが編集距離計算の対象とされるか否かが決まる。結果、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
〔システム構成〕
図1は、第3実施形態におけるシステムの構成例を概念的に示す図である。第3実施形態におけるシステム1は、システム制御装置10、データ管理装置20(#1)及び20(#2)、結合処理装置30(#1)、30(#2)、30(#3)及び30(#4)等を有する。以降、データ管理装置及び結合処理装置については、区別する必要のある場合を除き、データ管理装置20及び結合処理装置30と表記する。
システム制御装置10は、類似結合処理の要求を受け、この要求に応じた類似結合処理を実行するために、データ管理装置20及び結合処理装置30を制御する。システム制御装置10は、各結合処理装置30からそれぞれ送られる結合結果を受け、最終的な文字列類似結合処理の結果を出力する。
データ管理装置20は、結合処理対象となる少なくとも1つのデータ(タプル集合)を管理する。第3実施形態では、データ管理装置20(#1)及び20(#2)はそれぞれデータを管理する。データ管理装置20は、第1実施形態と同様の考え方により自身で管理するデータを形成する各タプルの分配先をそれぞれ決め、決められた各分配先となる結合処理装置30に各タプルに関するデータを分配する。なお、具体的には、第3実施形態では、各タプルに関するデータとして、後述するSIPタプルが分配される。
結合処理装置30は、データ管理装置20から分配されたデータに基づいて、編集距離が編集距離閾値τの条件を満たすタプルペアを特定し、その特定されたタプルペアに関するデータを結合結果としてシステム制御装置10に送る。
システム制御装置10、データ管理装置20及び結合処理装置30は、ネットワーク7を介してそれぞれ通信可能に接続される。ネットワーク7は、インターネット等のような公衆網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、無線通信ネットワーク等である。なお、本実施形態は、各装置間が通信可能に接続されていれば、各装置間の通信プロトコル、ネットワーク形態等を限定しない。
システム制御装置10、データ管理装置20及び結合処理装置30は、図1に示されるように、ハードウェア構成として、CPU2、RAM(Random Access Memory)2、ROM(Read Only Memory、図示せず)、ハードディスク(HDD)等のようなメモリ3、入出力インタフェース(I/F)4等をそれぞれ有する。これら各ハードウェア要素は例えばバス5により接続される。入出力I/F4は、ネットワーク7を介して他の装置と通信を実現し得るネットワークインタフェースを含む。本実施形態は、各装置のハードウェア構成を限定しない。
また、本実施形態は、データ管理装置20及び結合処理装置30の台数を限定しない。結合処理対象のデータが1つのデータ管理装置20に保持される場合には、1つのデータ管理装置20が存在すればよい。結合処理装置30は、2台以上、かつ、入力データに出現する文字の種類数と等しい台数以下分、存在すればよい。この台数の根拠については後述する。
〔装置構成〕
以下、第3実施形態におけるシステム1を構成する各装置の詳細構成についてそれぞれ説明する。
〈システム制御装置〉
図2は、システム制御装置10の構成例を概念的に示すブロック図である。システム制御装置10は、図2に示されるように、要求制御部11、結果生成部12、結合結果格納部15等を有する。要求制御部11及び結果生成部12は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることで実現される。また、結合結果格納部15は、例えば、メモリ3上に実現される。
要求制御部11は、文字列類似結合の処理要求を取得し、この処理要求の内容に基づき実行命令を生成し、入出力I/F4の通信インタフェースを介して当該実行命令をデータ管理装置20及び結合処理装置30へ送信する。ここで、当該処理要求は、結合処理対象となるデータを特定するためのデータ識別子と、その対象データの結合キー属性の情報と、閾値τとを含む。当該処理要求は、通信を介して外部の装置から取得されてもよいし、システム制御装置10のユーザインタフェース(図示せず)を介して入力されてもよい。
データ管理装置20へ送られる上記実行命令は、上記処理要求に含まれていた各データ及び閾値τと共に、結合処理装置30のネットワークアドレス情報(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス及びポート)を含む通信メッセージである。一方、結合処理装置30へ送られる上記実行命令は、データ識別子、閾値τ、結合処理装置30のネットワークアドレス情報(例えば、IPアドレス)、システム制御装置10のネットワークアドレス情報(例えば、IPアドレス)等を含む通信メッセージである。本実施形態は、この通信メッセージのフォーマットを限定しない。
結合結果格納部15は、各結合処理装置30から送られる文字列類似結合の局所結合結果を格納する。結合処理装置30において編集距離が閾値τの条件を満たすと推定されたタプルのペアが存在する場合には、その局所結合結果には、局所結果タプルがそのペアの数分含まれる。局所結果タプルには、タプルのペアを特定するためのタプルポインタのペア及び編集距離推定値が含まれる。
編集距離推定値は、結合処理装置30により算出される値であり、以降、局所編集距離とも表記される。この局所編集距離の詳細については後述する。タプルポインタは、システム1内で扱われる全タプルの中から1つのタプルを特定するための識別情報であり、タプル特定データと呼ぶこともできる。本実施形態では、タプルポインタは、或るタプル集合(データ)の中で或るタプルを特定するためのタプル識別子と、そのタプル集合(データ)を特定するためのデータ識別子とから形成される。なお、タプル識別子がシステム1内で扱われる全タプルに関しユニークに付される場合には、タプルポインタは、タプル識別子のみで形成されてもよい。
結果生成部12は、入出力I/F4の通信インタフェースを介して各結合処理装置30から局所結合結果をそれぞれ取得する。結果生成部12は、取得された局所結合結果を結合結果格納部15に格納する際に、同じタプルポインタのペアを含む局所結果タプルを検出し、検出された局所結果タプルの中の最小の局所編集距離を持つ局所結果タプルのみを編集距離が前記編集距離閾値τの条件を満たすタプルのペアの情報として結合結果格納部15に格納する。
〈データ管理装置〉
図3は、データ管理装置20の構成例を概念的に示すブロック図である。データ管理装置20は、図3に示されるように、SIPタプル生成部21、データ分配部22、データ格納部25等を有する。SIPタプル生成部21及びデータ分配部22は、例えば、CPUによりメモリに格納されるプログラムが実行されることで実現される。また、データ格納部25は、例えば、メモリ上に実現される。
データ格納部25は、データ(タプル集合)とそのデータを特定するためのデータ識別子とを格納する。図20の例では、データ格納部25は、入力タプル集合S及び入力タプル集合Rの少なくとも1つと、その識別子S及びRの少なくとも1つを格納する。このように、データ格納部25は、データ識別子の異なる複数のデータを格納してもよい。
SIPタプル生成部21は、入出力I/F4の通信インタフェースを介して、システム制御装置10から実行命令を受信し、当該実行命令に含まれるデータ識別子に対応するデータをデータ格納部25から抽出する。図20の例において、実行命令にデータ識別子Rが含まれている場合には、SIPタプル生成部21は、入力タプル集合Rの全タプルを抽出する。
SIPタプル生成部21は、抽出されたデータに含まれる各タプルに関し、(τ+1)個のSIPタプルをそれぞれ生成する。SIPタプルは、タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプルポインタとの組み合わせ、又は、末尾文字から上記i番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプルポインタとの組み合わせである。各タプルの結合キーは、システム制御装置10から送られる実行命令に含まれる結合キー属性の情報により特定される。
ここで、タプルsの結合キー文字列における、先頭文字から上記i番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列をst_iと表記し、残りの先頭部分文字列の文字列長を|sh_i|と表記し、タプルsのタプルポインタをs_ptrと表記すると、タプルsのSIPタプルは、<st_i、|sh_i|、s_ptr>と表記することができる。また、|sh_i|は、(i−1)と等しい。
ここで、データ格納部25が図20に示される入力タプル集合Sを格納し、閾値τが「2」であり、データ識別子が「S」であり、結合キー属性が「品番」である場合に、タプル識別子が「101」のタプルsのSIPタプルは、以下のように生成される。この場合、タプルsの結合キー文字列は「XWY−RS200」である。
SIPタプル(i=1):<「XWY−RS200」、0、「S:101」>
SIPタプル(i=2):<「WY−RS200」、1、「S:101」>
SIPタプル(i=3):<「Y−RS200」、2、「S:101」>
SIPタプルの他の態様、即ち、末尾文字から上記i番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプルポインタとの組み合わせである場合には、上記例のSIPタプルは、以下のように生成される。
SIPタプル(i=1):<「XWY−RS200」、0、「S:101」>
SIPタプル(i=2):<「XWY−RS20」、1、「S:101」>
SIPタプル(i=3):<「XWY−RS2」、2、「S:101」>
なお、SIPタプルの態様は上記2つのうちのいずれの方法が利用されてもよい。このようにSIPタプルは、結合キーに関する情報を含むタプルであるため、キー情報タプルと呼ぶこともできる。これにより、SIPタプル生成部21は、キー情報生成部と呼ぶこともできる。
データ分配部22は、SIPタプル生成部21により生成されたSIPタプル集合を受け、各SIPタプルの分配先を決定し、当該各SIPタプルを、分配先として決定された各結合処理装置30に、各タプルのデータとして、それぞれ分配(送信)する。データ分配部22は、各SIPタプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、各SIPタプルの分配先を決定する。結果、当該先頭文字又は当該末尾文字が同じSIPタプルは、同じ結合処理装置30に分配される。
例えば、データ分配部22は、1つの文字を入力して、結合処理装置30(#1)、30(#2)、30(#3)及び30(#4)のいずれか1つを特定し得る1つの数値を出力する関数(ハッシュ関数等)を用いて、各SIPタプルの分配先を決定する。データ分配部22は、決定された分配先の結合処理装置30のネットワークアドレスをシステム制御装置10から送られる実行命令に含まれるネットワークアドレス情報から特定し、対応するSIPタプルをその結合処理装置30に送信する。なお、或る文字から分配先を決定するための手法は、ハッシュ関数等のような関数を利用する形態に限定されない。
ここで、末尾部分文字列の先頭文字は、結合キー文字列の中の先頭文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれるいずれか1つの文字となり、先頭部分文字列の末尾文字は、結合キー文字列の中の末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれるいずれか1つの文字となる。よって、結合キー文字列における先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字が共通するタプルs及びタプルrについては、タプルsに関する(τ+1)個のSIPタプルと、タプルrに関する(τ+1)個のSIPタプルとの全組み合わせ(ペア)のうち、1つ以上のペアが、同じ結合処理装置30に分配され、類似結合処理の対象とされる。なお、本実施形態では、当該端部分に共通する文字が1つも存在しないタプルs及びタプルrについては、同じ結合処理装置30に分配されてもよいし、異なる結合処理装置30に分配されてもよい。いずれの場合であっても、当該端部分に共通する文字が1つも存在しないタプルs及びタプルrについては、結合処理装置30において類似結合処理対象から除外される。
〈結合処理装置〉
図4は、結合処理装置30の構成例を概念的に示すブロック図である。結合処理装置30は、図4に示されるように、SIPタプル受信部31、結合処理部32、推定値算出部33、SIPタプル格納部35等を有する。SIPタプル受信部31、結合処理部32及び推定値算出部33は、例えば、CPUによりメモリに格納されるプログラムが実行されることで実現される。また、SIPタプル格納部35は、例えば、メモリ上に実現される。
SIPタプル受信部31は、データ管理装置20から送られるSIPタプルを受信し、SIPタプル格納部35に格納する。SIPタプル格納部35は、SIPタプル受信部31により受信されたSIPタプルの集合を格納する。SIPタプル格納部35は、各SIPタプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通するSIPタプルを一つの集合として格納する。
結合処理部32は、システム制御装置10から送られる実行命令を受信し、この実行命令に含まれる各種データを保持する。上述のように、この各種データには、データ識別子、閾値τ、データ管理装置20のネットワークアドレス情報(例えば、IPアドレス)、システム制御装置10のネットワークアドレス情報(例えば、IPアドレス)等が含まれる。
結合処理部32は、上述のように保持されるデータを用いて、SIPタプル格納部35に格納されるSIPタプルを対象に類似結合処理を実行する。具体的には、結合処理部32は、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通する任意のSIPタプルの集合をSIPタプル格納部35から抽出し、抽出された末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通する複数のSIPタプルの中の2つの全組み合わせ(全ペア)に関し、推定値算出部33に所定の処理を実行させる。ここで、類似結合処理が異なるタプル集合(データ)間の結合を対象とする場合には、結合処理部32は、抽出された末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通する複数のSIPタプルの中のデータ識別子が異なる2つの全組み合わせ(全ペア)に関し、推定値算出部33に所定の処理を実行させる。当該データ識別子は、SIPタプルに含まれるタプルポインタから抽出される。これにより、結合キー文字列における先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に共通する文字が存在しないタプルs及びタプルrについては、同じ結合処理装置30に分配されたとしても、類似結合処理対象から除外される。
結合処理部32は、推定値算出部33から処理結果を取得し、取得された処理結果に基づいて、編集距離が閾値τの条件を満たすと推定されるSIPタプルのペアを特定する。推定値算出部33の処理結果としては、SIPタプルの各ペアに関する局所編集距離と、その編集距離が閾値τの条件を満たすか否かを示す情報が取得される。結合処理部32は、特定された各ペアに関し、タプルポインタのペア及び局所編集距離を含む局所結果タプルをそれぞれ生成し、生成された局所結果タプルを含む局所結合結果をそれぞれシステム制御装置10に送信する。
推定値算出部33は、結合処理部32からSIPタプルのペア(2つのSIPタプル)を受けると、各SIPタプルに含まれる各末尾部分文字列又は各接頭部分文字列間の編集距離を算出する。算出された編集距離は、部分文字列編集距離と表記される。推定値算出部33は、算出された部分文字列編集距離が閾値τの条件を満たさない場合には、そのSIPタプルのペアの編集距離が閾値τの条件を満たさないことを示す処理結果を結合処理部32に返す。
一方、推定値算出部33は、算出された部分文字列編集距離が閾値τの条件を満たす場合には、そのペアに関し、更に、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、局所編集距離を算出する。推定値算出部33は、算出された局所編集距離と閾値τとを比較し、この比較結果を処理結果として結合処理部32に返す。具体的には、推定値算出部33は、局所編集距離が閾値τの条件を満たす場合には、局所編集距離と、そのSIPタプルのペアの編集距離が閾値τの条件を満たすことを示す情報とを処理結果として返す。一方、推定値算出部33は、局所編集距離が閾値τの条件を満たさない場合には、そのSIPタプルのペアの編集距離が閾値τの条件を満たさないことを示す処理結果を返す。
ここで、上述のように部分文字列編集距離を用いて算出される局所編集距離と、結合キー文字列全体を用いて算出される通常の編集距離(以降、真の編集距離と表記する)との関係について説明する。タプルxの結合キー文字列における、先頭文字からi−1番目の文字までの先頭部分文字列をxh_i、及びタプルyの先頭文字からj−1番目の文字までの先頭部分文字列をyh_jとそれぞれ表記し、残りの末尾部分文字列をxt_i及びyt_jと表記する。
タプルxとタプルyの編集距離ED(x、y)、先頭部分文字列間の編集距離(部分文字列編集距離)ED(xh_i、yh_j)、及び、末尾部分文字列間の編集距離(部分文字列編集距離)ED(xt_i、yt_j)の間には、次のような関係が成立する。
ED(x、y)≦ED(xh_i、yh_j)+ED(xt_i、yt_j) (式1)
また、ED(x、y)と結合キーの文字列長|x|及び|y|との間には、次の関係が成立する。なお、max()は、大きい方の値を返す関数である。
ED(x、y)≦max(|x|、|y|) (式2)
上記(式1)及び(式2)から、以下の(式3)及び(式4)が導かれる。
ED(x、y)≦max(|xh_i|、|yh_j|)+ED(xt_i、yt_j) (式3)
ED(x、y)≦max(|xt_i|、|yt_j|)+ED(xh_i、yh_j) (式4)
上記(式3)及び(式4)のそれぞれの右辺は、推定値算出部33において、部分文字列編集距離を用いて算出される局所編集距離に対応する。タプルx及びタプルyに関するSIPタプルは、{2×(τ+1)}個生成されるため、タプルx及びタプルyに関する局所編集距離は、複数生成される可能性がある。このように複数生成される局所編集距離の全てが、必ずしも真の編集距離と等しくなるわけではない。上記(式3)及び(式4)で示すように、局所編集距離は、真の編集距離の上限値を示すに過ぎないからである。そこで、局所編集距離は、編集距離推定値と呼ぶことができる。上記(式3)及び(式4)から、次の法則が成立する。
max(|xh_i|、|yh_j|)+ED(xt_i、yt_j)≦τ (ただし、iは1以上τ+1以下)が成り立つ場合、 ED(x、y)≦τである。(式5)
max(|xt_i|、|yt_j|)+ED(xh_i、yh_j)≦τ (ただし、jは1以上τ+1以下)が成り立つ場合、 ED(x、y)≦τである。(式6)
上記法則(式5)および(式6)から、タプルx及びタプルyに関する局所編集距離が閾値τ以下であるとき、必ず真の編集距離もτ以下となることが分かる。これに加え、編集距離の一般的な性質から、真の編集距離が閾値τ以下であるならば、タプルx及びタプルyに関する複数の局所編集距離のうち最も小さい局所編集距離が、必ず真の編集距離と等しくなることが導ける。
このような内容は、以下の定理として示すことができる。即ち、与えられた文字列x及びy間の編集距離ED(x、y)が編集距離閾値τ以下であるならば、次の条件を満たす正の整数のペア<i、j>が少なくとも1つ必ず存在する。
(1≦i≦τ+1)AND(1≦j≦τ+1)AND(x[i]=y[j])AND{max(|xh_i、yh_j|)+ED(xt_i、yt_j)=ED(x、y)}
、又は、
(0≦|xs|−i+1≦τ+1)AND(0≦|ys|−j+1≦τ+1)AND(x[i−1]=y[j−1])AND{max(|xt_i、yt_j|)+ED(xh_i、yh_j)=ED(x、y)}
ここで、xt_iは、文字列xの先頭文字からi番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列を示し、|xh_i|は、残りの先頭部分文字列の文字列長を示し、yt_jは、文字列yの先頭文字からj番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列を示し、|yh_j|は、残りの先頭部分文字列の文字列長を示す。また、x[i]は、文字列xの先頭文字からi番目の文字を示し、y[j]は、文字列yの先頭文字からj番目の文字を示し、|xs|は、文字列xの文字列長を示し、|ys|は、文字列yの文字列長を示す。
上記の定理から、真の編集距離が閾値τ以下であるとき、SIPタプルから生成されるタプルx及びタプルyに関する複数の局所編集距離のうち最も小さい局所編集距離が、必ず真の編集距離と等しくなることが保証される。タプルx及びタプルyに関する局所編集距離は複数生成される可能性があるため、閾値τ以下となる局所編集距離も複数存在する可能性があるが、上述のように、システム制御装置10の結果生成部12において、局所編集距離を用いた局所結果タプルのフィルタリングが行われることで、真の編集距離を局所編集距離から容易に知ることが出来る。よって、本実施形態のように、真の編集距離の代わりに局所編集距離を用いて類似結合結果を得たとしても、正確な類似結合結果を得ることができる。
〔動作例〕
次に、第3実施形態におけるシステム1の動作例について説明する。
図5は、第3実施形態におけるシステム1の全体的な動作の概要を示す図である。
まず、システム制御装置10において、要求制御部11が文字列類似結合の処理要求を取得する(S501)。この処理要求には、結合処理対象となるデータを特定するためのデータ識別子(例えば、S及びR)と、その対象データの結合キー属性の情報(例えば、「品番」)と、編集距離閾値τが含まれる。
要求制御部11は、取得された処理要求の内容に基づいて実行命令を生成し、生成された各実行命令を全てのデータ管理装置20及び全ての結合処理装置30に送る(S502)。
当該実行命令を受信した各データ管理装置20は次のように動作する。SIPタプル生成部21が、当該実行命令に含まれるデータ識別子に対応するデータをデータ格納部25から抽出し、抽出されたデータに含まれる各タプルに関し、(τ+1)個のSIPタプルをそれぞれ生成する(S503)。
続いて、データ分配部22は、SIPタプル生成部21により生成されたSIPタプル集合を受け、各SIPタプルの分配先となる結合処理装置30を特定し、特定された各結合処理装置30に各SIPタプルをそれぞれ分配する(S504)。
各SIPタプルを受信した各結合処理装置30は次のように動作する。SIPタプル受信部31が、データ管理装置20から送られるSIPタプルを受信し、受信されたSIPタプルを逐次、SIPタプル格納部35に格納する。対象となる全てのデータ管理装置20において分配が完了すると、各結合処理装置30は、結合処理対象となる全てのSIPタプルを完全に取得している。
結合処理部32は、SIPタプル格納部35に格納されるSIPタプルを対象に類似結合処理を実行する(S505)。この類似結合処理では、各SIPタプルのペアに関し、部分文字列編集距離が算出され、この部分文字列編集距離に基づいて局所編集距離がそれぞれ算出される。結果、編集距離が閾値τの条件を満たすと推定されるSIPタプルのペアが特定される。
結合処理部32は、特定された各ペアに関し、タプルポインタのペア及び局所編集距離を含む局所結果タプルをそれぞれ生成し、生成された局所結果タプルを含む局所結合結果をそれぞれシステム制御装置10に送信する(S506)。
各結合処理装置30から局所結合結果を受信したシステム制御装置10では、結果生成部12が、同じタプルポインタのペアを含む局所結果タプルのうち最小の局所編集距離を持つもの以外を排除した後、当該局所結果タプルを結合結果格納部15に格納する(S507)。結果、システム制御装置10の結合結果格納部15に格納される局所結果タプルにより、編集距離閾値τの条件を満たすタプルのペアの情報を得ることができる。
以下、図5に示されたステップのうち、(S503)、(S505)及び(S507)の動作について詳細に説明する。以下の説明では、図20の入力タプル集合(データ)Sを保持するデータ管理装置20(#1)が、結合処理対象としてデータ識別子(S及びR)が指定され、結合キー属性として「品番」が指定され、閾値τとして「2」が指定された実行命令をシステム制御装置10から受信する場合のデータ管理装置20(#1)の動作例について説明する。
図6は、第3実施形態におけるデータ管理装置20の動作例を示すフローチャートである。図6には、上記(S503)における動作の詳細が示される。
まず、SIPタプル生成部21は、システム制御装置10からの実行命令に含まれるデータ識別子Sに対応するデータSをデータ格納部25から抽出する(S601)。図20によれば、データ管理装置20(#1)のSIPタプル生成部21により、タプル識別子(TID)が101から104である4つのタプルを含むデータSが抽出される。
SIPタプル生成部21は、データSに未処理のタプルsが存在するか否かを判定する(S602)。未処理のタプルsが存在する場合(S602;YES)、SIPタプル生成部21は、タプルsに関し、タプルポインタs_ptr及び結合キー(文字列長:|s|)を取得する(S603)。図20の例において、タプル識別子(TID)が101であるタプルが未処理である場合、取得されるタプルポインタs_ptrは、「S:101」であり、取得される結合キーは、「XWY−RS200」である。
SIPタプル生成部21は、変数iに初期値1を設定する(S604)。
SIPタプル生成部21は、結合キーの先頭文字からi番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列st_i、残りの先頭部分文字列の文字列長|sh_i|を取得する(S605)。ここで、末尾部分文字列st_iの文字列長は、(|s|−i+1)であり、|sh_i|は、(i−1)で示される。SIPタプル生成部21は、これら取得されたデータを用いて、変数iに対するSIPタプル<st_i、|sh_i|、s_ptr>を生成する(S605)。
続いて、SIPタプル生成部21は、生成されたSIPタプルを、文字s[i]に関するSIPタプル集合sip[s[i]]へ追加する(S606)。文字s[i]は、結合キーs[](例えば、「XWY−RS200」)の先頭文字からi番目の文字、即ち、末尾部分文字列st_iの先頭文字に相当する。よって、SIPタプル集合sip[s[i]]は、末尾部分文字列st_iの先頭文字が共通するSIPタプルの集合となる。
次に、SIPタプル生成部21は、sip[s[i]]に十分なSIPタプル(例えば10個のSIPタプル)が蓄積されているか否かを判定する(S607)。十分なSIPタプルが蓄積されていない場合(S607;NO)、SIPタプル生成部21は、変数iに1加算された値(++i)が(τ+1)以下であるか否かを判定する(S610)。(++i)が(τ+1)以下である場合(S610;YES)、SIPタプル生成部21は、1加算された変数iに関し、上述した処理(S605)及び(S606)を実行する。以降、SIPタプル生成部21は、(++i)が(τ+1)を超えるまで、上述した処理(S605)及び(S606)の実行を繰り返す。
図7は、SIPタプルの生成例を概念的に示す図である。図7は、図20の例におけるデータSに含まれるタプル(101)に関し、上述のような処理により生成されたSIPタプルを示す。タプル(101)は、タプル識別子(TID)が101であるタプルを示す。図7によれば、上記変数iが1の場合に生成されるSIPタプルが1行目に示され、上記変数iが2の場合に生成されるSIPタプルが2行目に示され、上記変数iが3の場合に生成されるSIPタプルが3行目に示される。そして、各SIPタプルは、SIPタプル集合sip["X"]、sip["W"]又はsip["Y"]へそれぞれ追加される。
SIPタプル生成部21は、十分なSIPタプルが蓄積されている場合(S607;YES)、その旨をデータ分配部22へ通知する。これにより、データ分配部22は、その通知の対象となるSIPタプル集合sip[s[i]]の分配先を決定する(S608)。例えば、データ分配部22は、文字s[i]を所定のハッシュ関数に与えることで得られるハッシュ値に対応する結合処理装置30を分配先に決定する。
図8は、分配先の決定のために利用されるハッシュ関数の入出力の例を示す図である。図8の例では、出力される各ハッシュ値(00、01、10、11)に対応する結合処理装置30(#1)、30(#2)、30(#3)及び30(#4)がそれぞれ予め決められる。この例によれば、SIPタプル集合sip["X"]については、ハッシュ値(00)に対応する結合処理装置30(#1)が分配先に決定され、SIPタプル集合sip["Y"]については、ハッシュ値(01)に対応する結合処理装置30(#2)が分配先に決定され、SIPタプル集合sip["Z"]については、ハッシュ値(10)に対応する結合処理装置30(#3)が分配先に決定され、SIPタプル集合sip["W"]については、ハッシュ値(11)に対応する結合処理装置30(#4)が分配先に決定される。なお、文字に基づき或る1つの分配先を決める方法は、他の周知の方法が利用されてもよい。
データ分配部22は、上述のように、末尾部分文字列st_iの先頭文字(s[i])により決定された分配先となる結合処理装置30に、SIPタプル集合sip[s[i]]を送信する(S608)。正常に送信された場合には、データ分配部22は、SIPタプル集合sip[s[i]]を初期化(空に)する(S609)。
SIPタプル生成部21は、(++i)が(τ+1)を超えた場合(S610;NO)、データSに未処理のタプルsが存在するか否かを再度判定する(S602)。未処理のタプルsが存在する場合には(S602;YES)、その未処理のタプルsに関し、上述と同様に処理(S603)以降が実行される。図20の例によれば、入力タプル集合Sのタプル(101)、タプル(102)、タプル(103)及びタプル(104)に関しそれぞれ、SIPタプルが生成される。
未処理のタプルsが存在しなくなると(S602;NO)、SIPタプル生成部21は、実行命令に含まれる未処理の他のデータ識別子(S')が存在するか否かを判定する(S611)。未処理の他のデータ識別子(S')が存在する場合には(S611;YES)、そのデータ識別子S'がデータ識別子Sに設定された後(S612)、上述と同様に処理(S601)以降が実行される。
SIPタプル生成部21は、実行命令に含まれる未処理の他のデータ識別子が存在しないと判断すると(S611;NO)、未だ初期化されていない(空になっていない)SIPタプル集合sip[c]の送信をデータ分配部22へ依頼する。これにより、データ分配部22は、未だ空になっていないSIPタプル集合sip[c]の分配先を決定し(S613)、その決定された分配先の結合処理装置30へSIPタプル集合sip[c]を送信する(S613)。
上述のような各データ管理装置20の処理が完了すると、図20の入力タプル集合(データ)S及びRに関する各SIPタプルはそれぞれ図9A、図9B、図9C及び図9Dの例のように各結合処理装置30へ分配される。図9A、図9B、図9C及び図9Dは、図20の入力タプル集合S及びRに関するSIPタプルの分配例を示す図である。図9Aは、SIPタプル集合sip["X"]を示し、図9Bは、SIPタプル集合sip["Y"]を示し、図9Cは、SIPタプル集合sip["Z"]を示し、図9Dは、SIPタプル集合sip["W"]を示す。図8の例によれば、図9AのSIPタプル集合は、結合処理装置30(#1)へ分配され、図9BのSIPタプル集合は、結合処理装置30(#2)へ分配され、図9CのSIPタプル集合は、結合処理装置30(#3)へ分配され、図9DのSIPタプル集合は、結合処理装置30(#4)へ分配される。
図10は、第3実施形態における結合処理装置30の動作例を示すフローチャートである。図10には、上記(S505)における動作の詳細が示される。各データ管理装置20において、実行命令に含まれる処理対象のデータ識別子の全てのSIPタプルの分配が完了すると、各結合処理装置30は、図10に示される処理を実行する。
以下、図9AのSIPタプル集合が分配された結合処理装置30(#1)を例に挙げ、結合処理装置30(#1)の動作例を説明する。この場合、結合処理装置30(#1)では、SIPタプル格納部35に、図9AのSIPタプル集合が格納される。
結合処理部32は、SIPタプル格納部35から、末尾部分文字列の先頭文字が共通するSIPタプルの集合を抽出する(S1001)。
結合処理部32は、抽出されたSIPタプル集合の中の、タプルポインタから判別されるデータ識別子が異なる2つのSIPタプルの全ペア(x、y)を示す情報と共に、処理指示を推定値算出部33へ送る。推定値算出部33は、結合処理部32から送られた情報に基づいて、SIPタプルの全ペア(x、y)に関し、末尾部分文字列の編集距離ED(x、y)をそれぞれ計算する(S1002)。編集距離ED(x、y)は、一般的な周知の編集距離算出手法により算出されればよい。
推定値算出部33は、算出された各部分文字列編集距離が閾値τ以下となるか否かをそれぞれ判定し(S1003)、部分文字列編集距離が閾値τ以下となる各ペア(x、y)に関し、局所編集距離をそれぞれ算出する(S1003;YES、S1004)。
ここで、各ペア(x、y)に関する局所編集距離をLED(x、y)として示すと、局所編集距離の算出式は以下の(式7)のように示すことができる。
LED(x、y)=ED(xt_i、yt_i)+max(|xh_i|、|yh_i|) (式7)
更に、推定値算出部33は、部分文字列編集距離が閾値τ以下となる各ペア(x、y)に関し、算出された各局所編集距離を用いて結合処理判定をそれぞれ行う(S1005)。結合処理判定とは、局所編集距離が閾値τ以下となるか否かの判定である。即ち、以下の(式8)が判定される。
LED(x、y)≦τ (式8)
図9Aの例において、タプル識別子が「S:103」であるSIPタプル(S:103)と、タプル識別子が「R:203」であるSIPタプル(R:203)とのペアに関する推定値算出部33の動作例は以下のとおりである。タプル(S:103)の末尾部分文字列(xt_i)は「X−BB−KC」であり、タプル(R:203)の末尾部分文字列(yt_i)は「X−BB−KC」である。また、タプル(S:103)の先頭部分文字列の文字列長(|xh_i|)は「2」であり、タプル(R:203)の先頭部分文字列の文字列長(|yh_i|)は「2」である。
この場合、推定値算出部33は、タプル(S:103)及びタプル(R:203)のペアに関する部分文字列編集距離として、「0」(ゼロ)を算出する。推定値算出部33は、部分文字列編集距離(0)が閾値τ(2)以下であるため、その部分文字列編集距離(0)と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長(2)とを加算することにより、局所編集距離(2)を算出する。このときの算出式は以下の(式9)で示される。
LED(S:103、R:203)=ED(「X−BB−KC」、「X−BB−KC」)+max(2、2)=0+2=2 (式9)
推定値算出部33は、算出された局所編集距離(2)が閾値τ(2)以下であるため、結合処理判定の結果を「真」とする。このような推定値算出部33は、例えば、1つの関数(validation関数)として実現されてもよい。このとき、validation関数は、SIPタプルのペアにアクセスするためのアドレスを取得し、そのペアの局所編集距離と結合処理判定結果を示す情報とを返すように形成されればよい。
結合処理部32は、SIPタプルの各ペアに関し、推定値算出部33から処理結果として局所編集距離及び結合処理判定結果をそれぞれ取得する。結合処理部32は、結合処理判定結果が真となるペアを特定し、特定された各ペアに関し、タプルポインタのペア及び局所編集距離を含む局所結果タプルをそれぞれ生成する(S1006)。
結合処理部32は、生成された局所結果タプルを含む局所結合結果をシステム制御装置10に送信する(S1006)。
結合処理部32は、局所結合結果をシステム制御装置10へ送信した(S1006)後、又は、部分文字列編集距離が閾値τ以下となるペアが存在しないと判断した場合(S1003;NO)、未処理の他のSIPタプル集合がSIPタプル格納部35内に存在するか否かを判定する(S1007)。結合処理部32は、未処理のSIPタプル集合が存在しない場合には(S1007;NO)、処理を終了する。一方、結合処理部32は、未処理のSIPタプル集合が存在する場合には(S1007;YES)、未処理のSIPタプルの先頭文字c'を変数cに設定した(S1008)後、上述と同様に処理(S1001)以降を実行する。
図11Aは、図9AのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。図11Bは、図9BのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。図11Cは、図9CのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。図11Dは、図9DのSIPタプル集合から算出される、部分文字列編集距離、局所編集距離及び局所結果タプルの例を示す図である。なお、図11A、図11B、図11C及び図11Dの各表における空欄は、部分文字列編集距離が閾値τを超えている、又は、局所編集距離が閾値τを超えているため処理が実行されなかった箇所を示す。図11Aの例によれば、SIPタプルの9つのペアに対して、3つの局所結果タプルが生成されている。
図12は、第3実施形態におけるシステム制御装置10の動作例を示すフローチャートである。図12には、上記(S507)における動作の詳細が示される。
結果生成部12は、各結合処理装置30から送られてくる各局所結合結果をそれぞれ受信する(S1201)。各居所結合結果にはそれぞれ局所結果タプルsがそれぞれ含まれている。
結果生成部12は、受信された局所結果タプルsに含まれるタプルポインタのペアと同一のペアを含む局所結果タプルrを結合結果格納部15から抽出する(S1201)。続いて、結果生成部12は、受信された局所結果タプルsに含まれる局所編集距離led_sと、結合結果格納部15から抽出された局所結果タプルrに含まれる局所編集距離led_rとを取得する(S1203)。
結果生成部12は、取得された局所編集距離led_sが同様に取得された局所編集距離led_rより小さいか否かを判定する(S1204)。結果生成部12は、局所編集距離led_sが局所編集距離led_rよりも小さい場合(S1204;YES)、結合結果格納部15から局所結果タプルrを削除し、代わりに局所結果タプルsを挿入する(S1205)。結果生成部12は、局所編集距離led_sが局所編集距離led_r以上である場合(S1204;NO)、何もしないで処理を終了する。
ここで、図11A、図11B、図11C及び図11Dを参照すると、共通のタプルポインタのペアを含む複数の局所結果タプルが存在する。具体的には、タプルポインタペア<S:101、R:201>は、図11Aの1行目に示される局所結果タプル<<S:101、R:201>、1>、及び、図11Dの1行目に示される局所結果タプル<<S:101、R:201>、2>にそれぞれ含まれている。上述の図12に示されるシステム制御装置10の処理により、このような重複する局所結果タプルが除去される。
図13は、システム制御装置10により得られる最終的な結合処理結果の例を示す図である。図13に示すように、重複する局所結果タプルについては、最小の局所編集距離を持つ局所結果タプルのみが残される。これにより、最終的に残された局所結果タプルに含まれる局所編集距離は、上述における真の編集距離と等しくなる。このことは、図13と図20の左下の表とを比較することにより証明することができる。図13と図20の左下の表を比較すると、本実施形態における文字列類似結合処理の結果が、図20の入力タプル集合S及びRを入力データとして「品番」属性を結合キー属性とした場合の既存の文字列類似結合処理結果と一致することが分かる。即ち、本実施形態によれば、編集距離を用いた文字列類似結合を適切に実行することができる。
なお、上述の動作例では、SIPタプルが、末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプルポインタとから形成される態様を例に挙げたが、当該SIPタプルは、〔装置構成〕の項で説明したように、先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプルポインタとから形成される態様が利用されてもよい。この態様では、各SIPタプルは、先頭部分文字列の末尾文字からその分配先がそれぞれ決定され、局所編集距離は、先頭部分文字列間の編集距離と、大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより算出されればよい。
〔第3実施形態における作用及び効果〕
上述したように、第3実施形態では、データ管理装置20により、自身の保持するデータの各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプルポインタとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプルポインタとから形成されるSIPタプルが(τ+1)個それぞれ生成される。そして、各SIPタプルの分配先となる結合処理装置30が、各SIPタプルの末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に応じて決定され、決定された結合処理装置30に各SIPタプルがそれぞれ分配される。
これにより、第3実施形態では、各タプルに関し、最大で、(τ+1)個の結合処理装置30が分配先として選出される。従って、第3実施形態によれば、ネットワーク7を流れる総通信量を小さく抑えることができる。具体的には、入力データS及びRに含まれる各タプル数をm及びnとすると、第3実施形態では、システム1全体の処理コストは、結合処理装置30の台数Nに依存されず、{τ×(m+n)}となる。一方、従来の手法の処理コストは、(N×m+n)となる。従って、結合処理装置30の台数Nが大きく、かつ、閾値τが小さい程、第3実施形態は、従来手法よりも一層処理コストを抑えることができる。
また、iの値が大きい程、SIPタプルのデータサイズは、完全な結合キー文字列のデータサイズよりも小さくなる。従って、第3実施形態は、完全な結合キー文字列を各結合処理装置30に送る必要のある従来手法に比べて、総通信量を抑えることができる。
また、第3実施形態では、結合処理装置30により、複数のSIPタプルの各ペアに関し、末尾部分文字列間又は先頭部分文字列間の編集距離が部分文字列編集距離としてそれぞれ算出され、算出された部分文字列編集距離が閾値τ以下となるSIPタプルのペアがまず特定される。そして、この特定されたSIPタプルの各ペアに関し、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、編集距離推定値がそれぞれ算出され、算出された各編集距離推定値が閾値τ以下となるSIPタプルのペアが特定される。
更に、第3実施形態では、結合処理装置30により、特定されたSIPタプルの各ペアに関し、タプルポインタのペア及び局所編集距離を含む局所結果タプルが生成され、生成された各局所結果タプルがそれぞれシステム制御装置10へ送られる。システム制御装置10では、複数の結合処理装置30から送られた複数の局所結果タプルの中から同じタプルポインタのペアを含む重複結果タプルを検出し、検出された重複結果タプルの中から最小の編集距離推定値を持つ局所結果タプル以外が削除されることにより、編集距離が閾値τ以下となるタプルのペアが決定される。
従って、第3実施形態によれば、部分文字列編集距離を算出するため、完全な結合キー文字列の編集距離を算出する従来手法に比べて、処理時間を短縮することができる。
更に、第3実施形態のような分配手法を用いたとしても、上述の定理に示すように、タプルのペア<s、r>に対して、必ず1つ以上の結合処理装置30で真の編集距離ED(s、r)と値が等しくなる局所編集距離LED(s、r)が算出されるため、取りこぼしなく結合処理が行われるように、処理対象データが分配される。更に、システム制御装置10による重複局所結果タプルの排除処理により、適切な文字列類似結合の結合結果を得ることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、結合処理装置30における結合処理手法が第3実施形態と異なる。以下、第4実施形態におけるシステム1について第3実施形態と異なる内容を中心に説明し、第3実施形態と同じ内容については適宜省略する。
図14は、第4実施形態における結合処理装置30の構成例を概念的に示すブロック図である。第4実施形態における結合処理装置30は、第3実施形態における推定値算出部33の代わりに、トライ木構築部37を更に有する。また、結合処理部32の処理が第3実施形態と異なる。
第4実施形態における結合処理部32は、SIPタプル格納部35に格納されるSIPタプルを対象にトライ木を構築する処理をトライ木構築部37に実行させ、構築されたトライ木を辿ることにより局所結果タプルを生成する。結合処理部32は、第3実施形態と同様に、このように生成された局所結果タプルを含む局所結合結果をそれぞれシステム制御装置10に送信する。
上記トライ木は、パトリシアトライに似た構造を有し、結合処理装置30のメモリ上に構築される。トライ木構築部37は、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通する各SIPタプル集合をSIPタプル格納部35から抽出し、抽出された各SIPタプル集合がマッピングされるトライ木をそれぞれ構築する。結合処理部32により構築されるトライ木は、SIPタプルを構成する末尾部分文字列(又は先頭部分文字列)、先頭部分文字列の文字列長(又は末尾部分文字列の文字列長)、及びタプルポインタの各情報をそれぞれ保持可能な構造を持つ。
具体的には、当該トライ木では、SIPタプルの末尾部分文字列(又は先頭部分文字列)がルートノードからエッジノード(葉ノード)までの枝(パス)にマッピングされ、各枝のエッジノードにはその枝にマッピングされたSIPタプルのタプルポインタが重みと共に付される。また、ルートノードには、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字がラベルとして付され、子ノードのポインタのリストが重みと共に付される。このトライ木で利用される重みには、SIPタプルの先頭部分文字列の文字列長又は末尾部分文字列の文字列長が利用される。
図15は、トライ木の構築例を概念的に示す図である。図15は、文字aを先頭文字(又は末尾文字)に持つ末尾部分文字列(又は先頭部分文字列)を含むSIPタプルの集合に関し構築されたトライ木(tree_a)の例を示す。このSIPタプル集合には、3種類の先頭部分文字列の文字列長(0、1、2)が含まれるため、ルートノード(0:a)には、3種類の重みが設定される。各子ノードポインタに重みがそれぞれ関連付けられている。なお、図15では、各ノードは、ノード番号とそのノードに付されたラベルとによりそれぞれ示されている。例えば、ノード(2:a)は、ノード番号が2であり、ラベルが文字aであるノードを示す。なお、図15では、ルートノードのノード番号は0に設定されている。以下、各ノードはノード番号のみを用いて示される。
図15の例において、各枝とSIPタプルとの関係は以下のとおりである。
文字列「abaa」は、ルートノード(0)、ノード(1)、ノード(2)及びノード(3)にマッピングされる。文字列「acaa」は、ルートノード(0)、ノード(4)、ノード(5)及びノード(6)にマッピングされる。文字列「abcaa」は、ルートノード(0)、ノード(1)、ノード(7)、ノード(8)及びノード(9)にマッピングされる。文字列「aca」は、ルートノード(0)、ノード(10)及びノード(11)にマッピングされる。
文字列「abcaa」がマッピングされた枝のエッジノード(9)には、そのSIPタプルのタプルポインタ「s3」が先頭部分文字列の文字列長「0」と共に付される。同様に、エッジノード(6)には、タプルポインタ「s2」が先頭部分文字列の文字列長「1」と共に付され、エッジノード(11)には、タプルポインタ「s4」が先頭部分文字列の文字列長「2」と共に付される。
トライ木構築部37は、メモリ使用量を抑えるために、同一のタプルポインタを持つSIPタプルの末尾部分文字列(又は先頭部分文字列)を1つの枝にマッピングする。例えば、図15の文字列「abaa」と文字列「aa」とは同じタプルポインタ「s1」を持つため、文字列「abaa」がマッピングされた枝の一部に文字列「aa」がマッピングされる。これは、一方の文字列は他方の文字列の部分文字列となるからである。従って、文字列「aa」は、ルートノード(0)及びノード(3)にマッピングされる。このとき、ルートノード(0)における重み「2」の子ノードポインタとしてノード(3)へのポインタ「3:a」が設定され、エッジノード(3)には、タプルポインタ「s1」が重み「0」及び「2」と共に付される。なお、メモリ使用量を抑える必要がない場合には、同一のタプルポインタを持つSIPタプルの末尾部分文字列(又は先頭部分文字列)を異なる枝にマッピングするようにしてもよい。
結合処理部32は、トライ木構築部37によりトライ木の構築処理が完了すると、構築されたトライ木を探索することにより、局所編集距離が閾値τ以下となる局所結果タプルの集合を取得する。結合処理部32は、トライ木の各ノードを順次訪問し、各ノードと類似している他のノードのリスト(アクティブリスト)を生成することで、当該局所結果タプルの集合を取得する。本実施形態では、アクティブリストには、類似する他のノードに関する、ノード番号、重み及び局所編集距離を含むノードタプルが格納される。結合処理部32によるトライ木の探索処理及び局所結果タプルの取得処理については後述する。
〔動作例〕
以下、第4実施形態におけるシステム1の動作例として、第3実施形態と異なる結合処理装置30における結合処理手法について説明する。
図16は、結合処理装置30のトライ木の構築処理の例を示すフローチャートである。
トライ木構築部37は、SIPタプル格納部35から、末尾部分文字列の先頭文字が共通するSIPタプルの集合を抽出する(S1601)。図16の例では、当該先頭文字が「a」のSIPタプル集合sip[a]が抽出される。図15の例によれば、例えば、SIPタプル<「abaa」、0、s1>が抽出される。
トライ木構築部37は、SIPタプル集合sip[a]が抽出されると、トライ木を初期化する(S1602)。
続いて、トライ木構築部37は、抽出されたSIPタプル集合sip[a]の中から、未処理のSIPタプルを取得する(S1603)。ここでは、SIPタプルに含まれる末尾部分文字列を文字列sと表記し、残りの先頭部分文字列の文字列長を長さplenと表記し、タプルポインタをpと表記する。
トライ木構築部37は、当該先頭文字「a」のトライ木のルートノードが、重みplenが付された子ノードとしてラベルs[2]のノードndを持つか否かを判定する(S1604)。言い換えれば、トライ木構築部37は、当該ルートノードが、文字s[2]をラベルとして持つ子ノードのポインタが重みplenの子ノードポインタとして設定されているか否かを判定する(S1604)。文字s[2]とは、文字列sの先頭から2文字目の文字を意味する。図15の例によれば、ルートノード(0)に、文字「b」(「abaa」の2文字目)をラベルとして持つ子ノード(ノード(1))のポインタ(「1:b」)が重み(0)の子ノードポインタとして設定されているか否かが判定される。
トライ木構築部37は、既に子ノードを持つと判定すると(S1604;YES)、処理(S1606)を実行する。一方、トライ木構築部37は、該当する子ノードを持たないと判定すると(S1604;NO)、ラベルs[2]のノードndを新たに生成し、この生成された新たなノードndをルートノードの重みplenの子ノードに設定する(S1605)。図15の例によれば、ラベル「b」を持つノード(1)が生成され、ルートノードに、重み(0)及び子ノードポインタ「1:b」が設定される。
トライ木構築部37は、変数iを3に設定し、変数parentをラベルs[2]のノードndに設定する(S1606)。
続いて、トライ木構築部37は、変数iが文字列sの長さより大きくなるまで(S1607)、以下に説明する処理(S1608)から(S1613)を繰り返し実行する。
処理(S1608)では、トライ木構築部37は、文字s[i]をラベルに持つノードndが変数parentに設定されているノードの子ノードに存在するか否かを判定する。この判定は、例えば、各ノードが持つ子ノードのポインタを用いて実行される。
既に、ラベルs[i]のノードndが存在する場合には(S1608;YES)、トライ木構築部37は、変数parentにラベルs[i]のノードndを設定し(S1612)、かつ、変数iに1加算した(S1613)後、(S1607)の判定を再度行う。
一方、未だ、ラベルs[i]のノードndが存在しない場合には(S1608;NO)、トライ木構築部37は、ラベルs[i]のノードndを新たに生成し、新たなノードndを変数parentに設定されているノードの子ノードに設定する(S1609)。図15の例によれば、ラベル「a」を持つノード(2)が生成され、ノード(1)に、子ノードポインタ「2:a」が設定される。
続いて、トライ木構築部37は、文字s[i]の1つ前の文字s[i−1]から始まる末尾部分文字列を含むSIPタプルが存在し、かつ、当該文字s[i−1]がルートノードのラベルと等しいか否かを判定する(S1610)。具体的には、この判定は、図16に示すように、{plen+(i−2)≦τ}かつ(s[i−1]=「a」)が真か否かの判定である。この判定により、1つの枝にマッピングできる他のSIPタプルが存在するか否かが判定される。
トライ木構築部37は、文字s[i]の1つ前の文字s[i−1]から始まる末尾部分文字列を含むSIPタプルが存在し、かつ、当該文字s[i−1]がルートノードのラベルと等しい場合には(S1610;YES)、ルートノードの重み(plen+(i−2))の子ノードとしてノードndを追加する(S1611)。言い換えれば、トライ木構築部37は、当該ルートノードに、ラベルs[i]のノードndのポインタを重み(plen+(i−2))と共に設定する。
図15の例によれば、文字列sが「abaa」である場合の処理(S1609)においてノード(3)が生成され、処理(S1611)において、ルートノードに、子ノードポインタ「3:a」が重み(2)と共に設定される。よって、この場合、文字列sが「aa」であるSIPタプルが処理対象とされた時には、既に、ルートノード(0)からノード(3)へのリンクは設定された状態となっている。以降、上述した処理(S1612)及び(S1613)が実行される。
トライ木構築部37は、変数iが文字列sの長さより大きくなる(S1607;YES)、即ち、文字列sのトライ木へのマッピングが完了すると、ノードndにタプルポインタpを重みplenと共に設定する(S1614)。図15の例によれば、例えば、ノード(3)に、タプルポインタ「s1」が重み(0)と共に設定される。なお、文字列sが「aa」であるSIPタプルが処理対象とされる場合には、ノード(3)に設定されたタプルポインタ「s1」の重みとして重み(2)が追加される。
続いて、トライ木構築部37は、SIPタプル集合sip[a]に未処理のSIPタプルt'が存在するか否かを判定する(S1615)。未処理のSIPタプルt'が存在する場合には(S1615;YES)、トライ木構築部37は、処理対象のSIPタプルを示す変数tをt'に設定した(S1616)後、再度、処理(S1603)以降を実行する。なお、未処理のSIPタプルt'が存在しない場合には(S1615;NO)、トライ木構築部37は処理を終了する。
以上のような処理が実行されることにより、図15に示すようなトライ木が構築される。SIPタプル格納部35から、他の文字「b」が共通するSIPタプルの集合及び他の文字「c」が共通するSIPタプルの集合が抽出された場合には(S1601)、文字「b」及び文字「c」に関する各トライ木がそれぞれ構築される。図17A及び図17Bは、文字「b」及び文字「c」に関する各トライ木の例を示す図である。
結合処理部32は、トライ木構築部37における上述のようなトライ木の構築処理が完了すると、構築されたトライ木を探索することにより、局所編集距離が閾値τ以下となる局所結果タプルの集合を取得する。図18は、トライ木の探索処理の例を示すフローチャートである。結合処理部32は、各トライ木についてそれぞれ図18に示す処理を実行する。
結合処理部32は、ルートノードに設定されている重みの中から、未処理の重みwを取得する(S1801)。
更に、結合処理部32は、ルートノードに設定されている重みの中から、任意の重みw2を取得する(S1802)。結合処理部32は、重みwのルートノード(以降、root(w)と表記する)と重みw2のルートノード(以降、root(w2)と表記する)との間の局所編集距離を算出する(S1802)。局所編集距離の算出手法は、第3実施形態と同様である。root(w)及びroot(w2)は共に同じラベルを持つため、編集距離ED(root(w)、root(w2))は0(ゼロ)である。よって、root(w)とroot(w2)との間の局所編集距離ledは、大きい方の重み値、即ち、先頭部分文字列(又は末尾部分文字列)の文字列長となる。
結合処理部32は、root(w2)をroot(w)のアクティブリストに追加する(S1802)。これにより、root(w)のアクティブリストには、root(w2)に関するノードタプルが設定される。このノードタプルは、ノード番号(0)、重み(w2)、及び、root(w)とroot(w2)との間の局所編集距離を含む。ところで、ルートノード間の局所編集距離は、上述したとおり、大きい方の重み値となるため、必ず閾値τ以下となる。よって、処理(S1802)では、閾値τと局所編集距離とを比較することなく、root(w2)に関するノードタプルがアクティブリストに追加される。
次に、結合処理部32は、root(w2)の子ノードnd2(w2)と、root(w)との間の局所編集距離ledを算出する(S1803)。ここで、ノード間の局所編集距離は、各ノードまでのパスにより形成される文字列間の編集距離に、大きい方の重み値が加算されることにより算出される。つまり、root(w)とノードnd2(w2)との間の局所編集距離は、root(w)のラベルに付された文字と、root(w)のラベルとノードnd2(w2)のラベルとから形成される文字列との間の編集距離に、重みwと重みw2とのうち大きい方の重み値を加えた値となる。
結合処理部32は、算出された局所編集距離ledが閾値τ以下であれば、root(w)のアクティブリストにノードnd2(w2)を追加する(S1803)。これにより、root(w)のアクティブリストには、ノードnd2(w2)に関するノードタプルが追加される。このノードタプルは、ノードnd2(w2)に関するノード番号、重み(w2)及び算出された局所編集距離ledを含む。
なお、結合処理部32は、root(w2)の子ノードnd2(w2)が複数存在する場合には、各子ノードについて処理(S1803)をそれぞれ実行する。また、結合処理部32は、ルートノードに複数の重みが設定されている場合には、各重み(w2)に関し、上述の処理(S1802)及び(S1803)を実行する。以上により、root(w)のアクティブリストの生成が完了する。
結合処理部32は、root(w)の子孫ノードnd(w)のアクティブリストも再帰的に順次生成する。まず、結合処理部32は、root(w)の各子ノードnd(w)をそれぞれ取得する(S1804)。
結合処理部32は、取得された子ノードnd(w)の親ノードのアクティブリストを取得し(S1805)、そのアクティブリストに設定されるノードan(w3)を取得する(S1806)。
結合処理部32は、ノードnd(w)とノードan(w3)との間の局所編集距離ledを算出し、算出された局所編集距離ledが閾値τ以下である場合には、ノードnd(w)のアクティブリストにノードan(w3)を追加する(S1807)。
更に、結合処理部32は、ノードan(w3)の各子ノードan_child(w3)とノードnd(w)との間の局所編集距離led2を算出し、算出された局所編集距離led2が閾値τ以下である場合には、ノードnd(w)のアクティブリストにノードan_child(w3)を追加する(S1808)。
結合処理部32は、ノードnd(w)の親ノードのアクティブリストに、未処理のノードan(w3)が存在するか否かを判定する(S1809)。結合処理部32は、未処理のノードan(w3)が存在する場合には(S1809;YES)、その未処理のノードan(w3)に関し、上述の処理(S1806)以降を実行する。
結合処理部32は、未処理のノードan(w3)が存在しない場合には(S1809;NO)、ノードnd(w)における未処理の子ノードnd_child(w)が存在するか否かを判定する(S1810)。結合処理部32は、未処理の子ノードnd_child(w)が存在する場合には(S1810;YES)、その未処理の子ノードnd_child(w)を処理対象のノードnd(w)に設定して(S1811)、上述の処理(S1805)以降を実行する。
結合処理部32は、未処理の子ノードnd_child(w)が存在しない場合には(S1810;NO)、ルートノードに未処理の重みw'が存在するか否かを判定する(S1812)。未処理の重みw'が存在する場合には(S1812;YES)、結合処理部32は、その未処理の重みに関し、上述の処理(S1801)以降を実行する。一方、未処理の重みw'が存在しなければ(S1812;NO)、結合処理部32は、処理を終了する。
結合処理部32は、以上のような処理を実行することにより、トライ木の各ノードについてアクティブリストをそれぞれ生成する。図19は、アクティブリストの例を示す図である。図19は、図15の例に示す、文字「a」に関するトライ木tree_aにおける、重み(0)のルートノード、ノード(1)、ノード(2)及びノード(3)のアクティブリストを示す。図19における下線は、対応するノードがタプルポインタを所持することを示す。
これにより、結合処理部32は、タプルポインタを所持するノード(3)のアクティブリストから、ノード(3)を含む、局所編集距離が閾値τ以下となるノードのペアを特定する。図19の例によれば、結合処理部32は、ノード(3)とノード(3)とのペア、ノード(3)とノード(9)とのペア、ノード(3)とノード(6)とのペアを得ることができる。結合処理部32は、このように特定されたノードのペアに関し、アクティブリスト内のノードタプルに基づいて、タプルポインタのペア及び局所編集距離を含む局所結果タプルを生成する。このようにして、結合処理部32は、全てのエッジノードのアクティブリストを利用することにより、局所結合結果を得ることができる。
〔第4実施形態における作用及び効果〕
第4実施形態では、結合処理装置30において、データ管理装置20から分配されるSIPタプルがトライ木にマッピングされる。当該トライ木では、SIPタプルに含まれる先頭部分文字列又は接尾部分文字列の文字列長が重みとして用いられ、重み毎に少なくとも1つの子ノードを持つルートノードが生成され、エッジノード(葉ノード)にはタプルポインタが重みと共に付される。
そして、構築されたトライ木の各ノードに関しそれぞれ、親ノードのアクティブリストに基づいて選択された他のノードと当該ノードとの間の局所編集距離が算出され、算出された局所編集距離と閾値τとが比較される。結果、局所編集距離が閾値τ以下となる他のノードに関する情報が各ノードのアクティブリストに設定される。
このように、第4実施形態によれば、トライ木の性質を利用して、親ノードのアクティブリストに基づいて各ノードの結合処理対象を選択することにより、局所編集距離を計算すべき対象を制限することができ、結果、結合処理の計算量を削減することができる。更に、第4実施形態によれば、末尾部分文字列又は先頭部分文字列を用いた局所編集距離の算出を採用するため、結合キー文字列全体を対象とした編集距離の算出を必要とする従来手法に比べて、処理コストを削減することができる。
また、第4実施形態では、各ノードのアクティブリストには、当該ノードとの間の局所編集距離が閾値以下となる他ノードの情報、及び、その局所編集距離が設定される。よって、第4実施形態によれば、各エッジノードのアクティブリストを参照することにより、局所編集距離が閾値τ以下となる局所結果タプルを即座に取得することができる。
[変形例]
上述の各実施形態では、1つのタプルに対して、(τ+1個)のSIPタプルが生成された。そして、1つのタプルから生成された複数のSIPタプルが、末尾部分文字列の先頭文字(又は先頭部分文字列の末尾文字)が等しいために、同じ結合処理装置30へ分配される可能性がある。例えば、図9Cの例によれば、タプルポインタが「R:203」である2つのSIPタプルが同じ結合処理装置30に分配されている。この場合、結合処理装置30は、末尾部分文字列が「ZZX−BB−KC」であり、先頭部分文字列の文字列長が0(ゼロ)であるSIPタプルのみを得れば、そのSIPタプルから、末尾部分文字列が「ZX−BB−KC」であり、先頭部分文字列の文字列長が1であるSIPタプルを自身で生成することができる。
従って、データ管理装置20のSIPタプル生成部21は、末尾部分文字列の先頭文字が同じであるSIPタプルに関しては、残りの先頭部分文字列の文字列長が最も小さいSIPタプルのみを生成するようにしてもよい。この場合、結合処理装置30は、受信されたSIPタプルに基づいて、必要となる他のSIPタプルを生成するようにすればよい。
図9Cの例によれば、データ管理装置20は、末尾部分文字列が「ZZX−BB−KC」であり先頭部分文字列の文字列長が0(ゼロ)であるSIPタプルを生成し、末尾部分文字列の先頭文字が同じになるSIPタプル(末尾部分文字列が「ZX−BB−KC」であり、先頭部分文字列の文字列長が1であるSIPタプル)を生成しない。結合処理装置30は、このSIPタプルを受信した場合、文字列「ZZX−BB−KC」と、文字列長(0)と、閾値τとの関係から、データ管理装置20で生成されなかったSIPタプルが必要であると判断する。そこで、結合処理装置30は、末尾部分文字列が「ZX−BB−KC」であり、先頭部分文字列の文字列長が1であるSIPタプルを生成した後、結合処理を開始する。
このようにすれば、システム1内の通信コストを一層削減することができる。
また、上述の各実施形態では、システム制御装置10の要求制御部11が処理要求を取得した後、要求制御部11により送られる実行命令に応じて、データ管理装置20がSIPタプルを分配し、結合処理装置30が処理を開始していた。他の態様として、処理要求が受け付けられる前に、データ管理装置20が所定条件を満たすSIPタプルを予め結合処理装置30へ分配しておくようにしてもよい。
具体的には、編集距離閾値τに上限値max_τを設け、データ管理装置20は、当該閾値τが上限値である場合のSIPタプル(1≦i≦max_τ+1)を生成し、予め分配する。システム制御装置10は、閾値τを含んだ処理要求を受け付けると、結合処理装置30のみに対して実行命令を出す。結合処理装置30は、予め分配されているSIPタプルのうち、先頭部分文字列(又は末尾部分文字列)の文字列長が閾値τ以下のSIPタプルのみを用いて、結合処理を実行する。
このようにすれば、処理要求を受け付けてから結合処理結果を生成するまでの時間には、データ管理装置20から結合処理装置30への分配データ送信処理にかかる時間は含まれない。よって、処理要求を受け付けてから結合処理結果を生成するまでの時間を短縮することができる。このような態様は、多くの処理要求が短時間のうちに大量に舞い込むオンライン処理に好適である。
[補足]
上述の各実施形態及び変形例において実行される類似結合処理は、少なくとも1つのデータ管理装置20に格納されている少なくとも1つのデータ(SIPタプル集合)であって処理要求で指定されたデータの中から、当該処理要求で指定された結合キー属性の文字列間の編集距離が閾値τの条件を満たすタプルのペアを検出していた。しかしながら、本発明に係る類似結合処理は、このような態様に限定されず、文字列類似検索処理の意をも包含する概念である。
つまり、本発明に係る類似結合処理は、処理要求等で得られるクエリ文字列を1つのタプルとし、このクエリ文字列との間の編集距離が閾値τの条件を満たすタプルを、少なくとも1つのデータ管理装置20に格納されている少なくとも1つのデータの中から検索する処理であってもよい。
この態様では、処理要求で指定されたデータを保持するデータ管理装置20は、上述の各実施形態及び変形例と同様に、SIPタプルを生成しかつ分配する。一方、クエリ文字列をシステム制御装置10から取得したデータ管理装置20は、このクエリ文字列に関するSIPタプルを生成しかつ分配する。クエリ文字列に関するSIPタプルを受信した結合処理装置30は、クエリ文字列に関するSIPタプルと、他のSIPタプルとのペアを対象に、上述の各実施形態及び変形例と同様の結合処理を実行すればよい。
また、本発明に係る類似結合処理は、同じ意味を示すが表記が微妙に異なる文字列を検出するといった名寄せ技術をも含む概念である。
また、上述の各実施形態及び変形例で示した文字列類似結合システム1は、複数の店舗をまたがる在庫検索システム等に適用することができる。このような態様によれば、商品名が店舗によって若干異なる場合にも、探したい商品を検出することができる。また、同じモデルの商品であっても色やサイズなどが違うことにより各商品に異なる品番が付く場合がある。このような場合でも、当該態様によれば、色やサイズが違う同じモデルの商品を検出することができる。
なお、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数のステップ(処理)が順番に記載されているが、本実施形態で実行される処理ステップの実行順序は、その記載の順番に制限されない。本実施形態では、図示される処理ステップの順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態及び各変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
上記の各実施形態及び各変形例の一部又は全部は、以下の付記のようにも特定され得る。但し、各実施形態及び各変形例が以下の記載に限定されるものではない。
(付記1)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する結合処理装置において、上記各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に、共通する文字を持たないタプルのペアを編集距離計算対象から除外する結合処理手段を備えることを特徴とする結合処理装置。
(付記2)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続されるデータ管理装置において、複数のタプルを格納するデータ格納手段と、上記複数の結合処理装置の中から、上記データ格納手段に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルとは同じ分配先にならないようにそれぞれ決定するデータ分配手段と、を備えることを特徴とするデータ管理装置。
(付記3)少なくとも1つのデータ管理装置、及び、この少なくとも1つのデータ管理装置で保持される複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置を含む文字列類似結合システムにおいて、上記少なくとも1つのデータ管理装置は、上記各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせを含むキー情報タプルを(τ+1)個それぞれ生成するキー情報生成手段と、このキー情報生成手段により生成された各キー情報タプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、当該各キー情報タプルの分配先を決定し、当該各キー情報タプルを、分配先として決定された各結合処理装置に各タプルのデータとしてそれぞれ分配するデータ分配手段と、を備え、上記複数の結合処理装置はそれぞれ、上記少なくとも1つのデータ管理装置から分配された複数のキー情報タプルを受信する受信手段と、この受信手段により受信された複数のキー情報タプルのうち、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通するキー情報タプル集合毎に、上記類似結合処理を実行する結合処理手段と、を備えることを特徴とする文字列類似結合システム。
(付記4)上記複数の結合処理装置はそれぞれ、上記受信手段により受信された複数のキー情報タプルの各ペアに関し、末尾部分文字列間又は先頭部分文字列間の編集距離を部分文字列編集距離としてそれぞれ算出し、算出された部分文字列編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすキー情報タプルの各ペアに関し、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、編集距離推定値をそれぞれ算出する推定値算出手段を更に備え、上記結合処理手段は、上記推定値算出手段により算出された各編集距離推定値と上記編集距離閾値τとの比較結果に基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、ことを特徴とする付記3に記載の文字列類似結合システム。
(付記5)上記複数の結合処理装置はそれぞれ、上記受信手段により受信された複数のキー情報タプルに基づいて、先頭部分文字列又は末尾部分文字列の文字列長を重み値として管理するトライ木であって、末尾部分文字列又は先頭部分文字列がルートノードからエッジノードまでの枝にマッピングされたトライ木を構築するトライ木構築手段、を更に備え、上記結合処理手段は、上記トライ木構築手段により構築されたトライ木に含まれる各対象ノードに関し、対象ノードにより特定される文字列と他ノードで特定される文字列との間の編集距離と、対象ノード及び他ノードの重み値のうち大きい方の重み値とを加算することにより、他ノードのための編集距離推定値をそれぞれ算出し、当該編集距離推定値が上記編集距離閾値τの条件を満たす他ノードの情報及び当該編集距離推定値を含むリストを各対象ノードに関しそれぞれ設定し、エッジノードに設定されたリストに基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、ことを特徴とする付記3に記載の文字列類似結合システム。
(付記6)上記結合処理手段は、親ノードに設定されたリストに含まれる他ノードの情報に基づいて、各対象ノードの編集距離推定値の計算対象となる他ノードを選択する、
ことを特徴とする付記5に記載の文字列類似結合システム。
(付記7)上記トライ木構築手段は、同一のタプル特定データを持つ複数のキー情報タプルの末尾部分文字列又は先頭部分文字列を上記トライ木の1つの枝及び当該1つの枝の少なくとも1部分にマッピングし、上記トライ木のルートノードに、当該1つの枝の少なくとも1部分を特定するためのノードポインタを上記重み値と共に設定する、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の文字列類似結合システム。
(付記8)上記少なくとも1つのデータ管理装置及び上記複数の結合処理装置と通信可能なシステム制御装置を更に含み、上記各結合処理装置の上記結合処理手段は、上記特定された各ペアに関し、タプル特定データのペア及び編集距離推定値を含む結果タプルをそれぞれ生成し、生成された各結果タプルをそれぞれ上記システム制御装置に送信し、上記システム制御装置は、上記複数の結合処理装置から送られた複数の結果タプルの中から同じタプル特定データのペアを含む重複結果タプルを検出し、検出された重複結果タプルの中から最小の編集距離推定値を持つ結果タプル以外の結果タプルを削除することにより、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすタプルのペアを決定する結果生成手段、を備えることを特徴とする付記4から7のいずれか1つに記載の文字列類似結合システム。
(付記9)上記システム制御装置は、上記編集距離閾値τを含む処理要求を取得した後、上記複数の結合処理装置に処理の実行命令を送信する要求制御手段、を更に備え、上記少なくとも1つのデータ管理装置の上記キー情報生成手段は、予め決められた上記編集距離閾値τの上限値を上記編集距離閾値τと仮定して、上記各タプルの結合キー文字列に関する仮のキー情報タプルをそれぞれ生成し、上記少なくとも1つのデータ管理装置の上記データ分配手段は、上記処理要求が上記システム制御装置により取得される前に、上記各仮のキー情報タプルを各分配先の結合処理装置にそれぞれ分配する、ことを特徴とする付記3から8のいずれか1つに記載の文字列類似結合システム。
(付記10)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて実行される文字列類似結合方法において、少なくとも1つのコンピュータが、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に、共通する文字を持たないタプルのペアを編集距離計算対象から除外する、ことを含む文字列類似結合方法。
(付記11)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて実行される文字列類似結合方法において、少なくとも1つのコンピュータが、上記各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせを含むキー情報タプルを(τ+1)個それぞれ生成し、上記生成された各キー情報タプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、当該各キー情報タプルの分配先を決定し、当該各キー情報タプルを、分配先として決定された各対象コンピュータに各タプルのデータとしてそれぞれ分配し、上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータが、上記分配された複数のキー情報タプルを受信し、上記受信された複数のキー情報タプルのうち、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通するキー情報タプル集合毎に、類似結合処理を実行する、ことを含む文字列類似結合方法。
(付記12)上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータが、上記受信された複数のキー情報タプルの各ペアに関し、末尾部分文字列間又は先頭部分文字列間の編集距離を部分文字列編集距離としてそれぞれ算出し、算出された部分文字列編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすキー情報タプルの各ペアに関し、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、編集距離推定値をそれぞれ算出し、上記算出された各編集距離推定値と上記編集距離閾値τとの比較結果に基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、ことを更に含む付記11に記載の文字列類似結合方法。
(付記13)上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータが、上記受信された複数のキー情報タプルに基づいて、先頭部分文字列又は末尾部分文字列の文字列長を重み値として管理するトライ木であって、末尾部分文字列又は先頭部分文字列がルートノードからエッジノードまでの枝にマッピングされたトライ木を構築し、上記構築されたトライ木に含まれる各対象ノードに関し、対象ノードにより特定される文字列と他ノードで特定される文字列との間の編集距離と、対象ノード及び他ノードの重み値のうち大きい方の重み値とを加算することにより、他ノードのための編集距離推定値をそれぞれ算出し、当該編集距離推定値が上記編集距離閾値τの条件を満たす他ノードの情報及び当該編集距離推定値を含むリストを各対象ノードに関しそれぞれ設定し、エッジノードに設定されたリストに基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、ことを更に含む付記11に記載の文字列類似結合方法。
(付記14)上記編集距離推定値を算出する際には、親ノードに設定されたリストに含まれる他ノードの情報に基づいて、各対象ノードの編集距離推定値の計算対象となる他ノードを選択する、ことを特徴とする付記13に記載の文字列類似結合方法。
(付記15)上記トライ木を構築する際には、同一のタプル特定データを持つ複数のキー情報タプルの末尾部分文字列又は先頭部分文字列を上記トライ木の1つの枝及び当該1つの枝の少なくとも1部分にマッピングし、上記トライ木のルートノードに、当該1つの枝の少なくとも1部分を特定するためのノードポインタを上記重み値と共に設定する、ことを特徴とする付記13又は14に記載の文字列類似結合方法。
(付記16)上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータが、上記特定された各ペアに関し、タプル特定データのペア及び編集距離推定値を含む結果タプルをそれぞれ生成し、上記生成された各結果タプルをそれぞれ他のコンピュータに送信し、上記他のコンピュータが、上記対象コンピュータから送られた複数の結果タプルの中から同じタプル特定データのペアを含む重複結果タプルを検出し、検出された重複結果タプルの中から最小の編集距離推定値を持つ結果タプル以外の結果タプルを削除することにより、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすタプルのペアを決定する、ことを更に含む付記12から15のいずれか1つに記載の文字列類似結合方法。
(付記17)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて文字列類似結合を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、上記少なくとも1つのコンピュータに、上記各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に、共通する文字を持たないタプルのペアを編集距離計算対象から除外する結合処理手段、を実現させることを特徴とするプログラム。
(付記18)複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて文字列類似結合を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、少なくとも1つのコンピュータに、上記各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせを含むキー情報タプルを(τ+1)個それぞれ生成するキー情報生成手段と、このキー情報生成手段により生成された各キー情報タプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、当該各キー情報タプルの分配先を決定し、当該各キー情報タプルを、分配先として決定された各対象コンピュータに各タプルのデータとしてそれぞれ分配するデータ分配手段と、を実現させ、上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータに、上記少なくとも1つのコンピュータから分配された複数のキー情報タプルを受信する受信手段と、この受信手段により受信された複数のキー情報タプルのうち、末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字が共通するキー情報タプル集合毎に、前記類似結合処理を実行する結合処理手段と、を実現させることを特徴とするプログラム。
(付記19)上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータに、上記受信手段により受信された複数のキー情報タプルの各ペアに関し、末尾部分文字列間又は先頭部分文字列間の編集距離を部分文字列編集距離としてそれぞれ算出し、算出された部分文字列編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすキー情報タプルの各ペアに関し、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、編集距離推定値をそれぞれ算出する推定値算出手段と、上記推定値算出手段により算出された各編集距離推定値と上記編集距離閾値τとの比較結果に基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する結合処理手段と、を実現させることを特徴とする付記18に記載のプログラム。
(付記20)上記各キー情報タプルの分配先として決定された対象コンピュータに、上記受信手段により受信された複数のキー情報タプルに基づいて、先頭部分文字列又は末尾部分文字列の文字列長を重み値として管理するトライ木であって、末尾部分文字列又は先頭部分文字列がルートノードからエッジノードまでの枝にマッピングされたトライ木を構築するトライ木構築手段と、上記トライ木構築手段により構築されたトライ木に含まれる各対象ノードに関し、対象ノードにより特定される文字列と他ノードで特定される文字列との間の編集距離と、対象ノード及び他ノードの重み値のうち大きい方の重み値とを加算することにより、他ノードのための編集距離推定値をそれぞれ算出し、当該編集距離推定値が上記編集距離閾値τの条件を満たす他ノードの情報及び当該編集距離推定値を含むリストを各対象ノードに関しそれぞれ設定し、エッジノードに設定されたリストに基づいて、編集距離が上記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する結合処理手段と、を実現させることを特徴とする付記18に記載のプログラム。
(付記21)付記17から20のいずれか1つに記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
この出願は、2011年2月2日に出願された日本出願特願2011−020374を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. 複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続されるデータ管理装置において、
    複数のタプルを格納するデータ格納手段と、
    前記複数の結合処理装置の中から、前記データ格納手段に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、当該各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルとは同じ分配先にならないようにそれぞれ決定するデータ分配手段と、
    を備えることを特徴とするデータ管理装置。
  2. 少なくとも1つのデータ管理装置、及び、この少なくとも1つのデータ管理装置で保持される複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置を含む文字列類似結合システムにおいて、
    前記少なくとも1つのデータ管理装置は、
    前記各タプルの結合キー文字列に関し、先頭文字からi(iは(τ+1)以下の正の整数の各々)番目の文字から末尾文字までの末尾部分文字列と、残りの先頭部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせ、又は、末尾文字からi番目の文字から先頭文字までの先頭部分文字列と、残りの末尾部分文字列の文字列長と、タプル特定データとの組み合わせを含むキー情報タプルを(τ+1)個それぞれ生成するキー情報生成手段と、
    前記キー情報生成手段により生成された各キー情報タプルに含まれる末尾部分文字列の先頭文字又は先頭部分文字列の末尾文字に基づいて、当該各キー情報タプルの分配先を決定し、当該各キー情報タプルを、分配先として決定された各結合処理装置に各タプルのデータとしてそれぞれ分配するデータ分配手段と、
    を備え、
    前記複数の結合処理装置はそれぞれ、
    前記少なくとも1つのデータ管理装置から分配された複数のキー情報タプルを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された複数のキー情報タプルのうち、前記末尾部分文字列の先頭文字又は前記先頭部分文字列の末尾文字が共通するキー情報タプル集合毎に、前記類似結合処理を実行する結合処理手段と、
    を備えることを特徴とする文字列類似結合システム。
  3. 前記複数の結合処理装置はそれぞれ、
    前記受信手段により受信された複数のキー情報タプルの各ペアに関し、末尾部分文字列間又は先頭部分文字列間の編集距離を部分文字列編集距離としてそれぞれ算出し、算出された部分文字列編集距離が前記編集距離閾値τの条件を満たすキー情報タプルの各ペアに関し、当該部分文字列編集距離と、大きい方の先頭部分文字列の文字列長又は大きい方の末尾部分文字列の文字列長とを加算することにより、編集距離推定値をそれぞれ算出する推定値算出手段、
    を更に備え、
    前記結合処理手段は、前記推定値算出手段により算出された各編集距離推定値と前記編集距離閾値τとの比較結果に基づいて、編集距離が前記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の文字列類似結合システム。
  4. 前記複数の結合処理装置はそれぞれ、
    前記受信手段により受信された複数のキー情報タプルに基づいて、前記先頭部分文字列又は前記末尾部分文字列の文字列長を重み値として管理するトライ木であって、前記末尾部分文字列又は前記先頭部分文字列がルートノードからエッジノードまでの枝にマッピングされたトライ木を構築するトライ木構築手段、
    を更に備え、
    前記結合処理手段は、前記トライ木構築手段により構築されたトライ木に含まれる各対象ノードに関し、対象ノードにより特定される文字列と他ノードで特定される文字列との間の編集距離と、対象ノード及び他ノードの重み値のうち大きい方の重み値とを加算することにより、他ノードのための編集距離推定値をそれぞれ算出し、当該編集距離推定値が前記編集距離閾値τの条件を満たす他ノードの情報及び当該編集距離推定値を含むリストを各対象ノードに関しそれぞれ設定し、エッジノードに設定されたリストに基づいて、編集距離が前記編集距離閾値τの条件を満たすと推定されるタプルのペアを特定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の文字列類似結合システム。
  5. 前記結合処理手段は、親ノードに設定されたリストに含まれる他ノードの情報に基づいて、各対象ノードの編集距離推定値の計算対象となる他ノードを選択する、
    ことを特徴とする請求項に記載の文字列類似結合システム。
  6. 前記トライ木構築手段は、同一のタプル特定データを持つ複数のキー情報タプルの前記末尾部分文字列又は前記先頭部分文字列を前記トライ木の1つの枝及び当該1つの枝の少なくとも1部分にマッピングし、前記トライ木のルートノードに、当該1つの枝の少なくとも1部分を特定するためのノードポインタを前記重み値と共に設定する、
    ことを特徴とする請求項又はに記載の文字列類似結合システム。
  7. 前記少なくとも1つのデータ管理装置及び前記複数の結合処理装置と通信可能なシステム制御装置を更に含み、
    前記各結合処理装置の前記結合処理手段は、前記特定された各ペアに関し、タプル特定データのペア及び編集距離推定値を含む結果タプルをそれぞれ生成し、生成された各結果タプルをそれぞれ前記システム制御装置に送信し、
    前記システム制御装置は、
    前記複数の結合処理装置から送られた複数の結果タプルの中から同じタプル特定データのペアを含む重複結果タプルを検出し、検出された重複結果タプルの中から最小の編集距離推定値を持つ結果タプル以外の結果タプルを削除することにより、編集距離が前記編集距離閾値τの条件を満たすタプルのペアを決定する結果生成手段、
    を備えることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の文字列類似結合システム。
  8. 請求項2から7のいずれか1項に記載の文字列類似結合システムが有する結合処理装置。
  9. コンピュータによって実行されるデータ管理方法であって、
    前記コンピュータは、
    複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続されており、
    複数のタプルを格納するデータ格納手段を有し、
    当該データ管理方法は、前記複数の結合処理装置の中から、前記データ格納手段に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、当該各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルとは同じ分配先にならないようにそれぞれ決定する、データ管理方法。
  10. コンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータは、
    複数のタプルを対象に編集距離閾値τ(正の整数)を用いて類似結合処理を実行する複数の結合処理装置と通信可能に接続されており、
    複数のタプルを格納するデータ格納手段を有し、
    当該プログラムは前記コンピュータに、前記複数の結合処理装置の中から、前記データ格納手段に格納される各タプルを処理させる結合処理装置を各タプルの分配先として決定する際に、当該各タプルの分配先を、各タプルの結合キー文字列の中の先頭文字又は末尾文字から(τ+1)番目までの端部分に含まれる少なくとも1つの文字を、結合キー文字列の中の当該端部分に含む他のタプルと同じ分配先にそれぞれ決定し、かつ、各タプルの結合キー文字列の中の当該端部分に共通する文字を持たない他のタプルとは同じ分配先にならないようにそれぞれ決定する処理を実行させるプログラム。
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