以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(コンテンツが予め設定された条件で改変されて配信される例)
2.第2の実施の形態(コンテンツの被利用者に問合せた条件で改変されて配信される例)
3.変形例(PCに代えて多機能型携帯電話機を用いた例)
<1.第1の実施の形態>
[ソーシャルネットワーキングサービスシステムの構成例]
図1は、本技術を適用したソーシャルネットワーキングサービスシステムの一実施の形態の構成例を示している。図1のソーシャルネットワーキングサービスシステムは、いわゆるソーシャルネットワーキングサービスを実現するためのシステムである。
図1のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムは、インターネットに代表されるネットワーク13に接続された、そのサービスを利用する会員として登録された使用者が所有するPC(Personal Computer)11−1乃至11−nと、各種のコンテンツを公開または配信する管理サーバ12とから構成されている。尚、PC11−1乃至11−nを特に区別する必要がない場合、単にPC11と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
ここで、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)とは、人と人とのつながりを促進またはサポートする、コミュニティ型の会員制のサービスである。従って、PC11を利用する使用者は、いずれもSNSの会員であり、入会の際、個人情報が申告により登録されている。管理サーバ12は、このようなSNSを利用する各会員の個人情報である住所や、電子メールのアドレス、さらには、会員間で授受されているデータなどの情報を管理している。
主たる目的を人と人とのコミュニケーションとするSNSは、友人または知人間のコミュニケーションを促進したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、「友人の友人」といった自身とは直接関係のない他人が、それぞれが所有するPC11やその他の携帯端末等を利用し、管理サーバ12などのサーバを介して、電子メール、ブログ、またはツイッターなどに代表される発信ツールなどを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するものとして定着しつつある。
図1で示されるSNSシステムにおいては、各会員である使用者が、それぞれに所有するPC11を介して管理サーバ12にアクセスし、コンテンツをアップロードしたりダウンロードすることによりコミュニケーションが図られる。この際、SNSにおいては、会員相互が会員に対してのみ公開しているブログなどを見て、例えば、ある会員が、ブログを公開している会員と友人関係になって欲しいと思った場合、ある会員は、PC11から管理サーバ12に対してブログを公開している会員に対してその旨の要望を通知する。すると、友達になって欲しい旨の通知を受けたブログを公開している会員が、例えば、その要望通りに友達関係になってもよいという応答をすると、会員間で友達関係が成立する。管理サーバ12は、このような友達関係が成立した会員間の関係を人間関係の情報として登録して管理し、例えば、ある会員の情報として、友達関係が成立した会員が何人おり、それぞれ誰であるといった情報をも管理している。また、管理サーバ12は、このような人間関係情報に基づいて、会員相互の親密度を算出する。
さらに、ある会員である使用者が、PC11を操作してコンテンツである画像を管理サーバ12にアップロードすると、管理サーバ12は、アップロードされてくるコンテンツを取得し、例えば、会員のうち、友達関係が成立した使用者と、その使用者と友達関係が成立した使用者のPC11でのみ公開できる状態で管理する。また、管理サーバ12は、このように人間関係により制限された会員である使用者により操作されるPC11からアクセスされて、コンテンツのダウンロードが要求されると、コンテンツの作成者や被写体となる人物により予め設定される人間関係の条件に応じて、公開レベルを特定する。そして、管理サーバ12は、特定した公開レベルとなるようにコンテンツである画像を改変して要求者に配信する。このようにすることで、例えば、コンテンツである画像の被写体となっている人物が、コンテンツの配信を要求する要求者との人間関係が親密であるか否かに応じて、画像の解像度を下げたりすることが可能となり、人間関係に応じてプライバシを守りつつも、コンテンツを配信することができる。
尚、以下においては、コンテンツとして画像を用いた場合の例について説明するものとするが、それ以外のコンテンツであってもよく、例えば、動画、音声、または、テキストなどのデータであってもよい。
[PCの第1の実施の形態]
次に、図2を参照して、図1のPC11の第1の実施の形態の構成例について説明する。
PC11は、制御部31、ドライブ32、表示部33、操作部34、および通信部35より構成されている。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)より構成されている。
制御部31は、各種のデータやプログラムを実行して、PC11の動作の全体を制御している。ドライブ32は、制御部31の指令に従って、装着されるリムーバブルメディアにデータやプログラムを記録したり、記録されているデータやプログラムを読み出して、制御部31に供給する。
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)よりなり、制御部31より供給される各種の処理結果や入力された情報を表示する。
操作部34は、キーボードや操作ボタンから構成されており、使用者の操作を受け付けると共に操作内容に応じた操作信号を発生し、制御部31に供給する。
通信部35は、イーサネット(登録商標)ボードなどからなりインターネットに代表されるネットワーク13を介して他のPC11や管理サーバ12と通信する。
さらに、制御部31は、コンテンツダウンロード部51、コンテンツアップロード部52、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54を備えている。
コンテンツダウンロード部51は、使用者が管理サーバ12にアクセスして、管理サーバ12により管理されているコンテンツのダウンロードを要求するとき実行されるアプリケーションプログラムである。すなわち、コンテンツダウンロード部51は、コンテンツを特定する情報と共にダウンロードを要求する情報を通信部35より管理サーバ12に送信させる。コンテンツダウンロード部51は、さらに、管理サーバ12よりダウンロードされてくるコンテンツである画像のダウンロードを受け付けて表示部33に表示する。すなわち、この場合、PC11の使用者は、コンテンツのダウンロードを要求する要求者となる。
また、コンテンツアップロード部52は、使用者が自らで撮像するなどして作成した画像からなるコンテンツを管理サーバ12に送信するとき実行されるアプリケーションプログラムである。すなわち、コンテンツアップロード部52は、通信部35を制御して、自ら作成したコンテンツである画像を管理サーバ12にアップロードする。このとき、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、管理サーバ12より送信されてくるコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットを取得して、入力を促す画像と共に表示部33に表示する。そして、操作部34が操作されて入力されたコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットに必要情報が入力されると、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、通信部35を制御して、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットを管理サーバ12に送信する。すなわち、この場合、PC11の使用者は、コンテンツの作成者となる。
さらに、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、自らコンテンツである画像に含まれている被写体(被利用者)であるとき、通信部35を制御して、管理サーバ12より送信されてくるコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットを取得し、入力を促す画像と共に表示部33に表示する。そして、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、操作部34が操作されて、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットに必要情報が入力されると、通信部35を制御して、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットを管理サーバ12に送信する。すなわち、この場合、PC11の使用者は、コンテンツの被利用者(被写体)となる。
[管理サーバの第1の実施の形態]
次に、図3を参照して、管理サーバ12の第1の実施の形態の構成例について説明する。
管理サーバ12は、制御部71、表示部72、操作部73、通信部74、人間関係DB75、コンテンツ作成者用アップロード設定DB76、コンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77、およびコンテンツDB78を含む。
制御部71は、CPU、RAM、およびROMを備えており、各種のプログラムを実行することにより、管理サーバ12の動作の全体を制御している。
表示部72は、LCDや有機ELよりなり、制御部71より供給される各種の処理結果や入力された情報を表示する。
操作部73は、キーボードや操作ボタンから構成されており、使用者の操作を受け付けると共に操作内容に応じた操作信号を発生し、制御部31に供給する。
通信部74は、イーサネット(登録商標)ボードなどからなりインターネットに代表されるネットワーク13を介して他のPC11や管理サーバ12と通信する。
人間関係DB75は、管理サーバ12において管理すべきSNSの会員間のうち、どの会員とどの会員とが友達関係が成立しているかを管理するデータベース(DB)である。また、人間関係DB75には、会員個々の個人情報として、氏名、生年月日、電子メールのアドレス、公開中のブログのURL、および顔写真なども対応付けて登録されている。
コンテンツ作成者用アップロード設定DB76は、コンテンツの作成者である会員が自らのPC11からネットワーク13を介して管理サーバ12にコンテンツをアップロードするとき、作成者のPC11に問合せとして送信され、作成者のPC11からの応答により作成されるコンテンツ作成者用アップロード設定のデータベース(DB)である。コンテンツ作成者用アップロード設定は、作成者が所望とする、コンテンツの作成者とコンテンツのダウンロードを要求する要求者との人間関係に基づいて設定される公開レベルを示した情報であり、アップロードされたコンテンツに対応付けて登録される。
コンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77は、管理サーバ12にコンテンツがアップロードされるとき、管理サーバ12からコンテンツの被写体となる人物である被利用者の会員のPC11に対して問合せとして送信され、被利用者のPC11からの応答に基づいて作成されるコンテンツ被利用者用プライバシ設定のデータベースである。コンテンツ被利用者用プライバシ設定は、コンテンツの被利用者が所望とする、コンテンツ被利用者とコンテンツのダウンロードを要求する要求者との人間関係に基づいて設定される公開レベルを示した情報であり、アップロードされたコンテンツに対応付けて登録される。
コンテンツDB78は、会員が自らのPC11などで作成し、管理サーバ12より公開しているブログなどにアップロードされている画像などからなるコンテンツを管理するためのデータベースと共に、コンテンツそのものを蓄積している。
さらに、制御部71は、コンテンツ管理部91、公開レベル取得部92、人間関係確認部93、公開レベル特定部94、コンテンツ変換部95、およびメタデータ変換部96を備えている。
コンテンツ管理部91は、コンテンツの作成者である会員が自らのPC11からネットワーク13を介してアップロードしてきたコンテンツを取得し、作成者の情報と共にコンテンツDB78に登録する。また、コンテンツ管理部91は、コンテンツのダウンロードの要求があった要求者のPC11に対し、必要に応じてコンテンツを送信する。
公開レベル取得部92は、コンテンツがアップロードされてくるとき、ダウンロードの要求があった要求者およびコンテンツの作成者の人間関係、並びに要求者および被利用者の人間関係に基づいて、公開レベルを設定する情報を作成者および被利用者に要求し取得する。この公開レベルを設定する情報は、作成者により設定されるコンテンツ作成者用アップロード設定と、被利用者により設定されるコンテンツ被利用者用プライバシ設定とがある。より詳細には、公開レベル取得部92は、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102を備えており、それぞれがコンテンツ作成者用アップロード設定、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定を管理する。
コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101は、コンテンツがアップロードされてくるとき、コンテンツをアップロードしてきた作成者のPC11に対して、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットを送信して、必要な情報を入力するように要求する。また、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101は、この要求に応じて応答として、コンテンツの作成者のPC11より、必要な情報が入力された状態で送信されてくるコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットを取得し、コンテンツ作成者用アップロード設定DB76に登録する。
コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、コンテンツがアップロードされてくるとき、コンテンツである画像より顔画像を検索し、コンテンツに含まれる被写体である被利用者の顔画像と、人間関係DB75に登録されている個人情報の顔画像とを照合することで、被利用者がどの会員であるかを特定する。そして、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、特定した被利用者の会員のPC11に対して、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットを送信して、必要な情報を入力するように要求する。さらに、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、この要求に応じて応答として、コンテンツの被利用者のPC11より、必要な情報が入力された状態で送信されてくるコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットを取得し、コンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77に登録する。
人間関係確認部93は、会員のPC11よりコンテンツのダウンロードが要求されてきたとき、ダウンロードを要求する要求者、コンテンツの作成者、およびコンテンツの被利用者との相互の人間関係を人間関係DB75の情報に基づいて人間関係グラフにより特定する。ここで、人間関係グラフとは、例えば、図4で示されるようなものである。すなわち、図4の人間関係グラフGは、会員A乃至Gについての人間関係を示したものである。人間関係グラフGにおいて、コラム状の箱は、会員A乃至Gを示しており、それぞれを結ぶ線L1乃至L9が、相互に友達関係が成立している関係を示している。このため、例えば、会員Aは、線L1,L4,L5により、それぞれ会員F,B,Dと友達関係が成立していることが示されている。従って、会員Aは、友人関係が成立している会員が3人存在することが示されている。
また、会員Bは、線L3,L4,L9により会員C,A,Dと友達関係が成立していることが示されている。さらに、会員Cは、線L2,L3,L6,L7により会員F,B,D,Gと友達関係が成立していることが示されている。同様に、会員Dは、線L5,L6,L8,L9により会員A,C,E,Bと友達関係が成立していることが示されている。また、会員Eは、線L8により会員Dと友達関係が成立していることが示されている。さらに、会員Fは、線L1,L2により会員A,Cと友達関係が成立していることが示されている。また、会員Gは、線L7により会員Cと友達関係が成立していることが示されている。また、この人間関係グラフGから以下のようなことが読み取れることになる。すなわち、会員B,Fは共通の会員A,Cと友達関係が成立している。さらに、会員B,Eは直接友達関係は成立していないが、いずれも会員Dと友達関係が成立している。
図4で示されるような人間関係グラフGが構成されることにより、各会員間の親密度を推定することが可能となる。すなわち、例えば、会員Aは、会員Bと友達関係が成立しているが、会員Cとは友達関係が成立していない。さらに、会員Bは会員Cと友達関係が成立している。このため、会員A,Cは、人間関係グラフG上では直接の友達関係が成立してはいないが、実際には(SNS以外では)友達関係である可能性があることが推定される。さらに、会員C,Gは友達関係が成立している。従って、会員A,Gも、人間関係グラフG上では直接の友達関係が成立してはいないが、実際には(SNS以外では)、友達関係である可能性があることも推定される。しかしながら、会員A,Cが友達関係である可能性の方が、会員A,Gが友達関係である可能性よりも高いことが推定される。これは、人間関係グラフにおける会員相互の線L1乃至L9のそれぞれを等しい距離と考えたとき、この距離に起因して推定することができるものである。
そこで、この人間関係グラフGにおいては、介在する線の数に応じて距離を示すホップ数が設定されるものとする。例えば、会員A,C間には線L3,L4が存在するので、相互の人間関係でいう距離は2ホップである。また、会員A,G間には、線L4,L3,L7が存在するので、相互の距離は3ホップとなる。従って、ホップ数が小さいほど会員間の親密度が高く、ホップ数が大きいほど会員間の親密度は低いものとみなすことができる。
従って、会員A,Fおよび会員C,Fは、相互にホップ数が1であるので親密度は同じである。また、会員A,D、会員B,D、および会員C,Dについても、それぞれホップ数が1であるので、親密度は同様である。しかしながら、会員A,D、および会員C,Dについては、相互の距離が1ホップであるのみならず、さらに、相互に共通の友達関係が成立する会員Bが存在する。従って、会員A,D、および会員C,Dの親密度は、相互の関係の他に、さらに、共通の友達関係が成立している会員Bが存在する分だけ、会員A,Fおよび会員C,Fよりも高い親密度であることが推定される。
人間関係確認部93は、人間関係DB75に登録された情報から図4で示されるような人間関係グラフを生成し、さらに、コンテンツの作成者と要求者、および、被利用者と要求者のそれぞれの親密度を求める。さらに、人間関係確認部93は、この親密度に基づいて、コンテンツ作成者用アップロード設定、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定における設定内容に応じてコンテンツが要求者に公開可能であるか否かを判定する。
コンテンツ作成者用アップロード設定DB76にはコンテンツ作成者用アップロード設定がコンテンツに対応付けて登録されている。また、コンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77にはコンテンツ被利用者用プライバシ設定がコンテンツに対応付けて登録されている。コンテンツ作成者用アップロード設定およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定は、それぞれ作成者および被利用者により設定される情報であって、いずれも人間関係グラフから特定される会員間の親密度に応じたコンテンツの公開レベルを示す情報である。
そこで、公開レベル特定部94は、コンテンツ作成者用アップロード設定DB76、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77に基づいて、コンテンツの作成者、被利用者、および要求者の親密度に応じて公開レベルを特定する。
コンテンツ変換部95は、公開レベル特定部94により特定された公開レベルとなるようにコンテンツを改変するように変換する。コンテンツ変換部95は、公開レベルが高いほどオリジナルのコンテンツに近い状態に改変し、公開レベルが低いほど、例えば、画像などの被写体が認識し難いものとなるように低解像度化したり、縮小化したり、トリミングを掛けたり、またはマスクを掛けたりといった手法による改変を加えることで、コンテンツを変換する。尚、ここでいう、改変後のコンテンツが、オリジナルのコンテンツに近い状態に改変されるとは、オリジナルのコンテンツに対して、改変後のコンテンツの抽象度が低く、情報量の減少も小さい状態に改変されることを示しており、オリジナルのコンテンツに近い程、改変後のコンテンツを見れば、オリジナルのコンテンツとして認識できるものとなる。逆に、改変後のコンテンツが、オリジナルのコンテンツに遠い状態とは、オリジナルのコンテンツに対して、改変後のコンテンツの抽象度が高く、情報量の減少も大きい状態に改変されることを示しており、オリジナルのコンテンツから遠い程、改変後のコンテンツを見てもオリジナルのコンテンツとして認識し難いものとなる。
メタデータ変換部96は、コンテンツに付加されているメタデータを公開レベルに応じた形式に変換する。例えば、メタデータとしては、コンテンツが画像である場合、exif情報などであり、すなわち、顔が含まれるか、背景、明るさ、ぶれ、ピント、構図、撮影場所、撮影日時、メーカ、機種、絞り、露出補正、ISO感度、シャッタースピード、焦点距離、およびサムネイルなどである。
より具体的には、メタデータ変換部96は、例えば、図5で示されるように変換する。尚、図5においては、最左部に変換前のオリジナルのメタデータが示されており、左から親密度の高い順に、すなわち、公開レベルが高い順に親密度A乃至Dの変換結果が示されている。また、図5においては、上からコンテンツである画像を撮像したカメラのメーカ、撮影場所、および機種といったメタデータの変換例が示されている。
すなわち、例えば、図5の上から2段目で示されるメーカであるような場合、親密度の最も高い状態で、公開レベルが最も高い親密度Aのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「A電機株式会社」をそのまま変換結果として使用する。また、一段親密度が下がった親密度B、すなわち、公開レベルが1段下がったようなとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「A電機株式会社」を「日本の電気メーカ」に変換する。さらに、親密度が下がった親密度C、すなわち、公開レベルがさらに1段下がるとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「A電機株式会社」を「電気メーカ」に変換する。また、親密度が最も低い親密度Dのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「A電機株式会社」を「メーカ」に変換する。
また、例えば、図5の上から3段目で示される撮影場所を示す位置情報であるような場合、親密度の最も高い状態で、公開レベルが最も高い親密度Aのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「35.617304,139.728477」をそのまま変換結果として使用する。また、一段親密度が下がった親密度B、すなわち、公開レベルが1段下がったようなとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「35.617304,139.728477」を「東京都品川区大崎」に変換する。さらに、親密度が下がった親密度C、すなわち、公開レベルがさらに1段下がるとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「35.617304,139.728477」を「東京都西部」に変換する。また、親密度が最も低い親密度Dのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「35.617304,139.728477」を「日本」に変換する。
さらに、例えば、図5の最下段で示される撮影に使用したカメラの機種を示す情報であるような場合、親密度の最も高い状態で、公開レベルが最も高い親密度Aのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「Aシリーズ700」をそのまま変換結果として使用する。また、一段親密度が下がった親密度B、すなわち、公開レベルが1段下がったようなとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「Aシリーズ700」を「Aシリーズ」に変換する。さらに、親密度が下がった親密度C、すなわち、公開レベルがさらに下がるとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「Aシリーズ700」を「APS-Cデジタル一眼カメラ」に変換する。また、親密度が最も低い親密度Dのとき、メタデータ変換部96は、オリジナルの「Aシリーズ700」を「デジタル一眼カメラ」に変換する。
このように、公開されるコンテンツのメタデータも親密度に応じた公開レベルで改変された情報に変換される。結果として、親密度に応じて、コンテンツの被写体となる被使用者のプライバシを守りつつ、コンテンツを公開することが可能となる。
[コンテンツアップロード処理]
次に、図6のフローチャートを参照して、コンテンツアップロード処理について説明する。尚、以下の説明において、各会員が使用するPC11と管理サーバ12とのデータの授受においては、事前にID等で相互に確認済みであり、通信が確立した状態であるものとして説明するものとする。従って、管理サーバ12は、どのPC11からの情報がどの会員からのものであるかは認識できることを前提として説明を進めるものとする。
ステップS11において、コンテンツ作成者の使用するPC11の制御部31は、コンテンツアップロード部52を制御して、操作部34が操作されて、コンテンツのアップロードが指示されたか否かを判定し、指示されるまで、同様の処理を繰り返す。そして、ステップS11において、コンテンツのアップロードが指示された場合、処理は、ステップS12に進む。
ステップS12において、コンテンツアップロード部52は、通信部35を制御して、ネットワーク13を介して、管理サーバ12に対して、アップロードが指示されたコンテンツをアップロードする。
ステップS31において、管理サーバ12の制御部71のコンテンツ管理部91は、通信部74を制御して、ネットワーク13を介していずれかの会員のPC11よりコンテンツのアップロードがあったか否かを判定し、アップロードがあるまで同様の処理を繰り返す。ステップS31において、例えば、ステップS12の処理により、コンテンツのアップロードがあった場合、処理は、ステップS32に進む。
ステップS32において、コンテンツ管理部91は、通信部74を制御して、コンテンツ作成者のPC11よりアップロードされてくるコンテンツを取得し、コンテンツDB78に記録させる。
ステップS33において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101は、コンテンツをアップロードしてきたPC11の使用者であるコンテンツの作成者の情報を人間関係DB75より読み出して認識する。また、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、アップロードされたコンテンツである画像より顔画像を検索し、検索された顔画像について、人間関係DB75に登録された会員の個人情報である顔画像と照合し、被写体である被利用者である会員を認識する。
ステップS34において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101は、通信部74を制御して、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットと共に、必要な情報を入力して応答するように要求する情報を送信する。
ステップS13において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、通信部35を制御して、管理サーバ12より送信されてくる、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットと、その応答を求める要求の情報を取得する。
ステップS14において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、取得したコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットを表示部33に表示し、情報の入力を促す画像を表示する。ここで、表示部33に表示されるコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットは、例えば、図7で示されるようなものである。
すなわち、図7のコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットP1は、最上段に「コンテンツ作成者用アップロード設定」と表示され、その下にコンテンツを公開する相手の条件となる情報を入力する欄が設けられている。公開相手、すなわち、コンテンツのダウンロードを要求した要求者の条件として、入力欄B1,B2およびチェックボックスC1,C2が設けられている。図7においては入力欄B1には「2」が入力されており、チェックボックスC1がチェックされており、作成者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「2ポップ以内の人」に公開することが設定されている。また、その下の入力欄B2には「5」が入力されており、チェックボックスC2もチェックされており、作成者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「共通の友人が5人以上の人」に公開することが設定される。これらの公開相手の条件は、いわゆるORの条件であり、図7においては、作成者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「2ポップ以内の人」であるか、または、「共通の友人が5人以上の人」であればコンテンツの公開が要求されたときに公開を認めることが示されている。
さらに、公開レベルについては、コンテンツおよびメタデータ毎に設定項目が設けられている。すなわち、図7においては、「撮影場所」というメタデータについて、「そのまま」、「県」、「国」、および「公開拒否」が設けられており、そのいずれかを指定するチェックボタンM1乃至M4が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM2がオンにされ、公開レベルを「県」にすることが指定されている。また、「撮影日時」というメタデータについて、「そのまま」、「日」、「月」、「年」、および「公開拒否」が設けられており、そのいずれかを指定するチェックボタンM11乃至M15が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM12がオンにされ、公開レベルを「月」にすることが指定されている。さらに、コンテンツである「写真」について、「そのまま」、「トリミング」、「縮小」、および「公開拒否」が設けられており、そのいずれかを指定するチェックボタンM21乃至M24が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM22がオンにされ、公開レベルを「縮小」にすることが指定されている。さらに、メーカというメタデータについて、「そのまま」、および「公開拒否」が設けられており、そのいずれかを指定するチェックボタンM31,M32が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM31がオンにされ、公開レベルを「そのまま」にすることが指定されている。
このようにコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットP1により、公開相手となる要求者の人間関係グラフおける条件と、コンテンツおよびメタデータの公開レベルとが指定される。
ステップS15において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットに必要な情報が入力されたか否かを確認し、入力がなされていない場合、処理は、ステップS14に戻る。すなわち、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットに必要な情報が入力されるまで、ステップS14,S15の処理が繰り返される。そして、ステップS15において、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットに必要な情報が入力されたとみなされた場合、処理は、ステップS16に進む。
ステップS16において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部53は、通信部35を制御して、必要な情報が入力されたコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットの情報を管理サーバ12に送信し、処理は、ステップS11に戻る。
ステップS35において、コンテンツ作成者用アップロード設定管理部101は、コンテンツの作成者が利用するPC11より送信されてくるコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットの情報を取得して、アップロードされてきたコンテンツに対応付けて、コンテンツ作成者用アップロード設定DB76に登録する。
ステップS36において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、通信部74を制御して、コンテンツ被利用者のPC11に対して、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットと共に、必要な情報を入力して応答するように要求する情報を送信する。
ステップS51において、コンテンツ被利用者のPC11において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、通信部35を制御して、管理サーバ12より送信されてきたか否かを判定し、送信されてくるまで同様の処理を繰り返す。そして、ステップS51において、例えば、ステップS36の処理により、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットと、その応答を求める要求の情報が送信されてくると、処理は、ステップS52に進む。
ステップS52において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットと、その応答を求める要求の情報を取得する。
ステップS53において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、取得したコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットを表示部33に表示し、情報の入力を促す画像を表示する。ここで、表示部33に表示されるコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットは、例えば、図8で示されるようなものである。
すなわち、図8のコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットP2は、図7のコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットP1と同様のものであり、最上段に「コンテンツ被利用者用プライバシ設定」と表示され、その下にコンテンツを公開する相手の条件となる情報を入力する欄が設けられている。公開相手であるコンテンツのダウンロードを要求してきた要求者の条件として、入力欄B11,B12およびチェックボックスC11,C12が設けられている。図8においては入力欄B11には「1」が入力されており、チェックボックスC11がチェックされており、被利用者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「1ポップ以内の人」に公開することが設定されている。また、その下の入力欄B12には「8」が入力されており、チェックボックスC12もチェックされており、被利用者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「共通の友人が8人以上の人」に公開することが設定される。これらの公開相手の条件は、いわゆるORの条件であり、被利用者と要求者との人間関係グラフにおける関係が「1ポップ以内の人」であるか、または、「共通の友人が8人以上の人」であればコンテンツの公開が要求されたときに公開を認めることが示されている。
さらに、図8のコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットP2における、コンテンツおよびメタデータ毎に設定項目についても、図7におけるコンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットP1と同様である。従って、図8においては、「撮影場所」というメタデータについて、チェックボタンM51乃至M54が公開レベルの高い順に設けられており、今の場合、チェックボタンM52がオンにされ、公開レベルを「県」にすることが指定されている。また、「撮影日時」というメタデータについて、チェックボタンM61乃至M65が公開レベルの高い順に設けられており、今の場合、チェックボタンM63がオンにされ、公開レベルを「年」にすることが指定されている。さらに、コンテンツである「写真」について、チェックボタンM71乃至M74が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM74がオンにされ、公開レベルを「公開拒否」にすることが指定されている。さらに、メーカというメタデータについて、チェックボタンM81,M82が公開レベルの高い順に設けられている。今の場合、チェックボタンM81がオンにされ、公開レベルを「そのまま」にすることが指定されている。
このようにコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットP2についても、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットP1と同様に、公開相手となる要求者の人間関係グラフおける条件と、コンテンツおよびメタデータの公開レベルとが指定される。
ステップS54において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットに必要な情報が入力されたか否かを確認し、入力がなされていない場合、処理は、ステップS53に戻る。すなわち、コンテンツ作成者用アップロード設定のフォーマットに必要な情報が入力されるまで、ステップS53,S54の処理が繰り返される。そして、ステップS54において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットに必要な情報が入力されたとみなされた場合、処理は、ステップS55に進む。
ステップS55において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部54は、通信部35を制御して、必要な情報が入力されたコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットの情報を管理サーバ12に送信し、処理は、ステップS51に戻る。
ステップS37において、コンテンツ被利用者用プライバシ設定管理部102は、コンテンツの被利用者が利用するPC11より送信されてくるコンテンツ被利用者用プライバシ設定のフォーマットの情報を取得して、アップロードされてきたコンテンツに対応付けて、コンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77に登録する。
以上の処理により、コンテンツの作成者が管理サーバ12に作成したコンテンツをアップロードすると、コンテンツが管理サーバ12により保持される。また、管理サーバ12は、コンテンツの作成者に対して、ダウンロードを要求する要求者のうち、コンテンツの公開を認める要求者と作成者との人間関係における条件と、コンテンツを公開するときに加えるコンテンツおよびメタデータに対する公開レベルを設定するように要求し、その要求の応答内容に相当する設定をコンテンツ作成者アップロード設定DB76に登録する。さらに、管理サーバ12は、コンテンツの被利用者に対して、ダウンロードを要求する要求者のうち、コンテンツの公開を認める要求者と被利用者との人間関係における条件と、コンテンツを公開するときに加えるコンテンツおよびメタデータに対する公開レベルを設定するように要求し、その要求の応答内容に相当する設定をコンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77に登録する。
結果として、コンテンツの作成者および被利用者により、コンテンツの公開相手および公開レベルを特定することが可能となるので、コンテンツの配信を促進しつつ、コンテンツの被写体である被利用者のプライバシを保護することが可能となる。
[図2,図3のPCおよび管理サーバによるコンテンツダウンロード処理]
次に、図9のフローチャートを参照して、図2のPC11および図3の管理サーバ12によるコンテンツダウンロード処理について説明する。
ステップS71において、コンテンツのダウンロードを要求する要求者の所有するPC11のコンテンツダウンロード部51は、操作部34が操作されて、コンテンツのダウンロードが要求されたか否かを判定し、要求されるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS71において、例えば、操作部34が操作されて、コンテンツのダウンロードが要求されたと判定された場合、処理は、ステップS72に進む。
ステップS72において、コンテンツダウンロード部51は、通信部35を制御して、ネットワーク13を介して管理サーバ12に対して、コンテンツを指定する情報と共に、対応するコンテンツのダウンロードを要求する情報を送信する。
ステップS91において、管理サーバ12のコンテンツ管理部91は、通信部74を制御して、いずれかのPC11からコンテンツのダウンロード要求があるか否かを判定し、要求があるまで同様の処理を繰り返す。ステップS91において、例えば、ステップS72の処理により、コンテンツのダウンロードを要求する情報が送信されてきた場合、処理は、ステップS92に進む。
ステップS92において、コンテンツ管理部91は、コンテンツのダウンロード要求と共に指定されているコンテンツの情報を取得すると共に、コンテンツのダウンロードを要求する要求者を特定し、特定したコンテンツと要求者の情報を人間関係確認部93に供給する。
ステップS93において、人間関係確認部93は、特定されたコンテンツと要求者の情報からコンテンツ作成者用アップロード設定DB76より対応するコンテンツ作成者用アップロード設定を読み出す。さらに、人間関係確認部93は、特定された要求者と作成者との人間関係を示す人間関係グラフを作成し、コンテンツ作成者用アップロード設定に指定される条件を満たすか否かを確認する。すなわち、例えば、図7で示すようなコンテンツ作成者用アップロード設定がなされた場合、作成者からみて要求者が、「2ポップ以内の人」であるか、または、「共通の友人が5人以上の人」であるかを確認する。
ステップS94において、人間関係確認部93は、特定されたコンテンツと要求者の情報からコンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77より対応するコンテンツ被利用者用プライバシ設定を読み出す。さらに、人間関係確認部93は、特定された要求者と被利用者との人間関係を示す人間関係グラフを作成し、コンテンツ被利用者用プライバシ設定に指定される条件を満たすか否かを確認する。すなわち、例えば、図8で示すようなコンテンツ被利用者用プライバシ設定がなされた場合、被利用者からみて要求者が、「1ポップ以内の人」であるか、または、「共通の友人が8人以上の人」であるかを確認する。
ステップS95において、人間関係確認部93は、ステップS93,S94の確認結果からコンテンツの公開が可能であるか否かを判定する。すなわち、人間関係確認部93は、コンテンツ作成者用アップロード設定を満たし、かつ、コンテンツ被利用者用プライバシ設定を満たすか否かを判定する。ステップS95において、例えば、公開可能であると判定された場合、処理は、ステップS96に進む。
ステップS96において、公開レベル特定部94は、コンテンツ作成者用アップロード設定、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定の公開レベルをそれぞれ比較し、公開レベルの低い方を選択して、公開レベルとして特定する。すなわち、図7,図8のコンテンツ作成者用アップロード設定、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定においては、例えば、メタデータである「撮影場所」および「メーカ」については、それぞれ「県」、および「そのまま」であるので、「県」、および「そのまま」が公開レベルとして特定される。また、メタデータである「撮影日時」については、コンテンツ作成者用アップロード設定よりもコンテンツ被利用者用プライバシ設定の方が公開レベルが低いので、「月」が公開レベルとして特定される。さらに、コンテンツである「写真」については、コンテンツ作成者用アップロード設定よりもコンテンツ被利用者用プライバシ設定の方が公開レベルが低いので、「公開拒否」が公開レベルとして特定される。
ステップS97において、コンテンツ変換部95は、公開レベル特定部94により特定された公開レベルとなるようにコンテンツを改変するように変換する。また、メタデータ変換部96は、公開レベル特定部94により特定された公開レベルとなるようにメタデータの種類毎に変換する。
すなわち、コンテンツの公開レベルがトリミングであるような場合、コンテンツである写真のうち被利用者の存在する領域をトリミングするようにコンテンツを変換する。また、公開レベルが縮小であるような場合、写真を縮小するようにコンテンツを変換する。コンテンツの変換は、画像においては、この他にも低解像度化したり、顔の器官抽出処理により目の部分だけをマスク処理するようにしてもよい。また、動画像である場合、低ビットレート化するようにしてもよい。さらに、コンテンツが音声の場合、低ビットレート化したり、周波数変換するようにしてもよい。または、コンテンツがテキストであるような場合、一部をマスク処理したり、低解像度化するようにしてもよい。
ステップS98において、コンテンツ管理部91は、コンテンツ変換部95により変換されたコンテンツに、メタデータ変換部96により変換されたメタデータを付加し、通信部74を制御して、ネットワーク13を介して、要求者のPC11に送信する。
一方、ステップS95において、公開可能ではないと判定された場合、ステップS99において、コンテンツ管理部91は、通信部74を制御して、コンテンツのダウンロードを要求してきたPC11に対して、コンテンツの公開が不可であることを通知する。
ステップS73において、コンテンツのダウンロードを要求した要求者のPC11におけるコンテンツダウンロード部51は、通信部35を制御して、管理サーバ12からの通知を受信する。
ステップS74において、コンテンツダウンロード部51は、コンテンツが含まれていたか、すなわち、コンテンツが公開可能であって、ステップS98の処理によりコンテンツが送信されてきているか否かを判定する。ステップS74において、例えば、コンテンツが含まれていると判定されていた場合、ステップS75において、コンテンツダウンロード部51は、ダウンロードしたコンテンツを表示部33に表示する。
一方、ステップS74において、コンテンツがない、すなわち、ステップS99の処理により、コンテンツの公開が不可であると通知された場合、その旨を表示部72に表示し、コンテンツのダウンロードが認められなかったことを表示する。
以上の処理により、コンテンツのダウンロードが求められた際、ダウンロードの要求者とコンテンツの作成者の人間関係、および要求者とコンテンツの被利用者との人間関係に基づいて、コンテンツの公開、または、非公開を設定することが可能となる。また、公開できる場合に際しても、さらに、作成者および被利用者のそれぞれがコンテンツおよびメタデータの公開レベルを設定することが可能となり、公開レベルに応じてコンテンツおよびメタデータを改変するように変換して公開することが可能となる。
結果として、コンテンツの被利用者のプライバシを保護しつつ、コンテンツを公開することが可能となる。
尚、以上においては、コンテンツの公開相手の条件が1だけである場合について説明してきたが、様々な公開相手の条件を作成者と要求者との人間関係、および被利用者と要求者との人間関係に基づいて、複数の公開条件を設定し、公開条件毎に公開レベルを設定するようにしてもよい。このようにすることで、人間関係に応じた公開レベルを設定することができるので、親密度の高い要求者には高い公開レベルを設定し、親密度の低い要求者には低い公開レベルを設定することが可能となる。また、以上の例においては、コンテンツに含まれる被利用者は一人である場合について説明してきたが、複数の被写体、すなわち被利用者が同一の画像内に複数存在するような場合、それぞれが撮像されている領域について、人間関係に応じて公開するか否かを設定し、さらに、人間関係に応じて公開レベルを特定するようにしてもよい。また、複数の被利用者と要求者との人間関係について、例えば、多数決により最も多い人間関係に基づいて公開または非公開を設定するようにしてもよいし、さらに、最も多く希望する方法でコンテンツを変換するようにしてもよい。
また、以上においては、公開レベルについては、作成者および被利用者の公開レベルのうち、より低い公開レベルを選択する例について説明してきたが、いずれかの公開レベルを優先的に選択するようにしてもよいし、公開レベルのより高い方を選択するようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
[PCの第2の実施の形態]
以上においては、コンテンツを公開する相手をコンテンツの作成者と要求者との人間関係に基づいて、特定の条件を設定する例について説明してきたが、例えば、人間関係をスコア化した人間関係スコアとし、この人間関係スコアに応じて公開するか否かを設定するようにしてもよい。また、コンテンツのダウンロードを要求する要求者は、公開レベルについても要求したり、または、被利用者や作成者がダウンロードの要求を受けたときに問合を受ける設定を設けることにより、実際にダウンロードを要求した要求者が求める公開レベルについて問合せを受けて、問合せを受けたタイミングで要求者との人間関係スコアに基づいて決められるようにしてもよい。
図10は、公開レベルについて、被利用者や作成者が、ダウンロードが要求された段階で、要求者の求める公開レベルについて問合せを受け、問合せを受けたタイミングで決められるようにしたPC11の構成例である。尚、図10のPC11において、図2のPC11における構成と同一の機能を備えた構成については、同一の名称、および同一の符号を付すものとする。すなわち、図10のPC11において、図2のPC11と異なるのは、制御部31において、コンテンツダウンロード部51に代えて、コンテンツダウンロード部111を設け、問合受付部112を新たに設けた点である。
コンテンツダウンロード部111は、基本的に、コンテンツダウンロード部51と同様の機能を備えたものであるが、さらに、コンテンツの公開レベルを要求する情報を付加してコンテンツの公開を要求することができる。このように公開レベルを要求することにより、コンテンツ被利用者プライバシ設定およびコンテンツ作成者アップロード設定により設定された公開レベルと一致しない場合、管理サーバ12から作成者または被利用者のPC11に対して問合せが通知される。
問合受付部112は、コンテンツのダウロードが要求された管理サーバ12より、コンテンツのダウンロードを要求した要求者と被利用者との人間関係スコア、および、被利用者と作成者との人間関係スコアの情報を含む公開レベルの変更の要求や、公開の可否に関する問合せを受け付ける。さらに、問合受付部112は、受け付けた問合せに対する、被利用者または作成者の応答を要求し、被利用者または作成者により操作部34が操作されることで入力された応答を通信部35を制御して管理サーバ12に送信する。
[管理サーバの第2の実施の形態]
次に、図11を参照して、要求者からの公開レベルの要求を受け付けて、被利用者または作成者に問合せて、その応答に応じて公開レベルを特定するようにした管理サーバ12の構成例である。尚、図11の管理サーバ12において、図3の管理サーバ12における構成と同一の機能を備えた構成については、同一の名称、および同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
図11の管理サーバ12において、図3の管理サーバ12と異なるのは、人間関係確認部93に代えて人間関係確認部121を設け、さらに、新たに問合部122を設けた点である。
人間関係確認部121は、人間関係確認部93と基本的には同様の機能であるが、人間関係をスコア化した人間関係スコアと、ホップ数とを用いて確認する点で異なる。例えば、人間関係スコアとは、ホップ数と共通の友達関係が成立した会員数とをパラメータとして、例えば、(人間関係スコア)=(ホップ数)−(共通の友達関係が成立した会員数)×0.1などである。このようにすることで、例えば、ホップ数が同じであっても共通の友人が多い会員同士は、よりスコアが小さくなり、親密度が高いことが示される。また、このように標準化した情報を用いて人間関係を判断することが可能となるため、人間関係の条件設定や、人間関係の条件判断を容易で、かつ、迅速なものとすることができる。尚、人間関係スコアは、これ以外の計算方法で求めてもよいものであり、この手法に限定されるものではない。
問合部122は、コンテンツのダウンロードが要求されると、要求者から要求された公開レベルと、コンテンツ被利用者プライバシ設定およびコンテンツ作成者アップロード設定により設定された公開レベルとが一致しない場合、または、コンテンツ被利用者プライバシ設定およびコンテンツ作成者アップロード設定において、「問合せ」が設定されていた場合、対応するコンテンツの被利用者および作成者の少なくともいずれか一方に、公開レベルについての問合せを通知する。そして、問合部122は、この問合せに対する応答をPC11より受信すると、応答内容に応じた公開レベルの情報を公開レベル特定部94に供給する。
[「問合せ」を公開レベルに設定できるようにしたコンテンツ作成者アップロード設定]
また、第2の実施の形態においては、コンテンツ作成者アップロード設定に、公開レベルの選択肢として「問合せ」が設けられる。すなわち、図12のコンテンツ作成者アップロード設定のフォーマットP21で示されるように、公開レベルにおける各欄には、「問合せ」で示される選択肢のチェックボタンM101,M111,M121,M131が設けられており、「撮影場所」、「撮影日時」、「写真」、および「メーカ」について、いずれもコンテンツのダウンロードが要求された場合、問合せを受けて決定することが選択できる。図12においては、チェックボタンM111が選択されており、コンテンツのダウンロード要求があった場合、「撮影日時」について、管理サーバ12から作成者が問合せを受けるように設定されている。尚、図12のコンテンツ作成者アップロード設定のフォーマットP21において、図7のコンテンツ作成者アップロード設定のフォーマットP1と同様の機能を備えた構成については同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
また、ここでは、人間関係について、人間関係スコアが用いられるため、公開相手については、入力欄B2に代えて、入力欄B21が設けられており、図12においては、「人間関係スコアが5以内の人」に公開するとされている。すなわち、図12のコンテンツ作成者アップロード設定においては、公開相手の条件は、人間関係はホップ数と人間関係スコアにより設定される。
[問合せを公開レベルに設定できるようにしたコンテンツ被利用者プライバシ設定]
また、コンテンツ作成者アップロード設定と同様に、コンテンツ被利用者プライバシ設定についても、公開レベルの選択肢として「問合せ」が設けられる。すなわち、図13のコンテンツ作成者アップロード設定のフォーマットP31で示されるように、公開レベルにおける各欄には、「問合せ」で示される選択肢のチェックボタンM151,M161,M171,M181が設けられており、「撮影場所」、「撮影日時」、「写真」、および「メーカ」について、いずれもコンテンツのダウンロードが要求された場合、問合せを受けて決定することが選択できる。尚、図13のコンテンツ被利用者プライバシ設定のフォーマットP31において、図7のコンテンツ被利用者プライバシ設定のフォーマットP11と同様の機能を備えた構成については同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
また、ここでは、人間関係について、人間関係スコアが用いられるため、公開相手については、入力欄B12に代えて、入力欄B31が設けられており、図13においては、「人間関係スコアが8以内の人」に公開するとされている。すなわち、図13のコンテンツ被利用者プライバシ設定においても、公開相手の条件は、人間関係はホップ数と人間関係スコアにより設定される。
尚、図10のPC11および図11の管理サーバによる図12,図13を利用したコンテンツアップロード処理については、コンテンツ作成者アップロード設定およびコンテンツ被利用者プライバシ設定について、人間関係の条件をホップ数と人間関係スコアにしたことと、公開レベルについて「問合せ」を選択できる点が異なるのみであり、それ以外の処理については同様であるので、その説明は省略する。
[図10,図11のPCおよび管理サーバによるコンテンツダウンロード処理]
次に、図14のフローチャートを参照して、図10,図11のPC11および管理サーバ12によるコンテンツダウンロード処理について説明する。尚、図14のフローチャートにおけるステップS103乃至S106およびステップS120乃至S122の処理については、図9のステップS73乃至S76およびステップS97乃至S99の処理と同様であるので、その説明は適宜省略するものとする。また、ここでは、問合せについては、被利用者のPC11に対して送るものとし、被利用者のPC11から送られてくる応答のみを使用する例について説明するものとするが、当然のことながら作成者のPC11に対して問合せるようにしてもよいし、その両方に問合せるようにしてもよい。
すなわち、ステップS101において、コンテンツのダウンロードを要求する要求者の所有するPC11のコンテンツダウンロード部111は、操作部34が操作されて、コンテンツのダウンロードが要求されたか否かを判定し、要求されるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS101において、例えば、操作部34が操作されて、コンテンツを指定する情報および所望とするコンテンツの公開レベルを指定する情報が入力されて、ダウンロードが要求されたと判定された場合、処理は、ステップS102に進む。
ステップS102において、コンテンツダウンロード部111は、通信部35を制御して、ネットワーク13を介して管理サーバ12に対して、コンテンツを指定する情報、および所望とするコンテンツの公開レベルを示す情報と共に、対応するコンテンツのダウンロードを要求する情報を送信する。
ステップS111において、管理サーバ12のコンテンツ管理部91は、通信部74を制御して、いずれかのPC11からコンテンツのダウンロード要求があるか否かを判定し、要求があるまで同様の処理を繰り返す。ステップS111において、例えば、ステップS102の処理により、コンテンツのダウンロードを要求する情報が送信されてきた場合、処理は、ステップS112に進む。
ステップS112において、コンテンツ管理部91は、コンテンツのダウンロード要求と共に指定されているコンテンツの情報と、要求者が所望とする公開レベルを示す情報を取得すると共に、コンテンツのダウンロードを要求する要求者を特定し、特定したコンテンツと要求者の情報を人間関係確認部121に供給する。
ステップS113において、人間関係確認部121は、特定されたコンテンツと要求者の情報からコンテンツ作成者用アップロード設定DB76より対応するコンテンツ作成者用アップロード設定を読み出す。さらに、人間関係確認部121は、特定された要求者と作成者との人間関係を示す人間関係グラフを作成し、さらに、相互の会員のホップ数および人間関係スコアを算出する。そして、人間関係確認部121は、求められたホップ数および人間関係スコアから、コンテンツ作成者用アップロード設定に指定される条件を満たすか否かを確認する。すなわち、例えば、図12で示すようなコンテンツ作成者用アップロード設定がなされた場合、作成者からみて要求者が、「2ポップ以内の人」であるか、または、「人間関係スコアが5以内の人」であるかを確認する。
ステップS114において、人間関係確認部121は、特定されたコンテンツと要求者の情報からコンテンツ被利用者用プライバシ設定DB77より対応するコンテンツ被利用者用プライバシ設定を読み出す。さらに、人間関係確認部121は、特定された要求者と被利用者との人間関係を示す人間関係グラフを作成し、さらに、相互の会員のホップ数および人間関係スコアを算出する。そして、人間関係確認部121は、求められたホップ数および人間関係スコアから、コンテンツ被利用者用プライバシ設定に指定される条件を満たすか否かを確認する。すなわち、例えば、図13で示すようなコンテンツ被利用者用プライバシ設定がなされた場合、被利用者からみて要求者が、「1ポップ以内の人」であるか、または、「人間関係スコアが8以内の人」であるかを確認する。
ステップS115において、人間関係確認部121は、ステップS113,S114の確認結果からコンテンツの公開が可能であるか否かを判定する。すなわち、人間関係確認部121は、コンテンツ作成者用アップロード設定を満たし、かつ、コンテンツ被利用者用プライバシ設定を満たすか否かを判定する。ステップS115において、例えば、公開可能であると判定された場合、処理は、ステップS116に進む。
ステップS116において、問合部122は、要求者の要求する公開レベルと、コンテンツ被利用者用プライバシ設定における公開レベルとが一致していないか、または、コンテンツ被利用者用プライバシ設定の公開レベルの設定において、「問合せ」が選択されているかにより、被利用者および作成者のPC11に対して問合せを送る必要があるか否かを判定する。
ステップS116において、例えば、図12で示されるようなコンテンツ作成者用アップロード設定である場合、「撮影日時」については「問合せ」のチェックボタンM111がオンにされているので、問合せの必要があるものとみなされる。ただし、ここでは、問合せは被利用者に対してのみであるものとして説明を進めるものとするので、判断の一例としてのみ説明するに留めておく。
また、ステップS116において、例えば、図13で示されるようなコンテンツ被利用者プライバシ設定である場合であって、要求者がコンテンツである写真の公開レベルを「そのまま」としたとき、図13のコンテンツ被利用者プライバシ設定では、「公開拒否」を選択するチェックボタンM74がオンにされているので、要求者と被利用者との公開レベルが一致しないので、被利用者のPC11に対して問合せを送る必要があると判定される。この場合、処理は、ステップS117に進む。
ステップS117において、問合部122は、人間関係確認部121を制御して、被利用者と作成者との人間関係グラフを作成して、ホップ数と人間関係スコアを算出させる。また、問合部122は、人間関係確認部121を制御して、被利用者と要求者との人間関係グラフを作成して、ホップ数と人間関係スコアを算出させる。問合部122は、このようにして人間関係確認部121により算出された情報と、該当項目を問合せるフォーマットを生成し、通信部74を制御して、被利用者のPC11に送信させる。尚、被利用者と要求者との人間関係グラフに基づいたホップ数と人間関係スコアは、ステップS114において求められているので、その結果を流用するようにしてもよい。
ステップS141において、被利用者のPC11の問合受付部112は、通信部35を制御して、管理サーバ12より問合せが送信されてきたか否かを判定し、送信されてくるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS141において、例えば、ステップS117の処理により問合せが送信されてきた場合、ステップS142において、問合受付部112は、通信部35を制御して送信されてきた問合せのフォーマットを受信して、表示部33に表示し、応答内容の入力を促すコメントを表示する。
このとき、表示部33には、例えば、図15で示されるようなフォーマットP41が表示される。すなわち、図15においては、最上段に「コンテンツダウンロード問合せ」と表示され、その下に「アップロードした人」として上段右部には被利用者からみたコンテンツの作成者との人間関係グラフG1が示されており、上段左部には、人間関係スコア表示欄B51、およびホップ数表示欄B52が設けられている。人間関係グラフG1においては、実線の丸印で囲まれた会員Aが被利用者を示しており、点線の丸印で囲まれた会員Cが作成者として示されている。このため、人間関係スコアを示す人間関係スコア表示欄B51には「1.9」(=2(ホップ数)−(共通の友達関係が成立している会員数:会員B)×0.1)が表示されており、ホップ数表示欄B52には「2」が表示されている。
さらに、その下には「ダウンロード要求人」と表示され、中段右部には、被利用者からみた要求者との人間関係グラフG2が示されており、中段左部には、人間関係スコア表示欄B61、およびホップ数表示欄B62が設けられている。人間関係グラフG2においては、実線の丸印で囲まれた会員Aが被利用者を示しており、点線の丸印で囲まれた会員Fが作成者として示されている。このため、人間関係スコアを示す人間関係スコア表示欄B51には「3」が表示されており、ホップ数表示欄B52には「3」(共通の友達関係が成立している会員がいないのでホップ数そのもの)が表示されている。
さらに、その下には、要求者が求めるコンテンツである「写真」の公開レベルの一覧が表示されており、公開レベルを設定するチェックボタンM201乃至M205が設けられており、それぞれ「そのまま」、「トリミング」、「縮小」、「公開拒否」、および「問合せ」について、コンテンツ被利用者プライバシ設定における状態が示されている。すなわち、図15では、コンテンツ被利用者プライバシ設定における設定内容である「公開拒否」を示すチェックボタンM204がオンにされている。また、要求者が所望とする公開レベルについては、点線で囲まれて表示されており、図15においては、「そのまま」が要求者の所望とする公開レベルであることが示されている。
さらに、その下には、このフォーマットの状態でOKであるとき操作される「OK」と表記されたボタンH1および要求者の公開レベルの要求を拒否するとき操作される「NG」と表記されたボタンH2が表示されている。
このような図15で示されるようなフォーマットP41が表示されることにより、被利用者は、フォーマットP41の中段および上段に表示される被利用者から見た作成者、および要求者との人間関係を確認した上で、最終的にどの公開レベルとするかを判断することが可能となる。被利用者は、操作部34を操作して、チェックボタンM201乃至M204のいずれでも選択することが可能である。その上で、ボタンH1が操作されれば、チェックボタンM201乃至M204のいずれかがオンにされた状態で応答が作成される。尚、チェックボタンM205については、再び問合せることとなるため、ここでは選択することができない。
ステップS143において、問合受付部112は、問合せのフォーマットP41に対して応答が入力されたか否かを判定し、入力が認められるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS143において、例えば、チェックボタンM201乃至M204のいずれかがオンにされて、ボタンH1が押下されたか、または、ボタンH2が押下されると、応答が完了したものとみなし、処理は、ステップS144に進む。
ステップS144において、問合受付部112は、応答内容が入力された問合せのフォーマットを通信部35を制御して、ネットワーク13を介して管理サーバ12に送信する。
ステップS118において、問合部122は、通信部74を制御して、応答内容が入力された問合せフォーマットを取得させ、取得した情報を公開レベル特定部94に供給する。
ステップS119において、公開レベル特定部94は、この問合せフォーマットの応答内容を優先の情報として、コンテンツ作成者用アップロード設定、およびコンテンツ被利用者用プライバシ設定の公開レベルをそれぞれ比較し、公開レベルの低い方を選択して、公開レベルとして特定する。すなわち、応答内容として、例えば、図15において、チェックボタンM201がオンにされた場合、公開レベル特定部94は、コンテンツ被利用者用プライバシ設定における設定である「公開拒否」を破棄して、「そのまま」を選択する。ただし、コンテンツ作成者用アップロード設定において、「そのまま」よりも低い公開レベルが設定されていた場合、公開レベル特定部94は、コンテンツ作成者用アップロード設定の公開レベルを選択するようにしてもよい。また、ここでは、被利用者に対する問合せのみをする例について説明したが、作成者にも問合せた場合については、被利用者の問合せの応答内容と、作成者の応答内容とのいずれか低い方の公開レベルが選択されるようにしてもよい。
以上の処理により、コンテンツのダウンロードが求められた際、コンテンツのダウンロードを要求する要求者は、公開レベルについても要求したり、または、被利用者や作成者がダウンロードの要求を受けたときに問合せを受ける設定を設けることにより、実際にダウンロードが要求された要求者が求める公開レベルについて問合せを受けて、問合せを受けたタイミングで要求者との人間関係スコアに基づいて決めるようにすることが可能となる。
結果として、被利用者および作成者は、コンテンツのダウンロードを求める要求者を一旦確認してから公開レベルを確定することができるので、被利用者のプライバシを適切に守りつつ、コンテンツのダウンロードを実現させることが可能となる。
また、人間関係をスコア化した人間関係スコアとし、この人間関係スコアに応じて公開するか否かを設定するようにすることが可能となる。
結果として、標準化されたスコアに基づいて公開相手の条件を設定することが可能となり、条件の設定と、条件を満たすか否かの判断を容易に、かつ、迅速にすることが可能となる。
<3.変形例>
[多機能型携帯電話機を用いた例]
以上においては、PC11および管理サーバ12により構成されるSNSシステムの例について説明してきたが、管理サーバ12と通信可能なものであれば、PC11に限られるものではなく、例えば、多機能型携帯電話機、いわゆるスマートフォンであってもよい。
図16は、図1のPC11に代えて、管理サーバ12と共にSNSシステムを構成する多機能型携帯電話機141の構成例を示している。尚、図14の多機能型携帯電話機141において、図10のPC11と同一の機能を備えた構成については、同一の名称および同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。すなわち、図16の多機能型携帯電話機141において、図10のPC11と異なるのは、さらに、個人認証部(SIM)151、タッチパネル152、無線通信部153、カメラ154、および位置情報検出部(GPS)155をさらに備えている点である。
個人認証部(SIM:Subscriber Identity Module)151は、多機能型携帯電話機141で使われている電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたIC(Integrated Circuit)カード(SIMカード)を認証し、多機能型携帯電話機の使用者が契約している電話番号を認識する。
タッチパネル152は、液晶パネルのような表示機能とタッチパッドのような位置入力機能とを組み合わせたものであり、画面上に情報を表示すると共に、画面上の表示情報を押圧、または、滑らせることで操作情報を入力する。基本的に、タッチパネル152は、表示部33、および操作部34を組み合わせた機能を備えたものであるが、表示部33および操作部34は、タッチパネル152とは別途設けられたものである。
無線通信部153は、制御部31により制御され、公衆回線を通じてネットワーク13上の管理サーバ12と通信し、各種の情報を授受する。
カメラ154は、制御部31により制御され、いわゆるテレビ電話などで使用する使用者の顔画像を撮像し、制御部31に供給する。また、カメラ154は、制御部31からの指令に基づいて、静止画を撮像し、撮像した画像を制御部31に供給する。
位置情報検出部155は、いわゆるGPS(Global Positioning System)であり、図示せぬ衛星からの信号に基づいて、自らの地球上の位置を緯度、および経度といった情報で取得する。
このような多機能型携帯電話機141、いわゆるスマートフォンは、無線通信部153などにより公衆回線を通じて管理サーバ12にアクセスすることができるので、場所にとらられることなく、上述したPC11とほぼ同様の機能を実現することができる。
従って、図6のコンテンツアップロード処理、および、図14のコンテンツダウンロード処理について、PC11と同様の機能を実現することができる。また、図16におけるコンテンツダウンロード部111に代えて、図2のコンテンツダウンロード部51を設けるようにすることで、図9のコンテンツダウンロード処理についても実現することが可能となる。
尚、多機能型携帯電話機141および管理サーバ12からなるコンテンツアップロード処理、および、コンテンツダウンロード処理については、多機能型携帯電話機141の処理がPC11によるものと略同様であるので、その説明を省略するものとする。
また、以上においては、人間関係については、会員間の友達関係の成立の有無を示す情報から人間関係グラフを生成して親密度を求める例について説明してきたが、友達関係のみならず、さらに、会員間で相互に流通させている情報量などにより親密度を推定するようにしてもよい。すなわち、親密度の高い会員間では、電子メールでのやり取りなどが頻繁に行われていることが考えられる。そこで、電子メールを含む会員間でのデータの流通量から親密度を求めるようにして、人間関係スコアを求めるようにしてもよい。
以上の如く、本開示の技術によれば、コンテンツを公開するような場合、コンテンツの作成者となる人物、被利用者となる人物、およびコンテンツの配信を要求する人物との相互の関係に応じた公開レベルで、オリジナルのコンテンツを改変して配信することで、コンテンツに含まれる被利用者のプライバシを維持しつつも、要求者にコンテンツを配信することが可能となる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図17は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタ-フェイス1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
入出力インタ-フェイス1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。