JP5938950B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

本発明はライ角とフェース面上の重心距離との調整ができるゴルフクラブヘッドに関する。
一般的に、ゴルフボールを打撃する際のゴルフクラブの打撃特性の一つとして、いわゆる、ボールの捕まり度合いが知られている。捕まり度合いとは、ゴルファがゴルフクラブを把持してゴルフボールを打撃する際に、インパクトの瞬間におけるゴルファが感じるフェース面の左右方向へのずれの程度をいう。
ゴルフスウィングとしては、インパクトの瞬間にフェース面をスクエアな状態にしてゴルフボールを打撃することが理想である。しかし、右利きのゴルファの場合において、ゴルファーを正面から見たときのゴルフクラブシャフトは、バックスウィングでは時計方向にねじれ、反対にダウンスウィングでは反時計方向にねじれる。そのため、ゴルファが、フェース面をスクエアな状態にしてゴルフフボールを打撃できるような位置に、ゴルフクラブヘッドを置いて構えたとしても、バックスウィングからダウンスウィングを経てインパクトの時点では、フェース面がスクエアな状態であるとは必ずしも限らない。
一般的に、ゴルファは、インパクト時のフェース面が閉じる(フェースアングルがスクエアからフック)な状態に近いほど、捕まり度合いが良いと感じる。逆に、フェース面が開く(フェースアングルがスクエアからスライス)な状態に近いほど、捕まり度合いが悪いと感じる。つまり、ゴルファが感じる捕まり度合いは、インパクト直前のフェース面の向きがクラブヘッドの返りの良さに対応していると言える。
ゴルファがゴルフクラブを把持してゴルフボールを打撃するとき、インパクトの瞬間にフェース面が開いた状態であれば、ゴルフボールはスライス回転で打ち出され、右方向に曲がり、飛距離は伸びない。このときゴルファは、ゴルフボールを的確な状態(スクエアな状態)で捕まえることができなかったと感じる。
これに対して、ゴルファがゴルフボールを打撃するとき、インパクトの瞬間にフェース面がスクエアな状態であれば、ゴルフボールはストレートに打ち出され、飛距離は伸びる。このときゴルファは、フェース面が的確な状態でゴルフボールを捕らえることができたとして、捕まり度合いが良かったと感じる。
このような捕まり度合いの程度は、当然に各ゴルファのスウィングに影響されるが、ゴルフクラブの仕様にも影響される。
ゴルフボールの捕まり度合いに影響を及ぼすゴルフクラブの仕様として、ライ角と、ゴルフクラブヘッドのフェース面上の重心距離とが挙げられる。
フェース面上の重心距離とは、ヘッド本体の重心をフェース面上に投影したフェース面上重心位置とシャフトの中心軸またはその延長線との最短距離をいう。
そして、一般的に、ライ角が大きくなるほど、また、フェース面上の重心距離が小さくなるほど捕まえ度合いは高くなり、ライ角が小さくなるほど、また、フェース面上の重心距離が大きくなるほど捕まえ度合いは低くなることが知られている。
フェース面上の重心距離(FGL)とは、ゴルフクラブヘッドを規定のライ角かつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、かつ、前記ゴルフクラブの前後方向と直交する投影面Vにフェース面上重心点とシャフトの中心軸とを投影した場合に、投影面V上におけるフェース面上重心点とシャフトの中心軸との最短距離をいう。
なお、捕まえ度合いは、高ければ高いほど良いものではなく、ゴルファーのスウィングの特徴などに合わせて最も使いやすい捕まえ度合いとすることが好ましい。
一方、ライ角やロフト角の調整を可能としたゴルフクラブヘッドが提案されている。
例えば、シャフト先端が差し込まれるシャフト挿入穴を有しかつヘッド本体のホゼルカラム差込穴に装着されるホゼルカラムを設け、ホゼルカラムをホゼルカラムシャフト挿入穴の軸心がホゼルカラム差込穴の軸心に対して傾斜するように構成したものが提案されている(特許文献1、段落0046,図1〜図7)。
この技術では、シャフトと共にホゼルカラムのホゼルカラム差込穴に対する位相(回転位置)を変えることでライ角やロフト角を調整するようにしている。
また、上記ホゼルカラムに相当するホーゼルスリーブを設け、上記と同様の手順でライ角などを調整するものが提案されている(特許文献2、段落0070、0071、図18、図20)。
また、シャフトスリーブと楔部材とを用いたゴルフクラブヘッドが提案されている(特許文献3,段落0105〜0110、図38〜図40)。このゴルフクラブヘッドでは、シャフトスリーブはシャフト先端が挿入されるシャフト穴を有している。シャフト穴はシャフトスリーブの本体と同軸でない長手軸を具備している。シャフトスリーブがシャフトの端部に結合されるときに、シャフトスリーブの長手軸がシャフトの長手軸に対してシャフト角αだけ角度付けられる。また、楔部材の両方の端面は相互に楔角度βだけ角度付けられ、楔部材がシャフトスリーブおよびホーゼルの間にはさまれたときに、シャフトのシャフトスリーブに対する方向が、楔部材のクラブヘッドに対する位置、およびシャフトスリーブのクラブヘッドに対する位置の組み合わせにより決定される。そして、シャフトスリーブおよび楔部材の位相(回転位置)を変えることでライ角やロフト角を調整するようにしている。
特開2011−103986号公報 特開2009−291602号公報 特開2011−62523号公報
上記従来技術は、ヘッド本体(ホーゼル穴の中心軸)に対するシャフトの中心軸の傾きを変えることでライ角やロフト角を調整するので、フェース面上の重心位置とシャフトの中心軸またはその延長線との位置関係が変化することから、フェース面上の重心距離が変化する。
したがって、ライ角やロフト角の調整は可能であるものの、フェース面上の重心距離は、ライ角やロフト角に追従して変化するに過ぎず、フェース面上の重心距離を所望の値に調整することはできないものであった。
したがって、ゴルファーが自らのスウィングの特徴などに合わせてライ角とフェース面上の重心距離とを別々に調整することはできず、ゴルフボールの捕まえ度合いを自由に調整することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され、前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されカートリッジ挿通孔を有するホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するリングと、シャフトが取着されると共に前記リングの前記カートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記リングを、前記リングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記カートリッジを前記カートリッジ挿通孔の中心軸の回りに90度旋回させることでなされることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され、前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されるホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するロアリングと、前記ロアリングに重ねられカートリッジ挿通孔を有するアッパーリングと、シャフトが取着されそれらリングのカートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの内部に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記ロアリングを、前記ロアリングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記アッパーリングを前記アッパーリングの中心軸の回りに90度旋回させることでなされることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され、前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されるホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するロアリングと、前記ロアリングに重ねられカートリッジ挿通孔を有するアッパーリングと、シャフトが取着されそれらリングのカートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの内部に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記ロアリングを、前記ロアリングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記アッパーリングを前記アッパーリングの中心軸の回りに90度旋回させることでなされることを特徴とする。
本発明によれば、ヘッド本体に対するシャフトの中心軸の位置と角度を変えることによって、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整する調整機構を設けた。
したがって、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整することができ、使い勝手のよいゴルフクラブヘッドを提供する上で有利となる。
第1の実施の形態におけるゴルフクラブヘッド10の分解斜視図である。 調整機構21の分解断面図である。 (A)はリング16の平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図である。 リング16の第1の調整位置を示す説明図である。 リング16の第2の調整位置を示す説明図である。 (A)はリング16の第1の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図、(B)はリング16の第2の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図である。 (A)はリング16の第1の調整位置でカートリッジ14を第1乃至第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図、(B)はリング16の第2の調整位置でカートリッジ14を第1〜第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図である。 フェース面22上の重心Gの位置の条件を説明する図である。 フェース面上重心距離FGLを説明するためのゴルフクラブヘッド10の平面図である。 図9のA矢視図である。 図9のB矢視図である。 第2の実施の形態におけるゴルフクラブヘッド10の分解斜視図である。 調整機構21の分解断面図である。 (A)はアッパーリング44の平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(B)のC矢視図である。 (A)はロアリング46の平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図である。 アッパーリング44の第1の調整位置を示す説明図である。 アッパーリング44の第2の調整位置を示す説明図である。 (A)はアッパーリング44の第1の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図、(B)はアッパーリング44の第2の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図である。 (A)はアッパーリング44の第1の調整位置でロアリング46を第1〜第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図、(B)はアッパーリング44の第2の調整位置でロアリング46を第1〜第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図である。 第3の実施の形態におけるゴルフクラブヘッド10の分解斜視図である。 (A)は調整機構21の平面図、(B)は調整機構21の正面図である。 調整機構21の断面図である。 カートリッジ58の斜視図である。 カートリッジ58の正面図である。 図21のAA線断面図である。 (A)はアッパーリング60の平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(A)のD矢視図、(E)は(A)のE矢視図、(F)はアッパーリング60の斜視図である。 (A)はロアリング62の平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(A)のD矢視図、(E)は(A)のE矢視図、(F)は(A)のEE線断面図である。 (A)はホーゼルベース64の平面図、(B)はホーゼルベース64の正面図である。 図28(B)のAA線断面図である。 ホーゼルベース64の斜視図である。 (A)はワッシャ94の正面図、(B)は(A)のBB線断面図、(C)は(A)のC矢視図、(D)はワッシャ94の斜視図である。 (A)は取り付けねじ20の平面図、(B)は取り付けねじ20の正面図、(C)は取り付けねじ20の斜視図である。 (A)はロアリング62の第1の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図、(B)はロアリング62の第2の調整位置におけるシャフト中心軸Lsの回転位置を示す説明図である。 (A)〜(D)はロアリング62の第1の調整位置におけるアッパーリング62の第1〜第4の回転位置の説明図である。 (A)〜(D)はロアリング62の第2の調整位置におけるアッパーリング62の第1〜第4の回転位置の説明図である。 (A)はロアリング62の第1の調整位置でアッパーリング62を第1〜第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図、(B)はロアリング62の第2の調整位置でアッパーリング62を第1〜第4の回転位置としたときのライ角θ、フェース面上重心距離FGLなどを示す説明図である。 実験例1の実験結果を示す図である。 実験例2の実験結果を示す図である。 実験例3の実験結果を示す図である。 実験例4の実験結果を示す図である。 実験例5の実験結果を示す図である。 実験例6の実験結果を示す図である。
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態におけるゴルフクラブヘッド10の分解斜視図である。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10がウッド型ゴルフクラブヘッドである場合について説明するが、本発明はアイアン型ゴルフクラブヘッドについても無論適用可能である。
ゴルフクラブヘッド10は、ヘッド本体12と、カートリッジ14と、リング16と、ホーゼルベース18と、取り付けねじ20と、調整機構21とを含んで構成されている。
調整機構21は、カートリッジ14、リング16、ホーゼルベース18、取り付けねじ20を含んで構成されている。
ヘッド本体12は金属製で、フェース面22と、ソール面24と、クラウン面26と、ホーゼルベース取り付け用孔28とを備えている。
フェース面22は、上下の高さを有して左右に延在している。
ソール面24は、フェース面22の下部に接続されフェース面22の下部から後方に延在している。
クラウン面26は、フェース面22の上部とソール面24の後部とを接続している。
ホーゼルベース取り付け用孔28は、クラウン面26のヒール寄りの箇所に上方に開放状に設けられ、後述するホーゼルベース18のカートリッジ挿通孔1802の輪郭に対応した長円状を呈している。
本実施の形態では、ホーゼルベース取り付け用孔28の長手方向は、ヘッド本体12のトウ−ヒール方向とほぼ平行するように形成されている。
図2に示すように、カートリッジ14は、ホーゼルベース18に取り付けられるものである。
カートリッジ14は、金属製のカートリッジ本体30を備えている。
カートリッジ本体30は、細長い円筒状を呈し、大径部32と小径部34とを有している。
大径部32から小径部34にわたりシャフト取り付け孔3002が形成され、小径部34の先端に取り付け部31が設けられ、言い換えると、取り付け部31は、大径部32とは反対側の小径部34の端部に設けられている。取り付け部31は、後述するリング16と共にホーゼルベース18に取り付けられる。
シャフト取り付け孔3002は円形で、シャフト2の先端が挿入される寸法で形成され、大径部32の内側部分では小径部34に形成されるシャフト取り付け孔3002よりも大径に形成された大径孔3002Aとなっている。
符号Lsはシャフト取り付け孔3002にシャフト2の先端が挿入された状態のシャフト中心軸を示しており、符号Lcはカートリッジ本体30の中心軸およびシャフト取り付け孔3002の中心軸を示しており、本実施の形態では、シャフト中心軸Lsとカートリッジ本体30の中心軸Lcは一致している。
大径部32と小径部34との境に環状の当接面36が形成され、当接面36は、中心軸Lcと直交する仮想平面に対して所定の傾斜角αで交差する仮想平面P0上を延在している。
また、本実施の形態では、大径部32を構成する周壁の肉厚は、図2に示すように、角度α傾斜した側では軸方向および周方向に均一で、この角度α傾斜した側から反対側に至るにつれ軸方向および周方向の肉厚が次第に大きくなるように形成されている。
シャフト取り付け孔3002の底部はシャフト2の先端面が当接される底壁3004によって閉塞されている。
シャフト2は、シャフト取り付け孔3002にその先端が挿入され、接着剤により接着され取着される。
図1に示すように、大径部32の小径部34寄りの端部に係合凹部38が周方向に90度の間隔をおいて4つ形成され、それら係合凹部38は大径部32の外周面と当接面36に開口している。
4つの係合凹部38のうち、対向する2つの係合凹部38のうちの一方は、仮想平面P0上で最も取り付け部31に近い箇所に設けられ、他方は、取り付け部31から最も遠い箇所に設けられている。
また、4つの係合凹部38のうち、残りの対向する2つの係合凹部38は、仮想平面P0上で前記の2つの係合凹部38の間の箇所に設けられている。
4つの係合凹部38は、後述するリング16の4つの係合凸部40にシャフト取り付け孔3002の中心軸Lc回りに90度旋回毎に係合するものである。
取り付け部31には、取り付けねじ20が螺合されるねじ孔3102が形成され、ねじ孔3102の中心軸はカートリッジ本体30の中心軸Lcと合致している。
リング16は金属製で、図3(A)、(B)、(C)に示すように、係合板部1601と、カートリッジ挿通孔1602と、複数の係合凸部40とを備えている。
係合板部1601は、平面視長円状を呈し、均一厚さを有している。係合板部1601は、リング16の中心軸Lr回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に後述するホーゼルベース18の係合凹部1805に係合される。
係合板部1601は下面1604と上面1606とを有している。
リング16の外周面1608は下面1604および上面1606と直交している。
カートリッジ挿通孔1602は、カートリッジ本体30の小径部34が挿通される円形を呈し、リング16がなす長円状の長手方向に延在するリング16の中心線Cr上に形成されている。
カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610は、リング16がなす長円状の長手方向に延在するリング16の中心線Cr上で、リング16の中心軸Lrよりも中心線Crの長手方向の一方に偏心した箇所に設けられ、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610はリング16の中心軸Lrと平行している。
すなわち、カートリッジ挿通孔1602は、係合板部1601に形成され、係合板部1601の中心軸Lrから変位した箇所に中心軸1610を有する。
複数の係合凸部40は、カートリッジ挿通孔1602の周囲の係合板部1601の箇所から突出されている。
すなわち、リング16の上面1606の4箇所に4つの係合凹部38とそれぞれ係合する4つの係合凸部40が突設されている。
4つの係合凸部40のうち対向する2つの係合凸部40は、リング16の中心線Cr上に位置し、残りの2つの係合凸部40は、中心線Crと直交しカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610を通る直線上に位置している。
したがって、カートリッジ挿通孔1602に小径部34が挿通され、上面1606に当接面36が当接され、4つの係合凸部40が4つの係合凹部38にそれぞれ係合することで、リング16はカートリッジ本体30に装着される。
この場合、リング16のカートリッジ本体30に対する位相を90度異ならせた4つの回転位置で4つの係合凸部40が4つの係合凹部38にそれぞれ係合する。
リング16がカートリッジ本体30に装着された状態、すなわち、各係合凸部40が各係合凹部38に係合され、かつ、各係合凸部40の上面4002がカートリッジ本体30の当接面36に当接した状態で、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610とカートリッジ本体30の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とは傾斜角αをなして交差する。
この傾斜角αは、リング16のカートリッジ本体30に対する4つの回転位置の何れにおいても同一である。
ホーゼルベース18は金属製で、図4、図5に示すように、ホーゼルベース取り付け用孔28に挿入され、ヘッド本体12に取着されるものである。
ホーゼルベース18は、リング16が装着されたカートリッジ14を収容保持するものであり、言い換えると、ホーゼルベース18は、カートリッジ14およびリング16を介してシャフト2が取着されるものである。
ホーゼルベース18は、断面が長円の筒状を呈している。
ホーゼルベース18は、図2に示すように、断面が長円状のカートリッジ挿通孔1802を有している。図中、符号Lhはホーゼルベース18(カートリッジ挿通孔1802)の中心軸を示す。
ホーゼルベース18の先端に、外側に広げられた長円状の鍔部1804が形成されている。
この鍔部1804は、図16に示すように、ヘッド本体10のホーゼルベース取り付け用孔28に係合可能に形成されている。
鍔部1804には、鍔部1804の長手方向にリング16の長手方向を一致させて隙間なくリング16を係合させる係合凹部1805が設けられている。すなわち、係合凹部1805は、ホーゼルベース18がヘッド本体10に固定された状態でヘッド本体10外に露出するホーゼルベース18の端部に設けられている。
リング16が係合凹部1805に係合された状態でカートリッジ挿通孔1802に、カートリッジ本体30の小径部34のうちリング16よりも取り付け部31側の部分が収容される。
ここで、符号Δdは、リング16の箇所において、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するリング16のカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610の偏心量を示す。
ホーゼルベース18は、図6(A)、(B)に示すように、リング16の位相が180度異なる2つの回転位置でリング16の外周縁が係合凹部1805の内周面に係合され、リング16の下面1604が係合凹部1805の内側底面に係合されることでカートリッジ14を保持する。図6(A)をリング16の第1の回転位置とし、図6(B)をリング16の第2の回転位置とする。
ホーゼルベース18は、カートリッジ14がリング16と共にホーゼルベース18に保持された状態で、リング16の中心軸Lrはホーゼルベース18の中心軸Lhと一致するように構成されている。
すなわち、図6(A)に示すリング16の第1の回転位置において、カートリッジ14は位相が90度異なる4つの回転位置でリング16の係合凸部40が係合凹部38に係合されることで4つの回転位置でリング16を介してホーゼルベース18に保持される。
また、図6(B)に示すリング16の第2の回転位置において、カートリッジ14は位相が90度異なる4つの回転位置でリング16の係合凸部40が係合凹部38に係合されることで4つの回転位置でリング16を介してホーゼルベース18に保持される。
したがって、リング16の第1の回転位置および第2の回転位置のそれぞれにおいて、シャフト中心軸Lsは、リング16のカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りに4つの回転位置を形成することになる。なお、図6(A)、(B)において、符号Ls−1、Ls−2、Ls−3、Ls−4のように符号Lsに付加したハイフンおよび数字は、カートリッジ14が第1〜第4の回転位置に位置したときのシャフト中心軸Lsをそれぞれ示す。
すなわち、カートリッジ14の回転位置は以下に示す第1〜第4の回転位置をとる。
第1の回転位置:リング16の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もトウ側に位置する(Ls−1)。
第2の回転位置:リング16の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も前方側に位置する(Ls−2)。
第3の回転位置:リング16の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もヒール側に位置する(Ls−3)。
第4の回転位置:リング16の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も後方側に位置する(Ls−4)。
ここで、前方、後方とは、ヘッド本体12の前後方向であり、トウ−ヒール方向と直交する方向である。
すなわち、リング16を第1、第2の回転位置にすることにより、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きが2段階に調整される。
さらに、リング16の第1、第2の回転位置のそれぞれにおいて、シャフト2と共にカートリッジ14を第1〜第4の回転位置にすることにより、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置が4段階に調整される。
ここで、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りとは、ホーゼルベース18の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース18の中心軸Lhと平行する回転軸回りである。
したがって、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置との組み合わせは合計8通りとなる。
図2に示すように、ホーゼルベース18の延在方向の中間部には、中間壁1806が長円状に形成されている。
中間壁1806には、取り付けねじ20を挿通可能な円形のねじ挿通孔1808が形成されている。
ねじ挿通孔1808の周囲の中間壁1806上に、取り付け部31の先端と中間壁1806との接触を阻止するゴムリング42が配置される。
図4に示すように、ホーゼルベース18は、鍔部1804がホーゼルベース取り付け用孔28の縁部に係合されることで、鍔部1804の長手方向がヘッド本体12のトウ−ヒール方向とほぼ平行した状態となる。そして、この状態で鍔部1804がホーゼルベース取り付け用孔28の縁部に接着あるいは溶接により取着されている。
また、ホーゼルベース18の下端は、ソール面24の形状に沿った傾斜部1810をなし、この傾斜部1810がソール面24に形成されたねじ挿通孔2402の縁部に接着あるいは溶接により取着される。
取り付けねじ20は、ソール面24のねじ挿通孔2402を挿通し、中間壁1806のねじ挿通孔1808を介して取り付け部31のねじ孔3102に螺合している。そして、取り付けねじ20の頭部が中間壁1806に当接することで、ゴムリング42が圧縮され、シャフト2およびカートリッジ14がホーゼルベース18を介してヘッド本体12に締結されている。
このようにシャフト2およびカートリッジ14がヘッド本体12に取着された状態で、カートリッジ14の係合凹部38がリング16の係合凸部40に係合し、かつ、リング16がホーゼルベース18の鍔部1804の内周縁に係合することで、シャフト2およびカートリッジ14の回転が阻止されている。
次に、図4、図5、図6(A)、(B)を参照して、ライ角θおよびフェース面上重心距離FGLの調整について説明する。なお、図4、図5において、シャフト2、取り付けねじ20、ゴムリング42は図示を省略する。また、図6(A)、(B)において、図を簡略化するためカートリッジ14を省略する。
フェース面上重心距離FGLは以下のように定義される。
図9〜図11に示すように、ゴルフクラブヘッド10を規定のライ角かつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面Hに設置する。
この状態で、ゴルフクラブヘッド10の前後方向と直交する投影面Vにフェース面上重心点Gとシャフト中心軸Lsとを投影した場合に、投影面V上におけるフェース面上重心点Gとシャフト中心軸Lsとの最短距離をフェース面上重心距離FGLとする。図中FCはフェース面22の中心点を示す。
なお、フェースアングルが0度とは、図9に示すように、ゴルフクラブヘッド10を規定のライ角度通りに設置し、かつ、その時のシャフト中心軸Lsとゴルフクラブヘッド10のフェース面22のリーディングエッジLegとが基準となる水平面Hの垂直上方から見て互いに平行となる状態をいう。
本例では、カートリッジ14がリング16と共にホーゼルベース18に保持された状態で、カートリッジ本体30の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)と、当接面36が延在する仮想平面P0と直交する仮想線L0とがなす傾斜角αが1度であり、リング16の箇所において、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610の偏心量Δdは1mmである。
図4は、図6(A)に示すようにリング16の第1の回転位置において、カートリッジ14が第1の回転位置(Ls−1)に位置した状態を示す。
リング16の第1の回転位置において、カートリッジ14は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
図5は、図6(B)に示すようにリング16の第2の回転位置において、カートリッジ14が第1の回転位置(Ls−1)に位置した状態を示す。
リング16の第2の回転位置において、カートリッジ14は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
このようにリング16の第1、第2の回転位置と、カートリッジ14の第1〜第4の回転位置との8通りの組み合わせにより、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置とが8通りに変化する。
図7(A)はリング16を第1の回転位置としカートリッジ14を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図7(B)はリング16を第2の回転位置としカートリッジ14を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図7(A)、(B)に示すように、リング16を第1、第2の回転位置にすることで、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きを変化させると、フェース面上重心距離FGLが2段階に変化する。
すなわち、リング16が第1の回転位置にあり、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがトウ寄りであると、フェース面上重心距離FGLが32.0mm(第1のフェース面上重心距離FGL1)である。
リング16が第2の回転位置にあり、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りであると、フェース面上重心距離FGLが34.0mm(第2のフェース面上重心距離FGL2)である。
言い換えると、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りになるほどフェース面上重心距離FGLが大きくなる。
また、図7(A)、(B)に示すように、カートリッジ14を第1〜第4の回転位置にすることで、カートリッジ挿通孔1602の中心軸1610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置を変化させると、ライ角θが3段階に変化する。
すなわち、図6(A)、(B)に示すように、カートリッジ14を第1の回転位置にし、リング16の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610よりもトウ側にすると、ライ角θが最大の59度(第3のライ角θ3)となる。
カートリッジ14を第3の回転位置にし、リング16の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610よりもヒール側にすると、ライ角θが最小の57度(第1のライ角θ1)となる。
カートリッジ14を第2または第4の回転位置にし、リング16の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔1602の中心軸1610と同じ位置とすると、ライ角θが中間の58度(第2のライ角θ2)となる。
したがって、本実施の形態では、カートリッジ14と、リング16と、ホーゼルベース18と、取り付けねじ20とによって、ヘッド本体12に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度を変えることにより、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構21が構成されており、調整機構21は、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成されている。
さらに言い換えると、調整機構21は、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト2の中心軸Lsの傾きと、ホーゼルベース18の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース18の中心軸Lhと平行する回転軸回りのシャフト2の中心軸Lsの回転位置とを変えることによってライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整するように構成されている。
また、ヘッド本体10に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度の変化は、リング16を、リング16の中心軸Lrの回りに180度旋回させると共に、カートリッジ14をカートリッジ挿通孔3002の中心軸Lcの回りに90度旋回させることでなされる。
また、調整機構21によるフェース面上の心距離FGLの調整は、第1のフェース面上の重心距離FGL1と第1のフェース面上の重心距離FGL1よりも大きな第2のフェース面上の重心距離FGL2との2段階に調整可能である。
また、調整機構21によるライ角θの調整は、ライ角θを第1のライ角θ1と第1のライ角θ1よりも大きな第2のライ角θ2と第2のライ角θ2よりも大きな第3のライ角θ3との3段階に調整可能である。
言い換えると、調整機構21は、以下の第1〜第6の調整位置を形成する。
1)ライ角θを第1のライ角θ1とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第1のフェース面上の重心距離FGL1とする第1の調整位置。
2)ライ角θを第1のライ角θ1とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第2の調整位置。
3)ライ角θを第2のライ角θ2とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第1のフェース面上の重心距離FGL1とする第3の調整位置。
4)ライ角θを第2のライ角θ2とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第4の調整位置。
5)ライ角θを第3のライ角θ3とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第1のフェース面上の重心距離FGL1とする第5の調整位置。
6)ライ角θを第3のライ角θ3とし、かつ、フェース面上の重心距離FGLを第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第6の調整位置。
ところで、厳密に言うと、調整機構21によってライ角θを第1〜第3のライ角θ1〜θ3に調整すると、フェース面上重心距離FGLは多少変化する場合もある。支点の位置を理想の位置(ライ角が変わってもFGLが変わらない位置)にすると、ホーゼル径が太くなるのは避けられない。そのため、F.P(フェースプログレッション)などが大きくなりすぎる場合もあり、支点の位置を理想の位置より少し上に置く場合もある。
ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整する上で、フェース面上の重心距離FGLの変化量を無視出来る程度の許容値以内に抑制することが好ましい。
フェース面上の重心距離FGLの変化量を許容値以内にするためには、フェース面22上の重心Gの位置が予め定められた条件を満たす必要がある。以下、フェース面22上の重心Gの位置の条件について説明する。
この場合、フェース面上重心距離FGLの変化量は、ライ角θの変化量が最大である場合に生じるので、ライ角θが最大値である場合と最小値である場合とで考える。
図8においてX軸およびY軸は投影面Vに規定された直交座標であり、X軸はソール面24が載置される水平面Hと平行し、Y軸はX軸と直交する。
ライ角θが最大のときのシャフト中心軸Lsを投影面Vに投影した直線を直線Aとし、直線AとX軸とがなす角度を角度θAとする。
ライ角θが最小のときのシャフト中心軸Lsを投影面Vに投影した直線を直線Bとし、直線AとX軸とがなす角度を角度θBとする。
直線A、Bの交点を原点O(0,0)とする。
フェース面22上の重心Gを投影面Vに投影した点を重心投影点gとする。
このとき、フェース面上の重心距離FGLの変化量を許容値ΔFGL以内とするためには、重心投影点gが以下に定義される領域Ag内に位置する必要がある。
領域Agは、以下の式(1)、式(2)で定義される第1の直線L1と第2の直線L2との間の図中ハッチングで示す領域となる。
第1の直線L1:
y≦−tan(90°−((θA+θB)/2))x+(ΔFGL/sin(θA−θB)×(1/cos(90°−((θA+θB)/2))) (1)
第2の直線L2:
y≧−tan(90°−((θA+θB)/2))x−(ΔFGL /sin(θA−θB)×(1/cos(90°−((θA+θB)/2))) (2)
重心投影点gが領域Ag内に位置している限り、ライ角θが変化しても、フェース面上の重心距離FGLの変化量が許容値ΔFGL以内に収まる。
なお、第1の実施の形態では、フェース面上の重心距離FGLの変化量の許容値ΔFGLをゼロとしている。
なお、第1のライ角θ1と第2のライ角θ2との差、第2のライ角と第3のライ角との差が小さ過ぎると、ゴルファーがゴルフボールの捕まえ度合いの変化を実感しづらい。
第1のライ角θ1と第2のライ角θ2との差、第2のライ角と第3のライ角との差がそれぞれ0.5度以上であれば、ゴルフボールの捕まえ度合いの変化をはっきりと実感することができ、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上でより有利となり、使い勝手のよいゴルフクラブヘッド10を提供する上でより一層有利となる。
また、第1のフェース面上の重心距離FGL1と第2のフェース面上の重心距離FGL2との差が小さ過ぎると、ゴルファーがゴルフボールの捕まえ度合いの変化を実感しづらい。
第1のフェース面上の重心距離FGL1と第2のフェース面上の重心距離FGL2との差が0.5mm以上であれば、ゴルフボールの捕まえ度合いの変化をはっきりと実感することができ、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上でより有利となり、使い勝手のよいゴルフクラブヘッド10を提供する上でより一層有利となる。
また、図7(A)、(B)に示すように、リング16の回転位置、カートリッジ14の回転位置の調整により、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βに多少の変化があるが、これらのパラメータは、ゴルフボールの捕まえ度合いに対して直接影響を与えないものであり、パラメータの変化量も無視できる程度の値である。
なお、フェース角FAとは、ウッド系のゴルフクラブヘッド10において、シャフト中心線Lsがゴルフクラブヘッド10の載置面(地面)と直交する垂直面上にある状態で、ゴルフクラブヘッド10を、ソール面24と載置面とが平行になるようにした状態で、フェース面22に平行な水平線と、前記の垂直面とがなす角度をいう。図中符号Hはフック方向の角度を示し、符号Sはスライス方向の角度を示している。
また、重心角βとは、ゴルフクラブヘッド12の重心から、シャフト中心軸Ls(またはその延長線上)に至る最短直線を定めたとき、ゴルフクラブヘッド12を、設定されるライ角通りに水平面上に載置し、前記最短直線とシャフト中心軸Ls(またはその延長線上)を、鉛直方向から水平面に向かって投影したとき、前記最短直線とシャフト中心軸Ls(またはその延長線上)との間で成す角βをいう。すなわち、重心角βは、前記最短直線の向きを表す角度である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、調整機構21は、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成されているので、ゴルファーが自らのスウィングの特徴などに合わせてライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを別々に調整することができる。
したがって、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上で有利となり、使い勝手のよいゴルフクラブヘッド10を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、シャフト2の先端に取着されたカートリッジ14を180度異なる2つの角度位置に位置させることでフェース面上重心距離FGLを調整するようにした。
したがって、ゴルフクラブのグリップにバックラインが形成されている場合、カートリッジ14を180度異なる2つの角度位置に位置させると、グリップのバックラインの位置も180度異なる位置に変化してしまう不都合が生じる。
そこで、第2の実施の形態では、カートリッジの角度位置を変えることなく、後述するアッパーリング44(図12)の角度位置を変えることでライ角θを調整し、ロアリング46の角度位置を変えることでフェース面上重心距離FGLを調整するようにした。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同一あるいは同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略しあるいは簡単に説明する。
図12に示すように、調整機構21は、カートリッジ42、アッパーリング44、ロアリング46、ホーゼルベース18、取り付けねじ20を含んで構成されている。
図13に示すように、カートリッジ42は、ホーゼルベース18に配置されるロアリング46と、ロアリング46に重ねられるアッパーリング44と、それらリング46,44を挿通してホーゼルベース18の内部に挿入されホーゼルベース18に取り付けられるものである。
カートリッジ42は、金属製のカートリッジ本体48を備えている。
カートリッジ本体48は、細長い円筒状を呈し、大径部50と小径部52とを有している。
大径部50から小径部52にわたりシャフト取り付け孔4802が形成され、小径部52の先端に取り付け部31が設けられている。
シャフト取り付け孔4802は円形で、シャフト2の先端が挿入される寸法で形成され、大径部50の内側部分では小径部52に形成されるシャフト取り付け孔4802よりも大径に形成された大径孔4802Aとなっている。
本実施の形態では、シャフト取り付け孔3002にシャフト2の先端が挿入された状態のシャフト中心軸Lsとカートリッジ本体48の中心軸Lcは一致している。
大径部50と小径部52との境に環状の段部55が形成されている。
図12、図13に示すように、段部55に、係合凹部56が周方向に90度の間隔をおいて4つ形成されている。係合凹部56は、後述するアッパーリング44の複数の係合凸部58にシャフト取り付け孔4802の中心軸Lc回りに90度旋回毎に係合するように設けられている。
4つの係合凹部56の底部には、シャフト取り付け孔3002の中心軸Lcに直交する平面上を延在し後述するアッパーリング44の複数の上端面5802(図14(A))に当接される当接面5602が設けられている。
また、本実施の形態では、大径部50を構成する周壁の肉厚は、図13に示すように、大径部50の直径方向の一方では軸方向および周方向に均一で、一方から他方に至るにつれ軸方向および周方向の肉厚が次第に大きくなるように形成されている。
シャフト取り付け孔4802の底部はシャフト2の先端面が当接される底壁4804によって閉塞されている。
シャフト2は、シャフト取り付け孔4802にその先端が挿入され、接着剤により接着され取着される。
アッパーリング44は金属製で、図14(A)、(B)、(C)に示すように、平面視円形を呈する筒状の本体4401と、下面59と、係合凹部4404と、複数の係合凸部58と、上端面5802とを備えている。
筒状の本体4401にはカートリッジ挿通孔4402が形成されている。
筒状の本体4401は平坦面からなる下面4404と上面4406と、円筒面状を呈する外周面4408とを有している。
カートリッジ挿通孔4402は、カートリッジ本体48の小径部52が挿通される円形を呈し、外周面4408と同軸上に形成されている。符号Lr1はカートリッジ挿通孔4402(外周面4408)の中心軸を示す。
下面59は、カートリッジ挿通孔4402の中心軸Lr1に対して直交する仮想平面と交差する仮想平面P2上を延在し後述するロアリング46の上面4606(図15(A)〜(C))に当接される。
係合凹部4404は、下面59に設けられカートリッジ挿通孔4402の中心軸回りでアッパーリング44の90度旋回毎に、後述するロアリング46の複数の係合凸部4612(図15(A)〜(C))に係合する。
複数の係合凸部58は、4個設けられ、カートリッジ挿通孔4402の周囲の筒状の本体4401の上面4406から突設されている。すなわち、4つの係合凸部58は、カートリッジ挿通孔4402の中心軸Lr1回りに90度の間隔をおいて配置されている。
複数の上端面5802は、複数の係合凸部58の上端にそれぞれ設けられ、カートリッジ挿通孔4402の中心軸に直交する仮想平面P1上を延在している。
したがって、下面59は、複数の上端面5802が延在する仮想平面P1と所定の傾斜角αをなして交差する仮想平面P2上を延在しているということができる。
したがって、カートリッジ挿通孔4402に小径部52が挿通され、上端面5802に当接面5602が当接され、4つの係合凸部58が4つの係合凹部56にそれぞれ係合することで、アッパーリング44はカートリッジ本体48に装着される。
この場合、リング16のカートリッジ本体48に対する位相を90度異ならせた4つの回転位置で4つの係合凸部58が4つの係合凹部56にそれぞれ係合する。
アッパーリング44がカートリッジ本体48に装着された状態、すなわち、各係合凸部58が各係合凹部56に係合され、かつ、上端面5802が当接面5602に当接した状態で、カートリッジ挿通孔4402の中心軸Lr1とカートリッジ本体48の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とは一致している。
ロアリング46は、図15(A)、(B)、(C)に示すように、係合板部4601と、カートリッジ挿通孔4602と、複数の係合凸部4612とを備えている。
係合板部4601は、平面視長円状を呈し、均一厚さを有している。係合板部4601は、ロアリング46の中心軸Lr2回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能にホーゼルベース18の係合凹部1805に係合される。
係合板部4601は平坦面からなる下面4604と上面4606とを有している。
係合板部4601の外周面1608は下面4604および上面4606と直交している。
カートリッジ挿通孔4602は、係合板部4601に形成されている。
カートリッジ挿通孔4602は、カートリッジ本体48の小径部52が挿通される円形を呈し、ロアリング46がなす長円状の長手方向に延在するロアリング46の中心線Cr上に形成されている。
カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610は、ロアリング46がなす長円状の長手方向に延在するロアリング46の中心線Cr上で、ロアリング46の中心軸Lr2よりも中心線Crの長手方向の一方に偏心した箇所に設けられ、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610はロアリング46の中心軸Lr2と平行している。
複数の係合凸部4612は、ロアリング46の上面4606にカートリッジ挿通孔4602と同軸上の円筒壁部としてカートリッジ挿通孔4602の周方向に間隔をおいて4つ形成されている。
4つの係合凸部4612は、アッパーリング44の4つの係合凹部4404にそれぞれ係合する。
したがって、アッパーリング44が装着されたカートリッジ本体48の小径部52がロアリング46のカートリッジ挿通孔4602に挿通され、アッパーリング44の4つの係合凹部4404がロアリング46の4つの係合凸部4612にそれぞれ係合し、アッパーリング44の下面59がロアリング46の上面4606に当接することで、ロアリング46はアッパーリング44を介してカートリッジ本体48に装着される。
この場合、アッパーリング44のカートリッジ本体48に対する位相を90度異ならせた4つの回転位置で、アッパーリング44の4つの係合凸部58がカートリッジ本体48の4つの係合凹部56にそれぞれ係合すると共に、アッパーリング44の4つの係合凹部4404がロアリング46の4つの係合凸部4612にそれぞれ係合する。
アッパーリング44およびロアリング46がカートリッジ本体48に装着された状態、すなわち、アッパーリング44の上端面5802がカートリッジ本体48の当接面5602に当接し、かつ、アッパーリング44の下面59がロアリング46の上面4606に当接した状態で、ロアリング46のカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610とカートリッジ本体48の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とは傾斜角αをなして交差する。
この傾斜角αは、アッパーリング44のカートリッジ本体48に対する4つの回転位置の何れにおいても同一である。
ホーゼルベース18は金属製で、ロアリング46が装着されたカートリッジ42を収容保持するものであり、言い換えると、ホーゼルベース18は、カートリッジ42、アッパーリング44、ロアリング46を介してシャフト2が取着されるものである。
ホーゼルベース18は、断面が長円の筒状を呈している。
図12,図13に示すように、ホーゼルベース18は、断面が長円状のカートリッジ挿通孔1802を有し、ホーゼルベース18の先端に、外側に広げられた長円状の鍔部1804が形成されている。
この鍔部1804には、鍔部1804の長手方向にロアリング46の長手方向を一致させて鍔部1804にロアリング46を係合させた状態で、それらを隙間なく係合させる係合凹部1805が設けられている。すなわち、係合凹部1805は、ホーゼルベース18がヘッド本体10に固定された状態でヘッド本体10外に露出するホーゼルベース18の端部に設けられている。
ロアリング46が係合凹部1805に係合された状態でカートリッジ挿通孔1802に、カートリッジ本体48の小径部52のうちロアリング46よりも取り付け部31側の部分が収容される。
ホーゼルベース18は、図18(A)、(B)に示すように、ロアリング46の位相が180度異なる2つの回転位置でロアリング46の外周縁が鍔部1804の係合凹部1805に係合されることでカートリッジ42およびアッパーリング44を保持する。図18(A)をロアリング46の第1の回転位置とし、図18(B)をロアリング46の第2の回転位置とする。なお、図18(A)、(B)において、図を簡略化するためカートリッジ42を省略する。
ホーゼルベース18は、カートリッジ42がアッパーリング44およびロアリング46と共にホーゼルベース18に保持された状態で、ロアリング46の中心軸Lr2はホーゼルベース18(カートリッジ挿通孔1802)の中心軸Lhと一致するように構成されている。
すなわち、図18(A)に示すロアリング46の第1の回転位置において、アッパーリング44は位相が90度異なる4つの回転位置でアッパーリング44の係合凹部4404がロアリング46の係合凸部4612に係合されることで4つの回転位置でアッパーリング44、ロアリング46を介してホーゼルベース18に保持される。
また、図6(B)に示すロアリング46の第2の回転位置において、アッパーリング44は位相が90度異なる4つの回転位置でアッパーリング44の係合凹部4404がロアリング46の係合凸部4612に係合されることで4つの回転位置でアッパーリング44、ロアリング46を介してホーゼルベース18に保持される。
したがって、ロアリング46の第1の回転位置および第2の回転位置のそれぞれにおいて、シャフト中心軸Lsは、ロアリング46のカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りに4つの回転位置を形成することになる。なお、図18(A)、(B)において、符号Ls−1、Ls−2、Ls−3、Ls−4のように符号Lsに付加したハイフンおよび数字は、カートリッジ42が第1〜第4の回転位置に位置したときのシャフト中心軸Lsをそれぞれ示す。
すなわち、アッパーリング44の回転位置は以下に示す第1〜第4の回転位置をとる。
第1の回転位置:ロアリング46の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もトウ側に位置する(Ls−1)。
第2の回転位置:ロアリング46の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も前方側に位置する(Ls−2)。
第3の回転位置:ロアリング46の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もヒール側に位置する(Ls−3)。
第4の回転位置:ロアリング46の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も後方側に位置する(Ls−4)。
すなわち、ロアリング46を第1、第2の回転位置にすることにより、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きが2段階に調整される。
さらに、ロアリング46の第1、第2の回転位置のそれぞれにおいて、アッパーリング44を第1〜第4の回転位置にすることにより、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置が4段階に調整される。
ここで、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りとは、ホーゼルベース18の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース18の中心軸Lhと平行する回転軸回りである。
したがって、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置との組み合わせは合計8通りとなる。
また、ホーゼルベース18の延在方向の中間部には、第1の実施の形態と同様の中間壁1806が長円状に形成され、中間壁1806には、取り付けねじ20を挿通可能な円形のねじ挿通孔1808が形成され、ねじ挿通孔1808の周囲の中間壁1806上にゴムリング42が配置されている。
ホーゼルベース18は、第1の実施の形態と同様に、鍔部1804がホーゼルベース取り付け用孔28の縁部に接着あるいは溶接により取着され、傾斜部1810がソール面24に形成されたねじ挿通孔2402の縁部に接着あるいは溶接により取着される。
取り付けねじ20は、ソール面24のねじ挿通孔2402を挿通し、中間壁1806のねじ挿通孔1808を介して取り付け部31のねじ孔3102に螺合している。そして、取り付けねじ20の頭部が中間壁1806に当接することで、ゴムリング42が圧縮され、シャフト2およびカートリッジ42がホーゼルベース18を介してヘッド本体12に締結されている。
このようにシャフト2およびカートリッジ42がヘッド本体12に取着された状態で、カートリッジ42の係合凹部56がアッパーリング44の係合凸部58に係合すると共に、アッパーリング44の係合凹部4404がロアリング46の係合凸部4612に係合し、かつ、ロアリング46がホーゼルベース18の係合凹部1805に係合することで、シャフト2およびカートリッジ42の回転が阻止されている。
次に、図16、図17、図18(A)、(B)を参照して、ライ角θおよびフェース面上重心距離FGLの調整について説明する。なお、図16、図17において、シャフト2、取り付けねじ20、ゴムリング42は図示を省略する。
本例では、アッパーリング44およびロアリング46がカートリッジ本体48に装着された状態で、ロアリング46のカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610とカートリッジ本体48の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とがなす傾斜角αが1度であり、ロアリング46の箇所において、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610の偏心量Δdは1mmである。
図16は、図18(A)に示すようにアッパーリング44の第1の回転位置において、ロアリング46が第1の回転位置(Ls−1)に位置した状態を示す。
アッパーリング44の第1の回転位置において、カートリッジ42は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
図17は、図18(B)に示すようにアッパーリング44の第2の回転位置において、ロアリング46が第1の回転位置(Ls−1)に位置した状態を示す。
アッパーリング44の第2の回転位置において、カートリッジ42は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
このようにアッパーリング44の第1、第2の回転位置と、ロアリング46の第1〜第4の回転位置との8通りの組み合わせにより、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置とが8通りに変化する。
図19(A)はアッパーリング44を第1の回転位置としロアリング46を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図19(B)はアッパーリング44を第2の回転位置としロアリング46を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図19(A)、(B)に示すように、アッパーリング44を第1、第2の回転位置にすることで、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きを変化させると、フェース面上重心距離FGLが2段階に変化する。
すなわち、アッパーリング44が第1の回転位置にあり、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがトウ寄りであると、フェース面上重心距離FGLが32.0mm(第1のフェース面上重心距離FGL1)である。
アッパーリング44が第2の回転位置にあり、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りであると、フェース面上重心距離FGLが34.0mm(第2のフェース面上重心距離FGL2)である。
言い換えると、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りになるほどフェース面上重心距離FGLが大きくなる。
また、図19(A)、(B)に示すように、ロアリング46を第1〜第4の回転位置にすることで、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置を変化させると、ライ角θが3段階に変化する。
すなわち、図19(A)、(B)に示すように、ロアリング46を第1の回転位置にし、ロアリング46の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610よりもトウ側にすると、ライ角θが最大の59度(第3のライ角θ3)となる。
ロアリング46を第3の回転位置にし、ロアリング46の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610よりもヒール側にすると、ライ角θが最小の57度(第1のライ角θ1)となる。
ロアリング46を第2または第4の回転位置にし、ロアリング46の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610と同じ位置とすると、ライ角θが中間の58度(第2のライ角θ2)となる。
したがって、第2の実施の形態では、カートリッジ14と、アッパーリング44と、ロアリング46と、ホーゼルベース18と、取り付けねじ20とによって、ヘッド本体12に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度を変えることにより、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構21が構成されており、調整機構21は、第1の実施の形態と同様に、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成されている。
さらに言い換えると、調整機構21は、ホーゼルベース18の中心軸Lhに対するシャフト2の中心軸Lsの傾きと、ホーゼルベース18の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース18の中心軸Lhと平行する回転軸回りのシャフト2の中心軸Lsの回転位置とを変えることによってライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整するように構成されている。
また、ヘッド本体10に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度の変化は、ロアリング46を、ロアリング46の中心軸Lr2の回りに180度旋回させると共に、アッパーリング44をアッパーリング44の中心軸(カートリッジ挿通孔4402の中心軸Lr1)の回りに90度旋回させることでなされる。
また、調整機構21によるフェース面上の心距離FGLの調整は、第1のフェース面上の重心距離FGL1と第1のフェース面上の重心距離FGL1よりも大きな第2のフェース面上の重心距離FGL2との2段階に調整可能である。
また、調整機構21によるライ角θの調整は、ライ角θを第1のライ角θ1と第1のライ角θ1よりも大きな第2のライ角θ2と第2のライ角θ2よりも大きな第3のライ角θ3との3段階に調整可能である。
また、調整機構21は、第1の実施の形態と同様に、第1、第2のライ角θ1、θ2と、第1〜第3のフェース面上の重心距離FGL1、FGL2、FGL3との組み合せに対応した第1〜第6の調整位置を形成する。
なお、第2の実施の形態においても、フェース面上の重心距離FGLの変化量を許容値以内にするためには、フェース面22上の重心Gの位置が予め定められた条件を満たす必要があり、フェース面22上の重心Gの位置の条件については前述した通りである。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にフェース面上の重心距離FGLの変化量の許容値ΔFGLをゼロとしてフェース面22上の重心Gの位置を定めた。
以上説明したように、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、調整機構21により、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整することができるので、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上で有利となり、使い勝手のよいゴルフクラブヘッド10を提供することができる。
また、アッパーリング44の位相を180度変更し、ロアリング46の位相を90度変更することで第1〜第6の調整位置を形成することができ、カートリッジ42およびシャフト2を回転する必要はない。
したがって、ゴルフクラブのグリップにバックラインが形成されている場合に、調整機構21によるライ角θとフェース面上重心距離FGLとの調整に際してグリップのバックラインの位置が180度異なる位置に変化してしまうことがなく使い勝手の向上を図る上で有利となる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態に比較してヘッド本体12のホーゼルベース取り付け用孔28の大きさをより縮小することでヘッド本体12の設計の自由度を確保しつつ、フェース面上重心距離FGLの変化量を最小限に抑制したものである。
また、ホーゼルベース取り付け用孔28(ホーゼル径)の楕円の短径を縮小することで、ドライバーヘッドとしての形状を確保し、F.P(フェースプログレッション)の短縮化を図るようにしたものである。
図20〜図22に示すように、調整機構21は、カートリッジ58、アッパーリング60、ロアリング62、ホーゼルベース64、取り付けねじ20、ワッシャ94などを含んで構成されている。
ヘッド本体12は、第1、第2の実施の形態と同様に構成され、ホーゼルベース64が挿入されるホーゼルベース取り付け用孔28を備えている。
図23〜図25に示すように、カートリッジ58は、ホーゼルベース64に配置されるロアリング62と、ロアリング62に重ねられるアッパーリング60と、それらリング62,60を挿通してホーゼルベース64の内部に挿入されホーゼルベース64に取り付けられるものである。
カートリッジ58は、金属製のカートリッジ本体66を備え、カートリッジ本体66にはシャフト取り付け孔6602が形成されている。
カートリッジ本体66は、細長い円筒状を呈し、大径部68と、大径部68と同軸上に設けられた小径部70とを有している。
大径部68の先端にシャフト取り付け孔6602が開口され、小径部70の先端に取り付け部31が設けられている。
シャフト取り付け孔6602は円形で、シャフト2(図20)の先端が挿入される寸法で形成されている。
本実施の形態では、シャフト取り付け孔6602は、同軸上に形成された上部孔部6602Aと、下部孔部6604Bとで構成されている。
上部孔部6604Aは、大径部68寄りにシャフト2の外径よりも大きな内径で形成されている。
下部孔部6604Bは、シャフト取り付け孔6602の残りの部分を構成し、シャフト2ががたつくことなく挿通される上部孔部6602Aよりも小さな内径で形成されている。
下部孔部6604Bの底部にシャフト2の先端面が当接される環状の底壁6604が設けられている。
下部孔部6602Bは、この下部孔部6602Bにシャフト2の先端が挿入された状態でシャフト取り付け孔6602の中心軸とシャフト中心軸Lsとが合致するように構成され、この状態でカートリッジ本体66は、シャフト2の先端に接着剤により接着され取着される。
小径部70の取り付け部31寄りの箇所には外周面に沿って凹溝7002が形成されている。図22に示すように、凹溝7002にゴム製のOリング7004が装着され、このOリング7004によって小径部70の端部と後述するホーゼルベース64とが接触することを防止している。
取り付け部31には、取り付けねじ20が螺合されるねじ孔3102が形成され、ねじ孔3102の中心軸はカートリッジ本体30の中心軸Lcと合致している。
本実施の形態では、ねじ孔3102は、底壁6604を貫通して形成され、ねじ孔3102の上部は、円形の板からなるリッド67で閉塞されている。
大径部68および小径部70の外周面は円筒面状を呈しており、これら円筒面状の外周面の中心軸とシャフト取り付け孔6602の中心軸とは一致している。
すなわち、図22に示すように、カートリッジ本体66がシャフト2の先端に取着された状態で、カートリッジ本体66の中心軸Lcとシャフト中心軸Lsは一致している。
図23〜図25に示すように、大径部50と小径部52との境に環状の当接面71が形成され、当接面71は中心軸Lcと直交する仮想平面上を延在している。
大径部68の小径部70寄りの端部に凹部72が周方向に90度の間隔をおいて4つ形成され、それら凹部72は大径部68の外周面と当接面71に開口し、凹部72の間は凸部74となっている。
4つの凹部72の底面7202は、カートリッジ本体66の中心軸Lcと直交する単一の仮想平面上を延在しており、図24に示す当接面71から凹部72の底面7202までの深さd1は2.5mmである。
これら凹部72および凸部74によってアッパーリング側係合部75が形成されている。
アッパーリング側係合部75は、後述するアッパーリング60のカートリッジ側係合部78(図20)に係合する。
言い換えると、小径部70と大径部68との境の箇所に段部が形成され、この段部にアッパーリング60のカートリッジ側係合部78にシャフト取り付け孔6602の中心軸Lc回りに90度旋回毎に係合するアッパーリング側係合部75が形成されている。
図26(A)〜(F)に示すように、アッパーリング60は金属製で、アッパーリング60は、筒状の本体76と、カートリッジ側係合部78と、ロアリング側係合部80とを備えている。
筒状の本体76は、外周面7601を有し外周面7601の中心から変位した箇所にカートリッジ本体66の小径部70が挿通可能なカートリッジ挿通孔7603が形成されている。
筒状の本体76の内側は、カートリッジ本体66の小径部70が挿通可能なカートリッジ挿通孔7603となっている。
本体76の軸方向の一方に平坦な環状の上端面7602が形成され、軸方向の他方に平坦な環状の下端面7604が形成されている。
上端面7602の外径は、外周面7601の外径よりも小さい寸法で形成され、上端面7602は、カートリッジ挿通孔7603の中心軸と同軸上に形成されている。
下端面7604の外径は、外周面7601と同一であり、下端面7604は、外周面7601と同軸上に形成され、したがって、下端面7604の外径の中心軸Lr2は、アッパーリング60の中心軸(以下アッパーリング60の中心軸L2という)と一致する。
したがって、上端面7602の外径の中心軸Lr1は、アッパーリング60の中心軸Lr2から離れた箇所で平行に延在している。
また、筒状の本体76の上端面7602の外径の中心軸Lr1はカートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0と一致している。
本実施の形態では、平面視したときに、上端面7602の中心軸Lr1および下端面7604の中心軸Lr2は、後述する第1下側凸部82Aと第3下側凸部82Cとを結ぶ仮想線Lxに交差している。
カートリッジ側係合部78は、筒状の本体76の軸方向の一方の端部に設けられている。
すなわち、カートリッジ側係合部78は、上端面7602の周方向に90度の間隔をおいて形成された4つの円弧状の上側凸部7802と、4つの上側凸部7802の間に形成された4つの上側凹部7804とで構成されている。
上側凸部7802は、カートリッジ本体66のアッパーリング側係合部75の凹部72と係合可能であり、上側凹部7804は、カートリッジ本体66のアッパーリング側係合部75の凸部74と係合可能である。
本実施の形態では、平面視したときに、下端面7604の直径方向に延在し、上端面7602の中心軸Lr1および下端面7604の中心軸Lr2を通る仮想線をLxとしたとき、4つの上側凹部7804のうち対向する2つの上側凹部7804が仮想線Lx上に位置している。
4つの上側凹部7804の底面は、上端面7602上を延在し、4つのカートリッジ側係合部78の先端面7802は上端面7602と平行する単一の仮想平面上を延在している。
上端面7602からカートリッジ側係合部78の先端面7802までの高さh1は、カートリッジ本体66の凹部72の深さd1(=2.5mm)と同一となっている。
ロアリング側係合部80は、筒状の本体76の軸方向の他方の端部に設けられている。
すなわち、ロアリング側係合部80は、下端面7604の周方向に90度の間隔をおいて形成された4つの円弧状の第1〜第4下側凸部82A〜82Dと、第1〜第4下側凸部82A〜82Dの間に形成された4つの下側凹部84とを備えている。
第1〜第4下側凸部82A〜82Dは、後述するロアリング62の上側凹部88(図20)と係合可能であり、4つの下側凹部84は、ロアリング62の上側凸部86と係合可能である。
本実施の形態では、平面視したときに、第1下側凸部82A、第3下側凸部82Cが前記仮想線Lx上で対向する箇所に位置している。
4つの下側凹部84の底面は、下端面7604上を延在している。
第1〜第4下側凸部82A〜82Dの先端面8202は、下端面7604と平行する仮想平面上を延在しているが、下端面7604から第1〜第4下側凸部82A、82B、82C、82Dまでの高さは、それぞれ異なっている。
すなわち、第1下側凸部82A〜第4下側凸部82Dの高さをそれぞれh2A、h2B、h2C、h2Dとすると、高さは以下の関係となる。
h2A>h2B=h2D>h2C
本実施の形態では以下の通りである。
h2A=2.25mm
h2B=h2D=2.1mm
h2C=2.0mm
したがって、カートリッジ挿通孔7603にカートリッジ本体66の小径部70が挿通され、4つのカートリッジ側係合部78の上側凸部7802がカートリッジ本体66の4つの凹部72にそれぞれ係合し、各カートリッジ側係合部78の上側凹部7804がカートリッジ本体66の4つの凸部74にそれぞれ係合することでアッパーリング60はカートリッジ本体66に装着される。
この場合、アッパーリング60のカートリッジ本体66に対する位相を90度異ならせた4つの回転位置で、アッパーリング60のカートリッジ側係合部78がカートリッジ58のアッパーリング側係合部75に係合する。
アッパーリング60がカートリッジ本体66に装着された状態で、カートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0とカートリッジ本体48の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とは一致している(図22)。
図27(A)〜(F)に示すように、ロアリング62は金属製で、筒状の本体84と、アッパーリング側係合部85と、ホーゼルベース側係合部87とを備えている。
筒状の本体84は、平面視長円状で、外周面8401を有し外周面8401の中心から変位した箇所にカートリッジ本体66の小径部70が挿通可能なカートリッジ挿通孔8403が形成されている。
筒状の本体84の中心軸Lr3は、筒状の本体84がなす長円状の長手方向に延在する筒状の本体84の中心線Cr0上で中心線Cr0の中心を通っている。
カートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4は、中心線Cr0上で、筒状の本体84の中心軸Lr3よりも中心線Cr0の長手方向の一方に偏心した箇所を通っている。また、カートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4は、筒状の本体84の中心軸Lr3から離れた箇所で中心軸Lr3と平行に延在している。
筒状の本体84の軸方向の一方に平坦な環状の上端面8402が形成され、軸方向の他方に平坦な環状の下端面8404が形成されている。
アッパーリング側係合部85は、筒状の本体84の軸方向の一方の端部に設けられている。
すなわち、アッパーリング側係合部85は、上端面8402にカートリッジ挿通孔8403と同軸上でカートリッジ挿通孔8403の周方向に90度の間隔をおいて形成された4つの円弧状の上側凸部86と、上側凸部86の間に形成された4つの上側凹部88とを備えている。
各上側凸部86は、アッパーリング60の4つの下側凹部84と係合可能であり、各上側凹部88は、アッパーリング60の第1〜第4下側凸部82A〜82Dと係合可能である。
4つの上側凹部88の底面8802は、上端面8402上を延在し、4つの上側凸部86の先端面8602は上端面8402と平行する単一の仮想平面上を延在している。
上側凸部86の先端面8602から上側凹部88の底面8802までの深さd2は、アッパーリング60の第1〜第4下側凸部82A〜82Dの高さのうち最小値h2C=2.0mmと同一である。
ホーゼルベース側係合部87は、筒状の本体84の軸方向の他方の端部に設けられロアリング62の中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に後述するホーゼルベース64の係合凹部6406(図20)に係合されるものである。
ホーゼルベース側係合部87は、筒状の本体84の外周面8408を含んで構成されている。
筒状の本体84の外周面8408には、筒状の本体84の中心軸Lr3を中心として90度の間隔をおいて4つの凹部90が筒状の本体84の軸方向に延在形成されている。
4つの凹部90のうち対向する2つの凹部90は、筒状の本体84の中心線Cr0上に位置し、残りの2つの凹部90は、筒状の本体84の中心線Crを挟む2箇所に位置している。
これら4つの凹部90は、後述するホーゼルベース64の凸部92(図28(A))に係合可能である。
したがって、カートリッジ挿通孔8403に、アッパーリング60が取着されたカートリッジ本体66の小径部70が挿通され、4つの上側凹部88がアッパーリング60の第1〜第4下側凸部82A〜82Dにそれぞれ係合し、各上側凹部88の底面8802が第1〜第4下側凸部82A〜82Dの先端面8202に当接することでロアリング62は、アッパーリング60を介してカートリッジ本体66に装着される。
この場合、ロアリング62のアッパーリング60に対する位相を90度異ならせた4つの回転位置で4つの上側凹部88がアッパーリング60の第1〜第4下側凸部82A〜82Dにそれぞれ係合する。
このように4つの回転位置でロアリング62がアッパーリング60に係合した状態で、ロアリング62のカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4とアッパーリング60のカートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0とは傾斜角αをなして交差する。
これは、アッパーリング60の第1〜第4下側凸部82A〜82Dの高さが前述した「h2A>h2B=h2D>h2C」の関係にあり、かつ、4つの上側凹部88の深さd2が最小値h2Cと同一であることによる。
ここで、アッパーリング60の作用について整理して説明すると以下の通りである。
アッパーリング60のロアリング側係合部80は、アッパーリング60がカートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0に対して90度旋回する毎にロアリング62のアッパーリング側係合部85に旋回不能に係合する。
また、アッパーリング60のロアリング側係合部80は、アッパーリング60が90度旋回してロアリング62のアッパーリング側係合部85に係合する毎に後述するホーゼルベース58のカートリッジ挿通孔6402の中心軸Lh(図22)に対してアッパーリング60のカートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0の傾きが変化すると共に、ホーゼルベース58のカートリッジ挿通孔6402の中心軸Lh回りにおけるアッパーリング60のカートリッジ挿通孔7603の中心軸Lr0の位置を変位させるように構成されている。
したがって、ロアリング62がアッパーリング60を介してカートリッジ本体66に装着された状態で、カートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4とカートリッジ本体48の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とは傾斜角αをなして交差する(図22)。
この傾斜角αは、アッパーリング60のロアリング62に対する4つの回転位置の何れにおいても同一である。
図28(A)、(B)、図29、図30に示すように、ホーゼルベース64は金属製で、アッパーリング60、ロアリング62が装着されたカートリッジ58を収容保持するものであり、言い換えると、ホーゼルベース64は、カートリッジ58、アッパーリング60、ロアリング62を介してシャフト2が取着されるものである。
ホーゼルベース64は、断面が円形のカートリッジ挿通孔6402を有し、ホーゼルベース64の先端に、外側に広げられた長円状の鍔部6404が形成されている。
この鍔部6404は、図20に示すように、ヘッド本体10のホーゼルベース取り付け用孔28に係合可能に形成されている。
図22,図28(A)、(B)に示すように、鍔部6404には、鍔部6404の長手方向にロアリング62の長手方向を一致させて隙間なくロアリング62を係合させる係合凹部6406が設けられている。すなわち、係合凹部6406は、ホーゼルベース64がヘッド本体10に固定された状態でヘッド本体10外に露出するホーゼルベース64の端部に設けられている。
カートリッジ挿通孔6402および鍔部6404は、ホーゼルベース64の中心軸Lhと同軸上に形成されている。
係合凹部6406にロアリング62が係合した状態でカートリッジ挿通孔6402に、カートリッジ本体66の小径部70のうちロアリング62よりも取り付け部31側の部分が収容される。
ホーゼルベース64は、ロアリング62の位相が180度異なる2つの回転位置でロアリング62の外周縁が鍔部6404の係合凹部6406に係合されることでカートリッジ58およびアッパーリング60を保持する。
また、係合凹部6406には、周方向に90度の間隔をおいて4つの凸部92が形成されており、これら4つの凸部92がロアリング62の4つの凹部90にそれぞれ係合することで、ホーゼルベース64の内縁部6406とロアリング62の筒状の本体84との間でのがたつきの発生が抑制されている。
ホーゼルベース64は、ロアリング62の位相が180度異なる2つの回転位置でロアリング62の筒状の本体84が鍔部6404の係合凹部6406に係合されることでカートリッジ58およびアッパーリング60を保持する。
図33(A)をロアリング62の第1の回転位置とし、図33(B)をロアリング62の第2の回転位置とする。
なお、図33では、図をわかりやすくするために、ロアリング62の長円状の長手方向を、長手方向と直交する方向よりも大きく誇張して描いており、また、図を簡略化するためカートリッジ58およびアッパーリング60を省略している。
同様に、図34、図35でも、図をわかりやすくするために、ロアリング62の長円状の長手方向を、長手方向と直交する方向よりも大きく誇張して描いており、また、図を簡略化するためカートリッジ58を省略している。
ホーゼルベース64は、カートリッジ58がアッパーリング60およびロアリング62と共にホーゼルベース64に保持された状態で、ロアリング62の中心軸Lr3がホーゼルベース64(カートリッジ挿通孔6402)の中心軸Lhと一致するように構成されている。
すなわち、図33(A)に示すロアリング62の第1の回転位置において、アッパーリング60は位相が90度異なる4つの回転位置でアッパーリング60のロアリング側係合部80がロアリング62のアッパーリング側係合部85に係合することで4つの回転位置でアッパーリング60、ロアリング62を介してホーゼルベース64に保持される。
図34(A)〜(D)に、ロアリング62が第1の回転位置である状態で、アッパーリング60をそれぞれ4つの回転位置に位置させたときの第1〜第4下側凸部82A〜82Dの位置関係を示す。
また、図33(B)に示すロアリング62の第2の回転位置において、アッパーリング60は位相が90度異なる4つの回転位置でアッパーリング60のロアリング側係合部80がロアリング62のアッパーリング側係合部85に係合することで4つの回転位置でアッパーリング60、ロアリング62を介してホーゼルベース64に保持される。
図35(A)〜(D)に、ロアリング62が第2の回転位置である状態で、アッパーリング60をそれぞれ4つの回転位置に位置させたときの第1〜第4下側凸部82A〜82Dの位置関係を示す。
したがって、ロアリング62の第1の回転位置および第2の回転位置のそれぞれにおいて、シャフト中心軸Lsは、ロアリング62のカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4回りに4つの回転位置を形成することになる。なお、図33(A)、(B)において、符号Ls−1、Ls−2、Ls−3、Ls−4のように符号Lsに付加したハイフンおよび数字は、カートリッジ58が第1〜第4の回転位置に位置したときのシャフト中心軸Lsをそれぞれ示す。
すなわち、アッパーリング60の回転位置は以下に示す第1〜第4の回転位置をとる。
第1の回転位置(図34(A)、図35(A)):ロアリング62の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もトウ側に位置する(Ls−1)。
第2の回転位置(図34(B)、図35(B)):ロアリング62の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も前方側に位置する(Ls−2)。
第3の回転位置(図34(C)、図35(C)):ロアリング62の箇所においてシャフト中心軸Lsが最もヒール側に位置する(Ls−3)。
第4の回転位置(図34(D)、図35(D)):ロアリング62の箇所においてシャフト中心軸Lsが最も後方側に位置する(Ls−4)。
すなわち、ロアリング62を第1、第2の回転位置にすることにより、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きが2段階に調整される。
さらに、ロアリング62の第1、第2の回転位置のそれぞれにおいて、アッパーリング60を第1〜第4の回転位置にすることにより、ロアリング62のカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4回りのシャフト中心軸Lsの回転位置が4段階に調整される。
ここで、カートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4回りとは、ホーゼルベース64の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース64の中心軸Lhと平行する回転軸回りである。
したがって、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4回りのシャフト中心軸Lsの回転位置との組み合わせは合計8通りとなる。
また、図29に示すように、ホーゼルベース64の延在方向の中間部には、第1の実施の形態と同様の中間壁6410が長円状に形成され、中間壁6410には、取り付けねじ20を挿通可能な円形のねじ挿通孔6412が形成され、ねじ挿通孔6412の周囲の中間壁6410上にゴムリング42(図22)が配置されている。
ホーゼルベース64は、第1の実施の形態と同様に、鍔部6404がホーゼルベース取り付け用孔28の縁部に接着あるいは溶接により取着される。
また、ホーゼルベース64の下端は、ソール面24の形状に沿った傾斜部6414をなし、この傾斜部1810がソール面24に形成されたねじ挿通孔2402の縁部に接着あるいは溶接により取着される。
図32(A)〜(C)に示すように、取り付けねじ20は、頭部2002と、頭部2002の下部に接続され頭部2002よりも小径の軸部2004と、軸部2004の下部に設けられ軸部2004よりも大径の雄ねじ部2006とを備えている。
頭部2002の上面にはドライバーが係合される係合溝2008が形成されている。
頭部2002の下面は、凸状で環状の球面2010となっている。
図31(A)〜(D)に示すように、ワッシャ94は、円環状を呈し、中央にねじ挿通孔9402が形成されている。
ねじ挿通孔9402は、取り付けねじ20の雄ねじ部2006が挿通可能な内径で形成されている。
ワッシャ94の厚さ方向の一方の面は、環状の平坦面9404となっている。
ワッシャ94の厚さ方向の他方の面には、取り付けねじ20の球面2010と対応する凹状で環状の球面9406が形成されている。
ワッシャ94は、ねじ挿通孔9402に取り付けねじ20の雄ねじ部2006が挿通され、かつ、ワッシャ94の球面9406が取り付けねじ20の球面2010に当て付けられるようにして取り付けねじ20に装着される。したがって、ワッシャ94は取り付けねじ20に装着された状態で、球面2010、9406が摺動することにより揺動可能となっている。
ワッシャ94が装着された取り付けねじ20は、ソール面24のねじ挿通孔2402を挿通し、ワッシャ94と中間壁6410のねじ挿通孔6412を介して取り付け部31のねじ孔3102に螺合している。そして、取り付けねじ20の頭部2002がワッシャ94を介して中間壁6410に当接することで、ゴムリング42が圧縮され、シャフト2およびカートリッジ58がホーゼルベース64を介してヘッド本体12に締結されている。
この場合、アッパーリング60およびロアリング62の回転位置によってカートリッジ58の傾きが変化することで、取り付けねじ20の中間壁6410に対する傾きも変化する。
しかしながら、前述したように取り付けねじ20の頭部2002に対してワッシャ94が揺動するため、取り付けねじ20の頭部はワッシャ94を介して中間壁6410に隙間なく当接する。したがって、カートリッジ58の傾きがどのように変化しても、ヘッド本体12とカートリッジ58とを確実に締結する上で有利となる。
このようにシャフト2およびカートリッジ58がヘッド本体12に取着された状態で、カートリッジ58のアッパーリング側係合部75がアッパーリング60のカートリッジ側係合部78に係合すると共に、アッパーリング60のロアリング側係合部80がロアリング62のアッパーリング側係合部85に係合し、かつ、ロアリング62がホーゼルベース64の鍔部6404の係合凹部6406に係合することで、シャフト2およびカートリッジ58の回転が阻止されている。
次に、図33(A)、(B)、図34(A)〜(D)、図35(A)〜(D)を参照して、ライ角θおよびフェース面上重心距離FGLの調整について説明する。
本例では、アッパーリング60およびロアリング62がカートリッジ本体66に装着された状態で、ロアリング62のカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4とカートリッジ本体66の中心軸Lc(シャフト中心軸Ls)とがなす傾斜角αが1度であり、ロアリング62の箇所において、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4の偏心量Δdは1mmである。
図33(A)に示すようにロアリング62の第1の回転位置において、図34(A)〜(D)に示すように、アッパーリング60を第1〜第4の回転位置にすることで、カートリッジ58は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
図33(B)に示すようにロアリング62の第2の回転位置において、図35(A)〜(D)に示すように、アッパーリング60を第1〜第4の回転位置にすることで、カートリッジ58は、第1〜第4の回転位置(Ls−1〜Ls−4)の4つの回転位置に設定することができる。
このようにロアリング62の第1、第2の回転位置と、アッパーリング60の第1〜第4の回転位置との8通りの組み合わせにより、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsの傾きと、カートリッジ挿通孔4602の中心軸4610回りのシャフト中心軸Lsの回転位置とが8通りに変化する。
図19(A)はロアリング62を第1の回転位置としアッパーリング60を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図36(B)はロアリング62を第2の回転位置としアッパーリング60を第1〜第4の回転位置にした場合におけるライ角θ、フェース面上重心距離FGL、ロフト角φ、フェース角FA、重心角βの値を示す図である。
図36(A)、(B)に示すように、アッパーリング60を第1、第2の回転位置にすることで、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きを変化させると、フェース面上重心距離FGLが以下のように変化する。
なお、第3の実施の形態では、フェース面上の重心距離FGLの変化量の許容値ΔFGLを0.4mmとして前述した式(1)、式(2)に基づいて第1、第2の直線L1、L2を求め、これらL1、L2で規定される領域Ag内に重心投影点gが位置するようにフェース面22上の重心Gの位置を定めた。
アッパーリング60が第1の回転位置:FGL=31.8〜32.2mm
アッパーリング60が第2の回転位置:FGL=33.8〜34.2mm
すなわち、アッパーリング60が第1、第2の回転位置の何れであっても、ライ角θの変化に応じてFGLが0.4mmの範囲で僅かに変化するものの、この程度の変化は無視出来る程度であって、実質的にFGLは2段階に変化する。
すなわち、ロアリング62が第1の回転位置にあり、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがトウ寄りであると、フェース面上重心距離FGLが約32.0mm(第1のフェース面上重心距離FGL1)である。
ロアリング62が第2の回転位置にあり、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りであると、フェース面上重心距離FGLが約34.0mm(第2のフェース面上重心距離FGL2)である。
言い換えると、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト中心軸Lsのトウ−ヒール方向における傾きがヒール寄りになるほどフェース面上重心距離FGLが大きくなる。
また、図36(A)、(B)に示すように、アッパーリング60を第1〜第4の回転位置にすることで、ロアリング62のカートリッジ挿通孔8403の中心軸Lr4回りのシャフト中心軸Lsの回転位置を変化させると、ライ角θが3段階に変化する。
すなわち、図36(A)、(B)に示すように、ロアリング62を第1の回転位置にし、ロアリング62の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610よりもトウ側にすると、ライ角θが最大の59度(第3のライ角θ3)となる。
ロアリング62を第3の回転位置にし、ロアリング62の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610よりもヒール側にすると、ライ角θが最小の57度(第1のライ角θ1)となる。
ロアリング62を第2または第4の回転位置にし、ロアリング62の箇所におけるシャフト中心軸Lsをトウ−ヒール方向においてカートリッジ挿通孔4602の中心軸4610と同じ位置とすると、ライ角θが中間の58度(第2のライ角θ2)となる。
したがって、第3の実施の形態では、カートリッジ58と、アッパーリング60と、ロアリング62と、ホーゼルベース64と、取り付けねじ20とによって、ヘッド本体12に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度を変えることにより、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構21が構成されており、調整機構21は、第1、第2の実施の形態と同様に、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成されている。
さらに言い換えると、調整機構21は、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフト2の中心軸Lsの傾きと、ホーゼルベース64の中心軸Lhから偏心しホーゼルベース64の中心軸Lhと平行する回転軸回りのシャフト2の中心軸Lsの回転位置とを変えることによってライ角θとフェース面上の重心距離FGLとを調整するように構成されている。
また、ヘッド本体10に対するシャフト2の中心軸Lsの位置と角度の変化は、ロアリング62を、ロアリング62の中心軸Lr3の回りに180度旋回させると共に、アッパーリング60をアッパーリング60の中心軸Lr2の回りに90度旋回させることでなされる。
また、調整機構21によるフェース面上の心距離FGLの調整は、第1のフェース面上の重心距離FGL1と第1のフェース面上の重心距離FGL1よりも大きな第2のフェース面上の重心距離FGL2との2段階に調整可能である。
また、調整機構21によるライ角θの調整は、ライ角θを第1のライ角θ1と第1のライ角θ1よりも大きな第2のライ角θ2と第2のライ角θ2よりも大きな第3のライ角θ3との3段階に調整可能である。
また、調整機構21は、第1、第2の実施の形態と同様に、第1、第2のライ角θ1、θ2と、第1〜第3のフェース面上の重心距離FGL1、FGL2、FGL3との組み合せに対応した第1〜第6の調整位置を形成する。
以上説明したように、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、調整機構21により、ライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整することができるので、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上で有利となり、使い勝手のよいゴルフクラブヘッド10を提供することができる。
また、ロアリング62の位相を180度変更し、アッパーリング60の位相を90度変更することで第1〜第6の調整位置を形成することができ、カートリッジ58およびシャフト2を回転する必要はない。
したがって、第2の実施の形態と同様に、ゴルフクラブのグリップにバックラインが形成されている場合に、調整機構21によるライ角θとフェース面上重心距離FGLとの調整に際してグリップのバックラインの位置が180度異なる位置に変化してしまうことがなく使い勝手の向上を図る上で有利となる。
また、第3の実施の形態では、フェース面上の重心距離FGLの変化量の許容値ΔFGLを0.4mmとして前述した式(1)、式(2)に基づいてフェース面22上の重心Gの位置の許容範囲を定めた。
したがって、重心距離FGLの変化量が許容値内ΔFGL(0.5mm未満の範囲)で変動するので、本発明の効果を発現しながら、なおかつロアリング62の長手方向の寸法(長径)、アッパーリング60の直径を縮小することができる。
その理由は、支点の位置が理想の位置より上にあるからである。
したがって、第1、第2の実施の形態に比較してヘッド本体12のホーゼルベース取り付け用孔28の大きさをより縮小することができ、ヘッド本体12の設計の自由度を確保しつつ、フェース面上重心距離FGLの変化量を最小限に抑制する上で有利となる。
なお、ゴルフクラブヘッド10の各パラメータは、以下に述べるような範囲にあることがゴルファーに対して一般的なゴルフクラブヘッドとの相違を感じさせることがなく、製品化を図る上で有利と考えられる。
1)ロアリング62の長手方向と直交する方向の寸法(短径):12〜18mm以内
2)1つのフェース面上重心距離FGLにおいてライ角θを調整した場合におけるフェース面上重心距離FGLが変化する範囲:0.5mm〜4mm以内
3)ライ角θの調整範囲:0.5°〜4°以内
4)フェースプログレッション(FP):15〜25mm以内
なお、ゴルフクラブヘッド10の重心距離とは、シャフト中心軸Lsまたはその延長線からゴルフクラブヘッドの重心点までの最短距離である。
また、フェースプログレッションとは、シャフト中心軸Sからヘッド本体12の最先端の位置までの距離であり、言い換えると、シャフト中心軸Sからフェース面22とソール面24とが接する箇所であるリーディングエッジまでの距離である。
以下、本発明の実験例について説明する。
図37〜図42は本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッドを各実験例毎に作成し、1本のゴルフクラブヘッドについて5人のゴルファーがゴルフボールを実際に10打ずつ打撃して以下に示す2種類の評価項目を測定しその平均値を求めた。なお、試料となるゴルフクラブヘッドのロフト角は同一とした。
実験結果は、トータルでのつかまり具合として算出されている。
そして、トータルでのつかまり具合を分解して示したものが、各実験例のライ角θでの捕まり度合い、フェース面上重心距離FGLでの捕まり度合いである。
数値は、実験例1(従来例)のゴルフクラブヘッドの測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
実験データを分解できる理由は、ライ角だけ異なるクラブでの捕まり度合いの実験値からほぼ、y(ライ角での捕まり度合い指数) = 16.709x(ライ角) - 861.54となることが既知であるためである。
同様に、フェース面上重心距離FGLだけ異なるクラブでの捕まり度合いの実験値からほぼ、y (FGLでの捕まり度合い指数) = -23.345x (FGL )+ 904.61となることが既知であるためである。
また、ライ角θでの捕まり度合い、フェース面上重心距離FGLでの捕まり度合いの指数の合計を求めた。
また、以下に示す第1の調整位置と第2の調整位置とにおける捕まり度合いの合計の差分を、捕まり具合の調整代として求めた。
実験例2〜6は、本発明に相当するものであり、ライ角θが最大のときにフェース面上の重心距離FGLが最小となる第1の調整位置(ロアリング62が第1の回転位置でかつアッパリング60が第1の回転位置)と、ライ角θが最小のときにフェース面上の重心距離FGLが最大となる第2の調整位置(ロアリング62が第2の回転位置でかつアッパリング60が第4の回転位置)とを形成したものである。
なお、実験例2〜6の調整機構21は、第3の実施の形態における調整機構21と同一の構造とした。
実験例1は、従来例に相当するものであり、ライ角θおよびフェース面上の重心距離FGLの調整機構を備えるものであるが、ライ角θが最大のときにフェース面上の重心距離FGLが最大となり、ライ角θが最小のときにフェース面上の重心距離FGLが最小となるものである。
実験例2、3、4、6は、捕まり具合の調整代が18〜60点であり、実験例1、5の10点、12点に比較して捕まり具合の調整代が大きく、捕まり具合を幅広く調整することができ、ゴルフボールの捕まえ度合いが相殺されずに、調整範囲が広くゴルファーの好みに応じて自由に調整する上で有利である。
すなわち、実験例2、3、4、6は、以下の(1)、(2)の双方の条件を満たしている。
(1)第1の調整位置と第2の調整位置とのライ角θの差が0.5度以上
(2)第1の調整位置と第2の調整位置とのFGLの差が1.5mm以上
一方、実験例1は、ライ角θの差が0.5度以上であるが、FGLの差が1.5mm以上ではなく、(2)の条件を満たしていない。
実験例5は、ライ角の差が0.5度以上でなく、FGLの差も1.5mm以上ではなく、(1)、(2)の双方の条件を満たしていない。
したがって、第1の調整位置と第2の調整位置とのライ角θの差が0.5度以上であり、かつ、第1の調整位置と第2の調整位置とのFGLの差が1.5mm以上であることが、捕まり具合の調整代を大きく確保する上でより有利であり、ゴルフボールの捕まえ度合いをゴルファーの好みに応じて自由に調整する上でより一層有利である。
なお、本発明において調整機構21は、ホーゼルベース64の中心軸Lhに対するシャフトの中心軸Lsの傾きと、ホーゼルベース64の中心軸Lhから離れた箇所でホーゼルベース64の中心軸Lhと平行して延在する回転軸回りのシャフトの中心軸Lsの回転位置とを変えることによってライ角θとフェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整することができればよいのであって、調整機構21は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、従来公知のさまざまな機構が採用可能である。
2……シャフト、10……ゴルフクラブヘッド、12……ヘッド本体、14……カートリッジ、16……リング、18……ホーゼルベース、20……取り付けねじ、21……調整機構、22……フェース面、24……ソール面、42……カートリッジ、44……アッパーリング、46……ロアリング、58……カートリッジ、60……アッパーリング、62……ロアリング、64……ホーゼルベース、Lh……ホーゼルベース64の中心軸、Ls……シャフト2の中心軸、G……フェース面上重心位置、FGL……フェース面上重心距離、θ……ライ角。

Claims (14)

  1. シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、
    前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され
    前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されカートリッジ挿通孔を有するホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するリングと、シャフトが取着されると共に前記リングの前記カートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、
    前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記リングを、前記リングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記カートリッジを前記カートリッジ挿通孔の中心軸の回りに90度旋回させることでなされる、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記リングは、前記係合凹部に該リングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、180度旋回して前記係合凹部に係合する毎に前記リングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸が前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の周囲で変位するように設けられ、
    前記カートリッジは、前記リングに対して90度旋回毎にそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、前記リングに対して90度旋回して係合する毎に前記シャフト取り付け孔の中心軸の前記ホーゼルベースの中心軸に対する傾きが変化するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記リングは、該リングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に前記係合凹部に係合される係合板部と、前記係合板部に形成され該係合板部の中心軸から変位した箇所に中心軸を有する前記カートリッジ挿通孔と、前記カートリッジ挿通孔の周囲の前記係合板部の箇所から突出された複数の係合凸部とを備え、
    前記カートリッジは、前記係合凹部に前記係合板部が係合された状態で、前記カートリッジ挿通孔を通って前記ホーゼルベースの内部に挿入される小径部と、前記小径部に続く大径部と、前記大径部から前記小径部にわたって設けられ前記シャフトが取着されるシャフト取り付け孔と、前記小径部と前記大径部との境の箇所に形成され前記シャフト取り付け孔の中心軸に直交する平面に対して傾斜する平面上を延在し前記係合板部の上面に当接する環状の当接面と、前記当接面に形成され前記複数の係合凸部に前記シャフト取り付け孔の中心軸回りに90度旋回毎に係合する複数の係合凹部と、前記大径部とは反対側の前記小径部の端部に設けられ前記リングと共に前記ホーゼルベースに取り付けられる取り付け部とを備えている、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  4. シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、
    前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され、
    前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されるホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するロアリングと、前記ロアリングに重ねられカートリッジ挿通孔を有するアッパーリングと、シャフトが取着されそれらリングのカートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの内部に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、
    前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記ロアリングを、前記ロアリングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記アッパーリングを前記アッパーリングの中心軸の回りに90度旋回させることでなされる、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  5. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記ロアリングは、前記係合凹部に該ロアリングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、180度旋回して前記係合凹部に係合する毎に前記ロアリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸が前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の周囲で変位するように設けられ、
    前記アッパーリングは、前記ロアリングに前記アッパーリングの中心軸回りに90度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、前記ロアリングに対して90度旋回して係合する毎に前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸に対する傾きが変化するように設けられ、
    前記カートリッジは、前記ロアリングに対して90度旋回して係合した前記アッパーリングに対してそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、前記ロアリングに対して90度旋回して係合した前記アッパーリングに係合する毎に前記シャフトの中心軸の前記ホーゼルベースの中心軸に対する傾きが変化するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記ロアリングは、該ロアリングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に前記係合凹部に係合される係合板部と、前記係合板部に形成され該係合板部の中心軸から変位した箇所に中心軸を有する前記カートリッジ挿通孔と、前記カートリッジ挿通孔の周囲の前記係合板部の箇所から突出された複数の係合凸部とを備え、
    前記アッパーリングは、前記カートリッジ挿通孔が形成された筒状の本体と、前記カートリッジ挿通孔の中心軸に対して直交する平面と交差する平面上を延在し前記ロアリングの上面に当接される下面と、前記下面に設けられ前記カートリッジ挿通孔の中心軸回りで該アッパーリングの90度旋回毎に前記複数の係合凸部に係合する係合凹部と、前記カートリッジ挿通孔の周囲の前記筒状の本体の上面から突設された複数の係合凸部と、前記複数の係合凸部の上端にそれぞれ設けられ前記カートリッジ挿通孔の中心軸に直交する平面上を延在する複数の上端面とを備え、
    前記カートリッジは、前記ホーゼルベースの係合凹部に前記ロアリングが係合され前記ロアリングの複数の係合凸部に前記アッパーリングの係合凹部が係合した状態で、前記カートリッジ挿通孔を通って前記ホーゼルベースの内部に挿入される小径部と、前記小径部に続く大径部と、前記大径部から前記小径部にわたって設けられ前記シャフトが取着されるシャフト取り付け孔と、前記小径部と前記大径部との境の箇所に形成された段部と、前記段部に形成され前記アッパーリングの複数の係合凸部に前記シャフト取り付け孔の中心軸回りに90度旋回毎に係合する複数の係合凹部と、前記複数の係合凹部の底部に設けられ前記シャフト取り付け孔の中心軸に直交する平面上を延在し前記アッパーリングの複数の上端面に当接される当接面と、前記大径部とは反対側の前記小径部の端部に設けられ前記リングと共に前記ホーゼルベースに取り付けられる取り付け部とを備えている、
    ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
  7. シャフトが取着されるヘッド本体を備えるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを規定のライ角θでかつフェースアングル0°の状態で基準となる水平面に設置した状態で、前記水平面に垂直で、かつ、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向と直交する投影面にフェース面上重心点と前記シャフトの中心軸とを投影した場合に、前記投影面上における前記フェース面上重心点と前記シャフトの中心軸との最短距離をフェース面上の重心距離FGLとしたとき、前記ヘッド本体に対する前記シャフトの中心軸の位置と角度を変えることにより、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとを調整する調整機構を設け、
    前記調整機構は、前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとをそれぞれ別々に調整可能に構成され、
    前記調整機構は、前記ヘッド本体に固定されるホーゼルベースと、前記ホーゼルベースに配置されカートリッジ挿通孔を有するロアリングと、前記ロアリングに重ねられカートリッジ挿通孔を有するアッパーリングと、シャフトが取着されそれらリングのカートリッジ挿通孔を挿通して前記ホーゼルベースの内部に挿入され前記ホーゼルベースに取り付けられるカートリッジとを備え、
    前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、前記ロアリングを、前記ロアリングの中心軸の回りに180度旋回させると共に、前記アッパーリングを前記アッパーリングの中心軸の回りに90度旋回させることでなされる、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  8. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記ロアリングは、前記係合凹部に該ロアリングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、180度旋回して前記係合凹部に係合する毎に前記ロアリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸が前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の周囲で変位するように設けられ、
    前記アッパーリングは、前記ロアリングに前記アッパーリングの中心軸回りに90度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、前記ロアリングに対して90度旋回して係合する毎に前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸が前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の周囲で変位すると共に、前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸に対する傾きが変化するように設けられ、
    前記カートリッジは、前記ロアリングに対して90度旋回して係合した前記アッパーリングに対してそれぞれ旋回不能に係合され、かつ、前記ロアリングに対して90度旋回して係合した前記アッパーリングに係合する毎に前記シャフトの中心軸の前記ホーゼルベースの中心軸に対する傾きと位置とが変化するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記ホーゼルベースが前記ヘッド本体に固定された状態で前記ヘッド本体外に露出する前記ホーゼルベースの端部に係合凹部が設けられ、
    前記ロアリングは、外周面を有し前記外周面の中心から変位した箇所に前記カートリッジ挿通孔が形成された筒状の本体と、前記筒状の本体の軸方向の一方の端部に設けられ前記ロアリングの中心軸回りに180度旋回した状態でそれぞれ旋回不能に前記係合凹部に係合されるホーゼルベース側係合部と、前記筒状の本体の軸方向の他方の端部に設けられたアッパーリング側係合部とを備え、
    前記アッパーリングは、外周面を有し前記外周面の中心から変位した箇所に前記カートリッジ挿通孔が形成された筒状の本体と、前記筒状の本体の軸方向の一方の端部に設けられ前記アッパーリングが前記カートリッジ挿通孔の中心軸に対して90度旋回する毎に前記ロアリングのアッパーリング側係合部に旋回不能に係合し、かつ、前記アッパーリングが90度旋回して前記ロアリングの前記アッパーリング側係合部に係合する毎に前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸に対して前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の傾きが変化すると共に、前記ホーゼルベースの前記カートリッジ挿通孔の中心軸回りにおける前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔の中心軸の位置を変位させるロアリング側係合部と、前記筒状の本体の軸方向の他方の端部に設けられたカートリッジ側係合部を備え、
    前記カートリッジは、前記ホーゼルベースの係合凹部に前記ロアリングが係合され前記ロアリングの前記アッパーリング側係合部に前記アッパーリングの前記ロアリング側係合部が係合した状態で、前記ロアリングおよび前記アッパーリングの前記カートリッジ挿通孔を通って前記ホーゼルベースの内部に挿入される小径部と、前記小径部に続く大径部と、前記大径部から前記小径部にわたって設けられ前記シャフトが取り付けられるシャフト取り付け孔と、前記小径部と前記大径部との境の箇所に形成された段部と、前記段部に形成され前記アッパーリングの前記カートリッジ側係合部に前記シャフト取り付け孔の中心軸回りに90度旋回毎に係合するアッパーリング側係合部と、前記大径部とは反対側の前記小径部の端部に設けられ前記リングと共に前記ホーゼルベースに取り付けられる取り付け部とを備える、
    ことを特徴とする請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 前記調整機構による前記ライ角θと前記フェース面上の重心距離FGLとの調整は、
    前記ライ角θを第1のライ角θ1と前記第1のライ角θ1よりも大きな第2のライ角θ2と前記第2のライ角θ2よりも大きな第3のライ角θ3との3段階に調整可能であり、
    かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを第1のフェース面上の重心距離FGL1と前記第1のフェース面上の重心距離FGL1よりも大きな第2のフェース面上の重心距離FGL2との2段階に調整可能である、
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  11. 前記調整機構は、
    前記ライ角θを前記第1のライ角θ1とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第1のフェース面上の重心距離FGL1とする、第1の調整位置と、
    前記ライ角θを前記第1のライ角θ1とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第2の調整位置と、
    前記ライ角θを前記第2のライ角θ2とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第1のフェース面上の重心距離FGL1とする第3の調整位置と、
    前記ライ角θを前記第2のライ角θ2とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第4の調整位置と、
    前記ライ角θを前記第3のライ角θ3とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第1のフェース面上の重心距離FGL1とする第5の調整位置と、
    前記ライ角θを前記第3のライ角θ3とし、かつ、前記フェース面上の重心距離FGLを前記第2のフェース面上の重心距離FGL2とする第6の調整位置とを形成する、
    ことを特徴とする請求項10記載のゴルフクラブヘッド。
  12. 前記第1のライ角θ1と前記第2のライ角θ2との差、前記第2のライ角と前記第3のライ角との差がそれぞれ0.5度以上である、
    ことを特徴とする請求項10または11記載のゴルフクラブヘッド。
  13. 前記第1のフェース面上の重心距離FGL1と前記第2のフェース面上の重心距離FGL2との差が1.5mm以上である、
    ことを特徴とする請求項1から12の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  14. 前記投影面上で、ソール面が載置される前記水平面と平行するX軸と該X軸と直交するY軸とを規定した場合、
    前記ライ角θが最大のときの前記シャフト中心軸を前記投影面に投影した直線を直線Aとし、該直線AとX軸とがなす角度を角度θAとし、
    前記ライ角θが最小のときの前記シャフト中心軸を前記投影面に投影した直線を直線Bとし、該直線AとX軸とがなす角度を角度θBとし、
    前記直線A、Bの交点をX軸およびY軸の原点O(0,0)とし、
    前記フェース面上の重心距離FGLの変化量の許容値をΔFGLとし、
    前記フェース面上の重心を前記投影面に投影した点を重心投影点としたとき、
    前記重心投影点が以下の式(1)、式(2)で定義される第1の直線L1および第2の直線L2との間で規定される領域内に位置することを特徴とする請求項1から10の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
    第1の直線L1:
    y≦−tan(90°−((θA+θB)/2))x+(ΔFGL/sin(θA−θB)×(1/cos(90°−((θA+θB)/2))) (1)
    第2の直線L2:
    y≧−tan(90°−((θA+θB)/2))x−(ΔFGL /sin(θA−θB)×(1/cos(90°−((θA+θB)/2))) (2)
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