JP5938039B2 - 脂質膜を形成するための基体 - Google Patents
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Description
本発明の第一態様の基体においては、前記単一の部材が、波長0.1μm〜10μmを有する光のうち少なくとも一部の波長を有する光を透過することが好ましい。
本発明の第一態様の基体においては、前記単一の部材がシリコン、ガラス、石英、又はサファイアであることが好ましい。
ここで、「前記単一の部材が、特定波長の光に対して透明である」場合、前記部材に入射された光の一部が前記部材に吸収されたとしても、残りの光(光の残部)が前記部材を透過することが可能である。
《第一態様》
<脂質膜を形成するための基体>
[基体10A]
図1は、本発明にかかる、脂質膜を形成するための基体(以下では、単に「基体」と呼ぶことがある。)の第一実施形態である基体10Aの斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面を示す模式図である。
ウェル2の側面2aに、微小チャンバー1の端部1aが露呈する開口部Uが形成されている。ウェル2の開口位置(基材4の上面と同一平面である開口部)及び下面2bの少なくとも一部分は、前記開口部Uに形成された脂質膜Mを光学的に観察可能なように、開口するか或いは透明な部材(不図示)で覆われている。基体10Aの、少なくとも前記開口部Uを構成する部位は、単一の部材で構成されている。
なお、ウェル2の底面2bに微小チャンバー1を開口させる構成(構造)であっても良い。この場合、基体の上面から観察すると、開口部Uの正面から観察することになり、開口部Uに形成された脂質膜Mの表面状態を容易に観察することができる。
前記単一の部材の材料としては、例えばシリコン、ガラス、石英、サファイアなどが挙げられる。これらの材料は、微小チャンバー1の加工性に優れるので好ましい。なかでも、結晶方位による加工異方性の影響を受けにくい非結晶質である方が好ましい。
更に、顕微鏡等の光学装置によって、開口部Uの脂質膜Mを観察する場合には、前記単一の部材として、ガラス、石英、又はサファイアを用いることがより好ましい。これらの部材は、可視光線(波長0.36μm〜0.83μm)に対して透明であるため、脂質膜Mを容易に観察することができる。
なお、開口部Uを構成する材料が溶媒を吸収して膨張する材料である場合、ナノスケールの開口部Uを形成することは困難である。しかしマイクロスケールの単位(μm)(例えば、1μm以上1mm未満の大きさ)で形成することは可能である。
具体的には、加工用レーザーとして使用される一般的な光(波長0.1μm〜10μm)の、少なくとも一部に対して透明であることが好ましい。このようなレーザー光に対して透明であることによって、後述するように、レーザー照射することによって前記部材に改質部を形成することができる。
また、前記単一の部材の材料は、可視光領域(波長約0.36μm〜約0.83μm)の光に対して透明であること(可視光領域の光を透過可能であること)が、より好ましい。可視光領域の光に対して透明であることによって、形成した脂質膜Mを、前記単一部材を透して光学顕微鏡等の光学的手法を用いて容易に観察することができる。
なお、本発明における「透明」とは、前記部材に光を入射して、前記部材から透過光が得られる状態の全てをいう。
図1では、基材4を構成する単一の部材は透明なガラス基板である。
まず、ウェル2(空間2)に生理学的食塩水等やpH緩衝液等のバッファ液5を入れて、微小チャンバー1内にバッファ液5を、毛細管現象によって流入させる(図3A)。つづいて、ウェル2から、ピペット等(不図示)を使用してバッファ液5を除去する。
この際、微小チャンバー1内のバッファ液5を微小チャンバー1内に留めて、開口部Uに、表面張力を利用して、バッファ液5の水面をウェル2の内部に露呈させる(図3B)。
その後、ウェル2から、ピペット等を使用して液体Pを除去すると、開口部Uに留まるバッファ液5の水面には、前記付着した脂質分子で構成される脂質膜Mが形成される(図3D)。
さらに、ウェル2内に、バッファ液5を流入させると、ウェル2内のバッファ液5と微小チャンバー1内のバッファ液5とが、開口部Uの脂質膜Mによって隔たれた状態となる(図3E)。
前記凸部Eの幅E2は、微小チャンバー1が側面2aに開口する位置から、内奥へ進んで、内径が拡がり始める位置までの距離として定義され、その幅E2は微小チャンバー1の奥行き方向における全長Lの20%未満であることが好ましい。このような構造であると、バッファ液5を微小チャンバー1へ、より一層容易に導入することができる。
上記範囲であると、脂質膜Mを開口部Uに容易に形成することが可能であり、ベシクルVの形成も可能となる。
更には、微小チャンバー1の端部1aに位置する開口部Uの開口径を、少し内奥へ進んだ口径よりもわずかに広げて加工することも可能である。つまり、開口部Uを漏斗の様な形状に加工することが可能である。このように加工した場合、脂質膜Mの一部が微小チャンバー1の端部に入り込んだ状態で、脂質膜Mを形成することが可能になる。この脂質膜Mの一部は、端部の内側にあるため、ウェル2に流れがあるときにおいても、より安定して長時間の脂質膜Mの維持が可能になる場合がある。ここではウェル2を使用した場合について説明しているが、後述する基体10Bにおいて、流路3を使用した場合についても同様の説明が適用される。
基材4がシリコン、ガラス、石英、又はサファイアなどであると、加工精度が高いので、複数の微小チャンバー1を密集させて配置することが可能である。
下面2bに対向する位置における、ウェル2の開口位置(基材4の上面と同一平面である開口部)は開口されて無蓋となっている。この下面2b又は上面のうち少なくとも一方から、顕微鏡等の光学的観察装置によって、開口部Uに形成された脂質膜Mを観察することができる。なお、前記上面は必ずしも無蓋である必要はなく、プラスチック、樹脂やガラス等の部材で構成される蓋によって、覆われていてもよい(不図示)。開口部Uにおける脂質膜Mの形成を観察しながら行うことが可能となる。
本発明の脂質膜を形成するための基体の第二実施形態として、図8に示す基体10Bが挙げられる。基体10Bでは、基材4の上面側に流路3が設けられている。前記流路3が、前記脂質を含む液体Pを流入させる空間を構成している。
基体10Aにおけるウェル2と比べて、基体10Bに流路3が設けられている構造を用いることによって大量の液体Pを流入及び流通させることができる。また、流路3(空間2)における溶液の交換が行い易いという利点がある。前述の脂質膜Mの形成方法で説明したように、バッファ液5、前記脂質を含む液体P等の複数の溶液を、開口部Uに順次接触させる操作をより容易に行うことができる。
基体10Bの他の構成については、基体10Aと同様である。
ガラス基板14には、ウェル12および微小チャンバー11がそれぞれ6セット配置されている。ウェル12の内壁面に微小チャンバー11が開口していることは、前述の通りである。開口部Uの位置は、「X」の印で示してある。
一つのウェル12に複数の微小チャンバー11が配置されていてもよい。
ガラス基板24には、複数の微小チャンバー21が内壁面に配された流路22が、4セット配置されている。流路22の内壁面に微小チャンバー21が開口していることは、前述の通りである。開口部Uの位置は、「X」の印で示してある。
流路22の上流側F1から、液体Pが流入されて、流路22の下流側F2へ流通する。
ガラス基板24には、複数の微小チャンバー21が内壁面に配された流路22が、配置されている。流路22の内壁面に微小チャンバー21が開口していることは、前述の通りである。開口部Uの位置は、「X」の印で示してある。
流路22の上流側F5から、液体Pが流入されて、流路22の下流側F6へ流通する。
次に、本発明にかかる脂質膜を形成するための基体の製造方法を説明する。
<脂質膜を形成するための基体の製造方法(第二態様)>
本発明の第二態様である製造方法の一例を、前述の第二実施形態の基体10Bを例にとって説明する。この場合、前記製造方法は、図13A〜図13Dで示すように、ピコオーダー秒以下のパルス時間幅を有するレーザーLを、単一の部材59において、微小チャンバー55を形成する領域に照射することによって、前記領域に改質部51を形成する工程A1(図13A)と、単一の部材59に、前記空間を構成する流路57若しくは貫通孔を形成する工程A2(図13B)と、単一の部材59から改質部51をエッチングによって除去する工程A3(図13C)と、を少なくとも有する。
レーザーL(レーザー光L)は、パルス時間幅がピコ秒オーダー以下、例えば1フェムト秒以上10ピコ秒未満、のパルス幅を有するレーザー光を用いることが好ましい。例えばチタンサファイアレーザー、前記パルス幅を有するファイバーレーザーなどを用いることができる。ただし部材59に対して透明な波長を使用することが必要である。より具体的には、部材59に対する透過率が60%以上のレーザー光であることが好ましい。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「改質部」とは、エッチング耐性が低くなり、エッチングによって選択的に又は優先的に除去される部分」を意味する。
更には、顕微鏡等の光学装置によって観察する場合には、前記材料として、可視光線(波長0.36μm〜0.83μm)に対して透明であるガラス、石英、又はサファイア等を用いることが、より好ましい。
具体的には、加工用レーザー光として使用される一般的な波長領域(0.1μm〜10μm)の、少なくとも一部の波長領域の光に対して透明であることが好ましい。部材59の材料が、このようなレーザー光に対して透明であることによって、後述するように、前記部材にレーザー照射して改質部を形成することができる。
また、可視光領域(波長約0.36μm〜約0.83μm)の光に対して透明であることが、より好ましい。可視光領域の光に対して透明であることによって、形成した脂質膜Mを、前記単一部材を透して肉眼で容易に観察することができる。
なお、本発明における「透明」とは、前記部材に光を入射して、前記部材から透過光が得られる状態の全てをいう。
図13A〜図13Dでは、単一の部材59は透明なガラス基板である(以下、ガラス基板59と呼ぶ)。
以下では、部材59がガラス基板である場合について説明するが、部材59がその他の部材、例えばシリコン、石英、又はサファイアの場合であっても、同様に行うことができる。後述する工程A2における加工性はシリコン、石英、ガラスがより好適である。
微小チャンバー55が形成される領域に、前記焦点をガラス基板59内部で走査することによって、所望の形状の改質部51を形成することができる。
また、前記「ガラス基板59を改質してエッチング耐性を低下させうるレーザー照射強度の下限値(加工下限閾値)(閾値)」とは、エッチング処理により、ガラス基板59に微小チャンバー55を形成できる限界値である。この下限値よりも低いと、レーザー照射によってエッチング耐性の弱い層が形成出来ないため、微小チャンバー55が形成できない。
すなわち、本明細書及び特許請求の範囲において、「加工上限閾値(加工適正値)」とは、基材内に照射したレーザー光の焦点(集光域)において、基材とレーザー光との相互作用によって生じる電子プラズマ波と入射するレーザー光との干渉が起こり、前記干渉によって基材に縞状の改質部が自己形成的に形成されることが可能なレーザー照射強度の下限値を意味する。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「加工下限閾値(閾値)」とは、基材内に照射したレーザー光の焦点(集光域)において、基材を改質した改質部を形成し、後段のエッチング処理によって選択的又は優先的にエッチングされうる程度に、前記改質部のエッチング耐性を低下させることが可能なレーザー照射強度の下限値である。この下限値よりも低いレーザー照射強度でレーザー照射した領域は、後段のエッチング処理において選択的又は優先的にエッチングされ難い。このため、エッチング後に微細孔となる改質部を形成するためには、加工下限閾値以上のレーザー照射強度に設定することが好ましい。
前記レンズとしては、例えば屈折式の対物レンズ若しくは屈折式のレンズを使用することができるが、他にも例えばフレネル、反射式、油浸若しくは水浸式の方法によって照射することも可能である。また、例えばシリンドリカルレンズを用いれば、一度にガラス基板59の広範囲にレーザー照射することが可能になる。また、例えばコニカルレンズを用いればガラス基板59の垂直方向に広範囲に一度にレーザー光Lを照射することができる。ただしシリンドリカルレンズを用いた場合には、レーザー光Lの偏波はレンズが曲率を持つ方向に対して水平である必要がある。
前記パルス時間幅がピコ秒オーダー以下、特に10ピコ秒未満、であると、集光部における基材の電子温度とイオン温度とが非平衡状態となり加熱され、いわゆる非熱過程での加工が進行する。そして、熱拡散長が極限まで抑えられる。さらには多光子吸収に始まる非線形加工が支配的となるため、加工後に得られる形状はナノスケールからマイクロオーダースケールの微細孔とすることが可能である。
一方、比較的大きなパルス時間幅を有するパルスレーザー、例えば10ピコ秒以上のパルス時間幅を有するレーザー光を用いた場合では、集光部における基材の電子温度とイオン温度とが平衡状態となる熱的加工が支配的となる。熱的加工においては熱拡散長が大きくなり、ナノからマイクロオーダースケールの加工を行うことが困難になる場合がある。このように、パルス時間幅が約1〜10ピコ秒付近を境にして、全く異なる反応メカニズムとなる場合があるため、10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するパルスレーザーを用いることが好ましい。
具体的には、ガラス基板59にレーザーを照射する場合には、例えば、パルス時間幅300fs、繰返周波数200kHz、走査速度1mm/s程度の条件に設定して、80nJ/pulse程度以下のパルスエネルギーで、照射強度は550kW/cm2程度の照射強度で、1パルスあたりのレーザーフルエンスが2.7J/cm2程度で照射することが好ましい。一方、加工上限閾値以上の照射強度、或いはその加工上限閾値に相当する1パルスあたりのレーザーフルエンス(パワー)よりも大きくすると周期構造が形成され、エッチングによってそれらが繋がるため、ナノオーダーの口径を有する微小チャンバー55を形成することが困難となり、ミクロンオーダーの口径になる、あるいは前記周期構造が形成されてしまうことがある。N.A.≧0.7に設定しても加工は可能であるが、スポットサイズがより小さくなり、1パルスあたりのレーザーフルエンスが大きくなるため、より小さなパルス強度(パルスエネルギー)に設定したレーザー照射が求められる。なお、レーザーフルエンスは、単位面積あたりのエネルギー量を指し、J/cm2またはW/cm2で表される。
つぎに、単一のガラス基板59に、前記空間を構成する流路57若しくは貫通孔を形成する。前記流路57を形成する方法としては、次の方法が例示できる。
つぎに、単一のガラス基板59から、工程A1で形成した改質部51をエッチングによって除去する(図13C)。
エッチング方法としては、ウェットエッチングが好ましい。流路57(若しくは貫通孔)の側面に露呈する断面を有する改質部51は、エッチング耐性が弱くなっているため、選択的又は優先的にエッチングすることができる。
前記エッチング液は特に限定されず、例えばフッ酸(HF)を主成分とする溶液、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸等を用いることができる。また、部材59の材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
前記処理時間を短くすることによって、前記短径を数nm〜数十nmにすることも理論的には可能である。これとは逆に、前記処理時間を長くすることによって、前記短径を1μm〜2μm程度に、前記長径を5μm〜10μm程度とすることもできる。
形成された流路57は、そのままでも流路57として使用しうるが、図13Dに示すように流路57の上面に蓋をすることによって、流路57に圧力をかけて送液することができる。
本発明の第三態様である製造方法の一例を、前述の第二実施形態の基体10Bを例にとって説明する。この場合、前記製造方法は、図16A〜図16Eで示すように、単一の部材69に、前記空間を構成する流路67若しくは貫通孔を形成する工程B1(図16B)と、ピコ秒オーダー以下のパルス時間幅を有するレーザーLを、単一の部材69の微小チャンバー65を形成する領域に照射することによって、前記領域に改質部61を形成する工程B2(図16C)と、単一の部材69から改質部61をエッチングによって除去する工程B3(図16D)と、を少なくとも有する。
更には、顕微鏡等の光学装置によって観察するには、ガラス、石英、サファイアを用いると、可視光線(波長0.36μm〜0.83μm)に対して透明であるため、より好ましい。
具体的には、加工用レーザー光として使用される一般的な波長領域(0.1μm〜10μm)の、少なくとも一部領域の光に対して透明であることが好ましい。このようなレーザー光に対して透明であることによって、後述するように、前記部材にレーザー照射して改質部を形成することができる。
また、可視光領域(約0.36μm〜約0.83μm)の光に対して透明であることが、より好ましい。可視光領域の光に対して透明であることによって、形成した脂質膜を、前記単一部材を透して肉眼で容易に観察することができる。
なお、本発明における「透明」とは、前記部材に光を入射して、前記基材から透過光が得られる状態の全てをいう。
図16A〜図16Eでは、単一の部材69は透明なガラス基板である(以下、ガラス基板69と呼ぶ)。
工程B1は、本発明の第二態様の製造方法における工程A2と同様に行うことができる。すなわち、ガラス基板69の上面に、フォトリソグラフィによってレジスト62をパターニングして形成する(図16A)。つづいて、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はサンドブラスト等の方法によって、ガラス基板69の上面におけるレジスト62が配されていない領域を、所定の深さに達するまで浸食して除去する(図16B)。不要となったレジスト62を剥離すると、流路67が形成されたガラス基板59が得られる。
つぎに、ピコ秒オーダー以下のパルス時間幅を有するレーザーLを、単一のガラス基板69の微小チャンバー65となる領域に照射することによって、前記領域に改質部61を形成する。
具体的には、本発明の第二態様の製造方法における工程A1と同様に行うことができる。このとき、流路67の側面に露呈する部位にレーザー光Lを集光照射して改質部61を形成する場合は、液浸露光によってレーザー光Lを照射することが、より望ましい(図16C)。前記側面に露呈する部位に形成される改質部61の形状(微小チャンバー65の端部の形状)の精度を高めることができる。
つづいて、単一のガラス基板69から、工程B2で形成した改質部61をエッチングによって除去する(図16D)。
エッチング方法としては、ウェットエッチングが好ましい。流路67(若しくは貫通孔)の側面に露呈する断面を有する改質部61は、エッチング耐性が弱くなっているため、選択的又は優先的にエッチングすることができる。
具体的には、本発明の第二態様の製造方法における工程A3と同様に行うことができる。
形成された流路67は、そのままでも流路67として使用しうるが、図16Eに示すように流路67の上面に蓋をすることによって、流路67に圧力をかけて送液することができる。
Claims (3)
- 脂質膜を形成するための基体であって、
内壁面を有する基材と、
前記基材に内在され、脂質を含む液体が流入される空間と、
前記基材に内在され、前記空間を構成する前記基材の前記内壁面に設けられた開口部を有する微小チャンバーと、を含み、
前記基材のうち、少なくとも前記開口部を構成する部位は、単一の部材で構成され、貼り合わせ面を有さず、
前記微小チャンバーは、前記開口部から内奥へ向かうほど、その孔径が小さくなっており、
前記脂質膜は前記開口部を覆うように形成されることを特徴とする、脂質膜を形成するための基体。 - 請求項1に記載の基体であって、
前記単一の部材が、波長0.1μm〜10μmを有する光のうち少なくとも一部の波長を有する光を透過させることを特徴とする基体。 - 請求項1又は2に記載の基体であって、
前記単一の部材がシリコン、ガラス、石英、又はサファイアであることを特徴とする基体。
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