JP5936532B2 - 直流昇圧回路 - Google Patents

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本発明は、直流昇圧回路に関する。
例えば、停電などの非常時に、電池から直流昇圧回路を用いて複数のLED(Light Emitting Diode)を点灯させる誘導灯装置において、LEDの輝度ムラを抑える目的から、LEDを直列接続して定電流駆動で点灯させるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。なお、複数のLEDを並列に接続する場合は、個別のLEDの輝度ムラを抑制するためにLEDと直列に定電流回路が挿入されるが、LEDの並列数に比例した定電流回路が必要となり、回路規模が増大し、また回路ロスが増加するので、上述のようにLEDを直列接続するのが一般的である。
特開2002−246190号公報(段落番号0029及び図1)
従来の直流昇圧回路は以上のように構成され、交流電源が停電した非常時に誘導灯を点灯させるために、低い電池の電圧を、直列接続された複数のLEDを点灯することが可能な高電圧に昇圧しなければならない。例えば、電池2本(放電終止電圧約2.0V)により6個の直列接続されたLED(順方向電圧Vf=約4V)を点灯する場合、LEDを駆動する直流昇圧回路は入力電圧の2Vを約26V(4V×6個+定電流回路の電圧降下約2V)まで、約13倍昇圧する必要がある。
ところが、直流昇圧回路の電源として低い電池電圧を用いて制御する場合、直流昇圧回路の昇圧スイッチング素子例えばFET(電界効果形トランジスタ)を十分に低オン抵抗状態で駆動できないため、直流昇圧回路の回路損失の増加を招くという問題点があった。また、回路損失の増加を避けるために、LEDを所定時間(例えば20分)点灯するための容量は電池2本で足りるにもかかわらず、電池3本以上を直列接続する必要が生じ、誘導灯装置の大型化、高価格化を招くことになる。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、低い電池電圧から高効率かつ高昇圧比にて昇圧可能な直流昇圧回路を得ることを目的とする。
この発明に係る直流昇圧回路においては、スイッチング回路と、エネルギー蓄積回路と、定電流制御用抵抗と、制御回路とを有するものであって、
上記スイッチング回路は電池に接続されるものであってインダクタンスを有するインダクタンス素子と開閉信号が入力される制御端子を有する電圧駆動型のスイッチング素子とが直列に接続されたものであり、
上記エネルギー蓄積回路は、一方向導通素子とコンデンサとが直列に接続されたものであり、
上記エネルギー蓄積回路は、上記スイッチング素子に並列に接続され、
上記コンデンサの一端に上記定電流制御用抵抗が接続され、負荷が上記定電流制御用抵抗を介して上記コンデンサに並列に接続されるものであり、
上記制御回路は、上記インダクタンス素子及び上記一方向導通素子を介さないで上記電池から電力の供給を受けて起動可能にされ、起動後は上記スイッチング素子を十分に低オン抵抗状態で駆動するために出力電圧を所定の範囲に調整するレギュレータ回路を介して上記コンデンサから電力の供給を受け上記スイッチング素子の上記制御端子に上記出力電圧に基づく所定の電圧の開閉信号を与えることにより上記スイッチング素子を開閉制御して上記インダクタンス素子に流れる上記電池の電流を断続することにより上記コンデンサを上記電池の電圧よりも高い電圧に充電するものである。
この発明に係る直流昇圧回路は、スイッチング回路と、エネルギー蓄積回路と、定電流制御用抵抗と、制御回路とを有するものであって、
上記スイッチング回路は電池に接続されるものであってインダクタンスを有するインダクタンス素子と開閉信号が入力される制御端子を有する電圧駆動型のスイッチング素子とが直列に接続されたものであり、
上記エネルギー蓄積回路は、一方向導通素子とコンデンサとが直列に接続されたものであり、
上記エネルギー蓄積回路は、上記スイッチング素子に並列に接続され、
上記コンデンサの一端に上記定電流制御用抵抗が接続され、負荷が上記定電流制御用抵抗を介して上記コンデンサに並列に接続されるものであり、
上記制御回路は、上記インダクタンス素子及び上記一方向導通素子を介さないで上記電池から電力の供給を受けて起動可能にされ、起動後は上記スイッチング素子を十分に低オン抵抗状態で駆動するために出力電圧を所定の範囲に調整するレギュレータ回路を介して上記コンデンサから電力の供給を受け上記スイッチング素子の上記制御端子に上記出力電圧に基づく所定の電圧の開閉信号を与えることにより上記スイッチング素子を開閉制御して上記インダクタンス素子に流れる上記電池の電流を断続することにより上記コンデンサを上記電池の電圧よりも高い電圧に充電するものであるので、
電池の電圧が低くてもかつ電池の電圧が低下しても起動が可能であり、さらに電池の電圧が低くてもスイッチング素子の制御端子に与える電圧を最適化してスイッチング素子のオン抵抗を低減して回路損失を小さくでき、高効率にかつ低い電圧を高昇圧比で昇圧できる直流昇圧回路を実現できる。
この発明の実施の形態1である直流昇圧回路を備えた誘導灯装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態2である直流昇圧回路を備えた誘導灯装置の構成を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1である直流昇圧回路を備えた誘導灯装置の構成を示す構成図である。図1において、直流昇圧回路100は、入力端子P1,N1及び出力端子P2,N2を有し、入力端子P1,N1にインダクタンス素子としての昇圧コイル1とスイッチング素子としてのFET2とのスイッチング回路としての直列回路が接続されている。FET2は、この実施の形態においてはMOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いており、ドレインが昇圧コイル1にソースが入力端子N1に接続されるとともに、制御端子であるゲートが後述の制御回路6に接続されている。
コンデンサとしての平滑コンデンサ4は、一方の端子Cpが一方向導通素子としての整流ダイオード3を介して昇圧コイル1のFET2側に接続されるとともに、他方の端子Cnが入力端子N1に接続されている。なお、整流ダイオード3と平滑コンデンサ4との直列回路が、この発明におけるエネルギー蓄積回路である。
平滑コンデンサ4の一方の端子Cpは出力端子P2に、他方の端子Cnは定電流制御用抵抗5を介して出力端子N2に接続されている。制御回路6には、平滑コンデンサ4の一方の端子Cp及び出力端子N2からレギュレータ回路7を経由して、その動作のための電力が供給される。制御回路6の端子PWMからパルス幅変調制御を行う開閉制御信号SgがFET2のゲートに印加される。入力端子P1,N1には電池2個が直列に接続されたバッテリ51が接続され、出力端子P2,N2には、直列接続された6個のLEDにて構成されたLEDランプ52が接続されて、誘導灯装置が構成されている。
上記のような直流昇圧回路100において、バッテリ51の端子電圧から、昇圧コイル1、整流ダイオード3、及びレギュレータ回路7の電圧降下を引いた電圧が、制御回路6の端子Vccに供給されることになり、その電圧が、FET2の最小ゲート電圧以上であれば、問題なく起動することができる。バッテリ51の電圧がFET2の最小ゲート電圧より十分に高い電圧である場合、例えばスイッチング素子の最小ゲート電圧が1.8Vであってバッテリ51の電圧が3.0V以上確保されている場合、問題なく起動することができる。
直流昇圧回路100の起動後は、出力端子P2,N2間の電圧すなわち直流昇圧回路100の出力電圧が、レギュレータ回路7を経由して制御回路6の端子Vcc及び端子F/Bに供給され、出力電圧が所定値になるように端子PMWから開閉制御信号Sgが出力される。直流昇圧回路100の出力電圧が、制御回路6あるいはFET2のゲートの耐電圧限界値を超えると制御回路6やFET2が破壊するおそれがあるため、平滑コンデンサ4と制御回路6の間にレギュレータ回路7を挿入して所定電圧以上の電圧が制御回路6へ供給されないようして過電圧から保護している。
また、FET2のゲート印加電圧の最適化は、FET2のオン抵抗による抵抗損失を低減することとなる。レギュレータ回路7における調整電圧の範囲は、例えば、最小ゲート電圧が1.8VのFETを用いた場合、最小ゲート電圧の3〜5倍の5〜10V程度とするのが望ましい。ここで、昇圧コイル1へ印加される印加電圧は、バッテリ51の電圧からFET2のオン抵抗による電圧降下を差し引いた値であるが、FET2の最小ゲート電圧よりも充分に高い電圧をそのゲートに供給することにより、FET2のオン抵抗を小さくすることができ、電池の電圧がより低い場合であっても昇圧コイル1へ印加する電圧を確保できる。
以上のように、この実施の形態によれば、スイッチング素子のオン抵抗を低減して回路損失を小さくでき、高効率にかつ低い電圧を高昇圧比で昇圧できる直流昇圧回路を実現できる。また、この直流昇圧回路をLEDランプを点灯する誘導灯装置に用いれば、電力損失が小さく、小型で安価な誘導灯装置を得ることができる。
なお、この実施の形態においては、制御回路6へ出力端子P2,N2間の電圧を供給するものを示したが、定電流制御用抵抗5を介さないで平滑コンデンサ4の充電電圧を直接供給するようにしてもよい。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2である直流昇圧回路を備えた誘導灯装置の構成を示す構成図である。直流昇圧回路200は、入力逆流防止ダイオード18と、レギュレータ回路7を経由する出力逆流防止ダイオード19の2つのカソードが共通にされて制御回路6の電源端子Vccに接続され、バッテリ51の電圧が昇圧コイル1及び整流ダイオード3を介さないで直接制御回路6に供給可能とされるとともに、平滑コンデンサ4の電圧も供給されるように構成されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
この実施の形態においては、直流昇圧回路200の起動時は、バッテリ51の電圧を昇圧コイル1及び整流ダイオード3を介さないで、入力逆流防止ダイオード18を経由して制御回路6に直接供給する。これにより、実施の形態1のように起動時に昇圧コイル1及び整流ダイオード3における電圧降下の影響を受けないので、バッテリ51の電圧が低下して実施の形態1の直流昇圧回路100では起動不能となる場合でも、起動可能である。起動後は平滑コンデンサ4から昇圧された電圧の供給を受け、FET2のオン抵抗が十分に低くなるように、ゲートへ印加する電圧を最適な値に制御する。
これにより、低損失でかつ低い電圧から高昇圧比で昇圧できる直流昇圧回路が得ることができる。また、入力逆流防止ダイオード18と出力逆流防止ダイオード19のカソードを付き合わせて接続することにより、起動後は制御回路6に電力を供給する電源がバッテリ51からの直接供給から昇圧された平滑コンデンサ4からの供給に自動的に切り替わる。もちろん、平滑コンデンサ4と出力逆流防止ダイオード19の間にレギュレータ回路7を設けることで、直流昇圧回路の出力電圧が高い場合であっても、制御回路6へ供給される電圧が制御回路6の耐圧を超えないように調整され、過電圧が防止される。
なお、上記実施の形態では、スイッチング素子としてFETを示したが、これに限られるものではなく他の電圧駆動型のスイッチング素子であっても同様の効果を奏する。また、負荷はLEDランプに限らず他の負荷であってもよい。
1 昇圧コイル、2 FET、3 整流ダイオード、4 平滑コンデンサ、
5 定電流制御用抵抗、6 制御回路、7 レギュレータ回路、
18 入力逆流防止ダイオード、19 出力逆流防止ダイオード、51 バッテリ、
52 LEDランプ。

Claims (2)

  1. スイッチング回路と、エネルギー蓄積回路と、定電流制御用抵抗と、制御回路とを有するものであって、
    上記スイッチング回路は電池に接続されるものであってインダクタンスを有するインダクタンス素子と開閉信号が入力される制御端子を有する電圧駆動型のスイッチング素子とが直列に接続されたものであり、
    上記エネルギー蓄積回路は、一方向導通素子とコンデンサとが直列に接続されたものであり、
    上記エネルギー蓄積回路は、上記スイッチング素子に並列に接続され、
    上記コンデンサの一端に上記定電流制御用抵抗が接続され、負荷が上記定電流制御用抵抗を介して上記コンデンサに並列に接続されるものであり、
    上記制御回路は、上記インダクタンス素子及び上記一方向導通素子を介さないで上記電池から電力の供給を受けて起動可能にされ、起動後は上記スイッチング素子を十分に低オン抵抗状態で駆動するために出力電圧を所定の範囲に調整するレギュレータ回路を介して上記コンデンサから電力の供給を受け上記スイッチング素子の上記制御端子に上記出力電圧に基づく所定の電圧の開閉信号を与えることにより上記スイッチング素子を開閉制御して上記インダクタンス素子に流れる上記電池の電流を断続することにより上記コンデンサを上記電池の電圧よりも高い電圧に充電するものである、
    直流昇圧回路。
  2. 上記スイッチング素子は、電界効果形トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の直流昇圧回路。
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