JP5935207B2 - イメージサイトメーターを利用した染色体多倍性を示し、かつ、細胞増殖能を有する細胞の有無を判定する方法 - Google Patents
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Description
1−1 方法
1−1−1 細胞試料の作製
[1]乳癌由来の培養細胞株(Cal51)をスライドグラス上で一定期間(1週間、2週間、又は4週間)培養する。かかるCal51が接着したスライドグラスを基に、以下に示す[2]〜[6]の手順により細胞試料を作製した。
[2]PBSで5分間、3回洗浄した。
[3]100%エタノールで10分間、固定処理を行った。
[4]RNaseA(シグマアルドリッチ社製)(1mg/ml in PBS])で30分間、RNase処理を行った。
[5]PI溶液(0.03mg/ml in PBS)中に30分間浸し、DNA染色を行った。
[6]カバーグラスをかけ、周囲をマニキュアでシールした。
1−1−2 DNA含量を基にした多倍性細胞のスクリーニング
[1]CELAVIEW RS−100(オリンパス社製)を用いて、上記方法で作製した細胞試料における各細胞のDNA蛍光画像の取得、DNA蛍光画像を基にしたDNA含量の測定、及びDNA含量を基にしたヒストグラム(DNA解析データ)の作成を自動的に行った。
[2]得られたDNA解析データにおいて、4種類の細胞(G1期細胞、S期細胞、G2/M期細胞、染色体多倍性細胞)に分類した。
[3]DNA蛍光画像において、上記4種類に分類した細胞に対応する細胞を、解析ソフト(RS-100 analyser)を用いてマークした。
[4]マークした細胞について、画像解析ソフト(Photoshop:Adobe社製)を用いて、G1期細胞を青色で、S期細胞を緑色で、G2/M期細胞を赤色で、染色体多倍性細胞を紫色で示した。
図1には、スライドグラス上でCal51細胞を2週間培養した細胞試料を用いた結果を示す。ヒストグラムで表示したDNA解析データを基に、Cal51細胞集団における、G1期、S期、G2/M期、及び染色体多倍性細胞の割合を分類したところ、それぞれ79%、8%、12%及び1%であり(図1[a]参照)、本発明の方法により、細胞集団全体で1%程度の染色体多倍性細胞をスクリーニングすることができた。かかるDNA解析データを基に、DNA蛍光画像における各染色体多倍性細胞を解析すると、その多くの細胞は個々に分散していたが、詳細に解析を進めたところ、16つ及び9つの染色体多倍性細胞からなる、細胞コロニーの形成が認められた(図1(b)、丸で囲んだ部分)。これらの結果は、元々染色体多倍性細胞は細胞数が少ないため、1つずつ分散しているが、その多くは細胞増殖能を有しておらず、したがって、多くの染色体多倍性細胞は細胞コロニーを形成しなかったが、染色体多倍性細胞の一部には、細胞増殖能を有するものがあり、これらが複数の細胞クローンを生成した結果、細胞コロニーが形成されたことを示している。
1−1 方法
1−1−1 細胞試料の作製とDNA含量の測定
[1]乳癌由来の培養細胞株(Cal51)をスライドグラス上で一定期間(1週間、2週間、又は4週間)培養する。かかるCal51が接着したスライドグラスを基に、以下に示す[2]〜[9]の手順により細胞試料を作製し、DNA含量の測定を行った。
[2]BrdU(シグマアルドリッチ社製)を最終濃度が10μMになるように培地に添加した。
[3]インキュベータ内(37℃、5%CO2条件下)に1時間置いた。
[4]PBSで5分間、3回洗浄した。
[5]100%エタノールで1時間、固定処理を行った。
[6]1晩風乾した。
[7]RNaseA(シグマアルドリッチ社製)(1mg/ml in PBS])で30分間、RNase処理を行った。
[8]PI溶液(0.03mg/ml in PBS)中に30分間浸し、DNA染色を行った。
[9]カバーグラスをかけた後(マニキュアによるシールはせずに)、CELAVIEW RS−100(オリンパス社製)を用いて、各細胞のDNA蛍光画像の取得、DNA蛍光画像を基にしたDNA含量の測定、及びDNA含量を基にしたヒストグラム(DNA解析データ)の作成を自動的に行った。
1−1−2 セントロメアプローブを用いたFISH法
[1]CELAVIEW RS−100(オリンパス社製)により解析したスライドグラスからカバーガラスを取り除いた後、PIを細胞核内のDNAから除くため、PBS溶液中に1週間浸した。
[2]ハイブリダイゼーション効率を上昇させるために、0.05%〜0.5% ペプシン/0.1N HCl溶液中に37℃で12分間処理した。
[3]70%、85%及び100% エタノールで順次2分間処理した後、風乾した。
[4]細胞のDNAを変性するために、Denaturation solution(7ml 20xSSC[3M 塩化ナトリウム、0.3M クエン酸三ナトリウム、pH 7.0]、14ml H2O、49ml ホルムアミド)溶液中に、73℃で5分間処理した。
[5]70%、85%及び100% エタノールで順次2分間処理した後、風乾した。なお、かかる処理において、−20℃〜4℃のエタノールを使用した。
[6]7番染色体セントロメアを特異的に検出するプローブ溶液(7番染色体セントロメアプローブ 1μl、ハイブリダイゼーションバッファー 7μl、脱イオン蒸留水[Deionized distilled Water;DDW)] 2μl)(UroVysion Bladder Cancer Kit、Vysis社製)を変性処理した後、細胞が接着したスライドグラス上に接触させ、その後カバーガラスで被せペーパーボンドでシールし、ハイブリダイゼーション処理を37℃で2〜3日間行った。なお、用いたプローブ溶液の調製及び変性方法は、製品に添付された説明書にしたがって行った。
[7]2xSSC/0.3% NP−40溶液中に室温で1分間洗浄した。
[8]70%、85%及び100% エタノールで順次2分間処理した後、風乾した。
[9]カバーグラスをかけた後(マニキュアによるシールはせずに)、CELAVIEW RS−100(オリンパス社製)を用いて、各細胞のFISH蛍光画像の取得を自動的に行った。
1−1−3 BrdUの検出法
[1]PBSで5〜10分間、3回洗浄した。
[2]抗BrdU抗体(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)(0.1mg/ml)を抗体希釈用緩衝液(コードNO S3022[ダコ社製])で100〜200倍希釈した溶液中に4℃で1晩、1次抗体反応処理を行った。
[3]PBSで5分間、3回洗浄した。
[4]Alexa488標識抗ゴートIgG抗体(Alexa Fluor 488F(ab')2 fragment of Goat anti-Mouse IgGantibody、インビトロジェン社製)を抗体希釈用緩衝液(コードNO S3022[ダコ社製])で100倍希釈した溶液中に室温で1時間、2次抗体反応処理を行った。
[5]PBSで5分間、3回洗浄した。
[6]カバーグラスをかけた後(マニキュアによるシールはせずに)、CELAVIEW RS−100(オリンパス社製)を用いて、各細胞のBrdU蛍光画像の取得を自動的に行った。
上記実施例1と同様の方法によりヒストグラムで表示したDNA解析データを作成し(図2[a])、かかるDNA解析データを基に、DNA蛍光画像(図2[b])、BrdU蛍光画像(図2[c])、及びFISH蛍光画像(図2[d])における各染色体多倍性細胞を解析した。図2には、スライドグラス上でCal51細胞を2週間培養した細胞試料を用いた結果を示す。染色体多倍性細胞は、4つの細胞からなる細胞コロニーを形成しており(図2[b])、この結果は上記実施例1の結果を支持するものである。また、かかる染色体多倍性細胞のBrdUのシグナルの有無を検証したところ、BrdUのシグナルが検出された(図2[c])。この結果は、染色体多倍性細胞がDNA複製をしている、すなわち細胞増殖能を有することを示しており、上記実施例1の結果を支持するとともに、細胞集団からサンプリングする直前まで染色体多倍性細胞が細胞増殖能を有していることを示している。さらに、7番染色体セントロメアプローブを用いたFISHを行い、染色体倍数性について解析したところ、上記染色体多倍性細胞は、4つのシグナルが認められた(図2[d])。この結果は、上記染色体多倍性細胞は、染色体を4セット有した染色体4倍性を示す細胞であることを示している。
Claims (7)
- 以下の工程(a)〜(e)を備えた、イメージサイトメーターによって、細胞集団における、染色体多倍性を示し、かつ、細胞増殖能を有する細胞の有無を判定する方法であって、工程(a)の細胞試料における細胞数が1000〜10000000である方法。
(a)DNAを標的とした蛍光物質と、スライドグラス又はカバーグラスに固定化された細胞集団由来の細胞試料とを接触させる工程;
(b)イメージサイトメーターを用いて、細胞試料中の各細胞のDNA含量を測定する工程;
(c)イメージサイトメーターを用いて、細胞周期G2/M期に相当する細胞よりもDNA含量が多い細胞を、染色体多倍性細胞として選択する工程;
(d)イメージサイトメーターを用いて、工程(c)で選択した染色体多倍性細胞の細胞増殖の有無を検出する工程;
(e)染色体多倍性細胞の細胞増殖が認められた場合、前記細胞集団に、染色体多倍性を示し、かつ、細胞増殖能を有する細胞が含まれていると判定する工程; - 細胞試料が、5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)存在下で培養した細胞由来の試料であり、かつ、工程(d)が、イメージサイトメーターを用いてBrdUを検出し、BrdUのシグナルの有無を指標にして、染色体多倍性細胞の細胞増殖の有無を検出する工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 工程(d)が、イメージサイトメーターを用いて細胞コロニー形成を検出し、細胞コロニー形成の有無を指標にして、染色体多倍性細胞の細胞増殖の有無を検出する工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 工程(a)が、DNAを標的とした蛍光物質に加えて、FISHプローブを細胞集団由来の細胞試料に接触させる工程であり、かつ、工程(c)〜(e)の間に、イメージサイトメーターを用いてFISHプローブを検出し、FISHプローブのシグナル数を基に染色体多倍性を測定する工程(p)をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- FISHプローブがセントロメアを検出するプローブであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 染色体多倍性が染色体4倍性であることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
- 細胞集団が、多能性幹細胞集団であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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GB2361996B (en) * | 1998-10-29 | 2004-05-12 | Cell Works Inc | Multiple marker characterization of single cells |
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