JP5935177B2 - 関節運動アシスト装置の足部装着構造 - Google Patents

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Description

本発明は、関節運動アシスト装置の足部装着構造に係り、より詳しくは、人体の関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造に関する。
従来から、要介護者・要看護者の介護・看護に用いられる様々な装置が提案されている。こうした装置の中には、介護者が、身体の自由が効かない寝たきりの高齢者等の被介護者を抱き起したり、抱き下ろしたり、あるいは移動させるための介護用の外骨格型の筋力補助装置がある(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。
こうした従来例のような外骨格型の筋力補助装置では、膝関節、腰関節等の関節運動をアシストしつつ、当該装置を装着することによる重さ負荷及び被介護者を抱き上げることによる重さ負荷を軽減するために、人体の足部を装着する構造についても、外骨格構造となっている。そして、従来例の技術の足部装着構造では、足部を装着する足底部材は、ベルトで下腿に装着される外骨格形状の下腿装着部(以下、「下腿外骨格部材」と記す)に固定されるようになっている。
すなわち、図1(A)に示される足部装着構造900のように、下腿の外側には、第1外側下腿外骨格部材931及び足関節(いわゆる足首関節、踝関節)に対応する位置で当該第1外側下腿外骨格部材931に接続される第2外側下腿外骨格部材932が配置され、下腿の内側には、第1内側下腿外骨格部材936及び足関節に対応する位置で当該第1内側下腿外骨格部材936に接続される第2内側下腿外骨格部材937が配置されている。そして、足裏全体が装着される足底部材910が、第2外側下腿外骨格部材932及び第2内側下腿外骨格部材937の足底側端部で固定的に接続されている。この図1は、人体の左足部に装着される足部装着構造900を、踵側から眺めた外観図である。
特開2000−051289号公報
ところで、介護者が、安全に被介護者をベッド等から抱き起したり、あるいは抱き下ろしたりする際には、当該介護者は、両足の間隔を広くして、膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとり、足裏全体を床面につける動作を行うことがある。
しかしながら、上述した従来の足部装着構造900では、足底部材910は、足部の外側に配置される第2外側下腿外骨格部材932、及び、足部の内側に配置される第2内側下腿外骨格部材937に固定されている。この結果、足部装着構造900を有する関節運動アシスト装置(以下、単に「アシスト装置」とも記す)を装着した装着者が、両足の間隔を広くする等して、膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとる際には、図1(B)に示されるように、足底部材910の底面全体を床面につけることができず、不自然かつ不安定な姿勢を強いられることになる。したがって、アシスト装置の装着者が、被介護者を抱き起したり、抱き下ろしたりする際に、違和感なくスムーズな動作を行うことができない場合がある。
このため、足部装着構造を有する外骨格型の関節運動アシスト装置の装着者が、足幅を広くする等して、膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとった際に、スムーズに足裏全体を床面につける姿勢状態を実現し、かつ、当該姿勢状態において装着者に与える違和感を低減させることができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる関節運動アシスト装置の足部装着構造を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、人体の足部に装着し、関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造であって、前記人体の膝関節から足関節へ延びる方向に沿って、下腿の外側に装着される外側外骨格部材と;前記膝関節から前記足関節へ延びる方向に沿って、前記下腿の内側に装着される内側外骨格部材と;前記内側外骨格部材における足底側の端部が接続され、前記足部の足裏が装着される平板を含む足底部材と;前記足底部材の外甲側に設けられ、前記外側外骨格部材における足底側の端部を受容可能な受容部材と;を備え、前記内側外骨格部材における足底側の端部は、前記足底部材に対して前記足関節の運動自由度を有するように接続され、前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角の変化に応じて、前記外側外骨格部材における足底側の端部と、前記受容部材との間の距離が変化する、ことを特徴とする関節運動アシスト装置の足部装着構造である。
この第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、下腿の内側に装着される内側外骨格部材における足底側の端部は、足部の足裏が装着される足底部材に対して、足関節の運動自由度を有するように接続されている。また、下腿の外側に装着される外側外骨格部材における足底側の端部と足底部材とは、固定的に接続されておらず、当該足底側の端部は、足底部材の外甲側に設けられた受容部材に受容可能であるとともに、受容部材から離脱可能となっている。
当該第1の足部装着構造の関節運動アシスト装置を装着した装着者が、足裏全体を床面につけて、足幅を狭くした姿勢(以下、こうした姿勢を「閉脚姿勢」とも記す)をとったときには、足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、内側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角が略平行になるとともに、外側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角も略平行になり、外側外骨格部材の足底側端部は、受容部材に受容される。
そして、装着者が、当該閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢(以下、こうした姿勢を「開脚姿勢」とも記す)に移ると、踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、内側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角が変化して広がる。また、開脚姿勢になると、当該面において、外側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角も広がるが、外側外骨格部材の足底側端部が受容部材から外れて、足底側端部と受容部材との間の距離も変化するため、開脚状態においても、足裏全体を床面に接することができる。このため、本発明の第1の足部装着構造を有する外骨格型の関節運動アシスト装置の装着者が、足幅を広くする等して、膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとった際に、足裏全体を床面につける姿勢状態をスムーズに実現し、かつ、当該姿勢状態において装着者に与える違和感を低減させることができる。
したがって、本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造によれば、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材との接触状態を維持しつつ移動が可能であり、前記受容部材は、前記外側外骨格部材における足底側の端部が前記受容部材に接触しているときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部を受容し、前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角が、所定の角度以上となるまでは、前記受容部材が、前記受容部材に対して接触状態を維持しつつ移動する前記外側外骨格部材における足底側の端部の受容を許容し、前記なす角が前記所定の角度以上となったときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に対して非接触状態になり、前記受容部材から外れる、ようにすることができる。このように、当該なす角が所定の角度に達するまでは、外側外骨格部材における足底側の端部と受容部材との接触状態が維持され、外側外骨格部材における足底側の端部は、受容部材に許容されている。このため、当該なす角が所定の角度よりも小さいときに、受容部材による外側外骨格部材の受容を許容し、足裏全体を床面に接する姿勢を実現することができる。また、当該なす角が所定の角度以上になったときにも、足裏全体を床面に接する姿勢を実現することができる。
また、本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に嵌合可能であり、前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角が、所定の角度以上となるまでは、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に嵌合されて、前記受容部材に受容され、前記なす角が前記所定の角度以上となったときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材との嵌合が解除されて、前記受容部材から外れる、ようにすることができる。このように、当該なす角が所定の角度に達するまでは、外側外骨格部材における足底側の端部は、受容部に嵌合されている。このため、当該なす角が所定の角度よりも小さいときに、外側外骨格部材が受容部材から外れないため、安定した構造を実現するとともに、足裏全体を床面に接する姿勢を実現することができる。また、当該なす角が所定の角度以上になったときにも、足裏全体を床面に接する姿勢を実現することができる。
また、本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、凸形状に形成されており、前記受容部材は、前記足底部材の外甲側に固定される凹形状の部材であり、前記外側外骨格部材における前記凸形状の足底側の端部を受容する、ようにすることができる。この場合には、受容部材による外側外骨格部材の受容を確実にすることができる。また、この場合には、凸形状の外側外骨格部材の足底側端部が、凹形状の受容部材に受容されているときに、外側外骨格部材が受容部材を介して足底部材に接続された安定した足部装着構造を実現することができる。
また、本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材における足底側の端部を前記足底部材の外甲側に固定された前記受容部材へ導く誘導部材を更に備える、構成とすることができる。この場合には、外側外骨格部材が受容部材から外れている開脚姿勢から、閉脚姿勢へと移行するに際して、外側外骨格部材の足底側端部を受容部材へ誘導することができる。この結果、閉脚状態において、外側外骨格部材の足底側端部が、受容部材に受容されない事態、すなわち、外側外骨格部材が受容部材を介して足底部材に接続されない事態を無くすことができる。
ここで、第1の足部装着構造の構成要素として誘導部材を更に備える構成とした場合に、前記誘導部材は、前記受容部材に近接して設置され、足甲側へ沿った方向に延びる長方形状の少なくとも1つの板バネであり、前記少なくとも1つの板バネの内の1つである特定板バネは、前記受容部材の内甲側に設置され、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記特定板バネにより、前記受容部材に誘導される、ようにすることができる。
この場合には、外側外骨格部材の足底側端部が受容部材に受容されている閉脚姿勢から開脚姿勢に移行すると、当該足底側端部が受容部材から外れて足底側端部と受容部材との間の距離が長くなる。この結果、受容部材の内甲側に設置された特定板バネが、外側外骨格部材の足底側端部に接しながら弾性的に湾曲する。そして、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するときには、足底側端部と受容部材との間の距離が短くなるにつれて、特定板バネが、外側外骨格部材の足底側端部に接しながら弾性的に復元し、当該足底側端部が受容部材に誘導される。この結果、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するときに、足底側端部をスムーズに受容部材へ誘導することができる。
このように、誘導部材として板バネを採用した場合には、前記板バネの数は2つであり、前記特定板バネ以外の板バネは、前記受容部材の外甲側に設置される、ようにすることができる。この場合には、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行して、足底側端部と受容部材との間の距離が短くなったときに、2つのバネ板が、外側外骨格部材の足底側端部を挟み込むようにして、当該足底側端部を受容部材へ誘導する。この結果、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するときに、よりスムーズに足底側端部を受容部材へ誘導することができる。
また、第1の足部装着構造の構成要素として誘導部材を更に備えるようにした場合に、前記誘導部材は、前記受容部材に近接して配置され、足甲側へ沿った方向に延びる長方形状の少なくとも1つの板状部材であり、前記少なくとも1つの板状部材の内の1つである特定板状部材は、前記受容部材の外甲側に設置され、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記特定板状部材により、前記受容部材に誘導される、ようにすることができる。
この場合には、外側外骨格部材の足底側端部が受容部材に受容されていない開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するに際して、足底側端部と受容部材との間の距離が短くなったときに、受容部材の外甲側に設置された特定板状部材が、当該足底側端部を受容部材へ誘導する。この結果、外側外骨格部材の足底側端部が、受容部材の外甲側に位置する事態、すなわち、受容部材に受容されない事態を無くすことができる。
また、第1の足部装着構造の構成要素として誘導部材を更に備える構成とした場合に、前記誘導部材は、一方の端部が前記受容部材を囲むようにして設置され、足甲側へ沿った方向に延びる中空状の中空弾性部材であり、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、他方の端部から前記中空弾性部材の中空内部に挿入され、前記中空弾性部材により、前記受容部材に誘導される、ようにすることができる。
この場合には、外側外骨格部材の足底側端部が受容部材に受容されている閉脚姿勢から開脚姿勢に移行すると、当該足底側端部が受容部材から外れて足底側端部と受容部材との間の距離が長くなる。この結果、中空弾性部材の内側が、外側外骨格部材の足底側端部と接しながら、当該中空弾性部材が弾性的に湾曲する。そして、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するときには、足底側端部と受容部材との間の距離が短くなるにつれて、中空弾性部材の内側が、外側外骨格部材の足底側端部に接しながら、当該中空弾性部材が弾性的に復元し、当該足底側端部が受容部材に誘導される。この結果、開脚姿勢から閉脚姿勢に移行するときに、足底側端部をスムーズに受容部材へ誘導することができる。
ここで、中空弾性部材としては、筒状のゴム製の部材であってもよいし、バネ部材であってもよい。
本発明の第1の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材は、前記人体の下腿に対応する第1外側外骨格部材と;一方の端部が前記人体の足関節に対応する位置で、前記第1外側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記受容部材に受容可能に接続される第2外側外骨格部材と;を備える構成とすることができる。そして、前記内側外骨格部材は、前記人体の下腿に対応する第1内側外骨格部材と;一方の端部が前記足関節に対応する位置で、前記第1内側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記足底部材に接続される第2内側外骨格部材と;を備える、構成とすることができる。
この場合には、受容部材を備える第1の足部装着構造において、装着された人体の足関節(距腿関節:足の骨と下腿骨とを結んでいる関節単位)の動きに対応したスムーズな動きを実現することができる。
本発明は、第2の観点からすると、人体の足部に装着し、関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造であって、前記人体の膝関節から足関節へ延びる方向に沿って、下腿の外側に装着される外側外骨格部材と;前記膝関節から前記足関節へ延びる方向に沿って、前記下腿の内側に装着される内側外骨格部材と;前記内側外骨格部材における足底側の端部が接続され、前記足部の足裏が装着される平板を含む足底部材と;前記外側外骨格部材における足底側の端部に一方の端部が接続される少なくとも弾性部材を含む接続用部材と;前記足底部材の外甲側に設けられ、前記接続用部材の他方の端部を固定する固定用部材と;を備え、前記内側外骨格部材における足底側の端部は、前記足底部材に対して前記足関節の運動自由度を有するように接続され、前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角の変化に応じて、前記弾性部材が伸縮し、前記外側外骨格部材における足底側の端部と、前記固定用部材との間の距離が変化する、ことを特徴とする関節運動アシスト装置の足部装着構造である。
この第2の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、下腿の内側に装着される内側外骨格部材における足底側の端部は、足部の足裏が装着される足底部材に対して、足関節の運動自由度を有するように配置されている。一方、下腿の外側に装着される外側外骨格部材における足底側の端部は、少なくとも弾性部材を含む接続用部材の一方の端部と接続されている。ここで、接続用部材の他方の端部は、足底部材の外甲側に設けられた固定用部材に接続されている。
当該第2の足部装着構造の関節運動アシスト装置を装着した装着者が、足裏全体を床面につけて、足幅を狭くした閉脚姿勢をとったときには、足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、内側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角が略平行になるとともに、外側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角も略平行になっている。
そして、装着者が、当該閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移ると、踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、内側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角が変化して広がる。また、開脚姿勢になると、当該面において、外側外骨格部材の長さ方向と足底部材における平板の法線方向とのなす角も広がるが、少なくとも弾性部材を含む接続用部材が伸びて、足底側端部と固定用部材との間の距離も変化するため、開脚状態においても、足裏全体を床面に接することができる。このため、本発明の第2の足部装着構造を有する外骨格型の関節運動アシスト装置の装着者が、足幅を広くする等して、膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとった際に、足裏全体を床面につける姿勢状態をスムーズに実現し、かつ、当該姿勢状態において装着者に与える違和感を低減させることができる。
なお、弾性部材としては、長形状のゴム製の部材であってもよいし、コイルバネ等のバネ部材であってもよい。
したがって、本発明の第2の関節運動アシスト装置の足部装着構造によれば、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
本発明の第2の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記接続用部材は、弾性部材であり、前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材の足甲側に固定される、ようにすることができる。この場合には、接続用部材を弾性部材のみとする簡易な構成とすることができる。
また、本発明の第2の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記接続用部材は、紐部材の他方の端部と弾性部材の一方の端部とを接続した部材であり、前記紐部材の一方の端部は、前記外側外骨格部材における足底側の端部に接続され、前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材に固定される、ようにすることができる。この場合には、外側外骨格部材の足底側端部に接続される接続用部材が紐部材であるため、コイルバネ等の弾性部材が、関節運動アシスト装置の装着者のズボン等にからむことを少なくすることができる。
このように、接続用部材を、紐部材と弾性部材とを繋げた部材にした場合には、前記固定用部材は、前記紐部材を通す穴が成形された中空状の部材であり、前記紐部材の他方の端部は、前記固定用部材の中空内部で前記弾性部材の一方の端部に接続され、前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材の中空内部に固定される、ようにすることができる。この場合には、弾性部材が固定用部材の中空内部に収納されているため、コイルバネ等の弾性部材が関節運動アシスト装置の装着者のズボン等にからむことを防止することができる。
本発明の第2の関節運動アシスト装置の足部装着構造では、前記外側外骨格部材は、前記人体の下腿に対応する第1外側外骨格部材と;一方の端部が前記人体の足関節に対応する位置で、前記第1外側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記接続用部材に接続される第2外側外骨格部材と;を備える構成とすることができる。そして、前記内側外骨格部材は、前記人体の下腿に対応する第1内側外骨格部材と;一方の端部が前記足関節に対応する位置で、前記第1内側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記足底部材に接続される第2内側外骨格部材と;を備える、構成とすることができる。
この場合には、接続用部材及び固定用部材を備える第2の足部装着構造において、装着された人体の足関節の動きに対応したスムーズな動きを実現することができる。
以上説明したように、本発明の関節運動アシスト装置の足部装着構造によれば、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができるという効果を奏する。
従来の関節運動アシスト装置の足部装着構造を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造の外観図(YZ平面視図)である。 図2の足部装着構造の外観図(XZ平面視図)である(その1)。 図2の足部装着構造の外観図(XZ平面視図)である(その2)。 図2〜図4の足部装着部の構成を説明するための図である。 閉脚姿勢時及び開脚姿勢時における図2の足部装着構造の状態を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造の外観図(YZ平面視図)である。 図7の足部装着構造の外観図(XZ平面視図)である。 閉脚姿勢時及び開脚姿勢時における図7の足部装着構造の状態を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造の外観図(YZ平面視図)である。 図10の足部装着構造の外観図(XZ平面視図)である。 閉脚姿勢時及び開脚姿勢時における図10の足部装着構造の状態を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造の外観図(YZ平面視図)である。 図13の足部装着構造の外観図(XZ平面視図)である。 閉脚姿勢時及び開脚姿勢部における図13の足部装着構造の状態を説明するための図である。
100A〜100D…関節運動アシスト装置の足部装着構造、111…第1外側外骨格部材、112A,112C…第2外側外骨格部材、116…第1内側外骨格部材、117…第2内側外骨格部材、120A,120C,120D…足部装着部、121…平板部材(足底部材の一部)、122…内側軸支部材(足底部材の一部)、122a,122b…軸挿入部、122c…固定部、125…外側受容部材(受容部材)、126C,126D…外側固定用部材(固定用部材)、129…踵止め部材、140…板バネ部材(特定板バネ、誘導部材)、150…中空弾性部材(誘導部材)、160…ゴム部材(弾性部材、接続用部材)、171…紐部材(接続用部材の一部)、172…コイルバネ部材(弾性部材、接続用部材)、CV…凸部、CC…凹部、AX…軸部材、PL…プーリ、PN…ピン、191,192,196,197…連接部材、211,212,213,214…ベルト部材、311…外側大腿外骨格部材、316…内側大腿外骨格部材、321,322,326,327…連接部材、900…足部装着構造、910…足底部材、931…第1外側下腿外骨格部材、932…第2外側下腿外骨格部材、936…第1内側下腿外骨格部材、937…第2内側下腿外骨格部材
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図2〜図6を参照して説明する。ここで、第1実施形態においては、人体の左足部に装着される関節運動アシスト装置の足部装着構造を例示して説明する。
<構成>
図2〜図4には、第1実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造100A(以下、単に「足部装着構造100A」とも記す)の外観図が示されている。図2〜図4における座標系(X,Y,Z)は、足部装着構造100Aが人体の左の足部に装着された場合に、直立姿勢時において、人体の正面方向を+X方向、人体の右側から左側へと向かう方向を+Y方向、鉛直上方方向を+Z方向とする座標系である(後述する図5〜図15についても同様)。
ここで、図2は、関節運動アシスト装置の装着者が、足裏全体を水平の床面につけて、足幅を狭くした閉脚姿勢をとったときに、人体の左足部に装着された足部装着構造100Aを、−X方向側(踵側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図3は、人体の左足部に装着された足部装着構造100Aを、閉脚姿勢時において、+Y方向側(外甲側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。また、図4は、人体の左足部に装着された足部装着構造100Aを、閉脚姿勢時において、−Y方向側(内甲側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。
この足部装着構造100Aは、人体の大腿部の外側に装着される長板状の外側大腿外骨格部材311における膝関節側の端部、及び、当該大腿部の内側に装着される長板状の内側大腿外骨格部材316における膝関節側の端部に接続されている。
図2〜図4により総合的に示されるように、足部装着構造100Aは、第1外側外骨格部材111と、第2外側外骨格部材112Aと、第1内側外骨格部材116と、第2内側外骨格部材117とを備えている。また、足部装着構造100Aは、足部装着部120Aと、誘導部材における特定板バネとしての板バネ部材140とを備えている。
上記の第1外側外骨格部材111は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の両方の端部に固定的に接続された外歯歯車とから構成されている。この第1外側外骨格部材111は、左下腿部が膝関節から足関節(いわゆる足首関節、踝関節)へ延びる方向に沿って、左下腿部の外側(+Y方向側)に配置される。
第1外側外骨格部材111における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、外側大腿外骨格部材311における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、当該噛合が2つの連接部材321,322により確保されている。そして、第1外側外骨格部材111及び外側大腿外骨格部材311は、膝関節に対応する位置において、互いに膝関節の回動方向に回動可能となっている。
上記の第2外側外骨格部材112Aは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状の板状外骨格部材と、当該板状外骨格部材の一方の端部に固定的に接続された外歯歯車と、他方の端部に固定的に接続された球状の凸部CVとから構成されている。そして、第2外側外骨格部材112Aにおける一方の端部の外歯歯車は、足関節に対応する位置で、第1外側外骨格部材111における足関節側の端部の外歯歯車と噛合し、足関節の回動方向に回動可能となるように、当該噛合が2つの連接部材191,192により確保されている。また、第2外側外骨格部材112Aにおける他方の端部の凸部CVは、後述する外側受容部材125に成形された凹部CCにより受容可能となっている。
上記の第1内側外骨格部材116は、例えば、鋼鉄製の部材であり、上述した第1外側外骨格部材111と同様に、長板状外骨格部材と、当該長板状外骨格部材における長手方向の両方の端部に固定的に接続された外歯歯車とから構成されている。この第1内側外骨格部材116は、左下腿部が膝関節から足関節へ延びる方向に沿って、左下腿部の内側(−Y方向側)に配置される。
第1内側外骨格部材116における膝関節側の端部の外歯歯車は、膝関節に対応する位置で、内側大腿外骨格部材316における膝関節側の端部の外歯歯車と噛合し、膝関節の回動方向に回動可能となるように、当該噛合が2つの連接部材326,327により確保されている。そして、第1内側外骨格部材116及び内側大腿外骨格部材316は、膝関節に対応する位置において、互いに膝関節の回動方向に回動可能となっている。
上記の第2内側外骨格部材117は、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状の板状外骨格部材と、当該板状外骨格部材の一方の端部に固定的に接続された外歯歯車とから構成されている。そして、第2内側外骨格部材117における一方の端部の外歯歯車は、足関節に対応する位置で、第1内側外骨格部材116における足関節側の端部の外歯歯車と噛合し、足関節の回動方向に回動可能となるように、当該噛合が2つの連接部材196,197により確保されている。また、第2内側外骨格部材117における他方の端部には、X軸と平行な軸を軸方向とする軸部材AXを挿入する軸穴が成形加工されている。そして、第2内側外骨格部材117における他方の端部は、軸部材AXの回動方向で、後述する内側軸支部材122に回動可能に取り付けられる。
第1実施形態では、下腿部の外側に配置される第1外側外骨格部材111及び下腿部の内側に配置される第1内側外骨格部材116は、布製のベルト部材211,212により下腿部に装着される。
<足部装着部120Aの構成>
次に、上記の足部装着部120Aの構成について説明する。足部装着部120Aは、図2〜図4、及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、足底部材の一部としての平板部材121と、足底部材の一部としての内側軸支部材122と、受容部材としての外側受容部材125と、踵止め部材129とを備えている。ここで、図5(A)は、足部装着部120Aを+Y方向側から視た図であり、図5(B)は、足部装着部120Aを+Z方向側から視た図である。
上記の平板部材121は、例えば、鋼鉄製の部材であり、第1実施形態では、XY平面視で四隅の角を丸めた略長方形状の平板に成形されている。この平板部材121には、足部の足裏が配置され、布製のベルト部材213,214(図3,4参照、図2及び図5(A),(B)においては不図示)により、当該足部が装着される。
上記の内側軸支部材122は、例えば、鋼鉄製の部材であり、XZ平面視でU字状に成形される(図4参照)。内側軸支部材122は、軸挿入部122a,122bと、固定部122cとを有している(図5参照)。そして、+X方向側の軸挿入部122a、及び、−X方向側の軸挿入部122bには、X軸と平行な軸を軸方向とする軸部材AXを挿入する軸穴HLa及びHLbが成形加工されている。また、固定部122cは、平板部材121における内甲側(−Y方向側)端部の略中央の踵側に、不図示のネジ止め等で取り付けられる。
第1実施形態では、軸挿入部122aと軸挿入部122bとの間に、第2内側外骨格部材117における他方の端部が挿入され、軸挿入部122aの軸穴HLa、軸部材122bの軸穴HLb、及び、第2内側外骨格部材117における他方の端部の軸穴に、軸部材AXが挿入されるようになっている。このため、第2内側外骨格部材117における他方の端部は、内側軸支部材122に対して、軸部材AXの回動方向で回動可能になっている。
上記の外側受容部材125は、例えば、鋼鉄製の部材であり、平板部材121における外甲側(+Y方向側)端部の略中央の踵側に、不図示のネジ止め等で取り付けられる。外側受容部材125には、閉脚姿勢時において、+Z方向側に略半球状の凹部CCが形成加工されている。この凹部CCの径は、第2外側外骨格部材112Aにおける他方の端部の凸部CVの径よりも大きくなっている(図2,3参照)。このため、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVが外側受容部材125から外れている開脚状態から、閉脚状態へと移行するときには、当該凸部CVが外側受容部材125の凹部CCに受容されやすくなっている。また、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が、所定の角度以上になるまで、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、凹部CCに受容されるようになっている。
上記の踵止め部材129は、例えば、鋼鉄製の部材であり、平板部材121における−X方向側の端部に固定される。この踵止め部材129により、平板部材121に配置される足部の踵部を支持するようになっている。
次いで、上記の板バネ部材140について説明する。板バネ部材140は、図2,3、及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、閉脚姿勢において、XZ平面視で長手方向を+Z方向とする長方形状となっている。この板バネ部材140は、平板部材121における外甲側(+Y方向側)端部であって、外側受容部材125の内甲側(−Y方向側)に設置される。そして、板バネ部材140は、Y軸方向に沿った方向(+X方向を視線方向としたYZ平面視で時計回り又は反時計回り)に、変形するようになっている(後述する図6参照)。
以上、人体の左足部に装着される足部装着構造100Aについて説明したが、当該人体の右足部に装着される足部装着構造についても、左足部に装着される足部装着構造と同様に構成されている。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置の足部装着構造100Aの動作について、説明する。
なお、足部装着構造100Aは、人体の足部に装着されており、当初においては、図6(A)に示されるように、関節運動アシスト装置の装着者は、両脚の間隔を狭くした閉脚姿勢をとっているものとする。当該閉脚姿勢時においては、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行であるとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になっている。そして、こうした状態では、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、外側受容部材125の凹部CCに受容されており、平板部材121の底面全体が床面に接しているものとする。
こうした閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が変化して広がるとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も広がる。そして、当該なす角が所定の角度以上になると、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVが、外側受容部材125に成形された凹部CCから外れて、図6(B)に示されるように、足裏が装着される平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことができる。そして、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと外側受容部材125に成形された凹部CCとの間の距離が長くなるにつれて、板バネ部材140が、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVに接しながら弾性的に湾曲する。
また、図6(B)に示される開脚姿勢から図6(A)に示される閉脚姿勢に移るときには、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行になるように変化するとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になるように変化する。そして、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと外側受容部材125の凹部CCとの間の距離が短くなるにつれて、板バネ部材140が、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと接しながら弾性的に復元し、当該第2外側外骨格部材112Aの凸部CVを外側受容部材125に成形された凹部CCに誘導する。
以上説明したように、第1実施形態では、内甲側に装着される第2内側外骨格部材117の端部は、平板部材121に対して、足関節の運動自由度を有するように配置され、外甲側に装着される第2外側外骨格部材112Aの端部には、外側受容部材125に成形された凹部CCに受容可能な凸部CVが形成されている。そして、両足の間隔を狭くした閉脚姿勢では、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、外側受容部材125の凹部CCに受容されており、平面部材121の底面全体が床面に接している。
当該閉脚姿勢から、両足の間隔を広くして膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、外甲側の第2外側外骨格部材112Aの凸部CVが、外側受容部材125に成形された凹部CCから外れて、平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことが可能となる。また、当該閉脚姿勢から開脚姿勢に移行するに際して、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、板バネ部材140に接する状態を維持している。引き続き、当該開脚姿勢から閉脚姿勢に移るときには、板バネ部材140が、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと接しながら弾性的に復元し、当該凸部CVを外側受容部材125に成形された凹部CCに誘導する。
したがって、第1実施形態によれば、関節運動アシスト装置を装着した場合において、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図7〜図9を主に参照して説明する。ここで、第2実施形態においても、人体の左足部に装着される関節運動アシスト装置の足部装着構造を例示して説明する。
<構成>
図7,8には、第2実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造100B(以下、単に「足部装着構造100B」とも記す)の外観図が示されている。ここで、図7は、閉脚姿勢時において、人体の左足部に装着された足部装着構造100Bを、−X方向側(踵側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図8は、人体の左足部に装着された足部装着構造100Bを、閉脚姿勢時において、+Y方向側(外甲側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。
図7,8により総合的に示されるように、足部装着構造100Bは、上述した第1実施形態の足部装着構造100A(図2〜図4参照)と比べて、板バネ部材140に代えて誘導部材としての中空弾性部材150を備えている点が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
上記の中空弾性部材150は、第2実施形態では、閉脚姿勢において、+Z方向に沿って延びる筒状のゴム製の部材である。この中空弾性部材150は、平板部材121における外甲側(+Y方向側)端部であって、外側受容部材125を囲むようにして設置される。そして、中空弾性部材150の中空内部に、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVが挿入されるようになっている。
以上、人体の左足部に装着される足部装着構造100Bについて説明したが、当該人体の右足部に装着される足部装着構造についても、左足部に装着される足部装着構造と同様に構成されている。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置の足部装着構造100Bの動作について、説明する。
なお、足部装着構造100Bは、人体の足部に装着されており、当初においては、図9(A)に示されるように、関節運動アシスト装置の装着者は、閉脚姿勢をとっているものとする。当該閉脚姿勢時においては、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行であるとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になっている。そして、こうした状態では、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、外側受容部材125の凹部CCに受容されており、平板部材121の底面全体が床面に接しているものとする。
こうした閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が変化して広がるとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も広がる。そして、当該なす角が所定の角度以上になると、第2外側外骨格部材112Aにおける足底側端部の凸部CVが、外側受容部材125に成形された凹部CCから外れて、図9(B)に示されるように、足裏が装着される平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことができる。そして、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと外側受容部材125に成形された凹部CCとの間の距離が長くなるにつれて、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと内部で接している中空弾性部材150が、弾性的に湾曲する。
また、図9(B)に示される開脚状態から図9(A)に示される閉脚姿勢に移るときには、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行になるように変化するとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になるように変化する。そして、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと外側受容部材125の凹部CCとの間の距離が短くなるにつれて、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと内部で接している中空弾性部材150が弾性的に復元し、当該第2外側外骨格部材112Aの凸部CVを外側受容部材125に成形された凹部CCに誘導する。
以上説明したように、第2実施形態では、内甲側に装着される第2内側外骨格部材117の端部は、平板部材121に対して、足関節の運動自由度を有するように配置され、外甲側に装着される第2外側外骨格部材112Aの端部には、外側受容部材125に成形された凹部CCに受容可能な凸部CVが形成されている。そして、両足の間隔を狭くした閉脚姿勢では、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、外側受容部材125の凹部CCに受容されている。
当該閉脚姿勢から、両足の間隔を広くして膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、外甲側の第2外側外骨格部材112Aの凸部CVが、外側受容部材125に成形された凹部CCから外れて、平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことが可能となる。また、当該閉脚姿勢から開脚姿勢に移行するに際して、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVは、中空弾性部材150の内部に接する状態を維持している。引き続き、当該開脚姿勢から閉脚姿勢に移るときには、第2外側外骨格部材112Aの凸部CVと内部で接している中空弾性部材150が弾性的に復元し、当該凸部CVを外側受容部材125に成形された凹部CCに誘導する。
したがって、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、関節運動アシスト装置を装着した場合において、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図10〜図12を主に参照して説明する。ここで、第3実施形態においても、人体の左足部に装着される関節運動アシスト装置の足部装着構造を例示して説明する。
<構成>
図10,11には、第3実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造100C(以下、単に「足部装着構造100C」とも記す)の外観図が示されている。ここで、図10は、閉脚姿勢時において、左足部に装着された足部装着構造100Cを、−X方向側(踵側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図11は、左足部に装着された足部装着構造100Cを、閉脚姿勢時において、+Y方向側(外甲側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。
図10,11により総合的に示されるように、足部装着構造100Cは、上述した第1実施形態の足部装着構造100A(図2〜図4参照)と比べて、第2外側外骨格部材112Aに代えて第2外側外骨格部材112Cを備える点、足部装着部120Aに代えて足部装着部120Cを備える点、接続用部材(弾性部材)としてのゴム部材160を更に備える点、及び、板バネ部材140を備えていない点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
上記の第2外側外骨格部材112Cは、例えば、鋼鉄製の部材であり、長板状の板状外骨格部材と、当該板状外骨格部材の一方の端部に固定的に接続された外歯歯車とから構成されている。そして、第2外側外骨格部材112Cにおける一方の端部の外歯歯車は、足関節に対応する位置で、第1外側外骨格部材111における足関節側の端部の外歯歯車と噛合し、足関節の回動方向に回動可能となるように、当該噛合が2つの連接部材191,192により確保されている。また、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部は、ゴム部材160における一方の端部と固定的に接続されている。
なお、第2外側外骨格部材112Cの長さは、上述した第2外側外骨格部材112Aの長さよりも短くなっている。そして、第3実施形態では、第2外側外骨格部材112Cの長さと収縮時におけるゴム部材160の長さとを足し合わせた長さが、第2外側外骨格部材112Aの長さと略一致するようになっている。
上記の足部装着部120Cは、上述した第1実施形態の足部装着部120Aと比べて、外側受容部材125に代えて固定用部材としての外側固定用部材126Cを備える点が異なっている。上記の外側固定用部材126Cは、例えば、鋼鉄製の立方形状の部材であり、平板部材121における外甲側(+Y方向側)端部の略中央の踵側に、不図示のネジ止め等で取り付けられる。そして、外側固定用部材126Cにおける+Z方向側の面に、ゴム部材160における他方の端部が固定的に接続される。
上記のゴム部材160は、第3実施形態では、閉脚姿勢において、+Z方向に沿って延びる棒状又は板状のゴム製の部材である。このゴム部材160は、一方の端部が第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と接続され、他方の端部が外側固定用部材126Cにおける+Z方向側の面と接続されている。
以上、人体の左足部に装着される足部装着構造100Cについて説明したが、当該人体の右足部に装着される足部装着構造についても、左足部に装着される足部装着構造と同様に構成されている。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置の足部装着構造100Cの動作について、説明する。
なお、当初においては、図12(A)に示されるように、関節運動アシスト装置の装着者は、閉脚姿勢をとっているものとする。当該閉脚姿勢時においては、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行であるとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になっている。そして、こうした状態では、ゴム部材160は、収縮しており、平板部材121の底面全体が床面に接しているものとする。
こうした閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が変化して広がるとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も広がる。そして、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と外側固定用部材126Cとの間の距離が長くなるにつれて、ゴム部材160が弾性的に伸長して、図12(B)に示されるように、平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことができる。
また、図12(B)に示される開脚姿勢から図12(A)に示される閉脚姿勢に移るときには、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行になるように変化するとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になるように変化する。そして、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と外側固定用部材126Cとの間の距離が短くなるにつれて、ゴム部材160が弾性的に収縮する。
以上説明したように、第3実施形態では、内甲側に装着される第2内側外骨格部材117の端部は、平板部材121に対して、足関節の運動自由度を有するように配置され、外甲側に装着される第2外側外骨格部材112Cの端部には、外側固定用部材126Cに固定されているゴム部材160と接続されている。そして、両足の間隔を狭くした閉脚姿勢では、ゴム部材160は、収縮状態となっている。
当該閉脚姿勢から、両足の間隔を広くして膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、第2外側外骨格部材112C及び外側固定用部材126Cに接続されているゴム部材160が弾性的に伸長するため、平板部材121の底面全体を床面に接する状態を維持することができる。また、当該開脚姿勢から閉脚姿勢に移るときには、ゴム部材160が弾性的に収縮する。
したがって、第3実施形態によれば、上述した第1及び第2実施形態と同様に、関節運動アシスト装置を装着した場合において、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
[第4実施形態]
次いで、本発明の第4実施形態を、図13〜図15を主に参照して説明する。ここで、第4実施形態においても、人体の左足部に装着される関節運動アシスト装置の足部装着構造を例示して説明する。
<構成>
図13,14には、第4実施形態に係る関節運動アシスト装置の足部装着構造100D(以下、単に「足部装着構造100D」とも記す)の外観図が示されている。ここで、図13は、閉脚姿勢時において、足部装着構造100Dを、−X方向側(踵側)から眺めた外観図(YZ平面視図)である。また、図14は、足部装着構造100Dを、閉脚姿勢時において、+Y方向側(外甲側)から眺めた外観図(XZ平面視図)である。
図13,14により総合的に示されるように、足部装着構造100Dは、上述した第3実施形態の足部装着構造100C(図10,11参照)と比べて、足部装着部120Cに代えて足部装着部120Dを備える点、接続用部材の一部としての紐部材171及び接続用部材の一部(弾性部材)としてのコイルバネ部材172を更に備える点、及び、ゴム部材160を備えていない点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
上記の足部装着部120Dは、上述した第3実施形態の足部装着部120Cと比べて、外側固定用部材126Cに代えて外側固定用部材126Dを備える点が異なっている。上記の外側固定用部材126Dは、例えば、鋼鉄製の立方形状の部材であり、内部が中空状になっている。外側固定用部材126Dは、平板部材121における外甲側(+Y方向側)端部の踵側に、不図示のネジ止め等で取り付けられる。そして、外側固定用部材126Dにおける+Z方向側の面には、紐部材171を通す穴が成形されている。また、外側固定用部材126Dの中空内部には、プーリPL及びピンPNが取り付けられている。
ここで、第4実施形態では、プーリPLは、Y軸と平行な軸を軸方向とする円盤状の部材であり、紐部材171を通す外側固定用部材126Dの穴の−Z方向側に配置されるようになっている。また、ピンPNは、中空内部の−X方向側端部に配置されるようになっている(図14参照)。
上記の紐部材171における一方の端部は、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と接続されている。そして、紐部材171は、外側固定用部材126Dの中空内部でプーリPLに巻き回され、他方の端部が、コイルバネ部材172における一方の端部と接続されている。
上記のコイルバネ部材172における他方の端部は、外側固定用部材126Dの中空内部でピンPNに固定されている。そして、第4実施形態では、コイルバネ部材172は、外側固定用部材126Dの中空内部で、X方向に伸縮するようになっている。このため、紐部材171とコイルバネ部材172とを繋げた接続用部材全体が伸縮した際に、紐部材171のみが、外側固定用部材126Dの外部に現れるようになっている。
<動作>
以上のようにして構成された関節運動アシスト装置の足部装着構造100Dの動作について、説明する。
なお、当初においては、図15(A)に示されるように、関節運動アシスト装置の装着者は、閉脚姿勢をとっているものとする。当該閉脚姿勢時においては、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行であるとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になっている。そして、こうした状態では、コイルバネ部材172は、収縮しており、平板部材121の底面全体が床面に接しているものとする。
こうした閉脚姿勢から、足幅を広げて膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が変化して広がるとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も広がる。そして、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と外側固定用部材126Dとの間の距離が長くなるにつれて、コイルバネ部材172が弾性的に伸長して、図15(B)に示されるように、平板部材121の底面全体を床面につけた状態を保つことができる。
また、図15(B)に示される開脚姿勢から図15(A)に示される閉脚姿勢に移るときには、YZ平面視で、第2内側外骨格部材117の長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角が略平行になるように変化するとともに、第2外側外骨格部材112Cの長さ方向と平板部材121の法線方向とのなす角も略平行になるように変化する。そして、第2外側外骨格部材112Cにおける他方の端部と外側固定用部材126Dとの間の距離が短くなるにつれて、コイルバネ部材172が弾性的に収縮する。
以上説明したように、第4実施形態では、内甲側に装着される第2内側外骨格部材117の端部は、平板部材121に対して、足関節の運動自由度を有するように配置され、外甲側に装着される第2外側外骨格部材112Cの端部には、紐部材171における一方の端部と接続されている。そして、当該紐部材171における他方の端部は、外側固定用部材126Cに固定されているコイルバネ部材172と接続されている。そして、両足の間隔を狭くした閉脚姿勢では、コイルバネ部材172は、収縮状態となっている。
当該閉脚姿勢から、両足の間隔を広くして膝下部を鉛直上方に対して傾けた開脚姿勢に移行すると、コイルバネ部材172が弾性的に伸長するため、平板部材121の底面全体を床面に接する状態を維持することができる。また、当該開脚姿勢から閉脚姿勢に移るときには、コイルバネ部材172が弾性的に収縮する。
したがって、第4実施形態によれば、上述した第1〜第3実施形態と同様に、関節運動アシスト装置を装着した場合において、スムーズかつ安定した足部の動きを実現することができる。
また、第4実施形態では、第2外側外骨格部材112Cの端部に紐部材171の一方の端部が接続されるとともに、紐部材171の他方の端部に接続されるコイルバネ部材172が、外側固定用部材126Dの中空内部に収容される構成となっている。このため、コイルバネ部材172が、関節運動アシスト装置の装着者のズボン等にからむことを防ぐことができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1実施形態では、誘導部材として板バネ部材を備えるようにし、上記の第2実施形態では、誘導部材として中空弾性部材を備えるようにした。これに対して、当該誘導部材としての板バネ部材又は中空弾性部材を構成要素から省略するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、第2外側外骨格部材112Aにおける他方の端部には球状の凸部が形成され、外側受容部材の+Z方向側には半球状の凹部が形成加工されることとした。これに対して、第2外側外骨格部材における他方の端部には例えば半球状の凹部を形成し、外側受容部材の+Z方向側には例えば球状の凸部を形成するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、第2外側外骨格部材112Aにおける他方の端部と外側受容部材とを嵌合させない構成にするとともに、第2外側外骨格部材112Aの長さ方向と平板部材の法線方向とのなす角が所定の角度となったときに、第2外側外骨格部材112Aにおける他方の端部が、外側受容部材から外れるようにした。これに対して、第2外側外骨格部材における他方の端部と外側受容部材とを嵌合可能とし、第2外側外骨格部材の長さ方向と平板部材の法線方向とのなす角が予め定められた角度以上になるまで、第2外側外骨格部材は、外側受容部材に嵌合されるようにしてもよい。
なお、第2外側外骨格部材における他方の端部と外側受容部材とを嵌合可能にする構成を採用した場合に、第2外側外骨格部材における他方の端部に凸部を形成して、外側受容部材の+Z方向側に凹部を形成加工するようにしてもよいし、また、第2外側外骨格部材における他方の端部に凹部を形成して、外側受容部材の+Z方向側に凸部を形成加工するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、外側受容部材の+Z方向側に凹部を形成加工するようにしたが、例えば、外側受容部材の+Z方向側の面を平板にする等、他の加工態様であってもよい。
また、足幅を狭くした閉脚姿勢のときに、第2外側外骨格部材における足底側の端部が、床面に接する構成にするようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、閉脚姿勢時において、第2外側外骨格部材の端部に形成された凸部の高さ(Z方向の位置)と、第2内側外骨格部材及び内側軸支部材122を接続する軸部材AXの高さとが、ほぼ同じになるようにした(図2参照)。これに対して、第2外側外骨格部材の端部に形成された凸部の高さは、軸部材AXの高さと異なるようにしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、誘導部材として1つの板バネ部材を備えるようにしたが、板バネ部材の数を2つとしてもよい。この場合には、1つの板バネ部材を、第1実施形態のように、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の内甲側(−Y方向側)に配置するとともに、他の1つの板バネ部材を、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の外甲側(+Y方向側)に配置するようにすればよい。
また、板バネ部材の数を3つ以上にするようにしてもよい。この場合には、1つの板バネ部材を、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の内甲側(−Y方向側)に配置するとともに、他の2つ以上の板バネ部材を、外側受容部材に近接して当該外側受容部材を囲むようにして配置するようにすればよい。
また、上記の第1実施形態では、誘導部材としての板バネ部材が、外側受容部材の内甲側(−Y方向側)に配設されるようにした。これに対して、足甲側に沿って延びる板状部材を、誘導部材として、外側受容部材の外甲側(+Y方向側)に配設するようにしてもよい。また、板状部材の数を2つ以上にするようにしてもよい。この場合には、1つの板状部材を、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の外甲側(+Y方向側)に配設するとともに、他の板状部材を外側受容部材に近接して当該外側受容部材の+X方向側や−X方向側に配設するようにすればよい。なお、当該板状部材は、板バネであってもよい。
また、上記の第1実施形態では、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の内甲側(−Y方向側)に板バネ部材を配置するようにしたが、更に、外側受容部材に近接して当該外側受容部材の外甲側(+Y方向側)に、板状部材を配置するようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、中空弾性部材を筒状のゴム製の部材としたが、コイルバネ等であってもよい。
また、上記の第3実施形態では、ゴム部材を介して、第2外側外骨格部材における他方の端部と外側固定用部材とを間接的に接続するようにしたが、例えば、コイルバネ等のバネ部材を介して、第2外側外骨格部材における他方の端部と外側固定用部材とを間接的に接続するようにしてもよい。
また、上記の第4実施形態では、第2外側外骨格部材における他方の端部と外側固定用部材とを間接的に接続する接続用部材を、紐部材とコイルバネ部材とを繋げた部材としたが、例えば、紐部材とゴム部材とを繋げた部材を、接続用部材に採用するようにしてもよい。
また、上記の第4実施形態では、コイルバネ部材は、外側固定用部材の中空内部に収納されるようにしたが、コイルバネ部材を外側固定用部材の中空内部に収納しないようにしてもよい。
また、上記の第1〜第4実施形態では、XZ平面視でU字状に成形された内側軸支部材における軸挿入部122aと軸挿入部122bとの間に、第2内側外骨格部材における他方の端部を挿入し、軸挿入部122aの軸穴、軸部材122bの軸穴、及び、第2内側外骨格部材における他方の端部の軸穴に軸部材を挿入することで、第2内側外骨格部材は平板部材に接続されるようにした。これに対して、第2内側外骨格部材の平板部材への接続態様は、関節運動アシスト装置の装着者が、両足の間隔を広くして膝下部を鉛直上方に対して傾けた姿勢をとった際に、当該姿勢時の足関節の動きに対応することができるものであれば、他の態様であってもよい。
また、上記の第1〜第4実施形態では、第1外側外骨格部材の足関節側端部を外歯歯車にするとともに、第2外側外骨格部材の足関節側端部を外歯歯車とすることで、互いの部材が足関節に対応する位置で、足関節の回動方向に回動可能に接続されるようにした。また、上記の第1〜第4実施形態では、第1内側外骨格部材の足関節側端部を外歯歯車にするとともに、第2内側外骨格部材の足関節側端部を外歯歯車とすることで、互いの部材が足関節に対応する位置で、足関節の回動方向に回動可能に接続されるようにした。これに対して、第1外側外骨格部材と第2外側外骨格部材とを一体とする部材にするとともに、第1内側外骨格部材と第2内側外骨格部材とを一体とする部材にするようにしてもよい。この場合には、内側外骨格部材における足底側の端部を、平板部材に対して足関節の屈伸運動の自由度を有するように、当該平板部材に設置するようにすればよい。
本発明の関節運動アシスト装置の足部装着構造は、介護や福祉の分野で利用する場合には、介護者がパワーアシスト用の装置として装着するだけでなく、力が弱っている被介護者がパワーアシスト用又はリハビリテーション用の装置としても利用することができる。また、本発明の関節運動アシスト装置の足部装着構造は、介護や福祉の分野以外で重量物を持ち上げる等の場合のパワーアシスト装置としても利用することができる。
また、上記の第1〜第4実施形態においては、人体の関節運動をアシストする関節運動アシスト装置の足部装着構造に本発明を適用したが、関節機構を有する人体以外の外骨格形の哺乳類、外骨格形のロボット等の関節運動アシスト装置の足部装着構造にも本発明を適用することができる。
以上説明したように、本発明の関節運動アシスト装置の足部装着構造は、関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造に適用することができる。

Claims (15)

  1. 人体の足部に装着し、関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造であって、
    前記人体の膝関節から足関節へ延びる方向に沿って、下腿の外側に装着される外側外骨格部材と;
    前記膝関節から前記足関節へ延びる方向に沿って、前記下腿の内側に装着される内側外骨格部材と;
    前記内側外骨格部材における足底側の端部が接続され、前記足部の足裏が装着される平板を含む足底部材と;
    前記足底部材の外甲側に設けられ、前記外側外骨格部材における足底側の端部を受容可能な受容部材と;を備え、
    前記内側外骨格部材における足底側の端部は、前記足底部材に対して前記足関節の運動自由度を有するように接続され、
    前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角の変化に応じて、前記外側外骨格部材における足底側の端部と、前記受容部材との間の距離が変化する、
    ことを特徴とする関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  2. 前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材との接触状態を維持しつつ移動が可能であり、
    前記受容部材は、前記外側外骨格部材における足底側の端部が前記受容部材に接触しているときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部を受容し、
    前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、
    前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角が、所定の角度以上となるまでは、前記受容部材が、前記受容部材に対して接触状態を維持しつつ移動する前記外側外骨格部材における足底側の端部の受容を許容し、
    前記なす角が前記所定の角度以上となったときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に対して非接触状態になり、前記受容部材から外れる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  3. 前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に嵌合可能であり、
    前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、
    前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角が、所定の角度以上となるまでは、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材に嵌合されて、前記受容部材に受容され、
    前記なす角が前記所定の角度以上となったときに、前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記受容部材との嵌合が解除されて、前記受容部材から外れる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  4. 前記外側外骨格部材における足底側の端部は、凸形状に形成されており、
    前記受容部材は、前記足底部材の外甲側に固定される凹形状の部材であり、前記外側外骨格部材における前記凸形状の足底側の端部を受容する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  5. 前記外側外骨格部材における足底側の端部を前記足底部材の外甲側に固定された前記受容部材へ導く誘導部材を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  6. 前記誘導部材は、前記受容部材に近接して設置され、足甲側へ沿った方向に延びる長方形状の少なくとも1つの板バネであり、
    前記少なくとも1つの板バネの内の1つである特定板バネは、前記受容部材の内甲側に設置され、
    前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記特定板バネにより、前記受容部材に誘導される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  7. 前記板バネの数は2つであり、
    前記特定板バネ以外の板バネは、前記受容部材の外甲側に設置される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  8. 前記誘導部材は、前記受容部材に近接して配置され、足甲側へ沿った方向に延びる長方形状の少なくとも1つの板状部材であり、
    前記少なくとも1つの板状部材の内の1つである特定板状部材は、前記受容部材の外甲側に設置され、
    前記外側外骨格部材における足底側の端部は、前記特定板状部材により、前記受容部材に誘導される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  9. 前記誘導部材は、一方の端部が前記受容部材を囲むようにして設置され、足甲側へ沿った方向に延びる中空状の中空弾性部材であり、
    前記外側外骨格部材における足底側の端部は、他方の端部から前記中空弾性部材の中空内部に挿入され、前記中空弾性部材により、前記受容部材に誘導される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  10. 前記外側外骨格部材は、
    前記人体の下腿に対応する第1外側外骨格部材と;
    一方の端部が前記人体の足関節に対応する位置で、前記第1外側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記受容部材に受容可能に接続される第2外側外骨格部材と;を備え、
    前記内側外骨格部材は、
    前記人体の下腿に対応する第1内側外骨格部材と;
    一方の端部が前記足関節に対応する位置で、前記第1内側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記足底部材に接続される第2内側外骨格部材と;を備える、
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  11. 人体の足部に装着し、関節運動をアシストする外骨格型の関節運動アシスト装置の足部装着構造であって、
    前記人体の膝関節から足関節へ延びる方向に沿って、下腿の外側に装着される外側外骨格部材と;
    前記膝関節から前記足関節へ延びる方向に沿って、前記下腿の内側に装着される内側外骨格部材と;
    前記内側外骨格部材における足底側の端部が接続され、前記足部の足裏が装着される平板を含む足底部材と;
    前記外側外骨格部材における足底側の端部に一方の端部が接続される少なくとも弾性部材を含む接続用部材と;
    前記足底部材の外甲側に設けられ、前記接続用部材の他方の端部を固定する固定用部材と;を備え、
    前記内側外骨格部材における足底側の端部は、前記足底部材に対して前記足関節の運動自由度を有するように接続され、
    前記足部の踵部からつま先部へ向かう方向が垂直線となる面において、前記内側外骨格部材の長さ方向と前記足底部材における平板の法線方向とのなす角の変化に応じて、前記弾性部材が伸縮し、前記外側外骨格部材における足底側の端部と、前記固定用部材との間の距離が変化する、
    ことを特徴とする関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  12. 前記接続用部材は、弾性部材であり、
    前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材の足甲側に固定される、
    ことを特徴とする請求項11に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  13. 前記接続用部材は、紐部材の他方の端部と弾性部材の一方の端部とを接続した部材であり、
    前記紐部材の一方の端部は、前記外側外骨格部材における足底側の端部に接続され、前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材に固定される、
    ことを特徴とする請求項11に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  14. 前記固定用部材は、前記紐部材を通す穴が成形された中空状の部材であり、
    前記紐部材の他方の端部は、前記固定用部材の中空内部で前記弾性部材の一方の端部に接続され、
    前記弾性部材の他方の端部は、前記固定用部材の中空内部に固定される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
  15. 前記外側外骨格部材は、
    前記人体の下腿に対応する第1外側外骨格部材と;
    一方の端部が前記人体の足関節に対応する位置で、前記第1外側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記接続用部材に接続される第2外側外骨格部材と;を備え、
    前記内側外骨格部材は、
    前記人体の下腿に対応する第1内側外骨格部材と;
    一方の端部が前記足関節に対応する位置で、前記第1内側外骨格部材に前記足関節の回動方向に回動可能に接続されるとともに、他方の端部が前記足底部材に接続される第2内側外骨格部材と;を備える、
    ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の関節運動アシスト装置の足部装着構造。
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