JP5931507B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents
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Description
一方の櫛形電極220と他方の櫛形電極220は、それぞれの電極指221を2本おきに交互に並べて配置されており、それぞれが例えば、λi/4の等間隔で水晶片210に並べて設けられている。このとき、並べられた状態となった電極指221は、共振波長であるλi周期の中に4本の電極指221が入るように構成されている。
このような電極構造は、例えば漏洩弾性表面波のように水晶片表面を伝播する弾性表面波が水晶片深さ方向にエネルギーを放出しながら伝播する振動モードにおいては、例えば、共振波長であるλi周期の中に4本といったように、水晶片210の連続する水晶片表面の露出部分を減らすことで水晶片の表面付近にエネルギーを閉じ込めることができるモードが存在する。
また、反射器230は、λr/2周期の等間隔で並べられた電極構造となっている。
また、従来の弾性表面波素子200は、それぞれの電極指221の間隔をλi/4間隔としたことで、一対の櫛形電極220が設けられた部分において発生される弾性表面波が櫛形電極220の間で反射される反射波が相殺されるので、放射コンダクタンスのQ値の低下を招き、弾性表面波素子のQ値向上に限界があった。
櫛形電極の電極指を2本おきに異極となるように並んで設けられつつ隣り合う電極指の間隔をλi/4−αとλi/4+α(0<|α|<λi/8)と交互に繰り返して配置したので、一対の櫛形電極が設けられている部分において発生する弾性表面波の反射位相をずらすことができるため、前記の弾性表面波の反射波の相殺を防ぐことができる。
また、前記反射器により得られるストップバンド内に、前記櫛形電極により励振された弾性表面波の放射コンダクタンスのピークが入るよう配置され、反射器内の複数の電極指の間隔をλr/4−βとλr/4+β(0<|β|<λr/8)とを交互に繰り返して配置し、且つ、櫛形電極の電極指を2つおきに異極となるように並んで設けられつつ隣り合う電極指の間隔をλi/4−αとλi/4+α(0<|α|<λi/8)と交互に繰り返して配置したので、弾性表面波を励振する櫛形電極と反射器の構造を同構造とすることで櫛形電極と反射器での固有振動変位を同一とすることでモード変換損を抑えることができる。
これにより、本発明の弾性表面波素子は、櫛形電極により励起させた弾性表面波がモード変換損の影響を受けないためQ値を向上させることがでる。
また、板状の水晶片において、表面積が広い面を主面といい、この主面を囲む面を側面という。
また、この2本ごとの電極指21は、極性がプラス側となる2本の電極指21と、極性がマイナス側となる2本の電極指21が弾性表面波の周期λiとなるように設けられている。
本発明の実施形態では、電極指21の間隔は、λi/4−α(0<|α|<λi/8)とλi/4+α(0<|α|<λi/8)とを交互に繰り返して配置されている。
ここで、αは、0<|α|<λi/8の範囲で変更可能であり、隣り合う電極指21の中心がλi/4配置からの電極指21(図1参照)の配置に対するズレ量を表している。
また、α=λi/8の場合は、共振周波数の周期波長λi内に電極指を4本配置とならず、漏洩弾性表面波のように水晶片210(図5(a)参照)中にエネルギーを放出し、伝播する振動モードにおいては水晶片210(図5(a)参照)の連続する水晶片表面の露出部分を減らすことで水晶片の表面付近にエネルギーを閉じ込めることができるが、水晶片210の連続する水晶片表面の露出部分が大きくなることから伝搬損失が大きくなり、Q値を向上させることができない。
よって、図1(b)に示すように、電極指21の間隔を従来のλi/4からαだけずらすことで反射された弾性表面波の位相が相殺されず、反射を起こすことができるようになり、放射コンダクタンスのQ値向上させることができる。
この反射器30は、平行に並べられた複数の電極指31の端部を接続して、たとえば、梯子状に形成されている。
また、反射器30の電極指31の幅は、櫛形電極20の幅と同じ幅で形成されている。
また、電極指31の間隔は、λr/4−β(0<|β|<λr/8)とλr/4+β(0<|β|<λr/8)とを交互に繰り返して配置されている。
ここで、βは、0<|β|<λr/8の範囲で変更可能であり、隣り合う電極の中心がλr/4配置からの電極指31(図1参照)の配置に対するズレ量を表している。
また、この反射器30は、反射係数最大領域であるストップバンドを形成するが、櫛形電極20により励振された弾性表面波の放射コンダクタンスのピーク(図4参照)をこのストップバンド内に配置されるようにλrが決定される。
なお、ストップバンドとは、従来周知のブラッグ条件が満たされ、弾性表面波が反射される領域をいう。
また、β=λr/8の場合は、共振周波数の周期波長λi内に電極指を4本配置とならず、漏洩弾性表面波のように水晶片中にエネルギーを放出し、伝播する振動モードにおいては水晶片210(図5参照)の連続する水晶表面の露出部分を減らすことで水晶片の表面付近にエネルギーを閉じ込めることができるが、水晶片210の露出部分が大きくなることから伝搬損失が大きくなり、Q値を向上させることができない。
よって、反射器30の電極指31の間隔をλr/4からβだけずらして設けられることにより弾性表面波の反射波の位相が相殺されず共振を起こすことができる。
また、このように反射器30を構成したので、櫛形電極20で発生させた弾性表面波の伝搬損失を抑えることができ、且つ、モード変換損によるQ値低下を防ぐことができる。
図3は、弾性表面波素子の反射器30の電極指31の本数を、100対としたときの反射係数を示すグラフであり、図4は、弾性表面波素子の櫛形電極20の電極指21の本数を90.5対としたときの放射コンダクタンスを示すグラフである。
同電位の2本の電極指21の中心位置で波の最大振幅となり、かつ、異電位となる2本の電極指21の中心位置で波の節となるように弾性表面波を起こさせる。
このとき、櫛形電極20の電極指21の間隔は、α<0となっている。
このように、弾性表面波素子100を構成することで、弾性表面波の励振エネルギーをストップバンドの下端に集中させることができる。
このとき、櫛形電極20の電極指21の間隔は、α>0となっている。
このように、弾性表面波素子を構成することで、弾性表面波の励振エネルギーをストップバンドの上端に集中させることができる。
インピーダンス特性は従来の構造の弾性表面波素子と比較して、本願発明は、311.8MHz〜312.1MHzにかけて位相特性の振幅が大きくなっており、かつ、311.8MHz及び312.1Mの付近において急激な変化となるグラフになっている。
したがって、本発明の実施形態に係る弾性表面波素子100を構成すると、図2に示すように、従来よりも位相特性の振幅が大きくなっていることが確認できる。これにより、本発明の実施形態に係る弾性表面波素子100は、位相特性がプラスからマイナスへ移行する位相零点である共振周波数において傾きが急峻となっていることから、Q値を向上させることができる。
20 櫛形電極
21、31 電極指
30 反射器
100 弾性表面波素子
Claims (1)
- 2つ一対の反射器とこれら反射器の間に設けられる一対の櫛形電極とから構成される弾性表面波素子であって、
前記反射器と前記櫛形電極とが水晶片に設けられ、
前記櫛形電極が、電極指を2本おきに異極となるように並んで設けられつつ、前記櫛形電極における共振周波数の周期波長をλiとすると、隣り合う前記櫛形電極指の間隔がλi/4−αとλi/4+α(0<|α|<λi/8)となるように交互に繰り返し配置され、
前記反射器が、前記反射器によって得られるストップバンド内に、前記櫛形電極が発生させる弾性表面波の放射コンダクタンスピークとなる部分に配置されつつ、前記反射器における共振周波数の周期波長をλrとすると、前記反射器内の複数の電極指の間隔をλr/4−βとλr/4+β(0<|β|<λr/8)とを交互に繰り返して配置されて構成されることを特徴とする弾性表面波素子。
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