以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ31Aの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。図1に示す構成例では、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄が15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出されたときには、15R大当り状態に制御される。15R大当り図柄が確定特別図柄として停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15R大当り」と称される。
この実施の形態において、15R大当り状態が終了した後には、時短制御(時間短縮制御)と確変制御(確率変動制御)の双方が行われる確変状態、または、時短制御(時間短縮制御)のみが行われる時短状態に制御される。時短制御が行われることにより、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。また、確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。
この実施の形態において、確変制御は、大当り遊技状態終了後、可変表示結果が「大当り」となったときに終了する。時短制御は、大当り遊技状態終了後、所定回数(50回または100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。時短制御が行われる時短状態にて実行可能な特図ゲームの回数(上限回数)は、可変表示結果が「大当り」となる場合の可変表示態様(大当り種別)に応じて、異なる回数が設定される。一例として、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが100回実行されるまで時短制御が可能な「第1大当り」(15R通常大当り#1)と、大当り遊技状態の終了後、次回「大当り」となるまで時短制御が可能な「第2大当り」(15R確変大当り)と、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが50回実行されるまで時短制御が可能な「第3大当り」(15R通常大当り#2)と、がある。大当り図柄となる「3」、「5」または「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が確定特別図柄として停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には大当り種別が「第1大当り」となり、「7」の数字を示す特別図柄が確定特別図柄として停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には大当り種別が「第2大当り」となり、「5」の数字を示す特別図柄が確定特別図柄として停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には大当り種別が「第3大当り」となる。「7」の数字を示す特別図柄が確定特別図柄として停止表示(導出)されて「第2大当り」となったことに対する大当り遊技状態の終了後には、確変制御が実行される確変状態に制御される。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、時短制御のみが行われて確変制御が行われない時短状態は、低確高ベース状態とも賞される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。なお、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「3」の数字を示す特別図柄は、第1大当り図柄とも称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2大当り図柄とも称される。「5」の数字を示す特別図柄は、第3大当り図柄とも称される。なお、第1大当り図柄「3」や第2大当り図柄「7」、および第3大当り図柄「5」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
大当り遊技状態の終了後に、確変状態や時短状態において時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了とは連動しなくてよい。
確変状態や時短状態において確変制御や時短制御および高開放制御が行われるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることや(確変制御の場合)、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されるとともに第2開始条件が成立しやすくなることにより(時短制御および高開放制御の場合)、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。こうした通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすく遊技者にとって有利な遊技状態は、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる「特別遊技状態」と称される。なお、確変状態は第1特別遊技状態ともいう一方、時短状態は第2特別遊技状態ともいう。また、時短制御に伴い高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、「有利遊技状態」ということもあれば、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい「高ベース状態」ということもある。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。なお、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることを単にリーチが実行されるともいう。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。ここで、仮停止表示とは、後述する複数種類の変動パターン毎に定められた変動時間が経過したことにより、確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に行われる飾り図柄の停止表示をいう。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、複数種類の擬似連チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。なお、擬似連チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、連続予告演出となるものがあればよい。連続予告演出は、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出である。連続予告演出が実行される複数回の可変表示のうちで最終の可変表示は、連続予告演出により可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示であり、連続予告演出による予告対象となる可変表示ともいう。連続予告演出が実行される場合には、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
この実施の形態では、連続予告演出として、図柄表示予告を実行することができる。図柄表示予告は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、各回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いこと、または特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)により飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となる可能性が通常よりも高いことを、報知できればよい。図柄表示予告のような連続予告演出が実行される場合には、例えば全ての飾り図柄が可変表示を開始したときなどに、演出用点灯役物90を用いた所定の演出動作により、連続予告演出の実行が予め報知されることがある。このように、連続予告演出の実行を報知する演出動作は、「連続予告報知」ともいう。
また、連続予告演出として、保留表示予告を実行することができてもよい。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。こうした保留表示予告において変化させる表示部位の表示態様としては、例えば表示部位の表示色を変化させるものや、表示部位の形状を変化させるもの、表示部位に特定の文字や記号、その他の特別なキャラクタ画像を表示させるもの、継続表示から点滅表示に変化させるもの、一定倍率での表示を拡大縮小表示に変化させること、あるいは、これらの一部または全部を含んだものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出)されるまでの期間において飾り図柄が可変表示されるときの表示態様であり、様々な共通点や相違点に着目して分類することができる。例えば、大当り組合せの確定飾り図柄となるか否かに対応した「大当り」や「ハズレ」、あるいは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるか否かに対応した「非リーチ」や「リーチ」といった、概略の分類をすることもできれば、変動パターンに応じた「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出の有無、あるいはリーチ演出の具体的な内容に対応した「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチα」や「スーパーリーチβ」といった、詳細な分類をすることもできる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。また、大当り種別が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであるかに応じて、大当り組合せとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、「第1大当り」または「第3大当り」の場合には、図柄番号が「7」以外の飾り図柄が大当り組合せとして停止表示される一方で、「第2大当り」の場合にのみ、図柄番号が「7」の飾り図柄が大当り組合せとして停止表示されるようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」(15R通常大当り#1)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」(15R確変大当り)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第3大当り」(15R通常大当り#2)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」および「大当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。なお、図柄確定コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを遊技状態が通常状態である場合に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを遊技状態が確変状態である場合に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを遊技状態が時短状態である場合に対応した第3遊技状態指定コマンドとすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、大当り種別に応じて異なるEXTデータが設定されることにより、例えば図3(C)に示すように、大当り遊技状態の終了後に特別遊技状態で実行可能な特図ゲームなどの可変表示回数(上限回数)が特定可能となればよい。すなわち、大当り終了指定コマンドは、大当り種別に応じて決定される特別遊技状態に制御する可変表示回数(上限回数)を特定可能な回数指定コマンドとなる。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。こうした始動入賞の発生時に抽出された数値データを、当該始動入賞に基づく特図ゲームが開始される以前に読み出し、これを用いた判定処理などを実行することは、「先読み」とも称される。また、始動入賞の発生時に抽出された数値データを用いた判定結果に基づいて、図柄表示予告といった連続予告演出を実行するか否かや、実行する場合における演出態様(予告パターン)が決定される。そこで、連続予告演出は「先読み予告演出」とも称される。
第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定に用いる所定の決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)により、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば図3(D)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの設定において、コマンドB100H〜コマンドB102Hや、コマンドB200H〜コマンドB202Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされなかった場合に対応した判定結果を通知する一方、コマンドB103HやコマンドB203Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされた場合に対応した「大当り判定」の判定結果を通知する。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、飾り図柄などの変動パターンの決定に用いる所定の決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)により、飾り図柄の可変表示態様が特定表示態様(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)となる旨の判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば図3(D)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの設定において、コマンドB101H、コマンドB102Hや、コマンドB201H、コマンドB202Hは、変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の変動パターンに決定される旨の判定がなされた場合に対応した「スーパーリーチ判定」の判定結果を通知する。その一方で、コマンドB100HやコマンドB200Hは、このような判定がなされなかった場合に対応した「スーパーリーチ判定なし」の判定結果を通知する。
なお、変動パターンに応じた飾り図柄の可変表示態様を判定するときには、可変表示が開始されるときに決定される個別の変動パターンと厳密に一致するものでなくてもよく、例えばスーパーリーチを伴う変動パターンといった、特定の変動パターンに決定されることが確定したか否かが判定されればよい。この実施の形態では、始動入賞時に抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲内であるか否かに応じて、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。こうした乱数値MR3の判定範囲は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態であるかにかかわらず共通してスーパーリーチになる所定範囲(共通スーパーリーチ判定範囲)と、遊技状態が確変状態や時短状態であり時短制御が行われている場合にのみスーパーリーチになる固有の所定範囲(固有スーパーリーチ判定範囲)とを含んでいる。図3(D)に示す設定例において、コマンドB101HやコマンドB201Hは、始動入賞時に抽出された乱数値MR3が共通スーパーリーチ判定範囲内であると判定された場合に対応した「共通スーパーリーチ判定」の判定結果を通知する一方、コマンドB102HやコマンドB202Hは、乱数値MR3が固有スーパーリーチ判定範囲内であると判定された場合に対応した「固有スーパーリーチ判定」の判定結果を通知する。
コマンドC0XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態や時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかは、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグの状態(オフ/オン)を確認することにより特定できればよい。この実施の形態において、確変状態は高確高ベース状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、時短制御や高開放制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、時短制御や高開放制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、確変制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、確変制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「第1大当り」〜「第3大当り」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「第1大当り」〜「第3大当り」の大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131は、図12に示す遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データとなってもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数のうち、いずれか一方または両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「第1大当り」および「第3大当り」のいずれかである場合と「第2大当り」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。特に、この実施の形態では、時短制御中であるときに、通常状態である通常時よりも多くの決定値が、変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。図6に示すように、変動パターン種別CA2−3は、スーパーリーチ(ハズレ)の変動パターン種別である。このように、確変状態や時短状態といった時短制御が行われる特別遊技状態で使用テーブルに選択されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cのテーブルデータ(特別決定用データ)に含まれて変動パターン種別CA2−3に割り当てられる決定値(特定態様決定値)には、通常状態で使用パターンに選択されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bのテーブルデータ(通常決定用データ)にも含まれる共通決定値と、通常決定用データには含まれない固有決定値とがある。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図11は、ROM101に記憶される普図表示結果決定テーブル134の構成例を示している。普図表示結果決定テーブル134は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオフであるかオンであるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り」または「普図ハズレ」の普図表示結果に割り当てられている。すなわち、時短フラグがオンであるか否かに応じて、「普図当り」または「普図ハズレ」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的に、時短制御に伴い高開放制御が行われるときには、これらの制御が行われないときよりも「普図当り」の普図表示結果に決定される割合が高くなるように、各普図表示結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、時短制御とともに高開放制御が行われる時短制御中には時短制御中以外であるときよりも、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められる。
なお、普図表示結果が「普図当り」となる割合を高める他にも、時短制御中であるときには時短制御中以外であるときに比べて、普図ゲームにおける平均的な可変表示時間を短縮することや、普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口を通過有利状態とする回数(拡大開放回数)や時間(拡大開放時間)を増加させることにより、第2始動入賞口を通過有利状態とする割合(頻度)が高められるようにすればよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限記憶数に達するまで記憶する。特図保留記憶部151Aにおける保留データは、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「4」に達したときと、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数の両方が「4」となり合計保留記憶数が「8」に達したときに、上限記憶数となる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留データに含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶される。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留データ(第1保留データ)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留データ(第2保留データ)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。あるいは、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、有効な第2保留データが記憶されていれば、その第2保留データに対応する特図ゲームを実行し、有効な第2保留データが記憶されていない場合にのみ、第1保留データに対応する特図ゲームを実行すればよい。この場合には、始動口データ記憶部が設けられなくてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用点灯役物90、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される保留表示予告や図柄表示予告といった予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図13(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図13(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには演出用点灯役物90といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図13(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば図柄表示予告といった予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
なお、図柄表示予告を実行するために専用の予告演出制御パターンを使用するものに限定されず、例えば変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンを使用しつつ、最終停止される飾り図柄のみを特殊な飾り図柄に差し替える設定が行われるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値とともに保留データとして、特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210にて保留データを記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図18は、入賞時乱数値判定処理として、図17のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図16のステップS110、図21)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図16のステップS111、図22)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う特定態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、連続予告演出となる予告演出を実行するか否かや、実行する場合における演出態様などを、決定することができる。
図18に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図17のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値に応じた大当り判定時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS404)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「大当り判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB103Hの送信設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、「大当り判定」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB203Hの送信設定を行う。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、共通スーパーリーチ判定範囲を設定する(ステップS405)。共通スーパーリーチ判定範囲は、現在の遊技状態にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。一例として、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bや図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定では、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態であるかにかかわらず、また合計保留記憶数にもかかわらず、「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別CA2−3に決定される。例えばROM101の所定領域には、共通スーパーリーチ判定範囲として「230」〜「251」の範囲を示す設定データを予め記憶しておく。CPU103は、この設定データをROM101から読み出すことにより、ステップS405にて共通スーパーリーチ判定範囲を設定できればよい。
ステップS405の処理を実行した後には、図17のステップS209にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS405にて設定した共通スーパーリーチ判定範囲を比較することにより(ステップS406)、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する(ステップS407)。乱数値MR3と共通スーパーリーチ判定範囲を比較するときには、乱数値MR1と大当り判定範囲を比較するときと同様に、乱数値MR3と各決定値とを逐一比較してもよいし、乱数値MR3と共通スーパーリーチ判定範囲の最小値や最大値とを比較してもよい。
ステップS407にて乱数値MR3が共通スーパーリーチ判定範囲の範囲内であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定された場合には(ステップS407;Yes)、始動口バッファ値に応じた共通スーパーリーチ判定時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS408)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「共通スーパーリーチ判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101Hの送信設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、「共通スーパーリーチ判定」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201Hの送信設定を行う。
ステップS407にて乱数値MR3が共通スーパーリーチ判定範囲の範囲外であり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定されなかった場合には(ステップS407;No)、現在の遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS409)。このとき、時短制御中であれば(ステップS409;Yes)、固有スーパーリーチ判定範囲を設定する(ステップS410)。固有スーパーリーチ判定範囲は、時短制御中にのみスーパーリーチを伴う変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。一例として、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bや図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cの設定では、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「220」〜「229」のいずれかであれば、時短制御が行われているときに限り、合計保留記憶数にかかわらず、「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別CA2−3に決定される。例えばROM101の所定領域には、固有スーパーリーチ判定範囲として「220」〜「229」の範囲を示す設定データを予め記憶しておく。CPU103は、この設定データをROM101から読み出すことにより、ステップS410にて固有スーパーリーチ判定範囲を設定できればよい。
ステップS410の処理を実行した後には、図17のステップS209にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS410にて設定した固有スーパーリーチ判定範囲を比較することにより(ステップS411)、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する(ステップS412)。乱数値MR3と固有スーパーリーチ判定範囲を比較するときには、乱数値MR1と大当り判定範囲を比較するときや、乱数値MR3と共通スーパーリーチ判定範囲を比較するときと同様に、乱数値MR3と各決定値とを逐一比較してもよいし、乱数値MR3と固有スーパーリーチ判定範囲の最小値や最大値とを比較してもよい。
ステップS412にて乱数値MR3が固有スーパーリーチ判定範囲の範囲内にあり、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定された場合には(ステップS412;Yes)、始動口バッファ値に応じた固有スーパーリーチ判定時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS413)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「固有スーパーリーチ判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102Hの送信設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、「固有スーパーリーチ判定」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB202Hの送信設定を行う。
ステップS409にて時短制御中ではない場合や(ステップS409;No)、ステップS412にてスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定されなかった場合には(ステップS412;No)、始動口バッファ値に応じたスーパーリーチ判定なし時の入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS414)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「スーパーリーチ判定なし」を示す第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hの送信設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、「スーパーリーチ判定なし」を示す第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hの送信設定を行う。
パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時には、図19に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンに決定されることが確定する。ここで、始動入賞時における合計保留記憶数は、実際に可変表示が開始されるときの合計保留記憶数と一致するとはかぎらず、通常は、始動入賞後に合計保留記憶数の増減が生じる。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターン種別の決定とで、合計保留記憶数に応じて選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。これに対して、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bでは、変動パターン種別CA2−3に対して、合計保留記憶数にかかわらず同一の決定値として、「230」〜「251」の範囲の値が割り当てられている。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態である時短制御中には、図20に示すように、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内である場合に加え、乱数値MR3が「220」〜「229」の範囲内である場合にも、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。遊技状態が確変状態や時短状態である時短制御中には、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを用いて、可変表示結果が「ハズレ」の場合に対応した変動パターン種別の決定が行われる。そのため、合計保留記憶数に応じて、変動パターン種別CA2−3に対応する決定値の割当てが異なっている。もっとも、乱数値MR3が「220」〜「251」の範囲内であれば、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別CA2−3に決定されることが確定する。したがって、合計保留記憶数にかかわらず、乱数値MR3が「220」〜「251」の範囲であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定することができる。
図18に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS403の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内ではないと判定されたときに、まずは、ステップS405の処理により共通スーパーリーチ判定範囲を設定し、ステップS406の処理により乱数値MR3と共通スーパーリーチ判定範囲を比較して、パチンコ遊技機1の遊技状態にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する。そして、乱数値MR3が共通スーパーリーチ判定範囲の範囲内であって、ステップS407の処理によりスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定したときには、ステップS408の処理により「共通スーパーリーチ判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。
ステップS407の処理によりスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定されなかったときには、ステップS409の処理により時短制御中であるか否かを判定する。このとき、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態であって時短制御中ではない場合には、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されないと判断して、ステップS414の処理により「スーパーリーチ判定なし」を示す第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。時短制御中である場合には、ステップS410の処理により固有スーパーリーチ判定範囲を設定し、ステップS411の処理により乱数値MR3と固有スーパーリーチ判定範囲を比較して、時短制御が行われる遊技状態であるときにのみスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを判定する。そして、乱数値MR3が固有スーパーリーチ判定範囲の範囲内であって、ステップS412の処理によりスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されると判定したときには、ステップS413の処理により「固有スーパーリーチ判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。
図16に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図21は、特別図柄通常処理として、図16のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データから特定される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。このとき、ステップS232にて読み出した始動口データが「1」を示す場合には第1始動入賞口であると判定する一方、始動口データが「2」を示す場合には第2始動入賞口であると判定すればよい。
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」または「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS240にて特図表示結果を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄を導出表示するか否かが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「第1大当り」〜「第3大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第2大当り」であれば「1」とし、「第3大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS244にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数や、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われる特図ゲームの上限回数が決定されることになる。例えば、ステップS244にて大当り種別が「第1大当り」に決定された場合には、時短制御を行う特図ゲームの上限回数が「100」に決定される。これに対して、ステップS244にて大当り種別が「第3大当り」に決定された場合には、時短制御を行う特図ゲームの上限回数が「50」に決定される。また、ステップS244にて大当り種別が「第2大当り」に決定された場合には、次回「大当り」となるまで時短制御を行うこと決定される。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果を「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「第1大当り」とする決定結果に対応して、「3」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2大当り」とする決定結果に対応して、「7」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第3大当り」とする決定結果に対応して、「5」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS230;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図22は、変動パターン設定処理として、図16のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。ここで、ステップS267の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、またはステップS266にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cのうちから、可変表示の開始時における合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「ハズレ」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。このときには、ステップS267の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、特図保留記憶部151Aにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS269の処理では、ステップS267における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS272での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図23は、特別図柄停止処理として、図16のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が停止表示(導出)されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた確変回数カウンタや時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS304)。一例として、ステップS304の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、時短回数カウント値が「0」となったときには、時短状態を終了させると判断して、時短フラグをクリアすることにより、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させる。なお、時短回数カウント値を更新(1減算)するタイミングは、特図ゲームの終了に対応して特別図柄終了処理が実行されるタイミングに限定されず、例えば図21に示すステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であると判定されたことに基づいて特図ゲームの実行が開始されるタイミングであってもよい。
ステップS304の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS305)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態から通常状態となったことなどを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、確変状態や時短状態などが終了したときのみ遊技状態指定コマンドを送信するようにして、その他の場合にはステップS305の処理により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。また、演出制御基板12の側で確変状態や時短状態における可変表示の実行回数をカウントすることなどにより、主基板11の側とは独立して時短状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。この場合にも、ステップS305の処理により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS306)、特別図柄停止処理を終了する。
図24(A)は、大当り終了処理として、図16のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24(A)に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図16に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであったかを特定する。そして、ステップS322の処理により特定された大当り種別に応じて時短制御や確変制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。図24(B)は、ステップS323における時短制御や確変制御の開始設定例を示している。この実施の形態では、ステップS323の処理にて、大当り種別が「第1大当り」または「第3大当り」であれば、時短フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を時短状態とする。また、大当り種別が「第2大当り」であれば、時短フラグと確変フラグの双方をオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とする。また、時短制御が行われる特図ゲームの上限回数に対応したカウント初期値を、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた確変回数カウンタや時短回数カウンタにセットする。このとき、大当り種別が「第1大当り」であれば、時短制御の上限回数を「100」に設定する。大当り種別が「第3大当り」であれば、時短制御の上限回数を「50」に設定する。大当り種別が「第2大当り」であれば、時短制御の上限回数は設定されない。
ステップS324の処理を実行した後には、大当り終了指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS324)。このときには、大当り種別に応じて異なるEXTデータとなる大当り終了指定コマンドの送信設定が行われる。この大当り終了指定コマンドに基づいて、演出制御基板12の側では、大当り遊技状態が終了してから特別遊技状態に制御する特図ゲームの実行回数を特定することができる。すなわち、大当り終了指定コマンドは、特別遊技状態に制御する特図ゲームの実行回数(上限回数)を指定する回数指定コマンドとなる。ステップS324の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS325)、大当り終了処理を終了する。
図25は、普通図柄プロセス処理として、図15のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図29に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Bに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Bに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Bから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、普図表示結果決定テーブル134を参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブル134では、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態(通過有利状態)とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる有利遊技状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態(通過不利状態)から拡大開放状態(通過有利状態)に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図26に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び演出用点灯役物90や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型が備える可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図27は、コマンド解析処理として、図26のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、第1始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS153)。例えば、ステップS153の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS152にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、第2始動入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS155)。例えば、ステップS155の処理において、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示(透過表示)となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS153、S155の処理のいずれかを実行したときには、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた合計保留数カウンタの格納値である合計保留数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS156)。なお、ステップS156の処理により、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに合計保留数カウント値を1加算(インクリメント)するものに限定されず、例えば保留数通知コマンドを受信したときに、そのコマンドにより通知された合計保留記憶数に応じて合計保留数カウント値を更新してもよい。ステップS156の処理に続いて、始動入賞時予告決定処理を実行してから(ステップS157)、ステップS151の処理に戻る。
ステップS154にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その受信コマンドは遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS158)。そして、受信コマンドが遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS158;Yes)、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて時短制御が終了したか否かを判定する(ステップS159)。例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた時短中変動カウンタには、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われているときに実行された特図ゲームの回数に対応したカウント値が格納され、時短制御が行われているときにはカウント値が「0」以外の値になっている。そこで、演出制御用CPU120は、時短中変動カウント値が「0」以外であるときに、通常状態を指定する遊技状態指定コマンドを受信したことにより、時短制御が終了したと判定すればよい。
ステップS159にて時短制御が終了したと判定された場合には(ステップS159;Yes)、時短中変動カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS160)。
ステップS159にて時短制御が終了していないと判定された場合や(ステップS159;No)、ステップS161の処理を実行した後には、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた遊技状態指定バッファに、遊技状態指定コマンドのEXTデータを記憶させるなどして、バッファ記憶を更新する(ステップS162)。ステップS162の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS158にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではない場合には(ステップS158;No)、その受信コマンドは大当り終了指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS163)。そして、受信コマンドが大当り終了指定コマンドであるときには(ステップS163;Yes)、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた大当り終了指定バッファに、大当り終了指定コマンドのEXTデータを記憶させるなどして、バッファ記憶を更新する(ステップS164)。ステップS164の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。ステップS163にて受信コマンドが大当り終了指定コマンドではない場合には(ステップS163;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS165)、ステップS151の処理に戻る。
図28は、始動入賞時予告決定処理として、図27のステップS157にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す始動入賞時予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御バッファ設定部194などから遊技状態指定バッファ値を読み出すことにより、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、時短制御中ではない場合には(ステップS501;No)、通常時における予告決定割合を設定する(ステップS502)。一例として、演出制御用CPU120は、ROM121の所定領域に予め記憶された通常時予告決定テーブルを選択して使用テーブルにセットすることにより、通常時に応じた予告決定割合を設定できればよい。通常時予告決定テーブルでは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容に応じて、予告決定用の乱数値と比較される決定値が、予告演出を実行するか否かの決定結果や、予告演出を実行する場合における演出態様に対応した予告パターンなどに、割り当てられていればよい。
ステップS501にて時短制御中である場合には(ステップS501;Yes)、時短制御時における予告決定割合を設定する(ステップS506)。一例として、演出制御用CPU120は、ROM121の所定領域に予め記憶された時短時予告決定テーブルを選択して使用テーブルにセットすることにより、時短制御中における予告決定割合を設定できればよい。時短時予告決定テーブルでは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容に応じて、予告決定用の乱数値と比較される決定値が、予告演出を実行するか否かの決定結果や、予告演出を実行する場合における演出態様に対応した予告パターンなどに、割り当てられていればよい。
ステップS502、S506の処理のいずれかを実行した後には、図柄表示予告となる連続予告演出を実行するか否かという予告の有無、および予告演出を実行する場合における予告パターンを決定する(ステップS508)。ステップS508の処理において、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。こうして抽出された乱数値に基づいて、ステップS502、S506の処理のいずれかにより使用テーブルにセットした予告決定テーブルを参照することにより、予告の有無や予告パターンを決定すればよい。なお、既に連続予告演出を実行中であるときには、さらなる連続予告演出が実行されないように規制(制限または禁止)してもよい。これにより、連続予告演出が数多くの可変表示にわたり連続して実行されることで遊技者の期待感が過剰に高められてしまうことを防止できる。
ステップS508の処理による決定に続いて、その決定結果が連続予告演出を実行しない「予告なし」であるか否かを判定する(ステップS509)。そして、「予告なし」に決定された場合には(ステップS509;Yes)、始動入賞時予告決定処理を終了する。これに対して、ステップS508の処理により連続予告演出を実行すると決定され、「予告なし」ではないと判定された場合には(ステップS509;No)、ステップS508の処理による予告パターンの決定結果を、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた予告パターンバッファなどに記憶させる(ステップS510)。
ステップS510の処理を実行した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた予告残回数カウンタに、連続予告演出を実行する可変表示の回数に対応したカウント初期値を設定する(ステップS511)。予告残回数カウンタの初期値としては、例えば合計保留数カウント値を1減算した値が設定されればよい。具体的には、図柄表示予告が実行される場合には、予告対象となる可変表示の直前の可変表示まで中最終停止図柄を通常とは異なる飾り図柄に変更する。その一方で、予告対象となる可変表示では、図柄表示予告が実行されない。そこで、合計保留数カウント値に対応した合計保留数よりも1少ない値を予告残回数カウンタにおけるカウント初期値とする。これにより、予告対象となる可変表示の1回前に実行される可変表示まで、図柄表示予告となる連続予告演出を実行することができる。なお、予告対象となる可変表示においても予告演出が実行される場合には、予告残回数カウンタの初期値として、例えば合計保留数カウント値と同一の値が設定されればよい。
図28に示す始動入賞時予告決定処理では、ステップS501の処理により時短制御中ではないと判定されたときに、ステップS502の処理により設定された通常時の予告決定割合に基づいて、ステップS508の処理により連続予告演出の有無や予告パターンが決定される。このときには、例えば図41(A)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータに対応した入賞時通知内容に応じて異なる割合で、予告なし、あるいは予告パターンPYA〜予告パターンPYCのいずれかに決定される。なお、時短制御が行われていない通常時には、図18に示すステップS409にて時短制御中ではないと判定されることから、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「固有スーパーリーチ判定」が通知されることはない。
この実施の形態では、図柄表示予告となる連続予告演出の予告パターンとして、予告パターンPYA〜予告パターンPYCが予め用意されている。図41(C)は、図柄表示予告の予告パターンに対応した演出内容の設定例を示している。図41(C)に示す設定例において、予告パターンPYA〜予告パターンPYCは、飾り図柄の可変表示において最終停止される「中」の飾り図柄表示エリア5Cでの確定飾り図柄を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させ、その表示色を予告パターンに応じて異ならせている。すなわち、予告パターンPYAは表示色を「青色」とし、予告パターンPYBは表示色を「赤色」とし、予告パターンPYCは表示色を「虹色」としている。
図41(A)に示す予告決定割合の設定により、予告パターンPYA〜予告パターンPYCのいずれかで連続予告演出が実行されたときには、連続予告演出が実行されない予告なしのときよりも、スーパーリーチを伴う変動パターンとなる可能性(スーパーリーチ信頼度)や、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められる。また、「スーパーリーチ判定なし」が通知された場合には、予告パターンPYAに決定される割合が予告パターンPYBに決定される割合よりも高いのに対して、「共通スーパーリーチ判定」や「大当り判定」が通知された場合には、予告パターンPYBに決定される割合が予告パターンPYAに決定される割合よりも高くなる。したがって、予告パターンPYBによる連続予告演出が実行されたときには、予告パターンPYAによる連続予告演出が実行されたときよりも、スーパーリーチを伴う変動パターンとなる可能性(スーパーリーチ信頼度)や、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められる。また、予告パターンPYCに決定されるのは、「大当り判定」が通知された場合のみとなっている。そのため、予告パターンPYCによる連続予告演出が実行されたときには、予告対象となる可変表示における表示結果が「大当り」になることが確定的に報知される。
図28に示す始動入賞時予告決定処理において、ステップS501の処理により時短制御中であると判定されたときには、ステップS506の処理により設定された時短制御中の予告決定割合に基づいて、ステップS508の処理により連続予告演出の有無や予告パターンが決定される。このときには、例えば図41(B)に示すように、入賞時通知内容が「スーパーリーチ判定なし」、「共通スーパーリーチ判定」、「固有スーパーリーチ判定」、「大当り判定」のいずれであるかに応じた割合で、予告なし、あるいは予告パターンPYA〜予告パターンPYCのいずれかに決定される。
図41(B)に示す予告決定割合の設定では、入賞時通知内容が「共通スーパーリーチ判定」と「固有スーパーリーチ判定」のいずれであるときにも、通常時の入賞時通知内容が「共通スーパーリーチ判定」であるときと同一の割合で、連続予告演出の有無や予告パターンが決定される。また、入賞時通知内容が「大当り判定」であるときには、所定割合で予告パターンPYCに決定することができ、予告パターンPYCによる連続予告演出が実行可能となっている。確変状態であるときに始動入賞が発生した後、その始動入賞に基づく特図ゲームの実行が開始されるときにも継続して確変状態に制御されている場合には、始動入賞時における可変表示結果や可変表示態様(変動パターン)の判定結果と、可変表示の開始時における可変表示結果や可変表示態様の決定結果とが合致する。この場合には、「固有スーパーリーチ判定」の入賞時通知内容に対応して「共通スーパーリーチ判定」の入賞時通知内容である場合と同一の決定割合に設定し、「大当り判定」の入賞時通知内容に対応して通常時と同一の決定割合に設定しても、連続予告演出による予告内容(大当り信頼度など)と、実際の可変表示結果や可変表示態様とのあいだに不整合が生じない。確変状態であるときには確変制御が行われていることから「大当り判定」の入賞時通知内容となる頻度が高まり、連続予告演出の出現率を向上させ、また、予告パターンPYBや予告パターンPYCといったスーパーリーチ信頼度や大当り信頼度が高い連続予告演出の出現率を向上させることができる。さらに、「固有スーパーリーチ判定」の入賞時通知内容に対応して「共通スーパーリーチ判定」の入賞時通知内容である場合と同一の決定割合に設定することで、連続予告演出の出現率を向上させることができる。
図29は、演出制御プロセス処理として、図26のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図30は、可変表示開始待ち処理として、図29のステップS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドといった変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。そして、変動開始コマンドの受信があったときには(ステップS601;Yes)、合計保留数カウント値を1減算するように更新する(ステップS602)。なお、ステップS602の処理により、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドを受信したときに合計保留数カウント値を1減算(デクリメント)するものに限定されず、例えば保留数通知コマンドを受信したときに、そのコマンドにより通知された合計保留記憶数に応じて合計保留数カウント値を更新してもよい。
ステップS602の処理に続いて、遊技状態指定バッファの記憶データを読み出し(ステップS603)、遊技状態が確変状態や時短状態に対応して時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS604)。時短制御中であるときには(ステップS604;Yes)、時短制御中に可変表示が開始されることに対応して、時短中変動カウント値を1加算するように更新する(ステップS605)。こうして、時短中変動カウンタには、時短制御中に実行された可変表示の回数を示すカウント値が記憶される。
ステップS604にて時短制御中ではないときや(ステップS604;No)、ステップS605の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した“1”に更新してから(ステップS606)、可変表示開始待ち処理を終了する。ステップS601にて変動開始コマンドを受信していない場合には(ステップS601;No)、所定のデモ表示動作制御を行ってから(ステップS607)、可変表示開始待ち処理を終了する。一例として、ステップS607の処理では、デモ表示動作制御用に予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯のうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
図31は、可変表示開始設定処理として、図29のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS631)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS631;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS632)。
ステップS632にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS632;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS633)。一例として、ステップS633の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS632にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS632;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS634)。一例として、ステップS634の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS631にて特図表示結果が「ハズレ」ではなく「大当り」であると判定されたときには(ステップS631;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS635)。一例として、ステップS635の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「第1大当り」〜「第3大当り」のいずれであるかなどに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。具体的な一例として、大当り種別が「第1大当り」または「第3大当り」である場合には、複数種類の飾り図柄のうちから、「7」以外の数字を示す飾り図柄を確定飾り図柄に決定する。また、大当り種別が「第2大当り」である場合には、複数種類の確変図柄のうちから、「7」の数字を示す飾り図柄を確定飾り図柄に決定する。
ステップS633、S634、S635の処理のいずれかを実行した後には、予告演出設定処理を実行してから(ステップS636)、時短中演出設定処理を実行する(ステップS651)。続いて、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS637)。その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS638)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばステップS636の予告演出設定処理で図柄表示予告となる連続予告演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した特図変動時演出制御パターンが選択される。また、ステップS651の時短中演出設定処理において、煽り演出や継続報知演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した特図変動時演出制御パターンが選択される。
ステップS638の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS639)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS640)。このときには、例えばステップS638にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS641)、可変表示開始設定処理を終了する。
図32は、図31のステップS636にて実行される予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。この予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば予告パターンバッファの記憶データを読み出すことにより、予告パターンの記憶があるか否かを判定する(ステップS521)。予告パターンの記憶がない場合には(ステップS521;No)、予告演出設定処理を終了する。
ステップS521にて予告パターンの記憶がある場合には(ステップS521;Yes)、所定の予告中止条件が成立したか否かを判定する(ステップS522)。一例として、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンである場合には、予告対象となる可変表示の1回前の可変表示ではないときでも、予告中止条件を成立させればよい。また、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果が「大当り」である場合にも、予告中止条件を成立させればよい。また、「擬似連」の可変表示演出において仮停止表示させる擬似連チャンス目が、図柄表示予告と同様に通常とは異なる特殊な飾り図柄を含む場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンであるときに、予告中止条件を成立させればよい。
ステップS522にて予告中止条件が成立したときには(ステップS522;Yes)、連続予告演出の実行を中止するための設定を行う。すなわち、予告パターンバッファの記憶データを消去することにより、予告パターンの記憶をクリアするとともに(ステップS523)、予告残回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS524)。
ステップS522にて予告中止条件が成立していないときには(ステップS522;No)、例えばステップS521の処理にて読み出した予告パターンに応じた予告演出の実行設定を行う(ステップS525)。より具体的には、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cでの飾り図柄(中図柄)を、例えば予告パターンに対応した所定の表示色(青色、赤色、虹色など)を有する星型などの記号を示す図柄といった、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させる(差し替える)。
ステップS525の処理を実行したときには、予告残回数カウント値を1減算するように更新する(ステップS526)。そして、更新後の予告残回数カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS527)。更新後の予告残回数カウント値が「0」以外であれば(ステップS527;No)、予告演出設定処理を終了する。これに対して、更新後の予告残回数カウント値が「0」である場合には(ステップS527;Yes)、予告パターンバッファの記憶データを消去することにより、予告パターンの記憶をクリアしてから(ステップS528)、予告演出設定処理を終了する。
この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われるが、大当り種別が「第3大当り」であった場合には、時短制御が開始された後、特図ゲームが50回行われた時点で、時短制御が終了する。また、大当り種別が「第1大当り」であった場合には、時短制御が開始された後、特図ゲームが100回行われた時点で、時短制御が終了する。
この実施の形態では、時短制御中において時短制御が継続するか否かを報知する継続報知演出が実行される場合がある。また、継続報知演出が実行される得るタイミングの前の複数回の変動に亘って、継続報知演出が実行されるか否かに関わらず継続報知演出が実行されることを煽る煽り演出が実行される場合がある。
具体的には、時短制御が終了する可能性がある時短制御開始後の50回目の変動が終了する前である、46回目〜50回目のいずれかの変動において、継続報知演出が実行される場合がある。そして、その期間より前の41回目〜45回目の変動に亘って、煽り演出が実行される場合がある。また、時短制御が終了する可能性がある時短制御開始後の100回目の変動が終了する前である、96回目〜100回目のいずれかの変動において、継続報知演出が実行される場合がある。そして、その期間より前の91回目〜95回目の変動に亘って、煽り演出が実行される場合がある。
このようにすることで、煽り演出により時短制御が継続するか否かを複数回の変動に亘って煽ることができ、煽り演出が実行された場合には、その後のいずれかの変動において継続報知演出が実行される場合があるので、煽り演出により時短制御が継続することへの遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、継続報知演出は、煽り演出が実行された後、時短制御が終了し得るタイミングより前のいずれかの変動で実行されるので、遊技者はなるべく早い段階で継続報知演出が実行されることを期待するようになり、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、煽り演出として、複数回の変動に亘って、画像表示装置5の画面内に爆弾が貯っていく演出が実行される。そして、時短制御が継続する場合には、継続報知演出として、その爆弾が爆発する演出が実行される。なお、時短制御が終了する場合には、その爆弾の火が消えて、時短状態が終了することが報知される。
なお、継続報知演出は、時短制御が継続することが報知できるものであればその演出態様は任意であってよい。また、煽り演出は、継続報知演出が実行されることを煽ることができるものであればその演出態様は任意であってよい。例えば、これらの演出は、画像表示装置5の表示画面にキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりするものであってもよい。また、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが含まれてもよい。
図33、図34は、図31のステップS651にて実行される時短中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。時短中演出設定処理は、煽り演出や継続報知演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様や実行タイミングを決定するための処理である。この時短中演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御バッファ設定部194などから遊技状態指定バッファ値を読み出すことにより、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS801)。このとき、時短制御中ではない場合には(ステップS801;No)、時短中演出設定処理を終了する。
時短制御中である場合には(ステップS801;Yes)、時短中変動カウント値を読み出す(ステップS802)。そして、読み出した時短中変動カウント値が煽り演出を開始する変動回数に対応した「41」であるか否かを判定する(ステップS803)。
時短中変動カウント値が「41」であれば(ステップS803;Yes)、大当り終了指定バッファの記憶データを読み出し(ステップS804)、大当り終了指定コマンドによる指定内容を特定する。即ち、時短制御が実行される直近の大当り種別を特定する。
そして、煽り演出を実行するか否か、及び、実行する場合の演出態様に対応した煽り演出パターンを決定するためのテーブルとして、図35(A)に示す煽り演出決定第1テーブル201をセットする(ステップS805)。
そして、ステップS805にてセットした煽り演出決定第1テーブル201に基づいて、煽り演出を実行するか否か、及び、煽り演出パターンを決定する(ステップS806)。ステップS806の処理において、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される煽り演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。こうして抽出された乱数値に基づいて、煽り演出決定第1テーブル201を参照することにより、煽り演出を実行するか否か、及び、煽り演出パターンを決定すればよい。
この実施の形態では、図35(D)に示すように、煽り演出パターンとしてパターンA、パターンB、パターンC、パターンDの4種類が用意されている。
パターンAは、41回目または91回目の変動において画面内に爆弾が1個貯まる演出が実行され、42回目または92回目の変動において画面内に爆弾が1個貯まる演出が実行され、43回目〜45回目または93回目〜95回目の変動では爆弾が貯まらない煽り演出に対応した煽り演出パターンである。パターンAでは、トータルで2個の爆弾が貯まることになる。
パターンAは、41回目〜42回目または91回目〜92回目の変動において画面内に爆弾が1個ずつ貯まる演出が実行され、43回目〜45回目または93回目〜95回目の変動では爆弾が貯まらない煽り演出に対応した煽り演出パターンである。パターンAでは、トータルで2個の爆弾が貯まることになる。
パターンBは、41回目または91回目の変動において画面内に爆弾が2個貯まる演出が実行され、42回目〜44回目または92回目〜94回目の変動において画面内に爆弾が1個ずつ貯まる演出が実行され、45回目または95回目の変動では爆弾が貯まらない煽り演出に対応した煽り演出パターンである。パターンBでは、トータルで5個の爆弾が貯まることになる。
パターンCは、41回目〜42回目または91回目〜92回目の変動において画面内に爆弾が3個ずつ貯まる演出が実行され、43回目または93回目の変動において画面内に爆弾が2個貯まる演出が実行され、44回目〜45回目または94回目〜95回目の変動において画面内に爆弾が1個ずつ貯まる演出が実行される煽り演出に対応した煽り演出パターンである。パターンCでは、トータルで10個の爆弾が貯まることになる。
パターンDは、41回目〜45回目または91回目〜95回目の変動において画面内に爆弾が3個ずつ貯まる演出が実行される煽り演出に対応した煽り演出パターンである。パターンDでは、トータルで15個の爆弾が貯まることになる。
図35(A)に示す煽り演出決定第1テーブル201の設定では、直近の大当り種別に応じて、異なる割合で煽り演出パターンが決定されるようになっている。具体的には、時短制御が継続する場合には、爆弾が多く貯まる煽り演出パターンに決定されやすくなっている。即ち、直近の大当り種別が「第1大当り」や「第2大当り」である場合の方が、「第3大当り」である場合よりも、爆弾が多く貯まる煽り演出パターンに決定されやすくなっている。このようにすることで、煽り演出の演出態様により、継続報知演出が実行される可能性を示唆することができる。
また、直近の大当り種別が「第2大当り」である場合の方が、「第1大当り」である場合よりも、爆弾が多く貯まる煽り演出パターンに決定されやすくなっている。直近の大当り種別が「第2大当り」である場合には、遊技状態は確変状態である。このような設定により、煽り演出の演出態様により、遊技状態が確変状態であるか否かを示唆できるようになる。
なお、直近の大当り種別が「第2大当り」と「第1大当り」である場合の煽り演出パターンを同じにしてもよい(例えば「第1大当り」である場合の決定割合を「第2大当り」である場合と同じにする)。このようにした場合には、煽り演出の対象が継続報知演出が実行されるか否かのみになり、演出が分かりやすくなる。
なお、図35(A)に示す煽り演出決定第1テーブル201の設定では、大当り種別によらず、煽り演出が実行されることに決定される割合が50%となっているが、大当り種別に応じて煽り演出が実行されることに決定される割合を異ならせてもよい。例えば、時短制御が継続する割合が高い程煽り演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、煽り演出の有無によっても、時短制御が継続するか否かを示唆できるようになる。
続いて、ステップS806において煽り演出を実行しないと決定されたか否かを判定する(ステップS807)。煽り演出を実行しないと決定された場合には(ステップS807;Yes)、時短中演出設定処理を終了する。
煽り演出を実行すると決定された場合は(ステップS807;No)、その決定結果(煽り演出パターン)を例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた煽り演出パターンバッファなどに記憶させる(ステップS808)。そして、演出制御フラグ設定部191に設けられた煽り演出実行フラグを、煽り演出を実行することに対応したオン状態にセットし(ステップS809)、時短中演出設定処理を終了する。
ステップS803において、時短中変動カウント値が「41」でなければ(ステップS803;No)、時短中変動カウント値が「46」であるか否かを判定する(ステップS810)。時短中変動カウント値が「46」であると判定された場合(ステップS810;Yes)、煽り演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS811)。即ち、時短制御開始後の41回目からの変動において煽り演出が実行されたか否かを判定する。煽り演出実行フラグがオフ状態であれば(ステップS811;No)、時短中演出設定処理を終了する。
煽り演出実行フラグがオン状態であれば(ステップS811;Yes)、当該煽り演出実行フラグをオフ状態にクリアしてから(ステップS812)、大当り終了指定バッファの記憶データを読み出し(ステップS813)、大当り終了指定コマンドによる指定内容を特定する。即ち、時短制御が実行される直近の大当り種別を特定する。そして、ステップS813にて特定した直近の大当りにおける大当り種別が「第3大当り」であるか否かを判定する(ステップS814)。
直近の大当り種別が「第3大当り」以外であれば(ステップS814;No)、煽り演出パターンバッファを読み出し(ステップS815)、直近の煽り演出パターンを特定する。
続いて、継続報知演出の実行タイミング(時短制御開始後の何回目の変動において継続報知演出を実行するか)を決定するためのテーブルとして、図36に示す継続報知演出決定テーブル203をセットする(ステップS816)。
そして、ステップS816にてセットした継続報知演出決定テーブル203に基づいて、継続報知演出の実行タイミングを決定する(ステップS817)。ステップS817の処理において、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される継続報知演出実行タイミング決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。こうして抽出された乱数値に基づいて、継続報知演出決定テーブル203を参照することにより、継続報知演出の実行タイミングを決定すればよい。
この実施の形態では、継続報知演出の実行タイミングとして、「46回」(時短制御開始後の46回目の変動中)、「47回」(時短制御開始後の47回目の変動中)、「48回」(時短制御開始後の48回目の変動中)、「49回」(時短制御開始後の49回目の変動中)、「50回」(時短制御開始後の50回目の変動中)のうちいずれかに決定される。図36に示す継続報知演出決定テーブル203の設定では、ステップS815で特定された直近の煽り演出パターンに応じて、異なる割合で実行タイミングが決定されるようになっている。具体的には、煽り演出により貯まった爆弾の数が多ければ多いほど(パターンD>パターンC>パターンB>パターンA)、早いタイミングに決定されやすくなっている。このようにすることで、煽り演出と継続報知演出の実行タイミングを関連付けることができる。また、煽り演出の演出態様に応じて(貯まった爆弾の数が多いほど)、早いタイミングで継続報知演出が実行される可能性が高まるので、遊技者は早い段階で時短制御が継続することを推測できるようになり、遊技者は安心して遊技をできるようになる。
ステップS817において継続演出の実行タイミングを決定した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた継続報知演出実行カウンタに、継続報知演出を実行するまでの変動の回数に対応したカウント初期値として、ステップS817における決定結果に対応した値をセットする(ステップS818)。ステップS818では、ステップS817において「46回」に決定された場合はカウント初期値として「1」がセットされ、「47回」に決定された場合はカウント初期値として「2」がセットされ、「48回」に決定された場合はカウント初期値として「3」がセットされ、「49回」に決定された場合はカウント初期値として「4」がセットされ、「50回」に決定された場合はカウント初期値として「5」がセットされる。
その後、演出制御フラグ設定部191に設けられた継続報知演出実行フラグを、継続報知演出を実行することに対応したオン状態にセットし(ステップS819)、時短中演出設定処理を終了する。
また、ステップS814において、直近の大当り種別が「第3大当り」であると判定された場合(ステップS814;Yes)、時短制御が終了することを報知するための設定を行い(ステップS820)、時短中演出設定処理を終了する。ステップS820では、時短制御開始後、50回目の変動の終了時などに、時短状態が終了することを報知するための設定が行われればよい。この場合、継続報知演出は実行されず、画面内に貯まった爆弾の火が消えて、画面内から消去するなどの演出が行われればよい。
ステップS828において時短中変動カウント値が「46」でないと判定された場合や(ステップS828;No)、ステップS802で読み出した時短中変動カウント値が煽り演出を開始する変動回数に対応した「91」であるか否かを判定する(ステップS821)。
時短中変動カウント値が「91」であれば(ステップS821;Yes)、大当り終了指定バッファの記憶データを読み出し(ステップS822)、大当り終了指定コマンドによる指定内容を特定する。即ち、時短制御が実行される直近の大当り種別を特定する。
そして、煽り演出を実行するか否か、及び、実行する場合の演出態様に対応した煽り演出パターンを決定するためのテーブルとして、図35(B)に示す煽り演出決定第2テーブル202をセットする(ステップS823)。
そして、ステップS823にてセットした煽り演出決定第2テーブル202に基づいて、煽り演出を実行するか否か、及び、煽り演出パターンを決定する(ステップS824)。ステップS824の処理において、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される煽り演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。こうして抽出された乱数値に基づいて、煽り演出決定第2テーブル202を参照することにより、煽り演出を実行するか否か、及び、煽り演出パターンを決定すればよい。
図35(B)に示す煽り演出決定第2テーブル202の設定では、直近の大当り種別に応じて、異なる割合で煽り演出パターンが決定されるようになっている。具体的には、時短制御が継続する場合には、爆弾が多く貯まる煽り演出パターンに決定されやすくなっている。即ち、直近の大当り種別が「第2大当り」である場合の方が、「第1大当り」である場合よりも、爆弾が多く貯まる煽り演出パターンに決定されやすくなっている。このようにすることで、煽り演出の演出態様により、継続報知演出が実行される可能性を示唆することができる。
なお、図35(B)に示す煽り演出決定第2テーブル202の設定では、大当り種別によらず、煽り演出が実行されることに決定される割合が50%となっているが、大当り種別に応じて煽り演出が実行されることに決定される割合を異ならせてもよい。例えば、時短制御が継続する割合が高い程煽り演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、煽り演出の有無によっても、時短制御が継続するか否かを示唆できるようになる。
続いて、ステップS824において煽り演出を実行しないと決定されたか否かを判定する(ステップS825)。煽り演出を実行しないと決定された場合には(ステップS825;Yes)、時短中演出設定処理を終了する。
煽り演出を実行すると決定された場合は(ステップS825;No)、その決定結果(煽り演出パターン)を例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた煽り演出パターンバッファなどに記憶させる(ステップS826)。そして、演出制御フラグ設定部191に設けられた煽り演出実行フラグを、煽り演出を実行することに対応したオン状態にセットし(ステップS827)、時短中演出設定処理を終了する。
ステップS821において、時短中変動カウント値が「91」でなければ(ステップS821;No)、時短中変動カウント値が「96」であるか否かを判定する(ステップS828)。時短中変動カウント値が「96」であると判定された場合(ステップS828;Yes)、煽り演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS829)。即ち、時短制御開始後の91回目からの変動において煽り演出が実行されたか否かを判定する。
煽り演出実行フラグがオン状態であれば(ステップS829;Yes)、当該煽り演出実行フラグをオフ状態にクリアしてから(ステップS830)、大当り終了指定バッファの記憶データを読み出し(ステップS831)、大当り終了指定コマンドによる指定内容を特定する。即ち、時短制御が実行される直近の大当り種別を特定する。そして、ステップS831にて特定した直近の大当りにおける大当り種別が「第1大当り」であるか否かを判定する(ステップS832)。
直近の大当り種別が「第2大当り」であれば(ステップS832;No)、煽り演出パターンバッファを読み出し(ステップS833)、直近の煽り演出パターンを特定する。
続いて、継続報知演出の実行タイミング(時短制御開始後の何回目の変動において継続報知演出を実行するか)を決定するためのテーブルとして、図36に示す継続報知演出決定テーブル203をセットする(ステップS834)。
そして、ステップS834にてセットした継続報知演出決定テーブル203に基づいて、継続報知演出の実行タイミングを決定する(ステップS835)。ステップS835の処理において、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される継続報知演出実行タイミング決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。こうして抽出された乱数値に基づいて、継続報知演出決定テーブル203を参照することにより、継続報知演出の実行タイミングを決定すればよい。
この実施の形態では、継続報知演出の実行タイミングとして、「96回」(時短制御開始後の96回目の変動中)、「97回」(時短制御開始後の97回目の変動中)、「98回」(時短制御開始後の98回目の変動中)、「99回」(時短制御開始後の49回目の変動中)、「100回」(時短制御開始後の100回目の変動中)のうちいずれかに決定される。図36に示す継続報知演出決定テーブル203の設定では、ステップS833で特定された直近の煽り演出パターンに応じて、異なる割合で実行タイミングが決定されるようになっている。具体的には、煽り演出により貯まった爆弾の数が多ければ多いほど(パターンD>パターンC>パターンB>パターンA)、早いタイミングに決定されやすくなっている。このようにすることで、煽り演出と継続報知演出の実行タイミングを関連付けることができる。また、煽り演出の演出態様に応じて(貯まった爆弾の数が多いほど)、早いタイミングで継続報知演出が実行される可能性が高まるので、遊技者は早い段階で時短制御が継続することを推測できるようになり、遊技者は安心して遊技をできるようになる。
ステップS835において継続演出の実行タイミングを決定した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた継続報知演出実行カウンタに、継続報知演出を実行するまでの変動の回数に対応したカウント初期値として、ステップS835における決定結果に対応した値をセットする(ステップS836)。ステップS836では、ステップS835において「96回」に決定された場合はカウント初期値として「1」がセットされ、「97回」に決定された場合はカウント初期値として「2」がセットされ、「98回」に決定された場合はカウント初期値として「3」がセットされ、「99回」に決定された場合はカウント初期値として「4」がセットされ、「100回」に決定された場合はカウント初期値として「5」がセットされる。
その後、演出制御フラグ設定部191に設けられた継続報知演出実行フラグを、継続報知演出を実行することに対応したオン状態にセットし(ステップS837)、時短中演出設定処理を終了する。
また、ステップS832において、直近の大当り種別が「第1大当り」であると判定された場合(ステップS832;Yes)、時短制御が終了することを報知するための設定を行い(ステップS838)、時短中演出設定処理を終了する。ステップS838では、時短制御開始後、100回目の変動の終了時などに、時短状態が終了することを報知するための設定が行われればよい。この場合、継続報知演出は実行されず、画面内に貯まった爆弾の火が消えて、画面内から消去するなどの演出が行われればよい。
図37は、可変表示中演出処理として、図29のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS661)。一例として、ステップS661の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS661にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS661;No)、可変表示の開始時であるか否かを判定する(ステップS670)。
可変表示の開始時であると判定された場合(ステップS670;Yes)、演出制御フラグ設定部191に設けられた継続報知演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS671)。
継続報知演出実行フラグがオン状態である場合(ステップS671;Yes)、演出制御カウンタ設定部193などに設けられた継続報知演出実行カウンタの値(継続報知演出実行カウント値)を1減算する(ステップS672)。なお、ステップS672では、継続報知演出実行カウント値がすでに0であれば、減算を行わない。
そして、継続報知演出実行カウント値が0であるか否かを判定する(ステップS673)。継続報知演出実行カウント値が0であれば(ステップS673;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、今回の変動パターンがリーチが実行される変動パターンであるか否かを判定する(ステップS674)。ステップS674では、リーチハズレあるいは大当りなど、リーチが実行される変動パターンであるか否かを判定すればよい。
リーチが実行される変動パターンでないと判定された場合(ステップS674;No)、継続報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS675)。一例として、ステップS675の処理では、煽り演出が実行されたことに対応して、画像表示装置5の画面内に貯まった爆弾を爆発させて、時短制御が継続することを報知するための指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
可変表示開始時でないと判定された場合や(ステップS670;No)、継続報知演出実行フラグがオフ状態である場合や(ステップS671;No)、継続報知演出実行カウント値が0でない場合(ステップS673;No)、リーチが実行される変動パターンである場合(ステップS674;Yes)、ステップS65の処理を実行した後には、煽り演出を実行するための煽り演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS676)。ステップS676では、演出制御フラグ設定部191に設けられた煽り演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定し、オン状態である場合には、演出制御バッファ設定部194などに設けられた煽り演出パターンバッファに記憶された煽り演出パターンを読み出す。そして、その煽り演出パターンに基づいて、煽り演出実行期間であるか否かを判定すればよい。
煽り演出実行期間であると判定された場合は(ステップS676;Yes)、煽り演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS663)。一例として、ステップS663の処理では、煽り演出パターンに対応した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。特に、煽り演出パターンに対応した数の爆弾の画像を画像表示装置5に貯めるための表示動作制御が行われればよい。
ステップS676において煽り演出実行期間でないと判定された場合や(ステップS676;No)、ステップS677の処理を実行した後には、連続予告演出といった予告演出を実行するための予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS662)。予告実行期間は、例えば図柄表示予告に対応した予告パターン、あるいは特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。予告実行期間には、図柄表示予告といった連続予告演出に対応して演出用点灯役物90を用いた連続予告報知が実行される場合に、その実行期間も含まれていればよい。
ステップS662にて連続予告演出実行期間であるときには(ステップS662;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS663)。一例として、ステップS663の処理では、予告演出制御パターンあるいは特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の画面上に設けられた「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおいて、図柄表示予告に対応した特殊な飾り図柄を導出表示させるための表示動作制御が行われればよい。また、図柄表示予告といった連続予告演出の実行に対応して演出用点灯役物90を用いた連続予告報知を実行する場合には、その実行期間中にランプ制御基板14へと演出用点灯役物90の動作指令を伝送させることなどにより、演出用点灯役物90を回転・点灯させる動作制御が行われればよい。
ステップS662にて連続予告演出実行期間ではないときや(ステップS662;No)、ステップS663の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS664)、可変表示中演出処理を終了する。
なお、この実施の形態では、継続報知演出は変動の開始時に実行されるようになっている。従って、可変表示中演出設定処理のステップS670において変動の開始時であると判定された場合に(ステップS670;Yes)、継続報知演出を実行するための処理(ステップS671〜675)が実行されるようになっている。このように、継続報知演出を変動の開始時に実行するようにしたことで、継続報知演出を実行するとき変動パターンや変動時間に関係なく継続報知演出を実行でき、継続報知演出を実行するための制御の複雑化を避けることができる。
また、可変表示中演出設定処理のステップS673において継続報知演出実行カウント値が0となったことに対応して(ステップS673;Yes)、継続報知演出を実行する変動となった場合であっても、当該変動の変動パターンがリーチを実行することに対応した変動パターンである場合には(ステップS674;Yes)、継続報知演出を実行しない。この場合、次回の変動開始時に継続報知演出が持ち越されることになる。このようにすることで、リーチと継続報知演出が重複して演出が複雑化することを避けることができる。また、継続報知演出は次回の変動において実行されるので、再度実行タイミングを決定するなどの処理を省略でき、処理負担を軽減できる。
また、ステップS661にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS661;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS665)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS665;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS665にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS665;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS666)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS667)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS668)、可変表示中演出処理を終了する。
図38は、大当り終了演出処理として、図29のステップS176にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた大当り終了演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS681)。ここで、大当り終了演出中フラグは、大当り終了演出が実行されることなどに対応して、後述するステップS684の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS681にて大当り終了演出中フラグがオフであるときには(ステップS681;No)、大当り終了演出時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS682)。続いて、例えば大当り遊技状態の終了に対応した演出制御パターン(各種演出制御パターン)を使用パターンに選択するといった、大当り終了演出となる演出動作を開始するための設定が行われる(ステップS683)。その後、大当り終了演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS684)、大当り終了演出処理を終了する。
ステップS681にて大当り終了演出中フラグがオンであるときには(ステップS681;Yes)、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS685)。大当り終了演出時間が経過していないときには(ステップS685;No)、大当り終了演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS686)、大当り終了演出処理を終了する。
ステップS685にて大当り終了演出時間が経過したときには(ステップS685;Yes)、大当り演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS687)。その後、時短中変動カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化しておく(ステップS691)。そして、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS692)、大当り終了演出処理を終了する。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、画像表示装置5などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図40(C)に示すように、この実施の形態では、モードA、モードB、モードC、モードK、モードNという、5つの演出モードが設けられている。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了や、変動の終了を契機に演出モードが移行する場合がある。図40(C)に示すように、モードNは通常状態であることを報知する演出モードであり、モードKは確変状態であることを報知する演出モードである。また、モードA、モードB、及びモードCは、時短制御が実行されているときに移行する演出モードであり、これらの演出モードである場合には、確変制御が実行されている確変状態であることもあれば、確変制御が実行されていない時短状態である場合もある。そして、遊技状態が確変状態と時短状態とのうちの確変状態である割合(期待度)は、モードC>モードB>モードAの順に高くなっている。即ち、モードA、モードB、及びモードCは、確変状態であることを示唆する演出モードである。
各演出モードには移行条件が決まっている。可変表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態が終了した後、モードAまたはモードBに移行する。モードAまたはモードBである場合には、所定のランクアップ判定が行われ、ランクアップすると判定された場合には、変動終了後にモードAからモードBへ、または、モードBからモードCに移行する場合がある。モードA、モードB、モードCのいずれかである場合であって、遊技状態が時短状態であった場合、時短制御が終了したときに、モードNに移行する。モードA、モードB、モードCのいずれかである場合であって、遊技状態が確変状態であった場合、時短制御が開始されてから100回変動が終了したときに、モードKに移行する。なお、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)には演出モードはモードNとなる。
なお、各演出モードでは、画像表示装置5における背景の色を異ならせるなど、それぞれが区別できるものとすればよい。例えば、各演出モードに対応したキャラクタ画像を表示するようにしてもよいし、いずれの演出モードであるかを明示するようにしてもよい。
図39は、画像表示装置5などにおける演出モードを設定するための演出モード設定処理の一例を示すフローチャートである。前述のように、大当り遊技状態の終了や、変動の終了を契機に演出モードが移行する場合がある。従って、図39に示す演出モード設定処理が、図29の可変表示停止処理(ステップS173)内や、大当り終了演出処理(ステップS176)、内で実行されればよい。
図39に示す演出モード設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り遊技状態が終了したか否かを判定する(ステップS851)。ステップS851では、例えば、大当り終了指定コマンドを受信したか否かなどにより大当り遊技状態が終了したか否かを判定すればよい。
大当り遊技状態が終了したと判定した場合(ステップS851;Yes)、大当り終了指定コマンドのEXTデータから特定される大当り種別に基づいて、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを決定する。(ステップS852)。
ステップS852では、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当り種別である「第2大当り」である場合に、大当り遊技状態の終了後に時短状態に移行させる大当り種別である「第1大当り」または「第3大当り」である場合よりも、高い割合でモードBに移行させる制御が実行されればよい。例えば、ステップS852では、図40(A)に示す割合設定に基づき、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかが決定される。図40(A)に示すように、大当り種別が「第1大当り」である場合には、70%の割合でモードAに決定され、30%の割合でモードBに決定される。大当り種別が「第2大当り」である場合には、50%の割合でモードAに決定され、50%の割合でモードBに決定される。大当り種別が「第3大当り」である場合には、90%の割合でモードAに決定され、10%の割合でモードBに決定される。このような設定により、モードBである場合にモードAである場合よりも、時短状態と確変状態とのうち確変状態である割合を高くすることができる。また、時短状態であっても、モードBである場合の方が、時短制御の終了条件が有利である割合が高くなっている。即ち、モードBある場合の方が、モードAである場合よりも、有利な遊技状態であることを示唆することができる。
大当り遊技状態が終了したときではないと判定した場合(ステップS851;No)、時短中変動カウント値が「50」であるか否かを判定する(ステップS853)。時短中変動カウント値が「50」であれば(ステップS853;Yes)、大当り終了指定コマンドのEXTデータから特定される直近の大当り種別に基づいて、演出モードをランクアップさせるか否かなどを決定する。(ステップS854)。
ステップS854では、直近の大当り種別が「第3大当り」であった場合には、モードNに移行させると決定される。また、直近の大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」である場合には、演出モードをランクアップさせるか否かが決定される。ステップS854では、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当り種別である「第2大当り」である場合に、大当り遊技状態の終了後に時短状態に移行させる大当り種別である「第1大当り」である場合よりも、高い割合で演出モードをランクアップさせる制御が実行されればよい。例えば、ステップS854では、図40(B)に示す割合設定に基づき、演出モードをランクアップさせるか否かが決定される。図40(B)に示すように、直近の大当り種別が「第1大当り」である場合には、20%の割合でランクアップさせると決定され、直近の大当り種別が「第2大当り」である場合には、80%の割合でランクアップさせると決定される。また、このような設定により、時短制御の実行が開始されてから演出モードがランクアップした場合には、時短状態と確変状態とのうち確変状態である割合を高くすることができる。また、モードCはモードBからのランクアップにより移行するので、モードCある場合の方が、モードBやモードAである場合よりも、有利な遊技状態であることを示唆することができる。このように、この実施の形態では、確変状態であることを示唆する演出モードである場合には、より高い確率で確変状態であることを示唆する演出モードにランクアップすることがあるので、遊技の興趣が向上する。
時短中変動カウント値が「50」でなければ(ステップS853;No)、時短中変動カウント値が「100」であるか否かを判定する(ステップS855)、時短中変動カウント値が「100」でなければ(ステップS855;No)、演出モード設定処理を終了する。
時短中変動カウント値が「100」であれば(ステップS855;Yes)、例えば演出制御バッファ設定部194などから遊技状態指定バッファ値を読み出すことにより、確変状態であるか否かを判定する(ステップS856)。確変状態であれば(ステップS856;Yes)、モードKに移行することを決定し(ステップS857)、確変状態でなければ(ステップS856;No)、モードNに移行することを決定する(ステップS858)。
ステップS852、S854、S857、S858において移行後の演出モードが決定された後には、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられる演出モードフラグを移行後の演出モードに対応した値をセットする(ステップS859)。例えば、移行後の演出モードがモードNであれば「1」がセットされ、移行後の演出モードがモードKであれば「2」がセットされ、移行後の演出モードがモードAであれば「3」がセットされ、移行後の演出モードがモードBであれば「4」がセットされ、移行後の演出モードがモードCであれば「5」がセットされればよい。図31のステップS638においては、モードフラグを参照することにより、現在の演出モードに対応した演出制御パターンが選択されればよい。ステップS859の後、演出モード設定処理を終了する。
続いて、煽り演出や継続報知演出の具体的な演出動作例について説明する。図42、図43は、煽り演出、継続報知演出が実行される場合の画像表示装置5における演出動作の具体例を示す図である。図42(A)に示すように、大当り遊技状態が終了したときには、図39のステップS852の処理が実行されることにより、モードAとモードBとのいずれの演出モードに移行するかが決定される。例えば、モードAに移行することが決定された場合、図42(B)に示すように、時短状態に移行することを報知されるとともに、モードAに移行することが報知される。
時短状態に移行してから、可変表示結果が「大当り」とならずに41回目の変動が実行されるときには、図33のステップS804〜S806の処理が実行されることにより、煽り演出を実行するか否か、及び、煽り演出パターンが決定される。例えば、図35(C)に示すパターンCの煽り演出を実行することに決定された場合には、図42(C)、(D)に示すように、時短状態移行後の41回目の変動において、画像表示装置5に3個の爆弾の画像が表示される煽り演出が実行される。
また、図42(E)、(F)に示すように、時短状態移行後の42回目の変動において、画像表示装置5に3個の爆弾の画像が追加される煽り演出が実行される。そして、図42(G)、(H)に示すように、時短状態移行後の43回目の変動において、画像表示装置5に2個の爆弾の画像が追加される煽り演出が実行される。続いて、図42(I)、(J)に示すように、時短状態移行後の44回目の変動において、画像表示装置5に1個の爆弾の画像が追加される煽り演出が実行される。そして、図42(K)、図43(A)に示すように、時短状態移行後の45回目の変動において、画像表示装置5に1個の爆弾の画像が追加される煽り演出が実行される。
この実施の形態のパチンコ遊技機1では、時短状態が終了することがある変動回数となるより前の所定期間中に、時短状態が継続することを報知する継続報知演出が実行される場合がある。そして、図42(C)〜(K)、図43(A)に示すように、継続報知演出が実行され得る所定期間となるより前の複数回の変動(41回目の変動〜45回目の変動)に亘って、継続報知演出が実行されるか否かに関わらず前記継続報知演出が実行されることを煽る煽り演出が実行される。
煽り演出が実行された後、時短状態移行後46回目の変動が実行されるときには、図33のステップS813〜S817、S820の処理が実行されることにより、継続報知演出を実行するか否か、及び、継続報知演出の実行タイミングが決定される。
例えば、直近の大当り種別が「第1大当り」以外であった場合には、ステップS817の処理で継続報知演出の実行タイミングが決定される。実行タイミングとして、時短状態移行後50回目の変動と決定された場合には、時短状態移行後50回目の変動の開始時に、図43(B)に示すように、画像表示装置5に表示された爆弾が爆発して、図43(C)に示すように、時短状態が継続することが報知される継続報知演出が実行される。このとき、図39のステップS854の処理が実行されることで、演出モードをランクアップさせるか否かも決定され、ランクアップさせると決定された場合には、図43(C)に示すように、モードAからモードBに移行することが報知される。
また、直近の大当り種別が「第1大当り」であった場合には、図43(D)に示すように、時短状態移行後50回目の変動の開始時に爆弾は爆発せず、図43(E)に示すように表示結果が導出表示され、図43(F)に示すように、時短状態が終了すること、及び、モードNの演出モードに移行することが報知される。
図44は、予告パターンPYAによる連続予告演出を実行した後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、図44(A)に示すような飾り図柄が停止表示されている。そして、第1特図保留記憶数が「3」になる第1始動入賞時に「共通スーパーリーチ判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドが伝送されたとする。演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図28に示すステップS508の処理による予告パターンPYAの決定結果に基づいて、複数回の可変表示にわたり連続予告演出を実行可能とする設定が行われる。例えば、図28に示すステップS511の処理により予告残回数カウンタのカウント初期値として、合計保留記憶数よりも1少ない「2」が設定される。また、図32に示すステップS521の処理により予告パターンPYAの記憶があると判定されたことに基づいて、ステップS525の設定により予告パターンPYAに対応した図柄表示予告の実行が可能になる。
こうした設定などに応じて、例えば図44(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図32に示すステップS526の処理により予告残回数カウント値が1減算されて「1」に更新される。その後、例えば図44(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図44(D)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cでは表示色が「青色」で星型を示す特殊な飾り図柄が停止表示(導出)される。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告パターンPYAの記憶があると判定されたことに基づいて(図32のステップS521;Yes)、予告パターンPYAに対応した図柄表示予告の実行が可能になる(ステップS525など)。このときには、ステップS526の処理により予告残回数カウント値を1減算することで更新後のカウント値が「0」となり(ステップS527;Yes)、予告パターンPYAの記憶がクリアされる(ステップS528)。こうした設定に応じて、例えば図44(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。その後、例えば図44(F)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図44(G)に示すように特殊な飾り図柄が停止表示(導出)される。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。例えば図44(H)に示すように飾り図柄の可変表示が開始され、図44(I)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図44(J)に示すように「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで「7」の数字を示す同一の飾り図柄が停止表示されて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。その後、例えばスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)におけるリーチ演出などが実行されればよい。
図45は、予告パターンPYCによる連続予告演出を実行した後に大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示(導出)される場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、図45(A)に示すような飾り図柄が停止表示されている。そして、第1特図保留記憶数が「3」になる第1始動入賞時に「大当り判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドが伝送されたとする。演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図28に示すステップS508の処理による予告パターンPYCの決定結果に基づいて、複数回の可変表示にわたり連続予告演出を実行可能とする設定が行われる。例えば、図28に示すステップS511の処理により予告残回数カウンタのカウント初期値として、合計保留記憶数よりも1少ない「2」が設定される。また、図32に示すステップS521の処理により予告パターンPYCの記憶があると判定されたことに基づいて、ステップS525の設定により予告パターンPYCに対応した図柄表示予告の実行が可能になる。
こうした設定などに応じて、例えば図45(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。また、図32に示すステップS526の処理により予告残回数カウント値が1減算されて「1」に更新される。その後、例えば図45(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図45(D)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cでは表示色が「虹色」で星型を示す特殊な飾り図柄が停止表示(導出)される。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、予告パターンPYCの記憶があると判定されたことに基づいて(図32のステップS521;Yes)、予告パターンPYCに対応した図柄表示予告の実行が可能になる(ステップS525など)。このときには、ステップS526の処理により予告残回数カウント値を1減算することで更新後のカウント値が「0」となり(ステップS527;Yes)、予告パターンPYCの記憶がクリアされる(ステップS528)。こうした設定に応じて、例えば図45(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには演出用点灯役物90を用いて連続予告報知となる演出動作が実行される。その後、例えば図45(F)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図45(G)に示すように特殊な飾り図柄が停止表示(導出)される。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。例えば図45(H)に示すように飾り図柄の可変表示が開始され、図45(I)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図45(J)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで「7」の数字を示す同一の飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
なお、連続予告演出として、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を特殊なものとする図柄表示予告を実行するものに限定されず、例えば保留表示予告が実行されてもよい。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンとなる可能性などを、複数回の可変表示にわたり予告する。
図28に示すステップS508の処理により、「予告なし」とは異なる予告パターンのいずれかに決定された場合には、保留表示予告を実行するための設定が行われるようにしてもよい。一例として、ステップS508の処理により決定された予告パターンPYA〜予告パターンPYCに応じて、始動入賞記憶表示エリア5Hの対応する表示部位における表示態様を異ならせるものであればよい。こうした表示部位の表示態様としては、例えば表示部位の表示色を変化させるものや、表示部位の形状を変化させるもの、表示部位に特定の文字や記号、その他の特別なキャラクタ画像を表示させるもの、継続表示から点滅表示に変化させるもの、一定倍率での表示を拡大縮小表示に変化させること、あるいは、これらの一部または全部を含んだものであればよい。
こうして主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、これらのコマンドによる通知内容に基づいて、保留表示予告を実行するか否かを決定することができればよい。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、例えばEXTデータなどにより第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果を通知する。このとき抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶され、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出されて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定などに用いられる。このように、保留表示予告は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果に起因して実行される。
図46は、保留表示予告が実行される場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、図46(A)に示すように飾り図柄の可変表示が行われているときに、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数)が「1」となっている。このとき、図46(B)に示すように第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞が発生した。これに対応して、所定の入賞時通知内容を示す第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図28に示すステップS508の処理による予告パターンの決定結果に応じて、保留表示予告を実行する設定が行われる。こうして、例えば図46(C)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて保留番号「2」に対応した表示部位が、花形(サクラ柄)に変化する保留表示予告が実行されて、可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンとなる可能性が特定可能に報知される。このとき、花形(サクラ柄)に変化させた表示部位の表示色を予告パターンPYA〜予告パターンPYCに応じて異ならせる。例えば予告パターンPYAであれば「青色」とし、予告パターンPYBであれば「赤色」とし、予告パターンPYCであれば「虹色」とする。その後、図46(D)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。例えば図46(E)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときに、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、青色表示されていた左端の表示部位における表示を除去するとともに、保留番号「2」に対応して花形(サクラ柄)となっている表示部位における表示を1つ左方向に移動させることなどにより、第1特図保留記憶数が「1」になったことを特定可能に表示する。その後、図46(F)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
さらに、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。そして、例えば図46(G)に示すような飾り図柄の可変表示が開始された後、図46(H)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり変動パターンに対応したリーチ演出などが実行される。こうして、例えば図46(I)に示すような飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
以上説明したように、上記実施の形態では、時短制御が終了する可能性がある時短制御開始後の50回目の変動が終了する前である、46回目〜50回目のいずれかの変動において、継続報知演出が実行される場合がある。そして、その期間より前の41回目〜45回目の変動に亘って、煽り演出が実行される場合がある。また、時短制御が終了する可能性がある時短制御開始後の100回目の変動が終了する前である、96回目〜100回目のいずれかの変動において、継続報知演出が実行される場合がある。そして、その期間より前の91回目〜95回目の変動に亘って、煽り演出が実行される場合がある。
このようにすることで、煽り演出により時短制御が継続するか否かを複数回の変動に亘って煽ることができ、煽り演出が実行された場合には、その後のいずれかの変動において継続報知演出が実行される場合があるので、煽り演出により時短制御が継続することへの遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、継続報知演出は、煽り演出が実行された後、時短制御が終了し得るタイミングより前のいずれかの変動で実行されるので、遊技者はなるべく早い段階で継続報知演出が実行されることを期待するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、図36に示す継続報知演出決定テーブル203の設定では、ステップS815で特定された直近の煽り演出パターンに応じて、異なる割合で実行タイミングが決定されるようになっている。具体的には、煽り演出により貯まった爆弾の数が多ければ多いほど(パターンD>パターンC>パターンB>パターンA)、早いタイミングに決定されやすくなっている。このようにすることで、煽り演出と継続報知演出の実行タイミングを関連付けることができる。また、煽り演出の演出態様に応じて(貯まった爆弾の数が多いほど)、早いタイミングで継続報知演出が実行される可能性が高まるので、遊技者は早い段階で時短制御が継続することを推測できるようになり、遊技者は安心して遊技をできるようになる。
また、図39のステップS854では、演出モードをランクアップさせるか否かの判定が行われる。ここでは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当り種別である「第2大当り」である場合に、大当り遊技状態の終了後に時短状態に移行させる大当り種別である「第1大当り」である場合よりも、高い割合で演出モードをランクアップさせる制御が実行される。例えば、ステップS854では、図40(B)に示す割合設定に基づき、演出モードをランクアップさせるか否かが決定される。図40(B)に示すように、直近の大当り種別が「第1大当り」である場合には、20%の割合でランクアップさせると決定され、直近の大当り種別が「第2大当り」である場合には、80%の割合でランクアップさせると決定される。また、このような設定により、時短制御の実行が開始されてから演出モードがランクアップした場合には、時短状態と確変状態とのうち確変状態である割合を高くすることができる。また、モードCはモードBからのランクアップにより移行するので、モードCある場合の方が、モードBやモードAである場合よりも、有利な遊技状態であることを示唆することができる。このように、この実施の形態では、確変状態であることを示唆する演出モードである場合には、より高い確率で確変状態であることを示唆する演出モードにランクアップすることがあるので、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、継続報知演出は変動の開始時に実行されるようになっている。従って、可変表示中演出設定処理のステップS670において変動の開始時であると判定された場合に(ステップS670;Yes)、継続報知演出を実行するための処理(ステップS671〜675)が実行されるようになっている。このように、継続報知演出を変動の開始時に実行するようにしたことで、継続報知演出を実行するとき変動パターンや変動時間に関係なく継続報知演出を実行でき、継続報知演出を実行するための制御の複雑化を避けることができる。
また、可変表示中演出設定処理のステップS673において継続報知演出実行カウント値が0となったことに対応して(ステップS673;Yes)、継続報知演出を実行する変動となった場合であっても、当該変動の変動パターンがリーチを実行することに対応した変動パターンである場合には(ステップS674;Yes)、継続報知演出を実行しない。この場合、次回の変動開始時に継続報知演出が持ち越されることになる。このようにすることで、リーチと継続報知演出が重複して演出が複雑化することを避けることができる。また、継続報知演出は次回の変動において実行されるので、再度実行タイミングを決定するなどの処理を省略でき、処理負担を軽減できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、時短制御の開始後の41回目や91回目の変動時に、41回目〜45回目や91回目〜95回目の変動において、煽り演出を実行するか否かや実行する場合の煽り演出パターンを一括して決定するようになっていたが(図33、図34)、煽り演出を実行すると定められている期間(上記実施の形態では、時短制御の開始後の41回目〜45回目の変動、及び、91回目〜95回目の変動)の変動毎に、煽り演出を実行するか否かや実行する場合の煽り演出パターンを決定するようにしてもよい。また、時短制御の開始後の46回目や96回目の変動時に、継続報知演出の実行タイミングを決定するようになっていたが(図33、図34)、継続報知演出を実行すると定められている期間(上記実施の形態では、時短制御の開始後の46回目〜50回目の変動、及び、96回目〜100回目の変動)の変動毎に、継続報知演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。この場合は、煽り演出パターンに応じて、継続報知演出を実行すると決定する割合を異ならせるとともに、リーチが実行される場合には、継続報知演出を実行しないと決定されるなどの制御がなされればよい。また、継続報知演出の実行タイミングは、煽り演出を実行する否かや煽り演出パターンを決定するときに、併せて決定するようにしてもよい。
また、継続報知演出の実行タイミングは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドから特定される、先読み結果に基づいて決定するようにしてもよい。例えば、リーチとなることや大当りとなることが先読みされた場合には、当該変動が継続報知演出の実行タイミングとして選択されないようにすればよい。
また、煽り演出が実行されているときの遊技の状況に応じて、煽り演出の演出態様を変化させるようにしてもよい。例えば、煽り演出が実行されているときに、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、煽り演出の演出態様を変化させるようにしてもよい。
この場合は、例えば、図16のステップS101の始動入賞判定処理において、第1始動入賞口に対して入賞があったにも関わらず、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値であると判定された場合や、第2始動入賞口に対して入賞があったにも関わらず、ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値であると判定された場合に、図47に示すように、主基板11から演出制御基板12に対して、第1始動入賞口や第2始動入賞口に保留記憶数の上限値を超える入賞(超過入賞)があったおことを通知する超過入賞通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS351、S352)。このように、超過入賞通知コマンド送信することで、保留記憶数の上限値内の入賞のみならず、超過入賞にも対応した演出を、演出制御基板12の側で実行することができるようになる。
図48は、煽り演出が実行されているときに、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、煽り演出の演出態様を変化させる変形例における追加演出設定処理の一例を示すフローチャートである。例えば、この変形例では、煽り演出が実行されている期間に、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞が3回あるごとに、画像表示装置5における爆弾の数を1つ追加させる演出(追加演出)を実行する。
図48に示す追加演出設定処理は、図29のステップS172内で実行されればよい。図48に示す追加演出設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられた煽り演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS871)。
煽り演出実行フラグがオン状態であれば、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS872)。ステップS872では、第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンド、超過入賞通知コマンドのいずれかを受信したか否かにより、入賞があったか否かを判定すればよい。
第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞があったと判定された場合には(ステップS872;Yes)、演出制御カウンタ設定部193などに設けられた煽り演出中入賞カウンタの値(煽り演出中入賞カウント値)を1加算する(ステップS873)。そして、煽り演出中入賞カウント値の値が3であるかを判定する(ステップS874)。
煽り演出中入賞カウント値の値が3であれば(ステップS874;Yes)、煽り演出中入賞カウンタを0にリセットしてから(ステップS875)、画像表示装置5における爆弾の数を1つ追加させる演出(追加演出)を実行するための設定を行う(ステップS876)。その後、追加演出設定処理を終了する。
このように、この変形例では、煽り演出が実行されているときの入賞に基づいて、追加演出を実行するので、遊技者がより多くの遊技球を投入するようになるので、パチンコ遊技機1の稼働の向上が図れる。
なお、追加演出は図48の例に限定されず、煽り演出が実行されているときの入賞に基づいて実行されればよい。例えば、煽り演出が実行されているときに入賞がある毎に、追加演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。また、煽り演出の演出態様に基づいて、追加演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、図35(A)、(B)に示すように、時短制御中の煽り演出の実行割合は所定の割合(50%)であったが、時短制御中に煽り演出が必ず実行されるようにしてもよい。また、煽り演出が開始される変動において、可変表示結果が「大当り」となるとき以外には、煽り演出が必ず実行されるようにしてもよい。このようにすることで、煽り演出が開始されないことによって、可変表示結果が「大当り」となることを報知できるようになる。
また、所定の煽り演出パターン(例えば図35に示すパターンD)の煽り演出が実行された場合には、必ず時短制御が継続するようにしてもよい。この場合は、当該所定の煽り演出パターンの、時短制御が終了する大当り種別である場合の決定割合を0%とすればよい。
また、上記実施の形態では、継続報知演出は、変動の開始時に実行されるものとして説明したが、変動の終了時に実行されるようにしてもよい。また、継続報知演出や時短状態が終了することの報知を実行する場合、変動間にインターバルを設け、このインターバルにおいて継続報知演出や時短状態が終了することの報知を実行するようにしてもよい。このようにすることによっても、変動パターンや変動時間に関わらず継続報知演出を実行することができる。
煽り演出が開始されて後に、可変表示結果が「大当り」となった場合には、画像表示装置5内に貯まった爆弾を消去して煽り演出を中断してもよいし、画像表示装置5内に貯まった爆弾を爆発させて「大当り」となることを報知してもよい。また、可変表示結果が「大当り」となる前に、あえて時短制御が終了することを示唆してもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが100回実行されるまで時短制御が行われる「第1大当り」と、大当り遊技状態の終了後、次回「大当り」となるまで確変制御及び時短制御が行われる「第2大当り」と、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが50回実行されるまで時短制御が行われる「第3大当り」と、が設けられていたが、これら以外の大当り種別があってもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後、次回「大当り」となるまで確変制御が行われるとともに、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが50回実行されるまで時短制御が行われる「第4大当り」が設けられていてもよい。このような大当り種別を設けた場合、時短制御は行われていないが、確変制御が行われている高確低ベース状態を設けることができる。この場合は、煽り演出が実行され、継続報知演出が実行されずに時短状態が終了した後であっても、高確制御が実行されている場合があるので、遊技の興趣が向上する。
上記実施の形態では、図40(C)に示したように、大当り遊技状態が終了した後や時短状態が終了したときに、演出モードが移行する場合があった。また、時短状態に移行してから可変表示結果が「大当り」とならずに変動が50回行われた場合にランクアップ判定が実行され演出モードが変化する場合があった。演出モードの移行条件はこれらの場合に限定されず、これら以外の移行条件があってもよい。例えば、所定回数変動(例えば30回など)が行われるごとに演出モードが移行するようにしてもよいし、特定のリーチ(例えばスーパーリーチなど)が所定回数(例えば10回など)実行された場合に演出モードが移行するようにしてもよいし、時短状態移行後所定時間(例えば1分など)が経過したときに演出モードが移行するようにしてもよい。例えば、このような移行条件が成立するたびにモード移行判定を行い、そのときの遊技状態に応じて、モード移行を実行するか否か、及び、移行後の演出モードを決定するようにすればよい。この場合は、遊技状態が確変状態である場合には、確変状態である期待度が高い演出モードに移行しやすくすることで、演出モードによって遊技状態を遊技者に示唆することができる。
上記実施の形態では、始動入賞時に抽出された乱数値MR1や乱数値MR3を用いた判定結果に基づいて、複数回の可変表示にわたり図柄表示予告や保留表示予告といった連続予告演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告対象となる可変表示が開始される以前に、その可変表示における表示結果が「大当り」となる可能性や特定の可変表示態様となる可能性を予告できる特定演出となる任意の予告演出を実行可能なものであればよい。
上記実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターンについて、確変状態や時短状態といった特別遊技状態に固有のスーパーリーチ判定がなされた場合であるか、各遊技状態に共通のスーパーリーチ判定がなされた場合であるかを通知し、その通知内容に応じた連続予告演出の決定が行われるものとして説明した。これに代えて、あるいは、これとともに、可変表示結果が「大当り」となるか否かについても、特別遊技状態に固有の大当り判定がなされた場合であるか、各遊技状態に共通の大当り判定がなされた場合であるかを通知し、その通知内容に応じた連続予告演出の決定が行われるようにしてもよい。
この場合、図18に示すステップS403の処理として、図49のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。図49に示す処理において、CPU103は、まず、共通大当り判定範囲を設定する(ステップS701)。共通大当り判定範囲は、現在の遊技状態にかかわらず特図表示結果を「大当り」に決定することができる乱数値MR1の範囲として、予め定められていればよい。一例として、図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定では、特図表示結果決定用の乱数値MR1が「8001」〜「8437」のいずれかであれば、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかにかかわらず、特図表示結果を「大当り」に決定する。例えばROM101の所定領域には、共通大当り判定範囲として「8001」〜「8437」の範囲を示す設定データを予め記憶しておけばよい。
ステップS701の処理を実行した後には、図17のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS701にて設定した共通大当り判定範囲を比較することにより(ステップS702)、乱数値MR1が共通大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS703)。ステップS703にて共通大当り判定範囲内であると判定されたときには、図18に示すステップS404の処理に進み、「大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われればよい。このときには、「共通大当り判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを予め用意して、ステップS703での判定結果に応じて、「共通大当り判定」であることが演出制御基板12に対して通知されればよい。
ステップS703にて共通大当り判定範囲の範囲外である判定されたときには(ステップS703;No)、現在の遊技状態において確変制御が行われている確変制御中であるか否かを判定する(ステップS704)。このとき、確変制御中でなければ(ステップS704;No)、図18に示すステップS405の処理に進み、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるか否かの判定が行われればよい。ステップS704にて確変制御中である場合には(ステップS704;Yes)、固有大当り判定範囲を設定する(ステップS705)。固有大当り判定範囲は、確変制御中にのみ特図表示結果が「大当り」に決定することができる乱数値MR1の範囲として、予め定められていればよい。一例として、図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定では、特図表示結果決定用の乱数値MR1が「8438」〜「11277」のいずれかであれば、確変制御が行われているときに限り、特図表示結果が「大当り」に決定される。例えばROM101の所定領域には、固有大当り判定範囲として「8438」〜「11277」の範囲を示す設定データを予め記憶しておけばよい。
ステップS705の処理を実行した後には、図17のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS705にて設定した固有大当り判定範囲を比較することにより(ステップS706)、乱数値MR1が固有大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS707)。ステップS707にて固有大当り判定範囲内であると判定されたときには、図18に示すステップS404の処理に進み、「大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われればよい。このときには、「固有大当り判定」を示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを予め用意して、ステップS707での判定結果に応じて、「固有大当り判定」であることが演出制御基板12に対して通知されればよい。
こうした特図表示結果決定テーブル130の設定に基づき共通大当り判定範囲と固有大当り判定範囲とを設けた場合、特図表示結果決定テーブル130において、遊技状態が通常状態または時短状態に対応して特図表示結果に決定値を割り当てたテーブルデータが通常決定用データとなり、遊技状態が確変状態に対応して特図表示結果に決定値を割り当てたテーブルデータが特別決定用データとなる。また、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値が特定態様決定値となる。そして、共通大当り判定範囲に含まれる決定値は通常決定用データにも含まれる共通決定値となり、固有大当り判定範囲に含まれる決定値は通常決定用データには含まれない固有決定値となる。すなわち、特定態様決定値は、例えばスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合のように、飾り図柄の可変表示中における表示態様が特定態様となる場合に限定されず、例えば可変表示結果が「大当り」となる場合のように、可変表示結果が特定態様となる場合に対応するものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。