JP5920793B2 - 遷移金属炭化物入りタングステン合金の製造方法及び遷移金属炭化物入りタングステン合金 - Google Patents

遷移金属炭化物入りタングステン合金の製造方法及び遷移金属炭化物入りタングステン合金 Download PDF

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Description

本発明は、遷移金属炭化物入りタングステン合金の製造方法及び遷移金属炭化物入りタングステン合金に関し、特に、合金に超塑性変形を施すことで粒界辷りによる超塑性を発現させ、再結晶破壊強度が高く、再結晶組織であるために高温に加熱されても強度や延性の低下が少なく、低温脆性、再結晶脆性および中性子照射脆性を著しく改善することができる合金の製造方法、及び該製造方法により製造された合金、特に、タングステン合金に関する。
タングステンやタングステン合金は、金属では最も高い3410℃もの融点を持つ等、他の金属が追随できない非常に数多くの利点を有している。しかしながら、長年にわたり脆化(低温脆化、再結晶脆化、照射脆化)の問題が解決されないため、これまで構造材料として利用されたことがなく、極限環境下での高温構造材料としての実用化が阻まれている。
これらの脆化は、いずれも結晶粒界が弱く、粒界から破壊しやすい「粒界脆化」に起因する。粒界脆化の原因は、タングステンが共有結合性の度合いの最も強い金属であり、粒界が本質的に高エネルギーで弱い(破壊しやすい)ことに加え、窒素や酸素といった空気中の侵入型ガス元素はタングステン中の固溶度が極端に低いため粒界に偏析・析出しやすく、粒界をさらに弱化し、脆化を促進してしまうことにある。
その結果、図1(a)に示すように、通常の金属は破断する前に塑性変形(永久変形)することから、ほぼ全温度範囲が延性温度領域となる。一方、図1(b)に示すように、タングステンは、原子間結合の方向性の極めて強い共有結合を有しているため、本質的に結晶粒界が弱く、延性脆性遷移を起こすとともに延性脆性遷移温度(ductile−brittle transition temperature、以下「DBTT」と略記することもある。)も高い。そのため、タングステン中のらせん転位の運動に必要なパイエルス応力(降伏強度)が急激に上昇する低温ほど著しくなり(低温脆化)、また、極めて弱い粒界が形成される再結晶組織でより顕著となる(再結晶脆化)。さらに、中性子等の高エネルギー粒子照射により照射欠陥が導入されると、結晶粒内や粒界での照射欠陥の蓄積により転位の辷り運動が阻害されるために、さらに粒界脆化が促進される(照射脆化)。
したがって、低温脆化、再結晶脆化、照射脆化を同時に改善するためには、照射欠陥が消滅可能なサイト(シンク;結晶粒界や分散粒子)を高密度に含む再結晶微細組織を導入し、再結晶微細組織における弱い粒界を破壊しにくい極めて強い粒界に変えることが必要である。
本発明者らは、タングステンの中性子照射や再結晶による脆化、および低温脆化の問題を解決するため、超微細結晶粒を有するW−TiCをAr雰囲気およびH2雰囲気下でメカニカルアロイング(MA)法と熱間等方加圧(HIP)法により作製することで、室温靭性が向上する等の効果が得られることを見出し、発表をおこなっている(非特許文献1、2参照)。しかしながら、上記方法で作製されたタングステン材料であっても、実用化するには依然として十分ではなかった。
一方、高融点金属の耐久性等を改善するための方法としては、Mo、W、Nb、Ta、V、Cr等の高融点金属に、融点1500℃以上であって、粒径≦1.5μmの酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ケイ酸塩又はアルミン酸塩の群から選択される一種又は数種の化合物又は混合物を0.005〜10質量%含有させることで、耐クリープ性を向上させることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示されているのは、高温での高融点金属の耐熱性及び耐クリープ性を向上させるもので、低温脆化、再結晶脆化、照射脆化を改善するものではない。
また、本発明者らは、モリブデン合金に、粒径10nm以下のIVa族遷移金属炭化物の超微粒子を0.05モル以上5モル%以下分散し、結晶粒径を1μm以下とすることで、モリブデン合金の強度を高くでき、また、高温に加熱されても強度低下が少なく、低温脆性、再結晶脆性及び中性子照射脆性を改善できること見出し、特許出願を行っている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載されているモリブデンは、純金属であっても室温で延性を示す材料であり、また、モリブデンよりもさらに800℃も高融点でああって、極端に脆性材料であるタングステンとは、性質と製造の条件が全く異なる材料である。
更に、モリブデンは、特許文献2では延性改善のために塑性加工(鍛造・圧延等)による加工変形組織の導入・存在を必要とし、その結果、再結晶温度の低下と異方性が生ずる。一方、タングステンは、加工変形組織を全く含まない再結晶状態での、したがって異方性をもたない等軸再結晶組織における延性改善に関するものであり、両者は本質的に異なる。
特表平1−502680号公報 特開平8−85840号公報
日本金属学会講演概要、Vol.148,p235 日本金属学会講演概要、Vol.143,p322
本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、メカニカルアロイング(MA)法と熱間等方加圧(HIP)法により作製した遷移金属炭化物入り合金を、更に、超塑性変形による粒界辷りを用いた再結晶ランダム粒界の強化処理をすることで、合金に再結晶微細組織を導入し、その再結晶微細組織における弱い粒界を著しく強化することができ、その結果、低温脆化、再結晶脆化、照射脆化が大幅に改善されることを見出した。また、超塑性変形による粒界辷りを用いた再結晶ランダム粒界の強化処理は、全ての合金に適用可能であるが、その中でも極端に脆性材料であるタングステンの脆性の改良に有効であることも新たに見出した。本発明は、これらの新知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明の目的は、低温脆化、再結晶脆化、照射脆化が大幅に改善された遷移金属炭化物入り合金の製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、該製造方法により製造された合金を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、低温脆化、再結晶脆化、照射脆化が大幅に改善された遷移金属炭化物入りタングステン合金を提供することである。
本発明は、以下に示す、遷移金属炭化物入り合金の製造方法、遷移金属炭化物入りタングステン合金及び前記製造方法により製造された合金に関する。
(1)IVA族、VA族又はVIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種及び金属原料をメカニカルアロイングする工程、前記メカニカルアロイングする工程で得られた原料粉末を熱間等方圧プレスにより焼結する工程、前記焼結する工程で得られた合金を500℃以上2000℃以下、10−5−1以上10−2−1以下の歪速度で、60%以上の塑性変形を施す工程、を含むことを特徴とする合金の製造方法。
(2)前記メカニカルアロイングする工程の前に、前記遷移金属の炭化物及び金属原料を加熱により脱気する工程を含むことを特徴とする上記(1)に記載の合金の製造方法。
(3)IVA族、VA族、VIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種を0.25質量%以上5質量%以下含むタングステン合金において、酸素の含有量が950質量ppm以下、窒素の含有量が60質量ppm以下であり、タングステン相の面積比の80%以上が粒径0.05μm以上10μm以下の等軸結晶粒であり、3点曲げによる延性脆性遷移温度が500K以下であり、その温度以上で塑性変形可能であることを特徴とするタングステン合金。
(4)タングステン合金組織中に存在する炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の90%以上が、{111}W//{110}遷移金属の炭化物,<110>W//<111>遷移金属の炭化物の(Kurdjumov−Sachs)方位関係であることを特徴とする上記(3)に記載のタングステン合金。
(5)X線回折での回折面(220)反射の半値全幅が3°以下であること、あるいは透過電子顕微鏡観察により結晶粒内の転位が50本以下であることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載のタングステン合金。
(6)3点曲げによる最大曲げ強度が1470MPa以上であることを特徴とする上記(3)〜(5)の何れか一に記載のタングステン合金。
(7)上記(1)又は(2)に記載の製造方法により製造された合金。
本発明によれば、遷移金属炭化物及び合金の粉末をメカニカルアロイング(MA)法と熱間等方加圧(HIP)法により処理し、更に、粒界辷りを最大限に活用できる超塑性変形を利用して再結晶微細粒組織における炭化物の粒界析出・粒界偏析を促進・最適化することによって、(1)再結晶組織における合金、特に、タングステンの粒界強度(粒界結合力)が改善され、高強度と高靭性が実現できる、(2)元々再結晶状態にあるため高温に加熱されても組織変化が小さいので、強度や延性の低下が極めて少なく、再結晶脆化の恐れがない、(3)照射脆化を大幅に改善することができる、(4)合金としてタングステンを用いた場合、タングステン合金の結晶粒径は0.05−10μm程度にまで成長するので、降伏点を適度に低下させる効果が付与され、室温付近でも塑性変形可能なタングステン合金とすることができる、等の効果を奏する。
(1)IVA族、VA族又はVIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種及びタングステン粉末を含み、酸素の含有量が3000質量ppm以下、窒素の含有量が18質量ppm以下である原料粉末をメカニカルアロイングする工程、前記メカニカルアロイングする工程で得られた原料粉末を熱間等方圧プレスにより焼結する工程、前記焼結する工程で得られた合金を500℃以上2000℃以下、10−5s−1以上10−2−1以下の歪速度で、60%以上の塑性変形を施す工程、を含むことを特徴とする合金の製造方法。
(2)前記メカニカルアロイングする工程の前に、原料粉末を加熱により脱気する工程を含むことを特徴とする上記(1)に記載の合金の製造方法。
(3)IVA族、VA族、VIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種を0.25質量%以上5質量%以下含むタングステン合金において、酸素の含有量が950質量ppm以下、窒素の含有量が60質量ppm以下であり、タングステン相の面積比の80%以上が粒径0.05μm以上10μm以下の等軸結晶粒であり、3点曲げによる延性脆性遷移温度が500K以下であり、その温度以上で塑性変形可能であることを特徴とするタングステン合金。
(4)タングステン合金組織中に存在する炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の90%以上が、{111}W//{110}遷移金属の炭化物,<110>W//<111>遷移金属の炭化物の(Kurdjumov−Sachs)方位関係であることを特徴とする上記(3)に記載のタングステン合金。
(5)X線回折での回折面(220)反射の半値全幅が3°以下であること、あるいは透過電子顕微鏡観察により結晶粒内の転位が50本以下であることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載のタングステン合金。
(6)3点曲げによる最大曲げ強度が1470MPa以上であることを特徴とする上記(3)〜(5)の何れか一に記載のタングステン合金。
本発明は、必要に応じて原料を加熱により脱気する工程、前記脱気する工程で得られた原料をメカニカルアロイング(MA)する工程(以下「MA工程」と記載することもある。)、前記メカニカルアロイングする工程で得られた原料粉末を熱間等方圧プレスにより焼結(HIP)する工程(以下「HIP工程」と記載することもある。)、前記焼結する工程で得られた合金を、粒界辷りを最大限に活用できる超塑性変形を用いた再結晶ランダム粒界の強化処理する工程(以下「GSMM工程」と記載することもある。なお、GSMMは、Grain boundary Sliding−based Microstructural Modificationの略である。)、で合金を作製することを特徴としており、更に、該方法により製造された合金が、特にタングステン合金であることを特徴としている。本発明について、更に具体的に説明する。
まず、本発明に用いられる原料について説明する。本発明に用いられる遷移金属炭化物としては、IVA族、VA族、VIA族から選ばれる遷移金属の炭化物が挙げられ、特に、構成元素の拡散速度が速く脆いW2Cよりも先に炭化物を形成しやすいこと、あるいは形成された炭化物が熱的に安定であること等から、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ニオブ、炭化タンタル等が好ましい。これらのIVA族、VA族、VIA族遷移金属炭化物(以下、単に「遷移金属炭化物」と記載することもある。)は、単独でも複数を組み合わせて用いてもよい。
遷移金属炭化物の合金に対する添加量は、0.25質量%以上、5質量%以下が好ましい。遷移金属炭化物の添加量が0.25質量%に満たない量では、結晶粒界の強化や高温における結晶粒界の移動の抑制効果が乏しく、再結晶温度の上昇や再結晶後の結晶粒の粗大化を抑制する効果が乏しいばかりでなく、低温脆性、再結晶脆性、及び中性子照射脆性の改善、及び高温強度の向上が不十分である。一方、遷移金属炭化物の添加量が5質量%を越えると、合金が脆化してしまい好ましくない。
遷移金属炭化物以外の合金の原料としては、タングステン、モリブデン、バナジウム、イットリウム、クロム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等から選ばれる少なくとも1種、或いは、ステンレス、鉄等が挙げられるが、本発明の製造方法は、特に、タングステン等のVIA族遷移金属に有用である。合金原料の粉末は、フィッシャー粒径で2μm以上であることが好ましい。これは、後述する製造方法で詳しく述べるが、製造された合金中の酸素又は窒素濃度が高いと、(1)低温脆化、再結晶脆化、照射脆化を大幅に改善するために必要である遷移金属炭化物の粒界析出・偏析を阻害する、(2)それ自体が脆く破壊の起点として作用するWCの形成を促進する、(3)酸素や窒素は破壊の起点として作用する気孔を形成する、からである。その為、合金中の再結晶微細組織における弱い粒界を強化するためには、合金原料の粉末間等に含まれる酸素と窒素含有量を低く抑えることが不可欠であり、後述する脱気する工程に加え、原料を上記の粒径にすることが好ましい。ただし、不純物混入を抑えるような雰囲気管理がしっかりと行われていれば、必ずしも2μm以上である必要はなく、1μm以下であってもよい。
次に、本発明の製造方法の各工程について説明する。原料を加熱により脱気する工程は、合金中に最終的に不純物として含まれる酸素、窒素含有量を低減するために行われる工程で、原料粉末調製段階において、原料粉末中の空気(特に湿気)の十分な脱気を行うためのものである。この脱気工程は、酸素や窒素が及ぼす有害の程度が金属材料に応じて異なるため、脱気条件は金属材料に応じて適宜調整すればよい。例えば、バナジウムでは、超高真空であっても加熱すると酸素や窒素を吸収固溶し脆くなる(環境脆化)ので、脱気工程はかなり低い温度で行うか、あるいは不要であり、また、SUS316Lでは厳格に実施する必要は無い。一方、タングステンの場合には、上記のとおり、合金中に残存している酸素や窒素が弱い再結晶粒界に析出・偏析して、粒界脆化(再結晶脆化)を促進すると共に、気孔を形成し、破壊の起点として作用することから、例えば、一般的に市販されているタングステン粉末を原料として用いる場合には、原料粉末を調製する際の容器(粉末搭載用のMo等で作製したボート)に原料粉末を載せた状態で10−4Pa以下にまで真空引きし、800℃〜1、500℃で原料粉末の脱気処理を行うことが望ましい。ただし、例えば、プランゼージャパン(株)社製の超高純度W粉末等、既に酸素及び窒素濃度が十分低いタングステンを原料として用いる場合は、不活性ガス又は還元性ガス(いずれも含まれる水分等を無視できるレベルまで純化処理したガス)雰囲気中で原料を開封し、MA工程を施す等、酸素及び窒素の混入を排除することで、脱気工程を省略することが可能である。
脱気する時間は、800℃以上であれば120分、950℃以上であれば90分以上を目安として実施することが望ましい。脱気温度が800℃未満であるとガスの脱離が十分でなくなり、1、500℃を超えると脱気用の容器(Mo等で作製したボート)との反応が起こりやすくなり、原料粉末の凝集が始まってその後の工程に別途不具合が起こり望ましくない。
タングステン合金の場合、製造された合金中の酸素含有量は、950ppm以下、好ましくは850ppm以下、より好ましくは300ppm以下で、窒素含有量は60ppm以下、好ましくは50ppm以下である。合金中の酸素及び窒素の含有量が上記の数値以下であると、緻密化した合金の作製が可能である。なお、タングステン合金中の酸素や窒素は、原料粉末段階では、最終的に製造された合金の約3倍含まれている。したがって、工程管理上は、原料粉末の脱気工程終了段階で、酸素は約3000ppm以下、窒素は約180ppm以下にするよう工程管理をすることが望ましい。
脱気工程の後には、MA工程が行われる。このMA工程は、原料を更に粉末にし、該粉末をカプセルに封入してHIPをするまでは、酸素や窒素の混入を防止するため、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気中で操作を行うことが好ましい。不活性ガスとしてはAr、ヘリウム、ネオン等が挙げられ、還元性ガスとしては水素等が挙げられる。
MA工程は、合金及び遷移金属炭化物の原料粉末に機械的な高エネルギーを付与することで、遷移金属炭化物を母相の合金組織中に均質に原子状に分解・固溶させると同時に、母相(合金)の超微細粒粉末を作製するための工程で、例えば、3軸加振型ボールミル、遊星型ボールミル、アトライター等、の装置を用いて行われる。MA処理は、通常、ボールと原料粉末をポット内に入れて、このポットをボールミル架台上で回転あるいは振動させることにより原料粉末に機械的に高エネルギーを付与し、その結果、添加した異種の元素同士が平衡状態では固溶しない系でも強制固溶することができ、また、室温で結晶粒を超微細化(10〜30nm)することができる。なお、MA工程で使用されるポットの内壁やボール表面の不純物を除去するため、原料粉末をポット内に入れる前に、ポットとボールのみを150〜200℃で3〜10時間、真空加熱してもよい。
MA工程の処理条件、すなわち、処理時間、回転数、前記ボールの材質、直径、ボールの合計質量と原料粉末の合計質量との質量比、容器の全内容積とボールの合計体積の比は、合金中に遷移金属炭化物が均一に分解固溶されると共に、母相金属の結晶粒径が超微細化され、かつMA工程の過程で容器・ボールの材質が原料粉末中に混入する効果を抑える(混入量を無視できる量に抑制すること、あるいは混入してもその後の材料特性に影響を与えないものとする)ために、適宜条件を設定すればよい。
HIP工程は、上記MA工程で作製したMA粉末を、Arガスにより等方的に加圧しながら、MA工程で超微細化した合金粉末が粒成長しにくい比較的低温で、合金にとっては有害なガス不純物で構成されている大気に曝すことなく焼結することで、MA工程時に強制固溶した遷移金属炭化物を析出・偏析させてそのピン止め効果により超微細粒の粒成長を防ぐと共に、再結晶により歪のない、遷移金属炭化物が粒界析出・偏析した合金母相の等軸超微細粒を作製するための工程である。具体的には、MA粉末を軟鋼、SUS、Ti、Nb、Ta等で作製した金属容器に上記した不活性ガス又は還元性ガス雰囲気中で封入し、封入ガスを徹底的に真空排気(真空度は通常、10-4〜10-6Pa)除去した後、1350〜1400℃、100〜1000MPaで、1〜5時間焼結することで上記の組織を持つ合金が得られる。なお、HIP工程で使用される金属容器の内壁の不純物等を除去するため、MA粉末を金属容器内に入れる前に、金属容器のみを500~1000℃で1~3時間、真空加熱してもよい。
GSMM工程は、再結晶微細組織における弱い粒界を、遷移金属炭化物との強い異相界面、あるいは遷移金属炭化物の構成元素が析出・偏析した強い粒界に置きかえるための工程で、遷移金属炭化物が粒界に析出・編析すると粒界結合力が増加することから、破壊強度が増加して脆性改善の効果が得られる。また、GSMM工程により、結晶粒径を適度な大きさに増加させて降伏強度(変形強度)を下げ延性を出やすくする(粒界の負担を下げる)効果、破壊の起点として作用しやすい残留気孔(HIP後で1〜3%残留)を除去する効果の他、析出物を含む分散強化合金(バナジウムやステンレス等)では、異種析出物との界面(境界面)を強くする効果も得られる。本発明では、遷移金属炭化物の粒界析出・偏析の促進・最適化のため、高温での粒界辷りの効果を利用している。図2は粒界辷りによる超塑性変形の原理を示す図で、粒界辷りとは、図2(1)の結晶構造にせん断応力τが付与されると、図2(2)→(3)→(4)のように、結晶粒が生成・消滅することなく、等軸形状を維持した状態で結晶がずれ変形することを意味する。このような粒界辷りが極めて多くの回数繰り返されることにより、遷移金属炭化物が粒界に析出・編析し、弱い再結晶粒界での破壊強度が降伏強度(変形強度)を凌駕するまでに増大する結果、合金は伸びを生じるようになる。
但し、粒界辷りは不均一な変形であり、粒界辷りに伴う粒界3重点での亀裂形成により逆に脆化を促進することになる(銅合金などで一般的に見られる高温脆化はこの例である)ので、破断までの変形量が極めて大きく粒界辷りを最も活用できる超塑性変形を利用することが本発明において極めて重要である。上記のとおり粒界辷りは不均一な変形であり、通常は粒界辷りに伴う粒界3重点での亀裂形成により脆化を促進する。しかしながら、本発明の超塑性変形は、温度、歪速度(試験片を変形させる速度を試験片のサイズで除して歪に直した量)を後述する一定の条件にすることで、粒界辷りが亀裂の形成に進展しないような緩和機構が働き、数100%もの伸びが生じる。遷移金属炭化物の粒界析出・偏析の促進と最適化のためには、GSMMを短時間行うよりも長時間行う方がより効果的である。
上記のとおり、超塑性変形は、粒界辷りにより数100%の伸びが生じ、変形後も等軸結晶粒を維持できる変形様式であるため、「転位の運動・増殖によらない、長時間にわたる活発な粒界辷りによる結晶粒の相互移動・回転を通して遷移金属炭化物の粒界析出・粒界偏析が促進・最適化され、かつ異方性の少ない等方的な再結晶組織を維持する」ことが可能となる。この「粒界辷りを最大限に活用できる超塑性変形を用いた再結晶ランダム粒界の強化処理法」を、本発明においてはGSMM(Grain boundary Sliding−based Microstructural Modification)と定義している。
図3は、これまでタングステンを含め、高靭性化のために広く利用されている、「転位をキャリアーとする加工変形組織の導入を目的とし、その結果、再結晶温度の低下と異方性をもたらす塑性加工」の概略を示す図である。「転位」とは、線状の格子欠陥を意味し、前記塑性加工の特徴は、(1)特定の結晶学的面を特定の結晶学的方向に小さな応力ですべり運動できること、(2)すべり運動する過程で転位を新に増殖できること、(3)弾性歪場(たとえば、サイズの違う異種原子の周りに生ずる弾性歪のことで、転位はすべてそのまわりに弾性歪場をもっている)をもつものと非常に強い相互作用をおこす、ことである。このため、図3(1)、(2)に示すように材料に引張応力をかけることで変形が進むと、図3(3)に示すように材料中に辷りが生じ、材料中に転位が増え(すなわち、転位の密度が上昇し)、その結果、転位をさらにすべり運動させるために必要な応力、つまり、合金を塑性変形させるための応力が増加して破断強度に達し、図3(4)に示すように破断することになる。「変形により転位密度が増えた組織」を加工変形組織あるいは加工組織と呼ぶが、転位密度が増えることは、材料(結晶)内部の歪場が増えることであり、内部エネルギーが高い状態になる。そして、高い内部エネルギーの状態の材料は、内部エネルギーを解放しやすいので、熱を加える(温度を上げる)と、少しの熱(少しの温度増加で)で内部エネルギーが解放されるが、その解放の一つの過程が再結晶である。したがって、加工組織では、再結晶温度が低下する。なお、「転位をキャリアーとする加工変形組織の導入を目的とし、その結果、再結晶温度の低下と異方性をもたらす塑性加工」による伸びの上限の多くは数10%程度で、特に伸びる場合でも100%よりかなり小さい。
一方、粒界辷りによる超塑性変形では、その変形の後も歪の少ない再結晶粒組織が維持されるので、基本的に内部エネルギーは増加しない。そして、本発明のGSMM処理では、HIP温度よりも高温で行うために結晶粒が成長(一桁程度増加)するが、結晶粒界は歪の高い領域であることから、結晶粒界が多いほど内部エネルギーも高いことになり、粒成長することは内部エネルギーを下げることになる。
上記のように、本発明のGSMMは、粒界脆化の原因である弱い再結晶粒界を強化することにより高靭性化を実現する新しい組織制御法であって、上記の塑性加工とは原理が本質的に異なり、処理後の合金の破壊強度も破断までの伸びも全く異なるものである。
GSMM工程は、HIP工程で作製された合金を、図4に示すように、BN−SiC複合材料製の板で挟み、500℃〜2000℃の高温(絶対温度で測定した各合金の融点の40〜50%以上)で、10−5−1〜10−2−1の歪速度で圧力をかけ、60%以上の塑性変形を施すことで行われる。温度は、上記のとおり各合金の融点に応じて適宜調整することが好ましく、例えば、タングステン、モリブデンの場合は、1200℃〜2000℃が好ましく、タングステンは、1400℃〜2000℃の方がより好ましい。また、バナジウム、SUS316Lの場合は、800℃〜1500℃の温度が好ましい。タングステンでは、温度が1400℃未満であると圧縮変形中に合金が割れる場合があり、2000℃を超えると工業的に製造する装置が大型になり望ましくない。また、歪速度が10−5−1より遅いと、効果はあるが、時間がかかりすぎるので工業的ではなく、10−2−1より大きいと合金が破壊する恐れがあり望ましくない。なお、60%以上の塑性変形を施すとは、塑性変形による試験片の伸び(ひずみ)が60%以上という意味で、伸びは、試験片が伸びた長さ(ΔL)を最初の長さ(L)で割り、%表示するために100を掛けたことで表される。上記の温度、歪速度、塑性変形を付与できるものであれば、板で挟むことに変え、引張変形やねじり変形等を用いてもよい。
遷移金属炭化物は、分散粒子として合金母相の結晶粒を微細に維持し、超塑性変形を発現させるために必要である。また、遷移金属炭化物/合金母相(マトリックス)の異相界面がKurdjumov−Sachsの方位関係を満たし、これにより高強度の異相界面が形成される。合金原料としてタングステンを用いた場合、タングステン合金組織中に存在する遷移金属炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の90%以上が、{111}W//{110}遷移金属炭化物,<110>W//<111>遷移金属炭化の(Kurdjumov−Sachs)方位関係であることが望ましい。Kurdjumov−Sachsの方位関係を満たさない遷移金属炭化物粒子が10%以上あると、室温で十分な最大曲げ強度(約1470MPa)を得ることができない。
また、本発明の製造法により製造された合金、特に、タングステン合金の結晶粒径は、0.05〜10μm程度にまで成長する。これにより、降伏点を適度に低下させる効果が付与され、室温付近でも塑性変形可能なタングステン合金とすることができる。タングステン合金の場合、本発明の製造方法により製造することで、3点曲げによる延性脆性遷移温度(無延性遷移温度:DBTT)を500K程度まで下げることができ、そして、延性脆性遷移温度以上では、塑性変形が可能である。
前記結晶粒径のサイズは、試料断面中央部分から一般的な透過電子顕微鏡で撮影した写真について市販の画像処理ソフト(例えばImage Pro)により画像処理することで、平均粒径を求めることができる。平均粒径は、タングステン相のみについて求めればよい。面積比80%以上のタングステン結晶粒を数えることにより平均的な情報を得ることができたため、統計的に測定した。
面積比20%未満の領域では、タングステン結晶粒が数えにくい(結晶粒の境界である結晶粒界が見えにくいため、結晶粒界とみなすべきかの判断が難しく、細かく数えると多量になる)などの問題があったとしても、面積比80%以上の領域におけるタングステン平均粒径さえ算出できれば、それぞれの材料の特徴を明らかにできる。結晶粒径は、タングステンの結晶粒をおよそ300個以上数えて面積を算出することにより、安定した平均粒径として測定することが可能である。要するに、透過電子顕微鏡で撮影した多くの写真の全視野の80%以上という広い領域で結晶粒径を測定でき、その結果、測定できた結晶粒の80%以上が粒径0.05〜10μmの範囲にあればよい。
平均粒径が0.05μm未満であると、降伏強度が極端に高くなるため塑性変形が著しく困難になり、加工や製造の歩留まりが低下し、工業的ではなくなる。一方、平均粒径が10μmを越えることによっても極端に塑性変形が起こりにくくなる。室温付近での塑性変形が可能となるためには、高靭性化のための塑性変形時(つまり、GSMM処理時)において、適正な加工率範囲となるよう適宜調整する必要がある。平均粒子径を小さい値にするには、GSMM処理時の温度を低くすればよく、平均粒子径を大きい値にするには、GSMM処理時の温度を高くすればよい。
本発明内容で特筆すべき点の一つは、十分な再結晶が生じた組織において優れた特性(破壊強度と延性等)を得ることができたことであり、それは金属組織として異方性のない等軸結晶粒が生成しているからである。本発明における等軸結晶粒とは、金属組織を2次元的にどのような断面で観察した際にも、アスペクト比(結晶粒の縦横の長さの比)が2以下であることを意味する。
以下の実施例に示す合金の製造方法及び製造された合金は、図4に示すような一軸方向の単純圧縮変形であるが、粒界辷りを最大限に活用できる超塑性変形を具現できるのであれば、単純引張圧縮に限定するものではない。要求される合金部材形状によって、例えば板状ならば、圧延による圧下を適用することも可能である。
<超塑性発現に必要な遷移金属炭化物量の特定>
<実験1>
フィッシャー法による平均粒径4μmのタングステン粉末((株)アライドマテリアル社製)に、平均粒径0.7μmのTiC粉末(添川理化学(株)社製)を添加し、モリブデン製ボートに入れて、水素雰囲気、高真空下(<1x10-4Pa)950℃で1.5時間加熱し脱気処理を行った。次いで、水素雰囲気で、TZM(チタン、ジルコニウム入りモリブデン合金)製の容器(ポット)と3軸加振型ボールミル(トポロジーシステムズ製TKMAC1200)で70時間、回転数360rpmの条件下で混合してメカニカルアロイング(MA)処理した。なお、TiC粉末の好適な添加範囲を特定するため、TiC粉末の含有量が0〜6.0質量%となるように8通りの試料をMA処理した。
次に、MA処理した粉末をモリブデン製ボートに入れ、高真空下950℃で1.5時間加熱することにより、MA処理中にタングステンとTiC粉末に混入した水素を脱気した。その脱気処理粉末をHIPカプセル(軟鋼製)に封入して真空封止した後、アルゴンガス中で1350℃、196MPaで3時間HIP処理して焼結体を得た。以下、得られた焼結体を「as−HIP体」と記載する。
このas−HIP体より、寸法0.4×4×16mm(平行部長さ:5mm。T.Kuwabara,H.Kurishita,M.Hasegawa,Development of an Ultra−Fine Grained V−1.7mass%Y Alloy Dispersed with Yttrium Compounds Having Superior Ductility and High Strength,Mater. Sci. Eng. A 417(2006) 16−23.のFig.1に示された試験片と同等のI字型平板の引張試験片)をワイヤーカットにより切り出し、全表面を耐水紙(#1500まで)により機械研磨するとともに4つのエッジを面取りした後、引張試験片治具に装着して高温引張試験を行った。引張試験治具は、試験片の肩受け(R部)タイプで、治具への圧縮負荷を試験片への引張負荷に変換する方式によりアライメントが保障され、治具への試験片ワンタッチ装着が可能である。試験片の加熱は、グラファイトサセプタを用いた高周波誘導加熱により行い、試験片の表面温度を2色式放射温度計(チノー、型式1R−AQ)により常時観察・記録した。引張試験は、インストロン社製電気アクチュエータ式試験機R1362型を用い、1500℃、1600℃、1700℃の3通りの温度で、初期歪速度5x10-4/s(クロスヘッド速度:0.0025mm/s)、5x10-4Pa以下の真空下で行い、引張試験に伴う負荷重と伸び(%)を測定した。試料中の酸素及び窒素濃度を、LECO−TC600の赤外線吸収、熱伝導度法を用いて測定したところ、何れの試料も酸素濃度は850ppm以下、窒素濃度は50ppm以下であった。結果を表1に示す。なお、表中、「>160」とは、160%変形しても破断しないことを意味する。
Figure 0005920793
<実験2>
実験1の水素をアルゴンに変更し、TiCの含有量を一部変えた9通りの試料を用いた以外は、実験1と同様に試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005920793
上記の実験1及び実験2から、1600℃〜1700℃で超塑性発現(破断伸びが100%以上であること)のために必要なTiC量は、水素雰囲気MA処理粉末のas−HIP体では0.25〜5質量%、アルゴン雰囲気のas−HIP体では0.7−5質量%であることが判明した。TiC量がこれらの範囲より少ない場合は、タングステン相の粒界の中で弱い粒界が大勢を占め、かつ粒界移動を抑える第2相粒子の存在が希少であるため、タングステン相の粒成長が速くなり、結晶粒が粗大化する。TiC相は、超塑性変形に必要な微細な等軸結晶粒の維持および粒界辷り時の結晶粒の回転・移動にとって不可欠であるため、TiC相が少ない場合には、高温引張試験において、不均一変形である粒界辷りが起こると粒界亀裂が形成・成長し、破断ひずみが小さくなる。
逆に、TiC量がこれらの範囲を上回ると、TiC相同士の接触頻度が大きくなり、TiC/TiC界面の存在割合が増す。TiC相はタングステン母相に比べると、塑性変形能が低く、TiC/TiC界面もすべりにくいと考えられる。したがって、タングステン粒の連続的な粒界辷りに対してタングステン相の調和に過負荷がかかり、粒界(界面)亀裂が発生するため、破断伸びも小さくなる。
<実験3>
実験1の炭化チタンに変え、炭化ジルコニウム、炭化ニオブ、炭化タンタル又はそれらの混合物の含有量を変えて添加し、高温引張り伸びを1600℃のみで行った以外は、実験1と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005920793
表3から明らかなように、合金中に約0.25〜5質量%のTi以外の遷移金属炭化物を添加した場合であっても、延び特性が向上することが明らかになった。
<実施例1>
脱気条件を、高真空下(1x10−4Pa)1050℃で、1.5時間加熱、とした以外は、上記<実験1>の試料番号5と同様に、as−HIP体を作製した。次に、作製したas−HIP材からワイヤーカットにより切り出した直径約9〜10mm、高さ約20mmの当該焼結体について、粒界辷りを最大限に活用した超塑性変形を利用して弱いランダム粒界を強化するために、温度1650℃、歪速度0.5〜2x10−4−1で(超塑性挙動は歪速度が遅いほど起こりやすいので、少しずつ歪速度を増加しながら材料の示す応答(変形応力の上昇)をみて最も実験しやすい速度を選択)、厚さ約3.5mm(直径約21〜23mm)まで圧縮変形し、板材を作製した。焼結体の加熱は、真空下でグラファイトサセプタを用いた高周波誘導加熱により行い、その高温圧縮変形にはインストロン社製電気アクチュエータ式試験機R1362型を用いた。この板材から圧縮方向に垂直に寸法1×1×20mmの片を切り出し、#1500までの耐水紙で表面およびエッジを研磨し、曲げ試験片を作製した。LECO−TC600の赤外線吸収、熱伝導度法を用いて測定した試験片の酸素濃度は40ppm、窒素濃度は30ppmであった。次いで、試験片を、室温〜600℃の温度範囲、クロスヘッドスピード0.001mm/s、高純度Ar−4%Hのflow雰囲気下で3点曲げ試験を行った。3点曲げ試験は、島津製作所製の疲労試験機・サーボパルサーEHF2型(容量5トン)を用い、スパン±2.5mmのLVDT(Linear Variable Differential Transformer)をアクチュエーターヘッドに連結し、容量5トンのロードセルの直下に荷重容量5kNのせん断型ロードセルを取りつけ、静的試験のアプリケーションプログラムにより試験の制御を行った。試験片の加熱には赤外線イメージ炉(アルバック製)を用い、あらかじめ熱電対を点溶接したダミーの試験片について試験片の温度および雰囲気(試験片から数mm離れた位置)の温度を測定しておき、実際の試験では、雰囲気の温度を制御、計測した。曲げ強度は室温で測定し、平均5本の曲げ試験片に対する測定値の最小値を最小曲げ強度、最大値を最大曲げ強度とした。また、DBTTは試験温度を室温から約50℃ずつ増加しながら各温度で塑性歪量を測定してその変化を記録し、一次元的に近似して、塑性歪ゼロに外挿した温度をDBTTとした。なお、一つのDBTTを求めるには試験温度を変えて塑性歪量を測定する必要があり、不純物濃度と組織が同じ試験片を3〜5本準備して測定を行った。
<実施例2〜7>
脱気条件を、実施例2では、950℃で1.5時間加熱、実施例3では950℃で1時間加熱、実施例4では900℃で1時間加熱、実施例5では850℃で1.5時間加熱、実施例6では850℃で1時間加熱、実施例7では800℃で1時間加熱し、タングステン合金中の酸素量及び窒素量を変更した以外は、実施例1と同様の手順で試験片を作製し、酸素量、窒素量、室温での最小曲げ強度及び最大曲げ強度、並びにDBTTを測定した。
<比較例1>
圧縮変形処理をせず、as−HIP体で試験片を作製した以外は、実施例2と同様の手順で測定をした。
<比較例2>
TiCの含有量を1.1質量%とし、脱気処理を行わなかった以外は、実施例1と同じ手順で試験片を作製し、測定した。
上記実施例1〜7及び比較例1及び2の測定結果を表4に示す。
Figure 0005920793
表4から明らかなように、酸素及び窒素濃度が低いほど、GSMM処理したタングステン合金の曲げ強度が強くなった。更に、as−HIP体に塑性変形を施すことで、DBTTが著しく低くなり、低温でも延性が得られることが明らかとなった。
<3点曲げ変形挙動試験>
図5は、実施例4(DBTT:310K)及び実施例6(DBTT:420K)の温度400Kにおける3点曲げ変形挙動を示し、図6は、実施例4の300Kにおける3点曲げ変形挙動を示している。図5及び図6から明らかなように、得られた合金のDBTT温度より低い温度では、延性を示さずに破断することから、GSMM(圧縮による)処理に加え、酸素量及び窒素量を低くすることが必要であることが明らかとなった。
<X線回折パターン試験>
図7は、実施例2(GSMM処理済み)及び比較例1(GSMM処理なし)のX線回折パターンを比較したものである。両者を比較するとTiCピークに大きな強度差がみられたが、これは、GSMM処理時にTiCの析出が進行したことを示している。このことは、透過電子顕微鏡からも確認された。
<透過電子顕微鏡写真>
図8の(1)は比較例1、(2)は実施例2の透過電子顕微鏡写真で、(3)は(2)の「←」部分の拡大写真である。写真から明らかなように、GSMM処理したタングステン合金は、合金中にTiCの粒界析出が確認され、同時にTiCの構成元素が粒界に固溶偏析していることも確認された。
<X線回折パターン試験>
図9は、実施例5(GSMM処理済み)及び実施例5のGSMM処理前のas−HIP体のX線回折パターンを比較したものである。GSMM処理により、同様にTiCの析出が進行したことを示しているが、図7の場合と異なり、延性に有害な(すなわち、破壊しやすい)炭化物であるWCが形成されている。酸素量の増加により、TiCとタングステンの間で酸素の関与により、TiCから遊離した一部のCが周囲のタングステンと反応したものと考えられる。
<等軸再結晶粒の確認>
実施例2のタングステン合金から、直径3mm、厚さが約50μmで中央部に微小な孔をもつ薄膜を電解研磨(テヌポール)により作製した後、透過電子顕微鏡(JEOL2000)により加速電圧200kVで観察した。図10(1)は透過電子顕微鏡の観察方向を示し、図10(2)はサンプルを上から(すなわち、圧縮方向と平行な方向から)観察した写真、図10(3)はサンプルを横から(圧縮方向と垂直な方向から)観察した写真である。いずれも明視野像で、観察倍率は約1万倍である。図10からわかるように、結晶粒は等軸粒であり、結晶粒のアスペクト比は1〜2の範囲にあった。
また、上記薄膜を回折条件及び観察倍率を更に拡大して観察したところ、殆どの結晶粒において転位は観察されず、観察された結晶粒でも多くの場合転位の数は1〜3本と極めて少なかった。以上の観察結果からも、発明品の組織が再結晶組織であることは明らかである。加工変形組織を含み、再結晶していないタングステンの結晶粒内では転位が1000本以上存在することと比較して、再結晶したタングステンの結晶粒内での転位は50本以下になることが明らかになり、これが満たされれば歪のないタングステン結晶粒の特徴を示すことが明らかになった。
また、リガク製RAD II−Bを用いたXRD測定からも、歪のない状態が確認された。XRD測定結果には、結晶粒が細かい効果も含まれるものの、未再結晶の状態で歪が大きければ回折ピークの回折幅が大きくなる。例えば、Cu管球40kV30mAソーラースリット1°の条件で、実施例2のタングステン合金(再結晶組織)と市販の純タングステンの応力除去処理材を測定したXRDの結果を検討した結果、格子定数0.11188nmのタングステンの(220)回折において半値全幅が3°を超えていると歪が残っており再結晶組織ではないこと(市販の純タングステンの応力除去処理材)、および半値全幅が3°以下であれば歪がなく再結晶組織であることが明らかになった。
<粒径の確認>
実施例1〜7で作製したタングステン合金から、直径3mm、厚さが約50μmで中央部に微小な孔をもつ薄膜を電解研磨(テヌポール)により作製した後、透過電子顕微鏡(JEOL2000)により加速電圧200kVで観察した。全ての実施例の透過顕微鏡写真において、写真の全視野の80%以上で結晶粒径を測定でき、測定した結晶粒の80%以上が粒径0.05〜10μmの範囲であることが確認できた。
<タングステン合金組織中に存在する炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の確認>
上記<粒径の確認>で示した場合と異なり、タングステン母相の中に炭化物粒子1個を含む多くの視野について、数10万倍の高倍率で明視野像、暗視野像、制限視野回折パターンを撮影し、炭化物とタングステン母相の方位関係を解析した。その結果、全ての実施例の透過顕微鏡写真において、タングステン合金組織中に存在する炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の90%以上が、{111}W//{110}遷移金属炭化物,<110>W//<111>遷移金属炭化物の(Kurdjumov−Sachs)方位関係を満たすことが確認できた。
<実施例8>
合金原料粉末として、バナジウム:イットリウム:タングステン:TiC=89.8:1.4:8.0:0.8の質量比となるように秤量配合したのち、Mo製ボートに載せ、200℃で1時間脱気処理を行った。次に、MA処理に使用する容器・ボール(材質:TZM(Mo−0.5Ti−0.1Zr))を高真空下、150〜200℃で10時間、ベーキング処理してから、配合原料粉末をボールとともに容器に入れ、3軸加振型ボールミルにより、純化した水素雰囲気で70時間、MA処理を行った。MA時に雰囲気から混入した水素を除くために600℃で1時間、1x10−4Pa以下の真空下で脱水素処理を行った。その後、あらかじめ900℃で真空加熱脱気したHIPカプセル(軟鋼製)にMA処理済みのバナジウム合金粉末を水素雰囲気で詰め、室温、真空下で脱気しながら、HIPカプセルを高真空(2x10-5Pa)のもとで真空封止した。したがって、HIPカプセル内は高真空の密閉状態にある。これをアルゴンガス中、1000℃、196MPaで3時間HIP処理して、相対密度99.5%以上の焼結体とした後、その焼結体から実施例1と同様の引張試験片を切り出し、粒界辷りを最大限に活用した超塑性変形を利用して弱いランダム粒界を強化するために、温度1300℃、歪速度0.5〜2x10−4−1でGSMM処理した。得られた試験片を、島津製のサーボパルサーEHF2型を用いて、室温、1x10-3/sの初期歪速度の条件で引張試験し、降伏強度、引張強度、均一伸び、破断伸び(全伸び)を測定した。
<比較例3>
GSMM処理をしなかった以外は、実施例8と同様の手順で試験片の作製・測定を行った。
<実施例9>
合金原料粉末として、質量比でSUS316L:TiC=98:2のSUS316L(添川理化学(株)社製)及びTiCを用い、脱気処理を450℃で1.5時間、MA処理後の脱水素処理を450℃で1.5時間、HIPカプセルの真空封止時の加熱温度を750℃、HIP処理を850〜900℃で3時間、GSMM処理を950℃で行った以外は、実施例8と同様に試験片を作製・測定を行った。
<比較例4>
GSMM処理をしなかった以外は、実施例9と同様の手順で試験片の作製・測定を行った。
上記実施例8〜9及び比較例3〜4の測定結果を表5に示す。
Figure 0005920793
表5から明らかなように、GSMM処理を施したバナジウム合金、ステンレス合金とも、均一伸び、破断伸びが倍以上改善され、GSMM処理は、タングステンを始め、種々の金属又は合金の延び特性を改善できることが明らかとなった。
合金にGSMM処理を施すことで、合金、特に、タングステンの低温脆化、再結晶脆化、照射脆化を大幅に改善することができるので、高温構造材料、モリブデン代替材料、熱核融合実験炉のプラズマ対向材、高温試験治具、核破砕中性子源固体回転ターゲット等、過酷な熱負荷に晒される極限環境下における合金、特に、タングステン利用への道が拓かれるものと期待される。

Claims (6)

  1. IVA族、VA族又はVIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種及びタングステン粉末を含み、酸素の含有量が3000質量ppm以下、窒素の含有量が18質量ppm以下である原料粉末をメカニカルアロイングする工程、前記メカニカルアロイングする工程で得られた原料粉末を熱間等方圧プレスにより焼結する工程、前記焼結する工程で得られた合金を500℃以上2000℃以下、10−5s−1以上10−2−1以下の歪速度で、60%以上の塑性変形を施す工程、を含むことを特徴とするタングステン合金の製造方法。
  2. 前記メカニカルアロイングする工程の前に、原料粉末を加熱により脱気する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のタングステン合金の製造方法。
  3. IVA族、VA族、VIA族遷移金属の炭化物から選ばれる少なくとも1種を0.25質量%以上5質量%以下含むタングステン合金において、酸素の含有量が950質量ppm以下、窒素の含有量が60質量ppm以下であり、タングステン相の面積比の80%以上が粒径0.05μm以上10μm以下の等軸結晶粒であり、3点曲げによる延性脆性遷移温度が500K以下であり、その温度以上で塑性変形可能であることを特徴とするタングステン合金。
  4. タングステン合金組織中に存在する炭化物の方位と、タングステンのマトリクスの方位の90%以上が、{111}W//{110}遷移金属の炭化物,<110>W//<111>遷移金属の炭化物の(Kurdjumov−Sachs)方位関係であることを特徴とする請求項3に記載のタングステン合金。
  5. X線回折での回折面(220)反射の半値全幅が3°以下であること、あるいは透過電子顕微鏡観察により結晶粒内の転位が50本以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のタングステン合金。
  6. 3点曲げによる最大曲げ強度が1470MPa以上であることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のタングステン合金。
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