JP5911325B2 - 立体画像処理装置及び立体画像表示装置 - Google Patents

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本発明は、立体画像を構成する一対の画像データを入力とし、該画像データで表される画像の視差を調整した画像を生成する立体画像処理装置に関する。本発明はまた、立体画像処理装置を備えた立体画像表示装置に関する。
近年、ユーザーが擬似的に立体感を得るための画像表示技術として、両眼視差を利用した立体画像表示技術が多く提案されている。これは、3次元空間を左眼で見た画像と右眼で見たのと同様の画像をそれぞれユーザーの左右眼に見せることによって、映像を立体と感じさせる技術である。
また、ユーザーの左右眼に異なる画像を見せるための技術として、左眼用画像と右眼用画像を時間的に交互に切り換えてディスプレイに表示すると同時に、画像が切り換わるタイミングに同期して左右それぞれの視界を閉じる眼鏡を用いて左右の視界を時間的に分離する方式や、ディスプレイの前面にディスプレイに表示された画像の表示角を制限するバリアやレンズを用いることで左右眼それぞれに分離して左眼用画像と右眼用画像を見せる方式など、様々な方式が提案されている。
このような立体画像表示装置において視差が大きいと、飛び出し量或いは引き込み量が大きくなり、ユーザーに驚きを与えることができる。しかし視差がある程度以上に大きくなって融合限界を超えると、右眼と左眼の画像が融合せず、2重像が見えてしまい立体視が得られなくなる。このことから、ユーザーの眼に負担を与えるという問題がある。
これらの問題に対して、特許文献1に示されるディジタル放送受信機においては、外部から入力した、視差量を調整するための指示信号に基づいて、映像の表示位置を画面上で左右に移動させ、視差量を調整することとしている。
また、特許文献2に記載された立体映像表示装置においては、チャンネル等の切り換えで2D映像から3D映像に切り換わったときや、切り換え前後で3D映像の視差量の差があるとき、一旦2D表示にして一定時間後に3D映像になるように制御し、これにより自然な切り換えを得ようとしている。
また、特許文献3に記載された立体映像生成装置においては、最大視差量の時間変化幅が大きいとき、視差量調整を行い、ユーザーの視覚疲労を軽減させることとしている。
特開2000−78615号公報(第3−4頁、第3図) 特開平11−164328号公報(第3−4頁、第2図) 特開2011−124941号公報(第11頁、第5図)
特許文献1に開示された方法では、外部から入力された指示信号に基づいて、視差量を任意に調整できるが、入力された一対の立体画像の視差に応じて自動的に調整を行うものではなく、視差量の調整にはユーザーがその都度リモコンで指示を与えるなどの操作を行う必要があり、不便であった。
特許文献2では、チャンネル等の切り換わったときに、一旦2D表示なってしまい、3D表示でなくなるという問題点がある。また、3D画像入力時シーンチェンジが頻繁に起きたとき、その度に一旦2D表示になり、ユーザーは立体表示を十分に楽しむことができない。
特許文献3では最大視差量の時間変化幅を監視し、時間当たりの変化幅が大きい場合、視差量調整がなされる。しかしながら、静止画の場合、時間当たりの変化はないため、視差量が過大な3D静止画には対応できない。また、視差量が徐々に大きくなり、過大な視差量になった場合は、視差量の時間当たりの変化幅が小さいため、視差量調整が成されず、対応できない。また、システムの負荷軽減のために、シーンチェンジの時のみ、時間当たりの変化幅の監視をすることも記載されているが、上述の場合と同じく、シーンチェンジ後、立体画像の視差量が増加して過大となった場合に、対応ができない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、入力された一対の画像間の視差を検出し、ユーザーにとって好適な視差量範囲に、違和感なく自然に調整でき、シーンチェンジが起きたときでも、3D画像のまま自然な違和感のない切り換えができることを目的とする。
本発明の立体画像処理装置は、
動画像の各フレームの画像であって、互いに対をなす左眼用入力画像データ及び右眼用入力画像データを入力とし、前記左眼用入力画像データで表される左眼用画像と、前記右眼用入力画像データで表される右眼用画像の間の視差量の最大値を検出する視差検出部と、
前記左眼用画像及び前記左眼用画像におけるシーンチェンジを検出するシーンチェンジ検出部と、
前記検出された視差量の最大値が、設定された限界値を超えるときに、表示される画像における視差量が前記限界値以下となるようにするための調整量を生成する視差調整部と、
前記左眼用入力画像データ及び前記右眼用入力画像データ、又は左眼用入力画像データ及び前記右眼用入力画像データを1又は2以上のフレーム期間遅延させることで得られる画像データから、前記調整量に応じて視差量が調整された左眼用表示画像データ及び右眼用表示画像データを生成する画像生成部と、
前記左眼用表示画像データ及び前記右眼用表示画像データから所定のフォーマットの表示用画像信号を出力する表示出力部とを備え、
前記視差調整部は、
前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されており、前記視差検出部で検出された視差量の最大値が前記限界値を超えている場合には、表示される画像における視差量が直ちに前記限界値以下となるように、前記調整量の値を定め、
前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されておらず、前記視差検出部で検出された視差量の最大値が前記限界値を超えている場合には、表示される画像における視差量が徐々に前記限界値以下となるように、前記調整量の値を定める
ことを特徴とする。
本発明によれば、入力された画像の一対の画像の視差を検出し、ユーザーにとって好適な視差量範囲に、違和感なく自然に調整でき、シーンチェンジが起きたときでも、3D画像のまま自然な違和感のない切り換えができる。
本発明の実施の形態1に係る立体画像処理装置を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、左眼用入力画像と右眼用入力画像の視差とユーザーが感じる奥行き感の関係を示す図である。 視差調整部の構成例を示すブロック図である。 調整量差分に対する調整量変更分を示す表である。 調整量差分に対する調整量変更分の具体例を示す表である。 調整量差分に対する調整量変更分の具体例を示すグラフである。 視差調整部の他の構成例を示すブロック図である。 視差調整部のさらに他の構成例を示すブロック図である。 視差調整部のさらに他の構成例を示すブロック図である。 視差調整部のさらに他の構成例を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、視差調整による画像の移動を示す図である。 (a)及び(b)は、ディスプレイ面上に示される画素とユーザーが感じる物体の位置を説明する図である。 (a)及び(b)は、視差調整後の画像のスケーリングによる画像の拡大を示す図である。 (a)〜(d)は、視差調整によって生じる、画面の左右の端部を画像で埋めるための手法の異なる例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る立体画像処理装置を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る立体画像処理装置の構成を示す図である。図1において、立体画像処理装置100は、視差検出部1と、シーンチェンジ検出部2と、視差調整部3と、画像生成部4と、表示出力部5を備え、表示部200に接続されて立体画像表示装置を構成する。
立体画像処理装置100には、動画を構成する相連続するフレーム(フレーム列)の画像データが順次入力される。入力されるフレーム列のうちの最新のフレームを現フレームのデータ、或いは時刻nのフレームのデータといい、単にフレームnのデータということもある。
はじめに、構成要素の概要を説明する。
視差検出部1は、立体画像の左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1からそれぞれ1枚の画面(フレーム)ごとに左眼用入力画像データDa1で表される左眼用画像と、右眼用入力画像データ視差量Db1で表される右眼用画像との視差の飛び出し側最大値Tmax(n)と引き込み側最大値Hmax(n)を出力する。
シーンチェンジ検出部2は左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1からシーンチェンジを検出し、検出結果に応じてシーンチェンジ検出信号SCの値を定める。
視差調整部3は、入力画像データDa1、Db1で表される画像の視差に基づいて、表示される画像の視差がユーザーにとって好適な視差量範囲に直ちに、或いは徐々に収まるようにするために設定すべき視差オフセット量となる調整量(視差量調整量)F(n)を決定するものであって、飛び出し側最大値Tmax(n)及び引き込み側最大値Hmax(n)とユーザーによって決定される飛び出し側限界値ST及び引き込み側限界値SHと、シーンチェンジ検出信号SCから、調整量F(n)を決定し、出力する。
画像生成部4は、左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1を受けて、
調整量F(n)に基づいて左眼用表示画像データDa3及び右眼用表示画像データDb3を生成する。
表示出力部5は、左眼用表示画像データDa3と右眼用表示画像データDb3に基づいて表示部200の入力フォーマットに対応した画像信号を出力する。
表示部200は、表示出力部から出力される画像信号に基づいて立体画像を表示する。
次に、視差検出部1において求める飛び出し側最大値Tmax及び引き込み側最大値Hmaxについて説明する。
図2(a)及び(b)は、左眼用画像と右眼用画像の視差とユーザーが感じる奥行き感の関係を示すものであり、左眼用画像はユーザーの左眼のみに、右眼用画像はユーザーの右眼のみに見えるように制御されているものとする。
図2(a)では、ある物体に対応する左眼用画像部分のディスプレイ面上の表示位置をP1L、右眼用画像部分のディスプレイ面上の表示位置をP1Rで示す。同様に、図2(b)では、ある物体に対応する左眼用画像部分のディスプレイ面上の表示位置をP2L、右眼用画像部分のディスプレイ面上の表示位置をP2Rで示す。位置P1Lの画像部分と位置P1Rの画像部分が一つの対象物としてユーザーに見えたときは該対象物が空間位置F1に存在するように知覚され、位置P2Lの画像部分と位置P2Rの画像部分が一つの対象物として見えたときは該対象物が空間位置F2に存在するように知覚される。
ここで、ある物体に対応する左眼用画像部分の水平座標をX(PL)、右眼用画像部分の水平座標をX(PR)とした場合、視差dは下記の式(1)で求められる。ここで、入力される画像のフォーマットによって1フレームにおける1ライン上の画素数は決められるので、水平座標はゼロ座標をフレームの左端とした画素数単位で表すものとして説明する。以下では、視差dのみならず、上記の調整量F(n)、並びに後記の調整量目標値M(n)、調整量差分S及び調整量変更分Kも画素数で表されるものとする。
d=X(PL)−X(PR) …(1)
式(1)を図2(a)のP1L及びP1Rに当てはめた場合に求まる
d1=X(P1L)−X(P1R)
は正の値となり、図2(b)のP2L及びP2Rに当てはめた場合に求まる
d2=X(P2L)−X(P2R)
は負の値となる。
図2(a)のように、視差が正の値で求まる場合は、物体はディスプレイ面とユーザーの間に存在するように見えるので、視差dが正の値の時の視差量を飛び出し側視差量という。また図2(b)のように、視差が負の値で求まる場合は、物体はディスプレイ面より奥に存在するように見えるので、視差dが負の値の時の視差量を引き込み側視差量という。ここで、1枚の画面(以下、1フレームという)の入力画像において、正の最大値をもつ視差を飛び出し側最大値Tmaxといい、符号Tmaxで表し、負の最大値をもつ視差を引き込み側最大値といい、符号Hmaxで表す。
視差検出部1は、上述の1フレームごとの飛び出し側最大値Tmax及び引き込み側最大値Hmaxを求めるものであって、左眼用入力画像と右眼用入力画像とを比較し、左眼用入力画像と右眼用入力画像とで同じ物体を表示している画素を検出し、それらの画素の水平座標の差分を計算することでそれぞれの物体を表示している画素間の視差dを算出する。1フレームごとにこの視差dが正の場合の最大値、即ち飛び出し側最大値Tmax(n)と、視差dが負の場合の絶対値の最大値、即ち引き込み側最大値Hmax(n)を算出する。
ここでTmax(n)はフレームnの飛び出し側最大値で、Hmax(n)はフレームnの引き込み側最大値である。
視差dを求める際、画素ごとではなく、画面をある区間に区切ってその区間ごとで、視差dを求め、1画面での飛び出し側最大値Tmax(n)と引き込み側最大値Hmax(n)を求めても良い。同じ物体を表示している画素の検出方法としては、例えばブロックマッチングなどの手法を用いることができる。
シーンチェンジ検出部2では左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1をもとにシーンチェンジを判定し、シーンチェンジが起こったときに、シーンチェンジ検出信号SCを有意レベル、例えば“1”とし、視差調整部3に出力する。シーンチェンジが起きていないときは、SC=0を出力する。シーンチェンジが起きた場合は、シーンチェンジの起きた映像フレームの終わりと次のフレームの映像の始まりの間のブランキング期間にシーンチェンジ検出信号SCを“1”に切替え、次の映像フレームの終わりにシーンチェンジ検出信号SCを“0”に戻す動作が望ましい。
シーンチェンジ検出部2での、シーンチェンジ検出方法は、1フレームの画像(映像有効期間の画像信号で表される画像)を横方向P個、縦方向Q個のブロックBpq(p=1〜P、q=1〜Q)に分割し、分割されたそれぞれのブロックBpqの平均輝度Ypq(n)の算出を行い、1フレーム前の各ブロックの平均輝度Ypq(n−1)と比較し、平均輝度Ypq(n)−Ypq(n−1)の差が所定値Ypqth以上であるブロックの個数Vが、閾値Vth以上、例えば1フレームの映像有効期間内の総ブロックの半分以上である場合にシーンチェンジと判断し、シーンチェンジ検出信号SC=1を出力する。
また、さらに単純なシーンチェンジ検出方法として、左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1のどちらか全面平均輝度Yw(n)と1フレーム前の全面平均輝度Yw(n−1)を比較して、その差が所定値Ywth以上であれば、シーンチェンジと判断し、シーンチェンジ検出信号SC=1を出力する。即ち、大きな平均輝度変化が有れば、シーンチェンジとして良い。シーンチェンジ検出方法はさまざまな手法が考案されており、既知の方法で行って良い。
なお、左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1のどちらか一方のみで全面平均輝度の変化が所定値よりも大きいか否かの判断を行なうのではなく、双方について全面平均輝度の変化が所定値よりも大きいか否かの判断を行ない、少なくとも一方で所定値以上の変化があれば、シーンチェンジと判断してもよく、双方で所定値以上の変化があった場合にのみシーンチェンジと判断しても良い。
上記では平均輝度からシーンチェンジを求めたが、視差量が大きく変わったことで、シーンチェンジが起きたと判定することとしても良い。この場合、例えば、視差検出部1により、フレームnでの飛び出し側最大値Tmax(n)と引き込み側最大値Hmax(n)と1フレーム前の飛び出し側最大値Tmax(n−1)と引き込み側最大値Hmax(n−1)をそれぞれ比較して、少なくとも一方においてそれぞれの閾値Tth,Hth以上の変化があればシーンチェンジが有ったと判断して、シーンチェンジ検出信号SC=1とする。即ち、
Tmax(n)−Tmax(n−1)≧Tth及び/又は
Hmax(n)−Hmax(n−1)≧Hthのとき
SC=1 …(2A)
それ以外のとき、
SC=0 …(2B)
上記のように、前述の視差検出部1とシーンチェンジ検出部2を兼用した構成の場合、シーンチェンジ検出部2を省略しても良い。このようにすることで回路が簡略化できる効果がある。
次に、視差調整部3について説明する。
視差調整部3は、例えばユーザーによって決定され、装置の外部から入力される飛び出し側限界値STと引き込み側限界値SHと、視差検出部1から出力された飛び出し側最大値Tmax(n)と引き込み側最大値Hmax(n)とシーンチェンジ検出部2から出力されたシーンチェンジ検出信号SCから、調整量F(n)を決定し出力する。ここで、F(n)はフレームnの視差調整量を表す。
一般的に、飛び出し側視差量や引き込み側視差量が大きいと目が疲れたり、立体視になりにくかったりする場合がある。この飛び出し側最大値と引き込み側最大値は、画面のサイズ、画素数、ユーザーの視距離等によって最適値が異なる。
一般的に、視差角1度以内が快適であるとされている。視差角1度は視距離と画面サイズによって画素数が変わるが、例えば、ハイビジョンテレビ(画面サイズ比16:9)で1920×1080画素の解像度の場合、画面高さの3倍の距離において視聴した時、画面サイズに関わりなく、視差角1度は57画素である。
一方、引き込み側に関しては、表示画面上での引き込み量の最大値(無限遠)のときに、視差量が両眼間距離の5cmを超えないようにすることが適切であるとされている。両眼間距離は子供の場合5cm程度であるため、家庭用の装置では、5cmを超えないようにすることが望ましい。例えば、50インチの1920×1080画素の解像度の場合、5cm相当の画素数は87画素となる。この5cm相当の画素数は視距離に関わらず、画面サイズによって決まる。
飛び出し側限界値STと引き込み側限界値SHは、表示部200の画面サイズ、画素数、ユーザーの視距離や、表示部200からのテスト画像の視聴結果、或いは過去の視聴経験などから決めるものであり、これらの限界値ST、SHをユーザーが数値入力することとしても良く、複数の候補からユーザーが選択するように構成しても良い。
調整量F(n)を求める第1の手法について説明する。第1の手法を用いる場合には、視差調整部3を図3の機能ブロック図で示すように構成する。
図示の視差調整部3は、調整量目標値生成部301と、調整量差分生成部302と、調整量変更分生成部303と、調整量生成部304と、メモリ305と、切替部306及び307とを有する。
切替部306及び307は、シーンチェンジ検出信号SCにより制御されるものであり、シーンチェンジ検出信号SCの値が有意のとき(SC=1のとき)は、切替接点CがA側に接続され、シーンチェンジ検出信号SCの値が有意でないとき(SC=0のとき)は、B側に接続される。
まず、調整量目標値生成部301において、以下の4通りの場合に分けて、調整量目標値M(n)を決定する。ここで、M(n)はフレームnの調整量目標値を表す。
まず、下記の式(3)で示すように、飛び出し側最大値Tmax(n)が飛び出し側限界値STより大きく、引き込み側最大値Hmax(n)が引き込み側限界値SH以下である場合は、飛び出し側最大値Tmaxから飛び出し側限界値STを引いた値に負の符号をつけた値を、調整量目標値M(n)とする。
これは、飛び出し側視差量が大きいときに、画像で表される物体が引き込まれるように(視差が負の方向に変化するように)動作させるためである。
Figure 0005911325
次に、下記の式(4)で示すように、飛び出し側最大値Tmax(n)が飛び出し側限界値STより大きく、引き込み側最大値Hmax(n)が引き込み側限界値SHより大きい場合は、飛び出し側最大値Tmax(n)から飛び出し側限界値STを引いた値に負の符号をつけたものと、引き込み側最大値Hmax(n)から引き込み側限界値SHを引いた値との和を、調整量目標値M(n)とする。
これは、飛び出し側限界値ST、引き込み側限界値SHからの差が大きい方の視差量を減らすように動作させるためである。
Figure 0005911325
次に、下記の式(5)で示すように、飛び出し側最大値Tmax(n)が飛び出し側限界値ST以下で、引き込み側最大値Hmax(n)が引き込み側限界値SHより大きい場合は、引き込み側最大値Hmax(n)から引き込み側限界値SHを引いた値を、調整量目標値M(n)とする。
これは、飛び出し側最大値Tmaxが小さく(限界値ST以下であり)、引き込み側最大値Hmaxが大きいときに、視差量を引き込み側から飛び出し側に変化させるためである。
Figure 0005911325
最後に、下記の式(6)で示すように、飛び出し側最大値Tmax(n)が飛び出し側限界値ST以下で、引き込み側最大値Hmax(n)が引き込み側限界値SH以下の場合は、M(n)=0とする。即ち、飛び出し側最大値も引き込み側最大値も、飛び出し側限界値STから引き込み側限界値SHまでの範囲(限界範囲、即ちユーザにとって好適な視差量範囲)にある場合は、目標値に達していると判断し、M(n)=0とする。
Figure 0005911325
なお、上記の例では、飛び出し側最大値Tmax(n)及び引き込み側最大値Hmax(n)がそれぞれの限界値ST、SHよりも大きい場合は、式(4)に示すように、調整量目標値M(n)を定めたが、一般的に、引き込み側最大値が両眼間距離を超えないようにすることが望ましいと言われている。このため、飛び出し側最大値の調整より引き込み側最大値の調整を優先し、式(4)の代わりに下記の式(4B)のように変更して良い。
Figure 0005911325
以下、シーンチェンジが起きていない場合と起きている場合について、順に説明する。
まず、シーンチェンジが起きていない場合を説明する。
シーンチェンジが起きていない場合は、シーンチェンジ検出信号SC=0である。このときは、スイッチ306及び307はその切替接点CがともにB側に接続されている。
シーンチェンジが起きていない場合に、視差量が急激に時間変化をすると、違和感を生じ、眼に負担がかかる。そこで、急激な時間変化を防ぐため、視差量の変化を遅くするための処理を行う。
まず、調整量差分生成部302で現フレーム(フレームn)の調整量目標値M(n)と1フレーム前の調整量F(n−1)の差を調整量差分Sとして算出する。この処理は、下記の式(7)で表される。
S=M(n)−F(n−1) …(7)
次に、調整量変更分生成部303で、調整量差分Sを調整量変更分Kに変換する。この変換は、例えば、調整量差分Sと調整量変更分Kの関係を示す変換テーブルを用いて行われる。
調整量変更分Kは、後述のように、相前後するフレーム間での調整量の変化幅(F(n)−F(n−1))、即ち、1フレームの調整で変化する幅である。
調整量変更分生成部303を構成する変換テーブルの例を図4に示す。
図4の中のa1〜ak、−b1〜−blは、それぞれSの値を表し、e1〜ei、−f1〜−fjは、それぞれKの値を表す。e1〜ei、−f1〜−fjは、連続値であっても、不連続の値であっても良い。
図示の例では、1個又は2個以上のSの値に対して、1個のKの値が定められており、例えば、Sの値が+a1から+a2までの範囲であるとき、値が+e1のKが出力されることを示す。また、Sの値が+ak以上では、Kの値は+eiであり、Sの値が−bl以下では、Kの値は−fjである。これによりKの値は+eiから−blまでの範囲内に抑えられる。
図5に図4の変換テーブルの具体的な例を示す。図6は、図5に示されるSとKの関係を示すグラフである。
例えば、S=+7であれば、K=+2に制限され、S=−7であれば、K=−4に制限される。
図示の変換特性は、Sの値の変化に対するKの変化を抑制するとともに、引き込み方向(マイナス方向)に比べ、飛び出し方向(プラス方向)では、抑制の度合いをより強くすることで、飛び出し方向への変化をより遅くし、引き込み方向の変化をより速くするようにしている。
一般的に、飛び出し方向は、ゆっくりであれば融合を保持しやすく、引き込みは上記の限界値以下であれば、変化が速くても融合の保持が可能であると言われている。そのため、飛び出し方向はゆっくりにし、引き込み方向は速く制御すると効果がある。
このようにして、シーンチェンジが起きていないときは、図4又は図5の変換テーブルに基づいて、調整量変更分Kが所定の範囲内となるようにして決定する。
調整量生成部304は、下記の式(8)で示されるように、1フレーム前の調整量F(n−1)と、調整量変更分生成部303で生成される調整量変更分Kとを加算することで調整量F(n)を求める。
SC=0のとき
F(n)=F(n−1)+K …(8)
以上のようにして求められた調整量F(n)は、視差調整部3の出力となる。
このようにして、調整量F(n)は、シーンチェンジが起きていないときは、調整量変更分Kがある範囲内となるように制限されて決定される。このように制御することで、急激な視差量変化が抑えられ、ゆっくりと視差量が調整される。
次に、シーンチェンジが起きた場合を説明する。シーンチェンジが起きた場合は、その直後の1フレームにわたり、シーンチェンジ検出信号SC=1となる。このときは、スイッチ306及び307は、切替接点CがともにA側に接続され、前述の調整量差分生成部302、調整量変更分生成部303、及び調整量生成部304による処理は行わず、代わりに下記の式(9)で示すように、調整量目標値M(n)を直ちにそのまま調整量F(n)として出力する。これにより、視差量が直ちに飛び出し側限界値ST以下又は引き込み側限界値SH以下に抑えられる。
即ち、
SC=1のとき
F(n)=M(n) …(9)
このようにして、シーンチェンジが起きたときは、調整量F(n)を調整量目標値M(n)に直ちに一致するように切り換えるための処理をする。シーンチェンジ時は、表示される画像の内容が切り替わるので、視差量が急に変わっても違和感はない。逆に、視差量をゆっくりと変えると不自然に見えてしまう。そこで、シーンチェンジが起きたとき、画面の切り換わりに合わせて、視差をもリセットし、調整量F(n)を直ちに調整量目標値M(n)に等しい値に切り換える方が望ましい。
次に、視差調整部3の調整量F(n)を求める第2の手法について述べる。第2の手法を用いる場合には、視差調整部3を図7の機能ブロック図で示すように構成する。
図示の視差調整部3は、飛び出し側最大値平均化部311と、引き込み側最大値平均化部312と、時間幅決定部313及び314と、調整量目標値生成部301bと、調整量差分生成部302と、調整量変更分生成部303と、調整量生成部304と、メモリ305と、切替部306及び307とを有する。
図3と同じ符号は同様の部材を示す。
時間幅決定部313は、飛び出し側最大値平均化部311で時間平均を求める際の時間幅(フレーム数)Ltを定める。時間幅決定部314は、引き込み側最大値平均化部312で時間平均を求める際の時間幅(フレーム数)Lhを定める。
時間幅決定部313及び314は、通常、それぞれ、外部から入力される通常時間幅Ltd、Lhdをそのまま時間幅Lt、Lhとして出力する。Ltd、Lhdは各々2以上の整数であり、互いに同じ値であっても良く、異なっていても良い。シーンチェンジが起きたときは直後の1フレーム期間だけ、時間幅Lt、Lhを「1」とし、その後、時間幅Lt、Lhを1フレーム期間ごとに1ずつ増加させて、通常時間幅Ltd、Lhdに達したら、それ以降は、その値を維持する。
飛び出し側最大値平均化部311は、飛び出し側最大値Tmaxを、過去Ltフレームにわたって平均化して、平均飛び出し側最大値ATmaxを出力する。この平均化は、下記の式(10)で表される。
Figure 0005911325
同様に、引き込み側最大値平均化部312は、引き込み側最大値Hmaxを、過去Lhフレームにわたって平均化して、平均引き込み側最大値AHmaxを出力する。この平均化は、下記の式(11)で表される。
Figure 0005911325
時間幅Lt、Lhが大きいほど、調整量F(n)がゆっくりと変化し、従って表示される画像の視差量がゆっくりと変化する。一方、時間幅Lt、Lhが小さいほど、調整量F(n)の変化が速く、従って、表示される画像の視差量の変化が速くなる。
シーンチェンジが起きておらず、前回のシーンチェンジの検出から十分な時間が経過した後(即ち、前回のシーンチェンジからそれぞれLtd、Lhdフレーム期間が経過した後)は、Lt=Ltd、Lh=Lhdであり、飛び出し側最大値平均化部311では、飛び出し側最大値Tmax(n)の過去Ltdフレームにわたる平均が求められ、引き込み側最大値平均化部312では、引き込み側最大値Hmax(n)の過去Lhdフレームにわたる平均HTmaxが求められる。
このように、飛び出し側最大値Tmaxと引き込み側最大値Hmaxの時間平均を取ることで、急激な視差の変化や誤検出を緩和することができる。
シーンチェンジが起きたときは、時間幅Lt、Lhを「1」にする。その結果、飛び出し側最大値平均化部311及び引き込み側最大値平均化部312の出力はその入力と同じ値になる。即ち、複数フレームにわたる時間平均は行われず、最大値Tmax(n)、Hmax(n)がそれぞれそのまま平均飛び出し側最大値ATmax、平均引き込み側最大値AHmaxとして飛び出し側最大値平均化部311及び引き込み側最大値平均化部312から出力される。
これにより、調整量F(n)を、表示される画像における視差量が直ちに限界範囲内(ユーザーにとって好適な範囲内)の値になるようにするために値に設定することができる。
シーンチェンジ後は、1フレームごとに、時間幅Lt、Lhを1ずつ増加させる。
その結果、シーンチェンジ前の視差(飛び出し側最大値、引き込み側最大値)の影響を受けることなく、次第に、通常の状態(調整のための視差量の急激な変化を抑制する状態)に戻すことができる。
次に、調整量目標値生成部301bにおいて、平均飛び出し側最大値ATmaxと平均引き込み側最大値AHmaxと飛び出し側限界値ST及び引き込み側限界値SHに基づき、以下の4通りに場合分けをし、調整量目標値M(n)を決定する。ここで、M(n)はフレームnの調整量目標値である。
Figure 0005911325
Figure 0005911325
Figure 0005911325
Figure 0005911325
なお、式(13)で、飛び出し側最大値の調整より引き込み側最大値の調整を優先し、式(13)を以下の式(13B)のように変更して良い。
Figure 0005911325
調整量差分生成部302、調整量変更分生成部303、調整量生成部304及びメモリ305の動作は第1の手法と同様である。即ち、シーンチェンジが起きていない場合、上記のようにして求めた調整量目標値M(n)に基づき、調整量差分生成部302は、前述の第1の手法と同じように、現フレームの調整量目標値M(n)と1フレーム前の調整量F(n−1)の差を調整量差分Sとして算出する。この処理は、上記の式(7)で表される。
調整量変更分生成部303は、第1の手法と同様にして、調整量差分Sを調整量変更分Kに変換する。
調整量生成部304は、上記の式(8)で示されるように、1フレーム前の調整量F(n−1)と、調整量変更分生成部303で生成される調整量変更分Kとを加算することで調整量F(n)を求める。
以上のようにして求められた調整量F(n)は、視差調整部3の出力となる。
このようにして、調整量F(n)は、シーンチェンジが起きていないときは、調整量変更分Kがある範囲内となるように制限される。このように制御することで、急激な視差量変化が抑えられ、視差量がゆっくりと調整される。
シーンチェンジが起きた場合は、その直後の1フレームにわたり、シーンチェンジ検出信号SC=1となる。このときは、切替部306及び307は、その切替接点CがそれぞれA側に接続され、調整量差分生成部302、調整量変更分生成部303、及び調整量生成部304による処理は行われず、代わりに上記の式(9)で示すように、調整量目標値M(n)を直ちにそのまま調整量F(n)として出力する。
このように、シーンチェンジが起きたときは、飛び出し側最大値Tmax(n)と引き込み側最大値Hmax(n)の複数フレームにわたる平均化を行わず、飛び出し側最大値Tmax(n)及び引き込み側最大値Hmax(n)をそのまま平均飛び出し側最大値AT及び平均引き込み側最大値AHとして出力し、調整量F(n)を、直ちに調整量目標値M(n)に等しい値に変える処理をする。
このように、シーンチェンジが起きたとき、複数フレームにわたる時間平均処理や視差変更分に対する制限を中断し、調整量F(n)が調整量目標値M(n)の値に直ちに一致するようにすることで、違和感をともなうことなく、視差量を直ちに限界範囲内の値にすることができる。
なお、シーンチェンジが起きていないとき、飛び出し側最大値ATmax(n)及び引き込み側最大値HTmax(n)を時間幅Ltd、Lhdにわたり時間平均しているため、これにより急激な視差の時間変化を避けることができるとみなし、式(7)、式(8)の処理をせず、調整量目標値M(n)をそのまま調整量F(n)として出力することとしても良い。また、シーンチェンジが起きたときは、上記の式(10)、式(11)による平均化における時間幅Lt、Lhを一旦「1」にし、その後次第に増加させているので、調整量目標値M(n)を直ちにそのまま調整量F(n)として出力することとしても良い。この場合、図7の構成における調整量差分生成部302、調整量変更分生成部303、調整量生成部304、メモリ305、及び切替部306、307を省き、図8の構成を用いれば良い。
この場合の処理は、下記の式(16)で表される。即ち、
SC=0、SC=1のどちらの場合も、
F(n)=M(n) …(16)
さらに、視差調整部3の調整量F(n)を求める第3の手法について述べる。第3の手法を用いる場合には、視差調整部3を図9の機能ブロック図で示すように構成する。
図示の視差調整部3は、調整量目標値生成部301と、調整量目標値平均化部321と、時間幅決定部323と、調整量差分生成部302bと、調整量変更分生成部303と、調整量生成部304と、メモリ305と、切替部326及び307とを有する。
図3と同じ符号は同様の部材を示す。
切替部326は、切替部307と同様に、シーンチェンジ検出信号SCにより制御されるものであり、シーンチェンジ検出信号SCの値が有意のとき(SC=1のとき)は、切替接点CがA側に接続され、シーンチェンジ検出信号SCの値が有意でないとき(SC=0のとき)は、切替接点CがB側に接続される。
時間幅決定部323は、調整量目標値平均化部321で時間平均を求める際の時間幅(フレーム数)Lmを定める。時間幅決定部323は、通常、それぞれ、外部から入力される通常時間幅Lmdをそのまま時間幅Lmとして出力する。Lmdは2以上の整数である。
シーンチェンジが起きたときは直後の1フレーム期間だけ、Lmを「1」とし、その後、Lmを1フレーム期間ごとに1ずつ増加させて、通常時間幅Lmdに達したら、それ以降は、その値を維持する。
まず、調整量目標値生成部301において、第1の手法と同様に4通りに場合分けをし、調整量目標値M(n)を決定する。
調整量目標値平均化部321は、調整量目標値M(n)を、過去Lmフレームにわたって平均化して、平均調整量目標値AMを出力する。この平均化は、下記の式(17)で表される。
Figure 0005911325
時間幅Lmが大きいほど、調整量F(n)がゆっくりと変化し、従って表示される画像の視差量がゆっくりと変化する。一方、時間幅Lmが小さいほど、調整量F(n)の変化が速く、従って、表示される画像の視差量の変化が速くなる。
シーンチェンジが起きておらず、前回のシーンチェンジの検出から十分な時間が経過した後(即ち、前回のシーンチェンジからLmdフレーム期間が経過した後)は、Lm=Lmdであり、調整量目標値平均化部321では、調整量目標値M(n)の過去Lmdフレームにわたる平均(平均調整量目標値)AMが求められる。
このように、調整量目標値M(n)の時間平均を取ることで、急激な視差の変化や誤検出を緩和することができる。
シーンチェンジが起きたときは、時間幅Lmを「1」にする。その結果、調整量目標値平均化部321の出力はその入力と同じ値になる。即ち、複数フレームにわたる平均化は行われず、調整量目標値M(n)がそのまま、平均調整量目標値AMとして調整量目標値平均化部321から出力される。
これにより、調整量F(n)を、表示される画像における視差量が直ちに限界範囲内の値になるようにするために値に設定することができる。
シーンチェンジ後は、1フレームごとに、時間幅Lmを1ずつ増加させる。
その結果、シーンチェンジ前の視差(飛び出し側最大値、引き込み側最大値)の影響を受けることなく、次第に、通常の状態(調整のための視差量の急激な変化を抑制する状態)に戻すことができる。
調整量差分生成部302b、調整量変更分生成部303、調整量生成部304及びメモリ305の動作は第1の手法と同様である。即ち、シーンチェンジが起きていない場合、上記のようにして式(17)で求めた平均調整量目標値AMに基づき、調整量差分生成部302bは、前述の第1の手法と同様に(但し、調整量目標値M(n)の代わりに、平均調整量目標値AMを用い)、平均調整量目標値AMと1フレーム前の調整量F(n−1)の差を調整量差分Sとして算出する。この処理は、下記の式(18)で表される。
S=AM−F(n−1) …(18)
調整量変更分生成部303は、第1の手法と同様にして、調整量差分Sを調整量変更分Kに変換する。
調整量生成部304は、上記の式(8)で示されるように、1フレーム前の調整量F(n−1)と、調整量変更分生成部303で生成される調整量変更分Kとを加算することで調整量F(n)を求める。
以上のようにして求められた調整量F(n)は、視差調整部3の出力となる。
このようにして、調整量F(n)は、シーンチェンジが起きていないときは、調整量変更分Kがある範囲内となるように制限される。このように制御することで、急激な視差量変化が抑えられ、ゆっくりと視差量が調整される。
シーンチェンジが起きた場合は、1フレームにわたり、シーンチェンジ検出信号SC=1である。このときは、切替部326及び307は、その切替接点CがそれぞれA側に接続されており、調整量差分生成部302b、調整量変更分生成部303、及び調整量生成部304による処理は行われず、代わりに下記の式(19)で示すように、平均調整量目標値AMをそのまま直ちに調整量F(n)として出力する。
即ち、
SC=1のとき
F(n)=AM …(19)
このように、シーンチェンジが起きたときは、調整量目標値M(n)の複数フレームにわたる平均化を行わず、調整量目標値M(n)をそのまま平均調整量目標値AMとして出力し、調整量F(n)を、直ちに平均調整量目標値AMに等しい値、従って、調整量目標値M(n)に等しい値に変える処理をする。
このように、シーンチェンジが起きたとき、複数フレームにわたる時間平均処理や視差変更分に対する制限中断し、調整量F(n)が調整量目標値M(n)の値に直ちに一致するようにすることで、違和感をともなうことなく、視差量を直ちに限界範囲内の値にすることができる。
なお、シーンチェンジが起きていないとき、調整量目標値M(n)を時間幅Lmdにわたり時間平均しているため、これにより急激な視差の時間変化を避けることができるとみなし、式(18)、式(8)の処理をせず、平均調整量目標値AMをそのまま調整量F(n)として出力することとしても良い。また、シーンチェンジが起きたときは、上記の式(17)による平均化における時間幅Lmを一旦「1」にし、その後次第に増加させているので、平均調整量目標値AMを直ちに、そのまま調整量F(n)として出力することとしても良い。この場合、図9の構成における調整量差分生成部302b、調整量変更分生成部303、調整量生成部304、メモリ305、及び切替部306、307を省き、図10の構成を用いれば良い。
この場合の処理は、下記の式(20)で表される。
SC=0、SC=1どちらの場合も、
F(n)=AM …(20)
次に、画像生成部4の動作を説明する。画像生成部4は、視差調整部3から出力された調整量F(n)に基づいて、左眼用入力画像Da1及び右眼用入力画像Db1から新たな左眼用画像及び右眼用画像を生成し、左眼用表示画像Da3及び右眼用表示画像Db3として出力する。
ここで、画像生成部4は、調整量F(n)に基づいて、左眼用画像と右眼用画像をそれぞれ対にして画像を生成する。
図11(a)に示す左眼用入力画像Da1及び右眼用入力画像Db1が入力されたとする。図中のクロスハッチングを施した丸で示す画像部分B1L、B1Rは立体視される同じ物体に対応するものである。この左眼用入力画像の物体に対応する画像部分B1Lと右眼用入力画像の物体に対応する画像部分B1Rには元々視差d1がある。
図11(b)は、左眼用入力画像全体を水平方向へ左に平行移動し、右眼用入力画像全体を右に平行移動した状態、即ち、それぞれ符号GL2、GR2で示す水平方向範囲にある画像を、それぞれ符号GL3、GR3で示す水平方向範囲にある画像となるよう水平移動させた後の状態を示す。
図11(b)を見ると、物体B1に対応する左眼用画像部分B1Lsと右眼用画像部分B1Rsの視差はd1sとなり元の視差d1よりも小さくなっている。つまり、ユーザーからは飛び出している物体が引き込まれる方向へ、即ち奥の方へ移動した様に見える。
ディスプレイ面上に示される画素とユーザーが知覚する物体の位置の関係が図12(a)及び(b)に示されている。図12(a)は図2(a)と同じである。図12(a)のP1Lは図11(a)の左眼用画像の物体に対応する画像部分B1L中の画素、P1Rは図11(a)の右眼用画像の物体に対応する画像部分B1R中の画素を表すものとする。左眼用画像の画素P1Lと左眼用画像の画素P1Rには視差d1があり、ユーザーには空間中の点F1に物体があるように知覚される。
図12(b)は図11(b)で行った様にディスプレイ面上に表示された左眼用画像を全体に左に、右眼用画像を右に移動させたものである。即ち、図12(b)では、左眼用画像の物体に対応する画像部分B1L中の画素P1Lは符号P1Lsで示す位置に、右眼用画像の物体に対応する画像部分B1R中の画素P1Rは符号P1Rsで示す位置に移動する。図12(b)に示すように、左眼用画像の画素P1Lsと右眼用画像の画素P1Rsの視差はd1s(<d1)となり、左眼用画像の画素P1Lsと右眼用画像の画素P1Rsとで、ユーザーには空間中の点F1sに物体があるように知覚される。即ち、飛び出している物体がdFだけ奥の方へ引き込んだように知覚される。
このように、左眼用入力画像と右眼用入力画像を水平移動させることで視差を変えることができる。この移動量dFを視差オフセット量という。
視差オフセット量を負の方向に大きくするときは、左眼画像全体を左に水平移動させ、右眼画像全体を右に水平移動させることとする。
一方、視差オフセット量を正の方向に大きくするときは、左眼画像全体を右に水平移動させ、右眼画像全体を左に水平移動させる。
視差オフセット量を負の方向に大きくすると、画面全体が引き込まれる方向になり、視差オフセット量を正の方向に大きくすると、画面全体が飛び出す方向になる。
つまり、視差オフセット量を調整することで、視認される物体の奥行き方向位置を変更することができる。
画像生成部4では、視差調整部3から出力された調整量F(n)を受けて、この調整量F(n)を視差オフセット量として画面を水平方向に移動させ視差調整を行う。具体的には、F(n)が正の数である場合、左眼画像をF(n)/2画素右に水平方向に移動させ、
右眼画像をF(n)/2画素左に水平方向に移動させる。
一方、調整量F(n)が負の数である場合、左眼画像をF(n)/2画素左に水平方向に移動させ、右眼画像をF(n)/2画素右に水平方向に移動させる。
このように左眼画像と右眼画像を逆方向に移動させることで、左眼画像と右眼画像の視差が合計でF(n)画素だけ変化する。
上述の通り、左眼用画像全体と右眼用画像全体を水平方向の逆向きに移動させる結果、移動後の画面上には、図11(b)に示すように、画面上には、左眼画像及び右眼画像がともに存在する部分(共通部分)GLc、GRcと、左眼画像が存在しない欠落部分GLmと、右眼画像が存在しない欠落部分GRmとが生じる。なお、上記の移動の結果、左眼画像の一部(左端)GLaが画面からはみ出し、右眼画像の一部(右端)GRaが画面からはみ出す。
画面上の欠落部分GLm、GRmは何らかの画像で埋める必要がある。この場合、左眼画像の欠落部分GLmと同じ位置に表示される右眼画像部分(対応部分)GRbの画像内容は、欠落部分GLmを埋めるために用いた左眼画像に対応するものであるのが望ましい。同様に、右眼画像の欠落部分GRmと同じ位置に表示される左眼画像部分(対応部分)GLbの画像内容は、欠落部分GRmを埋めるために用いた右眼画像に対応するものであるのが望ましい。
従って、欠落部分GLm、GRmを埋める処理においては、同時に対応する部分GRb、GLbをも対応する画像で置き換える処理をも併せて行うことになる。
欠落部分GLm、GRm、及び対応する部分GRb、GLbを埋めるには、左右画像の共通部分GLc、GRcを左右に引き延ばす処理(スケーリング)を行なうか、別途用意した所定の模様、又は無地の画像を表示する処理を行うことができる。
スケーリングには、共通部分GLc、GRcを水平方向にのみ引き延ばす方法、又は水平方向のみならず垂直方向にも引き延ばす方法を用いることができ、引き延ばす率は画面全体で一様にしても良く画面の位置によって異なる率で引き延ばしても良い。
以下、スケーリングについて図13(a)及び(b)を参照して説明する。
図13(a)は、図11(b)と同様に、視差調整後の画像を示す。
スケーリングにおいては、図13(a)、(b)に示すように、中央部に位置する共通部分GLc、CRcの画像を左右に引き延ばして左右の部分を作り出す。
欠落部分GLm、GRm及び対応部分GLb、GRbの各々の幅は、視差オフセット量、即ち調整量F(n)の1/2と同じであるため、欠落部分及び対応部分を作り出す際に、調整量F(n)に基づいて引き延ばし率を決定し、上記の水平移動後の画像を引き延ばし率に応じて引き延ばし、引き延ばした後に画面外に位置することになった部分を除去して(即ち、画面内に位置する部分のみを取り出して)、左眼用表示画像Da3及び右眼用表示画像Db3を生成する。
なお、引き延ばしを先に行った後に、水平移動を行っても良い。
図14(a)及び図14(b)に示す例では、共通部分を水平方向に引き延ばして、元画像と同じ水平サイズを有するようにしている。
このうち、図14(a)に示す例では、引き延ばし率を一定としている。即ち、図14(a)の例では、元画像の水平サイズを共通部分の水平サイズで割ることで求められる引き延ばし率を画面の全体にわたり適用している。共通部分の水平サイズは、調整量F(n)に基づいて求められる。即ち、元画像の水平方向の画素数がXo、画素数で表される調整量がF(n)であれば、引き延ばし率Rhoは、
Rho=Xo/(Xo−F(n))
で与えられる。
図14(a)に示すように、画面全体にわたり一定の引き延ばし率で引き延ばせば、画像が少しだけ横長になるだけで、あまり違和感がない。
図14(b)に示す例では、引き延ばし率Rhが画面の中央部では「1」であり、左右端部に近づくほどより大きな値としている。引き延ばし率Rhの変化は直線的でも曲線的であっても良く、連続的(線形的)であっても不連続的(非線形的)であっても良い。さらにまた、引き延ばし率Rhが「1」となる中央部分の幅はゼロであっても良い。言い換えると、中央部分から左右端部に向けて引き延ばし率Rhが次第に増加する構成であっても良い。
この方法では、ユーザーが注視することの多い画面の中央部では、画像各部の縦横比を変えず、或いは縦横比の変化を小さくする抑えることで、違和感をなくし、或いは最小にすることができる。一方、左右端に近づくほど、引き延ばし率Rhが大きくなるが、左右端部付近の画像は中央部ほど注視されないことが多く、引き延ばしたことが気付かれにくく、気付かれたとしても問題となりにくい。
図14(c)に示す例では、画像を水平方向に引き延ばすとともに、垂直方向にも引き延ばす。
引き延ばす率は、図14(c)に示す例のように、水平方向と垂直方向とで同じであっても良いが、異なっていても良い。例えば、垂直方向の引き延ばし率Rvを水平方向の引き延ばし率Rhよりも小さくしても良い。
図14(c)に示す例では、水平方向の引き延ばし率Rhを、図14(a)の例と同じ値(Rho)に定めるとともに、垂直方向にも、水平方向と同じ引き延ばし率Rvo(=Rho)で引き延ばしている。
このようにすることで、画面全体に亘り画像各部の縦横比を元画像と同じに保つことができる。
なお、元画像の上端部、下端部が画面からはみ出すので、切り取られてしまうが、画像各部の縦横比が保たれ、その点で好ましい。
図14(d)の方法では、左右の欠落部分及び対応部分に所定の模様又は無地の壁紙を表示する。無地の画像の場合には、黒、グレー等を表示する。
また、中央部分の画像とは異なる文字情報、例えば、ロゴや広告宣伝のための文字を表すものであっても良い。
この方法は、画像の引き延ばしを行なう必要がないので処理が簡単であり、また、共通部分の画像の縦横比を元画像のままに保つことができるので、その点で好ましい。
上記の欠落部分及び対応部分を埋める方法としては、図14(a)〜(d)を参照して説明した上記の方法に限らず、他の方法を用いても良い。
このようにして、画像生成部4は、視差調整部3から出力された調整量F(n)に応じて、それぞれ左眼用の画像及び右眼用の画像を水平方向に移動させるとともに、移動の結果生じた欠落部分を何らかの画像で埋めることで、左眼用表示画像Da3及び右眼用表示画像Db3を生成する。このことにより、調整量F(n)が変わっても、左右画像のどちらかの端部の画像が欠けたり、異なる画像となることがなく、違和感のない良好な立体画像が得ることができる。
また、画像生成部4において調整量F(n)に基づいて引き延ばし率を決定するのではなく、視差量調整量の最大値を予測して、予め定められた引き延ばし率で引き延ばすこととしても良い。この場合、視差調整のための水平移動の前に引き延ばしを行っても良い。
また、引き延ばしを行わず、そのまま表示し、視差調整で水平移動した結果生じた欠落部分GLm、GRmを黒画面のままにしてもよい。この場合、欠落部分GLm、GRmに対応する画像部分GRb、GLbはそのまま表示する。
次に、表示出力部5の動作を説明する。立体表示を可能にする表示の方式としては、空間的に異なる座標に左眼用画像と右眼用画像を表示する方式や、時間的に異なるフレームに左眼用画像と右眼用画像を表示する方式などがある。表示出力部5は画像生成部4から左眼用表示画像Da3と右眼用表示画像Db3を受けて、表示部200に供給するのに適したフォーマットの画像信号Da4、Db4を出力する。
なお、表示出力部5として、ある決まったフォーマットに変換して画像信号を出力するものとしても構わない。例えば、立体画像処理装置100を備える記録再生装置、例えばブルーレイ再生録画装置を、表示部を備えるTV受像機に接続する場合においても、本発明の効果が得られる。
このように、左眼用入力画像と右眼用入力画像から視差を検出し、検出した視差に基づいて調整の速さを制御しながら左眼用入力画像と右眼用入力画像を変更することによって、ユーザーにとって好適な視差量範囲に、違和感なく自然に調整でき、シーンチェンジが起きたときでも、3D画像のまま自然な違和感のない切り換えができる。
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2に係る立体画像処理装置の構成を示す図である。図15において、視差検出部1、シーンチェンジ検出部2、視差調整部3、画像生成部4、表示出力部5は、実施の形態1と同じ構成である。実施の形態2の立体画像処理装置100内は、画像遅延部6が追加されている点で異なる。
画像遅延部6は、視差検出部1による視差の検出とシーンチェンジ検出部2によるシーンチェンジの検出のための時間を補償し、入力画像データDa1、Db1を1又は複数フレーム遅延させた後に画像生成部4に入力するためのものである。
画像遅延部6は例えばフレームメモリで構成されている。その場合、一対の(互いに対をなす)左眼用入力画像データDa1及び右眼用入力画像データDb1が該フレームメモリに、書き込まれ、1又は複数フレーム期間後に、該フレームメモリから読み出されて一対の左眼用画像データDa2及び右眼用画像データDb2として出力される。これにより、1又は複数フレーム期間の遅延が行われる。このように遅延させるのは、視差検出やシーンチェンジ検出に要する時間に合わせて画像データを遅延させ、データを同期させるためである。
視差検出部1は、入力画像データDa1及びDb1を受けて、これらのデータで表される画像の1画面の飛び出し側最大値Tmaxと引き込み側最大値Hmaxを検出する。
検出には、1画面(1フレーム)の情報が必要なため、検出結果は1フレーム期間以上遅れて出力される。
また、シーンチェンジ検出部2で、1画面分の平均輝度を求めて検出する場合、検出結果は1フレーム以上遅れて出力される。
そのため、画像遅延部6が設けられていない構成(図1の構成)の場合には、
画像生成部4への左眼用画像データ及び右眼用画像データの入力のタイミングに比べ、
視差調整部3からの調整量F(n)の供給が1フレーム以上遅くなり、視差量調整が1フレーム以上遅れてしまうことになる。
特に、シーンチェンジ検出部2から出力されるシーンチェンジ検出信号SCが1フレーム遅れるので、シーンチェンジの検出結果を視差量調整量に反映させるのがその分遅れてしまう。
連続したシーンであると、前のフレームの画像と現フレームの画像は相関があるため、前のフレームの画像と現フレームの画像では視差量は大きくは変わらず、前フレームの視差に基づいて生成された調整量で現フレーム(調整対象フレーム)の調整を行ってもあまり問題がないが、シーンチェンジが起きた場合、シーンチェンジ直後の画像は前フレームの画像と全く異なるため、現フレーム(調整対象フレーム)とは内容が異なる前フレームの視差に基づいて定められた調整量によって視差調整がされてしまうという問題がある。
実施の形態2では、この問題を解消するために、入力画像データDa1、Db1について画像遅延部6を設け、視差検出、シーンチェンジ検出及びこれらに基づく調整量F(n)の画像生成部4への供給と、対応する画像の画像生成部4へ供給を同期させることとしている。即ち、入力画像データDa1、Db1に基づいて、視差検出、シーンチェンジ検出が行われ、これらの検出結果に基づいて調整量が定められて、画像生成部4に供給されるのと同期するように、当該入力画像データDa1、Db1を画像遅延部6で遅延させることで得られた画像データDa2、Db2が画像生成部4に供給されるようにしている。
なお、画像遅延部6としては、図示のように、別個のものを用意することなく、画像表示装置システム全体で、例えば、スケーリングや他の画像処理のためフレーム遅延が発生する回路ブロックと兼用して良い。その場合は、上記回路ブロックに入力される画像データを入力画像データDa1、Db1として視差検出部1及びシーンチェンジ検出部2に入力し、上記回路ブロックから出力される1又は複数フレーム期間遅延した画像データを画像データDa2、Db2として画像生成部4に供給することとすれば良い。
例えば、予め定められた引き延ばし率で引き延ばしを行う場合には、引き延ばしのための別個のスケーリング部を画像生成部4の前段に設け、該スケーリング部における処理のための時間を、同期のために必要な遅延時間の一部又は全部として利用しても良い。
画像生成部4は、視差調整部3から出力された調整量F(n)に基づいて、画像遅延部6で遅延された左眼用画像Da2と右眼用画像Db2から左眼用表示画像Da3と右眼用表示画像Db3を生成して出力する。ここで、画像生成部4は、調整量F(n)に基づいて、左眼用画像と右眼用画像をそれぞれ対にして画像を生成する。
このように、画像遅延部6を用いることで、視差検出やシーンチェンジ検出に伴う遅延による視差調整のタイミングのずれを解消でき、視差調整が最適なタイミングのフレームの画像に成される。
また、左眼用入力画像Da1と右眼用入力画像Db1から視差を検出し、検出した視差に基づいて、画像遅延部6で遅延されて同期している左眼用画像Da2と右眼用画像Db2の視差量を、調整の速さを制御しながら調整することによって、ユーザーにとって好適な視差量範囲に、違和感なく自然に調整でき、シーンチェンジが起きたときでも、最適なタイミングで視差調整し、自然な違和感のない良好な立体画像を得ることができる。
以上、飛び出し側で視差量が限界値を超えた場合、及び引き込み側で視差量が限界値を超えた場合のいずれの場合にも、視差量の調整を行う当たり調整の速さに制限を加えることとしているが、飛び出し側で視差量が限界値を超えた場合、及び引き込み側で視差量が限界値を超えた場合の一方の場合にのみ、視差量の調整の速さに制限を加えることとして良い。例えば、飛び出し側で視差量が限界値を超えた場合にのみ、視差量の調整の速さに制限を加え、引き込み側で視差量が限界値を超えた場合には、視差量の調整の速さに制限を加えず、直ちに視差量が限界値以内になるように調整を行っても良い。
さらにまた、飛び出し側及び引き込み側の一方でのみ、視差量が限界値を超える場合に、視差量の調整を行う構成にも本発明を適用することができる。
1 視差検出部、 2 シーンチェンジ検出部、 3 視差調整部、 4 画像生成部、 5 表示出力部、 6 画像遅延部、 100 立体画像処理装置、 200 表示部。

Claims (15)

  1. 動画像の各フレームの画像であって、互いに対をなす左眼用入力画像データ及び右眼用入力画像データを入力とし、前記左眼用入力画像データで表される左眼用画像と、前記右眼用入力画像データで表される右眼用画像の間の視差量の最大値を検出する視差検出部と、
    前記左眼用画像及び前記左眼用画像におけるシーンチェンジを検出するシーンチェンジ検出部と、
    前記検出された視差量の最大値が、設定された限界値を超えるときに、表示される画像における視差量が前記限界値以下となるようにするための調整量を生成する視差調整部と、
    前記左眼用入力画像データ及び前記右眼用入力画像データ、又は左眼用入力画像データ及び前記右眼用入力画像データを1又は2以上のフレーム期間遅延させることで得られる画像データから、前記調整量に応じて視差量が調整された左眼用表示画像データ及び右眼用表示画像データを生成する画像生成部と、
    前記左眼用表示画像データ及び前記右眼用表示画像データから所定のフォーマットの表示用画像信号を出力する表示出力部とを備え、
    前記視差調整部は、
    前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されており、前記視差検出部で検出された視差量の最大値が前記限界値を超えている場合には、表示される画像における視差量が直ちに前記限界値以下となるように、前記調整量の値を定め、
    前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されておらず、前記視差検出部で検出された視差量の最大値が前記限界値を超えている場合には、表示される画像における視差量が徐々に前記限界値以下となるように、前記調整量の値を定める
    ことを特徴とする立体画像処理装置。
  2. あるフレームのデータについて、
    前記視差検出部により、前記最大値が前記限界値を超えていることが検出され、
    前記シーンチェンジ検出部により、シーンチェンジが検出されたときは、
    前記視差調整部は、次に前記画像生成部で生成されるフレームの視差量が、前記限界値以下となるように、前記調整量の値を定め、
    あるフレームのデータについて、
    前記視差検出部により、前記最大値が前記限界値を超えていることが検出され、
    前記シーンチェンジ検出部により、シーンチェンジが検出されていないときは、
    前記視差調整部は、それ以降前記画像生成部で相前後して生成されるフレーム間での前記調整量の変化が所定値を超えないように前記調整量の値を定め、これにより前記間の視差量が1又は複数のフレーム後に前記限界値以下となるようにする
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像処理装置。
  3. 前記所定値は、前記最大値と前記限界値の差に応じて変わる値であることを特徴とする請求項2に記載の立体画像処理装置。
  4. 前記視差調整部は、
    前記シーンチェンジ検出部によりシーンチェンジが検出されていないときは、
    前記最大値から前記限界値を引くことで得られる調整量目標値から、1フレーム前の調整量を引くことで得られる調整量差分に基づいて、調整量変更分を生成し、
    該調整量変更分を前記1フレーム前の調整量に加算することで、現フレームの調整量を生成し、
    前記調整量変更分は、前記調整量差分の絶対値が所定値以上の領域において、前記調整量差分よりも小さな絶対値を有するように生成される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  5. 前記調整量差分の絶対値と、該調整量差分に基づいて生成される前記調整量変更分の絶対値の関係は、
    前記調整量差分が正の値であるときと、
    前記調整量差分が負の値であるときとで、
    互いに異なるものであることを特徴とする請求項4に記載の立体画像処理装置。
  6. 前記視差調整部は、
    前記シーンチェンジ検出部によりシーンチェンジが検出されたときは、
    前記最大値から前記限界値を引くことで得られる調整量目標値を、前記調整量として出力する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  7. 前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されていないときは、
    前記視差調整部は、
    前記最大値を複数フレームにわたって平均することで、前記最大値の平均値を求め、
    該最大値の平均値に基づいて、前記調整量を定めることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  8. 前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されたときは、
    前記視差調整部は、
    前記最大値の平均値の代わりに、前記最大値に基づいて前記調整量を定める
    ことを特徴とする請求項7に記載の立体画像処理装置。
  9. 前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジが検出されていないとき、
    前記視差調整部は、調整量目標値を複数フレームにわたって平均化することで、平均調整量目標値を定め、
    該平均調整量目標値に基づいて前記調整量を定める
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  10. 前記シーンチェンジ検出部でシーンチェンジ検出されたときは、
    前記視差調整部は、前記平均調整量目標値の代わりに、前記調整量目標値に基づいて前記調整量を定める
    ことを特徴とする請求項9に記載の立体画像処理装置。
  11. 前記視差量の最大値として、飛び出し側の最大値と引き込み側の最大値が求められ、
    前記限界値として飛び出し側の限界値と引き込み側の限界値が設定され、
    前記飛び出し側の最大値が前記飛び出し側の限界値を超えたとき、及び/又は
    前記引き込み側の最大値が前記引き込み側の限界値を超えたときに、
    前記視差調整部は、表示される画像の視差量を調整するための調整量を生成する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  12. 前記視差調整部は、
    検出された前記引き込み側の最大値が前記引き込み側の限界値を超えたことに対する前記視差量の調整を、
    検出された前記飛び出し側の最大値が前記飛び出し側の限界値を超えたことに対する前記視差量の調整よりも優先して
    行うことを特徴とする請求項11に記載の立体画像処理装置。
  13. 前記シーンチェンジ検出部は、
    前記視差検出部で検出された視差量の変化に基づいて前記シーンチェンジの検出を行う
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  14. 前記視差検出部による視差の検出と前記シーンチェンジ検出部によるシーンチェンジの検出のための時間を補償するように、
    前記左眼用入力画像データ及び右眼用入力画像データを1又は複数フレーム遅延させた後に前記画像生成部に入力する画像遅延部をさらに有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の立体画像処理装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の立体画像処理装置と、
    該立体画像処理装置の前記表示出力部から出力される前記表示用画像信号に基づいて立体画像を表示する表示部と
    を備えた立体画像表示装置。
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