JP5911112B2 - 形状記憶部材を有する髄内釘 - Google Patents

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Description

本発明は、その最も包括的な態様において、骨折した長骨、例えば大腿骨又は脛骨に挿入されるのに適しているとともに、近位端と遠位端との間に延びるカニューレ状ロッドを備える髄内釘に関する。
より詳細には、本発明は、釘であって、
近位端と遠位端との間に延びるカニューレ状ロッドと、
カニューレ状ロッドを収容する外側管状スリーブであって、カニューレ状ロッドが外側管状スリーブと同軸であるとともに外側管状スリーブの内側で軸方向に案内される外側管状スリーブと、
カニューレ状ロッドの対応する受部内に収容される形状記憶部材であって、形状記憶部材のそれぞれは、釘を骨に挿入することを可能にするために、形状記憶部材が形状記憶部材のそれぞれの受部内に後退可能に収容される形態と、形状記憶部材が外側管状スリーブにあるスロットから突出する別の形態とをとることができる形状記憶部材と
を備える釘に関する。
髄内釘は、外科的介入の分野において知られているとともに外科的介入に使用されており、外科的介入の際、骨折した長骨に挿入されて、骨の強度を回復させ、仮骨の再生機構が正常に働くことを可能にする。
これらの釘は、円筒形状を有するステムすなわちロッドを含むとともに中実又は中空のいずれかであり、中空の場合、ロッドはカニューレ状になっている。
再構成される骨部分に髄内釘を固定するために、通常、平行平面上にあるとともにロッドを直径方向に横切って延びる軸を有する2つのずれた孔が、釘の遠位端に対応して釘に設けられている。一般に、平行平面上にある軸を有する2つの更なるずれた孔が、釘の近位端に対応して設けられている。
これらの孔は、骨において適当な孔がドリル穿孔された後、骨折した骨の内部に髄内釘を固定するようにして、骨に挿入される骨用ねじを収納するように意図されている。
これらの一般的に知られている釘は、依然として広く使用されているが、骨用ねじを挿入するために孔がドリル穿孔される必要があることに起因して既知の欠点を有する。これらの孔は、挿入された髄内釘の孔に対応する必要があるが、遠位の釘孔は視認できないため、X線技術が必要とされ、外科手術中、手術スタッフをX線に累積的に被曝させるとともに多大な不利益を生じさせる。
最近、代替的な釘構造体が提案されている。例えば、同一出願人が所有する欧州特許第1740113号は、近位端と遠位端との間で延びる真っ直ぐなステムを備え、少なくとも形状記憶材料から作製される複数の要素を更に備えた、骨折した長い骨に挿入することのできる髄内釘を開示している。これらの形状記憶部材の自由端は、骨に釘を固定するためにステムの外側に配置される。
形状記憶部材を有するそのような釘は、多くの観点から有利である一方、依然として解消すべき幾つかの欠点も有する。
例えば、骨用ねじがないことに起因して、髄管内部での釘の完全な安定性、及び患者の体重によって引き起こされる高い軸方向の応力に対する完全な安定性がない。この種の応力が加わると、釘は不安定となり、骨接合過程を妨害しさえする場合があるか、又は治癒過程において異常が生じる場合がある。
更なる従来技術の解決策が、同一出願人が所有する別の欧州特許第2133034号において開示されている。この更なる従来技術は、管状スリーブに同軸的に挿入されるカニューレ状ロッドを備える、骨折した長骨内に挿入される髄内釘を開示しており、髄内釘を髄管内の安定位置に保持する押さえねじを受け入れるように、横孔がロッド及び管状スリーブの近位端部に形成されている。
この解決策は、専ら形状記憶材料を含む釘の構造を単純化するが、釘を骨内に固定する押さえねじを挿入するために手術を必要とするという妥協案にとどまっている。
本発明の技術的課題は、形状記憶部材を収容するより単純な釘構造体によって、従来技術の解決策の欠点を全て解消する構造上の特徴及び機能上の特徴を有する髄内釘を提供することである。
本発明の髄内釘の別の目的は、髄管内に固定される骨用ねじを必要としない髄内釘を提供することである。
本発明の更なる目的は、髄内釘が骨内にある期間中の骨の歪み及び脚の回転のいかなる危険性も回避することである。
本発明の基礎となる構想は、請求項1及び10に記載の、骨折した長骨に挿入される髄内釘を提供することである。
従属請求項は、本発明による髄内釘の好ましい実施形態及び特に有利な実施形態を概説する。
本発明による髄内釘の更なる特徴及び利点は、例示的かつ非限定的な目的で与えられたその例示的な一実施形態の以下の説明から、また、添付図面を参照すれば、より明らかとなるはずである。
構成部材に分解されている、本発明による釘の斜視図である。 図1の釘の管状スリーブの側面図である。 図2の管状スリーブのB−B線に沿った部分縦断面図である。 図2の管状スリーブのF−F線に沿った横断面図である。 図2の管状スリーブのG−G線に沿った横断面図である。 図2の管状スリーブのH−H線に沿った横断面図である。 本発明の釘の形状記憶部材の正面図である。 本発明の釘の形状記憶部材の側面図である。 本発明の釘の形状記憶部材の平面図である。 本発明の釘の形状記憶部材の断面図である。 図1の釘のカニューレ状ロッドの側面図である。 図6のカニューレ状ロッドのG−G線に沿った横断面図である。 図6のカニューレ状ロッドの、長手方向軸回りに90度回転させた側面図である。 図6のカニューレ状ロッドの、図5A〜図5Dの形状記憶部材のための受部を有する遠位端部分の細部の斜視図である。 図9の遠位端の反転位置における斜視図である。 図9及び図10の遠位端の上部分の側面図である。 カニューレ状ロッドのための遠位カバーの斜視図である。 カニューレ状ロッドのための近位カバーの斜視図である。 組み付けられた形態にある本発明の釘の側面図である。
上記の図面を参照すると、1は、骨折した長骨、例えば大腿骨に挿入されることを意図された、本発明による髄内釘を全体的に示している。
大腿骨用の釘の場合、釘1には、大腿骨の形状に沿うように5度近くの曲率を有する解剖学的形状が設けられる。換言すれば、釘1及びその主要な構成部材は、近位端が遠位端と5度の小さな角度を形成するように曲がっている、すなわち屈曲している。
釘1は、近位端3と遠位端4との間に延びる内部ロッド2を備えている。
釘1は、同軸に挿入される内部ロッド2を収容する外側管状スリーブ5を更に備えている。釘1と、その主要な構成部材である内部ロッド2及び外側管状スリーブ5とは、円筒形であることが好ましい。
内部ロッド2はカニューレ状になっている、すなわち、Xによって示される長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延びる内隙を有している。内部ロッドは、骨の髄管に挿入される際に使用するガイドワイヤー、例えばキルシュナー鋼線を収容するのに使用される機能部として、その長さ全体に沿ってカニューレ状になっていてもよい。
本発明によれば、内部ロッド2は、外側管状スリーブ5の内側に摺動的に収容されている。より具体的には、内部ロッド2は、外側管状スリーブ5の内側を軸方向に移動可能であり、釘1の近位端に取り付けられた外部装置によって駆動される。外側管状スリーブの内側での内部ロッドの相対回転を必要に応じて実現することができる。重要なことは、外側管状スリーブ5の内側での内部ロッド2の案内された移動により、内部ロッドに沿って収容されている活性部材7が外側管状スリーブ5のスロット8に対応して配置されることが保証されることである。
内部ロッド2のヘッド部分には、釘1の内部ロッド2を把持するのに適した図示しない駆動器具とのねじ接続のために、ねじ山26が設けられている。
髄管への釘1の容易な挿入を可能にするために、外側管状スリーブ5の近位端に取り付けることができる外部器具が想定される。この接続を可能にするため、外側管状スリーブの近位端は、例えば差し込み式の取付けシステム21を備えているが、当該分野において知られている任意の他の締結システムを使用することができる。
内部ロッド2は、少なくとも形状記憶材料から作製される活性部材7を収納する幾つかの受部6を備えている。
活性部材7はそれぞれ、互いに同一であることが好ましい。
各活性部材7は、2つの小さなウィング15が中央部分すなわちコア16によって接続されている実質的にフォーク状の形状を有している。
受部6は、活性部材7が後退位置にあるときに、活性部材7のコア16を収容する通過開口18及び活性部材のウィング15を収容する2つの側方凹部10の形態である。
活性部材7は、その形状記憶の特徴により、各受部6の内側に完全に隠れる第1の形態から、外側管状スリーブ5に設けられている対応するスロット8から突出するように内部ロッドの受部から突出する拡張形態へ、異なる形態をとることができる。
換言すれば、活性部材7は、骨への釘の挿入を可能にするために、ウィング15が側方凹部10によって収容されている状態で、活性部材7のそれぞれがそのそれぞれの受部6に後退可能に収容される第1の形状又は形態をとるように構成されているとともに、そのような形態をとるのに適している。骨折した骨の髄管の内壁に当接するとともに内壁を把持するには、活性部材7の上記ウィング15が受部6のそれぞれの側方凹部10から突出する別の形状又は形態がとられる。
「形状記憶材料」という用語によっては、所与の開始形状を有するとともに、所定の外部条件下で又は「材料命令(material instruction)」とも呼ばれる所定の活性化条件を受けたときに所与の新たな形状をとるが、材料命令が解除されたときには初期の形状に戻る、当該技術分野において知られている材料を意図する。
本発明の意味では、開始形状は、形状記憶部材である活性部材7が内部ロッド2の受部6から突出するように配置される形態に相当し得る。しかしながら、使用される材料に応じて、開始形状は、活性部材7が後退して受部に収容される形態にも相当する場合がある。
形状記憶部材である活性部材7は形状記憶合金で実現することができるが、SIM材料、すなわち、応力誘起マルテンサイトにしやすい材料、例えば、ニッケルとチタンとの合金であるニチノールを使用することが好ましいことに留意せねばならない。
形状記憶材料の別の特性は、第1の形状又は形態から第2の形状又は形態への遷移が可逆である、すなわち、形状記憶部材が第2の形状又は形態から第1の形状又は形態に変化することで釘を骨から抜くことを可能にすることができることにある。
本発明の釘1は、釘の近位端3に位置付けられるとともに同じ平面上にある活性部材7の対10を有して構成されており、そのため、そのような平面上に延びるウィングを有している。活性部材7のこの第1の対10を近位対と呼ぶ。
活性部材7の別の対11が釘1の遠位端4に設けられている。活性部材7のこの第2の対11を遠位対と呼ぶ。
遠位対である対11の一方の活性部材7がある平面は、近位対である対10の活性部材7のウィング15の平面に対して+45度を向くことが有利である。
遠位対である対11の他方の活性部材は、近位対である対10の活性部材7のウィング15の平面に対して−45度を向いている。
したがって、対11の第1の活性部材7及び第2の活性部材7は、互いから90度だけ角度的に離間している。
ウィング15の平面は、2つのウィングがある平面、例えば図5Dの断面である。
活性部材7が互いに例えば60進法の90度のずれを有してずらされていることにより、直交平面上に所定の安定性が確保され、これは釘1に髄管内でのより良好な把持を与えるのに有用である。
本発明の形状記憶部材は、内部ロッド2から構造上独立しており、内部ロッド2の対応する受部6内にカバーによってしっかりと保持された状態でこれらの受部内に収容されることが有利である。各活性部材7の中央部分であるコア16はその受部6内にカバーによってしっかりと保持されるのに対し、活性部材7のウィング15はカバー12と内部ロッド2との間の開口及びスロット8を通って自由に移動可能である。
近位カバー13は、活性部材7の対10のために設けられ、遠位カバー14は、活性部材7の対11のために設けられている。
近位カバー13及び遠位カバー14は、覆われる内部ロッドの近位端及び遠位端とそれぞれ協働する特定の構造を有している。
近位カバー13又は遠位カバー14は、覆われていない内部ロッドの対応する近位端部分又は遠位端部分に半田付け又は他の固定技法によって固定される。
近位カバー13及び遠位カバー14は、内部ロッドに固定されると、活性部材7が後退形態にあるときに、活性部材7のコア16を収納する通過開口18によって、また、同じ活性部材7の各ウィング15を収納する一対の対向する凹部19によって各受部6が形成されるように、内部ロッド2を形成する共通部片を形成するとみなされ得る。
より詳細には、遠位カバー14は2つの部分20及び22によって形成されており、これらの部分20及び22は、単部片を形成するそれぞれの端において接続され、各部分は、互いに対して垂直なそれぞれの平面上にある。
部分20、22は双方とも、遠位カバーが取り付けられるとともに内部ロッド2に固定されて活性部材7の対11を所定位置に保持したときに、内部ロッド2の円筒表面に続く円筒状に湾曲した外側表面を有している。
遠位カバー14の2つの部分のうちの、符号20が付けられた一方の部分は、内側が平坦であるのに対し、他方の部分22は、内部ロッド2の遠位端4上に設けられた対応する内側部材と協働するように適合した形状を有する細長い内側部材を有している。
遠位カバー14と内部ロッド2の遠位端との間の連結により、カニューレ状ロッド2の円筒形の外側表面の連続性が確保される。
近位カバー13は、内部ロッド2の近位端において内側に形成されているねじ山に対応する雌ねじ26を含む短い管状の上部分29と一体形成されている細長い部分27によって形成されている。
細長い部分27の外側表面は、内部ロッド2の近位端3の円筒状に湾曲した外側表面の一部を形成する。
骨折した骨の髄管への釘1の挿入を容易にするために、外側管状スリーブ5の先端部分が、釘を上記髄管の中へスムーズに摺動させることを可能にするように丸みを帯びていることが好ましい。
より具体的には、構造上独立した丸みを帯びた先端25は、外側管状スリーブ5の遠位端に固定されるように設けられる。
先端25は、内部ロッド2が外側管状スリーブ5に挿入されてから外側管状スリーブの遠位端に半田付けされる。
そのような先端25は、開口端を有するカニューレ状ロッド2の開口を維持することに留意せねばならない。
説明したことから理解することができるように、本発明による髄内釘は、従来技術の解決策を参照して本明細書の導入部において述べた要件を満たし、従来技術の解決策を参照して本明細書の導入部において述べた欠点を解消する。
本発明による釘の明確な利点は、釘を髄管内に固定するのに、ねじが必要とされないことである。
形状記憶部材を使用することの別の利点は、これらの形状記憶部材が釘のロッドから構造上独立していることであり、これにより、非形状記憶材料のロッドを製造することが可能になり、このことは、製造コストの実質的な削減を意味する。
当然のことながら、当業者は、随伴する特定の要件を満たすために、上述した髄内釘に対して数多くの変更及び変形を適用することができ、それらの変更及び変形の全ては、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の保護範囲によって包含される。

Claims (14)

  1. 骨折した長骨に挿入される髄内釘であって、
    近位端(3)と遠位端(4)との間に延びる中空のロッド(2)と、
    前記ロッド(2)を収容する外側管状スリーブ(5)であって、前記ロッド(2)が前記外側管状スリーブ(5)と同軸であるとともに該外側管状スリーブ(5)の内側で軸方向に案内される外側管状スリーブ(5)と、
    前記ロッド(2)の対応する受部(6)内に収容される複数の形状記憶部材(7)であって、該形状記憶部材(7)のそれぞれは、前記髄内釘を前記長骨に挿入することを可能にするために、前記形状記憶部材(7)が該形状記憶部材(7)のそれぞれの受部(6)内に収容される非使用形態と、前記形状記憶部材(7)が前記外側管状スリーブ(5)内のスロット(8)から突出する使用形態とをとることができる複数の形状記憶部材(7)と
    を備え、
    前記形状記憶部材(7)の近位対(10)が、前記ロッドの前記近位端(3)に設けられ、前記形状記憶部材(7)の遠位対(11)が、前記ロッドの前記遠位端(4)に設けられ、
    前記近位対(10)の前記形状記憶部材(7)は、第1の共通平面上にあり、前記形状記憶部材(7)の対応する受部(6)内に近位カバー(13)によって保持され、
    前記遠位対(11)の形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対してずらされた各平面上にあり、前記形状記憶部材(7)の対応する受部(6)内に遠位カバー(14)によって保持される、骨折した長骨に挿入される髄内釘において、
    前記遠位カバー(14)は、2つの部分(20、22)によって形成されており、該部分(20、22)は、単部片を形成するそれぞれの端において接続され、前記遠位カバーの各部分は、互いに対して垂直なそれぞれの平面上にあることを特徴とする髄内釘。
  2. 前記2つの部分(20、22)は双方とも、前記遠位カバーが前記ロッド(2)に取り付けられるとともに固定されて形状記憶部材(7)の前記遠位対(11)を所定位置に保持したときに、前記ロッド(2)の円筒表面に続く円筒状に湾曲した外側表面を有する、請求項1に記載の髄内釘。
  3. 前記遠位対(11)の前記複数の形状記憶部材(7)は、互いに90度で角度的に離間している、請求項1または2に記載の髄内釘。
  4. 前記遠位対(11)の一方の形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対して+45度の平面にあるのに対し、前記遠位対(11)の他方の形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対して−45度の平面にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の髄内釘。
  5. 前記形状記憶部材(7)は、SIM(応力誘起マルテンサイト)材料からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の髄内釘。
  6. 前記SIM材料はニチノールである、請求項5記載の髄内釘。
  7. 各形状記憶部材(7)は、2つのウィング(15)が中央部分(16)によって接続されている実質的にフォーク状の形状を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の髄内釘。
  8. 前記近位カバー(13)は、前記ロッド(2)の前記近位端において内側に形成されているねじ山に対応する雌ねじ(26)を含む管状の上部分(29)と一体形成されている細長い部分(27)によって形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の髄内釘。
  9. 前記細長い部分(27)は、前記ロッド(2)の前記近位円筒状に湾曲した外側表面の一部を形成する、請求項8に記載の髄内釘。
  10. 骨折した長骨に挿入される髄内釘であって、
    近位端(3)と遠位端(4)との間に延びる中空のロッド(2)と、
    前記ロッド(2)を収容する外側管状スリーブ(5)であって、前記ロッド(2)が前記外側管状スリーブ(5)と同軸であるとともに該外側管状スリーブ(5)の内側で軸方向に案内される外側管状スリーブ(5)と、
    前記ロッド(2)の対応する受部(6)内に収容される複数の形状記憶部材(7)であって、該形状記憶部材(7)のそれぞれは、前記髄内釘を前記長骨に挿入することを可能にするために、前記形状記憶部材(7)が該形状記憶部材(7)のそれぞれの受部(6)内に収容される非使用形態と、前記形状記憶部材(7)が前記外側管状スリーブ(5)内のスロット(8)から突出する使用形態とをとることができる形状記憶部材(7)と
    を備え、
    前記形状記憶部材(7)の近位対(10)が、前記ロッドの前記近位端(3)に設けられ、前記形状記憶部材(7)の遠位対(11)が、前記ロッドの前記遠位端(4)に設けられ、
    前記近位対(10)の前記形状記憶部材(7)は、第1の共通平面上にあり、前記形状記憶部材(7)の対応する受部(6)内に近位カバー(13)によって保持され、
    前記遠位対(11)の前記形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対してずらされた平面上にあり、前記形状記憶部材(7)の対応する受部(6)内に遠位カバー(14)によって保持される、骨折した長骨に挿入される髄内釘において、
    前記近位カバー(13)は、前記ロッド(2)の前記近位端において内側に形成されているねじ山に対応する雌ねじ(26)を含む管状の上部分(29)と一体形成されている細長い部分(27)によって形成されることを特徴とする髄内釘。
  11. 前記遠位対(11)の前記複数の形状記憶部材(7)は、互いに90度で角度的に離間している、請求項10に記載の髄内釘。
  12. 前記遠位対(11)の一方の形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対して+45度の平面にあるのに対し、前記遠位対(11)の他方の形状記憶部材(7)は、前記第1の共通平面に対して−45度の平面にある、請求項10または11に記載の髄内釘。
  13. 前記形状記憶部材(7)は、SIM(応力誘起マルテンサイト)材料からなる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の髄内釘。
  14. 各形状記憶部材(7)は、実質的にフォーク状の形状を有する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の髄内釘。
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