JP5908317B2 - 油圧供給構造 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧により駆動される油圧作動機構と、クランク軸に連動して駆動され、内燃機関の各部及び油圧作動機構にオイルを供給する第1のオイルポンプと、電気駆動され、油圧作動機構にオイルを供給する第2のオイルポンプとを備えた油圧供給構造に関する。
従来、エンジンの各部に潤滑オイルを供給する機械式オイルポンプと、このオイルポンプからのリリーフ通路に配設されて内燃機関の可変動弁機構(油圧作動機構)にオイルを供給する電動式オイルポンプとを設けた油圧供給構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成にすることにより、機械式オイルポンプの供給能力を下げて小型化して駆動トルクの低減を可能にしながら、この機械式オイルポンプの供給能力を超える高圧で多量のオイルを可変動弁機構が必要とする場合には、電動式オイルポンプを駆動することで要求を満たす油圧を供給することを可能にして、燃費を改善する等の効果を得られる。
特開2004−44542号公報
ところで、上記従来のような油圧供給構造を二輪車のような小型車両に採用しようとする場合には、これまでの機械式オイルポンプの他に電動式オイルポンプの動力源となる電動モータを搭載する必要があるが、小型車両は、自動車のような大型の4輪車両に較べて配置スペースの確保が難しく、電動モータを搭載できたとしても内燃機関の大型化及び重量増加の問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電動モータでオイルポンプを駆動して内燃機関の油圧作動機構にオイルを供給する油圧供給構造において、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制できるようにすることを目的とする。
内燃機関(E,200)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2,204)と、前記内燃機関(E,200)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E,200)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(114,154)とを備えた油圧供給構造において、前記内燃機関(E,200)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(114,154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(114,154)を駆動する電動モータ(53)を備え、前記内燃機関(E,200)が始動された後の点火燃焼状態において、前記電動モータ(53)による前記クランク軸(51)の回転数が点火燃焼による前記クランク軸(51)の回転数を上回らない範囲で、前記電動モータ(53)を駆動制御することを特徴とする。
本発明によれば、油圧作動機構に油圧を供給する第2のオイルポンプを、内燃機関の始動時に作動し、ワンウェイクラッチを介してクランク軸を強制回転させる電動モータによって駆動するため、クランク軸に連動して駆動される第1のオイルポンプの吐出容量を小さくでき、第1のオイルポンプの小型化を可能にして第1のオイルポンプの駆動トルクを低減できるとともに、スタータモータとしての電動モータを利用して第2のオイルポンプを駆動することで、第2のオイルポンプの駆動用の専用のモータを設ける必要がなく、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制することができる。また、内燃機関が始動された後の点火燃焼状態において、電動モータによるクランク軸の回転数が点火燃焼によるクランク軸の回転数を上回らない範囲で、電動モータを駆動制御するため、始動後の通常運転時に電動モータを駆動した場合に、電動モータの駆動トルクは、ワンウェイクラッチの作用によって、クランク軸に伝達されない。これにより、始動時以外においても、油圧作動機構が油圧を必要とするときに、電動モータを独立して制御して、油圧作動機構に油圧を供給でき、第1のオイルポンプの吐出容量を小さくして第1のオイルポンプを小型化できるため、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制できる。
また、本発明は、内燃機関(E)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2)と、前記内燃機関(E)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(154)とを備えた油圧供給構造において、前記内燃機関(E)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(154)を駆動する電動モータ(53)を備え、前記油圧作動機構(C1,C2)への油路の途中に前記第1のオイルポンプ(112)が設けられるとともに、当該第1のオイルポンプ(112)の下流側に前記第2のオイルポンプ(154)が設けられ、前記油路は、前記第2のオイルポンプ(154)を迂回するバイパス油路(163)を有し、当該バイパス油路(163)に、前記第2のオイルポンプ(154)の下流側にのみオイルの流れを許容する一方向弁(165)が配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、油圧作動機構への油路の途中に第1のオイルポンプが設けられるとともに、第1のオイルポンプの下流側に第2のオイルポンプが設けられ、油路は、第2のオイルポンプを迂回するバイパス油路を有し、このバイパス油路に、第2のオイルポンプの下流側にのみオイルの流れを許容する一方向弁が配置されたため、油路を単一の油路にでき、油路内に貯留されるオイル量を削減できる。このため、内燃機関が必要とするオイル量を低減でき、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制できる。また、第2のオイルポンプの停止時には、バイパス油路を通して油圧作動機構に油圧を供給できる
また、本発明は、内燃機関(E,200)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2,204)と、前記内燃機関(E,200)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E,200)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(114,154)とを備えた油圧供給構造において、前記内燃機関(E,200)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(114,154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(114,154)を駆動する電動モータ(53)を備え、前記第2のオイルポンプ(114,154)は、前記電動モータ(53)の出力軸(53A)と前記第2のオイルポンプ(114,154)との間に設けられる歯車(59)によって前記電動モータ(53)に接続され、前記電動モータ(53)に連動することを特徴とする。
本発明によれば、第2のオイルポンプは、電動モータの出力軸と第2のオイルポンプとの間に設けられる歯車によって前記電動モータに接続され、電動モータに連動するため、歯車を変更することで、電動モータの回転数に対し、第2のオイルポンプの回転数を所望の回転数に容易に調整できる。
また、本発明は、前記油圧作動機構(C1,C2)は、前記クランク軸(51)の駆動トルクを伝達・遮断する油圧式のクラッチ装置(C1,C2)であることを特徴とする。
本発明によれば、油圧作動機構が油圧式のクラッチ装置である構成では、内燃機関の始動直後に、発進の準備として、クラッチ装置を作動させるための高圧かつ多量のオイルが必要になるが、内燃機関の始動時に駆動される電動モータを利用して油圧を供給することで、必要な油圧を得ることができる。また、油圧式のクラッチ装置を作動させるための油圧は、始動用の電動モータの作動特性を大きく変えなくとも得ることができる。
さらに、本発明は、前記油圧作動機構(C1,C2)への油路は相互に独立して複数設けられ、当該各油路の途中に前記第1のオイルポンプ(112)及び前記第2のオイルポンプ(114)が配設され、前記第2のオイルポンプ(114)の吐出側に、当該吐出側の下流にのみオイルの流れを許容する一方向弁(128)が配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、油圧作動機構への相互に独立した複数の油路に、第1のオイルポンプ及び第2のオイルポンプを分けて配置し、第2のオイルポンプの吐出側に、この吐出側の下流にのみオイルの流れを許容する一方向弁が配置されたため、第2のオイルポンプの停止時に、第1のオイルポンプから供給されたオイルが第2のオイルポンプ側の油路に逆流することを防止でき、油圧の低下を防止できる。
さらに、本発明は、前記電動モータ(53)の前記出力軸(53A)は、前記クランク軸(51)に平行な向きで前記内燃機関(E)に設けられ、前記第2のオイルポンプ(114,154)は、前記出力軸(53A)が配置される前記内燃機関(E)の一側に対し、他側に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、電動モータの出力軸は、クランク軸に平行な向きで内燃機関に設けられ、第2のオイルポンプは、出力軸が配置される内燃機関の一側に対し、他側に設けられ、電動モータの出力軸の反対側のデッドスペースを利用して第2のオイルポンプを配置できるため、内燃機関の大型化を抑制できる。
また、本発明は、前記第1のオイルポンプ(112)及び前記第2のオイルポンプ(114,154)はトロコイド歯形ポンプで構成され、前記第2のオイルポンプ(114,154)のポンプロータ(114A,154A)の歯数は、前記第1のオイルポンプ(112)のポンプロータ(112A)の歯数よりも多く設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1のオイルポンプ及び第2のオイルポンプはトロコイド歯形ポンプで構成され、第2のオイルポンプのポンプロータの歯数は、第1のオイルポンプのポンプロータの歯数よりも多く設定されているため、間欠的に駆動される第2のオイルポンプの吐出量を少なくして第2のオイルポンプの駆動トルクを小さくでき、電動モータによって第2のオイルポンプを容易に駆動できる。
本発明に係る油圧供給構造では、油圧作動機構に油圧を供給する第2のオイルポンプを、内燃機関の始動時に作動し、ワンウェイクラッチを介してクランク軸を強制回転させる電動モータによって駆動するため、クランク軸に連動して駆動される第1のオイルポンプの小型化を可能にして第1のオイルポンプの駆動トルクを低減できるとともに、スタータモータとしての電動モータを利用して第2のオイルポンプを駆動することで、第2のオイルポンプの駆動用の専用のモータを設ける必要がなく、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制することができる。
また、電動モータによるクランク軸の回転数が点火燃焼によるクランク軸の回転数を上回らない範囲で、電動モータを駆動制御するため、始動後に電動モータを駆動した場合に、電動モータの駆動トルクは、ワンウェイクラッチの作用によって、クランク軸に伝達されない。これにより、始動時以外においても、油圧作動機構が油圧を必要とするときに、電動モータを独立して制御して、油圧作動機構に油圧を供給でき、第1のオイルポンプを小型化できるため、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制できる。
また、内燃機関の始動時に駆動される電動モータを利用して油圧を供給することで、クラッチ装置を作動させるための高圧かつ多量のオイル必要な油圧を、内燃機関の始動直後に得ることができる。
さらに、相互に独立した複数の油路に、第1のオイルポンプ及び第2のオイルポンプを分けて配置し、第2のオイルポンプの吐出側に、この吐出側の下流にのみオイルの流れを許容する一方向弁が配置されたため、第2のオイルポンプの停止時に、第1のオイルポンプから供給されたオイルが第2のオイルポンプ側の油路に逆流することを防止でき、油圧の低下を防止できる。
また、第1のオイルポンプの下流側に第2のオイルポンプが設けられ、第2のオイルポンプを迂回するバイパス油路に、第2のオイルポンプの下流側にのみオイルの流れを許容する一方向弁が配置されたため、油路を単一の油路にでき、油路内に貯留されるオイル量を削減できる。このため、内燃機関が必要とするオイル量を低減でき、内燃機関の大型化及び重量増加を抑制できる。また、第2のオイルポンプの停止時には、バイパス油路を通して油圧作動機構に油圧を供給できる。
また、電動モータの出力軸と第2のオイルポンプとの間に設けられる歯車を変更することで、電動モータの回転数に対し、第2のオイルポンプの回転数を所望の回転数に容易に調整できる。
また、第2のオイルポンプは、電動モータの出力軸が配置される内燃機関の一側に対し、他側に設けられ、電動モータの出力軸の反対側のデッドスペースを利用して第2のオイルポンプを配置できるため、内燃機関の大型化を抑制できる。
さらに、第2のオイルポンプのポンプロータの歯数は、第1のオイルポンプのポンプロータの歯数よりも多く設定されているため、間欠的に駆動される第2のオイルポンプの吐出量を少なくして第2のオイルポンプの駆動トルクを小さくでき、電動モータによって第2のオイルポンプを容易に駆動できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の車体フレーム前部を側方から見た図である。 パワーユニットの左側面図である。 図3のIV−IV断面図である。 クランクケースの右側面図である。 発電機カバーを外した状態のクランクケースの左側面図である。 図6のVII−VII断面図である。 エンジンの潤滑装置の構成図である。 減速歯車列、アイドルギヤ及びポンプ駆動ギヤを示す構成図である。 潤滑装置の油圧特性を示す図である。 第2の実施の形態におけるエンジンの潤滑装置の構成図である。 クラッチカバーを外した状態のクランクケースの右側面図である。 第3の実施の形態において、第2オイルポンプを備えたエンジンの断面図である。 参考例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号Rは車体右方を示している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。この図1では、乗員(運転者)RDが搭乗した状態を示している。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、複数種の金属部品を溶接等により一体に結合してなり、ヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から後下方に延出する左右一対のメインフレーム12と、メインフレーム12から下方に延びてパワーユニットPの前端部を支持する左右一対のダウンフレーム13と、メインフレーム12の後端部に連結される左右一対のピボットフレーム14と、ピボットフレーム14後部に連結されて後上方に延びる左右一対のシートレール15と、ピボットフレーム14とシートレール15との間を架橋するバックステー16とを備えている。
また、ヘッドパイプ11とメインフレーム12との間には、上部補強フレーム17が掛け渡され、メインフレーム12とダウンフレーム13との間には、下部補強フレーム18が掛け渡されている。
図2は、自動二輪車1の車体フレーム2前部を側方から見た図である。
ヘッドパイプ11は、車両前部の車幅方向中心で後上がりに傾斜して配置され、左右一対のフロントフォーク20(図1参照)を左右に操舵自在に支持する。これらフロントフォーク20の下部には、図1に示すように、前輪21が回転自在に支持され、これらフロントフォーク20の上部には、操舵用のハンドル22が支持される。すなわち、ヘッドパイプ11は、自動二輪車1の操舵系を構成する操舵装置を支持している。
図2に示すように、左右のメインフレーム12は、ヘッドパイプ11の下部左右から側面視で後下方に傾斜して延びるとともに、車幅方向外側に拡がって後方へ延び、その後端が左右のピボットフレーム14(図1参照)の前上部に連結される。
左右のピボットフレーム14は、左右のメインフレーム12の後部から下方に延在し、その上下中間部にピボット軸24(図1参照)を支持する。このピボット軸24は、車幅方向に沿って支持され、このピボット軸24を介して、後部に後輪25(図1参照)を軸支するリヤアーム26(図1参照)を上下に揺動自在に支持する。
メインフレーム12、ダウンフレーム13及びピボットフレーム14で囲まれる車体前下部の領域には、車両駆動用のパワーユニットPが支持され、このパワーユニットPの上方に着座シート27(図1参照)が支持される。
図1に示すように、着座シート27は、運転者と同乗者とが跨いで着座可能に前後に延びる一体型シートに形成され、左右一対のシートレール15に支持されている。
また、この自動二輪車1は、車体フレーム2の略全体を覆う車体カウル3を有するフルカバータイプである。また、この自動二輪車1は、車体を地面に対して垂直の姿勢で駐車させるセンタースタンド4、及び、車体を左側に傾斜させた姿勢で駐車させるサイドスタンド5を備えている。
車体カウル3は、車体フレーム2の略全体を覆うフルカバータイプに構成されている。つまり、車体カウル3は、図1に示すように、ヘッドパイプ11を含む車体前部を覆うフロントカウル31と、フロントカウル31に連なり、乗員RDの足の前方を覆う左右一対のレッグシールド32と、レッグシールド32の下部から後方に延びる左右一対の足置き部33と、足置き部33の下方を覆うアンダーカバー34と、メインフレーム12を上方から覆うセンタートンネル部35と、足置き部33及びセンタートンネル部35に連なり、シートレール15及びバックステー16を覆うサイドカバー36とを備えている。
車体フレーム2には、前後に長い足置き部33を支持するために、パワーユニットPの左右を前後に延びる左右一対の支持フレーム19が設けられ、この左右一対の支持フレーム19上に左右一対の足置き部33が各々固定されるようになっている。
また、フロントカウル31は、ヘッドライト31Aを中心にして上下左右に拡大する大型フロントカウルを構成しており、後上がりに傾斜するウインドスクリーン31Bを備えている。また、前輪21の上方には、フロントフェンダ38が設けられ、後輪25の上方にはリヤフェンダ39が設けられ、着座シート27の後部左右には、左右一対のグラブレール28が設けられている。
次にパワーユニットPについて説明する。
図3はパワーユニットPの左側面図である。このパワーユニットPは、シリンダ部41がクランクケース42の前部から前上がりに立設する多気筒(本構成では2気筒)のエンジン(内燃機関)Eと、このエンジンEのクランクケース42内に設けられる変速機Mとを備えるユニットである。図2に示すように、このパワーユニットPは、複数のエンジンブラケット50を介して車体フレーム2に支持される。
シリンダ部41は、クランクケース42の前部につながるシリンダブロック41Aと、シリンダブロック41Aに結合されるシリンダヘッド41Bと、シリンダヘッド41Bに結合されるヘッドカバー41Cとを備える。また、クランクケース42の下部にはオイルパン43が結合される。
シリンダヘッド41Bの背面には、スロットルボディ45が接続され、このスロットルボディ45を介して燃料と空気とを混合した混合気がエンジンEに供給される。また、シリンダヘッド41Bの前面には、排気管46が接続され、この排気管46は、パワーユニットP下方を後方に延びて、後輪25の右側方に配置される排気マフラー47に接続されている。この排気管46の途中(シリンダ部41近傍の部位)には、触媒コンバータ48が設けられる。
クランクケース42は、クランク軸51を車幅方向に沿わせて支持する。このクランクケース42は、クランク軸51の軸線を通る水平面に沿う割り面で上下に分割可能とした上ケース半体42Aと下ケース半体42Bとを結合して構成され、シリンダブロック41Aは、上ケース半体42Aと一体に形成されている。
図4は、図3のIV−IV断面図である。
図4に示すように、クランクケース42の前部には、車幅方向に沿ってクランク軸51が回転自在に軸支される。クランク軸51は、クランクケース42の左右側壁61,62と左右側壁61,62間に設けられた支持壁63とに軸支される。
クランク軸51の左端部は、クランクケース42の左側壁61を貫通してクランクケース42外に突出し、この左側壁61の前部との間に発電機室65を空けて連結された発電機カバー66内に位置する。この発電機カバー66内には、クランク軸51の回転により発電する発電機67が配置されている。発電機67は、クランク軸51の軸端に固定されるロータ67Aと、発電機カバー66に固定されるステーター67Bとを有している。
クランク軸51の右端部は、クランクケース42の右側壁62を貫通してクランクケース42外に突出し、この右側壁62との間にクラッチ収納室68を空けて連結されたクラッチカバー69内に位置する。このクランク軸51の右端部には、クランク軸51の回転を変速機Mに伝達する駆動ギヤ70が設けられる。
変速機Mは、ツインクラッチ式変速機であり、ツインクラッチC1,C2(油圧作動機構)を有する変速機本体M1と、変速機本体M1の変速段を切り換える変速切替機構100(図3)とを備えている。
変速機本体M1は、内外シャフト71,72からなる二重構造のメイン軸73と、該メイン軸73と平行に配置されるカウンタ軸74とを有し、メイン軸73及びカウンタ軸74間に複数の変速段(本構成では6速)に対応する変速ギヤ列G1〜G6を有している。
図3及び図4に示すように、クランク軸51及びカウンタ軸74は、前後に間隔を空けてクランクケース42の割り面に平行に軸支され、カウンタ軸74がクランク軸51の後方に位置する。メイン軸73は、クランク軸51の後上方、且つ、カウンタ軸74の前上方に軸支され、クランク軸51とカウンタ軸74との間で割り面よりも上方に位置する。これによって、メイン軸73及びカウンタ軸74を含む変速機本体M1は、クランクケース42の後上部に収容される。
また、この軸配置によれば、各軸51,73,74を前後に間隔を詰めて配置でき、クランクケース42の前後長を抑えることができる。また、クランク軸51の前下方におけるクランクケース42内には、クランク軸51に連動して回転するバランサ80(図3参照)が収容されている。
図4に示すように、メイン軸73には、クランク軸51の右端部に設けられた駆動ギヤ70と噛み合う従動ギヤ75がメイン軸73に対し相対回転自在に設けられる。
メイン軸73は、複数の軸受76,77,78を介してクランクケース42の左右側壁61,62及びクラッチカバー69に回転自在に支持される。このメイン軸73は、左右に延在する内シャフト71の右側部を外シャフト72内に相対回転自在に挿通して構成され、外シャフト72の外周に従動ギヤ75が相対回転自在に設けられ、この従動ギヤ75がツインクラッチC1,C2を介して内外シャフト71,72に各々接続/切断される。ツインクラッチC1,C2は、従動ギヤ75を挟んでメイン軸73に同軸で対向配置されている。
図5は、クランクケース42の右側面図である。
ツインクラッチC1,C2は、クランク軸51の駆動トルクを伝達・遮断する油圧クラッチであり、ツインクラッチC1,C2と同じくクランクケース42の右側面側に設けられるクラッチ制御装置90から供給される油圧によって接続/切断が制御される。クラッチ制御装置90には、クランクケース42内の前部に設けられた第1オイルポンプ112によって油圧が供給される。第1オイルポンプ112は、クランクケース42の右側壁61とクラッチカバー69との間に設けられ、クランクケース42の右側面側に位置している。
クラッチ制御装置90は、クランク軸51よりも上方において、クラッチカバー69の外面部に取り付けられる第1油圧制御弁91及び第2油圧制御弁92を有している。第1油圧制御弁91及び第2油圧制御弁92は、車両のECU105(図8)によって制御され、互いに独立して動作する電磁弁であり、第1油圧制御弁91はツインクラッチC1の接続/切断を制御し、第2油圧制御弁92はツインクラッチC2の接続/切断を制御する。
第1油圧制御弁91及び第2油圧制御弁92の油圧は、メイン軸73の軸内油路94,95(図4)を通ってツインクラッチC1,C2にそれぞれ供給される。
内シャフト71は、ツインクラッチC1,C2の一方のクラッチC1を介して従動ギヤ75と断続(切断/接続)され、外シャフト72は、他方のクラッチC2を介して従動ギヤ75と断続(切断/接続)される。内シャフト71の外周には、複数の変速ギヤ列G1〜G6のうち、奇数変速段(1,3,5速)に対応する駆動ギヤが設けられ、外シャフト72には、偶数変速段(2,4,6速)に対応する駆動ギヤが設けられる。
カウンタ軸74は、左右の軸受81,82を介してクランクケース42の左右側壁61,62に回転自在に支持される。このカウンタ軸74には、複数の変速ギヤ列G1〜G6の従動ギヤがそれぞれ設けられる。
このカウンタ軸74の左端部は、クランクケース42の左側壁61を貫通してクランクケース42外に突出し、この突出部に駆動スプロケット85が取り付けられる。駆動スプロケット85には、チェーン86(図1,図3参照)が巻回され、このチェーン86を介して駆動スプロケット85の回転が後輪25に固定された被動スプロケット87(図1参照)に伝達され、後輪25が回転駆動される。
変速切替機構100は、電気モータで構成されるシフトアクチュエータ100A(図3)と、シフトアクチュエータ100Aによって回転されるシフトドラム(不図示)と、このシフトドラムの回転に連動して移動する複数のシフトフォーク(不図示)とを有している。変速機Mでは、シフトアクチュエータ100AがECU105の指示に基づいて駆動されることで、シフトフォークによって変速ギヤ列G1〜G6の軸方向の位置が変更され、メイン軸73及びカウンタ軸74間の動力伝達に用いる変速ギヤ列G1〜G6が切り換えられる。
シフトアクチュエータ100Aは、クランクケース42の下ケース半体42Bの左側壁61に取り付けられており、クランクケース42の外側に露出している。
図6は、発電機カバー66を外した状態のクランクケース42の左側面図である。図7は、図6のVII−VII断面図である。
図6及び図7に示すように、エンジンEを始動させる円筒状のスタータモータ53(電動モータ)は、シリンダ部41の背面に近接してクランクケース42の上面近傍に設けられ、その出力軸53Aはクランク軸51と略平行に延びるように配置されている。スタータモータ53は、エンジンEの始動時に回転する一方向のみに回転する。
スタータモータ53は、減速歯車列54を介してクランク軸51に連結されている。減速歯車列54は、スタータモータ53の出力軸53Aに噛み合う従動ギヤ55と、従動ギヤ55の前方で従動ギヤ55に噛み合うクランク軸駆動ギヤ56と、クランク軸51に設けられ、クランク軸駆動ギヤ56に噛み合ってクランク軸51と一体回転可能なクランク側従動ギヤ57とを有している。
クランク側従動ギヤ57は、クランク側従動ギヤ57の外周部に設けられたリング状のワンウェイクラッチ58(図7)を介して発電機67のロータ67Aに接続されている。ワンウェイクラッチ58は、エンジンEの始動時のスタータモータ53の回転方向の回転をクランク軸51に伝達し、この回転方向とは逆の回転は、空回りして伝達しないように構成されている。すなわち、エンジンEの始動時には、スタータモータ53の回転はクランク軸51に伝達されるが、エンジンEの始動後に、クランク軸51の回転数が、スタータモータ53が駆動するクランク側従動ギヤ57の回転数よりも高くなると、クランク軸51からの回転は、ワンウェイクラッチ58で空回りし、スタータモータ53に伝達されない。また、エンジンEの通常運転時に、スタータモータ53が駆動された場合、スタータモータ53が駆動するクランク側従動ギヤ57の回転数よりもエンジンEの回転数の方が高いため、スタータモータ53の駆動力はワンウェイクラッチ58で空回りし、エンジンEに伝達されない。
従動ギヤ55の後方には、従動ギヤ55に噛み合うアイドルギヤ59(歯車)と、アイドルギヤ59に噛み合うポンプ駆動ギヤ60とが設けられている。
従動ギヤ55、クランク軸駆動ギヤ56及びアイドルギヤ59は、クランクケース42の左側壁61と発電機カバー66との間に設けられた軸55A,56A,59Aによって支持されている。ポンプ駆動ギヤ60は、クランクケース42の左側壁61と発電機カバー66との間に設けられたポンプ駆動軸133に支持されている。
図8は、エンジンEの潤滑装置110の構成図である。
エンジンEは、エンジンE内の潤滑個所にオイルを送る潤滑装置110をクランクケース42に備えている。潤滑装置110は、オイルを貯留するオイルパン43と、オイルパン43から各潤滑箇所を通った後、クラッチ制御装置90に接続される潤滑油路111と、潤滑油路111に設けられる第1オイルポンプ112と、潤滑油路111とは独立してオイルパン43に接続され、下流端がクラッチ制御装置90に接続される補助油圧供給油路113と、補助油圧供給油路113に設けられる第2オイルポンプ114とを有している。
潤滑油路111は、各潤滑箇所に繋がるメインギャラリ115と、オイルパン43と第1オイルポンプ112とを接続する吸入油路116と、第1オイルポンプ112の吐出口をメインギャラリ115に接続する吐出油路117と、吐出油路117を吸入油路116に接続するリリーフ油路118と、メインギャラリ115から分岐してクラッチ制御装置90に接続される油圧供給油路119とを有している。吸入油路116の入口には、オイルパン43内に位置する吸入口116Aが設けられている。
リリーフ油路118には、吐出油路117の油圧が所定値を超えないように油圧を制限するリリーフバルブ120が設けられている。油圧供給油路119には、クラッチ制御装置90側へのオイルの流れのみを許容する第1一方向弁121が設けられている。
第1オイルポンプ112は、複数の歯車列を介してクランク軸51と連結されたトロコイド歯形の内接歯車ポンプであり、クランク軸51に駆動されてエンジンEの回転と同期し、エンジンEの回転数の増加に比例して第1オイルポンプ112の吐出圧は増加する。エンジンEの回転数の増加に伴って油圧が増加すると、リリーフバルブ120が動作することで一部のオイルはリリーフ油路118から吸入油路116に戻り、潤滑油路111の油圧は所定の油圧に調整される。リリーフバルブ120は、エンジンEの全回転域に亘り、エンジンEの要求油圧よりも高い所定の油圧で動作するように構成されている。
メインギャラリ115は、図7に示すように、クランクケース42の底部に形成された大径の油路であり、クランク軸51の軸方向に沿って延び、左右側壁61,62及び支持壁63の下部に跨って設けられている。メインギャラリ115には、下流側へ分岐する複数のサブギャラリ122が接続されており、メインギャラリ115は、各サブギャラリ122によって、クランク軸51、変速機M及びシリンダヘッド41Bの動弁機構49等の各潤滑部に接続されている。各潤滑部に供給されたオイルはエンジンE内を下方に流れ、オイルパン43に戻る。
図8に示すように、サブギャラリ122は、クランクケース42の左右側壁61,62(図7)及び支持壁63内を上方へ延びるクランク軸用サブギャラリ123を有しており、クランク軸用サブギャラリ123を介してクランク軸51の各滑り軸受部88にオイルが供給される。
クラッチカバー69側の右側壁62に形成されたクランク軸用サブギャラリ123は、下ケース半体42Bに形成されて滑り軸受部88に繋がる下部油路123Aと、上ケース半体42Aに形成され、滑り軸受部88を超えて右側壁62内を上方に延びる上部油路123Bとを有している。油圧供給油路119は、上部油路123Bの下流に設けられている。
補助油圧供給油路113は、オイルパン43と第2オイルポンプ114とを接続する吸入油路124と、第2オイルポンプ114の吐出口をクラッチ制御装置90に接続する吐出油路125と、吐出油路125を吸入油路124に接続するリリーフ油路126とを有している。この吸入油路124及び潤滑油路111の吸入油路116は上流端で繋がっており、吸入油路124及び吸入油路116の入口は共通である。リリーフ油路126には、リリーフバルブ127が設けられており、吐出油路125の油圧が所定値に達すると、リリーフバルブ127が作動し、オイルはリリーフバルブ127を通過して吸入油路124に戻り、油圧は所定の油圧に調整される。
吐出油路125には、クラッチ制御装置90側へのオイルの流れのみを許容する第2一方向弁128(一方向弁)が設けられている。第2一方向弁128及び第1一方向弁121は、ばねの付勢力によってボールを弁座に押圧して流路を閉じるワンウェイバルブである。
吐出油路125において第2一方向弁128の下流側には、潤滑油路111の油圧供給油路119の下流端が接続される合流部129が形成されており、潤滑油路111及び補助油圧供給油路113のオイルは合流部129で合流してクラッチ制御装置90に供給される。すなわち、潤滑油路111と補助油圧供給油路113とに分けて相互に並列に設けられた第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114によって加圧されたオイルは、合流部129で合流してクラッチ制御装置90に流れ、クラッチ制御装置90からツインクラッチC1,C2に供給される。
第2オイルポンプ114は、スタータモータ53に連結されており、スタータモータ53によって駆動される。スタータモータ53は、ECU105に接続されており、ECU105は、エンジンEの始動時の運転者によるスタータボタン130の操作に対応してスタータモータ53を駆動し、第2オイルポンプ114によって油圧をツインクラッチC1,C2に供給する。スタータボタン130はハンドル22の近傍に設けられている。
第2オイルポンプ114は、スタータモータ53の駆動に連動して駆動されるポンプロータ114Aを備えたトロコイド歯形の内接歯車ポンプである。第2オイルポンプ114のポンプロータ114A及び第1オイルポンプ112のポンプロータ112Aは、略同一の径を有しており、外周部に複数の歯を有している。第2オイルポンプ114のポンプロータ114Aの歯数(本実施の形態では8箇所)は、第1オイルポンプ112のポンプロータ112Aの歯数(本実施の形態では4箇所)よりも多く設定されており、第2オイルポンプ114の吐出量は第1オイルポンプ112よりも小さくなるとともに、第2オイルポンプ114は、第1オイルポンプ112よりも小さいトルクで回転する。このため、スタータモータ53によって容易に第2オイルポンプ114を駆動できる。
第2オイルポンプ114は、エンジンEの燃焼によってクランク軸51が回転中でスタータモータ53が回転されていないエンジンEの通常運転時には停止している。第2オイルポンプ114が停止している状態では、吐出油路125の第2一方向弁128によって、合流部129から第2オイルポンプ114へのオイルの流れが遮断される。このため、第2オイルポンプ114の停止時にオイルが第2オイルポンプ114側へ逆流することを防止でき、ツインクラッチC1,C2の油圧の低下を防止できる。
図5に示すように、補助油圧供給油路113、第2オイルポンプ114及び第2一方向弁128は、クラッチカバー69の内側において、クランクケース42の右側壁62側に設けられており、クラッチ制御装置90の近傍に設けられている。このように、第2オイルポンプ114を、車幅方向においてクラッチ制御装置90と同じ側に配置し、クラッチ制御装置90の近傍に設けたため、第2オイルポンプ114の油圧をクラッチ制御装置90に迅速にかつ高効率に伝達できる。
補助油圧供給油路113において合流部129(図8)の下流側には、吐出油路125から分岐して第1油圧制御弁91に接続される第1接続油路131と、吐出油路125から分岐して第2油圧制御弁92に接続される第2接続油路132とが設けられている。
図9は、減速歯車列54、アイドルギヤ59及びポンプ駆動ギヤ60を示す構成図である。図9では、スタータモータ53からワンウェイクラッチ58までの動力伝達経路が実線の矢印で示され、スタータモータ53からポンプ駆動ギヤ60までの動力伝達経路が破線の矢印で示されている。
図7及び図9に示すように、ポンプ駆動ギヤ60のポンプ駆動軸133は、クランク軸51と平行に車幅方向に延びる延長軸部133Aを有している。延長軸部133Aは、クランクケース42を一側の左側壁61から他側の右側壁62まで貫通して設けられ、接続軸部56Cの他側の端に第2オイルポンプ114のポンプロータ114Aが接続されている。
このように、クランクケース42の左側壁61側にスタータモータ53の出力軸53A、減速歯車列54及びポンプ駆動ギヤ60を配置し、ポンプ駆動ギヤ60の延長軸部133Aをクランクケース42の右側壁62まで延ばしたため、出力軸53A及び減速歯車列54とは反対側のデッドスペースに第2オイルポンプ114を配置でき、エンジンEの大型化を抑制できる。
また、従動ギヤ55とポンプ駆動ギヤ60との間にアイドルギヤ59を設けたため、アイドルギヤ59の設定を変えることで、スタータモータ53の回転数に対して第2オイルポンプ114の回転数を、必要な油圧に対応した所望の回転数に容易に調整できる。さらに、第2オイルポンプ114を駆動するために、スタータモータ53を特別な仕様にする必要がなく、構造を簡単にできる。
図10は、潤滑装置110の油圧特性を示す図である。
図10では、第1オイルポンプ112のエンジン回転数に対する吐出圧を破線で示し、第2オイルポンプ114に設定された油圧特性を2点鎖線で示すとともに、第1オイルポンプ112と第2オイルポンプ114との油圧を合計した合計油圧を太い実線で示す。また、図10には、従来のオイルポンプの油圧特性を実線で示した。
潤滑装置110は、第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114の駆動状態の変化に対応して油圧特性が変化し、エンジンEの始動から始動直後までの始動域Xと、エンジンEが始動されてから第1オイルポンプ112のリリーフバルブ120がリリーフを開始するまでの過渡域Yと、過渡域Yよりも油圧が高くなる通常域Zとを有している。
始動域Xは、スタータボタン130が操作されてからエンジンEが始動し、油圧がエンジンEの始動直後におけるツインクラッチC1,C2の初期要求油圧Fを十分に上回るまでの区間である。始動域Xでは、運転者によってスタータボタン130が操作されると、ECU105は、スタータボタン130が操作されている期間だけ、スタータモータ53を回転駆動するとともに、スロットルボディ45及び点火装置(不図示)等を駆動し、エンジンEを始動させるための制御を行う。始動域Xでは、ECU105は、スタータモータ53をスタータモータ53の最高回転数で回転させる。エンジンEの始動後に、エンジン回転数が、油圧が初期要求油圧Fを十分に上回る回転数に達したことが検出されると、ECU105は、過渡域Yの処理に移行する。
スタータモータ53が回転されると、図7及び図9に示すように、減速歯車列54を介して駆動されるクランク軸51に連動して第1オイルポンプ112が駆動されるとともに、ポンプ駆動ギヤ60及び延長軸部133Aを介して第2オイルポンプ114が駆動され、両方の第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114の力によってオイルが各部に供給される。
詳細には、図8に示すように、潤滑油路111では、オイルパン43のオイルは、吸入油路116及び吐出油路117を通ってメインギャラリ115に至り、メインギャラリ115から各サブギャラリ122を通って各潤滑部に供給され、右側壁62のクランク軸用サブギャラリ123に供給されたオイルは、油圧供給油路119に流れ、合流部129で合流する。スタータボタン130が操作されてエンジンEがクランキングされている間は、スタータモータ53によって第2オイルポンプ114が駆動されており、補助油圧供給油路113のオイルは、第2オイルポンプ114によって圧送され、第2一方向弁128を通って合流部129で合流し、クラッチ制御装置90を経てツインクラッチC1,C2に供給される。
このように、スタータモータ53によって第2オイルポンプ114を駆動するため、第2オイルポンプ114を駆動する専用のモータを設ける必要がなく、エンジンEの大型化及び重量増加を抑制できる。また、エンジンEの始動時に、互いに並列に設けられた第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114によって油圧を供給するため、第1オイルポンプ112のみによって油圧を供給する構成に比して、供給する油量を増加させることができるとともに、油圧を速やかに上昇させることができ、ツインクラッチC1,C2が正しく動作する油圧をエンジンEの始動直後に得ることができる。
また、エンジンEの始動直後には、オイルがツインクラッチC1,C2まで行き渡りにくい状態であるにもかかわらず、ツインクラッチC1,C2に十分な油圧を供給する必要があるが、エンジンEを始動させる際に駆動されるスタータモータ53を利用し、スタータモータ53に連動させて第2オイルポンプ114を駆動するため、簡単な構成でツインクラッチC1,C2に油圧を供給できる。
図10に示す従来のオイルポンプでは、始動時に、1つのオイルポンプのみで油圧を素早く立ち上げることが可能なように、本実施の形態の第1オイルポンプ112よりも油圧の立ち上がりが早くなっているが、その分、オイルポンプが大型化している。また、従来のオイルポンプでは、リリーフバルブでリリーフされるロスも大きくなるため、エネルギー損失が大きい。
本実施の形態では、エンジンEの始動の際にスタータモータ53に連動して第2オイルポンプ114が駆動され、第1オイルポンプ112に加えて第2オイルポンプ114によっても油圧が得られるため、素早い油圧の立ち上がりを得ることができ、エンジンEの始動直後でもツインクラッチC1,C2を切り替えることができる。また、エンジンEの始動時の必要な時のみに第2オイルポンプ114を駆動し、始動後の通常運転時には小型の第1オイルポンプ112だけによって油圧を得るため、オイルポンプによるエネルギー損失を低減することができる。
過渡域Yでは、エンジンEは、燃料の燃焼によって運転される点火燃焼状態にある。過渡域Yでは、ECU105は、エンジン回転数に基づいてスタータモータ53を独立して駆動して第2オイルポンプ114によって油圧を供給し、エンジン回転数が増加するに従って、スタータモータ53の回転数を徐々に低下させ、第2オイルポンプ114の回転数を下げる。エンジン回転数が、第1オイルポンプ112のリリーフバルブ120が作動する回転数に達すると、ECU105は、通常域Zの処理に移行する。
過渡域Yでは、ECU105は、スタータモータ53の駆動によるクランク側従動ギヤ57の回転数が、エンジン回転数(クランク軸51の回転数)を上回らない範囲で、スタータモータ53を駆動する。これにより、点火燃焼状態においてスタータモータ53が駆動されても、スタータモータ53の駆動力はワンウェイクラッチ58で空回りするため、スタータモータ53の駆動力をエンジンEの回転に影響させずに、第2オイルポンプ114を駆動することができる。
過渡域Yの動作は、始動域Xから過渡域Yに移行した際だけでなく、通常域Zから過渡域Yに移行した際にも行われる。すなわち、自動二輪車1の走行中にエンジンEが低回転で運転され、第1オイルポンプ112の吐出圧が小さくなった場合にも、第2オイルポンプ114の駆動によって油圧を得ることができ、ツインクラッチC1,C2に常に適正な油圧を供給できる。
このように、エンジンEが始動した後にも、スタータモータ53を駆動して第2オイルポンプ114によって油圧を供給するため、エンジンEの始動直後等の低回転時で第1オイルポンプ112の吐出圧が低い状態においても、ツインクラッチC1,C2に適正な油圧を供給できる。また、エンジン回転数の上昇に伴って増加する第1オイルポンプ112の吐出圧に応じて、スタータモータ53の回転数を低下させるため、スタータモータ53の駆動によるエネルギーのロスを低減できる。
通常域Zでは、第1オイルポンプ112のみによってツインクラッチC1,C2に油圧が供給される。通常域Zでは、第1オイルポンプ112によって十分に高い油圧を得ることができるため、ECU105は、スタータモータ53を駆動せず、第2オイルポンプ114による油圧の供給は行われない。
以上説明したように、本第1の実施の形態によれば、ツインクラッチC1,C2に油圧を供給する第2オイルポンプ114を、エンジンEの始動時に作動してワンウェイクラッチ58を介してクランク軸51を強制回転させるスタータモータ53によって駆動するため、クランク軸51に連動して駆動される第1オイルポンプ112の吐出容量を小さくでき、第1オイルポンプ112の小型化を可能にして第1オイルポンプ112の駆動トルクを低減できるとともに、電動モータであるスタータモータ53を利用して第2オイルポンプ114を駆動することで、第2オイルポンプ114の駆動用の専用のモータを設ける必要がなく、エンジンEの大型化及び重量増加を抑制することができる。
また、エンジンEが始動された後の点火燃焼状態において、スタータモータ53によるクランク軸51のクランク側従動ギヤ57の回転数が点火燃焼によるクランク軸51の回転数を上回らない範囲で、スタータモータ53を駆動制御するため、始動後の運転時にスタータモータ53を駆動した場合に、スタータモータ53の駆動トルクは、ワンウェイクラッチ58の作用によって、クランク軸51に伝達されない。これにより、始動時以外においても、ツインクラッチC1,C2が油圧を必要とするときに、スタータモータ53を独立して制御して、ツインクラッチC1,C2に油圧を供給でき、第1オイルポンプ112を小型化できるため、エンジンEの大型化及び重量増加を抑制できる。
また、油圧作動機構が油圧式のツインクラッチC1,C2である構成では、エンジンEの始動直後に、発進の準備として、ツインクラッチC1,C2を作動させるための高圧かつ多量のオイルが必要になるが、エンジンEの始動時に駆動されるスタータモータ53を利用して油圧を供給することで、必要な油圧を得ることができる。また、ツインクラッチC1,C2を作動させるための油圧は、始動用のスタータモータ53の作動特性を大きく変えなくとも得ることができる。
さらに、ツインクラッチC1,C2への相互に独立した複数の潤滑油路111及び補助油圧供給油路113に、第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114を分けて配置し、第2オイルポンプ114の吐出側に、この吐出側の下流にのみオイルの流れを許容する第2一方向弁128が配置されたため、第2オイルポンプ114の停止時に、第1オイルポンプ112から供給されたオイルが第2オイルポンプ114側の油路に逆流することを防止でき、油圧の低下を防止できる。
また、第2オイルポンプ114は、スタータモータ53の出力軸53Aと第2オイルポンプ114との間に設けられるアイドルギヤ59によってスタータモータ53に接続され、スタータモータ53に連動するため、アイドルギヤ59を変更することで、スタータモータ53の回転数に対し、第2オイルポンプ114の回転数を所望の回転数に容易に調整できる。
さらに、スタータモータ53の出力軸53Aは、クランク軸51に平行な向きでエンジンEに設けられ、第2オイルポンプ114は、出力軸53Aが配置されるエンジンEの一側である左側壁61側に対し、他側である右側壁62側に設けられ、スタータモータ53の出力軸53Aの反対側のデッドスペースを利用して第2オイルポンプ114を配置できるため、エンジンEの大型化を抑制できる。
また、第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114はトロコイド歯形の内接歯車ポンプで構成され、第2オイルポンプ114のポンプロータ114Aの歯数は、第1オイルポンプ112のポンプロータ112Aの歯数よりも多く設定されているため、間欠的に駆動される第2オイルポンプ114の吐出量を少なくして第2オイルポンプ114の駆動トルクを小さくでき、スタータモータ53によって第2オイルポンプ114を容易に駆動できる。
上述した第1の実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
上記第1の実施の形態では、ECU105は、エンジン回転数に基づいて、始動域X、過渡域Y及び通常域Zの移行を行うものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ツインクラッチC1,C2の油圧を検出する油圧センサを設け、油圧センサの検出値に基づいて、油圧が初期要求油圧Fを十分上回った場合に、始動域Xから過渡域Yの処理に移行し、リリーフバルブ120が作動する圧力で過渡域Yから通常域Zの処理に移行する構成としても良い。
[第2の実施の形態]
以下、図11及び図12を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、第1オイルポンプ112は潤滑油路111に設けられ、第2オイルポンプ114は、潤滑油路111とは独立した補助油圧供給油路113に設けられるものとして説明したが、本第2の実施の形態は、第2オイルポンプ154が、潤滑油路111において第1オイルポンプ112の下流側に設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図11は、第2の実施の形態におけるエンジンEの潤滑装置150の構成図である。
潤滑装置150は、潤滑油路111を有し、潤滑油路111は、メインギャラリ115の下流のクランク軸用サブギャラリ123からクラッチ制御装置90に接続される油圧供給油路159を有している。この油圧供給油路159には、スタータモータ53に連結された第2オイルポンプ154が設けられている。スタータモータ53は、ECU105によって駆動を制御される。
図12は、クラッチカバー69を外した状態のクランクケース42の右側面図である。
図11及び図12を参照し、油圧供給油路159は、クランク軸用サブギャラリ123と第2オイルポンプ154とを接続する第2ポンプ吸入油路160と、第2オイルポンプ154の吐出口をクラッチ制御装置90に接続する第2ポンプ吐出油路161と、第2オイルポンプ154を迂回して第2ポンプ吸入油路160と第2ポンプ吐出油路161とを接続するバイパス油路163と、第2オイルポンプ154を迂回して第2ポンプ吐出油路161と第2ポンプ吸入油路160とを接続するリリーフ油路164とを有している。
第2ポンプ吐出油路161の下流端には、第1油圧制御弁91に接続される第1接続油路131と、第2油圧制御弁92に接続される第2接続油路132とが設けられている。
バイパス油路163には、第2ポンプ吸入油路160から第2オイルポンプ154の下流側の第2ポンプ吐出油路161へ流れる方向にのみオイルの流れを許容する一方向弁165が配置されている。一方向弁165は、ばねの付勢力によってボールを弁座に押圧して流路を閉じるワンウェイバルブである。
リリーフ油路164には、第2ポンプ吐出油路161の油圧が所定値を超えないように油圧を制限するリリーフバルブ166が設けられている。リリーフ油路164の入口は、バイパス油路163の出口よりも下流に設けられており、油圧が所定値を超えたことによってリリーフバルブ166を通過したオイルは、第2ポンプ吸入油路160に戻る。
第2の実施の形態では、第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114は、オイルパン43とクラッチ制御装置90とを繋ぐ単一の潤滑油路111に設けられており、第1オイルポンプ112の下流側にバイパス油路163が設けられることで、第2オイルポンプ114は、第1オイルポンプ112に対して並列に設けられている。
第2オイルポンプ154は、第1の実施の形態の第2オイルポンプ114と同様に構成されたトロコイド歯形の内接歯車ポンプであり、延長軸部133A(図9)の端に設けられたポンプロータ154Aがスタータモータ53によって駆動されることでオイルを圧送する。
図12に示すように、第2オイルポンプ154及び一方向弁165は、クラッチカバー69側に設けられ、上ケース半体42Aの右側壁62とクラッチカバー69との間に互いに近接して配置されている。第2オイルポンプ154は、上部油路123Bにおいて上方に延びる第2ポンプ吸入油路160の上端に設けられ、第2ポンプ吐出油路161は、第2オイルポンプ154から下方に下ってバイパス油路163の出口に接続され、この出口から上方に延びてクラッチ制御装置90に接続される。
スタータモータ53が駆動されると、クランク軸51に連動して第1オイルポンプ112が駆動されるとともに、延長軸部133Aを介して第2オイルポンプ154が駆動され、オイルパン43のオイルは第1オイルポンプ112によって潤滑油路111内に圧送される。また、油圧供給油路159では、オイルは、第2オイルポンプ154によってさらに油圧が高められ、バイパス油路163を通らずに、第2ポンプ吸入油路160から第2オイルポンプ154を通り、第2ポンプ吐出油路161を通ってクラッチ制御装置90に供給される。第2オイルポンプ154が駆動されると、バイパス油路163の下流部163Bの油圧は、バイパス油路163の上流部163Aの油圧より高くなるため、オイルは一方向弁165を通過しなくなり、第2ポンプ吸入油路160を通ってクラッチ制御装置90へ流れる。
エンジンEの始動後に、スタータモータ53が停止され、第2オイルポンプ154が停止されると、オイルは、第1オイルポンプ112のみによって圧送され、第2オイルポンプ154をほとんど通過せずに、一方向弁165及びバイパス油路163を通り、第2ポンプ吐出油路161からクラッチ制御装置90に供給される。
ECU105は、上記第1の実施の形態と同様に、スタータモータ53の駆動を制御する。
本第2の実施の形態によれば、オイルパン43からツインクラッチC1,C2へ繋がる潤滑油路111の途中に第1オイルポンプ112が設けられるとともに、第1オイルポンプ112の下流側に第2オイルポンプ154が設けられ、潤滑油路111は、第2オイルポンプ154を迂回するバイパス油路163を有し、このバイパス油路163に、第2オイルポンプ154の下流側の第2ポンプ吐出油路161にのみオイルの流れを許容する一方向弁165が配置されたため、潤滑油路111を単一の油路にでき、潤滑油路111内に貯留されるオイル量を削減できる。このため、エンジンEが必要とするオイル量を低減でき、エンジンEの大型化及び重量増加を抑制できる。また、第2オイルポンプ154の停止時には、バイパス油路163を通して第1オイルポンプ112のみによってツインクラッチC1,C2に油圧を供給できる。
[第3の実施の形態]
以下、図13を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、第2オイルポンプ114は、スタータモータ53の動力によって駆動され、油圧をツインクラッチC1,C2に供給するものとして説明したが、本第3の実施の形態は、第2オイルポンプ114が、エンジン200の可変動弁機構204(油圧作動機構)を駆動する油圧式の駆動機構に油圧を供給する点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図13は、第3の実施の形態において、第2オイルポンプ114を備えたエンジン200の断面図である。
図13に示すエンジン200は、クランクケース42に連結されるシリンダ(不図示)と、このシリンダに連結されるシリンダヘッド201とを有し、シリンダヘッド201には、排気バルブ202と、吸気バルブ(不図示)と、排気バルブ202及び吸気バルブのリフト量、作動時間及び作動時期等のバルブの動作を変更可能な可変動弁機構204とが設けられている。
可変動弁機構204は、排気バルブ202と、吸気バルブと、シリンダヘッド201に支持され、クランク軸51に駆動されるカムシャフト205、排気バルブ202及び吸気バルブの動作を変更する駆動機構(不図示)を有している。
本第3の実施の形態では、図8に示す補助油圧供給油路113において第2オイルポンプ114の下流の油路は、クラッチ制御装置90ではなく、シリンダヘッド201に設けられた油路207を通ってカムシャフト205に接続されている。さらに、油路207は、油路207から分岐した油路208を有し、油路208は、可変動弁機構204の上記駆動機構に接続されている。
エンジン200の始動時には、スタータモータ53に連動して第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114が駆動され、第1オイルポンプ112及び第2オイルポンプ114の両方によって、上記駆動機構にオイルが供給される。このため、油圧を速やかに上昇させることができ、上記駆動機構が正しく動作する油圧をエンジン200の始動直後に得ることができる。
図14は、参考例を示す断面図である。
図14に示すエンジン300は、排気バルブ302及び吸気バルブ(不図示)のリフト量、作動時間及び作動時期等のバルブの動作を変更可能な可変動弁機構304をシリンダヘッド301に備えている。
可変動弁機構304は、排気バルブ302、吸気バルブ、カムシャフト305、及び、バルブの動作を変更する駆動機構(不図示)を有している。
エンジン300は、エンジン300のクランク軸(不図示)によって駆動されるオイルポンプ(不図示)を備え、このオイルポンプから吐出されるオイルは、クランク軸等に供給されるとともに、シリンダヘッド301に設けられた油路307を通ってカムシャフト305に潤滑油として供給される。また、上記駆動機構は、油路307から分岐した油路308によって供給されるオイルの油圧によって駆動される。
シリンダヘッド301には、上記駆動機構に油圧を供給する機械式のサブオイルポンプ309が設けられている。サブオイルポンプ309は、カムシャフト305の端部から軸方向に突出した駆動軸310を介してカムシャフト305に連結されており、カムシャフト305によって駆動される。サブオイルポンプ309は、油路307において油路308よりも上流の部分に接続される吸い込み油路311と、サブオイルポンプ309の吐出口を上記駆動機構に接続する吐出油路312とを有している。
エンジン300が始動されてカムシャフト305が回転すると、カムシャフト305に連動してサブオイルポンプ309が駆動され、吸い込み油路311を介して油路307から吸い込まれたオイルは、サブオイルポンプ309によって昇圧されて吐出油路312から上記駆動機構に駆動される。このように、上記オイルポンプだけでなく、カムシャフト305に駆動されるサブオイルポンプ309によっても上記駆動機構に油圧を供給するため、オイルポンプから離れた上記駆動機構にも十分な油圧を供給でき、可変動弁機構304を確実に作動させることができる。
C1,C2 ツインクラッチ(油圧作動機構)
51 クランク軸
53 スタータモータ(電動モータ)
53A 出力軸
58 ワンウェイクラッチ
59 アイドルギヤ(歯車)
112 第1オイルポンプ(第1のオイルポンプ)
112A ポンプロータ(第1のオイルポンプのポンプロータ)
114 第2オイルポンプ(第2のオイルポンプ)
114A ポンプロータ(第2のオイルポンプのポンプロータ)
128 第2一方向弁(一方向弁)
154 第2オイルポンプ(第2のオイルポンプ)
154A ポンプロータ(第2のオイルポンプのポンプロータ)
163 バイパス油路
165 一方向弁
E,200 エンジン(内燃機関)
204 可変動弁機構(油圧作動機構)

Claims (7)

  1. 内燃機関(E,200)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2,204)と、前記内燃機関(E,200)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E,200)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(114,154)とを備えた油圧供給構造において、
    前記内燃機関(E,200)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(114,154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(114,154)を駆動する電動モータ(53)を備え
    前記内燃機関(E,200)が始動された後の点火燃焼状態において、前記電動モータ(53)による前記クランク軸(51)の回転数が点火燃焼による前記クランク軸(51)の回転数を上回らない範囲で、前記電動モータ(53)を駆動制御することを特徴とする油圧供給構造。
  2. 内燃機関(E)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2)と、前記内燃機関(E)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(154)とを備えた油圧供給構造において、
    前記内燃機関(E)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(154)を駆動する電動モータ(53)を備え、
    前記油圧作動機構(C1,C2)への油路の途中に前記第1のオイルポンプ(112)が設けられるとともに、当該第1のオイルポンプ(112)の下流側に前記第2のオイルポンプ(154)が設けられ、
    前記油路は、前記第2のオイルポンプ(154)を迂回するバイパス油路(163)を有し、当該バイパス油路(163)に、前記第2のオイルポンプ(154)の下流側にのみオイルの流れを許容する一方向弁(165)が配置されたことを特徴とする油圧供給構造。
  3. 内燃機関(E,200)に設けられて油圧により駆動される油圧作動機構(C1,C2,204)と、前記内燃機関(E,200)のクランク軸(51)に連動して駆動され、前記内燃機関(E,200)の各部及び前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第1のオイルポンプ(112)と、電気駆動され、前記第1のオイルポンプ(112)が設けられた油路とは並列に前記油圧作動機構(C1,C2,204)にオイルを供給する第2のオイルポンプ(114,154)とを備えた油圧供給構造において、
    前記内燃機関(E,200)の始動時に作動し、ワンウェイクラッチ(58)を介して前記クランク軸(51)を強制回転させるとともに、前記第2のオイルポンプ(114,154)に連結されて当該第2のオイルポンプ(114,154)を駆動する電動モータ(53)を備え、
    前記第2のオイルポンプ(114,154)は、前記電動モータ(53)の出力軸(53A)と前記第2のオイルポンプ(114,154)との間に設けられる歯車(59)によって前記電動モータ(53)に接続され、前記電動モータ(53)に連動することを特徴とする油圧供給構造。
  4. 前記油圧作動機構(C1,C2)は、前記クランク軸(51)の駆動トルクを伝達・遮断する油圧式のクラッチ装置(C1,C2)であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の油圧供給構造。
  5. 前記油圧作動機構(C1,C2)への油路は相互に独立して複数設けられ、当該各油路の途中に前記第1のオイルポンプ(112)及び前記第2のオイルポンプ(114)が配設され、前記第2のオイルポンプ(114)の吐出側に、当該吐出側の下流にのみオイルの流れを許容する一方向弁(128)が配置されたことを特徴とする請求項1または3記載の油圧供給構造。
  6. 前記電動モータ(53)の前記出力軸(53A)は、前記クランク軸(51)に平行な向きで前記内燃機関(E)に設けられ、前記第2のオイルポンプ(114,154)は、前記出力軸(53A)が配置される前記内燃機関(E)の一側に対し、他側に設けられることを特徴とする請求項記載の油圧供給構造。
  7. 前記第1のオイルポンプ(112)及び前記第2のオイルポンプ(114,154)はトロコイド歯形ポンプで構成され、前記第2のオイルポンプ(114,154)のポンプロータ(114A,154A)の歯数は、前記第1のオイルポンプ(112)のポンプロータ(112A)の歯数よりも多く設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の油圧供給構造。
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