上述したように、遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた所定の始動入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態を発生させるか否か当落抽選を行い、これに伴い特別表示装置において識別情報が変動表示され、前記当落抽選の抽選結果に基づいた特定態様で識別情報が停止表示されると、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
近年、パチンコ機の遊技仕様によっては、大当たり状態の終了後、例えば高確率モード(いわゆる確変モード)や時間短縮モードといった、通常モードよりも遊技者に有利な特定モードが付与されるように構成されているものも多い(例えば、特許文献1参照)。
遊技状態が高確率モードである場合には、大当たり状態の当落抽選における当選確率が通常モードに比べて高められることに加えて、遊技球が減りにくい状況となる。
例えば、始動入球手段が遊技球の入球困難な閉状態と入球容易な開状態とに切り換わる入球手段であり、スルーゲート等の入球手段へ遊技球が入球するのを契機に当落抽選を行うとともに、所定の表示装置において変動表示を行った後、当該抽選結果に基づく停止表示を行い、特定の停止態様で停止表示された場合に、始動入球手段が規定時間又は規定個数の入球があるまで開状態となる構成においては、大当たり状態や始動入球手段開閉に関わる当落抽選により当選結果が得られる確率を通常モードに比べて高めること、大当たり状態や始動入球手段開閉の当落抽選に関わる変動表示時間を短くすること、始動入球手段が開状態となる規定時間を通常モードに比べて長くすることなどが行われる。一方、時間短縮モードでは、大当たり状態に関わる当選確率は通常モードと同じであるが、その他の処理に関しては高確率モード時と同様に行われ、遊技球が減りにくい状況となる。
なお、この種のパチンコ機では、遊技球が入球手段へ入球したタイミングで大当たり状態の当落抽選を行い、当該抽選結果に基づき上記変動表示の態様を決定している。従って、変動表示が開始される少なくとも前段階(例えば変動開始の設定処理ルーチン中)において、大当たり状態の発生及び発生中を判別するための大当たり状態判別情報(例えば大当たりフラグ等)を設定する。
しかしながら、例えば制御処理の簡素化を図るため、特定モードの発生及び発生中を判別するためのモード判別情報などの設定を、大当たり状態判別情報の設定とともに、変動表示が開始される少なくとも前段階において行おうとした場合、大当たり状態の終了後でないにも関わらず、大当たり状態の発生中においてもモード判別情報に基づき特定モード中であると判断し、特定モード中の制御と同様の制御が行われてしまうおそれがある。例えば、上記従来技術のように、始動入球手段開閉に関わる当落抽選により当選結果が得られる確率を通常モードに比べて高めること、始動入球手段開閉の当落抽選に関わる変動表示時間を短くすること、始動入球手段が開状態となる規定時間を通常モードに比べて長くすることなどが行われ、特定モード中と同様に遊技球が減りにくい状況となる。つまり、大当たり状態の発生中における遊技球の使用量が減り、結果として遊技者が獲得する賞球数が増えてしまうおそれがある。また、大当たり状態の当落抽選とともに特定モードを付与するか否かの決定を行い、この結果に基づき特定モードが付与されたり、付与されなかったりする構成においては、大当たり状態の発生中において特定モードの付与有りの場合と、特定モード付与無しの場合とでは、上記同様の理由により、遊技者が獲得する賞球数の数に極端な違いが生じてしまうおそれがある。ひいては遊技価値の獲得に係る遊技機の性能に著しい影響を及ぼすおそれがある。
尚、かかる課題は、パチンコ機に限られず、スロットマシン等の他の遊技機にも内在する深刻なものである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技価値の獲得に係る性能に及ぼす影響を低減することのできる遊技機を提供することである。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.所定の契機発生手段からの信号入力を契機にして所定の当落抽選処理を行う抽選手段と、
前記当落抽選処理により当選結果を得た場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を実行可能な特別遊技状態発生手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な特定モード(特定状態)とに切換設定可能な切換設定手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記特定モードを設定するか否かを決定するモード決定手段とを備えた遊技機において、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定し、特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報を設定し、モード判別を行う際にはモード発生中情報を参酌するといった構成とすることにより、特別遊技状態の発生中において、特定モード中の制御と同様の制御が行われてしまうおそれを抑制することができる。ひいては、所定条件成立(例えば契機発生手段からの信号入力)を契機にして所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段を備えている場合などにおいて、遊技価値の獲得に係る性能に及ぼす影響を低減することができる。従って、「所定条件成立(例えば少なくとも前記契機発生手段からの信号入力)を契機にして所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段を備えている」構成とすれば、上記手段の作用効果がより発揮される(以下の手段においても同様)。特に、本手段のように特定モードが付与されたり、付与されなかったりする構成で、従来同様の構成であれば、特別遊技状態の発生中において特定モードの付与有りの場合と、特定モード付与無しの場合とで、遊技者が獲得する遊技価値の数に極端な違いが生じてしまうおそれがあるが、そのような不具合は上述したように本手段により抑制される。
また、以下の手段においても同様であるが、「契機発生手段」としては、例えば「遊技領域内に設けられた所定の入球手段への遊技球の入球を検知する検知手段」や、「表示手段において変動表示を開始させるための始動用操作手段が操作されたことを検知する検知手段」等が態様例として挙げられる。また、上記特定モードには、当落抽選処理における当選確率を通常モード中の当選確率より高くした遊技モード(高確率モード)などが含まれる。また、特定モードには、次回の特別遊技状態が発生されるまでの間継続される遊技モードも含まれる。また、モード発生確定情報としては、例えば、特別遊技状態の終了後の遊技モードに特定モードを設定することを示すフラグ値「1」や、特別遊技状態の終了後の遊技モードに特定モードを設定しないことを示すフラグ値「0」などが設定される。一方、モード発生中情報としては、モード発生確定情報(フラグ値「1」,「0」)に対応して、例えば特定モード中であることを示すフラグ値「1」や、特定モード中でないことを示すフラグ値「0」が設定される。なお、モード発生確定情報は上記モード決定手段の決定結果に基づき決定され、当該モード発生確定情報に基づいてモード発生中情報が決定される。
手段2.所定の契機発生手段からの信号入力を契機にして所定の当落抽選処理を行う抽選手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モード(特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記複数の特定モードのうちのいずれにするのかを決定するモード決定手段とを備えた遊技機において、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段2によれば、複数の特定モードが付与される構成においても、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
手段3.前記確定情報設定手段は、前記複数の特定モード各々に対応した複数の前記モード発生確定情報を設定可能に構成され、
前記発生中情報設定手段は、前記複数のモード発生確定情報と同一内容の情報を、当該複数のモード発生確定情報各々に対応した複数の前記モード発生中情報として設定可能に構成されていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、各特定モード毎にモード発生確定情報及びモード発生中情報を設定することにより、制御プログラム等の簡素化が図られる。さらには、制御プログラムのデバックを実行する際にバグを見つけやすくなる、遊技機の遊技仕様変更を効率よく比較的容易に行うことができるなどのメリットがある。
手段4.所定の契機発生手段からの信号入力を契機にして所定の当落抽選処理を行う抽選手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードにするのか、又は、前記第2特定モードにするのかを決定するモード決定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は第2特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記第1特定モード中又は第2特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段4によれば、上記手段1,2と同様の作用効果が奏される。
手段5.所定時間の変動表示を行った後、前記当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段を備え、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理、前記遊技モードの切換設定処理及び前記表示手段に関わる制御処理を含む所定の遊技制御処理(ルーチン)を定期的に実行するよう構成され、
少なくとも前記特別遊技状態を発生させるか否かを判別するための特別遊技状態判別情報を設定する処理(ルーチン)と、前記モード発生確定情報を設定する処理(ルーチン)とを、前記遊技制御処理(ルーチン)のうちの前記表示手段における変動表示を開始する前段階に行われる特定の処理(ルーチン)内において判別情報設定処理(ルーチン)としてまとめて実行するようにしたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、モード発生確定情報を設定する処理ルーチン等を遊技制御処理ルーチンのうちの変動表示を開始する前段階に行われる特定の処理ルーチン内においてまとめて実行する。つまり、各種判別情報の設定処理等が別々の処理下において行われることなく、特定の処理ルーチン内において集約された状態で行われるため、制御処理の簡素化を図ることができる。さらには、プログラムのデバックを実行する際にバグを見つけやすくなるメリットもある。加えて、遊技機の遊技仕様を変更する際には、特定の処理ルーチン内に集約された上記各処理ルーチンの変更を行うだけで、効率よく容易に仕様変更を行うことができるメリットもある。なお、本手段の構成とした場合、上記課題でも述べたように、従来では、特別遊技状態の終了後でないにも関わらず、特別遊技状態の発生中においても特定モード中であると判断し、特定モード中の制御と同様の制御が行われてしまうおそれがあったが、このような不具合は上記各手段の構成により払拭される。
手段6.前記特定の処理(ルーチン)は、前記表示手段における変動表示を開始する変動開始処理(ルーチン)であることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
上記手段6によれば、変動開始処理ルーチンにおいて判別情報設定処理ルーチンが実行される。当落抽選処理に基づく抽選結果を表示手段における変動表示及び停止表示に反映させなければならないため、変動開始処理ルーチンにおいては少なくとも特別遊技状態を発生させるか否かを判別するための特別遊技状態判別情報を設定する。これに合わせて、モード発生確定情報を設定する処理ルーチンを行うことにより、さらなる制御処理の簡素化が図られる。
手段7.所定の契機発生手段からの信号入力を契機にして所定の当選確率で当落抽選処理を行う抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードにするのか、又は、前記第2特定モードにするのかを決定するモード決定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は第2特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記第1特定モード中又は第2特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段と、
前記表示手段における変動表示の実行回数を計数可能な変動回数計数手段とを備え、
前記モード決定手段は、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、
前記通常モード中において、前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードとすることを決定し、
前記第1特定モード中又は前記第2特定モード中において、前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第2特定モードとすることを決定するよう構成され、
前記切換設定手段は、
前記モード決定手段の決定に基づき、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モード又は前記第2特定モードに設定し、
前記第1特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記表示手段における変動表示の実行回数が第1規定変動回数に達した場合に当該第1特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定し、
前記第2特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記表示手段における変動表示の実行回数が前記第1規定変動回数より多い第2規定変動回数に達した場合に当該第2特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段7によれば、上記手段1等と同様の作用効果が奏される。さらに、通常モード中において特別遊技状態が発生した場合には、その終了後第1特定モードが設定され、表示手段における変動表示の実行回数が第1規定変動回数に達した場合に当該第1特定モードが終了し、通常モードへ切換えられる。また、第1特定モード中又は第2特定モード中において特別遊技状態が発生した場合には、その終了後第2特定モードが設定され、表示手段における変動表示の実行回数が第1規定変動回数より多い第2規定変動回数に達した場合に当該第2特定モードが終了し、通常モードへ切換えられる。
仮に、次回の特別遊技状態の発生まで継続される高確率モードの付与があると、通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的低く設定しなければならず、通常モード中において特別遊技状態が発生する確率が低く、遊技者にとっての興趣を低下させるおそれがあった。これに対し、通常モード中における当選確率を単に高めるだけでは、全体として特別遊技状態が発生しやすくなり過ぎて、遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が適正範囲を著しく逸脱するおそれがある。
これに鑑み、本手段では、特別遊技状態の終了後に特定モードを付与したり、付与しなかったりするのではなく、第1特定モード又は第2特定モードのどちらかを付与し、両モードともその継続期間に表示手段の変動表示に基づく上限を定めることにより、通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的高く設定し、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、仮に通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的高く設定した場合においても、遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が適正範囲を著しく逸脱するおそれを低減することができる。さらには、第1特定モード中又は第2特定モード中において特別遊技状態が発生した場合には、常にその終了後に継続期間のより長い特定モードである第2特定モードが設定されるようになっているため、場合によっては、比較的長い期間、第2特定モードが継続的に付与された状態で遊技者が遊技を行うことも可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。なお、以下の手段においても同様であるが、通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的高く設定したり、第2特定モードの有利性を高める場合には、前記第1規定変動回数と前記第2規定変動回数との差を比較的大きく設定することが好ましい。例えば、「前記第2規定変動回数(例えば100回)が前記第1規定変動回数(4回)の25倍以上であること」が一態様例として挙げられる。もちろん、特別遊技状態の当選確率を考慮しなければならないため、特別遊技状態の当選確率に対して前記第2規定変動回数が極端に大きくならないことが好ましい。例えば、「前記第2規定変動回数中に前記特別遊技状態が当選する期待値が2を超えないこと」が一態様例として挙げられる。例えば特別遊技状態の当選確率が60分の1の場合、第2規定変動回数が120回を超えないことが好ましい。一方、前記第1規定変動回数は特別遊技状態の当選確率に対して比較的小さいことが好ましい。例えば、「前記第1規定変動回数中に前記特別遊技状態が当選する期待値が1を超えないこと」が好ましい。より好ましい態様例としては「前記第1規定変動回数中に前記特別遊技状態が当選する期待値が0.1を超えないこと」が挙げられる。これらを考慮すると、例えば特別遊技状態の当選確率が60分の1、第1規定変動回数が4回、第2規定変動回数が100回のような設定が態様例として挙げられる。もちろん、上記手段の構成からも分かるように、前記第1規定変動回数が1以上であることは言うまでもない。
手段8.所定の契機発生手段からの信号入力を契機にして所定の当選確率で当落抽選処理を行う抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードにするのか、又は、前記第2特定モードにするのかを決定するモード決定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は前記第2特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
前記モード発生確定情報の設定とともに、前記表示手段における変動表示の実行回数で前記第1特定モードの設定期間を特定する第1設定期間情報、又は、前記表示手段における変動表示の実行回数で前記第2特定モードの設定期間を特定する第2設定期間情報を設定可能な期間情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記第1特定モード中又は第2特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段と、
少なくとも前記モード発生確定情報を基に前記第1特定モード又は第2特定モードの設定確定の有無を判別するモード発生確定判別手段と、
前記表示手段における変動表示の実行回数を計数可能な変動回数計数手段と、
前記第1設定期間情報又は第2設定期間情報と、前記変動回数計数手段による計数結果とを基に、前記第1特定モード又は前記第2特定モードの設定期間中であるか否かを判別する設定期間判別手段とを備え、
前記モード決定手段は、
前記モード判別手段の判別結果及び前記モード発生確定判別手段の判別結果に基づき、
前記通常モード中において、前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードとすることを決定し、
前記第1特定モード中又は前記第2特定モード中において、前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第2特定モードとすることを決定するよう構成され、
前記切換設定手段は、
前記モード決定手段の決定結果又は前記設定期間判別手段の判別結果に基づき、
前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モード又は前記第2特定モードに設定し、
前記第1特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記表示手段における変動表示の実行回数が前記第1設定期間情報に対応する第1規定変動回数に達した場合に当該第1特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定し、
前記第2特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記表示手段における変動表示の実行回数が前記第1規定変動回数より多い前記第2設定期間情報に対応する第2規定変動回数に達した場合に当該第2特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段8によれば、上記手段7と同様の作用効果が奏される。さらに、期間情報設定手段を備えることにより、特定モードの設定期間を管理する処理がより容易となり、制御の簡素化が図られる。加えて、モード決定手段が、モード判別手段の判別結果及びモード発生確定判別手段の判別結果に基づき遊技モードを決定できるように構成されているため、第1特定モード及び第2特定モードそれぞれに対応した別々のモード発生確定情報及びモード発生中情報を設定しなくとも、遊技モードの決定を行うことができ、制御の簡素化を図ることができる。例えばモード発生確定情報として設定されたフラグ値(特別遊技状態の終了後の遊技モードに特定モードを設定することを示すフラグ値「1」、又は、特別遊技状態の終了後の遊技モードに特定モードをしないことを示すフラグ値「0」)と、モード発生中情報として設定されたフラグ値(特定モード中であることを示すフラグ値「1」、又は、特定モード中でないことを示すフラグ値「0」)とを参酌して、両者の論理積演算(AND演算)を行い、論理積演算値が「1」の場合、すなわちモード発生確定情報(フラグ値)及びモード発生中情報(フラグ値)の値が共に「1」の場合には、特別遊技状態の終了後の遊技モードを第2特定モードに決定し、一方、論理積演算値が「0」の場合、すなわちモード発生確定情報(フラグ値)又はモード発生中情報(フラグ値)の値のどちらかの値が「0」の場合には、第1特定モードに決定する。また、「前記発生中情報設定手段は、前記設定期間判別手段の判別結果に基づき、前記第1特定モード又は前記第2特定モードの終了した場合に、前記モード発生中情報として、前記第1特定モード中又は第2特定モード中ではない旨の情報を設定する処理(リセット処理)を行う」よう構成されていれば、規定変動回数の経過後に、特定モードが継続されるといった不具合をより確実に防止することができる(以下の手段13においても同様)。
手段9.所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
少なくとも前記入球手段への遊技球の入球に基づき所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備え、
前記抽選手段は、前記契機発生手段としての前記入球検出手段からの信号入力を契機にして前記当落抽選処理を行うよう構成されていることを特徴とする手段7又は8に記載の遊技機。
手段10.少なくとも前記特別遊技状態の発生処理、前記遊技モードの切換設定処理及び前記表示手段に関わる制御処理を含む所定の遊技制御処理(ルーチン)を定期的に実行するよう構成され、
少なくとも前記特別遊技状態を発生させるか否かを判別するための特別遊技状態判別情報を設定する処理(ルーチン)と、前記モード発生確定情報を設定する処理(ルーチン)とを、前記遊技制御処理(ルーチン)のうちの前記表示手段における変動表示を開始する前段階に行われる特定の処理(ルーチン)内において判別情報設定処理(ルーチン)としてまとめて実行するようにしたことを特徴とする手段7乃至9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段10によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。
手段11.前記特定の処理(ルーチン)は、前記表示手段における変動表示を開始する変動開始処理(ルーチン)であることを特徴とする手段10に記載の遊技機。
上記手段11によれば、上記手段6と同様の作用効果が奏される。
手段12.所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が入球容易な開状態とに切換り可能な第1入球手段と、
前記第1入球手段へ入球した遊技球を検出する第1入球検出手段と、
前記第1入球検出手段からの信号入力を契機にして所定の第1当選確率で第1当落抽選処理を行う第1抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記第1当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第1表示手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、
前記第2入球手段へ入球した遊技球を検出する第2入球検出手段と、
前記第2入球検出手段からの信号入力を契機にして所定の第2当選確率で第2当落抽選処理を行う第2抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記第2当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第2表示手段と、
前記第2当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記第1入球手段を閉状態から開状態へ切換え、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が前記第1入球検出手段により検出された場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能な第1入球手段開閉制御手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードにするのか、又は、前記第2特定モードにするのかを決定するモード決定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は第2特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記第1特定モード中又は第2特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段と、
前記第1表示手段における変動表示の実行回数を計数可能な変動回数計数手段と、
少なくとも前記第1入球手段への遊技球の入球に基づき所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備え、
前記モード決定手段は、
少なくとも前記モード判別手段の判別結果に基づき、
前記通常モード中において、前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードとすることを決定し、
前記第1特定モード中又は前記第2特定モード中において、前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第2特定モードとすることを決定するよう構成され、
前記切換設定手段は、
前記モード決定手段の決定に基づき、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モード又は前記第2特定モードに設定し、
前記第1特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記第1表示手段における変動表示の実行回数が第1規定変動回数に達した場合に当該第1特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定し、
前記第2特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記第1表示手段における変動表示の実行回数が前記第1規定変動回数より多い第2規定変動回数に達した場合に当該第2特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段12によれば、上記手段7と同様の作用効果が奏される。なお、以下の手段においても同様であるが、第1入球手段における「遊技球が入球困難な閉状態」には、遊技球が入球不能な閉状態も含まれる。
手段13.所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域において、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が入球容易な開状態とに切換り可能な第1入球手段と、
前記第1入球手段へ入球した遊技球を検出する第1入球検出手段と、
前記第1入球検出手段からの信号入力を契機にして所定の第1当選確率で第1当落抽選処理を行う第1抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記第1当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第1表示手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段と、
前記遊技領域において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、
前記第2入球手段へ入球した遊技球を検出する第2入球検出手段と、
前記第2入球検出手段からの信号入力を契機にして所定の第2当選確率で第2当落抽選処理を行う第2抽選手段と、
所定時間の変動表示を行った後、前記第2当落抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第2表示手段と、
前記第2当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記第1入球手段を閉状態から開状態へ切換え、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が前記第1入球検出手段により検出された場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能な第1入球手段開閉制御手段と、
遊技モード(遊技状態)を、少なくとも通常モード(通常状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)と、前記通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)との間で切換設定可能な切換設定手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードにするのか、又は、前記第2特定モードにするのかを決定するモード決定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の開始前段階において、当該特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は第2特定モードを設定するか否かを判別するためのモード発生確定情報を設定可能な確定情報設定手段と、
前記モード発生確定情報の設定とともに、前記表示手段における変動表示の実行回数で前記第1特定モードの設定期間を特定する第1設定期間情報、又は、前記表示手段における変動表示の実行回数で前記第2特定モードの設定期間を特定する第2設定期間情報を設定可能な期間情報設定手段と、
少なくとも前記特別遊技状態の発生処理の終了時又は終了後段階において、前記モード発生確定情報と同一内容の情報を、前記第1特定モード中又は第2特定モード中であるか否かを判別するためのモード発生中情報として設定可能な発生中情報設定手段と、
少なくとも前記モード発生中情報を基に遊技モードを判別するモード判別手段と、
前記モード判別手段の判別結果に基づき、前記各モード中の遊技制御を行うモード遊技制御手段と、
少なくとも前記モード発生確定情報を基に前記第1特定モード又は第2特定モードの設定確定の有無を判別するモード発生確定判別手段と、
前記第1表示手段における変動表示の実行回数を計数可能な変動回数計数手段と、
前記第1設定期間情報又は第2設定期間情報と、前記変動回数計数手段による計数結果とを基に、前記第1特定モード又は前記第2特定モードの設定期間中であるか否かを判別する設定期間判別手段と、
少なくとも前記第1入球手段への遊技球の入球に基づき所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備え、
前記モード決定手段は、
前記モード判別手段の判別結果及び前記モード発生確定判別手段の判別結果に基づき、
前記通常モード中において、前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モードとすることを決定し、
前記第1特定モード中又は前記第2特定モード中において、前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第2特定モードとすることを決定するよう構成され、
前記切換設定手段は、
前記モード決定手段の決定結果又は前記設定期間判別手段の判別結果に基づき、
前記特別遊技状態の終了後の遊技モードを前記第1特定モード又は前記第2特定モードに設定し、
前記第1特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記第1表示手段における変動表示の実行回数が前記第1設定期間情報に対応する第1規定変動回数に達した場合に当該第1特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定し、
前記第2特定モードに設定した場合には、前記特別遊技状態の終了から、前記第1表示手段における変動表示の実行回数が前記第1規定変動回数より多い前記第2設定期間情報に対応する第2規定変動回数に達した場合に当該第2特定モードを終了し、遊技モードを前記通常モードに切換設定するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段13によれば、上記手段8,12と同様の作用効果が奏される。
手段14.前記第1特定モード及び前記第2特定モードは、前記第1当落抽選処理における前記第1当選確率が前記通常モード中の第1当選確率と同一であり、かつ、前記第1入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が前記通常モード中の割合より高い遊技モードとして設定されていることを特徴とする手段12又は13に記載の遊技機。
上記手段14によれば、第1特定モード及び第2特定モードは、第1当落抽選処理における第1当選確率が通常モード中の第1当選確率と同一であり、かつ、第1入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード中の割合より高い遊技モードである。従って、特定モード中は遊技球が減りにくい状況となる。この場合、仮に特別遊技状態中において特定モード中と同様な遊技制御が行われると、特定モード中と同様に遊技球が減りにくい状況となり、特別遊技状態の発生中における遊技球の使用量が減り、結果として遊技者が獲得する賞球数が増えてしまうおそれがある。しかし、このような不具合は上記各手段の構成により抑制される。
また、第1特定モード及び第2特定モードは、当該特定モードの継続期間にあたる第1規定変動回数と第2規定変動回数の違い以外は同様の遊技モードとなっている。仮に、第1特定モード及び第2特定モードを、第1当落抽選処理における第1当選確率が通常モード中の第1当選確率より高い遊技モード(いわゆる高確率モード)とすると、第1規定変動回数と第2規定変動回数との差が比較的大きい場合、第1特定モードと第2特定モードとでは、当該特定モード中において特別遊技状態が当選する期待値に極めて大きな差が生じるおそれがある。例えば第1当選確率を60分の1、第1規定変動回数を4回、第2規定変動回数を100回とした場合には、第1特定モード中において特別遊技状態が当選する期待値は極めて低く、第2特定モード中において特別遊技状態が当選する期待値は極めて高くなる。結果として、特別遊技状態の当選確率が複数存在するような遊技機となってしまい、予め設定された遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が著しく損なわれるおそれがある。さらに、第1特定モード及び第2特定モードを高確率モードとすると、場合によっては、特定モード(高確率モード)が途切れることなく特別遊技状態が断続的に当選し続けることもあり得るため、射幸性を煽るおそれがある。これに対し、本手段では、第1特定モード及び第2特定モードが、特別遊技状態の当選確率が通常モードより高められる高確率モードではないため、上記各手段の作用効果をさらに高めることができる。
手段15.前記第1特定モード及び前記第2特定モードは、さらに以下の(1)〜(5)の構成の少なくとも1つを満たす遊技モードであることを特徴とする手段14に記載の遊技機。
(1)前記第1表示手段における変動表示時間を短くしたこと
(2)前記第2表示手段における変動表示時間を短くしたこと
(3)前記第1入球手段の開閉処理に関わる前記規定時間を通常モードに比べて長くしたこと、又は、前記規定個数を通常モードに比べて多くしたこと
(4)前記第2当落抽選処理により当選結果が得られた場合一回につき行う前記開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くしたこと
(5)前記第2当落抽選処理における前記第2当選確率を前記通常モード中の第2当選確率より高くしたこと
なお、第1特定モード及び第2特定モードとしては、(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。
手段16.前記遊技領域において、遊技球が入球不能な閉状態と、遊技球が入球可能な開状態とに切換り可能な第3入球手段と、
前記第3入球手段へ入球した遊技球を検出する第3入球検出手段と、
前記発生処理に基づき、前記第3入球手段を閉状態から開状態へ切換え、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が前記第3入球検出手段により検出された場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能な第3入球手段開閉制御手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態において前記第3入球手段の開閉処理を第1開閉回数実行するのか、又は、前記第1開閉回数より多い第2開閉回数実行するのかを決定する開閉回数決定手段とを備え、
前記第3入球手段開閉制御手段は、
前記開閉回数決定手段の決定に基づき、前記第3入球手段の開閉処理を所定回数実行するよう構成され、
前記開閉回数決定手段により、前記第3入球手段の開閉処理を前記第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が、前記第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率より高く設定されていることを特徴とする手段12乃至15のいずれかに記載の遊技機。
上記手段16によれば、第3入球手段の開閉処理が第2開閉回数実行される特別遊技状態(以下、第2特別遊技状態という)の方が、第3入球手段の開閉処理が第1開閉回数実行される特別遊技状態(以下、第1特別遊技状態という)よりも、第3入球手段の開閉回数がより遊技者に有利なものとなる。さらに、第3入球手段の開閉処理を第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が、第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率より高く設定されている。つまり、前記第1特別遊技状態の方が前記第2特別遊技状態より発生しやすく、当該特別遊技状態において遊技者が獲得し得る遊技価値の数も少ない。従って、通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的高く設定した場合でも、遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が適正範囲を著しく逸脱するおそれを低減することができる。換言すれば、通常モード中における特別遊技状態の当選確率を比較的高く設定し、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。なお、その作用効果をより顕著なものとする場合には、例えば「前記第2開閉回数が前記第1開閉回数の4倍以上であること」、「前記第2規定時間が前記第1規定時間の100倍以上であること」、「前記第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が、前記第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率の2倍以上であること」の少なくとも1つが満たされることが好ましい。一態様例としては、第2開閉回数が15回、第1開閉回数が2回、第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が5分の4で、第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率5分の1のような設定が挙げられる。
手段17.前記遊技領域において、遊技球が入球不能な閉状態と、遊技球が入球可能な開状態とに切換り可能な第3入球手段と、
前記第3入球手段へ入球した遊技球を検出する第3入球検出手段と、
前記発生処理に基づき、前記第3入球手段を閉状態から開状態へ切換え、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が前記第3入球検出手段により検出された場合に閉状態とする開閉処理を所定回数実行可能な第3入球手段開閉制御手段と、
前記第1当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、前記特別遊技状態において前記第3入球手段の開閉処理を第1開閉回数実行するのか、又は、前記第1開閉回数より多い第2開閉回数実行するのかを決定する開閉回数決定手段とを備え、
前記第3入球手段開閉制御手段は、
前記開閉回数決定手段の決定に基づき、前記第3入球手段の開閉処理を前記第1開閉回数実行する場合には、当該第3入球手段が開状態となる前記規定時間を第1規定時間とするよう構成されるとともに、
前記開閉回数決定手段の決定に基づき、前記第3入球手段の開閉処理を前記第2開閉回数実行する場合には、当該第3入球手段が開状態となる前記規定時間を前記第1規定時間より長い第2規定時間とするよう構成され、
前記開閉回数決定手段により、前記第3入球手段の開閉処理を前記第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が、前記第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率より高く設定されていることを特徴とする手段12乃至15のいずれかに記載の遊技機。
上記手段17によれば、上記手段16と同様の作用効果が奏される。さらに、第2特別遊技状態の方が、第1特別遊技状態よりも、第3入球手段の開閉回数及び開状態時間がより遊技者に有利なものとなるため、上記手段16の作用効果をより顕著なものとすることができる。一態様例としては、第2開閉回数が15回、第1開閉回数が2回、第2規定時間が29.5秒、第1規定時間が0.2秒、第1開閉回数実行する旨の決定がなされる確率が5分の4で、第2開閉回数実行する旨の決定がなされる確率5分の1のような設定が挙げられる。
手段18.少なくとも前記特別遊技状態の発生処理、前記遊技モードの切換設定処理及び前記第1表示手段に関わる制御処理を含む所定の遊技制御処理(ルーチン)を定期的に実行するよう構成され、
少なくとも前記特別遊技状態を発生させるか否かを判別するための特別遊技状態判別情報を設定する処理(ルーチン)と、前記モード発生確定情報を設定する処理(ルーチン)とを、前記遊技制御処理(ルーチン)のうちの前記第1表示手段における変動表示を開始する前段階に行われる特定の処理(ルーチン)内において判別情報設定処理(ルーチン)としてまとめて実行するようにしたことを特徴とする手段12乃至17のいずれかに記載の遊技機。
上記手段18によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。
手段19.前記特定の処理(ルーチン)は、前記第1表示手段における変動表示を開始する変動開始処理(ルーチン)であることを特徴とする手段18に記載の遊技機。
上記手段19によれば、上記手段6と同様の作用効果が奏される。
手段20.前記発生中情報設定手段による前記モード発生中情報の設定処理が行われた後段階において、前記確定情報設定手段は、前記モード発生確定情報として、前記特別遊技状態の終了後の遊技モードに前記第1特定モード又は第2特定モードを設定しない旨の情報を設定する処理(リセット処理)を行うよう構成されていることを特徴とする手段1乃至19のいずれかに記載の遊技機。
上記手段20によれば、発生中情報設定手段によるモード発生中情報の設定処理が行われた直後に、再度、特別遊技状態の終了後の遊技モードに特定モードを設定することが確定したかのような判別がなされるといった不具合を防止することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口、可変入賞装置、作動口、可変表示ユニット等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を略鉛直方向に延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口、可変入賞装置、作動口、可変表示ユニット等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機。」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時の確定識別情報(図柄)が特定識別情報(図柄)であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、パチンコ機とスロットマシンとを組み合わせて構成された遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時の確定識別情報(図柄)が特定識別情報(図柄)であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出装置とを備え、前記投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と支持枠部としての内枠12とに対して、前面扉としての前面枠セット14を開放し、下皿ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である但し、図2,3では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカ249(図2参照)からの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出するための球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射手段としての遊技球発射装置の方へ導出する球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラス137を支持するガラス枠部と一体的に形成されている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図4参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、第3入球手段としての可変入賞装置32、第1入球手段(入球手段)としての第1契機対応ユニット(始動口)33、第2入球手段としての第2契機対応口(スルーゲート)34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設されている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の遊技価値としての賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(入賞装置、入賞口、第1契機対応ユニット33等)に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、一対の開閉部材33aを備えており、当該開閉部材33aが所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、第1契機対応ユニット33は、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が入球容易な開状態とに切換り可能となる。第1契機対応ユニット33は、例えば、通常モード時には開閉部材33aが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する第2表示手段としての普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する第1表示手段(表示手段)としての特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。従って、「○」図柄での停止態様が本実施形態における第2特定態様に相当する。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261により直接的に表示内容が制御される。普通図柄表示装置41による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。しかし、かかる最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の普通図柄の変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であっても良い。このように普通図柄の変動表示や変動の保留表示を装飾図柄表示装置42にて行う構成とした場合、主制御装置261が普通図柄に関するコマンドを表示制御装置45に送信して、表示制御装置45が、装飾図柄表示装置42を制御することになる。ただし、この場合でも、主制御装置261にて直接的に制御されるLEDなどを設けておき、このLEDにて第1契機対応ユニット33を開放するか否かの抽選結果を表示し、装飾図柄表示装置42における普通図柄の表示を補助的なものとすることが望ましい。その理由は、後述するように主制御装置261は、封印された基板ボックス263の内部に格納されるためである。すなわち、表示制御装置45に対する不正行為が主制御装置261に対する不正行為よりも容易であることを考えると、主制御装置261によるLEDなどを用いた表示を主として、表示制御装置45による装飾図柄表示装置42を用いた普通図柄表示を補助的なものとすることによって、主制御装置261によるLEDなどを用いた表示によって表示制御装置45に対する不正行為を簡単に発見することができる。
特別表示装置43は、主制御装置261に制御される普通図柄表示装置41の普通図柄の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)で構成されている。この特別表示装置43は、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。なお、本実施形態では、この特別表示装置43によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっており、次に示す装飾図柄表示装置42は、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき表示制御装置45が補助的な表示を行うものとなっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態(大当たり状態)が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示であり、本実施形態における第1特定態様に相当する。特に、赤は、後述する15ラウンドの大当たり状態が導出されることを示す表示(態様)であり、緑は、後述する2ラウンドの大当たり状態が導出されることを示す表示(態様)である。そのため、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組み合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間の経過又は規定個数(例えば9個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。例えば、15ラウンド大当たりの場合、第2規定時間である29.5秒の経過又は規定個数9個の遊技球の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が第2開閉回数である15回繰り返し開放される。一方、2ラウンド大当たりの場合、第1規定時間である0.2秒の経過又は規定個数9個の遊技球の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が第1開閉回数である2回繰り返し開放される。これに限らず、例えば、15ラウンド大当たりの場合と、2ラウンド大当たりの場合とで、ラウンド数は異なるが、可変入賞装置32の大入賞口の1ラウンド中の開放時間(規定時間)が両者とも同じ構成としてもよい。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留、記憶)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。しかし、最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。なお、保留ランプ46は、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成等であっても良い。
ここで、便宜上、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)と、通常モードよりも遊技者に有利な第1特定モード(第1特定状態)としての時間短縮・短期モードと、通常モードよりも遊技者に有利な第2特定モード(第2特定状態)としての時間短縮・長期モードの間で切換設定される。
通常モードとは、上記時間短縮・長期モードでも時間短縮短期モードでもない通常時の状態をいう。
時間短縮モード(時間短縮・短期モード及び時間短縮・長期モード)とは、大当たり終了後において設定される遊技モードであって、大当たり確率が通常モード時の大当たり確率と同一であり、かつ、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。さらに、本実施形態では(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くする、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くする、(3)第1契機対応ユニット33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くする、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くする、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くする、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くすることが実行される。より具体的には、時間短縮モード時には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33aが開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、時間短縮モードとしては、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。
なお、時間短縮モードのうち時間短縮・短期モードとは、通常モード中に大当たり当選し当該大当たり終了後に設定され、当該大当たり終了後から、特別表示装置43の変動表示が第1規定変動回数である4回に達するまで行われる時間短縮モードである。
また、時間短縮モードのうち時間短縮・長期モードとは、時間短縮モード(時間短縮・短期モード又は時間短縮・長期モード)中に大当たり当選し当該大当たり終了後に設定され、当該大当たり終了後から、特別表示装置43の変動表示が第2規定変動回数である100回に達するまで行われる時間短縮モードである。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が遊技領域まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
ファール球通路63の途中には、下皿15が球で満タンになっていることを検出するための図示しない下皿満タンスイッチが通路底面の一部を形成するように設けられている。球が短期間で多量に払い出されると、上皿19が一杯となった後には下皿15に球が溜まり始める。その後、球が払い出され続けても下皿15の球を抜かないとファール球通路63の途中に球が溜まり始めるが、下皿満タンスイッチの設置箇所まで球が溜まるとそれ以降の払出しは後述する払出制御装置311により停止される。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。前面枠セット14には矩形状をなす一対のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図5等参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。
まずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
後述するように略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図4参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(入球検出手段)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223によって本実施形態における第3入球検出手段が構成される。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定する領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応ユニット33に対応する位置には第1入球検出手段(入球検出手段)としての第1契機対応ユニット(始動口)スイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2入球検出手段としての第2契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及び第2契機対応口(ゲート)スイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機対応ユニット(始動口)スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導く入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には、開閉部材33aを開閉駆動する第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。なお、図5、図6において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
次に、第1制御基板ユニット201を図7を用いて説明する。図7は同ユニット201の斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261及び初期化装置543(基板ボックス263)と、音声ランプ制御装置262(基板ボックス265)とが搭載されている。
主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備している。
また、初期化装置543は、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されており、RAM消去スイッチ323が押されたかを検出するとともに、その検出結果を主制御装置261へ送信するRAM消去スイッチ回路543a(図10参照)を具備している。
そして、前記主基板とRAM消去スイッチ回路543aとが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて、主制御装置261及び初期化装置543が構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
初期化装置543に電気的に接続されるRAM消去スイッチ323は、パチンコ機10を電源投入時の初期状態へ戻す場合に操作されるスイッチである。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。なお、RAM消去スイッチ323を基板ボックス263に設けることにより、初期化装置543とRAM消去スイッチ323との間に、信号を発生させる装置などを取付け、主制御装置261を強制的に初期状態にされることを防止できる。後述するように、パチンコ機10の大当たりは、第1契機対応ユニット33への球の入賞タイミングに合わせて保留球格納エリアに格納される大当たり乱数カウンタC1の値に基づき抽選が行われる。よって、第1契機対応ユニット33への入球を検出する第1契機対応ユニットスイッチ224と主制御装置261との間に信号発生装置を取り付ければ、大当たりを不正に発生させることもできるが、少なくとも主制御装置261を強制的に初期状態にされることが防止できるので、不正に大当たりを発生させることを防止できる。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
そして、一方の基板搭載面上に主制御装置261(主基板)と初期化装置543とが収容された基板ボックス263が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が収容された基板ボックス265が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261(基板ボックス263)は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262(基板ボックス265)はその奥側に配置される。
次に、第2制御基板ユニット202を図8を用いて説明する。図8は同ユニット202の斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、遊技価値付与手段としての払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図9に示す。
裏パック351は、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)のメイン処理(図12参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、初期化装置543、払出制御装置311、表示制御装置45、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、表示制御装置45を介して制御される。
初期化装置543には、RAM消去スイッチ回路543aが設けられており、そのRAM消去スイッチ回路543aには、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されている。RAM消去スイッチ回路543aはRAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SK2を出力する回路である。パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去スイッチ323が押下されると、主制御装置261と払出制御装置311のRAM503,513(バックアップエリア503a,513a)のデータがそれぞれクリアされる。なお、上述したように、初期化装置543と主制御装置261とは、基板ボックス263に収納されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグ513bと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグ513cと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513dとが設けられている。RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタなどを記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはメイン処理(図25参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
払出許可フラグ513bは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグ513cは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグ513bと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図28参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファ513dは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図5,6参照)。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置42の表示を制御する。なお、主制御装置261は、特別表示装置43にて確定的に大当たりか否かを表示するため、表示コマンドは装飾図柄表示装置42にて補助的な表示を行うために送出される。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。ここには後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファが設けられている。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理(NMI割込み処理)の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理(NMI割込み処理)を正常に実行し完了することができる。
ところで、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図示しない左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に図柄(装飾図柄)が変動表示される。本実施の形態では、装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付すよう構成されており、数字の昇順又は降順に装飾図柄が表示されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性をもって装飾図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列においては、装飾図柄が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び右図柄列においては、同じく装飾図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止する。主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置43にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の装飾図柄の組合せ)となり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図11に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たりの際のラウンド数の決定に使用するラウンド数決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2とを用いることとしている。なお、変動種別カウンタCS1,CS2は、変動パターン選択に用いられるのであるが、詳しくは、決定された変動パターンにより、装飾図柄表示装置42における演出及び変動時間が決定されると共に、特別表示装置43の変動時間が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1及び、ラウンド数決定カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。本実施の形態では、大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。つまり、大当たり確率(当選確率)は、どの遊技モードにおいても1/67.7である。この大当たり確率が本実施形態における第1当選確率(当選確率)に相当する。
ラウンド数決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、ラウンド数決定カウンタC2によって、大当たり状態中のラウンド数が2ラウンドであるか、又は、15ラウンドであるかを決定する。具体的には、カウンタの値が「3,7」という値であれば15ラウンドの大当たり状態(15ラウンド大当たり)が導出され、「0,1,2,4,5,6,8,9」という値であれば2ラウンドの大当たり状態(2ラウンド大当たり)が導出される。つまり、2ラウンド大当たりの決定がなされる確率が5分の4で、15ラウンド大当たりの決定がなされる確率5分の1より高く設定されている。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、RAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図11中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組み合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、普通図柄表示装置41の抽選には普通図柄乱数カウンタC4が用いられる。普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は後述する通常モード時において149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、後述する時間短縮モード(時間短縮・短期モード又は時間短縮・長期モード)時においては224あり、その範囲は「5〜228」である。当選確率は、通常モード時において149/251であり、時間短縮モード時において224/251である。この当選確率が本実施形態における第2当選確率に相当する。前述したように、普通図柄表示装置41における「○」図柄の停止確率(当選確率)は、時間短縮モードの方が通常モードに比べ高くなる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャート図を参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図19は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図19において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、ラウンド数決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、ラウンド数決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図20のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したか否かを第1契機対応ユニット(始動口)スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS704では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、ラウンド決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における第1抽選手段(第1当落抽選処理)、抽選手段(当落抽選処理)、開閉回数決定手段が構成される。
なお、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う処理に関しては、図示は省略するが、図20に示した始動入賞処理と同様の流れである。つまり、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過したか否かを定期的に判別し、通過が検知された場合には、保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。そして、第2契機対応口34への通過があり、且つ、保留球数N<4であることを条件に保留球数Nをインクリメントし、普通図柄乱数カウンタC4の値をRAM503の普通図柄用保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。この処理の機能により本実施形態における第2抽選手段(第2当落抽選処理)が構成される。
図21は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS801において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図21のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
また、図12は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、RAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となる払出制御装置311(及び音声ランプ制御装置262等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び音声初期化コマンド等)を送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,ステップS210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。この通常処理が本実施形態における遊技制御処理ルーチンに相当するとともに、この通常処理の機能がモード遊技制御手段を構成する。
図13において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を表示制御装置45に送信する。ここで外部出力処理について、図14を用いて説明する。
まず最初のステップS2001では、図16に示す変動開始処理が直前に実行されたか否かを判断する。具体的には、後述するように変動開始処理にて変動表示の開始を示すフラグをセットするのであるが、ここでは、このフラグがセットされているか否かを判断する。なお、このフラグは本処理(ステップS2001)においてリセットされる。変動開始処理では、変動時間の情報を含む変動パターン、図柄コマンドがそれぞれ決定される。ここで変動開始の直後であると判断された場合(ステップS2001:YES)、ステップS2002にて変動パターンコマンドを送信すると共に変動パターンコマンドの送信を示すフラグをセットして、ステップS2005へ移行する。一方、変動開始の直後でないと判断された場合(ステップS2001:NO)、ステップS2003へ移行する。
ステップS2003では、前回の処理において変動パターンコマンドを送信したか否かを判断する。この判断は、前記変動パターンコマンドの送信を示すフラグがセットされているか否かによってなされる。ここで変動パターンコマンドを送信したと判断された場合(ステップS2003:YES)、ステップS2004にて図柄コマンドを送信すると共に、前記変動パターンコマンドの送信を示すフラグをリセットして、ステップS2005へ移行する。一方、変動パターンコマンドを送信していないと判断された場合(ステップS2003:NO)、そのままステップS2005へ移行する。
ステップS2005では、その他の処理を行う。例えば、決定コマンドが設定されている場合は、決定コマンドを送信する。また、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、ここで第1契機対応ユニット33や可変入賞装置32を駆動するための制御信号も出力される。
上述した外部出力処理によれば、装飾図柄の変動に際し、変動パターンコマンド→図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで決定コマンドが送出されることになる。
また、変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示するようになっている。具体的には、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行う。なお、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2によってリーチ発生後に最終停止図柄である中図柄が停止するまでの経過時間が決定され、変動種別カウンタCS1,CS2に基づく変動パターンコマンドとして表示制御装置45へ送信される。そして、通常時において、左図柄は変動開始から3秒後に停止表示され、右図柄は変動開始から4秒後に停止表示される構成となっている。したがって、表示制御装置45は、変動パターンコマンドに基づいて変動開始から最終停止表示までの変動時間を把握できる。なお、変動パターンコマンドが、変動開始から最終停止表示までの変動時間を直接的に示すものとして構成してもよい。
さらに、表示制御装置45は、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、表示制御装置45に停止図柄を決定させるコマンドであり、特別図柄、通常図柄、前後外れ図柄、前後外れ以外図柄、完全外れ図柄という5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「1」,「2」,「3」,「4」,「5」という数値で示されて、この内のいずれかの数値が図柄コマンドとして設定されるという具合である。以下、図柄コマンドには、「1」〜「5」のいずれかが設定されるものとして説明を続ける。特別図柄は、3,7の数字が付加された図柄であり、図柄コマンドに特別図柄を示す「1」が設定された場合、表示制御装置45は、これらの図柄のうちの一つを停止図柄として決定する。通常図柄は、0,1,2,4,5,6,8,9の数字が付加された図柄であり、図柄コマンドに通常図柄を示す「2」が設定された場合、表示制御装置45は、これらの図柄のうちの一つを停止図柄として決定する。前後外れ図柄は、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、図柄コマンドに前後外れ図柄を示す「3」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する前後外れリーチ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄は、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、図柄コマンドに前後外れ以外図柄を示す「4」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。完全外れ図柄は、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、図柄コマンドに完全外れ図柄を示す「5」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する完全外れ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。
次に、図13中のステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、変動処理を実行する。この変動処理により、特別表示装置43が制御されると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり制御処理を実行する。この処理により、大当たりである場合には、可変入賞装置32の開閉制御が所定ラウンド数繰り返し実行される。但し、この大当たり制御処理の詳細は後述する。この大当たり制御処理の機能により本実施形態における特別遊技状態発生手段(発生処理)、第3入球手段開閉制御手段(第3入球手段の開閉処理)が構成される。
また、図13中のステップS207では、普通図柄関連制御処理を行う。詳しくは、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御、及び、第1契機対応ユニット33の開閉制御を実行する。つまり、上述したように遊技球が第2契機対応口34を通過したことを条件にその都度取得された普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄表示装置41にて普通図柄の抽選表示が実施され、当たり状態になると上述したように第1契機対応ユニット33が規定時間の経過又は規定個数の入球があるまで開放される。上述したように普通図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、ラウンド数決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図19に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。従って、普通図柄関連制御処理の機能によって本実施形態における第1入球手段開閉制御手段(第1入球手段の開閉処理)が構成される。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
その後は、ステップS211において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS208で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,ステップS210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211の処理において、バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS212以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS212において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS213において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS214において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS215において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS216でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS217でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS211の処理は、ステップS201〜S207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS209,S210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS212)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の変動処理を、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15において、ステップS301では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間とが含まれる。続くステップS302では、特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS303に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS304に進む。ステップS304では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS305では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS306では、変動開始処理(変動開始処理ルーチン)を実行する。ここで、図16のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明する。変動開始処理ルーチンは本実施形態における特定の処理ルーチンに相当する。
まず最初のステップS400では、特別表示装置43における色換え表示(変動表示)を開始する。なお、ここで変動表示の開始を示すフラグをセットしておく(前記ステップS2001参照)。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。また、ここでは後述する時間短縮モード状態カウンタの値を1減算する処理が行われ、時間短縮モード状態カウンタの値が0となれば、時間短縮モード状態フラグをリセットする(「0」にする)処理が行われる。すなわち、ここでの処理が時間短縮モードの継続期間(設定期間)の終了タイミングを判別するための処理であり、この処理の機能が本実施形態における変動回数計数手段,設定期間判別手段を構成する。
続くステップS401では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて判別され、前述した通り大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS401:YES)、ステップS402へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS401:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS407へ移行する。
ステップS402では、15ラウンド大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、上述したように大当たりとなった場合、それぞれ1/5の確率で15ラウンド大当たりが導出され、4/5の確率で2ラウンド大当たりが導出されるように構成されている。具体的には、15ラウンド大当たりとなるか否かは、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているラウンド数決定カウンタC2の値に基づいて判断される。ラウンド数決定カウンタC2の数値0〜9のうち「3,7」ならば15ラウンド大当たりの導出が決定され、「0,1,2,4,5,6,8,9」ならば2ラウンド大当たりの導出が決定される。ここで15ラウンド大当たりであると判断された場合(ステップS402:YES)、ステップS403にて判別情報設定処理(判別情報設定処理ルーチン)を行い、ステップS404にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS405にて特別図柄(本実施形態では「1」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
ステップS403(後述するステップS406も同様)の判別情報設定処理では、図23に示すように、大当たり発生フラグの設定処理ルーチン(ステップS2201)、時間短縮モード発生フラグの設定処理ルーチン(ステップS2202)、時間短縮モードカウンタの設定処理ルーチン(ステップS2203)、ラウンド数判別フラグの設定処理ルーチン(ステップS2204)が順次行われる。この判別情報設定処理(ステップS403,後述するステップS406)の機能により本実施形態におけるモード決定手段が構成される。
上記大当たり発生フラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるか否かを判別するための状態判別情報であり、本処理では大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。この大当たり発生フラグ(フラグ値)が本実施形態における特別遊技状態判別情報に相当する。
上記時間短縮モード発生フラグとは、時間短縮モード、すなわち第1特定モードとしての時間短縮・短期モード、又は第2特定モードとしての時間短縮・長期モードを発生させるか否かを判別するための状態判別情報であり、本処理では時間短縮モードの発生を示す「1」がフラグ値として設定される。この時間短縮モード発生フラグ(フラグ値)が本実施形態におけるモード発生確定情報に相当する。従って、時間短縮モード発生フラグの設定処理ルーチンの機能や、後述する時間短縮モード発生フラグの値をリセットする処理の機能が本実施形態における確定情報設定手段を構成する。
上記時間短縮モードカウンタとは、時間短縮モードの継続期間(変動表示何回分か)を判別するための回数判別情報である。上記ステップS2203の時間短縮モードカウンタの設定処理ルーチンでは、図24に示すように、まず、ステップS2301において上記時間短縮モード発生フラグの値と後述する時間短縮モード状態フラグの値を参酌して論理積演算(AND演算)を行う。続くステップS2302において、論理積演算値が1か否かを判別する。そして、論理積演算値が「1」の場合(ステップS2302:Yes)、すなわち時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグの値が共に「1」の場合には、ステップS2303において時間短縮モードカウンタの値として「100」を設定し、本処理を終了する。一方、論理積演算値が「0」の場合(ステップS2302:No)、すなわち時間短縮モード発生フラグ又は時間短縮モード状態フラグのどちらかの値が「0」の場合(もちろん、ここでは必ず時間短縮モード発生フラグの値が「1」であるため、時間短縮モード状態フラグの値が「0」である場合)には、ステップS2304において時間短縮モードカウンタの値として「4」を設定し、本処理を終了する。前記時間短縮モードカウンタの値「4」が本実施形態おける第1設定期間情報(第1規定変動回数)に相当し、時間短縮モードカウンタの値「100」が第2設定期間情報(第2規定変動回数)に相当する。従って、通常モード時において大当たりの発生が確定した場合には、大当たり終了後、特別表示装置43における変動表示4回分の時間短縮モードである時間短縮・短期モードとなり、時間短縮モード(時間短縮・短期モード又は時間短縮・長期モード)時において大当たりの発生が確定した場合には、大当たり終了後、特別表示装置43における変動表示100回分の時間短縮モードである時間短縮・長期モードとなる。上記ステップS2203の時間短縮モードカウンタの設定処理ルーチンの機能が本実施形態における期間情報設定手段を構成する。なお、上記ステップS2301の論理積演算(AND演算)を行う際には、時間短縮モード発生フラグの値や時間短縮モード状態フラグの値を判別する処理が行われるが、このような判別処理の機能が本実施形態におけるモード判別手段やモード発生確定判別手段を構成する。もちろん他の処理において行われる上記フラグ値の判別処理の機能も同様にモード判別手段やモード発生確定判別手段を構成する。
上記ラウンド数判別フラグとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」がフラグ値として設定される。なお、上記ラウンド数判別フラグの設定処理ルーチンに代えて、ラウンド発生回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を特定する回数判別情報としてラウンド発生回数判別カウンタを設定する処理ルーチンを行うこととしてもよい。例えば、ここではカウンタ値に「15」と設定される。
さて、ステップS402で15ラウンド大当たりでないと判断された場合(ステップS402:NO)、すなわち2ラウンド大当たりである場合には、ステップS406にて判別情報設定処理(判別情報設定処理ルーチン)を行い、ステップS407にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS408にて通常図柄(本実施形態では「2」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
ステップS406の判別情報設定処理では、上記ステップS403(図23,24参照)と同様に、大当たり発生フラグの設定処理ルーチン、時間短縮モード発生フラグの設定処理ルーチン、時間短縮モードカウンタの設定処理ルーチン、ラウンド数判別フラグの設定処理ルーチンが順次行われる。そして、上記大当たり発生フラグの値には大当たり状態の発生を示す「1」が設定され、上記時間短縮モード発生フラグの値には時間短縮モードの発生を示す「1」が設定され、上記時間短縮モードカウンタの値には上記論理積演算を基に「4」又は「100」が設定される。但し、上記ラウンド数判別フラグの値に関しては、2ラウンドを示す「2」が設定される。
上記ステップS404,ステップS407では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。なお、ここでは後述する時間短縮モード状態フラグを参酌することにより、時間短縮モード(時間短縮・長期モード又は時間短縮・短期モード)中であると判別されれば、時間短縮モード用のテーブルが参酌され、適宜、変動時間を短縮するなどの処理が行われる。また、ステップS405,ステップS408における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するように表示制御装置45が行う。具体的には、特別図柄を示す「1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS405)、3,7の内のいずれかの数値が付された図柄を表示制御装置45が停止図柄として決定する。一方、通常図柄を示す「2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS408)、0,1,2,4,5,6,8,9の内のいずれかの数値が付された図柄を表示制御装置45が停止図柄として決定する。
また、ステップS401にて否定判断された場合に移行するステップS409では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS409:YES)、ステップS410へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS409:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS415にて外れ変動パターンを決定し、ステップS416にて完全外れ図柄(本実施形態では「5」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
ステップS410では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS410:YES)、ステップS411にて外れ変動パターンを決定し、ステップS412にて前後外れ図柄(本実施形態では「3」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS410:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS413にて外れ変動パターンを決定し、ステップS414にて前後外れ以外図柄(本実施形態では「4」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
上記ステップS411,ステップS413,ステップS415で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS404等と同様である。もちろん、時間短縮モード中の処理についても同様である。また、ステップS412,ステップS414,ステップS416における図柄コマンドが外れの図柄の所定区分を指示するものであることも、上記ステップS405等と同様である。具体的には、前後外れ図柄を示す「3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS412)、当該図柄コマンドを受信した表示制御装置45は、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄を示す「4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS414)、ワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄を、表示制御装置45が停止図柄として決定する。完全外れ図柄を示す「5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS416)、ワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄を、表示制御装置45が停止図柄として決定する。
図15の説明に戻り、ステップS302がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS307に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。もちろん、ここでの変動時間も時間短縮モード中である場合には短縮されたものとなる。ステップS307で肯定判別された場合に移行するステップS308では、特別表示装置43による決定表示を行う。すなわち、15ラウンド大当たりである場合には赤色を決定表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、2ラウンド大当たりである場合には緑色を決定表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には青色を決定表示(数秒間だけ点灯)させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による決定表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示は補助的なものとなっている。次のステップS309では、装飾図柄の変動停止を特別表示装置43におけるLEDの変動停止と完全に同調させる決定コマンドを設定し、その後本処理を終了する。一方、ステップS307で否定判別された場合に移行するステップS310では、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を行う。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行う。これによって、変動処理のタイミング、すなわち4ms毎に、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。
次に、前記ステップS206の大当たり制御処理を図22のフローチャートを参照して説明する。
図22において、ステップS2101では、大当たり状態の発生中であるか否かを判別する。ここでは、後述する大当たり状態フラグを参酌することにより判別が行われる。ここで大当たり状態中と判別された場合(ステップS2101:YES)、ステップS2104へ移行する。一方、大当たり状態中でないと判別された場合(ステップS2101:NO)、ステップS2102において大当たり発生時か否かを判別する。ここでは、上記大当たり発生フラグを参酌することにより判別が行われる。ここで大当たり発生時と判別された場合(ステップS2102:YES)はステップS2103へ移行し、大当たり状態中でないと判別された場合(ステップS2102:NO)は、そのまま本処理を終了する。
ステップS2103では開始設定処理を実行する。詳しくは、上記ラウンド数判別フラグの値を参酌し、今回の大当たりが15ラウンド大当たりであるか、2ラウンド大当たりであるか否かを判別する。15ラウンド大当たりである場合には15ラウンド用の設定(最大ラウンド数の値を15にセットする等)を行い、2ラウンド大当たりの場合には2ラウンド用の設定(最大ラウンド数の値を2にセットする等)を行う。その後、時間短縮モード状態フラグのリセット処理ルーチン、後述する時間短縮モード状態カウンタのリセット処理ルーチン、上記ラウンド数判別フラグのリセット処理ルーチン、後述する大当たり状態フラグの設定処理ルーチン、上記大当たり発生フラグのリセット処理ルーチンが順次行われる。なお、ステップS2103の開始設定処理は、大当たり制御処理に含まれるが、事実上、大当たり状態を導出する導出処理(発生処理)の前段階に行われる処理に含まれる。
上記時間短縮モード状態フラグとは、時間短縮モード(時間短縮・短期モード又は時間短縮・長期モード)の発生中であるか否かを判別するための状態判別情報であり、大当たり状態終了後に遊技モードの判別を行う場合には、上記時間短縮モード発生フラグの値ではなく、当該時間短縮モード状態フラグの値を参酌する。上記リセット処理では、一旦、この時間短縮モード状態フラグの値をリセットする(「0」にする)処理を行う。この時間短縮モード状態フラグ(フラグ値)が本実施形態におけるモード発生中情報に相当する。従って、時間短縮モード状態フラグのリセット処理ルーチンの機能や、後述する時間短縮モード発生フラグの値を時間短縮モード状態フラグの値にセーブ(コピー)する処理の機能が本実施形態における発生中情報設定手段を構成する。
時間短縮モード状態カウンタとは、上記時間短縮モードカウンタと同様に時間短縮モードの継続期間(変動表示何回分か)を判別するための回数判別情報であるが、実際に時間短縮モードの継続期間の終了タイミングを判別する際に参酌されるのは当該時間短縮モード状態カウンタの方である。上記リセット処理では、一旦、この時間短縮モード状態カウンタの値をリセットする(「0」にする)処理を行う。
上記大当たり状態フラグとは、大当たり状態の発生中であるか否かを判別するための状態判別情報であり、本処理では大当たり中を示す「1」がフラグ値として設定される。
また、上記ラウンド数判別フラグのリセット処理では「0」がフラグ値として設定され、大当たり発生フラグのリセット処理では「0」がフラグ値として設定される。
続いて、ステップS2104では、可変入賞装置32の開閉処理を実行する。より詳しくは、上記15ラウンド用の設定が行われた場合には、可変入賞装置32の最大開放時間である29.5秒を経過したか、又は可変入賞装置32に規定個数である9個の遊技球が入賞したかを判別し、これら何れかの条件が成立すると可変入賞装置32を閉状態とする。また、上記2ラウンド用の設定が行われた場合には、可変入賞装置32の最大開放時間である0.2秒を経過したか、又は可変入賞装置32に規定個数である9個の遊技球が入賞したかを判別し、これら何れかの条件が成立すると可変入賞装置32を閉状態とする。
ステップS2105では、実行したラウンド数が、事前に設定された上記最大ラウンド数に達したか否かを判別する。例えば、15ラウンド大当たりである場合には15回に達したか否かを判別し、2ラウンド大当たりの場合には2回に達したか否かを判別する。ここで、最大ラウンド数に達した旨の判別結果が得られた場合(ステップS2105:YES)、ステップS2106へ移行する。一方、最大ラウンド数に達していない旨の判別結果が得られた場合(ステップS2105:NO)、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された上記最大ラウンド数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
ステップS2106では終了設定処理を行う。より詳しくは、上記時間短縮モード発生フラグの値を上記時間短縮モード状態フラグの値にセーブ(コピー)する処理、上記時間短縮モードカウンタの値を上記時間短縮モード状態カウンタの値にセーブ(コピー)する処理を順次実行した後、上記時間短縮モード発生フラグの値をリセットする(「0」にする)処理、上記時間短縮モードカウンタの値をリセットする(「0」にする)処理を順次実行し、さらに、上記最大ラウンド数として設定された設定値をリセットする処理を実行し、本処理を終了する。従って、この終了設定処理により大当たり終了後の遊技モードの切換設定処理が行われることとなる。つまり、この処理の機能により本実施形態における切換設定手段が構成される。
次に、図31に示した時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグの値の変化を基に、遊技モードの変化について説明する。通常モード中は、時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグの値は共に「0」である。そして、通常モード中に大当たり当選した場合には、上記変動開始処理において時間短縮モード発生フラグの値は「1」となるが、この時点では時間短縮モード状態フラグの値は未だ「0」のままである。その後、大当たり制御処理の終了設定処理が行われるまで両フラグ値は変化しない。但し、大当たり制御処理の開始設定処理において、時間短縮モード状態フラグの値は一旦リセットされ「0」となる。
大当たり制御処理の終了設定処理において、時間短縮モード発生フラグの値が時間短縮モード状態フラグの値にセーブ(コピー)されることにより、一旦、両フラグ値は共に「1」となり、その後、時間短縮モード発生フラグの値はリセットされ「0」となる。従って、大当たり終了時には、時間短縮モード発生フラグの値は「0」、時間短縮モード状態フラグの値は「1」となる。
その後は、上記時間短縮モード状態カウンタの値が0となるまで、又は、次回の大当たり当選があるまでは、時間短縮モード状態フラグの値が「1」に維持され、この時間短縮モード状態フラグの値を参酌することにより、時間短縮モードに関わる各種処理が行われる。上述したように通常モード時において大当たり当選した場合には、大当たり終了後、特別表示装置43における変動表示4回分の時間短縮モードである時間短縮・短期モードとなる。
時間短縮・短期モード中(特別表示装置43において変動表示が4回行われる間)に大当たり当選した場合には、時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグの値は共に「1」となる。そして、上記変動開始処理において両フラグ値を基に時間短縮モードカウンタの値に「100」が設定される。つまり、時間短縮・短期モード時において大当たりの発生が確定した場合には、大当たり終了後、特別表示装置43における変動表示100回分の時間短縮モードである時間短縮・長期モードとなる。もちろん、時間短縮・長期モード中に大当たり当選した場合も同様に、大当たり終了後、時間短縮・長期モードとなる。なお、大当たり導出後の両フラグ値の変化は上記同様である。従って、「1」と設定されていた時間短縮モード状態フラグの値も、大当たり制御処理の開始設定処理において一旦リセットされ「0」となる。
一方、時間短縮モード中に大当たり当選せずに、上記時間短縮モード状態カウンタの値が0となった場合、すなわちモード継続期間(変動表示4回又は100回分)が経過した場合には、通常モードに戻る。
次に、表示制御装置45の処理について説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示するようになっている。具体的には、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行う。そして、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定して、表示する。なお、特別表示装置43の決定表示後、上述したように決定コマンドが表示制御装置45へ送信されるが、この決定コマンドは主となる特別表示装置43と補助的な装飾図柄表示装置42との完全な同期を目的とするものである。つまり、完全な同期を図るという上では上記のように決定コマンドを送信する構成が望ましいが、主制御装置261と表示制御装置45との両方で変動時間を把握する構成であれば、決定コマンドを送信しない構成としてもよい。
本実施の形態では、表示制御装置45内のCPU521は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図17に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU521内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施の形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、特別図柄が2通り、通常図柄が8通り設定されている。したがって、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、8個(0〜7)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜7の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり7)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが特別図柄を示す「1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「3」、1であれば「7」、2であれば「3」、3であれば「7」、4であれば「3」、5であれば「7」、6であれば「3」、7であれば「7」という具合に、特別図柄を決定する。また、図柄コマンドが通常図柄を示す「2」である場合、図示しない別のテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」、1であれば「1」、2であれば「2」、3であれば「4」、4であれば「5」、5であれば「6」、6であれば「8」、7であれば「9」という具合に、通常図柄を決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5は定期的に更新され、表示制御装置45が図柄コマンドを受信するタイミングでカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施の形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はワークRAM523の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列装飾図柄、中列装飾図柄、右列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の停止図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。この処理は、表示制御装置45にて、例えば4msecといった所定時間毎に実行されるものである。
図18に示すように、ステップS501では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS502では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において右図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS501で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において左図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS502で肯定判断されることになる。そして、左図柄列の更新時期(ステップS501がYES)であればステップS503に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS502がYES)であればステップS504に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS501、S502が共にNO)であればステップS505に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS503〜S505の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS506では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS507では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS508に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS509に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS510では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS511に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS506、S510が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
上述したように主制御装置261から送信されてくる図柄コマンドに基づいて、表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42に表示する停止図柄を決定する。
具体的には、主制御装置261から送信された図柄コマンドが特別図柄を示す「1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納された値が0であれば「3」、1であれば「7」、2であれば「3」、3であれば「7」、4であれば「3」、5であれば「7」、6であれば「3」、7であれば「7」という具合に、特別図柄を決定する。また、図柄コマンドが通常図柄を示す「2」である場合、図示しない別のテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納された値が0であれば「0」、1であれば「1」、2であれば「2」、3であれば「4」、4であれば「5」、5であれば「6」、6であれば「8」、7であれば「9」という具合に、通常図柄を決定する。さらにまた、主制御装置261から送信された図柄コマンドが前後外れ図柄を示す「3」である場合、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。また、図柄コマンドが前後外れ以外図柄を示す「4」である場合、ワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。さらにまた、図柄コマンドが完全外れ図柄を示す「5」である場合、ワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄を停止図柄として決定する。
表示制御装置45は、変動パターンコマンドに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄のリーチ種別などの図柄変動態様、および、最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間を決定して、装飾図柄の変動表示を行う。そして、図柄コマンドに基づいて停止図柄を決定し、時間経過を判断して停止図柄を表示する。なお、停止図柄の表示に際し、特別表示装置43の変動停止と装飾図柄表示装置42の変動停止とを完全に同期させたいがために、主制御装置261から決定コマンドが送出される。なお、主制御装置261からの決定コマンドは必ずしも必要ではなく、決定コマンドを送出しない構成としても実施できる。主制御装置261及び表示制御装置45のそれぞれで変動時間が把握されるため、決定コマンドを用いずとも、通常は、完全な同期が実現されるからである。
以上説明したように、本実施の形態では、主制御装置261に直接的に制御される特別表示装置43が大当たりなどの決定表示を主として行い、表示制御装置45に制御される装飾図柄表示装置42は補助的な表示を行うものとなっている。
従来、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が知られている。その場合、表示制御装置45に対し何らかの信号を送り、大当たりとなっていないにもかかわらず、見かけ上、大当たりとなったかのような表示をさせることが考えられる。
これに対して、本実施の形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、表示制御装置45と異なり何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難であり、特別表示装置43のLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。したがって、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせることができたとしても、特別表示装置43の点灯態様によって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図26を参照して受信割込み処理を説明し、その後図23を参照してメイン処理を説明する。
図26は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグ513cをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513dに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図27に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS1001)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dへ記憶してコマンド受信フラグ513cをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポート515のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理を図25を参照して説明する。図25は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS903でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS907でRAM判定値を算出し、続くステップS908で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS906で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS908でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS915以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS916ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS914へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS906で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS908でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910で電源断の発生情報をクリアし、ステップS911で賞球の払出を許可する払出許可フラグ513bをクリアする。また、ステップS912では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS913では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS914では、割込みを許可する。
ステップS914で割込みが許可された後は、ステップS922の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS923以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS923において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS924において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS925でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS926でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS927でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS928でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS922の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図27のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS1001)。このコマンド判定処理について図28を参照して以下に説明する。
図28は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS924,S1001)では、まず、ステップS1301においてコマンド受信フラグ513cがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグ513cは、上述した受信割込み処理(図26参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS1301においてコマンド受信フラグ513cがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1301でコマンド受信フラグ513cがオンと判別されれば、ステップS1302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS1303においてコマンド受信フラグ513cをオフする。ステップS1303においてコマンド受信フラグ513cをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS1302〜ステップS1311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS1304〜ステップS1306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS1304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS1305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS1306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS1307で既に払出許可フラグ513bがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグ513bがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS1308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS1309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS1311で払出許可フラグ513bをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグ513bをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS1307で既に払出許可フラグ513bがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS1307の処理は、払出許可フラグ513bが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグ513bがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS1308)と、RAM513の初期値設定(ステップS1309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS1304:NO、ステップS1305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS1311で払出許可フラグ513bをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS1311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS1305:NO、ステップS1306:YES)、ステップS1310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS1311で払出許可フラグ513bをオンする。すなわち、主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS1311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS1304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS1305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS1306:NO)、払出許可フラグ513bをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図27のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS1002において、コマンド判定処理で払出許可フラグ513bがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグ513bがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS1002で肯定判定されれば、ステップS1003で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS1004で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS1005では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、上記下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1006では、上記タンク355のタンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、球無し検出スイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1007では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた図示しない状態表示部(7セグメントLED)により報知する。
ステップS1008〜S1010では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1008,S1009が共にNO)、ステップS1010に進み、賞球制御処理(後述する図29)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1008、S1009の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1011〜S1013では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1011がNO、S1012がYES)、ステップS1013に進み、貸球制御処理(後述する図30)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1011がYES又はS1012がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1014では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1015では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図29に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
また、図30に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図27のタイマ割込み処理に戻る。
以上詳述したように、通常モード時において大当たり当選した場合には、大当たり終了後の遊技モードに時間短縮・短期モードが設定され、特別表示装置43における変動表示の実行回数が4回に達することを条件に当該時間短縮・短期モードが終了し、通常モードへ切換えられる。また、時間短縮・短期モード中又は時間短縮・長期モード中において大当たり当選した場合には、大当たり終了後、時間短縮・長期モードが設定され、特別表示装置43における変動表示の実行回数が100回に達することを条件に当該時間短縮・長期モードが終了し、通常モードへ切換えられる。このように、大当たり状態の終了後に例えば高確率モードを付与したり、付与しなかったりするのではなく、必ず時間短縮モードを付与し、その継続期間に特別表示装置43の変動表示に基づく上限を定めることにより、通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定し、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。また、仮に通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定した場合においても、遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が適正範囲を著しく逸脱するおそれを低減することができる。
さらには、時間短縮・短期モード中又は時間短縮・長期モード中において大当たり当選した場合には、常にその終了後に継続期間のより長い時間短縮モードである時間短縮・長期モードが設定されるようになっているため、場合によっては、比較的長い期間、時間短縮・長期モードが継続的に付与された状態で遊技者が遊技を行うことも可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では15ラウンド大当たりと2ラウンド大当たりが設定されており、15ラウンド大当たりの方が、可変入賞装置32の開放回数のみならず開状態時間に関しても遊技者に有利なものなっている。本実施形態における15ラウンド大当たりは開放回数15回、開状態時間29.5秒と設定され、2ラウンド大当たりは開放回数2回、開状態時間0.2秒と設定されている。さらに、15ラウンド大当たりとなる確率(5分の1)が、2ラウンド大当たりとなる確率(5分の4)より高く設定されている。つまり、2ラウンド大当たりの方が15ラウンド大当たりより発生しやすく、当該大当たり状態において遊技者が獲得し得る賞球数も少ない。従って、通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定した場合でも、遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が適正範囲を著しく逸脱するおそれを低減することができる。換言すれば、通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定し、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
加えて、大当たり状態の発生処理の開始前段階において、時間短縮モード(時間短縮・短期モード又は時間短縮・長期モード)を設定するか否かを判別するための時間短縮モード発生フラグを設定し、大当たり状態の発生処理の終了時において、時間短縮モード発生フラグの値を時間短縮モード状態フラグの値にセーブ(コピー)し、モード判別を行う際には時間短縮モード状態フラグの値を参酌する。これにより、大当たり状態の発生中において、時間短縮モード中の制御と同様の制御が行われてしまうおそれを抑制することができる。例えば、時間短縮モード中と同様に遊技球が減りにくい状況となり、大当たり状態の発生中における遊技球の使用量が減り、結果として遊技者が獲得する賞球数が増えてしまう等のおそれを抑制することができる。また、大当たり状態の発生中において時間短縮モードの付与有りの場合と、時間短縮モード付与無しの場合とで、遊技者が獲得する賞球数の数に極端な違いが生じてしまうおそれを抑制することができる。ひいては、賞球の獲得に係る性能に及ぼす影響を低減することができる。
また、時間短縮モード発生フラグを設定する処理ルーチン等を通常処理ルーチンのうちの変動表示を開始する前段階に行われる変動開始処理ルーチン内においてまとめて実行する。つまり、各種フラグ等の設定処理が別々の処理下において行われることなく、変動開始処理ルーチン内において集約された状態で行われるため、制御処理の簡素化を図ることができる。さらには、プログラムのデバックを実行する際にバグを見つけやすくなるメリットもある。加えて、遊技機の遊技仕様を変更する際には、変動開始処理ルーチン内に集約された上記各処理ルーチンの変更を行うだけで、効率よく容易に仕様変更を行うことができるメリットもある。
さらに、時間短縮モードカウンタの設定処理ルーチンでは、時間短縮モード発生フラグの値と時間短縮モード状態フラグの値を参酌して論理積演算(AND演算)を行うことにより、遊技モード(時間短縮・短期モード又は長期モードか)を決定できるように構成されているため、時間短縮・短期モード及び時間短縮・長期モードそれぞれに対応した別々の時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグを設定しなくとも、遊技モードの決定を行うことができ、制御の簡素化を図ることができる。
以上、本発明は、上記実施の形態には何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の形態で実施できることは言うまでもない。
(a)大当たり当選確率(1/67.7)、時間短縮・短期モードの継続期間(変動表示4回分)、時間短縮・長期モードの継続期間(変動表示100回分)、普通図柄表示装置41の抽選での当選確率(通常モード時149/251,時間短縮モード時224/251)は上記実施形態に限られるものではない。但し、大当たり当選確率を比較的高く設定したり、時間短縮・長期モードの有利性を高める場合には、時間短縮・短期モードの継続期間と時間短縮・長期モードの継続期間との差を比較的大きく設定することが好ましい。例えば、時間短縮・長期モードの継続期間を変動表示120回分とし、時間短縮・短期モードの継続期間を24分の1である変動表示5回分としてもよい。もちろん、大当たり当選確率を考慮しなければならないため、大当たり当選確率に対して時間短縮・長期モードの継続期間が極端に長くならないことが好ましい。例えば、大当たり当選確率が1/67.7である場合、時間短縮・長期モード中に大当たり当選する期待値が2を超えないように、時間短縮・長期モードの継続期間を変動表示約135回分以内とすることが好ましい。一方時間短縮・短期モードの継続期間は大当たり当選確率に対して比較的短いことが好ましい。例えば、大当たり当選確率が1/67.7である場合、時間短縮・短期モード中に大当たり当選する期待値が1を超えないように、時間短縮・短期モードの継続期間を変動表示約67回分以内とすることが好ましい。さらには時間短縮・短期モード中に大当たり当選する期待値が0.1を超えないこと、つまり大当たり当選確率が1/67.7である場合、時間短縮・短期モードの継続期間を変動表示約6回分以内とすることが好ましい。
(b)上記実施形態では、第1特定モードとして時間短縮・短期モードが設定され、第2特定モードとして時間短縮・長期モードが設定されている。しかし、第1特定モード及び第2特定モードは時間短縮モードに限られるものではなく、他のモードであってもよい。例えば第1特定モード及び第2特定モードの少なくとも一方が高確率モードであってもよい。また、次回の大当たり状態が導出されるまでの間継続される高確率モードや時間短縮モードであってもよい。また、3つ以上の特定モードが切換設定される構成としてもよい。また、複数の特定モードが切換設定される構成ではなく、1つの特定モードと通常モードとが切換設定される構成としてもよい。
なお、ここでいう高確率モードとは、大当たり終了後において設定される遊技モードであって、大当たり確率が通常モード時の大当たり確率より高められた遊技モードである。これに限らず、高確率モードは、高確率になることに加えて、以下の(1)〜(5)の構成の少なくとも1つを満たす遊技モードであってもよい。(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くする、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くする、(3)第1契機対応ユニット33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くする、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くする、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くする、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くする。つまり、高確率モードとしては、大当たり確率が通常モード時の大当たり確率より高められることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。
但し、仮に、大当たり終了後に設定される第1特定モード及び第2特定モードを継続期間の異なる高確率モードとすると、両者の継続期間の差が比較的大きい場合(例えば変動表示4回分と100回分)、第1特定モードと第2特定モードとでは、当該特定モード(高確率モード)中において大当たり当選する期待値に極めて大きな差が生じるおそれがある。例えば特定モード(高確率モード)中の大当たり当選確率を1/60、第1特定モードの継続期間を変動表示4回分、第2特定モードの継続期間を変動表示100回分とした場合には、第1特定モード中において大当たり当選する期待値は極めて低く、第2特定モード中において大当たり当選する期待値は極めて高くなる。結果として、大当たり当選確率が複数存在するような遊技機となってしまい、予め設定された遊技価値の獲得に係る遊技機の性能が著しく損なわれるおそれがある。これに対し、上記実施形態では、第1特定モード及び第2特定モードが、大当たり当選確率が通常モードより高められる高確率モードではないため、そのような不具合は払拭される。
(c)時間短縮・短期モード及び時間短縮・長期モードそれぞれに対応した別々の時間短縮モード発生フラグ及び時間短縮モード状態フラグを設定し、遊技モードの決定を行う構成としてもよい。このようにすれば、制御プログラム等の簡素化が図られる。さらには、制御プログラムのデバックを実行する際にバグを見つけやすくなる、遊技機の遊技仕様変更を効率よく比較的容易に行うことができるなどのメリットがある。
(d)上記実施形態では15ラウンド大当たりと2ラウンド大当たりが設定されており、15ラウンド大当たりの方が、可変入賞装置32の開放回数のみならず開放時間に関しても遊技者に有利なものなっている。しかし、遊技仕様はこれに限られるものではない。例えば、本発明を、大当たり中のラウンド数が不変の遊技機において適用してもよい。
もちろん、2ラウンド大当たりの決定がなされる確率(5分の4)、15ラウンド大当たりの決定がなされる確率(5分の1)も上記実施形態に限られるものではない。但し、通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定する場合には、2ラウンド大当たりの決定がなされる確率が、15ラウンド大当たりの決定がなされる確率より高くなることが好ましい。例えば2ラウンド大当たりの決定がなされる確率が、15ラウンド大当たりの決定がなされる確率の2倍以上となるように、2ラウンド大当たりの決定がなされる確率が例えば10分の9、15ラウンド大当たりの決定がなされる確率が10分の1となるようにしてもよい。
また、ラウンド数に関しても上記実施形態に限られるものではない。但し、通常モード時における大当たり当選確率を比較的高く設定する場合には、当選しやすい方の大当たりのラウンド数すなわち可変入賞装置32の開放回数より、当選しにくい方の大当たりのラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)の方が多くなることが好ましい。例えば、当選しにくい方の大当たりのラウンド数(例えば12回)が、当選しやすい方の大当たりのラウンド数(例えば3回)の4倍以上となるようにしてもよい。また、当選しにくい方の大当たりにおける可変入賞装置32の開放時間(例えば25秒)が、当選しやすい方の大当たりにおける可変入賞装置32の開放時間(例えば0.2秒)の100倍以上となるようにしてもよい。
(e)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球、スロットマシン等の回胴式遊技機、パチンコ機とスロットマシンとを組み合わせて構成された遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)等の各種遊技機として実施することも可能である。
スロットマシン等の回胴式遊技機の態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時の確定識別情報(図柄)が特定識別情報(図柄)であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
パチンコ機とスロットマシンとを組み合わせて構成された遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)の態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時の確定識別情報(図柄)が特定識別情報(図柄)であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出装置とを備え、前記投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機」が挙げられる。