JP5903699B1 - デジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システム - Google Patents

デジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP5903699B1
JP5903699B1 JP2015005292A JP2015005292A JP5903699B1 JP 5903699 B1 JP5903699 B1 JP 5903699B1 JP 2015005292 A JP2015005292 A JP 2015005292A JP 2015005292 A JP2015005292 A JP 2015005292A JP 5903699 B1 JP5903699 B1 JP 5903699B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leaky coaxial
wireless communication
lcx
coaxial cables
radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015005292A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016059025A (ja
Inventor
悟司 塚本
悟司 塚本
前田 隆宏
隆宏 前田
亜飛 侯
亜飛 侯
正行 有吉
正行 有吉
小林 聖
聖 小林
文生 鈴木
文生 鈴木
敦彦 丹羽
敦彦 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Original Assignee
Fujikura Ltd
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd, ATR Advanced Telecommunications Research Institute International filed Critical Fujikura Ltd
Priority to US15/125,999 priority Critical patent/US10326496B2/en
Priority to PCT/JP2015/075087 priority patent/WO2016035857A1/ja
Priority to EP15838383.6A priority patent/EP3190715B1/en
Priority to MYPI2016001723A priority patent/MY180748A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5903699B1 publication Critical patent/JP5903699B1/ja
Publication of JP2016059025A publication Critical patent/JP2016059025A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • H04B5/28
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q13/00Waveguide horns or mouths; Slot antennas; Leaky-waveguide antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/20Non-resonant leaky-waveguide or transmission-line antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/203Leaky coaxial lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q13/00Waveguide horns or mouths; Slot antennas; Leaky-waveguide antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/20Non-resonant leaky-waveguide or transmission-line antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/22Longitudinal slot in boundary wall of waveguide or transmission line
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q25/00Antennas or antenna systems providing at least two radiating patterns
    • H01Q25/004Antennas or antenna systems providing at least two radiating patterns providing two or four symmetrical beams for Janus application
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B1/0483Transmitters with multiple parallel paths
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/0413MIMO systems
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/28Combinations of substantially independent non-interacting antenna units or systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/10Polarisation diversity; Directional diversity

Abstract

【課題】リニアセルに対して、漏洩同軸ケーブルを使用して、より多くの通信トラフィックの収容が可能なデジタル無線通信装置を提供する。【解決手段】 複合ケーブル4は、放射特性のそれぞれ異なる複数の漏洩同軸ケーブル2a,2bを収納する。漏洩同軸ケーブル2a,2bは、内部導体および外部導体を内部に含み複数の漏洩スロットが設けられており、図3(a)ではスロットの軸方向に対するスロット周期が、図3(b)では配置されているスロットパターンがそれぞれ異なる。無線通信装置は、複合ケーブル4の端部から高周波信号を供給し、MIMO(multiple-input multiple-output)通信を実行する。【選択図】図3

Description

この発明は、移動局と地上に設置された地上局との間でデジタル通信を行う無線通信技術の構成に関する。
スマートフォンなどの携帯通信端末は、今や生活必需品であり、バスや列車、航空機内などでもこれによる通信量が増加している。
一方で、漏洩同軸ケーブル(LCX: Leaky Coaxial Cable)は、安定した接続性などの特長からトンネルや地下街などの不感地対策のためのアンテナとして利用されており、さらにケーブルに沿って通信可能範囲を構成できるため「リニアセル」への展開も期待されている。
すなわち、安定したワイヤレス・ネットワーク接続は、鉄道に沿ったエリア、トンネル、地下ショッピング・モール、飛行機内および列車内などのような、「リニアセル」と呼ばれる長く幅の狭い配設位置上において、必要とされる場合がある。リニアセルの環境については、漏洩同軸ケーブルがいくつかの潜在的な長所を持つので、漏洩同軸ケーブルは、このような環境でのアンテナとして無線通信に使用されうる。つまり、漏洩同軸ケーブルは、リニアセルに対して使用する場合、例えば、そのカバーする領域が一定であり、設置は、他の方法に比べて、より単純にできる可能性がある。
一方で、LCXを用いたシステムにおいても、周波数利用効率向上に向けてMIMO(多入力多出力:multiple-input multiple-output)技術の適用が検討されている(たとえば、非特許文献1を参照)。
しかし、非特許文献1に開示された方法では、複数本のLCXを互いに相関が十分低くなるように離して設置する必要があり、敷設や維持コストが増大するという課題があった。
一方で、そのような問題に対処するために、単一LCXによる2×2MIMOシステムについての提案もある(非特許文献2、非特許文献3を参照)。この方法では、LCXの両側から信号を入力する必要があり、LCXの両端がほぼ同じ位置になるように敷設するか、LCXの反対端まで別途同軸ケーブル等を敷設する必要がある。そのためLCXの長さが長くなると敷設コストが増大する。
また、特許文献1には、結束漏洩同軸ケーブルにおいて、第1の漏洩同軸ケーブル、第2の漏洩同軸ケーブル、および第3の漏洩同軸ケーブルのそれぞれの外部導体には、所定の大きさのスリットが所定の間隔で形成されており、第1ないし第3の漏洩同軸ケーブルは、相関が低減されるように、外周の所定の方向にあるスリットの向きが漏洩同軸ケーブル間で互いに異なるように、あるいは、漏洩同軸ケーブルの間隔を波長の2分の1以上となるように、または、偏波面の向きが漏洩同軸ケーブル間で互いに異なるようにスリットの角度を設定している漏洩同軸ケーブルが結束され、MIMO通信を実現する構成が開示されている。
特開2011−199760号公報明細書
川合他, "LCXを用いた列車内MIMOスループット特性の一検討",信学技報,AP2011-172(2012-01),pp147-152. 塚本悟司、阿野進、前田隆弘、伴弘司、小林聖、「単一漏洩同軸ケーブルによる2×2MIMOシステムの一検討」、2013年電子情報通信学会総合大会予稿集、B-1-220 S. Tsukamoto, T. Maeda and Y. Hou, et al. "Performance evaluation of 2x2 MIMO system with single leaky coaxial cable," in Proc. VJISAP (Vietnam - Japan International Symposium on Antennas and Propagation) 2014, pp. 261-264, Jan. 2014.
しかしながら、より多くの通信トラフィックを収容するシステムのためには、さらなるスペクトル効率の向上が必要になる。
また、そのようなスペクトル効率の向上を、漏洩同軸ケーブルで実現する際に、敷設のためのコストを抑制することも必要になる。
一方で、特許文献1に記載の技術は、上記のとおりの開示があるものの、複数の漏洩同軸ケーブルを近接して配置した場合に、実際に良好なMIMO特性を実現するための構成について十分な検討がされているとはいえない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、リニアセルに対して、漏洩同軸ケーブルを使用して、より多くの通信トラフィックの収容が可能なデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムを提供することである。
この発明の他の目的は、より多くの通信トラフィックの収容を、漏洩同軸ケーブルの敷設コストを抑制して実現することが可能なデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムを提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、デジタル無線通信装置であって、放射特性のそれぞれ異なる複数の漏洩同軸ケーブルを収納した複合ケーブルを備え、各漏洩同軸ケーブルは、内部導体および外部導体を含み、複数の漏洩スロットが設けられており、漏洩同軸ケーブルの軸方向の法線方向に対して放射のピーク方向が、軸方向および法線方向の双方を含む面内で成す角度を放射角とするとき、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有し、複合ケーブルの一方端から、受信機に向けて送信するための高周波信号を供給し、受信機との間でMIMO(multiple-input multiple-output)通信を実行するための送信手段をさらに備える。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有するように、漏洩スロットの配置の周期が異なる。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有するように、内部導体および外部導体との間の絶縁体の誘電率または内部導体の径が異なる。
好ましくは、異なる放射角の差は、少なくとも11度以上である。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルにおいては、さらに、それぞれ、漏洩スロットの漏洩同軸の軸方向に対する角度が異なる。
好ましくは、送信手段は、複合ケーブルの両端側から漏洩同軸ケーブルの各々に、高周波信号を供給する。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、単一の被覆構造中に収納される。
この発明の他の局面に従うと、デジタル無線通信システムであって、固定して設置される第1のデジタル無線装置を備え、第1のデジタル無線通信装置は、放射特性のそれぞれ異なる複数の漏洩同軸ケーブルを収納した複合ケーブルを含み、各漏洩同軸ケーブルは、内部導体および外部導体を含み、複数の漏洩スロットが設けられており、漏洩同軸ケーブルの軸方向の法線方向に対して放射のピーク方向が、軸方向および法線方向の双方を含む面内で成す角度を放射角とするとき、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有し、複合ケーブルの一方端から高周波信号を供給し、MIMO通信を実行するための送信手段をさらに含み、モバイル端末であって、複合ケーブルからの信号を受信して第1のデジタル無線通信装置とMIMO通信を行う第2のデジタル無線通信装置をさらに備える。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有するように、漏洩スロットの配置の周期が異なる。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有するように、内部導体および外部導体との間の絶縁体の誘電率または内部導体の径が異なる。
好ましくは、異なる放射角の差は、少なくとも11度以上である。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルにおいては、さらに、それぞれ、漏洩スロットの漏洩同軸の軸方向に対する角度が異なる。
好ましくは、送信手段は、複合ケーブルの両端側から漏洩同軸ケーブルの各々に、高周波信号を供給する。
好ましくは、複数の漏洩同軸ケーブルは、単一の被覆構造中に収納される。
本発明のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、リニアセルに対して、漏洩同軸ケーブルを使用して、より多くの通信トラフィックの収容が可能である。
本発明のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、より多くの通信トラフィックの収容を、漏洩同軸ケーブルの敷設コストを抑制して実現することが可能である。
本実施の形態のリニアセルの態様を説明するための概念図である。 従来のLCXを用いたMIMO方式を説明するための概念図である。 本実施の形態の複合型LCXケーブルによるMIMO通信を説明するための概念図である。 放射特性を異なったものとするためのLCXの構造を説明するための図である。 複合ケーブル4にRF信号を供給するデジタル無線通信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。 測定系を示す概念図である。 測定された各エリアに対するCN値の累積分布関数を示す図である。 LCXからの放射原理と放射角とを説明するための概念図である。 単一LCXを2アンテナ相当として用いるMIMO システムの構成を示す図である。 近接した2本のLCXにより2×2MIMOを実現する構成を説明するための図である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度11度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度18度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度26度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度35度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度44度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度55度のケーブルの放射パターン測定結果である。 LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度71度のケーブルの放射パターン測定結果である。 2×2MIMOの特性を測定した配置を説明するための図である。 放射角度18度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。 放射角度26度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。 放射角度35度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。 放射角度44度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。 放射角度55度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。 近接した放射角度18度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。 近接した放射角度26度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。 近接した放射角度44度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。 近接した放射角度26度と71度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。 近接した放射角度35度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。 近接した放射角度35度と71度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
(無線通信システムの概要)
図1は、本実施の形態のリニアセルの態様を説明するための概念図である。
図1(a)に示すように、たとえば、電車のホームのような環境で、無線通信を実現する場合、従来は、1つのピコセルあたりに1つの無線基地局が配置され、ホームを移動するユーザが保持する端末が、ピコセル間をまたぐ際には、ハンドオーバー処理を行う必要があった。
一方、図1(b)に示すように、漏洩同軸ケーブル2をアンテナとして使用している場合、セル間のハンドオーバープロセスおよび干渉を回避することが可能となる。
さらに、後に説明するように、図1(b)では、通信の渋滞を生み出すような高密度に、移動端末が存在する環境でのLCXシステムのスペクトル効率を改善するために、MIMO技術を使用して無線通信方式の容量を改善する。
図2は、従来のLCXを用いたMIMO方式を説明するための概念図である。
図2(a)に示すように、従来は、1つのLCXが単に1のアンテナとして使用されると考えてMIMOシステムを構成している。
入力RF信号Aおよび信号Bの伝達方向が同一の場合、放射特性は高い相関を有する。
したがって、MIMOシステムを形成するためには、複数の(図では2本)LCX2a、2bが必要となり、そのLCXの間隔は一定以上離れていることが必要になる。このようにして、間隔の空けられたLCXにそれぞれ信号Aと信号Bが一方端から供給され、LCXの間に、端末UEが位置することで、MIMO通信が実現される。
一方、上述した非特許文献2に記載のように、図2(b)のごとく、単一のLCXの両端から信号A,Bを供給することで、入力RF信号の伝搬のアンテナ指向性パターンには異方向が生じ、相関が低くなる。このため単一のLCXを2つのアンテナ(2つの指向性を有するアンテナ)として利用することで、2×2MIMOシステムを実現することができる。
図3の2つの図は、本実施の形態の複合型LCXケーブルによるMIMO通信を説明するための概念図である。
1つの複合ケーブル4へ異なる放射特性を持っている2つのLCX2a、2bを組み合わせることにより、さらに4×4 MIMOシステムを実現することを可能とする。
すなわち、複合ケーブル4は、1つの被覆構造の中に、2つの放射特性の異なるLCX2a、2bを納めており、一方端側からはRF信号Aと信号Cが、他方端側からはRF信号Bと信号Dが、それぞれ、LCX2a、2bに供給される。
図3(a)では、LCXにおいて電波の漏洩するスロットの間隔Pにより、放射特性を異ならせる構成としており,図3(b)のようにスロットの開口面積は一定のまま、スロットが漏洩同軸の軸方向に対する角度を変えることで、放射強度や偏波などの放射特性を変更することもできる。
さらに、異なるLCXで、放射特性を異ならせるために、スロットの間隔に加えて、スロットが漏洩同軸の軸方向に対する角度を変える構成としてもよい。
なお、1つの被覆構造の中に納められる、互いに放射特性の異なるLCXの本数は、2本に限られず、より多くてもよい。
図4は、放射特性を異なったものとするためのLCXの構造を説明するための図である。
図4においては、LCXの外部から順に構造を取り除いて、順次、内部の構造が現れてくるように表示している。
LCXの中心軸上の内部導体200のまわりには、比誘電率εrの絶縁層202が設けられる。この絶縁層202の外周に設けられる外部導体204には、スロット206が間隔Pで設けられており、この外部導体204の外周には、さらに、被覆構造208が設けられる。
この図4の構成において、LCXの軸方向に対する法線方向に対して放射のピークとなる方向の成す角度θmは、以下の式で表される。
ここで、mは、高調波の次数であり、λRFは、RF波の波長であり、Pは、スロットの間隔である。LCXでは、通常は、高調波の放射を抑制するために、m=−1となるように設計される。
図5は、複合ケーブル4にRF信号を供給するデジタル無線通信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
なお、デジタル無線通信装置1000は、地上局(たとえば基地局)に設置され、複合ケーブルから放射される信号を生成するものとする。
なお、受信の構造については、基本的に、この送信の構成の逆方向の処理を行う構成が設けられていればよい。
図5を参照して、デジタル無線通信装置1000は、複合ケーブル4に信号を送出するためのノード10.1〜10.nが設けられる。特に限定されないが、たとえば、ノード10.1〜10.nは、4個であり、ノード10.1〜10.4が、図3における信号A〜Dをそれぞれ送出するものとする。
なお、4×4MIMOとして動作させるためには、図3に示すように、複合ケーブル4の両側から信号A〜Dを伝達させることが必要である。ただし、たとえば、2×2MIMOとして動作させることを想定するのであれば、複合ケーブル4の一方端側から信号AおよびC(または信号BおよびD)を送信させ、他方端側は終端装置を設ける構成としてもよい。以下では、4×4MIMOとして動作させるものとして説明する。
デジタル無線通信装置1000は、さらに、伝送するべきデータを符号化し、さらに、誤り訂正符号化を行う符号化部312と、符号化部312からの信号を変調する変調部310と、変調部310の信号に送信ウェイトをかける送信号ウェイト制御部308と、送信ウェイトのかけられた信号をD/A変換するD/A変換部302と、アナログ変換された信号をアップコンバートして増幅し、ノード10.1〜10.4にそれぞれ供給する信号送信部20とを備える。
なお、送信号ウェイト制御部308の動作などは、MIMO信号処理として一般的なものであるので、記載は省略する。
図3および図4で説明したように、1つの複合ケーブル4に収納されるLCXは、スロットの方向およびスロットの周期Pを調節し、各LCXに異なる放射特性を持たせることで、4×4 MIMOチャネルを実現することができる。
このようにすれば、異なる放射特性が異なる伝搬路を生成するので、効率的な4×4 MIMOチャネルを実現することができる。
(4×4 LCXMIMOシステムの測定系の構成)
以下では、上述したような実施の形態のMIMOシステムについて、実験的に、特性を評価した結果について説明する。
電波暗室に設けられた測定系については、複合ケーブル4は、電波アブソーバーに置かれる発泡スチロールの端に置かれる。
2つのタイプのLCX(以下、V型LCXおよびM型LCXと呼ぶ)が、1つの複合ケーブルとして組み合わせられる。
図6は、測定系を示す概念図である。
図6に示すように、この測定系では、複合ケーブルと4つの受信アンテナ(モノポールアンテナで0.5λ間隔で配置される)の間のチャネルマトリックスは、4×4チャンネルエレメントを構成する。このようなチャネルマトリックスの特性は、図6に示されるような多重ポート・ベクトルネットワークアナライザ2000によって測定される。
図6では、2つのLCXの間の間隔を表わすために「LCX-Y」との記号を使用する。
反射パスがなく、チャネル伝搬が電波暗室において静的であるので、LCXによって形成されるセルの形は対称であると仮定される。
図6には、さらにそのエリア内の測定ポイントも示される。
LCXの終端の外側の2つの位置を含む12の位置が、測定ポイントして選ばれる。
これらの位置は、領域1および領域2と表示された2つのエリアに分割される。
領域1は、端末UEがLCXの内側にある位置を表わす。また、領域2は、端末UEが、LCXの終端の外側にある位置を表わす。
帯域幅が401のサンプルで125MHzであり、搬送周波数2.452GHzで、測定が実行された。
(4×4 LCX MIMOのチャンネル特性)
LCX-MIMOが4×4チャネルを実現することができることを確認するために、MIMOシステムのメトリックとして条件数(CN:Condition Number)γを使用する。
すなわち、4×4MIMOとして4倍の多重度が実現できることを示すものとして、非特許文献2にも記載のように、条件数という指標により簡易的に評価できることが知られている。条件数は小さいほど良好なMIMO伝搬路であり、条件数が大きいMIMO伝搬路では、信号系列を分離する際に、信号系列間の分離度を高めるために高いS/N比(信号対雑音比)を要し、伝送特性が劣化する。
すなわち、「条件数」は、MIMOチャネル行列の最大特異値と最小特異値の比から求められる。チャネル行列係数の小さな推定誤差により、MIMO伝送路からの信号の復号に小さな誤差しか生じない場合は、「コンディションの良い系」ということができる。係数の小さな誤差が信号の復号に大きな影響を与える可能性がある場合は、システムのコンディションは良くない。条件数は、このようなシステムのコンディションの指標であり、通常、dB単位の数値で表される。
より詳しく説明すると、測定された4×4マトリックスHは、特異値分解により、以下のように分解される:
ここで、U,Vはユニタリ行列である。さらに、以下のような関係がある。
条件数(CN)γ[dB]は4つの固有値うち最大のものをλmax、最小のものをλminとした場合に、以下の式のように計算される。
低いCNを有するマトリックスは、「良条件な(well-conditioned)」マトリックスであると言われている。それは、チャネルが、トラッフィクを増大させるキャパシティに対してよい条件を持っていることを意味する。したがって、CNの分布はそのチャンネル特性を示すことができる。
図7は、測定された各エリアに対するCN値の累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)を示す図である。
図7において、「LCX-Y」の値は、1cm、2cm、3cmおよび6cmと変更される。
小さな「LCX-Y」は、複合ケーブルの太さを縮小し、ケーブル設計にとっては望ましい。
図7に示されるように、リニアセルの想定サービスエリアとされる領域1において1cm、2cmおよび6cmという「LCX-Y」を備えたLCXケーブルは、MIMO送信のためのよりよい通信路状態を示し、特に「LCX-Y」が1cmとして設定される場合、より良好な状態を示す。
この結果は、本実施の形態のシステムが、システム設置のための必要スペースを縮小することができることを示す。
さらに、測定結果は、一般に、「LCX-Y」のより大きなものより、領域1の中のより小さな「LCX-Y」の方がMIMO送信のためのよりよい条件を持つことができることを示す。
さらに、図7においては、チャネル品質を示すために、比較のため、4×4 i.i.d.MIMOチャネル(independent identically distributed channel; 送受アンテナ素子間の伝搬特性が統計的に同一でかつ無相関のチャネル)に対するCN値のCDFを示す。
反射パスが存在しない電波暗室の提案されたLCX-MIMOのCN値は、i.i.d. MIMOチャネルより大きいが、それは、屋外環境のそれに近い。
したがって、本実施の形態のように構成されたLCXを用いたシステムは、より多くの反射パスを備えた実際の環境に置かれれば、CN値は減少し、通信路状態が改善されると期待できる。
以上説明したように、本実施の形態のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、リニアセルに対して、放射特性の異なる漏洩同軸ケーブルを使用してMIMO通信を実現することにより、より多くの通信トラフィックの収容が可能である。
また、本実施の形態のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、1つの被覆構造内に複数のLCXをまとめて収納しているために、より多くの通信トラフィックの収容を、漏洩同軸ケーブルの敷設コストを抑制して実現することが可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明した1つの被覆構造内に複数のLCXをまとめて収納した構成の漏洩同軸ケーブルについて、MIMO通信を良好に実現するための構成をさらに詳しく説明する。
図4で説明したように、LCXの中心軸上の内部導体200のまわりには、比誘電率εrの絶縁層202が設けられる。この絶縁層202の外周に設けられる外部導体204には、スロット206が間隔Pで設けられており、この外部導体204の外周には、さらに、被覆構造208が設けられる。
被覆構造としては、たとえば、プラスチック樹脂のシースを用いることができる。外部導体204には、周期的に配置したスロットと呼ぶ長孔が穿孔してあり、そこからLCX内部と周辺とで電磁波信号を送受信する。
(放射原理と放射角)
図8は、LCXからの放射原理と放射角とを説明するための概念図である。
図8に示されるように、LCXからの電磁波は、外部導体上の各スロットを波源として放射された波が合成され伝搬する。
図8において、座標は、LCXの長さ方向をZ、LCXを軸とした周方向をφ、 そして、LCXからの法線方向をrとする。
スロットS、S、S…は、外部導体上に位置するスロットでありZ方向に一定の間隔で並んでいる。同じ傾きとなるスロット同士の間隔をピッチPで示す。そのスロットの中間の位置には逆に傾いているスロットがある。このように傾きの異なるスロットが連なるパターンを「ジグザグ型」と呼び、垂直偏波を放射するLCXに採用される。
一方で、傾きを持たないスロットを一定間隔に並べた「垂直型」のパターンを採用した、水平偏波を放射するLCXもある。
なお、ここで言う「垂直偏波」とはLCXを水平、すなわち大地に対して平行に張った場合に、電界が大地と垂直になる方向であり、「水平偏波」は電界が大地に平行となる方向である。
LCXの基本的性質は同軸ケーブルと同様であり、電磁エネルギーをTEM波で伝送する。ケーブル内部では中心導体表面から垂直に外部導体へ電界が存在し、磁界は中心導体を軸に回転している。そして、外部導体内面には、Z方向に電流が流れる。
図8の下側には、スロットピッチに比べて非常に低い周波数の電流によりスロット部で発生する電界のイメージを示している。Z方向の電流により傾いたスロットに電界Eが生じるとした場合、これがφ方向の電界EφとZ方向の電界Ezに分解できることを示している。
例えば、ここで、スロットピッチを高周波信号のケーブル内波長とほぼ同一に設定すると、スロットSではスロットSやスロットSと逆向きに瞬時電流が流れる事になる。その結果、この図でのスロットSの電界Ezは両隣の電界と逆向きとなり互いに打消しあう。
これに対しφ方向の電界Eφは、これらのスロットで同相となるため垂直偏波が放射される。
(放射角)
放射角については、図4において上述したが、以下では、より詳しく、その原理を説明する。
LCXの法線方向を0度として終端側を+θ、給電側を−θとする。各スロットからの合成電磁波はθ方向へ放射し、このθを放射角と呼ぶ。すなわち、ここでの放射角とは、LCXの軸方向の法線方向に対して放射のピーク方向が、軸方向および法線方向を含む面内で成す角度のことである。
この時の放射条件は、スロットSにおける位相をφS1、スロットSにおける位相をφS2、位置Aにおける位相をφ、スロットSとスロットSとの間の位相をφS1S2、スロットSからA間の位相φS1Aをとして、以下の式(1)となる。
ただし、n=0,±1,±2,…である。
ここで、λ0およびλgをそれぞれ自由空間波長とケーブル内波長とすると、自由空間の伝搬定数k0とケーブル内の伝搬定数βgはそれぞれ式(2)、(3)となる。
ただし、εrは絶縁体の比誘電率である。
Eφ偏波を発生させるφ方向の電界成分は、図8より隣り合うスロットで反転していることから、スロットSでの位相にπを追加し、Eφ偏波の放射条件式として式(4)が得られる。
式(4)から、sinθφ,m(φ,mは、下付き、以下同じ)は、以下の式(5)となる。
ここで、放射波である為にはθφ,mは実数の必要があるので(2n+1)は負でなければならず、 式(5)の右辺は、1以下となり、放射角θφ,mは次の式(6)となる。
ただし、m=2n+1=−1,−3,…である。
これより、放射角は適当な絶縁体の材質やスロットピッチを選択することで、調整可能なことがわかる。すなわち、放射角は、スロットの設けられる周期の他、絶縁体の誘電率や,芯線(内部導体)の径の太さによりケーブル内での伝搬速度を変化させることでも、調整することが可能である。
通常は、n=−1のいわゆる−1次モードだけが使用されることが多い。−2次モード以降の高次モードが生じる周波数では、−1次モードを含め複数の角度から放射される電磁波が互いに干渉し、定在波が発生するため、一様な強さの電磁波の放射を実現することが困難となるためである。
たとえば、ジグザグスロットのスロットピッチを短くすると、高次モードは発生せず−1次の単一モードとすることができる。また、ジグザグ型でなく、垂直型スロット、傾斜型スロット、丸型スロット、角型スロットでも、ピッチにより、−1次モードだけにすることができる。
(結合損失)
LCXの放射及び受信効率は結合損失(Lc)で表すことができる。結合損失は、LCXへの入力をPin、アンテナからの出力をPoutとして実測値より式(7)で計算する。
また、LCXからの距離r0を基準にとることにして、式(8)から任意の位置rでの結合損失Lcrを計算することができる。
この結合損失はスロットの開口面積を変化させるなどにより調整可能なことから、LCXへの給電電力とは別の方法でリニアセルの短軸方向にあたるセル幅を設定することが可能である。
(LCXによる2種類のMIMO構成)
(単一LCXによる2×2MIMO)
図9は、単一LCXを2アンテナ相当として用いるMIMOシステムの構成を示す図である。
図9の構成では、前述したとおりLCX内への給電方向の違いによりLCXから放射される電波が指向性を持つことによって2×2MIMOを実現する。
図9の中央にあるLCXに、送信機Txにより左側(ポート1)から給電した信号は、例えば矢印h31やh41の方向に放射され、右側(ポート2)からの信号は、これとは逆方向のh32 やh42の向きに放射される。加えてそれぞれ放射するスロットまでのLCX内での伝搬により位相が生じるため、結果として、それぞれ異なる伝搬路が生成でき、受信機Rxで受信される。
(近接した2本のLCXによる2×2MIMO)
図10は、近接した2本のLCXにより2×2MIMOを実現する構成を説明するための図である。
近接したLCXによるMIMOでは、放射特性を変えたLCXを組み合わせて用いることで、1/2波長以下に近接したLCXでのMIMOを実現する。
図10の上側にあるLCXに、送信機Txにより左側(ポート2)から給電した信号は、矢印h32やh42の方向に放射され、下側(ポート1)からの信号は、これと異なるh31やh41の向きに放射される。これによって異なる伝搬路が生成でき、受信機Rxで受信される。図10では、2つのLCXの給電側の反対側は、終端器により終端されているものとする。
同様に偏波の異なるLCXの組み合わせでもMIMOが可能である。このためには、たとえば、「ジグザグ型」のスロットのLCXと「垂直型」のスロットのLCXとを組み合わせればよい。
また、上述した手法を以下のように組み合わせて、近接した2本のLCXによる4×4MIMOあるいは4本での8×8MIMOを実現できる。
i)近接した2本の同一の偏波特性のLCXで両側給電とする、あるいは、近接した4本の同一の偏波特性のLCXで両側給電とする。
ii)近接した2本のそれぞれ異なる偏波特性のLCXで両側給電とする、あるいは、近接した4本のうち2本の組と2本の組でそれぞれ異なる偏波特性のLCXで両側給電とする。
加えて、このような手法はアンテナ部分のみの独立した手法であるため、非線形マルチユーザMIMO などの信号処理技術を併用して、より一層の性能改善を行うことが可能である。
(LCXの放射パターン)
以下、LCXの放射パターンの測定結果を説明する。
測定用のターンテーブル上に電波吸収体を載せ、長さ3mとしたジグザグ型のスロットのLCXをこの上に水平に置いて、これをxy平面としてLCXの長手方向をx軸とする。放射パターンはx軸に対して回転対称と考えxy面での垂直偏波および水平偏波を測定した。測定周波数は5.15Ghzで、表示は最大値を0dBとして正規化した。
図11〜図17は、それぞれ、LCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度X度(X=11,18,26,35,44,55,71)のケーブルの放射パターン測定結果である。
図11(a)〜図17(a)は、前方給電としてLCXの一端を50Ωで終端した時の放射角度X度のケーブルの放射パターン測定結果である。LCXからの放射は測定結果からLCXの真横にあたるy軸方向ではなく給電方向から見てその手前約X度方向が最も強いことが判る。また、図11(b)〜図17(b)に示すように、給電方向を逆にした場合(後方給電)も同様である。
なお、ここでは、「放射角度X度」とは、スロットピッチを調整することで、式(6)により放射角度がX度となるように調整したLCXケーブルを意味する。
これらの放射パターンより給電端の違いで放射の向きが異なるので、単一のLCXでも両側給電により、MIMOが実現可能である。
また、近接した異なる放射角度の2本のLCXによってもMIMOが実現可能である。
(測定実験)
図18は、2×2MIMOの特性を測定した配置を説明するための図である。
LCXは、10mであるものとし、その両側には通常の同軸ケーブルが接続される。
LCXの中央を起点として、1.5m離れたLCXに平行なラインを端末を順次移動させながら、0m〜6mまでスループットを測定した。したがって、0m〜6mの最後の1mは、LCXの端部の外側である。
測定は、図9または図10のポート1〜ポート4に給電し、電波暗室内で行った。MIMOでは周囲からの反射波を利用出来る環境が有利と考えられるため、あえて電波吸収体を底面と背面に配置し、LCXからの直接波が支配的となるMIMOには不利な見通し条件とした。
端末用アンテナの素子間隔は0.5λで、この両側には同じく0.5λ離してダミーのアンテナを設置した。
また、変調と符号化率,MIMO多重度の組み合わせを表すMCSとしては、0から4の条件及び8から12の条件が適応レート選択機能により適宜選択される設定としている。
(単一LCXによる2×2MIMO:両側給電)
図19は、放射角度18度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。
図20は、放射角度26度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。
図21は、放射角度35度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。
図22は、放射角度44度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。
図23は、放射角度55度のジグザグ型スロットのLCXに両側給電した場合のスループットの測定結果を示す図である。
図19〜図23のいずれにおいても、LCXの中央部付近では、2×2MIMO通信が実現していることに対応して、シングルストリームの場合よりもスループットが大きな値となっていることがわかる。
ただし、LCXの端部付近では、スループットが低下しており、この低下が起こる領域は、放射角度に依存している。
LCXの放射特性からMIMO可能な場所、すなわちセル端はLCX端(x=5m,y=0m)の位置から放射角方向に引いた線とほぼ一致すると見られる。そのため、LCX中央より離れるに従って、スループットの低い区間が生じる。そして、この線よりLCXの中央寄りの場所では、スループットは比較的に安定している。
(近接した2本のLCXによる2×2MIMO:片側給電)
以下では、近接した2本の放射角度の異なるLCXに片側から給電した場合のスループットの測定結果を説明する。この場合の2×2MIMOの特性を測定した配置も、図18に示したものと同様である。
図24は、近接した放射角度18度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
図25は、近接した放射角度26度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
図26は、近接した放射角度44度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
図27は、近接した放射角度26度と71度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
図28は、近接した放射角度35度と55度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
図29は、近接した放射角度35度と71度の2本のLCXに片側から給電した場合のスループットを示す図である。
まず、図24を参照すると、Type1とあるのは、放射角度18度のLCXのみに片側から給電した場合を示し、Type2とあるのは、放射角度55度のLCXのみに片側から給電した場合を示す。
Type1 and Type2とあるのは、放射角度18度および放射角55度の2本のLCXの双方に片側から給電した場合を示す。
2本のLCXに同時に給電することで、約2倍のスループットが達成されており、2×2MIMOが実現できていることがわかる。
以下、図25〜図28では、2本のLCXの双方に片側から給電した場合を示している。
2本の漏洩同軸ケーブルの放射角の差がもっとも小さい場合である、図26に示す放射角度44度と55度の2本のLCXの組み合わせでMIMO通信は実現されていることがわかる。ただし、放射角度44度と55度の2本のLCXの組み合わせ以外の組合せでは、一定範囲の領域内でより安定に、2×2MIMOが実現できている。しかも、LCXの端部を超えた領域までの広い領域で、2×2MIMOが実現できていることがわかる。
したがって、近接した2本の放射角度の異なるLCXに片側から給電した場合には、少なくとも、MIMO通信を行うためには、放射角度の差が11度以上あることが望ましく、放射角度の差が15度程度ではより好ましく、放射角度の差が20度以上あれば最適なMIMO通信を実現できることがわかる。
実施の形態1と同様に、近接した複数本のLCXによりMIMO通信が実現可能なために、この複数本のLCXを1つの被覆構造内にまとめて収納する構成とすることができる。
また、複数本のLCXを1つの被覆構造内にまとめて収納する構成に対して、両側から給電することも可能である。
以上説明したように、本実施の形態のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、リニアセルに対して、放射特性の異なる漏洩同軸ケーブルを使用してMIMO通信を実現することにより、より多くの通信トラフィックの収容が可能である。
また、本実施の形態のデジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システムによれば、1つの被覆構造内に複数のLCXをまとめて収納することが可能であるために、より多くの通信トラフィックの収容を、漏洩同軸ケーブルの敷設コストを抑制して実現することが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
10.1〜10.n ノード、20 信号送信部、30 デジタル信号処理部、302 D/A変換部、308 送信信号ウェイト制御部、310 変調部、312 符号化部1000 デジタル無線通信装置。

Claims (12)

  1. 放射特性のそれぞれ異なる複数の漏洩同軸ケーブルを収納した複合ケーブルを備え、
    各前記漏洩同軸ケーブルは、内部導体および外部導体を含み、複数の漏洩スロットが設けられており、
    前記漏洩同軸ケーブルの軸方向の法線方向に対して放射のピーク方向が、前記軸方向および前記法線方向の双方を含む面内で成す角度を放射角とするとき、前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有し、
    前記複合ケーブルの一方端から、受信機に向けて送信するための高周波信号を供給し、前記受信機との間でMIMO(multiple-input multiple-output)通信を実行するための送信手段をさらに備える、デジタル無線通信装置。
  2. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、前記異なる放射角を有するように、前記漏洩スロットの配置の周期が異なる、請求項1記載のデジタル無線通信装置。
  3. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、前記異なる放射角を有するように、前記内部導体および前記外部導体との間の絶縁体の誘電率または前記内部導体の径が異なる、請求項1記載のデジタル無線通信装置。
  4. 前記異なる放射角の差は、少なくとも11度以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル無線通信装置。
  5. 前記複数の漏洩同軸ケーブルにおいては、さらに、それぞれ、前記漏洩スロットの漏洩同軸の軸方向に対する角度が異なる、請求項1記載のデジタル無線通信装置。
  6. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、単一の被覆構造中に収納される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタル無線通信装置。
  7. 固定して設置される第1のデジタル無線装置を備え、前記第1のデジタル無線通信装置は、
    放射特性のそれぞれ異なる複数の漏洩同軸ケーブルを収納した複合ケーブルを含み、
    各前記漏洩同軸ケーブルは、内部導体および外部導体を含み、複数の漏洩スロットが設けられており、
    前記漏洩同軸ケーブルの軸方向の法線方向に対して放射のピーク方向が、前記軸方向および前記法線方向の双方を含む面内で成す角度を放射角とするとき、前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、異なる放射角を有し、
    前記複合ケーブルの一方端から高周波信号を供給し、MIMO通信を実行するための送信手段をさらに含み、
    モバイル端末であって、前記複合ケーブルからの信号を受信して前記第1のデジタル無線通信装置と前記MIMO通信を行う第2のデジタル無線通信装置をさらに備える、デジタル無線通信システム。
  8. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、前記異なる放射角を有するように、前記漏洩スロットの配置の周期が異なる、請求項記載のデジタル無線通信システム。
  9. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、それぞれ、前記異なる放射角を有するように、前記内部導体および前記外部導体との間の絶縁体の誘電率または前記内部導体の径が異なる、請求項記載のデジタル無線通信システム。
  10. 前記異なる放射角の差は、少なくとも11度以上である、請求項のいずれか1項に記載のデジタル無線通信システム。
  11. 前記複数の漏洩同軸ケーブルにおいては、さらに、それぞれ、前記漏洩スロットの漏洩同軸の軸方向に対する角度が異なる、請求項記載のデジタル無線通信システム。
  12. 前記複数の漏洩同軸ケーブルは、単一の被覆構造中に収納される、請求項〜1のいずれか1項に記載のデジタル無線通信システム。
JP2015005292A 2014-09-04 2015-01-14 デジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システム Expired - Fee Related JP5903699B1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/125,999 US10326496B2 (en) 2014-09-04 2015-09-03 Digital wireless communication device and digital wireless communication system
PCT/JP2015/075087 WO2016035857A1 (ja) 2014-09-04 2015-09-03 デジタル無線通信装置及びデジタル無線通信システム
EP15838383.6A EP3190715B1 (en) 2014-09-04 2015-09-03 Digital wireless communication device and digital wireless communication system
MYPI2016001723A MY180748A (en) 2014-09-04 2015-09-03 Digital wireless communication device and digital wireless communication system

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180668 2014-09-04
JP2014180668 2014-09-04

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5903699B1 true JP5903699B1 (ja) 2016-04-13
JP2016059025A JP2016059025A (ja) 2016-04-21

Family

ID=55747774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015005292A Expired - Fee Related JP5903699B1 (ja) 2014-09-04 2015-01-14 デジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10326496B2 (ja)
EP (1) EP3190715B1 (ja)
JP (1) JP5903699B1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220077589A1 (en) * 2019-02-01 2022-03-10 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Leaky Wave Antenna
CN114696104B (zh) * 2020-12-31 2024-03-26 江苏俊知技术有限公司 适用于5g通信的漏泄同轴电缆组件及其制造方法
CN114696102B (zh) * 2020-12-31 2024-03-12 江苏俊知技术有限公司 并联型漏泄同轴电缆组件及其制造方法
CN112803169A (zh) * 2021-02-03 2021-05-14 江苏亨鑫科技有限公司 一种辐射增强型漏泄同轴电缆
CN112803168A (zh) * 2021-02-03 2021-05-14 江苏亨鑫科技有限公司 一种宽波束辐射漏泄同轴电缆
CN114094294B (zh) * 2021-11-19 2023-12-08 中国电信股份有限公司 漏缆
CN114142198B (zh) * 2021-12-16 2022-09-06 西安梅隆控制工程有限责任公司 一种具有多径效应的单根泄漏电缆及构建方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK1900063T3 (en) * 2005-07-04 2018-12-03 Ericsson Telefon Ab L M IMPROVED REPEAT ANTENNA FOR USE IN POINT-TO-POINT APPLICATIONS
EP2534732B1 (en) * 2010-02-09 2020-07-15 Telefonaktiebolaget LM Ericsson (publ) An antenna arrangement
JP2011199760A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Sony Corp 結束漏洩伝送路、通信装置、および通信システム
SG189459A1 (en) * 2010-11-29 2013-05-31 Ericsson Telefon Ab L M An antenna arrangement
EP2495882A1 (en) * 2011-02-28 2012-09-05 Alcatel Lucent Distributed antenna system
JP5838470B2 (ja) * 2011-10-14 2016-01-06 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 無線通信装置および無線通信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016059025A (ja) 2016-04-21
EP3190715A4 (en) 2018-05-02
EP3190715B1 (en) 2020-12-09
EP3190715A1 (en) 2017-07-12
US10326496B2 (en) 2019-06-18
US20180145728A1 (en) 2018-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5903699B1 (ja) デジタル無線通信装置およびデジタル無線通信システム
Payandehjoo et al. Employing EBG structures in multiantenna systems for improving isolation and diversity gain
JP5512669B2 (ja) 高スループットmimowlanシステムのためのアンテナアレイ構成
US20110234338A1 (en) Bundled leaky transmission line, communication device, and communication system
US9735473B2 (en) Compact radiation structure for diversity antennas
Hou et al. Capacity evaluation of MIMO channel with one leaky coaxial cable used as two antennas over linear-cell environments
JP2023157956A (ja) 無線ヘッドを分散するためのシステム及び方法
CN114094294B (zh) 漏缆
WO2013139859A1 (en) Leaky transmission line and mimo communication system based on leaky transmission line
Yagi et al. 200 Gbit/s wireless transmission using dual-polarized OAM-MIMO multiplexing on 28 GHz band
Hou et al. 2 by 2 MIMO system using single leaky coaxial cable for linear-cells
US20120176907A1 (en) Testing apparatus with a propagation simulator for a wireless access device and method
WO2016035857A1 (ja) デジタル無線通信装置及びデジタル無線通信システム
Tiwari et al. Advancing 5G connectivity: a comprehensive review of MIMO antennas for 5G applications
Tsukamoto et al. An experimental evaluation of 2× 2 MIMO system using closely-spaced leaky coaxial cables
Yagi et al. Prototyping of 40 GHz band orbital angular momentum multiplexing system and evaluation of field wireless transmission experiments
Halvarsson et al. Distributed MIMO demonstrated with 5G radio access prototype
Hou et al. Realization of 4-by-4 MIMO channel using one composite leaky coaxial cable
CN209804902U (zh) 可实现地铁场景5g网络mu-mimo的新型泄漏电缆
Kuga et al. A notch-wire composite antenna for polarization diversity reception
Hou et al. Configuration of MIMO system using single leaky coaxial cable for linear cell environments
Sasaki et al. Demonstration of 1.44 Tbit/s OAM Multiplexing Transmission in Sub-THz Bands
JP7161750B2 (ja) ループアンテナの給電装置
JP4913186B2 (ja) 無線通信システム及びその設置方法
Chattha et al. Low profile dual‐feed Planar Inverted‐F Antenna for wireless LAN applications

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5903699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees