JP5903180B1 - 分割練混ぜ方法と分割練混ぜ装置 - Google Patents

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【課題】ミキサで用いる撹拌翼の種類に関わりなく、粗骨材の挟まりを抑えて分割練混ぜの特性を発揮させて高品質なコンクリートを得る。【解決手段】分割練混ぜ方法は、調整練混ぜに際してミキサ内に細骨材の放出を開始し、細骨材の50%以上をミキサ内に放出した段階で、一次水及び一部の粗骨材を放出して練り混ぜる。その後、セメント等の水硬性物質粉体をミキサ内に加えて一次練混ぜを行う。更に、二次練混ぜに際してミキサ内に二次水の放出を開始し、その後、全量から一部の粗骨材を除去した残りの粗骨材を放出して二次練混ぜを行う。これによって、高品質のコンクリートを製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートを分割練混ぜによって製造する分割練混ぜ方法と分割練混ぜ装置に関する。
従来、コンクリートの練混ぜにおいて、セメントと水をどう遭遇(練り混ぜ)させるかということが練り混ぜ後のコンクリート特性に大きく影響を与えており、重要である。全量の水と全量のセメント粉体を一度に混ぜ合わせると、過剰な水量の中にセメント粉体の塊が入り込むことになり、セメント粉体の塊の周囲表面に水が表面張力で膜を作る。すると、水がセメント粉体内に入り込まないでダマと呼ばれる状態のままコンクリート中に残ることが多くなる。この場合には硬化後のコンクリートの強度が著しく低くなり好ましくない。
例えば、従来の一括練混ぜ方法では、各材料のミキサへの放出はほとんど同時であり、練混ぜの手順は検討されていなかった。特に、コンクリート材料としての水硬性物質粉体(セメント、フライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉、シリカヒューム等)の配合量が多い場合、一括練混ぜ方法ではセメント粉体塊と水塊を練混ぜる状態に近くなるためダマ(セメント粉体の塊)が増加する。ダマの多い練混ぜは均一な練混ぜとはならず避けなければならない。
一方、分割練混ぜ方法では図13に示すように、各材料をミキサへ放出する手順が予め決まっている。
即ち、特許文献1に記載された分割練混ぜ方法において、調整練混ぜ工程では、細骨材Sと粗骨材G1、そしてあらかじめ決定された一次水W1を練り混ぜして骨材表面で一次水W1を均一に付着させる。次に、セメントCを放出して練混ぜを行う。調整練混ぜを含めたこれらの工程が一次練混ぜである。その後、二次水W2と、必要であれば残りの粗骨材G2と混和剤Adをミキサに放出して二次練混ぜを行う。
分割練混ぜ方法においては骨材周りに一次水W1を均一に分布させて、その後セメントCを混入することでセメント粉体は過剰な水と遭遇することなくダマは減少し、骨材周りの適正な水とセメントが練り混ぜられてキャピラリー状態となる。そして、二次水W2を加えて二次練混ぜすることでコンクリートを製造できる。得られたコンクリートはブリーディング率が減少するなど優れた特性を発揮する。
なお、一次練混ぜによるキャピラリー状態とは、骨材周囲に付着した一次水とセメントの水粉体比が小さいペーストの粒子間が水で満たされ、粒子間の結合力が最も強くなり、練混ぜエネルギーが最大になる状態をいう。そのため、ミキサによる練混ぜトルクも大きくなる。このような、キャピラリー練混ぜを行った後、更に二次水を加えて全配合水を得てスラリー状になったペーストをキャピラリーペーストという。
骨材の表面の水量が一様でなくバラツキが大きいと、セメント投入後に練り混ぜてもキャピラリー状態にならない部分が増加して分割練混ぜの利点が損なわれる。
非特許文献1に記載された従来の調整練混ぜ工程では、ミキサを撹拌しながら砂利と砂を同時に放出し、その後に一次水を放出して調整練混ぜを行うようにしている。なお、骨材より先に一次水をミキサに入れると、ミキサに水密性や保水性がなく底部から水が漏れ出してしまう。従って、骨材をミキサに放出した後に一次水をミキサ内に放出するようにしている。
なお、モルタルもコンクリートも使用する骨材の最大径が異なるだけで、いずれもセメントペーストと骨材で構成される混練物である。骨材はブリーディングの発生要素とならず、ブリーディングの主要な原因はセメントペースト中から水が分離して発生するためである。
一般に分割練混ぜ方法では、図14の練混ぜサイクルで示すように、骨材として細骨材と粗骨材を同時にミキサに投入して一次水で湿潤させ、次に骨材をセメントで造殻させた後、二次水を加えて二次練混ぜを行うことを基本としている。これによって製造したコンクリートはJISA5308のレディーミクストコンクリートの品質規定を満たしている。
なお、造殻とは、水硬性物質粉体を水と混合させて粉体粒子間の結合力を強固な状態にした混合体を細骨材Sや粗骨材Gからなる骨材の界面に殻として吸着させた層をいうものとする。
ところで、従来、コンクリートやモルタルを練り混ぜる強制二軸タイプのミキサ(パドルミキサ)は撹拌翼が混練軸に単独で固定されている。コンクリート材料を練混ぜする際、ミキサの槽内で回転する撹拌翼と槽壁との隙間に粗骨材(砂利)が挟まってしまうことがある。この現象を本明細書では「粗骨材の挟まり」というものとする。この場合でも、撹拌翼が回転するうちに粗骨材が撹拌翼から外れるため、粗骨材がミキサの撹拌翼と槽壁との間に挟まる不具合は緩和される。
特許第4668357号公報 特開2010-201835号公報
建設技術審査証明報告書「SECコンクリート」(建技審証第0309号)63頁(一般財団法人土木研究センター)
しかしながら、近年、特許文献2に記載されたように撹拌翼が長く連続する連続撹拌翼を備えたミキサが各メーカから発売され、コンクリート製造に採用されるようになってきた。このような2軸強制練りミキサでは、コンクリートを撹拌する連続撹拌翼と槽壁との隙間に粗骨材が挟まる頻度が大きくなる。連続撹拌翼のミキサを使用して上述した分割練混ぜ方法を行うと粗骨材が挟まる現象が顕著に発生し、粗骨材が割れるなど、練混ぜに支障をきたすことがある。
即ち、上述した調整練りで粗骨材と細骨材とを同時にミキサに放出を開始すると、局部的に粗骨材の割合が大きくなる部分が出来たり、または一次練混ぜ工程で粗骨材が比較的多かったりした場合などには、次のような問題が発生する。
粗骨材が連続撹拌翼と槽壁との隙間に入り込んで挟まることにより練混ぜに必要な動力(トルク)が増加する欠点が生じる。
このような粗骨材の挟まりはミキサの設計上考慮されておらず、機械的故障につながるものでありその影響は大きい。また、ミキサの機械的強度を向上させても、粗骨材の挟まりを回避できなければ粗骨材を破損させることで骨材の強度を低下させる恐れがあった。
本発明は、このような実情に鑑みて、ミキサで用いる撹拌翼の種類に関わりなく、粗骨材の挟まりを抑えて高品質なコンクリートを得るようにした分割練混ぜ方法と分割練混ぜ装置を提供することを目的とする。
本発明による分割練混ぜ方法は、骨材に一次水を加えて調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ方法において、調整練混ぜに際してミキサ内に細骨材の放出を開始し、その後一次水及び粗骨材を放出して練り混ぜるようにしたことを特徴とする。
本発明による分割練混ぜ方法では、調整練混ぜに際して、細骨材は表面積が大きく且つ粒子間の空隙に水を保持し易いのに対し粗骨材は表面水の割合が小さいため、骨材表面の水の均一な分布のためにミキサ内に細骨材を放出して混練させることが重要であり、細骨材を一定量放出してから一次水を放出することで細骨材の粒子間に均一な一次水を保有させることができる。
一方、細骨材と一次水を同時に投与すると練り混ぜが進む前にミキサ底部から一次水が漏出するおそれがあり、また粗骨材は粒子間に水を保有できない上に先に放出すると粗骨材が偏在してミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まり、粗骨材が割れて練混ぜに支障を来したり駆動に要する動力が過大になったり粗骨材が毀損して細骨材と粗骨材の混合比が変動する。
本発明による分割練混ぜ方法は、骨材に一次水を加えてミキサで調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ方法において、調整練混ぜにおいて粗骨材の一部を放出して練り混ぜを行い、二次練混ぜに際してミキサ内に二次水の放出を開始し、その後全粗骨材量から一部の粗骨材を除去した残りの粗骨材の放出を行うようにしたことを特徴とする
調整練混ぜと二次練混ぜの各工程において分割した一部と残りの各粗骨材をそれぞれ放出して練混ぜを行うことで、各工程における粗骨材の放出量を削減してミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まることや粗骨材の毀損を低減させ、調整練混ぜでは細骨材の粒子間で一次水を均一に保持でき、二次練混ぜでは粗骨材が均一に分散して高品質のコンクリートを製造できる。
また、調整練混ぜに際して細骨材の50%以上をミキサ内に放出した段階で、一次水及び粗骨材を放出することが好ましい。
調整練混ぜ工程で細骨材の50%以上をミキサ内に放出した後、一次水及び粗骨材を放出するため、一次水を細骨材粒子間に収容してミキサ底部からの漏水を防ぎ練混ぜがよく行われ、細骨材に付着する一次水の偏差を小さくして均等に付着させて、造殻強度やキャピラリー状態の向上に寄与することができて高品質なコンクリートを製造できる。
本発明による分割練混ぜ装置は、骨材に一次水を加えて調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ装置において、ミキサ内に細骨材を放出する細骨材供給手段と、粗骨材を放出する粗骨材供給手段と、一次水を放出する一次水供給手段と、調整練混ぜに際して細骨材の供給に遅れて一次水供給手段と粗骨材供給手段から一次水と粗骨材をミキサ内に供給する放出タイミング設定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、調整練混ぜに際して、最初に放出タイミング設定手段によって細骨材供給手段から細骨材をミキサに放出してよく練り混ぜ、次に放出タイミング設定手段によって細骨材の供給に遅れて一次水供給手段と粗骨材供給手段から一次水と粗骨材をミキサ内に供給することで、骨材に付着する一次水の含水率の偏差を低減して骨材表面に水の均一な分布を達成させ、細骨材の粒子間に一次水を均一に保有させる。
また、粗骨材供給手段は、一部の粗骨材をミキサに放出する第1の粗骨材供給手段と、全量から一部の粗骨材を除いた残りの粗骨材をミキサに放出する第2の粗骨材供給手段とを備え、放出タイミング設定手段によって調整練混ぜ工程で第1の粗骨材供給手段から一部の粗骨材を放出し、二次練混ぜ工程で第2の粗骨材供給手段から残りの粗骨材を供給するようにしてもよい。
本発明では、調整練混ぜ工程と二次練混ぜ工程において、分割した比較的少ない各粗骨材をそれぞれミキサ内に放出することで、ミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まることや粗骨材の毀損を低減させることできる。
また、二次練混ぜ工程で、二次水の放出を開始した後で第2の粗骨材供給手段によって残りの粗骨材をミキサ内に放出することが好ましい。
二次練混ぜ工程において、二次水の放出開始後に残りの粗骨材をミキサ内に放出することで混練物を柔らかくし、ミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まることや粗骨材の毀損を低減させ、しかも粗骨材が混錬物中に均等に分散するので高品質のコンクリートを製造できる。
また、調整練混ぜに際して細骨材の50%以上をミキサ内に放出した段階で、放出タイミング設定手段によって粗骨材と一次水を放出することが好ましい。
調整練混ぜ工程で細骨材の50%以上をミキサ内に放出した後、放出タイミング設定手段によって一次水及び粗骨材を放出するため、予め表面水を付着する細骨材の練混ぜがよく行われると共に、細骨材に付着する一次水の偏差を小さくして均等に付着させることができて高品質なコンクリートを製造できる。
本発明による分割練混ぜ方法と分割練混ぜ装置によれば、ミキサで用いる撹拌翼の種類に関わりなく、細骨材を一定量放出してから一次水を放出することでミキサ内で細骨材の含水率の偏差を低減させて粒子間に均一な一次水を保有させることができる。しかも、ミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まることを抑えて、分割練混ぜの特性を発揮させて高品質なコンクリートを製造できる。
本発明の実施形態による分割練混ぜ方法を示すフローチャートである。 実施形態による分割練混ぜ方法のミキシングチャートを示す図である。 調整練混ぜ工程におけるミキサ内の混練物の水平方向と上下方向のサンプリングポイントを示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は中央縦断面である。 細骨材のミキサへの放出割合に応じた一次水の投入時点との関係による一次練混ぜ材料における含水率の偏差を示すグラフである。 細骨材と粗骨材を同時に放出する場合のケース1を示すグラフである。 細骨材放出開始後に粗骨材を放出する場合のケース2を示すグラフである。 二次水の前に粗骨材を放出する場合のケース3を示すグラフである。 二次水の後に粗骨材を放出する場合のケース4を示すグラフである。 二次水を供給する前に高炉スラグを放出した場合のケース5を示すダマの発生状況の写真である。 二次水を供給した後に高炉スラグを放出した場合のケース6を示すダマの発生状況の写真である。 本発明の実施形態における分割練混ぜ装置を示す説明図である。 本実施形態による制御部における各材料の供給手段と放出タイミング設定手段との関係を示す図である。 従来の分割練混ぜ方法を示す説明図である。 従来の分割練混ぜ方法のミキシングチャートを示す図である。
まず、本発明の実施形態による分割練混ぜ方法はコンクリートを製造するものであり、本実施形態によって製造されたコンクリートはブリーディング率が小さく、振動時の流動性に優れると共に分離しにくい等の優れた特性を呈する。
まず、本実施形態による分割練混ぜ方法の原理について図1及び図2に基づいて説明する。
本実施形態による分割練混ぜ方法は、図1に示すフローチャートに示すように、調整練り工程と、調整練り工程を含む一次練混ぜ工程と、二次練混ぜ工程とを有している。
本実施形態による分割練混ぜ方法において、まず細骨材(砂)Sと一次水W1と一部の粗骨材G1とをミキサに放出して調整練混ぜを行う。この分割練混ぜ方法で使用するミキサの撹拌翼は上述した特許文献2等に記載されたような比較的羽根の長さが長い連続撹拌翼(連続羽根)によって行われるものとするが、通常の羽根長さの撹拌翼でもよい。
調整練混ぜにおいて、最初に細骨材Sをミキサに放出し始め(ステップS1)、細骨材Sの放出がある程度進んだ途中段階、例えば50%放出した段階で、一部の粗骨材G1と一次水W1を放出して(ステップS2)ミキサの撹拌翼の回転によって調整練りを行う(ステップS3)。
この場合、図2に示すように、ミキサの撹拌翼は各材料の放出途中段階、例えば細骨材Sのミキサへの放出終了時即ち粗骨材G1と一次水W1の放出開始後に調整練混ぜを連続して行っている。なお、ミキサの撹拌翼の回転は細骨材Sの放出前からコンクリートの排出まで連続して行われるものとする。
ここで、調整練混ぜは細骨材Sと粗骨材G1の周囲に一次水を均一且つ効率的に付着させるものである。骨材の表面に一次水W1を均等に分布させるためには、骨材表面のうち95%の表面積を占める細骨材Sに対して練混ぜ時間をかけることが重要である。
一方、粗骨材G1を調整練混ぜに加えることは一次練混ぜで粗骨材表面の改善、例えば粗骨材の欠陥埋めや清浄化等を行う点で意義は大きいが、材料全体に対する表面積の割合が全体の5%〜10%程度と小さい。そのため、調整練混ぜの目的である骨材表面の水の均一分布からいえば影響は小さい。
また、粗骨材G1は一次練混ぜにおいて濃いセメントペーストの造殻層を形成しても二次練混ぜで維持することは難しく、その効果は低減するので、粗骨材G1は多少調整練混ぜの時間を短くしてもその特性に影響を及ぼさない。
しかも、細骨材Sは通常放出前から表面水を保持しているため、これを考慮して一次水W1を設定しているので、表面積当たりの水量を均一にするには、細骨材を先に放出して練り時間を粗骨材G1より長くすることが望ましい。
調整練混ぜの初期で細骨材Sを一定量放出してから一次水W1を放出するのは細骨材Sの粒子間に一次水W1を保有させる状態をつくるためでもある。
仮に粗骨材G1だけ放出を遅らせて細骨材Sと一次水W1を同時に放出開始すると、通常、一次水W1の放出時間が細骨材Sに比べ短いためミキサの底部の排出ゲート部付近に一次水W1が溜まることになり、ミキサから漏水して一次水W1の配合水量が変化する恐れがある。また、練混ぜ初期から細骨材の粒子の間に水を留めれば、その後の練混ぜで細骨材Sの粒子表面に一次水W1を均一に分布させるのに効果的である。また、粗骨材G1だけでは粒子間に水を保有させることは出来ないので、この点からも粗骨材G1を最初から加える必要性はない。
これらの理由により、調整練混ぜ工程における練混ぜ手順は以下のようにすることで、細骨材Sの粒子間に一次水W1を均一に保有させることができる。そして、細骨材Sを先ずミキサ内に放出し、細骨材Sの放出をその全量の例えば50%以上完了した時点で、一次水W1および粗骨材G1の放出を開始することが最も好ましい。その理由は以下による。
上述したように、細骨材Sと配合水W1を同時に投入することは骨材表面の配合水を均一に付着させにくい。これは練混ぜ初期に混錬物に水の多い部分と少ない部分とが出来て、練り混ぜ作業によって均一になるのに時間がかかるためと一次水がミキサ底部に偏在して漏水するためと考えられたためである。
これを確認するために、細骨材Sがミキサ内にどのくらいの量があるとき、細骨材S表面の水を均一にするための練り混ぜ時間が最短となるかを確認するために細骨材の練混ぜ試験を行った。なお、この試験では粗骨材の放出を省略した。
即ち、細骨材Sの投入開始後どの時点で一次水W1を投入するのがよいかを求めるために、一次水W1の投入開始時点における細骨材Sの投入率ΔS/S(ΔS:既に投入した細骨材量/S:配合上の細骨材の量)を変化させて、細骨材Sの投入開始から15秒後のミキサ内の予め定めた点の細骨材Sの含水率を求めた。
ここで、ミキサとして二軸強制練り型で各軸に連続撹拌翼を備えたタイプ(特許文献2に記載されたもの)で、練混ぜ容量60リットルのものを使用した。
このミキサ内からサンプリングを行った点は、図3(a)、(b)に示すように、ミキサの槽内の平面視における二軸の中間で各軸に平行な方向に所定間隔を開けた底部近傍の水平方向の2点A1、B1と、これらの2点上における上部開口近傍の点A2,B2とした合計4点に設定した。
練り混ぜ条件として、細骨材Sの投入時間:6秒、配合水W1の投入時間:3秒、練り混ぜ時間:細骨材S投入開始から15秒とした。一次水W1の放出開始時期を細骨材Sのミキサ内への放出率が0%、25%、50%、75%、100%の各時点に設定した。
そして、サンプリングした調整練りの混錬物から得られた含水率のバラツキ結果を図4のグラフに示した。図4において、一次水W1の投入時における細骨材放出率(%)を横軸にとり、含水率のバラツキを示す含水率偏差(%)を縦軸にとって両者の関係を示した。
図4に示す測定結果から、細骨材放出率が50%以上であれば含水率の偏差が2%以下と小さく、しかも一次水W1の放出タイミングの変化による含水率偏差の変動が少ない。一方、細骨材投入率が50%に満たないと含水率偏差の変動とその値が大きくなるため、好ましくない。また、50%以上であれば、含水率偏差値が2%以下である上に含水率偏差の変動が小さく、更に75%以上では含水率偏差が1%以下で推移するため、細骨材Sの含水率の変動が一層小さく練混ぜ時間が長くなるので調整練り時間の長時間化につながる。
JIS A5308-2003(レディーミクストコンクリート)の8.2.2計量値の許容差は細骨材±3%、配合水±1%であることを考慮すると細骨材の含水偏差が2%以下であればよいと判定した。
そのため、細骨材Sを50%投入した時点で一次水W1の投入を開始することが好ましい態様であると認定できた。
また、細骨材Sと粗骨材G1の投入時期の関係は、細骨材Sと粗骨材G1を同時に投入すると粗骨材G1が偏在して細骨材Sに対して粗骨材G1の割合が多い部分が撹拌翼付近に発生し、ミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まる「粗骨材の挟まり」の可能性が高くなる。「粗骨材の挟まり」による急激な撹拌負荷の増加は、撹拌翼を回転させる駆動部ギアやシャフトの疲労等の寿命に影響するので、避けるべきである。
この点は次のコンクリート練混ぜ時の負荷電流値(トルク)の比較試験データで確かめることができる。
図5及び図6では、ケース1,2の図のそれぞれ上部に横軸の経過時間に対応するように材料の放出開始から終了までを矢印で示してある。この試験では経過時間約5秒から10秒の間に放出される細骨材Sと全粗骨材G(100%G)の放出時期を変えている。このときの負荷電流値を移動平均線で示している。
調整練混ぜに際して、細骨材Sの放出開始と全粗骨材G放出開始の時期を変えた場合のミキサの負荷電流値を比較すると、全粗骨材Gを細骨材Sと同時に放出開始したときは粗骨材の挟まりが多く発生し電流値が一次水W1を放出するまで急激に増加する(図5:ケース1)。
一方、細骨材Sを放出開始して約50%放出後に、全粗骨材Gを放出開始すると電流値は増加するが一次水W1が混練り物内に均一になるに従い低下する。またその電流のピーク値は一次練混ぜ時に比べ小さい(図6:ケース2)。
なお、この試験ではミキサは二軸強制練り型で各軸に連続撹拌翼を備えたタイプの練混ぜ容量60リットルのものを使用した。
また、コンクリートの配合は下表の通りとした。
また、試験用のミキサは、コンクリート製造用の実機ミキサと異なり、駆動モータが必要な練り混ぜトルクに対して余裕があり無負荷時(槽が空の時)の電流値が大きく、負荷に対する変動は比較的小さいため、グラフの電流値は負荷に対する変化部分を示した。
「粗骨材の挟まり」を低減するためには、細骨材Sが粗骨材G1の周囲にあり、かつその細骨材Sが水で濡れている状態で練り混ぜることが好ましい。実際に、コンクリートを練り混ぜる際の状況で、「粗骨材の挟まり」によるこすれや割れを生じるときに音が発生するので、「粗骨材の挟まり」の発生の多少は作業者が判断できる。
しかし、細骨材Sが先に50%程度ミキサに投入されていて、一次水W1の投入を粗骨材G1と同時に行う場合に「粗骨材の挟まり」が低減できる。従って、粗骨材G1も細骨材Sが50%以上投入された後に、投入開始されることが望ましい。
次に、調整練りが終了した後の一次練混ぜ工程においては、セメントCを主とする水硬性物質粉体をミキサ内に放出して(ステップS4)、骨材の表面でセメントを均一に付着して造殻してキャピラリー状態で練混ぜを行う(ステップS5)。そのため、骨材と骨材の相互の動きはかなり拘束される。
本実施形態において、一次練混ぜ工程の終了後、ミキサ内に二次水W2を放出して(ステップS6)二次練混ぜを開始し、二次水W2を放出し始めた途中段階で残りの粗骨材G2と水硬性物質粉体をミキサに放出する(ステップS7)。このようにして二次練混ぜを行う(ステップS8)ことで高品質のコンクリートを製造できる。
ここで、粗骨材G1がセメントCのキャピラリー状態の造殻層で覆われた細骨材Sに囲まれていて、ミキサの撹拌翼とミキサ槽壁との隙間に挟まれそうになったときには、周囲に細骨材Sがなく粗骨材G単独で挟まれる状況より、挟まりを解消するように隙間から逃れるよう粗骨材Gが滑って移動することは難しくなる。
しかも、骨材に対する粗骨材Gの割合が大きいときは、このような「粗骨材の挟まり」が起こる可能性がさらに大きくなる。
これに対し、本実施形態では、一次練混ぜ時の粗骨材Gの量を低減するために、粗骨材Gを一次練混ぜ工程と二次練混ぜ工程とでG1とG2に分けて放出することで、練混ぜトルクの低減だけでなく、「粗骨材の挟まり」や粗骨材Gの毀損を防ぐことが出来る。この点は本発明者らが特許第5604015号公報によって先に提案した。
そのため、通常の配合であれば上述した調整練りにおける粗骨材G1の放出量を全量の約50%程度にすれば、一次練混ぜで有害な「粗骨材の挟まり」を低減しながら練り混ぜすることが出来る。しかも、最大練混ぜトルク(電力量)を調整してミキサの動力に過大な負担を加えなくても練混ぜることが出来る。
従って、一次練混ぜと二次練混ぜとでそれぞれ放出する粗骨材Gを50%程度ずつにして一部の粗骨材G1と残りの粗骨材G2に分けて放出する場合、二次練混ぜで残りの粗骨材G2を放出するのは二次水W2を放出開始した後とすることで「粗骨材の挟まり」を抑える効果を奏することができる。しかし、二次水W2を放出する直前までに粗骨材G2を放出する場合には、一次練混ぜの際に一括して粗骨材を放出する場合と変わらないため、「粗骨材の挟まり」や粗骨材の毀損がおきてしまい、練混ぜトルクが増加する不具合が生じる。
この点は次のコンクリート練混ぜ時の負荷電流値(トルク)の比較試験データで裏付けることができる。
図7,図8ではケース3、ケース4の図のそれぞれ上部に横軸の経過時間に対応するように材料の放出開始から終了までを矢印で示してある。この試験では経過時間約80秒から85秒の間に放出される二次水W2と粗骨材G2(50%G2)の放出時期を変えている。このときの負荷電流値を移動平均線で示している。
二次練混ぜに際して、二次水W2の放出と粗骨材G2の放出の順序を変えた場合のミキサの負荷電流値を比較すると、粗骨材G2を二次水W2より先に放出したときは粗骨材の挟まりが発生し電流値が二次水を放出するまで一次練混ぜ時に対して増加する(図7:ケース3)。
一方、二次水W2を放出した後に、粗骨材G2を放出すると電流値は一度減少して増加するが、一次練混ぜ時と同程度となっている(図8:ケース4)。
なお、この試験で使用したミキサ及びコンクリートの配合は上述したケース1、2の一次練混ぜでの細骨材Sと粗骨材Gの放出開始を変化させた負荷電流値試験の場合と同じとした。
ところで、近年、コンクリートの配合において、耐久性向上および高強度化の目的で水硬性物質粉体(セメント、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム等)の配合量を大きくする場合がある。
これに対し、分割練混ぜ方法の特長を生かして、水硬性物質粉体等の粉体を一次練混ぜと二次練混ぜに分けて放出して、より高品質なコンクリートを製造することが提案されている(既取得関連特許4668357号参照)。
例えば、粉体からなるいわゆる混和材(フライアッシュ、高炉スラグおよび石灰石微粉末等)を含む水硬性物質粉体を使用してコンクリートを製造する場合、セメントCを主体にした水硬性物質粉体C1を一次練混ぜ工程で放出して造殻強化を行い、次に二次練混ぜ工程で混和材を含む残りの水硬性物質粉体C2を加えて練り混ぜることによって、一次練混ぜ工程ですべての粉体を練り混ぜるより、高強度なコンクリートが製造出来る。
従って、混和材を含む水硬性物質粉体Cを一次練混ぜ工程と二次練混ぜ工程とで分けて放出するようにしてもよい。この場合、一次練混ぜ工程で一部の水硬性物質粉体C1を放出する。そして、二次練混ぜ工程で残りの水硬性物質粉体C2を放出するのは二次水W2を放出開始後とすることによって「粗骨材の挟まり」を低減することができるため、製造されるコンクリート等を高品質化できる。
そのため、二次練混ぜ工程に加える残りの水硬性物質粉体C2(混和材を含む)からなる粉体は二次水W2を放出した後に放出することで、二次水W2の放出前に放出する場合に比較して、粉体のダマが少なく分割練混ぜペーストとしての特性も優れている。
この点は次のダマの発生の試験データによって裏付けることができる。
試験では、水硬性物質粉体C2を放出するのを二次水W2の前としたときと、後としたときのダマの発生量を高炉スラグのペーストで比較した(コンクリートの混和材として高炉スラグを用いるケースは多い)。
試験のケース5,6は水硬性物質粉体として一次練混ぜではセメント700gを使用し、二次練混ぜで高炉スラグ(ブレーン値6000)300gを使用し、水粉体比が38.5%となるよう一次水175gと二次水210gに分けて加えて合計水量385gとしてペーストを練混ぜた。フルイ(フルイ目開き0.6mm)を使用して濾して残るダマの量を計った。
試験結果を示す比較写真による結果によれば、図9に示すように二次水W2投入前に高炉スラグを加えたときはダマの重さが11.4g、図10に示すように二次水W2投入後に粉体を加えた場合はダマの重さが0.1g以下となり、明確に違いがあった。
図9のケース5において、キャピラリー状態の水硬性物質粉体にさらに水硬性物質粉体が追加されると水に溶けないうちに局部的に過剰な水塊(二次水W2)と遭遇してダマが発生し易いためである。
一方、図10のケース6において、二次水を先に加えて水硬性物質粉体C1がスラリー状のペーストとなった状態で残りの水硬性物資粉体C2が放出されるとペーストに粉体が溶け込み濃度が上がる過程でダマは発生しにくいためである。
上述したように、本実施形態による分割練混ぜ方法によれば、次の作用効果を奏する。
(1) 本実施形態による分割練混ぜ方法では、練混ぜ手順により、コンクリート等の混練り物の配合、骨材性状、使用するミキサ、その撹拌翼の摩耗状態などに関わりなく、調整練り混ぜ工程において、先ず細骨材Sを放出して全量の50%以上放出した後で一次水W1および一部の粗骨材G1を放出するため、細骨材Sの含水率の偏差が小さく細骨材の粒子間に一次水を均一に付着し保持することができて、調整練混ぜを万遍なく均等に達成する。
(2) また、粗骨材Gを一部の粗骨材G1と残りの粗骨材G2に分割して調整練混ぜと二次練混ぜの各工程で個別に供給したため、一次練混ぜと二次練混ぜでの各粗骨材G1、G2の放出量を減らしてミキサ20の槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まる「粗骨材の挟まり」を低減できる。そのため、分割練混ぜの特性を発揮させて高品質なコンクリートを得ることが出来る。しかも、ミキサ20の撹拌翼や軸に過大な負荷がかからないのでミキサの寿命を短くしたりすることがない。
(3) 一次練混ぜ工程と二次練混ぜ工程とで粗骨材G1、G2に分けて放出すると共に、二次練混ぜ工程で粗骨材G2を放出するのは二次水W2を放出開始した後とする。このことにより一次練混ぜの粗骨材G1の放出量を減らし「粗骨材の挟まり」や粗骨材の毀損を低減し、残りの粗骨材G2を二次水W2の放出開始後に放出するので、「粗骨材の挟まり」を低減回避できる。
(4) また、混和材を含む水硬性物質粉体Cを一次練混ぜ工程と二次練混ぜ工程で分けて放出する場合には、二次練混ぜ工程での水硬性物質粉体C2の放出を二次水W2の放出開始後とすることで水硬性物質粉体C2のダマの発生を防ぎ、二次練混ぜ工程における「粗骨材の挟まり」を低減し、コンクリートを高品質化できる。
次に上述した本発明の実施形態による分割練混ぜ方法を行うための分割練混ぜ装置1について図11及び図12を参照して説明する。
図11は本発明の実施形態による分割練混ぜ装置1を示すものである。
本実施形態による分割練混ぜ装置1は、コンクリートまたはモルタルを分割練混ぜ方法によって製造するためのバッチャープラントであり、例えばタンクローリー車から供給される水硬性物質粉体としてのセメント等を貯留するセメントサイロ2と、同じく水硬性物質粉体に含まれる粉末の混和材を貯留する混和材サイロ3とを備えている。セメントサイロ2のホッパと混和材サイロ3のホッパから供給されるセメントと混和材を、スクリュウフィーダ4を介して水硬性物質粉体計量ホッパ5に供給する。
また、天井クレーン7等で搬送される細骨材Sである砂を細骨材貯留ホッパ8に貯留し、更にベルトコンベアを介して細骨材計量ホッパ9に供給する。更に、天井クレーン7等で搬送される粗骨材Gである砂利を粗骨材貯留ホッパ10に貯留し、ベルトコンベアを介して粗骨材計量ホッパ11に供給する。粗骨材計量ホッパ11では、予め設定された総量の粗骨材から調整練りに際して供給する一部の粗骨材G1と二次練混ぜに際して供給する残りの粗骨材G2とを順次計量して排出ゲートを開閉制御する。
また、水タンク13に貯留された水は水計量ホッパ14に供給する。混和剤タンク16に貯留された混和剤は計量タンク17を介して水計量ホッパ14に供給することになる。
これら水硬性物質粉体計量ホッパ5、細骨材計量ホッパ9、粗骨材計量ホッパ11、水計量ホッパ14では、計量された各材料を制御手段18によって選択的にミキサ20に供給してミキシングを行うようになっている。ミキサ20は例えば特許文献2に記載されたような二軸強制練り型で各軸に連続撹拌翼を備えたタイプのものを備えている。
水計量ホッパ14には、例えばモルタルまたはコンクリートの分割練混ぜのための総量である配合水(全水量)Wが貯留されており、配合水Wは、骨材に供給して調整練混ぜを行うための一次水W1、二次練混ぜを行うための二次水W2とに分割してミキサ20に順次供給するように、図示しないロードセル等で計量してバルブを開閉制御する。
また、図12において、制御手段18には、骨材供給手段22と水硬性物質粉体供給手段23と水供給手段24とを備えている。骨材供給手段22は、調整練混ぜのために、細骨材計量ホッパ9において所定量の砂を計量してミキサ20に供給させる細骨材供給手段26と、所定量の砂利を計量してミキサ20に供給させる粗骨材供給手段27とを備えている。粗骨材供給手段27は調整練混ぜに際して一部(例えば50%)の粗骨材G1を供給する第1の粗骨材供給手段27aと、二次練混ぜに際して残りの粗骨材G2を供給する第2の粗骨材供給手段27bとを備えている。
また、水硬性物質粉体供給手段23では、一次練混ぜの際に水硬性物質粉体計量ホッパ5でセメントを主とする粉末等を計量して供給する第1の水硬性物質粉体供給手段23aと、二次練混ぜの際に、残りの粗骨材G2と共に、セメントを主として混和材を含む水硬性物質粉体を計量して供給する第2の水硬性物質粉体供給手段23bとを備えている。
また、水供給手段24において、一次練混ぜの際に一次水W1を計量して供給する一次水供給手段24aと、二次練混ぜの際に残りの二次水W2を計量して供給する二次水供給手段24bとを備えている。
そして、制御手段18には、調整練混ぜ、その後の一次練混ぜ、二次練混ぜの各工程において、細骨材S,粗骨材G1,G2、水硬性物質粉体C1、C2、一次水W1、二次水W2をミキサ20に放出するタイミングと量を計測して各手段に出力信号を発信する放出タイミング設定手段30を備えている。
本実施形態による分割練混ぜ装置1は上述の構成を備えており、図1に示すフローチャートと図2に示すミキシングチャートに沿って本実施形態による分割練混ぜ方法について説明する。
本実施形態による分割練混ぜ装置1によって例えばコンクリートを製造する場合、放出タイミング設定手段30からの指示信号により細骨材供給手段26から信号出力して、細骨材計量ホッパ9で予め設定された量の砂を計量してミキサ20に放出する(ステップ1)。ミキサ20では二軸による連続撹拌翼が常時回転して撹拌している。
そして、細骨材Sが所要量、例えば50%放出された時点で、放出タイミング設定手段30からの指示信号によって第1の粗骨材供給手段27aと一次水供給手段24aから粗骨材計量ホッパ11と水計量ホッパ14で粗骨材G1と一次水W1をそれぞれ計量してミキサ20に放出する(ステップS2)。これによって調整練混ぜを行う(ステップS3)ことで細骨材Sと粗骨材G1の表面に均等に水が付着する。
しかも、粗骨材G1を遅れて投入し且つ粗骨材G1の量が全量より少ないため、粗骨材G1の偏在を防ぐと共に、粗骨材G1の周囲には均一に水に濡れた細骨材Sが位置して分散する。そのため、少ない粗骨材G1がミキサ槽壁と撹拌翼との間に偏在して粗骨材Gが挟まることが少ない。
そして、一次練混ぜ工程において、調整練混ぜが終了した後、第1の水硬性物質粉体供給手段23aによってセメントを主とした一部の水硬性物質粉体C1がミキサ20に放出されて(ステップS4)、引き続いて一次練混ぜが行われて(ステップS5)骨材が造殻されてキャピラリー状態で混練される。なお、図2に示すように、一次練混ぜの後段では混和剤Adがミキサ20に付与される。
次に、一次練混ぜが終了した後、二次練混ぜ工程に至る。二次練混ぜ工程では、二次水供給手段24bによって二次水W2を水計量ホッパ14で計量してミキサ20に投入し(ステップS6)、少し遅れて第2の粗骨材供給手段27bによって粗骨材計量ホッパ11で残りの粗骨材G2を計量してミキサ20に放出する(ステップS7)。また、これと同時に第2の水硬性物質粉体供給手段23bによって混和材を含む水硬性物質粉体C2をミキサ20に放出して、二次練混ぜを行う(ステップS8)。
そして、二次練混ぜ工程において、残りの粗骨材G2を調整練混ぜ時の粗骨材G1と分けてしかも二次水W2の供給後に放出することで、ミキサ槽壁と撹拌翼との間に粗骨材G2が偏在して挟まることが少ない。
一次練混ぜでは、セメントを主とする水硬性物質粉体C1の一部を、調整練り混ぜした細骨材Sと一次水W1と一部の粗骨材G1に加えて造殻の強化を行ってキャピラリー状態で練混ぜを行う。そして、二次練混ぜでは、残りの水硬性物質粉体C2を加えて練混ぜすることでより均一な練混ぜを行えるため、一次練混ぜで全ての粉体を加えて練混ぜするよりも高強度なコンクリートを製造できる。特に二次練混ぜで加える水硬性物質粉体C2を二次水W2を放出した後で放出することで、粉体のダマが少なく分割練混ぜペーストとしての特性も優れている。
なお、上述の説明では、コンクリートの製造方法について説明したが、粗骨材を投入しないモルタルの場合でも調整練り混ぜ工程において含水率の偏差が小さくなり、水硬性物質粉体を効果的にキャピラリー化でき、高品質のモルタルを製造できる。
上述のように本実施形態による分割練混ぜ装置1と分割練混ぜ方法によれば次の効果を奏する。
(1) 調整練り混ぜ工程において、細骨材Sを先ず放出し、細骨材Sを全量の50%以上放出した後で一次水W1および一部の粗骨材G1を放出するため、細骨材Sの含水率の偏差が小さく細骨材の粒子間に一次水を均一に付着し保持することができて、調整練混ぜを万遍なく均等に達成する。
(2) また、粗骨材Gを一部の粗骨材G1と残りの粗骨材G2に分割して調整練混ぜと二次練混ぜの各工程で個別に供給したため、一次練混ぜと二次練混ぜでの各粗骨材G1、G2の放出量を減らして分散できて、ミキサ20の槽壁と撹拌翼との間に粗骨材が挟まる「粗骨材の挟まり」を低減できる。しかも、ミキサ20の撹拌翼や軸に過大な負荷がかからないのでミキサの寿命を短くしたりすることがない。
(3) また、二次練混ぜ工程で、残りの粗骨材G2を二次水W2の放出開始後に放出するため、「粗骨材の挟まり」や粗骨材の毀損を低減できて高品質なコンクリートを製造することができる。
(4) 水硬性物質粉体と混和材を一次練混ぜ工程と二次練混ぜ工程で分けて放出するため、一次練混ぜ工程では骨材の表面に均等に水硬性物質粉体を付着させて造殻を強化させてキャピラリー状態で練り混ぜできる。また、二次練混ぜ工程では水硬性物質粉体の放出を二次水W2の放出開始後にすることで均等に分散させて二次練混ぜを行うことができ、ダマが少なくブリーディングの小さい高強度で高品質なコンクリートを製造できる。
なお、本発明による分割練混ぜ方法と分割練混ぜ装置1は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等を行うことができ、これらはいずれも本発明の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態では粗骨材の総量を一部の粗骨材G1と残りの粗骨材G2に分けて調整練混ぜ工程と二次練混ぜ工程とでそれぞれ放出することで、各練混ぜ工程における粗骨材G1,G2の放出量を減らしてミキサ20による練混ぜにおける粗骨材の挟まりや毀損を低減するようにした。しかしながら、この構成に代えて、調整練混ぜ工程で全量の粗骨材Gを供給してもよい。
この場合でも、先に細骨材Sの一部をミキサ20に放出した時点で一次水W1と粗骨材Gを供給することで、細骨材Sと粗骨材Gの表面に付着する水分を均一にすることができる。特に図4に示すように、細骨材Sを50%以上放出した後で、一次水W1と粗骨材Gを供給すれば、含水率の偏差を小さく制御することができる。
なお、調整練り混ぜ工程において、細骨材Sを50%以上放出した後で一次水W1と粗骨材Gを供給しなくてもよく、例えば細骨材が50%より少ない放出状態や50%を超えた放出状態で一次水と粗骨材を加えたとしても含水率の偏差を小さく制御できる。
また、上述した実施形態では混和材を含む水硬性物質粉体の総量を分割して一次練混ぜと二次練混ぜ工程とでそれぞれ放出するようにした。しかしながら、この構成に代えて、一次練混ぜ工程で全量の水硬性物質粉体を供給してもよい。
この場合でも、一次水の含水率の偏差が小さい細骨材Sと粗骨材Gの表面に水硬性物質粉体を均一に付着させて造殻を強化できる上にキャピラリー状態で一次練混ぜを行うことができる。
1 分割練混ぜ装置
2 セメントサイロ
3 混和材サイロ
5 水硬性物質粉体計量ホッパ
9 細骨材計量ホッパ
11 粗骨材計量ホッパ
14 水計量ホッパ
18 制御手段
20 ミキサ
22 骨材供給手段
23 水硬性物質粉体供給手段
23a 第1の水硬性物質粉体供給手段
23b 第2の水硬性物質粉体供給手段
24a 一次水供給手段
24b 二次水供給手段
26 細骨材供給手段
30 放出タイミング設定手段

Claims (7)

  1. 骨材に一次水を加えてミキサで調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ方法において、
    前記調整練混ぜに際してミキサ内に細骨材の放出を開始し、その後一次水及び粗骨材を放出して練り混ぜるようにしたことを特徴とする分割練混ぜ方法。
  2. 骨材に一次水を加えてミキサで調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ方法において、
    前記調整練混ぜにおいて粗骨材の一部を放出して練り混ぜを行い、
    前記二次練混ぜに際して前記ミキサ内に二次水の放出を開始し、その後全粗骨材量から前記一部の粗骨材を除去した残りの粗骨材の放出を行うようにしたことを特徴とする分割練混ぜ方法。
  3. 前記調整練混ぜに際して前記細骨材の50%以上をミキサ内に放出した段階で、前記一次水及び粗骨材を放出するようにした請求項1に記載された分割練混ぜ方法。
  4. 骨材に一次水を加えてミキサで調整練混ぜを行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を加えて一次練混ぜを行い、更に全水量から既に加えた水量を除いた二次水を加えて二次練混ぜを行うことで、コンクリートを製造するようにした分割練混ぜ装置において、
    前記ミキサ内に細骨材を放出する細骨材供給手段と、
    前記ミキサ内に粗骨材を放出する粗骨材供給手段と、
    前記ミキサ内に一次水を放出する一次水供給手段と、
    前記調整練混ぜに際して細骨材の供給に遅れて前記一次水供給手段と粗骨材供給手段から一次水と粗骨材をミキサ内に供給する放出タイミング設定手段と、
    を備えたことを特徴とする分割練混ぜ装置。
  5. 前記粗骨材供給手段は、一部の粗骨材をミキサに放出する第1の粗骨材供給手段と、全量から前記一部の粗骨材を除いた残りの粗骨材をミキサに放出する第2の粗骨材供給手段と、を備え、
    前記放出タイミング設定手段によって調整練混ぜ工程で前記第1の粗骨材供給手段から一部の粗骨材を放出し、二次練混ぜ工程で第2の粗骨材供給手段から前記残りの粗骨材を供給するようにした請求項4に記載された分割練混ぜ装置。
  6. 二次練混ぜ工程で、二次水の放出を開始した後で前記第2の粗骨材供給手段によって前記残りの粗骨材をミキサ内に放出するようにした請求項5に記載された分割練混ぜ装置。
  7. 前記調整練混ぜに際して前記細骨材の50%以上をミキサ内に放出した段階で、前記放出タイミング設定手段によって前記粗骨材と一次水を放出するようにした請求項4または5に記載された分割練混ぜ装置。
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