JP5896688B2 - 顔料内包シリカ系粒子の製造方法 - Google Patents

顔料内包シリカ系粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、顔料内包シリカ系粒子の製造方法および顔料内包シリカ系粒子ならびに該粒子の用途に関するものである。
従来より、染料、顔料はインク、塗料、化粧料等種々の用途に使用されている。
例えば、化粧料ではメークアップ化粧料やスキンケア化粧料に使用されているが、染料、顔料をそのまま化粧料に配合しようとすると、その色相調節が難しく、また使用顔料によっては皮膚に塗った際の感触が必ずしも良くないことが知られている。
また、染料を配合した場合、そのまま皮膚などに塗った場合、滲みが生じる場合があり、また、一度乾燥させると皮膚から落ちにくいという欠点を有している。また、酸性染料においては、水道水中に含まれる塩素や光によって退色しやすいことが知られている。
昨今、このような問題を解決することを目的として、染料を着色剤として用いた着色粒子やこれを配合してなる化粧料が開発されている。
このような着色粒子としては、(1)基盤となる粉体粒子表面を、水膨潤性粘土鉱物の層間にポリ塩基基と酸性染料を閉じ込めた酸性染料包摂粘土物質で被覆してなる酸性染料積層顔料(特許文献1)、(2)無機化合物粒子の表面を、染料または染料と無機化合物の混合物で被覆した複合顔料(特許文献2)、(3)二酸化珪素球体の表面を、酸化鉄等の金属酸化物または該金属酸化物と有機染料等の着色物質で被覆してなる無機球状吸収顔料(特許文献3)、(4)染料をマイクロカプセル化したポリマーマトリックス物質(特許文献4)、(5)溶媒和染料を樹脂中に組み込んだ顔料(特許文献5)、(6)粒子表面に、染料等の機能性有機化合物で修飾された官能基を有するモノマーをグラフト重合して得られる重合体層を形成してなる化粧料用改質無機微粒子(特許文献6)、(7)アミノ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子の表面に、該アミノ基を介して反応性染料を吸着させた着色球状シリコーン微粒子(特許文献7)などがある。
また、本願出願人は、多孔質アルミナ・シリカ粒子の外部表面およびその細孔内表面に存在するアルミナ成分に染料を固定化させた着色アルミナ・シリカ粒子を開示している(特許文献8)。
しかしながら、これらの着色粒子物質を製造するには、いずれの技術においても複雑な
工程を必要とするため、その製造コストが嵩んでしまうという欠点を有している。
また、染料あるいは顔料自体の色がそのまま現れず、色あせたものとなる場合があった。さらに、例えば化粧料に配合して用いると、一度乾燥すると皮膚から落ちにくい場合があり、これらの改良が望まれていた。
特開2004−331878号公報 特開平1−157908号公報 特開2001−49142号公報 特表2006−519211号公報 特開平3−258712号公報 特開2003−63932号公報 特開2003−335632号公報 特開2009−120753号公報
本発明者らは、所定濃度の珪酸アルカリ水溶液を噴霧乾燥し、噴霧して得た粒子中のアルカリを除去するに充分な量の酸を含む水溶液に浸漬してアルカリを除去して粒子をシリカ化することによって内部が中実または空洞の球状シリカ粒子が得られることを見出した。
このとき、珪酸アルカリ水溶液に顔料を分散させて用いると、使用した顔料と同じ色調に着色した顔料内包シリカ系粒子が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、顔料内包シリカ系粒子の製造方法および顔料内包シリカ系粒子ならびに該粒子の用途を提供することを目的としている。
さらに詳しくは、(1)内部が多孔質または非孔質(無孔質)のシリカ相である球状顔料内包シリカ系粒子、あるいは(2)外殻を有し、外殻内部に空洞を有し、外殻が多孔質または非孔質のシリカ相である顔料内包シリカ系粒子、さらには(3)前記空洞が負圧である顔料内包シリカ系粒子において、シリカ相および/または空洞に顔料が封じ込まれているために顔料が容易に脱落あるいは溶出したり、着色顔料であれば褪色(変色)することがなく、粒子が球状であるために滑性に優れた顔料内包シリカ系粒子の製造方法および顔料内包シリカ系粒子ならびに該粒子の用途を提供することを目的としている。
本発明に係る顔料内包シリカ系粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴としている。
(a)顔料分散珪酸アルカリ水溶液を熱風気流中に噴霧乾燥して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を調製する工程
(b)顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を酸水溶液に浸漬し、アルカリを除去する工程
(c)乾燥・加熱処理する工程
前記顔料分散珪酸アルカリ水溶液の、SiO/MOモル比(但し、Mはアルカリ金属を示す。)は1〜5の範囲にあり、SiO濃度(C)が1〜30重量%の範囲にあり、顔料濃度(C)とSiO濃度(C)との比(C)/(C)が0.005〜2.3の範囲にあることが好ましい。
前記工程(a)の噴霧乾燥における熱風の入口温度が100〜600℃の範囲にあり、出口温度が40〜300℃の範囲にあることが好ましい。
前記工程(b)において、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子中のMOモル数(Ms)と酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)が0.6〜4.7の範囲にあり、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子の濃度が固形分として1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が30〜1200℃の範囲にあることが好ましい。
平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、顔料の含有量が固形分として0.5〜70重量%の範囲にあることが好ましい。
前記工程(a)の噴霧乾燥における入口温度が100〜300℃の範囲にあり、出口温度が40〜120℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子の空隙率が5体積%未満であることが好ましい。
このとき、前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が30〜120℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子が多孔質であることが好ましい。また、前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が90〜1200℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子が非孔質であることが好ましい。
また、前記工程(a)の噴霧乾燥における入口温度が300〜600℃の範囲にあり、出口温度が120〜300℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子が外殻シリカ層を有し、外殻内部の空隙率が5〜95体積%の範囲にあることが好ましい。
このとき、前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が30〜120℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻シリカ層が多孔質であることが好ましい。
また、前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が90〜1200℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻シリカ層が非孔質であることが好ましい。さらに、前記工程(c)における乾燥・加熱処理を減圧下で行い、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻層内部が負圧であることが好ましい。
本発明に係る顔料内包シリカ系粒子は、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、顔料の含有量が固形分として0.5〜70重量%の範囲にあることを特徴としている。
前記顔料が無機顔料および/または有機顔料であることが好ましい。
本発明に係る第1の態様の顔料内包シリカ系粒子は空隙率が5体積%未満であることが好ましい。
前記顔料内包シリカ系粒子は多孔質であっても非孔質であってもよい。
本発明に係る第2の態様の顔料内包シリカ系粒子は外殻シリカ層を有し、外殻内部の空隙率が5〜95体積%の範囲にあるであることが好ましい。
前記外殻シリカ層が多孔質であってもよいが、非孔質であることが好ましく、外殻層内部が負圧であることがより好ましい。
本発明に係る化粧料は、前記いずれかに記載した製造方法で得られた顔料内包シリカ系粒子、または、前記いずれかに記載した顔料内包シリカ系粒子を配合してなることを特徴としている。
顔料内包シリカ系粒子の配合量が0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る断熱材は、前記いずれかに記載した製造方法で得られた顔料内包シリカ系粒子、または、前記いずれかに記載した顔料内包シリカ系粒子を配合してなることを特徴としている。
本発明によれば、(1)内部が多孔質または非孔質(無孔質)のシリカ相である球状シリカ系粒子、あるいは(2)外殻を有し、外殻内部に空洞を有し、外殻が多孔質または非孔質のシリカ相である球状シリカ系粒子、さらには(3)前記空洞が負圧である球状シリカ系粒子において、シリカ相および/または空洞、空洞の内壁に顔料封じ込まれているために顔料が容易に脱落したり溶出することがなく、また着色顔料であっても変色(褪色)することもない。このため、本発明の顔料内包シリカ系粒子を化粧料等に配合して用いた場合にも脱落したり変色することがなく、さらに粒子が球状であるために滑性にも優れている。
[顔料内包シリカ系粒子の製造方法]
以下に、まず、本発明に係る顔料内包シリカ系粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る顔料内包シリカ系粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴としている。
(a)顔料分散珪酸アルカリ水溶液を熱風気流中に噴霧乾燥して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を調製する工程
(b)顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を酸水溶液に浸漬し、アルカリを除去する工程
(c)乾燥・加熱処理する工程
工程(a)
顔料含有珪酸アルカリ水溶液を熱風気流中に噴霧乾燥して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を調製する。
まず、顔料含有珪酸アルカリ水溶液を調製する。
本発明に用いる珪酸アルカリとしては、通常、水に可溶の珪酸ナトリウム、珪酸カリウムが用いられる。
珪酸アルカリのSiO/MOモル比(但し、Mはアルカリ金属を示す。)は1〜5、さらには2〜4の範囲にあることが好ましい。
珪酸アルカリのSiO/MOモル比が1未満の場合は、アルカリ量が多すぎるために後述する工程(b)における酸によるアルカリ除去が困難となるだけでなく、噴霧乾燥品の潮解性が顕著となるために顔料内包シリカ系粒子が得られない場合がある。
珪酸アルカリのSiO/MOモル比が5を越えると、珪酸アルカリの可溶性が低下し、水溶液の調製が困難であり、できたとしても水溶液中では数nm以下のシリカ微粒子が発生する場合があり、噴霧乾燥しても本発明に使用できる顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られない場合がある。
珪酸アルカリ水溶液の濃度は後述する顔料含有珪酸アルカリ水溶液の濃度が後述する範囲となれば特に制限はないが概ねSiOとしての濃度が1〜30重量%、さらには5〜28重量%の範囲にあることが好ましい。
顔料
本発明に用いる顔料としては、無機系顔料、有機系顔料が用いられる。
無機系顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウムなどの白色顔料、黄鉛、クロムバーミリオン、カドミウム系顔料、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマスなどの有彩顔料、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイトなどの黒色顔料、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウムなどの蛍光顔料が挙げられる。
また、有機系顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料などに分類されるアゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料などに分類されるフタロシアニン顔料、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、DPP系などに分類される多環式顔料、分子内にスルフォン酸基やカルボキシル基のような酸性基を持つ酸性染料をアルミニウム、カルシウム、バリウムなどの金属塩でレーキ化し、顔料として不溶性にした酸性染料レーキ、分子内にアミノ基またはその誘導基を有する塩基性染料をタンニン酸や燐タングステン酸、燐モリブデン酸、コンプレックスアシッドと呼ばれるその複合酸によってレーキ化し顔料として不溶性にした塩基性染料レーキなどに分類される染料レーキ顔料等が挙げられる。
これらは必要に応じて混合して用いることもできる。
さらに、上記顔料には、必要に応じて天然染料、合成染料等の色素を配合して用いることもできる。天然染料としては、アカネ、アイ、ウコン、ベニバナ、ムササキ(紫根)などの植物由来の染料、イボニシ等から得られる貝紫、エンジムシなから得られるコチニールなどの動物性染料が挙げられる。また、合成染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応染料、建染染料、ナフトール染料、媒染染料、金属錯体塩染料、分散染料、蛍光増白染料などが挙げられる。
また、上記染料以外に紫外線吸収色素、近赤外線吸収色素、液晶表示用2色性色素、カラーフィルタ用色素、偏光フィルム用色素、エレクトロクロミック色素、エレクトロルミネッセンス色素、インクジェット用色素、感熱用色素、感圧用色素、昇華転写用色素、溶融転写用色素、ジアゾ感光材料、電子写真用色素、トナー用電荷調整剤 、レーザー記録用色素、発色現像法カラー写真、銀色素漂白法カラー感光材、増感色素、フォトクロミック色素、サーモクロミック色素、化学発光用色素、ドライフィルム用色素、文具用色素、プラスチックメガネレンズ用色素、色煙用色素、有機非線形光学用色素、不可視色素、エネルギー変換用色素(有機光電変換用色素)等の水溶性の機能性色素も用いることができる。
また、本発明の顔料内包シリカ系粒子を化粧料に配合する場合には、医薬部外品原料規格2006(発行:株式会社薬事日報社、平成18年6月16日)や、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(発行:The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association、13th Edition 2010)等に収載されている染料からなる色素を併用することもできる。
前記した珪酸アルカリ水溶液に前記顔料を溶解または分散させて顔料含有珪酸アルカリ水溶液を調製する。
顔料含有珪酸アルカリ水溶液のSiO濃度(C)は1〜30重量%、さらには5〜28重量%の範囲にあることが好ましい。
顔料含有珪酸アルカリ水溶液のSiOとしての濃度(C)が1重量%未満の場合は、生産性を考慮した場合に非効率となる場合がある。
顔料含有珪酸アルカリ水溶液のSiOとしての濃度(C)が30重量%を越えると、顔料含有珪酸アルカリ水溶液としての安定性が著しく低下して高粘性になり噴霧乾燥が困難となる場合があり、噴霧乾燥できたとしても粒子径分布、外殻の厚さ等が極めて不均一になる場合があり、用途が制限される場合がある。
また、顔料濃度(C)とSiO濃度(C)との比(C)/(C)が0.005〜2.3、さらには0.01〜2.0の範囲にあることが好ましい。
顔料濃度(C)とSiO濃度(C)との比(C)/(C)が0.005未満の場合は、得られる顔料内包シリカ系粒子中の顔料含有量が少ないために、化粧品その他の用途に使用する場合、充分な着色効果が得られない場合がある。
顔料濃度(C)とSiO濃度(C)との比(C)/(C)が2.3を越えると顔料が多すぎて、所望の顔料内包シリカ系粒子、特に内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子を得ることが困難となる場合がある。加えて、顔料の種類によっては、後工程の酸に浸漬する工程において、顔料が溶出し易いために、所望の着色粒子が得られない場合がある。
上記した顔料含有珪酸アルカリ水溶液を熱風気流中に噴霧乾燥して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を調製する。
噴霧乾燥方法としては、後述する顔料内包シリカ系粒子が得られれば特に制限は無いが、回転ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法等従来公知の方法を採用することができる。
本発明では、内部に空洞を有する粒子を得る場合、2流体ノズル法が好適である。
噴霧乾燥における熱風の入口温度が100〜600℃の範囲にあり、出口温度が40〜300℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の入口温度が100℃未満の場合は、乾燥が不充分となる場合があり、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子は得られないばかりか、内部に空洞のない顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られたとしても、乾燥が不充分で噴霧乾燥室壁面等への付着が激しく、収率が著しく低下する場合がある。
熱風の入口温度が600℃を越えると、内部に空洞の無い顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子も得られなくなる。更には、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られたとしても、乾燥が速すぎるために、粒子径が大きくなるとともに外殻の厚みが薄くなり、割れやすい顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子となるために好ましくない。
熱風の出口温度が40℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子は得られないばかりか、内部空洞の無い顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られたとしても、噴霧乾燥室壁面等への付着が激しく、収率が著しく低下する場合がある。
熱風の出口温度が300℃を越えると、内部に空洞の無い顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られなくなる。更には、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られたとしても、乾燥が速すぎるために、粒子径が大きくなるとともに外殻の厚みが薄くなり、割れやすい顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子となるために好ましくない。
ここでいう前駆体粒子とは、顔料含有珪酸アルカリ水溶液を噴霧乾燥して得られた顔料含有珪酸アルカリ粒子のことであり、後述する後工程(b)にて、酸水溶液浸漬工程によりアルカリ除去することによって顔料内包シリカ系粒子となる前段階の粒子である。
本発明において内部に実質的に空洞のない中実の顔料内包シリカ系粒子(第1の態様)を製造する場合は、前記噴霧乾燥における入口温度が100〜300℃、さらには150〜250℃の範囲にあり、出口温度が40〜120℃、さらには50〜100℃の範囲にあることが好ましい。
この時、噴霧乾燥における入口温度が100℃未満の場合は、内部に実質的に空洞のない顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が得られたとしても、乾燥が不充分で噴霧乾燥室壁面等への付着が激しく、収率が著しく低下する場合がある。
噴霧乾燥における入口温度が300℃を越えると、出口温度によっても異なるが、内部に空洞の無い粒子を得ることが困難となる場合がある。
熱風の出口温度が40℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、噴霧乾燥室壁面等への付着が激しく、収率が著しく低下する場合がある。
熱風の出口温度が120℃を越えると、入口温度によっても異なるが、内部に空洞の無い粒子を得ることが困難となる場合がある。
本発明において内部に空洞を有する中空の顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)を製造する場合は、前記噴霧乾燥における入口温度が300〜600℃、さらには350〜550℃の範囲にあり、出口温度が120〜300℃、さらには130〜250℃の範囲にあることが好ましい。
この時、噴霧乾燥における入口温度が300℃未満の場合は、出口温度によっても異なるが、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子が得られない場合がある。
噴霧乾燥における入口温度が600℃を越えると、破裂状態の顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が形成されるようになり、内部に空洞有する顔料内包シリカ系粒子を得ることが困難となる場合があり、得られたとしても外殻の厚みが薄くなり、得られる顔料内包シリカ系粒子の強度が不充分となる場合がある。
熱風の出口温度が120℃未満の場合は、内部に空洞を有する顔料内包シリカ系粒子が得られない場合がある。
熱風の出口温度が300℃を越えると、破裂状態の顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が形成されるようになり、内部に空洞有する顔料内包シリカ系粒子を得ることが困難となる場合があり、得られたとしても外殻の厚みが薄くなり、得られる顔料内包シリカ系粒子の強度が不充分となる場合がある。
なお、顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)を製造する場合、噴霧乾燥における入口温度および出口温度が前記範囲にあると、内部に空洞を有する粒子が形成されるが、その際、顔料が空洞内部(空洞壁面)に存在する傾向があり、最終的に顔料が脱離あるいは溶出し難い顔料内包シリカ系粒子が得られる。この理由は必ずしも明らかではないが、噴霧して形成された顔料含有珪酸アルカリ水溶液の液滴は、先ず液滴表面が乾燥してシリカ層(被膜)を形成し、乾燥の進展に伴いシリカ層(被膜)が厚くなるとともに、顔料が内部に押しやられるものと推測される。
工程(b)
顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を酸水溶液に浸漬し、アルカリを除去する。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸等を用いることができる。通常、この様な酸を用いるが、陽イオン交換樹脂等を用いることもできる。本発明では塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸が好適に用いられる。
顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を酸水溶液に浸漬する際、顔料内包シリカ粒子前駆体粒子中のMOモル数(Ms)と酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)が0.6〜4.7、さらには1〜4.5の範囲となるように浸漬することが好ましい。
前記モル比(Ma)/(Ms)が0.6未満の場合は、MOに対して酸の量が少なすぎるために、アルカリの除去とともに起きると考えられる珪酸の縮合、ケイ酸のシリカ骨格化が進行せず、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が部分的に溶解したり、溶解した珪酸アルカリがゲル化する場合がある。
前記モル比(Ma)/(Ms)が4.7を越えてもさらに、上記した珪酸の縮合、骨格化が進むこともなく、乾燥条件、顔料の種類、酸の種類およびこれらの使用量等によっては顔料の一部が溶出する場合がある。
また、酸水溶液に浸漬した際の顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子の濃度がSiOとして1〜30重量%、さらには5〜25重量%の範囲にあることが好ましい。
酸水溶液に浸漬した際の顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子の濃度がSiOとして1重量%未満の場合は、アルカリ除去、洗浄性に問題はないが製造効率が低下する。また、前記した酸とシリカのモル比、珪酸アルカリのシリカとアルカリのモル比によっては、酸の濃度が低くなる場合があり、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子が部分的に溶解したり、溶解した珪酸アルカリがゲル化する場合がある。
酸水溶液に浸漬した際の顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子の濃度がSiOとして30重量%を越えると、濃度が濃すぎてアルカリ除去、洗浄効率が低下する場合があり、また、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子の粒子径が小さい場合には特に分散液の粘度が高くなりアルカリ除去、洗浄効率が低下する場合がある。
アルカリを除去する条件としては、アルカリを除去できれば特に制限はないが、概ね温度が5〜70℃の範囲、時間は0.5〜24時間の範囲で浸漬する。
ついで、従来公知の方法で洗浄する。例えば、純水にて濾過洗浄すればよい。
なお、本発明では、必要に応じて上記アルカリの除去および洗浄を繰り返し行うこともできる。
洗浄後のアルカリの残存量は、用途によっても異なるが、MOとして0.5重量%以下、さらには0.1重量%以下であることが好ましい。
本発明の方法により、顔料内包シリカ系粒子前駆体を前記した条件で酸水溶液に浸漬した場合、アルカリの残存量がMOとして0.5重量%を越えることはないが、0.5重量%を越えると、化粧料として使用する際、たとえば水に分散した場合に、分散液のpHが著しく高くなるために化粧品処方における安定性を著しく阻害する他、化粧料の効能を阻害する場合がある。
工程(c)
ついで、乾燥・加熱処理する。
乾燥・加熱処理温度は30〜1200℃の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る中実の顔料内包シリカ系粒子(第1の態様)であって多孔質なものおよび中空の顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)であって外殻が多孔質なものを製造する場合は、乾燥・加熱処理温度が30〜120℃、さらには40〜100℃の範囲にあることが好ましい。
乾燥・加熱処理温度が30℃未満の場合は、付着水が多く残存し、用途に制限がある他、乾燥処理に長時間を要し生産性が低下する問題がある。
乾燥・加熱処理温度が120℃を越えると、アルカリを除去した際にできる細孔が消滅して多孔質な顔料内包シリカ系粒子、外殻が多孔質な顔料内包シリカ系粒子が得られない場合がある。
なお、例えば、乾燥・加熱処理を120℃で実施し、ついで、さらに高温で第2回目の乾燥・加熱処理を行っても細孔が消滅することなく、多孔質顔料内包シリカ系粒子および外殻が多孔質な顔料内包シリカ系粒子が得られる場合がある。
本発明に係る中実の顔料内包シリカ系粒子(第1の態様)であって非孔質なものおよび中空の顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)であって外殻が非孔質なものを製造する場合は、乾燥・加熱処理温度が90〜1200℃、さらには110〜1150℃の範囲にあることが好ましい。
乾燥・加熱処理温度が90℃未満の場合は、細孔が消失しない場合があり、非孔質な顔料内包シリカ系粒子または外殻が非孔質な顔料内包シリカ系粒子が得られない場合がある。
乾燥・加熱処理温度が1200℃を越えても、さらに非孔質化することもなく、また、さらに粒子強度が向上することもなく、温度、粒子径によっては分散し難い凝集体粒子となる場合がある。
なお、加熱処理温度は顔料の種類によって適宜選択することが好ましい。例えば、有機顔料では、耐熱性が低く、変色等しない範囲で低い温度を選択することが必要である。さらに、無機顔料でも種類によっては変色しない範囲で低い温度を選択することが必要である。
本発明で非孔質の顔料内包シリカ系粒子とは、粒子の比表面積(SA)が概ね27m/g以下となる粒子をいう。
比表面積が概ね27m/g以下であると、平均粒子径、顔料の含有量によっても異なるが、顔料内包シリカ系粒子はSAに寄与する微細孔を実質的に有してなく、すなわち非孔質である。
一方、本発明で多孔質の顔料内包シリカ系粒子とは平均粒子径、顔料の含有量によっても異なるが、粒子の比表面積(SA)が概ね27m/gを越える粒子をいう。
比表面積が概ね27m/gを越えると、平均粒子径、顔料の含有量によっても異なるが、顔料内包シリカ系粒子はSAに寄与する微細孔を実質的に有しており、すなわち多孔質である。
[顔料内包シリカ系粒子]
つぎに、本発明に係る顔料内包シリカ系粒子について説明する。
本発明に係る顔料内包シリカ系粒子は、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、顔料の含有量が固形分として0.5〜70重量%の範囲にあることを特徴としている。
顔料としては、前記した顔料が用いられる。
本発明に係る第1の態様の顔料内包シリカ系粒子は内部に実質的に空洞を有しておらず、空隙率が5体積%未満であることが好ましい。
空隙率が5体積%を越えると、外殻部が少なくなり、外殻部が有用な用途、例えば吸着剤、吸油剤等に用いた場合に吸着量、吸油量が不充分となる場合がある。
この場合、顔料内包シリカ系粒子は多孔質であっても非孔質であってもよいが、用途、用法によっては顔料の溶出(ブリードアウトと言うことがある。)あるいは脱落が有ることから非孔質の顔料内包シリカ系粒子が好適に用いられる。
本発明に係る第2の態様の顔料内包シリカ系粒子は、外殻シリカ層を有し、外殻内部の空隙率が5〜95体積%、さらには20〜90体積%の範囲にあることが好ましい。
前記外殻シリカ層は多孔質であっても非孔質であってもよいが、用途、用法によっては顔料の脱離あるいは溶出が無いことから非孔質の顔料内包シリカ系粒子が好適に用いられる。
空隙率が5体積%未満の場合は、屈折率が充分に低くならず、化粧料に配合して用いても充分な暈かし効果が得られない場合がある。また、断熱材として用いる場合に、充分な断熱効果が得られない場合がある。
空隙率が95体積%を越えるものは得ることが困難であり、得られたとしても粒子径によっては殻が薄くなり、粒子強度が不充分となる場合がある。
ここで、空隙率は、粒子のTEM写真を測定し、50個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として平均粒子径を測定し、次に、粒子を1/2に破断し、50個の破断切片について空洞部の直径を測定して空洞部の平均直径を求め、計算により空洞部の平均空洞体積率を求める。なお、空洞部は球状である。さらに、空隙率には多孔質部分の細孔容積は含まない。
本発明の顔料内包シリカ系粒子はいずれの態様のものも、粒子形状が球状で、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にある。平均粒子径が0.1μm未満のもの、また、平均粒子径が200μmを超えるものは、生産性を考慮した場合、噴霧乾燥法を用いて製造することが困難である。
また、本発明の顔料内包シリカ系粒子はいずれの態様のものも、顔料内包シリカ系粒子中の顔料の含有量が0.5〜70重量%、好ましくは1〜60重量%の範囲にある。
顔料の含有量が0.5重量%未満のものは、顔料の種類によっても異なるが、化粧品その他の用途に使用する場合、充分な着色効果が得られない場合がある。
顔料の含有量が70重量%を超えるものは、顔料が多すぎて、内部に空洞を有する粒子を得ることが困難になる場合があるばかりか、真球状の粒子が得られにくい場合がある。
本発明での顔料内包シリカ系粒子中の顔料の含有量は、粒子調製時の顔料の使用量および珪酸アルカリ水溶液中のシリカの使用量から計算によって求めた値としている。
上記中空の顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)を製造する場合、乾燥・加熱処理を減圧下で行うと、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻層内部が負圧の顔料内包シリカ系粒子を得ることができる。
この時得られる球状の顔料内包シリカ系粒子は、屈折率が低く、化粧料に配合して用いると、顔料の効果、滑性、皮膚の欠点を暈かす効果や透明感などの配合効果に加え、断熱効果が得られる。
従って、上記減圧下で乾燥・加熱処理して得られる顔料内包シリカ系粒子は、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、外殻シリカ層の内部に空洞を有し、該空洞の空隙率が5〜95重量%の範囲にあり、外殻シリカ層が非孔質であり、空洞内部が負圧であることを特徴としている。
従って、上記減圧下で乾燥・加熱処理して得られる顔料内包シリカ系粒子は、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、外殻シリカ層の内部に空洞を有し、該空洞の空隙率が5〜95重量%の範囲にあり、外殻シリカ層が非孔質であり、空洞内部が負圧であることを特徴としている。
前記空洞内部の負圧は133hPa以下であることが好ましい。
空洞内部が負圧である顔料内包シリカ系粒子は、他の粒子と同様に着色効果を有するほか断熱効果を併せ持つ粒子を得ることができる。
[化粧料]
本発明に係る化粧料は、前記したいずれかの製造方法で得られた顔料内包シリカ系粒子を配合してなることを特徴としている。
本発明に係る化粧料は、前記顔料内包シリカ系粒子の配合量が0.1〜30重量%の範囲にあり、特に1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
顔料内包シリカ系粒子の配合量が0.1重量%未満では、顔料による着色効果、滑性、皮膚の欠点を暈かす効果や透明感など顔料内包シリカ系粒子の配合効果が得られず、30重量%を越えると本来化粧料に求められる油分感等が損なわれることがある。
なお、本発明の顔料内包シリカ系粒子を化粧料に配合するに際し、その表面を従来公知の表面処理剤、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物、金属石鹸類、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノ酸類、レシチン類等で処理しても良い。
本発明の化粧料は、前記顔料内包シリカ系粒子と、通常、化粧料に配合されることのある成分、例えば、オリーブ油、ナタネ油、牛脂等の油脂類、ホホバ油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ等のロウ類、パラフィン、スクワラン、合成及び植物性スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、マイクロクリスタリンワックス、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素類、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、α−ヒドロキシ酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のアルコール類、アルキルグリセリルエーテル類、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、ラウリル酸セチル、オレイン酸デシル等のエステル類、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール類、ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖、トレハロース等の糖類、メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーン油、各種変性シリコーン油、環状ジメチルシリコン油等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油、アラビアガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ゼラチン、アルギン酸、グアーガム、アルブミン、プルラン、カルボキシビニルポリマー、セルロース及びその誘導体、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の各種高分子、アニオン、カチオン、ノニアオン系各種界面活性剤類、動植物抽出物、アミノ酸及びペプチド類、ビタミン類、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系、サリチル酸系、安息香酸エステル系、ウロカニン酸系、ベンゾフェノン系をはじめとした紫外線防御剤、殺菌・防腐剤、酸化防止剤、変性又は未変性の粘土鉱物、酢酸ブチル、アセトン、トルエンなどの溶剤、各種粒子径、粒子径分布及び形状の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、硫酸バリウム、パール光沢を有する雲母チタン、及びそれらの複合物、各種有機顔料、有機染料、水、香料などの少なくとも1 種を含んでいる。ここで、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機化合物はシリコン処理、フッ素処理、金属石鹸処理等の表面処理をして用いてもよい。
また、ポリアクリル酸メチル、ナイロン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂粒子を含んでいてもよい。
さらに、美白効果を有する有効成分としてアルブチン、コウジ酸、ビタミンC 、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、ジ−パルチミン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、その他のアスコルビン酸誘導体、プラセンタエキス、イオウ、油溶性甘草エキス、クワエキス等の植物抽出液、リノール酸、リノレイン酸、乳酸、トラネキサム酸等を含むことができる。
肌荒れ改善効果を有する有効成分としてビタミンC 、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、カフェー誘導体、リグナン、サポニン、レチノイン酸及びレチノイン酸構造類縁体、N − アセチルグルコサミン、α − ヒドロキシ酸等の抗老化効果を有する有効成分、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、混合異性化糖、トレハロース、プルラン等の糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン・キトサン、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の生体高分子類、アミノ酸、ベタイン、セラミド、スフィンゴ脂質、コレステロール及びその誘導体、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、各種ビタミン類等を含むことができる。
本発明の化粧料には、医薬部外品原料規格2006(発行:株式会社薬事日報社、平成18年6月16日)や、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(発行:The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association、13th Edition 2010)等に収載されている化粧料成分を特に制限なく使用することができる。
本発明による化粧料は、従来公知の一般的な方法で製造することができる。
このような方法で製造された化粧料は、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、クリーム状、ジェル状、ムース状、液状、クリーム状などの各種形態で使用され、さらに具体的に述べれば、石鹸、クレンジングフォーム、メーク落とし用クリーム等の洗浄用化粧料、保湿・肌荒れ防止、アクネ、角質ケア、マッサージ、しわ・たるみ対応、くすみ・くま対応、紫外線ケア、美白、抗酸化ケア用等のスキンケア化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、ムースファンデーション、プレスドパウダー、化粧下地等のベースメークアップ化粧料、アイシャドウ、アイブロー、アイライナー、マスカラ、口紅等のポイントメークアップ化粧料、育毛用、フケ防止、かゆみ防止、洗浄用、コンディショニング・整髪、パーマネント・ウエーブ用、ヘアカラー・ヘアブリーチ用等のヘアケア化粧料、洗浄用、日焼け防止、手荒れ防止、スリミング用、血行改善用、かゆみ抑制、体臭防止、制汗、体毛ケア、リペラント用、ボディパウダー等のボディーケア化粧料、香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、シャワーコロン等、練香水、ボディーロ−ション、バスオイル等のフレグランス化粧料、歯磨き、マウスウォッシュ等のオーラルケア製品などが挙げられる。
[断熱材]
本発明の製造方法で得られた顔料内包シリカ系粒子は断熱材として好適に用いることができる。
断熱材に用いる顔料内包シリカ系粒子としては、内部に空洞を有する中空の顔料内包シリカ系粒子(第2の態様)であって外殻が非孔質な顔料内包シリカ系粒子が好ましい。
断熱材に用いる用法としては、従来公知の方法に準拠して用いることができ、例えば、断熱用の隔壁に充填して使用することができ、さらには住宅建材(壁材、窓材等)に配合して用いたり、断熱フィラーとして含むシート、あるいは断熱フィラーとして含み断熱効果を有する断熱塗料等として用いる等種々の用途を提案することができる。
断熱材に用いる場合の顔料内包シリカ系粒子の顔料としては、例えば酸化チタン等の白色顔料粒子は赤外線反射性が高く、このため遮熱効果に優れた顔料内包シリカ系粒子が得られ、断熱効果に優れた断熱材を得ることができる。
さらに、断熱材には顔料内包シリカ系粒子に加えて他の機能性材料を配合して用いることができる。
[実施例1]
顔料内包シリカ系粒子(1)の調製
水ガラス水溶液(SiO/NaOモル比3.2、SiO濃度24重量%)3000gに、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)79.2gを分散させた顔料含有珪酸アルカリ水溶液を2流体ノズルの一方に0.62kg/hrの流量で、他方のノズルに空気を31800L/hr(空/液体積比63600)の流量で、入口温度400℃の熱風に噴霧して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)を得た。この時、出口温度は150℃であった。このとき、(C)/(C)=0.11であった。
ついで、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)500gを濃度10重量%の硫酸水溶液3200gに浸漬して1.5時間撹拌した。この時、SiO濃度は10.2重量%、分散液の温度は35℃、pHは3.0であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)は1.2であった。
ついで、乾燥機にて、120℃で24時間乾燥・加熱処理して赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(1)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(1)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度と言うことがある。)および感触特性を以下の方法で測定し、結果を表に示した。
平均粒子径
顔料内包シリカ系粒子(1)3ccをレーザー回折散乱式粒度分布測定器(セイシン企業社製:LMS−30)により粒度分布を測定し、算出されたメジアン径を平均粒子径とした。
比表面積
顔料内包シリカ系粒子(1)を磁性ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、300℃で2時間乾燥後、デシケータに入れて室温まで冷却する。次に、サンプルを1g採取し、BET法比表面積測定装置(マウンテック社製:M−1220型)を用いて比表面積(m/g)を測定した。
粒子密度
顔料内包シリカ系粒子(1)を磁性ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、300℃で2時間乾燥後、デシケータに入れて室温まで冷却する。次に、サンプルを15ml採取し、全自動ピクノメーター(QUANTACHROME社製:Ultrapyc1200e)を用いて真比重を測定し粒子密度とした。
空隙率
顔料内包シリカ系粒子(1)のTEM写真を測定し、50個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として平均粒子径を測定し、次に、粒子を1/2に破断し、50個の破断切片について空洞部の直径を測定して空洞部の平均直径を求め、計算により空洞部の平均空洞体積率を求めた。
アルカリ残存量
顔料内包シリカ系粒子(1)を原子吸光法(日立製作所社製、原子吸光光度計Z−2310型)を用いてNa含有量を測定し、NaOに換算してアルカリ残存量とした。
顔料含有量
顔料内包シリカ系粒子(1)調製時の顔料の使用量および珪酸アルカリ水溶液中のシリカの使用量から計算によって求めた値とした。
吸油量
顔料試験方法JIS−K5101に準拠して測定した。概略は、一定の条件下で顔料内包シリカ系粒子(1)に吸収される煮あまに油の量を測定し、吸油量を顔料内包シリカ系粒子(1)の重量で除して求める。本発明においては、吸油量をml/100gで表示した。
着色度合い(彩度)
顔料内包シリカ系粒子(1)を測色用のステンレスカップいっぱいに採取し、試料の表面を平らなガラス板を使用して平滑にする。次に、分光光度計(ミノルタ社製:CM2002型)にカバーガラス(ミノルタ社製:CM−A40)をセットし、光源D−60、視野10度、SCI法にてL表色系にて測色して、以下の式より彩度を算出した。
彩度 = [(a+(b]1/2
感触特性
顔料内包シリカ系粒子(1)の粉体について、20名の専門パネラーによる官能テストを行い、(1)さらさら感、(2)しっとり感、(3)転がり感、(4)均一な延び広がり性、(5)肌への付着性、(6)転がり感の持続性、および(7)顔料内包シリカ系粒子(1)のシャリシャリ感の低さの7つの評価項目に関して聞き取り調査を行う。その結果を以下の評価点基準(a)に基づき評価する。次いで、各人がつけた評価点を合計し、以下の評価基準(b)に基づき顔料内包シリカ系粒子の感触に関する評価を行う。
評価点基準(a
5点:非常に優れている。
4点:優れている。
3点:普通。
2点:劣る。
1点:非常に劣る。
評価基準(b)
◎:合計点が80点以上
○:合計点が60点以上80点未満
△:合計点が40点以上60点未満
▲:合計点が20点以上40点未満
×:合計点が20点未満
[実施例2]
顔料内包シリカ系粒子(2)の調製
実施例1において、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)14.4gを溶解させて(C)/(C)=0.02で実施した以外は同様にして顔料内包シリカ系粒子(2)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(2)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例3]
顔料内包シリカ系粒子(3)の調製
実施例1において、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)1008gを溶解させて(C)/(C)=1.4で実施した以外は同様にして顔料内包シリカ系粒子(3)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(3)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例4]
顔料内包シリカ系粒子(4)の調製
実施例1において、入口温度300℃の熱風に噴霧して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(4)を得た。この時、出口温度は100℃であった。
以下、実施例1と同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(4)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(4)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例5]
顔料内包シリカ系粒子(5)の調製
実施例1において、入口温度450℃の熱風に噴霧して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(5)を得た。この時、出口温度は175℃であった。
以下、実施例1と同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(5)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(5)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例6]
顔料内包シリカ系粒子(6)の調製
実施例1において、80℃で60時間乾燥・加熱処理した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(6)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(6)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例7]
顔料内包シリカ系粒子(7)の調製
実施例1において、入口温度250℃、出口温度50℃で噴霧乾燥した以外は同様にして顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(7)を得た。
ついで、120℃で24時間乾燥・加熱処理した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(7)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(7)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例8]
顔料内包シリカ系粒子(8)の調製
実施例1において、入口温度250℃、出口温度50℃で噴霧乾燥した以外は同様にして顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(8)を得た。
ついで、80℃で60時間乾燥・加熱処理した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(8)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(8)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例9]
顔料内包シリカ系粒子(9)の調製
実施例1において、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)500gを濃度10重量%の硫酸水溶液2670gに浸漬した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(9)を調製した。この時、分散液の温度は35℃、pHは3.5であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)は1.0であった。
得られた顔料内包シリカ系粒子(9)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例10]
顔料含有シリカ系粒子(10)の調製
実施例1において、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)500gを濃度10重量%の硫酸水溶液8000gに浸漬した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(10)を調製した。この時、分散液の温度は35℃、pHは2.0であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)は3.0であった。
得られた顔料内包シリカ系粒子(10)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例11]
顔料内包シリカ系粒子(11)の調製
実施例1において、顔料として白色顔料(石原産業社製:CR−50)79.2gを分散させた以外は同様にして白色に着色した顔料内包シリカ系粒子(11)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(11)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例12]
顔料内包シリカ系粒子(12)の調製
実施例1と同様にして調製した顔料含有珪酸アルカリ水溶液を、2流体ノズルの一方に0.62kg/hrの流量で、他方のノズルに空気を63600L/hr(空/液体積比127200)の流量で、入口温度400℃の熱風に噴霧して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(12)を得た。この時、出口温度は150℃であった。
ついで、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(12)500gを濃度10重量%の硫酸水溶液3200gに浸漬して1.5時間撹拌した。この時、SiO濃度は10.2重量%、分散液の温度は35℃、pHは3.0であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)は1.2であった。
ついで、乾燥機にて、120℃で24時間乾燥・加熱処理して赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(12)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(12)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例13]
顔料内包シリカ系粒子(13)の調製
実施例1と同様にして調製した顔料含有珪酸アルカリ水溶液を、2流体ノズルの一方に0.62kg/hrの流量で、他方のノズルに空気を15900L/hr(空/液体積比31800)の流量で、入口温度400℃の熱風に噴霧して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(13)を得た。この時、出口温度は150℃であった。
ついで、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(13)500gを濃度10重量%の硫酸水溶液3200gに浸漬して1.5時間撹拌した。この時、固形分(SiO)濃度は10.2重量%、分散液の温度は35℃、pHは3.0であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)は1.2であった。
ついで、乾燥機にて、120℃で24時間乾燥・加熱処理して赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(13)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(13)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[実施例14]
顔料内包シリカ系粒子(14)の調製
実施例1と同様にして調製した顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)を酸処理した後、真空ポンプにて、減圧度1hPaで排気しながら、乾燥・加熱処理を120℃で24時間行った以外は同様にして内部が負圧の顔料内包シリカ系粒子(14)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(14)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[比較例1]
顔料内包シリカ系粒子(R1)の調製
実施例1において、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)0.72gを溶解させて(C)/(C)=0.001で実施した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(R1)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(R1)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
[比較例2]
顔料内包シリカ系粒子(R2)の調製
実施例1において、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)2160gを分散させて(C)/(C)=3.0で実施した以外は同様にして赤色に着色された顔料内包シリカ系粒子(R2)を調製した。
得られた顔料内包シリカ系粒子(R2)の平均粒子径、比表面積、粒子密度、空隙率、アルカリ残存量、顔料含有量、吸油量、着色度合い(彩度)および感触特性を測定し、結果を表に示した。
顔料内包シリカ系粒子(R2)は、空隙はほとんどなく、非孔質粒子であり、着色度合いは高いものの、内部が空洞の粒子が得られないばかりか、真球状の粒子が得られなかった。
[比較例3]
顔料内包シリカ系粒子(R3)の調製
実施例1において、顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子(1)500gを濃度2重量%の硫酸水溶液3200gに浸漬した。この時、分散液の温度は35℃、pHは9.5であった。また、酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Msp)は0.24であった。
しかし、酸の量が少なすぎたために、浸漬中に粒子の溶解が顕著に見られ、粒子を得ることが出来なかった。このため粒子の評価は実施しなかった。
[比較例4]
シリカ系粒子(R4)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:S−20L、平均粒子径19nm、SiO濃度20重量%)3600gに、ベンガラ(戸田工業社製:100ED)79.2gを分散させた顔料含有シリカゾルを2流体ノズルの一方に0.62kg/hrの流量で、他方のノズルに空気を31800L/hr(空/液体積比63600)の流量で、入口温度250℃の熱風に噴霧して担体用粉体(R5)を得た。この時、出口温度は50℃であった。
このとき、(C)/(C)=0.11であり、実施例1と同じ値である。
シリカ系粒子(R4)は、多孔質粒子であり、着色度合いは高いものの、透過型電子顕微鏡写真の観察により顔料を充分に内包できず、顔料の脱落が顕著に見られた。そのため、該粒子の評価は実施しなかった。
Figure 0005896688
Figure 0005896688
Figure 0005896688
[実施例15〜28]
パウダーファンデーションの調製
下記表に示す配合比率(重量%)となるように、実施例1〜14で得られたシリカ系粒子成分(1)および(2)〜(9)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。次に、下記化粧料成分(10)〜(12)をこのミキサーに入れて撹拌し、さらに均一に混合した。次いで、得られたケーキ状物質を解砕処理した後、その中から約12gを取り出し、46mm×54mm×4mmの角金皿に入れてプレス成型した。
これにより、シリカ系粒子を配合した実施例化粧料P1〜P14を得た。
Figure 0005896688
次いで、このようにして得られた実施例化粧料P1〜P14の使用感を塗布中の感触および仕上がり感(塗布後の感触)について、下記の試験法で評価した。その結果を表に示す。
試験法
シリカ系粒子の粉体を配合したパウダーファンデーションについて、20名の専門パネラーによる官能テストを行い、(1)肌への塗布中の均一な延び、(2)しっとり感、(3)滑らかさ、および(4)肌に塗布後の化粧膜の均一性、(5)しっとり感、(6)やわらかさの6つの評価項目に関して聞き取り調査を行う。その結果を以下の評価点基準(a)に基づき評価する。次いで、各人がつけた評価点を合計し、以下の評価基準(b)に基づきファンデーションの使用感に関する評価を行う。
評価点基準(a
5点:非常に優れている。
4点:優れている。
3点:普通。
2点:劣る。
1点:非常に劣る。
評価基準(b
◎:合計点が80点以上
○:合計点が60点以上80点未満
△:合計点が40点以上60点未満
▲:合計点が20点以上40点未満
×:合計点が20点未満
その結果、前記実施例化粧料は、その使用感が塗布中および塗布後においても非常に優れていることが分かった。
Figure 0005896688
[実施例29〜42]
ローションの調製
下記表に示す配合比率(重量%)となるように、80℃に加温し均一に混合した成分(1)〜(3)に、80℃に加温し均一に混合した実施例1〜14で得られたシリカ系粒子成分(4)および(5)〜(8)を加え撹拌し、均一に混合した。次に、50℃まで冷却し、成分(9)〜(11)を加えて撹拌し、さらに均一に混合した。次いで、室温まで冷却し、シリカ系粒子を配合した実施例化粧料L1〜L14を得た。
Figure 0005896688
次いで、このようにして得られた実施例化粧料L1〜L14の使用感(使用前のシリカ系粒子の再分散性と塗布中の感触)および仕上がり感(塗布後の感触)について、下記の試験法で評価した。その結果を表に示す。
試験法
シリカ系粒子の粉体を配合したローションについて、20名の専門パネラーによる官能テストを行い、1)使用前のシリカ系粒子の再分散性、2)肌への塗布中の均一な延び、および3)肌に塗布後の化粧膜のソフトフォーカス性の3つの評価項目に関して聞き取り調査を行う。その結果を以下の評価点基準(a)に基づき評価する。次いで、各人がつけた評価点を合計し、以下の評価基準(b)に基づきファンデーションの使用感に関する評価を行う。
評価点基準(a
5点:非常に優れている。
4点:優れている。
3点:普通。
2点:劣る。
1点:非常に劣る。
評価基準(b
◎:合計点が80点以上
○:合計点が60点以上80点未満
△:合計点が40点以上60点未満
▲:合計点が20点以上40点未満
×:合計点が20点未満
その結果、前記実施例化粧料は、その使用感が塗布中および塗布後においても非常に優れていることが分かった。
Figure 0005896688
[実施例43〜47]および[比較例5]
断熱材の調製
ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレートDPE-6A)4.4g、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレート1,6HX−A)4.4gを混合し、これに光開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、DAROCUR TPO)0.7gを混合した。これをポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤社製、MFG)2.3gに溶解させて、混合樹脂溶液を調製した。
ついで、混合樹脂溶液11.8g(樹脂比重:1.1g/ccより、樹脂体積:8.0cc)に、実施例1、4、5、11、14で得られた各シリカ系粒子を粒子密度換算により33体積%(3.9cc)となるようにそれぞれ5.9g、7.8g、3.9g、5.5g、5.9gを加えた後、ホーン型超音波装置(海上電波社製)で1分間分散処理して断熱材形成用樹脂溶液4点を調製した。粒子密度換算をする理由は、粒子個数を等しくして比較できるようにするためである。
各断熱材形成用樹脂溶液を各々バーコーター(バーNo.18)を用いてPET基材に塗布し、80℃で2分間乾燥し、更にUV照射(300mJ/cm)により硬化させて実施例断熱性薄膜付基材H1〜H4を得た。
また、シリカ系粒子を配合しない以外は同様にして調製した樹脂溶液を、同様に塗布し、乾燥し、硬化させて比較例断熱性薄膜付基材RH1を得た。
得られた各断熱性薄膜付基材について、以下のようにして断熱性を評価し、結果を表 に示す。
断熱性評価
薄膜付基材を専用冶具に設置し、薄膜(付き基材)表面から30cm離れた真上から赤外線ランプ(185W)を用いて30分間照射し、薄膜の反対側で、基材から8cm離れた真下に温度センサーを設置して温度を測定した。その際、赤外線照射前の温度は、24.0〜24.5℃の範囲であった。結果を表8に示す。
Figure 0005896688

Claims (7)

  1. 外殻シリカ層を有し、外殻内部の空隙率が5〜95体積%の顔料内包シリカ系粒子の製造方法であって、
    (a)顔料分散珪酸アルカリ水溶液を熱風気流中に300〜600℃の入口温度、120〜300℃の出口温度で噴霧乾燥して顔料内包シリカ系粒子前駆体粒子を調製する工程と
    (b)前記前駆体粒子を酸水溶液に浸漬し、アルカリを除去する工程と、
    (c)乾燥・加熱処理する工程と、
    からなることを特徴とする顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  2. 前記顔料分散珪酸アルカリ水溶液の、SiO/MOモル比(但し、Mはアルカリ金属を示す。)は1〜5の範囲にあり、SiO濃度(C)が1〜30重量%の範囲にあり、顔料濃度(C)とSiO濃度(C)との比(C)/(C)が0.005〜2.3の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  3. 前記工程(b)において、前記前駆体粒子中のMOモル数(Ms)と酸のモル数(Ma)とのモル比(Ma)/(Ms)が0.6〜4.7の範囲にあり、前記前駆体粒子の濃度が固形分として1〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  4. 平均粒子径が0.1〜200μmの範囲にあり、顔料の含有量が固形分として0.5〜70重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  5. 前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が30〜120℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻シリカ層が多孔質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  6. 前記工程(c)における乾燥・加熱処理温度が90〜1200℃の範囲にあり、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻シリカ層が非孔質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
  7. 前記工程(c)における乾燥・加熱処理を減圧下で行い、得られる顔料内包シリカ系粒子の外殻層内部が負圧であることを特徴とする請求項に記載の顔料内包シリカ系粒子の製造方法。
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