JP5894028B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法等に関する。
特許文献1には、式(u−A)で表される構造単位及び式(u−B)で表される構造単位からなる樹脂と、式(u−C)で表される構造単位、式(u−D)で表される構造単位及び式(u−B)で表される構造単位からなる樹脂と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物が記載されている。
Figure 0005894028
特開2010−197413号公報
従来のレジスト組成物によって形成されたレジストパターンは、CD均一性(CDU)が必ずしも十分に満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表される構造単位を有する樹脂、
式(II)で表される構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂(但し、式(I)で表される構造単位を含まない)、及び
酸発生剤を含有するレジスト組成物。
Figure 0005894028
[式(I)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜18の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
12は、*−CO−O−又は*−O−CO−を表し、*は、A13との結合手を表す。
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。]
Figure 0005894028
[式(II)中、
は、置換基を有していてもよい炭素数3〜34のスルトン環基を表す。
21は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
Figure 0005894028
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
30及びX31は、それぞれ独立に、酸素原子、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルイミノ基又はイミノカルボニル基を表す。
30、A31及びA32はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
22は、単結合又はカルボニル基を表す。
21は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。]
[2]式(I)のAが、エチレン基である[1]記載のレジスト組成物。
[3]式(I)のA13が、炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基である[1]又は[2]記載のレジスト組成物。
[4]式(I)のX12が、*−CO−O−(*は、A13との結合手を表す。)である[1]〜[3]のいずれか記載のレジスト組成物。
[5]式(I)のA14が、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基又はアダマンチル基である[1]〜[4]のいずれか記載のレジスト組成物。
[6]式(II)のTが、多環式のスルトン環基である[1]〜[5]のいずれか記載のレジスト組成物。
[7]式(II)のTが、式(T1)で表される基である[1]〜[6]のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 0005894028
[式(T1)中、
24は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基あるいは炭素数2〜4のアシル基を表す。
mは、0〜9である。mが2以上のとき、複数のR24は同一又は相異なる。
*は、酸素原子との結合手を表す。]
[8]式(II)のZ22が、カルボニル基である[1]〜[7]のいずれか記載のレジスト組成物。
[9]式(II)のZ21が、メチレン基である[1]〜[8]のいずれか記載のレジスト組成物。
[10](1)上記[1]〜[9]のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物によれば、優れたCD均一性(CDU)で、レジストパターンを製造することができる。また、得られたレジストパターンの欠陥の発生数も少なくすることができる。
本明細書では、特に断りのない限り、化合物の構造式の説明において、炭素数を適宜選択しながら、以下の置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの構造式においても適用される。直鎖状、分岐状又は環状をとることができるものは、そのいずれをも含み、かつそれらが混在していてもよい。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。
また、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
〈レジスト組成物〉
本発明のレジスト組成物は、
樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)及び
酸発生剤(以下「酸発生剤(B)という場合がある」を含有する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。また、塩基性化合物を含有していることが好ましい。
〈樹脂(A)〉
樹脂(A)は以下の樹脂を含む。
上述した式(I)で表される構造単位を有する樹脂(以下「樹脂(A1)」という場合がある)及び
上述した式(II)で表される構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂(但し、式(I)で表される構造単位を含まない)(以下「樹脂(A2)」という場合がある)。
本発明のレジスト組成物に含有されている樹脂(A)は、上述した樹脂(A1)及び(A2)を含み、後述するような、樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂が含まれていてもよい。
〈樹脂(A1)〉
樹脂(A1)は、式(I)で表される構造単位(以下「構造単位(I)」という場合がある)を有する。
Figure 0005894028
[式(I)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
12は、*−CO−O−又は*−O−CO−を表し、*は、A13との結合手を表す。
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。]
のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
13のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。なかでもフッ素原子が好ましい。
13の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせられた2価の脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
13のハロゲン原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい飽和の脂肪族炭化水素基である。
ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよい2価の鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、ジフルオロメチレン基、エチレン基、ペルフルオロエチレン基、プロパンジイル基、ペルフルオロプロパンジイル基、ブタンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基、ペンタンジイル基、ペルフルオロペンタンジイル基、ジクロロメチレン基及びジブロモメチレン基などが挙げられる。
ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよい2価の環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルクロロシクロヘキサンジイル基などが挙げられる。多環式の2価の脂肪族炭化水素基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基などが挙げられる。
14の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせられた脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
14のハロゲン原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい飽和の脂肪族炭化水素基である。
ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよい鎖式の脂肪族炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基及びペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基、ペルフルオロオクチル基、トリクロロメチル基及びトリブロモメチル基などが挙げられる。
などが挙げられる。
ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有していてもよい環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルクロロシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、ペルフルオロアダマンチル基などが挙げられる。
また、鎖式の脂肪族炭化水素基及び環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられた脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基などが挙げられる。
式(I)においては、A1としては、エチレン基が好ましい。
13の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜6が好ましく、2〜3がさらに好ましい。
14の脂肪族炭化水素基は、炭素数3〜12が好ましく、3〜10がさらに好ましい。なかでも、A14は、好ましくは脂環式炭化水素基を含む炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
構造単位(I)としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
上記の構造単位において、Rに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(I)の具体例として挙げることができる。
構造単位(I)は、式(I’)で表される化合物(以下、「化合物(I’)」という場合がある)から誘導される。
Figure 0005894028
[式(I’)中、R1、A1、A13、X12及びA14は、上記と同じ意味を表す。]
式(I’)で表される化合物は、例えば、式(Is−1)で表される化合物と、式(Is−2)で表されるカルボン酸とを反応させることにより製造することができる。
この反応は、通常、溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びトルエンなどが用いられる。なお、反応の際には、公知のエステル化触媒(例えば、酸触媒、カルボジイミド触媒など)を共存させてもよい。
Figure 0005894028
式(Is−1)で表される化合物は、市販品であってもよいし、公知の方法で製造したものでもよい。ここで、公知の方法とは、例えば、(メタ)アクリル酸又はその誘導体(例えば、(メタ)アクリル酸クロリドなど)と、適当なジオール(HO−A−OH)とを縮合する方法が挙げられる。市販品としては、ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
式(Is−2)で表されるカルボン酸は、公知の方法により製造することができる。式(Is−2)で表されるカルボン酸としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
樹脂(A1)は、構造単位(I)と異なる構造単位を有していてもよい。
構造単位(I)とは異なる構造単位としては、後述する酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位、後述する酸安定モノマーに由来する構造単位、式(III−1)で表される構造単位(以下、構造単位(III−1)という場合がある)、式(III−2)で表される構造単位(以下、構造単位(III−2)という場合がある)、当該分野で用いられる公知のモノマーに由来する構造単位、後述する式(II)で表される構造単位等が挙げられる。好ましくは構造単位(III−1)又は構造単位(III−2)である。
Figure 0005894028
[式(III−1)中、
11は、水素原子又はメチル基を表す。
11は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
12は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
Figure 0005894028
[式(III−2)中、
21は、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数6〜10の炭化水素環を表す。
22は、−O−、−CO−O−又は−O−CO−(は環Wとの結合手を表す)を表す。
22は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
11のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
12のフッ素原子を有する炭化水素基としては、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有する脂環式炭化水素基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
フッ素原子を有するアルキル基としては、以下に表す基を含む、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
Figure 0005894028
脂環式炭化水素基としては、好ましくは、飽和の脂肪族炭化水素環から水素原子を一つ取り除いた基である。飽和の脂肪族炭化水素環としては、以下の環が挙げられる。
Figure 0005894028
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
環Wの炭化水素環としては、例えば、脂肪族炭化水素環が挙げられ、好ましくは、飽和の脂肪族炭化水素環である。なかでも、アダマンタン環又はシクロヘキサン環が好ましく、アダマンタン環がより好ましい。
構造単位(III−1)としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
上記の構造単位において、R11に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(III−1)の具体例として挙げることができる。
構造単位(III−2)としては、以下のものが挙げられる。

Figure 0005894028
上記の構造単位において、R21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(III−2)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A1)中の構造単位(I)の含有量は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、5〜100モル%の範囲が好ましく、10〜100モル%の範囲がより好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(III−1)及び/又は構造単位(III−2)を含有する場合、これらの合計全含有量は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、1〜95モル%の範囲が好ましく、2〜80モル%の範囲がより好ましく、5〜70モル%の範囲がさらに好ましい。
なお、構造単位(III−1):構造単位(III−2)は、例えば、0:100〜100:0(質量比)が挙げられ、3:97〜97:3が好ましく、50:50〜95:5がより好ましい。
このような含有量で構造単位(I)並びに必要に応じて構造単位(III−1)及び/又は構造単位(III−2)を有する樹脂(A1)は、樹脂(A1)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する化合物(I’)、構造単位(III−1)を誘導するモノマー、構造単位(III−2)を誘導するモノマーの使用モル量を調節することにより製造することができる。
樹脂(A1)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。
樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは、5,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは50,000以下)である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
〈樹脂(A2)〉
樹脂(A2)は、式(II)で表される構造単位(以下「構造単位(II)」という場合がある)を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る。
Figure 0005894028
[式(II)中、
は、置換基を有していてもよい炭素数3〜34のスルトン環基を表す。
21は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
Figure 0005894028
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
30及びX31は、それぞれ独立に、酸素原子、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルイミノ基又はイミノカルボニル基を表す。
30、A31及びA32はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
22は、単結合又はカルボニル基を表す。
21は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。]
「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、樹脂(A2)が、酸に不安定な基を有し、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。
樹脂(A2)は、さらに、構造単位(II)とは異なる構造単位を有し、この異なる構造単位が酸に不安定な基を有する。つまり、樹脂(A2)は、構造単位(II)に加えて、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)に由来する構造単位を有する。
また、樹脂(A2)は、上述した性質を備え、式(I)で表される構造単位を含まない限り、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という)に由来する構造単位、当該分野で公知のモノマー及び式(III−1)で表される構造単位を含んでいてもよい。
のスルトン環基は、環を構成する原子団として、−SO−O−を含む環を含む基を意味し、より好ましくはスルトン環に含まれる水素原子のうちの1個を結合手に置き換えた基を意味する。
スルトン環は、以下の式(T−1)、式(T−2)、式(T−3)及び式(T−4)のいずれかで表される化合物が挙げられる。スルトン環は、単環式であってもよいが、多環式であることが好ましい。多環式のスルトン環とは、2つ以上の単環が縮合し、2つ以上の単環のうち少なくとも1つが単環式スルトン環であるものを意味する。なお、スルトン環は、式(T−2)で表される化合物のように、環を構成する原子団として、−SO−O−以外に、さらにヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子が挙げられ、なかでも、好ましくは酸素原子である。
Figure 0005894028
スルトン環に置換されている置換基としては、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基あるいは炭素数2〜4のアシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子を有するアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基及びペルヨードメチル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するアルキル基は、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基などが挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基にカルボニル基がさらに結合した基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられる。
式(T−1)〜式(T−4)で表される基における置換基として、アルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。
ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有するアルキル基としては、好ましくは、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びトリフルオロメチル基等である。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数6以下が好ましく、メトキシカルボニル基がさらに好ましい。
なお、構造単位(II)を誘導し得る化合物の製造が容易であるという観点から、スルトン環基としては置換基を有さないスルトン環基が好ましい。
としては、以下の式(T1’)で表される基が好ましい。
Figure 0005894028
[式(T1’)中、
42は、酸素原子、硫黄原子又はメチレン基を表す。
24は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基あるいは炭素数2〜4のアシル基を表す。
mは、0〜9である。mが2以上のとき、複数のR24は同一又は相異なる。
*は、酸素原子との結合手を表す。]
42は、好ましくは酸素原子又はメチレン基であり、メチレン基、つまり、式(T1)で表される基がより好ましい。
としては、以下の式(T1)で表される基がより好ましい。
Figure 0005894028
[式(T1)中、
24は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基あるいは炭素数2〜4のアシル基を表す。
mは、0〜9の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR24は同一又は相異なる。
*は、酸素原子との結合手を表す。]
なお、式(T1’)及び式(T1)においては、mは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
式(T1’)及び式(T1)で表される基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
21のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
21のアルカンジイル基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。アルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられる。
基(a−1)は、X30及びX31のように、酸素原子、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルイミノ基又はイミノカルボニル基等の原子又は原子団を含む場合がある。
30、A31及びA32の脂肪族炭化水素基としては、アルカンジイル基が挙げられる。アルカンジイル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
なお、以下に示す基(a−1)の具体例においては、その左右を式(II)に合わせて記載しており、左側でS原子と結合し、右側でZ22と結合することを示す。
酸素原子を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
イミノ基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
カルボニル基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
カルボニルオキシ基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
オキシカルボニル基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
カルボニルイミノ基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
イミノカルボニル基を有する基(a−1)としては、
Figure 0005894028
などが挙げられる。
構造単位(II)においては、Z21は、炭素数1〜6のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
22は、カルボニル基が好ましい。
21は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
構造単位(II)の具体例を以下に示す。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
式(II−1)〜式(II−24)のいずれかで表される構造単位(II)の具体例において、R21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(II)の具体例として挙げることができる。
構造単位(II)は、以下の式(II’)で表される化合物(以下「化合物(II’)という」から誘導される。
Figure 0005894028
[式(II’)中の符号はいずれも、前記と同義である。]
化合物(II’)は、以下の製造方法又はこれに準じた方法によって製造することができる。
化合物(II’)のうち、Z22がカルボニル基である化合物(II1)は、式(II1−a)で表される化合物と式(II1−b)で表される化合物とを、脱水結合剤及び塩基触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより得ることができる。
ここで用いる脱水結合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩が好ましい。塩基触媒とは、ジメチルアミノピリジンを用いることが好ましい。溶剤としては、テトラヒドロフランが好ましく用いられる。
Figure 0005894028
化合物(II1−b)としては、上述の式(T−1)〜式(T−4)のいずれかで表される化合物において、これらの化合物を構成する水素原子の1つがヒドロキシ基に置換された化合物などが挙げられる。このように化合物(II1−b)を選択すれば、種々のスルトン環を有する化合物(II)を製造することができる。
化合物(II1−b)の代表例として、市場から容易に入手できるものを例示すると、以下に示すものが挙げられる。
Figure 0005894028
化合物(II1−a)は、公知の方法により製造することができる。例えば、式(II1−c)で表される化合物と式(II1−d)で表される化合物とを、塩基触媒の存在下、溶剤中で反応させる方法を挙げることができる。ここで用いる塩基触媒としてはトリエチルアミン、ジメチルアミノピリジンが好ましく、溶剤としては、アセトニトリルが好ましい。
Figure 0005894028
式(II1−c)で表される化合物としては、チオグリコール酸などが挙げられる。このチオグリコール酸は市場から容易に入手できる。
式(II1−d)で表される化合物としては、無水メタクリル酸などが挙げられる。この無水メタクリル酸は市場から容易に入手できる。
以上のような製造方法から、種々の化合物(II’)を製造することができる。化合物(II’)としては、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
〈酸不安定モノマー(a1)〉
酸不安定モノマーに含まれる「酸に不安定な基」とは、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、式(1)で表される基、式(2)で表される基などが挙げられる。
Figure 0005894028
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Figure 0005894028
[式(2)中、Ra1'及びRa2'は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3'は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2'及びRa3'は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH−は、−O―又は―S−で置き換わってもよい。
a1〜Ra3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、アルキル基で置換されていてもよい。この場合、該脂環式炭化水素基の炭素数は、アルキル基の炭素数も含めて20以下である。
単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。
Figure 0005894028
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、例えば、下記の基が挙げられる。2価の炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。*は−O−との結合手を表す。
Figure 0005894028
式(1)においては、Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16であり、より好ましくは炭素数4〜16である。
式(1)で表される酸に不安定な基としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)等が挙げられる。
a1’〜Ra3’の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
a2'及びRa3'が互いに結合して形成する2価の炭化水素基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
式(2)においては、Ra1’及びRa2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
式(2)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 0005894028
酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸に不安定な基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)を重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。
酸に不安定な基と脂環式炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーとして、好ましくは式(a1−1)で表されるモノマー(以下、モノマー(a1−1)という場合がある。)又は式(a1−2)で表されるモノマー(以下、モノマー(a1−2)という場合がある。)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005894028
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、上記と同様のものが挙げられる。Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜8であり、より好ましくは炭素数3〜6である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1である。
モノマー(a1−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましい。
Figure 0005894028
モノマー(a1−2)としては、例えば、1−エチル−1−シクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチル−シクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−イソプロピル−1−シクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート等が挙げられる。式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−2−3)〜式(a1−2−4)又は式(a1−2−9)〜式(a1−2−10)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式式(a1−2−3)又は式(a1−2−9)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0005894028
樹脂におけるモノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する構造単位の合計含有量は、樹脂(A2)の全構造単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
他の酸不安定モノマー(a1)としては、例えば、酸不安定基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーである式(a1−5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という場合がある)を用いてもよい。
Figure 0005894028
式(a1−5)中、
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は、単結合又は*−[CH2k4−CO−L−基を表す。ここで、k4は1〜4の整数を表す。*は、Lとの結合手を表す。
、L、L及びLは、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。
式(a1−5)においては、R31は、水素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基が好ましい。
は、酸素原子が好ましい。
及びLは、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
は、単結合又は*−CH−CO−O−が好ましい。
モノマー(a1−5)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
樹脂(A2)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A2)の全構造単位に対して、1〜50モル%が好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。
〈酸安定モノマー〉
酸安定モノマーとしては、好ましくは、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するモノマーが挙げられる。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という場合がある)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
〈ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)〉
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーを使用する。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用する。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとして、式(a2−1)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005894028
式(a2−1)中、
a3は、−O−又は−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0005894028
樹脂(A2)が式(a2−1)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂(A2)の全構造単位に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜30モル%である。
〈ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)〉
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005894028
式(a3−1)〜式(a3−3)中、
a4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、同一又は相異なる。
式(a3−1)〜式(a3−3)では、La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−であることが好ましく、より好ましくは−O−である。k3は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a3−1−1)〜式(a3−1−2)及び式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
樹脂(A2)がラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位の含む場合、その含有量は、樹脂(A2)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
樹脂(A2)は、上述したよう構造単位(II)とは異なる構造単位を有していてもよいが、樹脂(A2)中の構造単位(II)の含有量は、樹脂(A2)の全構造単位に対して、1〜80モル%の範囲が好ましく、2〜75モル%の範囲がより好ましく、5〜65モル%の範囲がさらに好ましい。このような含有量で構造単位(II)を有する樹脂(A2)は、樹脂(A2)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する式(II’)で表されるモノマーの使用モル量を調節することにより製造することができる。
樹脂(A2)が、構造単位(II)と酸不安定構造単位とのみからなる樹脂である場合、これらの含有率はそれぞれ、樹脂(A2)の全構造単位に対して、
構造単位(II);1〜80モル%
酸不安定構造単位;20〜99モル%が好ましく、
構造単位(II);2〜75モル%
酸不安定構造単位;25〜98モル%がより好ましく、
構造単位(II);5〜65モル%
酸不安定構造単位;35〜95モル%がさらに好ましい。
樹脂(A2)が、構造単位(II)と酸不安定構造単位と酸安定構造単位とからなる樹脂である場合、これらの含有率はそれぞれ、樹脂(A2)の全構造単位に対して、
構造単位(II);1〜80モル%
酸不安定構造単位;17〜96モル%
酸安定構造単位;3〜82モル%が好ましく、
構造単位(II);2〜75モル%
酸不安定構造単位;20〜93モル%
酸安定構造単位;5〜78モル%がより好ましく、
構造単位(II);5〜65モル%
酸不安定構造単位;30〜90モル%
酸安定構造単位;5〜65モル%がさらに好ましい。
アダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位の含有量は、好ましくは酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に対して15モル%以上である。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
樹脂(A2)は、好ましくは、式(II’)で表されるモノマーと、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸安定モノマーとの共重合体である。この共重合体において、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、より好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1)及びシクロへキシル基を有するモノマー(a1−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1))である。また、酸安定モノマーは、好ましくは、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)である。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、好ましくはヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)であり、ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種である。
樹脂(A2)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。
樹脂(A2)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、30,000以下(より好ましくは10,000以下)である。
樹脂(A1)及び樹脂(A2)は、樹脂(A)において、例えば、0.01:10〜5:10、好ましくは0.05:10〜3:10、より好ましくは0.1:10〜2:10、さらに好ましくは0.2:10〜1:10(質量比)で含有されている。
〈樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂〉
本発明のレジスト組成物には、上述した樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂、例えば、上述した酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位、酸安定モノマーに由来する構造単位の他、当該分野で用いられる公知のモノマーに由来する構造単位からなる樹脂が含有されていてもよい。
本発明のレジスト組成物においては、樹脂の含有量は、好ましくは、レジスト組成物の固形分中80質量%以上である。本明細書において「組成物中の固形分」とは、後述する溶剤(E)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
〈酸発生剤(B)〉
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表されるスルホン酸塩である。
Figure 0005894028
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、前記アルキル基及び前記脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
式(B1)において、正電荷を有するZで示される有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
1及びQ2のペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−2,3−ジイル基、ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
b1の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−6)が挙げられる。式(b1−1)〜式(b1−6)は、それぞれ*で表される2つの結合手のうち、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−の炭素原子と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
Figure 0005894028
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の炭素数上限は12である。
b2〜Lb9における飽和炭化水素基としては、アルカンジイル基が好ましく、Lb10における飽和炭化水素基としては、アルカンジイル基及び炭素数3〜10の脂環式炭化水素基が好ましく、アルカンジイル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基がより好ましい。
中でも、Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、より好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)、さらに好ましくは式(b1−1)で表される2価の基であり、さらにより好ましくは、Lb2が単結合又は−CH−である式(b1−1)で表される2価の基である。
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
Yのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基等が挙げられる。なかでも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
Yの脂環式炭化水素基としては、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれる−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、上述したアルキル基に含まれる−CH−が酸素原子又はカルボニル基に置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
Figure 0005894028
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
Yにおけるアルキル基及び脂環式炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。Yの置換基であるアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基、アルキル基は、上記と同様のものが挙げられる。
Yとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0005894028
なお、Yがアルキル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の飽和脂肪族炭化水素基である場合、Yと結合する該2価の飽和脂肪族炭化水素基のメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのアルキル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わらない。Yのアルキル基及びLb1の2価の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基が置換基を有している場合も同様である。
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、さらに好ましくはアダマンチル基、オキソアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基である。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)で表されるアニオンが挙げられる。以下の式においては、置換基の定義は上記と同じ意味であり、置換基Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
Figure 0005894028
酸発生剤(B)に含まれるカチオンは、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオンなどの有機オニウムカチオンが挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、アリールスルホニウムカチオンである。
Figure 0005894028
式(b2−1)〜式(b2−4)中、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表すか、Rb4とRb5とが一緒になってイオウ原子を含む環を形成している。前記アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上のとき、複数のPb7は同一又は相異なり、n2が2以上のとき、複数のPb8は同一又は相異なる。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10は、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成している。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記アルキル基に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb12のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜12である。
水素原子が脂環式炭化水素基で置換されたアルキル基としては、例えば、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、下記の基等が挙げられる。
Figure 0005894028
特に、Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
水素原子がアルキル基で置換された脂環式炭化水素基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、アルキル基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18のアルキル基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。 水素原子が芳香族炭化水素基で置換されたアルキル基、つまり、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げら
れる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが一緒になって形成するイオウ原子を含む環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、イオウ原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上のイオウ原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。この環は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12を有する。
b9とRb10とが結合する硫黄原子とともに形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11とRb12とが結合する−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)であり、より好ましくは、式(b2−1−1)で表されるカチオンであり、特に好ましくは、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)、ジフェニルトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=0、x2=1であり、Rb21がメチル基である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)である。
Figure 0005894028
式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表すか、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってイオウ原子を含む環を形成している。該アルキル基、アルコキシ基及び脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同一又は相異なり、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一又は相異なり、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一又は相異なる。
b19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になって形成するイオウ原子を含む環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性のいずれの環であってもよく、イオウ原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上のイオウ原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。
b19〜Rb21のアルキル基は、好ましくは炭素数が1〜12である。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数が4〜18である。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基であるか、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になって酸素原子と、イオウ原子とを含む環を形成することが好ましい。
v2〜x2は、それぞれ独立に、好ましくは0又は1である。
カチオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたカチオンが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができ、好ましくは、アニオン(b1−1−1)〜アニオン(b1−1−9)のいずれかとカチオン(b2−1−1)との組合せ、並びにアニオン(b1−1−3)〜(b1−1−5)のいずれかとカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは、式(B1−1)〜式(B1−20)のいずれかで表される塩が挙げられる。中でもトリフェニルスルホニウムカチオン又はトリトリルスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)及び式(B1−14)でそれぞれ表される塩がさらに好ましい。
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
Figure 0005894028
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A2)において、好ましくは1質量%以上(より好ましくは3質量%以上)、好ましくは40質量%以下(より好ましくは35質量%以下)である。
〈溶剤(E)〉
本発明のレジスト組成物に溶剤(E)が含まれる場合、その含有量は、例えばレジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
〈塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)〉
塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する化合物である。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)のいずれかで表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005894028
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Figure 0005894028
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は同一又は相異なる。]
Figure 0005894028
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は同一又は相異なる。]
Figure 0005894028
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3又はp3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc14及びRc15は同一又は相異なる。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 0005894028
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18は同一又は相異なり、r3が2以上であるとき、複数のRc19は同一又は相異なり、及びs3が2以上であるとき、複数のRc20は同一又は相異なる。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルカンジイル基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物が塩基性化合物(C)を含有する場合、その含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
〈その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
<レジスト組成物の調製>
本レジスト組成物は、樹脂(A1)、樹脂(A2)及び酸発生剤(B)、ならびに、任意に、溶剤(E)、塩基性化合物(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
このように、樹脂(A)、酸発生剤(B)及び溶剤(E)並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)又は成分(F)の各々を好ましい含有量で混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過等することにより、レジスト組成物は調製できる。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。
乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて(いわゆるプリベーク)行なうか、あるいは減圧装置を用いて行う。これによって、レジスト組成物から溶剤が蒸発して除去され、組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
得られた組成物層に対して、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。また、露光機は、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。
露光後の組成物層を、脱保護基反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)する。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物として好適である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
化合物の構造は、MASS(LC:Agilent製1100型、MASS:Agilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)で確認した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、下記の条件で求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
合成例1:〔式(A)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(A−2)で表される化合物9.60部、テトラヒドロフラン38.40部及びピリジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合し、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(A−1)で表される化合物14.00部を、1時間かけて添加し、さらに、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(A−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(A−4)で表される化合物(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式(A−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反応溶液に、酢酸エチル271.95部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液63.64部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水67.99部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮して、得られた濃縮物に、酢酸エチル107.71部を添加し完全に溶解するまで攪拌し、n−ヘプタン646.26部を滴下した。滴下終了後、23℃で30分間攪拌し、ろ過することにより、式(A)で表される化合物15.11部を得た。
MS(質量分析):486.2(分子イオンピーク)
合成例2:〔式(B)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(B−2)で表される化合物6.32部、テトラヒドロフラン30.00部及びピリジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合し、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(B−1)で表される化合物14.00部を、1時間かけて添加し、さらに、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(B−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(B−4)で表される化合物(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式(B−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反応溶液に、酢酸エチル270部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水65部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(B)で表される化合物9.90部を得た。
MS(質量分析):434.1(分子イオンピーク)
合成例3:〔式(C)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(C−2)で表される化合物7.08部、テトラヒドロフラン30.00部及びピリジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合し、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(C−1)で表される化合物14.00部を、1時間かけて添加し、さらに、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(C−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(C−4)で表される化合物(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式(C−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反応溶液に、酢酸エチル270部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水65部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(C)で表される化合物10.24部を得た。
MS(質量分析):446.1(分子イオンピーク)
合成例4:〔式(E)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(E−1)で表される化合物25部及びテトラヒドロフラン25部を仕込み、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(E−2)で表される化合物10.2部、ピリジン11.2部及びテトラヒドロフラン30部の混合溶液を、1時間かけて添加し、更に、25℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた反応物に、酢酸エチル200部及びイオン交換水50部を添加攪拌後、分液して有機層を回収した。回収された有機層を濃縮した後、得られた濃縮物に、n−ヘプタン500部を添加攪拌後、ろ過することにより、式(E−3)で表される化合物40.18部を得た。得られた式(E−3)で表される化合物35.21部、テトラヒドロフラン160部、式(E−5)で表される化合物22.8部及びピリジン8.3部を仕込み、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に式(E−4)で表される化合物(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)33.6部及びクロロホルム140部を添加し、23℃で18時間攪拌した。得られた反応溶液に、n−ヘプタン850部及び5%塩酸水溶液77部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、10%炭酸カリウム水溶液61部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水230部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮することにより、式(E)で表される化合物31.5部を得た。
MS(質量分析):420.1(分子イオンピーク)
合成例5〔式(F)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(F−1)で表される化合物25部及びテトラヒドロフラン25部を仕込み、23℃で30分間攪拌混合し、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(F−2)で表される化合物8.5部、ピリジン11.2部及びテトラヒドロフラン25部の混合溶液を、1時間かけて添加し、更に、25℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた反応物に、酢酸エチル190部及びイオン交換水50部を添加攪拌し、分液して有機層を回収した。回収された有機層を濃縮した。得られた濃縮物に、n−ヘプタン150部を添加攪拌し、上澄み液を除去し、濃縮することにより、式(F−3)で表される化合物28.7部を得た。得られた式(F−3)で表される化合物19.8部、テトラヒドロフラン90部、式(F−5)で表される化合物10.3部及びピリジン5.0部を仕込み、23℃で30分間攪拌混合し、0℃まで冷却した。同温度を保持したまま、得られた混合物に式(F−4)で表される化合物(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)15.2部を添加し、23℃で18時間攪拌した。得られた反応溶液に、n−ヘプタン450部及び5%塩酸水溶液47部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、10%炭酸カリウム水溶液37部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水120部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮することにより、式(F)で表される化合物20.1部を得た。
MS(質量分析):406.1(分子イオンピーク)
合成例6:〔式(II’−1)で表される化合物の合成〕
Figure 0005894028
式(II’−1−1)で表される化合物25.00部、トリエチルアミン57.79部、ジメチルアミノピリジン0.03部及びアセトニトリル250部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌し、2℃に冷却した。この混合物に、温度5℃以下に保った状態下で、式(II’−1−2)で表される化合物51.00部を30分かけて滴下した。得られた混合物を2℃で30分間攪拌し、23℃程度まで昇温し、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物にイオン交換水25部を添加攪拌し、濃縮した。濃縮物に、クロロホルム250部及びイオン交換水125部を添加・攪拌し、分液することにより有機層を水洗した。同様の水洗操作を3回繰り返した。回収された有機層を濃縮することにより、式(II’−1−3)で表される化合物3.58部を得た。
Figure 0005894028
式(II’−1−4)で表される化合物3.00部、式(II’−1−5)で表される化合物4.73部、ジメチルアミノピリジン0.003部及びテトラヒドロフラン30部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌し、2℃に冷却した。この混合物に、温度5℃以下に保った状態下で、式(II’−1−3)で表される化合物2.76部及びテトラヒドロフラン13.78部を30分かけて滴下した。得られた混合物を2℃で1時間攪拌し、23℃程度まで昇温し、同温度で20時間攪拌した。得られた反応混合物にイオン交換水15部を添加攪拌し、濃縮した。濃縮物に、酢酸エチル30部を添加・攪拌し、分液することにより有機層を回収した。得られた有機層に、イオン交換水30部を添加し、30分間攪拌し、静置・分液した。回収された有機層に、10%炭酸カリウム水溶液30部を加え、23℃で30分間攪拌し、水層を分液・除去した。回収された有機層に、1N塩酸30部を加え、23℃で30分間攪拌し、水層を分液・除去した。回収された有機層を濃縮することにより、式(II’−1)で表される化合物2.78部を得た。
MS(質量分析):332.0(分子イオンピーク)
樹脂(A)の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物を下記に示す。
Figure 0005894028
以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−2)」などという。
合成例7:〔樹脂A1−1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)及びモノマー(A)を用い、そのモル比(モノマー(a4−1−7):モノマー(A))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.7×10の樹脂A1−1を収率82%で得た。この樹脂A1−1は、以下の構造単位を有する。
Figure 0005894028
合成例8:〔樹脂A1−2の合成〕
モノマーとして、モノマー(B)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.0×10の樹脂A1−2を収率85%で得た。この樹脂A1−2は、以下の構造単位を有する。
Figure 0005894028
合成例9:〔樹脂A1−3の合成〕
モノマーとして、モノマー(C)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.9×10の樹脂A1−3を収率83%で得た。この樹脂A1−3は、以下の構造単位を有する。
Figure 0005894028
合成例10:〔樹脂A1−4の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)を用い、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して4.5mol%添加し、これらを60℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量2.6×10の樹脂A1−4を収率89%で得た。この樹脂A1−4は、以下の構造単位を有する。
Figure 0005894028
合成例11:〔樹脂A1−5の合成〕
モノマーとして、モノマー(F)を用い、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して4.5mol%添加し、これらを60℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量3.9×10の樹脂A1−5を収率90%で得た。この樹脂A1−5は、以下の構造単位を有する。
Figure 0005894028
合成例12:〔樹脂A2−1の合成〕
モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(E)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(E)〕が、32:7:8:10:33:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が7.8×10である共重合体を収率64%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(E)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−1とする。
Figure 0005894028
合成例13:〔樹脂A2−2の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(E)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(E)〕が、32:7:8:10:33:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が7.8×10である共重合体を収率76%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(E)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−2とする。
Figure 0005894028
合成例14:〔樹脂A2−3の合成〕
モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(II’−1)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(II’−1)〕が、32:7:8:10:33:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が7.9×10である共重合体を収率62%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(II’−1)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−3とする。
Figure 0005894028
合成例15:〔樹脂A−S1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a2−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a2−1−1))が35:45:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.0mol%及び3.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×10の樹脂A−S1を収率75%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0005894028
合成例16:〔樹脂A−S2の合成〕
モノマーとして、モノマー(D)及びモノマー(a1−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(D):モノマー(a1−1−1))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.5mol%及び1.5mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.8×10の樹脂A−S2(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂X2は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0005894028
<レジスト組成物の調製>
合成例7〜合成例16で得られた樹脂A1−1〜A1−5、A2−1〜A2−3、A−S1〜A−S2;
以下に示す酸発生剤B1−3、B1−S1、B−S2;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 0005894028
<酸発生剤>
B1−3:特開2010−152341号公報の実施例に従って合成
Figure 0005894028
B1−S1:WO2008/99869号の実施例及び、特開2010−26478の実施例に従って合成
Figure 0005894028
B−S2:特開2005−221721の実施例に従って合成
Figure 0005894028
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジスト組成物の液浸露光評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間、加熱(ポストエキスポジャーベーク処理)した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした。
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、前記マスクを用いて形成したレジストパターンを以下のようにして評価した。一つのホールにつき24箇所ホール径を測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一レジストパターン内について、同様の平均ホール径測定を400箇所測定し、それらを母集団として標準偏差を求め、以下の水準でCDUを求めた。
標準偏差が1.85nm未満の場合を「◎」、
標準偏差が1.85nm以上2.00nm未満の場合を「○」、
標準偏差が2.00nm以上の場合を「×」として判断した。
その結果を表2に示す。カッコ内の数値は標準偏差を示す。
<欠陥評価>
12インチのシリコン製ウェハ(基板)に、レジスト組成物を、乾燥後の膜厚が0.15μmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表1のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)し、ウェハ上に組成物層を形成した。
このようにして組成物層を形成したウェハに、現像機[ACT−12;東京エレクトロン(株)製]を用いて、60秒間、水リンスを行った。
その後、欠陥検査装置[KLA−2360;KLAテンコール製]を用いて、ウェハ上の欠陥数を測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 0005894028
本発明のレジスト組成物によれば、優れたCD均一性(CDU)で、レジストパターンを製造することができるとともに、得られたレジストパターンの欠陥の発生数も少ない。

Claims (10)

  1. 式(I)で表される構造単位を有する樹脂、
    式(II)で表される構造単位を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂(但し、式(I)で表される構造単位を含まない)、及び
    酸発生剤を含有するレジスト組成物。
    Figure 0005894028
    [式(I)中、
    は、水素原子又はメチル基を表す。
    は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
    13は、ハロゲン原子を有していてもよい2価の炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
    12は、*−CO−O−又は*−O−CO−を表し、*は、A13との結合手を表す。
    14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。

    Figure 0005894028
    [式(II)中、
    は、置換基を有していてもよい炭素数3〜34のスルトン環基を表す。
    21は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
    Figure 0005894028
    (式(a−1)中、
    sは0又は1の整数を表す。
    30及びX31は、それぞれ独立に、酸素原子、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルイミノ基又はイミノカルボニル基を表す。
    30、A31及びA32はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。)
    22は、単結合又はカルボニル基を表す。
    21は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。]
  2. 式(I)のAが、エチレン基である請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 式(I)のA13が、炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
  4. 式(I)のX12が、*−CO−O−(*は、A13との結合手を表す。)である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
  5. 式(I)のA14が、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基又はアダマンチル基である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
  6. 式(II)のTが、多環式のスルトン環基である請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物。
  7. 式(II)のTが、式(T1)で表される基である請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 0005894028
    [式(T1)中、
    24は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキシ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基あるいは炭素数2〜4のアシル基を表す。
    mは、0〜9である。mが2以上のとき、複数のR24は同一又は相異なる。
    *は、酸素原子との結合手を表す。]
  8. 式(II)のZ22が、カルボニル基である請求項1〜7のいずれか記載のレジスト組成物。
  9. 式(II)のZ21が、メチレン基である請求項1〜8のいずれか記載のレジスト組成物。
  10. (1)請求項1〜9のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層を露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程、
    を含むレジストパターンの製造方法。
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