JP5892280B2 - ラジカル反応による無歪精密加工方法 - Google Patents

ラジカル反応による無歪精密加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラジカル反応による無歪精密加工方法に関する。
従来、高電圧を印加した加工電極によって発生させた反応ガスに基づく中性ラジカルを被加工面に供給し、この中性ラジカルと被加工面の原子または分子とのラジカル反応によって生成した揮発物質を気化させて除去し、被加工面に欠陥や熱的変質層を発生させることなく高精度に加工するラジカル反応による無歪精密加工方法が知られている。
ラジカル反応による無歪精密加工方法を用いたものとしては、連続する平面、曲面、球面や凹凸面の表面に沿って加工するというものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−125829号公報
このような特許文献1では、連続する平面、曲面、球面や凹凸面を一様に加工することが可能であるが、複数の凹凸面を有する被加工面において、複数の凹面の基準面からの厚さを均一化させることや、複数の凸面の基準面からの厚さを均一化することはできないという課題がある。
また、複数の凹凸面を有する場合に、凹面及び凸面両方の基準面からの厚さを均一化させる加工には適用できないという課題もある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るラジカル反応による無歪精密加工方法は、複数の凹凸面が形成された被加工物と加工電極とを相対的に走査させて、前記被加工物をラジカル反応により加工する方法であって、複数の凹面の基準面からの厚さ、または複数の凸面の基準面からの厚さを所定の座標位置でそれぞれ個別に測定する工程と、これらの測定値を前記複数の凹面または前記複数の凸面毎に前記加工電極の走査方向に連続する近似曲線を作成する工程と、前記近似曲線に基づき基準面からの厚さの最小値を算出する工程と、前記近似曲線に基づき任意の座標位置の基準面からの厚さを算出し、前記任意の座標位置の厚さと前記最小値との差を加工量として算出する工程と、前記加工量に基づき、前記加工電極の走査速度を算出する工程と、を有し、前記走査速度に基づき加工時間を制御することを特徴とする。
ラジカル反応による無歪精密加工による加工量は、反応ガスの種類と印加電圧と加工時間に相関がある。反応ガスの種類は被加工物の材質によって決定され、印加電圧は最適値で一定とすれば、加工量は加工時間により調整が可能となる。また、加工時間は加工電極の走査速度で決定される。従って、凹面の基準面からの厚さを一つ一つ測定し、この測定値に基づき走査方向に連続する近似曲線を作成し、点在する複数の凹面をあたかも連続する一面として、厚さ大の凹面では加工時間を長くし(つまり、走査速度を遅くするか滞在させる)、厚さ小の凹面では加工時間を短く(つまり、走査速度を早くする)ことにより、複数の凹面の基準面からの厚さを均一に加工することができる。
凸面の場合においても凹面と同様な加工方法を採用でき、基準面からの厚さを均一に加工することができる。この際、凸面の周囲には凹面が存在すると考えられるが、凹面においては、加工時間を極短くする(走査速度を早くする)ことにより、凹面の厚さにほとんど影響を与えずに加工可能である。
また、厚さの測定値を近似曲線で表すことで、任意の座標位置の厚さを算出でき、厚さを算出する座標位置を増やせば、より細かく加工時間(走査速度)を設定することができ、凸面または凹面の互いに隣り合う厚さの差が大きい場合であっても厚さを均一に加工することができる。
[適用例2]上記適用例に係るラジカル反応による無歪精密加工方法は、前記複数の凹面または前記複数の凸面の基準面からの厚さは、それぞれの被加工面のほぼ中央の一点で測定することが好ましい。
本加工法では、複数の厚さの測定値を近似曲線で表している。従って、凸面または凹面の被加工面のほぼ中央の一点の厚さを測定すれば、近似曲線を作成することができ、測定工数を低減することができる。
[適用例3]上記適用例に係るラジカル反応による無歪精密加工方法は、前記加工量が、前記算出された加工量に加工上の厚さ変動量を加えた値であることが望ましい。
本加工方法は、被加工物の表面を精密に加工することが可能であるが、加工の過程で微小な厚さの変動(ばらつき)が発生することが考えられる。従って、予め加工に起因する変動量を測定しておき、加工量に加えることで加工残の部分をなくし厚さをより精密に均一化させることができる。
なお、加工量の大きさにより変動量に差が出る場合には、算出された加工量に応じて加える変動量を変化させればなおよい。
[適用例4]上記適用例に係るラジカル反応による無歪精密加工方法は、前記近似曲線を作成する工程は、前記複数の凸面の基準面からの厚さデータを用いて第1近似曲線を作成する工程と、前記複数の凹面の基準面からの厚さデータを用いて第2近似曲線を作成する工程と、前記第1近似曲線と前記第2近似曲線とを合成して第3近似曲線を作成する工程と、を含み、前記第3近似曲線に基づき基準面からの厚さの最小値を算出し、前記加工量を算出する工程は、前記第3近似曲線に基づき任意の座標位置の基準面からの厚さを算出する工程と、前記任意の座標位置の厚さと前記最小値との差を加工量として算出する工程と、を含むことが好ましい。
このようにすれば、凸面の厚さ測定値の近似曲線(第1近似曲線)と、凹面の厚さ測定値の近似曲線(第2近似曲線)とを合成して、凸面と凹面とがあたかも同一面上に存在するような第3近似曲線を作成し、凸面と凹面のどちらも確実に厚さを均一化可能な加工量を算出することにより、同一加工工程で凸面及び凹面の両方の基準面からの厚さを均一化することができる。
実施形態1に係るラジカル反応による無歪精密加工装置を示す概念構成図。 被加工面の状態を示し、(a)は被加工物の一部を加工電極側から視認した平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図。 実施形態1に係る加工方法の主たる工程フローを示すフロー説明図。 各工程の被加工物を表す部分平面図及び部分断面図。 凸面の加工工程の一部を示す部分断面図。 実施例1に係るMEMS構造体の一部を示す断面図。 実施形態2に係るラジカル反応による無歪精密加工方法の主要工程を示す部分断面図。 実施例2に係るスタンパーを模式的に示す断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るラジカル反応による無歪精密加工装置を示す概念構成図である。ラジカル反応による無歪精密加工は、一般にPCVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)と呼ばれる。よって、以降、ラジカル反応による無歪精密加工装置をPCVM装置と表す。
PCVM装置1は、反応容器2と、反応容器2の内部に配設される駆動機構3と、駆動機構3に取り付けられ平面方向及び高さ方向に移動可能な加工電極4と、載物テーブル5と、が備えられている。載物テーブル5には被加工物20が載物テーブル5の表面と平行(水平)に取り付けられている。
また、反応容器2の外部に、加工電極4に電力を供給する電源7と、駆動機構3と電源7を制御するコントローラー6がさらに備えられている。
さらに、反応容器2の外部には、被加工物の凹凸面の基準面からの厚さを測定する厚さ測定器8が備えられている。厚さ測定器8では、被加工物の凸面または凹面の基準面からの厚さと、測定位置(測定座標)を測定順にマッピング(テーブル作成)し記憶する。さらに、これら測定データ(厚さと測定座標)に基づき加工のための基礎データを算出するための演算装置9が備えられている。
演算装置9は、基礎データとして測定座標と厚さデータから加工電極4のと被加工物との相対的な走査方向に沿った近似曲線を作成してコントローラー6に入力する。なお、演算装置9をコントローラー6に含む構成としてもよい。
続いて、ラジカル反応による無歪精密加工について説明する。この加工方法は、反応ガスを反応容器2内に流動し、反応容器2内の加工電極4に電源7から直流高電圧または交流高電圧を印加して、加工電極4と被加工面とのギャップに高電界を発生し、この電界によって反応ガスに基づく中性ラジカルを発生させ、この中性ラジカルと被加工面を構成する原子または分子とのラジカル反応によって生成した揮発物質を気化、除去して加工する方法である。従って、被加工面に欠陥や熱的変質層を発生させることなく高精度に加工することが可能である。
駆動機構3に取り付けられた加工電極4は、コントローラー6から入力された加工指令データに基づく回転数、所定の走査速度で走査され、目的の加工形状、表面状態に加工する。走査速度は加工時間と相関を有する。よって、加工時間は、走査速度を制御することにより制御可能である。
なお、被加工物20と加工電極4を相対的に走査する方法は、被加工物20を加工電極に対して移動させる場合と、加工電極4を被加工物20に対して移動させる、または、両方を移動させる場合があるが、本実施形態では、加工電極4を被加工物20に対して移動させる方法を例示して説明する。
また、加工電極4の形状は、電界集中型と電界分散型の選択によって選別され、広い面積の被加工面の場合は電界分散型で平面状の電極形状とする。被加工面が小さい本実施形態の場合は、電界集中型で先端部を細くして被加工面との間に発生するプラズマを集中し、中性ラジカルの発生領域を所定範囲に限定させて細密な凸面または凹面の加工を行えるようにするが、加工面の周囲は、主たる加工面とその周囲の加工量を抑制するために先端部よりも広い面積とする(図4(d)、参照)。
加工速度は、反応ガスの種類と被加工物の材質に大きく依存し、加工時間にほぼ比例する。よって、反応ガスの種類と被加工物の材質を一定にした場合には、加工時間を制御すればよく、加工時間は加工電極4の走査速度によって決まる。
続いて、本実施形態に係るラジカル反応による無歪精密加工方法について説明する。まず、被加工物20の加工前の状態について説明する。
図2は、被加工面の状態を示し、(a)は被加工物の一部を加工電極側から視認した平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図である。図2(a)、(b)から、被加工物20の上面21には複数の凹部が形成されている。凹部は、エッチング加工等により形成される。これら複数の凹部は、1mm2〜2mm2程度の面積とし、基準面22からの平均厚さは数μmである。本実施形態では、これら複数の凹部の底面が被加工面である。
本実施形態では、図2(a)に示すように、凹部の平面形状は四角形であって、ウエハー等の被加工物20にX方向及びY方向に整列は位置された場合を例示している。ここで、説明のために、列の上段に設けられた凹部を端から+X方向に向かってそれぞれ凹部31、凹部32、凹部33、凹部34、凹部35、凹部36と付番する。なお、凹部の平面形状は四角形に限定されない。また、凹部間のピッチも同一ピッチである必要はなく、大きさも同じでなくてもよく、混在してもよい。
凹部の基準面からの厚さは、凹部を上面21からエッチング加工等で形成した場合、図2(b)に示すように必ずしも均一ではない。そこで、凹部31の厚さをT1、凹部32の厚さをT2、凹部33の厚さをT3、凹部34の厚さをT4、凹部35の厚さをT5、凹部36の厚さをT6、と表す。
本実施形態の目的は、これら凹部の基準面22からの厚さを均一に加工することである。
次に、本実施形態に係るラジカル反応による無歪精密加工方法について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る加工方法の主たる工程を示すフロー説明図、図4は、各工程の被加工物を表す部分平面図及び部分断面図である。なお、凹部31〜36を代表例示して説明する。まず、被加工物20に形成された凹部31〜36の基準面22からの厚さを厚さ測定器8により測定する(図4(a),(b)、S10)。厚さ測定は、凹部31〜36の平面形状のほぼ中央(重心位置)の一箇所を測定する。この際、厚さの測定位置を座標系で特定する。例示した凹部厚さを、凹部31がT1、凹部32がT2、凹部33がT3、凹部34がT4、凹部35がT5、凹部36がT6とする。
厚さの測定は、図4(a)に示すように第1列の凹部31から+X方向に順次測定し、被加工物20の+X方向端部まで達すると−Y方向に移動して第2列の+X方向端部から−X方向端部、続いて第3列というように凹部の一つ一つの厚さを測定し、その座標を特定する。なお、測定方向を矢視Bで例示する。そして、この厚さデータと座標データ(アドレスに相当)を、演算装置9に入力する。
演算装置9では、入力された厚さデータと座標データとを座標系上でマッピングする(S15)。マッピングにより、厚さデータと座標データとを関連づけて加工電極4の走査方向(矢視B方向)に並べる。従って、測定順は、厚さデータが座標により位置を特定しているため、その並びは走査方向に合わせればよく、XYに直交する方向に限定されない。次に、厚さ測定データに抜けがないか判定する(S20)。
厚さデータと座標データとはマッピングされていることから、抜けの位置を容易に判定することができる。厚さデータに抜けが有ると判定した場合には、S10に戻って厚さ測定工程を繰り返す。この際、全凹面の測定を再度行ってもよいが、抜けがあった座標位置の厚さ測定を行い、マップを補完してもよい。データに抜けが無いと判定した場合には次工程に移行し、測定データに基づき近似曲線Cを作成する(S25)。なお、近似曲線Cの作成は演算装置9で行う。
近似曲線Cは、特定された厚さ測定データと座標を加工電極4の走査方向に整列させて連続した曲線で作成し、図4(c)で示すように、横軸をX軸(走査距離)、縦軸をZ軸(厚さデータ)で表す。続いて、この近似曲線Cの特異点がないか判定する。つまり、近似曲線Cが緩やかな勾配で連続しているか判定する(S30)。特異点がなく連続している場合には次工程(S35)に移行する。急激に厚くなったり、薄くなったりした場合には誤差があると判定する。
複数の凹部をエッチング加工等により一括形成したときの厚さの変動は大きくても1μm以下のため、近似曲線Cに特異点がある場合(NO)には、近似曲線の計算上でのミスがあったか、測定誤差があるか、凹部形成時に異常があったと判定する。従って、再度、近似曲線Cの作成(S25)を行っても解決しない場合には、厚さ測定工程(S10)から繰り返す。なお、近似曲線C上に特異点が存在する場合、後述する加工量によって加工可能な範囲であれば次工程に移行し、範囲外であれば以降の工程を保留する。
次に、近似曲線Cに基づき加工電極4の走査方向(X方向)に任意の座標位置の仮想厚さを算出する(S35)。仮想厚さとは、実測値ではなく近似曲線Cより算出した厚さを意味する。そして、S15で作成された実測した厚さと座標からなるマップに仮想厚さとその座標位置加える。そうすることで、実際に測定した座標位置以外の場所での厚さを算出し、加工量を細かく設定することが可能になる。続いて、近似曲線Cから最小厚さを算出する(S40)。
後工程にて加工を行う場合、複数の凹部の全てにおいて厚さを均一化するためには加工残りがあってはならない。そこで、少なくとも最小厚さまで加工しなければならないために最小厚さを算出しておく。
以上の工程から得られた厚さの実測データと算出データとこれらの座標(これらはマッピングされている)及び最小厚さとを含む基礎データを演算装置9から送出し(S45)コントローラー6に入力する(S50)。次いで、この基礎データ入力が確実に行われたか判定する(S55)。基礎データに抜けがあった場合(NO)には、再度基礎データ入力をやり直し、データ入力が確認された場合(YES)には、次工程の加工量を算出する工程に移行する。
加工量は、図4(d)の斜線で示す範囲のように近似曲線Cからマッピングされた座標位置の厚さデータと最小厚さ(図中、直線Eで表す)との差から各座標位置における加工量を算出する(S60)。そして、この加工量から加工電極4の走査速度を算出する(S65)。算出された走査速度を加工指令データとしてコントローラー6から駆動機構3に入力し、PCVM加工を実行する(S70、図4(d),(e)参照)。
駆動機構3に取り付けられた加工電極4は、加工指令データに基づく回転数及び走査速度で走査され被加工物20の凹部底面を加工する。この際、加工電極4は、被加工物20の基準面22から一定の高さ(上面21から一定の距離を有する高さ)で、矢視D方向に走査される。加工電極4は、各凹部の平面のほぼ中央を移動する。
加工電極4は、加工量が小さい位置では走査速度を早くし、加工量が大きい位置では走査速度を遅くする(滞在することも含む)ことで加工時間を制御する。なお、加工量が小さい位置から加工量が大きい位置に短い距離で移動する場合、あるいはその逆の場合は、走査速度を加速度的に変化させる。このようにして、各凹面の基準面22からの厚さをほぼ均一の状態に加工し、加工工程を終了する。
なお、反応ガスは、被加工物20の材質に応じて選択される。以下に、被加工物20の材質に対応する反応ガスを例示する。反応ガスは、被加工物の材質に対して複数種類が存在するが、加工量、加工時間、加工電極や印加電圧等の条件を考慮して適切なものを選択する。但し、環境負荷の大きい反応ガスは使用を避けることが好ましい。表1に被加工物の材料と反応ガスの例を示す。
Figure 0005892280
なお、凹部の加工に伴い上面21も加工されるが、上面21の加工を望まない場合には、上面にレジスト層を加えることが可能である。
従って、上述した加工方法によれば、各凹面の基準面22からの厚さを一つ一つ測定し、この測定値を用いて加工電極4の走査方向に連続する近似曲線Cを作成し、点在する複数の凹面をあたかも連続する一面として、厚さ大の凹面では加工時間を長くし(つまり、走査速度を遅くするか滞在させる)、厚さ小の凹面では加工時間を短く(つまり、走査速度を早くする)ことにより、複数の凹面の基準面の厚さを均一に加工することができる。
本加工法では、複数の凹面の厚さの測定値を近似曲線Cで表している。従って、凹面の被加工面のほぼ中央の一点の厚さを測定すれば、近似曲線Cを作成することができ、測定工数を著しく低減することができる。
本加工方法は、被加工物の表面を精密に加工することが可能であるが、加工の過程で微小な厚さ変動(ばらつき)が発生することが考えられる。従って、予めばらつき量を測定しておき、加工量に加えることで加工残の部分を排除して厚さをより精密に均一化させることができる。
なお、加工量の大きさによりばらつきが変動する場合には、算出された加工量に応じて加えるばらつき量を変化させればなおよい。
また、以上説明したラジカル反応による無歪精密加工方法は、被加工物に形成された凹部の基準面からの厚さを均一化する場合を例示したが、凸面凸面についても同様な加工方法で厚さの均一化を実現できる。
図5は、凸面の加工工程の一部を示す部分断面図である。被加工物20の上面23には複数の凸面41〜46が形成され、凸面41〜46の基準面からの厚さをそれぞれt1〜t6とする。これら凸面は図2(a)に示すようにXY平面に配列されている。なお、凸面の厚さの均一化加工は、凸面41〜46を前述した凹部31〜36に置き換えて説明できる。つまり、図3に示すフロー説明図、及び図4に示す各工程の被加工物を表す部分平面図及び部分断面図を凸面41〜46に置き換えればよい。
よって、凸面の基準面22からの厚さを測定し、近似曲線Fを作成する。そして、近似曲線Fから任意の座標位置の仮想厚さと最小厚さとを算出し、これらから加工量を算出し、加工電極4の走査速度を算出して加工指令データとし、PCVM加工を行うことで、複数の凸面の基準面22からの厚さを均一に加工することができる。
(実施例1)
以上説明したラジカル反応による無歪精密加工方法の具体的な活用例を以下に例示し説明する。
図6は、実施例1に係るMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造体の一部を示す断面図である。図6に示すMEMS構造体50は、半導体基板60にMOSFET70とビーム80が形成された共振子を例示している。なお、MEMS構造体50は、ウエハー上に多数個配列されている。
MOSFET70は、シリコン層61の表面に形成されるwell層62と、ドレイン領域63と、ソース領域64と、ゲート電極65と、素子分離のための絶縁層40と、から構成される。このようなMOSFET70の構成は公知であるため説明を省略する。
ビーム80は、可動部81とアンカー部82とを有し、シリコン層61に突設されたビーム支持部66にアンカー部82が接続形成され構成されている。
このような構造体の場合、例えば、well層62、ビーム支持部66、可動部81の基準面からの厚さを、ラジカル反応による無歪精密加工方法を用いて均一化することが可能である。被加工面が周囲に対して凹面となる場合、凸面となる場合とがあるが、いずれも上述した加工方法で基準面からの厚さを均一化できる。なお、このような複数の材質が異なる層で構成される場合には、反応ガスを加工可能なもの、加工不可能なものとを適切に選択して採用する。
(実施形態2)
次に、実施形態2について図面を参照して説明する。前述した実施形態1が被加工物の凹部または凸面それぞれの基準面からの厚さを均一化する加工方法であることに対して、凹部と凸面の基準面からの厚さを同時に均一化する方法であることを特徴としている。よって、実施形態1との相違箇所を中心に説明する。
図7は、実施形態2に係るラジカル反応による無歪精密加工方法の主要工程を示す部分断面図である。なお、実施形態2の加工方法は、実施形態1の主要工程を踏襲することができるので図3に示すフロー説明図を参照しながら説明する。まず、S10工程において、凹部30〜36及び凸面41〜46の基準面からの厚さを個別に測定する。S15工程とS20工程は、凹部と凸面とについてそれぞれ個別に行う以外は実施形態1と同じように行う。
S25工程における近似曲線の作成は、まず、図7(a)に示すように、凸面の厚さ測定データとその座標を加工電極4の走査方向に整列させて第1近似曲線Fを作成し、凹面の厚さ測定データとその座標を加工電極4の走査方向に整列させて第2近似曲線Cを作成し、第1近似曲線Fと第2近似曲線Cを合成する工程を含む。よって、凸面の厚さ測定の座標位置と、凹部の厚さ測定の座標位置は、加工電極4の走査線上に位置する。
第1近似曲線Fと第2近似曲線Cとの合成方法は、まず、第1近似曲線Fの厚さデータの平均値(Tm1)を算出し、次に、第2近似曲線Cの厚さデータの平均値(Tm2)を算出し、(Tm1−Tm2)の差分だけ第2近似曲線Cを厚さ方向(Z方向)に移動し、あたかも一本の曲線のような第3近似曲線Gを作成する(図7(b)、参照)。つまり、凸面と凹面が一つの面上に存在するように考える。
第3近似曲線Gの凸面の測定座標における厚さをQ1〜Q7、凹面の測定座標における厚さをP1〜P7で表す。そして、第3近似曲線Gを用いて厚さの最小値を算出(S40に相当する)し、任意の座標位置の厚さデータと最小値の差から、その座標位置における加工量を算出する(S60)。凸面41〜46及び凹面30〜36の加工量を図7(c)に模式的に表す。
そして、加工量に対応した加工電極4の走査速度を算出し(S65)、算出された走査速度を加工指令データとしてコントローラー6から駆動機構3に入力し、PCVM加工を実行する(S70)。加工後の凸面41〜46の基準面からの厚さは、直線Jで表されるようにほぼ均一となり、凹面30〜36の基準面からの厚さは、直線Kで表されるようにほぼ均一となる。
このようにすれば、凸面の厚さ測定値の第1近似曲線Fと、凹面の厚さ測定値の第2近似曲線Cとを合成して、凸面と凹面とがあたかも同一面上に存在するような第3近似曲線Gを作成し、凸面と凹面のどちらも確実に加工可能な加工量を算出することにより、同一加工工程で凸面及び凹面の両方の基準面からの厚さを均一化することができる。
(実施例2)
次に、実施形態2によるラジカル反応による無歪精密加工方法を用いた実施例について図面を参照して説明する。
図8は、実施例2に係るスタンパーを模式的に示す断面図である。スタンパー加工は、ほぼ平坦の樹脂からなる基板90を表面に凹凸を有するスタンパー91を型押し成形するものである。
スタンパー91の成形において凸面の均一化または凹面の基準面からの厚さの均一化を行う場合には、前述した実施形態1によるラジカル反応による無歪精密加工方法を用いて加工すればよく、凸面と凹面両方の基準面からの厚さの均一化を行う場合には、前述した実施形態2によるラジカル反応による無歪精密加工方法を用いて加工すればよい。また、実施形態2によれば、凸面の相対的な高さを均一化することができる。
なお、ラジカル反応による無歪精密加工方法は、前述した実施例1、実施例2の他に凹凸を有する被加工物の凸面または凹面の基準面からの厚さを均一化すべき被加工物の加工に適用することが可能である。例えば、基板上に複数のピラー(柱)を有するバイオチップ、複数の凹部内に磁性材料を埋め込むパターンド・メディア、水晶基板の振動部のみを薄型化する場合などに応用することが可能である。
4…加工電極、20…被加工物、22…基準面、31〜36…凹面。

Claims (4)

  1. 複数の凹凸面が形成された被加工物と加工電極とを相対的に走査させて、複数の凹面ま
    たは凸面を加工するラジカル反応による無歪精密加工方法であって、
    複数の凹面の基準面からの厚さ、または複数の凸面の基準面からの厚さを所定の座標位
    置でそれぞれ個別に測定する工程と、
    これらの測定値を前記複数の凹面または前記複数の凸面毎に前記加工電極の走査方向に
    連続する近似曲線を作成する工程と、
    前記近似曲線に基づき基準面からの加工後目標厚さを設定する工程と、
    前記近似曲線に基づき任意の座標位置の基準面からの厚さを算出し、前記任意の座標位
    置の厚さと前記加工後目標厚さとの差を加工量として算出する工程と、
    前記加工量に基づき、前記加工電極の走査速度を算出する工程と、
    を有し、
    前記走査速度に基づき加工時間を制御することを特徴とするラジカル反応による無歪精
    密加工方法。
  2. 請求項1に記載のラジカル反応による無歪精密加工方法において、
    前記複数の凹面または前記複数の凸面の基準面からの厚さは、それぞれの被加工面のほ
    ぼ中央の一点で測定することを特徴とするラジカル反応による無歪精密加工方法。
  3. 請求項1に記載のラジカル反応による無歪精密加工方法において、
    前記加工量が、前記算出された加工量に加工上の厚さ変動量を加えた値であることを特
    徴とするラジカル反応による無歪精密加工方法。
  4. 請求項1に記載のラジカル反応による無歪精密加工方法において、
    前記近似曲線を作成する工程は、前記複数の凸面の基準面からの厚さデータを用いて第
    1近似曲線を作成する工程と、前記複数の凹面の基準面からの厚さデータを用いて第2近
    似曲線を作成する工程と、前記第1近似曲線と前記第2近似曲線とを合成して第3近似曲
    線を作成する工程と、を含み、
    前記加工後目標厚さを設定する工程では、加工後目標厚さを前記第3近似曲線に基づいて設定し、
    前記加工量を算出する工程は、前記第3近似曲線に基づき任意の座標位置の基準面から
    の厚さを算出するステップと、前記任意の座標位置の厚さと前記加工後目標厚さとの差を加工量として算出するステップと、を含むことを特徴とするラジカル反応による無歪精密加工方法。
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