JP5883954B2 - 無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の周波数キャリアを用いて通信を行う基地局、無線通信システムに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末等の普及によって、無線トラヒック量が爆発的に増大することが懸念されている。このように増大する無線トラヒックを収容するためには、収容可能な無線トラヒックの容量(無線通信容量)を改善する必要がある。無線通信容量を改善する技術として、サービスエリアを多数の低送信電力基地局(Low Power Node:LPN)によってカバーするスモールセル構成が注目を集めている。LTE(Long Term Evolution)規格では、基地局は、eNB(E-UTRAN NodeB)、端末は、UE(User Equipment)などと呼ばれることもある。
スモールセルは例えば、マイクロセルやピコセル、フェムトセルなどと呼ばれ、スモールセルをカバーする基地局は、マイクロ基地局(マイクロeNB)、ピコ基地局(ピコeNB)、フェムト基地局(フェムトeNB)などと呼ばれる。フェムト基地局はHome eNB(HeNB)と呼ばれることもある。一方、送信電力が大きく通信エリアが広い基地局はマクロ基地局(マクロeNB)と呼ばれ、マクロ基地局の通信エリアはマクロセルと呼ばれる。
一般に、セルを小型化し、多数のスモールセルを配置することで、無線通信容量を増加することができる。しかし、スモールセルのみでは、通信エリア全体のカバレッジを確保することは困難である。加えて、スモールセルの数が増加するほど、ハンドオーバなど端末の移動管理(モビリティ)に関わる制御情報も増大する可能性がある。
この問題を解決するためのネットワーク構成の一つとして、図1に示すようなネットワーク構成が検討されている。図1に示すネットワークでは、マクロ基地局1−1の通信エリア(マクロセル1−2)内に多数のスモールセル基地局1−3が配置され、多数のスモールセル1−4を形成している。このようなネットワーク構成は、ヘテロジーニアスネットワーク(Heterogeneous Network:HetNet)と呼ばれることもある。図1では、マクロセル1−2とスモールセル1−4では、異なる周波数を用いている。例えば、マクロセル1−2では、2GHzや800MHzなどの低い周波数を用い、スモールセル1−4では、3.5GHzなどの高い周波数を用いることが想定されている。
端末1−5は、位置や電波状況に応じて、マクロ基地局1−1またはスモールセル基地局1−3のいずれか、または両方と通信を行う。マクロ基地局1−1とスモールセル基地局1−3は、光ファイバ等によって直接接続されていてもよく、無線バックホールによって接続されていてもよい。もしくは、ネットワークを介して接続されていてもよい。
マクロセル1−2では、カバレッジの確保とモビリティ管理のために、システム情報やハンドオーバのための制御情報などが送受信される。これらの情報は、Control−plane(C−plane)の情報と呼ばれても良い。一方で、スモールセル1−4では、データを中心とした情報が送受信される。これらの情報は、User−plane(U−plane)の情報と呼ばれても良い。以上のネットワーク構成を用いることで、カバレッジの確保とモビリティの制御/管理と、スモールセルによる無線通信容量の増大の効果を両立することが可能となる。
スモールセル化による無線通信容量の増大効果を高めるために、標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、図1のスモールセル1−4において、New Carrier Type(NCT)と呼ばれる新規の周波数キャリアを用いることが検討されている。New Carrier Typeは例えば、非特許文献1に開示されている。
図2に従来の周波数キャリア(Legacy Carrier2−1と呼ぶ)とNCT2−2のリソース構成を示す。図2はLTE規格における、下りリンクの2つの連続するPhysical Resource Block(PRB)を示しており、PRB pairと呼ばれる。1つのPRBは、12個のサブキャリアと7個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルから構成される。1個のOFDMシンボルの1個のサブキャリアが占めるリソースは、Resource Element(RE)と呼ばれる。1つのPRBが占める時間は0.5ミリ秒であり、スロットと呼ばれ、PRB pairが占める時間は1ミリ秒であり、サブフレームと呼ばれている。
Legacy Carrier2−1では、PRB pairの前半の複数のOFDMシンボルにおいて、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)2−3が送信される。PDCCHは、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング情報を送信するチャネルである。あるPRBにおいては、PDCCHと同一のOFDMシンボルにおいて、図示していないPHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)やPCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)が送信される場合もある。PHICHは、上りリンクのデータチャネルであるPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)に対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest) ACK(Acknowledgement)情報を送信するチャネルである。PCFICHは、PDCCHのOFDMシンボル数を通知するチャネルである。これらのチャネルは、物理層の下りリンクの制御チャネルに相当する。
さらに、Legacy Carrier2−1には、複数のアンテナポート分のセル固有の参照信号(CRS:Cell−specific Reference Signal)2−4がPRB pair内に分散して挿入される。CRS2−4は、PDCCHなどの制御チャネルの復調や同期の保持、各セルの受信電力やチャネル情報(CSI:Channel State Information)の測定などに用いる参照信号である。CRS2−4は、送信モード(Transmission Mode)によっては、下りリンクのデータチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)2−6の復調に用いられる場合もある。PDSCH2−6の復調用の参照信号としてDMRS(Demodulation RS)2−5(UE−Specific RSとも呼ばれる)が挿入される場合もある。さらに、図示していないチャネル情報測定用の参照信号であるCSI−RSが、周期的に挿入される場合もある。加えて、あるサブフレームのあるPRBにおいては、同期信号や物理層のブロードキャスト信号が送信される場合もある。
以上の制御チャネルや参照信号などを除いたREが、下りリンクのデータチャネルであるPDSCH2−6に用いることができるリソースである。すなわち、これらの制御チャネルや参照信号は、オーバヘッドとなる。図2より、Legacy Carrier2−1では、オーバヘッドが大きいことがわかる。
一方、NCT2−2では、PDCCH2−3は送信されない。加えて、CRS2−4は、1つのアンテナポートに対応する信号のみが、5サブフレーム周期で送信される。NCT2−2では、このCRS2−4を同期保持のために用い、制御チャネルの復調には用いない。上りリンクや下りリンクのスケジューリングには、Enhanced PDCCH(EPDCCH)2−7と呼ばれる制御チャネルを用いる。EPDCCH2−7は、DMRS2−5を用いて復調し、PDSCHと同一の領域を用いて送信される。すなわち、あるPRB pairでは、PDSCH2−6もしくはEPDCCH2−7のいずれかが送信される。PDSCH2−6についてもCRS2−4を用いて復調する送信モードはサポートされず、DMRS2−5を用いて復調する送信モードのみがサポートされる。その結果、NCT2−2では、PDCCH2−3やCRS2−4などを削減することが可能となり、オーバヘッドを削減できる。なお、NCT2−2は、下りリンクについては定義されているが、上りリンクについては定義されていない。すなわち、上りリンクについては、Legacy Carrierと同一のリソース構造をとってもよい。
NCT2−2は、上記の通り、制御チャネルや参照信号を削減できる一方で、端末と基地局は、NCT2−2のみを用いて通信することができない。そのため、NCT2−2は、Legacy Carrier2−1と同時に用いることが想定されている。このような複数の周波数キャリアの同時使用は、Carrier Aggregation(CA)と呼ばれる技術によって実現される。CAは例えば非特許文献2に開示されている。ここで、一つの周波数キャリアは、例えば、6から110のPRBによって構成され、その帯域幅は、1.4MHzから20MHzとなる。周波数キャリアはComponent Carrier(CC)と呼ばれることもある。以下では、周波数キャリアをCCと呼ぶことにする。
CAによって複数のCCを用いる場合にも、端末はネットワークとの間に一つの無線リソース管理(RRC:Radio Resource Control)のコネクションを確立する。端末がコネクションを確立するセルは、Primary Cell(PCell)と呼ばれる。トラッキングエリアのIDなどの移動管理に関わる情報(これらの情報はNAS(Non−Access Stratum)情報と呼ばれる)や、セキュリティ情報などは、PCellでのみ提供される。PCellに対応する下りリンクのCCは、Downlink Primary CC(DL PCC)と呼ばれ、上りリンクのCCはUplink PCC(UL PCC)と呼ばれる。
一方、PCell以外のDL CC、UL CCに対応するセルは、Secondary Cell(SCell)と呼ばれている。SCellに対応するDL CC、UL CCは、DL SCCおよびUL SCCと呼ばれている。ただし、SCellはDL CCのみから構成される場合もある。
ここで、端末が信号の送受信を行うセルは、Serving Cellと呼ばれる。PCellおよびSCellは、異なるServing Cellとみなされる。また、同一の基地局であっても、異なるCCのセルは異なるServing Cellとみなされる。
NCTとLegacy CarrierをCAによって同時に用いる場合、Legacy CarrierがPCellとなり、NCTはSCellとなる。すなわち、図1においては、マクロセル1−2がPCellとなり、スモールセル1−4がSCellとなる。PCellを変更する場合には、ハンドオーバの手順(すなわち、セキュリティキーの変更とランダムアクセスの手順)が必要となる。一方、SCellを変更する、もしくは追加、除去する場合には、ハンドオーバの手順は必要とならない。したがって、図1の例では、端末1−5は、カバレッジの広いマクロセル1−4とのコネクションを維持しつつ、ハンドオーバを伴うことなく、スモールセル1−4を追加の無線リソースとして利用できる。加えて、スモールセル1−4では、オーバヘッドの小さいNCTを用いるため、スモールセルの周波数効率をさらに高めることが可能となる。
3GPP,"RP−122028,Updated WI proposal: New Carrier Type for LTE,"2012/12,Ericsson 3GPP,"Overall description; Stage 2(Release 11)," TS 36.300,V11.3.0,pp.46−47,57,2012/09 3GPP,"Physical Channels and Modulation(Release 11)," TS 36.211,V.11.1.0,2012/12 3GPP,"Radio Resource Control(RRC);Protcol specification(Release 11)," TS 36.311,V.11.2.0,2012/12
下りリンクのデータチャネルであるPDSCHに対するHARQ ACKや、各Serving Cellの下りリンクのチャネル情報であるCSI、上りリンクのスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)などは、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)を用いて端末から基地局に送信される。これらの情報は、上りリンクの制御情報であり、Uplink Control Information(UCI)と呼ばれる。
CAを用いる場合、PUCCHはPCellでのみ送信される。そのため、図1の例では、マクロセルの端末のPUCCHに加え、スモールセルの端末のPUCCHも、PCellの上りリンク(すなわち、UL PCC)において、各端末からマクロ基地局に対して送信されることになる。
図3にこの例を示す。図3では、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)のシステムの例を示す。マクロ基地局3−1が用いるDL CC、およびUL CCを、F1DL、F1ULとし、F1DLはLegacy Carrierであるものとする。スモールセル基地局3−3が用いるDL CCおよびUL CCをF2DL、F2ULとし、F2DLはNCTであるものとする。端末3−5は、マクロ基地局3−1のカバレッジエリア(すなわちマクロセル3−2)のみに位置しているため、マクロ基地局3−1のみと通信を行っている。一方、端末3−6は、マクロセル3−2およびスモールセル3−4の両方のエリアに位置しているため、CAを用いてマクロ基地局3−1およびスモールセル基地局3−3の両方と通信することが可能である。
この時、例えば、マクロ基地局3−1から端末3−5に対して、F1DLでPDSCHが送信された場合、このPDSCHに対するHARQ−ACKは、F1ULのPUCCHを用いて端末3−5からマクロ基地局3−1に送信される。一方、スモールセル基地局3−3から端末3−6に対し、F2DLでPDSCHが送信された場合、このPDSCHに対するHARQ−ACKも、F1ULのPUCCHを用いて、端末3−6からマクロ基地局3−1に送信されることになる。時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の場合、DL CCとUL CCが同一の周波数キャリアとなり、上りリンクと下りリンクは時間によって区別されることになるが、基本的にはFDDと同様である。
以上の通り、Lagacy CarrierとNCTのCAを行う場合、PCellであるLagacy CarrierのUL CCを用いて、PUCCHを送信する必要がある。その結果、特に多数のスモールセル3−4がマクロセル3−2内に存在する場合、マクロセルのUL CC(F1UL)において、全てのスモールセル3−4のPUCCHを送信する必要がある。そのため、PUCCHの送信に必要なリソースの量が膨大となり、マクロセルの上りリンクの周波数効率が低下する可能性があった。その結果、例えば、マクロセルのみに位置する端末3−5がPUSCHに利用可能なリソースの量が減少し、端末3−5の周波数効率が低下する可能性があった。さらに、NCTおよびそれに対応するUL CCを用いることができない旧規格の端末(レガシー端末と呼ぶ)は、スモールセルのエリアに位置していたとしても、PUSCHの送信にスモールセルのUL CC(F2UL)を用いることができず、マクロセルのUL CC(F1UL)を用いてPUSCHを送信せざるを得ない。そのため、マクロセルのみに位置する端末と同様に、PUSCHに利用可能なリソース量が低下する可能性があった。また、端末はマクロセル基地局に対してPUCCHを送信するため、スモールセル基地局に対して送信する場合と比較して、送信に必要な消費電力が大きくなる。なお、図3では図説の簡単化のために、PUCCHのリソースが連続する周波数帯域を占めるように描いているが、不連続であってもよく、例えば、非特許文献3に記載のように、帯域の両端に渡っていても良い。
スモールセル基地局3−3においてLegacy Carrierを用いる従来のネットワーク構成では、スモールセル3−4に位置する端末に対し、スモールセル3−4をPCellとし、マクロセル3−2をSCellとすることが可能である。すなわち、端末毎に異なるCCをPCellにすることができる。そのため、図3の例では、端末3−6のPUCCHをF2ULでスモールセル基地局3−3に対して送信することが可能となり、マクロセルのUL CCにPUCCHが集中することを回避することができた。しかしながら、スモールセルがNCTを用いる新規のネットワーク構成では、NCTはSCellとしてしか用いることができないため、従来の解決方法は適用できないという課題があった。
加えて、図3のようにスモールセル基地局3−3からのみPDSCHを送信した場合にも、マクロセル基地局3−1に対してACKが送信され、マクロセル基地局3−1からスモールセル基地局3−3に頻繁に、かつ短時間にACKを転送する必要性が生じ、マクロ基地局3−1とスモールセル基地局3−3のバックホール回線の遅延要求が厳しくなる可能性もあった。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、CAを行う無線通信システム、特に、マクロセルをLagacy Carrier、スモールセルをNCTとする無線通信システムにおいて、Lagacy Carrierの上りリンクにPUCCHが集中する問題を解決し、上りリンクの周波数効率を向上する無線通信システムを提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
複数の周波数キャリアを用いて通信を行う無線通信方法であって、端末が接続を確立するセルを第1のセルとし、第1のセル以外のセルを第2のセルとし、第1のセルに対応する周波数キャリアを第1の周波数キャリアとし、第2のセルに対応する周波数キャリアを第2の周波数キャリアとし、物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信する周波数キャリアを第2の周波数キャリアに設定するための情報を、基地局は上位層の制御信号によって端末に通知し、端末は通知された情報に基づいて、第2の周波数キャリアを用いて物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信することを特徴とする無線通信方法である。
本発明によると、CAを行う無線通信システム、特に、マクロセルをLagacy Carrier、スモールセルをNCTとする無線通信システムにおいて、Lagacy Carrier(すなわちマクロセル)の上りリンクにPUCCHが集中する問題を解決し、上りリンクの周波数効率を向上できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
マクロセルとスモールセルで構成されるネットワークの例を示す図 Legacy CarrierとNew Carrier Typeのリソース構造の例を示す図 マクロセルをLegacy Carrier、スモールセルをNew Carrier TypeとしたCAを行うネットワーク構成の例を示す図 本発明の第一の実施形態の概略図 本発明の第一の実施形態の動作手順の例を示す図 スモールセルの数が多い場合の問題点を示す図 本発明の第二の実施形態の概略図 本発明の第二の実施形態の動作手順の例を示す図 本発明の第三の実施形態の概略図 本発明の第三の実施形態の動作手順の例を示す図 本発明の第四の実施形態の動作手順の例を示す図 本発明の基地局の構成の例を示す図 集中型基地局構成を用いた場合の本発明の基地局の構成の例を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に従い説明する。
なお、以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互い無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。各実施の形態は、個別で実施してもよいが、組合せて実施してもよい。
また、以下の実施形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよいものとする。
さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施形態において、構成要素などの形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。このことは前記数値及び範囲についても同様である。
1.第一の実施形態
第一の実施形態では、PUCCHの送信を複数のセル、すなわち複数のUL CCに分散することを目的とする。
図4は、本発明の第一の実施形態の概略図である。図3と同様に、マクロセル4−2では、Lagacy Carrierが用いられ、スモールセル4−4では、マクロセルと異なるCCにおいて、NCTが用いられている。
図4では、端末4−5は、マクロセル4−2のみに位置し、マクロ基地局4−1とLagacy Carrier(F1DLおよびF1UL)を用いて通信を行う。すなわち、F1DLのPDCCHもしくはEPDCCHがマクロ基地局4−1から端末4−5に送信され、端末4−5に対するPDSCHがスケジューリングされる。そして、F1DLにおいてPDSCHがマクロ基地局4−1から端末4−5に対して送信される。同様に、F1DLのPDCCHもしくはEPDCCHを用いて、端末4−5のPUSCHがスケジューリングされる。そして、F1ULにおいて、端末4−5からマクロ基地局4−1に対してPUSCHが送信される。また、端末4−5のPUCCHは、F1ULを用いてマクロ基地局4−1に対して送信される。
一方、端末4−6は、マクロセル4−2とスモールセル4−4の両方のエリアに位置する。そのため、Legacy Carrierのマクロセル4−2をPCell、NCTのスモールセル4−4をSCellとしたCAによって、マクロ基地局4−1およびスモールセル基地局4−3の両方と通信を行う。このとき、端末4−6のU−planeの情報を送受信する場合の動作は、例えば以下のようになる。
F2DLのEPDCCHがスモールセル基地局4−3から端末4−6に送信され、端末4−6に対するPDSCHもしくはPUSCHがスケジューリングされる。そして、F2DLにおいてPDSCHがスモールセル基地局4−3から端末4−6に対して送信される。もしくは、F2ULにおいてPUSCHが端末4−6からスモールセル基地局4−3に対して送信される。
本発明の第一の実施形態では、この時、図4に示すように、端末4−6のPCellをマクロセル4−2としたままで、PUCCHのみをSCellの上りリンク、すなわち、F2ULでマクロ基地局4−1に対して送信する。具体的には、マクロ基地局4−1もしくはスモールセル基地局4−3から端末4−6に対して、どのServing Cell(すなわち、PCellもしくはいずれかのSCell)を用いてPUCCHを送信するかを設定する。これは、例えば、上位層のシグナリングによって行うことができる。例えば、上位層のシグナリングとはRRCシグナリングやMAC(Media Access Control)層における制御情報(MAC Control Element)などである。具体的な動作手順については後述する。
このように、Legacy CarrierとNCTを用いたCAを行う場合に、PUCCHを送信するServing CellをPCellに固定するのではなく、基地局から端末に対して設定可能なパラメータとする。これにより、PCellの上りリンクのCCにPUCCHの送信が集中する問題を解決できる。その結果、Legacy Carrierの上りリンクの周波数効率を向上できる。例えば、図4では、端末4−5が上りリンクのデータチャネル(PUSCH)に用いることができるリソース量を増加することができる。さらに、マクロセル、もしくはスモールセルに位置するレガシー端末、すなわち、NCTと対応するUL CC(F2UL)をPUSCHに用いることができない端末が、PUSCHに用いることができるリソース量を増加することができる。
図5は本発明の第一の実施形態の動作手順を示す図である。まず、端末はF1DLおよびF1ULを用いて、Legacy Carrierのマクロセルに接続する(S5−1)。S5−1では、初期アクセス手順であるランダムアクセス手順や、PDSCHやPUSCH、PUCCHなどの各種RRCパラメータの設定などを行う。RRCパラメータについては非特許文献4に記載されている。この時、マクロセルがPCellとなる。すなわち、F1DLとF1ULはDL PCCおよびUL PCCとなる。端末は、PCellで送信される参照信号を用いて、PCellのCSIを測定する。そして測定したCSIをマクロセルに対して、F1UL(UL PCC)のPUCCHを用いて報告する(S5−2)。PUCCHで送信されるCSIは周期的に送信されるCSIであるため、Periodic CSIとしている。また、マクロセルからF1DL(DL PCC)において送信された下りリンクのデータ(PDSCH)に対するHARQ−ACKは、F1UL(UL PCC)のPUCCHによって端末からマクロセルに対して送信される(S5−3およびS5−4)。ただし、ここでのデータは、C−planeの情報であってもよく、U−planeの情報であってもよい。以下でも同様に、C−planeおよびU−planeの情報は単にデータと表記する。
次に、マクロセルは、端末が報告する受信電力情報などを基に、端末がスモールセルに位置することを検出し、New Carrier TypeのスモールセルをSCellとして設定する(S5−5)。S5−5は、SCellに対する各種のRRCパラメータの設定を含む。具体的には、SCellの物理層のセルID(Physical Cell ID:PCI)や、送信モード(Transmission Mode)、EPDCCHのパラメータなどである。さらに、設定されるSCellがNew Carrier Typeであるか、Legacy Carrierであるかの情報を含んでいてもよい。このとき、S5−6やS5−7に示すように、PCellおよびSCellのCSIは、F1UL(UL PCC)のPUCCHを用いて送信される。同様に、スモールセルからF2DL(DL SCC)を用いて送信されたPDSCHに対するHARQ−ACKも、F1DL(UL PCC)のPUCCHを用いて報告される(S5−8およびS5−9)。
次に、マクロセルは、端末の電波状況や、マクロセルのPUCCHリソースの使用状況など種々の情報、基準によって、当該端末のPUCCHをSCellで送信させることを判断する。そして、マクロセルは、端末に対し、PUCCH送信用のServing Cellを設定する(S5−10)。この設定は例えばRRCのシグナリングによって行われる。ただし、この設定のための信号は、スモールセルから送信されてもよい。
LTE規格では、PCellをインデックス0(固定値)とし、SCellは、1から7のインデックスが設定される(この設定はS5−5において行われる)。そのため、S5−10において、PUCCHを送信するSCellのインデックスとして1から7のいずれかの値を設定してもよい。また、この設定が行われないことをもって、端末はPUCCHをPCellで送信すると判断してもよい。これにより、その設定に必要なオーバヘッドを削減することが可能となる。また、あるSCellが設定されていた場合に、その設定が破棄されることが通知されることをもって、端末はPUCCHをPCellで送信すると判断してもよい。もしくは、S5−10において、PCellのインデックスを含めた0から7のいずれかの値を設定してもよい。
また、複数のSCellを用いている場合には、その中のいずれか一つのSCellをPUCCH送信用のServing Cellとして設定する。このとき、例えば受信電力が大きいSCellを選択することで、端末の通信品質の向上を図ることができる。又は、PUCCHの送信に用いられる頻度が少ない、もしくはPUCCHに使用しているリソースの量が少ないSCellを選択することで、各SCellにおけるPUCCHのためのオーバヘッドが平準化され、リソースを有効活用することができる。
さらに、S5−10において、SCellで送信するPUCCHのための、PUCCHリソースを設定してもよい。ここで、PUCCHリソースを決定するパラメータは、HARQ−ACK、CSI、SRごとにそれぞれ異なるパラメータとして設定される。例えば、HARQ−ACKは、0から2047の値で表わされるn1PUCCH−ANというパラメータを用いる。CSIは、0から1185の値で表わされるPUCCHResourceIndexというパラメータを用いる。SRは、0から2047の値で表わされるsr−PUCCH−ResourceIndexというパラメータを用いる。各Serving Cellにおいて必要なPUCCHリソースの量は、各Serving CellにおいてPUCCHを送信する端末の数などに応じて異なる。後述するように、PUCCHリソースによって、PUCCHを送信する周波数リソース(すなわち、PRBの番号)などが決定される。そのため、PUCCHリソース決定するためのこれらのパラメータは、各Serving CellのPUCCHリソースの使用状況に応じて設定する必要がある。したがって、上述したように、PUCCHを送信するServing cellをPCellからSCellに変更する際に、PUCCHリソースをSCellのPUCCHリソースの使用状況に応じて、再設定することで、PUCCHのオーバヘッドを削減することができる。
その後、端末は、PCellやSCellのCSIをS5−10で設定されたSCellのUL CC(UL SCC)であるF2ULを用いて報告する(S5−11およびS5−12)。さらに、F2DL(DL SCC)で送信されたPDSCHに対するHARQ−ACKは、F2UL(UL SCC)で報告される(S5−13およびS5−14)。
2.第二の実施形態
第二の実施形態では、空間、すなわち、同一CCの異なるセル方向にPUCCHの送信を分散化することを目的とする。
LTE規格では、セル毎のPUCCHはPCIによって区別されている。具体的には、PCIが異なると、PUCCHの信号系列の基準となる信号系列(Base Sequence)や、サイクリックシフトのパターンを決定するランダム系列の初期値が異なる。一方で、同一のセルIDにおける端末間のPUCCHは、PUCCHリソースによって区別される。具体的には、PUCCHリソースが異なると、PUCCHに用いる周波数リソース(すなわち、PRBの番号)や、サイクリックシフト量、時間領域で乗算される直交系列などが異なる。これらの詳細は非特許文献3に開示されている。
異なる端末が送信するPUCCHに用いられるPCIが異なる場合、当該端末が同一のPUCCHリソースを用いていたとしても、それらの端末のPUCCHの干渉はランダム化される。その結果、それらの端末のPUCCHを区別することができる。ここで、複数のCCを用いる場合には、同一の基地局であっても、CC間で異なるPCIを用いても良い。
しかしながら、Legacy CarrierとNCTを用いたCAを行う場合には、図6に示すような問題が生じる。図6では、2つのスモールセル基地局6−3および6−5と、それらの基地局が形成するスモールセル6−4および6−6がマクロセル6−2内に存在している。図3と同様に、マクロセル6−2ではF1DLにおいて、Legacy Carrierを用い、スモールセル6−4および6−6では、F2DLにおいてNCTを用いているものとする。マクロセル6−2とスモールセル6−4、6−6の両方のエリアに位置する端末6−8と6−9は、それぞれ、Lagacy CarrierのマクロセルをPCell、NCTのスモールセルをSCellとしたCAによって通信を行っている。
このとき、図3の場合と同様に、スモールセル6−4および6−6に位置する端末6−8および6−9のPUCCHは、F1ULにおいてマクロセル基地局6−1に対して送信されることになる。このことは、より詳細には、端末6−8および6−9のPUCCHが、マクロセル6−2のPCIを用いて生成されていることと等価である。これは、CAを行う場合、PUCCHはPCellのPCIを用いて信号を生成することによる。
そのため、マクロセル6−2のエリアのみに位置する端末6−7と、マクロセル6−2とスモールセル6−4または6−6の両方のエリアに位置する端末6−8および6−9のPUCCHは、図6に示したように、異なるPUCCHリソースを用いることで区別する必要がある。その結果、F1ULにおいて必要なPUCCHリソースの量が増加し、マクロセルの上りリンクの周波数効率が低下してしまう。スモールセルの数が増加すると、スモールセルの数に比例したPUCCHリソースが必要となるため、マクロセルにおけるPUCCHのオーバヘッドがさらに増大する。
本発明の第二の実施形態では、以上の問題を、PUCCHを送信するServing Cellを変更することなく解決する方法を開示する。これは、上りリンクの基地局間連携(CoMP:Coordinated Multi Point operation)技術を用いることで実現できる。
図7は、本発明の第二の実施形態の概略図である。基本的な構成は、図6と同様であるが、図7では、端末7−8および端末7−9のPUCCHが、F1ULを用いて、スモールセル基地局7−3および7−5に対して送信されている。さらに、スモールセル7−4と7−6では、同一のPUCCHリソースが用いられている。本発明の第二の実施形態では、図8にて述べるように、端末7−8および7−9に対し、PUCCHの信号を生成するために、マクロセル7−2(すなわちPCell)と異なるPCIを用いるように設定する。さらに、端末7−8と端末7−9の間でも互いに異なるPCIを用いるように設定する。そのため、図7に示すように、マクロセル7−2を共通のPCellとする端末7−8と7−9において、同一のPUCCHリソースを用いていたとしても、PUCCHを区別することができる。その結果、図7に示すように、PUCCHの送信を異なるセルに分散でき、マクロセル7−2の上りリンクの周波数効率を向上できる。さらに、スモールセル基地局に対してPUCCHを送信するため、送信に必要な消費電力を低減することができる。ただし、このPCIは、PUCCHの信号系列を生成するために用いられる仮想的なPCIであり、F2DL/ULにおけるスモールセルのPCI(すなわち、SCellのPCI)とは同一であってもよいが、同一である必要はない。そのため、とりうる値としては、PCIと同じ0から503の値を取っても良く、504以上の値を取っても良い。以降では、この仮想的なPCIをVirtual Cell ID(VCI)とする。
ここで、マクロセル7−2におけるPUCCHとスモールセル7−4および7−6では異なるPUCCHリソースが用いられており、さらに、お互いのPUCCHリソースに相当する周波数リソースはReserveとなっている。これは、マクロ基地局に対して上りリンクの送信を行う端末(例えば端末7−7)は、送信電力が大きく、スモールセル(例えば7−4)において大きな干渉となり、異なるPCIを用いていたとしても、スモールセルにおけるPUCCHの受信性能が低下するためである。
図8は、本発明の第二の実施形態の動作手順を示す図である。S8−1からS8−9までの手順は、図5におけるS5−1とS5−9と同様である。S8−10では、マクロセルは、端末の電波状況や、マクロセルのPUCCHリソースの使用状況など種々の情報、基準によって、当該端末のPUCCHをスモールセルに対して送信させることを決定する。そして、マクロセルは、端末に対し、PUCCHに対してUL CoMPのためのパラメータを設定する。具体的には、F1ULにおいて送信するPUCCHの信号系列を生成ために用いるVCIや、PUCCHリソースなどのパラメータを設定する。図7のように複数のスモールセルがある場合には、異なるスモールセルにおいて異なるVCIを用いるように設定すればよい。加えて、PUCCHの送信電力を決定するために用いるパスロスを決定するための情報や、ターゲット受信電力に関するパラメータなどを設定してもよい。この設定は例えばRRCのシグナリングによって行われる。ただし、この設定のための信号は、スモールセルから送信されてもよい。
その後、端末は、PCellやSCellのCSIをS8−10で設定されたVCIなどのパラメータ用いて、F1UL(UL PCC)を用いてスモールセルに対して送信する(S8−11およびS8−12)。さらに、F2DL(DL SCC)で送信されたPDSCHに対するHARQ−ACKについても、F1UL(UL PCC)を用いて、スモールセルに対して送信されることになる(S8−13およびS8−14)。
3.第三の実施形態
第三の実施形態では、PUCCHの送信を周波数キャリア方向および空間方向に分散化することを目的とする。
第二の実施形態では、図7に示したように、PUCCHの送信先のみを変更している(すなわち、PUCCHの信号系列を生成するためのPCIを異なる値のVCIに変更している)。そのため、マクロセルに対してPUCCHを送信する端末のPUCCHが、スモールセルにおいて大きな干渉となることを避けるために、マクロセルとスモールセルで、PUCCHリソースを分ける必要があり、マクロセルにおける上りリンクの周波数利用効率が十分に改善されない可能性がある。また、第一の実施形態では、図4に示したように、PUCCHを送信するCCのみを変更している。そのため、マクロセルでは、上りリンクのデータ(PUSCH)の通信にF2ULを用いないにも関わらず、PUCCHの受信のために、マクロ基地局において、F2ULの受信機能を有する必要があり、マクロ基地局の構成が複雑となる可能性がある。一方、第二の実施形態では、スモールセルでは、上りリンクのデータ(PUSCH)の通信にF1ULを用いないにも関わらず、PUCCHの受信のために、スモールセル基地局において、F2ULの受信機能を有する必要があり、スモールセル基地局の構成が複雑となる可能性がある。
図9は、これらの課題を解決する本発明の第三の実施形態の概略図である。基本的な構成は、図6や7と等しいが、図9では、スモールセル9−4、9−6に位置する端末9−8と9−9のPUCCHを送信するCCが、F2ULとなり、かつスモールセル基地局9−3および9−5に対して送信されている点が異なる。図9のように、Legacy CarrierのマクロセルをPCell、NCTのスモールセルをSCellとしたCAを行う場合に、PUCCHを送信するCCを、F1ULからF2ULに変更し、さらに、送信先すなわちPUCCHの信号系列を生成するために用いるPCIを変更する。これにより、マクロ基地局9−1に対してPUCCHを送信する端末9−7と、スモールセル基地局9−3および9−5に対してPUCCHを送信する端末9−8および9−9の間の干渉問題を解決できる。
さらに、マクロ基地局9−1では、F1ULのみで上りリンクの信号(PUCCH、PUSCH)を受信すればよく、スモールセル基地局9−3および9−5では、F2ULのみで上りリンクの信号(PUCCH、PUSCH)を受信すればよいため、マクロ基地局9−1およびスモールセル基地局9−3、9−5の構成を簡略化できる。
図10に本発明の第三の実施形態の動作手順を示す。図10において、S10−1からS10−9までの手順は、図5におけるS5−1とS5−9と同様である。次に、マクロセルは、端末の電波状況や、マクロセルやスモールセルのPUCCHリソースの使用状況など種々の情報、基準によって、当該端末のPUCCHをSCellの上りリンクを用いてスモールセルに対して送信させることを決定する。そして、マクロセルは、端末に対し、PUCCH送信用のServing Cellを設定する(S10−10)。S10−10で設定するパラメータは、S5−10と同様である。次いで、S10−11において、マクロセルは、端末に対し、PUCCHに対してUL CoMPのためのパラメータを設定する(S10−11)。
ただし、PUCCHの送信のために、S10−1やS10−5、S10−10などで設定したパラメータと同じパラメータを用いる場合にはS10-11を省略してもよい。例えば、S10−5において設定したSCellのPCIと、PUCCHの信号系列を生成するために用いるVCIを同じとする場合、S10-11におけるVCIの設定は省略できる。また、端末は、S10-10において、PUCCHを送信するためのSCellのインデックスが設定され、S10−11において、PUCCHの信号系列を生成するためのVCIが設定されないことをもって、PUCCHの信号系列を生成するためのPCIとして、S10−10で設定されたインデックスと同じSCellのPCI(S10−5で設定されたもの)を用いると判断してもよい。このように、S10−11におけるVCIの設定を省略することにより、その設定に必要なオーバヘッドを削減することが可能となる。ただし、S10−11においてVCIが設定された場合は、端末はS10-10において設定されたSCellのPCIに関わらず、S10-11で設定されたVCIを用いて、PUCCHの信号系列を生成する。
さらに、S10−10でPUCCH送信用のSCellが設定された場合、端末は、PUCCHの送信電力を測定するために用いるパスロスとして、S10−10で設定されたSCellのパスロスを用いても良い。これにより、SCellが設定された場合の電力制御のパラメータの設定に必要なオーバヘッドを削減することが可能となる。もしくは、どのServing Cell(PCellまたはいずれか一つのSCell)のパスロスを用いてPUCCHの送信電力を決定するかを別のパラメータとして設定してもよい。ただし、VCIと同様に、S10−11で、新たな電力制御のパラメータが設定された場合には、端末はその設定に従う。
また、S10−11とS10−10については、順番が逆になっても良く、一つのRRC Configurationとして設定されてもよい。また、S10−10やS10−11の設定は、スモールセルから送信されてもよい。
その後、端末は、S10−10およびS10−11で設定されたSCellのUL CC(UL SCC)およびS10−11で設定されたVCI(もしくはS10−10で設定されたSCellのPCI)を用いて、PCellやSCellのCSIをスモールセルに対して報告する(S10−12およびS10−13)。さらに、F2DL(DL SCC)で送信されたPDSCHに対するHARQ−ACKについても、F2UL(UL SCC)を用いてスモールセルに対して報告される(S10−14およびS10−15)。
ただし、図10に示した設定は、端末毎に行われる。すなわち、端末毎にPUCCHを送信するServing Cell(SCellまたはPCell)が異なっていても良い。例えば、同一のスモールセルをSCellとして用いるある端末は、SCell(UL SCC)を用いてPUCCHを送信し、別の端末は、従来と同様にPCell(UL PCC)を用いてPUCCHを送信してもよい。さらに、スモールセルに複数のSCell(UL SCC)がある場合、端末毎に異なるSCellを用いてPUCCHを送信してもよい。
また、LTEにおいては、SCellは活性化、非活性化(Activation、Deactivation)することができる。端末は、DeactivationされたSCellでは、PDCCH/EPDCCHの受信(モニタ)や、下りリンクデータ(PDSCH)の受信、上りリンクデータ(PUSCH)や参照信号などの送信、CSIの測定(および報告)などを行わない。そのため、図10におけるS10−10(および図5におけるS5−10)で設定されたSCellがDeactivationされた場合、PUCCHも送信されず、PCellやActivationとなっている別のSCellのHARQ−ACKやCSIについても報告されなくなる可能性がある。
この問題を解決するためには、PUCCHを送信するSCellがDeactivationされた場合には、PUCCHの送信を従来と同様にPCellの上りリンク(UL PCC)に戻すことなどが考えられる。逆に、PUCCHを送信するSCellがDeactivationの状態からActivationされた場合には、設定されたSCellにおいて、PUCCHの送信を再開すればよい。ただし、PUCCHの送信をPCellに戻す、もしくはSCellでの送信を再開するタイミングは、端末と基地局で共通認識を持っておくことが望ましい。例えば、現行のLTE規格と同様にActivation/Deactivationの命令の受信から、8サブフレーム後とすることに予め決定しておくことなどが考えられる。また、この動作は、特に追加の再設定を行うことなく、自動的に行うことができる。
4.第四の実施形態
本発明の第四の実施形態では、PUCCHを送信するServing Cell(CC)が、PUCCHで送信する情報の中身に応じて異なる方法を開示する。すなわち、PUCCHを送信するServing Cellが複数となる場合である。
前述のActivation/Deactivationの命令とは異なり、RRCによるConfigurationは、設定までの時間が長く、PDSCHとしては複数に及ぶ可能性がある。そのため、第一から第三の実施形態において、PUCCHを送信するCCや、PUCCHの信号系列の生成に用いるVCIを設定および再設定している期間において、どのCC、もしくはどのVCIを用いてPUCCHが送信されるかが、基地局においてわからなくなる可能性がある。これは、SCellの設定を変更(Modification)する場合や、SCellの使用を破棄(Release)する場合にも同様である。また、ハンドオーバ(すなわちPCellを変更する)場合にも生じる可能性がある。
この問題を避けるために、本発明の第四の実施形態では、必須情報などはPCellの上りリンク(UL PCC)に固定して送信する。以下で述べる方法は、第一から第三の実施例とも容易に組合せることが可能である。
図11は第四の実施形態の動作手順の例を示す図である。初期アクセスの手順(S11−1)およびNCTのSCellをConfigurationする際の動作(S11−2)については、図5などでS5−1からS5−9までに記載したものと同じでよい。また、S11−3においてPUCCH送信用のServing Cellを設定する動作についても、図10のS10−10に記載したものと同じでよい。図11では図示していないが、図10のS10−11のように、UL CoMPに関するパラメータを設定してもよい。
S11−4からS11−9では、PUCCHで送信するHARQ−ACKに関して、PDSCHをスケジューリングするために用いる探索領域(Search Space)に応じて、PUCCHを送信するServing Cell(CC)を変える場合の動作を記載している。
ここで、Search Spaceは、PDCCHまたはEPDCCHが送信される領域である。Search Spaceには共通探索領域(Common Search Space(CSS))とユーザ固有の探索領域(UE−specific Search Space(USS))がある。CSSは、セル内に報知するシステム情報(System Information)や、ページング(Paging)、ランダムアクセスに関する情報のスケジューリングのために用いられる。また、ハンドオーバのためのRRCシグナリングや各種RRCパラメータの再設定(Reconfiguration)のための情報を送信する場合にも用いられる。そのため、CSSは、その領域がセル内の端末で共通となっており、CSSでスケジューリングされたPDSCHの送信方法も(少なくとも通常のサブフレームでは)異なるTransmittion Modeを用いる端末間で共通となっている。具体的には、CSSでスケジューリングされたPDSCHは、CRSのアンテナポート数に応じて、単一アンテナ送信または送信ダイバーシチを用いて送信される。その結果、例えばTransimission Modeの変更をRRCシグナリングによって行っている場合にも、どの送信方法を用いるかに関して、基地局と端末で認識を合わせることが可能となる。
一方、USSはその他の端末個別のデータ送信に用いられることが想定されているため、USSでスケジューリングされたPDSCHは、Transmission Modeに応じて送信方法やそれに用いられるパラメータが異なっている。CAを用いる場合、PCellのスケジューリングにはCSSとUSSの両方が用いられるが、SCellのスケジューリングにはUSSのみが用いられる。
そのため、図11では、PDSCHが、DL PCC(F1DL)において、PDCCH(もしくはEPDCCH)のCSSを用いてマクロセルからスケジューリングされた場合(S11−4)、そのPDSCHに対するHARQ−ACKは、PCellの上りリンク、すなわちUL PCC(F1UL)を用いて報告される(S11−5)。一方、PCellのPDSCHであっても、それが(E)PDCCHのUSSでスケジューリングされた場合(S11−6)、そのPDSCHに対するHARQ−ACKは、S11−3で設定されたServing Cell、すなわちUL SCC(F2UL)におけるPUCCHを用いてスモールセルに対して報告されている(S11−7)。同様に、EPDCCHのUSSによってスケジューリングされたSCellのPDSCHに対するHARQ−ACKも、UL SCC(F2UL)において、PUCCHを用いてスモールセルに対して報告されている(S11−8およびS11−9)。
S11−10からS11−12は、PUCCHで送信されるその他の情報の扱いについての動作である。S11−10では、端末からの上りリンクデータ(PUSCH)のスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)は、情報の優先度が高いため、UL PCCで報告されるものとしている。一方で、CSIについては情報の優先度が低いため、PCell、SCell共に、S11−3で設定されたUL SCCで報告されるものとしている(S11−11およびS11−12)。
ただし、CSS、USSの区別に関わらず、PCellのPDSCHに対するHARQ−ACKは、全てUL PCCで報告してもよく、同様にPCellのPeriodic CSIについてもUL PCCで報告してもよい。また、HARQ−ACK、CSI、SRのそれぞれを報告するServing Cellを独立に設定してもよく、CSIについては、PCellおよびそれぞれのSCellに関して独立に設定してもよい。
5.装置構成
図12は、本発明の基地局の装置構成の例である。図12に記載の装置は、メモリ、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro−Processing Unit)などによって実現することができる。
12−1はマクロ基地局であり、12−2はスモールセル基地局である。
アンテナ12−3はRF部12−4から転送された下りリンクのRF(Radio Frequency)信号を送信する。また、アンテナ12−3は、端末から送信された上りリンクのRF信号を受信する。
RF部12−4は、ベースバンド信号処理部12−5から入力された下りリンクのベースバンド信号をRF信号へと変換し、アンテナ12−3を介してそれを送信する。また、RF部12−4は、アンテナ12−3から入力された上りリンクのRF信号をベースバンド信号へと変換し、ベースバンド信号処理部12−5へ入力する。RF部12−4は電力増幅器も含む。図12では、マクロ基地局12−1のRF部12−4はF1の周波数のRF信号を変換し、スモールセル基地局12−2のRF部12−4はF2の周波数のRF信号を変換するものとしている。ただし、図4や図7のように、マクロ基地局12−1およびスモールセル基地局12−2において、それぞれ、F2ULおよびF1ULでPUCCHを受信する必要がある場合には、それぞれのRF部はF2およびF1の周波数のRF信号の変換も行う。また、RF部12−4は、ベースバンド信号処理部12−5と光ファイバ等の有線回線を介して接続するRRH(Remote Radio Head)構成を取っても良い。その場合には、RF部12−4とベースバンド信号処理部12−5の間に光インターフェース(光電気/電気光変換器)と光ファイバが含まれる。
ベースバンド信号処理部12−5は、L2/L3プロセッサ12−6から入力される各端末の下りリンクのデータチャネル(PDSCH)および制御チャネル(PDCCHやEPDCCH、PHICH、PCFICHなど)の物理層の信号処理、物理層の制御チャネルの生成、および、RF部12−4から入力される上りリンクのデータチャネル(PUSCH)および制御チャネル(PUCCH)などの物理層の信号処理を行う。下りリンクの信号処理は、具体的には、データ信号および制御信号の誤り訂正符号化、レートマッチング、変調、レイヤマッピングやPrecoding等のMIMO信号処理、REへのマッピング、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)などである。端末が復調のための伝搬路推定やCSI、受信電力の測定などを行うために用いる参照信号(CRS、CSI−RS、DMRSなど)の生成やREへの挿入なども行う。同期信号や物理層のブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)の生成及びREへの挿入なども行う。以上の信号処理によって生成されたベースバンド信号は、RF部12−4へと送信される。上りリンクの信号処理は、RF部12−4から入力された信号に対し、FFT、REのデマッピング、MIMO受信重みの乗算やレイヤデマッピング等のMIMO信号処理、復調、誤り訂正復号などを行う。上りリンクのRSを用いたチャネル推定や受信電力測定、上りリンクのCSI測定なども行う。復号されたデータチャネルや制御チャネルはL2/L3プロセッサ12−6へ送信される。
L2/L3プロセッサ12−6は、基地局のLayer2およびLayer3の処理を行うプロセッサである。L2/L3プロセッサ12−6は、ネットワークI/F(Interface)12−8を介してゲートウェイから送信される各端末のデータや、他の基地局や移動管理装置(Mobility Management Entity:MME)などから受信する制御信号をバッファに格納する。また、通信を行う端末や当該端末に割当てる時間および周波数リソースを決定するスケジューリング、HARQの管理、パケットの加工、無線回線の秘匿化処理、端末への上位層の制御信号の生成などを行う。前述のRRCパラメータの決定や各種RRC ConfigurationもL2/L3プロセッサ12−6にて行われる。図12では、スモールセルはNCTであり、PCellとして動作しないことを想定しているため、マクロ基地局12−1のみがネットワークI/F12−8と接続する構成を取っているが、スモールセル基地局12−2もネットワークI/Fとの接続を有していても良い。
また、マクロ基地局12−1のL2/L3プロセッサ12−6は、端末の位置や電波状況、トラヒックなどに基づいて、スモールセル基地局12−2をSCellとして設定する(すなわち、CAを行う)ことを決定する。さらに、SCellとして設定した端末のデータをスモールセル基地局12−2のL2/L3プロセッサ12−6に転送する。また、スモールセル基地局12−2のL2/L3プロセッサ12−6は、受信した各端末の上りリンクの信号をマクロ基地局12−1のL2/L3プロセッサ12−6に転送する。
PUCCH制御部12−7は、マクロ基地局12−1およびスモールセル基地局12−2のPUCCHリソースの使用状況や、トラヒック、各端末の電波状況などに基づいて、第一から第四の実施例に示したように、各端末がPUCCHを送信するServing Cellを決定する機能を有する。例えば、PUCCH制御部12−7は、マクロ基地局12−1において必要となるPUCCHリソースの量がある閾値を超えた場合に、スモールセルに位置するある端末のPUCCHをスモールセル基地局12−2に対して(すなわち、SCellにおいて)送信させることを決定する。当該端末がPUCCHを送信するServing Cellの情報は、マクロ基地局12−1およびスモールセル基地局12−2のL2/L3プロセッサに通知される。この情報は、前述の方法によって、RRCのConfigurationとしてマクロ基地局12−1もしくはスモールセル基地局12−2から当該端末に対して通知される。図12では、PUCCH制御部は、マクロ基地局12−1やスモールセル基地局12−2とは別の装置として記載しているが、例えば、マクロ基地局12−1のL2/L3プロセッサ12−6内の機能の一部であってもよい。
ネットワークI/F12−8は、マクロ基地局12−1がバックホール回線を通じて、コアネットワークに接続するためのインターフェースである。ネットワークI/F12−8を介して、コアネットワークと接続することで、マクロ基地局12−1は、ゲートウェイや移動管理装置、他の基地局と通信することができる。
以上の装置構成では、マクロ基地局12−1とスモールセル基地局12−2を別の装置として記載しているが、図13に示すような集中型基地局の構成を取っても良い。集中型基地局13−9は、例えば、図9などにおけるマクロ基地局と同じ位置に設置されてもよいが、マクロ基地局やスモールセル基地局とは、別の位置に設置されてもよい。図13に示すように、集中型基地局13−9は、マクロセル、スモールセルの全てのL2/L3プロセッサ13−6、ベースバンド信号処理部13−5を具備する。図13では、13−1がマクロセルのL2/L3およびベースバンドの処理を行い、13−2がスモールセルのL2/L3およびベースバンドの処理を行う構成の例を示している。L2/L3プロセッサ13−6とベースバンド信号処理部13−5の構成は、図12のものと同じでもよく、互いに連携できる構成であってもよい。PUCCH制御部13−7も、図12のものと同様の構成でよい。また、マクロセルとスモールセルのL2/L3プロセッサ13−6とベースバンド信号処理部13−5は、それぞれ一つの装置であってもよい。RF部13−4とアンテナ13−3は、各サイトにRRHとして存在し、RF部13−4とベースバンド信号処理部13−5の間は光ファイバ等のバックホール回線によって接続される。
6.NCTの受信電力測定方法
上述した本発明の実施形態では、マクロ基地局がスモールセルをSCellとして使用することを決定するために、スモールセルの参照信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)が必要となる。Legacy Carrierのみで構成される従来の無線通信システムでは、この受信電力はCRSを用いて測定されていた。しかしながら、前述の通り、NCTではCRSは5サブフレーム周期でしか送信されないため、従来の方法をそのまま用いることはできない。
NCTの受信電力を測定する方法には、大きく2つの方法が考えられる。第一の方法は、5サブフレーム周期で送信される同期保持用の1アンテナポート分のCRSを用いる方法である。これを同期保持用CRSと呼ぶことにする。
図2に示したように、同期保持用CRSは5サブフレーム周期で送信されるが、端末は同期保持用CRSがどのサブフレームで送信されているかを把握することができない。すなわち、端末は、NCTを用いる各セルにおいて、同期保持用CRSがサブフレーム番号0、5、10・・・、で送信されているか、1、6、11・・・で送信されているかなどを把握することができない。
これは、例えば、同期保持用CRSを、サブフレーム番号を5で除算した剰余が0(サブフレーム番号mod5=0)となるサブフレームで送信することを予め規定し、端末と基地局間でその情報を共有しておく方法が考えられる。
しかしながら、この場合、異なるセル間で同期保持用CRSの送信タイミングが重複することになり、同期保持用CRSが互いに干渉する可能性がある。そこで、同期保持用CRSのサブフレームオフセットを0から4の整数値で表わし、端末に対して通知しても良い。この情報を通知された端末は、サブフレーム番号を5で除算した剰余が、通知されたサブフレームオフセットと一致するサブフレーム(すなわち、サブフレーム番号mod5=通知されたサブフレームオフセット、となるサブフレーム)において同期保持用CRSが送信されていると想定してもよい。これらの情報はセルおよびCC毎に独立な値を設定してよい。また、サブフレームオフセットは、予め定められた1または複数のPRBのグループ(例えばサブバンドなど)で異なる値を取っていても良い。
もしくは、PCIを5で除算した剰余(PCImod5)の値に応じて、サブフレームオフセットをImplicitに決定してもよい。すなわち、同期保持用CRSは、PCImod5=サブフレーム番号mod5、となるサブフレームにおいて送信されてもよい。また、この場合も、予め定められた1または複数のPRBのグループ(例えばサブバンドなど)で異なる値を取っていても良い。例えば、(PCI+サブバンド番号)mod5となる値に応じてサブフレームオフセットを決定してもよい。このように、PCIによってサブフレームオフセットをImplicitに決定することで、サブフレームオフセットを固定値にする場合に比べて、隣接セルにおいて同期保持用CRSの送信タイミングが重複する確率を低減できる。また、サブフレームオフセットを端末に通知する場合に比べて、サブフレームオフセットを通知するためのオーバヘッドを削減することができる。
以上のような同期保持用CRSが送信されるサブフレームの情報は、端末が隣接セルのRSRPを測定するためのRRC ConfigurationであるMeasurement Configにおいて、基地局から端末に対して通知することができる。マクロ基地局は、Measurement Configにおいて、自身の周囲に存在するNCTを用いる隣接セルのキャリア周波数やPCIなどのリストを通知し、それに加えて同期保持用CRSのサブフレームオフセットを通知する。ただし、同期保持用CRSのサブフレームオフセットを固定とする場合や、PCIに応じてImplicitに決定する場合には、サブフレームオフセットの通知は省略することができる。
さらに、NCTを用いる隣接セルの情報は、NCTの受信電力を測定する時のみならず、初期アクセス前の端末、もしくは、アイドル状態の端末が、セル選択および再選択を行うためにも必要となる場合がある。例えば、NCTを用いるセルが、NCT単独では通信できない場合、端末が不必要にNCTにアクセスしないように、上述のNCTを用いる隣接セルのキャリア周波数やPCIおよび同期保持用CRSのサブフレームオフセットなどのリストが必要となる。もしくは、NCTが単独で通信可能なように拡張された場合、端末がNCTに初期アクセスするためにも同様の情報が必要である。
これらの情報は、セル内にブロードキャストするシステム情報として報知すればよい。例えば、同一周波数の隣接セル情報を報知するシステム情報ブロックタイプ4(SystemInformationBlockType4)や、異なる周波数の隣接セル情報を報知するSystemInformationBlockType5において報知してもよい。もしくは、新規のSystemInformationBlockTypeを追加して、同一周波数および異なる周波数の両方に対し、NCTを用いる隣接セルのリストをまとめて通知しても良い(例えば、SystemInformationBlockType17などを追加する)。
NCTの受信電力を測定する第二の方法は、CSI−RSを用いる方法である。CSI−RSは、通品品質情報を示すCQI(Channel Quality Indicator)や、MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)のランク(レイヤ数)を示すRI(Rank Indicator)、端末にとって望ましいMIMOのプリコーディング行列を示すPMI(Precoding Matrix Indicator)などのチャネル情報推定用の参照信号である。CSI−RSは、受信電力(RSRP)に比べて短周期のチャネル情報を測定するために用いられるが、時間方向に平均化することで、受信電力の算出にも用いることができる。
CSI−RSは、挿入されるREを示すresourceConfigや、送信される周期とサブフレームオフセットを示すsubframeConfig、CSI−RSの信号系列を決定するために用いるscramblingIdentity(これはPCIに相当するものである)、アンテナポート数を示すantennaPortCountなどによって構成される。マクロ基地局は、自身の周囲に存在するNCTを用いるスモールセルのCSI−RSに関する上記のパラメータを、MeasurementConfigに含めて端末に通知しても良い。加えて、CSI−RSと同一位置から送信されるCRSの情報を示すために、CRSを送信するセルのPCIや、アンテナポート数なども通知しても良い。また、同期保持用CRSと同様に、これらの情報をSystemInformationBlockに含めて報知してもよい。
1−1…マクロ基地局
1−2…マクロセル
1−3…スモールセル基地局
1−4…スモールセル
1−5…端末
請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
1.複数の周波数キャリアを用いて通信を行う無線通信システムであって、1つの周波数キャリアを第一セル、1または複数の周波数キャリアを第二セルとする場合に、基地局は、第二セルのいずれか一つの周波数キャリアを、物理層の上りリンクの制御チャネルを送信する周波数キャリアとして、上位層の制御信号によって端末に通知し、端末は、前記通知された周波数キャリアを用いて、物理層の上りリンクの制御チャネルを送信することを特徴とする無線通信システム。
2.前記1項に記載の無線通信システムであって、第二セルは第一セルに比べて、参照信号、物理層の下りリンクの制御チャネルの削減によってオーバヘッドが小さいことを特徴とする無線通信システム。
3.前記1項に記載の無線通信システムであって、端末は、前記通知された第二セルの伝搬ロスを用いて、物理層の上りリンクの制御チャネルの送信電力を決定することを特徴とする無線通信システム。
4.前記1項に記載の無線通信システムであって、端末は、前記通知された第二セルの物理層のセル識別子を用いて、物理層の上りリンクの制御チャネルの信号を生成することを特徴とする無線通信システム。
5.前記1項に記載の無線通信システムであって、基地局は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルを送信する第二セルを端末に通知する場合に、物理層の上りリンクの制御チャネルのリソースを通知するための情報を合わせて通知することを特徴とする無線通信システム。
6.前記1項に記載の無線通信システムであって、端末は、物理層の上りリンクの制御チャネルで送信する情報の内、一部の情報は第一セルの周波数キャリアで送信し、その他の情報は、前記通知された第二セルの周波数キャリアで送信することを特徴とする無線通信システム。
7.前記6項に記載の無線通信システムであって、前記一部の情報は、第一セルで送信された下りリンクのデータチャネルに対するACK情報であることを特徴とする無線通信システム。
8.前記7項に記載の無線通信システムであって、前記第一セルで送信された下りリンクのデータチャネルは、物理層の下りリンクの制御チャネルの共通探索領域を用いてスケジューリングされることを特徴とする無線通信システム。
9.前記1項に記載の無線通信システムであって、端末は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルを送信する周波数キャリアが通知されない場合に、第一セルの周波数キャリアを用いて物理層の上りリンクの制御チャネルを送信することを特徴とする無線通信システム。
10.前記1項に記載の無線通信システムであって、基地局は、物理層の上りリンクの制御チャネルを送信する周波数キャリアを、物理層の上りリンクの制御チャネルの情報に応じて、それぞれ独立に設定することを特徴とする無線通信システム。
11.前記10項に記載の無線通信システムであって、前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報は、ACK情報、チャネル状態情報、スケジューリング要求のいずれかであることを特徴とする無線通信システム。
12.複数の周波数キャリアを用いて通信を行う無線通信システムであって、1つの周波数キャリアを第一セル、1または複数の周波数キャリアを第二セルとし、第一の基地局が第一セルを用い、第二の基地局が第二セルを用いる場合に、基地局は、物理層の上りリンクの制御チャネルを送信する基地局を、第一の基地局から第二の基地局へと変更することを端末に通知し、端末は、前記通知された第二の基地局に対し、物理層の上りリンクの制御チャネルを送信することを特徴とする無線通信システム。
13.前記12項に記載の無線通信システムであって、基地局は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルの信号系列を生成するために用いる物理層のセル識別子を端末に通知することを特徴とする無線通信システム。
14.前記1項ないし13項の何れかに記載の無線通信システムであって、前記第一セルは第二セルよりも送信電力が大きいことを特徴とする無線通信システム。
15.参照信号、および物理層の下りリンクの制御チャネルを削減することで、オーバヘッドを削減する周波数キャリアを用いる無線通信システムであって、前記周波数キャリアの同期保持のために用いる参照信号は、物理層のセル識別子を5で除算した剰余が、サブフレーム番号を5で除算した剰余と等しくなるサブフレームにおいて送信されることを特徴とする無線通信システム。

Claims (12)

  1. 複数の周波数キャリアを用いて通信を行う無線通信方法であって、
    端末が接続を確立するセルを第1のセルとし、前記第1のセル以外のセルを第2のセルとし、
    前記第1のセルに対応する周波数キャリアを第1の周波数キャリアとし、前記第2のセルに対応する周波数キャリアを第2の周波数キャリアとし、
    物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信する周波数キャリアを、前記第2の周波数キャリアに設定するための情報を、基地局は上位層の制御信号によって前記端末に通知し、
    前記端末は、前記通知された情報に基づいて、前記第2の周波数キャリアを用いて前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信することを特徴とする無線通信方法。
  2. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記第1の周波数キャリアはLegacy Carrierであり、前記第2の周波数キャリアはNew Carrier Typeであることを特徴とする無線通信方法。
  3. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信する周波数キャリアを、前記第2の周波数キャリアに設定するための情報として、前記基地局は、前記第2のセルのインデックスを前記端末に通知することを特徴とする無線通信方法。
  4. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信する周波数キャリアを、前記第2の周波数キャリアに設定するための情報が通知されない場合、前記端末は、前記第1の周波数キャリアを用いて前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信することを特徴とする無線通信方法。
  5. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を送信する周波数キャリアを、前記第2の周波数キャリアに設定するための情報を通知する際に、前記基地局は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルのリソースを決定するための情報をあわせて通知することを特徴とする無線通信方法。
  6. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    所定のセルを前記第2のセルとして前記端末に設定する際に通知される前記第2のセルの物理層のセル識別子を用いて、前記端末は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を生成することを特徴とする無線通信方法。
  7. 請求項3に記載の無線通信方法であって、
    前記通知された第2のセルのインデックスに対応する第2のセルの物理層のセル識別子を用いて、前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報を生成することを特徴とする無線通信方法。
  8. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記設定される第2の周波数キャリアに対応する第2のセルの伝搬ロスを用いて、前記端末は前記物理層の上りリンクの制御チャネルの送信電力を決定することを特徴とする無線通信方法。
  9. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記端末は、前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報のうち、第1の情報を前記第1の周波数キャリアを用いて送信し、第2の情報を前記第2の周波数キャリアを用いて送信することを特徴とする無線通信方法。
  10. 請求項9に記載の無線通信方法であって、
    前記第1の情報は、前記基地局から前記端末に対して前記第1の周波数キャリアを用いて送信される下りリンクのデータチャネルに対するACK情報であることを特徴とする無線通信方法。
  11. 請求項10に記載の無線通信方法であって、
    前記下りリンクのデータチャネルは、前記物理層の下りリンクの制御チャネルの共通探索領域を用いてスケジューリングされることを特徴とする無線通信方法。
  12. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報が上りリンクのスケジューリング要求である場合、前記端末は前記第1の周波数キャリアを用いて前記スケジューリング要求を送信し、
    前記物理層の上りリンクの制御チャネルの情報がチャネル状態情報である場合、前記端末は前記第2の周波数キャリアを用いて前記チャネル状態情報を送信することを特徴とする無線通信方法。
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