JP5882161B2 - コンクリートの吸水試験装置、並びに、コンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラム - Google Patents

コンクリートの吸水試験装置、並びに、コンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、コンクリートの吸水試験装置、並びに、コンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、コンクリートに内在する深さ方向の吸水性分布の非破壊での評価に用いて好適な吸水試験装置並びに透過係数分布の推定技術に関する。
コンクリートの品質評価に用いられる透水試験法として、図8に示すように、ホース102Aが連結された塩ビ管キャップ103をコンクリート試験体101の一端に取り付けると共に空体重量を予め測定したポリエチレン袋104をコンクリート試験体101の他端に取り付け、1.1気圧にて60分間加圧してポリエチレン袋104に流入した透過水105の重量を測定することによって透水量を求めるものがある(特許文献1)。なお、図8において、符号106A,106Bは加圧する水面高さを実現するための二つの水槽を表し、符号102Bは二つの水槽106A,106Bを連結するホースを表し、符号107は二つの水槽106A,106Bに貯留されて試験に用いられる水を表す。
特開2012−93263
しかしながら、特許文献1の透水試験法は実構造物に対して直接適用することは不可能であり、したがって実構造物のコンクリートについて試験を行う場合には当該実構造物のコンクリートから供試体を刳り貫くなどして取り出さなければならず、つまり実構造物を傷付けることになってしまい、したがって特に実構造物のコンクリートへの適用に関して汎用性が高いとは言い難い。
また、コンクリートの耐久性に影響を及ぼす代表的な施工因子として養生が挙げられるところ、養生が不十分な場合にはセメント水和に必要な水分がコンクリート表面から逸散してしまい、表層における品質の低下と共にコンクリート表面からの深さ方向における品質分布(言い換えると、品質の差違)とを生じる原因になる。
そして、特許文献1の方法を始めとする従来の透水試験法では、養生の良否を相対的に評価することはできても、コンクリートを深さ方向において均質体であると仮定して深さ方向の分布(変化)を平均化した透水性を評価することになるため、深さ方向の品質分布(具体的には透過係数の深さ方向における変化)を直接評価することはできない。このため、従来の透水試験法は、コンクリートの品質評価に必要な情報を十分に提供することができるとは言えず、したがって有用性・汎用性が高いとは言い難い。
そこで、本発明は、コンクリートにおける深さ方向の吸水性分布(具体的には透過係数の深さ方向における変化)を評価することができ、また、コンクリートにおける深さ方向の吸水性分布(具体的には透過係数の深さ方向における変化)を非破壊で評価することができるコンクリートの吸水試験装置並びにコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明のコンクリートの吸水試験装置は、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む環状チャンバーと、前記中心チャンバーと前記環状チャンバーとのそれぞれに設けられて前記中心チャンバー内と前記環状チャンバー内とのそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有し、前記中心チャンバー及び前記環状チャンバーの前記開口面がコンクリート表面に押し当てられた状態で前記貯留部に液状流体を貯めて前記中心チャンバー内と前記環状チャンバー内とに前記液状流体を供給してからの前記中心チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量と前記環状チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量別々に検出し、前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー別の前記吸水量との組み合わせデータの取得に用いられるようにしている。
したがって、このコンクリートの吸水試験装置によると、各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当てた状態で各チャンバー内に液状流体を供給して各チャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量の計測を行うことにより、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向二層状(言い換えると、中心+一環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータが取得される。そして、この組み合わせデータから、実構造物のコンクリートを破壊することなく、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数の変化についての定性的な評価を行うことができる。なお、本発明においては、液状流体を吸収することを吸水と呼び、吸収量のことを吸水量と呼ぶ。
また、本発明のコンクリートの吸水試験装置は、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有し、前記各チャンバーの前記開口面がコンクリート表面に押し当てられた状態で前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給してからの前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を前記各チャンバー毎に検出し、前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー毎の前記吸水量との組み合わせデータの取得に用いられるようにしている。
したがって、このコンクリートの吸水試験装置によると、各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当てた状態で各チャンバー内に液状流体を供給して各チャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量の計測を行うことにより、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向三層状(言い換えると、中心+二環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータが取得される。そして、この組み合わせデータから、実構造物のコンクリートを破壊することなく、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数の変化についての定性的な評価を行うことができ、また、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)を推定することができる。
本発明のコンクリートの吸水試験装置においては、前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有するようにすることにより、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向四層以上(言い換えると、中心+三環状以上)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータが取得される。
また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法は、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを取得し、一方で、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算し、当該計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定するようにしている。
また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定装置は、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して取得された前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを読み込む手段と、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算する手段と、当該計算による前記組み合わせデータと前記計測による前記組み合わせデータとを対比する手段とを有し、前記計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定するようにしている。
また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定プログラムは、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して取得された前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを読み込む手段、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算する手段、当該計算による前記組み合わせデータと前記計測による前記組み合わせデータとを対比する手段としてコンピュータを機能させ、前記計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定するようにしている。
したがって、これらのコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当てた状態で各チャンバー内に液状流体を供給して各チャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量の計測を行うことによって取得された液状流体の供給開始からの経過時間と径方向三層状(言い換えると、中心+二環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを用いるようにしているので、実構造物のコンクリートを破壊することなく、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)を推定することができる。
本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法においては、前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量が含まれるようにすることにより、また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定装置においては、前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量が含まれるようにすることにより、また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定プログラムにおいては、前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量が含まれるようにすることにより、情報量がより一層多いデータを用いてのコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布の推定を行うことができる。
本発明のコンクリートの吸水試験装置によれば、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向二層状(中心+一環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量或いは径方向三層状(中心+二環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを取得することができ、この組み合わせデータを用いてコンクリート表面からの深さ方向における透過係数の変化についての定性的な評価を行うことができるので、実構造物のコンクリートに対して直接行う計測であって実構造物のコンクリートを破壊する必要の無い計測によってコンクリートの品質評価に必要な情報を提供することが可能になり、したがってコンクリートの吸水性の非破壊試験法としての有用性・汎用性の向上を図ることが可能になる。
また、本発明のコンクリートの吸水試験装置によれば、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向三層状(中心+二環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを取得することができ、この組み合わせデータを用いてコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)を推定することができるので、実構造物のコンクリートに対して直接行う計測であって実構造物のコンクリートを破壊する必要の無い計測によってコンクリートの品質評価に有用な詳細な情報を提供することが可能になり、したがってコンクリートの吸水性の非破壊試験法としての有用性・汎用性のより一層の向上を図ることが可能になる。
さらに、本発明のコンクリートの吸水試験装置によれば、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向四層以上(中心+三環状以上)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを取得するように構成することもできるので、情報量がより一層多いデータを取得することもでき、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布の推定精度を向上させることが可能になる。
また、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向三層状(中心+二環状)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを用いてコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を推定することができるので、実構造物のコンクリートに対して直接行う計測であって実構造物のコンクリートを破壊する必要の無い計測によってコンクリートの品質評価に有用な詳細な情報を提供することが可能になり、したがってコンクリートの吸水性の非破壊試験法としての有用性・汎用性の向上を図ることが可能になる。
さらに、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、液状流体の供給開始からの経過時間と径方向四層以上(中心+三環状以上)のチャンバー毎のチャンバー内の液状流体のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを用いてコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を推定するように構成することもできるので、情報量がより一層多いデータを用いるようにしてコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布の推定精度を向上させることが可能になる。
本発明のコンクリートの吸水試験装置の実施形態の一例を示す図である。(A)は底面図である。(B)は縦断面図である。 本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 実施形態のコンクリートの透過係数分布の推定方法をコンクリートの透過係数分布の推定プログラムを用いて実施する場合の当該プログラムによって実現されるコンクリートの透過係数分布の推定装置の機能ブロック図である。 本発明が想定している状況及び意図している計測結果を説明する図である。(A)は本発明が想定している本発明のコンクリートの吸水試験装置による計測時のコンクリート内における液状流体の流れを説明する概念図である。(B)は本発明が意図しているチャンバー毎の液状流体の吸水量の計測結果を説明する概念図である。 コンクリートの透過係数分布を推定する際の座標系を説明する図である。 チャンバーの数が二つの場合の計測結果を説明する概念図である。 本発明のコンクリートの吸水試験装置をコンクリート表面に押し当てた状態で固定するための構成の一例を説明する縦断面図である。 従来の透水試験法を説明する図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図5に、本発明のコンクリートの吸水試験装置並びにコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムの実施形態の一例を示す。
まず、本実施形態のコンクリートの吸水試験装置1は、平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー4A及び当該中心チャンバー4Aを環状に囲む第一の環状チャンバーとしての中間チャンバー4B及び当該中間チャンバー4Bを環状に囲む第二の環状チャンバーとしての外周チャンバー4Cと、これら各チャンバー4A,4B,4Cのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー4A,4B,4C内のそれぞれに液状流体としての水6を供給するための貯留部5A,5B,5Cとを有し、貯留部5A,5B,5Cに水6を貯めて各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給してからの各チャンバー4A,4B,4C内の水のコンクリート9による吸水量を検出するようにしている。
本実施形態のコンクリートの吸水試験装置1は、円筒状の周壁として形成されて同心円状に配置された径方向三層(言い換えると、三環状)の内隔壁2A,中間隔壁2B,外隔壁2Cとこれら隔壁2A,2B,2Cの上面を覆う天板3とを有し、内隔壁2Aの内側に中心チャンバー4Aが形成され、内隔壁2Aと中間隔壁2Bとの間に環状(ドーナツ状)の中間チャンバー4Bが形成され、中間隔壁2Bと外隔壁2Cとの間に環状(ドーナツ状)の外周チャンバー4Cが形成される。そして、これら中心,中間,外周チャンバー4A,4B,4Cは径方向三層(言い換えると、中心+二環状)をなすように構成される。
全ての隔壁2A,2B,2C及び天板3は、各チャンバー4A,4B,4Cの水密性を確保することができるように、透水性がない材質で形成される。
なお、各隔壁2A,2B,2Cの寸法は、特定の寸法に限定されるものではなく、試験の効率性や計測の精度や運搬・設置の容易性などを踏まえて適宜設定され得る。例えば、外隔壁2Cの外縁径を200〜300〔mm〕程度,高さを20〜40〔mm〕程度(天板を除く)にすることが考えられる。
また、各隔壁2A,2B,2Cの、天板3とは反対側(言い換えると、吸水試験装置1としての開口側)の縁部には、計測を行う際にコンクリート9の表面に押し当てられて各チャンバー4A,4B,4Cの水密性を確保するためのシール部材8が取り付けられる。シール部材8の材質や寸法(厚さ)などは特定のものには限定されない。具体的には例えばエチレンプロピレンゴム製のリングが各隔壁2A等の縁部全周に亘って取り付けられる。
貯留部5A,5B,5Cは、チャンバー4A,4B,4C毎にこれら各チャンバー4A,4B,4Cに連通して設けられる。本実施形態では、各貯留部5A,5B,5Cは、各チャンバー4A,4B,4C内からコンクリート9によって吸収された水6の量を各チャンバー4A,4B,4C毎に計量する器具としての機能も果たし得るように、周壁に目盛が付与された管状のもの(具体的には例えばビュレットのようなもの)が用いられる。
なお、本発明のコンクリートの吸水試験装置は、コンクリートの表面に押し当てられた状態で計測を行うものであり、当該吸水試験装置をコンクリートの表面に押し当てた状態で固定する仕組みが必要とされる。この仕組みは、吸水試験装置1とコンクリート9の表面との間で水密性が確保される程度に吸水試験装置1をコンクリート9の表面に押し当てて固定することができるものであれば、特定の仕組みに限定されるものではない。具体的には例えば、検査・評価対象のコンクリート9の表面に押し当てた吸水試験装置1と周囲の構造物等との間に突っ支い部材を介在させて吸水試験装置1を押し当てて固定するようにしても良いし、吸水試験装置1自体が固定する仕組みを備えるようにしても良い。吸水試験装置1自体が固定する仕組みを備えるようにする場合の当該固定する仕組みとしては具体的には例えば、図7に示すように、上述の形態における外隔壁2Cを囲む円筒状の周壁2Xを更に備えるようにすると共に当該周壁2Xの範囲まで天板3で覆うようにして外周チャンバー4Cを環状に囲む外郭チャンバー4Xを備えるようにし、加えて、当該外郭チャンバー4Xを減圧(真空引き)するための真空源11、及び、当該真空源11と外郭チャンバー4Xとの間に介在して外郭チャンバー4Xの気密性の確保と開放とを制御し得るバルブ12を更に備えるようにすることが考えられる。そして、吸水試験装置1をコンクリート9の表面に押し当て、バルブ12を開いて真空源11によって外郭チャンバー4X内を減圧(真空引き)してからバルブ12を閉めることにより、外郭チャンバー4X内の負圧による吸引力で吸水試験装置1がコンクリート9の表面に押し当てられて固定される。なお、周壁2Xの、天板3とは反対側の縁部には、コンクリート9の表面に押し当てられてチャンバー4Xの気密性を確保するためのシール部材13が取り付けられる。
そして、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムは、上述においてその実施形態の一例を説明した本発明のコンクリートの吸水試験装置を用いた計測によって取得されたデータを用いてコンクリートの透過係数のコンクリート表面からの深さ方向における分布を推定する。
具体的には、本実施形態のコンクリートの透過係数分布の推定方法は、図2に示すように、上述のコンクリートの吸水試験装置1の各チャンバー4A,4B,4Cの開口面をコンクリート9の表面に押し当て、貯留部5A,5B,5Cに水6を貯めて各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給し、各チャンバー4A,4B,4C内の水6のコンクリート9による吸水量を計測して水の供給開始からの経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを取得し(S1)、一方で、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で(S2−1)経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを計算し(S2−2)、当該計算による組み合わせデータが計測による組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで(S2−3:Yes)透過係数分布の仮定を変化させながら組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって(S2−1〜S2−3)透過係数分布を推定する(S2−4)ようにしている。
また、本実施形態のコンクリートの透過係数分布の推定装置は、上述のコンクリートの吸水試験装置1の各チャンバー4A,4B,4Cの開口面をコンクリート9の表面に押し当て、貯留部5A,5B,5Cに水6を貯めて各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給し、各チャンバー4A,4B,4C内の水6のコンクリート9による吸水量を計測して取得された水の供給開始からの経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを記憶装置から読み込む手段(11a)と、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定する手段(11b)と、前記透過係数分布の仮定を用いて経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを計算する手段(11c)と、当該計算による組み合わせデータと計測による組み合わせデータとを対比する手段(11d)とを有し、計算による組み合わせデータが計測による組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで透過係数分布の仮定を変化させながら組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって透過係数分布を推定するようにしている。
さらに、本実施形態のコンクリートの透過係数分布の推定プログラムは、上述のコンクリートの吸気試験装置1の各チャンバー4A,4B,4Cの開口面をコンクリート9の表面に押し当て、貯留部5A,5B,5Cに水6を貯めて各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給し、各チャンバー4A,4B,4C内の水6のコンクリート9による吸水量を計測して取得された水の供給開始からの経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを記憶装置から読み込む手段(11a)、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定する手段(11b)、前記透過係数分布の仮定を用いて経過時間と各チャンバー4A,4B,4C内の水の吸水量との組み合わせデータを計算する手段(11c)、当該計算による組み合わせデータと計測による組み合わせデータとを対比する手段(11d)としてコンピュータを機能させ、計算による組み合わせデータが計測による組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで透過係数分布の仮定を変化させながら組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって透過係数分布を推定するようにしている。
そして、コンクリートの透過係数分布の推定方法の実行にあたっては、まず、上述のコンクリートの吸水試験装置を用いて各チャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の計測が行われる(S1)。
具体的には、吸水試験装置1の各チャンバー4A,4B,4Cの開口面が検査・評価対象のコンクリート9の表面に押し当てられ、貯留部5A,5B,5Cに水6が貯められて各チャンバー4A,4B,4C内に水6が供給される。
ここで、各貯留部5A,5B,5C内の水6の水面位置は、計測を開始する初期状態としては同一にしておく。すなわち、計測開始時における各貯留部5A,5B,5Cの水頭は同じにしておく。なお、計測中の各貯留部5A,5B,5C内の水6の水面位置は、計測開始時における水面位置を保つ(すなわち、水面位置が一定に保たれるように各貯留部5A,5B,5Cに対して給水を行う)ようにしても良いし、各貯留部5A,5B,5Cに対して給水を行うことなく計測開始時における水面位置から変化させるようにしても良い。なお、計測中の各貯留部5A,5B,5Cの水頭を一定に保つか或いは変化させるかの違いは、後述のS2−2の処理における吸水量の計算の際に計算条件として考慮する。
そして、貯留部5A,5B,5Cを介して各チャンバー4A,4B,4C内に水6の供給を開始した時点からの、各チャンバー4A,4B,4Cのそれぞれからの、コンクリート9による吸水量を計測する。本実施形態では、各貯留部5A,5B,5Cに付与されている目盛を用いて、貯留部5A,5B,5C毎に各貯留部5A,5B,5Cにおける水6の減少量としてチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量を計測する。この計測により、互いに独立した密閉空間である各チャンバー4A,4B,4C内からコンクリート9によって吸収される水の量の推移がチャンバー4A,4B,4C毎に計測される。
上述の計測により、各チャンバー4A,4B,4C内への水6の供給開始からの経過時間(以下、計測経過時間という)とチャンバー4A,4B,4C毎の各チャンバー4A,4B,4C内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータが取得される。
ここで、本発明が想定している計測時のコンクリート9内における水6の流れ及び当該水6の流れの想定に基づく本発明が意図しているチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量の計測結果を示すと図4のようになる。まず、本発明が想定しているコンクリートの吸水試験装置1による計測時のコンクリート9内における水6の流れは、同図(A)中のコンクリート9内の矢印群のように、コンクリートの吸水試験装置1の外周チャンバー4C内の水6がコンクリート9の表層部分をコンクリートの吸水試験装置1の周囲に拡がりつつ吸収される流れを形成し、中心チャンバー4A内の水6が周囲への拡がりは少なくそして前記外周チャンバー4C内から吸収される水6よりもコンクリート9内の深部に真っ直ぐ若しくは概ね真っ直ぐ吸収される割合が高い流れを形成し、中間チャンバー4B内の水6が外周チャンバー4C内の水6が吸収される流れと中心チャンバー4A内の水6が吸収される流れとの間の周囲への拡がりをもってコンクリート9内に吸収される流れを形成するというものである。そして、このようなコンクリート9内における水6の流れの想定に基づき、本発明が意図しているチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量の計測結果は、同図(B)のように、各チャンバー4A,4B,4Cの開口面の面積が同じ若しくは概ね同じであれば(或いは、吸水量を開口面の面積で除したものとして表せば)、一般的には深部と比べて空隙が多いコンクリート9の表層に拡がって吸水される割合が高い外周チャンバー4C内の水6の吸水量(吸収される量)が最も多く、空隙が徐々に少なくなる深部に向かって吸収される割合が次第に高くなる中間チャンバー4B,中心チャンバー4Aの順にチャンバー内の水6の吸水量(吸収される量)が少なくなるというものである。
次に、S1の処理によって計測され取得された計測経過時間とチャンバー毎のチャンバー内の水のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータを用いてコンクリートの透過係数のコンクリート表面からの深さ方向における分布の推定が行われる(S2)。
ここで、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法におけるこのS2の処理は本発明のコンクリートの透過係数分布の推定装置によって実行され得る。
そして、コンクリートの透過係数分布の推定方法におけるS2の処理及び当該処理を実行するコンクリートの透過係数分布の推定装置は、本発明のコンクリートの透過係数分布の推定プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現され得る。本明細書では、コンクリートの透過係数分布の推定プログラムをコンピュータ上で実行することによってS2の処理を実行するコンクリートの透過係数分布の推定装置が実現されると共にコンクリートの透過係数分布の推定方法におけるS2の処理が実行される場合を説明する。
コンクリートの透過係数分布の推定プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、コンクリートの透過係数分布の推定装置10でもある)の全体構成を図3に示す。このコンピュータ10(コンクリートの透過係数分布の推定装置10)は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線によって接続されている。また、コンピュータ10には記憶装置としてのデータサーバ16がバス等の信号回線によって接続されており、その信号回線を介してデータや制御指令等の信号の送受信(即ち出入力)が相互に行われる。
制御部11は記憶部12に記憶されているコンクリートの透過係数分布の推定プログラム17によってコンピュータ10全体の制御並びにコンクリートの透過係数分布の推定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
メモリ15は制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
入力部13は少なくとも作業者の命令を制御部11に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。
表示部14は制御部11の制御によって文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
そして、本実施形態では、上述のS1の処理において計測され取得された計測経過時間とチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータが吸水量計測値データベース18としてデータサーバ16に格納(保存)される。
そして、コンピュータ10(本実施形態では、コンクリートの透過係数分布の推定装置10でもある)の制御部11には、コンクリートの透過係数分布の推定プログラム17を実行することにより、S1の処理において計測され取得された水の供給開始からの経過時間(即ち、計測経過時間)とチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータを記憶装置としてのデータサーバ16から読み込む手段としてのデータ読込部11aと、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定する手段としての透過係数分布仮定部11bと、前記透過係数分布の仮定を用いて計測経過時間とチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータを計算する手段としての吸水量計算部11cと、当該計算による組み合わせデータと計測による組み合わせデータとを対比する手段としての対比部11dとが構成される。
そして、コンクリートの透過係数分布の推定プログラム17が実行されてコンピュータ10(コンクリートの透過係数分布の推定装置10)の制御部11に構成されたデータ読込部11aは、計測経過時間とチャンバー4A,4B,4C毎の吸水量との組み合わせデータの読み込みを行う。
具体的には、データ読込部11aは、S1の処理において計測され取得されてデータサーバ16に格納されている吸水量計測値データベース18に記録されている計測経過時間とチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータをデータサーバ16から読み込む。そして、データ読込部11aは前記データを計測による組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させる。
続いて、本発明では、以下の手順によってコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)の推定を行う。
まず、制御部11の透過係数分布仮定部11bが、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定する(S2−1)。
具体的には、目的変数としての液状水透過係数値Kdと説明変数としてのコンクリート表面からの深さdとの間の関係を表す関数形を仮定する。液状水透過係数値Kdと深さdとの間の関係を表す関数形は、特定のものに限定されるものではなく、例えば、既存若しくは新規の知見に基づいて設定するようにしても良いし、過去の実績を踏まえて適当と考えられる関数形に設定するようにしても良い。
具体的には例えば、液状水透過係数の深さ方向における分布(言い換えると、深さ方向における変化)を累乗関数である数式1を用いて定義することが考えられる。
(数1) Kd=adb
ここに、Kd:表面からの深さdにおけるコンクリートの液状水透過係数〔10-162〕,
d:コンクリート表面からの深さ〔m〕,
a,b:係数 をそれぞれ表す。
そして、本発明では、数式1の係数a,bを求める(言い換えると、逆解析によって特定する)ことにより、コンクリートの透過係数の、コンクリート表面からの深さ方向における分布を推定する。
本実施形態では、透過係数分布仮定部11bが、数式1の係数a,bを仮定し、当該仮定した係数a,bの値をメモリ15に記憶させる。なお、係数a,bの仮定の初期値は、特定の値に限定されるものではなく、既存若しくは新規の知見に基づいて設定するようにしても良いし、過去の実績を踏まえて適当と考えられる値に設定するようにしても良い。
次に、制御部11の吸水量計算部11cが、S2−1の処理において仮定されたコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を用いて、時間の経過に伴うチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の計算を行う(S2−2)。
具体的には、検査・評価対象のコンクリート構造物等における透過係数分布の推定対象部分(範囲)を円筒座標系に変換して二次元化し(図5参照)、基礎式として質量保存式(数式2)及び液体透過式として一般化されたダルシー式(数式3)を用いて数値計算を行い、時間tの経過に伴うチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリと9による吸水量の計算を行う。なお、実構造物のコンクリートについての座標系の設定範囲は、コンクリートの吸水試験装置1の外隔壁2Cの外縁径及び当該外縁径の範囲を計測領域としたときの吸水の影響範囲を踏まえて適宜設定される。
Figure 0005882161
ここに、ρl:液状水密度〔kg/m3〕,
ψy:座標yにおけるコンクリートの空隙率,
l_xy:座標(x,y)におけるコンクリートの飽和度,
l:液状水体積〔m3〕,
t:計測経過時間〔秒〕 をそれぞれ表す。
なお、本実施形態では透過の評価対象としての液状流体は水(液状水)であり、コンクリート内の場所によって気圧が異なっても密度や体積は変化しないとしているが、気圧の変化によって密度や体積が変化することを考慮するようにしても良い。。
Figure 0005882161
ここに、Jl_xy:座標(x,y)における液状水フラックス〔m/秒〕,
y:座標yにおけるコンクリートの液状水透過係数〔10-162〕,
μl:液状水の粘性係数〔Pa・秒〕,
l_xy:座標(x,y)におけるコンクリートの飽和度 をそれぞれ表す。
なお、数式2や数式3における円筒座標系におけるY座標は、数式1におけるコンクリート表面からの深さdに対応する。
また、コンクリートの透過係数Kと空隙率ψとの間の関係を仮定する。具体的には、目的変数としての透過係数Kと説明変数としての空隙率ψとの間の関係式(即ち、K=f(ψ))を仮定する。透過係数Kと空隙率ψとの間の関係式は、特定のものに限定されるものではなく、例えば、既存若しくは新規の知見に基づいて設定するようにしても良いし、過去の実績を踏まえて適当と考えられる関係式に設定するようにしても良い。
そして、本実施形態では、吸水量計算部11cが、S2−1の処理においてメモリ15に記憶された係数a,bの仮定値をメモリ15から読み込み、これら係数a,bの仮定値及び数式1〜3及びコンクリートの透過係数Kと空隙率ψとの間の関係式(K=f(ψ))を用いて計測経過時間別にチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量を計算する。すなわち上記で説明した計算であって概要としては、係数a,bを仮定した上で深さd(この深さdは座標yに対応する)を与えると数式1によってコンクリートの液状水透過係数Kyが算出され、当該液状水透過係数Kyに対応するコンクリートの空隙率ψyがK=f(ψ)によって算出され、これら液状水透過係数Kyと空隙率ψyとを数式2及び数式3に代入した上で、各チャンバー4A,4B,4C内の液状水減少量を計算する。なお、数式1〜3及びコンクリートの透過係数Kと空隙率ψとの間の関係式(K=f(ψ))はコンクリートの透過係数分布の推定プログラム17に予め規定される。
そして、吸水量計算部11cは、計算された計測経過時間別のチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量を計算による組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の対比部11dが、S1の処理において計測され取得された計測による組み合わせデータ(即ち、コンクリートの吸水試験装置1を用いての計測によって取得された計測経過時間とチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータ)とS2−2の処理において計算された計算による組み合わせデータ(即ち、計測経過時間別のチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量)との対比を行う(S2−3)。
具体的には、対比部11dが、S1の処理において計測され取得されてメモリ15に記憶された計測による組み合わせデータとS2−2の処理において計算されてメモリ15に記憶された計算による組み合わせデータとをメモリ15から読み込み、これら二つの組み合わせデータを用いて計測経過時間毎にチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量を対比する。
そして、二つの組み合わせデータにおけるチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量の差違が予め定められた一致条件を満たしていない場合には(S2−3:No)、計算値が計測値と一致していないので、S2−1の処理に戻り、透過係数分布仮定部11bが透過係数分布(具体的には、本実施形態では数式1の係数a,bの値)を変化させて仮定し直し、S2−2及びS2−3の処理をあらためて行う。
上述の処理の流れは言い換えると、計測による組み合わせデータと計算による組み合わせデータとの差違を最小化するように数式1の係数a,bの値を逐次変化させながら繰り返し計算を行ってこれら係数a,bの値を最適化するという非線形最適化問題を解くということである。なお、非線形最適化問題の解法は、特定の方法に限定されるものではなく、既存若しくは新規の解法が用いられ、具体的には例えば勾配法のうちの最急降下法が用いられ得る。
なお、計測経過時間別のチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリート9による吸水量の計測値と計算値とが一致しているか否かを判断するための一致条件は、特定のものに限定されるものではなく、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布の推定結果の活用場面等を踏まえて要請として設定され得る推定精度などを考慮して適宜設定される。例えば、計測経過時間別のチャンバー毎のチャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の計測値と計算値との差の絶対値の合計の上限を定めておくようにしたり、前記差の絶対値の最大値の上限を定めておくようにしたりすることなどが考えられる。
上述の一致条件を含む非線形最適化問題の解法に纏わる処理はコンクリートの透過係数分布の推定プログラム17に予め規定される。
一方、二つの組み合わせデータにおけるチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の差違が予め定められた一致条件を満たしている場合には(S2−3:Yes)、計算値が計測値と一致しているので、直前のS2−1の処理において仮定された透過係数分布が実際の透過係数分布であると特定する、すなわち、直前のS2−1の処理において仮定された透過係数分布を推定結果とする(S2−4)。
そして、対比部11dは、S2の処理による推定結果として、コンクリート表面からの深さ別のコンクリートの透過係数の値を折線グラフとして描画して表示部14に表示したり、数式1の係数a,bの値を例えば記憶部12やデータサーバ16内に推定結果データファイルとして保存したりする。
そして、制御部11は、コンクリートの透過係数分布の推定の処理を終了する(END)。
以上の構成を有する本発明のコンクリートの吸水試験装置1によれば、各チャンバー4A,4B,4Cの開口面をコンクリート9の表面に押し当てた状態で各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給して各チャンバー4A,4B,4C内の水6のコンクリート9による吸水量(実際の対象としては、貯留部5A,5B,5C毎の貯留部内の水6の減少量)の計測を行うことにより、水の供給開始からの経過時間と径方向三層状(言い換えると、中心+二環状)のチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータを取得することができる。そして、この組み合わせデータから、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)を推定することができる。
また、以上の構成を有する本発明のコンクリートの透過係数分布の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、各チャンバー4A,4B,4Cの開口面をコンクリート9の表面に押し当てた状態で各チャンバー4A,4B,4C内に水6を供給して各チャンバー4A,4B,4C内の水のコンクリート9による吸水量(実際の対象としては、貯留部5A,5B,5C毎の貯留部内の水6の減少量)の計測を行うことによって取得された水の供給開始からの経過時間と径方向三層状(言い換えると、中心+二環状)のチャンバー4A,4B,4C毎のチャンバー内の水6のコンクリート9による吸水量との組み合わせデータを用いるようにしているので、コンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布(言い換えると、透過係数の変化)を推定することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の態様が上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では各隔壁2A,2B,2Cの開口側縁部にシール部材8が取り付けられるようにしているが、各チャンバー4A,4B,4Cの水密性を確保するためのシール部材8のような仕組みは試験装置自体に取り付けられなくても良く、計測を行う際に各隔壁2A,2B,2Cの開口側縁部の形状・大きさに合わせてシール剤をコンクリート9の表面に塗布したり盛ったりして当該シール剤の位置に各隔壁2A,2B,2Cの開口側縁部を合わせて押し当てるようにしても良い。
また、上述の実施形態では径方向三層(言い換えると、三環状)の隔壁2A,2B,2Cを有するようにしてこれら隔壁によって形成される径方向三層(言い換えると、中心+二環状)のチャンバー4A,4B,4Cを有する構造としているが、本発明における層構造を構成するチャンバーの数は三つに限られるものではなく、二つでも良いし、四つ以上でも良い。
そして、チャンバーの数が二つ(すなわち、平面視円形の中心チャンバーと当該中心チャンバーを環状に囲む環状チャンバーとの二層構造)であるコンクリートの吸水試験装置を用いて同一コンクリート構造物の複数箇所で計測を行い、例えば図6に示すような計測結果が得られた場合にはこれらの結果を用いてコンクリートの品質について定性的な評価を行うことができる。具体的には、同図(a)に示す結果と比べて同図(b)に示す結果の方が中心チャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の変化と環状チャンバー内の水のコンクリートによる吸水量の変化との乖離が大きくなっていることから((a)における吸水量の乖離は符号D1,(b)における吸水量の乖離は符号D2で示され、D2>D1である)コンクリート表層における透過係数が極端に大きくなっていると考えられ、この点において、同図(a)に示す結果が得られた箇所に比べて同図(b)に示す結果が得られた箇所の方がコンクリートの品質が悪いと評価することができる。
また、チャンバーの数を四つ以上(すなわち、平面視円形の中心チャンバーと当該中心チャンバーを順に環状に囲む三つ以上の環状チャンバーとの四層以上の構造)にすると、上記のような定性的な評価に加え、上述の実施形態のようにコンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を解析的に推定することができる。さらに、チャンバーによって構成する層の数を多くすることにより、取得される計測経過時間とチャンバー毎のチャンバー内の水のコンクリートによる吸水量との組み合わせデータの情報量が増え、結果的に、コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布の推定精度を向上させることができる。
また、上述の実施形態では液状流体として水6を用いるようにしてコンクリート9内の透過の評価対象は水であるようにしているが、本発明における透過の評価対象(言い換えると、コンクリート9内を透過する物)は液状流体であれば水には限られない。すなわち、検査・評価対象のコンクリート9の使用実態や評価の目的などに合わせて透過の評価対象は適宜選択され得る。
また、上述の実施形態ではコンクリート9の表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で計測経過時間と吸水量との組み合わせデータを計算した後に当該計算による組み合わせデータが計測による組み合わせデータに対して一致条件を満たすまで透過係数分布の仮定を変化させながら組み合わせデータの計算を繰り返し行うようにしているが、これに限られず、複数の透過係数分布の仮定に基づく計測経過時間と吸水量との組み合わせデータを予め計算しておき、計測によって得られた組み合わせデータに最も良く一致する計算による組み合わせデータを選択して当該計算による組み合わせデータが前提としている透過係数分布を推定結果として特定するようにすることも考えられる。
1 コンクリートの吸水試験装置
2A 内隔壁
2B 中間隔壁
2C 外隔壁
3 天板
4A 中心チャンバー
4B 中間チャンバー
4C 外周チャンバー
5A,5B,5C 貯留部
6 水
8 シール部材
9 コンクリート

Claims (9)

  1. 平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む環状チャンバーと、前記中心チャンバーと前記環状チャンバーとのそれぞれに設けられて前記中心チャンバー内と前記環状チャンバー内とのそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有し、前記中心チャンバー及び前記環状チャンバーの前記開口面がコンクリート表面に押し当てられた状態で前記貯留部に液状流体を貯めて前記中心チャンバー内と前記環状チャンバー内とに前記液状流体を供給してからの前記中心チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量と前記環状チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量別々に検出し、前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー別の前記吸水量との組み合わせデータの取得に用いられることを特徴とするコンクリートの吸水試験装置。
  2. 平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有し、前記各チャンバーの前記開口面がコンクリート表面に押し当てられた状態で前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給してからの前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を前記各チャンバー毎に検出し、前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー毎の前記吸水量との組み合わせデータの取得に用いられることを特徴とするコンクリートの吸水試験装置。
  3. 前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有することを特徴とする請求項2記載のコンクリートの吸水試験装置。
  4. 平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを取得し、一方で、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算し、当該計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定することを特徴とするコンクリートの透過係数分布の推定方法。
  5. 前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量が含まれることを特徴とする請求項4記載のコンクリートの透過係数分布の推定方法。
  6. 平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して取得された前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを読み込む手段と、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算する手段と、当該計算による前記組み合わせデータと前記計測による前記組み合わせデータとを対比する手段とを有し、前記計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定することを特徴とするコンクリートの透過係数分布の推定装置。
  7. 前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量値が含まれることを特徴とする請求項6記載のコンクリートの透過係数分布の推定装置。
  8. 平面位置を同じくする開口面を有する平面視円形の中心チャンバー及び当該中心チャンバーを環状に囲む第一の環状チャンバー及び当該第一の環状チャンバーを環状に囲む第二の環状チャンバーと、これら各チャンバーのそれぞれに設けられてこれら各チャンバー内のそれぞれに液状流体を供給するための貯留部とを有する試験装置の前記各チャンバーの開口面をコンクリート表面に押し当て、前記貯留部に液状流体を貯めて前記各チャンバー内に前記液状流体を供給し、前記各チャンバー内の前記液状流体の前記コンクリートによる吸水量を計測して取得された前記液状流体の供給開始からの経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを読み込む手段、前記コンクリート表面からの深さ方向における透過係数分布を仮定した上で前記経過時間と前記各チャンバー内の液状流体の吸水量との組み合わせデータを計算する手段、当該計算による前記組み合わせデータと前記計測による前記組み合わせデータとを対比する手段としてコンピュータを機能させ、前記計算による前記組み合わせデータが前記計測による前記組み合わせデータに対して予め定められた一致条件を満たすまで前記透過係数分布の仮定を変化させながら前記組み合わせデータの計算を繰り返し行うことによって前記透過係数分布を推定することを特徴とするコンクリートの透過係数分布の推定プログラム。
  9. 前記試験装置が前記第二の環状チャンバーを環状に囲む第三の環状チャンバーと、当該第三の環状チャンバーを環状に囲む第四の環状チャンバーと、のように前記第二の環状チャンバーを順に環状に囲む環状チャンバーを更に一つ以上有し、前記組み合わせデータに四つ以上のチャンバー内の液状流体の吸水量が含まれることを特徴とする請求項8記載のコンクリートの透過係数分布の推定プログラム。
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