JP2000352042A - 原位置透水試験法及び透水係数の測定装置 - Google Patents

原位置透水試験法及び透水係数の測定装置

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JP2000352042A
JP2000352042A JP11163529A JP16352999A JP2000352042A JP 2000352042 A JP2000352042 A JP 2000352042A JP 11163529 A JP11163529 A JP 11163529A JP 16352999 A JP16352999 A JP 16352999A JP 2000352042 A JP2000352042 A JP 2000352042A
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permeability
measuring
electrodes
liquid
measurement medium
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JP11163529A
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English (en)
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Masaru Hatae
勝 波多江
Katsue Nishiyama
勝栄 西山
Naohito Hamada
尚人 濱田
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Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Kumagai Gumi Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な装置を必要とせず、容易にかつ短時間
で原位置での透水係数を測定することのできる原位置透
水試験法とこの試験法に使用される透水係数の測定装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 加圧ポンプ7を有する加圧装置3によ
り、透水係数を測定する測定媒体1内に所定の圧力に加
圧された浸透液5を浸透させ、測定媒体1の地表面に埋
め込まれた基準電極8と、測定媒体1の所定の深さに埋
設された面状電極2Dとの間の電気抵抗Rを電気抵抗測
定装置10で測定し、浸透液5の注入開始時刻t0と、
上記浸透液5が上記面状電極2Dへの到達した時刻t1
と、予め設定された電極間距離L及び加圧ポンプ7の圧
力hとを用いて透水係数kを算出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川堤防や廃棄処
分場等の土構造物の遮水性を評価するための透水試験法
に関するもので、特に、原位置で土質遮水工の透水係数
を測定する原位置透水試験法と透水係数の測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川堤防などの遮水をするため土
構造物を構築する際には、どの程度の締固めによってそ
の透水係数がいくらになるかについて予め試験し、その
試験結果により施工時の締固めの密度が決定され、現場
での締固め方法や転圧回数などが決定される。また、施
工後には、構築された土構造物の透水係数が設計条件を
満たしているかどうか、すなわち上記土構造物が所定の
遮水性を有しているかどうかの試験を行う。この施工後
の透水試験法としては、原位置で直接透水係数の測定を
実施する原位置透水試験と、被測定地盤より試料を採取
し、試験室にて測定を実施する室内透水試験とがある。
【0003】原位置透水試験法は、図10に示すよう
に、測定対象となる土構造物(以下、測定媒体という)
1に所定の試験孔51を設け、水位安定装置52により
上記試験孔51内の水位を一定に保ちながら水を上記試
験孔51から測定媒体1中に浸透させ、浸透する水の流
量と時間とを測定することにより透水係数を求めるもの
である。次に、透水係数の測定手順について説明する。
まず、測定媒体1に所定の試験孔51を設け、この試験
孔51内に水位安定装置52の注水管53を挿入し、更
に上記試験孔51内に砕石54を充填した後、給水バル
ブ55を開いて、気密水槽56内に所定量の水57を入
れてから給水バルブ55を閉じる。次に、上記試験孔5
1内にバケツ等で水を満たし、その後、注水バルブ58
を開いて上記試験孔51内に注水し、孔内の水面を定水
位保持管59の端末口に接触させて一定に保つ。その
後、上記水位が一定になってからの経過時間t(s)を
測定するとともに、その時の気密水槽56内の水位H
(cm)を標尺60から読み取る。そして、単位時間当た
りの気密水槽56内の水位H(cm)の変化量P(cm/
s)が一定になったところで上記変化量P(cm/s)を
求めて定常流量Q(cm3/s)を算出する。透水係数k
(cm/s)は、上記定常流量Q(cm3/s)と、気密水
槽56の内空断面積A(cm2),試験孔51内の水深h
(cm),試験孔51の半径r0(cm)とを用いて所定の
式により算出する。なお、この測定は地下水面Xよりも
上の締固めした地盤を対象とする。
【0004】一方、室内透水試験法は、測定地盤から
「乱さない試料」を採取した後、試験室にて、採取試料
周りにセメントミルクを打設して試験体を作製後、定水
位・変水位試験を実施して透水係数を求めるものであ
る。上記「乱さない試料」とは、土の構造や力学的性質
をできるだけ原位置に近い状態で採取した土を指すもの
で、ボーリング孔内でチューブサンプラーを用いて採取
する方法(ボーリングサンプラー)が一般的であるが、
ボーリングを行わず塊状の試料を人力で採取するブロッ
クサンプリングと呼ばれる方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
位安定装置52を用いた原位置透水試験法は、大気圧下
での試験であるため、例えば廃棄処分場の遮水層のよう
に、地盤が難透水地盤である場合には測定に時間がかか
るだけでなく、斜面部では実施できないという問題点が
あった。また、この試験法は水を一方的に注入するだけ
なので、水の浸透状況あるいは浸透経路が明確でなく、
得られた計測結果が現地盤の性状を正確に反映していな
い可能性がある。その上、マリオットサイフォン等の特
殊な水位安定装置52を必要とするため、費用が高くな
るといった問題点があった。一方、上記室内透水試験法
は、「乱さない試料」を採取するために、サンプラー機
械などの特殊な機械を使う(ボーリングサンプラー)
か、熟練した技術が必要(ブロックサンプリング)とさ
れるだけでなく、採取した試料を実験室に運んで室内試
験用の試験体を作製する工程が有るため、試験結果を得
るまでには相当の時間と労力が必要であった。
【0006】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、特殊な装置を必要とせず、容易にかつ短時間で
原位置での透水係数を測定することのできる原位置透水
試験法とこの試験法に使用される透水係数の測定装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の原位置透水試験法は、土構造物から成る測定媒体内に
所定の圧力に加圧された液体を浸透させるとともに、上
記液体の浸透路となるべき部分に設けられた互いに離反
した複数の電極間の電気抵抗の変化を測定し、上記液体
の圧力と、上記複数の電極間の距離と、上記各電極間の
抵抗値の変化とに基づいて、上記浸透状態から上記測定
媒体の透水係数を求めるようにしたことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の透水係数の測定装置は、
透水係数を測定する測定媒体内に浸透させる液体に所定
の圧力を加圧する加圧装置と、上記液体の浸透路のそれ
ぞれ異なる地点に設けられた複数の電極と、上記各電極
間の電気抵抗測定する電気抵抗測定装置とを備え、上記
複数の電極間の電気抵抗の時間変化を測定し、上記測定
された電気抵抗の時間変化に基づいて上記測定媒体の透
水係数を求めるものである。
【0009】請求項3に記載の透水係数の測定装置は、
測定媒体の下部に面状電極を設け、この面状電極と上記
液体の浸透路に設けられた電極との電極間の電気抵抗を
測定するようにしたものである。
【0010】請求項4に記載の透水係数の測定装置は、
測定媒体中に液体の浸透路を制限する筒状の隔壁を埋め
込み、液体を上記筒部の内部の測定媒体中に加圧して浸
透させるようにしたものである。
【0011】請求項5に記載の透水係数の測定装置は、
上記隔壁の内壁に複数の電極を設けたものである。
【0012】請求項6に記載の透水係数の測定装置は、
上記隔壁内の測定媒体中に複数の電極を設けたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。 実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1に係わる
原位置透水試験法とこの試験に用いられる透水係数の測
定装置を示す模式図である。透水係数の測定装置は、液
体の浸透路設けられた互いに離反した電極の間に浸透液
が浸透することにより電極間抵抗が減少することを利用
し、上記電極間抵抗の減少傾向から上記浸透液の浸透状
態を推定して透水係数を算出するもので、同図におい
て、1は測定媒体である廃棄処分場の遮水層(以下、測
定媒体という)、2Dは上記測定媒体1の所定の深さに
埋設された面状電極2D、3は下部が上記測定媒体1中
に埋め込まれ上部に密閉用の蓋4を有し、内部に塩化ナ
トリウム溶液等の浸透液5を格納した筒状の注入管6
と、上記浸透液5の上部に圧搾空気を送り込み上記浸透
液5を加圧する加圧ポンプ7とを備えた加圧装置、8は
上記注入管6内の測定媒体1の地表面に埋め込まれた基
準電極、9はこの基準電極8と上記面状電極2D間の電
気抵抗を測定する電気抵抗測定装置10と、タイマ11
Tを備え上記電気抵抗測定装置10から出力される電気
抵抗の時間変化から上記浸透液5の浸透状態を推定して
透水係数を算出する透水係数算出手段11とを備えた透
水係数測定装置である。なお、8L,2Lは、基準電極
8,面状電極2Dと電気抵抗測定装置10とを結ぶリー
ド線である。
【0014】次に、透水係数の測定方法について説明す
る。まず、測定媒体1上に加圧装置3と基準電極8とを
設置する。加圧装置3の注入管6は上記測定媒体1中
に、例えば数センチから数十センチ程度埋め込む。な
お、面状電極2Dは、既に上記測定媒体1の所定の深さ
に埋設されているものとする。次に、上記注入管6内に
塩化ナトリウム溶液等の電気伝導率の高い浸透液5を密
閉用の蓋4の図示しない液注入孔から注入管6内に注入
した後、上記液注入孔を閉じて浸透液5の上部の空気を
密閉する。その後、加圧ポンプ7により、上記浸透液5
の上部に圧搾空気を送り込み上記浸透液5を加圧して上
記浸透液5を上記測定媒体1中に浸透させながら、上記
面状電極2Dと基準電極8との間の電気抵抗Rを電気抵
抗測定装置10により測定する。上記浸透液5は測定媒
体1に対して電気伝導率が高いので、上記浸透液5の浸
透が進むにしたがって上記電気抵抗Rは減少する。した
がって、透水係数算出手段11により、この電気抵抗R
の時間変化を演算し、後述する算出方法により、電気抵
抗Rの減少速度と上記加圧ポンプ7の圧力とから透水係
数kを算出することができる。
【0015】以下に、透水係数kの算出方法について説
明する。図2は、加圧された浸透液5の注入開始から、
上記浸透液5が面状電極2Dに達するまでの面状電極2
Dと基準電極8間の電気抵抗Rの時間変化の一例を示す
グラフである。浸透液5が測定媒体1に浸透し始める
と、測定媒体1である土構造物(ここでは遮水層)より
も電気伝導率の高い浸透液5が上記測定媒体1中に浸透
するため、面状電極2Dと基準電極8との間の電気抵抗
Rは、図2の実線で示すように、浸透液5の浸透が進む
にしたがって減少し、上記浸透液5が上記面状電極2D
に達すると一定の値Rsに収束する。ここで、面状電極
2Dと基準電極8との距離をL、圧力水頭(加圧ポンプ
7の圧力)をhとすると、動水勾配iは以下の式(1)
で表せる。 i=h/L ‥‥(1) また、浸透液5の注入開始時刻をt0、浸透液5が面状
電極2Dへ到達した時刻をt1、空隙率をn、実流速を
V、見かけ流速Vnとすると、 Vn=n・V ‥‥(2) V=L/(t1−t0 ‥‥(3) Vn=k・i ‥‥(4) であるので、上記式(1)〜(4)により、透水係数k
は以下の式(5)を用いて算出することができる。 k=Vn/i=n・V/i=n・L2/{(t1−t0)・h} ‥‥(5) すなわち、電気抵抗Rが減少から収束に向かう時刻t1
を浸透液5が面状電極2Dへの到達した時刻とみなし、
このt1と、浸透液5の注入開始時刻t0と、予め設定さ
れた電極間距離L及び加圧ポンプ7の圧力hとを用い、
上記式(5)により透水係数kを算出することができ
る。
【0016】このように、本実施の形態1によれば、加
圧ポンプ7を有する加圧装置3により、透水係数を測定
する測定媒体1内に所定の圧力に加圧された浸透液5を
浸透させ、測定媒体1の地表面に埋め込まれた基準電極
8と、測定媒体1の所定の深さに埋設された面状電極2
Dとの間の電気抵抗Rを電気抵抗測定装置10で測定
し、浸透液5の注入開始時刻t0と、上記浸透液5が上
記面状電極2Dへの到達した時刻t1と、予め設定され
た電極間距離L及び加圧ポンプ7の圧力hとを用いて透
水係数kを算出するようにしたので、難透水地盤でも比
較的短い時間で透水係数kを求めることができる。ま
た、原位置試験であるため、サンプリング等の手間も省
かれるだけでなく、試験体も作製する必要がなく、試験
結果もその場で得られるので、作業効率が高いという利
点を有する。更に、電極間距離Lが把握できているの
で、浸透液5の浸透状況が明確であり、かつ得られた計
測結果が現地盤の性状を正確に反映している。その上、
加圧装置3と測定電極(基準電極8と面状電極2D)と
を設置すれば測定が可能なので、特殊な装置を必要とせ
ず、容易に透水試験を行うことができる。
【0017】なお、本実施の形態1においては、測定媒
体1が、面状電極2Dが埋設された廃棄処分場の遮水層
である場合について説明したが、測定媒体1の施工時に
面状電極2Dを予め埋設しておけば、上記例と同様の方
法で上記測定媒体1の透水係数を算出することができ
る。また、浸透液5として塩化ナトリウム溶液等の電気
伝導率の高い液体を用いたが、浸透液5として水を用い
てもよい。但し、水は上記塩化ナトリウム溶液よりは電
気伝導率が低いため、図2の点線に示すように、電気抵
抗Rの変化率は小さい。したがって、浸透液5が上記面
状電極2Dへの到達した時刻t1を決定するには、電気
抵抗Rの変化率が大きな上記塩化ナトリウム溶液等を用
いる方が測定精度が高い。なお、測定媒体1が廃棄処分
場の遮水層である場合には起こり得ないことであるが、
測定媒体1が水で飽和されている場合には、水よりも電
気伝導率の高い塩化ナトリウム溶液等の電解質溶液を使
用する必要が有る。
【0018】実施の形態2.上記実施の形態1では、測
定媒体1の施工時に面状電極2Dを予め埋設しておく必
要があったが、本実施の形態2では、図3に示すよう
に、注入管6と一体に構成され、内壁に測定媒体1の地
表面に埋め込まれた基準電極8に対向する複数の電極1
2a〜12f(以下、対向電極という)を備えた筒状の
隔壁12を測定媒体1中に埋め込み、上記注入管6から
上記隔壁12内の測定媒体1に塩化ナトリウム溶液等の
浸透液5を浸透させ、上記基準電極8と上記対向電極1
2a〜12fとの間の電気抵抗Ra〜Rfの時間変化を測
定するようにした。ここで、対向電極12aと12b、
12cと12d、12eと12fとは、それぞれ上記基
準電極8からの距離(深さ)が等しい場所に設置した。
また、対向電極12c,12dを対向電極12a,12
bよりも下方に設置し、対向電極12e,12fを対向
電極12c,12dよりも下方に設置した。なお、12
Lは対向電極12a〜12fと透水係数測定装置9とを
結ぶリード線である(図3では、対向電極12cのリー
ド線のみ図示した)。これにより、測定媒体1の施工時
に予め対向電極を埋設しておく必要もなく、また測定媒
体1に対向電極が埋設されていない通常の土構造物につ
いても容易に透水係数を測定することができる。また、
上記実施の形態1と同様に、難透水地盤でも比較的短い
時間で透水係数kを求めることができるとともに、電極
間距離が把握できているので、浸透液5の浸透状況が明
確であり、かつ得られた計測結果が現地盤の性状を正確
に反映している。更に、隔壁12を設けて浸透液5の浸
透経路を制限して浸透経路が広がらないようにしたの
で、電気抵抗Rの減少傾向がより明確に検知でき、到達
時刻t1の測定精度が向上する。したがって、透水係数
の値を更に正確に求めることができる。また、浸透水5
を加圧浸透させているために斜面部でも隔壁12内を均
等に加圧することができるので、斜面を構成する土構造
物の透水試験も行うことができる。
【0019】また、本実施の形態2では、上記基準電極
8からの距離が等しい場所に複数(ここでは、2個)の
電極を設置したので、浸透液5の浸透速度にバラツキが
あった場合でも、図4に示すように、例えば基準電極8
と、対向電極12c及び対向電極12d間の電気抵抗R
c,Rdを測定することで、浸透液5の浸透速度を平均化
することができるので、上記浸透液5の到達時刻を精度
良く測定することができる。更に、深さ方向にも複数
(ここでは、3個)の電極を設置したので、それぞれの
深さでの透水係数を求めてその平均を取るなどすること
により、透水係数の値を更に正確に算出することができ
る。
【0020】なお、上記実施の形態2では、隔壁12内
の測定媒体1に浸透液5を浸透させ、基準電極8と対向
電極12a〜12fとの間の電気抵抗Ra〜Rfの時間変
化を測定するようにしたが、図5に示すように、対向電
極12a,12b間、対向電極12c,12d間、対向
電極12e,12f間の電気抵抗Rab,Rcd,Refの時
間変化を測定することにより、透水係数を求めることが
できる。すなわち、対向電極12a,12bと対向電極
12c,12dとの距離をLとし、浸透液5の新等によ
り、対向電極12a,12b間の電気抵抗Rabが所定の
抵抗値Rkとなった時刻をtab、対向電極12c,12
d間の電気抵抗Rcdが所定の抵抗値Rkとなった時刻を
cdとすると、上記実施の形態1と同様の計算により、
透水係数kacの算出式を、以下の式(6)のように求め
ることができる。 kac=n・L2/{(tcd−tab)・h} ‥‥(6) ここで、nは空隙率、hは圧力水頭である。これによ
り、図3において、基準電極8を省略しても、透水係数
kを算出できることが分かる。また、浸透液5が対向電
極12c,12d間まで到達する時刻tcd及び対向電極
12c,12d間まで到達時刻tefとからも透水係数k
ceを求め、このkceと上記kacとの平均を透水係数kと
することにより、透水係数の値を更に正確に算出するこ
とができる。
【0021】実施の形態3.上記実施の形態2において
は、隔壁12の内壁に複数の電極を設けたが、図6に示
すように、注入管6と一体に構成された隔壁13内の測
定媒体1中に互いに離反した複数の対向電極14a,1
4b,14cを備えた棒状電極14を設置し、測定媒体
1の地表面に埋め込まれた基準電極8と上記対向電極1
4a,14b,14cとの間の電気抵抗R1,R2,R3
の時間変化を測定して透水係数を求めるようにしても良
い。本実施の形態3では、基準電極8からの距離が等し
い場所に複数の電極を設置することはできないが、棒状
電極13を測定媒体1中に設置すればよいので、隔壁の
内壁に対向電極を設置するよりは簡単な構成により透水
係数を算出できるという利点を有する。
【0022】実施の形態4.上記実施の形態3において
は、測定媒体1の地表面から隔壁12内の測定媒体1へ
浸透液5を浸透させるようにしたが、図7に示すよう
に、測定媒体1中に円筒状のカラム15を差し込み、上
記カラム15と測定媒体1との間にできた隙間15sに
ポンプ5により浸透液5を流し込んで加圧浸透させ、上
記浸透液5中に設置した基準電極15dと、上記カラム
15内の測定媒体1の中心に埋設した複数の対向電極1
6dを備えた棒状電極16との間の電気抵抗Rの時間変
化を測定して測定媒体1の透水係数を求めるようにして
もよい。このように、カラム15を設置したときに出来
やすい水みちを利用することにより、透水係数の測定装
置を簡略化することができる。
【0023】実施の形態5.上記実施の形態2,3で
は、測定媒体1の地表面に埋め込まれた基準電極8と対
向電極12a〜12fまたは対向電極14a〜14cと
の間の電気抵抗の時間変化から浸透液5の到達時刻t1
を求めて透水係数kを算出するようにしたが、基準電極
8に対向しかつ基準電極8との距離が異なる電極を複数
設置した場合には、以下に示す方法で、透水係数kを算
出することができる。図6において、基準電極8と上記
対向電極14a,14b,14cとの間の電気抵抗
1,R2,R3は、基準電極8と上記対向電極14a,
14b,14cとの距離が順に大きくなっているため、
浸透液5が上記対向電極14a,14b,14cに到達
する時刻が順に遅れるので、図8のグラフに示すよう
に、抵抗の減少する傾きがR1,R2,R3の順に小さく
なる。そこで、例えば、抵抗R2が一定値となるまで減
少した時刻をt2、抵抗R3が一定値となるまで減少した
時刻をt 3とし、対向電極14bと14cとの距離をL
とすると、動水勾配iはi=h/Lであるので、空隙率
をn、実流速をV、見かけ流速Vnとすると、 Vn=n・V ‥‥(7) V=L/(t3−t ‥‥(8) Vn=k・i ‥‥(9) であるので、上記動水勾配iと、上記式(7)〜(9)
とにより、透水係数kは以下の式(10)を用いて算出
することができる。 k=Vn/i=n・V/i=n・L2/{(t3−t2)・h} ‥‥(10) したがって、浸透液5の注入開始時刻を測定しなくて
も、、透水係数kを算出することができる。なお、図3
においても、上記例と同様の方法で透水係数kを算出す
ることができることは言うまでもない。
【0024】また、上記実施の形態2と同様に、図6に
おいても、基準電極8を省略し、対向電極14aと対向
電極14bとの間の電気抵抗R12と対向電極14aと対
向電極14cとの間の電気抵抗R13の時間変化を測定
し、抵抗R12が一定値となるまで減少した時刻をt12
抵抗R13が一定値となるまで減少した時刻をt13とし、
対向電極14bと14c間の距離をLとして実流速V=
L/(t13−t12)を求め、この流速Vを用いて透水係
数kを算出するようにしてもよい。
【0025】実施の形態6.図9は、本発明の実施の形
態6に係わる原位置透水試験法とこの試験に用いられる
透水係数の測定装置を示す模式図で、本実施の形態5
は、下部にメッシュ状のストレーナー19を備えた筒状
の注入管18を測定媒体1の所定の深さに埋め込み、こ
の注入管18内の浸透液5を加圧ポンプ7により加圧
し、上記ストレーナー19から測定媒体1中に浸透させ
るとともに、上記注入管18の周囲に棒状電極20a〜
20cを埋め込み、この棒状電極20a〜20cの先端
部にそれぞれ設けられた対向電極21a〜21cと、注
入管18のストレーナー19近傍に設けられた基準電極
8と間の電気抵抗を、透水係数測定装置9の電気抵抗測
定装置10で測定し、透水係数算出手段11により透水
係数を算出するものである。本実施の形態5では、対向
電極21a〜21cと注入管18とを分離した構成とな
っているので、注入管18を小型化することができる。
また、対向電極21a〜21cを備えた棒状電極20a
〜20cを上記注入管18の周りに埋め込むだけなの
で、簡単な構成で透水係数を求めることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、土構造物から成る測定媒体内に所定の圧
力に加圧された液体を浸透させるとともに、上記液体の
浸透路となるべき部分に設けられた互いに離反した複数
の電極間の電気抵抗の時間変化を測定し、上記液体の圧
力と、上記複数の電極間の距離と、上記各電極間の抵抗
値の変化とに基づいて、上記測定媒体の透水係数を求め
るようにしたので、難透水地盤でも比較的短い時間で透
水係数kを求めることができるとともに、原位置試験で
あるため、サンプリング等の手間もなく試験体も作製す
る必要がないので、作業効率を著しく向上させることが
できる。
【0027】また、請求項2に記載の発明によれば、透
水係数を測定する測定媒体内に浸透させる液体に所定の
圧力に加圧する加圧装置と、上記液体の浸透路のそれぞ
れ異なる地点に設けられた複数の電極と、上記各電極間
の電気抵抗測定する電気抵抗測定装置とを備え、上記複
数の電極間の電気抵抗の時間変化を測定し、上記測定さ
れた電気抵抗の時間変化に基づいて上記測定媒体の透水
係数を求めるようにしたので、測定媒体が難透水地盤で
あっても、簡単な装置で、かつ短時間に透水係数をを求
めることができる。更に、電極間距離Lが把握できてい
るので、浸透液の浸透状況を明確に把握できる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、測定媒体
の下部に設けられた面状電極と液体の浸透路に設けられ
た電極との電極間の電気抵抗を測定するようにしたの
で、シートの破損等をチェックするための面状電極が設
けられている廃棄物処分場等の測定媒体の透水試験を容
易に行うことができる。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、測定媒体
中に液体の浸透路を制限する筒状の隔壁を埋め込み、液
体を上記筒部の内部の測定媒体中に加圧して浸透させる
ようにしたので、浸透経路が広がらず、したがって電気
抵抗の減少傾向の直線性が良くなり、透水係数を更に正
確に求めることができる。また、浸透水を加圧浸透させ
ているために斜面部でも隔壁内を均等に加圧することが
できるので、斜面を構成する土構造物の透水試験も行う
ことができる。
【0030】請求項5に記載の発明によれば、上記隔壁
の内壁に複数の電極を設けたので、電極位置を浸透経路
内に正確に設定でき、透水係数の測定精度を向上させる
ことができる。
【0031】請求項6に記載の発明によれば、上記隔壁
内の測定媒体中に複数の電極を設けたので、浸透経路へ
の電極の設定が容易であり、作業効率を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる原位置透水試
験法と透水係数の測定装置を示す図である。
【図2】 透水係数の算出方法を説明するための図あ
る。
【図3】 本発明の実施の形態2に係わる原位置透水試
験法と透水係数の測定装置を示す図である。
【図4】 複数の対向電極を設置した場合の対向電極と
基準電極間の電気抵抗の時間変化を示す図ある。
【図5】 複数の対向電極を設置した場合の対向電極間
の電気抵抗の時間変化を示す図ある。
【図6】 本発明の実施の形態3に係わる原位置透水試
験法と透水係数の測定装置を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態4に係わる原位置透水試
験法と透水係数の測定装置を示す図である。
【図8】 透水係数の他の算出方法を説明するための図
ある。
【図9】 本発明の実施の形態6に係わる原位置透水試
験法と透水係数の測定装置を示す図である。
【図10】 従来の原位置透水試験法を示す図である。
【符号の説明】
1 測定媒体、2 遮水シート、2D 面状電極、2L
面状電極のリード線、4 密閉用の蓋、5 浸透液、
6,18 注入管、7 加圧ポンプ、8 基準電極、8
L 基準電極のリード線、9 透水係数測定装置、10
電気抵抗測定装置、11 透水係数算出手段、11T
タイマ、12,13 隔壁、12a〜12f 対向電
極,12L 対向電極のリード線、14 棒状電極、1
4a,14b,14c 対向電極、15 カラム、15
d 基準電極、16 棒状電極、16d 対向電極、1
9 ストレーナー、20a〜20c 棒状電極、21a
〜21c 対向電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 尚人 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 Fターム(参考) 2D043 AA05 AB00 AC03 BA10 4D004 AA46 BB04 CA44 CA50 CB50 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土構造物から成る測定媒体の透水係数を
    現地において測定する原位置透水試験法であって、上記
    測定媒体内に所定の圧力に加圧された液体を浸透させる
    とともに、上記液体の浸透路となるべき部分に設けられ
    た互いに離反した複数の電極間の電気抵抗の変化を測定
    し、上記液体の圧力と、上記複数の電極間の距離と、上
    記各電極間の抵抗値の変化とに基づいて、上記測定媒体
    の透水係数を求めるようにしたことを特徴とする原位置
    透水試験法。
  2. 【請求項2】 透水係数を測定する測定媒体内に浸透さ
    せる液体に所定の圧力を加圧する加圧装置と、上記液体
    の浸透路のそれぞれ異なる地点に設けられた複数の電極
    と、上記各電極間の電気抵抗を測定する電気抵抗測定装
    置とを備えたことを特徴とする透水係数の測定装置。
  3. 【請求項3】 測定媒体の下部に面状電極を設けたこと
    を特徴とする請求項2記載の透水係数の測定装置。
  4. 【請求項4】 測定媒体中に液体の浸透路を制限する筒
    状の隔壁を埋め込み、液体を上記隔壁の内部の測定媒体
    中に加圧して浸透させるようにしたことを特徴とする請
    求項2記載の透水係数の測定装置。
  5. 【請求項5】 上記隔壁の内壁に複数の電極を設けたこ
    とを特徴とする請求項4記載の透水係数の測定装置。
  6. 【請求項6】 上記隔壁内の測定媒体中に複数の電極を
    設けたことを特徴とする請求項4記載の透水係数の測定
    装置。
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