以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施例>
図1から図4は、本発明に係る電動弁の第1実施例を示す断面図である。
図示第1実施例のパイロット式電動制御弁1Aは、例えばカーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システム等に用いられるもので、流入口110と流出口111を有する弁本体102と、回転駆動源としてのステッピングモータ150とを備えている。
ステッピングモータ150は、天井部を有する下方開口の円筒状のキャン40と、このキャン40の内周に所定の間隙αをあけて配在されたロータ130と、キャン40に外嵌されたステータ150aとを有し、キャン40内には、弁体部30aがその下端部に設けられたパイロット弁体125と、ロータ130の回転を利用してパイロット弁体125を昇降させる駆動機構としてのねじ送り機構118とが配在されている。
前記ステータ150aは、ヨーク151、ボビン152、コイル153、及びそれらを囲包むモールドカバー156等からなり、このステータ150aとロータ130とでステッピングモータ150が構成される。
弁本体102の台座状部102Gの上端外周端縁に形成された段丘部(段差部分)にキャン40の下端部が溶接されている。また、台座状部102G上部に形成された嵌合凹部143にはガイドブッシュ126の大径下部126aが圧入固定され、台座状部102Gの下部に形成された嵌合凹部144には、後述する筒状案内部材35の上部小径部35bが圧入固定されている。
前記ねじ送り機構118は、筒状のガイドブッシュ126の外周に形成された固定ねじ部(雄ねじ部)128と、下方開口の筒状の弁軸ホルダ132の内周に形成されて前記固定ねじ部128に螺合せしめられた移動ねじ部(雌ねじ部)138とで構成されている。
前記筒状のガイドブッシュ126は、嵌合凹部143にその下端部(大径下部)126aが圧入固定され、その内周にはパイロット弁体125(の下部大径部125a)が摺動自在に内挿されている。
前記弁軸ホルダ132は、パイロット弁体125及びガイドブッシュ126の外周に配在され、この弁軸ホルダ132とロータ130とは支持リング136を介して結合されるとともに、支持リング136に弁軸ホルダ132の上部突部がかしめ固定され、これにより、ロータ130、支持リング136及び弁軸ホルダ132が一体的に連結されている。
前記ガイドブッシュ126には、ストッパ機構の一方を構成する下ストッパ体(固定ストッパ)127が固着され、弁軸ホルダ132にはストッパ機構の他方を構成する上ストッパ体(移動ストッパ)137が固着されている。
また、前記ガイドブッシュ126の上部小径部126bが弁軸ホルダ132の上部に内挿されるとともに、弁軸ホルダ132の天井部132a中央に形成された挿通穴に、パイロット弁体125の上部小径部125bが挿通せしめられている。パイロット弁体125の上部小径部125bの上端部には、前記ロータ130及び弁軸ホルダ132の回転上昇に伴ってパイロット弁体125を上昇させるためのプッシュナット133が固着(圧入固定)されている。
さらに、前記パイロット弁体125は、該パイロット弁体125の上部小径部125bに外挿され、かつ、弁軸ホルダ132の天井部132aとパイロット弁体125における下部大径部125aの上端段丘面との間に縮装された弁締め切り兼緩衝用の圧縮コイルばね134によって、常時下方(閉弁方向)に付勢されている。なお、圧縮コイルばね134は、その上端部がワッシャ等のばね受け部材を介して弁軸ホルダ132の天井部132a下面に係止されている。
弁本体102の中央縦穴104の下部には、弁座111a付きの流出口111が設けられた弁座部材105が螺合固定されており、また前記流出口111に直交するように横穴状の流入口110が設けられている。
前記中央縦穴104における弁座部材105上に形成された嵌挿室24には、ピストン型の主弁体23が摺動自在に嵌挿され、該主弁体23により前記嵌挿室24が背圧室26と主弁室25とに仕切られている。主弁体23中央部には、背圧室26の圧力を流出口111へ逃がすための弁座(パイロット弁口)27a付きのパイロット通路27が設けられ、前記パイロット弁体125の弁体部30aにより前記パイロット通路27を開閉するようになっている。
より詳細には、前記嵌挿室24の上部には、主弁体23(の上部大径部23a)が摺動自在に嵌挿される断面凸形状の段付き筒状案内部材35の下部大径部35cが内挿され、嵌挿室24における主弁体23より上側に背圧室26が形成され、主弁体23より下側に主弁室25が形成されている。主弁体23は、上部大径部23aと、中間小径部23bと、弁体部23cとを有し、弁体部23cの下面側には、弁座111aに離接して流入口111を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる円環状のシール材23dが例えばかしめ固定されている。
また、主弁体23の大径部23aの上端外周部には、嵌挿室24の天井面に接当して主弁体23の最大リフト位置を定める円環状凸部23sが突設され、さらに、大径部23aの外周にはシール材(ピストンリング)23fが装着されている。また、主弁体23を上方(開弁方向)に付勢すべく、上部大径部23aと弁座111a外周部との間には、圧縮コイルばねからなる開弁ばね28が縮装されている。
上記構成に加えて、パイロット弁体125の下部大径部125aにおける弁体部30aより上側には、所定長にわたって面取り切欠部65が形成されている。また、筒状案内部材35の上部小径部35bの天井面部には、パイロット弁体125における面取り切欠部65が設けられている部分125dが摺動自在に通された挿通穴64が形成されている。
ここで、本実施例のパイロット式電動制御弁1では、主弁室25ないし流入口110の圧力を背圧室26に供給するための圧力供給通路が設けられている。具体的には、嵌挿室24の内壁面と筒状案内部材35の外壁面との間に形成される隙間107や弁本体102の台座状部102Gに形成された連通孔106を介して流入口110ないし主弁室25とキャン40内とが連通しており、さらに、キャン40内と前記背圧室26とが、ガイドブッシュ126の下部に設けられた横孔62、前記パイロット弁体125の面取り切欠部65、筒状案内部材35の挿通穴64等を介して連通するようになっている。したがって、パイロット通路27がパイロット弁体125の弁体部30aで閉じられている状態においては、流入口110、主弁室25、キャン40内、背圧室26には、高圧の冷媒が充満することになる。
また、パイロット弁体125における面取り切欠部65の下端(30t)は、パイロット弁体125の弁体部30aが流出口111を閉じている状態の前記主弁体23(のパイロット通路27の弁座27a)に対して所定量以上リフトせしめられたときに前記圧力供給通路の一部を構成する筒状案内部材35の挿通穴64を絞る(実効通路断面積を狭めて実質的に閉じる)ための絞り部30tとなっている。
したがって、挿通穴64は、パイロット弁体125の弁体部30aにより主弁体23のパイロット通路27が閉じられている状態からパイロット弁体125(弁体部30a)が所定距離リフトせしめられるまでは、前記面取り切欠部65の横断面積に略相当する面積分が開口している。パイロット通路27が閉じられている状態からパイロット弁体125(弁体部30a)が所定量リフトせしめられて、前記絞り部30tが挿通穴64下面に達すると、概ね閉じられるようになっている。
また、主弁室25の圧力をP1、背圧室26の圧力をP2、流出口111の圧力をP3、背圧室26の水平断面積(主弁体23の受圧面積)をAp、流出口111の水平断面積をAv、開弁ばね28の付勢力をPfとし、主弁体23を押し上げる力を開弁力、主弁体23を押し下げる力を閉弁力とすれば、主弁体23の開弁条件は、
閉弁力=P2×Ap<開弁力=P1×(Ap−Av)+P3×Av+Pf
となる。
このような構成とされたパイロット式電動制御弁1Aにあっては、ステータコイル153を第1の態様で通電励磁(パルス供給)することにより、ガイドブッシュ126に対し、ロータ130及び弁軸ホルダ132が一方向に回転せしめられ、ねじ送り機構118のねじ送りにより、例えば弁軸ホルダ132が下方に移動してパイロット弁体125の弁体部30aがパイロット通路27の弁口(弁座)27aに着座する。
この時点では、上ストッパ体137は未だ下ストッパ体127に当接しておらず、弁体部30aが弁座27aに着座したままロータ130及び弁軸ホルダ132はさらに回転下降する。このときは、パイロット弁体125に対して弁軸ホルダ132が下降するため、プッシュナット133から弁軸ホルダ132が離れ、圧縮コイルばね134が圧縮されることにより弁軸ホルダ132の下降力は吸収される。その後、ロータ130がさらに回転して弁軸ホルダ132が下降すると、上ストッパ体137が下ストッパ体127に衝接し、ステータコイル153に対するパルス供給が続行されても弁軸ホルダ132の下降は強制的に停止され、全閉状態(最下降位置)となる。
一方、この全閉状態からステータコイル153を第2の態様で通電励磁(パルス供給)すると、ガイドブッシュ126に対し、ロータ130及び弁軸ホルダ132が前記と逆方向に回転せしめられ、ねじ送り機構118のねじ送りにより、今度は弁軸ホルダ132が上方に移動する。この場合、弁軸ホルダ132の天井部132a上面と前記プッシュナット133の下端との間に小間隙が形成されているため、前記ロータ130及び弁軸ホルダ132が前記最下降位置から所定量回転せしめられると、図2に示される如くに、前記天井部132a上面がプッシュナット133の下端に接当して、前記パイロット弁体125を押し上げ、これに伴い、パイロット弁体125の弁体部30aが弁座27aから離れてパイロット通路27が開き、背圧室26の冷媒がパイロット通路27を介して流出口111へ逃げる。
しかし、パイロット弁体125の弁体部30aが、流出口111を閉じている状態の主弁体23(に設けられたパイロット通路27の弁座27a)に対して所定量以上リフトせしめられるまでは、パイロット通路27が開かれて背圧室26の圧力がパイロット通路27を介して流出口111に抜けるものの、このときは圧力供給通路を構成する挿通穴64が未だ絞られていないので、背圧室26にはその抜け量を補う圧力が圧力供給通路を介して補給される。そのため、背圧室26の圧力はさほど下がらず、主弁体23はリフトせず、流出口111を閉じたままである(図2に示される状態)。
そして、パイロット弁体125が所定量リフトせしめられると、図3に示される如くに、当該パイロット弁体125に設けられた絞り部30tによって圧力供給通路の一部を構成する挿通穴64が絞られ、これによって圧力供給通路を通じての背圧室26への圧力補給がほとんどなされなくなるため、背圧室26の圧力がパイロット通路27を通じて流出口111に急速に抜け、背圧室26の圧力が急激に下がる。
それによって、図4に示される如くに、主弁体23が開弁ばね28の付勢力により天井ストッパ部35sに接当するまで急速にリフトして、流出口111を開く。このときには、パイロット弁体125の弁体部30aは十分にリフトせしめられているので、主弁体23がパイロット弁体125の弁体部30aに衝突するような事態は生じない。
このように本第1実施例のパイロット式電動制御弁1Aでは、従来の制御弁に比して、主弁体のリフト量を大きくすることができるので、圧力損失を抑えることができるとともに、通電を停止しても開状態及び閉状態を維持することができ、しかも、主弁体が急激にリフトしてパイロット弁体に衝突してしまうような事態を確実に防止でき、信頼性、耐久性の向上等を図ることができる。
なお、上記実施例1では、嵌挿室24の内壁面と筒状案内部材35の外壁面との間に形成される隙間107が圧力供給通路の一部として使用されているが、圧力供給通路の実効通路断面積が足りない場合には、嵌挿室24の内壁面に所要本数の縦溝を設ける等してもよく、さらに、図5に示される如くに、例えば流入口110と弁本体102の台座状部102Gに形成された連通孔106とを結ぶように通し孔108を設けてもよい。
<第2実施例>
図6から図9は、本発明に係るパイロット式電動制御弁の第2実施例が採用された方向切換弁の一例の構成及び動作状態を示す断面図である。
図示例の方向切換弁1Bは、例えば、圧縮機からの冷媒を同時に二つの熱交換機に分配することが要求されるカーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システムにおいて2個の電磁弁に代えて用いられるもので、流入口10と二つの流出口(第1流出口11及び第2流出口12)を有する弁本体2と、回転駆動源としてのステッピングモータ15とを備えている。
弁本体2は、有底円筒状のモータ取付部2Aと穴付き円柱状の基体部2Bとからなり、モータ取付部2Aには、ステッピングモータ15が取り付けられている。このステッピングモータ15は、モータ取付部2Aに螺合固定された断面凸字状外形を有する基台部41と、該基台部41に圧入固定された円筒状の保持案内部材42と、前記基台部41にその下端部が溶接接合された冷媒密封用のキャン18と、このキャン18の内周側に配在されたロータ16と、キャン18の外周に外嵌されたステータコイル17とを有し、ステータコイル17とロータ16との間には、エアギャップαが形成されている。該モータ15内には、不思議遊星歯車式減速機構Gが付設され、モータ15の出力軸43(遊星歯車式減速機構Gの出力軸)の回転が中央挿通穴41a内で連接された連接回転軸45に伝達されるようになっている。なお、本例では遊星歯車式減速機構Gにより、ロータ16の回転を1/45程度に減速して出力するようになっている。
連接回転軸45は、モータ取付部2Aの下部円筒部41b内を通り、その下端部がモータ取付部2Aの底部2b中央に設けられたピボット穴53に支持されるとともに、その外周には直歯平歯車からなる駆動歯車50が一体に固定されている(連接回転軸45は駆動歯車50の軸部となっている)。駆動歯車50は、モータ取付部2Aの底部2b上に摺動回転自在に乗せられている。
弁本体2の基体部2Bには、上下に貫通する段付き縦穴4が左右に並設されている。図6において左側の縦穴4には、第1制御弁21が配在されるとともに、その下部に弁座11a付きの第1流出口11が設けられた弁座部材5が螺合固定され、右側の縦穴4には、第2制御弁22が配在されるとともに、その下部に弁座12a付きの第2流出口12が設けられた弁座部材5が螺合固定されている。また、基体部2Bの正面側(図の手前側)には、横穴状の流入口10が前記左右の縦穴4に共に連なるように設けられている。
第1制御弁21と第2制御弁22は、基本構成は同じで、それぞれ本発明第2実施例のパイロット式電動制御弁である。以下、第1制御弁21の方を主体に(代表して)説明する。第1制御弁21(22)は、ピストン型の主弁体23と、該主弁体23が摺動自在に嵌挿されるとともに、該主弁体23により背圧室26と主弁室25とに仕切られた嵌挿室24と、前記背圧室26の圧力を前記流出口11(12)へ逃がすためのパイロット通路27と、前記パイロット通路27を開閉するためのパイロット弁体31(32)と、を備えている。
より詳細には、前記嵌挿室24の上部には、主弁体23(の上部大径部23a)が摺動自在に嵌挿されるスリーブ24sが内嵌固定され、嵌挿室24における主弁体23より上側に背圧室26が形成され、主弁体23より下側に主弁室25が形成されている。主弁体23は、上部大径部23aと、中間小径部23bと、弁体部23cとを有し、弁体部23cの下面側には、弁座11a(12a)に離接して流出口11(12)を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる円環状のシール材23dが例えばかしめ固定されている。また、主弁体23の大径部23aの上端外周部には、嵌挿室24の天井面に接当して主弁体23の最大リフト位置を定める円環状凸部23sが突設され、さらに、大径部23aの外周にはシール材(ピストンリング)23fが装着されている。また、主弁体23を上方(開弁方向)に付勢すべく、上部大径部23aと弁座11a(12a)外周部との間には、圧縮コイルばねからなる開弁ばね28が縮装されている。
一方、主弁体23の中央部には、背圧室26の圧力を流出口11(12)へ逃がすための弁座27a付きパイロット通路27が貫設されており、このパイロット通路27を開閉すべくその弁座27aに離接するようにパイロット弁体31(32)が配在されている。
パイロット弁体31(32)は、弁座27aに離接してパイロット通路27を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる円形状のシール材30dがその下面に例えばかしめ固定された弁体部30aと、弁棒部30bと、上端小径軸部30cと、弁体部30aと弁棒部30bとの間に設けられた、縦穴4の小径段付き上縦穴部4aに摺動自在に嵌挿された大径絞り部30eとを有する。この大径絞り部30eは、流入口10の圧力を背圧室26に供給するための後述の圧力供給通路(の一部を構成するT形連通路66)を所定のタイミングで絞るためのもので、前記圧力供給通路の一部となる複数個の透孔63、63、・・・が設けられている。
そして、第1制御弁21のパイロット弁体31における弁棒部30bには、左ねじからなるおねじ部(以下、左おねじ部31eと称する)が設けられており、この左おねじ部31eは、左側の縦穴4の小径段付き上縦穴部4aに圧入等により固着された固定ナット部材33の左ねじからなるめねじ部(以下、左めねじ部33iと称する)に螺合せしめられている。本実施例では、上記左おねじ部31eが設けられたパイロット弁体31と左めねじ部33iが設けられた固定ナット部材33とで、左回り(反時計回り)に回転させると下方に移動し、右回り(時計回り)に回転させると上方に移動する左ねじ送り機構55が構成されている。
また、第1制御弁21のパイロット弁体31の上端小径軸部30cには、前記駆動歯車50に噛合する直歯平歯車からなる第1従動歯車51が一体に固定されている。
一方、第2制御弁22のパイロット弁体32における弁棒部30bには、右ねじからなるおねじ部(以下、右おねじ部32eと称する)が設けられており、この右おねじ部32eは、右側の縦穴4の小径段付き上縦穴部4aに圧入等により固着された固定ナット部材34の右ねじからなるめねじ部(以下、右めねじ部34iと称する)に螺合せしめられている。本実施例では、上記右おねじ部32eが設けられたパイロット弁体32と右めねじ部34iが設けられた固定ナット部材34とで、右回り(時計回り)に回転させると下方に移動し、左回り(反時計回り)に回転させると上方に移動する、前記左ねじ送り機構55とは送り方向が逆の右ねじ送り機構56が構成されている。
また、第2制御弁22のパイロット弁体32の上端小径軸部30cには、前記駆動歯車50に噛合する直歯平歯車からなる第2従動歯車52が一体に固定されている。
したがって、本実施例では、前記左ねじ送り機構55と、右ねじ送り機構56と、駆動歯車50と、第1従動歯車51と、第2従動歯車52とで逆動装置が構成され、第1及び第2従動歯車51、52は、それぞれ前記第1及び第2ねじ送り機構55、56のねじ送り推力により駆動歯車50に噛合しながら軸方向に摺動する。
また、本例の方向切換弁1Bでは、第1制御弁21及び第2制御弁22の主弁室25−25間に流入口10が形成されており、流入口10は第1制御弁21及び第2制御弁22の主弁室25、25にそれぞれ連通するとともに、弁本体2の中央部に設けられたT形連通路66を介して上縦穴部4aにも連通せしめられ、さらにパイロット通路27、27(二つのうちの一方は必ず開いている)やねじ送り機構55、56のおねじ−めねじ間隙等を介して上縦穴部4aやモータ取付部2Aの下部円筒部41b内にも連通しており、したがって、流入口10、左右の両主弁室25、25、上縦穴部4a、4aや下部円筒部41b内等は、高圧(等圧)の冷媒が充満することになる。
このような構成とされた方向切換弁1Bにおいては、モータ15に所定態様で通電して駆動歯車50を例えば反時計回りに回転させると、従動歯車51、52は時計回りに回転しながら軸方向(上下方向)に摺動し、これにより、第1制御弁21のパイロット弁体31は左ねじ送り機構55のねじ送りにより上方に移動し、第2制御弁22のパイロット弁体32は右ねじ送り機構56により下方に移動し、逆に、駆動歯車50を例えば時計回りに回転させると、従動歯車51、52は反時計回りに回転しながら軸方向(上下方向)に摺動し、これにより、第1制御弁21のパイロット弁体31は左ねじ送り機構55のねじ送りにより下方に移動し、第2制御弁22のパイロット弁体32は右ねじ送り機構56により上方に移動する。
次に、方向切換弁1Bの動作を、まず、本発明の特徴部を構成する大径絞り部30eやT形連通路66が無いものと仮定して説明する。図6に示される如くに、第2制御弁22のパイロット弁体32がパイロット通路27を閉じて、第1制御弁21(第1流出口11)が全開の状態(この状態では、流入口10からの冷媒は第1流出口11へのみ流れる)とすると、この状態から、モータ50に所定態様で通電して駆動歯車50を所定角度時計回りに回転させると、第1制御弁21のパイロット弁体31は左ねじ送り機構55のねじ送りにより下降ししてパイロット通路27を閉じ、第2制御弁22のパイロット弁体32は右ねじ送り機構56により最上昇位置へ移動してパイロット通路27を開く。これにより、第2制御弁22においては[閉弁力<開弁力]となり、主弁体23は、その円環状凸部23sが天井ストッパ部35sに接当する最大リフト位置まで上昇し、第2流出口12が全開となる。それに対し、第1制御弁21においては、[閉弁力>開弁力]となり、主弁体23は第1流出口11を閉じる。そのため、この状態では、流入口10からの冷媒は第2流出口12へのみ流れる。
次に、上記パイロット弁体32が最上昇位置にある状態(第2流出口12のみが開いている状態)から、モータ50に所定態様で通電して駆動歯車50を前記所定角度の半分程度反時計回りに回転させると、第1制御弁21のパイロット弁体31は左ねじ送り機構55のねじ送りにより上方に前記した開閉動作時の半分程度移動し、第2制御弁22のパイロット弁体32は右ねじ送り機構56により下方に前記した開閉動作時の半分程度移動し、両パイロット弁体31、32の高さ位置が略同じとなり、両パイロット通路27が開かれた状態となる。そのため、このときは、第1制御弁21、第2制御弁22が共に全開とされ、流入口10からの冷媒は第1流入口11及び第2流出口12の両方へ流れる。
なお、前記した開閉動作終了後、モータ15への通電は停止されるが、二つの制御弁21、22は上記状態を維持する。
以上のように、本実施例の方向切換弁1Bにおいては、ステッピングモータ15と二つの制御弁21、22との間に、二つの制御弁21、22を相互に逆方向に開閉駆動すべく、送り方向が逆の二つねじ送り機構55、56を持つ逆動装置が設けられているので、二つの制御弁21、22のパイロット弁体31、32を相互に逆方向に移動させることができ、これにより、二つの流出口11、12を選択的に開閉できるとともに、二つのねじ送り機構55、56を特定状態で停止させることにより、二つの制御弁21、22(二つの流出口11、12)を共に全開にすることができる。
そのため、例えば圧縮機からの冷媒を同時に二つの熱交換機に分配することが要求されるヒートポンプ式冷暖房システムに当該方向切換弁1Bを2個の電磁弁に代えて用いることができる。この場合、本実施形態の方向切換弁1Bでは、二つの流出口11、12を共に全開にした後は、通電せずとも全開状態が維持されるので、2個の電磁弁を用いる場合に比して省エネ化等が図られる。
次に、本発明の特徴部を構成する大径絞り部30eやT形連通路66を設けている場合の動作並びに作用効果を、第2制御弁22を代表して説明する。
図6に示されている如くの、パイロット弁体30:閉、圧力供給通路:開、主弁体23:閉の状態から、駆動歯車50を例えば時計回りに回転させて、第2制御弁22のパイロット弁体32を上方に移動させると、図7に示される如くに、パイロット弁体32が弁座27aから離れてパイロット通路27が開き、背圧室26の冷媒がパイロット通路27を介して流出口12へ逃げる。
しかし、パイロット弁体32が、流出口12を閉じている状態の主弁体23(に設けられたパイロット通路27の弁座27a)に対して所定量以上リフトせしめられるまでは、パイロット通路27が開かれて背圧室26の圧力がパイロット通路27を介して流出口111に抜けるものの、このときは圧力供給通路を構成するT形連通路66(の一端側開口)が未だ絞られていないので、背圧室26にはその抜け量を補う圧力が圧力供給通路を構成するT形連通路66や大径絞り部30eに形成された透孔63を介して補給される。そのため、背圧室26の圧力はさほど下がらず、主弁体23はリフトせず、流出口12を閉じたままである(図7に示される状態)。
そして、パイロット弁体30が所定量リフトせしめられると、図8に示される如くに、当該パイロット弁体30に設けられた大径絞り部30eによって圧力供給通路の一部を構成するT形連通路66(の一端側開口)が絞られ、これによって圧力供給通路を通じての背圧室26への圧力補給がほとんどなされなくなるため、背圧室26の圧力がパイロット通路27を通じて流出口12に急速に抜け、背圧室26の圧力が急激に下がる。
それによって、図9に示される如くに、主弁体23が開弁ばね28の付勢力により急速にリフトして、流出口12を開く。このときには、パイロット弁体30は十分にリフトせしめられているので、主弁体23がパイロット弁体30に衝突するような事態は生じず、従って、本第2実施例においても、第1実施例と略同様な作用効果が得られる。
<第3実施例>
図10から図13は、本発明に係るパイロット式電動制御弁の第3実施例が採用された方向切換弁の一例の構成及び動作状態を示す断面図である。
図示例の方向切換弁1Cは、図6から図9に示される方向切換弁1Bと同様に、例えば圧縮機からの冷媒を同時に二つの熱交換機に分配することが要求されるカーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システムにおいて2個の電磁弁に代えて用いられるもので、流入口10と二つの流出口(第1流出口11及び第2流出口12)を有する弁本体2と、回転駆動源としてのステッピングモータ(図示は省略されているが、図6から図9に示される方向切換弁1Bのステッピングモータ15と略同様な構成)とを備えており、図6から図9に示される方向切換弁1Bの各部に対応する部分には同一ないし類似した符号が付されている。
弁本体2は、天井部付き円筒状の上側ハウジング2Aと有底円筒状の下側ハウジング2Bとを有し、上側ハウジング2A内には上部室3が画成され、下側ハウジング2Bには、その正面側に横穴状の流入口10が設けられるとともに、その下面側に縦穴状の第1流出口11及び第2流出口12が設けられている。
上側ハウジング2Aの正面側には、図示はされていないが横に寝かせた状態でステッピングモータが取り付けられており、このステッピングモータの出力軸(不思議遊星歯車式減速機構の出力軸)の回転が、上側ハウジング2Aに回動自在に支持された連結回動軸45に伝達されるようになっている。
連結回動軸45には、シーソー型揺動アーム50が圧入、スプライン嵌合、接着接合等により一体的に固定されている。このシーソー型揺動アーム50は、前記モータの回転軸線Oを支点としており、上記連結回動軸45に外嵌固定された短円筒状の中央部50Cと、該中央部50から側方に左右対称的に突出する同長のアーム部50A、50Bとからなっており、各アーム部50A、50Bの外端部50dには、横方向に伸びる長穴52が形成されている。
下側ハウジング2Bは、上下に貫通する段付き縦穴状の下部室4が左右に並設されている。左側の下部室4には、第1制御弁20Aが配在されるとともに、その下部に弁座11a付きの前記第1流出口11が設けられ、右側の下部室4には、第2制御弁20Bが配在されるとともに、その下部に弁座12a付きの前記第2流出口12が設けられている。
第1制御弁20Aと第2制御弁20Bは、基本構成は同じで、それぞれ本発明第3実施例のパイロット式電動制御弁である。以下、第1制御弁20Aの方を主体に(代表して)説明する。第1制御弁20A(20B)は、ピストン型の主弁体23と、該主弁体23が摺動自在に嵌挿されるとともに、該主弁体23により背圧室26と主弁室25とに仕切られた嵌挿室24と、前記背圧室26の圧力を前記流出口11(12)へ逃がすためのパイロット通路27と、前記シーソー型揺動アーム50の外端付近に連結された弁棒部30bを有する、前記パイロット通路27を開閉するためのパイロット弁体30と、該パイロット弁体30が摺動自在に嵌挿される筒状案内部材35と、を備えている。
より詳細には、筒状案内部材35は、段付き円筒状とされ、下から順に、前記下部室4の上部に嵌め込まれてかしめ固定され、その内周に前記主弁体23が摺動自在に嵌挿される大径部35c(前記嵌挿室24の上部を画成)と、中間部35bと、パイロット弁体30が摺動自在に嵌挿される小径案内部35aとからなっている。
前記嵌挿室24における主弁体23より上側に背圧室26が形成され、主弁体23より下側に主弁室25が形成されている。主弁体23は、上部大径部23aと、中間小径部23bと、弁体部23cとを有し、弁体部23cの下面側には、弁座11a(12a)に離接して流出口11(12)を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる円環状のシール材23dがかしめ固定されている。また、主弁体23の大径部23aの上端外周部には、筒状案内部材35(嵌挿室24)の天井ストッパ部35sに接当して主弁体23の最大リフト位置を定める円環状凸部23sが突設され、さらに、大径部23aの外周にはシール材(ピストンリング)23fが装着されている。また、主弁体23を上方(開弁方向)に付勢すべく、上部大径部23aと弁座11a(12a)外周部との間には、圧縮コイルばねからなる開弁ばね28が縮装されている。
一方、主弁体23の中央部には、背圧室26の圧力を流出口11(12)へ逃がすための弁座27a付きパイロット通路27が貫設されており、このパイロット通路27を開閉すべくその弁座27aに離接するようにパイロット弁体30が前記筒状案内部材35に上下方向に摺動自在に嵌挿されている。パイロット弁体30は、弁体部30aと該弁体部30aより小径の弁棒部30bとを有し、弁体部30aの下面側には、弁座27aに離接してパイロット通路27を開閉する、ゴムあるいはテフロン(登録商標)等からなる円形状のシール材30dが例えばかしめ固定されている。
一方、パイロット弁体30の弁棒部30bは、前記シーソー型揺動アーム50の左右方向の外端部50dに横倒しコ字状の連結部材36を介して連結されている。詳細には、弁棒部30bの上端には凸部30gが突設され、この凸部30gに連結部材36の底辺部36bが圧入、接着接合等により固定され、連結部材36の両側板部36a、36aの間に前記シーソー型揺動アーム50の外端部50dが挿入されている。連結部材36の両側板部36a−36a間には、ピン53が厚肉中央部50dに形成され長穴52を通した状態で圧入等により架設されている。
したがって、例えばシーソー型揺動アーム50の両アーム部50A、50Bが共に水平の状態(位置)から、該揺動アーム50を時計回りに回転(揺動)させると、左側のアーム部50Aの外端部に連結された第1制御弁20Aのパイロット弁体30が引き上げられるとともに、右側のアーム部50Bの外端部に連結された第2制御弁20Bのパイロット弁体30が押し下げられる。本実施例においては、シーソー型揺動アーム50は、例えば両アーム部50A、50Bが共に水平位置から上下に最大で20度ずつ合計40度の範囲内で回動(揺動)せしめられるようになっている。
上記構成に加えて、パイロット弁体30における弁体部30aより上側(すなわち弁棒部30b)には、所定長にわたって第1実施例と同様な面取り切欠部30jが形成されている。また、筒状案内部材35の最上部の小径案内部35aには、パイロット弁体30における面取り切欠部30jが設けられている部分が摺動自在に通された挿通穴35fが形成されている。
ここで、本実施例では、主弁室25ないし流入口10の圧力を背圧室26に供給するための圧力供給通路が設けられている。具体的には、弁本体2(嵌挿室24)の内壁面と筒状案内部材35の外壁面との間に形成される隙間や弁本体2に形成された連通孔7等を介して流入口10ないし主弁室25と上部室3とが連通しており、さらに、上部室3と前記背圧室26とが、前記パイロット弁体30の面取り切欠部30j、筒状案内部材35の最上部の小径案内部35aの挿通穴35fとパイロット弁体30外周面との間に形成される隙間等を介して連通するようになっている。したがって、パイロット通路27がパイロット弁体30で閉じられている状態においては、流入口10、主弁室25、上部室3内、背圧室26には、高圧の冷媒が充満することになる。
また、パイロット弁体30における面取り切欠部30jの下端(30k)は、パイロット弁体30の弁体部30aが流出口11(12)を閉じている状態の前記主弁体23(のパイロット通路27の弁座27a)に対して所定量以上リフトせしめられたときに前記圧力供給通路の一部を構成する筒状案内部材35の挿通穴35fを絞る(実効通路断面積を狭めて実質的に閉じる)ための絞り部30kとなっている。
したがって、挿通穴35fは、パイロット弁体30の弁体部30aにより主弁体23のパイロット通路27が閉じられている状態からパイロット弁体30(弁体部30a)が所定距離リフトせしめられるまでは、前記面取り切欠部30jの横断面積に略相当する面積分が開口している。パイロット通路27が閉じられている状態からパイロット弁体30(弁体部30a)が所定量リフトせしめられて、前記絞り部30kが挿通穴35fに挿入されると、概ね閉じられるようになっている。
このような構成とされた方向切換弁1Cにおいては、モータに所定態様で通電して、シーソー型揺動アーム50(の両アーム部50A、50B)を揺動させることにより、前述した方向切換弁1Bと同様に第1制御弁20A及び第2制御弁20Bのパイロット弁体30を相互に逆方向に昇降させてそれぞれのパイロット通路27を開閉するようになっており、方向切換弁としての機能は、前述した方向切換弁1Bと略同じであるので、その動作説明を省略する。
次に、主弁室25ないし流入口10の圧力を背圧室26に供給するための圧力供給通路を構成するように、筒状案内部材35に挿通穴35fを設けるとともに、パイロット弁体30に面取り切欠部30jを設け、さらに、パイロット弁体30に圧力供給通路(挿通穴35f)を絞るための絞り部30kを設けたことによる作用効果を、第2制御弁22を代表して説明する。
図10に示されている如くの、パイロット弁体30:閉、圧力供給通路:開、主弁体23:閉の状態から、第2制御弁22のパイロット弁体32を上方に移動させると、図11に示される如くに、パイロット弁体32が弁座27aから離れてパイロット通路27が開き、背圧室26の冷媒がパイロット通路27を介して流出口12へ逃げる。
しかし、パイロット弁体32が、流出口12を閉じている状態の主弁体23(に設けられたパイロット通路27の弁座27a)に対して所定量以上リフトせしめられるまでは、パイロット通路27が開かれて背圧室26の圧力がパイロット通路27を介して流出口111に抜けるものの、このときは圧力供給通路を構成する挿通穴35fが未だ絞られていないので、背圧室26にはその抜け量を補う圧力が圧力供給通路を構成する挿通穴35f、面取り切欠部30jを介して補給される。そのため、背圧室26の圧力はさほど下がらず、主弁体23はリフトせず、流出口12を閉じたままである(図11に示される状態)。
そして、パイロット弁体30が所定量リフトせしめられると、図12に示される如くに、当該パイロット弁体30に設けられた絞り部30kによって圧力供給通路の一部を構成する挿通穴35fが絞られ、これによって圧力供給通路を通じての背圧室26への圧力補給がほとんどなされなくなるため、背圧室26の圧力がパイロット通路27を通じて流出口12に急速に抜け、背圧室26の圧力が急激に下がる。
それによって、図13に示される如くに、主弁体23が開弁ばね28の付勢力により急速にリフトして、流出口12を開く。このときには、パイロット弁体30は十分にリフトせしめられているので、主弁体23がパイロット弁体30に衝突するような事態は生じず、従って、本第3実施例においても、第1実施例と略同様な作用効果が得られる。
なお、上記例の方向切換弁1B、1Cでは、二つの制御弁20A、20Bは共にパイロット式の弁形態をとるものであったが、図14に示される方向切換弁1C’のように、左側の第1制御弁20A’を直動型のもの代えてもよい。この第1制御弁20A’は、比較的小口径の第2流出口11’を開閉する弁体部30a’と弁棒部30b’とを備えた弁体30’が前述したパイロット弁体30と同様にシーソー型揺動アーム50の左側のアーム部50Aの外端に連結されており、シーソー型揺動アーム50を上記例と同様に所定角度範囲内で回動させることにより、二つの流出口11’、12を選択的に開閉できるとともに、シーソー型揺動アーム50を水平位置で停止させることにより、二つの制御弁20A’、20B(二つの流出口11’、12)を共に全開にすることができ、上記例と同様な効果を奏する。また、第1制御弁20A’は、シーソー型揺動アーム50の回動角度に応じて第2流出口12’の実効開口面積(開度)をリニヤに変えることができるので、流量制御弁として使用することができる。
また、上記した実施例では、パイロット弁体30の弁体部30aはポペット型(平形)のものが用いられているが、これに代えて弁体部をニードル型のものとすれば、パイロット通路27を通じて流量が小量であるときの流量制御を行うことができる。
図15は、ステッピングモータにより揺動せしめられる揺動アーム50’により単一のパイロット弁体30を昇降させるようにした例を示している(方向切換弁1Cの右半分と同じ)。
図16は、本発明に係るパイロット式電動制御弁の第4実施例の構成を示す断面図であり、図1と同一の符号は同一又は同等部分を表している。
この第4実施例は、図1〜図4に関して前述した第1実施例の変形例である。すなわち、第1実施例(図1)では面取り切欠部65の下端である絞り部30tは、該面取り切欠部65とほぼ垂直に形成されているが、この実施例では、面取り切欠部65の下部は、その切欠部の深さが徐々に浅くなるように、パイロット弁体125の中心軸に対して傾斜する絞り部30uとされている。
この構成によれば、図16の状態からパイロット弁体125を引き上げると、絞り部30uの作用により、挿通穴64とパイロット弁体125との間の間隙が徐々に狭まり、パイロット通路27を通過する流体の流量を徐々に絞ることができる。この結果、絞り部30uの最下部が挿通穴64に達して主弁体23が上昇するまでの間、パイロット弁体125の昇降により絞り量を緩やかに可変することができ、微少流量制御を行うことができる。つまり、この実施例におけるパイロット式電動制御弁1Eでは、パイロット弁体125の昇降による微少流量制御モードと、主弁体23を開とさせた大流量モードとの2つのモードを得ることができる。
このような絞り部30uは、前述した各実施例にも適用可能である。