JP5880911B2 - 分注装置等におけるシリンダユニット - Google Patents

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Description

本発明は、分注装置、分析装置等において、リニア駆動機構によりピストン駆動するプランジャによって、容器内の検体、試液等の液体をノズルチップ内等に定量吸入し、吐出するためのシリンダユニットに関する。
通常、検体の分析プロセス等においては、試薬の分注、容器の移動、容器内検体の反応、撹拌等に際し、精度の高い位置決めを行う必要があり、例えば、試薬等の液体を複数の容器に分配状に注入する分注装置、試験管内の検体を磁力伝達により回転する撹拌子により撹拌する攪拌装置、各種センサを近接停止して容器内検体の分析や、反応促進する分析装置などが知られている。これらの多くの装置は、コギングや速度ムラが少なく、また、リニアスケール(リニアエンコーダ)を用いて精度良く位置決めできるリニア駆動機構によって作動体を直線動作するようになっており、例えば、分注装置では、試液の吐出口や吸入口となるプランジャを直線動作させるリニア駆動機構が設けられる(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、従来の分注装置のリニア駆動機構は、特許文献1、2に開示されたもののように、プランジャの外周に複数のマグネット(可動子)を設け、該マグネットに外嵌して設けられた複数のコイルの励磁によって、プランジャを直線的に駆動するよう構成されているため、プランジャをピストン駆動するにあたり、プランジャに外装されたマグネット(可動子)とシリンダとの間に、シリンダ内の移動ストローク量と同等の移動ストローク量を確保し、プランジャを長尺のものとしなければリニア駆動することができないばかりか、シリンダ内の移動ストローク量が長くなることに比例して、マグネット(可動子)とシリンダ間のストローク量も長く設定しなければならず、それに伴うリニア駆動機構自体の大型化を招来し、部品点数の増加やコスト高の要因となって、コンパクト化することができず、長ストロークを必要とする分注装置や、シリンダユニットを複数並設したシリンダブロックを必要とする分注装置に採用することができないという不都合がある。

特開2002−364526号公報 特開2006−038661号公報 特開2003−180828号公報
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、リニア駆動機構によりプランジャをピストン駆動させて、試液をノズルチップ内等に吸入し、吐出するものでありながら、マグネットとシリンダとの間におけるストローク域を設定する必要がなくなり、コイルの励磁により推力を受けるマグネット管部を、フロント杆部と共にシリンダ内部への通過移動が許容されたプランジャとして機能できるようにし、シリンダ内におけるピストンストローク域が長くなっても対応することができ、コイルユニット管の外径をシリンダの筒径と略同径に設定するなど、リニア駆動機構の小型化や構造の簡略化を図り、長ストロークを必要とする分注装置や、シリンダユニットを複数並設したシリンダブロックを備える分注装置に採用することができる分注装置等におけるシリンダユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が採用した技術手段は、先端側にノズルチップが装着可能なシリンダと、該シリンダ内に密封嵌装されて駆動機構によりピストン駆動するプランジャとによって、所定の液体を定量吸入し、これを任意に定量吐出する分注装置等におけるシリンダユニットであって、前記シリンダには、その筒内に連通して、前記プランジャをスライド自在に外嵌する複数のコイルを内周部に並設せしめたコイルユニット管を連設せしめる一方、前記プランジャは、複数のマグネットが直列状に挿入配列された可動子としてのマグネット管部と、該マグネット管部の先端側と後端側に設けられるフロント杆部とエンド杆部とを備え、前記コイルユニット管とマグネット管部とによってリニア駆動機構を構成せしめると共に前記マグネット管部は、前記コイルユニット管内で前記コイルの励磁による推力を受けて可動子としてピストン駆動するようその先端側をシリンダに近接し又は内部に臨ませて配置せしめ、該マグネット管部の先端側がコイルの励磁推力を受けて移動することによって、その励磁を受けなくなった先端側領域を、前記コイルユニット管内からシリンダ内部へ通過せしめて、前記フロント杆部と共にシリンダ内を往復移動させることで、液体をノズルチップ内に吸入し、吐出するプランジャとして機能すべく構成たことを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、リニア駆動機構によりプランジャをピストン駆動させて、液体をノズルチップ内等に吸入し、吐出するものでありながら、マグネットとシリンダとの間におけるストローク域を設定する必要がなくなり、コイルの励磁により推力を受ける可動子としてのマグネット管部を、フロント杆部と共に円筒マグネットがコイルの励磁を受けなくなった領域をも、シリンダ内部への通過移動が許容され、プランジャとして機能させることができ、コイルと共にマグネット管部の先端側をシリンダに近接し或いは内部にませて配置することが可能となるばかりか、円筒マグネットを備えるマグネット管部を長尺に設定しても、その後端側に対し、シリンダの近接位置にまで及ぶコイルの励磁推力を与えながら移動することが可能となり、シリンダ内におけるピストンストローク域が長くなっても、マグネット管部の長さをコイルの励磁推力を受ける範囲に応じて可変するだけで長ストロークに対応することができ、しかも、コイルユニット管の外径をシリンダの筒径と略同径に設定するなど、リニア駆動機構の小型化や構造の簡略化、省スペース化が図られるだけでなく、両者が一本の筒状管体として一体化されたシリンダユニットとして構成することができ、もって、長ストロークを必要とする分注装置や、シリンダユニットを複数並設したシリンダブロックを備える分注装置に採用することができる。
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示する分注装置等におけるシリンダユニットを図面に基づいて詳細に説明する。図1は、分注装置に設けられるシリンダユニットの断面図である。この図に示すように、分注装置に装着されるシリンダユニット1は、先端にノズルチップ2が装着されるシリンダ11と、シリンダ11内に密封嵌装されてリニア駆動機構3によりピストン駆動するプランジャ12とから構成され、基台71に取り付けられたブラケット7に装着されている。
そして、シリンダユニット1は、図示しない作動機構により基台71、ブラケット7や他の構成部材と共に分注テーブルにセットされた所定のノズルチップ2やカートリッジ容器の配置部位に対し精度良く位置決めし、ノズルチップ2を同時に挿入保持し、カートリッジなどの容器に対し所定量の薬液を分配状に同時に注入出すべく前後、左右、上下方向の任意に夫々動作可能に構成されている。また、挿入保持されたノズルチップ2は、下動するイジェクト板により容易に外せるようになっており、これら分注装置における基本的構成は概略公知である。
前記シリンダ11は、細シリンダと太シリンダを一体的に結合し、細シリンダの先端部にノズルチップ2を嵌挿保持するチップ保持部114が形成されており、シリンダ11の内部は、ノズルチップ2側の細筒(細管)領域112とプランジャ12側の太筒(太管)領域113とに区画形成されており、その外観も細径と太径の外径にて形成されている。細筒領域112は、内径が略2mm程度で前記プランジャ12のピストン駆動によるシリンダ11内の内圧通過路として構成され、太筒領域113は、内径が略12mm程度で、形成されるプランジャ12の外径変化に伴うピストン駆動で試液の吸入量と吐出量を調整する調整領域として構成されている。
なお、細筒領域112および太筒領域113の内径設定や配設割合、シリンダ11自体の長さや太さ、形状は任意であり、シリンダ11の先端側にノズルチップ2に換えて流体供給管や注射針を装着し、シリンダ11内に直接液体を吸入し、吐出するようにしても良い。
また、シリンダ11は、太筒領域113の筒内に連通して、プランジャ12をスライド自在に外嵌する複数のコイル311を内周部に並設されたコイルユニット管31に溶着することで連設されている。コイルユニット管31は、シリンダ11の外径と同一に設定されており、両者は一本の筒状体として一体化された外観を呈している。なお、溶着によらず螺合手段や分離型として基台71にシリンダホルダを設け(特開2004−198166号公報参照)て取り替え可能に構成しても良い。
各コイル311は、予めドーナツ状に巻線形成されたものを、筒状部材312の胴部に都合9個嵌挿配設し、3相駆動のためのU相、V相、W相の3個のコイル311を1組として3組の組数による各コイルブロックにて構成される。なお、コイル311の組数は任意であり、各相のコイル311同士をそれぞれ直列または並列に接続せしめた所定のパターンによって結線されており、ブラケット7からリード線315を介して外部に引き出される。また、各コイル311の間には、図示しないドーナツ状の絶縁紙や絶縁樹脂シートなどを介在させても良い。
筒状部材312は、コイルブロックの両側に配設されたコイル311の端面からそれぞれ突出する余長部31a、31aが延出形成されており、この両側の余長部31aの外周域に、それぞれコイル311を抜け止め規制し、補強する断面視略L字状の樹脂製リング部材313が挿着できるようになっている。本実施例では、この様に筒状部材312に、予め各コイル311とリング部材313を組付けておき、コイルユニット管31内に容易に挿入セットできるよう構成されている。
また、分注装置においては、一般的にプランジャ12を精度良くピストン駆動させる必要があることから、本実施例では、リング部材313を、コイル311の抜け止め規制・補強部材としてだけでなく、滑り軸受としての機能を持たせて軸受部材に兼用し、プランジャ12を軸架してある。なお、その様な高精度の嵌め合い公差をもって案内支持する必要がない場合に、軸受部材をプランジャ12の所定ストローク区間に設け筒状部材312の内周部で案内支持して、プランジャ12の後端部が筒状部材312内に没入してもスライド案内することが可能となっており、また、軸受部材をリング部材313と別体のものを用いて良いことは勿論である。
一方、プランジャ12は、複数の円筒マグネット32がそれぞれ同極が対向(N極とN極又はS極とS極が対向)するように6個直列状に挿入配列された可動子として機能するマグネット管部121と、該マグネット管部121の先端側と後端側を塞ぐフロント杆部122とエンド杆部123とで構成される。マグネット管部121は、0.5mm程度の非磁性体ステンレス管(アルミニウム合金、銅合金、チタン、樹脂等の非磁性体でもよい)内に複数の円筒マグネット32を互いの磁極が対向するように直列状に配列されて、コイルユニット管31と共にリニア駆動機構3を構成している。なお、円筒マグネット32は、その中心に孔が穿設されているドーナツ状の磁石でも良い。
この様にリニア駆動機構3を構成すると、プランジャ12は、その中間部となるマグネット管部121に対して、始動位置から終動位置に至る所定ストロークを間を、3相コイル311…を組とするコイルブロック毎に、或いは、中間のコイルブロックと、上側または下側のコイルブロックを組として、順次に切換え励磁制御されてリニア駆動することができる。この様に円筒マグネット32とコイル311とを多数配設した構成をもってリニア駆動することにより、例えば、マグネット管部121がシリンダ11内に下動した際、或いは、シリンダ11を取替えするなどのメンテ作業時に上動させた際に、それぞれエンド杆部123やフロント杆部122がコイルユニット管31内に没入してコイル311内周域に位置し、円筒マグネット32がコイル311の励磁を受けない区間があってもリニア駆動することができる。なお、円筒マグネット32とコイル311(コイルブロック)の配設数は、プランジャ12の移動ストロークに応じて、その励磁により均等な推力が与えられるように設定すれば良く、コイルブロック全体で励磁するようにしても良い。
フロント杆部122とエンド杆部123は、それぞれ円柱形状を有しマグネット管部121と外径を同じくしてステンレス管に嵌着されるが、ステンレス管自体を延出形成しても良く、その長さは任意である。また、フロント杆部122は、その基端側で螺合手段を介して取り替え可能に構成しておき、外径の異なるフロント杆部122を数種用意することで、使用される試液の性質等に応じて任意に選択されたフロント杆部122の外径に基づいて、太筒領域113の内径(内周面)とフロント杆部122の外径(外周面)との間に形成される空域変化により、ピストン駆動に伴うシリンダ内圧を異ならしめて液体の吸入量と吐出量の定量値を調整するように取替えセットできるようにしても良い。
エンド杆部123は、プランジャ12がストローク動作中において、プランジャ12がどの位置においても常にその一部がコイルユニット管31から露出する長さを有し、コイルユニット管31の後端側から露出(突出)せしめてコイルユニット管31内に出没可能に構成され、その突出領域となる外周対向面がD字状(円弧状)に2面切欠きした断面視太鼓状に形成されており、その2面の切欠面側をコイルユニット管31の後端部に設けられた支持部材314に回り止め案内することでスライド可能に案内支持される。また、切欠の一面には、長手方向に亘ってスケール41(位置情報記憶部)が並設されている。このスケール41の対向面となるブラケット7に、スケール41の移動軌跡を読み取るセンサ42(位置情報読み取り部)を配設させることでリニアスケール4を構成し、センサ42でスケール41に記憶された位置情報を読み取ることによりプランジャ12の移動位置を検出し、検出された位置情報は、リード線45により、フィードバック信号として図示しないモータドライバへ送られる。なお、本実施例ではリニアスケールとして、インクリメンタル形の磁気式リニアスケールを採用している。また、スケール41の後端側に隣接して原点検出子(ICなど)51が設けられ、センサ42に原点センサ52を設け、スケール41の原点位置をリード線45を介して検出するようになっている。原点センサ52は、スケール41の原点位置に設けられる原点検出子51をセンサ42とは異なる方式で検出するものであり、例えば、反射式の光学センサを用いて構成することができる。
6はOリングホルダー61と共に密封手段を構成するOリングであり、該Oリング6は、シリンダ11の上部内周に設けられたOリングホルダー61に内装されており、プランジャ12の外径変化に対応してそのリンク径の異なるものが用いられ、プランジャ12をシリンダ11へ密封嵌装させる。なお、Oリングホルダー61は、シリンダ11に着脱可能な螺入手段、または接着、溶着などの固着手段により一体的に取り付けられている。
叙述の如く構成された本発明の実施例の形態において、リニア駆動機構によりプランジャ12をピストン駆動させて、所定の液体(血液や試液)をノズルチップ2内或いはシリンダ11内に定量吸入し、これを他の1つの容器或いは複数の容器等に対して、小分けに定量吐出する分注作業を行うのであるが、本発明のシリンダユニット1におけるシリンダ11には、その筒内に連通して、プランジャ12をスライド自在に外嵌する複数のコイル311を内周部に並設せしめたコイルユニット管31を連設せしめる一方、プランジャ12は、複数の円筒マグネット32が直列状に挿入配列された可動子としてのマグネット管部121と、該マグネット管部121の先端側と後端側に設けられるフロント杆部122とエンド杆部123とを備え、コイルユニット管31とマグネット管部121とによってリニア駆動機構を構成せしめると共にマグネット管部121は、コイルユニット管31内でコイル311の励磁によるピストン駆動するようその先端側をシリンダ11に近接し又は内部に臨ませて配置せしめ、該マグネット管部121の先端側がコイル311の励磁推力を受けて移動することによって、その励磁を受けなくなったマグネット管部121の先端側領域を、コイルユニット管31内からシリンダ11内部へ通過せしめてフロント杆部122と共にシリンダ11内を往復移動させることで、液体をノズルチップ2内に吸入し、吐出するプランジャとして機能すべく構成してある。
このように構成することにより、リニア駆動機構によりプランジャ12をピストン駆動させて、液体をノズルチップ2内等に吸入し、吐出するものでありながら、円筒マグネット32とシリンダ11との間におけるストローク域を設定する必要がなくなり、コイル311の励磁により推力を受ける可動子としてのマグネット管部121を、フロント杆部122と共に円筒マグネット32がコイルの励磁を受けなくなった領域をも、シリンダ11内部への通過移動が許容されたプランジャ12として機能させることができ、コイル311と共にマグネット管部121(円筒マグネット32)の先端側をシリンダ11に近接し或いは内部にませて配置することが可能となるばかりか、円筒マグネット32を備えるマグネット管部121を長尺に設定しても、その後端側に対し、シリンダの近接位置にまで及ぶコイル311の励磁推力を与えながら移動することが可能となり、シリンダ11内におけるピストンストローク域が長くなっても、マグネット管部121の長さをコイル311の励磁推力を受ける範囲に応じて可変するだけで長ストロークに対応することができる。
例えば、マグネット管部121がシリンダ11内に下動した際、或いは、シリンダ11を取替えするなどのメンテ作業時に上動させた際に、それぞれエンド杆部123やフロント杆部122がコイルユニット管31内に没入してコイル311内周域に位置し、円筒マグネット32がコイル311の励磁を受けない区間があってもリニア駆動することができる。しかも、コイルユニット管31の外径をシリンダ11の筒径と略同径に設定するなど、リニア駆動機構3の小型化や構造の簡略化、省スペース化が図られるだけでなく、両者が一本の筒状管体として一体化されたシリンダユニット1として構成することができ、もって、長ストロークを必要とする分注装置や、シリンダユニット1を複数並設したシリンダブロックを備える分注装置に採用することができる。
特に、シリンダユニット1を複数並設したシリンダブロックを備える分注装置に採用するにあたり、例えば、特開2010−107352号公報に開示たれたのものように、各シリンダ11を近接配置させたシリンダブロックの構成にも対応することが可能となり、各プランジャ12は独立して制御できるので、これらを一体駆動するプランジャブロックの構成と同様に、各リニア駆動機構3により一体的にピストン駆動する制御を行うことができるだけでなく、各リニア駆動機構3を個別に制御して、任意の組のシリンダユニット1では定量吸入動作を行わせ、他の任意の組のシリンダユニット1では定量吐出動作を行わせるなど、吸入と吐出を個々別々に行う共同動作制御も可能となる。
また、各コイル311は、プランジャ12をスライド自在に嵌挿せしめる筒状部材312の胴部に、3相コイルを組として巻線形成されるコイルブロックを複数並設せしめて、該筒状部材312と共にコイルユニット管31内に挿入セットされており、その両側に、コイル311(コイルブロック)両端部から延出する余長部31aを備え、該余長部31aのそれぞれにリング部材313が設けられているので、筒状部材312に、予め各コイル311とリング部材313を組付けておき、コイルユニット管31内に容易に挿入セットすることができるばかりか、リング部材313を、コイル311の抜け止め規制・補強部材としてだけでなく、軸受機能を持たせて軸受部材に兼用し、プランジャ12を軸架することができ、部品点数を削減することができる。
しかも、筒状部材312の内周部でプランジャ12を案内支持して、プランジャ12の後端部が筒状部材312内に没入してもスライド案内することも可能となり、シリンダ11(太筒領域113)の内径を筒状部材312の内径と同径に設定して、コイルユニット管31自体をシリンダ11としての機能を持たせることができ、ピストンストローク域を更に長く設定することができる。その際、筒状部材312自体(下側余長部31a)を細筒領域112にまで延出形成し、シリンダ11と一体化することも可能となり、所謂シリンダ11の外周にコイルユニット管31を配設した構成とし得る。なお、この様に構成した場合には、位置検知手段を特許文献3に開示されたもののように外部に設ければよく、廻り止め手段もプランジャ12(エンド杆部123)の後端に案内片を設けて、ブラケット7に案内溝を設けるなど適宜に構成すればよく、後ろ側のリング部材313の軸受機能をそのままに、Oリング6を、フロント杆部122の先端部と、コイルユニット管31(筒状部材312)の後端部に設けるようにすれば良い。
また、エンド杆部123は、フロント杆部122がシリンダ11内を往復移動可能な長さを有し、コイルユニット管31内にその後端側で回り止め案内されながら、コイルユニット管31の後端側から露出せしめて出没可能に構成され、プランジャ12の移動位置を、露出するエンド杆部123に設けられたスケール41と、該スケール41の移動軌跡を読み取るよう対向状に配置されたセンサ42とからなるリニアスケール4により検出するよう構成されているので、エンド杆部123を、マグネット管部121後端側の塞ぎ機能だけでなく、回り止め機能とスケール41の配設機能を持たせることができ、外部に設けるものに比し、部品点数の削減と構造の小型簡素化を図ることができる。
(A)はシリンダユニットの要部断面図、(B)はプランジャの下動状態を示す要部断面図。
1 シリンダユニット
11 シリンダ
112 細筒領域
113 太筒領域
114 チップ保持部
12 プランジャ
121 マグネット管部
122 フロント杆部
123 エンド杆部
2 ノズルチップ
3 リニア駆動機構
31 コイルユニット管
311 コイル
312 筒状部材
31a 余長部
313 リング部材
314 支持部材
315 リード線
32 円筒マグネット
4 リニアスケール
41 スケール
42 センサ
45 リード線
51 原点検出子
52 原点センサ
6 Oリング
61 Oリングホルダー
7 ブラケット
71 基台

Claims (8)

  1. 先端側にノズルチップが装着可能なシリンダと、該シリンダ内に密封嵌装されて駆動機構によりピストン駆動するプランジャとによって、所定の液体を定量吸入し、これを任意に定量吐出する分注装置等におけるシリンダユニットであって、
    前記シリンダには、その筒内に連通して、前記プランジャをスライド自在に外嵌する複数のコイルを内周部に並設せしめたコイルユニット管を連設せしめる一方、
    前記プランジャは、複数のマグネットが直列状に挿入配列された可動子としてのマグネット管部と、該マグネット管部の先端側と後端側に設けられるフロント杆部とエンド杆部とを備え、前記コイルユニット管とマグネット管部とによってリニア駆動機構を構成せしめると共に
    前記マグネット管部は、前記コイルユニット管内で前記コイルの励磁による推力を受けて可動子としてピストン駆動するようその先端側をシリンダに近接し又は内部に臨ませて配置せしめ、
    該マグネット管部の先端側がコイルの励磁推力を受けて移動することによって、その励磁を受けなくなった先端側領域を、前記コイルユニット管内からシリンダ内部へ通過せしめて、前記フロント杆部と共にシリンダ内を往復移動させることで、液体をノズルチップ内に吸入し、吐出するプランジャとして機能すべく構成したことを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  2. 請求項1において、前記各コイルは、前記プランジャをスライド自在に嵌挿せしめる筒状部材の胴部に、3相コイルを組として巻線形成されるコイルブロックを複数並設せしめて、該筒状部材と共に前記コイルユニット管内に挿入セットされていることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  3. 請求項1または2において、前記エンド杆部は、前記フロント杆部が前記シリンダ内を往復移動可能な長さを有し、前記コイルユニット管内にその後端側で回り止め案内されながら出没可能に構成されていることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記プランジャの移動変位量又は絶対位置を、前記エンド杆部に設けられたスケールと、該スケールの近傍に設けられ、これをセンシングするヘッドとからなるリニアスケールにより検出するよう構成されていることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、前記プランジャのシリンダへの密封嵌装は、前記コイルユニット管側の前記シリンダ内に設けられた密封手段により行われることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  6. 請求項2乃至4の何れかにおいて、前記筒状部材は、その両側に、前記コイル両端部から延出する余長部を備え、該余長部のそれぞれにリング部材が設けられていることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  7. 請求項1乃至6の何れかにおいて、前記シリンダユニットは、シリンダブロックを備えるよう複数並設せしめ、全記各シリンダに配されるプランジャを独立制御可能に構成したことを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
  8. 請求項7において、前記シリンダユニットは、各プランジャが一体的にピストン駆動するブロック制御、或いは、個別または任意の組のプランジャ毎にピストン駆動する吸入と吐出の共同動作制御を可能に構成されることを特徴とする分注装置等におけるシリンダユニット。
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